JP2000516194A - 環状フィルタを備えた遠心分離装置 - Google Patents

環状フィルタを備えた遠心分離装置

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JP2000516194A JP08519111A JP51911196A JP2000516194A JP 2000516194 A JP2000516194 A JP 2000516194A JP 08519111 A JP08519111 A JP 08519111A JP 51911196 A JP51911196 A JP 51911196A JP 2000516194 A JP2000516194 A JP 2000516194A
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ホルム,ニルス・エリック
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Abstract

(57)【要約】 中心軸を中心とする遠心分離によってフィブリンモノマー等の成分を血液から分離するための装置。この装置は、外円筒壁(72)と内円筒壁(71)と上壁(73)と底壁(74)とによって形成された第1環状室であって外円筒壁(72)と内円筒壁(71)とは回転軸を中心として同軸的に設けられた第1環状室(70)を有する。この底壁は、第1環状室内で変位可能に設けられたピストン(55)によって形成されている。この装置は、さらに、第1室の下に設けられ第1流路(4)を通して第1室と連絡する第2室(75)を備える。この装置は、また、その他の円筒壁(72)と、第1室の底壁(74)と、他の底壁(76)とによって形成されている。この装置は、また、第2チャンバ内に設けられ分離を促進する各組成を収容するための複数のコンパートメントを有するカプセル(45)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 環状フィルタを備えた遠心分離装置 技術分野 本願発明は、たとえば、プラスマからフィブリンモノマー等の成分を分離する ための遠心分離装置(遠心分離機)に関し、この方法は、プラスマ(血漿)を1 つ以上の試薬(reagents)で処理し該試薬が該プラスマを収容する適切 な反応室に案内されるようにする方法であってそのような試薬が従って新規な遠 心分離装置と方法とによって所望の生成物(product)から除去されるよ うにする方法に関する。背景技術 欧州特許第592,242号公報(EP−PSNo.592,242)には、 フィブリンモノマーを含有する組成剤(配合剤、コンパウンド)を含む所定箇所 に接して当該ステップと同時にこのモノマーをフィブリンポリマーに変換させる 全く新規なフィブリンシーラント用の方法及び組成剤が記載されている。この「 フィブリン」という用語は、フィブリンIや、フィブリンIIとして、及び/又 は、デス(des)ββフィブリンとして定義される。 さらに、米国特許出願第155,984号明細書から、たとえば、血液からフ ィブリンモノマー等のコンポーネントを分離するための方法が知られている。種 々の特定の重量(重要性、gravities)を有する幾つかのコンポーネン トを含む液体の当該コンポーネントを分離するためのこの方法は、血液を装置の 第1室(第1チャンバ)内に集めるステップを有している。当該第1室は、実質 的に軸対称な外壁と内壁とによって形成されている。装置は当該チャンバの対称 軸を中心として回転せしめられ、これによって、その血液は遠心分離作用を受け る。これにより、血液のコンポーネント(成分)とコンポーネントとの間に、同 心の界面(インターフェース)が形成される。プラスマ等の血液のコンポーネン トの少なくとも1つは、続いて、装置内の第2室(第2チャンバ)に移動(流動 )せしめられる。この移動は、好ましくは、装置の遠心分離が継続している間に 、第1室の容積を減じることによって行われる。この実質的に軸対称になってい る内 壁は、第1室内に設けられており、これにより、すべての血液がその分離に必要 な遠心分離の回転(の影響)が確実に受けられるようになっている。この内壁の 半径は、所望の回転速度に対応するように構成されている。 第2室において、架橋していないフィブリンポリマーを含む部分は、適切な酵 素の手段によってプラスマから分離され、続いて、フィブリンモノマーに再分解 (redissolved)され、そして、第2室の容積を減じることにより、 フィルターを通してシリンジへ移動(流動)せしめられる。 しかしながら、上記タイプの装置における濾過(filtration)の方 法のみによっては、たとえば、血液からフィブリンIを分離する等のコンポーネ ントの分離において満足のいく結果が得られない、ということが判明した。これ は、主として、第2室内においてフィブリンIを含んでいる部分について満足の いく分離を保証することが困難であるという事実に基づいている。従って、液体 (流体)の部分が、方法の連続ステップ時に第2室から第1室に続いて流動せし められている間に、フィブリンIの比較的大きい血中含有量が失われることにな る。 また、初期のファブリンモノマーの方法において、適切な酵素を含んでいるプ ラスマ内のフィブリノーゲンの上記処理により、架橋していないフィブリンポリ マーが形成された。このフィブリンポリマーは、第2室の底に厚いゲルの塊の形 態をなしている。所望のファブリンモノマー溶液を形成するために、実質的な撹 拌剤(アジテーション、agitation)と結合した有意な量の再溶解緩衝 剤(再分解緩衝剤、redissolving buffer)が必要とされた 。この結果、幾つかの欠点(障害)が生じた。第1に、たとえば欧州特許第59 2,242号公報に記載されているようなフィブリンシーラントとして用いられ るための、好ましいフィブリンモノマーの方法は、濃縮されたフィブリンモノマ ー溶液と、そのゲル塊を分解(溶解)させるために必要とされる多量の再溶解緩 衝剤つまり溶剤(溶媒)とを必要とし、これにより、同じように機能しない希釈 溶液が形成された。さらに、このゲル塊をフィブリンモノマー溶液内に溶解させ るのに必要とされる実質的な撹拌剤(アジテーション、agitation)は 、装 置及びフィブリンそのものに損傷を生じさせる可能性がある。名称が「フィブリ ンI等のコンポーネントを血液疾患から分離するための方法及び装置」である本 願との同時継続出願には、円筒形状のチャンバ(室、部屋)内で、遠心分離装置 にかけられている間に、架橋していないフィブリンポリマーをプラスマの部分か ら分離するための方法を含む発明が開示されている。上記方法において、架橋し ていないフィブリンポリマーは、チャンバの外壁状に沈殿(沈積、沈着、dep osit)せしめられるようになっており、その後、チャンバ内に集められた残 りの液体部分が、そのチャンバから取り除かれるようになっている。そして、そ の室内に残っておりその壁に実質的に沈積している、架橋していないフィブリン ポリマーを有するその部分は、溶剤(溶媒)を添加することによって、また、遠 心分離によって、溶解せしめられるようになっている。 酵素を含むプラスマの処理は、遠心分離が継続している間に実行されるため、 結果的に形成される架橋していないフィブリンポリマーに作用する遠心分離力に より、チャンバの周方向壁に実質的に粘着する薄いゲルフィルムとして堆積(沈 積、precipitated)する。その残りのプラスマ流体は、遠心分離が 停止せしめられたときにチャンバの底に沈殿し、あらゆる便利な手段によって取 り除かれることができる。所望のフィブリンモノマー溶液は、その後、適切な再 溶解緩衝剤溶液をチャンバ内に案内しゲルでコーティングされたチャンバ内の緩 衝剤を遠心分離することによって形成される。この方法は、従来の方法に対して 利点を有する。第1に、架橋していないゲルを緩衝剤溶液によって再溶解(re dissolving)することは、従来の方法で用いられていたフィブリンゲ ル塊に比較して同一容積のフィブリンゲルの表面積が大きいために、きわめて効 果的である。従って、そのゲルは、少量の再溶解緩衝剤(redissolvi ng buffer)をもって溶解せしめられることができ、この結果、所望の 濃縮されたフィブリンモノマー溶液が形成される。さらに、ゲルがコーティング されたチャンバ内に収容された緩衝剤溶液に作用する遠心分離作用は、装置や、 フィブリンモノマー製品(fibrin monomer product)に 損傷を与えない、比較的に適当な方法である。 上記同時継続出願の発明(copending invention)は、ま た、装置の第1環状室に対する、好ましくは抗凝血剤の存在における血液の供給 に関連する方法を含んでいる。そこでは、この環状室は、円筒形状の外壁と、円 筒形状の内壁とによって形成されており、該両壁は、上壁と底壁と同様に、共通 軸を中心として同軸的に延在している。そこでは、上壁又は底壁は、第1室内で 変位可能なピストン本体によって形成されている。この方法は、さらに、上記共 通軸を中心として遠心分離させて、血液を実質的に細胞部分(cell fra ction)と、プラスマ部分とに分離させ、外円筒壁により形成された第2室 に対してピストンを移動させている間に該プラスマ部分が流動せしめられるよう にすることを含む。そこでは、この外円筒壁は、上記共通軸に対して同軸的に延 在している。これによって、架橋していないフィブリンポリマーを含む部分は、 適切な酵素が添加されている間に第2室内で分離せしめられる。この方法は、遠 心分離中に、フィブリノーゲンを含有するプラスマが酵素の影響を受けるように したことを特徴としている。この結果、架橋していないフィブリンポリマーは、 第2室の円筒形状の外壁上に沈殿(沈積、deposited)する。この後、 第2室の底に溜まったその液状部分は、第1室に対するピストン本体により移動 せしめられ、流動(移動、transfer)せしめられる。第2室内に残って おり実質的に円筒壁に沈積しているところの架橋していないフィブリンポリマー を含む部分は、溶剤(溶媒)の添加(追加)及び遠心分離動作(centrif ugal agitation)により溶解する。この後、必要時には、酵素が 取り除かれることができ、そのようにして形成されたフィブリンモノマー溶液は 、あらゆる所望の受け容器に流動せしめられる。 従って、上記溶液を収集するに当たっての無菌状態(aseptic con dition)は、容易に維持される。上記フィブリンモノマーが溶解せしめら れた後、それは、従来技術に記載されている如くさらなる使用のためにシリンジ 等の受け容器に案内される。その案内前に、酵素は、あらゆる便利な手段によっ て取り除かれることができる。 上記同時継続出願は、さらに、回転の中心軸を中心とする遠心分離によって、 コンポーネントを液体から分離するための装置を開示している。これは、円筒形 状の外壁と、円筒形状の内壁とにより形成された第1環状室を備えている。該壁 部は、上壁と底壁と同様に、上記回転軸を中心として同軸的に設けられている。 底壁は、第1室内で変位可能なピストン本体により形成されている。この装置は 、さらに、第1導管を通して第1室と連絡する第2室を備えている。この第2室 は、上記回転軸を中心として設けられたた円筒形状の外壁と、上記ピストン本体 と、底壁とにより形成されている。上記第2室は、遠心分離時に、第1室の下に 位置するように構成されている。この装置は、また、血液を第1室に供給するた めの血液供給手段と、少なくとも1つの液体収容容器の接続用受け手段(収容手 段)と同様に、その分離を促進する成分を供給するための配合剤供給手段(組成 剤供給手段、コンパウンド供給手段、composition feeding means)とを備えている。その収容手段は、第2導管を通して、第2室と 連絡している。好ましい実施形態において、そのピストンロッドは、第2室の内 壁をなしている。 上記同時継続出願に係る方法を実施するためのこの進歩性を有する装置は、第 1導管が、第1室の上壁に設けられた開口と、第2室の底壁に設けられた開口と の間に延在する少なくとも1つの溝を有することを特徴とする。 結果として、比較的簡単であり、しかも、ピストンの位置からは独立した(ピ ストンの位置には影響を受けない)装置が提供される。これにより、一方のチャ ンバから他方のチャンバへ問題となっている(液体、液状)部分の容易かつ速や かな流動、及び、特に、フィブリンIを含有する部分が分離された後の第2チャ ンバから第1チャンバへの液状部分の容易かつ速やかな流動、が保証される。後 者は、特に、その遠心分離が停止せしめられたときに、液体が第2チャンバの底 で自動的に濃縮されるという事実に基づいている。そこでは、それは、第1チャ ンバに、移動するピストンによって、容易に流動(tranfer)せしめられ ることができる。 上記同時継続出願の発明によれば、上記少なくとも1つの溝が、第1室及び第 2室における上記円筒状外壁の内部を通って延在することが特に好ましい。この 結果、装置は、特に、簡単になり、しかも製造が容易になる。 さらに、第2室の底壁に設けられた溝の開口が、当該底壁によって形成されて いる凹部に関連して、チャンバの中央に設けられることが可能である。結果的に 、問題となっている液状部分(液体部分、fluid fraction)は、 上記溝の入り口開口に直接的に容易かつ速やかに案内される。あるいは、各溝は 、ピストン本体を通して直線的に延在する筒(パイプ)であって第1室の上壁及 び第2室の底壁における端部に夫々固定された筒(パイプ)により形成されるこ とができる。これにより、それは、各チャンバに端部を有する溝部分に連絡する 。 加えて、第1室及び第2室は、特に単純な方法で、共通の円筒形状の外壁を備 えることができる。この共通の円筒形状の外壁は、相互に密閉状態で適合(フィ ット)すると共にその間に軸方向に延在する溝を形成する外円筒と内円筒とによ り形成される。当該円筒の一端は、ピストン本体に接続するピストン・ロッドの 通過を許容する開口を有する末端壁により構成されることできる。このピストン 本体は、第1室の底壁をなし、そして、該ピストン本体により、第1室は第2室 から分離される。そこでは、上記溝は、ピストン・ロッドに隣接する開口に対す る円筒の端部壁間に延在する。 そのような装置と方法とを使用するに当たって、血液のプラスマ内に含まれて いる所望の成分(コンポーネント)を分離したり処理(処置)するための適切な 試薬(reagents)が、第2室内に予め案内(preloaded)され ていた。たとえば、欧州特許第592,242号公報には、ビオチンアビジン捕 捉システム(biotin−avidin capture system)が 開示されている。このシステムは、所望の溶液からバトロクソビン(batro xobin)を取り除くために、便利に用いられることができる。そのビオチン バトロクソビン(batroxobin)は、プラスマに含まれるフィブリノー ゲンと反応させて、それを(直ちにフィブリンポリマーに変化するところの)フ ィブリンモノマーに変換するために、第2室内に収容されていることが要求され る。その後、ビオチンアビジンシステムを用いてビオチン化バドロクソビン(b atroxobin)を捕捉するために、たとえばアガロースに結合するアビジ ンが、 第2室内になければならない。閉鎖式自動遠心分離装置(closed aut omated centrifuge device)において、これらの薬剤 は、血液が処理(processing)される前に装置内に収容されている必 要がある。ビオチン化バドロクソビン(batroxobin)や、アビジンア ガロースを、同一のチャンバ内に予め収容することは、困難である。なぜなら、 アビジンのビオチンに対する高い親和力(親和性、affinity)により、 十分な量の酵素が、必要とされるフィブリノーゲンと先ず反応することが防止さ れるからである。ビオチンは、酵素の捕捉に必要なものである。 これと共に同時継続出願され、(発明の)名称が「環状フィルタを備えた遠心 分離装置(遠心分離機)」である第2の出願には、1つ、またはそれ以上の試薬 (reagents)を反応室内に容易に収容することができ、そのような試薬 を所望の順序により解放させることが可能な装置が記載されている。好ましくは 、上記同時継続出願に記載されているタイプの装置と共に使用されるとき、酵素 や、酵素を捕捉する組成剤(配合剤、コンポジション、composition )等の試薬は、所望時に解放されることができる。上記目的を満足させる点にお いて、この発明によれば、カプセルが第2室内に設けられ、その分離を促進する 各配合剤を収容するための複数のコンパートメントを備えたことを特徴とする装 置が提供される。このカプセルは、上記コンパートメントを閉じる閉じ手段を備 えている。一方、このカプセルは、コンパートメントの内容物を解放するべく順 次開くように構成されたピストンにより作動せしめられる。 そのようなカプセルにより、簡単かつ容易な方法で、フィブリンIの分離に必 要な物質を供給することが可能になる。このカプセルには、好ましくは、予め、 それらの物質が供給されている。加えて、その供給されたコンパートメントによ り、問題となっている、所望の均一の量が許容される。上記バドロクソビン(b atroxobin)は、好ましくは、アビジンの手段による使用の後にバトロ クソビン(batroxobin)酵素が容易に捕捉されるようにするビオチン との化学的関連において、1つのコンパートメント内に収容され、アビジンは、 従って、比較的大きな粒子の形態のアガロースとの化学的関連において、第2コ ンパートメント内に収容される。アビジンに対するビオチンの高い親和力により 、ビオチン化バトロクソビン(batroxobin)複合体/アビジンアガロ ース粒子は、順次、容易に、フィブリンI溶液から濾過によって取り除かれる。 それらの各コンパートメント内に2つの物質を収容することにより、所望時に、 ピストンを移動させることによって1回分づつの物質(substances) を供給することが可能になっている。上記物質や、上記組成剤(コンポジション 、compositions)や、ビオチン/バトロクソビン(batroxo bin)は、夫々、また、アビジン/アガロースは、あらゆる便利な形態、たと えば、凍結乾燥されたパウダー形態で用いられることができる。 上記同時継続出願の試薬搬送システム(reagent delivery system)の発明によれば、上記カプセルは、第2室の内部に同軸的に設け られ中央に位置するハブであって、互いに間を置いて設けられた3つの径方向デ ィスクを支持するハブを備えることが特に好ましい。この3つの径方向ディスク は、コンパートメント内にパーテーションを形成する。この3つの径方向ディス クは、その外周側の外形が実質的に同一である。そして、閉じ手段(閉鎖手段) が、移動可能(変位可能)なスリーブ状本体によって形成される。これらの径方 向ディスクは、しかし、その周囲において密閉されている。 上記変位可能(移動可能)なスリーブ状本体を作動させるべく、本願発明に係 るピストンは、カプセル上のスリーブ状本体と協働する下部スカートを備えるこ とが有利である。これにより、スリーブ状本体は段階的に変位(移動)せしめら れ、該本体は、カプセル内に設けられたコンパートメントの内容物を解放するべ く順次開かれる。 上記同時継続出願の試薬搬送システムによれば、このカプセルは、隣接する第 3室に対する軸方向流路に関連して備えられることができる。このカプセルのス リーブ状本体の外側は、少なくとも該本体が初期に変位せしめられた後、この軸 方向流路の側壁に密閉状態で接する。これにより、スリーブ状本体がピストンに より最終的に変位せしめられて最も下に位置する隔壁(隔壁、partitio n)の外周との係合が解放された後、カプセルの最も下に位置する隔壁(隔膜、 partition)により、流体(液体)は第2室から第3室へ自由に流動す る。この方法により、カプセルは、本願装置の有利な方法におけるさらなる部分 を構成すると共に、該カプセルは、フィブリンIの分離時に、本願装置のそのさ らなる動作を補助する。 さらに、この装置の一体化部分を形成するように、本発明によれば、カプセル のハブは、軸方向の貫通路を備えることができ、また、このハブは、その低位置 にある第3室の底部の中央に設けられた上方突出部に取り付けられることができ る。この底に位置する貫通路は、溝システム(チャネル・システム)を通して、 第3室の外側の環状コンパートメントとの間で液体が流動するように連絡してい る。上記ハブの上端は、ピストン本体の軸流路に対して密閉状態で接続されるよ うに構成されており、従って、そこに確実に取り付けられることができる流体( 液体)の受け容器(収容容器)に接続されるように構成されている。 所望の生成溶液(product solution)から1つ又はそれ以上 の試薬(reagents)を取り除くために、結果的に形成される(得られる )フィブリンI溶液の部分は、上記ピストンを動作させている間、フィルター( 濾過装置)を通してシリンジ内に案内される。結果として、フィブリンIの溶液 は、フィルターを通して強制的に押しやられる。この間に、当該分離を加速する ために混合された酵素や他の物質は、フィルターにより保持される。この結果得 られるフィブリンIは、しかしながら、血液サンプル内に含まれているフィブリ ンIの量と比較すれば、完全に満足のいくものではない。発明の開示 従って、本願発明の1つの目的は、その取り扱われるタイプの装置の手段によ ってフィブリンIの高収率(高収量)を達成することが可能な方法を提供するこ とである。 上記目的を満足させるべく、本願発明によれば、第2室内に留まっている流体 部分(液体部分、液状部分、liquid fraction)の当該部分が、 液体(流体)収容容器に流動せしめられる前に、他のチャンバと共に軸方向に備 えられている第3室内に移動せしめられることを特徴とする方法が提供される。 当該第3室内に収容されてたその流体は、遠心分離中に、環状フィルターを通過 し、これにより、その流体は、上記流体収容部材に接続されるように構成されて いる環状の外側コンパートメント内に流動する。結果として、フィブリンI溶液 は、遠心分離力の影響をうけて、フィルター(濾過装置)を通過せしめられるこ とができる。これは、ピストンの手段によって濾過するよりも、随分と、さらに 効果的である。 この発明は、さらに、上記方法を実施するための装置に関する。この進歩性を 有する装置は、外円筒壁と内円筒壁とにより形成された第1環状室を備える。当 該両壁は、回転軸を中心として同軸的に設けられている。また、この第1環状室 は、上壁と底壁とを備える。当該上壁又は底壁は、第1室内で変位(移動)可能 なピストン本体により形成されている。この装置は、さらに、第1流路を通して 第1室と連絡し上記回転軸を中心として同軸的に設けられた外円筒壁と、上記第 1室の底壁と、他の底壁とによって形成された第2室を備えている。この第2室 は、遠心分離時に、第1室の下に配置されるように構成されている。この装置は 、また、血液を第1室に供給するための血液供給手段と、少なくとも1つの流体 収容容器を接続するための収容手段(受け手段)と同様に、上記分離を促進する ための配合剤を供給するための配合剤供給手段(成分供給手段、composi tion feeding means)とを備えている。この収容手段は、第 2流路を通して、上記第2室に連絡している。 本発明によれば、この装置は、上記第2流路が、第2室と、それに対して同軸 的に設けられ外部から開けることが可能な第2室に対する流路を備えた第3室に 連絡していることを特徴としている。この第3室は、内コンパートメントと外環 状コンパートメントとを備えている。当該コンパートメントは、軸方向に延在す る周囲流路を通して相互に連絡しており、該周囲流路内には、上記分離を促進す るのに使用される望ましくない内容物(ingredients)を含む流体が 通過することを防止するために、環状フィルターが設けられている。 本発明によれば、上記第2室と第3室との間に位置する流路は、該第2,3室 に対して同軸的に設けられることができ、カプセルの手段によって閉じられる。 このカプセルは、発明の名称が「遠心分離試薬搬送システム」である上記特許出 願に開示されている。このカプセルは、第2室に同軸的に設けられた中央ハブを 備えており、該ハブは、間隔を置いて隔てられた複数の径方向ディスクを支持し ている。当該径方向ディスクは、カプセル内の複数のコンパートメントにおける 隔壁(仕切り壁)をなす。当該ディスクの外周は、同一である。外側において、 コンパートメントは、変位可能な密閉式スリーブ状本体の手段によって閉じられ ており、その外側は、軸方向流路の側壁に密閉状態で接するように構成されてい る。カプセルの最も下の隔壁をなすディスクは、上記スリーブ状本体を上記ピス トンにより軸方向に変位させて該本体をその最も下の隔壁の周囲との係合から解 放することにより、流体が第2室から第3室内に自由に通過することを許容する 。結果として、第2室内でフィブリンIの分離を促進するための必要な物質を供 給するのに既に用いられているカプセルの手段により、問題となっているフィル ターに対する容易かつ単純なアクセスが得られる。 このカプセルは、好ましくは、ピストン本体により作動せしめられる。このピ ストン本体は、カプセルのスリーブ状本体と同軸的に延在する下部スカートを備 えている。この下部スカートは、ピストン本体が下方向に押圧されたときに、該 本体と係合するように構成されている。このピストン本体の下方への押圧により 、カプセルの各コンパートメントは、適切な瞬間に、順次、開かれ、最終的に、 流体を第2室から第3室内に流動させるべく開かれる。 フィブリンI溶液をシリンジ等の流体収容容器(液体収容容器)へ流動させる ために、本発明によれば、カプセルのハブは、軸方向の貫通路を備えることがで き、該ハブは、下に位置する第3室の底中央に構成されている上方向突起に取り 付けられることができる。この貫通路は、溝システム(チャネル・システム)を 通して、第3室の外環状コンパートメントと液体が流動するように連絡している 。上記ハブの上端は、ピストン本体の流路に密閉状態で接続されてその中に確保 されることができる流体収容容器に接続されるように構成されることができる。 最後に、本発明によれば、カプセルのハブは、スリーブの手段により第3室の 底に設けられた突起(突出部)に取り付けられることができる。このスリーブは 、 その各端で、ハブと突起を夫々取り囲む。このスリーブは、周囲側外方向に突出 する壁部を備えることができる。該壁面の外周と、第2室の底壁との間には、上 記環状フィルターが取り付けられる。上記スリーブの上記外方向に突出する壁部 は、第3室の底から所定距離を置いて備えられる。上記スリーブのこの外方向に 突出する壁部は、外環状コンパートメントに対する接続部をなすと共に、上記突 出部の内側及びスリーブの隣接する内側との間にハブの上記貫通穴に連絡(接続 )するところの軸方向に延在する溝をなす。その結果として構成された装置は、 特に単純(簡単)である。 本発明の方法は、個々の血液成分(コンポーネント)や、そのような成分を含 む溶液を分離したり隔離したりするための改良型プロセスに関する。しかしなが ら、この方法は、円筒形状の遠心分離装置に適用可能なあらゆる処理(処置)に ふさわしい。そこにおいて、第1溶液は、遠心分離時に、1つ又はそれ以上の触 媒、或いは試薬、をもって取り扱われる。 他の血液処理(処置、procedure)は、そのような方法から利益を受 けることが可能であるが、当該血液処理は、多血小板プラスマや、血小板濃縮物 、クリオプレシピテートフィブリノーゲン(cryoprecipitated fibrinogen)や、トロンビン等のプラスマ内に含まれる他のタンパ ク質や、フィブロネクチン等のいずれかの血液成分の分離に限定されるものでは ない。好ましくは、その血液は、単一の供血者(ドナー)からのものであり、最 も好ましくは、その血液は、その血液成分(コンポーネント)が施されるであろ う同一の者からのものである。 この方法は、これ以降、フィブリンモノマー溶液の形成について記載され、一 方、本発明の視野は、当該技術に精通した者には理解されるであろうように、そ れに限定されるべきものではない。 ここに用いられるように、「遠心分離動作(遠心分離による撹拌、centr ifugal agitation)」という用語は、本装置の動作について言 及される。この装置において、再溶解緩衝剤溶液(再分解緩衝剤溶液、redi ssolving buffer solution)は、架橋していないフィ ブリンポリマーゲル等の中間生成物(intermediate produc t)を再溶解(再分解)するために、上記外チャンバ壁から案内される。そのよ うな動作や、遠心分離動作は、ゲルのすべての露出面積が上記再溶解する溶液に 影響されるようにすることを保証するべく遠心分離を含むことができ、また、好 ましくは、同一方向に停止したり開始したりする回転を伴ったり、そして/ある いは、逆方向に停止したり開始したりする回転を伴ったりするような遠心分離を 含む。典型的な遠心分離動作は、これに限定されるものではないが、あらゆる所 望の時間長さ、繰り返される正逆サイクルで2000〜5000RPMで、5〜 30秒間回転させること、好ましくは、5〜10秒間回転させることを含む。こ の方法において、1〜2分間、繰り返される正逆サイクルで約3000RPMで 、5〜10秒間回転させることが好ましい。上記の如く、これは、その溶剤を初 期に分配するために、たとえば、20秒間、又はそれ以上の間、やや、より長い 回転に先立たれることができる。 ここで用いている「フィブリン」いう用語は、フィブリンI、フィブリンII や、デス(des)ββフィブリンに言及したものである。 ここに開示したところの遠心分離環状フィルタシステムを用いる本装置により 、所望の生成溶液(product solution)から1つ又はそれ以上 の試薬を取り出すための効率的(効果的、能率的)で正確な方法が提供される。 これは、2つ又はそれ以上の試薬が順次反応室内に案内されそしてそれ故に当該 2つ又はそれ以上の試薬が取り除かれる必要がある血液分離技術に用いられる独 立閉鎖式自動遠心分離装置(closed,self−contained,a utomated centrifuges)において、特に極めて重要なこと である。たとえば、新規なフィブリンシーラントに用いるべく、フィブリンモノ マーを含有する溶液を形成するためのここに記載した好ましい方法及び装置にお いて、アビジンアガロースに従われるビオチン化バトロクソビン(batrox obin)がプラスマを収容しているチャンバ内に順次案内されることによって 、そのような溶液を準備する極めて洗練された方法が提供される。図面の簡単な説明 本願装置及び本願方法の好ましい実施形態を、図面を参照しながら記載する。 図1は、本願発明の好ましい第1実施形態の軸方向断面図である。 図2は、本願発明の好ましい第2実施形態の軸方向断面図である。 本願装置は、全血液を所望の血液成分、好ましくは、たとえばフィブリンシー ラント(密閉剤、密閉用物質)として有益な自系成分(autologous components)、に変換することが可能な単一の閉鎖式自動装置である 。本願発明の好ましい実施形態の記載 好ましくは、この遠心分離環状フィルタ・システムは、上記参照した出願に記 載の装置と共に用いられる。それは、従って、そのような装置と共に用いられる ものとして、以下に記載される。しかし、それは、1つ又はそれ以上の試薬の取 り除きを必要とするあらゆる反応室装置で用いられることができるものであるこ とが理解されるべきである。 本願発明の図1の装置は、実質的に回転対称である部分から構成されており、 当該部分は、この装置が中心軸1を中心として遠心分離されるようにそれ自体は 周知の容易な方法で、遠心分離装置内に設けられることができることを示してい る。この図1において、好ましい実施形態の装置は、外容器2と内容器3とが互 いに完全にフィット(適合)すると共に軸方向に延在する中間溝4が形成されて いる部分を除くあらゆる箇所において互いに密に接するような状態で外容器2と 内容器3とを備えている。この溝4は、内容器3に構成されている溝により形成 されている。この2つの容器2,3は、夫々、上部分5,6を備えている。当該 上部分5,6は、ピストン・ロッド8を通過させることができる中央開口7を有 している。この中央開口7の周囲に、当該2つの容器は、軸方向に延在する部分 9,10を夫々備えている。当該部分9,10は、中空になっているピストン・ ロッド8に近接して、容器の内側から離れる方向に延在している。上記外容器2 は、径方向に短く突出しているフランジ11に沿って、この中空ピストン・ロッ ドに接している。この径方向突出フランジ11は、シール・リング13を受け入 れる凹部12を備えている。 図1に示すように、上記溝4は、内容器と外容器の円筒壁から上記上部分5, 6及び上記軸方向延在部分9,10を通って開口7の上記シール・リング13の すぐ下に位置する開口に至るように、内容器と外容器との間に延在している。上 記内容器3の軸部分10は、開口7に接している。当該軸部分10は、上記中空 のピストン・ロッド8を中心とする狭くはあるが動きに制約のない通路が容器2 ,3の内側に延在するように寸法構成されている。 この外容器2は、直径が同一である円筒部を備えている(図1を参照)。この 部分は、この図の下方向に示されるように、切頭円錐形(frusto−con ical)の内面16をなしている変形部15を通して直径が僅かに大きくなっ ている円筒部に続いている。この内容器3の端部は、外容器2の上記変形部15 の直径が大きくなっている上記円筒部14に続く位置に位置している。内容器3 の下側端部は、切頭円錐形の外面17を備えている。この切頭円錐形は、外容器 2の内側に位置している切頭円錐形の内面16の形状に適合(マッチング)して いる。外環状ディスク19と内環状ディスク20が、夫々、内容器3の底端部の 直下に設けられている。この内容器3の底端部は、径方向面(半径面、放射面、 radial surface)18を有している。これらのディスクは、互い に近接して接している。しかし、当該ディスクは、それらの間に溝21を形成し ている。この溝21は、中央開口22から軸方向面(の方向)に延在すると共に 、外容器2の内側まで延在している。溝21は、軸方向延在部23を通って、外 容器2と内容器3との間に位置している上記溝4に連絡している。溝21と軸方 向溝部23とは、外ディスク19に対向する内ディスク20の側に形成された溝 手段によって適切に形成されている。これらの2つのディスク19,20は、図 1に示す如く、これらが実質的に切頭円錐形内面及び切頭円錐形外面をなすよう な傾斜をもって形成されている。これらの2つのディスク19,20は、上記中 央開口22に向かう下方向に傾斜している。図1は、また、内ディスク20が、 内容器3の隣接する径方向面18に接する径方向面(半径面、放射面、radi al surface)24を備えていることを示している。この内ディスク2 0の径方向面24は、シール・リング26を受け入れるための凹部25を有して 形成されている。 上記2つのディスク19,20は、下方向で外容器を閉じるカバー27の手段 により、内容器3の上記径方向面18に当接する位置に保持されている。このカ バー27は、周方向に延在し外容器2の内側に密に接するスリーブ形状部28を 備えている。このカバー27は、この外容器2の内側に対して、スリーブ28の 外側に設けた周方向リブ29と、これに対応するところの外容器2の内側に設け た周方向溝30とを互いに係合させるべくスナップ作用等の適切な手段をもって 確実に保持されている。接続(箇所)の密閉は、外ディスク19の外周に位置し 周方向凹部32に設けられたシール・リング31の手段により保証されている。 上記カバー27は、さらに、比較的薄く形成された薄壁32を備えている。この 薄壁32は、図1に示す如く位置に装置下部の底をなすように構成されている。 この壁32は、実質的に、外ディスク19と内ディスク20とに対して平行に延 在している。この壁32は、ディスク19とディスク20とに隣接しているスリ ーブ28の部分の内側から、外容器2の下リム部33と実質的に面一となる部分 に向かう下方向に延在している。この比較的薄い壁32を補強するために、径方 向補強リブ(reinforcing radial rib)34が一定の間 隔をおいて設けられている。これらのリブの内のただ1つが、図1に示されてい る。このリブ34は、図1に示すように、壁32の外側に設けられた部分と部分 的に形成されると共に、壁32の内側に設けられた部分と部分的に形成されてい る。この後者の部分は、参照符号35で示されている。この後者の部分は、外デ ィスク19の下側に当接するように形成されており、これにより、ディスク19 とディスク20が信頼できる位置に保持されるようになっている。 外ディスク19とカバー27との間で、仕切り手段36が押圧されるようにな っている。この仕切り手段36は、中央に細長の筒(筒状長手部)37を有する 。この筒状長手部37は、軸方向内側に突出しかつカバー27の壁32と一体的 に形成されたピン38上に設けられている。この筒状長手部37は、周方向壁デ ィスク部39と一体的に形成されている。この周方向壁ディスク部39は、上記 筒状長手部37から外側に延在している。この周方向壁ディスク部39は、先ず 、カバー27の壁32の方向に僅かに下降し、軸方向沿いに短距離延在し、カバ ー の壁32に実質的に平行に延在するように続いている。この壁ディスク部39の 端部は、カバー27上のリブ部35のショルダ41上に位置する短い径方向突出 縁部40をもって形成されている。壁ディスク部39の外縁部40と、外ディス ク19の下側部との間で、環状のフィルタ・ユニット42が押圧されている。こ の環状のフィルタ・ユニット42は、実質的に、外ディスク19に隣接する外側 に設けられた径方向形成面43に接している。このような環状フィルタを使用す る装置及び方法は、「環状フィルタを備えた遠心分離装置(遠心分離機)」とい う名称でこれと共に同時になされた出願の主題になっている。 上記仕切り手段36における安定性を確保するために、筒状長手部37と壁デ ィスク部39との間には、さらに、参照番号44で示す補強用径方向リブが備え られている。 本願発明の試薬搬送システム(reagent delivery syst em)は、参照符号45で大略示すカプセルを備えている。このカプセルは、仕 切り手段36の筒状長手部37に関してカバー27の反対側の端部に確実に保持 されている。このようなカプセルは、物質(agents)を第2室75に選択 的に解放するのに適切である。このカプセルは、径方向リング47と一体的に形 成されかつ2つの付加的な径方向リング48,49を支持する細長の筒状長手部 46を備えている。これらの径方向リング48,49は、上記固定されているリ ング47のそれらの各側において干渉適合(interference fit )の方法により確保されている。これらの固定されていないリング(loose rings)48,49は、夫々、上記固定リング47から夫々の間隔をおい て、筒状長手部46に対して周方向ショルダ50,51の手段により設けられて いる。当該3つのディスク47,48及び49は、すべて同一の外径を有してお り、これらのディスクは、該ディスクの各縁部沿いに、周方向に位置し変位可能 に設けられたスリーブ52を支持している。 図に示すように、下部ディスク49は、仕切り手段36の筒状長手部37の上 端に接している。これにより、カプセル45の軸方向の位置が決められる。この 位置は、さらに、変位可能(移動可能)なスリーブ52が当該軸方向に変位(移 動)せしめられたときに、カプセルの該スリーブ52が図に示す如くその下端に よって外ディスク19が有し中央開口22内に位置する最も内側のエッジ53と 密閉状態に係合するように、構成されている。スリーブ52のこの位置において 、スリーブ52を取り囲む内ディスク20内のスペースと、外ディスク19と内 ディスク20との間に形成されている溝21に対する入り口開口とが連絡する。 この変位可能なスリーブ52の軸方向長さは、外ディスク20との係合が、図に 示す如く、スリーブ52の軸方向下方への変位(移動)時にスリーブ52の上端 が上記固定リング47との係合から解放される前に生じるように、構成されてい る。スリーブ52の内径は、また、仕切り手段36の壁ディスク部39の軸方向 延在部の外径に対して、スリーブ52のカバー27方向下方への連続的な変位に よって一旦それが外ディスク19との係合から解放されたときにスリーブ52が 仕切り手段36と固定状態に係合せしめられるように構成されている。仕切り手 段36の軸部分の長さは、また、最も低い位置に位置しているスリーブ52が仕 切り手段36によって実質的に完全に受け入れられるように、スリーブ52の軸 長さに対応している。 図に示すように、中空のピストン・ロッド8は、外容器2及び内容器3内に周 方向ピストン55を備えている。このピストン55は、シール・リング56を介 して内容器3の内側と密閉状態で係合している。 ルアー・カプリング(Luer−coupling)57が、周知のシリンジ 58を受け入れるべく、上記中空ピストン・ロッド8内に構成されている。この 周知のシリンジ58は、該シリンジ58の内容物に作用させるためのピストン作 用プラグ59を備えている。このカプリング57は、実質的に、切頭円錐形状6 0を介して、ピストン55における中央開口61と連絡する長手方向筒として形 成されている。この長手方向筒57は、径方向内側に延在するウェブ62を備え ている。このウェブ62により、シリンジ58を出た液体は、軸方向経路から逸 れる方向に案内され、これにより、該液体は、その下に位置する細長の筒46の 周囲に対応するカプセル45の内側に案内される。筒46の後者の長さは、ピス トン55がカバー27に近接する最も下方に位置するときに、それが中空ピスト ンロッド8内の長手筒57と密閉状態で係合可能な長さに寸法構成されている。 この接続が密閉状態でよりよく行われるように、筒57の長さ方向の内側は、ピ ストン55に隣接する端部で直径が徐々に減じられるように形成されている。 軸突出スカート63が、ピストン55の中央開口61を中心として、該ピスト ン55と一体的に形成されている。このスカート63は、ピストン55の適切な 変位によってカプセル45の上記変位可能なスリーブ52の上記位置への上記変 位(移動)を生じさせることができるような直径及び長さをもって形成されてい る。当該変位において、それは、2つのディスク19,20を貫通する中央開口 22の内リム53と係合せしめられ、これに続いて、仕切り手段36と係合せし められることになる。 弾性を有する環状リップ密閉手段64が、図1に示すように、容器2,3の内 側上部における中空ピストンの周囲に保持されている。このリップ密閉手段64 は、液体が容器2,3の内側から溝4方向に不用意に流出することを防止するた めに構成されているものである。しかし、このリップ密閉手段64は、ピストン 55を介して力が作用せしめられたときに、液体の通過を許容する。 図1の上部に示すように、外容器2及び内容器3には、開口66に連通するホ ース5に対する接続部が夫々備えられている。この接続部は周知のものであり、 従って、詳細には示していない。しかし、これは、所望時に、ホースへ接続され ないようにすることも可能である。加えて、適切なフィルターを備えた空気抜き 取り用開口が、周知の方法で備えられている。従って、この開口も、また、詳細 には図示及び記載していない。 通路69が、仕切り手段36とカバー27との間に位置する領域から、仕切り 手段36の長手方向筒の内側及びカプセル45の長手方向筒の内側を通して、上 方に向けて形成されている。この通路により、筒46の後者の長さがピストンロ ッド8の内側に位置している長手方向筒57に接続されたとき、液体は、上記領 域からシリンジ58へ移動できるようになっている。カバー27内において、ピ ン38の最も下に位置する部分には、平面状の軸方向面をもって形成されている 該ピン38によって、通路66が形成されている。このピン38は、実質的に円 形 の断面を有している。結果的に、該ピンと、長手方向筒37の内側の隣接部分と の間にスペースが形成されている。ピン38の真上には、領域67が設けられて いる。当該領域67において、上記仕切り手段36の内径は僅かに小さくなって いる。これにより、図1に示す如く、該領域の真上に小さいフィルタ68を配置 することが可能になっている。この構成により、液体は、カプセル45の長手方 向筒46内に流動する前に、当該フィルタを通過することになる。 上記装置は、第1環状室70を備えている。この第1環状室70は、円筒状内 壁71をなす中空ピストン8により内側が形成されており、外容器2及び内容器 3によって形成されている円筒状外壁27により外側が形成されている。図1に 示す如く、周知の使用位置に位置しているとき、上記環状室70は、外容器2及 び内容器5の各底部5及び6により形成された上壁73によって上方が形成され ている。環状室70は、ピストン55によって形成されている底部壁74によっ て下方が形成されている。第2室75は、ピストン55の下に形成されている。 該第2室は、第1室70と同様に、同一の円筒状外壁72によって外側が形成さ れている。この第2室75は、外ディスク19及び内ディスク20により形成さ れている第2底壁76によって下方が形成されている。カプセル45は、この第 2室内部の中央に備えられている。第2底壁76の下には、第3室77が設けら れている。この第3室77は、仕切り手段36と、環状フィルタ・ユニット42 とにより形成されている。加えて、この第3室77は、外ディスク19及び内デ ィスク20の中央開口22により形成されている通路を通して、第2室75と連 絡している。上記仕切り手段36の下には、第4室78が形成されている。この 第4室78は、カバー27の壁部32によって下方が形成されると共に、該カバ ー27のスリーブ28の部分及び外ディスク19の下側によって形成されている 。 上記の如く、上記装置は、主として、たとえば、血液からフィブリンモノマー 等の成分を分離するのに相応しいものであり、この目的のために、第2室75、 そして、好ましくは、カプセル45の上部室80は、バトロクソビン(batr oxobin)等の適切な酵素により前以て充填される。欧州特許第592,2 42号公報から理解されるように、トロンビンのようなすべての酵素が用いられ ることができる。このような酵素は、トロンビンそのものや、同様の活性を有す る他のあらゆる物質を含んでいる。この後者の物質としては、たとえば、アンク ロドや、アクチソ(Acutin)や、ベニム(Venyyme)や、アスペラ ーゼ(Asperase)や、バトロパーゼ(Batropase)や、クロタ バーゼ(Crotabase)や、フラボルソビン(Flavorxobin) や、ガボナーゼ(Gabonase)や、好ましいバトロクソビン(Batro xobin)が挙げられる。バトロクソビン(Batroxobin)は、ビオ チンに化学的に結合することができ、これは、バトロクソビン(batroxo bin)が周知の方法によりアビジン−アガロース(avidin−agaro se)複合物(コンポジション)に含まれているアビジンの手段により捕らえら れることを可能にする合成物質である。従って、アビジン−アガロースは、カプ セルの最も下のチャンバ81内に見いだされる。ビオチン−バトロクソビン(b iotin−batroxobin)複合物と、アビジン−アガロース複合物は 、カプセルが装置内に配置される前に、カプセル45内の各チャンバ80,81 に比較的容易に充填される。 最後に、シリンジ58は、酢酸で希釈したアセテートから準備されフィブリン Iを受け取るのに好適なpH−4の緩衝剤を含むように設定される。 他の周知の緩衝剤もまた使用可能である。その再度溶解(redissolv ing)する緩衝剤は、あらゆる酸緩衝剤溶液であることができる。当該溶液は 、好ましくは、1〜5の間のpHを有する。適切な例として、酢酸、コハク酸、 グルクロン酸、システイン酸、クロトン酸、イタコン酸、グルトニック(glu tonic)酸、ギ酸、アスパラギン酸、アジピン酸、そして、これらの何れか の塩が挙げられる。コハク酸、アスパラギン酸、アジピン酸、そして、たとえば 酢酸ナトリウム等の酢酸塩が好ましい。また、可溶化(solubilizat ion)は、カオトロピック薬剤(chaotropic agent)の手段 により、pHがニュートラルである状態で行われることが可能である。適切な薬 剤には、尿素、臭化ナトリウム(sodium bromide)、グアニジン 塩酸塩、KCNS、沃化カリウム、そして臭化カリウム(potassium b romide)が含まれる。これらの酸緩衝剤や、これらのカオトロピック薬剤 の濃度や容量は、欧州特許第592,242号公報に記載されている。 血液の供給時において、或いは、血液の供給直後、ピストン・ロッド8は、装 置の内側に押し込まれ、これにより、カプセル45の変位可能なスリーブ52は 下方に移動せしめられ、底壁76を通って貫通路内に密閉状態で係合せしめられ 、て第2室77方向へ移動する。この結果、カプセルの最も上に位置する部屋8 0の内側に収容されているビオチン−バトロクソビン(biotin−batr oxobin)複合物(composition)へのアクセスが同時に可能に なる。 装置が使用準備完了状態にあるとき、血液サンプルが、不図示の針とホース6 5を通して、周知の方法で、第1室内に供給される。この血液サンプルは、好ま しくは、また周知の方法で、抗凝血剤と混合される。血液をホース65及び開口 66を通して第1室70の内部に供給するとき、空気は、周知の方法によって該 室から取り除かれる。血液の供給後、ホース65は取り外される。そして、開口 66が閉じられて密閉される。次いで、この血液を収容した本装置は、とりわけ 、種々の部分を密閉状態で圧縮するのを補助する遠心分離装置(遠心分離機)内 に配置される。この遠心分離装置により、本装置は、回転軸1を中心として回転 せしめられる。遠心分離の結果、血液は、第1室70内で、プラスマの部分に分 離される。このプラスマの部分は、血液の他の部分よりも径方向内側に溜まる。 該他の部分は赤血球や白血球を含んでいる。欧州特許第592,242号公報に 記載されているように、所望時には遠心の速度や時間を変化させることによって 、どちらの部分にも、血小板が含まれるようにすることができる。 血液の上記プラスマと上記他の部分との間の境界(interface)が安 定したとき、つまり、分離が完全に行われたとき、第1室70の容積は、ピスト ン・ロッド8により、つまりピストン55が引き抜かれることにより、減じられ る。その結果として、先ず、存在している可能性がある空気の内層が溝4,21 を通って第2室75内に案内される。そして、さらに、ピストン55を移動させ ることにより、プラスマもまた第2室75内に案内されることを示唆している。 このピストン55の移動は、プラスマの全体的な層が強制的に第2室75内に案 内されたときに、つまり血液のプラスマの部分と他の部分との境界が第1室70 の内壁71に達したときに、停止される。 第2室75内において、プラスマの部分は、架橋していないフィブリン・モノ マーに直ちに重合するところのバトロクソビン(batroxobin)酵素に 接し、この結果、フィブリンモノマーは、プラスマの部分から解放される。この プロセスは、本装置が連続的に遠心作用を受けている間行われ、この結果、フィ ブリンポリマーは、プラスマ部分の残りの部分から効果的に分離される。このフ ィブリンポリマーは、ビオチン−バトロクソビン(biotin−batrox obin)複合物の反応によって形成され、円筒状外壁72沿いに粘着層として 形成(沈殿、settling)される。この分離が完了したとき、遠心分離は 停止せしめられ、プラスマ部分の他の比較的(流動する)液状部分は、第1室7 0から第2室75に空気を移動させるべく持ち上げられた後に押し下げられるピ ストン55によって、第1室70に容易に押し戻されることができる。この移動 は、フィブリンポリマーを含む粘着層が溝21に達する前に、比較的に容易にか つ速やかになされることができる。この粘着層が溝21の入り口に極めて早く達 することを防止するために、上方に突出するリング状歯82を形成する等のさら なる手段を任意に有することができる。この歯82は、底76に点線で示してい る。この遠心分離/廃液処理(処置)は、所望時には、フィブリンポリマーから 可能な限り多くのプラスマ流体を得るために、2回以上実行されることができる 。 一旦プラスマ部分の残りの部分が第2室75から駆逐されたとき、カプセル4 5の変位自在のスリーブ52は、さらに、下方向へ移動せしめられ、最も下に位 置する室81へのアクセスが可能になる。同時に、或いは、スリーブの後者の( 上記した)変位に関連して、シリンジ58のプラグ49は、外部からのスピンド ル作用(spindle action)によって、完全に下方向へ押圧される 。これにより、pH−4の緩衝剤は、第2室75に移動せしめられる。これは、 遠心動作が開始される間に行われる。このpH−4の緩衝剤が加えられることに より、フィブリンポリマーはそこで溶解せしめられる。そして、カプセル45内 に おいてより下に位置する部屋81内のアビジンーアガロース複合物の存在により 、ビオチン−バトロクソビン(biotin−batroxobin)複合物は 、周知の方法で、アジピンにより結合される。ピストン55が連続的に変位する ことにより、カプセル45の変位可能なスリーブ52は、仕切り手段36と係合 せしめられ、底壁76との係合が解かれる。この結果、第3室77に対してアク セスが自由になる。結果として、第2室75の内容物は、自由に下方向に流動し て第3室内に流れることができる。好ましくは、遠心分離中に、再溶解(red issolving)が行われる。この遠心分離動作は、遠心分離や、正転や逆 転動作に関する一連の停止及び開始動作を含む。 遠心分離が連続的に行われることにより、フィブリンモノマー溶液は、アガロ ースや、ビオチン−アビジン捕捉システム(biotin−avidin ca pture system)を介してそれに結合されるバトロクソビン(bat roxobin)の比較的大きな粒子を保持する環状フィルターユニット42を 介して第3室内で分離されることができる。フィブリンモノマー溶液が、上記遠 心分離の結果、最も下に位置する第4室78内を通過したとき、遠心分離動作は 中止され、そして、フィブリン−I溶液はプラグ59を新たに退避させる(引っ 込める)ことによりシリンジ58に容易に流動せしめられる。カプセル45の筒 状長手部46の上端は、シリンジ58との接続をなす細長の筒47と係合してい る。 遠心分離が連続的に実行されている間にフィブリンポリマーが第2室75内で プラスマ部分から分離されるとき、また、フィブリンモノマー溶液が遠心分離に よって第3室77内で分離されるとき、問題となっている血液サンプルから得ら れるフィブリン−Iの量は比較的多い可能性がある。 本発明は、好ましい実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、本発明 の視野から離れることなく、多数の変形形態を構成することが可能である。 図2は、そのような変形形態の例を示している。図2は、図1に示した本発明 の実施形態に多かれ少なかれ対応している本発明の第2実施形態を示している。 図2の実施形態は、第1室90と、ピストン92によって隔てられた第2室91 とを備えている。このピストン92は、内側に上記第1室を形成する中空ピスト ン・ロッド93を備えている。外側には、2つの室(チャンバ)が、当該2つの 室90,91を形成するために、実質的に管状である部材94の部分と、外側円 筒壁95とによって形成されている。上方には、第1室90が、上壁85によっ て形成されている。この上壁85は、管状部材94にねじ込まれているリング9 6の手段によって、上記管状部材94に固定された上カバーによって形成されて いる。この上壁85には、中空ピストン・ロッド93を通過させるための貫通穴 が形成されている。下方には、第2室91が底壁96によって形成されている。 この底壁96は、管状部材94内に位置し周囲方向に延在する内フランジによっ て形成されている。第2室91に隣接する位置において、上記管状部材94は、 切頭円錐形状面97を備えている。この切頭円錐形状面97は、第2室91の中 央に向けてピストン92から離れる方向に傾斜している。この底壁96には、中 央貫通路98が第3室99方向に形成されている。この第3室99は、仕切り手 段100と、環状フィルター・ユニット101とによって形成されている。この 環状フィルター・ユニット101は、底壁96と仕切り手段100との間に挿入 されており、第4環状室102方向に案内している。この第4室102は、スレ ッドによって上記管状部材94に固定されたカップ形状のカバー103との間に 形成されている。このカバー103は、中間リブ103によって、仕切り手段1 00を管状部材94の中央所定位置に保持すると共に、上記環状フィルター・ユ ニット101を押圧している。 カプセル105は、中央に位置すると共に上方に突出するピン104上に取り 付けられている。このピン104は、仕切り手段100上に設けられている。こ のカプセル105は、ディスク形状のリング107,108を有する環状部10 6を備えている。このディスク形状のリング107,108は、環状部106に ルース(loosely)に取り付けられている。このリング107,108に よって、変位可能に構成されたスリーブの手段により、参照符号AA及びBBで 夫々示される酵素を収容するための室(チャンバ)が形成されている。このディ スク形状のリングは、管状部材106の外周によりその上に形成されたショルダ の手段によって、細長の筒106上に相互に所定間隔をおいて取り付けられてい る。該管状部材の直径は、下から上へ向けて減じている。 第1室90の上から第2室91の底方向に、貫通溝115,116が形成され ている。これらの溝は、夫々に固定された細長の筒117,118の手段によっ て形成されている。これらの細長の筒117,118は、装置の回転軸に平行に 延在しており、上壁95及び底壁に形成された開口に関連する端部に固定されて いる。これらの細長の筒とチャンバとの間の溝接続は、夫々、適切なボアとその 中に固定されたプラグとによってなされている。細長のパイプ117,118は 、ピストン92内のそれらの各開口を通して延在している。漏れを防止するよう に、密閉リングが至る所に設けられている。 ピストン92の内側中央には、中空ピストン・ロッド93内のシリンジ121 と、カプセル105の筒長さ106の端部とに接続されるためのカプリング12 0が固定されている。このカプリング120は、第2室91内に突出しカプセル 105上に設けられた変位可能なスリーブ110に影響を与えるスカート122 を支持している。図示するように、このスリーブ110の外径は、第3室99に 至る下方向に延在する貫通路98の直径に対応して構成されている。これにより 、スリーブ110は、底壁96によって、あらゆる位置、従って、また最も低い 位置、に案内されかつ保持される。この最も低い位置において、スリーブ105 は、カプセル内で最も低い位置にあるディスク形状のリング109には係合しな いようになっている。これにより、液体が、第2室91から下方向の第3室99 内に流動可能となっている。溝123は、第4室102から延在しており、仕切 り手段100上に設けられているピン104を貫通するように中央上方に形成さ れている。さらに、この溝123は、カプセル105の管状部材106を貫通す るように上方に形成されている。これにより、流体は、そこから、シリンジ12 1内に流入することができるようになっている。 図2の装置は、図1の装置と全く同様な方法で使用される。ここにおいて、勿 論、血液を供給するためにホースをそれに接続するための手段がまた備えられて いる。 種々の装置の部分をなす上記部分は、適切なプラスチック材料から射出成型に より、容易に製造される。問題となっている装置は、従って、また、比較的安価 であり、使い捨て装置として使用されるに相応しい。 本発明は、装置の好ましい実施形態を参照しながら記載した。しかしながら、 本発明に係る方法は、蓋によって閉じられることができるカップの手段によって 、無菌状態の実験室内において容易に実施されることが可能である。プラスマ及 び酵素は、カップ内に充填され、撹拌され、続く遠心分離によって、結合してい ないフィブリン・ポリマーが、上記の如くカップの底又は壁上に分離される。残 りのプラスマの部分が取り除かれた後、その結合していないフィブリン・ポリマ ーは、溶剤(溶媒、solvent)の追加によって、また、上記同様の遠心分 離によって、再溶解(redissolved)せしめられる。 実例 140mlの血液と、20mlの硝酸ナトリウムの抗凝血剤(USP)とが、 上記装置の第1室70内に案内された。この組み合わせ(コンビネーション)は 、プラスマと血球とを分離するために、約6000RPMで約2分間、遠心分離 装置にかけられた。その分離を維持するために遠心分離を継続している間、最も 内側の相つまりプラスマを第2室75に流動させるように、ピストンを持ち上げ た。約60mlのプラスマが流動した。これは、上記の如くカプセル45の上側 のチャンバ80を通して第2室75内に案内された30ユニットのビオチン化バ トロクソビン(biotenylated batroxobin)をもって処 理された。このプラスマとアブロクソビン(abroxobin)とは、たとえ ば、約2000〜3000RPM等の低速度で混合された後に、9000RPM で9分間遠心分離された。 上記架橋していないフィブリンポリマーゲルは、円筒壁上に薄いゲル層として 沈殿(precipitated)した。そして、回転は停止せしめられた。残 りの(他の)プラスマ流体(リンパ液、serum)は、次いで、第1室70内 に戻された。これに次いで、9000RPMで1分間遠心分離することを2度行 い、これにより、ゲル内のリンパ液を可能な限り取り除いた。このような各1分 間の遠心分離に続いて、余分なリンパ液は、第1室70に流動せしめられた。 この後、24mMの塩化カルシウムを含む0.2Mの酢酸ナトリウム(pH4 .0)3.5mlを含む緩衝剤溶液は、シリンジ58から第2室75内に案内さ れた。このとき、フィブリンポリマーゲルを溶解させてフィブリンモノマーを含 む溶液を形成するために、正転及び反転サイクルを繰り返すように夫々約300 0RPMで5〜10秒間、遠心分離が2分間実行された。このようにして準備さ れた溶液に対して、カプセル45のより低い位置にあるチャンバ81を介して、 アビジンーアガロースが添加された。次いで、正転及び反転サイクルを繰り返す ように夫々約3000RPMで5〜10秒間、遠心分離が5分間実行された。こ の結果得られた溶液は、フィブリンモノマーと、アビジンーアガロース:ビオチ ン−バトロクソビンの複合体(a complex of avidin−ag arose:biotin−batroxobin)を含んでいた。 この溶液は、第3室77内に流動せしめられ、遠心分離により、9000RP Mで1分間、20μmの環状ポレックス・フィルタ(Porex filter )を通して濾過された。この結果得られたフィブリンモノマー溶液は、前記した ように、シリンジ58内に収容された。 このようにして形成されたフィブリンモノマー溶液(このケースにおいては、 フィブリンI)は、フィブリンIと緩衝剤との比率が5:1である0.75Mの 炭酸ナトリウム緩衝剤/重炭酸ナトリウム緩衝剤を含むそのようなシーラント( 密閉剤、密閉物質)を必要とする箇所に投与(co−administrati on)することにより再重合されてフィブリンシーラントが形成された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.遠心分離によってフィブリンI等の成分を血液から分離するための方法であ って、抗凝固剤が混合された血液を装置の第1環状チャンバに供給するステップ を有し、該環状チャンバは円筒状外壁と円筒状内壁と上壁と底壁とによって形成 され、円筒状外壁と円筒状内壁とは共通軸を中心として同軸に延在し、上壁又は 底壁は第1チャンバ内で変位可能なピストン本体により形成され、装置を上記共 通軸を中心として遠心分離装置にかけピストン本体を移動させることによって上 記共通軸に対して同軸に延在する外円筒壁によって形成された第2チャンバへそ の結果形成された液体部分を流動させるステップをさらに有し、第2チャンバ内 の上記液体部分は遠心分離が継続され分離を促進する適切な配合剤が添加されそ して利用できない部分が第1チャンバへ戻されることによってさらに分離せしめ られ、第2チャンバ内に残留している上記液体部分の部分は任意に溶剤を追加し た後にフィルターを通して液体収容容器に流動せしめられるようにした方法にお いて、 第2チャンバ内に残留している上記液体部分の部分は、上記液体収容容器に流 動せしめられる前に、上記他のチャンバに対して同軸に設けられた第3チャンバ 内に流動せしめられ、 第3チャンバ内の当該液体は、遠心分離時に、上記液体収容部材に接続される ように形成されている環状の外側コンパートメントに案内されるように環状フィ ルターを通して流動せしめられることを特徴とする方法。 2.請求項1記載の方法を実施するための装置であって、円筒状外壁と円筒状内 壁と上壁と底壁とにより形成された第1環状チャンバを備え、該円筒状外壁と該 円筒状内壁とは上記回転軸を中心として同心に備えられ、上記上壁又は上記底壁 は上記第1チャンバ内で変位可能なピストン本体により形成され、さらに第1流 路を通して上記第1チャンバに連通する第2チャンバを備え、該第2チャンバは 上記回転軸を中心として同心に設けられた外円筒壁と上記第1チャンバの底壁と 他の底壁とにより形成され、第2チャンバは遠心分離時に第1チャンバの下に位 置するように構成され、血液を第1チャンバに供給するための血液供給手段と、 少なくとも1つの液体収容容器を接続するための収容手段であって第2流路を通 して第2チャンバに連通する収容手段と、分離を促進する配合剤を供給するため の配合剤供給手段とをさらに備えた装置において、 上記第2流路は、第2チャンバと、それに対して同軸的に設けられ第2室に対 して外部から開けることが可能な流路を備えた第3チャンバとに連絡し、 第3チャンバは内コンパートメントと外環状コンパートメントとを備え、 上記コンパートメントは径方向に延在する周囲流路と接続され、該周囲流路に は、上記分離を促進するために用いられた所望されない内容物を含んでいる液体 の流動を防止するための環状フィルターが設けられたことを特徴とする装置。 3.上記第2チャンバと上記第3チャンバとの間に形成された上記流路は、上記 2つのチャンバに対して同軸に構成されると共に、カプセルの手段により閉じら れるようになっており、 上記カプセルは、第2チャンバと同軸に設けられ該カプセルに複数のコンパー トメントを形成する隔壁をなすために互いに間隔を置いて設けられた複数の径方 向ディスクを支持する中央ハブを備え、 該ディスクは、周囲の外形が同一であり、 コンパートメントの外側は、密閉され変位自在に設けられたスリーブ状本体の 手段により閉じられ、 上記スリーブ状本体の外側は、そのあらゆる位置において軸方向流路の側壁に 密閉状態で接するように構成されており、 カプセルの最も低い位置に設けられている隔壁形成ディスクにより、上記ピス トンの移動により上記スリーブ状本体の軸方向の変位によってスリーブ状本体が 上記最も低い位置に設けられている上記隔壁の周囲との係合から解放されること によって、液体は第2チャンバから第3チャンバへ自由に流動することができよ うにしたことを特徴とする請求項2記載の装置。 4.上記ピストン本体は、上記カプセルの上記スリーブ状本体と同軸に延在する 下スカートであってピストン本体が下方向に押し下げられたときに上記本体と係 合するように構成された下スカートを備え、 上記下方向への押し下げにより、カプセル内の上記各コンパートメントを適切 な時に順次開口させ、最終的に上記第2チャンバから上記第1チャンバへの上記 液体流路が開口せしめられるようにしたことを特徴とする請求項3記載の装置。 5.上記カプセルの上記ハブは、軸方向貫通路を備えると共に、下に位置する第 3チャンバの底中央に構成される上方突出部上に取り付けられ、 上記貫通路は、チャネル・システムを通して、上記第3チャンバの上記外環状 コンパートメントと液体が流動するように連絡し、 上記ハブの上記上端は、上記ピストン本体に設けられた流路と密閉状態で接続 されるように構成されており、これにより、上記上端は、そこに確保されること ができる液体収容容器と接続されるようにしたことを特徴とする請求項3又は4 記載の装置。 6.上記カプセルの上記ハブは、スリーブの手段により、上記第3チャンバの底 に設けられている上記突出部に取り付けられており、 ハブ及び突出部は、上記スリーブの手段の各端部で夫々で囲まれており、 上記スリーブは、周方向外側に突出する突出壁部を備えており、 上記環状フィルタは、突出壁部の壁面と、上記第2チャンバの底壁との間に確 保され、 スリーブの上記外側に突出する突出壁部は、第3室の底から所定距離を置いて 設けられており、これにより、当該突出壁部は、上記外環状コンパートメントに 対する接続部をなすと共に、上記突出部の内側及びスリーブの隣接する内側との 間にハブの貫通路に連絡するところの軸方向に延在する溝をなすことを特徴とす る請求項5記載の装置。
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