JP2000512134A - Jagged/Notchタンパク質および核酸に基づく治療および診断の方法および組成物 - Google Patents

Jagged/Notchタンパク質および核酸に基づく治療および診断の方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Jagged/Notchタンパク質および核酸、ならびに内皮細胞移動および/または分化におけるそれらのシグナル伝達経路の役割に基づく治療および診断の方法および組成物に関する。さらに、本発明は、実質的に精製されたJaggedタンパク質、ならびにJaggedタンパク質、あるいはその機能的誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体をコードする実質的に精製された核酸分子またはそのセグメントを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 Jagged/Notchタンパク質および核酸に基づく 治療および診断の方法および組成物 関連出願 この特許出願は、もとは、米国仮出願第60/018,841号として、1996年5月30日 に出願された。 発明における米国政府の権利の記述 本発明の開発の間に実施された作業の一部は、米国政府資金およびNIH補助金 を利用した。従って、米国政府は、本発明における一定の権利を有し得る。 発明の背景 発明の分野 本発明は、Jagged/Notchタンパク質および核酸に基づく治療および診断の方 法および組成物、ならびに内皮細胞の移動および/または分化におけるそれらの シグナリング経路の役割に関する。 発明の背景 ヒト脈管系の機能的完全性は、血液と組織との間の非トロンボゲン性界面をイ ンビボにおいてモニターする内皮細胞によって維持されている。従って、ヒト内 皮細胞の機能に影響を及ぼす因子は、ホメオスタシスの調節および維持に重大に 寄与し得る(Maciag,Progress in Hemostasis and Thrombosis,T.Spaet編(Ne w York:A.R.Liss),167-182頁(1984);FolkmanおよびKlagsburn,Science 2 35:442-447(1987);BurgessおよびMaciag,Annu.Rev.Biochem.58:575-606( 1989)を参照のこと)。同様に、この複雑な均衡を混乱させる事象は、脈管樹(v ascular tree)の細胞性成分が活性な関与物であるヒト疾患状態(例えば、アテ ローム発生、冠状動脈不全、高血圧、慢性関節リウマチ、固形腫瘍の成長お よび転移、ならびに創傷修復)の病態生理学に関連する。 内皮は全ての器官および組織中に存在するので、内皮細胞の機能はまた、これ らの多細胞系の生理学および完全性に対して根本的である。これは、強固に調節 された炎症性、脈管形成性、および神経親和性応答を用いる修復系をモニターし 、そしてそれに干渉する能力を含む。実際、これらの応答の改変を担う生化学的 シグナルは、ポリペプチド増殖因子およびサイトカインとして十分に特徴付けら れている;しかし、それらの作用の機構は、本発明の前には、あまり理解されて おらず、臨床的管理における価値のある道具としてのそれらの受容を妨げている 。 近代生物学の主要な達成は、生理学的機能を担う構造エレメントが、動物界を 通じて保存されているという認識であった。とりわけ、酵母、C.elegans、Xeno pus、ゼブラフィッシュ、およびDrosophilaの遺伝子解析は、細胞周期の調節、 オルガネラの生合成およびトラフィッキング、発達の間の細胞の運命および系統 決定に新たな洞察を提供し、そして転写/翻訳/翻訳後調節についての根本的な 原理を提供した。実際、そのような系により示される構造−機能原理の保存は、 哺乳動物細胞により利用されるこれらおよびその他の調節系への新たな洞察を生 じた。さらに、非哺乳動物種中のそのような遺伝子に対する哺乳動物ホモログの 遺伝子構造の解明は、しばしば哺乳動物におけるそれらの機能の認識を導いた( 特定の相同な哺乳動物遺伝子または遺伝子フラグメントの機能の描写は、全く偶 然の発見(serendipitous)であり得るが)。多くの場合において、より原始的 な種において以前に同定された遺伝子に対する相同性を有する哺乳動物DNA配列 を明らかにするのは、発現およびディファレンシャルcDNAクローニングストラテ ジーによりもたらされる結果である。 過去十年の間、ディファレンシャルcDNAクローニング法(例えば、従来のサブ トラクティブハイブリダイゼーション(HlaおよびMaciag,Biochem.Biophys.R es.Commun.167:637-643(1990a))、ディファレンシャルポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)志向性ハイブリダイゼーション(HlaおよびMaciag,J.Biol.Chem.265 :9308-9313(1990b))、ならびにより最近では、ディファレンシャルディスプレ イの改変(Zimrinら、Biochem.Biophys.Res.Commun.213:630-638(1995)) を含む)が、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)のインビトロにおける分化のプ ロセスの間に誘導される遺伝子を同定するために使用された。非常に初期の研究 は、HUVEC集団が、インビトロにおいて増殖制限環境中に導入された場合に、毛 細血管様の、管腔含有構造を生成し得ることを開示した(Maciagら、J.Cell Bi ol.94:511-520(1982))。これらの研究は、細胞外マトリックスのタンパク質成 分の、この分化プロセスのインデューサーとしての同定および特徴付けを可能に し、一方同時に、毛細血管様構造を、非最終分化であるとして定義した(Maciag ,1984)。さらなる実験は、ポリペプチドサイトカイン(例えば、IL-1(Maier ら、J.Biol.Chem.265:10805-10808(1990a))、およびIFNγ(Frieselら、J.C ell Biol.104:689-696(1987)))のインビトロにおけるHUVEC分化のインデュー サーとしての重要性を解明し、そして最終的に、IL-1αの前駆体形態がインビト ロにおけるHUVECの老化の誘導を担うことの理解を導いた(Maciagら、J.Cell B iol.91:420-426(1981);Maierら、Science 249:1570-1574(1990b))−これは 、現在までに同定されている唯一の真に末端のHUVECの表現型である。図1に要 約する。 最近の研究は、ディファレンシャルcDNAクローニング法を用いており、これは 新たなそして非常に興味深い遺伝子の同定を可能にする。しかし、非常に最近ま で、それらの正体(identity)を確立することは、HUVECの分化の機構への洞察 を提供しなかった。現在の研究は、インビトロおよびインビボの両方における、 新脈管形成プロセスの調節因子としての、線維芽細胞増殖因子(FGF)およびイ ンターロイキン(IL)-1遺伝子ファミリーに注目している(Frieselら、FASEBJ 9 :919-925(1995);Zimrinら、J.Clin.Invest.97:1359(1996))。ヒト臍静脈 内皮細胞(HUVEC)は、HUVECの移動および増殖を開始するためにFGF-1により利 用されるシグナル経路、FGF-1機能の細胞内インヒビターおよびHUVECの老化のモ ディファイアーとしてのIL-1αの役割、ならびにインビトロにおけるHUVECの分 化の鍵となるエフェクターとしてのFGFおよびIL-1遺伝子ファミリーの間の相互 作用を研究するための有効なモデルであることが判明している。そのような洞察 は、本発明者らが、鍵となる調節的リガンド−レセプターシグナリング系(これ は、毛細血管内皮細胞移動の誘導、および大血管内皮細胞移動の抑制の両方をし 得る)を同定するための近代的な分子的方法を使用することを可能にした。 Jagged/Serrate/Delta-Notch/Lin/Glpシグナリング経路(もとは、C.ele gansおよびDrosophilaの発達の間に、細胞運命決定において作用する必須の系と して記載された)は、哺乳動物細胞において高度に保存されていることが見出さ れた(NyeおよびKopan,Curr.Biol.5:966-969(1995))。Notchタンパク質は、 最初にDrosophilaにおける発生学的研究において同定された、近縁の膜貫通レセ プターのファミリーを構成する(FortiniおよびArtavanis-Tsakonas,Cell 75:1 245-1247(1993))。Notchレセプターをコードする遺伝子は、高度の構造保存性 を示し、そしてそれらの細胞外ドメインにおいて複数のEGF反復を含む(Coffman ら、Science 249:1438-1441(1990);Ellisenら、Cell 66:649-661(1991);W einmasterら、Development 113:199-205(1991);Weinmasterら、Development 116:931-941(1992);Franco del Amoら、Development 115:737-744(1992); Reaumeら、Dev.Biol.154:377-387(1992;LardelliおよびLendahi,Mech.Dev .46:123-136(1993);BierkampおよびCampos-0rtega,Mech.Dev.43:87-100 (1993);Lardelliら、Exp.Cell Res.204:364-372(1994))。Notch 1の細胞 外ドメイン内の36のEGF反復に加えて、3つのNotch Lin Glp(NLG)反復からな るcysリッチドメイン(これは、リガンド機能のために重要である)が存在し、 膜貫通ドメインとNLGドメインとの間のcys欠乏(poor)領域が続く。 Notch 1の細胞内ドメインは、2つの核局在化配列(NLS)の間に位置する6つ のアンキリン/Cdc10反復を含む(Artavanis-Tsakonasら、Science 268:225-232( 1995))。このモチーフは、多数の機能的に多様なタンパク質において見出され( 例えば、Bork,Proteins 17:363-374(1993)を参照のこと)(rel/NF-kBファミリ ーのメンバーを含む(Blankら、TIBS 17:135-140(1992))を含む)、そしてタン パク質−タンパク質相互作用を担うと考えられている。Notchは、新規の偏在性 に分布する細胞質タンパク質であるdeltexと、そのアンキリン反復(欠失解析に より活性のために必要であることが示されたドメイン)を介して相互作用するこ とが示されている(Matsunoら、Development 121:2633-2644(1995))。 この領域のカルボキシ末端側には、ポリグルタミンリッチドメイン(OPA)お よびpro-glu-ser-thr(PEST)ドメイン(これは、タンパク質分解のシグナリン グに関与し得る)が存在する。3つのNotch遺伝子を含む多数のNotchホモログが 存在する(Lin-12およびGlp-1についての対応する構造を図2に示す)。 いくつかのNotchリガンドが、脊椎動物において同定されている(Delta、Serr ate、およびJaggedを含む)。Notchリガンドもまた膜貫通タンパク質であり、高 度に保存された構造を有する。これらのリガンドは、Lin-12/Notchファミリー の膜貫通レセプターへの結合を介して細胞運命およびパターン形成決定をシグナ リングする事が知られている(MuskavitchおよびHoffmann,Curr.Top.Dev.Bi ol.24:289-328(1990);Artavanis-TsakonasおよびSimpson,Trends Genet.7 :403-408(1991);GreenwaldおよびRubin,Cell 68:271-281(1992);Gurdon ,Ce11 68:185-199(1992);FortiniおよびArtavanis-Tsakonas,1993;ならび にWeintraub,Cell 75:1241-1244(1993))。関連するタンパク質であるSuppress or of hairless(Su(H))は、Drosophila細胞においてNotchと同時発現された場 合、細胞質ゾル中に隔離されるが、NotchがそのリガンドであるDeltaに結合する と、核に輸送される(FortiniおよびArtavanis-Tsakonas,1993)。その細胞外 ドメインを欠失した構成的に活性化されたNotchタンパク質を用いる研究は、活 性化されたNotchが神経および中胚葉の分化を抑制することを示した(Coffmanら 、Cell 73:659-671(1993);Nyeら、Development 120:2421-2430(1994))。 Notchシグナリング経路(図3)(これは、見かけ上、内皮細胞においてJagge dにより活性化される)は、プロテアーゼによる細胞内ドメインの切断、続いてN otchフラグメントの核トラフィッキング、およびこのフラグメントのKBF2/RBP −Jk転写因子との相互作用を含む(Jarriaultら、Nature 377:355-358(1995) ;Kopanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:1683-1688(1996))。KBF2/RBP-Jk 転写因子は、Drosophila Suppressor of hairless遺伝子のホモログであり(Sch weisguthら、Cell 69:1199-1212(1992))、これは昆虫(Jenningsら、Developme nt 120:3537-3548(1994))およびマウス(Sasaiら、Genes Dev.6:2620-2634(19 92))におけるNotchシグナリングに関与する塩基性ヘリックス−ループ-ヘリッ クス転写因子である。このエフェクターは、最終分化プログラムへのエントリー を担う転写因子をコードするその他の遺伝子の転写活性を抑制し得る(Nyeら、1 994;Kopanら、J.Cell.Physiol.125:1-9(1994))。 Jagged遺伝子は、シグナルペプチド配列の存在により細胞表面に指向される膜 貫通タンパク質をコードする(Lindsellら、Cell 80:909-917(1995))。細胞内 ドメインは他の膜貫通構造の細胞内領域に対する既知の相同性を有さない配列を 含むが、このリガンドの細胞外領域は、cysリッチ領域、16の上皮増殖因子(EGF )反復、およひDSL(Delta Serrate Lag)ドメインを含む。図4に示すように、 DSLドメインおよびEGF反復は、他の遺伝子において見出される(Drosophilaのリ ガンドであるSerrate(Bakerら、Science 250:1370-1377 1990;Thomasら、Deve lopment 111:749-761 (1991))およびDelta(Kopczynskiら、Genes Dev.2:1723 -1735(1988))、ならびにC.elegansの遺伝子であるApx-1(Hendersonら、Devel opment 120:2913-2924(1994);Melloら、Cell 77:95-106(1994))およびLag-2 (Taxら、Nature 368,150-154(1994))を含む)。 それにもかかわらず、ここに開示される発明の発見まで、ヒトJaggedは定義さ れないままであり、そしてNotchに対するヒトリガンドの機能および関係(あれ ば)は、当該分野において未知のままであった。しかし、細胞分化および調節の 調節におけるこのタンパク質の役割の完全な理解に対する当該分野における認識 される必要性が存在した。本発明において開示されるように、ヒトJagged遺伝子 は今やクローン化され、単離され、そして定義され、そして内皮細胞の分化およ び/または移動におけるJagged-Notchの役割が解明された。さらに、新規なシグ ナリング経路が大血管内皮細胞および小血管内皮細胞の移動に対して異なる効果 をもたらすことがここに開示され、これは、程度および方向の両方における大血 管内皮細胞と小血管内皮細胞との間のシグナリングの差異の最初の実証であるよ うに見えるものを提供する。このことは、新脈管形成の移動期の間に調整される 内皮細胞における以前に未知のリガンド−レセプターシグナリング経路の潜在的 な機能を強調する。さらに、本発明は、内皮細胞が、インビトロにおいて、非最 終的であり、そして完全に可逆性の尿細管様細胞表現型に、再現性よく分化する ことが示されている、以前に未解明の現象の説明を提供する(Maciagら、1982) 。従って、本発明は当該分野を顕著に前進させ、細胞分化および新脈管形成の調 節方法を提供するだけでなく、血管形成外科手術後の大血管への特定の細胞型の 所望されない移動を防止して再狭窄を制御する方法を教示する。 発明の要旨 本発明は、ヒトJagged、および内皮細胞移動および/または分化におけるJagg ed-Notchの役割の新規な発見、ならびにシグナル伝達経路が大血管および小血管 の内皮細胞の移動に対して全く別の効果を生じるという決定に関する。 本発明は、実質的に精製されたJaggedタンパク質、すなわち、通常会合されて いるタンパク質を含まないペプチド、特に、ヒトJaggedタンパク質を提供する。 これはまた、その機能的に等価な誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改 変体を提供する。これは、配列番号1に対応するアミノ酸配列を有するペプチド をさらに提供する。さらに、本発明は、Notchに結合する能力によって特徴づけ られるタンパク質を提供する。 本発明は、Jaggedタンパク質(特に、ヒトJaggedタンパク質)をコードする実 質的に精製された核酸分子を提供する。これはまた、その機能的に等価な誘導体 、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体をコードする核酸分子またはそのDN Aセグメントを提供する。これは、配列番号1に対応する配列を有する核酸配列 をさらに提供する。さらに、本発明は、Notchに結合する能力によって特徴づけ られるヒトタンパク質をコードする核酸配列を提供する。 さらに、本発明は、ベクターおよびJaggedタンパク質またはその機能部分(特 にヒトJaggedタンパク質)をコードする核酸配列またはそのセグメントを含む組 換え分子を提供する。これはまた、ベクターおよびJaggedタンパク質またはその 機能部分をコードする核酸配列またはそのセグメントを含む組換え分子を含む宿 主細胞を提供する。本発明は、ベクターおよびJaggedタンパク質をコードする核 酸配列を含む組換え分子の発現産物をさらに提供する。 さらに、本発明は、Jagged cDNA(γ-Jagged)、特にヒトJaggedタンパク質の cDNAのアンチセンス鎖を含む実質的に精製された一本鎖核酸分子を提供する。こ れはまた、センス方向に読まれれば、その機能的に等価な誘導体、または対立遺 伝子改変体もしくは種改変体をコードするDNAセグメントを提供する。これはま た、配列番号1のアンチセンス鎖に対応するアンチセンスヌクレオチド配列を含 む核酸分子を提供する。さらに、本発明は、Jagged、あるいはその機能的に等価 な誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体に結合する能力によって特 徴づけられるアンチセンス分子を提供する。 本発明はまた、Jagged cDNA(γ-Jagged)、特にヒトJaggedタンパク質のcDNA のアンチセンス鎖を含む核酸分子によってコードされたポリペプチドを提供する 。これは、アンチセンスJagged分子によってコードされたポリペプチドであって 、Jaggedへの結合親和性を有し、そしてJaggedの活性を阻害する、ポリペプチド をさらに提供する。 さらに、本発明は、Jaggedまたはその独特部分への結合親和性を有する抗体を 提供する。 これはまた、抗Jaggedまたはその独特部分への結合親和性を有する二次抗体を 提供する。 本発明は、微小直径血管上の部位への内皮細胞の移動を減少させる方法を提供 する。この方法は、Jaggedタンパク質、あるいはその機能的に等価な誘導体、ま たは対立遺伝子改変体もしくは種改変体、あるいは二次抗Jagged抗体を、内皮細 胞が取り除かれているか、損傷を受けているか、または実質的に減少している部 位に送達する工程を包含する。これはまた、巨大直径血管上の部位への内皮細胞 (特にヒト内皮細胞)の移動を減少させる方法を提供する。この方法は、アンチ センスJagged分子(γ-Jagged)またはJagged抗体を、内皮細胞が取り除かれて いるか、損傷を受けているか、または実質的に減少している部位に送達する工程 を包含する。 本発明は、巨大直径血管上の部位への内皮細胞(特にヒト内皮細胞)の移動を 増大させる方法を提供する。この方法は、Jaggedタンパク質、あるいはその機能 的に等価な誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体、あるいは二次抗 Jagged抗体を、内皮細胞が取り除かれているか、損傷を受けているか、または実 質的に減少する部位に送達する工程を包含する。これはまた、微小直径血管上の 部位への内皮細胞(特にヒト内皮細胞)の移動を増大させる方法を提供する。こ の方法は、アンチセンスJagged分子(γ-Jagged)またはJagged抗体を、内皮細 胞が取り除かれているか、損傷を受けているか、または実質的に減少している部 位に送達する工程を包含する。 さらに、本発明は、巨大直径血管上の部位への平滑筋細胞(特に、ヒト平滑筋 細胞)の移動を減少させる方法を提供する。この方法は、アンチセンスJagged分 子(γ-Jagged)またはJagged抗体を、内皮細胞が取り除かれているか、損傷を 受けているか、または実質的に減少している部位に送達する工程を包含する。 本発明はまた、治療有効量のJaggedタンパク質、あるいはその機能的に等価な 誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体(特に、ヒトJaggedタンパク 質);および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。治療 有効量のJagged核酸、あるいはその機能的に等価な誘導体、または対立遺伝子改 変体もしくは種改変体(特に、ヒトJagged核酸);および薬学的に受容可能なキ ャリアを含む薬学的組成物もまた、提供される。 さらに、本発明は、治療有効量のJagged抗体、あるいはその機能的に等価な誘 導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキ ャリアを含む薬学的組成物を提供する。治療有効量のJaggedアンチセンス分子、 あるいはその機能的に等価な誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体 ;および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物もまた、提供される。 治療有効量の抗Jagged抗体、あるいはその機能的に等価な誘導体、または対立遺 伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的 組成物もさらに、提供される。 本発明はまた、被験体において疾患または状態を予防または処置する方法であ って、このような予防または処置が必要な被験体に、治療有効量の、Notchタン パク質の機能を拮抗するか、阻害するか、または予防する分子を投与する工程を 包含するか;あるいは治療有効量の、Notchタンパク質の機能を作動するか、増 強するか、または刺激する分子を投与する工程を包含する、方法を提供する。こ れは、被験体において疾患または状態を予防または処置する方法であって、この ような予防または処置が必要な被験体に、治療有効量の、Jaggedタンパク質の機 能を拮抗するか、阻害するか、または予防する分子を投与する工程を包含するか ;あるいは治療有効量の、Jaggedタンパク質の機能を作動するか、増強するか、 または刺激する分子を投与する工程を包含する、方法をさらに提供する。 さらに、本発明は、被験体において新脈管形成を阻害または予防する方法であ って、このような阻害または予防が必要な被験体に、治療有効量のJaggedまたは Jaggedアゴニストを投与する工程を包含する、方法を提供する。阻害または予防 される新脈管形成は、固形腫瘍新脈管形成、慢性関節リウマチ新脈管形成、炎症 性新脈管形成などを包含する。本発明はまた、脈管の脈管からの新脈管形成を抑 制することによって、および大血管の管腔を修復するように大血管内皮細胞移動 を促進することによって、血管の管腔の再狭窄を阻害または予防する方法を提供 する。新脈管形成を阻害または予防するこれらの方法は、インビボおよび/また はインビトロで提供される。Jaggedの発現を促進する薬剤(フィブリンおよびそ の機能的誘導体、および薬理学的に受容可能な化学物質を包含する)およびγ− イディオタイプJagged抗体を含むJaggedアゴニストもまた、提供される。 さらに、本発明は、被験体において新脈管形成を促進または増強する方法であ って、このような促進または増強が必要な被験体に、治療有効量の抗Jaggedまた はJaggedアンタゴニストを投与する工程を包含する、方法を提供する。促進また は増強される新脈管形成は、創傷または傷害修復の新脈管形成を包含し、このよ うな新脈管形成としては、手術、外傷および/または疾患もしくは状態(糖尿病 関連創傷または傷害を含む)において引き起こされた創傷または傷害で生じるも のが挙げられる。新脈管形成を促進または増強するこれらの方法は、インビボお よび/またはインビトロで提供される。Jagged抗体、アンチセンスJagged,Jagg ed変異体および薬理学的に受容可能な化学物質を含むJaggedアンタゴニストもま た、提供される。 本発明は、中胚葉、内胚葉、外胚葉および/または神経胚葉(neuroderm)を含 む細胞の細胞分化に影響を及ぼす方法をさらに提供する。細胞の細胞分化に影響 を及ぼす方法であって、ここで影響される細胞型が、造血幹細胞、上皮細胞、血 管平滑筋細胞および樹状細胞を包含する、方法もまた提供される。 さらに、本発明は、先に開示された方法のいずれかにおいて用いられる薬学的 組成物を提供する。 本発明のさらなる目的、利点および新規な特性は、一部は、続く説明に記載さ れ、そして一部は、以下の試験において当業者に明らかになるか、または本発明 の実施により理解され得る。 図面の簡単な説明 図1。サイトカインによるHUVECの表現型変化の説明。初期の研究は、HUVEC集 団は、インビトロで成長制限環境に導入されたとき、毛細血管様の管腔含有構造 を生じ得ることを示した。しかし、インビトロでHUVEC集団をHUVEC分化のインデ ューサーとしてポリペプチドサイトカイン(例えば、IL-1およびIFNγ)に曝露 することによって、IL-1αの前駆体形態がHUVECの老化、今日までに同定された まさに真の最終HUVEC表現型の誘導を担ったという理解に導かれる。(PD=集団 倍加) 図2。Notchレセプターファミリーのドメイン構造の説明。(数は、細胞外ド メインにおけるEGF反復の数をいう)。このチャートに示されるように、Notch1 の細胞外ドメイン内の36個のEGF反復に加えて、3個のNotch-Lin-Glp(NLG)反復 で構成されたcysリッチドメイン、続いて、膜貫通ドメインとNLGドメインとの間 にcys欠乏領域が存在する。Notch1の細胞内ドメインは、2つの核局在化配列( NLS)の間に位置した6個のアンキリン/Cdc10反復を含む。この領域からカルボ キシ末端方向で、ポリグルタミンリッチドメイン(OPA)およびpro-glu-ser-thr (PEST)ドメインがある。Lin-12およびGlp-1について、比較構造を示す。 図3。Notchシグナル伝達経路。一例として筋芽細胞を用いて、Notchシグナル 伝達経路の成分を示す。Notchシグナル伝達経路は、内皮細胞においてJaggedに よって活性化されたとき、プロテアーゼによる細胞内ドメインの切断、Notchフ ラグメントの核トラフィッキング、およびこのフラグメントとKBF2/RBP-Jk転写 因子であるDrosophilaのヘアレスサプレッサー(Su(H))遺伝子ホモログを含み (これは、Notchシグナル伝達に関与する塩基性ヘリックス-ループ-ヘリックス 転写因子である)との相互作用を包含する。 図4。Notchリガンドファミリーのドメイン構造の説明。(数は、細胞外ドメ インにおけるEGF反復の数をいう)。このチャートに示されるように、Jagged遺 伝子の細胞内ドメインは、他の膜貫通構造の細胞内領域に対して既知の相同性を 有さない配列を含むが、この遺伝子の細胞外領域は、cysリッチドメイン、16個 の上皮成長因子(EGF)反復、およびDelta-Serrate-Lag(DSL)ドメインを含み、 これは、DrosophilaリガンドであるSerrateおよびDelta、ならびにC.elegans遺 伝子であるApx-1およびLag-2を含む他の遺伝子において見出される比較領域に代 表的である。 図5。HUVECにおけるJagged、Notch1およびNotch2転写産物の定常状態レベ ルのRT-PCR分析。グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)をポジ ティブコントロールとして用いた。 図6。3つのコントロールオリゴマーであるJaggedセンスオリゴヌクレオチド 、3'アンチセンスJaggedオリゴマー、および変異5'アンチセンスJaggedオリゴマ ーに対する効果に比較した、BMBC新芽形成に対するアンチセンスJaggedオリゴヌ クレオチドの効果のグラフ表示。 図7Aおよび7B。ウシ内皮細胞移動に対するアンチセンスJaggedオリゴヌク レオチドの効果を示す折れ線グラフ。ウシ微小血管内皮細胞(BMEC)に対する効 果を図7Aに示す。ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)における効果を図7Bに示す。 発明の好適な実施態様の記載 定義 以下の記載において、請求の範囲ならびに組換えDNA技術において用いられる 多数の用語が広範に利用される。明細書および請求の範囲(そのような請求の範 囲に与えられる範囲を含む)の明解かつ一貫した理解を提供するために、以下の 定義が提供される。 DNAセグメント。一般に理解され、そして本明細書中に用いられるように、DNA セグメントは、ヌクレオチドの線状ストレッチを含む分子をいう。ここで、ヌク レオチドは、タンパク質、タンパク質フラグメント、またはポリペプチドと呼ば れるアミノ酸残基の線状配列を含む分子を、遺伝コードを介してコードする配列 中に存在する。 遺伝子。単一のポリペプチド鎖またはタンパク質に関連するDNA配列をいい、 そして本明細書中で用いられる場合には5'および3'末端を含む。ポリペプチドは 、全長配列またはタンパク質の機能的活性が保持される限りは、コード配列の任 意の部分によってコードされ得る。 「相補的DNA」すなわち「cDNA」遺伝子は、介在配列(イントロン)を欠如す るメッセンジャーRNA(「mRNA」)の逆転写によって合成される組換え遺伝子を含 む。 構造遺伝子。mRNA(これは次いで特定のポリペプチドの特徴的なアミノ酸の配 列に翻訳される)に転写されるDNA配列。代表的には、最初に翻訳されるコドン の最初のヌクレオチドが+1に番号付けられ、そしてヌクレオチドは構造遺伝子 の翻訳領域を通って、そして3'非翻訳領域まで、正の整数で連続して番号付けら れる。翻訳領域に対して5'のプロモーターおよび調節領域中のヌクレオチドの番 号付けは、最初に翻訳されるヌクレオチドの次の5'のヌクレオチド(−1に番号 付けられる)に負の整数で連続して進む。 ゲル電気泳動。特定のDNAフラグメントのサイズを検出または決定するための 、最も一般的な技術(とはいえ唯一のものではない)はアガロースゲル電気泳動 である。これは、DNAがゲルを、まるでゲルが最大の分子の移動を最大の程度に 遅延させ、そして最小の分子の移動を最小の程度に遅延させる篩であるかのよう に通って、移動する原理に基づく。分画された分子は、染色によって可視化され て、ゲノムのDNAフラグメントが可視化されることを可能にし得る。しかし、ほ とんどのゲノム(ヒトゲノムを含む)は、あまりに多くのDNA配列を含むので、 容易には可視化パターンは産生されない。従って、「サザンハイブリダイゼーシ ョン」(または「ブロッティング」)と呼ばれる方法論は、小さなサブセットの フラグメントを可視化するために用いられる。この手順によって、分画されたDN Aは、ニトロセルロースフィルターペーパー、または別の適切な表面に認識され た方法を用いて物理的に移される。RNAフラグメントが、「ノーザンブロット」 プロセスによって同様に可視化され得ることに留意されたい。 核酸ハイブリダイゼーション。このプロセスは、相補的な塩基配列を有する2 つの一本鎖分子が、それらが適切な条件下で溶液中で混合される場合に、熱力学 的に有利な二本鎖形状に再形成する(再アニール)という原理に基づく。再アニ ーリングプロセスは、たとえ一方の一本鎖が固定化されていても生じる。 ハイブリダイゼーションプローブ。ハイブリダイゼーション手順における特定 のDNA配列を可視化するために、標識されたDNA分子またはハイブリダイゼーショ ンプローブを、ニトロセルロースフィルターに結合した分画された核酸と反応さ せること。標識されたDNAプローブに相補的な核酸配列を保有するフィルター上 の領域は、再アニーリング反応の結果としてそれら自身が標識される。このよう な標識を示すフィルターの領域が可視化される。ハイブリダイゼーションプロー ブは、一般に、特定のDNA配列の分子クローニングによって産生される。 オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー。2以上の(好ましくは、3より多い) デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドからなる分子。その正確なサ イズは多くの因子に依存し、次いでこれは、オリゴヌクレオチドの最終的な機能 または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは、合成的にまたはクローングによ って得られ得る。 配列増幅。大量の標的配列を産生する方法。一般に、1以上の増幅プライマー が核酸配列にアニールされる。適切な酵素を用いて、プライマーの近傍またはプ ライマー間に見出される配列が増幅される。 増幅プライマー。標的配列の近傍にアニーリングし、そして核酸鎖に相補的で あるプライマー伸長産物の合成が始まる条件下に置かれた場合に、DNA合成の開 始点として働き得るオリゴヌクレオチド。 ベクター。クローン化のためにDNAが挿入され得る、プラスミドまたはファー ジDNAまたは他のDNA配列。ベクターは、宿主細胞において自律的に複製し得、そ してそのようなDNA配列が測定可能な様式で切断され得、そしてDNAが挿入され得 る1つまたは少数のエンドヌクレアーゼ認識部位によってさらに特徴付けられ得 る。ベクターは、そのベクターで形質転換された細胞の同定における使用に適し たマーカーをさらに含み得る。用語「クローニングビヒクル」はときには「ベク ター」として用いられる。 発現。発現は、構造遺伝子がポリペプチドを産生するプロセスである。これは 、遺伝子のmRNAへの転写、およびこのようなmRNAのポリペプチドへの翻訳を含む 。 発現ベクター。クローニングベクターと類似するが、宿主への形質転換の後に 、それにクローン化された遺伝子を発現し得るベクターまたはビヒクル。クロー ン化された遺伝子は、通常、プロモーター配列のような所定の制御配列の制御下 に位置される(すなわち、作動可能に連結される)。発現制御配列は、ベクター が原核生物または真核生物のどちらの宿主において作動可能に連結された遺伝子 を 発現するように設計されるか、そしてエンハンサーエレメント、終結配列、組織 特異性エレメントのような転写のエレメント、ならびに/または翻訳の開始およ び終結の部位をさらに含み得るかに依存して変化する。 機能的誘導体。配列(タンパク質または核酸のいずれか)の「機能的誘導体」 は、タンパク質または核酸配列の生物学的活性に実質的に類似した生物学的活性 (機能的または構造的のいずれか)を保有する分子である。タンパク質の機能的 誘導体は、共有結合した炭水化物のような翻訳後修飾を含んでもよいし、含まな くてもよく、これは、特定の機能の性能に対するこのような修飾の必要性に依存 する。用語「機能的誘導体」は、分子の「フラグメント」、「セグメント」、「 改変体」、「アナログ」、または「化学的誘導体」を含むことを意図する。 本明細書中に用いられる場合、分子は、通常はその分子の一部ではないさらな る化学部分を含む場合に、別の分子の「化学的誘導体」であると言われる。この ような部分は、分子の溶解度、吸収性、生物学的半減期などを改善し得る。これ らの部分は、あるいは、分子の毒性を減少し得るか、分子の任意の望ましくない 副作用を除去もしくは減弱し得るなどである。このような効果を媒介し得る部分 は、Remington's Pharmaceutical Sciences (1980)に開示されている。このよう な成分を分子にカップリングさせるための手順は、当該分野で周知である。 改変体。タンパク質または核酸の「改変体」または「対立遺伝子改変体または 種改変体」は、タンパク質または核酸のいずれかに構造および生物学的活性にお いて実質的に類似する分子をいうことになっている。従って、2つの分子が共通 の活性を保有し、そして互いに代用され得る場合には、たとえそれらの分子の一 方の組成または二次、三次、もしくは四次構造が他方に見出されるものと同一で なくても、あるいはアミノ酸またはヌクレオチド配列が同一でなくても、それら は、その用語が本明細書中で用いられるような改変体であると考えられる。 実質的に純粋。「実質的に純粋」なタンパク質または核酸は、通常インビボで 会合している他の細胞成分を一般に欠いているタンパク質または核酸の調製物で ある。 リガンド。「リガンド」は、レセプター結合ドメインと相互作用し得、従って 、このようなドメインに「結合親和性」を有する任意のタンパク質をいう。リガ ン ドは、可溶性であってもよいし、または膜結合していてもよく、そしてそれらは 、天然に存在するタンパク質であってもよいし、または合成的にもしくは組換え 的に産生されてもよい。リガンドはまた、それがレセプター結合ドメインと相互 作用する場合には、リガンドとして作用する非タンパク質分子であり得る。リガ ンドとレセプター結合ドメインとの間の相互作用としては、任意の共有結合性ま たは非共有結合性の相互作用が挙げられるが、これらに限定されない。レセプタ ー結合ドメインは、リガンド(例えば、Jagged)と直接的または間接的に相互作 用するレセプター分子(例えば、Notch)の任意の領域である。Notch-Jagged相 互作用がオン-オフスイッチとして作用する場合、Jaggedは、レセプター結合ド メインを提供し得、そしてNotchまたはNotch-Jagged相互作用の結果として産生 される成分は、リガンドとして作用し得る。 「アンチセンス核酸配列」、「アンチセンス配列」、「アンチセンスDNA分子 」または「アンチセンス遺伝子」は、そのプロモーターに対して遺伝子の方向を 逆転させることによって構築され、その結果アンチセンス鎖が転写される偽遺伝 子をいう。この用語はまた、目的のタンパク質またはペプチドをコードするDNA の鎖に相補的であるRNAまたはcDNAのアンチセンス鎖をいう。いずれの場合にも 、プロモーターの制御下で細胞に導入される場合には、アンチセンス核酸配列は 、内因性遺伝子から目的のタンパク質の合成を阻害する。阻害は、核または細胞 質におけるRNA-RNAまたはcDNA-RNA二重鎖の形成に依存するようである。従って 、アンチセンス遺伝子が培養細胞に安定に導入される場合には、センス-アンチ センス二重鎖が核内で形成されれば通常のプロセシングおよび/または輸送が影 響を受ける;またはアンチセンスRNAが細胞の細胞質に導入される場合には、内 因性の産物の発現または翻訳が阻害される。このようなアンチセンス核酸配列は 、アンチセンス分子の生物学的活性、またはその発現の様式もしくは速度に影響 を及ぼし得る改変をさらに含み得る。このような改変はまた、例えば、アンチセ ンス分子の機能に影響を及ぼしないが、細胞内局在化に影響し得る、1以上のヌ クレオチドの変異、挿入、欠失、または置換を含み得る。改変としては、以下が 挙げられるが、それらに限定されない:5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル 、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセ チ ルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチルウラシル、5-カルボキシヒドロキ シメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒド ロウラシル、β-D-ガラクトシルクエオシン、イノシン、N6-イソペンチルアデニ ン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2ジメチルグアニン、2-メチルア デニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニ ン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メチルアミノメチル -2-チオウラシル、β-D-マンノシルクエオシン、5'-メトキシカルボキシメチル ウラシル、5-メチルウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラ シル-5オキシ酢酸、ワイブトキソジン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、クエ オシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオ ウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシ ル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプ ロピル)ウラシル、および2,6-ジアミノプリン。 核酸配列は、途切れないアンチセンスRNA配列を決定し得るか、またはそれは 、1以上のイントロンを含み得る。本発明のアンチセンスJagged分子は、γ-Jagg edと呼ばれる。 定常状態レベル。この用語は、時間が経過しても変化しない安定な条件、また は一方向の変化もしくは成分の産生が、他者における代償的な変化によって持続 的にバランスがとれた状態をいう。 好適な実施態様 新脈管形成、すなわち新規の血管の形成は、多数の生理学的な状態および病的 な状態(胎盤の発達、創傷治癒、慢性関節リウマチ、糖尿病性網膜症ならびに固 形腫瘍の増殖および転移)において中心的な役割を果たす。内皮細胞は、全ての 血管の管腔表面を内張りする単層を含み、それによって、このプロセスにおいて 中心的な役割を果たす。大血管および微小血管の両方から単離された内皮細胞の インビトロ集団は、毛細血管様ネットワークを形成することによってこの分化プ ロセスを模倣するように誘導され得る。三次元フィブリンゲルは、インビボ現象 のインビトロでの必然の結果として新脈管形成を模倣するために用いられる。な ぜなら、内皮細胞は、創傷修復のプロセスにおいて血餅に侵入するからである。 細胞の分化は、インビトロで十分に考証されているプロセスであり、一般に誘 導のための転写の成分を必要とする。しかし、ほとんどの細胞型とは対照的に、 内皮細胞の分化は、可逆的であることが示されている。インビトロで形成される 内皮細胞のネットワークの消化、およびFGF-1の存在下でのその細胞の引き続く 培養は、それらを非分化表現型に逆戻りさせる(例えば、Maciagら、J.Cell Bio l.94:511-520(1982)を参照のこと)。しかし、内皮細胞の分化はまた、転写基 礎を有することが示されている。細胞ネットワークへの内皮細胞(HUVEC)の組 織化は、フィブロネクチンをコードする転写産物における増大、およびsisをコ ードする転写産物における減少と関連し、これは、細胞ネットワークがプロテア ーゼで消化される場合に逆転し、そして細胞は増殖性の表現型に戻ることが示さ れている(例えば、Jayeら、Science 228:882-885(1985)を参照のこと)。 HUVECは、2種類の異なる作用をし得、その両方が「分化」と呼ばれる。1つ 目は、細胞の伸長を含む二次元ネットワーク、転写および翻訳は必要としないが 、翻訳後修飾を必要とする編目構造および分枝の形成である。2つ目は、Zimrin ら(1995)が転写および翻訳後の事象の両方を必要とすることを示した、内腔を 含むキャピラリーネットワークを生じるさらに複雑な三次元プロセスである。さ らに、Zimrinら(1995)は、内皮細胞に適用される改変ディファレンシャルディ スプレイ技術を定義し、そしてこれが内皮細胞の分化の際に別々に発現される転 写産物を単離する非常に有用な方法であることを実証した。 従って、本発明において、ディファレンシャルディスプレイ法の改変を使用し て、NotchレセプターについてのJaggedリガンドのヒトホモログを、フィブリン ゲルに侵入するヒトの臍静脈(HUVEC)から単離した。コラーゲン上のウシ微小 血管内皮細胞へのアンチセンスJaggedオリゴヌクレオチドの添加は、FGF-2に応 答してコラーゲンゲルへのそれらの侵入の顕著な増大を生じた。しかし、本発明 のアンチセンスJaggedオリゴヌクレオチドはフィブロネクチン上のウシ微小血管 内皮細胞の移動を増強することもまた可能にしたが、オリゴヌクレオチドは大動 脈由来のウシ内皮細胞の移動を有意に減少させた。このことは、Notchシグナル 化システムに応答するために2つの異なる内皮細胞集団によって利用される機構 における相違を示唆する。 微小血管と大血管内皮との間の区別は、一般に、血管内皮の異質性の一部とし て十分に認識されている。そしてこれは、細胞培養物(CarsonおよびHaudenschi ld、In Vitro 22:344-354(1986))、ならびに異なる接着性分子、細胞表面糖タ ンパク質、およびレクチン結合部位の器官特異的発現(Gumkowskiら、Blood Ves sels 24:11 (1987))における異なる供給源由来の内皮細胞の特性を反映する。 簡潔には、新脈管形成のプロセスにおいて必須である分子事象を同定するため に、改変されたディファレンシャルディスプレイ手順が、24時間の経過にわたっ てFGF-1の存在下で、フィブリン上にプレートされたHUVEC中でディファレンシャ ルに発現されたメッセージを単離するために使用された。実施例2に記載のよう に、2時間で増幅され、そしてラットJagged転写産物に高度に相同であることが 見出されたcDNAの1つが、ヒトJaggedホモログの単離物として同定された。本発 明の推定のタンパク質配列は、シグナルペプチド、Notchリガンドデルタにより 共有されるDSLドメイン、Serrate、LAG-2およびAPX-1、16のタンデム表皮成長因 子様反復、システインに富む領域、膜貫通ドメイン、ならびに125塩基対の細胞 質テイルを含む。ヒトJagged単離物の配列の5'末端は、ラットの配列の417位、 推定の21残基のシグナルペプチドの11番目のコドンに対応する。 内皮細胞の作用におけるJaggedおよびNotchの役割を調べるために、逆転写お よびポリメラーゼ連鎖反応増幅(RT-PCR)を使用して、フィブリン上のヒト内皮 細胞中での、Jaggedならびに2つの関連Notchタンパク質(ヒトTAN-1およびヒト Notch群タンパク質)の定常状態のメッセージレベルが評価した(図5)。Jagge dメッセージは、3時間の時点で、フィブリンに曝されたHUVECの集団においてア ップレギュレートされることが見出されたが、2つのNotchタンパク質のメッセ ージレベルは、24時間の経過を通じて変化しなかった。従って、ヒト内皮細胞の 集団がJaggedリガンドおよびNotchレセプターの両方を発現し得ることが本発明 において示され、このことは、ヒト内皮細胞がNotchシグナル導入経路を使用し て自己分泌シグナルを完成させていることを示す。しかしこのデータは、Notch およびJaggedタンパク質の両方を発現する同種の集団の間、またはNotch、Jagge d、これらのタンパク質の両方を提示するか、もしくはいずれも提示しない内皮 細胞の異種の亜集団の間を区別しない。 従って、Jaggedの機能的役割を詳細に示すために、本発明においてアンチセン スJaggedオリゴヌクレオチドが設計された、これは、Kozakコンセンサス領域、A TG開始コドン、およびラットJagged cDNA配列の次の3つのコドンを含んだ。同 様の戦略が、広範な種々のインビトロの転写産物の翻訳効率を抑制する手段とし て有用であることが以前に証明されている(Scanlonら、FASEB J.9:1288-1296( 1995);Maierら、1990bを参照のこと)。 内皮細胞の移動が新脈管形成の重要な要素であるので、内皮細胞の作用が、新 芽形成(Montesanoおよび0rci、Cell 42:469-477(1985))および移動(Satoおよ びRifkin、J.Cell Biol.107:1199-1205(1988))の条件下で評価された。 種々の濃度でコラーゲン上にプレートされたウシ微小血管内皮細胞へのオリゴヌ クレオチドの添加が、FGF-2の添加への応答において観察される新芽形成の全長 さにおける、オリゴヌクレオチド誘導性の用量依存性の増大を生じた(図6)。 いくつかのコントロールオリゴヌクレオチド(同じ配列をカバーするセンスオリ ゴヌクレオチド、それぞれ3塩基が変異した5'アンチセンスオリゴヌクレオチド 、およびランダムオリゴヌクレオチドを含む)の添加は、新芽形成の全ての長さ に影響を与えなかった(図6)。従って、アンチセンスJaggedオリゴヌクレオチ ドの添加は、FGF-2によって達成されるレベルを超えて、内皮細胞の新芽形成を 有意に増強した。 これらのデータは、内皮細胞の新芽形成が要素として細胞の移動を必要とする ために通常ではなく、そしてJagged cDNAは、フィブリン塊中でもまた移動が生 じる場合にヒト内皮細胞系から単離された。その結果として、アンチセンスJagg edオリゴヌクレオチドの効果が、キャピラリーおよび大血管内皮細胞の移動につ いてそれぞれ研究された。ウシ微小血管内皮細胞の集団が、Jaggedアンチセンス オリゴヌクレオチドの存在下でのそれらの移動において、有意な用量依存性増大 を示したが(図7A)、ウシ大動脈内皮細胞の移動は、アンチセンスJaggedオリゴ ヌクレオチドによって用量依存性の様式で有意に減弱されなかった(図7B)。従 って、内皮細胞を改変するためのJagged-Notchシグナル化の能力は、内皮細胞の 解剖学的な供給源に依存した。 研究された内皮細胞は、異なる様式でアンチセンスJaggedオリゴヌクレオチド に応答する、大血管および小血管の両方由来であり、そして両方の細胞の集団が 、Notchレセプターを発現するようであったので、Jaggedアンチセンスオリゴヌ クレオチドに対するそれらの応答における差異は、Notchシグナル化経路におけ る大血管と小血管との間に差異が存在することを初めて示す。小血管から単離さ れた細胞が、大血管から単離された内皮細胞よりもキャピラリー形成に特徴的な 表現型の変化をより容易に受け得ることが報告されているが(IngberおよびFolk man、J.Cell Biol.109:317-330(1989))、本発明において開示されるJaggedア ンチセンスオリゴヌクレオチドに対する新規の応答は、程度において異なるだけ ではなく、指向におけても異なる効果を初めて示す。 本発明の実施態様は、外因性のJaggedの添加(またはJaggedの増強された発現 )が、実施例5〜7に見られる影響と反対の影響を生じることをさらに示す。換 言すると、Jaggedの添加または増大した発現は、脈管の脈管(vasorum)による微 小血管細胞の移動および侵入を減少させ、そして大血管内皮細胞の移動を増大さ せるかまたは刺激する。 巨大直径血管および微小直径血管に対するJagged-Notchシグナル化経路の異な る効果の臨床的な重要性は有意であり、脈管の病理生理学的な多くの局面に答え を与える。例えば、高血圧の罹患率および死亡率は、大血管の疾患(アテローム 性硬化症および発作)に明らかに基づいているが、高血圧の主要な形態において は、血圧を上昇させる実際の原因は末梢血管床にある(細動脈および微小血管系 )(Chobanianら、Hypertension 8:15-21 (1986))。本発明によって規定される 組成物および方法は、高血圧が大動脈およびアテローム性硬化症の最も内部に直 接どのように関連し得るか、そしてその逆、既知のアテローム発生の危険因子が 微小血管内皮細胞にどのように影響し得るかというこれまでに結論が得られてい ない疑問を解決し得る(Chanら、Microvasc.Res.18:353-369(1979))。 さらに、本発明に含まれる組成物および方法は、1つ以上の大きな冠状脈管が それらの内皮細胞内層が剥がれている場合に、新脈管形成後の状況の改変に有用 である。新脈管形成手順の有用性を制限する最も深刻な合併症の1つが、再狭窄 の出現、または創傷部位での平滑筋細胞、単球/マクロファージ、血小板、およ び内皮の迅速な移動および増殖であり、これは、処置の前よりもさらに大量であ り得る脈管の閉塞を生じる(この目的についての多数の学術文献、例えば、Schw artzら、Atherosclerosis 1:107-161(1981)を参照のこと)。しかし、さらな る組換えJaggedタンパク質、または機能的に等価な薬物もしくはNotchをシグナ ル化する能力を有するタンパク質の治療量で傷つけられたかもしくは損傷した領 域を処置することによって、損傷を覆うために、裸になった領域中の損傷の縁で の大血管内皮細胞の移動を増大させ、一方、脈管の脈からの微小血管細胞の出現 をもまた減少させることによって、再閉塞を妨げるかまたは阻害する。そしてこ のことは、平滑筋細胞の増殖を供給するための栄養素を微小血管または新芽に提 供する。 好ましい実施態様において、本発明は、高度に精製されたJaggedタンパク質を 提供する。本明細書中で使用される場合、タンパク質は、タンパク質を含有する 全細胞抽出物中に見出されるよりも大きい特異的活性をタンパク質が有する場合 に、高度に精製されていると言われる。 任意の真核生物、または供給源生物がリガンドまたはその等価物を天然に含む 限りはそれをコードする遺伝子が、Jaggedの供給源として使用され得る。本明細 書中で使用される場合、「供給源生物」は、生物に関係なくアミノ酸またはDNA 配列が由来するが、リガンドが発現されるかまたは最終的に単離される元の生物 をいう。例えば、ヒトは、アミノ酸配列がヒトJaggedのものである限りは、昆虫 の発現系によって発現されたJaggedの「供給源生物」であると言われる。最も好 ましい、供給源生物は、ヒトである。 当該分野で公知の種々の方法論が、本発明のJaggedタンパク質を得るために利 用され得る。1つの実施態様において、Jaggedは、それを天然に産生する、例え ばHUVECのような組織または細胞から精製される。当業者は、Jaggedタンパク質 を得るために、タンパク質を単離するための公知の方法に容易に従い得る。これ らは以下を含むが、これらに限定されない:免疫クロマトグラフィー、サイズ排 除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマ トグラフィー、HPLC、および本明細書中に開示される実施例に示される方法。当 業者は、特定の工程を削除するか、またはさらなる精製手順を取り入れるために 、 公知の精製スキームを容易に適合させ得る。 別の実施態様において、リガンドが、所望のタンパク質を発現するように変更 された細胞から精製される。本明細書中で使用される場合、細胞が遺伝子操作を 通じて、それが通常は産生されないかまたは細胞が通常は低レベルで産生するタ ンパク質を産生するようにされる場合に、「所望のタンパク質を発現するように 改変された」と言われる。当業者は、所望のタンパク質を産生する細胞を生成す るために、ゲノムまたはcDNA配列のいずれかを原核生物もしくは真核生物のいず れかに導入し、そしてはその中で発現させるための手順を容易に適用し得る。 所望のタンパク質をコードするDNAについて種々の供給源生物が存在する。よ り好ましい供給源は、内皮細胞である。最も好ましい供給源は、ヒト内皮細胞で ある。本発明に含まれる方法は、他の解剖学的部位から得られるHU動脈(A)ECお よびヒト細胞との比較において評価されるべきモデルとして、HUVECの集団の使 用に容易に適用される。これらは、ヒト脂質由来微小血管内皮細胞(HMEC)、ヒ ト真皮由来キャピラリー内皮細胞(HCEC)、ならびにヒト伏在静脈(HSVEC)お よび動脈(HSAEC)を含む。多くのヒト内皮細胞の集団が市販により(HMECおよ びHCEC)、および学術的な供給源から(HSVECおよびHSAEC;Michael Watkins博 士,Dept.of Surgery,Boston University、およびHUAEC;Victorvan Hinsberg h博士,Gabius Institute,Netherlands)容易に入手可能である。 なお別の実施態様において、Jaggedにハイブリダイズし得るプローブが入手可 能なので、目的のタンパク質をコードする所望の核酸配列をコードするDNA配列 は、これらのレセプターを有する任意の宿主から、ルーチンのハイブリダイゼー ションおよび選択によって得られ得る。核酸分子(例えば、DNA)は、それが、 転写および翻訳調節情報を含むヌクレオチド配列を含み、そしてこのような配列 がポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と「作動可能に連結」されている 場合、このポリペプチドを「発現し得る」といわれる。作動可能な連結とは、調 節DNA配列および発現すべきことを求められるDNA配列が、遺伝子配列発現を可能 にする様式で接続している連結である。遺伝子配列発現に必要とされる調節領域 の正確な性質は、生物ごとに変化し得るが、一般には、原核生物において、プロ モーター(RNA転写の開始を指向する)と、RNAに転写された場合、タンパク質合 成の開始を信号伝達するDNA配列との両方を含むプロモーター領域を含む。この ような領域には、通常、転写および翻訳の開始に関与する5'非コード配列(例 えば、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列など)が含まれる。 所望であれば、Jaggedをコードする遺伝子配列の3'側の非コード領域は、上 記の方法によって得られ得る。この領域は、その転写終結調節配列(例えば、終 結およびポリアデニル化)のために保持され得る。したがって、Jaggedをコード するDNA配列に天然に隣接する3'領域を保持することによって、転写終結シグナ ルが提供され得る。転写終結シグナルが、発現宿主細胞において満足には機能的 でない場合、その宿主細胞において機能的な3'領域が置換され得る。 (プロモーター領域配列およびJaggedコード配列のような)2つのDNA配列は 、その2つのDNA配列間の連結の性質が、(1)フレームシフト変異の導入を生 じず、(2)Jagged遺伝子配列の転写を指向する、プロモーター領域配列の能力 を妨げず、しかも(3)プロモーター領域配列により転写されるJagged遺伝子配 列の能力を妨げない場合、作動可能に連結されているといわれる。したがって、 プロモーター領域は、そのプロモーターがDNA配列の転写を生じ得る場合、そのD NA配列に作動可能に連結されている。Jaggedを発現するためには、適切な宿主に よって認識される転写および翻訳シグナルが必要である。 別の実施態様において、本発明の核酸配列は、動物またはヒト患者による制御 された発現の下にある。あるいは、核酸配列は、遺伝子治療を必要とする患者に 、静脈内に、筋肉内に、皮下に、経腸的に、局所的に、非経口的に、または外科 的に投与される。注射によって核酸を投与する場合、投与は、連続投与によるか 、または単回投与もしくは複数回投与により得る。遺伝子治療は、「薬理学的も しくは薬学的に受容可能な形態」で、「治療有効」に十分な量でレシピエント哺 乳動物に提供されることを意図される。核酸は、その投与がレシピエント患者に より寛容され得る場合、「薬学的もしくは薬理学的に受容可能な形態」であると いわれる。薬剤の投薬量、投与経路などがJaggedに対する応答に影響を及ぼすに 十分である場合、その量は、「治療有効」であるといわれる(本明細書中または 他で、「有効量」とも呼ばれる)。核酸は、その投与がレシピエント患者により 寛容され得る場合、「薬学的もしくは薬理学的に受容可能な形態」であると考え ら れる。 本発明は、さらに、原核生物もしくは真核生物細胞のいずれかにおけるJagged タンパク質(またはその機能的な誘導体)の発現を包含する。好ましい原核生物 宿主には、細菌、例えば、E.coli、Bacillus、Streptomyces、Pseudomonas、Sal monella、Serratiaなどが含まれる。このような条件下で、Jaggedはグリコシル 化されない。原核生物宿主は、発現プラスミド中のレプリコンおよび制御配列に 適合性でなければならない。 しかし、原核生物系は、可溶性Jaggedリガンドの発現について有効であること が判明していなくてもよい。なぜなら、目的のタンパク質は、残基22(シグナル 配列の後)〜残基1069(膜貫通ドメインの前)を含む1048残基を含むからである 。原核生物発現系(例えば、pET3c)は、高分子量タンパク質(例えば、生物学 的に活性な(分子量(Mr)約118kDa)FGF-1:β−ガラクトシダーゼキメラ)を発 現させるために使用されてきた(Shiら、J.Biol.Chem.、1996に投稿中)が、一 方、Jagged配列におけるEGF多反復についての畳み込みおよびジスルフィド結合 形成(EGF反復あたり3つのジスルフィド結合)の成功は、細菌において達成す るのが困難であり得る。 にもかかわらず、原核生物細胞においてJagged(またはその機能的誘導体)を 発現させるためには、Jaggedコード配列を機能的な原核生物プロモーターに作動 可能に連結することが必要である。このようなプロモーターは、構成的または( より好ましくは)調節可能(すなわち、誘導性もしくは抑制解除性)のいずれで あってもよい。構成的プロモーターの例には、バクテリオファージλのintプロ モーター、pBR322のβ−ラクタマーゼ遺伝子配列のblaプロモーター、およびpPR 325のクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子配列のCATプロモ ーターなどが挙げられる。誘導性原核生物プロモーターの例には、バクテリオフ ァージλの主要右および左プロモーター(PLおよびPR)、E.coliのtrp、recA、 lacZ、lacI、およびgalプロモーター、B.subtilisのαアミラーゼ(Ulmanen,Iら 、J.Bacteriol.162:176-182(1985))およびζ-28特異的プロモーター(Gilman, M.Z.ら、Gene sequence 32:11-20(1984))、Bacillusのバクテリオファージのプ ロモーター(Gryczan,T.J.、The MolecularBiology of theBacilli、Academic Press,Inc.、NY(1982))、ならびにStreptomycesプロモーター(Ward,J.M.ら、 Mol.Gen.Genet.203:468-478(1986))が含まれる。Glick,B.R.(J.Ind.Microbiol .1:277-282(1987));Cenatiempo,Y.(Biochimie 68:505-516(1986));およびGo ttesman,S.(Ann.Rev.Genet.18:415-442(1984))による総説もまた参照。 原核生物細胞における適切な発現はまた、遺伝子配列コード配列の上流にリボ ソーム結合部位の存在を必要とする。このようなリボソーム結合部位は、例えば 、Gold,L.ら(Ann.Rev.Microbiol.35:365-404(1981))により開示されている。 好ましい真核生物宿主には、酵母、真菌、昆虫細胞、哺乳動物細胞(インビボ または組織培養のいずれか)が含まれる。宿主として有用であり得る哺乳動物細 胞には、HeLa細胞、線維芽細胞起源の細胞(例えば、VEROもしくはCHO-Kl)、ま たはリンパ系起源の細胞(例えば、ハイブリドーマSP/O-AG14もしくはミエロー マP3x63Sg8)、およびそれらの誘導体が含まれる。好ましい哺乳動物宿主細胞に は、SP2/0およびJ558L、ならびに正確な翻訳後プロセシングについてより良好な 能力を提供し得る神経芽腫細胞株(例えば、IMR332)が挙げられる。 哺乳動物宿主については、いくつかの可能なベクター系が、Jaggedの発現のた めに利用可能である。宿主の性質に依存して、種々の転写および翻訳調節配列が 用いられ得る。転写および翻訳調節シグナルは、ウイルス供給源(例えば、アデ ノウイルス、ウシパピローマウイルス、シミアンウイルスなど)に由来し得る。 ここで、この調節シグナルは、高レベルの発現を有する特定の遺伝子配列と関連 している。あるいは、哺乳動物発現産物(例えば、アクチン、コラーゲン、ミオ シンなど)に由来するプロモーターが用いられ得る。抑制または活性化を可能に し、その結果、遺伝子配列の発現が調整され得る転写開始調節シグナルが選択さ れ得る。興味深いのは、温度感受性であり、その結果、温度変化により、発現が 抑制または開始され得るか、あるいは化学的(例えば、代謝物)調節を受ける調 節シグナルである。 酵母発現系もまた、翻訳後ペプチド修飾を行い得る。酵母において所望のタン パク質の産生に利用され得る、強力なプロモーター配列および高コピー数のプラ スミドを利用する、多くの組換えDNAストラテジーが存在する。酵母は、クロー ン化された哺乳動物遺伝子配列産物上のリーダー配列を認識し、そしてリーダー 配列を有するペプチド(すなわち、プレ−ペプチド)を分泌する。酵母をグルコ ースに富む培地において増殖させる場合、大量に産生される解糖酵素をコードす る活発に発現される遺伝子配列に由来するプロモーターおよび終結エレメントを 組み込んだ、一連の酵母遺伝子配列発現系のいずれもが使用され得る。公知の解 糖遺伝子配列はまた、非常に効率的な転写制御シグナルを提供し得る。例えば、 ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子配列のプロモーターおよびターミネーターシ グナルが、利用され得る。 Jaggedのタンパク質サイズにより好ましい宿主は、昆虫細胞、例えば、Drosop hila幼虫である。昆虫細胞を宿主として使用して、Drosophilaアルコールデヒド ロゲナーゼプロモーターが使用され得る(例えば、Rubin,G.M.、Science 240:14 53-1459(1988)を参照)。 バキュロウイルス昆虫細胞発現系は、従来のPCR法を使用して、可溶性Jagged 構築物(残基1〜1069)を、カルボキシ末端3連縦列mycエピトープ反復:グル タチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質キメラとして発現させる に最も好ましい系である(Zhanら、J.Biol.Chem.269:20221-20224(1994))。こ れらは、可溶性Jagged-Myc-GST構築物(sJMG)を合成するための組換えサークル PCRの使用、Sf9細胞における組換えウイルスAcNPV-GsJの調製および発現(Summe rsおよびSmith(1988)A Manual of Methods for Baculovirus Vectorand Insec t Culture Procedures(Texas Experimental Station Bulletin ♯1555))、Sf9 細胞溶解物から組換えタンパク質を精製するためのGSTアフィニティークロマト グラフィー(Zhanら、1994)および逆相またはイオン交換HPLCの使用、ならびに sJMGタンパク質の精製をモニターしそしてその純度を評価するためのMycイムノ ブロット分析を包含する。 sJMG構築物は、バキュロウイルス発現系に対して有益であるだけでなく、イン ビボ移植用の哺乳動物細胞における、分泌されそして可溶性の細胞外Jaggedリガ ンドの発現のための構築物としてもまた有益であることが判明し得る。したがっ て、GST融合ドメインを欠くsJM構築物は、pMEXneoベクター中に挿入され得、記 載(Zhanら、Biochem.Biophys.Res.Commun.188:982-991(1992))のように、G41 8での選択後、安定なNIH 3T3細胞トランスフェクタントが得られ得る。さらに、 バキュロウイルスベクターは、昆虫細胞において大量のJaggedを発現するように 操作され得る(Jasny,B.R.、Science 238:1653(1987);Miller,D.W.ら、Genet ic Engineering(1986)、Setlow,J.K.ら編、Plenum、第8巻、277〜297頁)。 上記のように、真核生物宿主におけるJaggedの発現には、真核生物の調節領域 の使用が必要である。このような領域には、一般に、RNA合成の開始を指向する に十分なプロモーター領域が含まれる。好ましい真核生物プロモーターには、マ ウスメタロチオネインI遺伝子配列のプロモーター(Hamer,D.ら、J.Mol.Appl.G en.1:273-288(1982);ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight,S.、Ce ll 31:355-365(1982));SV40初期プロモーター(Benoist,C.ら、Nature(London )290:304-310(1981);酵母gal4遺伝子配列プロモーター(Johnston,S.A.ら、P roc.Natl.Acad.Sci.(USA)79:6971-6975(1982);Silver,P.A.ら、Proc.Natl.Ac ad.Sci.(USA)81:5951-5955(1984))が含まれる。 広く公知のように、真核生物mRNAの翻訳は、最初のメチオニンをコードするコ ドンから開始される。この理由から、真核生物プロモーターとJagged(またはそ の機能的誘導体)をコードするDNA配列との間の連結は、メチオニンをコードし 得る介在コドン(すなわち、AUG)を含まないことを確実にすることが好ましい 。このようなコドンの存在は、融合タンパク質の生成(AUGコドンが、Jaggedコ ード配列と同一のリーディングフレームにある場合)またはフレームシフト変異 (AUGコドンが、Jaggedコード配列と同一のリーディングフレームにない場合) のいずれかを生じる。 Jaggedコード配列および作動可能に連結したプロモーターは、レシピエントの 原核生物または真核生物細胞中に、非複製DNA(またはRNA)分子として導入され 得る。このDNA(またはRNA)分子は、線状分子、または(より好ましくは)閉じ た共有結合環状分子のいずれかであり得る。このような分子は自律複製し得ない ので、Jaggedの発現は、導入された配列の一過性発現により生じ得る。あるいは 、永続的発現は、宿主染色体への導入された配列の組み込みにより生じ得る。 1つの実施態様において、所望の遺伝子配列を宿主細胞染色体中に組み込み得 るベクターが用いられる。導入されたDNAをその染色体中に安定に組み込んだ細 胞は、発現ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする1またはそれ以上のマー カーもまた導入することによって選択され得る。マーカーは、栄養要求性宿主へ のプロトトロフィー、殺菌剤耐性(例えば、抗生物質または銅のような重金属) などを提供し得る。選択マーカー遺伝子配列は、発現されるべきDNA遺伝子配列 に直接連結され得るか、または同時トランスフェクションにより同じ細胞中に導 入され得る。さらなるエレメントもまた、一本鎖結合タンパク質mRNAの最適な合 成に必要とされ得る。これらのエレメントには、スプライシングシグナル、なら びに転写プロモーター、エンハンサー、および終結シグナルが含まれる。このよ うなエレメントを組み込んだcDNA発現ベクターとしては、Okayama,H.(Molec.C ell.Biol.3:280(1983))により記載されるcDNA発現ベクターが挙げられる。 好ましい実施態様では、導入された配列は、レシピエント宿主において自律複 製し得る、プラスミドまたはウイルスベクターに取り込まれる。任意の広範な種 々のベクターは、この目的のために用いられ得る。特定のプラスミドまたはウイ ルスベクターを選択する際の重要な要素は、以下を含む:ベクターを含むレシピ エント細胞が、ベクターを含まないレシピエント細胞から認識および選択され得 る容易さ;特定の宿主において所望される、ベクターのコピー数;および異なる 種の宿主細胞間でベクターを「シャトル」し得ることが所望されるか否か。 好ましい原核生物ベクターは、例えば、E.coliにおいて複製し得るプラスミド (例えば、pBR322、ColEl,pSC101,pACYC 184、πVX)を含む。このようなプラ スミドは、例えば、Maniatis,T.ら,(MolecularCloning,A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1982))により開示され る。Bacillusのプラスミドは、pC194、pC221、pT127などを含む。このようなプ ラスミドは、Gryczan,T.(The Molecular Biology of the Bacilli,Academic Press,NY(1982),307-329頁)により開示される。適切なStreptomycesのプラス ミドは、pIJ101(Kendall,K.J.ら,J.Bacteriol.169:4177-4183(1987))お よびφC31(Chater,K.F.ら,Sixth International Symposium on Actinomyceta les Biology,Akademiai Kaido,Budapest,Hungary(1986)45-54頁)のような streptomycesバクテリオファージを含む。Pseudomonasプラスミドは、John,J. F.ら,(Rev.Infect.Dis.8:693-704(1986))およびIzaki,K.(Jpn.J.Bacte riol.33:729-742(1978))により概説される。 好ましい真核生物プラスミドは、BPV、ワクシニア、SV40、2-ミクロンサーク ルなどまたはそれらの誘導体を含む。このようなプラスミドは、当該分野で周知 である(Botstein,D.ら,Miami Wntr.Symp.19:265-274(1982); Broach,J.R .,The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces: Life Cycle and Inhe ritance,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,445-470 頁(1981);Broach,J.R.Cell 28:203-204(1982);Bollon,D.P.ら,J.Clin. Hematol.Oncol.10:39-48(1980); Maniatis,T.,Cell Biology:A Comprehensi ve Treatise,第3巻,Gene sequence Expression,Academic Press,NY,563-6 08頁(1980))。 一旦、単数または複数の構築物を含むベクターまたはDNA配列が発現のために 調製されたら、単数または複数のDNA構築物は、適切な宿主細胞中へ、以下の種 々の任意の適切な手段により導入され得る:形質転換、トランスフェクション、 接合、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈澱法 、直接的マイクロインジェクションなど。ベクターの導入後、レシピエント細胞 を選択培地中で増殖させる。選択培地は、ベクター含有細胞の増殖を選択する。 単数または複数のクローン化された遺伝子配列の発現は、Jaggedまたはそのフラ グメントの産生をもたらす。これは、そのままの形質転換細胞において、または これらの細胞の分化誘導後に(例えば、神経芽細胞腫細胞へのブロモデオキシウ ラシルの投与などにより)起こり得る。 本発明のJaggedタンパク質(または機能的誘導体)は、種々の手順および方法 において、例えば、抗体の作製のため、薬学的組成物の同定の際の使用のため、 およびDNAタンパク質相互作用の研究のために用いられ得る。 本発明のペプチドはまた、哺乳動物に静脈内、筋肉内、皮下、経腸的に、局所 的に、または非経口的に投与され得る。ペプチドを注入により投与する場合には 、投与は、連続注入、または単回もしくは複数回の注入によってであり得る。ペ プチドは、レシピエント哺乳動物に、「治療的に有効」であるために十分な量で 、「薬理学的または薬学的に受容可能な形態で」提供されることが意図される。 ペプチドの投与がレシピエント患者により許容され得るならば、ペプチドは、「 薬学的または薬理学的に受容可能な形態」であると判断される。薬剤の投薬量、 投 与経路などがJaggedに対する応答に影響を与えるのに十分であるならば、その量 は「治療的に有効」(「有効量」)であるといわれる。従って、本ペプチドは、 Jaggedタンパク質の効果を増大または増強させるために使用され得る。 本発明の別の実施態様では、Jaggedペプチドの活性を、阻害、低減、または防 止する方法が、リガンド(またはその機能的誘導体)へ結合し得る薬剤を提供す ることにより達成され得る。このような薬剤は、以下を含むがこれらに限定され ない:アンチセンスJagged、Jaggedに対する抗体(抗Jagged)、および本発明の 二次的なペプチドまたは抗ペプチド性ペプチド。Jaggedの活性を低減させること により、ペプチドの発現が新脈管形成または再狭窄に対して有する効果が改変さ れ得る。 本発明の1つの実施態様では、Jagged(またはその機能的誘導体)の発現を、 Jaggedメッセージの翻訳を混乱させるためのcDNAのアンチセンス鎖により低減さ せる方法が提示される。特に、細胞は、日常的手順を用いて改変され、その結果 、細胞はアンチセンスメッセージを発現する。アンチセンスメッセージは、偽遺 伝子メッセージに相補的である。アンチセンスRNAを構成的または誘導的に発現 させることにより、Jagged mRNAの翻訳が調節され得る。このようなアンチセン ス技術は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼを発現する調節のために首尾良く 適用されている(Dingら,J.Biol.Chem.267(1992)を参照のこと)。 一方、Jaggedペプチドの活性を刺激、増大、または増強するための方法は、リ ガンド(またはその機能的誘導体)の結合可能性もしくは結合能力を増強させ得 る薬剤を提供することにより、または系におけるJaggedの発現を低減もしくは停 止させるシグナルを阻害もしくは防止することにより、達成され得る。このよう な薬剤は、本発明の抗アンチセンスJaggedペプチドを含むがこれらに限定されな い。Jaggedの活性を増強することにより、ペプチドの発現が新脈管形成または再 狭窄に対して有する影響がまた改変され得る。 なお別の実施態様では、Jagged(またはその機能的誘導体または改変体)が、 抗体またはハイブリドーマを生成するために使用され得る。当業者は、Jaggedに 結合する抗体が所望される場合に、このようなリガンドは上記のように生成され 、そして免疫原として使用されることを認識する。次いで、得られる抗体は、Ja gg edに結合する能力についてスクリーニングされる。さらに、抗体は、Notchに対 する結合不能性についてスクリーニングされ得る。 上記の方法で利用される抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗 体、そのうえこれらのフラグメントおよびヒト化形態であり得る。本発明のヒト 化形態の抗体は、キメラ化またはCDRグラフト化のような当該分野で公知の手順 の1つを用いて生成され得る。 一般に、モノクローナル抗体を調製するための技術は当該分野で周知である( Campbell,A.M.,「Monoclonal Antibody Technology:Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology」,Elsevier Science Publishers,Am sterdam,The Netherlands(1984); St.Grothら,J.Immunol.Methods 35:1-21 (1980))。例えば、1つの実施態様では、Jaggedを結合し得る抗体は、動物を 、その配列がJaggedタンパク質の領域から得られる合成ポリペプチドで免疫する ことにより生成される。 抗体を生成することが公知である任意の動物(マウス、ウサギなど)を利用し て、所望の特異性を有する抗体を生成し得る。とはいえ、Jagged分子のサイズは 大きいので、ウサギがより好ましい。免疫のための方法は、当該分野で周知であ る。このような方法は、皮下または腹腔内のポリペプチド注入を含む。当業者は 、免疫のために使用されるポリペプチドの量が、免疫される動物、ポリペプチド の抗原性、および注入部位に基づいて変化することを認識する。 ポリペプチドは、ペプチドの抗原性を増大させるために、改変またはアジュバ ント中で投与され得る。ポリペプチドの抗原性を増大させる方法は、当該分野で 周知である。このような手順は、抗原を異種タンパク質(例えば、グロブリンま たはβ-ガラクトシダーゼ)にカップリングさせることまたは免疫の間のアジュ バントの封入を含む。 モノクローナル抗体については、免疫した動物から脾臓細胞を取り出し、ミエ ローマ細胞(例えば、SP2/O-Ag14ミエローマ細胞)と融合し、そしてモノクロー ナル抗体産生ハイブリドーマ細胞とならせる。ハイブリドーマは、特異的モノク ローナル抗体を分泌し得る不死化細胞株である。 当該分野で周知の多数の方法の任意の1つを用いて、所望の特徴を有する抗体 を生成するハイブリドーマ細胞を同定し得る。これらは、ELISAアッセイでハイ ブリドーマをスクリーニングすること、ウェスタンブロット分析、または放射免 疫アッセイ(Lutzら,Exp.Cell Res.175:109-124(1988))を含む。 所望の抗体を分泌するハイブリドーマをクローン化し、そしてクラスおよびサ ブクラスを、当該分野で公知の手順(Campbell,A.M.,Monoclonal Antibody T echnology: Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Elsevier Science Publishers,Amsterdam,The Netherlands(1984))を用いて 決定する。 ポリクローナル抗体については、抗体を含有する抗血清を、免疫した動物から 単離し、そして所望の特異性を有する抗体の存在について、上記の手順の1つを 用いてスクリーニングする。 抗体を試験サンプルとともにインキュベートする条件は変化する。インキュベ ートする条件は、アッセイにおいて用いられる形式、用いられる検出方法、試験 サンプルの性質、ならびにアッセイにおいて用いられる抗体のタイプおよび性質 に依存する。当業者は、任意の通常利用可能な免疫学的アッセイ形式(例えば、 放射免疫アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ、Ouchterlonyに基づく分散、ま たはロケット免疫蛍光アッセイなど)が、本発明の抗体を用いるのに容易に適合 され得ることを認識する。このようなアッセイの例は、Chard,T.「An Introdu ction to Radioimmunoassay and Related Techniques」 Elsevier Science Pub lishers,Amsterdam,The Netherlands(1986);Bullock,G.R.ら,「Technique s in Immunocytochemistry」,Academic Press,Orlando,FL第1巻(1982)、第 2巻(1983)、第3巻(1985);Tijssen,P.,「Practice and Theory of Enzy me Immunoassays:Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biol ogy」,Elsevier Science Publishers,Amsterdam,The Netherlands(1985)に 見出され得る。 抗Jagged抗体はまた、固体支持体上に固定化された場合に有効である。このよ うな固体支持体の例は、ポリカーボネートのようなプラスチック、アガロースお よびセファロースのような複合糖質、ならびにポリアクリルアミドおよびラテッ クスビーズのようなアクリル樹脂を含むがこれらに限定されない。このような固 体支持体に抗体をカップリングさせる技術は、当該分野で周知である(Weir,D. M.ら,「Handbook of Experimental Immunology」第4版,Blackwell Scientifi c Publications,Oxford,England,第10章(1986),Jacoby,W.D.ら,Meth.En zym.34 Academic Press,N.Y.(1974))。 さらに、上記の方法において使用される1つ以上の抗体は、使用前に検出可能 に標識され得る。抗体は、放射性同位体、親和性標識(例えば、ビオチン、アビ ジンなど)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスフ ァターゼなど)、蛍光標識(例えば、FITCまたはローダミンなど)、常磁性原子 などの使用を通して検出可能に標識され得る。このような標識を達成するための 手順は当該分野で周知である。例えば、Sternberger,L.A.ら,J.Histochem. Cytochem.18:315(1970),Bayer,E.A.ら,Meth.Enzym.62:308(1979),Engval ,E.ら,Immunol.109:129(1972),Goding,J.W.J.Immunol.Meth.13:215(1 976)を参照のこと。本発明の標識抗体は、インビトロ、インビボ、およびインサ イチュでのアッセイに使用されて、特定のタンパク質またはリガンドを発現する 細胞または組織を同定し得る。 上記方法の1実施態様では、抗体が標識され、その結果、単数または複数の抗 体が同じ分子に結合する場合にシグナルが生成され得る。このような系の1つは 、米国特許第4,663,278号に記載される。 本発明の抗体またはアンチセンスペプチドは、哺乳動物に、静脈内、筋肉内、 皮下、経腸的に、局所的に、または非経口的に投与され得る。抗体またはペプチ ドを注入により投与する場合、投与は、連続的注入または単回注入もしくは複数 回注入によってであり得る。 本発明の抗体またはアンチセンスペプチドは、レシピエント哺乳動物に「治療 的に有効」であるに十分な量、すなわち「有効量」で、「薬学的に受容可能な形 態」で提供されることが意図される。上記のように、薬剤の投薬量、投与経路な どがJaggedに対する応答に影響を与えるのに十分であるならば、その量は治療的 に有効(有効量)であるといわれる。従って、本抗体は、Jaggedタンパク質の効 果を刺激するかまたは増大させるかのいずれかであり得るか、または抗体はJagg edタンパク質の効果を阻害または防止し得る。あるいは、単数または複数の二次 抗体は、単数または複数のJagged抗体自体(すなわち、Jaggedに対する抗抗体) に対する応答に影響を与えるように設計され得る。あるいは、抗体または抗抗体 のいずれかは、リガンドのアンチセンス鎖のみに影響を与えるように設計され得 る。 当業者は、合理的に設計された抗ペプチドペプチドを生成するために、特異的 なペプチド配列に結合し得る二次抗体ペプチドを生成するための現在入手可能な 手順を容易に適用し得る(例えば、Hurbyら、「Application of Synthetic Pept ides: Antisense Peptides」 Synthetic Peptides,A User's Guide,W.H.Freem an,NY.289-307頁(1992)、およびKaspczakら、Biochemistry 28:9230-8(1989) を参照のこと)。本明細書中に用いられる、因子は、その因子がJaggedペプチド の構成(configuration)に基づいて選択される場合に、「合理的に選択または 設計された」といわれる。 抗ペプチドペプチドは、2通りの様式のうち1つにおいて生成され得る。第1 に、抗ペプチドペプチドは、疎水性および非荷電極性基を維持しながら、疑似遺 伝子ペプチド配列に見出される塩基性アミノ酸残基を酸性残基で置換することに よって生成され得る。例えば、リジン、アルギニン、および/またはヒスチジン 残基は、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置換され、そしてグルタミン酸残 基は、リジン、アルギニン、またはヒスチジンで置換される。あるいは、本発明 の抗ペプチドペプチドは、疑似遺伝子ペプチドをコードするDNAのアンチセンス 鎖によってコードされるペプチドを合成および発現することによって生成され得 る。この様式で産生されるペプチドは、上記のものと一般に類似している。なぜ なら、塩基性残基をコードするコドンに相補的なコドンは、一般に酸性残基をコ ードするからである。 二次抗体、または標識された一次抗体を検出するために、標識化試薬は、例え ば、標識された抗体と反応し得る嫌色性試薬、酵素試薬、または抗体結合試薬を 含み得る。当業者は、開示される本発明の抗体が、当該分野で周知の確立された キット形式の1つに容易に組み込まれ得ることを容易に認識する。 抗体は、その投与がレシピエント患者に寛容性であり得る場合、「薬学的にま たは薬理学的に受容可能な形態」であるといわれる。本発明の抗体は、薬学的に 有用な組成物を調製する公知の方法に従って処方され得、それにより、これらの 物質またはその機能的誘導体は、薬学的に受容可能なビヒクルと組み合わされる 。適切なビヒクルおよびそれらの処方物は、他のヒトタンパク質(例えば、ヒト 血清アルブミン)も含めて、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,1 980に記載される。 効果的な投与のために適切な薬学的に受容可能な組成物を形成するために、こ のような組成物は、本発明の有効量の抗体を適切な量のキャリアとともに含む。 このようなキャリアは、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、 グリセロール、エタノール、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定され ない。キャリア組成物は、滅菌であり得る。処方物は、投与の態様に適するべき である。キャリアに加えて、本発明の抗体がヒト化形態で供給され得る。 ヒト化抗体は、例えば、抗体の免疫原性部分を、対応するが、免疫原性でない 部分で置換することによって産生され得る(すなわち、キメラ抗体)(Robinson ら、国際特許出願第PCT/US86/02269号;Akiraら、欧州特許出願第184,187号;Tani guchi,M.,欧州特許出願第171,496号;Morrisonら、欧州特許出願第173,494号;N euberger,M.S.ら、PCT出願第WO86/01533号;Cabillyら、欧州特許出願第125,023 号;Betterら、Science 240:1041-1043(1988);Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 84:3439-3443(1987);Liuら、J.Immunol.139:3521-3526(1987);Sunら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 84:214-218(1987);Nishimuraら、Canc.Res.47:999-10 05(1987);Woodら、Nature 314:446-449(1985);Shawら、J.Natl.Cancer Inst. 80:1553-1559(1988))。 本発明の組成物はまた、少量の湿潤化剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含 み得る。組成物は、液体溶液、懸濁液、乳液、錠剤、丸剤、カプセル、徐放処方 物、または粉末であり得る。組成物は、トリグリセリドのような伝統的な結合剤 およびキャリアを用いて坐薬として処方され得る。経口処方物は、標準的なキャ リア(例えば、薬学的に受容可能なマンニトール、ラクトース、デンプン、ステ アリン酸、マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウ ムなど)を含み得る。 本発明の好ましい実施態様において、組成物は、被験体への静脈内投与のため の日常的な手順に従って処方される。代表的には、このような組成物は、滅菌等 張水性緩衝液中にて運ばれる。必要ならば、組成物は、可溶化剤および局所麻酔 薬を含み得る。一般に、成分は、別々にまたは単位投薬量形態(例えば、活性薬 剤の指示を有する密閉容器中の凍結乾燥粉末として)において混合物として供給 される。組成物が注入によって投与される場合、それは滅菌の薬学的に受容可能 なキャリアを有する注入容器とともに提供され得る。組成物が注射によって投与 される場合、アンプル中の滅菌水または緩衝液が注入の前に混合されるために含 められ得る。 治療的組成物はまた、塩の形態で処方され得る。薬学的に受容可能な塩には、 遊離のアミノ基で形成された塩(例えば、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、およ び酒石酸から誘導されたもの)、または遊離のカルボキシル基で形成された塩( 例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カル シウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミ ノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導されたもの)が含まれる。 投与される薬剤の投薬量は、患者の年齢、体重、身長、性別、医学的全身的状 態、医学的既往歴などのような要因に依存して変化する。一般に、レシピエント に約1pg/kg〜10mg/kg(患者の体重)の範囲の抗体の投薬量(これより低いかま たは高い投薬量を投与し得るが)を提供することが望ましい。静脈内投与のため の適切な範囲は、代表的には体重の1キログラム当たり約20〜500μgの活性化 合物である。有効用量は、インビトロおよびインビボ動物モデル試験系に由来す る用量-応答曲線から外挿し得る。 高度に精製されたタンパク質が現在入手可能であるため、X線結晶解析および NMR画像化技術が、リガンド結合部位の構造を同定するために使用され得る。こ のような情報を利用して、規定された構造に結合し得る薬剤を「合理的に設計」 することを可能にするコンピューターモデリングシステムが現在入手可能である (Hodgson,Biotechnology 8:1245-1247(1990)),Hodgson,Biotechnology 9:609 -613(1991))。本明細書中で使用される、因子は、それがリガンドまたはNotch結 合部位のコンピューターモデルに基づいて選択される場合、あるいは、Notch結 合部位の活性化が、Jaggedの連続的発現に影響を与えるオン/オフスイッチと して作用することが見出された場合には、Jagged上のリガンド結合部位のコンピ ューターモデルに基づいて選択される場合に、「合理的に設計される」といわれ る。 本発明の別の実施態様において、細胞内のJaggedタンパク質をコードするRNA の翻訳を調節するための方法が提供される。詳細には、この方法は、Jaggedタン パク質をコードするRNAに相補的なRNAを転写し得るDNA配列を細胞中に導入する 工程を包含する。このようなDNA配列を細胞中に導入することによって、アンチ センスRNAが産生され、これはJaggedタンパク質の翻訳をハイブリダイズおよび ブロックする。アンチセンスクローニングは、Rosenbergら、Nature 313:703-70 6(1985),Preissら、Nature 313:27-32(1985),Melton,Proc.Natl.Acad.Sci .USA 82:144-148(1985)、およびKimら、Cell 42:129-138(1985)によって記載さ れている。 導入されたDNAの転写は、Jaggedに相補的であるアンチセンスRNAの複数のコピ ーを生じる。アンチセンスRNAの転写のレベル、および発現の組織特異性を制御 することによって、当業者は、患者内の特定の細胞におけるJaggedタンパク質の 翻訳のレベルを調節し得る。 上記の発明の1つの局面において、DNA応答エレメント(RE)が同定され得、こ れは、Jaggedの結合を刺激または阻害し得る。この様式で、アッセイが、少なく とも1つのRE配列を含有する限り任意の長さのDNAを用いて、結合因子を決定す るために行われ得る。別の実施態様において、上記のこのようなアッセイがREの 非存在下で行われる。この様式で、DNA結合とは独立してJaggedに結合するか、 またはJaggedの結合能に影響を与える因子を同定し得る。さらに、上記のアッセ イは、REによって制御されるDNA配列の転写を活性化する因子を同定し得るよう に、改変され得る。 本発明において、細胞または生物が、Jaggedまたはその機能的誘導体を発現す るように、日常的な方法を用いて改変される。さらに、細胞または生物は、レポ ーター配列(例えば、ルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼ、またはクロラムフ ェニコールアセチルトランスフェラーゼ)に作動可能に連結したREを含有するよ うにさらに改変され得る。次いで、因子は、細胞または生物とともにインキュベ ートされ、そしてレポーター配列の発現がアッセイされる。 代替の使用において、Jaggedまたはその機能的誘導体を含有する改変された細 胞からの核および/または細胞質抽出物は、レポーター配列に作動可能に連結し たREを含有する発現モジュールと混合される。抽出物/発現モジュールは、因子 とともにインキュベートされ、そしてレポーター配列の発現がアッセイされる。 本発明の別の実施態様において、以前に記載された方法およびアッセイを行う ために必要な試薬を含有するキットが提供される。 本発明はさらに、細胞における遺伝子発現を調節する方法を提供する。例えば 、細胞は、REに作動可能に連結したDNA配列を含むように改変され得る。さらに 、細胞は、Jaggedの発現を制御するように改変され得、当業者が特定の因子に応 答して所定の配列を発現する細胞を生成することを可能にする。 本発明に従って処置される被験体は、任意の脊椎動物生物;より好ましくは任 意の哺乳動物;最も好ましくはヒトを含む。唯一の限定要因は、生物がNotchへ の結合を調節するNotchおよび/またはtoporythmic遺伝子を内因的に産生するこ とである。 Notch-Jaggedシグナル経路を調節することによって新脈管形成に影響を及ぼす 方法を提供することによって、本発明は、多くの生理学的および病理学的状態( 胎盤の発達、創傷治癒、慢性関節リウマチ、糖尿病性網膜症、ならびに固形腫瘍 増殖および転移、ならびに運動神経疾患を含む)に影響を与える方法および組成 物を提供する。参照される創傷治癒には、被験体の皮膚、組織、血管系、または 神経系の任意の創傷または病変の治癒が含まれ、そして中胚葉、内胚葉、外胚葉 、および/または神経胚葉(neruderm)を含む細胞の細胞移動および分化を含む 。創傷または障害は、外科手術、外傷、および/または疾患もしくは状態の結果 であり得る。このような疾患および/または状態には、細胞または組織への酸素 の欠乏から生じる虚血病変(例えば、脳梗塞もしくは心筋梗塞、または脳虚血も しくは心筋虚血)、悪性病変、感染性病変(例えば、膿瘍)変性病変、栄養障害 に関連する病変、全身性疾患に関連する神経学的病変(例えば、糖尿病性ニュー ロパシーおよび糖尿病性網膜症、全身性エリテマトーデス、癌、またはサルコイ ドーシス)、および毒素(例えば、アルコール、鉛など)によって引き起こさ れる病変から生じる神経学的病変が含まれる。運動神経疾患には、例えば、筋萎 縮性側索硬化症、進行性脊髄筋萎縮症、進行性球麻痺、原発性側索硬化症、幼年 性および若年性筋萎縮症、幼年期の進行性球麻痺(Fazio-Londe症候群)、灰白脳 炎およびポリオ後症候群(post polio syndrome)、ならびに遺伝性Motorsensory Neuropathy(Charcot-Marie-Tooth疾患)が含まれ得る。 本明細書中で言及される全ての基本的な出版物は、本明細書中で参考として援 用される。 当業者が本発明をより完全に理解し得るために、以下の実施例を示す。これら の実施例は、例示のためのみに含まれ、そして添付の請求の範囲にて示されない 限り、限定を表すものと考えられるべきではない。 実施例 以下の実施例およびプロトコルにおいて、制限酵素、リガーゼ、標識、および 全ての市販の試薬を、製造者の推奨に従って利用した。本出願で利用される細胞 的および分子的方法は、当該分野で確立されており、そして詳細に記載しない。 しかし、クローン化、単離、精製、標識など、ならびに標準試薬の調製のための 標準的な方法及び技術を、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,S ambrook編,Fritsch & Maniatis,Cold Spring Harbor Laboratory,1989、およ びその改訂第3版に従って、または本明細書中に引用および援用される参考文献 に示されるように、本質的には実施した。方法論的詳細は、引用される刊行物か ら容易に誘導され得る。 実施例1 フィブリンへの曝露によって誘導されるヒト内皮細胞cDNAの単離 フィブリン上にプレートされた内皮細胞は、インビトロで3次元管状構造へと 組織化し(Olanderら,J.Cell.Physiol.125:1-9(1985))、そしてこの組織化 の挙動は、転写応答を必要とする(Zimrinら,1995)。ディファレンシャルディ スプレイの改変を使用して、フィブリンに応答してHUVECによってディファレン シャルに発現されるcDNAクローンを得た。簡潔には、総RNAを、粗FGF-1の存在 下でフィブリン上にプレートされたHUVECから0、2、5、および24時間にて単 離し、そして改変したディファレンシャルmRNAディスプレイに供した。フィブリ ンに曝露したHUVEC集団から単離したクローンの1つ(D9)(これは、2時間の 時点で増加していることが見出された)を、クローン化および配列決定した。19 94年におけるGenBankデータベースの調査は、D9が新規であることを実証した。 D9クローン(配列番号2)を、フィブリンゲルに1、3、および5時間曝露し たHUVECから得たmRNAから調製したλcDNAライブラリーをスクリーニングするた めのプローブとして使用した。D9配列を含む10の単離物を回収し、そのうちの2 つは、制限酵素分析によると、残る8つのスプライス改変体であるようであった 。クローンの配列分析は、それらが、配列番号1に示す、5454塩基対(bp)の長 さの連続的配列を形成するように重複していることを明らかにした。 実施例2 HUVECクローンD9の配列の分析は、ラットJagged遺伝子との相同性を実証する 1995年におけるGeneBankデータベースの第2の調査は、D9クローンが、ラット Jagged遺伝子(Lindsellら,1995)(Notchレセプターのリガンド)をコードす るcDNA配列に非常に相同性であることを明らかにした。コンピュータ分析は、ヌ クレオチドレベルでの87%の同一性、およびアミノ酸レベルでの95%の同一性を 明らかにした。Jaggedタンパク質は、推定シグナル配列、他のNotchリガンド(D elta、Serrate、Lag-2、およびApx-1)に存在するコンセンサス領域を記述するD SLドメイン、16のEGF反復を含むEGF様反復ドメイン、cysリッチドメイン、膜貫 通ドメイン、および125残基の細胞質ゾルドメインを含む。この構造を図2に表 す。従って、クローンD9がラットJagged cDNAのヒトホモログを表すことが決定 された。 2つのさらなるJaggedクローン(各々が同一の欠失を含む)もまた得た。最初 のものは89bpの長さであり、そしてcysリッチドメインの中央に位置していた。 2番目のものは最初の領域から366bp下流に生じ、そして1307bpの長さであった 。最初の欠失は、翻訳産物におけるフレームシフトを予測し、独特の15アミノ酸 配列に続くタンパク質の成熟前終結をもたらし、Jagged構造から膜貫通および細 胞 質ゾル領域を効果的に欠失する。 実施例3 ヒト内皮細胞集団は、JaggedおよびNotch転写産物の両方を発現する ヒトJagged遺伝子およびその推定レセプターであるNotchがHUVEC集団において 発現されたことを確認するために、オリゴヌクレオチドプライマーを、ヒトTan- 1転写産物(Notch-1)およびヒトNotch群タンパク質転写産物(Notch-2)の公表 された配列、ならびにヒトJagged転写産物の公表された配列に基づいて設計した 。 総RNAを、標準的なプロトコルを使用して得た。ディファレンシャルディスプ レイを、FolkmanおよびHaudenschild,Nature 288:551-556(1980)によって以 前に記載されるように実施した。簡潔には、1μgの総RNAを、2μMの3'プラ イマー(5'-GCGCAAGCT12CG-3')および100μM dNTPの存在下で、37℃で70分間 、200U M-MLV逆転写酵素(BRL)で逆転写した。cDNAを、同じ3'プライマー、お よび配列5'-GAGACCGTGAAGATACTT-3'を有する5'プライマー、ならびに以下のパラ メータを使用して、(32P)dATP(Amersham)の存在下で増幅した:94℃45秒、41 ℃1分、72℃1分を4サイクル、続いて94℃45秒、60℃1分、72℃1分を18サイ クル。得られたcDNA種を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用して分離し、 ゲルを乾燥してラジオグラフィーフィルムに曝露し、そして目的のバンドをゲル から切り出して溶出した。 cDNAを、同じプライマーを使用して増幅し、そしてTAベクター(Invitrogen) 中にクローン化した。クローンを、粗FGF-1の存在下でフィブリン上にプレート されたHUVECから1、3、5、8、および24時間で単離したRNAを使用して、ZAP 発現ベクター(Stratagene)において作製されたcDNAライブラリーをスクリーニ ングするために使用し、Jagged、Notchl、Notch2、およびGAPDHの転写産物の定 常状態レベルを分析した。Garfinkelら,投稿J.Cell Biol.1996を参照のこと 。得られた重複するcDNAクローンを、ABI DNA合成機を使用して配列決定し、そ してDNASTARプログラムを用いて構築した。RT-PCR分析を、以下のプライマーを 使用して、記載されるように実施した: jaggedセンス5'-CCGACTGCAGAATAAACATC-3'; jaggedアンチセンス5'-TTGGATCTGGTTCAGCTGCT-3'; Notch1センス5'-TTCAGTGACGGCCACTGTGA-3'; Notch1アンチセンス5'-CACGTACATGAAGTGCAGCT-3'; Notch2センス5'-TGAGTAGGCTCCATCCAGTC-3'; Notch2アンチセンス5'-TGGTGTCAGGTAGGGATGCT-3'; GAPDHセンス5'-CCACCCATGGCAAATTC-CATGGCA-3'; GAPDHアンチセンス5'-TCTAGACGGCAGGTCAGGTCCACC-3'。 図5に示すように、Notch-1およびNotch-2転写産物の定常状態レベルは、フィ ブリンに曝露されたHUVEC集団において変化しなかった。しかし対照的に、HUVEC Jagged転写産物は、フィブリンへの曝露の3時間後に誘導され、その後Jagged 転写産物の定常状態レベルは減少した(図5)。 実施例4 インビトロでの微小血管新芽形成の媒介物としてのJaggedの役割 (i)Notchを介するDelta/Serrateシグナリングが無脊椎動物における細胞運 命の決定に関与し(FortiniおよびArtavanis-Tsakonas,1993)、(ii)Notchを 介するJaggedシグナリングがインビトロで筋芽細胞から筋管への末端分化を減弱 し(Lindsellら,1995)、(iii)内皮細胞がインビトロで非末端分化表現型を 示し(図1)、そして(iv)Jagged転写産物が内皮細胞分化に誘導される遺伝子 として同定されたので、内皮細胞におけるJagged-Notchシグナリングが分化経路 の初期相に関与するか否かを決定することは重要であった。内皮細胞新芽形成が 新脈管形成の間の微小血管系における初期事象であることは周知であり(Montes anoら,1985);そして内皮細胞新芽形成アッセイは当該分野で記載されている (Montesanoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA83:7297-7301(1986))。しかし、 この系におけるJagged-Notchシグナリングの役割を評価するために、Jagged転写 産物の翻訳を抑制するためのJagged配列に基づいた、アンチセンス(γ)オリゴ ヌクレオチドが必要であった。 γ-Jaggedオリゴマーは、Kozak配列、ATG翻訳開始部位、およびオープンリー ディングフレームへと延びる3つのコドンを含んでいた。同様のγオリゴマーは 、 ヒト内皮細胞を含む、特定の転写産物の翻訳を抑制するための広範な種々の細胞 系において有用であることが証明されている(Maierら,1990b;Garfinkelら,J .Biol.Chem.267:24375-24378(1992))。γ-Jaggedオリゴマーのためのコント ロールには、センス対応物、3'-アンチセンスオリゴマー、および変異した5'-ア ンチセンスオリゴマーが含まれた。 ウシJagged転写産物の完全DNA配列はまだ完全には定義されていないが、ヒト およびラットのJaggedポリペプチドが95%同一であるという事実を考慮して、5' 末端における高度の相同性が、ウシおよびヒトのJaggedヌクレオチド配列の間で 予測された。 ウシ微小血管内皮細胞(BMEC)を、コラーゲンゲル上にプレートし、種々の濃 度のγ-Jaggedオリゴマーの存在下または非存在下で、コンフルエンスまで増殖 させた。FGF-2(10ng/ml)をコンフルエンスにて添加し(Montesanoら,1986) 、そして微小血管(コラーゲンゲルへの細胞の浸潤の結果として形成された新芽 )の長さを測定した(Pepperら,Biochem.Biophys.Res.Comm.189:824-831(1 992))。図6に示すように、γ-Jaggedオリゴマーへの曝露は、FGF-2によって達 成されたレベルよりも上の濃度依存様式で、増加したBMEC新芽の長さをもたらし た。対照的に、3つのコントロールオリゴマー(Jaggedセンスオリヌクレオチド 、3'-アンチセンスJaggedオリゴマー、および変異した5'アンチセンスJaggedオ リゴマー)は、このアッセイにおいて、新芽形成を誘導するFGF-2の能力に影響 を与えなかった(図6)。 この実験に先立って、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を可能性のある例外とし て、他の増殖因子/サイトカインシグナルは、BMEC新芽の長さを改変するFGFの能 力を増強し得るとしては全く開示されていない。Jagged遺伝子が、HUVEC由来の 分化に誘導される転写産物として以前に同定されているので、この結果は、以前 には予想されなかった。 実施例5 小血管および大血管内皮細胞移動に対するアンチセンス(γ)-Jaggedオリゴマー の不同性効果 FGF-2に誘導されるBMBC新芽形成の増強に対するγ-Jaggedオリゴマーの驚くべ き効果に基づいて(実施例4)、簡単なアッセイを設計し、BMEC移動に対するγ -Jaggedオリゴマーの影響を評価し、特に、Jagged-Notchシグナリング経路を妨 害することが、新芽の長さを増大するFGFの能力を減弱させることを確認した。S atoおよびRifkin(1988,前出)の系を本質的に利用して、ウシ微小血管内皮細 胞(BMEC)をフィブロネクチンマトリクス上にプレートし、そして種々の量のγ -Jaggedオリゴマーの非存在下または存在下で、コンフルエンスまで増殖させた 。 簡潔には、4×105のBMECおよびBAECを、0、1.25、2.5、5、および6.25μM のJaggedアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む血清含有培地中でコンフルエン スまで増殖させた。単層を、かみそりの刃でそれらを擦ることによって傷付け、 そして細胞片を、プレートをリン酸緩衝化生理食塩水で2回洗浄することによっ て除去した。細胞を、さらに22時間、37℃にてコンフルエントまでインキュベー トし、次いで25%酢酸、75%メタノール中で固定し、そしてヘマトキシリン(Si gma)で染色した。創傷源から移動する細胞の数をカウントし、裸出した領域へ 移動するBMEC集団の能力を決定した。カウントを、100×拡大率でのグリッドを 有する光学顕微鏡を使用して行った。データは、二連で行われた複数の実験の平 均を表し、各点について5つの顕微鏡視野をカウントした。 図7Aに示すように、γ-Jaggedオリゴマーの存在は、裸出した領域へ移動する 細胞の数における増加をもたらし、約80%の増加が5μMのγ-Jaggedオリゴマ ーによって媒介された。これらのデータ(図7A)は、新芽アッセイ(そこでは、 2μMのγ-Jaggedオリゴマーが、BMEC新芽の長さにおいて約100%の増加を生じ た(図6))から得られたBMECデータに一致する。従って、Jagged-Notchシグナ リング経路における妨害は、BMEC移動における増加(インビトロでの新芽形成の 主要な最初期の構成要素)をもたらした。 結果的に、(i)フィブリンゲル中への移動の準備をするHUVEC集団からのJag ged転写産物の単離、および(ii)Jaggedシグナルの推定される干渉によるBMEC の増強を示す実験の結果間にあきらかな不一致が認められた。HUVECは大血管か ら得られ、そしてBMECが微小血管由来であることを留意すれば、対比は内皮細胞 の供給源の性質に明らかに直接的に関連していた。 差異が内皮細胞の型(大血管系対微小血管)に基づいていたこと、および差異 が特定の系における細胞外マトリックスまたは増殖因子/サイトカインの機能に おける変化に起因したのではないことを確かめるために、実験を設計した。その 実験においては、内皮細胞を同一の種から(もっぱら大血管供給源−ウシ大動脈 内皮細胞(BAEC)から)得た。BAECをフィブロネクチンマトリックスに導入し、 種々の量のγ-Jaggedオリゴマーの非存在下および存在下でコンフルーエンスま で増殖させ、そしてそれらの移動をBMEC移動を評価するために使用した方法と同 一の方法で評価した。図7Bに示すように、γ-Jaggedオリゴマーに応じてBAEC集 団の移動は濃度依存性に減少した。5μMγ-JaggedオリゴマーでBAECの移動度 はおよそ50%減少した。 合わせて考えた場合、これらの結果は、Jagged-Notchシグナル伝達を、微小血 管を構成する内皮細胞においてはアンチ移動事象(anti-migratory event)とし て示し、大血管の内皮細胞においてはプロ移動事象(pro-migratory event)と して示した。これらの実験は、新脈管形成の移動相の間で調節される、内皮細胞 におけるリガンド−レセプターシグナル伝達経路に応答する小血管内皮細胞と大 血管内皮細胞との間に主要な表現型の差異が明らかに存在することを始めて証明 した。 実施例6 ヒト内皮細胞を使用する、インビトロでJagged誘導シグナル伝達によって媒介さ れる異なる効果のさらなる特徴付け ヒトにおける新脈管形成を調節するためにヒト内皮細胞によって利用される機 構をより良好に理解するために、ヒト微小血管内皮細胞および大血管由来の内皮 細胞を使用して、細胞移動に対するγ-Jaggedオリゴマーの効果を研究すること は重要である。通常の遺伝子移入法を使用して、安定なヒト内皮細胞γ-Jagged 形質転換体/形質導入体を得ることはことは望ましいが、インビトロでのヒト二 倍体内皮細胞に関して有用であるとは判明していない。従って、γ-Jaggedオリ ゴマー戦略をヒトJagged転写産物の翻訳効率を改変する手段として用いた。 最初に、しかし、2つの方法をγ-JaggedオリゴマーがJagged翻訳の効率を減 少させ得ることを確認するために使用する。各々は、推定Jaggedタンパク質配列 の細胞外DSLドメイン、細胞外cys欠乏ドメイン(NH2末端から膜貫通ドメイン) 、および細胞内ドメイン由来の個々の合成ペプチドに対して調製したウサギ抗Ja gged抗体を利用する。免疫学的方法は、FGF-1レセプター翻訳産物(Prudovskyら 、J.Biol.Chem.269:31720-31724(1994))、コルタクチン(cortactin)翻 訳産物(Zhanら、1994)、およびFGF-1翻訳産物(Imamuraら、Science 249:1567 -1570(1990)の配列分析から得られた合成ペプチドに対する抗体の生成および 精製のために先に使用した方法に対応する。合成ペプチドをApplied Biosystems からのfmoc MAP樹脂を使用する複数抗原ペプチド(MAP)として調製する。同様 に、Notch-1抗体もまた、細胞外LNGドメインおよび細胞内アンキリン反復ドメイ ンからの配列をMAP合成のために使用して調製する。 第1の方法はハイブリッド選択を利用する。これは、HUVEC集団由来のJagged 転写産物を捕獲するための固定化Jaggedオリゴマー、続いて種々の量のγ-Jagge dオリゴマーの非存在下および存在下においてのウサギ網状赤血球系におけるJag ged転写産物の(35S)-met/cys翻訳を使用する。Jaggedタンパク質の免疫沈降、続 いてSDS-PAGEオートラジオグラフィーは、γ-Jaggedオリゴマーのインビトロで のJagged翻訳を抑制する能力を証明する。 第2の方法は、フィブリンに0、1、2、および3時間曝露した細胞からのJa gged免疫沈降のために、(35S)-met/cysで代謝的に標識したHUVEC集団を利用する 。フィブリン誘導HUVEC集団からのJaggedタンパク質の免疫沈降、続いてSDS-PAG Eオートラジオグラフィーは、γ-Jaggedオリゴマーでの細胞の前処理が細胞結合 ポリペプチドとしてのJaggedタンパク質のレベルを抑制するか否かを比較評価す ることを可能にする。これらの戦略の成功は、Jaggedタンパク質配列は、cys残 基に富み、そして結果として高い非活性で代謝的に標識されるいう事実に基づく 。同様に、合成ポリペプチド、免疫前の血清、ならびに変性γ-Jagged抗血清と の競合をコントロールとして使用して、バンドの割り当ての特異性を決定したの で、正確な分子量がJaggedタンパク質に対して割り当てられる。推定上のJagged 翻訳生成物は1197のアミノ酸を含むので、分子量は135〜145kDaの範囲にある。 BMECおよびBAEC集団の異なる移動挙動を、安定なγ-Jagged形質転換体を使用 して、確認する。ウシの細胞はHUVEC集団よりも遺伝子移入法に対して影響を受 けやすいので、pMEXneoベクター(Martin-Zancaら、Mol.Cell.Biol.9:24-33( 1989))を使用して安定なBMECおよびBAEC γ-Jagged形質転換体を先に記載(Zha nら、1992)のように選択する。安定なクローンを、G418耐性を使用して得、イ ンサート無しのベクターコントロール形質転換体と比較してこれらの細胞の移動 能を定量化する。創傷誘導移動アッセイ(実施例6;実施例7)は、BMECγ-Jag ged形質転換体の血清誘導移動能が増大し、そしてBAECγ-Jagged形質転換体の血 清誘導移動能が減少したことを示すのに有用である。 これらの形質転換体の使用は、FGF-1の化学走性活性を確証するために以前に 使用された通常のBoydenチャンバーアッセイ(Terranovaら、J.Cell.Biol.10 1:2330-2334(1985))を使用しての、小血管内皮細胞と大血管内皮細胞との間の 移動能の異なる調節のより厳密な定量化を可能にする。さらに、このアプローチ はまた、BAECγ-Jaggedおよびインサート無しのベクターコントロール形質転換 体のインビトロでの新芽形成のインデューサーとしてのFGFプロトタイプに応答 する能力の評価を確認する(図6)。最後に、この戦略は、代替の解剖部位(門 脈、伏在動脈、および伏在静脈を含む)から得たさらなるウシ内皮細胞ならびに 脂肪由来の微小血管内皮細胞の移動応答性の評価を可能にする。フィブリンに応 答してJaggedレセプター転写産物およびNotchレセプター転写産物の安定状態レ ベルを誘導するこれらの細胞の能力はまた、実施例3のようにRT-PCR分析によっ て評価される(図5)。 BMECおよびBAEC集団の核ラン・オン分析、ならびにアクチノマイシンDおよび シクロヘキシミド処理細胞におけるフィブリンに応答するJagged転写産物の存在 の動力学的分析を用いて、Jagged転写産物の誘導が転写調節事象に起因するか否 かおよびJagged転写産物の安定性がフィブリン応答に関与されるか否かが決定さ れる。この分析は、Garfinkelら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1559-1563(1 994)によるHUVEC集団におけるIL-1αの翻訳後調節に対する先の研究と類似して いる。核ラン・オン分析を、フィブリンに対して0、1、3、および6時間曝露 したBMEC集団またはBAEC集団のいずれかから得た核を100μCiの(32P)-UTPと30分 間インキュベートすることによって行う。この後、新生のRNA転写産物の単離、 そして5μgの直線化し、変性し、そして固定化したJagged cDNAを使用するス ロットブロット分析、そして高いストリンジェンシーでの標識RNAとのハイブリ ダイゼーションが続く。グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH )を陽性コントロールとして使用し、そして濃度測定の値をGAPDHシグナルに対 して正規化する。Jagged転写産物のレベルを予想することは難しいけれど、Jagg edシグナルは目に見えるはずである。種々のレベルでγ-Jaggedオリゴマーを試 験することによって、γ-Jaggedオリゴマーがこの系において転写機構を利用す る能力を、もしあれば、決定することが可能にする。 ヒト内皮細胞に対する新規タンパク質の影響の分析は、HU動脈(A)ECおよび商 業的な供給源および学術的な供給源から入手可能な他の解剖部位(例えば、ヒト 脂肪由来微小血管内皮細胞(HMEC)、ヒト真皮由来毛細血管内皮細胞(HCEC)、 ならびにヒト伏在静脈(HSVEC)およびヒト伏在動脈(HSAEC)を含む)から得た ヒト細胞と比較して、モデルとしてHUVEC集団を有効に用いる。ヒト内皮細胞の これらの集団に対するγ-Jaggedオリゴマーの添加は、ウシ内皮細胞集団を含む プロトコルにおいて記載されるプロトコルに類似している。従って、ヒト毛細血 管静脈内皮細胞およびヒト毛細血管動脈内皮細胞の新芽形成を調節するγ-Jagge dオリゴマーの能力を、図6に記載されるコラーゲン侵襲アッセイおよび先に記 載(Terranovaら、1985)されるように、Boydenチャンバー化学走化アッセイを 補充した図7に記載される移動傷害アッセイを使用して評価する。得られるデー タ(ウシ内皮細胞集団を用いて得られたデータと同様であった)は、Jagged転写 産物の翻訳効率における減少が、(i)ヒト微小血管内皮細胞新芽形成および移 動能/化学走化能を増大させ、そして(ii)静脈および動脈から得られたヒト内 皮細胞集団にけるこれらの活性を減少させるという、上記の結果(図4および図 5)を強固にする。 γ-Jaggedオリゴマーによって誘導されて管形成を低下させるこれらの内皮細 胞集団において決定するために、前初期内皮細胞分化遺伝子(edg遺伝子)の定 常状態転写産物レベルの改変が存在するか否か評価することが有用である。これ は、γ-Jaggedオリゴマーの効果が内皮細胞分化経路の前初期、または中間相〜 後期相の間に生じるか否かを立証し、そしてインビトロでの管腔形成の改変に関 する定性的なデータを補充する。このアッセイについての終点は、先に記載(Ja yeら、1985)されたように管腔形成の定性的な評価であるが、細胞をedg遺伝子 (例えば、G-タンパク質共役オーファンレセプター、edg-1(HlaおよびMaciag, 1990b)、転写因子、edg-2(Hlaら、Biochim.Biophys.Acta 1260:227-229(199 5))、シクロオキシゲナーゼ-2(cox-2)(HlaおよびNeilson、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 89:7384-7388(1992)、および、とりわけ、組織コラゲナーゼ(Hla およびMaciag,1990a))の存在下または非存在下でのノーザンブッロト分析の ために実施例3(図5)に記載されるように収集する。 データはγ-Jaggedオリゴマーがインビトロで毛細血管内皮細胞の移動および 新芽形成を加速することを示すので、Jaggedタンパク質のこれらの系への添加は 、反対の効果(インビトロでの毛細血管内皮細胞移動および新芽形成を阻害し、 そして大血管由来内皮細胞移動を促進する)を有することになる。しかし、2つ のアプローチをこの仮定を評価するために使用し得る。第1は、組換えタンパク 質としてJaggedポリペプチドの発現および精製を含み、そして第2は細胞外およ び可溶化Jagged構築物の発現を含む。推定上のJagged配列は、このタンパク質の 細胞外ドメインにおいて認識できる翻訳後修飾モチーフ(例えば、N-グリコシル 化)を含まないが、Jaggedタンパク質のわずかな改変が、Notchリガンドとして のJaggedの活性に影響することはあり得る。 組換えJaggedタンパク質を使用して、ラット筋芽細胞系を使用するNotch-1レ セプターを介してシグナルを送るそれの能力を評価することが可能である。ラッ トJagged cDNA(Lindsellら、1995)でトランスフェクトしたマウス繊維芽細胞 の致死的に放射線照射された集団と同時培養した場合、Notch-1 cDNAでトランス フェクトしたラット筋芽細胞株、C2C12は筋管状細胞を形成しないことが示され ているので、もとのC2C12はNotch-1欠損細胞株であると想定される。従って、C2 C12細胞は、組換えJaggedの生物学機能を評価するモデル細胞型を代表する。 おそらく、C212細胞Notch-1形質転換体(C2C12インサートなしベクター形質転 換体ではなく)は、組換えJageedタンパク質がリガンドとして機能的である場合 、筋管細胞を形成し得ない。従って、この系はまた、Jaggedレセプターとしての Notch-2の重要性の評価を可能にする。 C2C12細胞を、インフルエンザウイルス血球凝集素(HA)エピトープのタンデム コピーを含む、完全長のラットNotch-1およびNotch-2 cDNAでトランスフェクト し、そして安定なトランスフェクタントを記載のように得る(Zhanら、1992)。No tch-1およびNotch-2レセプター転写産物の発現を、RT-PCRおよびノーザンブロッ ト分析によりモニターし、そしてタンパク質レベルを、HAエピトープの免疫沈降 /ウェスタンブロット分析により評価する。組換えJaggedリガンドの添加(1ng〜1 0μg滴定)は、形態学的基準によりおよびミオゲニン転写産物の定常状態レベル の抑制により評価されるとき、Notch-1およびNotch-2C2C12細胞トランスフェク タントが筋管形成を抑制するのを可能にする。これらのデータはまた、安定性研 究について(温度、pH、時間の関数としてイオン強度)、組換えJaggedタンパク 質の比活性を規定する。これらの実験に対する適切なポジティブコントロールは 、Notch-1およびNotch-2 C2C12細胞トランスフェクタントに対して、完全長のJa gged cDNAでトランスフェクトされ、致死的に照射されたNIH 3T3細胞の集団であ り、筋管形成の減衰を確実にする。 可溶性のJaggedタンパク質の比活性が確立された後、図5および6にあるよう に、Jaggedリガンドの能力を、微小血管内皮細胞移動、走化性、およびインビト ロでの新芽形成を阻害する濃度依存事項において評価することが可能である。Ja ggedタンパク質の有効レベルは、C2C12細胞Notch-1トランスフェクタントにおい て先に機能的であったそれらと同様に、ヒトおよびウシ微小血管内皮細胞系にお いてもまた機能的であると予期される。比較し得る評価は、大血管由来のヒトお よびウシ内皮細胞移動、走化性、ならびに新芽形成のインデューサーとしてのJa ggedタンパク質の機能の測定を含む。濃度依存性の応答が示される。上記のよう に、大および小血管由来の内皮細胞の、致死的に照射されたNIH 3T3細胞Jagged トランスフェクタントおよびインサートのないベクタートランスフェクタントと の同時培養は、内皮細胞移動の調節におけるJagged-Notchシグナリングの異種の 役割を示すために適切なコントロールを提供する。 実施例7 インビトロにおけるJaggedで誘導されるシグナリングとインビボにおける新脈 管形成との関連性 Jaggedは、インビトロで、フィブリン応答性遺伝子としてクローン化されたの で、インビトロ系を緊密に模倣するインビボ新脈管形成系が必要である。ニワト リ絨毛尿(chonoallantoic)膜(CAM)(Scherら、Cell 8:373-382(1976))アッセイま たはウサギ角膜アッセイ(Folkmanら、Science 221:719-725(1983))のような伝統 的な新脈管形成アッセイが、終点(end-point)分析に有用であり、そして当該分 野で容易に利用可能である。しかし、新脈管形成カスケードにおける多くの個々 の工程の複雑性(図1)、および遺伝子調節によるそれらの制御は、この複雑性と より詳細に取り組む新規なインビボアプローチを要求する。 フィブリン上にHUVECをプレーティングすることが、このようなインビボ系の 必要性を満たすために選択された。本発明者らがヒトJagged cDNAを誘導および 単離するために初めに用いたインビトロ系を、再現可能な様式で、インビボで模 倣することが証明された。このインビボ系は、血栓をともなう頸動脈または腸骨 動脈のような大血管のほぼ全体的な閉塞を含み、内膜損傷を生成する。これには 、代表的には、2日以内に、内皮細胞が三次元の血小板/フィブリン骨格管形成 中に移動することがともなう。約4週間後、この系は、管灌流、周皮細胞の漸増 、および小血管の縮小をともなう好適なチャンネルの選択を特徴的に示す。血管 とともに、間質細胞も同様に、この組織の特有な細胞外マトリックスに寄与する ように見え、そしてこの天然のインビボ系(実験的血栓の再血管形成を含む)を、 新脈管形成の2つの初期工程における、Jaggedとそのレセプターの役割を証明す るために理想的にする。 内皮移動および管形成は、時間的(血栓症の後2、4、6、8日)、および空間 的に分離され得る。移動する細胞は、主に、血栓の中央領域に位置し、その一方 、末梢細胞は、接続部の外観および、ほぼ同時に、循環赤血球の到着により示さ れるように、すでに管を形成した。 この実験系における使用のために開発した抗体は、既知の免疫ペルオキシダー ゼまたは免疫蛍光技法での使用のために設計され、内因性JaggedおよびNotchを 局在化した(Nabelら、1993)。しかし、このインビボ系を用いる利点は、実験的 に誘導された血栓が、インビトロアプローチについて上記のように、遺伝的に改 変された細胞、γ-Jaggedオリゴマー、または可溶性Jaggedタンパク質を供給さ れ、制御された様式で新脈管形成カスケードの2つの別の相(phase)に影響し得 ることである。 これらの内皮細胞の供給源は大血管由来であるが、それらは、それらが移動し かつ血管を形成するとき、すべてではないくらかが、周皮細胞および平滑筋細胞 を集め、そして再び大血管の外観および機能を装うまで、毛細血管のように挙動 する。臨床的には、冠状循環および末梢循環の両方において、この再血管形成プ ロセスは重要である。なぜなら、閉塞性血栓の成功した再疎通は患者にとって高 度に有益であるからである。しかし、その調節はほとんど理解されていない。 これらのインビボ実験においては、血管形態の熟練した定性的な病因学的-解 剖学的評価が必須であるが、定量的な形態測定分析を受けやすい多くの時間点が ある。これらの時間点はこのプロセスの別々のステージを示すので特に関係があ る。4、6、および8日に、侵入細胞の数を、光学顕微鏡を用いて直接計数し、 断面切片を評価する。CD34抗体との免疫組織化学的分析を用いて、移動する内皮 細胞の相対数を定量可能であり;そして白血球共通抗原を用いて、炎症細胞が評 価され得る。不運なことには、平滑筋細胞α-アクチンは、このステージの筋線 維芽細胞の信頼し得るマーカーとして使用し得ない。なぜならそれらの表現型が 改変されるからである。しかし、サブトラクションにより、非内皮細胞の数を決 定し得る。 従って、この初期相の定量化は、JaggedとNotchとの間の相互作用が新脈管形 成プロセスの移動成分に影響するか否か、およびどの方向で影響するかを示す。 同じ調製物の連続切片を用いて、増殖細胞核抗原は、血栓に住みつく細胞の総数 に対する増殖の相対的寄与を評価するために有用である。血栓に、可溶性Jagged を発現するトランスフェクトされた細胞が供給されるとき、mycレポーター遺伝 子を用いて系内のこれら成分を認識および計数する。 2および4週間後の断面切片における機能的血管管腔の定量化は、新脈管形成 の間の、管形成と、内皮移動および増殖のプロセスとの間の相関関係中にさらな る洞察を提供する。これは、個々の管腔の数、グリッド点カウント、および灌流 血管中の面積測定の統計学的比較を包含する。力学的には、大血管内皮細胞から インビトロで管形成を開始するJagged/Notch相互作用は、微小血管系の移動およ び増殖の停止シグナルであることが証明され得る。 Jagged-Notch系の内皮細胞部位特異的影響はまた、最終的に新たな血管の形成 に至る移動/増殖/管形成の順序の制御および整合の原因であり得る。これは、イ ンビボで再血管形成血栓マウスモデル系で示され得、そこでは、プロセス内の、 分子レベルでかつ任意の時間点で、成分の各々を故意に強調または競合すること が可能である。実際、Jagged/Notch相互作用の動力学はまた、より後の時間点で 血栓に可溶性Jaggedトランスフェクタントを供給することにより評価可能であり 得る。 マウスでは、実験的介入は、小容量の、致死的に照射されたトランスフェクタ ント、組換えタンパク質またはγ-Jaggedオリゴマーのいずかをこの部位に注入 するために、先に処置され、閉塞された頸動脈の外科的にむき出すことを含む。 しかし、閉塞された血管は、不完全な再血管形成に起因して放血し得ない。反復 する小さな外科的外傷の適切なコントロールは、不活性な、しかし最小限改変さ れた変異体、不活性な組換えタンパク質、またはセンスもしくは不活性変異体γ -Jaggedオリゴマーでそれぞれトランスフェクトされた細胞を用いて、対側の頸 動脈に対して同じ哺乳動物中で可能である。 このモデルは、機能する血管の新たな三次元ネットワークの形成を調査するた めに有用であるが、大血管の内膜の再内皮形成のさらなるモデルが必要である。 なぜなら、Jagged/Notchは、このプロセスを反対の方向に調節するようであるか らである。マウス血管は、正確な、選択的な脱内皮形成には小さすぎるので、穏 やかにバルーンで膨張させたラット胸大動脈(French2Edwards balloonを用いて 頸動脈から接近)が適切な試験系である。なぜなら、それははっきりした出発点 および理にかなった正確な定量化を提供するからである(Schwartzら、Lab.Inves t.38:568-580(1978)を参照のこと)。 Jaggedリガンドの、内皮細胞の移動を改変する能力、このように影響し毛細血 管ネットワークを形成するか、および/または脱内皮形成化表面をカバーするそ れらの能力を評価するために、いくつかの方法の1つを示す。第1の方法では、 治療的に有効な量の可溶性Jaggedリガンドが、マウスおよび/またはラットに、 血栓形成またはバルーン損傷の前および/または後に静脈投与される。代替法で は、マウス中の血栓閉塞は、有効量の致死的に照射されたNIH 3T3細胞可溶性Jag ged:mycトランスフェクタントを供給される。第3の方法では、ラットおよびマ ウスの両方において、末端部位に、有効量の致死的に照射されたNIH 3T3細胞可 溶性Jagged:mycトランスフェクタントが、ヌードマウスを用いてhst-sp-FGF-1 構築物でトランスフェクトされた致死的に照射されたNIH 3T3細胞で予備処理さ れた皮下フィブリンマトリックスインプラント上に供給される(Foroughら、J.Bi ol.Chem.268:2960-2968(1993))。 NIH 3T3細胞hst-sp-FGF-1トランスフェクタント(105細胞)が、細胞外新脈管形 成シグナルとしてFGF-1を分泌し得、そして5〜10日以内に攻撃的な毛細血管ネ ットワークを確立することが知られている(Foroughら、1993)。これは、hst/KS5 (FGF-4)遺伝子由来のシグナルペプチド(sp)配列のFGF-1への連結の結果であり、 それは、hst/KS5-sp-配列のタンパク質分解プロセッシングのために、hst-sp-FG F-1キメラをER-ゴルジ体中へ輸送させ、そして可溶性の細胞外タンパク質として FGF-1を放出させる。この構築物の効力はインビボで確立されている(Nabelら、1 993;Robinsonら、Development 121:505-514(1995))。 第3の方法では、血栓閉塞の後、NIH 3T3細胞可溶性Jagged:mycトランスフェ クタント(106〜107細胞)を、新脈管形成部位中に注入し、細胞が可溶性Jaggedタ ンパク質を脈管構造中に発現および分泌するようにする。血漿由来のJagged(尾 静脈試料)のレベルを、myc-エピトープおよびJagged抗体を用いてELISAによりモ ニターする。次いで、ラットを、経時的に(例えば、2日間隔で1〜10日)、剥皮 した動脈の再内皮形成についてエバンスブルー染色を用いて評価する。マウス血 管における閉塞ゾーン中の新脈管形成の程度を、組織学的切片中の個々の内皮細 胞のおよび完全に発達した毛細血管の形態計測分析を用いて評価する。実際、透 過型電子顕微鏡による分析は、この系における内皮細胞移動および新芽形成が含 まれることを明瞭に示す。 第1の方法における静脈内可溶性Jaggedの薬理学的投与の評価は、同様の終点 に基づくが、十分量の組換えJaggedを利用し、Notch-1およびNotch-2レセプター Jagged-結合部位の両方を飽和させる。マウス内皮細胞の表面上のJagged-結合部 位の数と親和性は、FGF-1について記載される方法により(Schreiberら、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 82:6138〜6142(1985))、競合的(125I)-Jagged結合を用いてマ ウス大動脈由来の内皮細胞および脂肪由来の微小血管内皮細胞のスキャチャード 分析によりインビトロで定量される。 HUVEC集団におけるNotch-1およびNotch-2転写産物の調節の見かけの欠如(図5 )は、細胞あたり約5-20,000Notch結合部位を備えた高親和性Kd(pM)を予測する。 Jaggedポリペプチドの放射性標識化は、ラクトペルオキシダーゼ法を利用し、次 いで、Sephadex G-50ゲル排除クロマトグラフィーによる遊離の(125I)を除去す る。これは、リガンドの投与に対して所定の薬理学的範囲を提供する。さらに、 (125I)-Jaggedの利用可能性は、FGF-1について先に成功した方法を用いて(Rosen gartら、Circ.Res.64:227-234(1989))、静脈内Jaggedの予測される薬物動態学を 示す。 要約すれば、これらのモデルは、Jagged機能についてインビボ相関物およびイ ンビボモデルを提供し、管腔再内皮形成において予測される増加(25%〜35%)、 および毛細血管構造の形成における同様の減少を示すはずである。正常血圧動物 におけるインビボ再血管形成および再内皮形成実験と、それらの自発高血圧ラッ ト相当物(SHR、保証された高血圧でCharles Riverから商業的に入手可能)との間 の比較において、高血圧は、これらのモデル動物の大動脈内皮に対してわずかと はいえ直接の影響を有することが示された(Haudenschildら、Hypertension 3:14 8-153(1981))。大動脈再内皮形成実験は、これらのラット中で、改変なく、かつ 付加された変数のみとして高血圧を有して繰り返され得るが、血栓再血管形成実 験をまた、これらのラット中で実施されなければならない。なぜなら、比較し得 る利用可能なマウス高血圧モデルがないからである。血栓は、マウス、ラットお よびウサギで容易に再現可能であることが示された。従って、種による差異は、 インビボモデル系で技術的問題を提起しない。 実施例8 NIH 3T3細胞株における可溶性jaggedの発現 Jaggedの分泌された細胞外形態の効果を決定するために、Jagged遺伝子の改変 形態を合成し、NIH 3T3細胞株中にトランスフェクトし、次いでこのタンパク質 を産生する細胞を選択した。このJagged分子の運命を追跡およびモニターするた めに、mycタグ(KolodziejおよびYoung、Methods in Enzymology 194:508-519(19 91)により総説される)もまた、この遺伝子の3'末端に導入した。これを行うため に、jagged遺伝子のいくつかの改変が必要であった、これらは;(1)Kozak配列(K ozak、J.Cell Biol.108:229-241(1989))を、この遺伝子の5'末端上に操作し、効 率的な転写を確実にする(2)3'末端に配置されたmycエピトープタグ(3)5'末端(Ec oR1、BamH1、Sal1部位)および3'末端(Xho1部位)の両方上に操作されたクローニ ング部位である。 この構築に用いられるプライマー対は以下の通りであった: 5'末端:センス アンチセンス5'末端: CAAGTTCCCCCGTTGAGACA 3'末端mycタグ構築 3'末端/アンチセンスプライマー 3'末端/センスプライマー ATGGACAAACACCAGCAGAA サイクリング反応は本出願の先に記載のようであった。 5'反応物をEcoR1およびBglIIで消化し、3'反応物はXho1およびAcc1部位で消化 した。これらを、標準的なプロトコルを用いて同様に消化されたJaggedテンプレ ート中に連結した。次いで最終遺伝子産物をEcoR1およびXho1で消化し、そして 真核生物発現ベクターpMexNeo2中に連結した。次いでこれを、NIH 3T3細胞株中 にトランスフェクトし、そして細胞をG418を含む選択培地中で増殖させた(先に 記載のように)。 カルシウムで仲介されるDNAをNIH 3T3細胞中に移入し、続いて選択培地におけ る増殖によりクローン:MW38-1.1を得た。これは、予期されるタンパク質を合成 し、そしてまたそれを周囲の培地中に放出した(調整培地)。 これらの38-1.1細胞は特有の表現型を示した。それらは、超微細構造分析によ る偽管腔の存在と関連する索状構造をインビトロで甚だしく形成した。さらに、 それらは、野生型NIHを誘導し部分的にこの表現型を装い得た。それ故に、38-1. 1は、可溶性Jagged(sol-jag)タンパク質の産生および単離の、そしてまた、隣接 細胞の分化パターンを調整するその能力のための両方の顕著な資源であり得る。 本発明を、現在好適な実施態様を参照して記載したが、当業者は、種々の改変 、置換、省略および変更が、本発明の精神を逸脱することなくなされ得ることを 認識する。従って、本発明の範囲は、以下の請求項の範囲によりのみ(その等価 物を含めて)制限されることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 39/395 D 38/17 45/00 39/395 48/00 45/00 C07K 14/47 48/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 5/00 A 1/21 A61K 37/02 5/10 37/12 (72)発明者 マシアグ,トーマス アメリカ合衆国 メリーランド 20852, ロックビル,バレリアン レーン 6050 (72)発明者 ペッパー,マイケル エス. スイス国 シーエイチ―1245 ジュネーブ コロンジ―ベルリーブ,シェマン―ドゥ ―シャトー,6 (72)発明者 モンテサノ,ロベルト スイス国 シーエイチ―1207 ジュネーブ ルート ドゥ フロントネックス,39 (72)発明者 ウォン,ミカエル ケイ.ケイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20855, デアウッド,キーツ テラス 16408

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に精製されたJaggedタンパク質。 2.通常会合されているタンパク質を含まず、そして配列番号1に対応するアミ ノ酸配列を有する、請求項1に記載のタンパク質。 3.前記タンパク質が配列番号1に対応するアミノ酸配列、その機能的に等価な 誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体を含む、請求項2に記載のタ ンパク質。 4.前記タンパク質が配列番号1に対応するアミノ酸配列、その機能的に等価な 誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体を含み、そしてNotchに結合 する能力によって特徴づけられる、請求項3に記載のタンパク質。 5.Jaggedタンパク質、あるいはその機能的に等価な誘導体、または対立遺伝子 改変体もしくは種改変体をコードする実質的に精製された核酸分子またはそのDN Aセグメント。 6.前記核酸が、配列番号1に対応する配列を有する配列、またはそのセグメン トを含む、請求項5に記載の核酸分子。 7.前記核酸が、配列番号1に対応する核酸配列またはそのセグメント、あるい はその機能的に等価な誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体を含む 、請求項6に記載の核酸分子。 8.前記核酸が、配列番号1に対応する核酸配列またはそのセグメント、あるい はその機能的に等価な誘導体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体を含み 、そしてNotchに結合する能力によって特徴づけられる、請求項6に記載の核酸 分 子。 9.ベクターおよび請求項5に記載の核酸配列を含む組換え分子。 10.請求項9に記載の組換え分子を含む宿主細胞。 11.請求項9に記載の組換え分子の発現産物。 12.Jagged cDNAのアンチセンス鎖またはそのセグメントを含む、実質的に精 製された一本鎖核酸分子。 13.前記核酸配列が、配列番号1に対応するアンチセンスヌクレオチド配列、 またはそのセグメントを含む、請求項12に記載の核酸分子。 14.前記アンチセンス核酸が、配列番号1に対応するアンチセンス核酸配列、 あるいはセンス方向に読まれれば、その機能的に等価な誘導体、または対立遺伝 子改変体もしくは種改変体をコードするDNAセグメントを含む、請求項13に記 載の核酸分子。 15.前記アンチセンス核酸が、配列番号1に対応するアンチンセンス核酸配列 、あるいはセンス方向に読まれれば、その機能的に等価な誘導体、または対立遺 伝子改変体もしくは種改変体をコードするDNAセグメントを含み、そしてJagged に結合する能力によって特徴づけられる、請求項14に記載の核酸分子。 16.請求項12〜15に記載の核酸分子によりコードされたポリペプチド。 17.前記ポリペプチドが、Jaggedへの結合親和性を有し、そしてJaggedの活性 を阻害する、請求項12〜15に記載の核酸分子によりコードされたポリペプチ ド。 18.Jaggedまたはその独特部分への結合親和性を有する抗体。 19.抗Jaggedまたはその独特部分への結合親和性を有する二次抗体。 20.微小直径血管上の部位への内皮細胞の移動を減少させる方法であって、請 求項1または19に記載のタンパク質を、内皮細胞が取り除かれているか、損傷 を受けているか、または実質的に減少している該部位に送達する工程を包含する 、方法。 21.巨大直径血管上の部位への内皮細胞の移動を増大させる方法であって、請 求項1または19に記載のタンパク質を、内皮細胞が取り除かれているか、損傷 を受けているか、または実質的に減少している該部位に送達する工程を包含する 、方法。 22.微小直径血管上の部位への内皮細胞の移動を増大させる方法であって、請 求項16、17または18に記載のタンパク質を、内皮細胞が取り除かれている か、損傷を受けているか、または実質的に減少している該部位に送達する工程を 包含する、方法。 23.巨大直径血管上の部位への内皮細胞の移動を減少させる方法であって、請 求項16、17または18に記載のタンパク質を、内皮細胞が取り除かれている か、損傷を受けているか、または実質的に減少している該部位に送達する工程を 包含する、方法。 24.巨大直径血管上の部位への平滑筋細胞の移動を減少させる方法であって、 請求項16、17または18に記載のタンパク質を、内皮細胞が取り除かれてい るか、損傷を受けているか、または実質的に減少している部位に送達する工程を 包含する、方法。 25.治療有効量のJaggedタンパク質、あるいはその機能的に等価な誘導体、ま たは対立遺伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキャリアを 含む薬学的組成物。 26.治療有効量のJagged核酸、あるいはその機能的に等価な誘導体、または対 立遺伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬 学的組成物。 27.治療有効量のJagged抗体、あるいはその機能的に等価な誘導体、または対 立遺伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬 学的組成物。 28.治療有効量のJaggedアンチセンス分子、あるいはその機能的に等価な誘導 体、または対立遺伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキャ リアを含む薬学的組成物。 29.治療有効量の抗Jagged抗体、あるいはその機能的に等価な誘導体、または 対立遺伝子改変体もしくは種改変体;および薬学的に受容可能なキャリアを含む 薬学的組成物。 30.被験体において疾患または状態を予防または処置する方法であって、この ような予防または処置が必要な被験体に、治療有効量の、Notchタンパク質の機 能を拮抗するか、阻害するか、または予防する分子を投与する工程を包含する、 方法。 31.被験体において疾患または状態を予防または処置する方法であって、この ような予防または処置が必要な被験体に、治療有効量の、Notchタンパク質の機 能を作動するか、増強するか、または刺激する分子を投与する工程を包含する、 方法。 32.被験体において疾患または状態を予防または処置する方法であって、この ような予防または処置が必要な被験体に、治療有効量の、Jaggedタンパク質の機 能を拮抗するか、阻害するか、または予防する分子を投与する工程を包含する、 方法。 33.被験体において疾患または状態を予防または処置する方法であって、この ような予防または処置が必要な被験体に、治療有効量の、Notchタンパク質の機 能を作動するか、増強するか、または刺激する分子を投与する工程を包含する、 方法。 34.被験体において新脈管形成を阻害または予防する方法であって、このよう な阻害または予防が必要な被験体に、治療有効量のJaggedまたはJaggedアゴニス トを投与する工程を包含する、方法。 35.前記阻害または予防される新脈管形成が、固形腫瘍新脈管形成を含む、請 求項34に記載の方法。 36.前記阻害または予防される新脈管形成が、慢性関節リウマチ新脈管形成を 含む、請求項34に記載の方法。 37.前記阻害または予防される新脈管形成が、炎症性新脈管形成を含む、請求 項34に記載の方法。 38.前記阻害または予防される新脈管形成が、血管の管腔の再狭窄を含む、請 求項34に記載の方法。 39.前記再狭窄が、脈管の脈管からの新脈管形成を抑制すること、および大血 管の管腔を修復するように大血管内皮細胞細胞移動を促進することによって阻害 または予防される、請求項38に記載の方法。 40.前記Jaggedアゴニストが、フィブリンおよびその機能的誘導体、および薬 理学的に受容可能な化学物質を包含する、Jaggedの発現を促進する薬剤、および γ-イディオタイプJagged抗体を含む、請求項34に記載の方法。 41.前記阻害または予防が、インビボおよび/またはインビトロで生じる、請 求項34に記載の方法。 42.被験体において新脈管形成を促進または増強する方法であって、このよう な促進または増強が必要な被験体に、治療有効量の抗JaggedまたはJaggedアンタ ゴニストを投与する工程を包含する、方法。 43.前記促進または増強される新脈管形成が、創傷または傷害修復の新脈管形 成を含む、請求項42に記載の方法。 44.前記修復される創傷または傷害が、手術、外傷および/または疾患もしく は状態において引き起こされた、請求項43に記載の方法。 45.前記疾患または状態が、糖尿病関連である、請求項44に記載の方法。 46.前記Jaggedアンタゴニストが、Jagged抗体、アンチセンスJagged、Jagged 変異体および薬理学的に受容可能な化学物質を含む、請求項42に記載の方法。 47.前記促進または増強が、インビボおよび/またはインビトロで生じる、請 求項42に記載の方法。 48.中胚葉、内胚葉、外胚葉および/または神経胚葉を含む細胞の細胞分化に 影響を及ぼす方法。 49.前記影響される細胞型が、造血幹細胞、上皮細胞、血管平滑筋細胞および 樹状細胞を含む、請求項48に記載の方法。 50.請求項30〜48のいずれかに記載の方法において用いられる薬学的組成 物。
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