【発明の詳細な説明】
面対面の重合体シートの2工程溶融のための装置
発明の背景及び概要
本発明はID(identification)カードの如き2ピースカード構造を形成するた
めの非晶質コポリエステル裏シート及びポリ塩化ビニルシートの溶融に関し、特
に連続的な溶融及び冷却工程を通して対面するシートを輸送するためのベルト型
輸送装置に関する。
ここで意図されている一般的なタイプのベルト型輸送装置は以前からラミネー
ション技術において知られている。一般に、従来技術の装置は代表的には面対面
の関係でシートを維持しながら熱可塑性シートの表面に熱を適用するための単一
の加熱ステーションだけを含んでいる。これらの装置は単一工程ラミネーターと
して知られ、それらは多くのタイプの熱可塑性シート材料をラミネートするため
に有効である。しかしながら、上記非晶質コポリエステル及びポリ塩化ビニル材
料の如きある種の熱可塑性シート材料は従来技術の装置によって満足されない特
別な加熱及び冷却特性を有する。これらの新しいカード材料の溶融のために有効
な装置に対する工業上の要求が存在することがわかった。
本発明の第1具体例は密接な間隔の隣接関係で支持されている上部及び下部ベ
ルト集成体を含む2工程溶融装置を提供する。下部ベルト集成体は第1及び第2
ローラーの周囲に受けとめられたステンレス鋼ベルトを含み、上部ベルト集成体
は第3及び第4ローラーの周囲に受けとめられたガラス繊維ベルトを含む。ベル
ト集成体は第1及び第3ローラーがインプットニップを形成し、第2及び第4ロ
ーラーがアウトプツトニップを形成し、無端ベルトが対面関係で存在するように
フレーム構造内に支持されている。第1及び第2ローラーは適所に固定され、第
3及び第4ローラーは第1及び第2ローラーに対してスライド可能に懸垂されて
いる。第3及び第4ローラーは第1及び第2ローラーに向かってそれらの懸垂さ
れた位置から下方に偏位され、間隔はあいているが加圧されたインプット及びア
ウトプットニップを形成する。第1又は下部のインプットローラーは内部カート
リッジヒーターによって約200℃まで加熱される。加熱されたインプットニッ
プはコポリエステルシート及びポリ塩化ビニルシートを一緒に加圧して二つの対
面するシートを2ピース構造を形成するように初期溶融するために操作される。
第1ローラーに隣接する金属ベルトの上部分と境を接する関係で位置された加熱
定盤は約160℃の温度に加熱されて完全な溶融工程を規定する。ファン冷却さ
れたヒートシンクはそれらの間を通過する金属及びガラス繊維ベルトを冷却し、
溶融後カードから熱を除去するためのアウトプットニップに隣接した境を接する
関係で位置される。
装置の第2具体例は第1及び第2ローラーの周囲に受けとめられた無端ベルト
を有する単一ベルト集成体を含む。装置はローラーがシートを一緒に圧縮してポ
リ塩化ビニル側と対抗する非晶質コポリエステル側とを有する2ピース構造を規
定するように第1ローラーとインプットニップを形成するために第1ローラーと
協同して装着された第3ローラーをさらに含む。ポリ塩化ビニル側は第1ローラ
ーに隣接して位置される。装置は2ピース構造のポリ塩化ビニル側が対面するシ
ートがニップを通過するにつれて加熱されるように第1ローラーを加熱するため
のカートリッジヒーターをさらに含む。第3ローラーは非晶質コポリエステル側
が冷却され一方ポリ塩化ビニル側が加熱されるようにファン手段によって積極的
に冷却される。ローラーファンはコポリエステルのニップ圧力下の変形を防止す
るために初期溶融中に非晶質コポリエステルシートから熱を積極的に除去する。
装置は2ピース構造のポリ塩化ビニル側に追加の熱を適用してシートの完全溶融
を実行するためにインプットニップの下流に加熱定盤をさらに含む。加熱定盤は
ベルトの下側と熱伝達状態にあり、さらなる熱はベルトが2ピース構造を定盤上
に運ぶときに前記2ピース構造のポリ塩化ビニル側に適用される。最後に、装置
は2ピースカード構造が加熱定盤から離れて輸送されるときに2ピースカード構
造の両側を冷却するために輸送ベルトの上下に位置されたファン冷却シートシン
クを含む。
従って、本発明の目的は、二つの熱可塑性シートが熱及び圧力下で初期溶融さ
れ、熱単独下で完全に溶融され、次いで冷却される2工程溶融装置の提供;初期
溶融ステーション、完全溶融ステーション、及び冷却ステーションを通ってシー
ト材料を輸送するための無端ベルトを含む溶融装置の提供;及び加熱されたイン
プットニップ、加熱された定盤及びファン冷却ヒートシンクを含む溶融装置の提
供にある。
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面に関連した記載から明らかにな
るだろう。
図面の記述
本発明を実施することを意図したベストモードを図面によって説明する:
図1は本発明の装置の第1具体例の正面図である;
図2はその背面図である;
図3はその上面図である;
図4は図3の線4−4に沿ってとった横断面図である;
図5は装置の第2具体例の透視図である;
図6はその正面図である;
図7はその背面図である;
図8はその上面図である;
図9はその右側面図である;
図10は図9の線10−10に沿ってとった横断面図である。
好ましい例の記述
図面を参照すると、本発明の装置の第1具体例が図示され、図1−4において
10で一般に示されている。後でさらに詳細に記載されているように、本発明の
装置10はセキュリティカードを構成するのに使用されるシート材料のタイプの
ものの如き面対面の熱可塑性シート材料を溶融するように作用する。とりわけ、
本発明の装置10はSaint Paul HinnesotaのMinnesota Hining and Manufacturi
ng Companyによって開発され、かつPCT公開No.WO95/09084(そ
れは参考としてここに組入れる)に記載されたセキュリティカードシステムを溶
融するのに特に有用であることがわかった。
図4に12で示されたセキュリティカートシステムは裏シート14,カバーシ
ート16,及びセキュリティ像(図示せず)を含んでいる。セキュリティ像はカ
バーシート16の内側表面18上に裏面印刷されることが好ましく、かくしてそ
れは一緒にされたとき溶融されたシート14,16の間に設けられる。カバーシ
ートの上側を通して見ると、裏面印刷されたセキュリティ像は正確な位置で見え
る。裏及びカバーシート14,16は接着剤の中間層なしで直接接触して溶融さ
れるが、裏シート14は非晶質コポリエステルフィルムを含むことが好ましく、
カバーシート16は硬質ポリ塩化ビニルフィルムを含むことが好ましい。非晶質
コポリエステル裏シート14は不透明白色になるように二酸化チタンで着色され
ることが好ましく、一方PVCカバーシート16は透明であることが好ましい。
但し他の色の案や配置も好適である。たいていの場合には、裏シート14は集成
されたカード12の剛性及び強度のほとんどを与えることを意図しているためカ
バーシートよりずっと厚い。例えば、裏シート14は約20〜22ミリの厚さを
有し、カバーシート16は約7〜10ミリの厚さを有し、全体のカードの厚さは
約27〜32ミリである。セキュリティカードシステム12の特別な利点は良好
な接着が相対的に低い温度で、例えば約150℃の温度でPVCと非晶質コポリ
エステルの間で達成できることである。非晶質コポリエステルとPVCの両方が
溶融工程中に軟化され、両方がほぼ同じ速度で冷却時に収縮し、それによって他
の存在するカード材料で遭遇される湾曲する問題を減らすことができるので、溶
融を有効に達成することができる。
装置10の第1具体例は20及び22で示される上部及び下部ベルト集成体を
含み、それらは底壁24、及び平行な前及び後壁26及び28のそれぞれを含む
フレーム集成体によって密接な間隔の隣接関係で支持される。
下部ベルト集成体22は第1及び第2金属ローラー32,34のそれぞれの周
囲で受けとめられた30で示されるステンレス鋼ベルトを含み、下部ベルト集成
体20は第3及び第4金属ローラー38,40のそれぞれの周囲で受けとめられ
た36で示されるガラス繊維ベルトを含む。ステンレス鋼ベルト30とガラス繊
維ベルト36は約0.003インチの厚さを持つことが好ましい。ステンレス鋼
ベルト30はAgawam,MAのBelt Technologiesから工業的に入手可能であり、ガ
ラス繊維ベルト36はBuffalo,NYのGreenbelt Industries,Inc.から入
手可能である。ローラー32,34,38,40は軸32S,34S,38S,
40Sを有するアルミニウムローラーを含むことが好ましい。軸32S及び38
Sは中空であり、一方軸34S及び40Sは中実であることが指摘される。
ベルト集成体20,22は第1及び第3ローラー32,38がインプットニッ
プを形成し、第2及び第4ローラー34,40がアウトプットニップを形成し、
無端ベルト30,36が対面関係になるようにフレームにおいて支持される。第
1及び第2ローラー32,34は適所で固定され、第3及び第4ローラー38,
40は第1及び第2ローラー32,34に対してスライド可能に移動できる。特
に各ローラーの軸は42A,42B,42C及び42Dで示される1対の間隔を
あけたベアリングマウントを通して受けられる。各ベアリングマウント42はベ
アリングホルダー46内で支持されるベアリング44A,44B,44C,44
Dを含む。ベアリング44A及び44Cはローラータイプベアリングからなり、
一方ベアリング44B及び44Dはスリーブタイプベアリングからなる。さらに
、スリーブベアリング44B及び44Dは硬化外部スリーブ45内に装着される
。各ベアリングホルダー46はその中でベアリング44を受けるためのくぼみを
含み、さらにその側縁に溝50を含んでいる。ベアリングマウント42の溝50
はフレーム集成体の前及び後壁26,28において各スロット52内でスライド
可能に受けとめられ、かくしてベアリングホルダー46は壁26,28の内及び
外表面の両方に関与する。ベアリングマウント42A及び42Bはそれらの各ス
ロット52の底部に対して寄りかかり、かくして固定された垂直位置で第1及び
第2ローラー32,34を維持する。ベアリングマウント42B(第234)内
のくぼみ48Bは水平方向に伸び、第1ローラー32に対して第2ローラー34
の軸のスライド水平移動を可能にすることが指摘される。この関連において、止
め54はベアリングマウント46Bの側壁におけるねじ山を付けた開口部を通し
て広がり、硬化外部スリーブ45と関与して、第1ローラー32の軸と第2ロー
ラー34の軸の間の距離を調整する。この止めねじ装置は第1及び第2ローラー
軸の平行度を調整したり、ステンレス鋼ベルト30におけるゆるみを巻き取った
り又はぴんと張ったりする作用を有する。第4ローラー40のためのベ
アリングマウント42Dは第3ローラー軸に対する第4ローラー軸の調整のため
に同じ伸びたくぼみ48D及び止めねじ54を有する。
第3及び第4ローラー38,40のためのベアリングマウント42C,42D
は前及び後壁26,28に付けられた間隔のあいた懸垂棒58を通って下方に伸
びるねじ56によってフレーム集成体内に懸垂されている。ねじ56の頭60は
棒の上部にあり、一方軸62は棒58における開口部(図示せず)を貫通し、各
ベアリングホルダー46の上部におけるねじ山を付けた内腔(図示せず)中に伸
びる。圧縮ばね64は各ねじ56のまわりで受けとめられ、各ベアリングホルダ
ー46の上部と各懸垂棒58の底部の間で収まり、第3及び第4ローラー38,
40をそれらの懸垂された位置から下方に第1及び第2ローラー32,34に向
かって偏位する。ねじ56の回転は第3と第1ローラー38,32(インプット
ニップローラー)及び第4及び第2ローラ40,34(アウトプットニップロー
ラー)の間の垂直方向の間隔の調整を可能にする。この点に関して、ベルト集成
体20,22はインプットローラー32,38の間及びアウトプットローラー3
4,40の間に25ミリの間隔が存在し、その間隔がセキュリティカードシート
の組合された厚さ(27〜33ミリ)よりわずかに小さくなるように調整される
。第3及び第4ローラー38,40は第1及び第2ローラー32,34に向かっ
て下方に偏位されているので、ローラー対は間隔はあいているが加圧されたイン
プット及びアウトプットニップを形成する。
第1又は下部インプットローラー32は通常のカートリッジヒーター66によ
って約190℃〜約215℃の温度に、より好ましくは約200℃の温度に加熱
される。カートリッジヒーター66は中空ローラー軸32Sの中心でスライド可
能に受けとめられ、通常の電源(図示せず)によって作動される。インプットニ
ップ(ローラー32,38)はかくして圧力及び熱の下でカバー及び裏シート1
4,16を一緒に溶融するための初期溶融工程を規定する。
図4を参照すると、完全溶融工程は第1ローラー32に隣接する鋼ベルト30
の上部と境を接する関係で位置した1/2インチ厚のアルミニウム加熱定盤68
によって規定される。定盤68は約150℃〜約170℃、より好ましくは約1
60℃の温度に加熱されることが好ましい。定盤68の加熱は定盤68の底表面
に接着したラバープレートヒーター70によって達成される。考えられているタ
イプのラバープレートヒーター70はBattle Creek,MIのHotset,Inc.から入
手可能である。あるいは、カートリッジ型ヒーターの如き他の加熱装置も定盤6
8を加熱するために使用できる。
ベルト30,36及びその間の溶融されたシート14,16を冷却するために
、72,74でそれぞれ示される第1及び第2ファン冷却ヒートシンクはアウト
プットニップ(ローラー34,40)に隣接した境を接する関係で位置される。
とりわけ、第1アルミニウムヒートシンク72は鋼ベルト30の上部と境を接す
る関係の本体部72Bとともにフレームの前及び後壁26,28の間に位置され
る。ファスナー76はフレームの前及び後壁26,28を通ってヒートシンク7
2における開口部(図示せず)中に伸び、適所でヒートシンク72をしっかりと
固定する。第2ヒートシンク74はガラス繊維ベルト36の下部分と境を接する
関係でその本体部分74Bとともにフレーム集成体の前及び後壁26,28の間
に位置される。第2組のファスナー78はフレーム壁26,28における垂直ス
ロット80を通って第2ヒートシンク74中に伸びる。ばね82はファスナーの
対の間に固定され、第2の移動可能なヒートシンク74を下方に引っぱり第1の
固定されたヒートシンク72と圧縮関係になる。ヒートシンク72,74のフィ
ン72F,74Fはベルト30,36の走行方向に垂直に伸び、フレームの後壁
に装着された第1及び第2ファン83,84はベルト走行方向に垂直な方向でフ
ィン表面72F,74F上に空気を流す。迅速な空気の動きを促進して冷却を最
適化するために、空気はフレーム集成体の前及び後壁26,28における開口部
86,88を通って移動される。
使用の際、ベルト30,36は無端ベルト間の重なり合うカバー及び裏シート
14,16をインプットニップからアウトプットニップに輸送するために反対方
向に同時に回転される。ベルト30,36の回転は90で示される電気モーター
及びギアシステムによって達成される。電気モーター90の本体92はフレーム
集成体の後壁28に取付けられたブラケット94に装着されている。モーター9
0の駆動軸96は第2ローラー34の軸34Sの後端に装着されたドライブギア
100を回転するためのウォームギア部98を含んでいる(図2,3)。下部ベ
ルト集成体22の回転は第2及び第4ローラー34,40の軸34S,40Sの
前端に装着されたかみ合いトランスファーギア102,104の対によって上部
ベルト集成体20に伝えられる(図1)。モーター90及びギア集成体は1秒あ
たり約0.25インチの速度で装置を通ってカードを輸送するために調節される
。本装置は1分あたり約1枚のカードの割合で装置を通って通常のサイズのID
カードを輸送するように操作される。
装置10は各ローラ上のベルト30,36の適切なアライメント及び回転を維
持するために106及び108で示される上部及び下部かじ取り集成体をさらに
含む。各かじ取り集成体106,108はフレームの前及び後壁26,28の間
に装着された軸110を含む。上部かじ取り集成体108の軸110Uはインプ
ットニップに隣接するガラス繊維ベルト36の上部分のすぐ下に広がり、下部か
じ取り集成体の軸110Lはインプットニップに隣接する鋼ベルト30の下部分
のすぐ上に広がる(図4)。軸110のそれぞれの上に装着されているものは軸
110の外端に向かって面するローラー112のより大きな直径の端を有する円
錐台ローラー112の嵌め合い対である。この点に関して、ベルト30,36が
回転しているとき、万一どちらかのベルトかある側から他の側にゆがんでいるな
ら、ベルトは対応する円錐台ローラー112の上方に乗り、それは通常の回転位
置に向かって下方に戻るように促されるだろう。
装置10は上方に面する裏シート14及び下方に面するカードシステムのカバ
ーシート16を用いて使用されることを意図している。上に重なるシート14,
16がインプットニップに供給されると、裏及びカバーシート14,16はニッ
プの圧力下で一緒に加圧され、一方カバー及び裏シート14,16はインプット
ニップの加熱された下部ローラー32によって加熱される。インプットニップの
圧力は溶融前にシート14,16の間から気泡を絞り出し、さらにローラーによ
る初期加熱中、適切な位置合わせでカバー及び裏シート14,16を維持する。
初期加熱中、適切な位置合わせでシート14,16を維持することは、可塑性材
料がいくぶん軟らかくなるため極めて重要であり、溶融状態にある間ずっとそれ
らの界面のシートの動きがカバーシート16の内側18に印刷されたセキュリテ
ィ像の汚れ(smudging or smearing)を起こすだろう。初期溶融後、シート14
,16は加熱定盤68上に輸送され、それはさらにシートを一緒に完全溶融でき
る固定された位置で長時間シートを加熱する。定盤68上での長時間の加熱はガ
ラス繊維ベルト36の表面しぼ又は組織が裏シート14の裏表面114に望まし
くない刻印を与えうる程度に上部の裏シート14をかなり軟化することが注意さ
れる。この関連において、加熱定盤68の真上のガラス繊維ベルト36の下部分
はファン116によって冷却される。ガラス繊維ベルト36を横切って向けられ
る空気はガラス繊維ベルト36の表面組織で刻印されないように裏カード14の
裏表面114を十分に冷却して剛く保つ。
溶融されたシート14,16はその後ファン冷却されたヒートシンク72,7
4間の通路によってほとんど室温に冷却される。シンク72,74はアウトプッ
トニップ間の装置からでる前にシート14,16からの熱のほとんど全てを有効
に除去する。
図5−10を参照すると、装置の第2具体例が図示され、一般に117で示さ
れている。第2具体例117は単一の輸送ベルトだけが存在し、上部インプット
ローラーが冷却されることを除いて装置10とほぼ同じである。特に、第2具体
例117は前及び後の間隔のあいた壁119,120をそれぞれ含むフレーム集
成体において支持される118で示されるベルト集成体を含む。ベルト集成体は
第1及び第2ローラー124,126のそれぞれの周囲に受けとめられたテフロ
ン被覆された0.005インチ厚のステンレス鋼ベルト122を含む。ローラー
124,126は良好な熱伝導のためにアルミニウムから作られることが好まし
い。ローラー124,126はそれぞれ軸128,130に回転自在に装着され
、軸128は中空であり、軸130は中実である(図10参照)。軸128,1
30の対抗する端はローラー124,126がいつでも固定された平行関係で維
持されるようにフレームの間隔のあいた前及び後壁119,120において受け
とめられた各固定ベアリングマウント132に回転自在に装着されている。
ベルト集成体118は第2ローラー126の軸130上に対応する駆動ギア1
40とかみ合うウオームギア表面138を有する駆動軸136を持つ電気駆動モ
ーター134によって回転される。モーター134及びギア138,140は装
置117の様々な加熱および冷却工程を通してベルト122の上部に受けられた
カードを輸送するために適切なスピードでローラー126を回転するように協同
する。
回転中、ベルト122は142で示されるばね偏位緊張ローラー集成体によっ
て第1及び第2ローラー124,126の周囲で緊張される(図10参照)。集
成体142は軸146に回転自在に装着されたローラー144を含む。軸146
は前及び後フレーム壁119,120における対抗する1対のガイドスロット1
48にスライド可能に装着されている。軸146は通常1対のばね150によっ
て上方に偏位され、ばねはそれぞれローラー軸146の端の周囲で受けられた一
端、及び各前及び後フレーム壁119,120に装着された固定柱152の周囲
で受けられた反対端を持つ。
第1ローラー124は第1ローラー124の中空軸128にスライド可能に受
けとめられた通常のカートリッジヒーター154によって加熱される。カートリ
ッジヒーター154は通常の電源(図示せず)によって作動され、ローラー12
4を約190℃〜約215℃の温度に加熱するために有効である。
装置117はシート14,16(図4参照)が一緒にポリ塩化ビニル側16及
び対抗する非晶質コポリエステル側14を有する2ピース構造を規定するように
第1ローラー124とインプットニップを形成するために第1ローラー124と
協同して装着された156で示される第3ローラー集成体をさらに含む。ローラ
ー集成体156はローラー158,前及び後を保持する壁160,162、及び
ファン164を含む。とりわけ、ローラー158は良好な熱伝導のためアルミニ
ウムから作られることが好ましく、さらにローラー158の円周のまわりに間隔
を置いて配置され回転軸に平行に延びる複数の横方向の内腔166(図10)で
形成されることが好ましい。内腔166はファン164からの空気流がローラー
158を通って進みローラー158から熱を除去できるように意図される。ロー
ラー158は前及び後を保持する壁160,162に固定される固定ベアリング
マウント170に受けとめられる軸168上に回転自在に装着される。保持壁1
60,162はフランジ172,174によって各前及び後フレーム壁119,
120にそれぞれ取り付けられる。ローラー158はニップが対面するシート1
4,16の組み合わせた厚さを許容する適切な間隙を有するようにローラー12
4,158の間に約25ミリ間隔を与えるために集成体156内に位置される。
前及び後保持壁160,162のそれぞれはファン164から空気流が保持壁1
60,162及びローラー58内の内腔166を通過できるように複数の開口1
76を含む。ファン162は通常の電気出力ファンであり、それは前保持壁16
0の外側表面に付けられた四つの間隔をおいて配置された支柱178に装着され
ている。
インプットニップ(ローラー124,158)は二つの対面するシート14,
16が高温圧力下で一緒に初期溶融される初期溶融工程として機能するように意
図される。操作において、シート14,16は第1ローラー124に面するポリ
塩化ビニル側16及び第3ローラー158に面する非晶質コポリエステル側14
を有するインプットニップに供給される。この方法では、ポリ塩化ビニル側16
だけが加熱される。加熱されたローラー124によって与えられる熱はポリ塩化
ビニルシート16の全体及び非晶質コポリエステルシート14の少なくとも最も
下に面する表面を軟化するのに十分である。しかしながら、ローラー124から
の熱がしばしばコポリエステル裏14を通して完全に伝導され、それによって裏
14を軟化し、カード構造全体を変形することが実験によって見出された。これ
は第1具体例10において問題になることがある。なぜならば裏シート14の軟
化はニップを通過中カードの裏面に繊維ベルト36の組織を刻印させるからであ
る。もし使用者がカードの裏面に印刷することを望むなら、組織の刻印は許容で
きないことは明らかであるだろう。本カード構造の初期溶融における重要な側面
は裏14の安定性を保持すること、即ちコポリエステルシート14の裏面を室温
に維持しながらポリ塩化ビニルカバーシート16及びコポリエステルシート14
の面する表面だけを加熱することである。従って、この第2具体例117は上部
を積極的に冷却するための手段、即ち溶融中コポリエステルシート14の裏面か
ら熱を積極的に除去するための第3ローラー158を与えられる。操作において
、ファン164はローラー158及びコポリエステルシート14から熱を除去す
るためにローラー158中の内腔166を通過する空気流を作る。ローラー12
4によって与えられる熱を除去することによって、コポリエステル裏シート14
の裏面は硬いままであり、溶融されたカードは変形されない。
装置117は二つのシート14,160の完全溶融を達成するために2ピース
構造のポリ塩化ビニル側16に追加の集中させた熱を適用するための加熱定盤1
80(図10)をさらに含む。定盤180は第1ローラー124に隣接するベル
ト122の下側と熱伝達状態に位置されるアルミニウム体を含む。とりわけ、定
盤180は前及び後フレーム壁119,120の間に装着される。定盤180は
定盤180の内腔中に挿入されるカートリッジヒーター182によって150℃
〜170℃の温度に加熱される。溶融された2ピース構造がインプットニップを
でると、それはベルト122によって加熱定盤180の表面上に輸送される。カ
ードをベルト122及び定盤180と密接に熱接触状態に維持するために、装置
はベルト122の上面によりかかる複数の旋回自在に連結されたローラー184
を含む。2ピースカード構造がローラ184の下を通過すると、ローラー184
はカードをベルト122と接触状態で保持する。カードが各ローラー184の下
を通過するときにローラーが上下に動けるようにローラーが自由浮動し、フレー
ムに取り付けられていないことが注意される。しかしながら、ローラー184は
ベルト122の上部の適所にローラー184を維持する上部ハウジング186内
に配置される。この点に関して、ローラー184は連結素子188によって一緒
に旋回自在に連結され、連結素子188はピン190によって上部ハウジング1
86にスライド可能に留められる。ピン190はベルト122に対してローラー
184の長手方向の動きを制限しながらローラー集成体の上方への動きを可能に
するためにハウジング186内のスロット192に乗る。ローラー184は重力
によって下方への圧力をいくらか及ぼすが、カード上に積極的な圧力を何ら及ぼ
さないことを意図される。従って、2ピースカード構造カードが定盤180上を
通過すると、カード構造はポリ塩化ビニル及びコポリエステル材料を一緒に完全
溶融するために十分な温度に加熱される。定盤180によるカードの第2加熱は
カードに及ぼされる変形を生じるような積極的な圧力が全くないのでカードを変
形しないことが理解されるべきである。
2ピースカード構造を室温まで冷却するために、装置117はベルト122の
下側と境を接する関係で位置された下部ファン冷却ヒートシンク194(図7及
び10参照)を含む。ヒートシンク194は前及び後フレーム壁119,120
の間に装着され、前フレーム壁119に装着されたファン196によって冷却さ
れる。前及び後フレーム壁119はファン196からの空気流が前フレーム壁1
19を通り、ヒートシンク194のフィンを通り、後フレーム壁120を通って
外方に行くことができる適切な開口198,200をそれぞれ与えられる。装置
117はローラー184にその上流端で旋回自在に連結される第2上部ヒートシ
ンク202をさらに含む。ヒートシンク202は溶融されたカード構造が輸送中
ヒートシンク202の真下で容易にスライドできるようにその上流端に面取りさ
れたコーナ204も含む。ヒートシンク202はハウジング186内で捕獲され
、裏シート14の上面がヒートシンク202の下面と密接な状態に維持されるよ
うに上方に浮動可能にされている。ヒートシンク202は上部ハウジング186
の上部壁に装着されている別のファン206によって冷却される。操作において
、空気は上部ハウジング186を通って下方に、ヒートシンク202の上に、ハ
ウジング186の横及び端の開口部を通って外方に行くようになっている。
冷却されたカードがオペレーターにアウトプットされる前に、カードは下部ベ
ルトローラー126、及び下部ベルトローラー126と協同して装着される第4
ローラー208によって形成されるアウトプットニップを通過する。ローラー2
08は軸ブロック212に受けとめられた端を有する軸210上に回転自在に装
着される。軸ブロック212は上部ハウジング186の側壁の開口部214にス
ライド可能に受けられる。ブロック212は上部ハウジング186と軸ブロック
212の間に捕獲されるばね216によって下方向に偏位される。ばね216は
カードのアウトプットのための加圧アウトプットニップを形成するために下方に
ローラー208を偏位する。
それゆえ本発明は圧力及び熱の下で1対のシート材料を初期溶融し、さらに完
全な結合のために圧力なしで溶融されたシートを加熱し、次いで装置を出る前に
溶融されたシートを冷却するために有効である装置10及び117を与えること
が理解されうる。装置は加熱ローラーを有する加圧インプットニップを与えるこ
とによってこれらの目的を達成する。インプットニップを通過したシート材料は
ニップの圧力及び熱の下で溶融される。溶融された材料は次いで材料の完全結合
を達成するためにシート材料の更なる加熱のための加熱定盤上を通過される。次
いで完全に溶融されたシートは装置から出る前にファン冷却されたヒートシンク
によって冷却される。この理由のため、本発明はかなりの工業的効果を有する技
術進歩を与えると考えられる。
ここでは本発明を具体化するある特定の構造を示し記載したが、部分の様々な
変形及び再配置が根底にある本発明の概念の範囲及び精神を逸脱することなしに
なしうること及びこれが添付の請求の範囲によって示される範囲以外にここで示
され記載された特定の形態に限定されないことは当業者に明らかであろう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年5月18日(1998.5.18)
【補正内容】
請求の範囲
1.下記のものを含む、第1重合体シートを第2重合体シートと面対面の関係
で溶融するための装置:
2ピース構造を規定するために前記シートを一緒に面対面の関係で加圧するた
めの加圧装置;
前記シートを一緒に加圧しながら第1重合体シートにだけ熱を適用する第1熱
適用装置(前記加圧及び熱は前記第1及び第2重合体シートの初期溶融を達成す
る);
前記シートを一緒に加圧しながら前記第2重合体シートを冷却するために操作
可能な冷却装置;及び
第1及び第2重合体シートの完全な溶融を互いに達成するために周囲圧力下で
前記第1重合体シートにだけ熱を適用する第2熱適用装置。
2.前記加圧装置が第1及び第2ローラーを有するインプットニップを含む請
求の範囲1記載の装置。
3.前記第1重合体シートが前記第1ローラーに隣接して受けられ、前記第2
重合体シートが前記第2ローラーに隣接して受けられ、一方前記シートが一緒に
加圧され、前記第1熱適用装置が前記第1ローラーを加熱するために操作可能で
ある請求の範囲2記載の装置。
4.前記冷却装置が前記第2ローラーを冷却するために操作可能である請求の
範囲3記載の装置。
5.前記第2熱適用装置の下流に第2冷却装置をさらに含み、その冷却装置が
前記シートを冷却するために操作可能である請求の範囲1記載の装置。
6.前記第2熱適用装置の下流に第2冷却装置をさらに含み、その冷却装置が
前記シートを冷却するために操作可能である請求の範囲2記載の装置。
7.前記第2熱適用装置の下流に第2冷却装置をさらに含み、その冷却装置が
前記シートを冷却するために操作可能である請求の範囲3記載の装置。
8.下記のものを含む、第1重合体シートを第2重合体シートと面対面の関係
で溶融するための装置:
第1及び第2ローラーの周囲で受けとめられた第1無端ベルトを含む第1ベル
ト集成体;
前記第1ローラーとインプットニップを形成するために前記第1ローラーと協
同して装着される第3ローラー(前記第1及び第3ローラーは前記シートを一緒
に面対面関係で加圧して2ピース構造を規定し、前記第1重合体シートは前記第
1ローラーに隣接して受けられ、前記第2重合体シートは前記第2ローラーに隣
接して受けられ、一方前記シートは一緒に加圧される);
前記第1重合体シートだけが加熱されるように前記第1ローラーを加熱する熱
適用装置(前記加圧及び熱は前記第1及び第2重合体シートの初期溶融を達成す
る);
前記第1重合体シートが加熱されながら前記第2重合体シートが冷却されるよ
うに前記第3ローラーを冷却する冷却装置;及び
前記第1重合体シートに熱を適用するための加熱された定盤手段(前記加熱さ
れた定盤手段が前記ベルトの下側と熱伝達状態にあり、前記2ピース構造が前記
ベルトの上側上に支持され、前記加熱定盤手段の表面上で前記インプットニップ
から輸送され、さらなる熱が周囲圧力下で前記第1重合体シートに適用される)
。
9.前記シートを冷却する前記加熱された定盤手段の下流に第2冷却装置をさ
らに含む請求の範囲8記載の装置。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B29L 9:00
(72)発明者 フィールド,ゲイリー
米国,ロード アイランド 02871,ポー
ツマス,デクスター ストリート 274
(72)発明者 フォッサム,ダグラス ケー.
米国,ミネソタ 55133―3427,セント
ポール,ポスト オフィス ボックス
33427
【要約の続き】
造(12)のポリ塩化ビニル側に追加の熱を適用するた
めの加熱定盤(180)をさらに含む。加熱定盤(18
0)はベルト(122)の下側と熱伝達状態にあり、ベ
ルト(122)が定盤(180)の上に2ピース構造を
運ぶときにさらなる熱は2ピース構造のポリ塩化ビニル
側に適用される。最後に、装置は2ピース構造が加熱定
盤(180)から離れて輸送されるとき2ピース構造
(12)の両側を冷却するためにベルト(122)の上
下に位置されたファン冷却ヒートシンク(194,20
2)を含む。