JP2000512630A - 2’―置換ヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチド誘導体 - Google Patents

2’―置換ヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチド誘導体

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JP2000512630A JP10500187A JP50018798A JP2000512630A JP 2000512630 A JP2000512630 A JP 2000512630A JP 10500187 A JP10500187 A JP 10500187A JP 50018798 A JP50018798 A JP 50018798A JP 2000512630 A JP2000512630 A JP 2000512630A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids

Abstract

(57)【要約】 本発明は、式I

Description

【発明の詳細な説明】 2'−置換ヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチド誘導体発明の領域 本発明は、2'位で置換されたヌクレオシド構築単位を少なくとも一つ含む、 オリゴヌクレオチド誘導体に関する。本発明は、更に、該オリゴヌクレオチドを 製造するための中間体、方法およびその使用および医薬組成物に関する。発明の背景 化学療法剤として、オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド誘導体は、 タンパク質またはRNA分子の発現、例えば細胞または組織の過形成性または新 生物形成性変化により特徴付けられる、多くの異なる病理学的状態の処置に非常 に可能性を開く。それらは、その作用を、例えば、いわゆるアンチセンス機構に より示すことができる。この方法で用いられるオリゴヌクレオチドおよびオリゴ ヌクレオチド誘導体は、そのために“アンチャンスオリゴヌクレオチド”と呼ば れる。あるいは、オリゴヌクレオチドは、その作用をいわゆる三重鎖機構により 発揮できる。このようなオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド誘導体は 、“三重鎖形成オリゴヌクレオチド”と呼ばれる。 アンチャンスオリゴヌクレオチドまたは三重鎖形成オリゴヌクレオチドとして 使用するのに有利な適当なオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体 は、特異的な性質を有しなければならない。従って、例えば、標的核酸へ適当な 結合親和性を有し、ヌクレアーゼ、特に内因性ヌクレアーゼに対して、適当な耐 性を有し、そしてアンチセンス機構で作用を発揮する場合、ハイブリッドの形成 および続く、RNAseHのような内因性ヌクレアーゼによる標的RNA鎖の開裂 により、またはハイブリッドの形成および続くリボゾーム翻訳処理の完全または 部分的阻害(いわゆる翻訳停止)により標的DNAの翻訳が完全にまたは部分的に 阻害され、または三重鎖により作用を発揮する場合、特定の二本鎖遺伝子セグメ ントまたはDNAセグメントの翻訳が三重らせんの形成により完全にまたは部分 的に阻害されなければならない。更に、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレ オチド誘導体は、処置する細胞により適当な程度取りこまれ、できるだけ配列特 異的な作用を発揮し、適当なバイオアベイラビリティーを有しなければならない (例えば、S.T.Crooke,“Therapeutic Applications of Oligonucleotides” ,R.G.Landes Company Publisher(1995);Plum,G.E.,Annu.Rev.Biophys. Biomol.Struct.24(1995),319-350;Cohen,J.S.et al.,Sci.Am.(1994), 50-55;Stull,R.A.et al.,Pharm.Res.12(1995),465-483参照)。 1個またはそれ以上の上記特性を有するオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌク レオチド誘導体を得るために、置換を、例えば、ヌクレオチド構築単位に行うか 、またはオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド誘導体が集合するヌクレ オシド間結合に行う。 アンチセンス分野または三重鎖分野で、更なるまたは改善されたオリゴヌクレ オチド誘導体の具体的な必要性がある。 このようなオリゴヌクレオチド誘導体の容易な産業的利用可能性、例えば、単 純なまたは経済的な方法は更に利点を有する。 本発明の目的は、従って、特にアンチャンスオリゴヌクレオチドまたは三重鎖 形成オリゴヌクレオチドとしてのその使用に関して、1個またはそれ以上の以下 の基準に関して有利な特性を有する、利用可能な更なるまたは改善されたオリゴ ヌクレオチド誘導体の製造である: −結合親和性 −ヌクレアーゼへの耐性 −配列特異的作用 −発現の阻害または調節 −細胞による取りこみ −バイオアベイラビリティー。 本発明の他の目的は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の容易な産業的利用 可能性を確実にする利用できる化合物の製造である。 更なる目的は、特にタンパク質またはRNA分子の発現により特徴付けられる 病理的状態を処置するための、ヒトを含む哺乳類対象に使用できるオリゴヌクレ オチド誘導体の供給にある。発明の要約 本発明は2'−O位に、下記のタイプの置換基を有するヌクレオシド構築単位 を少なくとも一つ含むオリゴヌクレオチド誘導体を提供する。 本発明はまた新規オリゴヌクレオチド誘導体の製造の中間体として使用できる ヌクレオシド化合物も提供する。 本発明はまた新規オリゴヌクレオチド誘導体の製造法およびヌクレオシド化合 物およびまた使用する他の中間体の製造法も提供する。 本発明は更に新規オリゴヌクレオチド誘導体を含む医薬組成物およびまたこれ らのオリゴヌクレオチド誘導体の、タンパク質またはRNA分子の発現を調節す るための治療的処置へのおよび診断法への使用も提供する。 本発明は医薬組成物および治療的処置のための新規ヌクレオシド化合物の使用 も提供する。発明の詳細な説明 驚くべきことに、1個またはそれ以上の上記目的が、本発明の新規オリゴヌク レオチドにより達成されることが確認されている。 結果として、本発明は式I 〔式中、 Aは式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、 R1およびR2は互いに独立してH、C1−C10アルキル、式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (ここで、Xは互いに独立してOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立し てH、C1−C10アルキル、アミノ−C2−C10アルキル、N−モノ−C1−C10 アルキルアミノ−C2−C10アルキルまたはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミ ノ−C2−C10アルキルそしてmは1から3(3を含む)の整数) の基、 アミノ−C3−C10アルキル、 N−モノ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10アルキルまたはN,N−ジ−C1 −C10アルキルアミノ−C3−C10アルキル;または −N(R1)(R2)が一緒に式(III) (式中、YはO、S、SO2またはN(R7)そしてR7はH、−CH3)の基を形成す る; R3はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4ア ルキル) で示される基;または Aは式(IVa)または(IVb) (式中、Rは互いに独立してR1またはR2の意味を有し、UはOまたはCH2で ある) の基、 R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4ア ルキル; nは0、1または2; Bは核酸塩基の基;そして VおよびWは、互いに独立して同じまたは異なるヌクレオシド間結合基の基また は末端基〕 の構築単位を少なくとも一つ含むオリゴヌクレオチド、またはそれらの塩を提供 する(基Aにおいて、二つのヘテロ原子が同じ炭素原子に結合している化合物を 除外する)。 式(III)Yの更なる基はSOである。 “オリゴヌクレオチド誘導体”なる表現は、当業者にはよく知られ、完全にす る目的でのみここで説明する。本発明の範囲内で、“オリゴヌクレオチド誘導体 ”なる表現は、特に誘導体化オリゴヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチ ドそれ自体、好ましくは、互いに天然ヌクレオチド間結合基により結合した天然 ヌクレオシド構築単位の配列から成るオリゴマーである。天然ヌクレオシドそれ 自体、好ましくは糖、特にβ−D−エリスロペントフラノース、特にβ−D−リ ボースを、そのβ位に結合した天然核酸塩基と共に含む。本発明の範囲内で、核 酸塩基は、天然に存在するヌクレオチドに関して、ワトソン−クリック塩基対形 成(アンチセンスオリゴヌクレオチドに関して)またはフーグステンまたは逆フー グステン塩基対形成(三重鎖形成オリゴヌクレオチドに関して)ができる塩基を意 味する。天然核酸塩基の例は、アデニン、グアニン、シトシン、チミンおよびウ ラシルおよびまた当業者が既知の他の塩基である。オリゴヌクレオチドにおいて 、天然ヌクレオシド間結合基、特にホスホジエステル基は3'および5'位の方法 で、互いに個々のヌクレオシドを結合させる。この結合において、“天然”は、 好ましくは天然に存在する基の対応化合物を意味し、対応する天然産物からの単 離または化学合成の手段により入手できる、結果として、天然でないとみなされ る化合物または基は、“誘導体”または“アナログ”と呼ぶ。本発明の範囲内で 、“オリゴヌクレオチド誘導体”なる表現は、従って、好ましくは式(I)のヌク レオシド構築単位を少なくとも一つの位置に含むオリゴヌクレオチドを意味する 。更に、このようなオリゴヌクレオチド誘導体は、対応する天然オリゴヌクレオ チドと比較して、少なくとも一つの更なる位置(これは他のヌクレオシド構築単 位の糖または塩基、またはヌクレオシド間架橋基に関連し得る)で構造的に修飾 できる。従って、例えば、他のヌクレオシド間架橋基は、天然に存在するホスホ ジエステル結合の代わりに存在できる;他の結合、例えば2'−5'結合がヌクレ オシド構築単位の天然ヌクレオシド間3'−5'結合の代わりに存在できる;同様 に標的核酸の鎖と、ワトソン−クリック、フーグステンまたは逆フーグステン塩 基対の意味でハイブリダイズできる塩基アナログが、天然塩基の変わりに存在で きる;または糖基が異なる位置、例えば2'−位または6'−位で誘導体化できる 。しかしながら、オリゴヌクレオチド誘導体が、また、少なくとも一つのヌクレ オ シド構築単位の変わりに、核酸塩基が結合する非糖骨格を含む少なくとも一つの ヌクレオシドアナログを含むことができる。 誘導体化オリゴヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオシド間架橋基およびア ナログは記載されている(例えば、De Mesmaeker,A.et al.,Curr.Op.Struct .Biol.5(1995),343-355;Sanghvi Y.S.et al.,(編),“Carbohydrate Modi fications in Antisense Research”,ACS Symposium Series 580(1994);S.T.C rooke,“Therapeutic Applications of Oligonucleotides”,R.G.Landes Co mpany Publisher(1995)参照;その全体を本明細書に引用して包含させる)。 本発明の好ましい態様は、式中、Aは式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中 、R1およびR2は互いに独立してH、C1−C5アルキル、アミノ−C2−C5アル キル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキル、N,N−ジ−C1 −C3アルキルアミノ−C2−C5アルキルまたは式(II) −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、C1−C3アル キル、アミノ−C2−C3アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2− C5アルキルまたはN,N−ジ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5−アルキルそ してmは1)の基;そしてR3は上記の意味を有し、特にHである、少なくとも一 つの前記の式(I)のヌクレオシド構築単位を含む新規オリゴヌクレオチド誘導体 に関する。 R1およびR2は好ましくは、互いに独立して、H、メチル、エチル、アミノエ チル、アミノプロピル、N−モノメチルアミノエチル、N−モノメチルアミノプ ロピル、N−モノエチルアミノエチル、N−モノエチルアミノプロピル、N,N −ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、N,N−ジエチルア ミノエチル、N,N−ジエチルアミノプロピルまたは式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、メチル、エチ ルまたはプロピルそしてmは1)の基である。 加えて、R1およびR2は好ましくは互いに独立して、H、メチル、エチル、 アミノエチル、N−モノメチルアミノエチル、N−モノエチルアミノエチル、N ,N−ジメチルアミノエチルまたはN,N−ジエチルアミノエチル、およびR1お よびR2は特に好ましくは互いに独立してH、メチルまたはエチルである。 非常に特別に好ましくは、R1およびR2がH、またはR1およびR2がメチル、 またはR1およびR2の一つの置換基がHおよび他方がメチルである本発明のオリ ゴヌクレオチド誘導体である。 R1およびR2がメチル、またはR1およびR2の一つの置換基がHおよび他方が メチルである本発明のオリゴヌクレオチド誘導体もまた好ましい。 上記の好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、R3 およびR4は互いに独立してH、−CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−CH3 である。 nが0である、上記の好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチドが好ま しい。 nが0そしてAが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、R3がH、そしてR1 およびR2は上記で定義の意味)である、上記の好ましい条件を含む本発明のオリ ゴヌクレオチドが特に有利である。 Aが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、−N(R1)(R2)は該式(III)の基 、の基であり、特に好ましくはYはN(R7)であり、R7はH、または特に好まし くは−CH3である)である、式(I)の該ヌクレオシド構築単位を少なくとも一つ 含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体が更に好ましい;この内容において、n は好ましくは0、R3は好ましくはHである。 他の好ましい態様は、Aが式(IVa)の基であり、特に好ましくはRはHまたは C1−C10アルキル、特にHである、式(I)の該ヌクレオシド構築単位を少なく とも一つ含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体が更に好ましい;この内容にお いて、nは好ましくは0である。 本発明の範囲内で、核酸塩基B(またはB'、下記参照)は、特に天然核酸塩基 および既知のアナログであると理解される(例えば、Accounts of Chem.Res.28 .(1955),pp.366-374;Sanghvi,Y.S.: Antisense Research and Application s, Crooke,S.T.およびLeb1eu,B.(編),CRC Press,B oca Raton(1993),pp.273-288参照;その全体を本明細書に引用して包含させる )。当業者に既知のように、核酸塩基B(またはB'、下記参照)は、環境条件に依 存して互換異性体形で存在できる。本発明により、このような互換異性体形はま た好ましい態様を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体に含まれる。 本発明は更に、Bが式(V1)から(V14) 〔式中、Rb1は-NH2、−SHまたは−OH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 の基である上記の好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体に関す る。 Bが式(V1)、(V2)、(V3)、(V4)または(V5) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたは−OH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 の基である本発明のオリゴヌクレオチド誘導体が好ましい。 本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の好ましい態様において、Bは式(V1)ま たは(V5) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたは−OH; Rb2はH、−NH2または−OH; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 の基である。 特に、Bは以下の基から選択される:キサンチン、ヒポキサンチン、アデニン 、2−アミノアデニン、グアニン、6−チオグアニン、ウラシル、チミン、シト シン、5−メチルシトシン、5−プロピニルウラシル、5−フルオロウラシルお よび5−プロピニルシトシン。 前記の好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、Vお よびWは特に、互いに独立して、ヌクレオシド間架橋基の基からなる。このよう なヌクレオシド間架橋基およびこれらの製造し、ヌクレオチド構築単位、オリゴ ヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド誘導体に挿入する方法は、上記のように 多数記載され、当業者に既知である。慣用的ヌクレオシド間架橋基は本発明の内 容に適している。 好ましくは、ヌクレオシド間架橋基としてのVおよびWは、互いに独立して以 下の基から選択される:5'−O−P(O)(OH)−O−3'(ホスホジエステル)、 5'−O−P(O)(SH)−O−3'(ホスホロチオエート)、5'−O−P(S)(SH )−O−3'(ホスホジチオエート)、5'−O−P(O)(CH3)−O−3'(メチルホ スホネート)、5'−O−P(O)(NH−R7)−O−3'(ホスホアミデート)(式中 、R7はC1−C3アルキル)、5'−O−P(O)(OR8)−O−3'(ホスホトリエス テル)(式中、R8はC1−C3アルキル)、5'−O−S(0)2−CH2−3'(スルホ ネート)、5−O−S(0)2−NH−3'(スルファメート)、5'−NH−S(O)2 −CH2−3'(スルホンアミド)、5'−CH2−S(O)2−CH2−3'(スルホン) 、5'−O−S(O)−O−3'(スルファイト)、5'−CH2−S(O)−CH2−3' (スルフオキシド)、5'−CH2−S−CH2−3'(スルフィド)、5'−O−CH2 −O−3'(ホルムアアセタール)、5'−S−CH2−O−3'(3'−チオホルムア セタール)、5'−O−CH2−S−3'(5'−チオホルムアセタール)、5'−CH2 −CH2−S−3'(チオエーテル)、5'−CH2−NH−O−3'(ヒドロキシル アミン)、5−CH2−N(CH3)−O−3'(メチレン(メチルイミノ))、5'−C H2−O−N(CH3)−3'(メチレンオキシ(メチルイミノ)、5'−O−C(O)− NH−3'(5'−N−カルバメート)、5'−CH2−C(O)−NH−3'(アミド) 、5'−NH−C(O)−CH2−3'(アミドII)、5'−CH2−NH−C(O)−3' (アミドIII)および5'−C(O)−NH−CH2−3'(アミドIV)これらの互換異性 体。 該基VおよびWのヌクレオシド間架橋基としての5'および3'配向は、下記の ように明らかにし得る: Vが基5'−CH2−C(O)−NH−3'(アミド)の場合、上記式(I)の対応する ヌクレオシド構築単位は以下の式(I.1): を有する。 Wが基5'−CH2−C(O)−NH−3'(アミド)である場合、上記式(I)の対応 するヌクレオシド構築単位は以下の式(I.2):を有する。 上記のヌクレオシド間架橋基のいくつかは、とりわけ、溶媒およびイオン化可 能基のイオン化の程度に依存して、異なる互換異性体が存在できる。従って、ホ スホロチオエート[O−(P−SH)(=O)−O]は、とりわけ溶媒およびイオン化 状態に依存して、より安定な形に、[O−(P−OH)(=S)−O]に互換できる。 本発明の内容の範囲内で、“オリゴヌクレオチド誘導体”なる用語は、また当業 者に既知の互換異性体も含む。 特に好ましくは、ヌクレオシド間架橋基としてのVおよびWが、独立して以下 の基から選択される:5'−O−P(O)(OH)−O−3'(ホスホジエステル)、5 '−O−P(O)(SH)−O−3'(ホスホロチオエート)および5'−CH2−C(O) −NH−3'(アミド)。 特に、ヌクレオシド間架橋基としてのVまたはWの一つが5'−O−P(O)(O H)O−3'(ホスホジエステル)および他方の基が5'−O−P(O)(SH)−O− 3'(ホスホロチオエート)である。 VおよびWは、またヌクレオシド間架橋基として、両方とも5'−O−P(O)( OH)−O−3'(ホスホジエステル)または両方とも5'−O−P(O)(SH)−O −3'(ホスホロチオエート)である。 式(I)の末端基として、VおよびWは好ましくは互いに独立して−OH、−N H2または保護ヒドロキシル基またはアミノ基である。末端基としてVに関して 更に好ましくは、−OH、−NH2または保護ヒドロキシル基またはアミノ基お よびWは−OHまたは−NH2である。特に、末端基として、VおよびWは、両 方とも−OHまたは−NH2である。それ以外に、本発明のオリゴヌクレオチド 誘導体に関して上記の好ましい条件がこの場合も同様に好ましい。 式Iの少なくとも一つのヌクレオシド構築単位に加えて、本発明のオリゴヌク レオチド誘導体は、更に天然または誘導体化ヌクレオシド構築単位を含むことが できる。 天然ヌクレオシド構築単位は、ペントフラノシル基、好ましくはリボシル基、 特にβ−D−リボシル基またはβ−D−2'−デオキシリボシル基を、それに結 合した核酸塩基と共に、およびヌクレオシド間架橋基としてホスホジエステルを 含む。このような天然ヌクレオシド構築単位は、以下の式VIおよび/またはVI*( ここで、および以下で、アスタリスク“*”を有するものおよびアスタリスクに より印をしていない式のヌクレオシド構築単位の間の差異は、ヌクレオシドの糖 または糖アナログのヌクレオシド間架橋基の結合点の位置である): 〔式中、QaはHまたは−OH;そしてBaは、特に、チミン、ウラシル、5−プ ロピニルウラシル、シトシン、5−メチルシトシン、5−プロピニルシトシン、 アデニン、2−アミノアデニンおよびグアニンから選択される核酸塩基の基〕 の式を有する。 1個またはそれ以上のホスホジエステル結合の、誘導体化ヌクレオシド問結合 、好ましくは上記のヌクレオシド間結合の一つへの置換は、特にヌクレアーゼへ の耐性または標的核酸への結合親和性に関して有利な性質を付与することが知ら れている。更に、特定の置換基(本発明の対象を成すもの以外)のオリゴヌクレオ チドへの、特に2'位への挿入は、同様に、特にヌクレアーゼへの耐性または標 的核酸への結合親和性に関して有利な性質を付与することもまた知られている( 例えば、Martin,P.,Helv.Chem.Acta,78(1995),486-504;Lesnik,E.A.et al.,Biochemistry 32(1993),7832-7838;Inoue,H.et al.,Nucl.Acids Res .15(1987),6131-6148;Douglas,M.E.et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.4(1 994),995-1000;Manoharan,M.et al.,Tet.Lett.32(1991),7171-7174;Kelle r,T.H.et al.,Helv.Chimica Acta 76(1993),884-892;Iribarren,A.M.e t al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87(1990),7747-7751;国際出願WO94/ O2501;WO93/13121;WO95/16696;WO91/065 56;WO93/07883;WO91/15499;WO92/03568; DE91−4110085;WO95/06659参照)。 以下は、従って本発明のオリゴヌクレオチド誘導体のためのヌクレオシド構築 単位の更なる例である: −置換基Qaの場所に、置換基Q(H、−OH、−SCH3、−F、N3、−CN、 −PCH、−OCH3、−O(CH2)zCH3(式中、zは1から10)、−O(CH2 CH2O)vCH3(式中、vは0から12、特に1または3、特に1)、−CH2C H(CH3)OCH3または−CH2CH(OH)CH2OH)、または広い意味で、同 様の性質をもつ他の置換基、例えばCl、Br、CF3、ONO2、NO2、NH2 およびO−、S−またはNH−C1−C4アルキルに置き換わっている点で式VIま たはVI*のものと異なるヌクレオシド構築単位(ここでQは特にOH、F、メトキ シ、好ましくは2'−2(2−メトキシ)エトキシ、または特にH)。 −ホスホジエステル基の代わりに、以下の基から選択されるホスホロチオエート 基を含む、ヌクレオシド構築単位:ホスホジチオエート、スルフェート、スルホ ネート、スルホンアミド、スルホン、スルファイト、スルフオキシド、スルフィ ド、ホルムアセタール、3'−チオホルムアセタール、5'−チオエーテル、ヒド ロキシルアミン(ホスホジエステル結合O−[(HO−)P(=O)]−OCH2の代わ りにCH2−NH−O−CH2を有する)、メチレン(メチルイミノ)(ホスホジエス テル結合の代わりにCH2−N(CH3)−O−CH3を有する);メチレンオキシ( メチルイミノ)(ホスホジエステル結合の代わりにCH2−O−N(CH3)−CH2 を有する)、メチレン((メチルイミノ)メチルイミノ)(ホスホジエステル結合の代 わりにCH2−N(CH3)−N(CH3)−CH2を有する)、カーボネート、5'−N −カルバメート、アミド(ホスホジエステル結合の代わりにCH2−(C=O)−N H−CH2を有する、国際出願WO92/20823参照)、モルホリノカルバメ ート(Sunlmerton,J.E.およびWeller,D.D.,米国特許第5,034,506合 参照)またはペプチド核酸(P.E.Nielsen,M.Engholm,R.H.Berg,O.Buchar dt,Science254,1497(1991)参照)、全て公知技術に属する(更なる情報の参照の ためのレビューとして、Milligan et al.,J.Med.Chem.34(14),1923-37(199 3)およびUhlmann et al.,Chemical Reviews90(4),543-84(1990)参照)。 このような2'−置換ヌクレオシド構築単位および上記ヌクレオシド間架橋基 を含むこのようなヌクレオシド構築単位およびその製造法は、上記のように当業 者に既知であり、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の好ましい態様に属し、式 Iの少なくとも一つのヌクレオシド構築単位に加えて、式VIIからXVまたはVII* からXV*の以下のヌクレオシド構築単位を少なくとも一つ含む:式中、RIは−CH3または−CH2−CH2−NH2;RIIは−N(H)(C1−C4ア ルキル)、−N(H)((CH2)3-N(CH3)2)、−N(CH3)(CH2−CH2− N(CH3)2)、−N(H)((CH2)5−NH2)、−N(H)(CH2−CH2−RIV)(式ここで、RV=CH2、OまたはN(CH3));そしてRIIIはC1−C4アルキル; ここで、QおよびBは好ましい条件を含む上記で定義の通り。 少なくとも一つのホスホジエステル結合の代わりに、本発明の好ましいオリゴ ヌクレオチド誘導体は、少なくとも一つの誘導体化ヌクレオシド間架橋基、より 有利には上記の基の一つ、特にホスホロチオエート基またはアミド基を含む。 その末端ヌクレオシド構築単位が式VI、VIIaからVIIf、VIIIc、IXaからIX d、XaからXc、XIaからXIc、XVIおよびXV*から選択される化合物において 、末端OH基が好ましくは5'末端に結合し、末端Hは3'末端に結合する。 その末端ヌクレオシド構築単位が式VI*、VIIa*−VIIh*、VIIIa*−VIIIe* 、IXa*−IXc*、Xa*−Xc*、XIa*−XId*、XII*およびXVから選択される化 合物において、末端基Hは好ましくは5'末端に結合し、末端OH基は好ましく は3'末端に結合する。 末端ヌクレオシド構築単位が式XIeである化合物において、Hは好ましくは5 '末端および3'末端の両方に結合する。 式XIV*の末端基を有する化合物において、末端基―(C=O)−Oに代わった末 端OH基は好ましくは5'末端に結合し、末端Hは3'末端に結合する。 末端ヌクレオシド構築単位が式VIIIb、VIIIb、式VIIIb*、VIIId、VIIId* 、VIIIe、VIIIe*、IXd*、XId、XII、XIIIおよびXIII*からなる群から選択さ れる化合物において、末端OH基は好ましくは5'末端に、末端OH基は好まし くは3'末端に結合する。 1個またはそれ以上の式Iのヌクレオシド構築単位を有する本発明のオリゴヌ クレオチド誘導体において、式VIからXVまたはVI*からXV*の同一または異なり得 る1個またはそれ以上のヌクレオシド構築単位の組み合わせが、例えば、式Iの 1個またはそれ以上の構築単位を、無作為に同一または異なる式VI、XVまたはVI *からXV*、好ましくは式VI、VI*、VIIa、VIIa*、XIcおよびXIc*と組み合わ せることによりできる。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、更に好ましくは 、式VIからXV、特に式VI、VI*、VIIa、VIIa*、XIcおよびXIc*の同一または 異なる構築単位と置換された式Iのヌクレオシド構築単位を有する。 本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、式Iに対応する少なくとも一つの核酸 構築単位および残りの核酸単位が同一であり、式VIからXVまたはVI*からXV*、好 ましくは式VI、VI*、VIIa、VIIa*、XIcおよびXIc*の核酸構築単位に対応す る。 式(I)の核酸構築単位のみを含む本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、好 ましくは式(I)の核酸構築単位3から50、より好ましくは10から25、特に 15から20を含む。 1個またはそれ以上の式Iの核酸構築単位および1個またはそれ以上の式VIか らXVまたはVI*からXVの核酸構築単位から成る本発明のオリゴヌクレオチド誘導 体は、合計で核酸構築単位3から50、好ましくは10から25、特に15から 20を含み、その中で、3から20、好ましくは5から15が式(I)の核酸構築 単位であり、この構築単位はオリゴヌクレオチド誘導体の中で無作為に分散し、 残りの核酸構築単位と置き換わって配列中に存在するか、配列の中で結合し、特 に結合している。 好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、ヌクレオシド間架橋基と してホスホジエステル結合のみまたはホスホロチオエート結合のみを有する。 “キメラ”構造を有する本発明のオリゴヌクレオチド誘導体もまた好ましい。 本発明の内容の範囲内で、“キメラ構造”または“キメラ”とも呼ぶ用語は、一 つのタイプの核酸構築単位から合成された、2個またはそれ以上の化学的に異な る領域を含むオリゴヌクレオチド誘導体を意味すると理解される。このようなキ メラオリゴヌクレオチド誘導体は、典型的に一個またはそれ以上の有利な一つの 性質/複数の性質(例えば、増加したヌクレアーゼへの耐性、増加した結合親和 性または減少した配列非依存的副作用の発生)をオリゴヌクレオチド誘導体に付 与する一個またはそれ以上の修飾核酸構築単位、M領域とも呼ばれるいわゆる“ 翼”、U領域とも呼ばれる標的核酸のRNAse H-介在開裂が起こる、即ちいわ ゆる“RNAse H窓”を含む。オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド 誘導体の親和性は、慣習的にオリゴヌクレオチド(誘導体)/標的核酸ハイブリッ ドのTmの測定により決定する。Tm値はオリゴヌクレオチドまたはその誘導体 と標的核酸が先に形成されていたハイブリッドから解離する温度である。解離は 分光測光法により測定する。そのTm値が高いほどオリゴヌクレオチドまたはそ の誘導体の標的核酸への親和性が高い。Tm値の測定法は公知技術の範囲内であ る(Sambrook,FritschおよびManiatis,“Molecular Cloning-A Laboratory Man ual”,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989参照)。本発明の 内容の範囲内で、ヌクレアーゼへの増加した耐性は、本発明のオリゴヌクレオチ ド誘導体のエキソヌクレアーゼまたは細胞内存在するエンドヌクレアーゼによる 減少したまたは遅い分解を意味する。ヌクレアーゼもしくはオリゴヌクレオチド または誘導体の分解への耐性は、例えばゲル電気泳動により追跡できる。RNA se HはRNA:DNA二本鎖のRNA鎖を開裂する細胞性エンドヌクレアーゼで ある。従って酵素の活性は、標的RNAの分解をもたらし、結果としてアンチセ ンス機構の作用が増加する。標的RNAの開裂は、慣習的にゲル電気泳動により 証明できる。キメラにおいて、異なる有利な性質が一つの同じ分子に存在するが 、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体はタンパク質またはRNAの発現の阻害に 関して促進されたアンチセンス作用を有する。 一つの態様において、本発明のキメラオリゴヌクレオチド誘導体は、少なくと も一つの式Iの核酸構築単位を含む少なくとも一つのM領域および、標的核酸の RNAse H-介在開裂が起こるのを可能にする少なくとも一つのU領域を含むU 領域は、特に互いに、ヌクレオシド間基としてのホスホジエステル結合、または 好ましくはホスホロチオエート結合により結合した慣習的な2'−デオキシリボ 核酸構築単位を含む。本発明のキメラオリゴヌクレオチド誘導体のM領域は、特 に、ヌクレオシド間架橋基としてのWおよびVがホスホジエステル結合、ホスホ ロチオエート結合またはアミド結合(ホスホジエステル結合が好ましい)である式 Iの核酸構築単位を含む。 好ましくは合計3から50、特に10から25、特に好ましくは15から20 ヌクレオシド構築単位から成る上記のタイプの本発明のキメラオリゴヌクレオチ ド誘導体は、例えば、3から25、好ましくは5から15の、ヌクレオシド間架 橋基としてのVおよびWが特にホスホジエステル、ホスホロチオエートまたはア ミド、好ましくはホスホジエステルまたはホスホロチオエート、特にホスホジエ ステルである式Iのヌクレオシド構築単位を有する一個またはそれ以上のM領域 ;および更に置換されておらず、ヌクレオシド間架橋基としてホスホジエステル 基またはホスホロチオエート基、好ましくはホスホロチオエート基を有する、例 えば、2から25の2'−デオキシリボース構築単位を含む。 本発明のキメラオリゴヌクレオチド誘導体は好ましくは以下の配列の一つで存 在する: 5'−M―U―M−3' 5'−M―U−3'または 5'−U―M−3' 本発明の更なるオリゴヌクレオチド誘導体は他の単位、例えばミセル形成基、 抗体、炭水化物、レセプター結合基、コレステロールのようなステロイド、ポリ ペプチド、アクリジン誘導体、長鎖アルコール、デンドリマー、リン脂質および 他の親油性基のような挿入剤と結合し得る。この方法での結合は、本発明のオリ ゴヌクレオチドに薬物動力学的性質に関して有利な性質を付与する。特に、この 方法での結合は細胞性取りこみを増加させる。 特に好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、ヌクレオ シド間架橋基としてホスホジエステル結合により互いに結合している式Iのヌク レオシド構築単位のみ含む。他の非常に好ましい態様において、本発明のオリゴ ヌクレオチドは、ヌクレオシド間架橋基としてホスホロチオエート結合により互 いに結合している式Iのヌクレオシド構築単位のみ含む。 但し、塩形成基が存在する場合、“オリゴヌクレオチド誘導体”なる用語はま た塩、特に酸付加塩、塩基との塩、または数個の塩形成期が存在する場合、恐ら く塩または内部塩の混合物もまた含む。 本発明オリゴヌクレオチド誘導体の塩は、特に製薬学的に耐容性の塩、即ち本 質的に非毒性塩である。 このような塩は、例えば、酸性基、例えばカルボキシル基、ホスホジエステル 基またはホスホロチオエート基を有する本発明のオリゴヌクレオチド誘導体から 形成され、例えば適当な塩基との塩である。これらの塩は、例えば、元素の周期 表のIa、Ib、IIaおよびIIbの群由来の非毒性金属塩、特に適当なアルカリ 金属塩、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム塩、またはアルカリ土類金 属塩、例えばマグネシウムまたはカルシウム塩を含む。更に、亜鉛およびアンモ ニウム塩も含み、また、非置換またはヒドロキシル置換モノ−、ジ−、トリ−ア ルキルアミン、特にモノ−、ジ−またはトリ−アルキルアミンのような適当な有 機アミン、または4級アンモニウム化合物、例えばN−メチル−N−エチルアミ ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−、ビス−またはトリス−(2− ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミンまたはトリス( ヒドロキシメチル)メチルアミンのようなモノ−、ビス−またはトリス−(2−ヒ ドロキシ低級アルキル)アミン、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル) アミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミンのようなN,N−ジ−低級ア ルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)アミン、もしくはN−メチル−D−グル カミンまたはテトラブチルアンモニウム塩のような4級アンモニウム化合物と形 成された塩も含む。 リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩またはカリウム塩が好ま しく、ナトリウム塩が特に好ましい。 塩基基、例えばアミノ基またはイミノ基を有する本発明のオリゴヌクレオチド 誘導体は、酸付加塩を、例えば無機酸、例えば塩酸のようなヒドロハライド酸、 硫酸またはリン酸と、または有機カルボン酸、スルホン酸、硫黄の酸またはリン の酸またはN−置換スルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸 、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマール 酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルカン酸、グルクロン酸、クエン酸、安 息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノ キシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、エンボン酸、ニコトン酸、イソニコト ン酸と、更にアミノ酸、例えばα−アミノ酸とおよびまたメタンスルホン酸、エ タンスルホン酸、2−ヒドロキシメタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホ ン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2− スルホン酸、2−または3−ホスホグリセラート、グルコース−6−ホスフェー トまたはN−シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成と共に)と、ま たはアスコルビン酸のような他の酸性有機化合物と酸付加塩を形成できる。 酸性および塩基性基の両方を有する本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、内 部塩もまた形成できる。 塩形成に適当な一つ以上の基を有する本発明のオリゴヌクレオチド結合体は、 また混合塩も形成できる。 製薬学的に不適当な塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩もまた単離およ び精製のために使用できる。 正しく使用した時、非毒性であり、治療目的で用いられ、従って好ましいのは 製薬学的に耐容性の塩である。 本発明は更に式(Ia) 〔式中、 Aは式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、 R1およびR2は互いに独立してH、C1−C10アルキル、式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (III) (ここで、各Xは互いに独立してOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立し てH、C1−C10アルキル、アミノ−C2−C10アルキル、N−モノ−C1−C10 アルキルアミノ−C2−C10アルキルまたはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミ ノ−C2−C10アルキル、そしてmは1から3まで(3を含む)の整数)の基、 アミノ−C3−C10アルキル、N−モノ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10 アルキル、またはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10アルキル; または、式中 N(R1)(R2)はともに式(III) ここで、YはO、S、SO2またはN(R7)、およびR7はHまたは−CH3;R3 はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4アル キル;または Aは式(IVa)または(IVb) 式中、Rは独立してR1またはR2の意味を有し、UはOまたはCH2; R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4ア ルキル; nは0、1または2; B'は保護または非保護核酸塩基;そして VaおよびWaは互いに独立して同一または異なって保護されたヒドロキシルまた はアミノ基の−OH、−NH2〕 の化合物(基Aにおいて、二つのヘテロ原子が同じ炭素に結合している化合物は 除き、他の反応性基が存在する場合、保護または非保護形である)を提供する。 式(III)の基の更なる態様において、YはSOである。 Aが式―C(H)(R3)−N(R1)(R2) (式中、R1およびR2は互いに独立してH、C1−C5アルキル、アミノ−C2−C5 アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキル、N,N−ジ −C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキル)または式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、C1−C3アル キル、アミノ−C2−C3アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2− C5アルキルまたはN,N−ジ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキルおよ びmは1);そしてR3が上記の意味を有し、特にHである、式(Ia)の化合物が 好ましい。 R1およびR2は互いに独立してH、メチル、エチル、アミノエチル、アミノプ ロピル、N−モノメチルアミノエチル、N−モノメチルアミノプロピル、N−モ ノエチルアミノエチル、N−モノエチルアミノプロピル、N,N−ジメチルアミ ノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、N,N−ジエチルアミノエチル、N ,N−ジエチルアミノプロピルまたは式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、メチル、エチ ルまたはプロピルおよびmは1)である、式(Ia)の化合物が更に好ましい。 R1およびR2が互いに独立してH、メチル、エチル、アミノエチル、N−モノ メチルアミノエチル、N−モノエチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノエ チルまたはN,N−ジエチルアミノエチルである式(Ia)の化合物が特に好まし い。 特に、R1およびR2は互いに独立してH、メチルまたはエチルである。 式(Ia)の有利な態様において、R1およびR2がHまたはR1およびR2がメチ ル、または置換基R1およびR2の一つがHおよび他方がメチルである。 この内容において、特にR1およびR2がメチル、または置換基R1およびR2の 一つがHおよび他方がメチルである。 上記の好ましい条件を含む本発明の式(Ia)の化合物において、R3およびR4 は互いに独立してH、−CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−CH3である 。 nが0である、上記の好ましい条件を含む本発明の式(Ia)の化合物が好まし い。 nが0およびAが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、R3はHおよびR1お よびR2は上記の通り)である、上記の好ましい条件を含む本発明の式(Ia)の化 合物が特に有利である。 Aが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、−N(R1)(R2)は上記式(III)の 基、ここで特に好ましくはYがN(R7)であり、R7がH、または特に好ましくは −CH3である)である本発明の式(Ia)の化合物が更に好ましい;この内容にお いて、nは好ましくは0、R3は好ましくはHである。 更に好ましい態様は、Aが上記の式(IVa)の基(ここで、Rは特に好ましくは HまたはC1−C10アルキル、特にH)である式(Ia)の化合物に関する:;この 内容において、nは好ましくは0である。 式(Ia)の化合物において、2'置換基の他の反応基、例えば上記置換基Aの 非置換またはモノ置換アミノ基は、保護形で存在でき、保護形で存在する式(I a)の化合物はオリゴヌクレオチド合成に特に好ましい。 本発明は、更に、B'が式(V1)から(V14) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたはOH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 であり、環外アミノ基が非保護または保護形で存在する、上記の好ましい条件を 含む本発明の式(Ia)の化合物に関する。 B'が式(V1)、(V2)、(V3)、(V4)または(V5) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたはOH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 であり、環外アミノ基が非保護または保護形で存在する、上記の好ましい条件を 含む本発明の式(Ia)の化合物が好ましい。 式(Ia)の化合物のB'は特に以下の基から選択される;環外アミノ基が保護 または非保護形で存在する、キサンチン、ヒポキサンチン、アデニン、2−アミ ノアデニン、グアニン、6−チオグアニン、ウラシル、チミン、シトシン、5− メチルシトシン、5−プロピニルウラシル、5−フルオロウラシルおよび5−プ ロピニルシトシン。 特に核酸塩基またはヌクレオシドの糖残基の場合の、アミノ基およびヒドロキ シル基の保護基、およびこれらの官能基を誘導体化する方法は、糖化学および核 酸化学で既知であり、本発明に適用できる(例えば、Beaucage,S.L.et al.,T etrahedron 48(1992),2223-2311;J.F.W.McOmie,“Protective Froups in O rgamic Chemistry”,Plenum Press,London and New York 1973;Th.W.Greene ,“Protective Groups in Orgamic Synthesis”,Wiley,New York 1981,“Th e Peptides”,Vol.3(E.GrossおよびJ.Meienhofer編),Academic Press,Lon don und New York 1981;Greene,B.T.,“ProtectIVe Groups in Organic Synt hesis”,Wiley Interscience,New York(1991);Sonveaux,E.,Bioorganic Che micstry,14,274-325(1986);“Methoden der organischen Chemie”(Medhods o f organic chemistry),Houben-Weyl,第4版,Vol.15/1,Georg Thieme Verlag ,Stuttgart 1974;H.-D.JakubkeおよびH.Jescheit,“A roteins),Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach and Basle 1982参照)。 これらの保護基の例は:ベンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、メトキ シベンジル、ジメトキシベンジル、ブロモベンジル、2,4−ジクロロベンジル ;ジフェニルメチル、ジ(メチルフェニル)メチル、ジ(ジメチルフェニル)メチル 、ジ(メトキシフェニル)メチル、ジ(ジメトキシフェニル)メチル、トリフェニル メチル、トリス−4,4',4”−tert−ブチルフェニルメチル、ジ−p−アニシ ルフェニルメチル、トリ(メチルフェニル)メチル、トリ(ジメチルフェニル)メチ ル、メトキシフェニル(ジフェニル)メチル、ジ(メトキシフェニル)フェニルメチ ル、トリ(メトキシフェニル)メチル、トリ(ジメトキシフェニル)メチル;1から 20、好ましくは1から12および特に好ましくは1から8C炭素をアルキル基 に有するトリフェニルシリル、アルキルジフェニルシリル、ジアルキルフェニル シリルおよびトリアルキルシリル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル 、トリ−n−プロピルシリル、イソプロピル−ジメチルシリル、tert−ブチルジ メチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、n−オクチルジメチルシリル、 (1,1,2,2−テトラメチルエチル)ジメチルシリル;−(C1−C8アルキル)2S i−O−Si(C1−C8アルキル)2−(ここで、アルキルは、例え ば、メチル、エチル、n−およびイソ−プロピル、またはn−、イソ−またはte rt−ブチル);C2−C12、特にC2−C8アシル、例えばアセチル、プロパノイル 、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、メチルベンゾイル、 メトキシベンゾィル、クロロベンゾイルおよびブロモベンゾイル;Rs1−SO2 −(ここで、Rs1はC1−C12アルキル、特にC1−C6アルキル、C5−またはC6 シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1−C12および、特にC1−C4アルキ ルフェニル、またはC1−C12−および特にC1−C4アルキルベンジル、または ハロフェニルまたはハロベンジル、例えばメチル−、エチル−、プロピル−、ブ チル−、フェニル−、ベンジル−、p−ブロモ−、p−メトキシ−およびp−メ チルフェニルスルフォニル);非置換またはF、Cl、Br、C1−C4アルコキ シ、トリ−(C1−C4アルキル)シリルまたはC1−C4アルキルスルホニル、C1 −C12、好ましくはC1−C8アルコキシカルボニル、例えばメトキシ−、エトキ シ−、n−またはイソ−プロポキシ−またはn−、イソ−またはtert−ブトキシ カルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2−メチルスルホニル エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルまたはフェニルオキシカルボニル (アルコキシカルボニルの場合、非置換または置換されている)で置換されている 、またはベンジルオキシカルボニル、例えばメチル−、メトキシ−、またはクロ ロフェニルオキシカルボニル−またはベンジルオキシカルボニル−、およびまた 9−フルオレニルメトキシカルボニルである。但し、保護基がアルキルである場 合、この基はF、Cl、Br、C1−C4アルコキシ、フェニルオキシ、クロロフ ェニルオキシ、メトキシフェニルオキシ、ベンジルオキシ、メトキシベンジルオ キシまたはクロロフェニルオキシにより置換され得る。 保護アミノ基は、例えば、アシルアミノ、アリールアミノ、メチルアミノ、エ ーテル化メルカプトアミノ、2−アシル−低級アルケ−1−エニルアミノ、シリ ルアミノまたはN−低級アルキルビロリジニリデン基の形で、またはアジド基の 形で保護され得る。 対応するアシルアミノ基の場合、アシルは、例えば18C原子以上ではない、 有機カルボン酸のアシル基、特に非置換または置換、例えば、ハロゲンまたはア リールにより置換された、低級アルカンカルボン酸、または非置換または、例え ばハロゲン−、低級アルコキシ−またはニトロ−置換安息香酸または好ましくは カルボン酸セミエステルである。このようなアシル基の例は、ホルミル、アセチ ル、プロピオニル、イソブチリルまたはピバロイルのような低級アルカノイル; ハロゲン−低級アルカノイル、例えば2−クロロ−、2−ブロモ−、2−ヨード −、2,2,2−トリフルオロ−または2,2,2−トリクロローアセチルのよう な2−ハロアセチル;フェノキシアセチルまたは4−tert−ブチルフェノキシア セチルのようなフェノキシ−または(低級アルキル)フェノキシ−低級アルキル; ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−メトキシベンゾイルまたは4−ニトロ ベンゾイルのような非置換または置換、例えばハロゲン−、低級アルコキシ−ま たはニトロ−置換ベンゾイル;低級アルコキシカルボニル、好ましくは低級アル キル基の1位で分枝しているか、または1または2位で置換されている、例えば 、tert−ブトキシカルボニルのようなtert−低級アルコキシカルボニル;非置換 または、例えば低級アルキル、特にtert−ブチルのようなtert−低級アルキル、 メトキシのような低級アルコキシ、ヒドロキシル、塩素のようなハロゲンおよび /またはニトロでモノ置換またはポリ置換されている1個、2個または3個のフ ェニル基を有するアリールメトキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニ ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、9 −フルオレニルメトキシカルボニルまたはジ(4-メトキシフェニル)−メトキシ カルボニル;アロイル基が好ましくは、非置換または例えば臭素のようなハロゲ ンにより置換されているベノジルである、アロイルメトキシカルボニル、例えば フェナシルオキシカルボニル;2−ハロゲン−低級アルコキシカルボニル、例え ば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニルま たは2−ヨードエトキシカルボニル;2−(トリ−置換シリル)−低級アルコキシ カルボニル、例えば、2−トリメチルシリルエトキシカルボニルまたは2−(ジ −n−ブチルメチルシリル)エトキシカルボニルのような2−低級アルキルシリ ル−低級アルコキシカルボニル;トリアリールシリル低級アルコキシカルボニル 、例えば2−トリフェニルシリルエトキシカルボニル;またはN,N−ジメチル ホルムアミジニルのようなN,N−ジ−低級アルキルホルムアミジニルである。 アリールメチルアミノ基、例えば、モノ−、ジ−または特にトリメチルアミノ 基において、アリール基は特に非置換または置換フェニル基である。このような 基の例はベンジル−、ジフェニルメチル−または特にトリチルアミノである。 エーテル化メルカプトアミノ基において、メルカプト基は、特に置換アリール チオ−またはアリール−低級アルキルチオ基の形で存在し、その中でアリールは 例えば非置換または例えばメチルまたはtert−ブチルのような低級アルキル、メ トキシのような低級アルコキシ、塩素のようなハロゲンおよび/またはニトロで 置換されているフェニル、例えば4−ニトロフェニルチオである。 アミノ保護基として使用できる2−アシル低級アルク−1−エニル基において 、アシルは、例えば低級アルカンカルボン酸の対応する基;非置換または例えば メチル、tert−ブチルのような低級アルキル、メトキシのような低級アルコキシ 、塩素のようなハロゲンおよび/またはニトロで置換されている安息香酸の対応 する基;または特にカルボン酸低級アルキルセミエステルのようなカルボン酸セ ミエステルである。対応する保護基は特に1−低級アルカノイル−低級アルク− 1−エン−2−イル、例えば1−低級アルカノプロプ−1−エン−2−イル、例 えば、1−アセトプロプ−1−エン−2−イルまたは低級アルコキシカルボニル −低級アルク−1−エン−2−イル、例えば1−エトキシカルボニルプロプ−1 −エン−2−イルのような低級アルコキシカルボニルプロプ−1−エン−2−イ ルである。 シリルアミノ基は、例えば、トリ−低級アルキルシリルアミノ基、例えばトリ メチルシリルアミノまたはtert−ブチルジメチルシリルアミノである。シリルア ミノ基のシリコン原子はまた二つの低級アルキル基、例えば二つのメチル基によ りのみ置換され得る。このような保護基を有する化合物は、シリル化剤として、 例えば、ジメチルクロロシランのような対応するクロロシランを使用して製造で きる。 N−低級アルキルピロリジニリデン基は好ましくはN−メチルピロリジン−2 −イリデンである。 好ましいアミノ保護基は低級アルコキシカルボニル、フェニル−低級アルコキ シカルボニル、フルオレニル−低級アルコキシカルボニル、2−低級アルカノイ ル−低級アルク−1−エン−2−イルおよび低級アルコキシカルボニル−低級ア ルク−1−エン−2−イル、特に好ましくはイソブチリル、ベンゾイル、フェノ キシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、N,N−ジメチルホルム アミジニルおよびN−メチルピロリジン−2−イリデンである。 VaおよびWaが保護ヒドロキシルまたはアミノ基である場合、保護基は異なる か、好ましくは同一であり得る。核酸塩基B'の保護基は、異なるか、または好 ましくは同一であり得る。 特に好ましい態様において、保護ヒドロキシルまたはアミノ基としてのVaお よびWaの保護基は、以下の基から選択される:ベンジル、メチルベンジル、ジ メチルベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、ハロゲン化ベンジル 、特にブロモベンジル;ジフェニルメチル、ジ(メチルフェニル)メチル、ジ(ジ メチルフェニル)メチル、ジ(メトキシフェニル)メチル、ジ(メトキシフェニル)( フェニル)メチル、トリフェニルメチル、トリス−4,4',4”−tert−ブチルフ ェニルメチル、ジ−p−アニシルフェニルメチル、トリ(メチルフェニル)メチル 、トリ(ジメチルフェニル)メチル、トリ(メトキシフェニル)メチル、トリ(ジメ トキシフェニル)メチル;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−n−プ ロピルシリル、i−プロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t− ブチルジフェニルシリル、n−オクチルジメチルシリル、(1,1,2,2−テトラ メチルエチル)ジメチルシリル、−(CH3)2Si−O−Si(CH3)2−、(i−C37)2Si−O−Si(i−C37)2−;アセチル、プロパノイル、ブタノイル、 ペンタノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、メチルベンゾイル、メトキシベンゾ イル、クロロベンゾイルおよびブロモベンゾイル;メチル−、エチル−、プロピ ル−、ブチル−、フェニル−、ベンジル−、p−ブロモ−、p−メトキシ−およ びp−メトキシフェニルスルホニル;メトキシ−、エトキシ−、n−またはi− プロポキシ−またはn−、i−またはt−ブトキシカルボニルまたはフェニルオ キシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メチル−またはメトキシ−または クロロフェニルオキシカルボニルまたは−ベンジルオキシカルボニルまたは9− フルオレニルメトキシカルボニル。 本発明の内容の範囲内で、接頭語“低級”は、特記しない限り、1から7(7 を含む)、好ましくは1から4(4を含む)、特に好ましくは1から2(2を含む) C原子の基を意味する。 上記の好ましい条件を含む式(Ia)の化合物は、核酸塩基B'の環外アミノ基 の保護基が以下の基から選択されるものである:−C(O)CH3、−C(O)−C H(CH3)2、−C(O)−フェニル、−C(O)−CH2−O−フェニル、−C(O) −CH−p−(tert−ブチル)フェニル、−C(O)−CH2−O−p−(tert−ブチ ル)フェニル、−C(O)−CH2−O−p−(イソプロピル)フェニル、=CH−N (CH3)2、=CH−N(ブチル)2および 上記の好ましい条件を含む式(Ia)の化合物は、更に、保護ヒドロキシル基ま たは保護アミノ基としてのVaまたはWaがトリチルタイプ保護基であるのが更に 好ましい。このトリチル−タイプ保護基は、好ましくは以下の基から選択される :トリチル、4−モノメトキシトリチル、4,4'−ジメトキシトリチルおよび4 ,4',4”−トリス−tert−ブチルトリチル。 式(Ia)の化合物はそれ自体既知の方法で製造できる。 本発明はまた、 式(Ia) 〔式中、Va、Wa、AおよびB'は好ましい条件を含む上記で定義の意味、そし て (a)R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1− C4アルキルおよびnは0 [この場合、式(A) 〔式中、VaおよびWaは互いに独立して保護ヒドロキシルまたはアミノ基、およ びB'は上記で定義の意味であり、B'の環外アミノ基は保護基により保護されて いる〕 の化合物を、式(B) X−CH2−A (B) 〔式中、XはCl、Br、I、トシル−Oまたはメシル−OおよびAは上記で定 義の意味であり、Aの1級および2級アミノ基および1級ヒドロキシル基は保護 基により保護されている〕 の化合物と反応させることを含む];または (b)R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1− C4アルキルおよびnは1または2 [この場合、式(A) 〔式中、VaおよびWaは互いに独立して保護ヒドロキシルまたはアミノ基、およ びBは上記で定義の意味であり、B'の環外アミノ基は保護基により保護されて いる〕 の化合物を、式(C) X-CH2-C(H)(R4)-[O-CH2-C(H)(R4)](n-1)-O-CH2-A (C) 〔式中、XはCl、Br、I、トシル−Oまたはメシル−OならびにR4および Aは上記で定義の意味であり、Aの1級および2級アミノ基および1級ヒドロキ シル基は保護基により保護されている〕 の化合物と反応させることを含む];または (c)R4がHおよびnが1または2 [この場合、式(D) 〔式中、VaおよびWaは互いに独立して保護ヒドロキシルまたはアミノ基、およ びB'は上記で定義の意味であり、B'の環外アミノ基は保護基により保護されて いる〕 の化合物を、式(E) HO−(CH2−CH2)n-1−O−CH2−A (E) 〔式中、Aは上記で定義の意味であり、Aの1級および2級アミノ基および1級 ヒドロキシル基は保護基により保護されている〕 の化合物と反応させることを含む];または (d)R4がH、nが0およびAが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)の基 [この場合、式(D) 〔上記で定義の通り〕 の化合物を、式(F) NH(R1)(R2) (F) 〔式中、R1およびR2または基−N(R1)(R2)は上記で定義の意味であり、必要 に応じてR1またはR2の官能基は保護されている〕 の化合物と反応させることを含む];または (e)R4がH、nが0およびAが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)の基 [この場合、式(D) 〔上記で定義の通り〕 の化合物を、アジドと反応させ、続く、必要に応じて触媒、例えばSnCl2を 使用した還元により、式(G)の化合物を更なる誘導体化に付す]〕; ((a)から(e)の場合、必要に応じて保護基を続いて脱保護する) の化合物の製造法も提供する。 式(A)、(B)、(C)、(E)および(F)は既知であり、商品として入手可能であ るか、またはそれ自体既知の方法を使用して製造できる。 式(D)の化合物は、例えば、上記で定義の式(A)の化合物を、式(H) X−CH2−C(O)OR10 (H) 〔式中、R10はC1−C4アルキルおよびXはCl、Br、I、トシル−O] の化合物と、溶媒中反応させ、得られる化合物のエステル機能を、好ましくはN aBH4で還元し、式(K) 〔式中、Va、WaおよびB'は上記で定義の意味〕 の1級アルコールを得、式(K)の1級アルコール基をそれ自体既知の方法で脱離 基L、好ましくはトシル−Oまたはメシル−Oに変換し、それにより式(D)の化合物を得る。 記載のタイプの反応および適当な反応条件は当業者に既知である(例えば、Mar tin,P.,Helv.Chem.Acta,78(1995),486ff.;Lesnik,E.A.et al.,Bioch emistry,32(1993),7832ff.;Inoue,H.et al.,Nucl.Acids Res.15(1987 )6131ff.;Manoharan,M.et al.,Tetrahedron Lett.32(1991),7171ff.;Kel ler,T.H.et al.,Helv.Chimia Acta 76(1993),884ff;Sproat,B.S.et al .,Nucl.Acids Res.17(1989),3373ff.;国際出願WO94/02501;WO 95/16696;WO91/06556;WO93/07883;WO91/ 15499;ドイツ91−4110085;WO95/06659参照;これら の刊行物の全ての内容を本明細書に引用して包含させる)。 記載の反応において、反応温度は−50℃から200℃、好ましくは−10℃ から90℃の間である。 式(Ia)の化合物はそれ自体既知の方法、例えば沈殿、結晶化、濾過およびク ロマトグラフィー法を使用して単離および精製する。 式(Ia)の化合物は、特に、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の製造のため の合成構築単位または中間体として適している。 従って、本発明はまた以下の段階を含む本発明のオリゴヌクレオチドの製造法 も提供する: (i)式(Ia)の化合物をオリゴヌクレオチド合成に適した形に変換する、 (ii)適当な形で存在する式(Ia)の化合物をオリゴヌクレオチド合成に使用する 。 本発明はまた、所望によりオリゴヌクレオチド合成に適した形に変換した後の オリゴヌクレオチド合成におけるオリゴヌクレオチド構築単位としての式(Ia) の化合物の使用も提供する。 本発明の内容の範囲内で、“オリゴヌクレオチド合成に適した形への変換”な る表現は、特に、式(Ia)の化合物の保護または非保護の5'および/または3' ヒドロキシル基の、続くオリゴヌクレオチド合成において、ヌクレオシド間架橋 基、特に上記タイプの架橋基の形成ができる基への変換を意味する。3'または 5'ヒドロキシル基をこのような基に変換する方法は機知である(例えば、De Mes maeker,A.およびCrooke,S.T.による上記の刊行物参照;その刊行物の全体を 本明細書に引用して包含させる)。 適当な形で存在できる式(Ia)の化合物は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導 体合成のヌクレオシド構築単位として用いられる。本発明のオリゴヌクレオチド は、それ自体既知の方法で、種々の方法に従って、自動化でき、方法の説明書と 共に商品として入手できるDNA合成装置で製造できる。例えば、ヌクレオシド 間架橋基としてホスホジエステル基の場合、当業者に既知のホスファイトトリエ ステル法またはH−ホスホネート法を使用できる(例えば、Eckstein,F.,“Oli gonucleotides and Analogues,A Practical Approach”,IRL Press(1991) 参照;この刊行物の全体を本明細書に引用して包含させる)。 ホスファイトトリエステル法の場合、この試みは、例えば、VaおよびWaが− OHである式(Ia)のヌクレオシド構築単位を、保護剤、例えば4,4'−ジメト キシトリフェニルメチルクロライドと反応させて、式(Ib) 〔式中、Vaは保護ヒドロキシル基およびA、B'およびR4は、好ましい条件を 含む上記で式(Ia)に関して定義の意味〕 のヌクレオシドを得、式Ibの化合物を、リンカー、例えば無水コハク酸の助け を借りて、長鎖アルキルアミノ基を有する固体支持体、例えば“制御孔ガラス” (CPG)に結合させることによりできる。別法において、式(Ib)の他のヌクレ オシド構築単位のヒドロキシル基を、例えばRXO−P[N(i−プロピル)2]2を 使用して誘導体化し、式(Ic) 〔式中、RXは慣用的保護基、例えばβ−シアノエチル〕 のホスホロアミデイトを得る。このような式(Ic)の化合物は、重要な中間体で あり、本発明の対象の他の部分を形成する。 式(Ia)の化合物の保護ヒドロキシル基として基Vaに関して上記した保護基 は、また式(Ib)または(Ic)の化合物中の基Vaの好ましい保護基である。従 って、式(Ib)または(Ic)において、トリチルタイプ基で保護されているヒド ロキシル基は、基Vaとして好ましく、トリチルタイプ基は特にトリチル(Tr) 、4−モノメトキシトリチル(MMTr)、好ましくは4,4'−ジメトキシトリチ ル(DMTr)および同様に好ましくは4,4',4”−トリス−tert−ブチルトリ チル(TTTr)から選択される。 支持体結合物質の基Vaの保護基、例えばDMTr−またはTTTr基が除去 された後、この物質は、−N(i−C37)2の除去と共に式(Ic)の化合物に結 合し、存在するヒドロキシル基を遮断し(“キャッピング”)、形成されたホスフ ァイトが次に酸化され、それにより、例えばホスフェートまたはホスホトリオエ ートが導かれる。二量体が脱保護された後、反応サイクルを式(Ic)の化合物で 、所望のモノマー単位の数のオリゴマーが合成されるまで繰り返し、次いで生産 物を支持体から放す。この方法で、酸化条件に依存して、ヌクレオシド架橋基と してホスホジエシテル基またはホスホロチオエート基を有する式(Ia)のヌクレ オシド構築単位から完全に合成されている本発明のオリゴヌクレオチド誘導体が 得られる。個々の反応サイクルにおける適当なヌクレオシド構築単位の使用に依 存して、任意の配列の本発明のオリゴヌクレオチド、特に、1個またはそれ以上 の式(Ia)のヌクレオシド構築単位に加えて、他のヌクレオシド構築単位、特に 上記のタイプのものを含むが、同様の方法で製造できる。 ヌクレオシド間架橋基としてホスホジエステル基またはホスホロチオエート基 を含まないか、これのみを含まない本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、それ 自体既知の方法で製造できる(例えば、上記のDe Mesmaeker,A.またはCrooke,S .T.の刊行物参照)。 上記のように、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は多くの有利な性質を有す る。これらは、特に標的核酸への高い親和性およびヌクレアーゼへの高い耐性を 含む。更に、それらは配列特異的作用が可能であり、十分細胞により取り込まれ 、適当なバイオアベイラビリティーを有する。これらの性質により、本発明のオ リゴヌクレオチドは、特にタンパク質の発現の調節のために、医薬適用に適して いる。他の好ましい医薬適用は、RNA分子の発現、特に転写段階での調節であ る。 本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、特に、アンチャンスオリゴヌクレオチ ドとして使用できる。“アンチセンス”なる表現は当業者に既知であり、本発明 の内容の範囲内で、特に、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体と、それに相補的 な標的核酸の配列の間の関係として特徴付けされ、すなわちオリゴヌクレオチド 誘導体と相補的配列が互いにハイブリダイズできる。適当なアンチセンスオリゴ ヌクレオチドの同定は多段階である。まず最初に、発現がヒトを含む哺乳類の被 験者における病理学的な状態を特徴づけるタンパク質の基礎となり、修飾する標 的核酸を確認する。適当な標的核酸は特に、プレ−mRNAまたは好ましくは (成熟)RNAのような関心のタンパク質、をコードする遺伝子から転写されたR NAである。原則として、アンチセンスオリゴヌクレオチドの助けを借りた発現 の調節は、染色体レベルでも行うことができる。標的核酸内で、興味のタンパク 質の発現が調節されるように、特にハイブリダイゼーションの手段で本発明のオ リゴヌクレオチド誘導体と相互作用する一つの配列または複数の配列を、同定す る。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、十分に強力で十分に特異的なハイブ リダイゼーションのために所望の作用を達成するのに適当な標的核酸への相補性 を有しなければならない。 結果として、本発明はまたアンチセンスオリゴヌクレオチドとしての、上記の 好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の使用も提供する。この 内容の範囲内で、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、核酸塩基Bとして、上 記で定義の式(V1)、(V2)、(V3)、(V4)または(V5)の基を有する。 本発明のオリゴヌクレオチドは、また二本鎖DNA配列を特異的に認識でき、 高い親和性の程度で、そのDNA配列と三重らせん(“三重鎖”)を形成できる。 修飾もまたできる三重鎖形成オリゴヌクレオチドは、選択的に遺伝子のRNAへ の転写を調節でき、結果としてタンパク質発現を調節し、当業者には既知である (例えば、上記のCohen,J.S.et al.;Stull,R.et aol.;またはPlum,G.E. et al.による刊行物参照)。 結果として、本発明はまた、三重鎖形成オリゴヌクレオチドとしての、上記の 好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の使用も提供する。この 内容において、上記で定義の式(V1)から(V4)の基、特に式(V1)から(V5) が、特に核酸液Bとして好ましい。 結果として、本発明に従って、タンパク質またはRNA分子、例えばmRNA の発現を調節できるオリゴヌクレオチド誘導体が好ましい。 本発明の範囲内で、タンパク質またはRNA分子の“調節”は、特に、発現、 または特に翻訳または転写の部分的または完全な阻害を意味する。特に標的拡散 の翻訳を完全にまたは部分的に阻害する処理のための、または転写処理が完全に または部分的に阻害されているためのこのような阻害は、既知の方法、例えば標 的核酸のレベルにおけるノーザン・ブロット法の手段またはタンパク質レベルの ウエスタン・ブロット法の手段で測定できる(例えば、Sambrook,J.,Fritsch, E.F.およびManiatis,T.:“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989参照;その全体を本明細書に引用 して包含させる)。これに関連して、“ハイブリダイゼーション”なる表現は、 特に、一方は本発明のオリゴヌクレオチド誘導体のおよび他方は標的核酸の相補 的塩基対の“ワトソン−クリック塩基対形成”として知られている水素結合によ る結合を意味する。グアニンとシトシン相補的塩基対の例であり、これらの間に 3つの水素結合が形成される。アデニンとチミンまたはアデニンとウラシルが相 補的塩基対の例であり、これらの間に2つの水素結合が形成される。“特異的ハ イブリダイゼーション”は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体と標的核酸の間 で、オリゴヌクレオチド誘導体と核酸の間の特異的結合の達成を可能にする十分 な程度の相補性が存在することを意味する。この内容において、特異的ハイブリ ダイゼーションを達成するために、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体と標的核 酸の間に100%相補性が存在する必要は全くない。本発明のオリゴヌクレオチ ド誘導体オリゴヌクレオチドの標的核酸への結合が、後者の機能を減じ、更に、 例えば、治療的処置のようなインビボ投与に関連した生理的条件下で、特異的結 合が必要な場合、標的核酸以外との非特異的結合を避けるのに適当な相補性が特 異的結合が本発明のオリゴヌクレオチド誘導体と核酸の間に存在する場合、本発 明のオリゴヌクレオチドは標的核酸と“特異的”にハイブリダイズする。 特異的ハイブリダイゼーションは、例えば、本発明のオリゴヌクレオチド誘導 体と標的核酸の間のインビトロハイブリダイゼーションアッセイの手段により測 定できる。適当な反応条件は既知である(例えば、Sambrook,J.,Fritsch,E.F .およびManiatis,T.:“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989,Vol.2,9.47から9.58参照;そ の全体を引用して本明細書に包含させる)。 適当な塩基配列の選択の手段により、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、 原則として、興味の標的核酸に対して指向させることができる。本発明は、結果 として、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の特定の塩基配列自体を独立させて 、結果として基礎となる標的核酸と独立して使用できる。 本発明は、好ましくは、タンパク質またはRNA分子の発現の調節ができるこ とが判明したオリゴヌクレオチドに関する。このようなオリゴヌクレオチドを、 付で、本発明に従って、例えば好ましい態様の助けを借りて下記のように、修飾 できる。 ヒトc-raf RNAを指向するアンチセンスオリゴヌクレオチド、特にヒトc-r af mRNAの塩基位置2484から塩基位置2503の範囲の領域と相補的な アンチセンスオリゴヌクレオチド(T.I.Bonner et al.,Nucleic Acids Res.1 4(1986),1009-1015に従って)は既に記載されている(B.P.Monia et al.,Natu re Medicine 2(1996),668-675;K.-H.Altmann et al.,Chimia 50(1996),168-1 76)。本発明の範囲内で、このようなアンチセンスオリゴヌクレオチド(B.P.Mo nia et al.およびK,-H.Altmann et al.による上記の刊行物ではISIS513 2と呼ばれている)は、本発明に従って修飾された形で存在する場合、即ち、上 記アンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオシド構築単位が 上記式(I)の構築単位で置換されているオリゴヌクレオチド誘導体として存在す る場合、特に有用である。 結果として、本発明の他の好ましい態様は、ヒトc-raf mRNAの塩基位置 2484から塩基位置2503の範囲の領域と本質的に相補的な本発明のオリゴ ヌクレオチド誘導体に関する(T.I.Bonner et al.,Nucleic Acids Res.14(19 86),1009-1015に従って)。ヒトc-raf mRNAの上記領域のヌクレオシド構築 単位の塩基配列は である。 本発明の範囲内で、“本質的に相補的”は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導 体がヒトc-raf mRNAの上記領域と特異的にハイブリダイズできるように、 標的鎖に十分に高い相同性を有することを意味する。 しかしながら、その塩基配列が、標的核酸c-raf mRNAの上記領域の塩基 に関連して1個またはそれ以上、例えば1、2または3個の塩基誤対合(“ミス マッチ”)を有する本発明のオリゴヌクレオチド誘導体もまた、このようなオリ ゴヌクレオチド誘導体が標的核酸配列の上記領域に特異的にハイブリダイズでき る限り、本発明の内容の範囲内で、“本質的に相補的”と見なす。 特に好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体が以下の塩基配列 またはそれと類似の塩基配列を、上記式(I)に対応する少なくとも一つのヌクレ オチド構築単位を含むオリゴヌクレオチド誘導体で共に有する。このようなオリ ゴヌクレオチドは、従って本発明の対象の他の好ましい一部を形成する。本発明 の内容の範囲内で、“類似の塩基配列”は、配列番号2の塩基配列の1個または それ以上の核酸塩基が対応する類似の核酸塩基に、例えばシトシンが5−メチル シトシンに、またはアデニンが2−アミノアデニンに、またはヒポキサンチンの ような挿入塩基により置換されている塩基配列を意味する。 このような本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の長さは、好ましくはヒトc-ra f mRNAの上記領域の長さ、即ち20ヌクレオシド構築単位に対応する。 本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の、本明細書に記載の特定のおよび好まし い態様に対応するc-raf mRNAを指向するこれらのオリゴヌクレオチド誘導 体、特に付加的修飾および/またはキメラ構造を有するものが更に好ましい。 好ましくは、本発明のこのようなオリゴヌクレオチドは、ヒトc-rafタンパク 質の発現を調節できる。 本発明は更に本発明のオリゴヌクレオチド誘導体、または製薬学的に耐容性の その塩を、製薬学的に有効な量、所望により製薬学的に耐容性な賦形剤および/ または補助物質と共に含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物(およびま た本発明のオリゴヌクレオチド誘導体)は、例えば、過形成または新生物形成状 態、例えば癌または再狭窄の治療的または予防的処置に使用できる。 本発明に従って好ましい医薬組成物は、上記の好ましいオリゴヌクレオチド誘 導体を含む。 本発明の医薬組成物は、好ましくは非経口的にまたは輸液として投与できる製 剤の形である。NaClのような塩、および/または糖アルコール、例えばマン ニトールのような製薬学的耐容性賦形剤の存在下または非存在下、水溶性形、例 えば上記の水溶性塩の一つの形の活性物質の水溶液が特に非経口投与、例えば静 脈内または腹腔内投与に適当である。ナトリウムカルボキシメチルセルロース、 ソルビトールおよび/またはデキストランのような粘性増加物質を含む注射用水 性懸濁液もまた非経口投与に好ましい。これらの製剤または溶液は好ましくは等 張性水溶液または懸濁液である。活性物質は、例えば、凍結乾燥形で、必要に応 じて製薬学的に耐容性の賦形剤と共に存在し、この凍結乾燥物を、適当な溶媒を 添加することにより、非経口投与に使用する前に溶液とする。非経口投与に適し たこれらの溶液を、輸液として用いることもできる。本発明の医薬組成物は、滅 菌できおよび/または補助物質、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/また は乳化剤、溶解剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含むことができる。 所望により付加的製薬学的(または薬理学的)活性化合物、例えば抗生物質を含 み得る医薬組成物を、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解または凍結乾燥 法で製剤し、約0.001重量%から約95重量%、好ましくは約0.1重量%か ら約90重量%、特に約0.5重量%から約30重量%、例えば1重量%から5 重量%の活性成分を含む。個別の投与量の形の投与形は、例えば、約0.001 重量%から約20重量%の活性化合物を含む;個別の投与量ではない投与形は、 例えば、約0.001重量%から約10重量%の活性化合物を含む。投与単位は 、好ましくは約0.0005mgから約0.5mg、好ましくは約0.005mgから約 40mgの活性化合物を、処置するヒトを含む哺乳類対象の性質、処置する疾病お よび患者の状態、特に体重、年齢および個々の健康状態およびまた個々の薬物動 態学的寄与因子および投与経路に依存して含む。 活性を改善させるために、本発明の医薬組成物はカチオン性脂質を含み得る。 更に慣用的な細胞成長抑止剤を含む本発明の医薬組成物もまた好ましい。この ような組み合わせ処方は、好ましくは癌のような過形成または新生物形成状態の 処置に用いる。 本発明は更に、ヒトを含む哺乳類対象の予防的または治療的処置への使用のた めの上記の好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体またはその製 薬学的に耐容性の塩に関する。 本発明は更にタンパク質またはRNA分子の発現により特徴付けられるヒトを 含む哺乳類対象の病理的状態の予防的または治療的処置のための医薬組成物の製 造における上記の好ましい条件を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体または その製薬学的に耐容性の塩に関する。 これに加えて、本発明は、哺乳類対象に本発明の医薬組成物を投与することを 含む、タンパク質またはRNA分子の発現により特徴付けられる状態であるヒト を含む哺乳類対象の病理的状態の予防的または治療的処置の方法にも関する。 更に、本発明は、細胞、またはこの細胞を含む組織または体液を、上記の好ま しい態様を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体または本発明の医薬組成物を 接触させることを含む、細胞内のタンパク質またはRNA分子の発現を調節する 方法に関する。このような細胞内のタンパク質またはRNA分子の発現を調節す る方法は、インビトロおよびインビボの両方で有利に適用できる。 上記の好ましい態様を含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、また診断薬 としての使用にも適しており、例えば、それ自体既知の方法で、一本鎖または二 本鎖標的核酸のレベルでの選択的相互作用の手段で、遺伝学的に確立された疾病 またはウイルス感染の検出のための遺伝子プローブとして、使用できる。特に、 診断的適用は、ヌクレアーゼに対する増加した安定性のために、インビボおよび インビトロで可能である。診断は、例えば単離サンプル、血漿、血清または他の 体液で、またはインビボ診断の場合、同様に、調べる患者の組織、細胞または体 液で行うことができる。 本発明の他の態様は、従って、診断法に使用するための上記の好ましい態様を 含む本発明のオリゴヌクレオチド誘導体に関する。上記のように、本発明のオリ ゴヌクレオチド誘導体は、インビボおよびインビトロ診断法の両方に適している 。 上記の好ましい態様を含む本発明の式(Ia)の化合物は、更に例えば、感染性 疾患、特にウイルス感染性疾患の治療的または予防的処置にのための製薬学的活 性剤として用いることができる。結果として、本発明はまたヒトを含む哺乳類対 象の治療的処置に使用するための、上記の好ましい態様を含む本発明の式(Ia) の化合物を提供する。本発明はまた、上記の好ましい態様を含む、本発明の式( Ia)の化合物を、必要に応じて製薬学的に耐容性の賦形剤および/または補助 物質と共に含む医薬組成物も提供する。 本明細書に記載の引用文献、特許および刊行物の内容全体を本明細書に引用し て包含させることは注意すべきである。 以下の実施例は本発明を明確にするが、限定するものではない。実施例は特に 本発明の好ましい態様を意味する。実施例 1 H NMRスペクトルは、以下の環状炭素骨格における炭素原子のナンバリングに基 づいている: 原料化合物: ヌクレオシド(実施例): 文書中および式中に用いる略語 DMF ジメチルホルムアミド TIPS-Cl2 テトライソプロピルジシロキサン二塩化物 Bn ベンジル BOM-Cl ベンジルオキシメチル塩化物 DMT-0Tf 4,4'-ジメトキシトリチルトリフレート THF テトラヒドロフラン Cl2Bn 2,4-ジクロロベンジル Ms メシレート Z ベンジルカルバミン酸塩A)本発明によるヌクレオシド構築単位の調製 実施例A1 :-5℃において、NaH11.05g(油中55%)を数回に分けてDMF850ml中の原 料化合物(E1)(W.T.Markiewicz,J.Chem.Research(S)(1979),p.24,and P.Martin,H elv.Chimia Acta 8(1995),pp.486-504により取得可能;これらの文献の全内容は 、ここで引用することにより明細書の一部に加える)の溶液に加える。30分後、 さらに5.8g NaHを加える。さらに30分後、飽和酢酸アンモニウムの飽和溶液150m lをゆっくりと滴下する。その後、酢酸エチル(200ml)および水(100ml)を滴下す る。水相を3回酢酸エチルで抽出する。その全有機抽出液をMgSO4で乾燥し、蒸発 させて濃縮する。その残渣をヘキサンで再結晶する。化合物(A1)を得る。 実施例A2:化合物(A1)30gをTHF/メタノール(8/2)430mlに溶解する。その溶液 を5℃まで冷却する。LiBH4 3.78gを少しずつ添加する。30分後、5℃において、 飽和NH4Cl水溶液を滴下する。その反応混合物を蒸発させて濃縮し、その後残渣 を水100mlで希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発 させて濃縮する。塩を除去するため、その残渣をシリカゲル(酢酸エチル/ヘキ サン4/6)を含む小フリットを通して濾過する。化合物(A2)を得る。 実施例A3:化合物(A2)61gをジクロロメタン1.51lに溶解する。20℃にて、トリ エチルアミン35ml、塩化トシル45.7gおよび4-ジメチルアミノピリジン10gを加え る。その混合物を16時間攪拌する。その反応混合物を水0.7lで2回抽出し、飽和N a2CO3水溶液で2回抽出する。その抽出物をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する 。精製のために、溶離剤にヘキサンを用い残渣をシリカゲルに速く通す。化合物 (A3)を得る。 実施例A4:化合物(A3)30gをDMF500mlに溶解する。その溶液を0℃まで冷却する 。ジメチルアミンガスを5分間その溶液に通し、シールした容器中、RTで24時間 その混合物を攪拌する。その反応混合物を水に注ぎ、この混合物を酢酸エチルで 抽出する。その有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。化合物(A4)を得 る。 実施例A5:化合物(A4)39.5gをTHF700mlに溶解させる。THF中の1M nBu4NF溶液12 6mlを室温で滴下し、反応混合物をRTで3時間攪拌する。蒸発させて溶液を濃縮し 、その後シリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/ジクロロメタン)し、化合物 (A5)を得る。 実施例A6:化合物(A5)21gをメタノール400mlに溶解し、標準気圧下、3.5時間、 25℃でPd/C(10%)2g上で水素化する。濾過後、残渣をNaHCO3溶液で抽出し、有機 相をHyflo Super Cel(Flukaより)で濾過する。メタノールを蒸発させ、その化合 物をTHFに溶解し、この溶液をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。化合物(A6 )を得る。 実施例A7:化合物(A6)1.08gをピリジンに2回溶解し、蒸発させて濃縮する。そ の化合物を再びピリジン/ジクロロメタン(1/1)20mlに溶解し、DMT-OTf1.78gを 加える。1時間室温で攪拌した後、反応混合物をジクロロメタン20mlで希釈し、 それ全てをNaHCO3溶液50mlに注ぐ。有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮す る。その残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/ジクロロメタン/ト リエチルアミン9:89:2)する。化合物(A7)を得る。 実施例A8:化合物(A7)6.57gを、最初に用意したジイソプロピルアンモニウムテ トラゾリド4.3g、2-シアノエチル-N,N,N'-N'-テトライソプロピルホスホロジア ミデイト6.9gおよびジクロロメタン30mlの混合物に加える。その反応混合物を40 ℃で1時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液に注ぐ。有機相をNoa2SO4で乾燥し、蒸発さ せて濃縮する。その残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(2%トリエチルアミンを 含んでいる、メタノール/塩化メチレン5:95)する。生じた泡をエーテル80mlに溶 解し、沈殿させるために0℃でペンタンに溶液を滴下する。化合物(A8)(ジアステ レオマー,1:1)を得る。 実施例A9:化合物(A3)3.5gをジメチルホルムアミド30mlにスラリーにし、その 混合物を0℃まで冷却する。気体メチルアミンを5分間通し、反応容器をシールし 、溶液をRTで3.5時間攪拌する。その反応混合物を水に注ぎ、この混合物を酢酸 エチルで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。化合物(A9) を得る。 実施例A10:化合物(A9)2.63gをピリジン30mlに溶解し、溶液を0℃まで冷却する 。トリフルオロ酢酸無水物0.6mlを滴下し、その混合物を23℃で1時間攪拌する。 その反応混合物を蒸発させて濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解する;その溶液を 水で3回抽出し、Na2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。エバポレーションによ る濃縮後、化合物(A10)が得られ、シリカゲルで残渣をクロマトグラフ(酢酸エチ ル/ヘキサン3/7)する。 実施例A11:化合物(A10)を、実施例A5、A6、A7およびA8に述べたプロトコールと 同様にホスホアミデイト(A11)(ジアステレオマー,1:1;何れの場合も2回転異性 体)に転化する。 実施例A12:化合物(A3)6.0gをDMF30mlに溶解する。アジ化ナトリウム1.43gを添 加した後、その混合物を65℃で2時間攪拌する。その反応混合物を酢酸エチル50m lで希釈し、その全体を水50mlに注ぐ。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮する。化 合物(A12)を得る。 実施例A13:化合物(A12)4.8gをメタノール20mlに溶解し、固体SnCl2 3.96gをこ の溶液に添加する。その反応混合物を室温で3時間攪拌し、飽和NaHCO3水溶液に 注ぐ。メタノールを蒸発させ、残渣を塩化メチレンで希釈する。有機相をHyflo で濾過する。水で抽出後、有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その 残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン1/9)する。化合 物(A13)を得る。 実施例A14:化合物(A13)を、実施例A10、A5、A6、A7およびA8に述べたプロトコ ールと同様にホスホアミデイト(A14)(ジアステレオマー,1:1)に転化する。 実施例A15:化合物(A6)3.5gをピリジン70mlに溶解し、Tips-Cl 3.6mlをその溶 液に滴下する。その反応混合物を40℃で3時間攪拌する。溶媒を蒸発させた後、 その残渣をジクロロメタンに溶解する;その溶液を水で洗浄し、有機相をMgSO4 で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(メタ ノール/塩化メチレン,3/20)する。化合物(A15)を得る。 実施例A16:POCl3 1.8mlを、塩化メチレン/アセトニトリル(1/1)140ml中のト リアゾール12.23gおよびトリエチルアミン25.2mlの溶液にゆっくりと添加する。 30分後、塩化メチレン/アセトニトリル(1/1)20mlに化合物(A15)4.5gの入った溶 液を滴下する。その反応混合物を17℃で2時間攪拌し、蒸発させて濃縮する。そ の残渣を3回、何れの場合にも水50mlで抽出し、有機相をMgSO4で乾燥する。蒸発 後、化合物(A16)を得る。 実施例A17:化合物(A16)4.77gをジオキサン/濃アンモニア(3/7)100mlに溶解し 、その溶液を20℃で3時間攪拌する。その反応混合物を蒸発させて濃縮し、その 残渣をTHFに溶解する。乾燥(MgSO4)後、粗化合物(A17)が得られ、蒸発させて濃 縮する。 MS: 571(M+H)+実施例A18 :化合物(A17)2.17gをピリジン12mlに溶解し、塩化ベンゾイル0.75g を滴下する。その反応混合物を55℃で3時間攪拌し、蒸発させて濃縮し、その残 渣を水と塩化メチレンの混合物で処理する。有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させ て濃縮する。シリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン5/95)する ことにより化合物(A18)を得る。 実施例A19:化合物(A18)を、実施例A5、A7およびA8に述べたプロトコールと同 様にホスホアミデイト(A19)(ジアステレオマー,1:1)に転化する。 実施例A20:W.T.Markiewicz(上記参照)に従って得られる、原料化合物(E2)は、 実施例A1およびA2に述べたプロトコールと同様に化合物(A20)に転化する。 実施例A21:化合物(A20)6.41gをメタノール210mlに溶解し、N-メチル-2-ジメチ ルピロリジンをこの溶液に加える。その反応混合物を23℃で3時間攪拌する。そ の後、水6mlを加え、その溶液を蒸発させて濃縮する。その残渣を塩化メチレン に溶解し、その溶液を3回水で抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃 縮する。その残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン7/9 3)する。化合物(A21)を得る。 実施例A22:化合物(A21)を、実施例A3、A4、A5、A7およびA8に述べたプロトコ ールと同様にホスホアミデイト(A22)(ジアステレオマー,1:1)に転化する。 実施例A23:化合物(A3)3.82gおよびN-メチルピペラジン1.04mlをDMF20mlに溶解 し、その溶液を40℃に温める。3時間後、N-メチルピペラジン1mlを加える。さら に、2.5時間後、反応混合物を蒸発させて濃縮し、その残渣をエーテルに溶解す る。水で洗浄後、有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシ リカゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン5/95)する。化合物(A23) を得る。 実施例A24:化合物(A23)を、実施例A5、A6、A7およびA8に述べたプロトコール と同様にホスホアミデイト(A24)(ジアステレオマー,1:1;何れの場合も2回転異 性体)に転化する。 実施例A25:化合物(A3)6.63gおよび3-ジメチルアミノ-1-プロピルアミン4mlをD MF80mlに溶解し、その溶液を40℃に温める。24時間後、その反応混合物を蒸発さ せて濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン /トリエチルアミン5/94/1〜15/84/1)する。化合物(A25)を得る。 実施例A26:化合物(A25)を、実施例A10、A5、A6、A7およびA8に述べたプロトコ ールと同様にホスホアミデイト(A26)(ジアステレオマー,1:1;何れの場合も2回 転異性体)に転化する。 実施例A27:NaH38mg(油中55%)を数回に分けて、THF20ml中の原料化合物(E3)500 mgの溶液に加える。それはP.Martin,Helv.Chimica Acta 78(1995),486(これらの 文献の全内容は、ここで引用することにより明細書の一部に加える)に従い得ら れる。70℃で30分の後、その反応混合物を20℃に冷却する。その後、G.T.Anders on et al.J.Org.Chem.61(1996),125(これらの文献の全内容は、ここで引用する ことにより明細書の一部に加える)に従い得られる(E4)270mgを滴下し、反応混合 物を80℃で撹拌する。24時間後、酢酸エチルおよび水を滴下する。水相を酢酸エ チルで2回抽出する。全有機抽出物をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。シリ カゲルでクロマトグラフ(酢酸エチル/ヘキサン3/7)の後、化合物(A27)を得る。 実施例A28:化合物(A27)300mgをメタノール/THF(1/1)20mlに溶解し、標準気圧 下、一晩、25℃でPd/C(20%)60mg上で水素化する。HCl 1当量(330μL、1N)を反 応混合物に滴下し、それを2時間攪拌する。濾過後、その残渣をNaHCO3で洗浄し 、有機相をHyfloで濾過する。濾液を蒸発させて濃縮し、残渣をTHFに溶解する; この溶液をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。化合物(A28)を得る。 実施例A29:W.T.Markiewicz(上記参照)に従い得られる原料化合物(E5)を、実施 例A1、A2、A3およびA4に述べたプロトコールと同様に生成物(A29)に転化する。 実施例A30:化合物(A29)を、実施例A5に述べたプロトコールと同様に生成物(A3 0)に転化する。 実施例A31:化合物(A30)2.76gをリン酸バッファー(pH7)48mlおよびメタノール2 4mlに溶解し、アデノシンデアミナーゼ1000ユニットを加える。その反応混合物 を、pH7に維持しつつ23℃で6日間攪拌し、デアミナーゼ1000ユニットを毎日加え る。メタノールおよび半分の水を蒸発させる。その残渣をメタノールに移す;こ の混合物を濾過する。乾燥後、化合物(A31)を得る。 実施例A32:化合物(A31)2.51gをメタノール130mlに懸濁する。N,N-ジメチルホ ルムアミドジメチルアセタール4.7mlを加えた後、その混合物を20℃で7時間攪拌 する。その反応混合物を濾過し、有機相を濃縮する。化合物(A32)を得る。 実施例A33:化合物(A32)を、実施例A7およびA8に述べたプロトコールと同様に ホスホアミデイト(A33)(ジアステレオマー,1:1;何れの場合も2回転異性体)に転 化する。 実施例A34:化合物(A29)1.53gをジクロロメタン/ピリジン(1/1)30mlに溶解す る。tert-ブチルフェノキシ酢酸無水物2.5gおよびジメチルアミノピリジン31mg を20℃で、この溶液に加える。その混合物を24時間攪拌する。その反応混合物を 水で2回洗浄し、飽和Na2CO4水溶液で2回洗浄する。その抽出物をNa2SO4で乾燥し 、蒸発させて濃縮する。精製のために、溶離剤としてメタノール/ジクロロメタ ン(4/96)を用いシリカゲルで残渣をクロマトグラフする。化合物(A34)を得る。 実施例A35:化合物(A34)を、実施例A5、A7およびA8に述べたプロトコールと同 様にホスホアミデイト(A35)(ジアステレオマー,1:1;何れの場合も2回転異性体 )に転化する。 実施例A36:化合物(A13)1.42gをTHF50mlに溶解し、この溶液を0℃でフッ化テト ラブチルアンモニウムの1モーラー溶液4.7mlで処理する。2時間後、水を加えて 後処理する。有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシリカ ゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン5/95)する。化合物(A36)を得 る。 実施例A37:化合物(A36)10.54gをピリジン100mlに溶解する。トリフェニルホス フィン2.14gおよびヨウ素2.07gを4回何れの場合も30分間隔、RTで加える。RTで6 時間後、反応を停止する。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、この混合物を 飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄する。全有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて 濃縮する。その残渣をシリカゲルでクロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン5 /95)する。化合物(A37)を得る。 実施例A38:化合物(A37)12.78gをDMF100mlに溶解し、アジ化ナトリウム1.99gを 加え、その混合物を50℃で14時間加熱する。その反応混合物をRTまで冷却し、酢 酸エチルで希釈し、この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄する。全有機 相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシリカゲルでクロマトグ ラフ(メタノール/塩化メチレン5/95)する。化合物(A38)を得る。 実施例A39:化合物(A38)10.74gをメタノール60mlに溶解し、パラジウム炭素(10 %)2.1gをこの溶液に加える。その混合物を室温、H2気流中で攪拌する。1時間後 、パラジウム触媒を濾過して取り除き、反応混合物を濃縮する。化合物(A39)を 得る。 実施例A40:カルボン酸(E6) 2.18g(A.De Mesmaeker et al.,Angewandte Chemie 33(1994),226(これらの文献の全内容は、ここで引用することにより明細書の一 部に加える)に従い得られる)、化合物(A39)1.75g、O-(ベンゾトリアゾール-1- イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸2.18g、N-ヒド ロキシベンゾトリアゾール458mgおよびN,N-ジイソプロピル-N-エチルアミン5.8m lをN,N-ジメチルホルムアミド55mlに溶解する。その反応混合物を室温で16時間 攪拌し、酢酸エチルで希釈し、この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄す る。全有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシリカゲルで クロマトグラフ(メタノール/塩化メチレン5/95)する。化合物(A40)を得る。 実施例A41:化合物(A40)3.87gをメタノール50mlに溶解する。濃塩酸水溶液2ml を加え、その混合物をPd-C(10%)3.61gで処理する。室温で水素気流中で16時間攪 拌した後、パラジウム触媒を濾過して取り除く。その反応混合物を濃縮した後、 粗生成物をシリカゲル(メタノール/塩化メチレン15/85)で精製する。化合物(A4 1)を得る。 実施例A42:化合物(A41)2.41gをピリジン15mlに溶解し、その溶液を塩化ジメト キシトリチル1.48gで処理する。その反応混合物を室温で16時間攪拌し、酢酸エ チルで希釈し、この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄する。全有機相を Na2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシリカゲルでクロマトグラフ (メタノール/塩化メチレン10/90)する。化合物(A42)を得る。 実施例A43:化合物(A42)552mgを塩化メチレン12.5mlに溶解し、2-シアノエチル N,N,N',N'-テトライソプロピルホスホロジアミデイト259mgおよびジイソプロピ ルアンモニウムテトラゾリド196mgを加える。反応混合物を室温で16時間攪拌し 、酢酸エチルで希釈し、この混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。全 有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて濃縮する。その残渣をシリカゲルでクロマ トグラフ(酢酸エチル/テトラヒドロフラン3:1)する。化合物(A43)を得る。 実施例B:本発明によるオリゴヌクレオチド誘導体の調製 新規な5'-ジメトキシトリチル化および3'-活性化[3'-(β-シアノエトキシ-ジ( i-プロピルアミノ)ホスホアミデイト)]ヌクレオシドもしくはヌクレオチドダイ マー、またはこの種の天然活性化ヌクレオシドを用いて固相支持体(controlledp ore glass,CPG)にオリゴヌクレオチドを結合する。そして合成はDNA合成機(Appl ied Biosystems,Model 380B,標準ホスホアミデイト化学およびヨウ素酸化(iodox idation))で、この分野の標準的手順(“Oligonucleotide Synthesis,A Practica l Approach”M.J Gait;IRL Press 1984(Oxford-Washington DC)(これらの文献の 全内容は、ここで引用することにより明細書の一部に加える)も参照。)に従って 行う。必要ならば、用いるヌクレオシドの官能基を適当な手法で保護する。最後 のヌクレオシド構築単位の結合後、一晩、濃アンモニア水で処理するこ とにより残存する全保護基を除去すると同時に、5'-保護化オリゴヌクレオチド を支持体から切り離し、その後50mM酢酸アンモニウムバッファー(pH7)/アセト ニトリルを用いて逆相HPLCにより精製する。5'-ジメトキシトリチル保護基を80% 酢酸水溶液で20分間処理することにより除去し、オリゴヌクレオチドをエタノー ルで沈殿し、遠心分離で単離する。オリゴヌクレオチドの純度は、ゲル電気泳動 (ポリアクリルアミド)で調べ、その同定はmatrix-assisted laser desorption t ime-of-flight mass spectroscopy(MALDI-TOF MS)を使って調べる。実施例C:本発明によるオリゴヌクレオチド誘導体の特性 実施例C1: 親和性;本発明によるオリゴヌクレオチド誘導体(アンチセンスオリ ゴヌクレオチドとして)と相補性オリゴリボヌクレオチド配列(センス)の相互作 用 当該オリゴヌクレオチドと、天然リボヌクレオチドであり対応する塩基-相補 的オリゴマーとの相互作用は、UVメルティングカーブをプロットすることにより 、それから確認されるTm値により特性解析される。この標準的な方法は、例えば Marky,L.A.,Breslauer,K.J.,Biopolymers 26:1601-1620(1987)(これらの文献の 全内容は、ここで引用することにより明細書の一部に加える)に記載されている 。 オリゴヌクレオチドおよび、それに相当する塩基相補性天然オリゴリボヌクレ オチドの溶液は、10mMリン酸バッファー、100mM NaCl、 0.1mM EDTA、pH=7.0(c= 4.10-6M/オリゴヌクレオチド)で調製し、260nm吸収の変化を温度の作用としてプ ロットする(0℃〜95℃)。Tm値、それから得られるΔTm(℃)/修飾(すなわち、新 規な修飾ヌクレオシド構築単位あたりのΔTm)値を、得られたメルティングカー ブから決定する(Table3;表示された配列の大文字はデオキシリボヌクレオチド を意味し、小文字は2'-修飾ヌクレオシド構築単位を意味し、表示された配列だ けがホスホジエステル結合を含む。)。 Table3:親和性: (d)本発明により修飾されたオリゴヌクレオチドの更なる実施例 Table(d)の説明 実施例C2:本発明によるオリゴヌクレオチド誘導体のヌクレアーゼ抵抗性 本発明のオリゴヌクレオチド誘導体のヌクレアーゼ抵抗性を、ヘビ毒液ホスホ ジエステラーゼ(SVP)、非特異的エンドヌクレアーゼを用いて調べる。このため 、下記オリゴヌクレオチドを[32]Pで5'端ラベルし、SVPでインキュベートする。 通常の方法であるポリアクリルアミドゲル電気泳動により生じた消化産物を解析 し、Molecular Dynamics Phosphorimagerを使い定量し、それぞれの半減期を測 定する(Table4;表示された配列の大文字はデオキシリボヌクレオチドを意味し 、表示された配列だけがホスホジエステル結合を含む。)。Table ヌクレアーゼ抵抗性 実施例C3:親和性:本発明によるオリゴヌクレオチド誘導体(三重らせんを形成 するオリゴヌクレオチドとして)と二本鎖DNAとの相互作用 本発明によるオリゴヌクレオチド誘導体とそれに相当する天然二本鎖DNA(標的 二本鎖)の相互作用は、バッファー(180mM KCl 10mM PO4、pH7.0、20mM Na+、0. 1mM EDTA)におけるUVメルティングカーブ(260nm)をプロットすることにより、そ して、それから確認されるTm値を用いることにより、二本鎖からの第三鎖の解離 値として測定される。使用する、三重らせん形成オリゴヌクレオチドおよび二本 鎖DNA、または確認されるTm値をTable5に示す(表示された配列の大文字はデオ キシリボヌクレオチドを意味し、表示された配列だけがホスホジエステル結合を 含む。)。Table 5: 親和性 (a)標的二本鎖(21-mer): (標的二本鎖のTm:62.4+/-1.0℃) (b)オリゴヌクレオチド配列(三本目の鎖) 実施例C4:T24細胞のc-RafキナーゼmRNAの阻害 (i)アンチセンスオリゴヌクレオチドによる培養細胞の処理: 集密性50-70%の密度で10cmプレート上の増殖細胞を、陽イオン性脂質(CL)(リ ポフェクチン剤、Gibco BRL)存在下、各アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理 する。また、R.Griffey et al.J.Med.Chem.39,5100(1996)に述べられている通り に、エレクトロポレーション技術(EP)を用いる。 (ii)ノーザンブロット分析 ノーザンブロットによるmRNAレベルの測定のため、アンチセンスオリゴヌクレ オチド処理開始から24時間後、グアニジニウムイソチオシアネート法によりトー タルRNAを細胞より調整する。トータルRNAは、塩化セシウムクッション(cushion )において細胞破砕物の遠心分離より単離する。ノーザンブロット分析の後、Mol ecular Dynamics Phosphorimagerを使い、RNAを定量し、G3PDH mRNAレベルに正 常化する。その結果をTable6に示す。 Table6:テストしたオリゴヌクレオチドの配列構造、TmおよびIC50値 (小さな太字:DMAE修飾,上記実施例3(d)参照;アンダーライン:MOE,上記実 施例3(d)参照;o:ホスホジエステル連結;s:ホスホロチオネート連結;IC50: c-Raf mRNAを50%下流制御するためのオリゴヌクレオチド濃度(nM);Tm:解離温 度,上記実施例3参照) 実施例C5:修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの抗腫瘍活性 オスBalb/c nu/nuマウス(CIBA animal farm,Sisseln,Switzerland)を餌および 水を自由に喫食出来る無菌状態で飼育する。インビボ実験用に、細胞(ATCC,Rock ville,MD.,USA)をキャリアーマウスに皮下注射すると、腫瘍が出来る。発生した 腫瘍は、処置開始前に少なくとも3回連続的に移植するように順次処理される。 ヒト肺腺癌A549(ATC幡号CCL 185)のフラグメント(おおよそ25mg)をForene(Abbot t,Switzerland)麻酔下、13-径トロカール針で動物の左わき腹に皮下注射する。 腫瘍体積が平均100〜150mm3に達したとき、処置を開始する。 腫瘍増殖は、垂線方向直径を測定することにより、週に2〜3回および最後の処 理後24時間をモニターする。腫瘍体積は従来通りに計算する(Evans et al;Br.J. Cancer,45:466-468,1982)。アンチセンスオリゴヌクレオチドの指示容量を生理 食塩水に溶かして合計21日間、毎日静脈注射する;各実験値は少なくとも5匹の 平均である。抗腫瘍活性はT/C%(処理動物の腫瘍体積の平均増加を参照動物の腫 瘍体積の平均増加で割り、100をかける)として表す。結果をTable7に示す。Table 7: グループ 用量mg/kg T/C% プラシーボ 10ml/kg 100 配列番号19 6.0 9 配列番号19 0.6 12 配列番号19 0.06 15 配列番号19 0.006 42実施例C6: 血液凝固時間におけるアンチセンスオリゴヌクレオチド濃縮の影響 凝固時間におけるアンチセンスオリゴヌクレオチド濃縮の影響は、内因性凝固 経路の欠損を同定するためデザインしたインビトロの診断テストであるactivate d partial thromboplastin time(APTT)法を用いて測定する(引用により加えるK. -H.Altmann et al.,Chimia 50(1996),168-176参照)。 簡単に、CaCl2(50μl、20mM)の添加による凝固が開始する前にウシ-ケファリ ン剤50μlと共にインキュベーションすることにより、既知濃度のオリゴヌクレ オチドを含むヒトのプラスマ50μlを活性化する。凝固が起きるのにかかる時間 はInstrumentation Laboratory ACL300 Rcoagulometerで測定する。結果に示す ように、凝固時間におけるアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体-配列番号1 9の効果は、あまり言明できず、非特異的な面の効果において本発明によるオリ ゴヌクレオチドの有益な特性を示す。 オリゴヌクレオチド配列番号19:123.6μMによりAPTTが2倍となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 45/00 48/00 48/00 C07H 19/06 C07H 19/06 19/16 19/16 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 マルタン,ピエール スイス、ツェーハー―4310ラインフェルデ ン、マイゼンヴェーク38番 (72)発明者 モザー,ハインツ・エルンスト イギリス、アールエイチ13・7ジーエヌ、 ウエスト・サセックス、ホーシャム、サウ スウォーター、ヘイゼル・クロース32番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式I 〔式中、 Aは式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、 R1およびR2は互いに独立してH、C1−C10アルキル、式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (ここで、Xは互いに独立してOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立して H、C1−C10アルキル、アミノ−C2−C10アルキル、N−モノ−C1−C10ア ルキルアミノ−C2−C10アルキルまたはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミノ −C2−C10アルキルそしてmは1から3(3を含む)の整数) の基、 アミノ−C3−C10アルキル、N−モノ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10 アルキルまたはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10アルキル;ま たは −N(R1)(R2)が一緒に式(III) (式中、YはO、S、SO2またはN(R7)そしてR7はH、−CH3)の基を形成す る; R3はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4ア ルキル) で示される基;または Aは式(IVa)または(IVb) (式中、Rは互いに独立してR1またはR2の意味を有し、UはOまたはCH2で ある) の基、 R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4ア ルキル; nは0、1または2; Bは核酸塩基の基;そして VおよびWは、互いに独立して同じまたは異なるヌクレオシド間結合基の基また は末端基〕 の構築単位を少なくとも一つ含むオリゴヌクレオチド、およびそれらの塩を提供 する(基Aにおいて、二つのヘテロ原子が同じ炭素原子に結合している化合物を 除外する)。 2.式中、Aが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2) (式中、R1およびR2は互いに独立してH、C1−C5アルキル、アミノ−C2− C5アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキル、N,N− ジ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキルまたは式(II) −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、C1−C3アル キル、アミノ−C2−C3アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2− C5アルキルまたはN,N−ジ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5−アルキルそ してmは1)の基である、請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 3.R1およびR2が、互いに独立して、H、メチル、エチル、アミノエチル、 アミノプロピル、N−モノメチルアミノエチル、N−モノメチルアミノプロピル 、N−モノエチルアミノエチル、N−モノエチルアミノプロピル、N,N−ジメ チルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、N,N−ジエチルアミノエ チル、N,N−ジエチルアミノプロピルまたは式II −(CH2−CH2−X)m-R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、メチル、エチ ルまたはプロピルそしてmは1)の基である、請求項2記載のオリゴヌクレオチ ド誘導体。 4.R1およびR2が互いに独立して、H、メチル、エチル、アミノエチル、N −モノメチルアミノエチル、N−モノエチルアミノエチル、N,N−ジメチルア ミノエチルまたはN,N−ジエチルアミノエチルである、請求項3記載のオリゴ ヌクレオチド誘導体。 5.R1およびR2が互いに独立してH、メチルまたはエチルである、請求項4 記載のオリゴヌクレチド誘導体。 6.R1およびR2がH、または R1およびR2がメチル、または R1およびR2の一つの置換基がHおよび他方がメチルである、 請求項5記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 7.R1およびR2がメチル、または R1およびR2の一つの置換基がHおよび他方がメチルである、 請求項5記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 8.R3およびR4が互いに独立してH、−CH3、−CH2OHまたは-CH2− O−CH3である、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。 9.nがOである、請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 10.Aが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、R3がH)そしてR1および R2は請求項1で定義の意味)である、請求項9記載のオリゴヌクレオチド誘導体 。 11.Bが式(V1)から(V14)〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたは-OH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 の基である、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。 12.Bが式(V1)、(V2)、(V3)、(V4)または(V5) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたは-OH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 の基である、請求項11記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 13.Bが式(V1)または(V5) 〔式中、Rb1は-NH2、−SHまたは−OH; Rb2はH、−NH2または−OH; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 の基である、請求項12記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 14.Bが以下の基:キサンチン、ヒポキサンチン、アデニン、2−アミノア デニン、グアニン、6−チオグアニン、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチ ルシトシン、5−プロピニルウラシル、5−フルオロウラシルおよび5−プロピ ニルシトシンから選択される、請求項13記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 15.ヌクレオシド間架橋基としてのVおよびWが、互いに独立して以下の基 :5'−O−P(O)(OH)−O−3'(ホスホジエステル)、5'−O−P(O)(SH )−O−3'(ホスホロチオエート)、5'−O−P(S)(SH)−O−3'(ホスホジ チオエート)、5'−O−P(O)(CH3)−O−3'(メチルホスホネート)、5'− O−P(O)(NH−R7)−O−3'(ホスホアミデート)(式中、R7はC1−C3アル キル)、5'−O−P(O)(OR8)−O−3'(ホスホトリエシテル)(式中、R8はC1 −C3アルキル)、5'−O−S(O)2−CH2−3'(スルホネート)、5'−O−S (O)2−NH−3'(スルファメート)、5'−NH−S(O)2−CH2−3'(スルホ ンアミド)、5'−CH2−S(O)2−CH2−3'(スルホン)、5'−O−S(O)− O−3'(スルファイト)、5'−CH2−S(O)−CH2−3'(スルフオキシド)、 5'−CH2−S−CH2−3'(スルフィド)、5'−O−CH2−O−3'(ホルムア アセタール)、5'−S−CH2−O−3'(3'-チオホルムアセタール)、5'−O −CH2−S−3'(5'−チオホルムアセタール)、5'−CH2−CH2−S−3'( チオエーテル)、5'−CH2−NH−O−3'(ヒドロキシルアミン)、5'−CH2 −N(CH3)−O−3'(メチレン(メチルイミノ))、5'−CH2−O−N(CH3) −3'(メチレンオキシ(メチルイミノ))、5'−O−C(O)−N H−3'(5'−N−カルバメート)、5'−CH2−C(O)−NH−3'(アミド)、 5'−NH−C(O)−CH2−3’(アミドII)、5'−CH2−NH−C(O)−3'( アミドIII)および5'−C(O)−NH−CH2−3'(アミドIV)これらの互換異性 体から選択される、請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 16.ヌクレオシド間架橋基としてのVおよびWが、独立して以下の基:5' −O−P(O)(OH)−O−3'(ホスホジエステル)、5'−O−P(O)(SH)−O −3'(ホスホロチオエート)および5'−CH2−C(O)−NH−3'(アミド)から 選択される、請求項15記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 17.ヌクレオシド間架橋基としてのVまたはWの一つが5'−O−P(O)(O H)O−3'(ホスホジエステル)および他方の基が5'−O−P(O)(SH)−O− 3'(ホスホロチオエート)である、請求項16記載のオリゴヌクレオチド誘導体 。 18.ヌクレオシド間架橋基としてのVおよびWが、両方とも5'−O−P(O )(OH)−O−3'(ホスホジエステル)または両方とも5'−O−P(O)(SH)− O−3'(ホスホロチオエート)である、請求項16記載のオリゴヌクレオチド誘 導体。 19.末端基としてのVおよびWが互いに独立して−OH、−NH2もしくは 保護基により保護されているヒドロキシルまたはアミノ基である、請求項1記載 のオリゴヌクレオチド誘導体。 20.末端基としてVが−OH、−NH2または保護ヒドロキシル基またはア ミノ基およびWが−OHまたは−NH2である、請求項17記載のオリゴヌクレ オチド誘導体。 21.核酸構築単位3から50ヌクレオシド構築単位の長さを有する、請求項 1記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 22.核酸構築単位10から25ヌクレオシド構築単位の長さを有する、請求 項18記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 23.オリゴヌクレオチド誘導体がキメラ構造を有する、請求項1記載のオリ ゴヌクレオチド誘導体。 24.式(Ia) 〔式中、 Aは式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)(式中、 R1およびR2は互いに独立してH、C1−C10アルキル、式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (III) (ここで、各Xは互いに独立してOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立し てH、C1−C10アルキル、アミノ−C2−C10アルキル、N−モノ−C1−C10 アルキルアミノ−C2−C10アルキルまたはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミ ノ−C2−C10アルキル、そしてmは1から3まで(3を含む)の整数)の基、 アミノ−C3−C10アルキル、N−モノ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10 アルキル、またはN,N−ジ−C1−C10アルキルアミノ−C3−C10アルキル; または、式中 N(R1)(R2)はともに式(III) ここで、YはO、S、SO2またはN(R7)、およびR7はHまたは−CH3; R3はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4ア ルキル;または Aは式(IVa)または(IVb) 式中、Rは独立してR1またはR2の意味を有し、UはOまたはCH2; R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1−C4 アルキル; nは0、1または2; B'は保護または非保護核酸塩基;そして VaおよびWaは互いに独立して同一または異なって保護されたヒドロキシルまた はアミノ基の−OH、−NH2〕 の化合物(基Aにおいて、二つのヘテロ原子が同じ炭素に結合している化合物は 除き、他の=応性基が存在する場合、保護または非保護形である)。 25.Aが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2) 〔式中、R1およびR2は互いに独立してH、C1−C5アルキル、アミノ−C2− C5アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキル、N,N− ジ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキルまたは式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、C1−C3アル キル、アミノ−C2−C3アルキル、N−モノ−C1−C3アルキルアミノ−C2− C5アルキルまたはN,N−ジ−C1−C3アルキルアミノ−C2−C5アルキルおよ びmは1)〕 である、請求項24記載の化合物。 26.R1およびR2が互いに独立してH、メチル、エチル、アミノエチル、ア ミノプロピル、N−モノメチルアミノエチル、N−モノメチルアミノプロピル、 N−モノエチルアミノエチル、N−モノエチルアミノプロピル、N,N−ジメチ ルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、N,N−ジエチルアミノエチ ル、N,N−ジエチルアミノプロピルまたは式II −(CH2−CH2−X)m−R5 (II) (式中、XはOまたはN(R6)、R5およびR6は互いに独立してH、メチル、エチ ルまたはプロピルおよびmは1)である、請求項25記載の化合物。 27.R1およびR2が互いに独立してH、メチル、エチル、アミノエチル、N −モノメチルアミノエチル、N−モノエチルアミノエチル、N,N−ジメチルア ミノエチルまたはN,N−ジエチルアミノエチルである、請求項26記載の化合 物。 28.R1およびR2は互いに独立してH、メチルまたはエチルである、請求項 27記載の化合物。 29.R1およびR2がHまたは R1およびR2がメチル、または 置換基R1およびR2の一つがHおよび他方がメチルである、 請求項28記載の化合物。 30.R1およびR2がメチル、または 置換基R1およびR2の一つがHおよび他方がメチルである、 請求項29記載の化合物。 31.R3およびR4が互いに独立してH、−CH3、−CH2OHまたは−CH2 −O−CH3である、請求項24記載の化合物。 32.nが0である、請求項24記載の化合物。 33.Aが式−C(H)(R3)−N)R1)(R2)(式中、R3はHおよびR1およびR2 は請求項24で定義の通り)である、請求項32記載の化合物。 34.B'が式(V1)から(V14) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたはOH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または−OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 であり、環外アミノ基が非保護または保護形で存在する、請求項23記載の化合 物。 35.B'が式(V1)、(V2)、(V3)、(V4)または(V5) 〔式中、Rb1は−NH2、−SHまたはOH; Rb2はH、−NH2または−OH;そして Rb3はH、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−CH3 ; Rb4は−NH2または-OH;そして Rb5はH、F、Br、I、−CN、−C≡C−CH3、−C(O)NH2または−C H3〕 であり、環外アミノ基が非保護または保護形で存在する、請求項34記載の化合 物。 36.B'が以下の基;環外アミノ基が保護または非保護形で存在する、キサ ンチン、ヒポキサンチン、アデニン、2−アミノアデニン、グアニン、6−チオ グアニン、ウラシル、チミン、シトシン、5−メチルシトシン、5−プロピニル ウラシル、5−フルオロウラシルおよび5−プロピニルシトシンから選択される 、請求項35記載の化合物。 37.核酸塩基B'の環外アミノ基の保護基が以下の基:−C(O)CH3、− C(O)−CH(CH3)2、−C(O)−フェニル−C(O)−CH2−O−フェニル、 −C(O)=CH−p−(tert−ブチル)フェニル、−C(O)−CH2−O−p−(te rt−ブチル)フェニル、−C(O)−CH2−O−p−(イソプロピル)フェニル、= CHーN(CH3)2、=CHーN(ブチル)2および から選択されるものである、請求項24記載の化合物。 38.保護ヒドロキシル基または保護アミノ基としてのVaまたはWaがトリチ ルタイプ保護基である、性ky風向24記載の化合物。 39.トリチル−タイプ保護基が以下の基:トリチル、4−モノメトキシトリ チル、4,4'−ジメトキシトリチルおよび4,4',4”−トリス−tert−ブチル トリチルから選択される、請求項38記載の化合物。 40.請求項24記載の式(Ia) 〔式中、Va、Wa、AおよびB'は好ましい条件を含む上記で定義の意味、そし て (a)R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1− C4アルキルおよびnは0 [この場合、式(A) 〔式中、VaおよびWaは互いに独立して保護ヒドロキシルまたはアミノ基、お よびB'は上記で定義の意味であり、B'の環外アミノ基は保護基により保護され ている〕 の化合物を、式(B) X−CH2−A (B) 〔式中、XはCl、Br、I、トシル−Oまたはメシル−OおよびAは上記で定 義の意味であり、Aの1級および2級アミノ基および1級ヒドロキシル基は保護 基により保護されている〕 の化合物と=応させることを含む];または (b)R4はH、−CH3、−CH2CH3、−CH2OHまたは−CH2−O−C1− C4アルキルおよびnは1または2 [この場合、式(A) 〔式中、VaおよびWaは互いに独立して保護ヒドロキシルまたはアミノ基、およ びBは上記で定義の意味であり、B'の環外アミノ基は保護基により保護されて いる〕 の化合物を、式(C) X-CH2-C(H)(R4)-[O-CH2-C(H)(R4)](n-1)-O-CH2-A (C) 〔式中、XはCl、Br、I、トシル−Oまたはメシル−OならびにR4および Aは上記で定義の意味であり、Aの1級および2級アミノ基および1級ヒドロキ シル基は保護基により保護されている〕 の化合物と=応させることを含む];または (c)R4がHおよびnが1または2 [この場合、式(D) 〔式中、VaおよびWaは互いに独立して保護ヒドロキシルまたはアミノ基、およ びB'は上記で定義の意味であり、B'の環外アミノ基は保護基により保護されて いる〕 の化合物を、式(E) HO−(CH2−CH2)n-1−O−CH2−A (E) 〔式中、Aは上記で定義の意味であり、Aの1級および2級アミノ基および1級 ヒドロキシル基は保護基により保護されている〕 の化合物と=応させることを含む];または (d)R4がH、nが0およびAが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)の基 [この場合、式(D) 〔上記で定義の通り〕 の化合物を、式(F) NH(R1)(R2) (F) 〔式中、R1およびR2または基−N(R1)(R2)は上記で定義の意味であり、必要 に応じてR1またはR2の官能基は保護されている〕 の化合物と=応させることを含む];または (e)R4がH、nが0およびAが式−C(H)(R3)−N(R1)(R2)の基 [この場合、式(D) 〔上記で定義の通り〕 の化合物を、アジドと=応させ、続く、必要に応じて触媒、例えばCnCl2を 使用した還元により、式(G) の化合物を更なる誘導体化に付す]〕; ((a)から(e)の場合、必要に応じて保護基を続いて脱保護する) の化合物の製造法。 41.(i)請求項24記載の式(Ia)の化合物をオリゴヌクレオチド合成に適 した形に変換する、 (ii)適当な形で存在する請求項24記載の式(Ia)の化合物をオリゴヌクレオチ ド合成に使用する: 段階を含む、請求項1記載のオリゴヌクレオチドの製造法。 42.所望によりオリゴヌクレオチド合成に適した形に変換した後の、オリゴ ヌクレオチド合成におけるオリゴヌクレオチド構築単位としての、請求項24記 載の式(Ia)の化合物の使用。 43.アンチャンスオリゴヌクレオチドとしての、請求項1記載のオリゴヌク レオチド誘導体の使用。 44.請求項12記載のオリゴヌクレオチド誘導体の、請求項43記載の使用 。 45.三重鎖形成オリゴヌクレオチドとしての、請求項1記載のオリゴヌクレ オチド誘導体の使用。 46.請求項11記載のオリゴヌクレオチド誘導体の請求項45記載の使用。 47.請求項12記載のオリゴヌクレオチド誘導体の請求項45記載の使用。 48.請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体、または製薬学的に耐容性の その塩を、製薬学的に有効な量、所望により製薬学的に耐容性な賦形剤および/ または補助物質と共に含む医薬組成物。 49.更に慣用的な細胞成長抑止剤を含む、請求項48記載の医薬組成物。 50.ヒトを含む哺乳類対象の予防的または治療的処置のための請求項1記載 のオリゴヌクレオチド誘導体またはその製薬学的に耐容性の塩。 51.タンパク質またはRNA分子の発現により特徴付けられるヒトを含む哺 乳類対象の病理的状態の予防的または治療的処置のための医薬組成物の製造にお ける、請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体またはその製薬学的に耐容性の 塩の使用。 52.哺乳類対象に請求項48記載の医薬組成物を投与することを含む、タン パク質またはRNA分子の発現により特徴付けられる状態であるヒトを含む哺乳 類対象の病理的状態の治療的処置の方法。 53.細胞、またはこの細胞を含む組織または体液を、請求項1記載のオリゴ ヌクレオチド誘導体または請求項48記載の医薬組成物を接触させることを含む 、細胞内のタンパク質またはRNA分子の発現を調節する方法。 54.診断法に使用するための、請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 55.ヒトを含む哺乳類対象の治療的処置に使用するための、請求項24記載 の式(Ia)の化合物。 56.式(Ic) 〔式中、Va、R4およびB'は請求項24で定義の意味、そしてRxは慣用的保護 基〕 の化合物。 57.ヒトc-raf mRNAの塩基位置2484から塩基位置2503の範囲 の領域と本質的に相補的な、請求項1記載のオリゴヌクレオチド誘導体。 58.オリゴヌクレオチドが配列番号2の塩基配列またはそれと類似の塩基配 列を有する、請求項57記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
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