JP2000510720A - 医療装置用のペントサンポリスルフェート被膜 - Google Patents

医療装置用のペントサンポリスルフェート被膜

Info

Publication number
JP2000510720A
JP2000510720A JP09539992A JP53999297A JP2000510720A JP 2000510720 A JP2000510720 A JP 2000510720A JP 09539992 A JP09539992 A JP 09539992A JP 53999297 A JP53999297 A JP 53999297A JP 2000510720 A JP2000510720 A JP 2000510720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medical device
layer
bladder
pentosan polysulfate
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP09539992A
Other languages
English (en)
Inventor
ポール エフ ザプカス
チャールズ ロウェル パーソンズ
Original Assignee
ユーロス コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユーロス コーポレイション filed Critical ユーロス コーポレイション
Publication of JP2000510720A publication Critical patent/JP2000510720A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/08Materials for coatings
    • A61L31/10Macromolecular materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L17/00Materials for surgical sutures or for ligaturing blood vessels ; Materials for prostheses or catheters
    • A61L17/14Post-treatment to improve physical properties
    • A61L17/145Coating
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/28Materials for coating prostheses
    • A61L27/34Macromolecular materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L33/00Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
    • A61L33/0005Use of materials characterised by their function or physical properties
    • A61L33/0011Anticoagulant, e.g. heparin, platelet aggregation inhibitor, fibrinolytic agent, other than enzymes, attached to the substrate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L33/00Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
    • A61L33/0094Physical treatment, e.g. plasma treatment
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L33/00Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
    • A61L33/06Use of macromolecular materials
    • A61L33/08Polysaccharides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 医療装置上のペントサンポリスルフェート被膜は、異物を患者の尿路中に導入することに関連する副作用を低減または解消する。ペントサンポリスルフェート被膜は、尿路において用いられる医療装置への塩、鉱物、タンパク質、塩および他の不所望な物質の付着を低減する。これらのペントサンポリスルフェートで被覆された医療装置に対する炎症の反応または異物の反応もまた低減され、本発明の被覆された医療装置の周辺の健康かつ正常な組織の成長は、可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 医療装置用のペントサンポリスルフェート被膜発明の背景 発明の分野 本発明は、一般的に、医療装置に関するものであり、さらに特に、医療装置の 生体親和性を増大させるための医療装置被膜に関するものである。関連技術の記載 生体親和性は、物質の、組織または体液に対する相互作用の応答の基準である 。物質は、組織に受け入れられ、体による不都合な反応または応答を生じない場 合に、生体親和性といえる。生体親和性は、装置と患者とが長期間接触すること が必要である医療装置において、特に重要である。表面被膜を用いて医療装置の 生体親和性を改善することは、業界において十分知られている。医療装置の表面 を、腐食、機械による不全症、移動、炎症性の応答、血栓症、または患者と装置 との間の相互作用に関連する他の合併症を低減させるように、修正することがで きる。医療装置の被膜は、医学の全ての領域において用途を有するが、永久的ま たは長期にわたり存する、患者への移植用に設計された補てつ装置の使用と組み 合わせて、特に重要である。医療装置の被膜は、尿路において用いる医療装置の 設計において、特に重要な作用を奏している。 尿路における装置は、尿と、尿路、移行上皮または尿路上皮の内側に配列する 細胞との両方に曝される。尿路はまた、他の組織および器官と共に、尿の尿管を 通しての体外への輸送、即ち排尿と称せられる過程のための駆動力を提供する。 尿は、腎臓中で、血液から濾過される。尿は、腎臓から膀胱へと、尿管を通して 輸送される。尿管は、ボリ(boli)中の尿を、正常な健康状態でぜん動性機能に おいて輸送する導管である。尿は、尿道を通して排泄されるまで、膀胱中に集め られる。膀胱頚における括約筋および尿道中の括約筋は、排尿の自発的な制御に おいて重要な作用を奏する。 疾病または外傷は、尿路の機能に不都合に影響しうる。このような状態は、苦 痛を生じ、未治療のまま放置すると死に至ることがある。Parsons等の米国特許 第5,180,715号明細書には、慢性膀胱感染症、間質性膀胱炎、膀胱腫瘍、および 膀胱の他の疾患の治療用に、ペントサンポリスルフェートを用いることの利点が 、討議されている。Parsonsは、内側の膀胱壁に配列するグルコアミノグリカン (GAG)層に、膀胱を薬物で洗浄するか、または経口投与により薬物を全身に 放出させることにより、影響を与えることにおける、ペントサンポリスルフェー トの利点を記載している。Parsonsは、GAGを除去した後の細菌の膀胱への付 着は、この壁をペントサンポリスルフェートに曝すことにより、顕著に低下する ことを開示している。共にGillespieによる米国特許第4,966,980号および同第4, 280,693号明細書には、血管形成の過程または新たな毛細血管の成長の阻止にお けるナトリウムペントサンポリスルフェートの利点が記載されている。この過程 は、腫瘍の成長並びに炎症の応答および免疫応答の進行の中心である。ペントサ ンポリスルフェートの輸送を改善するための止血ステロイドと組み合わせて、Gi llespieは、間質性膀胱炎、腫瘍および血管肉腫の治療のためのペントサンポリ スルフェートの利点を記載している。 医療装置は、病気を治療するかまたは、尿路における器官の機能を代行するた めに、頻繁に用いられる。普通の尿に関連する装置には、(1)尿管の閉塞症、 尿管のフィステル、および外傷または他の病気により生じるギャップまたは欠損 を治療するための尿管のステント、(2)良性の前立腺異常増殖(growth)、尿 道の狭窄症および失禁を治療するための尿道のカテーテル、(3)排尿の制御の 欠乏を治療するための失禁用の装置および(4)勃起の機能不全を治療するための 陰茎の補てつが含まれる。これらの装置は、しばしば、長期間にわたり尿路にお いて機能する必要がある。尿路またはウロデバイス(urodevice)において用いる ための医療装置の材料を選択するにあたって考慮するべき要因には、尿路上皮に 対するウロデバイスの影響、感染症および細菌成長、並びに痂皮形成および石形 成が含まれる。 ウロデバイスと尿路上皮とが長期間にわたり接触すると、潰瘍化、炎症の応答 、平滑筋萎縮症および線維増殖症が生じている。ウロデバイスと接触する尿路上 皮の応答を決定するのを助ける2つの主な要因は、ウロデバイスの暴露時間およ び 材料の特性である。尿路上皮に対する物質の生体親和性についての多数の文献が 存在する。ラテックスは、尿路上皮に対して有害な影響を及ぼし、炎症の応答お よび過形成を生じることが示されている。ラテックスよりはるかに有害性が低い シリコーンは、石形成および粘液異形成を生じることが観察されている。他のポ リマー、例えばポリウレタンは、尿路上皮に対して同様の影響を及ぼす。尿路に おける材料の生体親和性に対して驚異的な影響を及ぼすことが明らかである1つ の特性は、水が材料に引きつけられることである。水を引きつける材料または親 水性材料は、水をはじく材料または疎水性材料よりも、はるかに生体親和性が高 い。親水性材料の比較的大きい生体親和性は、部分的に、なぜウロデバイスのヒ ドロゲル被膜がこれらの生体親和性を驚異的に上昇させるかの理由となる。多数 の特許明細書、即ち米国特許第5,401,508号、同第5,295,978号、同第5,453,467 号および同第5,468,787号明細書には、ヒドロゲルまたは他の親水性ポリマー被 膜を用いるウロデバイスの設計、利点および機能が記載されている。 細菌がウロデバイスの表面に付着すると、感染症に至る過程が開始しうる。し かし、ウロデバイスの表面上での細菌の形成と、感染症の症状の出現との間の正 確な関係は、明確には理解されていない。細菌は、ムコ多糖を用いて、表面に付 着し、次第にウロデバイスの表面上にバイオフィルムを形成する。このバイオフ ィルム中の細菌は、抗生の療法に対して耐性を有する。従って、感染症の治療に より、臨床的症状が回復しうるが、感染症の根元は、尚回復せずに残りうる。種 々のウロデバイス材料への細菌の付着についての種々の試験において、細菌は、 試験したすべての材料に付着した。 痂皮形成および石形成は、長期間内在するウロデバイスの主要な不全症の様式 に含まれる。痂皮形成は、内腔を閉塞し、オリフィスを遮断し、尿路中のウロデ バイスを完全に覆うことがある。痂皮形成および石形成の1つの過程は、ウレア ーゼを分泌する細菌が尿路中に存在する結果生じるものであり、これにより、尿 がアルカリ性になる。尿がアルカリ性であると、鉱物(主にストルバイトおよび シュウ酸カルシウム)の沈殿が生じる。これらの鉱物は、尿路中に異物状態で沈 殿し、痂皮形成を生じるか、またはこれら自体石形成を生じる。しかし、痂皮形 成および石形成の過程は、細菌の存在にかかわらず生じ得、即ち特発性であり、 患者の石形成能力または初期の代謝の疾患に関連する。石形成の速度と痂皮形成 の速度とには差異がありうるが、尿路中にあるすべての物質は、最終的には痂皮 形成するかまたは石形成を生じると考えられる。 医療装置の機能および有効性を改善するための、基礎的な従来技術の方法は、 装置の表面を、ポリマー、生体分子、または装置の大部分を形成するベースまた は基板材料の生体親和性を増大させる他の物質の薄層で被覆することである。被 膜は、体組織および体液に曝される医療装置の生体親和性を改善するのに重要な 作用を奏している。被膜は、血餅または血栓症の形成、細菌の付着、石形成およ び痂皮形成、不都合な組織の反応、並びに装置と体組織との間の物理的相互作用 により生じる外傷を低減するのに用いられている。医療装置上の被膜には、親水 性ポリマーまたはヒドロゲル、ヘパリン、アルブミン、ヒアルロン酸、フィブロ ネクチン、酵素、アミノ酸、成長ホルモン並びに米国特許第5,451,424号、同第5 ,324,647号、同第5,308,641号および同第5,023,114号明細書に開示されている他 の生物活性物質が含まれる。ヘパリン被膜は、米国特許第4,613,517号および同 第4,329,383号明細書に開示されているように、医療装置の生体親和性を高める ことが十分に認識されているが、ヘパリンが表面に付着した後の抗凝血薬特性お よび生体反応性(bioreactivity)の低下により、長期間移植されうる医療装置の 被膜としてのヘパリンの有用性が限定されている。 医療装置の表面を変化させて、装置表面上への物質の被覆を促進するための方 法が、多数存在する。これらの方法には次のものが含まれる:(1)米国特許第4 ,613,517号明細書に開示されているように、高エネルギーガスを用いて低温でプ ラズマ処理して、かさ材料(bulk material)の表面の化学的性質を変化させ、表 面上に遊離基結合位置を形成し、またはプラズマガス遊離基を用いた表面の重合 により表面堆積を形成する方法;(2)米国特許第5,258,041号および同第5,002, 582号明細書に開示されているように、光反応性基を生体分子に結合させること により、生体分子をポリマー表面で光化学的に固定化させ、続いてこの生体分子 をポリマー表面に塗布し、光分解する方法;並びに(3)米国特許第5,094,876号お よび同第4,806,302号明細書に開示されているように、γ線または電子線放射を 、モノマーを含む溶液と接触するポリマー表面に照射し、次に該モノマーを、 ベースポリマーの表面上で重合させる方法。生体分子または被膜物質をポリマー の表面上に付着させる、追加の十分知られている方法もまた、従来技術の中に存 在する。発明の概説 本発明のペントサンポリスルフェート被膜により、患者の尿路中への異物の導 入に関連する副作用が低下または解消される。ペントサンポリスルフェート被膜 により、尿路において用いる医療装置への、鉱物、タンパク質、塩および他の不 所望な物質の付着が低減する。ペントサンポリスルフェートで被覆した本発明の 医療装置に対する炎症または異物反応もまた低減する一方、本発明の被覆した医 療装置の周辺の健康かつ正常の組織の成長は、維持される。 本発明において、ムコ多糖であるナトリウムペントサンポリスルフェートを、 医療装置の表面上に、前述の被覆方法のいずれかを用いて被覆する。ペントサン ポリスルフェートの層により、医療装置の生体親和性が向上し、これにより、医 療装置と体液および組織との間の不都合な反応が減少する。 本発明においては、ペントサンポリスルフェートは、高度に硫酸化された親水 性の化合物であることが認識されている。ペントサンポリスルフェートは、従来 技術においては、温和な抗凝固薬であり、尿路の内側に配列する粘液およびグル コアミノグリカン(GAG)の層に影響することにより、尿関連の疾患を治療す るにあたって主要な利点を有する化合物である、と認識されている。ペントサン ポリスルフェートは、ムコ多糖の族中にある多種の薬物の1種であり、血餅を形 成する機構に影響する能力を有する。ヘパリンは、この群において十分認識され ている薬物である。ペントサンポリスルフェートとヘパリンは、同様の特性を有 するが、ペントサンポリスルフェートは、分子量が比較的均一であり、負に帯電 した活性スルフェート基の分布が比較的均一である。従って、ペントサンポリス ルフェートは、凝血、尿路疾患および他の病気に対する既知の治療上の特性を有 する薬物であったが、従来技術においては、本発明のように、ペントサンポリス ルフェートの層を医療装置上に設けることはなかった。 本発明の1つの特徴において、ペントサンポリスルフェートの層を有する医療 装置を、尿路において用いるために適合させる。この医療装置は、押出方法、成 形方法および浸漬方法のうちの1つにより製造されたポリマー材料を含む。この 医療装置は、膀胱内注入装置、尿管のステント、人工の膀胱、人工の括約筋また は人工の膀胱パッチとすることができる。 本発明の他の特徴において、膀胱の自発的収縮に対する圧力レリーフ(pressur e relief)を提供するかまたは、膀胱を拡張して膀胱の容積を増大させるための 合成膀胱パッチを提供する。この合成膀胱パッチは、人工的材料および人工的材 料上のペントサンポリスルフェートの層を含む。ペントサンポリスルフェートの 層により、合成膀胱パッチを膀胱上に移植することが可能になり、痂皮形成、感 染症および炎症の応答に関連する問題が低減される。 本発明の他の特徴において、医療装置を患者の尿路中に永久的に結合させるた めの非溶解性縫合材を提供する。この非溶解性縫合材は、ベース材料およびべー ス材料の上に位置するペントサンポリスルフェートの層を含む。ペントサンポリ スルフェートの層により、非溶解性縫合材が、医療装置を患者の尿路内に永久的 に縫合するのに適合可能になる。 本発明の他の特徴において、尿が腎臓から膀胱へと通過するための導管として 、長期間にわたり、尿管の機能を代行するための尿管のステントを提供する。こ の尿管のステントは、内面および外面を有する管を形成するポリマーベース材料 を含み、さらに、ポリマーベース材料の内面と外面との両方の上に位置するペン トサンポリスルフェートの層を含む。ペントサンポリスルフェートの層により、 尿管のステントが患者内に存する期間を、6カ月を超える期間まで延長すること ができる。 本発明の尚他の特徴において、長期間にわたり膀胱中に移植するための膀胱内 注入器を提供する。この膀胱内注入器は、ポリマーベース材料および、ポリマー ベース材料部の上に位置するペントサンポリスルフェートの層を含み、これは、 膀胱内の尿に曝されうる。この膀胱内注入器は、薬物を膀胱内に30日を超える 期間にわたり連続的に放出するように適合されている。 本発明の1つの方法において、医療装置の表面をペントサンポリスルフェート の層で被覆するには、先ず、医療装置上に付着領域を設け、その後、医療装置の 表面を、ナトリウムペントサンポリスルフェートを含む溶液に曝して、これによ り、この付着領域をペントサンポリスルフェートの層で被覆する。少なくとも1 種の副産物または残留物を医療装置の表面から除去する追加の工程により、ペン トサンポリスルフェートの層で被覆された付着領域のみが残る。付着領域を設け る工程は、第2の分子表面を付着領域に付着させる工程および第2の分子表面上 に付着領域を形成する工程を含むことができ、ここで付着領域は、ペントサンポ リスルフェートをここに付着させるのに適する。ペントサンポリスルフェートを 含む溶液はまた、付着剤を含むことができ、この付着剤は担体分子を含むことが できる。付着領域を形成する工程は、医療装置の表面を、低いpHを有する薬剤 を含む溶液に曝す工程を含むことができるか、または医療装置の表面を、光反応 性薬剤の溶液および高電磁エネルギー源に曝す工程を含むことができる。あるい はまた、付着領域の形成は、医療装置の表面を、γ放電またはコロナ放電を含む ことができる、高エネルギープラズマまたは高エネルギー放射に曝す工程を含む ことができる。 本発明と、本発明の追加の特徴および利点を、添付した例示的図面と関連させ て以下の記載を参照することにより、最良に理解することができる。図面の簡単な説明 図1は、本発明の好適な実施態様の医療装置のポリマー表面に結合したペント サンポリスルフェート鎖のくり返しを例示した図である。本発明の好適な実施態様の詳説 ペントサンポリスルフェートは、尿路の病気を治療するための薬物として認識 されていたが、ペントサンポリスルフェートは、本発明まで、医療装置を被覆す るための物質としては用いられていない。ペントサンポリスルフェートで被覆し た医療装置は、生体親和性が向上することが見出された。 本発明の好適な実施態様において、医療装置を、ポリマー、例えばシリコーン ポリシロキサン、ポリウレタンポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフル オロエチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリカーボネートから形成する。他のポリ マーを用いることができ、あるいはまた、ポリマー以外の他の材料を本発明にお いて用いることもできる。すべての従来の被覆プロセスを用いて、ペントサンポ リスルフェートを医療装置の表面に付着させることができる。被覆プロセスの基 本的な必要条件は、付着領域を医療装置の表面上に、ペントサンポリスルフェー ト鎖を結合させるために設けることである。これらの結合は、イオン結合または 共有結合のいずれでもよい。本発明の好適な実施態様において、共有結合がイオ ン結合よりも好ましい。その理由は、共有結合は、ペントサンポリスルフェート と医療装置表面との間に、比較的強い付着を提供するからである。 図1は、ポリマー表面に付着した、本発明の好適な実施態様において用いるペ ントサンポリスルフェート化合物の市場で入手できるナトリウム塩の形態を例示 する。この分子の分子量を、ペントサンポリスルフェート鎖のくり返しの数によ り決定する。ペントサンポリスルフェートの最適な分子量は、2000である。 ウサギを標本として用いた経験的研究により、材料の生体親和性を高める、材 料上の本発明の実施態様のペントサンポリスルフェート被膜の利点を例証する。 この研究において、ペントサンポリスルフェートで被覆した、および被覆してい ない、厚さ0.025インチのシリコーン(ポリシロキサン)シート材料の断片 を、2.5〜3.0kgの範囲内の体重のニュージーランドホワイトラビットの 膀胱中に移植した。10匹のウサギの1つの群には、ペントサンポリスルフェー トで被覆した材料を施与し、他方の群には、ペントサンポリスルフェートで被覆 していない材料を施与した。一般的なシリコーン材料を、光化学固定化方法を用 いて被覆し、これによりペントサンポリスルフェートを、シリコーン表面に共有 結合させた。シリコーンシートの表面上のペントサンポリスルフェート被膜の存 在は、被覆した材料をトルイジンブルー染料で染色することにより、確認した。 手術の準備および手順は、両方のウサギの群について同一とした。ウサギを、ケ タセット(Ketaset)(塩化ケタミン(Ketamine chloride))とアナセット(Anaset) (ジラジン)との70/30の混合物の筋肉注射を用いて麻酔した。すべてのウ サギの膀胱に、5Frの小児科学供給管でカテーテル挿入して、膀胱から尿を排 出させた。約2.5cmの正中腹部切開を施して、膀胱を露出させた。小さい切 開を、ウサギの膀胱の上面の尖中に施した。一方を被覆して他方を被覆しない、 約3cm×1.5cmの、2つの群の10個の、シリコーンシート材料のガスで 滅菌した断片を、ウサギ膀胱内に配置した。シリコーンの断片をすべて、膀胱の 尖の内面に、単一の5−0デクソン(Dexon)縫合材で固定した。膀胱を、5−0 デクソン縫合材で閉じ、腹部切開を、直線状の3−0縫合材で閉じた。手術の最 後に、すべてのウサギに、ベイトリル(Baytril)(エンロフロキサチン(Enroflox acin))、即ち広域抗生物質の筋肉注射を施与した。 すべてのウサギを、標準のウサギの球状の食事および給水の状態に、10週間 維持した。ベイトルリの毎日の筋肉注射を、すべてのウサギに、手術後1週間に わたり施与した。ウサギを毎日監視し、毎週秤量した。被覆していないシリコー ンを施与された群中の2匹のウサギは、3週間目の途中に脱水されたことが記録 され、これらのウサギに皮下流体注射を施与した。これらのウサギの物理的状態 のその後の悪化および血尿により、これら両方のウサギを、術後3週間目の終了 前に、ビュータニュナル(Beuthanunal)の血管内注射で安楽死させた。安楽死さ せたウサギの膀胱を剖検において検査することにより、両方の膀胱が潰瘍化し、 シリコーン断片に、顕著な量のリン酸カルシウムを含むことが確認された硬質の 黄色物質で痂皮形成したことが明らかになった。残りのウサギすべて(被覆した シリコーンを施与された群10匹および被覆していないシリコーンを施与された 群8匹)は、術後10週間、何の事象をも生じずに経過した。 術後10週目の終了時に、ウサギをすべて、ビュータナイジング(Beuthanizin g)流体を血管内注射することにより絶命させた。すべての膀胱を、剖検において 検査した。被覆していないシリコーンを施与した群において、シリコーンは、主 にリン酸カルシウムから成ると確認された硬質の黄色物質で完全に痂皮形成して いた。被覆していないシリコーンを施与した群のウサギすべての膀胱表面は、中 間の炎症反応(mid-inflammatory reaction)から膀胱表面の主要な潰瘍化までの 範囲内で、ある程度の破壊を示した。被覆したシリコーンを施与した群において 、7匹のウサギにおけるシリコーンの断片には、痂皮形成が全くなかった。被覆 したシリコーンを施与した群中の残りの3匹のウサギにおいては、小さい石形成 が、固定縫合材をシリコーン断片を貫通して配置した部位において観察された。 1つの場合において、シリコーン断片は、膀胱壁に石により付着しており、石の 形状は縫合材の形状に類似しており、このことは、痂皮形成が、これが溶解しう る前に縫合材の周囲に生じたことを意味する。すべての膀胱表面は、石の付着を 除いて、正常であり健康な外見であった。すべての被覆したシリコーン断片をト ルイ ジンブルーで染色することにより、移植前の被覆したシリコーン断片におけると 同一のレベルの、移植したシリコーンの表面上のペントサンポリスルフェートの 被覆が示された。 前述の研究において、ペントサンポリスルフェートを用いると、代表的に患者 の尿路中の異物に関連する、痂皮形成および不都合な組織反応が低下した。研究 により、生体親和性を高めるための種々の被膜の使用を試験したが、いずれの研 究においても、被膜物質としてのペントサンポリスルフェートの利点は確認され なかった。 本発明において、ペントサンポリスルフェートを医療装置用の被膜物質として 用いると、以前従来技術においては可能ではなかった、新規な医療装置および在 来の医療装置の適用方法が得られる。従来技術の医療装置の多くは、体組織およ び体液と医療装置との間の相互作用に関連する問題を有していた。ペントサンポ リスルフェート層で被覆することができる医療装置には、膀胱内に位置する、薬 物の放出のために適合された、膀胱内注入装置、尿管の正常な機能を代行し、膀 胱と腎臓との間に尿のための導管を提供するように適合された、尿管のステント 、尿を集めて膀胱の正常な機能を代行するように適合された、人工の膀胱、自制 の手段を提供するように適合された、人工の括約筋、および膀胱上に移植して、 膀胱の容積を増大させ、かつ膀胱の不所望な収縮およびこの収縮に関連して同時 に発生する圧力の上昇の両方のための圧力レリーフを提供するように適合された 、膀胱パッチが含まれる。 本発明の1つの実施態様は、ペントサンポリスルフェートで被覆した膀胱内注 入器を含む。本発明の膀胱内注入器は、膀胱内に配置された注入器で、30日を 超える期間にわたり、連続的な薬物の放出を提供する。膀胱内に全体を配置し、 膀胱内に長期間にわたり薬物を直接注入することができる、従来技術の装置は、 現存しない。膀胱における薬物での治療は、従来は、代表的には1日1回または 2回以上行う周期的なカテーテル挿入により達成されていた。この手順は困難で あり、患者に対しては不快であるが、このことは、従来技術においては、間質性 膀胱炎、慢性の膀胱の感染症、膀胱ガンおよび他の膀胱の疾患を治療するのに必 要であった。ペントサンポリスルフェートの層で被覆した本発明の膀胱内注入器 は、シリコーン等のポリマー材料で構成されている。膀胱内注入器は、薬物放出 のための駆動圧力として、ポリマー材料の弾性エネルギーを用いる。注入器出口 を独特にバルブ調整することにより、広範囲の駆動圧力にわたって、比較的定常 的な流量が維持される。膀胱内の尿に曝されうる膀胱内注入器のすべての表面を ペントサンポリスルフェートで被覆するため、痂皮形成および炎症の応答は低減 されるかまたは解消される。本発明の膀胱内注入器は、患者の膀胱への薬物の連 続的放出を提出することができる。通常は膀胱内注入器がペントサンポリスルフ ェートで被覆されていない場合に生じうる痂皮形成は、薬物放出オリフィスを遮 断するかまたは、駆動圧力を解放する弾性材料の能力に影響を与えることにより 、医療装置の機能を損なう。被覆していない装置の炎症の応答は、患者に主要な 不快および他の不所望な合併症を生じる。 本発明の他の実施態様は、合成膀胱パッチであり、これを膀胱の壁中に配置し て、膀胱の自発的な収縮からの圧力レリーフを提供するか、または膀胱を拡大し て膀胱の容積を増大させる。従来の膀胱パッチは、膀胱壁の漸進的な萎縮症によ って膀胱充填能力が低下する、間質性膀胱炎および慢性の膀胱の感染症等の疾病 の治療において用いられている。膀胱パッチを形成する1つの方法は、組織を腸 等の他の器官から除去し、膀胱壁中に移植することを伴う。これらの従来の移植 方法は、わずかに成功するのみであった。 膀胱障害および切迫尿失禁等の疾病は、尿の漏出を生じる膀胱の自発的な収縮 を伴う。これらの疾患を治療するための1つの方法は、平滑筋層を膀胱の1つの 区域から除去して、「薄膜ブローアウトパッチ(thin walled blowout patch)」 を形成することを含む。この従来の治療方法は、尿の漏出を低下することができ るが、薄くなった区域の再成長により、しばしば患者は最初の状態に戻る。本発 明の合成膀胱パッチは、変調しやすい組織を膀胱壁から除去することを必要とし ないが、ブローアウトパッチとほぼ同一の機能を発揮することができる。膀胱パ ッチのペントサンポリスルフェート被膜により、パッチは、膀胱壁中に永久に配 置することができる。 本発明の他の実施態様は、尿路において用いて装置を尿路中に永久に固定する かまたは結合させるための、非溶解性縫合材である。従来の縫合材は、尿路にお いて用いられるが、これらの縫合材は、代表的には本質的に溶解性である。材料 によって、従来技術の溶解性縫合材は、8〜10日という短期間のうちに溶解す る。これらの従来の溶解性縫合材は、痂皮形成および縫合材についての炎症の応 答を低下させるが、これは、明らかに永久的ではない。本発明の非溶解性のペン トサンポリスルフェート縫合材は、従来の縫合材に関連する痂皮形成および炎症 の応答の問題を低減するかまたは解消し、従って、尿路内に永久的に取り付けて 、これにより医療装置を尿路内に永久的に縫合することができる。 本発明のペントサンポリスルフェート被膜はまた、心臓血管のステントまたは 尿管のステントを提供するのに用いることができる。例えば、本発明の被覆した 尿管のステントは、尿が腎臓から膀胱へと通過するための導管としての尿管の機 能を、長期間にわたり代行する。従来の尿管のステントは、尿管の閉塞症、フィ ステル、および壁の欠損を治療するのに用いられており、多種の機械的特性およ び生体親和特性を有する種々のポリマー材料で製造されている。これらの従来の 尿管のステントは、ヒドロゲル等の材料で被覆されており、この材料は、ガイド ワイヤ(guidewire)上の尿管のステントの摺動を容易にする。これらの従来の尿 管のステントを、2週間から6カ月間までの範囲内の期間にわたり配置すること ができる。しかし、これらの従来の尿管のステントの取り付けの期間は、しばし ば、明確な決定因子を伴わずに、患者の特定の反応により限定される。しかし、 本発明の尿管のステントは、ペントサンポリスルフェート被膜を含み、この被膜 が、従来の被覆していないステントに関連する感染症および痂皮形成を低減する 。これにより、本発明の尿管のステントは、尿管内に、被覆していないステント よりも長い期間、場合によっては6カ月を越える期間にわたり、配置することが できる。 尿管のステントのベース部は、導管の完全性を維持することができるポリマー 材料、例えばポリウレタン、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含むのが好ま しい。本発明の尿管のステントは、尿の自由な流動を可能にするのに十分大きい 内径および、尿管または他の器官内のステントの通過および配置を可能にするの に十分小さい外径を有するのが好ましい。本発明の尿管のペントサンポリスルフ ェート被膜は、尿管のステントの内腔(内面)を覆って、これにより、最終的に 石形成による尿の流れの遮断に至る痂皮形成を防止し、また尿管のステントの外 面を覆って、これにより尿管のステントと外壁の尿路上皮との間の相互作用を改 善する。ペントサンポリスルフェートで被覆した本発明の尿管のステントは、同 等の従来の装置よりも長い期間にわたり、一層少ない合併症を伴って、患者の尿 路内の適所に維持することができる。 本発明の実施態様を示し、記載したが、多くの他の変更、修正および置換は、 前のパラグラフに述べたものに加えて、当業者により、必ずしも本発明の思想お よび範囲を逸脱せずに可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ペントサンポリスルフェートの層を有し、体組織または体液と接触させて用 いるのに適合された医療装置において、 前記医療装置上のペントサンポリスルフェートの層が、医療装置への塩、鉱 物、タンパク質、細胞および他の不所望な物質の付着を低減させるように適合 されており、医療装置上のペントサンポリスルフェートの層がさらに、医療装 置に対する炎症の反応または異物の反応を低減させ、前記装置の周辺の健康か つ正常な組織が成長できるようにし、装置表面への細菌の付着に関連する感染 症の危険を低下させるように適合されている ことを特徴とする、医療装置。 2. さらに、押出方法、成形方法、および浸漬方法のうちの1つの方法により製 造されたポリマー材料を含み、ここで前記医療装置が、膀胱内注入装置、尿管 のステントおよび人工の膀胱のいずれか1つであることを特徴とする、請求の 範囲第1項記載の医療装置。 3. 体組織および体液と接触して配置されるように適合された医療装置において 、前記医療装置が: 表面;および 医療装置の表面の上に位置するペントサンポリスルフェートの層を有し、ペ ントサンポリスルフェートの層が、前記医療装置を体組織および体液の少なく とも1つと接触させて配置した際に、医療装置の生体親和性を向上させるよう に適合されていることを特徴とする、医療装置。 4. 医療装置に対する体組織および器官の不都合な反応および副作用が、ペント サンポリスルフェートの層の結果低減されることを特徴とする、請求の範囲第 3項記載の医療装置。 5.前記医療装置が、薬物を膀胱に放出するように適合された、膀胱内注入装置 、 尿に膀胱と腎臓との間の導管を提供する尿管の正常な機能を代行するように適 合された、尿管のステント、尿を集めて膀胱の正常な機能を代行するように適 合された、人工の膀胱、自制の手段を提供するように適合された、人工の括約 筋、および膀胱上に移植されて、膀胱の容積を増大させ、かつ膀胱の不所望な 収縮およびこの収縮に関連して同時に発生する膀胱内の圧力の上昇に対する圧 力レリーフを提供するように適合された、膀胱パッチのいずれか1つを含むこ とを特徴とする、請求の範囲第4項記載の医療装置。 6. ペントサンポリスルフェートの層を有し、体組織および体液の少なくとも1 つと接触させて配置されるように適合された医療装置において、 ペントサンポリスルフェートの層が、医療装置に対する炎症の反応または異 物の反応を低減し、前記装置を体組織および体液の少なくとも1つと接触させ て配置する際に、装置の周辺の健康かつ正常な組織が成長できるように適合さ れていることを特徴とする、医療装置。 7. 医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法において 、前記方法が: 医療装置の表面およびペントサンポリスルフェート分子の1つに付着領域を 設け、 医療装置の表面を、ペントサンポリスルフェートまたはその誘導体を含む溶 液に曝して、これにより、ペントサンポリスルフェートの層を医療装置の表面 に結合させる 工程を含んでなることを特徴とする、医療装置の表面をペントサンポリスルフ ェートの層で被覆する方法。 8. さらに: 少なくとも1種の副産物または残留物を医療装置の表面から除去して、これ により、ペントサンポリスルフェートの層で被覆された付着領域のみを残す 工程を有することを特徴とする、請求の範囲第7項記載の、医療装置の表面を ペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 9. 付着領域を設ける工程が: 第2の分子表面を付着領域に付着させ;および 付着領域を第2の分子表面上に形成する工程を含み、前記付着領域が、ペン トサンポリスルフェート分子を結合させるのに適することを特徴とする、請求 の範囲第7項記載の、医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被 覆する方法。 10.前記溶液が、ペントサンポリスルフェートまたはその誘導体と少なくとも1 種の付着剤とを共に含むことを特徴とする、請求の範囲第8項記載の、医療装 置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 11.前記付着剤が、担体分子を含むことを特徴とする、請求の範囲第10項記載 の、医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 12.付着領域を形成する工程が、医療装置の表面を、低いpHの薬剤を含む溶液 に曝す工程を含むことを特徴とする、請求の範囲第11項記載の、医療装置の 表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 13.付着領域を形成する工程が、医療装置の表面を、光反応性薬剤の溶液および 高電磁エネルギー源に曝す工程を含むことを特徴とする、請求の範囲第11項 記載の、医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 14.付着領域を形成する工程が、医療装置の表面を、高エネルギープラズマに曝 す工程を含むことを特徴とする、請求の範囲第7項記載の、医療装置の表面を ペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 15.付着領域を形成する工程が、医療装置の表面を、高エネルギー放射に曝す工 程を含むことを特徴とする、請求の範囲第7項記載の、医療装置の表面をペン トサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 16.前記高エネルギー放射が、γ放電およびコロナ放電の少なくとも1種を含む ことを特徴とする、請求の範囲第15項記載の、医療装置の表面をペントサン ポリスルフェートの層で被覆する方法。 17.医療装置がポリマー材料を含み、押出方法、成形方法および浸漬方法のいず れか1つの方法により製造されたことを特徴とする、請求の範囲第7項記載の 、 医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 18.前記ポリマー材料が、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウ レタンおよびポリ塩化ビニルの少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求 の範囲第17項記載の、医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で 被覆する方法。 19.ペントサンポリスルフェートの層を、医療装置の製造中に、ポリマー材料の マトリックス中に導入することを特徴とする、請求の範囲第17項記載の、医 療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 20.医療装置が、尿路において用いるのに適合可能であり、医療装置上のペント サンポリスルフェートの層が、医療装置への塩、鉱物、タンパク質、細胞およ び他の不所望な物質の付着を防止することを特徴する、請求の範囲第7項記載 の、医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの層で被覆する方法。 21.医療装置上のペントサンポリスルフェートの層がさらに、医療装置に対する 炎症の反応または異物の反応を低下させ、前記装置の周辺の健康かつ正常な組 織を成長させ、医療装置の表面への細菌の付着を低減することを特微とする、 請求の範囲第20項記載の、医療装置の表面をペントサンポリスルフェートの 層で被覆する方法。 22.前記医療装置が、膀胱内注入装置、尿管のステントおよび人工の膀胱を含む ことを特徴とする、請求の範囲第20項記載の、医療装置の表面をペントサン ポリスルフェートの層で被覆する方法。 23.膀胱の自発的な収縮に対する圧力レリーフを提供し、膀胱を拡大して膀胱の 容積を増大させるための合成膀胱パッチにおいて、 前記合成膀胱パッチが: 人工の材料;および 前記人工の材料の上のペントサンポリスルフェートの層を含んでなり、前記 人工の材料の上の前記ペントサンポリスルフェートの層が、合成膀胱パッチを 、患者中に永久的に移植することを可能にすることを特徴とする、合成膀胱パ ッ チ。 24.医療装置を患者の尿路中に永久的に結合するための非溶解性縫合材において :ベース材料;および 前記ベース材料の上のペントサンポリスルフェートの層を含み、前記ベース 材料の上の前記ペントサンポリスルフェートの層が、前記非溶解性縫合材を、 装置を患者の尿路内に永久的に縫合するように適合可能にすることを特徴とす る、非溶解性縫合材。 25.尿を腎臓から膀胱へと通過させるための導管として、尿管の機能を長期間に わたり代行するための尿管のステントにおいて、前記尿管のステントが: 内面および外面を有する管を形成するポリマーベース材料;および 前記内面と前記外面との両方の上に位置するペントサンポリスルフェートの 層を含んでなり、前記ペントサンポリスルフェートの層が、尿管のステントを 患者内に、6カ月を超える期間にわたり維持することを可能にすることを特徴 とする、尿管のステント。 26.膀胱中に長期間にわたり移植するための膀胱内注入器において、 ポリマーベース材料;および 膀胱内の尿に曝されうるポリマーベース材料の部分の上に位置するペントサ ンポリスルフェートの層を含んでなり、前記膀胱内注入器が、薬物を膀胱内に 30日を超える期間にわたり連続的に放出するように適合されていることを特 徴とする、膀胱内注入器。
JP09539992A 1996-05-03 1997-04-29 医療装置用のペントサンポリスルフェート被膜 Pending JP2000510720A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US64239196A 1996-05-03 1996-05-03
US08/642,391 1996-05-03
PCT/US1997/007178 WO1997041901A1 (en) 1996-05-03 1997-04-29 Pentosanpolysulfate coating for medical devices

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000510720A true JP2000510720A (ja) 2000-08-22

Family

ID=24576354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09539992A Pending JP2000510720A (ja) 1996-05-03 1997-04-29 医療装置用のペントサンポリスルフェート被膜

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5935094A (ja)
EP (1) EP0900092A1 (ja)
JP (1) JP2000510720A (ja)
WO (1) WO1997041901A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008117644A1 (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Jsr Corporation コーティング組成物およびその使用方法

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6171298B1 (en) * 1996-05-03 2001-01-09 Situs Corporation Intravesical infuser
US5718717A (en) 1996-08-19 1998-02-17 Bonutti; Peter M. Suture anchor
US6045551A (en) 1998-02-06 2000-04-04 Bonutti; Peter M. Bone suture
US6368343B1 (en) 2000-03-13 2002-04-09 Peter M. Bonutti Method of using ultrasonic vibration to secure body tissue
US6447516B1 (en) 1999-08-09 2002-09-10 Peter M. Bonutti Method of securing tissue
US6635073B2 (en) 2000-05-03 2003-10-21 Peter M. Bonutti Method of securing body tissue
US6311689B1 (en) * 2000-03-10 2001-11-06 Conticare Medical, Inc. Female incontinence prevention device
US6719765B2 (en) 2001-12-03 2004-04-13 Bonutti 2003 Trust-A Magnetic suturing system and method
US8506647B2 (en) 2002-02-14 2013-08-13 Boston Scientific Scimed, Inc. System for maintaining body canal patency
WO2004084973A2 (en) 2003-03-24 2004-10-07 Becton, Dickinson And Company Invisible antimicrobial glove and hand antiseptic
US8231604B2 (en) * 2003-11-20 2012-07-31 W.L. Gore & Associates, Inc. Air embolization prevention system
US20070172508A1 (en) * 2006-01-26 2007-07-26 Paul Zupkas Transluminal drug delivery methods and devices
WO2007127419A2 (en) * 2006-04-28 2007-11-08 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University System and method to counter material deposition on devices in the urinary tract
CN106964053A (zh) * 2017-04-11 2017-07-21 张家港市沙工医疗器械科技发展有限公司 一种高弹可崩解的j型导管
CN113663142A (zh) * 2021-09-03 2021-11-19 中国科学院长春应用化学研究所 一种适用于泌尿类医疗器械的多功能性涂层、其制备方法及其应用

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3617344A (en) * 1966-08-05 1971-11-02 Us Health Education & Welfare Nonthrombogenic plastic surfaces and preparation thereof
US4240163A (en) * 1979-01-31 1980-12-23 Galin Miles A Medicament coated intraocular lens
US4326532A (en) * 1980-10-06 1982-04-27 Minnesota Mining And Manufacturing Company Antithrombogenic articles
US5180715A (en) * 1980-11-17 1993-01-19 The Regents Of The University Of California Irrigation of internal bladder surfaces in mammals with sodium pentosanpolysulfate
US4529614A (en) * 1981-12-02 1985-07-16 Becton, Dickinson And Company One step anticoagulant coating
US4613517A (en) * 1983-04-27 1986-09-23 Becton, Dickinson And Company Heparinization of plasma treated surfaces
CA1215676A (en) * 1983-04-27 1986-12-23 Terry S. Dunn Heparinization of plasma treated substrates
US4678660A (en) * 1984-12-07 1987-07-07 Deseret Medical, Inc. Thermoplastic polyurethane anticoagulant alloy coating
US4720512A (en) * 1986-03-24 1988-01-19 Becton, Dickinson And Company Polymeric articles having enhanced antithrombogenic activity
US4895566A (en) * 1986-07-25 1990-01-23 C. R. Bard, Inc. Coating medical devices with cationic antibiotics
US5047020A (en) * 1987-09-14 1991-09-10 Baxter International Inc. Ionic heparin coating
HU202252B (en) * 1988-11-30 1991-02-28 Rhone Poulenc Sante Process for producing new kitozane derivatives and food additives coated with them
US5292362A (en) * 1990-07-27 1994-03-08 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Tissue bonding and sealing composition and method of using the same
US5605938A (en) * 1991-05-31 1997-02-25 Gliatech, Inc. Methods and compositions for inhibition of cell invasion and fibrosis using dextran sulfate
JPH06509731A (ja) * 1991-08-16 1994-11-02 ギャリン,マイルス エイ 薬剤被覆した屈折性の目前室挿入体
DE69221501T2 (de) * 1991-12-06 1998-03-12 North Shore Univ Hospital Verfahren zum vermindern von durch medizinische vorrichtungen bedingten infektionen
US5436291A (en) * 1992-07-09 1995-07-25 University Of Michigan, The Board Of . . . Calcification-resistant synthetic biomaterials
CA2149221C (en) * 1992-11-12 2005-02-08 Neville Alleyne Cardiac protection device
US6695813B1 (en) * 1999-12-30 2004-02-24 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Embolic protection devices

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008117644A1 (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Jsr Corporation コーティング組成物およびその使用方法
JP5419682B2 (ja) * 2007-03-23 2014-02-19 Jsr株式会社 コーティング組成物およびその使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0900092A1 (en) 1999-03-10
WO1997041901A1 (en) 1997-11-13
US5935094A (en) 1999-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Dealing with the foreign‐body response to implanted biomaterials: strategies and applications of new materials
JP2000510720A (ja) 医療装置用のペントサンポリスルフェート被膜
JP2665399B2 (ja) 抗菌コートした医療用埋没物
US8496954B2 (en) Coating systems for the controlled delivery of hydrophilic bioactive agents
JP2828433B2 (ja) 強化された感染抵抗を有する筋肉内刺激リード
EP0564722A1 (en) Lathyrogenic agents and apparatus for the treatment of fibrotic lesions
US4640912A (en) Administration of "active" chondroitin sulfate A and "active" chondroitin sulfate C or mixtures thereof to mammals including humans
CA2385150C (en) Vascular coating composition
US6312713B1 (en) Polymer matrices for storage and sustained release of drugs and chemicals
JPH10509426A (ja) 傷害後の応答を減少させるための組織の処置
JP2000513951A (ja) 細胞増殖および創傷治療の緩和
KR100872824B1 (ko) 바이오필름 형성 저해제 및 치료용 기구
JP2007532197A (ja) 生物活性物質のための被覆組成物
Liu et al. Drug-eluting hydrophilic coating modification of intraocular lens via facile dopamine self-polymerization for posterior capsular opacification prevention
JP2004520088A (ja) 薬剤混和マトリックス
US9017709B2 (en) Composition comprising polymeric, water-insoluble, anionic particles, processes and uses
JP2008529667A (ja) 医療デバイス
US20220218902A1 (en) Device and method for improving retention of a therapy in the bladder
CN107007620B (zh) 对氧环己酮与l-苯丙氨酸共聚物及其应用
CN115322397A (zh) 一种预防术后腹腔粘连的两性离子水凝胶及其制备方法
RU2739666C1 (ru) Способ эндоскопического транслюминального лечения инфицированного панкреонекроза
Shah et al. Bioactive sutures: advances in surgical suture functionalization
JP2006333939A (ja) ポケット感染予防シート及びその製造方法
WO2021132543A1 (ja) 瘻孔治療用材料
Zhou et al. An Elastomer with In Situ Generated Pure Zwitterionic Surfaces for Fibrosis-resistant Implants