JP2000510325A - 植物性材料の繁殖および/または選択方法 - Google Patents

植物性材料の繁殖および/または選択方法

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Abstract

(57)【要約】 樹木植物の苗条、発根した苗条または苗木のミクロ増殖方法であって、該苗条、発根した苗条または苗木を、酸素処理された液体培地中で培養することからなり、ここで該苗条、発根した苗条または苗木は、液体培地中に浸水される前記方法。これらは、培地中を自由に移動してよく、例えば転回し、あるいはそれらの動きが制限されてもよい。得られる植物は、高収率で得られ、かつ高品質である。遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木が、選択可能な特性、例えば除草剤または抗生物質に対する抵抗を有する場合、それらは、選択手段、例えば除草剤または抗生物質を含む酸素処理液体培地中での液内培養により、選択することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 植物性材料の繁殖および/または選択方法 本発明は、植物性材料の栄養増殖方法および/または遺伝子修飾植物性材料の 選択方法に関する。 ガラス器内での栄養増殖(ミクロ増殖)が、商業規模の植物製造技術のために 広く使用されている。これらの技術は、所定期間に多量の植物を作ることができ るので、他の栄養増殖方法(例えば、挿し木による繁殖)と比べて、有利な可能 性を有する。さらに、この技術は、遺伝子操作植物性材料の繁殖に有用である。 いくつかの植物性遺伝子型では、ミクロ増殖が、栄養増殖に使える唯一の方法で あり得る。しかし、このミクロ増殖は、園芸では広く使用されているものの、ミ クロ増殖技術の樹木植物(例えば高木)への商業的使用は、広く普及していない 。 樹木植物の栄養増殖のためのミクロ増殖の多くは、ゲル化生育培地を使用する か、あるいは、液体生育培地の中またはその上に植物性材料を支持するための他 の物理的手段を使用する。(ゲル化培地は、実際、固形または半固形でも、「固 形」と呼ばれることが多い)。他に特記しないかぎり、ここで使用する用語の「 固形培地」および「半固形培地」は、固形および半固形型のゲル化培地を含む。 )しかし、固形培地または物理的支持体を用いるミクロ増殖技術は、一般に、労 力および費用がかかるという欠点を有する。さらに、樹木植物のミクロ増殖は、 均質な製品を作り難いという欠点を被りやすい。この理由は、均質に発育するた めの既存の分裂組織(例えば二次節)を、誘導して均質に成長させることが、た びたび難しいためである。それは、該分裂組織が無活動または発育休止状態にあ るため、および/または一旦成長が始まると、非均質に伸長および発育すること によるのかもしれない。製品の均質性は、商業的製造にとってきわめて重要であ る。その後の植物発育の間に、発根のための苗条の苗の発育異類混交性が助長さ れることが多い。 したがって、樹木植物のための別のミクロ増殖技術であって、より効果的で、 より費用効果が高く、かつより均質な製品を作ることのできる技術を開発するた めの明確な動機が存在する。 ミクロ増殖のために、液内液体培地を使用することが提案されている。これに は、自動化能力がより高く、したがってコストを抑えることなど、固形培地に比 べて数多くの有利な可能性がある。植物組織の液内培養は、細胞培養のために、 すなわち単細胞、未分化細胞の小集団、および胚組織または分裂組織の育成のた めに広く使われている。しかし、苗条および苗木を繁殖させるために液体培地を 使用する試みは、多くの問題により阻まれてきた。そして、この技術は、一定の 特殊な植物へ、限られた用途しかもたない。 苗条の水分過多(hyperhydricity)は、液体ミクロ増殖系でよく直面する問題で ある(例えばアイトケン−クリスティー(Aitken-Christie)ら、1994およびジョ ージ E F(George E F)、1993/1996参照)。 水分過多は、以前、透化(浸水)と呼ばれた。しかし、これは、技術的には正 しくない。水分過多とは、ガラス器内で培養された物質の状態であって、非正常 な形態学的外観および生理学的機能を有するものを意味する。水分過多への感受 性は、すべての植物で同じではない。典型的な症状は、より短くなった節間、不 安定であったり、巻かれたり、または半透明になった葉、大きな細胞間空間を含 む異常な解剖学的組織、維管束系組織の減少および表面ワックス;貧弱に発育し た気孔および葉緑体;ならびにリグニンおよびセルロースの減少を含む生物学的 特性の変更および酵素活性度の変更を呈する苗条である。 ガラス器内で栽培されたほとんどすべての植物は、半固形培地上で育成されて も、ある程度は水分過多と関連した症状を示す。しかし、もしその症状が、緩和 で容易に回復するなら、目に見える症状は重要でない。そのような場合、この緩 和な症状は、植物繁殖に悪影響を及ぼさない。材料は繁殖下で回復し、すなわち 発根でき、その後の生育度、したがって珠芽の価値に、悪影響を受けない。 上記した特徴的症状の極端な発現に直面したとき、水分過多は植物繁殖に問題 を引き起こす。ガラス器内の増殖条件下で、該特徴的症状の極端な発現を示す水 分過多苗条は、一般に繁殖させることが難しく、そして培養の最中に壊死する。 それらは、通常、不定根を作らないか、または貧弱に発根するのみである。水分 過多苗条は、ガラス器内の環境から、例えば温室に移されても生き残るのがまれ である。したがって、このような苗条は、一般に、発根および/またはその後の 繁殖には適していない。 水分過多は、樹木種の増殖に最も多く見受けられる。樹木植物の苗条および苗 木の水分過多は、広く普及した問題であり、そして重大であり得る。実際、多く の樹木植物は、固形または半固形の育成培地上で育てられても、重大な水分過多 を受けやすい。 重大な水分過多は、液体ミクロ増殖系では極めて一般化した現象である。その ため、一般に、固形または半固形支持体、例えばゲル化培地の使用によって、液 体系は敬遠されている。液体系が使われる場合は、たいてい、液体培養培地内で の植物性材料の完全な浸水を避けるための注意深い予防策が採られる。 苗条または苗木を液体培地上に浮かばせ、または非浸水(浅い)液体系もしく は栽培培地を定期的に流す系の中で育てるという数多くの増殖技術が、開発され てきた。グプタ(Gupta、Plant Sci Lett 20:195-201,1981)らは、固形および半 浸水液体の二つの培養培地段階を有するプロトコルを用いて、ユーカリプタスシ トリドラ(Eucalyptus citriodora)の苗木および成熟したクローンを増殖し、お よび発根する方法を開示している。しかし、この技術は、固形または半固形培地 を採用する技術に比べて、限られた利点しかもたない。 パクロブトラゾールおよびアンシミドールのような生育抑制剤を用いて、液体 培養における水分過多を低減する試みがなされている。これらの抑制剤は、最も 悪影響を受ける組織、すなわち葉の成長を抑える。しかし、生育抑制剤の使用は 、ガラス器内で塊茎または球茎によって繁殖されるグラジオラス(Gladiolous)ま たは姫彼岸花(Nerine)のような種属を用いた場合にのみ、好結果であった。 本発明は、樹木植物の苗条(shoot)、発根した苗条(rooted shoot)または苗木 のミクロ増殖方法であって、該苗条、発根した苗条または苗木を、酸素処理(例 えばばっ気)された液体培養培地中で培養することからなり、該苗条、発根した 苗条または苗木は、該液体培地中に浸水されている前記方法を提供する。一般に 、この培地は攪拌され、さもなければ移動する。 該苗条、発根した苗条または苗木は、液体培地内を動かされ、例えば液体培地 内を自由に動かされ、例えば転回し、例えば自由に転回する。別法として、これ らの移動は、制限され、さもなければ妨害されてもよい。 この発明の方法は、簡便で、それ自体高価でなく、労働費用を減じ、添付した 図1に示されるように、大規模な商業用途に適する優れた均質物質を与える。 図1は4個の苗条塊を示す: 1:接種源として使用した典型的なミクロ増殖ユーカリプタス グランディス(E ucalyptus grandis)苗条。 2:固形ミクロ増殖培地(KM培地)上で栽培5週間後に製造された典型的なEu calyptus grandis苗条塊。 3a.3b:本発明の液体KM培地中に27日間浸水した後に収穫された二種類 の典型的なEucalyptus grandis苗条塊。 本発明では、該苗条、発根した苗条または苗木を、それらが完全に液体培地中 に浸水するような条件下で、培養する。該苗条、発根した苗条または苗木を、該 液体培地中で動かしてもよく、例えば自由に動かしてもよい。例えば、苗条、発 根した苗条または苗木を、転回してもよく、例えば液体培地中を自由に転回して もよい。転回は、活発であってもよく、実質的に連続的でもよい。 別法として、苗条、発根した苗条または苗木を、制限してもよく、さもなけれ ば妨害してもよい。例えば、苗条、発根した苗条または苗木を、拘束してもよく 、例えば植物生育容器、あるいは液体培地と接触する容器の個別の区画の中で、 穴のあいた拘束手段、例えば穴のあいた容器、例えば籠または袋内に保持しても よい。 植物性材料が培養される液体培地は、植物性材料の代謝を維持するのに充分な 酸素を含有しなければならない。酸素(通常、空気の形態)を供給すること、お よび/または、光合成により酸素が生成されるように該系を照明することが、一 般に必要である。 培地を、機械的手段、例えば機械的装置、例えばパドルまたは攪拌機、例えば マグネチックスターラーで攪拌してもよく、あるいは培地を含有する容器を攪拌 、例えば振とう、振動または回転してもよい。攪拌、例えば振とうまたは攪拌に 使用する手段が、植物性材料の代謝を維持するように充分に該培地を酸素処理し てもよい。そうでなければ、酸素(一般に空気の形態)を供給してもよく、およ び/または光合成により酸素が生成するように、該系を照明してもよい。 培養が必要とする酸素の全部または一部を、光合成による酸素生成で供給して もよい。光合成による酸素生成に要した光は、一般に、液体培地の対流による移 動を生じる。 酸素または空気(より一般的)が培地を通過することで、該液体培地を攪拌お よび酸素処理してもよい。空気循環技術(ときどき「エアーリフト」技術と呼ば れる技術)は、本発明の方法において、酸素処理と攪拌の同時提供に特に有用で ある。適当な容器内、例えば培養容器、例えばフラスコ、びん、タンクまたはカ ラム内の液体培地は、例えばガスディヒューザーを介した空気の導入により循環 および酸素処理される。そのような容器は、よく「エアーリフト培養槽]と呼ば れる。空気の容積および導入速度は、液体培地と自由に動かされる植物性材料と への所望の攪拌程度を得るように容易に調整することができる。 植物性材料が自由に動かされる場合、液体培地を通過する酸素または他の酸素 含有ガスによる培地の攪拌には、機械的手段、例えばスターリングによる攪拌が 好ましい。それは、植物性材料上のせん断力がより低いからである。しかし、本 発明の振とうまたは攪拌系における植物性材料上のせん断力を、例えば以下に詳 細に述べるように、植物性材料の動きを制限することにより減じてもよい。培地 内を空気または他のガスが通過する系では、液体培地は攪拌されるが、植物性材 料は拘束されるように植物性材料の動きを制限することが望ましい。 ガスの通過が、所望の攪拌を達成するのに充分でなければ、追加の攪拌手段を 設けてもよい。例えば、植物育成容器を振とうしてもよく、あるいは内容物を攪 拌してもよい。該容器は、さらに光合成による酸素を提供するために、照明して もよい。 液体培地中に接種した後、苗条、発根した苗条または苗木が容易には濡れない ことに注意する。空気の泡が該表面に結合するからである。もしそうであれば、 苗条、発根した苗条または苗木は、培地の表面あるいはその近くに浮かぶ。濡れ を助長するために、界面活性剤を培養培地中に含ませてもよい。しかし、界面活 性剤が無くても、苗条、発根した苗条または苗木の表面は、一般に、数日以内に 充分に濡れる。エアーリフト系では、十分な攪拌があり、かつそれらが制限され なければ、それらは一般に自由に転回する。 上に示したように、本発明の液体液内培養方法に従って繁殖される苗条、発根 した苗条または苗木を、液体培養培地中を自由に動かし、あるいは制限し、また はそうでなければ妨害してもよい。 該植物性材料を、植物育成容器内の容器内に、物理的に拘束してもよく、ある いは容器を区画に分割し、一またはそれ以上の区画に植物性材料を入れる。拘束 または分割手段が、植物性材料の適度な酸素処理を可能にする液体培地の通過を 可能にする。拘束手段を構築するのに、穴のあいたまたはメッシュの材料を使用 してもよく、例えば、穴のあいた金属またはプラスチック材料、ワイヤメッシュ 、または織地(例えば綿モスリン)をそこに使用する。別法として、植物性材料 を含む植物育成容器に、新しい酸素含有液体培地を、連続的にあるいは定期的に 通してもよく、ここで該植物性材料は常に浸水される。 本発明の液体育成系では、植物性材料の移動を制限してもよく、それには、該 液体培地を振とうまたは攪拌することにより、または空気もしくは酸素含有ガス を該液体培地に通すことにより、光合成により、あるいはこれらの組み合わせに より、酸素処理が達成される場合を含む。植物性材料の移動の制限には、該材料 上のせん断力を減じる利点がある。攪拌培養の場合には、植物性材料を抑制する ことが特に好ましい。自由に動かすと、攪拌機により損傷を受けるからである。 繁殖に使用する液体培地は、選ばれた苗条、発根した苗条または苗木の繁殖に 適する培地であれば、いずれでもよい。一般に、炭素源および窒素源、望まれる 有機および無機塩、ならびに適当な植物ホルモンおよび/または植物育成調整剤 である。適当な育成培地は公知であり、そして適当な培地は、繁殖しようとする 特定の樹木植物に応じて決まる。ゲル化または他の凝固剤の省略により、既知の 固形触媒を変更して液体培地を得てもよい。本発明に使用する既知培地の一また はそれ以上の成分レベルを変更することも適当であり、例えば対応した固形培地 に使われるレベルに比べて、低レベルの植物ホルモンおよび/または植物育成調 整剤を使用することも可能である。特定の成分または成分の組み合わせのいかな る最適レベルも、従来方法により決定することができる。 例えば、温度および光に関して、適当な培養条件を使用する必要がある。補足 用の自己発生的酸素処理を供給するために、あるいは外生的酸素処理と置き換え るために、培養を照明することが好ましい。培養が光の下で自己栄養の成長を受 ける場合には、培地中の炭水化物源を省略するか、削減してもよい。その場合、 空気または他の酸素含有ガスの供給を、二酸化炭素で補足してもよい。別法とし て、植物性材料の代謝を維持するのに十分な酸素が供給されれば、培養の一部ま たは全部が、暗所で行われてもよい。 暗所の培養の下で作られた苗条、発根した苗条または苗木は、照明の下で作ら れたものに比べて細長い。伸長は、後続の操作、例えば苗条または苗木の解体に 有利である。さらに、いくつかの植物、例えばE.グランディス(E.grandis)ま たはそのハイブリッドの伸長した苗条は、短い苗条より容易に発根することが多 い。したがって、本発明の液体育成系では、苗条の品質操作のための照明条件の 操作が可能である。これは、商業的ミクロ繁殖系の際に重要となる。 所望の生物量増加および操作速度増加を達成するまで、培養を継続してもよい 。発根が開始し、またはすでに生起し、発根開始および/または成長用の固形発 根培地へ移す前または後に、苗条を液体培養培地から除いてもよい。所望であれ ば、使用する発根用培地が活性炭を含んでもよい。別法として、発根および/ま たは後続の根成長を、適当な有機および/または無機支持体、例えばバーミキュ ライト、堆肥、土壌、または泥炭を用いたガラス器内で行ってもよい。 接種に使用するための苗条、発根した苗条(苗木)または苗木を、ミクロ増殖 から得てもよく、あるいは生育容器またはキャビネット、温室または屋外で、発 芽させ、および/または育ててもよい。苗条、発根した苗条または苗木を、栽培 変種植物、クローンまたは種子から得てもよく、特に遺伝子的に価値のある栽培 変種植物、クローンまたは種子、あるいは遺伝子操作植物性材料から得てもよい 。接種に使用する苗条は、好ましくは1個またはそれ以上の節、例えば2〜4個 の節を有する。苗条の先端(頂端分裂組織)が存在してもよく、また接種前に除 いてもよい。頂端分裂組織の除去により、より均質な製品になる。 微生物汚染は、一般に、液体培養系の潜在的な問題である。本発明において、 非滅菌条件、例えば温室または屋外で育てられた植物から出発材料を得た場合、 従来方法に従って表面滅菌または消毒しても、特に問題である。出発材料を滅菌 条件下で作っても、他の源からの微生物汚染があり得る。 したがって、本発明の方法で使われる液体培養培地は、好ましくは抗生物質、 例えばオウグメンチンを含む。しかし、苗条、発根した苗条または苗木の塊が液 体育成培地に完全に浸かっていることにより、抗生物質の苗条組織への浸透が、 固形培地で生じるよりもより効果的になり、そして微生物汚染の影響は減少する 。 これは、本発明に従ったアグロバクテリウム仲介(Agrobacterium-mediated)形 質転換を用いて得られた遺伝子操作植物性材料のミクロ増殖にとって、特に重要 である。この材料は、アグロバクテリア(Agrobacteria)自体が持つ不可避な汚染 のために、その後のミクロ増殖の際に特に問題を有する。 それでも、外因性の微生物による汚染の可能性を最少にする予防策を採るのが 好ましく、例えば酸素処理に使用する空気または他のガスを、ろ過、放射線照射 、化学的または他の方法で処理して、微生物を除去するのが好ましく;結合部ま たは連結部を密封するのが好ましく、そして装置を、使用前に滅菌、例えばオー トクレーブで滅菌するのが好ましい。組織培養級の材料、例えば管状物を使用す るのが好ましい。 本発明の方法は、樹木植物に、すなわち、樹木形成の結果である根および/ま たは気茎(aerial stems)の二次成長(二次肥大)を示す多年生植物に適用可能 である。樹木は二次木部であり、そして一またはそれ以上の以下のもの:仮道管 、導管、繊維および/または放射組織からなる。樹木植物は、森林樹木、他の高 木、低木および潅木を含む。 本発明の方法によりミクロ増殖される樹木植物の例(限定されない)には、裸 子植物および双子葉被子植物、例えば樹木パルプ用、燃料用、材木用に使用する もの、例えばユーカリプタス(Eucalyptus)、マツ(Pinus)、ハリモミ(Picea)、ア カシア(Acacia)、ポプラ(Populus)、マカンバ(Betula)、チーク(Tectona)および 熱帯産硬木;果実または実を作る高木、低木および潅木、例えばリンゴ、シトラ ス、桃、オリーブ、くるみおよびアーモンドの高木、コーヒー潅木、クロフサス グリ潅木およびラズベリーのつる;他の商業的に有用な製品の得られる高木 、低木および潅木、例えばゴムの高木、ならびに薬学に有用な物質あるいは薬学 に有用な先駆体の得られる高木および低木、例えばイチイの木;ならびに装飾用 の高木および低木、例えば装飾用の花、葉または樹皮を有する高木および低木が ある。 特に本発明の液体培養培地中でうまく機能する樹木植物は、硬葉種である。硬 葉の定義は、「厚い、皮のように硬い葉」である。これは、ユーカリの場合の真 葉、およびいくつかのアカシアの場合の仮葉を含む。硬葉と考えられる種は、一 般に常緑であり、そして硬葉の性質は、一般に貧弱な栄養素利用性、および耐薬 品性の欠乏と結び付けられる。硬葉の属の例は、ツツジ属(Rhododendron)、アザ リア(Azalea)およびカルミア(Kalmia)(ツツジ科(Ericaceae));オリーブ(Olea )(モクセイ科(Oleaceae));多くのオーストラリアアカシア属(Australian Aca cias)(マメ科(Fabaceae));ならびにユーカリ(eucalypts)(フトモモ科(Myrta ceae))である。 しかし、本発明の液体育成培地中でうまく機能する樹木植物は、硬葉種だけで はない。リンゴ属(Malus)(リンゴ)、ナシ(Pyrus)、サクラ属(Prunus)およびバ ラ属(Rosa)(バラ科(Rosaceae))、レンギョウ(Forsythia)およびハシドイ属(Sy ringa)(モクセイ科(Oleaceae))が、本発明の液体培養培地を用いて繁殖される さらなる例である。 上に示したように、ユーカリが、本発明に従って繁殖される硬葉樹木植物の例 である。亜属ユーカリプタス シンフィオミルタス(Eucalyptus symphyomyrtus )は、多くの商業的に有用な種、例えばE.グランディス(E.grandis)、E.グロ ブルス(E.globulus)、E.ニテンス(E.nitens)、E.ヅンニ(E.dunnii)、E.サ リグナ(E.saligna)、E.カマルズレンシス(E.camaldulensis)、E.ウロフィラ (E.urophylla)およびこれらのハイブリッドを含む。さらに商業的に重要なユー カリ種は、E.レグナンス(E.regnans)、E.シトリドラ(E.citriodora)、E. フラキシノイデス(E.fraxinoides)およびこれらのハイブリッドを含む。 本発明の方法の特に好ましい実施態様によれば、苗条、発根苗条または苗木が 、(好ましくは自由に転回するように)、循環空気により酸素処理および攪拌さ れる液体液内培養内で、苗条、発根苗条または苗木が繁殖される。よく「エアー リフト」系と呼ばれる系では、液体培地と苗条、発根苗条または苗木との入った 植物育成容器中へ、圧縮空気(または他の適したガス)が供給される。供給する 空気または他のガスを、好ましくは植物育成容器に入れる前に、例えば水(特に 蒸留水)を通過させて湿らせる。 本発明の方法のさらに好ましい実施態様によれば、苗条、発根苗条または苗木 は、振とうまたは攪拌される容器内で繁殖される。特に、例えば穴のあいた容器 (例えば上記した籠または袋)内での植物性材料の移動を制限することが好まし い。液体培地中を空気が通過する本発明の植物培養系では、植物性材料の移動を 制限することも有利である。 上に示したように、すべての装置およびすべての他の使用材料を滅菌して微生 物汚染の最少化を確保することが好ましい。好ましくは、装置を使用前にオート クレーブで滅菌し、そして培地を、できればオートクレーブまたはろ過により滅 菌する。組織培養級の材料の使用が好ましい。装置内のすべての結合部を注意深 く密封する必要がある。 植物育成容器に空気または他のガスを供給する場合、容器内の滅菌性を保つた めに、容器への空気供給の入口および出口に、フィルターを設けることが好まし い。空気供給中の気相および/または揮発性の汚染を除くために、空気供給を、 フィルター、例えば活性炭フィルターに通過してもよい。排気空気流内での濃縮 の可能性がある装置からは不可避的消散があるので、使用したフィルター、特に 排気用フィルターは、好ましくは疎水性である。長期間の操作では、排気空気流 内にコンデンサーを導入して、フィルター内で生じ得、それにより、流速減少お よび/または培養の汚染(フィルター「生育過程」(grow-through)現象)の原因 になる濃縮物の蓄積および微生物成長の可能性を、回避することが望ましい。 植物育成容器は、液体液内培養に適していれば、いかなるサイズおよび形状で もよい。「エアーリフト」系、および液体培地を振とうまたは攪拌する系の適当 な容器は、周知である。該容器は、例えばフラスコ、びん、カラムまたはタンク でよい。該容器は、ガラス、金属、または合成樹脂製でもよく、例えばポリプロ ピレンまたはポリカーボネートである。光合成のために植物性材料を照明する場 合、該容器が、適当な波長の光の通過を許容できる必要がある。 液体培地を該容器内に導入し、好ましくは培養の行われる温度にもってゆき、 苗条、該培地に、発根した苗条または苗木の接種源を加え、そして通常、装置を 密封する。植物育成容器およびその内容物を、照明を有するか無くした状態で、 適当な温度、例えば20〜30℃に保持する。 植物性材料が自由に動ける液体培地中に、空気または他の酸素含有ガスを通す 場合には、苗条、発根した苗条または苗木が、培地中に浸水し、好ましくは転回 、そして特に自由に転回するような気泡の定常流を与える最高流速に、供給を調 節することが好ましい。転回は、実質的に連続的でもよい。液体培地を振とうま たは攪拌する系では、振とうまたは攪拌は、植物性材料が浸水するのを確保しな がら、該培地を酸素処理するのに十分である必要がある。 適当な培地は、増殖される樹木植物で選ばれ、例えばKM培地(ゲル化剤無し )を、ユーカリプタス グランディス(Eucalyptus grandis)およびそのハイブ リッドの繁殖のために使用すればよい。同様に、他の植物では、あらかじめその 植物を繁殖するのに使用した固形または半固形培地から、ゲル化剤を省略しても よい。 固形培地で従来使用したより低いレベルの植物ホルモンを使用することも可能 であるいくつかの場合、例えば本発明に従ったユーカリプタス グランディス(E ucalyptus grandis)の繁殖では、BAP(6−ベンジルアミノプリン)の従来 量の25%で(あるいはそれ以下でも)、良好な結果が得られる。 頂端分裂組織を含む樹木植物、例えばユーカリプタス グランディス(Eucalyp tus grandis)の苗条を、本発明のエアーリフト系に従い、苗条を液体培地中を 自由に転回する状態で繁殖させる場合、腋生苗条分裂組織に関連する妨害作用の 影響は、ほとんど完全になくなる。接種のときにあった既存の節に由来するすべ ての枝組織は、三次枝を持つ。接種された苗条の先端からの伸長成長に基づく若 い(decreasing age)節は、複雑性の低い枝組織を持つ。両培地から出る原茎、 一次枝および二次枝の苗条先端は、すべてよく伸びた苗条を生み、厚くかつ強健 な茎、および2個またはそれ以上の十分に離間した節を持つ。収穫のときに、原 枝が、数多くの節をもつにもかかわらず、収穫された苗条の間には、顕著な程度 の均質性が存在する。ほとんどすべての三次枝は、苗条先端(二葉および分裂組 織)からなり、節を持たない。 例えば植物育成容器内の穴のあいた容器(例えば籠または袋)内に保持するこ とにより移動が制限された本発明の液体液内培養系で、苗条を繁殖する場合、得 られる苗条は、より自由に移動可能な苗条の場合に上で示したのと実質的に同様 の特徴を示す。これらは、均質性を高い度合いで示し、かつ良品質である。 さらに、増殖速度は、一般に、自由に移動する苗条と同じくらい高い。高苗条接 種密度により、高増殖速度になるようである。 予想に反して、葉の水分過多(透化)の症状は、生じても軽微で、そしてよく 開いた古い葉にのみ現れる。若い材料(すなわち、苗条先端および先端節)は、 水分過多のいかなる著しい兆候も示さない。本発明の液体培養系の使用中に、水 分過多の何らかの兆候が見られても、その兆候は一般に顕著でなく、その後の固 形培地上での培養により容易に回復し、したがって後続の繁殖または苗条の発根 に、ほとんど影響ないか、まったくないことが判明した。 植物育成容器から収穫された苗条は、よく発根し、例えばE.グランディス(E .grandis )の場合の発根効率は、固形培地を利用する繁殖方法で得られるものよ り良好である。アカシア マンギウム(Acacia mangium)の場合、得られる苗条 は、そして固形培地上に発根する必要なく、堆肥内に発根し、そして直接温室に 移すことができる。これは最も意外な長所であり、それは商業的にきわめて重要 である。ツツジ属(Rhododendron)およびユーカリの苗条の品質およびその良好な 発根効率は、半固形培地内での中間発根段階を要することなく、堆肥内に直接発 根し、および温室に移すことが可能であることも意味する。実際、本発明の方法 により得られる材料の良好な品質により、堆肥内への直接発根、および温室への 移送が、アカシア(Acacia)およびユーカリプタス(Eucalyptus)に加えて他の属で も可能であることが示唆される。 要約すると、本発明の方法は、発根またはさらなる増殖の可能な、緑色で、健 全で、高い均質性の苗条を、大量に生む。多くの場合、苗条は、特定の伸長段階 が無くても、直接発根するほど十分に伸長する。いくつかの場合、半固形培地上 の中間発根段階を要することなく、堆肥内に発根し、および温室に移送すること さえ可能である。 いくつかの植物、例えばオリーブは、ゲル化培地上で繁殖されると、白化(黄 色)する。対照的に、本発明の液体培養系により繁殖されると、オリーブの苗条 は、緑色かつ健全である。ほかの利点は、オリーブの苗条がよく伸長することで ある。対照的に、ゲル化培地上で繁殖されると、オリーブの苗条は、発根前に、 通常約1ヶ月の伸長期間を要する。 この発明の液体培養系を用いて繁殖される新しい苗条の伸長速度は、非常に均 一なようである。商業的ミクロ増殖にとって、製品の均質性はきわめて重要であ る。発根用苗条の苗の発育上の異種混交性は、後の植物成長の間に増強されるこ とが多い。そのような異種混交は、樹木植物ではよくあり、それにより、製品の 等級分けの必要性、および、供給中断の可能性が生じる。 この問題は、ツツジの商業製造で例証される。ツツジ製造に使用するゲル化系 のすべてにおいて、大量のカルスが、増殖する苗条の基部に形成され得る。外来 苗条は、カルスから器官形成を介してよく作られる。これらの外来苗条は、ソマ クローン変異のために、たびたび純種でない(すなわち異常)。(この現象は、 よく染色体数の変化または染色体転位と関連付けられる)。最近では、商業的ツ ツジ生産者は、増殖させる植物が、カルスおよび外来苗条形成を抑えて確実に純 種であるようにするために、増殖速度を犠牲にしなければならない。本発明の液 体培養系は、得られる苗条の均質性が優秀であり得、そしてゲル化繁殖系を用い て得られるものよりはるかに優るので、この問題を回避する。特に、外来苗条は 作られず、すべての新しい成長は、腋芽の成長に基づく。 さらに、上に示したように、アカシアの苗条は、固形培地上に発根する必要な く、堆肥内に発根し、そして直接温室に移送することができる。この驚くべき長 所は、商業的にきわめて重要である。 固形培地を使用した繁殖系に比べた、人手(または、固形培地を使用する自動 化工程の高資本コスト)、廃棄および時間などのコストの利点も大きい。例えば 、典型的な固形培地を使用して、単一の出発苗条から50個のEグランディス(E .grandis)の苗条を作るには、三つの継代培養段階(そして関連する培地の準備 、および廃棄可能な栽培皿の準備)、および3カ月を必要とする。これは、本発 明の系を用いた単一培養段階および1ヶ月に匹敵する。 別の利点は、本発明によりアカシアおよびユーカリを繁殖する際に見られる。 アカシアの苗条は、切断して個々の発根苗条を得ることのできるクランプを形成 する。クランプの残りは、分岐した茎からなり、しかしこれは、苗条先端をもた ず、さらに苗条が成長しても、本発明の液体培養培地中に再投入され得る。この 方法は、少なくとも数回繰り返され、製品の品質または量に有害作用を持たない 。 ユーカリプタス(Eucalyptus)では、本発明の液体系から苗条を収穫され、苗条 塊を解し、そしてその後すぐに、新鮮な培地の入った植物育成容器に再接種して もよい。この方法は、少なくとも数回繰り返され、苗条増殖速度に関して著しい 影響もなく、かつ連続サイクルで作られる苗条の品質になんの低下もない。本発 明の方法の繁殖材料のリサイクルは、一般に適用可能であり、アカシアおよびユ ーカリに加えて他の属でも使用し得る。 繁殖材料のリサイクルにより、著しい節約と均質な製品となり、したがって、 特に商業的に魅力的である。 こうして、本発明の系は、商業的に大いに魅力的である。得られる収率は、一 般にゲル化系のものより高く、そして非常に高いことが多い。製品の健康状態と その顕著な均質性における製品の高品質は、特に商業的に魅力である。いくつか の種では、さらに上記したような利点がある。 本発明の別の様相は、関係する一またはそれ以上のDNA塩基配列を安定導入 することにより、特に形質変換方法により修飾されており、かつ選択可能な特徴 、特性または性状、一般に選択可能な標識(marker)を有する苗条、発根した苗条 または苗木の選択に関する。 所望の遺伝子修飾を達成するために、関係するDNA塩基配列を導入および安 定導入することを可能にする方法は、周知であり、そして、これには、アグロバ クテリウム(Agrbacterium)仲介形質転換、ならびにDNAを細胞に直接導入する 方法、例えばプロトプラストのエレクトロポーレーション、DNA被覆粒子を用 いた胚芽のボンバードおよびポリエチレングリコール仲介遺伝子デリベリー(del ivery)が挙げられる。 いくつかの理由のために、DNAを用いた直接形質変換よりも、アグロバクテ リウム(Agrbacterium)仲介遺伝子形質変換の方が、一般に好ましい。この方法は 、比較的速くかつ簡便であり、比較的効果的であり、そして労力、材料または装 置が高価でない。さらに、アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質変換を用 いて作られる形質転換植物の大多数は、一個または少ない数の無傷のDNAイン サートを含有し、そして挿入されたDNAは、安定に発現されることが多い。上 記したような直接DNA形質変換方法は、植物細胞中で、DNAインサートの多 重複製を招き、そして該インサートは、再配列のため無傷でないことがよくある 。DNAインサートの多重複製は、導入された(異種)遺伝子の発現の不安定性 と関連付けられる。したがって、アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介の直接 DNA形質変換採用方法と比べた有利さは、例えば植物全体に再生可能なこれら の植物細胞がアグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質変換に抵抗するために 、植物種がアグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質変換に関して抵抗する場 合にのみ、後者が通常使われるほどの有利さである。 選択可能な標識は周知であり、例えば選択剤、例えば抗生物質または除草剤、 あるいは他の選択剤に対する抵抗を与える遺伝子が挙げられる。選択は、一般に 、形質変換にかけられた材料を、選択剤、例えば抗生物質または除草剤、あるい は他の選択剤を含有する培地上で育成することにより行われる。 選択は、固形培地上、すなわち固形または半固ゲル化培地上で行われる。この 方法は、一般に緩慢かつ手数がかかる。いくつかの植物種の場合、および/また はいくつかの選択可能な標識遺伝子および適当な選択剤を使用した場合、この方 法は、きわめて遅く、労力および費用がかかる。 選択方法は、アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質変換、または直接D NA形質変換技術のいずれかを用いて、すでに形質転換された移植片を培養する ことを要し、適当な選択剤を含有する培地上の細胞の一部が、導入遺伝子を含有 する。選択剤の条件および濃度は、一般に形質転換されなかった細胞および組織 の成長および/または育成が阻害されるように選ばれる。適当な選択可能な標識 遺伝子を含有するDNAインサートを含有する細胞は、成長および/または育成 し続け、したがって確認され得る。別法として、形質転換および未形質転換の細 胞を、選択剤と接触させる際に、異なる表現型に基づいて、例えば色素生産量あ るいは変更された成長速度に基づいて区別してもよい。 最適には、選択剤の条件および濃度は、形質転換および未形質転換の細胞およ び組織が短期間の培養の後に区別できるように選ばれる。しかし、実際、形質転 換と未形質転換の細胞および組織を区別するのに十分な濃度の選択剤が存在する と、細胞および組織の成長および/または生育が、非選択条件下での成長および 生育と比べて、進みが遅いか、または遅延する。それは、選択可能な標識遺伝子 が選択剤に対して抵抗または耐性の次善のレベルを生起する、あるいは二次的効 果を生起するなどの一またはそれ以上の要因に基づく。 二次的効果は、選択剤が形質転換された細胞または組織を囲む未形質転換細胞 または組織の成長および生育に影響を及ぼすことを含む。これらの囲んでいる細 胞組織が、形質転換細胞または組織の正常な成長および生育に寄与するために、 未形質転換細胞または組織の正常な成長および生育が必要である(ナース効果) 。二次的効果は、未形質転換細胞または組織から出る毒性のまたは抑制する物質 によることもある。これらは、形質転換細胞および組織に有害作用を持つ。 例えば、10〜25mg l-1のG418(ジェネチシン(geneticin))で選 択する際に、植物−発現NPTII遺伝子を含有する無防備(disarmed)アグロバ クテリウム菌株を用いて形質変換後、固形培地上の野外生育クローンに由来する 葉移植片から、トランスゲニック ユーカリプタス グランディス(Eucalptus g randis )(またはこれらのハイブリッド)の苗条を作るのに6ヶ月かかる。対照 的に、G418を欠いた同様の培地上で、未形質転換苗条を作るのに要する期間 は、6週間である。したがって、選択剤の存在により、トランスゲニック苗条が 作られ、そして未形質転換苗条の製造が抑制されるけれども、選択剤の存在は、 トランスゲニック苗条が作られることによって、工程を著しく遅延させる。 トランスゲニック苗条製造の遅延とともに、トランスゲニック苗条の収率が減 少することも公知である。例えば、植物−発現NPTII遺伝子を含有する無防 備アグロバクテリウム(Agrobacterium)菌株を用いて形質変換後、固形培地上で 葉移植片から、トランスゲニック ユーカリプタス グランディス(Eucalyptus grandis )(またはこのハイブリッド)の苗条を製造する方法において、10〜2 5mg l-1のG418(ジェネチシン)で選択する際のトランスゲニック植 物の収率は、選択剤を欠いた同様の培地上で未形質転換苗条を作るときと比べて きわめて低い。 さらに、延長された培養期間後、培養細胞内で作られる植物の品質も、貧弱で あり、もしその製造がカルス細胞の培養期間を延長を要する場合、特にである。 文献にはたくさんの例があり、そこでは、このような生育期間の延長は、ソマク ローン変異現象による異常植物製造の原因となる(遺伝性で、かつ、製造される 植物の細胞内の遺伝性要素の数および構造の変化の結果である変態)。したがっ て、組織培養に費やされる時間のどんな削減でも、異常なトランスゲニック植物 生成の危険を減じる。 例えば、取り外し(weaning)およびさらに温室または野外での成長に適した野 外由来(クローンの)ユーカリプタス グランディス(Eucalyptus grandis)( またはそのハイブリッド)のそれぞれの遺伝子修飾ライン(すなわち、すべての 植物は単一の形質転換細胞に由来)の上記した形質転換材料の選択方法 および 発根苗条の製造方法では、100個の苗条を作るのに11ヶ月かかる。 選択可能な標識遺伝子および選択剤を使用する代わりの方法として、導入DN A塩基配列の検出に基づく方法を用いて、トランスゲニック植物が未選択部分か ら検出され得る(トランスジーン(transgene))。この方法は、PCRを用いた トランスジーン自体の検出、およびトランスジーン生成物の検出を必要とする。 しかし、この方法は、例えばPCR自体に時間がかかり、労力が要り、かつ高価 である。トランスゲニック植物を生起する形質変換および再生の事象がきわめて まれなために、これらの欠点はさらに増す。したがって、形質転換されているこ れらの植物を検出するために、苗条または植物の大部分をスクリーニングしなけ ればならない。 本発明は、関係する一またはそれ以上の安定導入されたDNA塩基配列を含み 、選択可能な特徴、特性または性状を有する、遺伝子修飾された苗条、発根した 苗条または苗木の選択方法であって、遺伝子操作された苗条、発根した苗条また は苗木を選択する手段を含む酸素処理(例えばばっ気)された液体培養培地内に 浸水された該苗条、発根した苗条または苗木が培養される前記方法を提供する。 該培地は、一般に攪拌、さもなければ移動する。 苗条、発根した苗条または苗木は、一般に、該培地中を動かされ、例えば自由 に動かされ、例えば転回し、例えば自由に転回する。別法として、それらの移動 は、制限し、さもなければ妨害してもよい。 苗条、発根した苗条または苗木が、選択剤溶液へ完全に浸ることで、植物組織 中への選択剤のより効果的かつより強力な浸透が可能となり、したがって、遺伝 子修飾された苗条、発根した苗条または苗木の効果的な選択が可能になる。 添付した図2は、(ゲル化)固形培地上でのG−418選択を用いた、および 本発明の方法を用いた遺伝子修飾されたユーカリプタス グランディス(Eucalyp tus grandis)クローン(またはそのハイブリッド)を製造するのに必要な代表 的工程およびタイム−スケールを示す。固形培地を用いると、100個の苗条を 作るのに47週間かかる。本発明の方法を用いると、100個以上の苗条を21 週間で作ることができる。 添付した図3は、ここでpSCV1として確認されるプラスミドのマップであ り、これがプラスミドpSCV1.6の製造に使われる。図4は、ここでpSC V1.6として確認されたプラスミドのt−DNAを示したマップである。プラ スミドpSCV1.6は、アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質転換によ って、関係するDNA塩基配列をユーカリプタス(Eucalyptus)に導入するのに使 われる。 該液体培地は、酸素または空気(より一般的)が培地を通過することによって 、攪拌および酸素処理してもよい。空気循環技術(ときどき「エアーリフト」技 術と呼ばれる)は、特に本発明の方法において、酸素処理と攪拌の同時提供に有 用である。適当な容器内、例えば培養容器、例えばフラスコ、びん、タンクまた はカラム内の液体培地は、例えばガスディヒューザーを介した空気の導入により 、循環および酸素処理してもよい。そのような容器は、よく「エアーリフト培養 槽」と呼ばれる。空気の容積および導入速度は、液体培地および、それにより自 由に動かされる植物性材料に対する所望の程度の攪拌が得られるように、容易に 調整され得る。植物性材料が自由に動かされる場合、液体培地を通過する酸素ま たは他の酸素含有ガスによる培地の攪拌は、機械的手段、例えばスターリングに よる攪拌が好ましい。それは、植物性材料上のせん断力が低いからである。しか し、本発明の振とうまたは攪拌システムにおける植物性材料上のせん断力を、例 えば以下に詳細に述べるように、植物性材料の動きを制限することにより減じて もよい。培地内を空気または他のガスが通る系では、液体培地は攪拌するが、植 物性材料は制限されるように、植物性材料の動きを制限することが望ましい。 所望の攪拌の達成にガスの通過が充分でなければ、追加の攪拌手段を設けても よい。例えば、植物育成容器を振とうしてもよく、あるいは内容物を攪拌しても よい。さらに光合成による酸素を提供するために、該容器を照明してもよい。 本発明の選択方法は、万能な適用性を有し、すなわち、どんな植物の遺伝子操 作のされた苗条、発根した苗条または苗木の選択に適用してもよい。植物は、例 えば一年生、二年生または多年生の植物でもよく;単子葉植物または双子葉植物 でもよく;草質または樹木植物、例えば上記した樹木植物でもよい。 本発明の液体培養系で特にうまく機能すると見られる樹木植物は、硬葉種であ る。硬葉の定義は、「厚い、皮のように硬い葉」である。これは、ユーカリの場 合の真葉、およびいくつかのアカシアの場合の仮葉を含む。硬葉と考えられる種 は、一般に常緑であり、そして硬葉の性質は、一般に貧弱な栄養素利用性、およ び耐薬品性の欠乏と結び付けられる。硬葉の属の例は、ツツジ属、アゼリアおよ びカルミア(ツツジ科);オリーブ(モクセイ科);多くのオーストラリアアカ シア(マメ科);ならびにユーカリ(フトモモ科)である。 しかし、本発明の液体培養培地中でうまく機能する樹木植物は、硬葉種たけで はない。リンゴ属(リンゴ)、ナシ、サクラ属およびバラ属(バラ科)、レンギ ョウおよびハシドイ属(モクセイ科)が、本発明の液体培養培地を用いて繁殖さ れるさらなる例である。 上に示したように、ユーカリが、本発明に従って繁殖される硬葉樹木植物の例 である。亜属ユーカリプタス シムフィオミルタス(Eucalyptus symphyomyrtus )は、多くの商業的に有用な種、例えばE.グランディス(E.grandis)、E.グロ ブルス(E.globulus)、E.ニテンス(E.nitens)、E.ヅンニ(E.dunnii)、E.サ リグナ(E.saliga)、E.カマルズレンシス(E.camaldulensis)、E.ウロフィラ(E.urophylla )およびこれらのハイブリッドを含む。さらに商業的に重要なユーカ リ種は、E.レグナンス(E.regnans)、E.シトリオドラ(E.citriodora)、 E.フラキシノイデス(E.fraxinoides)およびこれらのハイブリッドを含む。 本発明の選択方法によれば、関係する−またはそれ以上の安定導入されたDN A塩基配列を含み、選択可能な特徴、特性または性状を有する、遺伝子修飾され た苗条、発根した苗条または苗木であって、遺伝子操作された苗条、発根した苗 条または苗木を選択する手段を含む酸素処理(例えばばっ気)された液体培地内 に浸水された該遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木が、培養される 。 関係するDNA塩基配列は、受容植物に対して異種でもよく、また同種でもよ い。これらは、受容植物中で機能的でなければならない。植物の遺伝子修飾にお いて関係するDNA塩基配列の多くの例が公知である。例えば、DNAは、受容 植物に対して表現型特性を与え、例えばグリホサートのような除草剤に対する抵 抗を与え、植物の品質または化学成分を修飾し、植物を成長させる珠芽の発根能 力、例えば挿し木を改質し、あるいは再現性ある不稔性を与える機能を果たす。 所望の遺伝子修飾を達成するために、関係するDNA塩基配列を植物に安定導 入する方法は周知であり、アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質転換、お よびDNAを細胞に直接導入する方法、例えばプロトプラストのエレクトロポー レーション、DNA被覆粒子を用いた胚芽のボンバード、およびポリエチレング リコール仲介遺伝子デリベリーが挙げられる。アグロバクテリウム仲介形質転換 が、上記した理由のために、一般に選択される方法である。 上に述べたように、細胞または組織(例えば苗条)の上首尾な形質変換は、一 般に、標識として、特に選択可能な標識遺伝子として適当な特徴、特性または性 状を用いて測定される。固形培養系で使用する選択可能な標識および対応する選 択剤は、周知であり、例えばこの技術の文献に記載されている。どんな選択可能 な標識および対応する選択剤でも、本発明の液体液内培養系に使用可能である。 例えば、遺伝子により与えられる植物毒素の選択剤に対する抵抗を持つ、例え ば形質転換された細胞または組織の選択のための特徴として使用されるパロモマ イシン、G−418(ジェネチシン(genticin)としても公知)、ネオマイシンま たはカナマイシンに対する抵抗を持つNPTII遺伝子を、標識として使用して もよい。同じまたは類似の抵抗を与える他のいかなるDNA塩基配列も、選択可 能な標識として使用できる。 苗条、発根した苗条または苗木を、選択剤の溶液に完全に浸すと、植物組織中 への選択剤のより効果的およびより強力な浸透となり、したがって、遺伝子的に 修飾された苗条、発根した苗条または苗木の効果的な選択が可能となる。 選択剤、例えば除草剤または抗生物質、例えばパロモマイシン、G418また はネオマイシンは、液体培地内で、形質転換された苗条および苗木の効果的な選 択を可能にする濃度および状況で使用する必要がある。適当な濃度および状況の 例をここに挙げる。どんな選択系の最適条件でも、容易に決定し得る。 植物培養のための適当な固形培地および条件は、公知である。どんな特定の植 物出発材料のための最適な液体培地および栽培条件は、すでに公知でなくても、 定例の方法により決め得る。例えば、特定の植物に対する液体培地の配合は、そ の植物に公知の固形培地の配合をベースにしてよい。 本発明によれば、遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木が、酸素処 理された液体培地内に浸水される条件で培養され、この培地は、選択剤、例えば 抗生物質、除草剤または他の選択剤を含む。酸素処理された液体培地内での遺伝 子修飾された苗条、発根した苗条または苗木の培養は、苗条、発根した苗条また は苗木のミクロ増殖のところで上記したように行うのが好ましい。本発明の方法 による選択の後、遺伝子操作植物を、さらに所望の繁殖、発根または栽培をして もよい。 選択された材料が、従来選択方法にあるような原始塊としてあるよりも、むし ろ発根か、または容易に発根し得る苗条の状態、あるいは苗木としてある方が有 利である。 酸素処理された液体培地内での選択の結果である苗条、発根した苗条または苗 木が、本発明のミクロ増殖の生成物のところで上記したように、特に均質な成長 を示し、高品質であることが、さらに有利である。これは、選択された植物性材 料の栽培にとって、特に有用である。 従来の選択方法に比べた最も劇的な利点は、遺伝子修飾された植物性材料を選 択できる速度、ならびに労力および材料の両方を含むコストの低減にある。 上に示したように、本発明の選択方法は、万能な適用性を持ち、すなわち、ど んな植物の遺伝子操作された苗条、発根した苗条または苗木にも適用してよい。 この植物は、例えば、一年生、二年生または多年生の植物でもよく;単子葉植物 または双子葉植物でもよく;草質または樹木植物、例えば硬葉種および上記した ような他の樹木植物でもよい。遺伝子操作の出発材料として、遺伝子的に均質で あり、例えば良好な特徴で選択されているか、または選択し得る植物の栄養組織 から直接または間接に植物的に由来する同型接合性体種子、またはクローン材料 に由来する細胞または組織を使用することが、一般に有利である。 しかし、いくつかの場合、例えば樹木植物、特に高木、例えばユーカリプタス (Eucalyptus)では、所望の特徴が、成熟した植物にのみ割り当てられるが、成熟 した植物から得られるクローン材料は、たびたび、遺伝子改質が難しく、および /または苗条誘導に抵抗する。これは、樹木植物、特に高木、例えばユーカリプ タス(Eucalyptus)の場合にしかりである。 本発明の特別な実施態様では、栄養増殖を介して得られる細胞および組織、す なわちクローン材料、特に優れた表現型特性を示す植物からのクローン材料を、 迅速かつ高収率に、遺伝子修飾し、選択し、そして生育できる植物に再生するこ とができる。 この態様では、植物の細胞または組織が、関係する一またはそれ以上のDNA 塩基配列のアグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質転換にかけられ、選択可 能な特徴、特性または性状を持つ得られた形質変換細胞または組織内での苗条形 成が、植物内での苗条形成誘導の可能な作用剤の存在下で誘導され、次いで得ら れた苗条が、遺伝子修飾苗条を選択する手段を含む酸素処理された液体培養培地 中で選択され、該苗条は該培地中に浸水されている。選択された形質転換苗条は 、その後、生育できる植物に再生される。 苗条誘導剤は、さらなる成長可能な芽の形成を誘導(好ましくは高い頻度で) できる必要がある。この作用剤は、一般にサイトカイニンである。特定の植物性 出発材料のための特定の作用剤の適性、および使用の際に選択された作用剤の濃 度および使用状況は、定例の方法により決められ得る。この作用剤は、苗条誘導 に使用する培養培地中に、好ましくは形質転換された苗条の選択に使用する液体 培地中にも添加される。二種またはそれ以上の作用剤を使用してもよい。 サイトカイニンBAPは、多くの植物、例えばリンゴおよびポプラに適した苗 条誘導剤である。本発明で使用する苗条誘導剤の他の例は、置換フェニルウレア N−(2−クロロ−4−ピリジル)−N’−フェニル−ウレアであり、これは4 −PUまたはCPPUとしてよく知られる。CPPUは、ユーカリプタス(Eucal yptus )および他の植物の芽形成を高い頻度で誘導することが判明し、そして、そ の他のいくつかの植物ホルモンおよび植物成長ファクターと違って、さらなる効 果は、作られた芽がさらに苗条に成長可能なことである。選択された植物性材料 、例えばユーカリプタス(Eucalyptus)に対して、CPPUの代わりに他の置換フ ェニルウレアを使用してもよく、またCPPUとともに使用してもよい。ただし 、これらは、さらに成長の可能な芽の形成を(好ましくは高い頻度で)誘導でき る必要がある。 本発明のこの実施態様は、万能な適用性を持ち、すなわち、どんな植物へ適用 してもよい。上に説明したように、特に、形質変換および/または苗条形成に抵 抗する植物、例えば樹木植物、例えば木から得られるクローン材料の遺伝子操作 およびそれに続く選択に有用である。その例は、硬葉植物および上記したような 他の樹木種、例えばユーカリプタス(Eucalyptus)である。 細胞または組織材料、特に栄養増殖を介して得られる細胞または組織、すなわ ち、クローン材料、特に優れた表現型特性を示す植物からのクローン材料は、野 外または温室で育てられた植物から直接得てもよい。異種(または同種)遺伝子 の導入のために、非滅菌状態、すなわち、介在するミクロ増殖段階を使用せずに 、それを用いてもよい。別法として、細胞または組織を選択さた植物から間接的 に得てもよく、すなわち、選択された植物から入手する細胞または組織を、遺伝 子操作前にミクロ増殖にかける。 クローン材料の場合には、出発材料は、関係するどんな植物から得てもよい。 植物は、成熟した木、例えばユーカリプタス(Eucalyptus)でもよい。ユーカリプ タス(Eucalyptus)の場合、それには、例えば亜属ユーカリプタス シムフィオミ ルタス(Eucalyptus symphyomyrtus)、例えばE.グランディス(E.grandis)、E .ヅンニ(E.dunnii)、E.サリグナ(E.saligna)、E.カマルズレンシス(E.cam aldulensis )、E.ウロフィラ(E.urophylla)、E.レグナンス(E.regnans)、E .シトリオドラ(E.citriodora)、またはE.フラキシノイデス(E.fraxinoides) 、あるいは、これらのさまざまな栽培変種植物またはハイブリッドから得てもよ い。 本発明の遺伝子操作の出発材料として使用する細胞または組織は、苗木、特に 若い苗木から得てもよい。本発明の方法は、Eucalyptus symphyomyrtusの亜属内 の苗木、例えばE.globulusE.nitens、およびE.dunniiの苗木から得られる細胞 または組織の遺伝子修飾に特に有用である。 適するアグロバクテリウム(Agrobacterium)ベクタならなんでも、植物性材料 の遺伝子修飾を仲介するのに使用してよく、例えばアグロバクテリウムツメファ シエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはアグロバクテリウム リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)である。例に記載したようなE.grandisクローン、E. grandisE.camaldulensisハイブリッドクローンおよびE.saligna /E.tereticor nis ハイブリッドクローンを形質転換するのに使用するAgrobacterium tumefacie ns 菌株は、バイナリーTiプラスミドpSCV1.6を含有する無防備菌株EH A101Aである。 添付した図3および4は、プラスミドpSCV1.6に関するマップである。 菌株EHA101Aを、他のユーカリプタス(Eucalyptus)および他の植物の形質 転換に使用してもよい。バイナリーアグロバクテリウム(Agrobacterium)-Tiプ ラスミドベクタ系は、他の所、例えばEP−A−0120516に詳しく記載さ れている。 上に示したように、苗条誘導剤または作用剤の混合物は、苗条へ成長可能な芽 の形成を(好ましくは高い頻度で)誘導する必要がある。特に苗条形成を行うこ とに抵抗するユーカリプタス(Eucalyptus)の場合、CPPUまたは等価な置換フ ェニルウレアが、特に好ましい。 苗条形成を誘導するのに使用する培養培地は、苗条形成を高効率で促進させる ために、グルタメートおよび/またはアスコルビン酸を含有してもよい。出発p Hは5.0〜5.6でよい。苗条形成の誘導は、一般に、固形培地上の培養によ り、または別の静止型培養培地を用いて行われる。本発明の苗条形成を誘導する 方法、形質転換された細胞および組織の選択方法、ならびに遺伝子修飾されたユ ーカリプタス(Eucalyptus)の繁殖および苗条形成の誘導方法に使用するのに適し た培地の例は、ここに挙げられている。他の多くの植物に適した培地は公知であ り、あるいは定例の方法により決定し得る。 選択、および(所望であれば)形質転換された苗条の栽培は、上記したように 行えばよく、好ましくは苗条、発根した苗条または苗木のミクロ増殖のところに 上記した装置および条件を用いて行う。 添付した図2(限定する意味ではない)は、固形(ゲル化)培地上の選択を用 い発根した遺伝子修飾植物の典型的な製造方法、および本発明の方法に従う液内 「エアーリフト」培養を用いた液体培地内(ここで植物性材料は自由に動かせる )で選択を行った、発根した遺伝子修飾植物の製造方法に含まれる工程を示す。 二つの方法のタイムスケールおよび使用した培地を、以下に、遺伝子修飾された ユーカリプタス グランディス(Eucalyptus grandis)ハイブリッド植物の製造方 法を例にとって記載する。図2に示すプロトコルにより、タイムスケールおよび 培地の選択は、遺伝子修飾しようとする植物性材料の性質に依存することが理解 されよう。さらに、示された工程は、異なる順序で行われてもよく、工程を省略 してもよく、および/または他の工程を付加してもよい。エアーリフト系を、同 様の結果を持つ本発明の他のどんな液体系で置き換えてもよい。 工程1は、両方法共通であり、例えばユーカリプタス グランディス(Eucalyp tus grandis )ハイブリッドの移植片を、アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介 形質転換を用いた関係するDANA塩基配列で形質変換して、形質転換される材 料が選択可能な標識遺伝子、例えばNTPII遺伝子も含有するようにしたもの である。 工程2は、両方法で共通し、得られた形質転換移植片およびアグロバクテリウ ム(Agrobacterium)菌株を、固形(ゲル化)培地上で、例えば苗条誘導剤を含有 するクローンの共生培養培地上で、2日間、共生培養する。ユーカリプタス(Euc alyptus )の場合、苗条形成を誘導するのにCPPUを使用することが特に有利で ある。 工程3では、前にアグロバクテリウム(Agrobacterium)菌株で試して得られた 移植片を再生して、苗条誘導剤を含有する固形(ゲル化)培地上で苗条を作る。 ユーカリプタス(Eucalyptus)の場合、苗条形成を誘導するのに、該固形培地内に CPPUを含めることが再び有利である。この固形培地は、適当な選択剤も含有 する。好ましくは、この固形培地は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)の成 長を抑える抗生物質、例えばオウグメンチンを含有する。NTPII遺伝子を含 有する形質転換体を選択するための選択剤は、例えばパロモマイシン、G418 、カナマイシンまたはネオマイシンである。ユーカリプタス(Eucalyptus)の場合 、固形培地は、例えばCPPUおよびオウグメンチンを有するクローンの共生培 養培地であって、G418(例えば25mg/lのG418)も含有する。ユー カリプタス(Eucalyptus)の場合、苗条が現れるまで、継代培養を3週間毎に行っ てもよい。この工程は、CPPU、オウグメンチンおよびG418を用いて約2 1週間かかる。 本発明の工程3は、選択しない苗条誘導にかかわる。工程2から得られた移植 片であって、あらかじめアグロバクテリウム(Agrobacterium)菌株で試して得ら れた移植片を、苗条誘導剤を含有する固形(ゲル化)培地上で培養する。ユーカ リプタス(Eucalyptus)の場合、苗条形成を誘導するCPPUを使用することが特 に有利である。この培地は、好ましくはアグロバクテリウム(Agrobacterium)の 成長を抑える抗生物質、例えばオウグメンチンも含有する。従来方法の場合のよ うに、苗条が現れるまで、継代培養を3週間毎に行ってもよい。しかし、この場 合、苗条は、4〜5週間後に現れ、そして従来方法での21週間よりむしろ、全 9週間までの成長を続けさせる。これは、12週間と4つの継代培養工程の節約 とともに、相当する労力および材料の節約となる。 工程4は、固形(ゲル化)培地、例えばクローン苗条伸長培地上の選択された 苗条の伸長にかかわり、これは約6週間かかる。この発明の方法では、工程4で 、エアーリフト系を用いた液体液内培養であって、苗条が上記したように自由に 動ける培養内で、形質転換体の選択および苗条伸長を同時に行う。液体培地は、 適当な選択剤、例えばNPTII遺伝子用にパロモマイシンを含有し、好ましく は抗生物質、例えばオウグメンチンも含有する。この場合、選択および苗条伸長 に、16日以下の期間がかかる。非形質転換材料は、迅速に褐色になり、例えば 最初の兆候は、4〜8日以内に示される。対照的に、全体的に形質転換された苗 条は、健全かつ緑色であり、そして苗条は迅速に伸長する。形質転換および非形 質転換された組織の両方からなる苗条(キメラ苗条)は、褐色の区分の存在によ り、または苗条の全表面に照らして部分褐色化により、全体が形質転換された細 胞からなる苗条と容易に区別される。全体的に形質転換された苗条は、高均質で あり、そして良好な品質を持つ。10日後、高品質の形質転換体は、ミクロ増殖 に使用可能である。選択剤は、選択剤が固形培地中にあるときに可能であるより も、より効果的かつより強力に、本発明の液体液内培養内での植物組織中に浸透 する。 発根した形質転換体のミクロ増殖が、工程5で行われる。固形(ゲル化)培地 、例えば固形KM培地を使用すると、苗条の各遺伝子修飾ライン、すなわち単一 の形質転換事象の約100個のユーカリプタス グランディス(Eucalyptus gran dis )の苗条を得るのに約16週間かかる。苗条を自由に動かせる本発明の液内「 エアーリフト」液体培養、例えば液体KM培地を用いると、100個以上の苗条 が約6週間で得られる。上に説明したように、この結果は、時間だけでなく、労 力および材料の節約になる。 最終工程(工程6)は、両方法で共通である。これは、固形(ゲル化)培地上 、例えばIBAを有するKM培地上での苗条の発根にかかわる。両方法とも、約 4週間かかる。 本発明は、個体数が100個の発根した形質転換ユーカリプタス(Eucalyptus) 植物を作るのに要する時間を6カ月短縮し、そしておよそ8段階の人手を要する 段階(継代培養)の節約をする。これは、労力、培地、および植物成長容器のよ うな廃棄可能な品目の大きな節約になる。本発明の方法は、また、培養を無菌状 態で扱い、および培養を制御された環境条件下で培養するのに要する設備を著し く削減するので、コストを著しく削減する。 選択に固形培地を使用するときよりも、より多くの苗条をより短い時間で低コ ストで得られるだけでなく、得られる苗条は、極めて高い品質となる。特に、本 発明に従えば、ミクロ増殖のところで上記したように、苗条はよく伸長し、厚く て強健な茎、ならびに二またはそれ以上のよく離間した節を持つ。さらに、苗条 は、極めて均質で、これは特に、商業的な目的にとって重要である。 所望であれば、本発明の選択方法、すなわち、液体培地における選択が、液体 培地中での選択の前および/または後に、固形(ゲル化)培地上での選択工程の 行われるプロトコル内に組み込まれてもよい。そのような場合、固形培地上での 選択は、固形選択工程が唯一の選択工程である際に要求されるものより、厳しく なくともよい。厳格さの減少は、厳しい選択条件により引き起こされる生育およ び成長への悪影響を減じる。 したがって、本発明は、関係する一またはそれ以上の安定導入されたDNA塩 基配列を有する遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木の選択方法であ って、遺伝子操作された苗条、発根した苗条または苗木を選択する手段を含む固 形(すなわちゲル化)培地上で、苗条、発根した苗条または苗木が培養される前 および/または後に、遺伝子操作された苗条、発根した苗条または苗木を選択す る手段を有する酸素処理された液体培地内に浸水された該苗条、発根した苗条ま たは苗木が培養される、前記方法を提供する。 本発明の方法により選択された遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗 木は、さらに本発明のミクロ増殖によってミクロ増殖されてもよい。 本発明は、また、本発明の方法により選択され、場合によりさらにミクロ増殖 された苗条、発根した苗条または苗木から得られる遺伝子修飾植物を提供する。 この植物自体が、本発明の方法によりミクロ増殖されてもよい。上に示したよう に、成熟した木、例えばユーカリのクローン繁殖に特に有用である。 微生物汚染は、一般に細胞培養系における潜在的問題である。特に、出発材料 を、非滅菌条件、例えば温室または屋外で育てられた植物から得ていた場合は、 たとえ従来法に従って表面滅菌または消毒を行っても、問題である。出発材料を 滅菌条件下で製造していてさえ、他の源からの微生物汚染が存在する。それは、 アグロバクテリウム(Agrbacterium)仲介形質転換を用いて得られる遺伝子操作さ れた植物と関しても起こる。そのような材料は、アグロバクテリウム(Agrbacter ium )自体の不可避な汚染のために、後続の繁殖で、特にミクロ増殖で、特定の問 題を引き起こす。アグロバクテリウム(Agrbacterium)で汚染された植物も、調節 理由(regulatory consideration)のために、商業化に適さない。 本発明は、苗条、発根した苗条または苗木の微生物汚染を減じる方法であって 、抗生物質を含む酸素処理された液体培地内で、苗条、発根した苗条または苗木 を培養することからなり、該苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地内に 浸水されている該方法を提供する。 本発明は、また、酸素処理され、抗生物質を含む液体培地内での苗条、発根し た苗条または苗木の培養の使用であって、該苗条、発根した苗条または苗木の微 生物汚染の低減のために、該苗条、発根した苗条または苗木が該液体培地内に浸 水される該使用を提供する。 採用される液体培養培地は、抗生物質、例えばオウグメンチンを含む。苗条、 発根した苗条または苗木の塊が、液体培地に完全に浸ることは、苗条塊組織内へ の抗生物質の浸透を、固形培地で起こるよりもより効果的にし、したがって、微 生物汚染が、簡便かつ効果的な方法で減じられ、または除去される。 酸素処理された液体培地内での苗条、発根した苗条または苗木の培養は、好ま しくは苗条、発根した苗条または苗木のミクロ増殖のところで上記したように行 われる。 苗条または発根した苗条は、非滅菌条件下、例えは温室または屋外で育てられ た植物から得てもよく、そして従来方法に従って行われる表面滅菌または消毒に かけられていてもよい。同様に、苗木は、非滅菌条件下、例えば温室または屋外 で育てられた植物から得てもよく、そして従来方法に従って行われる表面滅菌ま たは消毒にかけられていてもよい。苗条、発根した苗条または苗木は、アグロバ クテリウム(Agrbacterium)仲介形質転換によって得られ遺伝子操作植物から得て もよい。 本発明の微生物汚染を減じる方法は、万能な適用性を持ち、すなわち、どんな 植物の遺伝子操作された苗条、発根した苗条または苗木の選択にも適用できる。 この植物は、例えば一年生、二年生または多年生の植物でよく;裸子植物、単子 葉植物または双子葉植物でもよく;草質または樹木植物、例えば硬葉種および上 記したような他の樹木植物でよい。この植物は、農業、園芸、営林またはプラン テーション作物で使用する。この植物は、装飾用でもよく、また有用な作物また は製品を作る。 ここに記載した本発明の方法で得られる苗条、発根した苗条または苗木は、適 当な条件、例えば温室または屋外で、植物、例えば成熟した植物に育てられても よい。多くの場合、本発明の方法により得られる苗条、発根した苗条または苗木 は、半固形培地上に発根する中間段階を必要とせず、堆肥中に直接発根し、そし て温室中で育ててもよいことは有利である。 上に示したように、本発明の実施態様に応じて、植物は、例えば一年生、二年 生または多年生の植物でよく;裸子植物、単子葉植物または双子葉植物でもよく ;草質または樹木植物、例えば硬葉および上記したような他の樹木植物でよい。 この植物は、農業、園芸、営林またはプランテーション作物で使用する。この植 物は、装飾用でもよく、また有用な作物または製品を作る。植物の例およびそれ らの使用は、上に挙げた。 本発明のいかなる方法により得られる苗条、発根した苗条または苗木から得ら れる植物は、それ自体、本発明の一部であり、そのような植物から得られる製品 も同様である。この植物は、本発明のミクロ増殖方法によりミクロ増殖されても よい。上に挙げた理由により、成熟した植物、例えば成熟したユーカリの繁殖に 特に有用である。 以下の限定する意味ではない実施例により、本発明を説明する。実施例1〜10 E.GRANDIS及びE.GRANDISハイブリッドの繁殖 特に断らない限り、下記の培地、植物性材料、温度、供給空気量及び照明条件 を次の実施例1〜10に使用した。培地 E.grandis及びE.grandisハイブリッドのミクロ増殖のための固形KM培地 Phytagel 3 g/l スクロース 10 g/l 10×マクロヌトリエント溶液1 100 ml/l MgSO4・7H2O 0.925 g/l NH4NO3 0.825 g/l Murashige及びSkoog(1962)2基礎塩 50 ml/l ミクロヌトリエント ストック溶液(Sigma M0529) 1000×Murashige及びSkoog(1962) 0.5 ml/l ビタミン溶液(Sigma M03900) BAP(6−ベンジルアミノプリン) 0.04 mg/l KOHでpH5.6に調整し、20分間、121℃のオートクレーブにかける。1 10×マクロヌトリエント溶液は、2.2g/l CaCl2・2H2O、0. 85g/l KH2PO4及び1.9g/l KNO3を含む。2 Murashige T;Skoog F:(1962)Tobacco組織培養における急速成長及び検 定(assay)のための改良培地。Physiol.Plant.、第15巻、473〜49 7頁参照。 E.grandis及びE.grandisハイブリッドのミクロ増殖のための液体KM培地 成分:以下を除き固形K培地と同じ。 (i) phytagelは省いた。 (ii) 固体培地に使用した0.04mg/lBAPの代わりに0.01mg/lBAPを使 用した。 E.grandis及びE.grandisハイブリッドの苗条の発根のための半強度KM培地 この培地は、基礎固体KM培地のマクロヌトリエント、ミクロヌトリエント、 MgSO4・7H2O及びNH4NO3含有量を各半量含む。BAPは省かれ、0.2m g/lのIBA(インドイル−3−酪酸)で代替される。pHは5.6に調節され、 培地は、前記最大強度の基礎KM培地に記載のように121℃で20分間オート クレーブ処理された。 適当な場で、滅菌に先立って1.0g/lの活性炭を添加した。温度、空気供給量及び照明条件 液体ミクロ増殖、ミクロ増殖及び半固形培地上の発根を22℃で16時間の光 周期(50〜70μmol m-2-1、蛍光ランプから供給)で行った。特に断 らない限り、空気供給量は、液体培地の1リットル当たり、毎分0.3〜0.7リット ルの範囲にあった。接種に使用した植物性材料 接種に使用した全ての植物性材料は以前に半固形培地上にミクロ増殖されてい た。E .urophylla×grandisハイブリッドクローン18.50及び18.52は、Centre Na tional de Recherches Forestieres,B.P.764,Pointe Noire、コンゴ共和国か ら入手した。 E .grandisクローン5046及び5048はD.L.Rockwood教授、Dept.Fores try,Univ.Florida,Gainesville,Florida 32611-0303、米国から入手した。 E .grandis×E. camaldulensisハイブリッドクローン11/25は、South Af rican Forestry Research Institute,PO Box 727,Pretoria 0001、南アフリカ からShell South Africaへ提供された。 ミクロ増殖されたE.grandis苗木ラインT14 L10は、the Institute of Commer cial Forestry Research,University of Natal,P.O.Box 375,Pietermaritzb erg 3200、南アフリカ共和国(種バッチ参照番号38064)から提供されたE .grandisの種子に由来した。接種のために使用された苗条の調製 頂端分裂組織を有するE.grandis又はE.grandisハイブリッドのミクロ増殖さ れた苗条を原材料として使用した。各苗条は、2〜4個の節と、1個の苗条端を 有していた。これらの苗条は以前に、0.04mg/lBAPを含む基礎固形KM培地 上に連続して継代培養されたものである。苗条端の収穫される培養は、自然に発 根していた。苗条が由来した植物性材料は以前、抗生物質(オウグメンチン)含 有培地上に長期間培養されたものであり、不純微生物を含まないことが公知であ る。苗条の増殖速度 特に断らない限り、実施例に示した増殖速度(繁殖)は、直接堆肥への又は半 固形培地を介しての間接的発根にとって好適である苗条についてのものである。実施例1 苗条が自由運動するエアーリフト系を使用する、E.grandisの苗条の繁殖 使用した培地、温度、空気供給量及び照明条件は上述のものと同じである。装置 装置は、圧力制御器とゲージとの組合せを介して供給される圧縮空気供給装置 からなる。圧力が約10p.s.i(約67,000Pa)に達したときに作動される 圧力リリース弁(NUPRO SS-6C-MM-10)を該制御器の下流管の内に取りつけた。空 気流を活性炭ガスフィルター(Whatman Carbon Cap 75)を介して通し、さらにガ スディフューザー(Pyrex No.2)及び2lエルレンマイヤーフラスコを使って蒸 留水通路を通過させることにより加湿した。脱臭および加湿のされた空気流をエ アーリフト培養槽に供給するために使用した。この空気流を、該エアーリフト培 養槽内に供給する前に、ガスフィルター(Whatman Hepa-Vent 0.3μm孔径)を通 過することにより滅菌した。このエアーリフト培養槽は、5個の19mmポートを 有する蓋(Quickfit MAF2/2)を備えた5lの培養器(Quickfit FV)から成っていた 。該空気流を、直径6mm不銹鋼管及び蓋アダプター(Quickfit)を使用する中央ポ ートに通した。ディフューザーが、組み立てた該培養器の基部から約0.5cmの位 置にあるように、ガスディフューザー管(Pyrex No.2)を該不銹鋼製入口部に取 り付けた。出口部は、ガスフィルター(Whatman Hepa-Vent)を介して大気に通流 するスクリュージョイントアダプター(Quickfit)を使用するポート内に挿入され る不銹鋼管からなった。 シリコーン管(組織培養級,Merck)を、該活性炭フィルターの全下流域に使用 した。ガラス製培養器を、プラスチック(培養組織級)びん、例えばかなり安価 な組織培養級のポリプロピレン又はポリカーボネートびんで置換することができ る。装置の準備 エアーリフト培養槽に上述の液体KM培地4.5lを充填した。シリコーングリ ースを使用し、スプリングクリップ(Quickfit JC 100F)を使って締めたフラン ジ及び蓋の良好な気密性を確実にした。残余のポートのうちの二つは確実にスト ッパーで押さえた。該入口部、排気ポート及び二つのストッパー留めポートはフ ォイルにくるみ、潜在的汚染経路に対する追加の警戒手段としてテープで密封し た。残ったポートは緩くストッパーし、緩くフォイルにくるみかつテープして、 滅菌時に水蒸気を流通させかつ次の苗条接種を可能にする。該培養槽及び入口部 /排気フィルターは、30分予熱/60分全圧(121℃)サイクルを使用する 組立式ユニットの形でオートクレーブ処理した。該培養槽は、接種ポートを閉め 、そして該培養槽を該オートクレーブから除去する前に、常温(一夜)に冷却し た。該培養槽を22℃の水浴内に置き、空気供給装置に接続し、接種前、1時間 平衡状態に置いた(空気通流速度約1.8リットル/分)。苗条のミクロ増殖 第1日に、該培養槽に、苗木ラインT14 L10から得られたミクロ増殖されたE. grandis苗条10個を接種した。接種源の全重量は493mgであった。培養槽を 該空気供給装置に再接続した。空気供給量を、約1.8l/分の、定常気泡流を与 える最高流量に調節した。培養槽は安全ネットで遮蔽し、増殖速度及び生物量の 増加の評価に先立って、27日間の期間にわたって稼動した。 3個の苗条塊を除去し、フィルター紙上に載せて乾かし、秤量することにより 生物量の増加を測定した。真空炉内で60℃で72時間、一定重量になるまで乾 燥することにより水分含有量を測定した。接種に使用したものと同様のミクロ増 殖苗条の百分率水分含有量を同じ方法で測定した。増殖速度は、各培養槽からの 苗条塊3個を節及び苗条端の移殖片に解体することにより評価した。節移殖片、 苗条端移殖片のいくつかを2つの固形基礎ミクロ増殖培地(0.04mg/lBAPを 含む固形KM培地並びに又は0.04mg/lBAP及び1%w/v活性炭を含む固形K M培地a)上で継代培養した。苗条端移殖片の発根効率を、2つの発根用培地(0. 2mg/lIBMを含む固形半強度KM培地及び0.2mg/lIBM及び1%活性炭を 含む固形KM培地上に移送することにより評価した。5日後、活性炭を含む発根 用培地上に初め移送された苗条端のうちのいくつかは、活性炭を欠く発根用培地 上へ継代培養した。結果 最初の接種後、苗条表面は容易には湿潤しなかった。空気泡が培地の表面に浮 いた苗条と結合し、大幅には転回しなかった。数日後、苗条の表面は湿潤し、こ の苗条は広範囲に転回し始めた。 接種から9日後、この苗条は頂端にて高いペースの伸長生育を示し、接種時に 存在した腋芽の大部分は成長を開始していた。接種時に存在したより大きな葉の うちのあるものは水分過多(透化)、壊死及び器官離脱の兆しを示しつつあった 。 接種後16日を経て、培地が濁り始めた。比較的古い葉の水分過多、壊死及び 器官離脱の兆しが明瞭になりつつあった。側方の苗条(side-shoot)は伸長し続け た。頂端及び一次枝からの伸長生育に基づく新規の腋芽は成長を開始するところ であった。すべての新規成長は健全に見え、異常生長はなかった。苗条塊の6個 は、苗条塊の基部から根を出しつつあった。 接種から24日後、培地の濁りが増大し、スカム状の堆積物が培地のレベルの 上方の容器内部面に形成した。より古い葉の水分過多、壊死及び器官離脱はより 顕著になり、一次枝より大きな葉の上に起きてきた。培地の試料を採取し、前記 濁りの原因を解明するため顕微鏡下で検査した。培地は無傷と崩壊との両方の植 物細胞を含んでおり、また大量の細胞破片も含んでいた。しかし、微生物汚染の 証拠はなかった。概して、苗条塊は、凝集し、緑色を呈し、水分過多の兆しを殆 ど見せなかった。新規の一次及び二次の枝のうちのあるものは主要な苗条塊から 折れ去った。 苗条塊を接種後27日を経て該培養槽から収穫した。図1に、接種源として使 用した典型的苗条及び固形培地上で栽培された典型的苗条塊と比較した、該培養 槽からの典型的苗条塊の外観を示す。図1の苗条塊1は、接種源として使用した 典型的なミクロ増殖苗条である。苗条塊2は、固形ミクロ増殖培地(KM培地) 上に5週間栽培して作られた典型的な苗条塊である。苗条塊3a及び3bは、液 体KM培地中で27日間液中液体培養した後に収穫した2つの典型的苗条塊であ る。 培養槽から収穫した苗条の濡れ重量、乾燥生物量の増分の評価値及び水分含有 量を次の表1に示す。表1 濡れ重量、乾燥生物量及び水分含有量 − 接種源の濡れ重量 (10苗条) 493mg − 接種源の乾燥重量評価値 (水分含有量91.8%) 40.4mg − 培養槽から収穫した3つの 典型的苗条塊の濡れ重量 15.466g − 濡れ重量の増加分評価値 (苗条全10個分につき補正) 104.5倍 − 培養槽から収穫した3つの 典型的苗条塊の乾燥重量 1.671g − 乾燥重量の増加分評価値 (苗条全10個分につき補正) 137.9倍 全体の増殖速度及び苗条端の増殖速度の評価値を次の表2に示す。この表では ミクロ増殖速度の評価値は、発根のために直接セッティングするのに好適と判定 された苗条端移殖片として、及び、固形培地上でさらにミクロ増殖するのに好適 な全移殖片として表されている。表2 増殖速度 3個の苗条塊の各々から発根する のに好適な苗条端移殖片の数 59, 46, 56 平均 54 3個の苗条塊の各々からさらに ミクロ増殖するのに好適な移殖片 の評価数 111,102,121 平均 111 得られた苗条において、腋生の苗条分裂組織に及ぼす相関的妨害作用効果はほ とんど完全にないと思われる。接種時にあった既存の節を源として派生した全枝 系は三次枝を含んでいた。接種された苗条の頂端からの伸長生育から生じる若い (decreasing age)の節は、複雑性の少ない枝系を有していた。 三次枝が、二次枝上の腋芽からの形成を開始していた。主茎は大きく成長し、 苗条塊は平均して10個の節(3個の解体苗条につき9〜11個の範囲)を有し ていた。原移殖片の茎は基部において約2mm直径に増長し、一次、二次及び三次 枝の分岐点における茎直径は、その減少傾向が順々に小さくなる。固形、液体の 両培地からの原茎、一次及び二次枝はすべて、良く延伸した苗条端を生み出し、 かつ、厚く強健な茎と、2個又はそれ以上のよく離間した節とを有していた。苗 条の単一の分枝クラス内において、源枝が持っていた節の数に関係なく、収穫し た苗条の間には、顕著な程度に均質があった。ほとんどすべての三次枝は1個の 苗条端(2個の葉及び分裂組織)からなり、節はなかった。単一分枝クラスの苗 条間の最大の差異が、三次苗条の延伸の度合に見られた。良く延伸した三次苗条 のみを、後続の固形培地への移送のために収穫した。7個の主要接種苗条の基部 から発達した根のみを観測した。 観察された範囲内で、葉の水分過多の兆しは、良く広がった古い葉のみにおい て明瞭であって、培養槽稼動下の観測から期待されたような程度には進行しなか った。若い材料(即ち、苗条端及び頂端節において)は水分過多の著しい兆しを 示さなかった。苗条塊の解体により、古い茎は脆く、従って水分過多を示した。 液体MK培地中で生産された苗条塊からの収穫に引き続いて固形KMミクロ増 殖培地へ移送した後、苗条端移殖片及び節の移殖片は健全に見えた。移送から4 日後、活性炭を含むか又は含まないKMミクロ増殖培地に移送された移殖片間に 何らの差異をも検知しなかった。移殖片は、活性炭を欠いた固形KMミクロ増殖 培地上で以前培養されかつ同様に処理された苗条端及び節の移殖片と比較して、 健康に見えた。移送後28日を経て、頂端分裂組織(その存在する所において) の成長、新規の腋生の分裂組織成長の開始及び続いての腋生の苗条延伸成育は、 液体KM培地内で作られた苗条塊から収穫された移殖片、又は活性炭を欠く固形 ミクロ増殖培地上で以前培養された移殖片中と同様と思われた。 液体KM培地中で作られた苗条塊から収穫されたか、又は活性炭を欠く固形K Mミクロ増殖培地上で以前培養された苗条から収穫された苗条端移殖片の発根効 率を表3に示す。表3 発根用培地へ移送後28日を経過した 苗条端移殖片の発根効率 苗条端移殖片の発根百分率 発根処理 液体KM培地中で 活性炭を欠く固体 作られた苗条塊か KM培地上で作ら ら収穫された苗条 れた苗条培養から 端移殖片 収穫された苗条端 移殖片 半強度 KM発根用培地 86 66 半強度 KM発根用培地+ 52 41 活性炭 半強度 KM発根用培地: 84 53 5日間活性炭存在下、 23日間活性炭なし これらの3つの試験条件の下、液体KM培地中で作られた苗条塊から収穫され た苗条端移殖片の発根効率は、活性炭を欠く固形KMミクロ増殖培地上で以前培 養された苗条から収穫された苗条端移殖片のそれよりも高かった。該培養槽から 収穫された苗条端移殖片の発根を、固形発根用培地への移送後10日目、活性炭 を欠く固形ミクロ増殖培地上で以前培養された苗条から収穫された苗条端より2 日早く、最初に観測した。 上述したE.grandisのミクロ増殖は高い増殖速度を与えると共に、引き続く発 根のために多量の苗条を産出した。発根用の苗条は月当たり約50倍の増加を示 し、後続ミクロ増殖段階に使用可能なすべての移殖片の全数は月当たり100倍 以上に増加した。この高水準の増殖は、生物量の増加に反映された。 上述のように、液体培地中で作られた苗条塊から収穫された苗条の品質は高く 、水分過多の明白な兆しは殆ど無かった。観測された水分過多の兆しは古い組織 に限られていた。該培養槽から収穫された苗条は、固形培地上に繁殖した培養か ら直接的に収穫された基準苗条に比べて、IBAを含む固形培地上でより容易に 発根するように見える。この苗条の品質は、後述の実施例11に記載されたAcac ia mangiumの苗条の場合のように、温室内の堆肥中に直接発根するのに好適なく らいである。実施例2 E.grandisハイブリッドクローン及びE.grandis苗木の繁殖容量約2.5リット ルの、商業的に入手可能なポリカーボネート製容器(Box 20365,Rochester,NY 14602-00365、米国所在のNalge Co.社製、Nalgene型“2litre”容器;カタログ 番号2015-2000)及び入口及び出口ポートを含むポリプロピレン製スクリュート ップ(Nalgeneカタログ番号2162-0531)をガラス製容器の代わりに使用すること を除けば、実施例1に記載のエアーリフト法を使って、多数の異なるE.grandis ハイブリッドクローン及びミクロ増殖されたE.grandis苗木ラインT14 L10をミ クロ増殖した。 酸素供給/ばっ気システムを、実施例1に記載のように予め形成された(入口 )ポートを使用して、取り付けた。上述の液体KMミクロ増殖培地2.0リットル を、それぞれの容器に納め、これらの容器をオートクレーブで処理した(10分 間予熱、20分間全圧サイクル(12℃))。一旦冷却後、各容器を空気供給装 置に接続し1時間にわたり平衡化した後、前記クローン及び苗木ラインのうちの 1種の20苗条を接種した。これらのクローン及び苗木は以前、固形KM培地上 で繁殖されたものである。該容器のうちのあるものが繁殖する苗条塊で満杯にな ったので、該容器の稼動を、22日後に終了させた。 各容器から5個の典型的な苗条塊を、達成された増殖速度を評価するため、解 体された。表4は、使用された5種のクローン及び1種の苗木ラインについて得 られた増殖速度を示す。表4 エアーリフト培養槽における種々のE.grandisの 遺伝子型及びハイブリッドの増殖速度 苗条の遺伝子型 増殖速度 (22日後) (苗条5個の平均値) 苗木ライン T14 L10 24.4 E.grandis × camaldulensisクローン11/25 24.7 E.urophylla × grandisクローン 18.50 31.3 E.urophylla × grandisクローン 18.52 30.7 E.grandisクローン5046 11.7 E.grandisクローン5048 3.1 使用した6種の遺伝子型のうちの5種について増殖速度が、半固形(ゲル化) 培地系を使用して達成し得るものよりも格段に高い。該6種の遺伝子型のうちの 4種について増殖速度は、半固形(ゲル化)培地系を使用して達成し得るものよ り8〜10倍高い。実施例3 苗条を拘束するエアーリフト系を使用する、ユーカリの苗条の繁殖 実施例1及び2で使用したエアーリフト系を、苗条を液体培地中で自由に移動 させる代わりに、苗条上に培地を自由に動かすよう、穴のあいた125cm3不銹 鋼製籠内に接種苗条を拘束することより変更した。苗条を拘束しないで同じこと を行った。 250mlポリカーボネート容器(Nalgeneカタログ番号2127-0250)並びに入口 及び出口ポートを含むポリプロピレンスクリュートップ(Nalgeneカタログ番号2 162-0531)を既述の容器の代わりに使用したことを除けば、実施例2に記載 されたような方法を使用した。使用した培地の容量は、容器一個当たり150ml であった。該容器の準備及び操作は上述の実施例に記載の通りであった。 各容器に、E.grandis × camaldulensisクローン11/25の苗条5個か、又はミ クロ増殖されたE.grandis苗条ラインT14 L10の苗条5個で接種した。該苗条は 以前、固形KM培地培養上で増殖されたものである。該容器のうちの一組では、 苗条は自由に動かせた。該容器の別の一組では、苗条を上述の籠内に拘束した。 これらの苗条を21日間培養した後、得られた増殖速度を測定するために解体さ れた。得られた増殖速度を次の表5に示す。 表5 苗条の遺伝子型 増殖速度 (21日後) (苗条5個の平均値) 非拘束 拘束 E.grandis × camaldulensisクローン11/25 8 10 E.gradis苗木ライン T14 L10 17.7 16.8 得られた増殖速度は、苗条の自由運動が高い増殖速度を得るために必要ではな いことを示す。実施例4 振とうフラスコ系におけるユーカリ苗条の繁殖 ガスディフュージョン管を装置内に存在しなかったことを除けば、実施例3に 記載されたような方法を使用した。容器を、既述のように入口/出口ポートに付 けた単一フィルターを使用して大気に通流していた。該容器を毎分125回転で Infors CH 1043振とう器で22日間振とうさせた。使用した苗条は、ミクロ増殖 された苗木ラインT14 L10からのものであった。複数組の容器を稼動した。一組 の容器では、苗条を拘束しなかった。他の組では、実施例3に記載のように苗 条は籠内に拘束した。得られた増殖速度は、非拘束苗条について2、拘束苗条に ついて4.2であった。この結果は、増殖は植物性材料が完全に浸水状態にある振 とうフラスコ内で起こることを示す。実施例5 攪拌系を使用したユーカリの繁殖 振とうさせる代わりに、2.5cmマグネチックスターラーを使用して容器内容物 を攪拌することを除けば、実施例4に記載の手順を実行した。この攪拌子が毎分 約250回回転するように調節されたマグネチックスターラー上に容器を置いた 。各容器に、E.grandis × camaldulensisクローン11/25の苗条5個、又はミク ロ増殖されたE.grandis苗木ラインT14 L10の苗条5個を接種した。同じ容器一 組を稼働した。一組において苗条を実施例3に記載したような籠内に拘束し、他 の組では苗条を自由に動かした。結果を次の表6に示す。 表6 苗条の遺伝子型 増殖速度 (22日後) (苗条塊5個の平均値) 非拘束 拘束 E.grandis × camaldulensisクローン11/25 浸軟化 8 E.grandis 苗木ラインT14 L10 浸軟化 3.2 マグネチックスターラーによる苗条の機械的損傷のため、非拘束苗条を含む容 器からは利用可能な苗条は回収されなかった。実施例6 照明下及び暗所下におけるユーカリの苗条の繁殖 250ml容器を使用しかつ苗条はミクロ増殖されたE.grandis苗木ラインT14 L10からのものであったことを除けば、実施例2に記載の手順が、即ちエアーリ フト系を使用して、繰り返した。照明条件は本節の当初に記載された通り、即 ち光周期16時間の光(50〜70μmol m-2-1蛍光ランプにより供給) であった。同じことを行ったが、連続的照明の代わりに連続的暗所下で行った。 22日間にわたる培養後に得られた増殖速度は、照明下培養容器について24.4、 暗所下培養容器について21.2であった。これは、酸素供給が適切である限り、高 い苗条繁殖速度を得るためには光は重要でないことを示す。 暗所下で培養された苗条は、照明下で作られたものよりも延伸しており、この ことは、照明条件を加減することにより商業的なミクロ増殖系にとって重要な苗 条品質の調節が可能なことを示す。例えば、E.grandis及び関連するハイブリッ ドの延伸した苗条はしばしば、短い苗条よりも効率的に発根する。実施例7 光合成による酸素供給を用いたユーカリの繁殖 装置からガス分配管を省いたことを除き、実施例6に記載の手順、即ち照明下 及び暗所下の培養を行った。このシステムにおいては、対流及び/又は拡散以外 の攪拌は存在せず、積極的、即ち外部から与えられる酸素供給はない。苗条は、 ミクロ増殖されたE.grandis苗木ラインT14 L10からのものであった。 22日後に得られた苗条増殖速度は、照明下培養容器について6.2、暗所下の ものについて1(増殖なし)であった。この結果は、光合成は、活動的な酸素処 理、即ち外部から加えられる酸素処理を少なくとも部分的に補償することを示す 。実施例8 酸素処理及び照明下のユーカリの繁殖 液体培地を泡立てて通る空気を純窒素で置換したことを除き、連続的照明条件 を用いる実施例6に記載の方法を繰り返した。E.grandis × camaldulensisク ローン11/25の苗条を使用した。 空気を使用したとき(実施例6参照)の増殖速度10に比べて、窒素を使用し て増殖速度4を得た。これは、苗条の増殖を支援するためには、活動的、即ち外 部から与えられる酸素処理及び/又は光合成による適切な酸素処理が必要である ことを示す。実施例9 種々異なる植え込み数を使用したユーカリの繁殖 容器にE.grandis × camaldulensisクローン11/25の苗条各5、20又は50 個を接種したことを除き、実施例2に記載の方法を行った。23日間の培養後、 得られた増殖速度は各々、8、24.7及び36.4であった。これは高い接種密度を使 用するのが有利なことを示す。実施例10 苗条材料のリサイクル化によるユーカリの繁殖 実施例2に記載の手順を使用して、E.grandis × camaldulensisクローン11/ 25及びミクロ増殖した苗木ラインT14 L10を培養容器中に接種し、23日後に収 穫した。苗条塊から20個の苗条を解体し、直ちに新鮮な液体培地を含む容器中 に接種し、さらに23日間にわたり培養した。この過程をもう1サイクル繰り返 し、合計3回の繁殖サイクルを行った。 各サイクル間で苗条増殖速度は大きくは異ならず、継続サイクル後に生まれた 苗条に品質の劣化はなかった。これは、苗条材料が液体繁殖の複数の継続ラウン ドを通してリサイクル可能なことを示すものであり、重要な商業的利点である。実施例11 Acacia mangiumの繁殖 (i) Acacia mangiumのミクロ増殖培養を、HDRC,Ryton on Dunsmore,Coventry CV8 3LG UKから得られた種子(seedlot 945)から作った。 (ii) 以前、2.2μM BAPで補足されたComplete MS salts Medium(Murashi ge及びSkoog,1962)からなる半固形培地上に作られたミクロ増殖したAcacia ma ngiumの苗条を、同じ組成ではあるがゲル化剤を欠く液体培地中に接種した。方 法及び装置はこの他の点に関して実施例2に記載のとおりであった。 苗条は、水分過多(透化)の兆しを示さず、良好に増殖した(増殖速度12〜 15倍/月)。苗条の固まりは基部からの根を形成した。半固形培地について以 前記載した方法を使用したこの苗木から由来した材料の苗条増殖速度は3倍/月 以下であった。 (iii) 前記(ii)節に記載の液体ミクロ増殖を使用して作られた10〜20mm長 の苗条を収穫し、発根用パウダー(rooting powder)(Seradix No.2 rooting powder,Hortichem Ltd.Salisbury,Wilts SP2 7NU,UK)中に浸け、そして霧箱 (相対湿度96%)内、25℃、日陰の晝光(最大250μmol m-2-1) 下で堆肥中に発根のため置いた。得られた発根効率は、この方法で作られた材料 の場合70%を越えたのに対して、同じ発根手順を使用して半固形培地上で作ら れた苗条の場合60%以下であった。 (iv) 液体繁殖の複数の継続ラウンドを通してAcacia mangiumの苗条材料をリサ イクルする効果を、前記(ii)節に記載の方法により測定した。苗条は、前記(ii) 節に記載のエアーリフト培養槽系内の1ヶ月間繁殖の最初のサイクル後に収穫し 、新鮮な培地を含む容器中に再接種し、さらに1ヶ月間培養した。このプロセス をさらにもう1サイクル繰り返し、合計3繁殖サイクルを得た。苗条増殖速度は 各サイクルの間でたいして異ならず、また、繰り返しサイクル後に得られた苗条 の品質の劣化は認められなかった。出発材料をリサイクルする能力は重要な商業 的利点である。実施例12 オリーブ(Olive)の繁殖 ルジニ(Rugini)他により開示された(Sci Hortic(Amst),24(2),1984,123 -134頁)半固形培地上に予め形成されたオリエ・イウロピア・カルチバール・ド ルシ・アゴジア(Olea europaea cultivar Dolce Agogia)のミクロ増殖した苗条 を、同一組成ではあるが、4.9μM Zeatin及び2.9μM GA3(ジベレリン酸)に 調整した植物ホルモンを加え、ゲル化剤を含まない液体培地に接種した。この方 法及び使用装置は実施例2に記載のものであった。 その結果、非常に健全な材料が得られた。増殖速度は、ゲル化培地系(ゲル化 培地系上にこの遺伝子型に対し最大6倍/月に対し液体培地で7倍/月)に対し て従来公表されたものよりもわずかに高く、そしてゲル化系に対し液体系の下記 のような2つの更に重要な利点を示した。 1) 得られた苗条はより健全であり、ゲル化系のすべてが白化(黄化)を報じ 、一方、液体系は濃緑色の健全な苗条を生成する。 2) 液体系で生成した苗条はより伸長しそれ故に発根に先立っての長期の伸長 工程を必要としない。ゲル化培地系に生成する苗条は発根前、長期(1ヶ月以上 )の伸長工程を要する。実施例13 ツツジ(Rhododendron)の伸長 ロイドおよびマッコワン(Lloydand McCowan)により発表された(Combined Pro ceedings of the International Plant Breeders Sjociety 30,1980,421-437 頁)半固形培地に予め生成されたロドデンドロン・ヤクラマナム・カルティバー ル・ドペイ(Rhododendron yakushimanum cultivar Dopey)のミクロ増殖された 苗条を、同一組成ではあるが2.5μM 2ip(N6−(2−イソペンチルアデニ ン)に調整された植物ホルモンを加え、ゲル化剤を含まない液体培地に接種した 。この方法および使用装置は実施例2に記載のものであった。 6倍繁殖が4週間で得られ、これはゲル化培地で6週間2〜3倍繁殖と対比さ れよう。 この液体培養系に従って得られた苗条の均質性は、ゲル化繁殖系を使用して得 られた苗条に対しはるかに優れていた。この液体系の一つの大きな利点は不定の 苗条は全く生成せず、すべての新苗条が腋芽から生成されることである。すべて のゲル化系において、多量のカルスが繁殖する苗条の基部に形成され得る。不定 苗条は、たびたび、このカルスから器官形成を経て生成される。これらの不定苗 条は、ソマクローン変異のために、純種でない(すなわち異常)。(この現象は 、よく染色体数の変化または染色体転位と関連する)。現在市販のツツジ生産者 は、カルス形成および不定新芽生成を避けて、この植物が確実に純種であるよう に、増殖速度を犠牲にしなければならない。本発明の液体系はこの問題を回避す るのである。 バイオリアクター内で生成される苗条、アカシアマンギウム(Acacia mangium )に関して記載した方法を使用して、堆肥に発根する前に前記した半固形培地上 での2〜3週間の培養により、伸長する。ここに得られた発根効率は、90%以 上で、同一発根法を使用した前記した半固形培地上で生成した苗条の発根効率に 等しい。バイオリアクター内での生長条件の操作により、液体培養からの収穫直 後の発根をセットするに適するような、より伸長した苗条の生産が加速される。実施例14 マラス ドメスチカ(Malus domestica)の繁殖 5μM BAP、0.5μM BAPおよび3μM GA3を補充した完全なMS 塩培地(ムラシゲおよびスクーグ(Murashige and Skoog)1962)からなる半 固形培地上に予め生成されたミクロ増殖されたマラスドメスチカ・カルティバー ル・グリーンスリーブス(Malus domestica cultivar Greensleeves)を、ゲル化 剤および植物生長剤を含まない同一組成の液体培地に接種した。この方法および 使用装置は実施例2に記載のものであった。 達成された苗条増殖速度は、3倍/月であり、上記半固形培地で得られた速度 と同じであった。しかし、この液体系は半固形系よりも少ない処理工程で済み、 従って商業的利点を示す。ここに得られた苗条は、多少の水分過多現象を示すが 、容器から収穫した苗条を前記の半固形培地に植え変えたところすべての生長は かかる現象を示さなかった。実施例15 レンギョウ(Forsythia)の繁殖 (リンスマイアーESおよびスクーグS(Linsmaier ES & Scoog S)Phys.Pl .(1965)18 100-127頁)に記載の半固形培地LS(3%スクローズおよび1 0μM BAP補充)上で予め生成されたホルシチア x インターメディア cv.リンウッド(Forsythia x intermedia cv.Lynwood)のミクロ増殖苗条1 5個が同一の組成でゲル化剤を含まない液体培地に接種され、使用方法および装 置は実施例2と同様であった。これら苗条は4週間後に収穫された。 収穫された苗条は良好に成育していた。水分過多の様子は見られず、苗条はそ の外観、特に組織および色において半固形培地で育成した苗条と変わり無かった 。しかし、半固形培地上では多数の短い苗条の塊が生じ、その中2〜3個の苗条 が正常に伸長した。液体培地では、すべての苗条が伸長し、全体の増殖速度は半 固形培地におけるよりもはるかに高くすることができる。液体培地から収穫した 苗条は、温室内の立ち枯れ堆肥に直接発根するのに適していると思われる。実施例16 シリンジア(Syringia)の繁殖 (リンスマイアーESおよびスクーグS(Linsmaier ES & Scoog S)Phys.Pl .(1965)18 100-127頁)に記載の半固形LS培地(3%スクローズおよび3 0μM BAP補充又は3%スクローズおよび10μMゼアチン補充)を、シリ ンジア・バルガリス cv.マダム・ラモイネ(Syringia vulgaris cv.Madame Lamoine)のミクロ増殖に使用した。BAP補足培地は、良好な繁殖をもたらした が、伸長は不足で、一方ゼアチン培地は苗条繁殖が不足であった。BAP培地上 での苗条塊は、伸長のためにゼアチン培地へ移した。液体培養のために、ゲル化 剤無しのBAP培地を、液体培地として使用した。 ミクロ増殖された苗条15個を、この液体培地に接種し、その他使用方法およ び装置は実施例2と同じであった。4週間後に、苗条を収穫した。元の培養移植 された植物の葉は、茶色に変色したが、新生のものは、濃い緑色で水分過多のい くつかの徴候を示した。これら苗条は温室内の立ち枯れ堆肥に直接発根するに適 していると思われる。実施例17 E.グランディス クローン(E.GRANDIS CLONES)、E.グランディス/E. カマルズレンシス ハイブリッド クローンズ(E.GRANDIS/E.CAMALDULENSISH YBRID CLONES)および E.サリグナ/E.テレティコルニス ハイブリッド クローン(E.SALIGNA/E.TERETICORNIS HYBRID CLONES)の形質変換、選択およ び繁殖 a)無防備(disarmed)アグロバクテリウム菌株 A.ツメファシエンス(A .tumefaciens)菌株EHA101の構造は、ホード (Hood)らにより1986年開示された。この菌株は、ノパリンの誘導体であるA .ツメファシエンス(A .tumefaciens)菌株C58からなり、未変性Tiプラス ミドが除かれ、そして無防備TiプラスミドpEHA101に置き変わったもの で、ここに野生型T−DNA(すなわち、オパイン合成および植物ホルモン遺伝 子)がTiプラスミドから除かれ、そして細菌で発現されるカナマイシン/ネオ マイシン抵抗遺伝子に取って代えられた。この無防備プラスミドpEHA101 は、A.ツメファシエンス(A .tumefaciens)菌株Bo542(AT4)から単 離された野生型のTiプラスミドpTiBo542の派生体であり、これはホー ド(Hood)により1986年に開示されたL,L−スクシナモピン生成菌株であ る。菌株EHA101Aは、1988年にオルスベルスキ(Olszwelski)らによ り単離された菌株EHA101のクロラムフェニコール抵抗突然変異株である。 b)バイナリーベクタ構成 形質変換に使用されるこの菌株は、バイナリーTiプラスミドpSCV1.6も 含み、これはpSCV1の派生物である。これらのプラスミドにかかわる遺伝子 操作は、標準の技術(1989年サムブルック(Sambrook)らにより開示)を使 用して行った。pSCV1の構成成分は、下記(グラム陰性)プラスミドに由来 する。この右DNA境界(border)およびオーバードライブ配列のために使用さ れる配列は、オクトパインTiプラスミドpTiA6のTL右境界からの配列情 報(1986年ペラルタ(Peralta)がにより開示)を使用して合成された。その 左境界は、同じTiプラスミドのTLからの配列情報(1982年シンプソン(S impson)らにより開示)を使用して合成され、そしてオクトパインプラスミドp TiACH5のTL左境界(1983年ホルスターズ(Holsters)らにより開示 )と同一である。オクトパイン型境界情報が、超毒性株と関連して使用されると さらに能率的腫瘍情報を促進することが示された(1986年ホルスターズ(Ho lsters)らにより開示)ので、これが使用された。該T−DNAに遺伝子をクロ ーニングするための制限酵素サイトを含む97bpポリリンカーは、pUC19 (1985年ヤニッシ−ペロン(Yannish-Perron)らにより開示)に由来した。 E.コリー(E .coli)細胞内で活性であるが、アグロバクテリウム(Agro-bacteri um )細胞ではそうでない複製の高コピー数原(origin)は、pUC19(198 5年ヤニッシ−ペロン(Yannish-Perron)らにより開示)に由来した。pUC1 9の複製の原は、それ自体、プラスミドColE1、すなわちE.コリー(E.co li )から単離されたプラスミドに元来由来したものである。使用された実際のp UC配列は、いくつかの非機能的(余分の)DNA配列を除くため、広く削除さ れた。E.コリー細胞とアグロバクテリウム細胞の両方中で活性な複製の低コピ ーナ数原(origin)は、広い宿主域Inc PプラスミドRK2に由来した。こ れに使用の原は、最小4.3kb原であり、これは野生型RK2プラスミド(19 80年トーマス(Thomas)らにより開示)中に存在する非機能的配列の多くを削 除することにより構成されたものである。それ故に、この最小原は、2つの遺伝 子(trf Aおよびtrf B)のみを含み、そしてバクテリア中での複製の ために必要な非コード配列を含む。細菌発現ゲンタミシン/カナマイシン抵抗性 遺伝子は、プラスミドpSa(1988年エドワーズ(Edwards)により開示)か ら誘導され、そして恐らくはアミノグリコサイドアセチラーゼ(1989年バラ ンティンおよびカトウ(Valantine and Kato)により開示)であろう。それらは 、明らかにネオマイシンフォスフォトランスファーゼIIコード領域(1988年 エドワーズにより開示)と相同性を有しない。細菌発現アンピシリン/カルベニ シリン抵抗(β−ラクタマーゼ、bla)遺伝子は、pUC19(1985年ヤ ニッシ−ペロン(Yannish-Perron)らにより開示)からクローンされた。pSC V1の遺伝子および制限地図を図3に示す。 図3において、AmpRおよびGm/KmRは、細菌(バクテリア)中でのプラ スミド選択用の抗生物質抵抗遺伝子を意味する。trfA、trfB、RK2お よびCol E1原は、バクテリア複製機能を示す。ODは、オーバードライブ (T−DNA転移エンハンサー)配列を示す。Bam H1,,Bcl 1、C la 1などは、制限エンドヌクレマーゼ確認配列を意味する。マップ単位はヌ クレオチド配列のキロ塩基対で与えられる。 pSCV1.6は、pSCV1の派生物で、これに向けT−DNA境界間で、植 物発現β−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子および植物発現カナマイシン抵抗 遺伝子が、クローンされた。CaMV−NPTIIは、フロム(Fromm)らにより 1986年開示の構成に由来した。しかし、植物遺伝子操作に使用された最も一 般的なNPTII遺伝子のいくつかは、カナマイシンを解毒する減効作用を有す る(Yenofskyらにより1990年開示)突然変異体酵素をエンコードする。この 突然変異体は、グルタミン酸残基をネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(N PTII)酵素(元来バクテリアルトランスポソンTn5(transposon Tn5)か ら単離された)の活性サイトで、アスパルギン酸に置き換えることになる単独塩 基交換を必要とする。mRNAおよび蛋白質の安定性は、突然変異により影響を 受けないと思えるが、カナマイシンに対する酵素作用は、明白に減少する。遺伝 子における突然変異の存在は、NPTIIコード配列における制限エンドヌクレ アーゼXhoIIのためのサイトの損失をチェックすることにより確認できる。 この突然変異は、CaMV−HPTII(Frommらにより1986年発表)に存 在することが判明し、そして次のようにして修復された。プラスミドpSUP2 021(Simonらにより1983年開示)は、その寸法が約10kbであり、ト ランスポソンTn5(transposon Tn5)の完全なコピーを含む。このプラスミド のPst 1およびSma 1による消化は、Tn5内の位置1730から25 18へと伸びる788 bpフラグメントを与える(Beckらにより1982年発 表)。このフラグメントSph 1(352および436bpのフラグメントを 与える)又はXhoII(120、246、394および28bpのフラグメン トを与える)により単離され、制限されそしてそれ故に位置2096における突 然変異に関して野生型となる。Pst 1/Sma 1フラグメントはPst 1/Sma 1 cut pUC19にサブクローンされ、pTn5subを生 成した。これは次いで、Sma 1により消化され、そして8merリン酸化し たBam H1リンカーにより結合された。Sma 1サイトがBam H1サ イトに変換された(pTn5subA)クローンは、次いでSph 1およびB am H1により消化され、そして436bpフラグメント(位置2082から 2518)は単離された。これを、pCaMVNeo(位置1540から208 2)およびH1消化pUC19からの542bp Bam H1/Sph 1フ ラグメントを用いた三分節系リゲレーションに使用した。組み替え体を制限する ために、436および542Bam H1/Sph 1フラグメントの両者を含 むことを保証するBam H1およびSph 1、ならびに位置2096におい てサイトを復活したことを確認するXho IIを使用した。この構成は、Ba m H1フラグメントを含み、これはNPTII遺伝子コード配列でFromm他に より1986年発表され、pCaMVNeoを作るのに使用されたBam H1 フラグメントと本質的に同一の配列である(ただし突然変異は修正されたことを 除く)。この構成を、pneoNeoと称した。NPTIIコード配列を含むp neoNeoのBam H1インサートを、次いで単離し、およびBam H1 制限pCaMVNeoから単離された大きな(ほぼ3kbの)フラグメントで再 結合した。ここで、このフラグメントは、ベクタおよびCaMVプロモーター、 ならびにノパリンシンターゼ遺伝子3’終結配列を含んだ。組み換え体は、Pv u II(2つのサイト)両方またはpCaMVneoNeoを与えるEcoR 1/Sph 1(両方ともに特有)を使用して、正確な配向のためにpCaMV neoに対して確認された。これは、さらにXho IIサイトの正確な数に対 してチェックされた。 復活された植物発現カナマイシン抵抗遺伝子を含むpCaMVneoNeoか らのHind IIIフラグメントは、pSCV1のHind IIIサイトへ とクローンされて、プラスミドpSCV1.2を生じた。pSCV1.2を、部分的に Hind IIIで消化し、そして直線状10.2kb生成物を単離した。これを、 子牛内蔵アルカリ性ホスファターゼで脱リン酸化し、そしてプラスミドpGUS INTから単離された(Vancanneytらにより1990発表)植物表現β−グルク ロニダーゼ遺伝子(CaMV−GUS INT遺伝子)含有2.8kb Hing III DNAフラグメントで結合した。 得られた構成(pSCV1.6)におけるT−DNAマップは、該遺伝子の配向 および植物への転移のためのDNA領域を示し、図4に示される。 図4においてマップに記載の略語は次のとおりである。 B=Bam H1;Bg=Bg1 II; C=Cla 1; E=Eco R1;EV=Eco RV;H=Hind III;K=Kpn 1;P=Ps t 1;S=Sac 1;Sm=Sma 1;Sp=Sph1;X=Xba 1 ;Xh=Xho 1;OD=オーバードライブ(T−DNA転移エンハンサー) c)バイナリープラスミドベクタpSCV1.6の無防備A.ツメファシエンス(A .tumefaciens)菌株への導入 アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)菌株E HA101Aの細胞を、ウエンジュンおよびフォルデ(Wen-junおよびForde)によ り1989年開示されたBiorad Gene Pulserを使用するエレクトロポーレーショ ンで形質変換した。 d)アグロバクテリウムイノキュラム(Agrobacterium inoculum)の製造 バイナリープラスミドpSCV1.6を含有するアグロバクテリウムツメファシ エンス(Agrobacterium tumefaciens)菌株EHA101Aの一夜越し液体培養を 、YEB培地(トリプトン5gl-1、イースト抽出物1gl-1、ビーフ抽出物5 gl-1、マグネシウムサルフェート0.46gl-1、pH7.2およびオートクレーブ 加圧処理後に加えたスクローゼ5gl-1)にさらにクロラムフェニコール50mg l-1、ネオマイシン25mgl-1およびゲンタミシン15mgl-1を含む培地の上で 、28℃にて烈しい攪拌をしながら育成した。新たな一夜越し液体培養の10μ lを新たな培地25ml中に接種し、そして24時間成育した。細胞を、10分間 6000gで遠心分離により収穫し、2mMのMgSO4中に再懸濁し、リペレッ ト(repellet)した。これら細胞を、さらに2mMのMgSO4中で洗浄し、次いで 一回、液体クローン共生培養培地(後記)中で洗浄した。これらの細胞を、最終 的に、液体クローン共生培養培地中に再懸濁し、そして移植片の共生培養に備え て109細胞ml-1の濃度に希釈した。 e)植物性材料 E.グランディス クローン91/4(E.grandis clone 91/4)およびE.グ ランディス/E.カマルズレンシス ハイブリッドクローン11/25(E.gra ndis/E.camaldulensis hybrid clone 11/25)をSouth African Forestry Resea rch Institute,PO Box 727,プレトリア0001,南アフリカ共和国(現在FOR ESTEK,Private Bag X11227,Nelspruit 1200,南アフリカ)から供給した。E .サリグナ/E.テレティコルニス ハイブリッド2.32(E.saligna/E.ter eticornis hybrid 2.32)をCentre de Development Forestier,B.P.764,Poin t Noire,コンゴ共和国から得た。貯蔵植物は、成熟した樹木を切り倒し、そし てその切株内の萌芽から生ずる新しい生成部分から、切り穂(cuttings)を収穫 した。これらの切り穂を、通常の樹木培養技術を使用して発根し、次いで10l のポット中に鉢植えし、温室内で貯蔵植物として保持した。必要なところで、ガ ラス器内でミクロ増殖させた苗条培養を、これら貯蔵植物から開始させ、その際 、貯蔵植物から節茎(nodal stem)移植片を収穫し、そして0.1% v/v Twe en20を含む20% v/v Milton溶液に10分間ゆっくりと攪拌して、 浸液滅菌を行った。節茎移植片を、次いで滅菌した蒸留水で軽く3回すすぎ、次 の苗条増殖培地上で培養した。該培地は、190mg l-1MgSO4、85mgl- 1 KH2PO4、半強度MurashigeおよびSkoogによる基礎塩ミクロヌトリエ ント溶液(カタログ番号M0529)、MorelおよびWetmore(1951)開示のビタ ミン、10g l-1スクローゼ、0.04mg l-1BAP、300mg l-1オウグメ ンチン、pHはKOHにより5.6に調整、2g l-1フィタゲル(phytagel)か らなる。これらの培養は、白昼照明条件(50−70μmolm-2-1)にて1 6時間23℃で繁殖させた。この増殖苗条を分割し、そして新鮮なクローン苗条 繁殖培地へと4週間毎に継代培養させた。 f)形質変換のための移植片製造 これらのクローンからの葉、葉柄または茎の移植片を、無菌ミクロ増殖された 苗条培養、あるいは無滅菌の発根ミクロ増殖苗条(ミクロ増殖および続く苗条の 発根のプロトコールは下記する)から直接に製造した。別法として、葉、葉柄ま たは茎の移植片は、温室内または畑で成長させたラメート(ミクロ増殖を経てま たは挿し木により製造)から製造し、そしてアグロバクテリウムツメファシエン ス(Agrobacterium tumefaciens)による共生培養に先立って滅菌した。この場合 、長さが3cmより小さい健全な葉を有する若いつぎ穂を、高さ1.5メートルより 小さい、元気の良い植物からの樹冠の上部から収穫し、そして0.1%v/vのTw een20を含有する20% v/v Milton溶液中にゆっくりと攪拌しなが ら10分間浸漬滅菌した。これらのつぎ穂を、次いで切断前に3回滅菌蒸留水中 でリンスした。3〜5mmの葉の移植片、または2〜4m長の葉茎又は葉柄の切断 片がこのつぎ穂から製造し、そしてA.ツメファシエンス菌株との共生培養に必 要なまで、(下記の)液体クローン共生培養培地内に置いた。 g)アグロバクテリウムを有する移植片の接種、および遺伝子変異されたと推定 される苗条の再生 前記のクローンの葉、葉柄または茎を、前記に製造されたアグロバクテリウム 懸濁液を用いて、滅菌された9cmペトリ皿上で15分間共生培養した。この皿は 、軌道シェーカー上に載置し、そして保温しながら緩やかに23℃で振とうした 。保温後、余剰のバクテリア懸濁液は低フィルターによるブロッティングにより 移植片から除去されそしてこの胚軸移植片は次の固形クローン共栽培培地に移植 された。同培地は750mg l-1 KNO3、250mg l-1 MgSO4・7H2 O、250mg l-1 NH42PO4、100mg l-1 Cal2・2 H2O、20g l-1 スクローゼ、600mg l-1 2−〔N−モルホリオ〕 エタンスルホン酸(MES)、MurashigeおよびSkoog基礎塩ミクロヌトリエント 半強溶液(Sigmaカタログ番号M0529)、MorelおよびWetmoreにより195 1年発表のビタミン類、0.1〜1(eg l)mg l-1 CPPU、0.465mg l-1 NAAで、pH値KOHにより5.5に調整;3g l-1 フィタゲル(phy tagel)から成った。この移植片を、アグロバクテリウム菌株と共に暗所で23 ℃、48時間、共生培養した。保温後、過剰のバクテリア懸濁液を、紙フィルタ ーによるブロッティングにより移植片から除き、そして移植片を次いで400mg l-1 オウグメンチン含有の液体クローン共生培養培地内で23℃かつゆるや かな振動しながら2回洗浄した(各回3時間洗浄)。これら移植片を、次いでク ローン苗条誘導培地に移した(クローン共生培養培地は500mg l-1 グルタ ミン、50mg l-1のアスコルビン酸および300mg l-1のオウグメンチンを 含有)。これら移植片を、暗所、23℃、4週間保温し、2週間この暗所保温期 の終わりに、新しい培地へと継代培養した。この培養を、次いで連続照明(40 μmol m-2-1)へと移し、そして23℃で保温した。この培養を、次いで 苗条プリモルディア(primordia)の充分な数が観察されるまで、2週間毎に新し いクローン新芽誘導培地に継代培養した。これら移植片を、クローン苗条伸長培 地(クローン苗条誘導培地として)継代培養したが、CPPUを省きNAA濃度 を0.112mg l-1に調節し、さらに1.16mg l-1 BAPを含有して連続 照明下(40μmol m-2-1)23℃で保温した。 h)遺伝子変異されたと推定される苗条の選択、繁殖および発根 約1mm程度より長い苗条を再生するのに適した数が、移植片上に存在する時、 これら移植片を、上記の液体KMミクロ増殖培地で300mg l-1オウグメンチ ンおよび30〜120、一般的には50〜60mg l-1 パロモマイシンを含む エアリフト培養槽に移した。適当な期間後、すなわち使用されたパロモマイシン の濃度に依存して一般的に5〜20日の期間後、遺伝子変異したと見られる苗条 を、茶褐色の壊死した多数の非GM苗条と対比して、健全な緑の外観、急速な成 長および伸長により確認した。これらの遺伝子変異候補苗条を、次いで新しい液 体KMミクロ増殖培地(パロモマイシンと共にまたは無しで)へ移植し、そし てさらに1ヶ月後、各個原苗条が、今や有枝苗条の多量を形成した。これら苗条 を、次いで発根用培地(クローン苗条繁殖培地、すなわち固形KM培地であるが 、BAPを欠き0.2mg l-1 IBAを含む)へ移植発根し、そして16時間の 白昼照明条件(50〜70μmol m-2-1)を使用して、24時間23℃で 保温した。液体培養または固形培養の何れかで、付加的繁殖工程を苗条の発根に 先立って必要的に実施できる。根誘導工程に次いで、生成する根を有する苗条を 、マゼンタポット中の消毒ピートペレット(英国ケンブリッジ、マーチ、14/ 16コマーシャルロード所在、Jiffy Products(UK)Limited社製品)へ移植し 、発根を確実のものとした。 勢い良く成長する根がピートペレットを通して成長するのが認めらたときに、 その植物を、ココピートで満たされた約7.5cm(3インチ)平方のプラントポッ トへと移植した。これら植物を、ミストプロパゲータ内に置き、そしてゆっくり と一週間に亘って湿度を減少して、硬化させた。3〜4週間後、これら植物を、 ほぼ17.5cm(7インチ)のポットに移し、そして温室設備に配置し。これら植物 を、自然下に育て、そして毎日水をやった。 i) この液体ミクロ増殖系により製造された植物に対して実施例1に観察され た有利な結果が、エアーリフト培養槽を使用して選択され、そしてミクロ増殖さ れた遺伝子変換植物に対する本例でも観察された。 さらに、時間、労力および材料における顕著な節約が、固形(ゲル化した)培 地上での通常方法での選択およびミクロ増殖に比較して達成され、さらに通常法 および本発明の両方に共通な共生栽培においても然りであった。 アグロバクテリア使用の形質変換における最初の工程は、上記両方法に共通で ある。この通常の方法は、次いで固形培地を使用する選択工程を有する苗条誘導 工程を組み込む。上記したように、この選択剤の存在は、たびたび形質変換した 細胞および組織の成長および/または発達を遅らせる。これは、本件の場合、図 示されG−418を選択剤として使用して固形培地上で遺伝子修飾ユーカリプタ ス(Eucalyptus)のクローンが、21週間で生ずることで例証される。次ぐ工程 すなわち固形培地での選択された遺伝子修飾苗条の苗条伸長は、約6週間で生じ 、ミクロ増殖に適した材料を得るためには総計約27週となる。 対照的に、本実施例において、事実上の遺伝子変形材料は、初め、選択無しに 、固形培地上で約9週間培養される。選択は、次いで液体液内培養で実施される 。形質変換された材料は、10日内に形質変換してない材料から区別できる。し たがって、この選択工程の総時間は、丁度10週以上であり、通常法を使用する 選択に要する27週と対比される。この時間的な驚くべき節約ばかりか、労力お よび材料も大変に節約でき、ここに選択された材料は、特に高品質で、形質変換 を受けなかったミクロ増殖苗条に対して実施例1に記載の諸性質及び特性を有す るのである。これら苗条は緑色で健全で良く伸びた苗条先端部を持ち、そして厚 い強健な茎および良く離隔した節等を有する。苗条は極度に均質で、これは商業 上特に重要である。 形質変換したユーカリプタス苗条の次いでのミクロ増殖は固体培地を使用する 通常方法では約16週間要する。この液体液内選択工程後に得られた高品質材料 を使用し、この液体液内培養法を使用するミクロ増殖は約6週間を要するのみで 、(10週間)の更なる時間節約を生じ、更に実施例1に上記した特に高品質の 材料を生成する。この液体液内培養により得られた苗条は、通常の固体培養から の苗条よりもはるかに容易に発根すると思われる。 総括するに、この実施例に記載の方法は、時間、労力および材料における節約 をもたらし、そして通常方法から得られるものより高い品質の形質変換材料のよ り多くの量を生成する。遺伝子修飾ユーカリプタス植物の生化学的および遺伝的分析 i)組織化学β−グルクロニダーゼ(GUS)測定結果 組織化学GUS測定を事実上の遺伝子変換ユーカリプタス(Eucalyptus)クロ ーン及び苗条由来材料(Draperらにより1988年発表になる)の葉で実施した 。葉移植片を固定液(100ml重複蒸留した水で、750μl 140%ホルムア ルデヒド、2ml 0.5M MES及び5.46g l-1マンニトール含有)含有ペト リ皿に移した。このペトリ皿を真空デシケータに設置し、そしてこの槽を固定液 中にすべての移植片が浸水するまで数回排気した。これらの移植片を室温にて4 5分間保温し次いで50mMリン酸ソーダ緩衡液(pH7.0)で2回洗浄した。 この移植片を次いで、50mMのリン酸ソーダ緩衡液(pH7.0)なかで作られ た2mMのの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイルグルタロナイド(X−G LUC)に移した。このX−GLUS溶液を該移植片へと数回真空浸透し、この 皿をネスコフィルムで密閉し、次いで37℃で一夜保温した。該移植片を70% エタノールに移して反応を停止させた。GUS作用を不溶性ブルーステインの存 在により検知した。 ii)サザンブロッティングおよびハイブリダイゼーションによるトランスゲニッ クユーカリプタス植物へ移行させた遺伝子の検知 DNA抽出をKeil及びGriffin(1994)により開示されたように実施し、 10ミクログラムのDNAを形質変換されたユーカリプタス植物から単離し、適 当な制限緩衡液中で、Kpn1およびXba1により消化した。DNAの消化を 助けるため、カゼインを最終濃度0.1mg/ml(Drayer及びSchulte-Hol thausenが 1971年開示)で、この制限緩衡液に添加した。この制限は、一夜37℃で実 施した。サンプルの電気泳動、サザンブロッティング及びハイブリダイゼーショ ンをSambrookら(1986)記載のように実施した。プラスミドpJIT65(G uerineau、1990発表)をEco RVにより消化し、そしてプラスミドpC aMVはBam H1で消化した。得られる制限フラグメントを、1.5%アガロ アーゼゲル(Sambrookら、1989発表)電気泳動により分離した。GUS遺伝 子のコード配列の一部を含むDNAフラグメント(約)2kbおよびカリフラワ ーモザイクビールス35S遺伝子ターミネーター域およびNPT2コード配列を 含有DNAフラグメント(約)1.0kbをHeeryら1990年発表の方法により、 このゲルから溶離した。溶離されたフラグメントをBoehringer Manheimにより供 給されそしてハイブリダイゼーション・プローグとして使用されるランダムプラ イマー・ラベリングキットを使用して、FeinbergおよびVogelsteinが1983年 発表した方法によりラベルした(radio labelled)。 iii) 結果 上記a)およびb)に記載したような本発明方法は、形質変換したユーカリプ タス植物を能率的かつ短期間に生産でき、これは既に予め畑で成育した成熟植物 (クローン)に由来した移植片からでさえも、そしてそれに対して形質変換した 植物の生産が可能であると立証されていなかった成熟植物(クローン)からも実 現できた。これらの方法の能率は、形質変換されたユーカリプタス種またはその ハイブリッドの何れからでも生産されるべき個々の形質変換から結果する個々の 植物の大量生産を実現できる。これらの実施例のすべてにおいて、遺伝子修飾さ れた苗条が、遺伝子変換されたカルスから器官形成を経て得られた。幾つかの場 合において、器官形成と体細胞胚形成が培養の幾つかにおいて混然として観察で きた。特に再生培地における培養期間が長期に亘り続いた場合然りであった。上 記のすべての方法において、有能な植物は回復して室温条件下育成されると通常 の表現型を示した。ユーカリプタス種又はハイブリッドの何れかからの遺伝子修 飾植物の高比率(70%以上)が組織化学的色付けにより測定される、β−グル クロニダーゼ遺伝子を発現することが見い出された。同様に、再生された苗条の 少なくとも80%においてユーカリプタス種またはその雑種のゲノム中に一体化 された。pSCV1.6のT−DNAからの遺伝子の少なくとも一つを含有するこ とが判った。T−DNAの存在およびユーカリプタス植物の生産法に使用されたアグロバクテ リウムツメファシエンス菌株(tumefaciens strain)の不存在に関する、ポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)を使用する、遺伝子的に操作されたユーカリプタス植 物の分析 PCR反応は、Perkin-Elmer Cetus DNAサーマルサイクラー(Perkin-Elmer社 製、Beaconsfield,Bucks,UK)を使用して行った。この反応は、1x反応緩衡液 (10mM Tris-HCl,50mM KCl,1.5mM MgClB,0.01% w/vゼラチン)、各dNTP 200μM、各プライマー1.0μM、Amplitaq DNAポリメラーゼ2.5単位(P erkin-Elmer)および前記の遺伝子操作された苗条から単離されたゲノムDNA0 .5μgから構成された。アグロバクテリウムツメファシエンスを含まないと知ら れた植物からのゲノムDNAを含有するか又はアグロバクテリウムツメファシエ ンスEHA101A〔pEHA101、pSCV1.6〕から単離されたDNA約 10ngを含有する対照反応もまた行われた。使用した反応条件は94℃で1分 間29サイクル、1分間アニーリング、および、72℃で1分間かつ94℃で1 分間の1サイクル、1分間のアニーリングと72℃で2分間であった。各反応の サンプルを2%アガロースゲル上で電気泳動しUV光線で観察した。 下記遺伝子配列の検知用プライマーおよび各反応に使用したアニーリング温度は 下記である。 NPTII遺伝子(Beckらにより1982年開示“Gene 19,3217-336頁”に なるTN5ナンバリングシステムを使用): アニーリング温度 50℃ Tiバイナリーベクタのアンピシリン(bla)抵抗遺伝子(Yannish-Perron らにより1985年開示のpUC19ナンバリングシステム使用) アニーリング温度 60℃ アグロバクテリウムツメファシエンスクロモゾームのROS遺伝子(Cooleyら により(1991)、J.バクテリオロジー173,2608-2616頁記載のナンバリングシ ステム使用)、MatzkおよびSchiemannにより(Poster No.S7-23,8th Internat ional Congress of Plant Tissue and CellCulture,Firenze,イタリー国、1 994年6月12〜17日)開示のプライマー: アニーリング温度 60℃ アグロバクテリウムツメファシエンスTiプラスミドの菌力遺伝子のVirG 遺伝子(Chenらにより(1991),Mol Gen Genet 230,302-309頁発表のナンパリン グシステム使用);MatzkおよびSchiemannにより設計されたプライマー(Poster No.S7-23,8th International Congress of Plant Tissue and Cell Culture ,Firenze,イタリー国、1994年6月12〜17日): アニーリング温度 60℃ NPT11遺伝子配列用のバンド特性は、この生成物は遺伝子修飾された植物 におけると同様に、これら植物の生成に使用されるアグロバクテリウム菌株(E HA101A〔pEHA101、pSCV1.6〕)により感染した植物の両者に 於いて検知されるべきである。bla遺伝子の存在のバンド特性の存在は、左境 界域での不確定な処理による附加的DNAの、Tiバイナリーベクタから、この 植物への移動を示すか、又はバイナリーTiプラスミド(pSCV1.6)を含む アグロバクテリウム細胞の存在の何れかを示すものである。rosおよびvir G遺伝子に対するバンド特性の存在は、これら植物が、それらの生産において使 用されるアグロバクテリウム菌株(EHA101A〔pEHA101、pSCV 1.6〕)により尚感染していることを示すのである。微生物定量法を使用する、遺伝子操作された植物における汚染の検知 方法 : 遺伝子操作された植物を消毒された乳ばち及び乳棒で均質にし、得られた均質 物を滅菌下に抗生物質は含まない消毒したYEB培地(前記した)を含む振動フ ラスコへ移した。これらフラスコを290℃で保温し最低5日間烈しく振動した 。微生物の不成長は、遺伝子操作植物にはアグロバクテリウムが存在しない事実 を示している。PRCおよび微生物分析の結果 PCR法および微生物法両者を使用して、上記のプロトコル使用による生成し た遺伝子操作植物にはアグロバクテリウム細胞は全く検知されなかった。 参考文献 アイトケン−クリスティー他著(1994):ジェー・アイトケン・クリスティ ー、ティー・コーザイ&エム・エー・エル・スミス著「植物組織培養に於ける自 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【手続補正書】 【提出日】平成10年6月23日(1998.6.23) 【補正内容】 請求の範囲 1.樹木植物の苗条、発根した苗条または苗木のミクロ増殖方法であって、該苗 条、発根した苗条または苗木を、酸素処理された液体培地中で培養することから なり、該苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地中に浸水されている、前 記方法。 .選択可能な特徴、特性また性状を有する遺伝子修飾された苗条、発根した苗 条または苗木の選択方法であって、該苗条、発根した苗条または苗木を選択する 手段を含む酸素処理された液体培地中に浸水された該苗条、発根した苗条または 苗木を、培養することからなる前記方法。 .遺伝子修飾された苗条の製造方法であって、植物の細胞または組織を、関係 のある一またはそれ以上のDNA塩基配列のアグロバクテリウム(Agrobakuteriu m )形質転換にかけ、選択可能な特徴、特性または性状を有する得られた形質転換 細胞または組織内での苗条形成を、苗条形成の誘導が可能な作用剤の存在下で誘 導し、および得られた苗条を、遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木 を選択する手段を含む酸素処理された液体培地中で選択することからなり、該苗 条は、該液体培地中に浸水されている前記方法 .苗条、発根した苗条または苗木の微生物汚染を減じる方法であって、抗生物 質を含む酸素処理された液体培地中で、該苗条、発根した苗条または苗木を培養 することからなり、該苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地中に浸水さ れている前記方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 パース,ジヨン,ギルバート イギリス国 ケント エムイー9 0ジエ イエツクス、シツテイングボーネ、ニユー ウンハム、チヤンピオン・コート・コテイ ージズ 2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.樹木植物の苗条、発根した苗条または苗木のミクロ増殖方法であって、該苗 条、発根した苗条または苗木を、酸素処理された液体培地中で培養することから なり、該苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地中に浸水されている、前 記方法。 2.空気または酸素を該培地に通すこと、機械的攪拌手段、該培地を振とうする 手段、該培地を照明する手段、または二種もしくはそれ以上の前記手段により、 酸素が供給される、請求項1の方法。 3.該培地が攪拌される、請求項1の方法。 4.培養培地が攪拌され、および、酸素が、空気または酸素を該培地に通すこと により供給される、請求項3の方法。 5.苗条、発根した苗条または苗木が、該液体培地内を自由に動ける、請求項1 〜4のいずれか一項の方法。 6.苗条、発根した苗条または苗木が、該液体培地内を転回する、請求項5の方 法。 7.苗条、発根した苗条または苗木が、制限され、さもなくば妨害される、請求 項1〜4のいずれか一項の方法。 8.苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地の入った容器内の穴のあいた 容器内に拘束されるか、または分割されているが該液体培地と接触可能な容器の 区画内に拘束される、請求項7の方法。 9.苗条、発根した苗条または苗木が、栽培変種植物、クローンまたは種子から 得られる、請求項1〜8のいずれか一項の方法。 10.苗条、発根した苗条または苗木が、高接種密度で存在する、請求項1〜9の いずれか一項の方法。 11.培養培地が抗生物質を含む、請求項1〜10のいずれか一項の方法。 12.樹木植物の苗条、発根した苗条または苗木が、非滅菌条件下で育成された植 物から得られた、請求項11の方法。 13.苗条、発根した苗条または苗木が、アグロバクテリウム(Agrobakuterium)仲 介形質転換系により形質転換された遺伝子操作植物から得られた、請求項12の方 法。 14.樹木植物が、樹木パルプ用、燃料用もしくは材木用に使用する裸子植物また は双子葉被子植物;果実もしくは実を作る高木、低木または潅木;商業的に有用 な製品の得られる、果実もしくは実以外の高木、低木または潅木;あるいは装飾 用の高木または低木である、請求項1〜13のいずれか一項の方法。 15.樹木植物が硬葉種である、請求項1〜13のいずれか一項の方法。 16.樹木植物が、ツツジ属、アザリアもしくはカルミア(つつじ科);オリーブ (モクセイ科);またはオーストラリアアカシア属である、請求項15の方法。 17.樹木植物が、リンゴ属(リンゴ)、ナシ、サクラ属もしくはバラ属(バラ科 );レンギョウまたはバイカウツギ(モクセイ科)である、請求項14の方法。 18.樹木植物がユーカリである、請求項14の方法。 19.樹木植物が亜属ユーカリプタス シムフィオミルタス(Eucalyptus symphyo myrtus)のユーカリである、請求項18の方法。 20.ユーカリが、E.グランディス(E.grandis)、E.グロブルス(E.globulus) 、E.ニテンス(E.nitens)、E.ヅンニ(E.dunnii)、E.サリグナ(E.saliga)、 E.カマルズレンシス(E.camaldulenisis)、E.ウロフィラ(E.urophylla)もし くはこれらのハイブリッド、またはE.レグナンス(E.regnans)、E.シトリオ ドラ(E.citriodora)、E.フラキシノイデス(E.fraxinoides)もしくはこれらの ハイブリッドである、請求項19の方法。 21.培養を、エアーリフト培養槽内で行う、請求項1〜20のいずれか一項の方法 。 22.発根が開始されたか、または生じたところまで、苗条の培養が継続される、 請求項1〜21のいずれか一項の方法。 23.得られた苗条、発根した苗条または苗木を、さらに請求項1〜22のいずれか 一項の方法でミクロ増殖する、請求項1〜22のいずれか一項の方法。 24.選択可能な特徴、特性また性状を有する遺伝子修飾された苗条、発根した苗 条または苗木の選択方法であって、該苗条、発根した苗条または苗木を選択する 手段を含む酸素処理された液体培地中に浸水された該苗条、発根した苗条または 苗木を、培養することからなる前記方法。 25.選択可能な特性が、抗生物質、除草剤または他の選択剤に対して抵抗を持つ 、請求項24の方法。 26.空気または酸素を該培地に通すこと、機械的攪拌手段、該培地を振とうする 手段、該培地を照明する手段、または二種もしくはそれ以上の前記手段により、 酸素が供給される、請求項24または請求項25の方法。 27.該培地が攪拌される、請求項24または請求項25の方法。 28.培養培地が攪拌され、および酸素が、空気または酸素を該培地に通すことに より供給される、請求項24の方法。 29.苗条、発根した苗条または苗木が、該液体培地内を自由に動ける、請求項24 〜28のいずれか一項の方法。 30.苗条、発根した苗条または苗木が、該液体培地内を転回する、請求項29の方 法。 31.苗条、発根した苗条または苗木が制限され、さもなくば妨害される、請求項 24〜28のいずれか一項の方法。 32.苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地の入った容器内の穴のあいた 容器内に拘束されるか、あるいは分割されているが該液体培地と接触可能な容器 の区画内に拘束される、請求項31の方法。 33.苗条、発根した苗条または苗木が、栽培変種植物、クローンまたは種子から 得られる、請求項24〜32のいずれか一項の方法。 34.苗条、発根した苗条または苗木が、高接種密度で存在する、請求項24〜33の いずれか一項の方法。 35.培養培地が抗生物質を含む、請求項24〜34のいずれか一項の方法。 36.樹木植物の苗条、発根した苗条または苗木が、非滅菌条件下で育成された植 物から得られた、請求項35の方法。 37.苗条、発根した苗条または苗木が、アグロバクテリウム(Agrobakuterium)仲 介形質転換系により形質転換された遺伝子操作植物から得られた、請求項36の方 法。 38.苗条形成が、アグロバクテリウム(Agrobakuterium)形質転換細胞または組織 内で、N−(2−クロロ−4−ピリジル)−N’−フェニルウレアまたは他のフ ェニルウレアの存在下に誘導される、請求項37の方法。 39.遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木が、一年生、二年生または 多年生の植物に由来する、請求項24〜38のいずれか一項の方法。 40.遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木が、単子葉または双子葉の 植物に由来する、請求項24〜39のいずれか一項の方法。 41.遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木が、硬葉種に由来する、請 求項24〜40のいずれか一項の方法。 42.遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木か、樹木植物の苗条または 苗木である、請求項24〜40のいずれか一項の方法。 43.樹木植物が、樹木パルプ用、燃料用もしくは材木用に使用する裸子植物また は双子葉被子植物;果実もしくは実を作る高木、低木または潅木;商業的に有用 な製品が得られる果実もしくは実以外の高木、低木または潅木;あるいは装飾用 の高木または低木である、請求項42の方法。 44.樹木植物が硬葉種である、請求項42の方法。 45.樹木植物が、ツツジ属、アザリアもしくはカルミア(つつじ科);オリーブ (モクセイ科);またはオーストラリアアカシア属である、請求項44の方法。 46.樹木植物が、リンゴ属(リンゴ)、ナシ、サクラ属もしくはバラ属(バラ科 );レンギョウまたはバイカウツギ(モクセイ科)である、請求項42の方法。 47.樹木植物がユーカリである、請求項42の方法。 48.樹木植物が亜属ユーカリプタス シムフィオミルタス(Eucalyptus symphyo myrtus)のユーカリである、請求項47の方法。 49.ユーカリが、E.グランディス(E.grandis)、E.グロブルス(E.globulus) 、E.ニテンス(E.nitens)、E.ヅンニ(E.dunnii)、E.サリグナ(E.saliga)、 E.カマルズレンシス(E.camaldulensis)、E.ウロフィラ(E.urophylla)もしく はこれらのハイブリッド、またはE.レグナンス(E.regnans)、E.シトリオド ラ(E.citriodora)、E.フラキシノイデス(E.fraxinoides)もしくはこれらのハ イブリッドである、請求項48の方法。 50.植物が非樹木植物である、請求項24〜41のいずれか一項の方法。 51.培養をエアーリフト培養槽で行う、請求項48の方法。 52.遺伝子修飾された苗条の製造方法であって、植物の細胞または組織を、関係 のある一またはそれ以上のDNA塩基配列のアグロバクテリウム(Agrobakuteriu m )形質転換にかけ、選択可能な特徴、特性または性状を有する得られた形質転換 細胞または組織内での苗条形成を、苗条形成の誘導が可能な作用剤の存在下で誘 導し、および得られた苗条を、遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木 を選択する手段を含む酸素処理された液体培地中で選択することからなり、該苗 条は、該液体培地中に浸水されている前記方法 53.苗条誘導剤がサイトカイニンである、請求項52の方法。 54.苗条誘導剤が、BAP、N−(2−クロロ−4−ピリジル)−N’−フェニ ルウレアまたは他のフェニルウレアである、請求項53の方法。 55.苗条誘導剤が、該液体培養培地中にも存在する、請求項52〜54のいずれか一 項の方法。 56.請求項24〜51のいずれか一項で決められた下で行われる、請求項52〜55のい ずれか一項の方法。 57.該液体培地中での選択が、遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木 を選択する手段を含む固形(ゲル化)培地上での選択の前および/または後で行 われる、請求項24〜56のいずれか一項の方法。 58.遺伝子修飾された苗条、発根した苗条または苗木のミクロ増殖方法であって 、請求項24〜57のいずれか一項の方法に従って選択または製造された、遺伝子修 飾された苗条、発根した苗条または苗木を、請求項1〜23のいずれか一項の方法 に従ってミクロ増殖する前記方法。 59.苗条、発根した苗条または苗木の微生物汚染を減じる方法であって、抗生物 質を含む酸素処理された液体培地中で、該苗条、発根した苗条または苗木を培養 することからなり、該苗条、発根した苗条または苗木は、該液体培地中に浸水さ れている前記方法。 60.請求項1〜13のいずれか一項で決められたように行われる、請求項59の方法 。 61.該苗条、発根した苗条または苗木が、請求項39〜50のいずれか一項の方法で 定義される植物の苗条または苗木である、請求項59または請求項60の方法。 62.抗生物質を含む酸素処理液体培地中での苗条、発根した苗条または苗木の培 養の使用であって、苗条、発根した苗条または苗木の微生物汚染を減じるために 、該苗条、発根した苗条または苗木が該液体培地に浸水されている前記使用。 63.請求項1〜22のいずれか一項の方法により得られた苗条、発根した苗条また は苗木から、請求項24〜58のいずれか一項の方法により得られた遺伝子修飾され た苗条、発根した苗条または苗木から、あるいは請求項59〜62のいずれか一項の 方法により得られた微生物汚染の減じられた苗条、発根した苗条または苗木から 得られる植物。 64.該苗条、発根した苗条または苗木が、請求項63に記載の植物から得られる、 請求項1〜23のいずれか一項の方法。 65.該植物が成熟したユーカリである、請求項64の方法。 66.請求項63に記載の植物から得られる製品。
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