JP2000507554A - 治療用アルキル化剤の毒性から保護する遺伝子治療のための変異型アルキルトランスフェラーゼの使用 - Google Patents

治療用アルキル化剤の毒性から保護する遺伝子治療のための変異型アルキルトランスフェラーゼの使用

Info

Publication number
JP2000507554A
JP2000507554A JP9534606A JP53460697A JP2000507554A JP 2000507554 A JP2000507554 A JP 2000507554A JP 9534606 A JP9534606 A JP 9534606A JP 53460697 A JP53460697 A JP 53460697A JP 2000507554 A JP2000507554 A JP 2000507554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
agt
mutant
hematopoietic
transduced
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9534606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000507554A5 (ja
Inventor
イー. ペッグ,アンソニー
エル. ガーソン,スタントン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Case Western Reserve University
Original Assignee
Case Western Reserve University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Case Western Reserve University filed Critical Case Western Reserve University
Publication of JP2000507554A publication Critical patent/JP2000507554A/ja
Publication of JP2000507554A5 publication Critical patent/JP2000507554A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1085Transferases (2.) transferring alkyl or aryl groups other than methyl groups (2.5)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/43Enzymes; Proenzymes; Derivatives thereof
    • A61K38/45Transferases (2)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、腫瘍疾患を治療する方法に関するものであり、ここでは、遺伝子療法による治療が、化学療法処置と共に使用される。抗腫瘍アルキル化剤による組合せ療法は、O6−べンジルグアニン(BG)または同様の化合物若しくは化合物のうち、単独でまたは組み合わせて使用される該薬剤に対し、宿主の腫瘍の感受性を最適化するであろう。造血細胞は、BGまたはその関連化合物に対する耐性を加える間、DNA修復活性を示す突然変異AGT蛋白質を発現するトランス遺伝子により感染される。化学療法処置と協同して、突然変異AGT蛋白質を発現することにより形質導入された造血細胞の集団を患者に導入することによって、抗腫瘍薬物の投与と従来関係のあるミエロサプレッションが実質的に減少されるであろう。

Description

【発明の詳細な説明】 治療用アルキル化剤の毒性から保護する遺伝子治療のための変異型アルキル トランスフェラーゼの使用 1.序論 本発明は、腫瘍疾患の治療方法に関するものであり、遺伝子治療処理を化学療 法処置と組み合わせて用いるものである。より明確には、この組合せ療法は、宿 主腫瘍感度を最適化するものであり、アルキル化剤及びエチル化剤を、単独で又 はO6-ベンジルグアニン(BG)若しくは同種の1又は複数の化合物と混合して使用 する。BGは、野生型ヒトO6-アルキルグアニン-DNAアルキルトランスフェラーゼ (AGT)、アルキル化剤の抗腫瘍性効果を取り除くことで知られているDNA修復プロ テインを抑制する。造血細胞は、BG又は関連する化合物への耐性を備えているが 、DNA修復活動を示す変異型AGTプロテインを発現するトランスジーン(trunsgene )に侵される。化学療法処置と協同して、患者に、変異型AGTプロテインを発現す る形質変換血細胞集団を導入すると、これら抗腫瘍薬剤の投与に深く関連してい るミエロサプレッション(myelosuppression)が実質的に減少する。 本発明は、また、造血細胞における第2の形質導入遺伝子を優性淘汰させる方 法を含んでおり、O6-ベンジル 化グアニン誘導剤にAGT変異型耐性を発現する第1の形質導入遺伝子は、O6-ベ ンジル化グアニン誘導剤と、アルキル化又はメチル化剤の存在下で培養される。 BGとBCNUの存在下でG156A AGTを発現するトランスジーンで形質変換されたCD34+ のクローン原生を著しく増強させることは、薬物耐性遺伝子として役立つであろ う。 2.発明の背景 アルキル化剤及びメチル化剤は、ガン化学療法に用いられる重要な化合物グル ープである。クロロエチル化剤は、クロロエチルニトロソウレアだけを含むので はないが、DNAの構造及び/又は機能に変化を引き起こさせる細胞核中にDN A付加物を形成する。これらは、標的とされた細胞中で、細胞毒性作用に誘導さ れたDNAレベルによって変化する。 BCNU(N,N'−ビス(2-コロルエチル(cholorethyl))-N-ニトロソウレア)とCCNU(N -(2-コロルエチル)-3-シクロヘキシル-N-ニトロソウレア)のようなクロロエチル ニトロソウレアは脂溶性化合物であり、臨床試験での成功に限られてはいるが、 ある新生物に対して臨床的に利用されている。これらクロロエチルニトロソウレ アは、遺伝子のO6位置DNAアルキル化を促進させ、DNA内部構成架橋(interstran d crosslinking)に誘導して、DNA複製及び転写の適合度を変化させる。この誘導 された内部構成架橋は、グアニン残渣でのクロロエチル付加物の構造を含んでお り、クロスストランドシトシン残渣に反応する不安定な中間生成物をつくる分子 内転移を受ける。その結果が、N1-グアニン、N3-シトシン-エタノール架橋であ る。 このN1-グアニン、N3-シトシン-エタノール架橋は、DNA修復プロテイン、O6- アルキルグアニン-DNAアルキルトランスフェラーゼ(AGT)によって保護される。 この修復プロテインは、哺乳動物の腫瘍細胞で活性(active)であり、一般にBCNU やCCNUのようなクロロエチル化剤と関連のある抗腫瘍性効果から細胞を保護する ために役目を有する。AGTは、機能に独特なメカニズムを有しており、AGTアミノ 酸配列の中に配置されたシステイン残渣に、DNA内でグアニンのO6位置に存在す るアルキルグループの転移を引き起こす(Lindahl.et al.,1988.Annu.Rev.Bioche m57:133-157;Pagg,1990,Cancer Res.50:6119-6129)。結果として生じるAGTプロ テインを含むS-アルキルシステインは、システインには変換されない。AGTは一 度だけ活動し、修復されるO6-アルキルグアニン残渣数は、利用できるAGT分子 の数に等しい。それゆえ、高いレベルのAGTを発現する腫瘍細胞は、アルキル化 及びメチル化化学療法薬に耐性を示し、これら薬剤の臨床的効果は限られている であろう。この結果として、哺乳動物の腫瘍細胞における機能的AGTの減少は、 グアニンのO6位置でDNA付加物を形成するクロロエチル化剤の化学療法効果に対 して、これら細胞の増大感度と相互関係をもつ。 1992年2月24日にMoschelらに発行された米国特許第5,091,430号には、AGTを 抑制するO6-代用グアニン化合物が開示されている。例示されたAGTを抑制する 化合物、O6-ベンジルグアニン(BG)である。BGは、時間と濃度に強く依存するヒ トAGTの不活性化因子である(Dolan.et al.,1990.Proc.Natl.Acad.Sci.87:686- 690)。このメカニズムは、AGT中のS-ベンジルシステインの同定と、BGと共に培 養されたグアニンの化学量論的総量の形態によって確認されている。 1994年10月4日にMoschelらに発行された米国特許第5,352,669号には、O6- 代用グアノシンとジオキシグアノシン化合物のAGT抑制について示されている。 1994年10月22日にMoschelらに発行された米国特許第5,358,952号には、化学 療法のための薬剤の組合せが示されており、抗腫瘍性アルキル化剤と協同するO6 -代用グアニン化合物が含まれている。 抗腫瘍性疾患の処置に於けるアルキル化及びメチル化剤の使用に関する主たる 制約は、これら薬剤によって生じる深在性のミエロサプレッションである。この 問題は、処置の後4〜6週間ぐらいでピークに達し、その結果、所定の期間にお ける周期療法の反復が妨げられる。このミエロサプレッションは、造血細胞内に AGTを低濃度にする。 Crone and Pegg(1993.Cancer Res.53:4750-4753)は、 変異型ヒトAGTプロテインが、aa#140(P140A)で、プロリンのアラニンへの単アミ ノ酸変化を伴うことについて開示している。この変異型ヒトAGTは、BGに敏感で 、インビトロで減少する。著者は、この変異体のインビボでの活動を、BG又はBG /BCNUの組合せについては取り扱っていない。 Croneら(1994.Cancer Res.53:4750-4753)は、付加的変異型ヒトAGTプロテイン が、aa#156(G156A)にて、グリシンのアラニンへの単アミノ酸変化を伴うことに ついて開示している。G156Aは、ヒトAGT P140Aと同じく、BGに敏感であり、イン ビトロで減少する。同様に、著者は、この変異体のインビボでの活動を、BG又は BG/BCNUの組合せについては取り扱っていない。 Gersonら(1994.Mutarion Res.307:541-555)はは、野生型ヒトO6-メチルグア ニン-DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)cDNA、又は、細菌性ada遺伝子(BGにAG T抗体の原核型を発現させたもの)の一方を発現する遺伝子導入マウスについて開 示している。著者は、対応する遺伝子の発現を示す形質転換細胞内における、BC NU付加への保護レベルについて示している。 アルキル化剤の毒性に対するその他の取り扱いとして、遺伝子療法がある。Mo ritzら(1995.Cancer Res.55:2608-2614)は、マウスの骨髄細胞中における、MGMT のレトロウイルス的な間接発現について開示している。著者は、 MGMTを多く発現させる試みに強力なプロモータを用いており、インビトロ及びイ ンビボ研究のために、この細胞内で付加BCNUの影響に打ち勝つための試みをして いる。腫瘍部位でのMGMTの抑制や、造血細胞内で、BCNU-誘導ミエロサプレッシ ョンを減少させるためのプロテインの耐性種を提供についての試みは、著者によ って行なわれたり、提案されてはいない。また、Allay.et al.(1995.Blood 85: 3342-3351)は、マウスの骨髄細胞中におけるMGMTのレトロウイルス的な間接発現 について開示している。著者は、MGMTの発現を増大させるため、及びインビトロ でBCNU-誘導ミエロサプレッションを減少させるために、5'LTRプロモーターの断 片と共にMPSVベクターを使用した。Harrisら(1995.Proc.Amer.Assoc.Can.Res.36 :419)は、細菌性ada遺伝子のレトロウイルス的な間接発現と、ニトロソウレアの 耐性の測定について開示している。著者は、インビボでのBGとBCNUに対して増大 耐性について記している。Mazeら(1996.Proc.Natl.Acad.Sci.93:206-210)は、マ ウスの骨髄細胞中におけるインビトロとインビボでのwtMGMTの発現について開示 している。これら著者は、腫瘍部位でのMGMTの抑制と、造血細胞内で、BCNU-誘 導ミエロサプレッションを減少させるためのプロテインの耐性種の提供について は開示されていない。これら研究は、臨床レベルでの効果的な遺伝子療法の適用 については乏しいものである。なぜなら、これらセルの中でAGTの所定 の高レベル発現を達成することは困難であり、さらに、アルキルトランスフェラ ーゼで実質的に増大させても、処理される多くの腫瘍は、高レベルのアルキルト ランスフェラーゼを有しており、これら腫瘍よりも感度が低い細胞を殺傷させる には、不十分だからである。 MGMTの過大な発現は、正常マウス及びヒト造血細胞でBCNU耐性を増大させるが 、その影響は非常に小さく、これらの適用のための療法的利用には重大な問題が 残されている。それ故、根本的な問題が、腫瘍細胞を標的としたクロロエチル化 化合物に対する感度に打ち勝つための試みの中で、造血細胞中でのヒトAGTの過 大な発現に存在している。 AGT P140A及びG156Aは、BGに対する耐性を示しており、インビトロでDNA中の O6-メチルグアニンを修復する能力については明確な欠点はないが、メチル化DN Aを修復するレートは、非常に急速であり、生理学的な状況の下で正確に測定す ることは困難である。また、より大きい2-クロロエチルグループに作用する能力 が、これら突然変異によって影響を受けるか否かは知られていない。さらに、AG T中の幾つかのポイント変異は、明らかに変動させる影響を持っており、AGTプロ テインの定常状態のレベルを減少させることがある。これらの要因は、クロロエ チル化から細胞を保護する変異型AGTの能力を制限する。このため、幾つかの又 は全ての突然変異が、細胞のDNA内で、O6 -(2-クロロエチル)グアニンを修復する能力に影響を及ぼし、また、BGによって 感作(sensitization)に対する耐性をつくることはできない。 それ故、化学療法処置で、アルキル化及びメチル化剤の使用で観察された極端 なミエロサプレッションに打ち勝つための試みがなされているにもかかわらず、 様々な腫瘍疾患を処置するために、この抗腫瘍性剤を用いる改良された方法への 要求がある。 3.発明の概要 本発明は、メチル化又はアルキル化剤の使用により生じるミエロサプレッショ ンの大問題を扱うことによる腫瘍性の病気の治療に於いて、メチル化又はアルキ ル化剤を使用する際の主な制約を解決する。故に、本明細書は腫瘍性の病気の化 学的療法を改善する為の遺伝子治療を開示する。 本発明は化学的療法の体系を最大限に活用する方法に関し、それによって局部 的には野生型蛋白質である腫瘍細胞を選択的に抑制する一方、化合物には抵抗性 があるこの蛋白質の突然変異体は造血細胞中へ同時に配備する。蛋白質のこの突 然変異体は、またDNA修復活性も示す。これらの方法は、対応する化学療法の体 系中、骨髄細胞内の突然変異蛋白質の発現(expression)が促進されるように、造 血細胞の集合に、突然変異蛋白質を発現するトランスジェニックな構造を形質導 入(transducing)すること、 及び形質導入された細胞を、哺乳動物宿主に再び形質導入(transducing)するこ とを要求する。 この最後に発明の一部は、化学的療法体系を改善するこれらの遺伝子治療の使 用について述べており、そこではO6-コインジルガーニン(BG)が加えられて、腫 瘍細胞がクロロエチル化剤に感応する高レベルのO6-アリキルガーニン−DNA-ア ルキルトランスフェラーゼ(AGT)を含むようにする。この出願に於いて、種々の クロロエチル化剤に暴露した後に形成されるDNA付加物の修復能力を保持しつつ 、突然変異した核酸のシーケンスは生み出されており、それはBGに抗してAGT DN A修正蛋白質を発現する突然変異した核酸のシーケンスは生み出すものである。 造血細胞内でのAGT突然変異遺伝子等のトランスダクションと発現(expression) に引き続いて、形質導入された細胞が哺乳動物宿主内に再び導入することは、適 切な細胞集合を生む結果になるだろうし、該細胞集合は、突然変異AGTに高レベ ルであり、化学的療法剤のようにBGの存在に感応しない。 言い換えれば、突然変異AGT蛋白質の発現は、蛋白質の高度な集中によるだけで なく、BGに対する抵抗により、クロロエチル化剤の影響を克服する。これとは対 称的に、BGは腫瘍細胞を局所野生型AGTに抑え、対応するクロロエチル化剤の作 用を介して腫瘍細胞ゲノメ(genome)内で生み出されるDNAの修復を妨げる。 本発明に於いて、関係のあるトランスジェニック構造は、ウイルス性の伝達手 段によって造血細胞に搬送されると予測される。本発明で用いられる組換えウイ ルスベクターは、(a)モロニーねずみ白血病ウイルス(MoMLV)又は骨髄増殖性の肉 腫ウイルス(MPSV)から取り出されたベクターを含むがこれらに限定されないリト ロビラルウイルス、(b)アデノウイルスベクター、(c)アデノ随伴ベクター、(d) 単純疱疹ウイルスベクター、(e)SV40ベクター、(f)ポリオーマウイルスベクター 、(g)乳頭腫ウイルスベクター、(h)ピコルナウイルスベクター、(i)疱疹ウイル スベクターを含むが、これらに限定されない。選ばれたウイルスベクターシステ ムに基づき、当業者が用い得る技術は、組換えウイルスベクターを、選択された 目標細胞に感染させる為利用される。 本発明の実施例に於いて、関係あるトランスジェニックの構造は、レトロウイ ルスベクターMFGにサブクローンされている。この組換え(recombinant)MFGレト ロウイルスベクターは、包まれた細胞ラインに移されて、回復したウイルス粒は 、哺乳動物細胞集合ラインをトランスフェクトする為に用いられる。哺乳動物細 胞集合ラインは、これらに限定するわけではないが、(1)周辺の血液単核細胞の 集合体、好ましくはCD34+原種にて満たされたもの、(2)造血の素となる細胞を 含む骨髄細胞の集合体、好ましくはCD34+原種にて満たされたものを含む。イン ビトロ でトランスフェクトされた細胞集合体は、次に公知技術により患者に再び導入さ れる。 本発明の実施例に於いて、明細書内に開示された遺伝子治療は、BGとクロロエ チル化剤N,N'−(2-クロロエチル)2-N-ニトロソーリア(BCNU)を含む化学的療法体 系と繋って用いられる。 BGと連繋したクロロエチル化剤を含む化学的療法体系を最大限にすることに関 する本発明の実施例は、ヒトAGT突然変異型P140Aを含み、プロリン#140がアラニ ンに代用される。 BGと連繋したクロロエチル化剤を含む化学的療法体系の最大限にすることに関 する本発明の他の実施例は、ヒトAGT突然変異型G156Aを含み、グリシン#156がア ラニンに代用される。 本発明の他の実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型P140AはMFGレトロウイルス ベクター内にサブクローンされ、従って、造血細胞にトランスダクションし、腫 瘍性の病気の治療に用いられるアルキル化又はメチル化剤と同様に、P140A AGT が耐性を示す化合物を少なくとも含んでいる化学的療法体系の一部として患者に 再び導入するためのMFG-hAGT/P140A組換えレトロウイルスベクターを生成する。 本発明の好ましい実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型P140Aは、MFGレトロウ イルスベクター内にサブクローン され、こうして造血細胞にトランスダクションされ、患者に再び導入されるMFG- hAGT/P140A組換えレトロウイルスベクターを、BGとクロロエチル化剤N,N'-(2-コ ロロエチル)2-N-ニトロソーリア(BCNU)から成る化学的療法体系と連繋して用い られる化学的療法体系の一部として生成する。 本発明の好ましい実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型G156Aは、MFGレトロウ イルスベクター内にサブクローンされ、こうして実施例7に例示され、明細書を 通じて単にMFG-ΔMGMT又はΔMGMTとして引用され、組換えベクターに基づくMFG- hAGT/G156Aが生成する。この組換えレトロウイルスベクターはこのとき、造血細 胞に形質導入され、選択された細胞は少なくともG156A AGTは腫瘍性の病気の治 療に用いられるアルキル化又はメチル化剤と同様に、耐性を示す化合物を含む化 学的療法体系の一部として患者に再び導入される。 本発明の特に好ましい実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型G156AはMFGレトロ ウイルスベクター内にサブクローンされ、こうして、造血細胞にトランスダクシ ョンされ、BGとクロロエチル化剤N+N-(2-クロロエチル)2-N-ニトロソーリア(BCN U)を含む化学的療法体系と繋って用いられる化学的療法体系の一部として患者に 再び導入されるMFG-ΔMGMT(ΔMGMT)を生成する。再度、このMFG-hAGT/Gl56Aをベ ースとする組換えベクターは、実施例7に例示さ れ、明細書を通じてMFG-ΔMGMTとして引用される。 本発明はまた、造血細胞に2番目に形質導入された遺伝子の優先選択の方法を 含み、造血細胞ではO6-ベンジル化グアニン誘導体にAGT突然変異体を発現する 最初に形質導入された遺伝子は、O6-ベンジル化グアニン誘導体及びアルキル化 剤又はメチル化剤の存在下で一緒に培養される。BGとBCNUの存在下でG156A AGT を発現したトランスジーンから形質導入されたCD34+細胞のクロノジェニック生 存の著しい増大は、同様の動作を示すいかなるAGT突然変異体も、遺伝子に抵抗 する薬のように有益であることを示している。 本発明の目的は、腫瘍性の病気を処置する為、メチル化剤及びクロロエチル化 剤を用いる既存の化学的療法を遺伝子治療の応用を組み入れることにより改善し 、これらの化合物に関する骨髄の固有の問題を克服することにある。 本発明の更なる目的は、宿主への導入又は再導入の為に、関連した造血プレカ ーサに適切に形質導入する突然変異型ヒトAGTシーケンスを提供し、それによっ て腫瘍性の病気の化学的療法に於けるメチル化及びクロロエチル化剤の使用によ っておこる骨髄の既知の問題を実質的に緩和することにある。 本発明の更なる目的は、腫瘍性の病気の化学的療法に於けるメチル化剤及びク ロロエチル化剤の使用に関する 骨髄の既知の問題を実質的に緩和する為に、宿主への導入又は再導入の為に、造 血プレカーサに適切に形質導入される突然変異型ヒトAGTシーケンスAGTs P140A 及び/又はG156Aを利用することにある。 本発明の更なる目的は、また第2治療遺伝子を選択する為に、選択システムに 基づいた改良された薬物耐性を提供することにあり、第2治療遺伝子ではMFGレ トロウイルスベクターのようなベクターは、目標細胞の集合に形質導入され、第 1のベクター遺伝子は、AGT突然変異耐性を発現し、O6-ベンゼン化グアニン誘 導体は、O6-ベンジル化グアニン誘導体及びアルキル化又はメチル化剤の存在中 で培養される。このような薬選択システムは第2治療遺伝子を発現する高度な細 胞の選択を許容するだろう。 本発明のこれらの及び他の目的は、ここに添付した以下の発明の記述、図面、 クレームからより一層理解されるであろう。 3.1 定義 BCNU N,N'-(2-コロルエチル)2-N-ニトロソーリア CCNU N-(2-コロルエチル)-3-サイクロヘキル-N- ニトロソウレア AGT O6-アルキルグアニン-DNA- アルキルトランスフェラーゼ BG O6-ベンジルグアニン MPSV 骨髄増殖性肉腫ウイルス MoMLV モロネイねずみ白血病ウイルス SDS-PAGE SDS ポリアクリラマイド ゲル エレクトロ フォーシス MGMT O6-メチルグアニン-DNA-メチルトランスフェ ラーゼ ここで用いられているように、”MGMT”の語は遺伝子又は、O6-アルキルグア ニン-DNA-アルキルトランスフェラーゼ(AGT)をコード化するcDNAコンストラクト を示す。”MGMT”の語は野生型、又はヒトAGT蛋白質の突然変異体を表す核酸シ ーケンスのようなものを示す為に、”AGT”と入れ替え可能に使用される。 ここで用いられているように、”患者”の語は、人間に限らず、動物界を含む 。 ここで用いられているように、”哺乳動物”の語は、人間に限らず、動物界を 含む。 4.図面の簡単な説明 図1は、CHO細胞におけるAGT蛋白質の発現をウエスタンブロットで分析したも のを示している。ヒトAGT(レーン1、2)、若しくはその突然変異体P140A(レー ン3、4)及びG156A(レーン5、6)を発現するCHO細胞からの抽出物と、HT29 細胞(レーン7、8)からの抽出物は、SDS-PAGEによって分解され(resolve)、 ニトロセルロースに転写され(transfer)、ヒトAGTの中のアミノ酸8〜 20に対応するペプチドに対し、抗体を用いて染め出された(develope)。未転写の CHO細胞は、このサイズの中でAGT蛋白質を示すことは無かった(レーン1、3、 5は25μg、レーン2、4、6、7は50μg、レーン8、9は、100μgの蛋白 質がそれぞれロード(load)された)。 図2は、CHO細胞を殺す工程において、様々なBCNU濃度に対する効果を示して いる。対照CHO細胞(▲)と、ヒトAGT(○)、若しくはその突然変異体であるP140 A(●)及びG156A(□)を発現するCHO細胞は、BCNUを用いて表示の濃度で2時 間処理された。次に、媒地が置換された。16〜18時間後に、例6に記載のように 、細胞はリプレート(replate)され、7〜8日後に、コロニーはカウントされ た。 図3Aおよび図3Bは、BG(図3A)および5-nitroso-BP(図3B)に対し、 様々な濃度で晒した後のAGT活性の損失を示している。ヒトAGT(○)、並びにその 突然変異体であるPl40A (●)及びG156A (□)を発現するCH0細胞は、BGまたは5-n itroso-BPに4時間晒された。次に、細胞は収穫され、AGT活性が測定された。 図4は、細胞の増殖(growth)時におけるBGの効果を示している。G156A AGT を発現するCHOクローン細胞は、フラスコに対し75cc2毎に105個が播種された。4 8時間後に、図示のように様々な濃度のBGを含む新しい(fresh)媒地により置換さ れた。細胞は、BGの存在下で24時間維 持された。その後、媒地は、24時間毎に置換された。細胞は収穫され、図示の時 点でカウントされた。 図5は、コロニー形態において、様々な濃度のBGおよび5-nitroso-BPに対する 効果を示している。BGは、突然変異AGTであるP140(●)およびG156A(□)を発 現するCHO細胞に、5-nitroso-BPは、G156A(■)を発現する細胞に、それぞれ18 〜20時間追加された。次に、細胞は、上述した材料および方法でリプレートされ 、7〜8日後にコロニーがカウントされた。 図6Aおよび図6Bは、BCNUにより細胞を殺す工程において、BG(図6A)お よび5-nitroso-BP(図6B)の様々な濃度に対する効果を示している。細胞は、 図示の濃度のBGまたは5-nitroso-BPにより2時間処理され、80μMのBCNUが2時 間加えられた。媒地は、AGTインヒビター(inhibitor)を含むがBCNUを含まない 新しい媒地により、18時間周期で置換された。次に、細胞は、上述した材料およ び方法でリプレートされ、7〜8日後にコロニーがカウントされた。 図7Aおよび図7Bは、形質導入されたCHO細胞(図7A)および形質導入さ れたCD34+細胞(図7B)に関するwtMGMT(AGT)およびΔMGMTに対するAGT活性 において、様々なBG濃度に対する効果を示している。 図8Aおよび図8Bは、K562細胞(図8A)とCD3「細胞(図8B)に関して、 G156A突然変異体(ΔAGT)(●)、 野生型AGT(wtMGMT)(○)および形質導入されていない対照の活性において、1 0μmBGと様々な濃度のBCNUに対する効果を示している。 5.発明の詳細な説明 本発明は、アルキル化剤およびメチル化剤が過度のミエロサプレッションを生 成するという問題点を処理することにより、腫瘍疾患の治療におけるこれら薬物 の主要な使用限度を解消する。 本発明は、腫瘍疾患の治療方法を提供することにより前記限度を解消し、ここで 、遺伝子施療方法は、公知の化学療法処置と組み合わせられて、患者に投与され る抗腫瘍剤に対する宿主の腫瘍応答性が最適化される。 本発明の基礎は、遺伝子治療技術を化学療法処置と共に使用する点に基づいて いる。この組合せにより宿主の環境が提供され、ここで、腫瘍細胞は、抗腫瘍剤 に対し最適に感作され、一方、形質導入されたミエロイド(myeloid)細胞は、 実質的に影響を与えることがない。 本発明の方法が特に有益である望ましいシナリオが存在する。非悪性細胞タイ プに発現される特定の腫瘍細胞の蛋白質が不活性(inactivate)にされることは、 或る種のガン治療において有利であるだろう。これは、蛋白質の特定の機能を抑 制することが知られている化合物を化学療法処置に追加することによって遂行さ れるであろう。非悪性細胞タイプにおいて前記生物学的機能を不活性に することは、患者の治療を成功させるのに有害であるかもしれないということに なる。従って、実質的に野生型の活性を有するために示されると共に、抑制用化 合物に対し耐性を付加する突然変異蛋白質は、組換えベクター内にサブクローン 化され、例えば、造血性の幹細胞およびプロジェニター細胞のような、非悪性細 胞タイプの集団内に形質導入され、患者に導入されるであろう。最終結果として は、感受性が発現し、突然変異体バージョンと比較されるような、腫瘍細胞にお ける野生型形態の蛋白質が造血細胞に発現されるであろう。この突然変異体バー ジョンは、野生型の機能を保持し、同様に、抑制型化合物に対して感受性がない であろう。遺伝子療法の適用と化学療法の適用におけるこのような組合せによっ て、腫瘍細胞の抗腫瘍剤に対する感受性が最大となる一方、患者内部のミエロサ プレッションが実質的に減少するであろう。 例7は、造血細胞、すなわち、周囲の血液からの強化された(enrich)CD34+ 細胞を標的とする工程を例示している。造血細胞の標的工程に基づく遺伝子療法 は、これらの抗腫瘍薬物の処理に関連したミエロサプレッションを解消する際に 効果的であるだろう。しかしながら、本願明細書では、任意の非悪性細胞タイプ を、生体外および生体内の何れかに基づく方法によって標的とすることの有効性 を開示しており、該非悪性細胞タイプは、本発 明のヒトAGT突然変異体の生物学的活性濃度を保持するであろう。 このため、本発明の一部は、遺伝子療法の治療(treatment)を用いて化学療 法処置を改良することに関し、ここで、変成のために標的とされる腫瘍蛋白質は 、O6−アルキルグアニン−DNAアルキルトランスフェラーゼ(AGT)である。 AGT、すなわち、哺乳動物の腫瘍細胞におけるDNA修復蛋白質活性の存在が、 アルキル化剤に対する耐性を付加することが知られている。AGTの行動(action )機構は、DNAにおけるグアニン残基のO6位置で、多数のアルキル化剤のD NA内転(adduct)形態に関する標的と反応することを含む。腫瘍細胞をアルキ ル化剤に対して感作させるために、腫瘍に局在するAGTを不活性にすることは好 都合である。腫瘍細胞は、例えばBGのようなO6−ベンジル化グアニン誘導体を 化学療法処置に追加することによって、上手く感作されている(Pegg,et al.,19 95,Prog.Nucl.Acids 51;167-223を参照)。これらの化合物は、AGTの効果的な不 活性因子であることが示されており、化学療法における含有物は、クロロエチル 化およびメチル化抗腫瘍薬物の細胞毒素の特性を混合強化する(例えば、Chae,e t al.,1994,J.Med.Chem.35;4486-4491を参照)。それにも関わらず、BGまた は関連のO6−ベンジル化グアニン誘導体を追加することにより、種々の宿主の 非悪性細胞タイプ内での細 胞毒性の問題点が処理されることは無い。実際、非悪性細胞タイプにおける抑制 用AGTは、効果的な濃度のAGTを発現する非悪性細胞において、毒性を悪化させる であろう。化学療法処置においてアルキル化剤を使用することによる最優先の問 題点は、低レベルのAGT発現に起因する重大なミエロサプレッションである。こ の問題点は、O6−ベンジル化グアニン誘導体を追加してもしなくても持続して いる。 従って、本発明の実施例は、野生型AGTのDNA修復機能を不活性化するか、 或いは少なくとも実質的に不活性化することを示す化合物による不活性化に対し て、耐性を有する突然変異AGT蛋白質(ヒトAGT蛋白質が望ましい)の使用に関す るものである。利用できる化合物には、8−アザ-O6−ベンジルグアニン(8-az a-BG)のようなO6−ベンジル化グアニン誘導体、O6−ベンジル−8−ブロモグ アニン(8-bromo-BG)、2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−ニトロピリミジン (4-desamino-5-nitro-BP)、O6−ベンジルグアニン(BG)、O6−[p−(ヒドロ キシメチル)ベンジル]グアニン(HN-BG)、O6−ベンジル−8−メチルグアニン (8-methyl-BG)、O6−ベンジル−7,8−ジヒドロ−8−オクソグアニン(8-oxo -BG)、2,4,5−トリアミノ−6−ベンジルオキシプリミジン(5-amino-BP)、 O6−ベンジル−9−[(3−オキソ−5α−アンドロスタン−17βイルオキ シカルボニ ル)メチル]グアニン(DHT-BG)、O6−ベンジル−9−[(3−オキソ−4−ア ンドロステン−17βイルオキシカルボニル)メチル]グアニン(AND-BG)、およ び8−アミノ−O6−ベンジルグアニン(8-amino-BG)があるが、これらは、例 示するものであって、限定するものでないことは当然である。さらに、望ましい AGT突然変異体と共に利用できるピリミジン化合物としては、2,4−ジアミノ −6ベンジルオキシ−5−ニトロソピリミジン(5-nitroso-BP)や、2,4−ジ アミノ−6−ベンジルオキシ−5−ニトロピリミジン(5-nitro-BP)が挙げられ るが、これらに限定するものではない。 本発明の別の実施例は、野生型AGTのDNA修復機能を不活性化するか、或い は少なくとも実質的に不活性化することを示す化合物による不活性化に対して、 耐性を有する突然変異AGT蛋白質(ヒトAGT蛋白質が望ましい)の使用に関するも のであり、該野生型AGTとしては、モシェル(Moschel)他に1994年10月4日に付 与された米国特許第5352669号に開示されたO6−代用(substituted)グアノシ ンや、2’デオキシグアニシン化合物が挙げられるが、これらに限定するつもり はない。例として、dBG、すなわちBGの2’−デオキシリボヌクレオシドが使用 されるがこれに限定するものではない。ポテンシャルAGT−抑制用BGアナログの 生体内スクリーンにおいて、dBGは、BGやベンジル環で変成されたBGより10倍少 ない能力(potent) であることが見出されたが、比較的溶解可能なAGT抑制因子の最大活性の範囲内 であった。他のBGに比べて水性溶媒における溶解性が優れているという、dBGの 比較的高い能力のため、我々は、生体内のゼノグラフト(xenograft)システム において試験することにした。生体内能力においてBGとdBGの間に相違点がある にもかかわらず、2つの化合物によるBCNU-相乗作用(potentiating)の効果は 、十分に同程度であった。さらに、dBGのエスカレーション(escalation)は、B Gによるような溶解性によって限定されることはなかった。従って、dBGが例示す るようなこのクラスの化合物は、本発明を実施する際に効果的であり、ここで、 当該分野の専門家は、dBGの追加に対する耐性を付加する関連のAGT突然変異体を 、体外および体内の両方で特定するであろう。 例6および例7は、aa#140(プロリンをアラニンへ)および#156(グリシンを アラニンへ)において突然変異されたヒトAGTシーケンスを使用することが示さ れている。しかしながら、任意の突然変異体は、代用突然変異体、削除突然変異 体または追加突然変異体であるか否かに関わらず、野生型AGTを抑制する化合物 に対する耐性を示し、且つDNA修復活性を保持する限り本発明に効果的である ことは、当該分野の専門家とって十分認識されるであろう。開示された発明を実 施する際に使用される追加の突然変異体が、生成され、本願明細書の助けにより 試験 されることは、当該分野の通常の専門家の範囲内である。遺伝子療法/化学療法 の適用において前記突然変異体を組み合わせて使用することにより、形質導入さ れた造血細胞とその後に患者に導入される造血細胞に対して、耐性と野生型AGT 活性の両方を追加するから、化学療法処置において興味深い化合物は、標的の腫 瘍細胞を感作するために実際に自由に使用できる。 従って、具体例において、血液毒性(hematotoxicity)は、遺伝子療法を用い て、造血細胞及び/又は造血幹細胞、若しくは造血プロジェニター細胞に、アル キルトランスフェラーゼ遺伝子を発現することにより解消されるであろう。例え ば、O6−ベンジル化グアニン誘導体とピリミジン化合物による突然変異ヒトAGT が不活性化に対し耐性を有することは、この目的のために著しい利点となるであ ろう。患者の骨髄における耐性型AGTの強力なプロモータからの発現により、重 要な(critical)造血細胞にアルキルトランスフェラーゼの活性を増加すること と、腫瘍AGTがそれぞれの化合物に対し感受性があるけれども、このAGTが変成用 薬剤による不活性化に対し感受性がないことにより、治療の療法指標(therapeu tic index)が改良されるであろう。 以下に述べるように、本発明の別の面は、突然変異AGTを発現する細胞の耐性 を利用して、例6に示されるように、高レベルの安定(stable)AGT突然変異体 を発現する 造血先祖細胞の集団を選択して、開示された遺伝子療法プロトコルに使用するこ とに関する。この選択手順は、(1)野生型の活性を抑制するが、突然変異体に対 して不活性である化合物と、(2)計画された化学療法処置にて使用される薬剤の 中の少なくとも1つである選択中のアルキル化剤との存在下で、高レベルの少な くとも1つの突然変異型AGTを発現する、培養された細胞を選択することに基づ くであろう。 特定のコンパウンドに抵抗性を有するAGT突然変異体を作り、試験することは 技術者の責務であるかもしれない。前述したように、そのようないかなる追加の 突然変異体も、本発明の範囲に含まれるものであり、セクション6の実施例に示 したデータに関して試験することもできる。例えば、O6-ベンジル化グアニン誘 導体又はピリミジンコンパウンドのようなコンパウンドに対して抵抗力のある突 然変異AGTはインビトロのDNA中でO6-メチルグアニンを修復する能力では明白な 欠陥を示さないかもしれないが、メチル化DNAの修復速度は非常に速いため、生 理学的条件の下で正確に測定することが困難である。より大きな2-クロロエチル 基に作用する能力が夫々の突然変異による影響を受けるかどうかについては明ら かではない。さらに、AGTの幾つかのポイント変異には、脱安定化効果(destabil izing effect)が顕著なものもあり、AGT蛋白質の定常状態レベルを低下させるか もしてない[Crone,et a l.,1994,Cancer Res.54:6221-6227;Ling-Ling,et al.,1992,Carcinogenes is 13:837-843,Pieper,et al.1994,carcinogenesis 15:1895-1902参照]。 これらのどのファクターも、細胞をクロロエチル化から保護するために、夫々 の突然変異体AGTの能力を制限することができるであろう。インビトロ手段によ り誘導されるいかなる突然変異も、O6-(2-クロロエチル)グアニンを修復する能 力に影響を及ぼすものではないから、O36-ベンジル化グアニン誘導体又はピラミ ジンコンパウンドによる感作抵抗性を作り出さないだろう。それゆえ、セクショ ン5の実施例の中で例示したアッセイは、今後造血プロジェニター及び幹細胞へ 導入し、また患者へ再導入するためには、突然変異体の適合性を予測することが 必要であろう。 本発明は、クロロエチル化剤のようなあらゆるアルキル化剤、又は野生型DNA の修復機能を実質的に保持する野生型AGT又は夫々の突然変異型AGT蛋白質により リバースされ、1又は2以上の種類のDNA付加物の形態をとることのできるその 他公知のコンパウンドの使用に関するものである。換言すれば、本発明はグアニ ンのO6位置でDNAをアルキル化した1又は2以上のアルキル化剤の使用を提供す るものである。そのようなアルキル化剤の例として、クロロニトロソウレアN,N' -ビス(2-コロルエチル)-N-ニトロソウレア(BCNU)及びN-(2-コロルエチル)-3-シ クロヘ キシル-N-ニトロソウレア(CCNU)を挙げることができるがこれらに限定されるも のではない。これらのコンパウンドは、導入細胞が抑制剤に抵抗性を有するよう にし、腫瘍細胞をこれらのアルキル化剤に感作するようにするために、例示した AGTの任意の抑制剤及び例示した任意のトランスジーンと組み合わせて用いるこ とができる。 本発明は、野生型DNAの修復機能を実質的に保持する野生型AGT又は夫々の突然 変異AGT蛋白質によりリバースされ、1又は2以上の種類のDNA付加物の形態をと ることのできるものであれば、任意のメチル化剤又はその他同様なコンパウンド の使用に関するものである。アルキル化剤の使用に関する先の説明の中で記述し たように、本発明は、グアニンのO6-位置にてDNA付加物を生成する1又は2以上 のメチル化剤の使用を提供するものである。そのようなメチル化剤の例として、 テモゾロミド(temozolomide)、デカルバジン(decarbazine)、プロパカルバジン 及びストレプトゾトシンを挙げることができるがこれらに限定されるものではな い。これらコンパウンドは、導入細胞が抑制剤に抵抗性を有するようにし、腫瘍 細胞をこれらのアルキル化剤に感作するようにするために、例示したAGTの任意 の抑制剤及び例示した任意のトランスジーンと組み合わせて用いることができる 。 本発明において用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体は、薬学的に許容し 得る添加剤(excipient)、担体(ca rrier)又は希釈剤と共に薬学的組成物として作られ、錠剤、カプセル、粉末、顆 粒、軟膏、溶剤、座薬、注入剤、吸入剤、エアロゾルその他通常の投与形態とし て、固体、半固体、液体又は気体の形態に調製することができる。以下に記載す る方法及び添加剤は、単なる例示であって、いかなる意味でも限定するものでは ない。 薬学的投与形態において、本発明で用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体 は、薬学的に許容される塩の形態で使用され、また、単独で使用してもよいし、 適当に組み合わせて使用してもよいし、その他薬学的に活性なコンパウンドと共 に用いてもよい。 経口剤の場合、本発明のO6-ベンジル化グアニン誘導体は、単独で或いは適当 な添加剤と共に使用し、錠剤、粉末、顆粒又はカプセルの形態に作ることができ る。その作製に際しては、添加剤として、例えば、ラクトース、マンニトール、 コーンスターチ又はポテトスターチ、崩壊剤(disintegrator)として、コーンス ターチ、ポテトスターチ又はカルボキシメチルセルロースナトリウム、潤滑剤と して、タルク又はステアリン酸マンガン、その他に希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保 存剤、着香剤などが適宜使用される。 本発明で使用されるO6-ベンジル化グアニン誘導体を座薬の形態で作る場合は 、乳化剤又は水溶性剤のような種々の基剤(bases)と混合することにより行われ る。 本発明で使用されるO6-ベンジル化グアニン誘導体を注入剤の形態に作る場合 は、水性溶剤又は非水性溶剤、例えば野菜油、合成脂肪酸、グリセリド、高級脂 肪酸エステル又はプロピレングリコールの中でそれらを溶解、懸濁又は乳化する ことにより行われる。また、必要に応じて、可溶化剤、等張性剤(isotonic agen ts)、懸濁化剤、乳化剤、安定剤、保存剤などの公知の添加剤を適宜使用するこ とができる。 吸入剤などのエアロゾルを調製する場合、本発明で使用されるO6-ベンジル化 グアニン誘導体は、液体又は微細粉末の形態で、ガス又は液体のスプレー剤と共 にエアロゾル容器の中に充填される。必要に応じて、潤滑剤のような公知の補助 剤(adjuvant)と共に使用することができる。それらはまた、例えばネオブライザ ー又はアトマイザーにより、非圧縮性薬剤として調製することもできる。 本発明で用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体の使用量は、腫瘍細胞を処 理するのに必要な有効量の程度に応じて異なる。投与量は、処理されるべき腫瘍 細胞のO6-ベンジル化グアニン誘導体がAGT活性の枯渇をもたらす量が適当であり 、例えば、化学療法前で約1-2000mg/kgであり、約10-800mg/kgが望ましい。実際 のところ、本発明の重点は、遺伝子治療にBGを添加使用することにあり、非悪性 細胞型に有害効果をもたらすことなく、大量のBGを投与できるようにすることで ある。 シロップ、エリキシル、懸濁剤のような経口投与のとき、各々の投与単位(例 えば、茶匙又は食匙)には、本発明で使用されるO6-ベンジル化グアニン誘導体 が所定量含まれると共に、薬学的に許容される担体、例えば注射用滅菌水USP、 或いは通常の食塩水と共に使用することができる。 本発明で用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体は座薬として直腸から投与 することもできる。座薬には、ココアバター、カーボワックス、ポリエチレング リコールなど、室温では固体、体温で溶ける賦形剤を含むことができる。 本発明で用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体は、塩又は塩に転換された 適当な媒介体(vehicles)により経皮投与することもできる。電流又は電界を用い ることにより、吸収を高めることができる。 本発明で用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体は、適当な媒介体により、 口内又は舌下投与することもできる。 本発明で用いられるO6-ベンジル化グアニン誘導体は、エアロゾル用に調製し て、吸入投与することもできる。O6-ベンジル化グアニン誘導体は、ジクロロジ フルオロメタン、プロパン、窒素などの圧縮噴射剤の中に調製することもできる 。 この明細書の中で使用される「投与単位」は、物理的 に分離されたもので、ヒト及び動物の投与量として適当な単位を意味するもので あり、各単位には、薬学的に許容される希釈剤、担体、添加剤又は媒介体と共に 、所望の効果を得るように計算された所定量のO6-ベンジル化グアニン誘導体が 含まれている。本発明の新規な投与単位の仕様は、使用される具体的なコンパウ ンドの種類、達成されるべき効果、さらには宿主内における各コンパウンドとの 薬力学的作用に依存する。 薬学的に許容し得る添加剤、例えば、媒介体、補助剤、担体、希釈剤などは、 一般に容易に入手可能である。 投与量の調節は、当該分野の専門家により、化学療法処置の要請に合わせて容 易に行なうことができる。 BGの望ましい配給形態は、PEG400/食塩水溶液を通じて行なうことである。こ の配給を行なう媒介体は、これまで詳細に研究されており、非毒性であり、ヒト に経口投与されてきたものであり、注射用ロラゼパムのような市販の薬剤の中に も存在している。BG配給用の適当な媒介体として、PEG400食塩水溶液の使用が知 られている[Dolan.et al.,1994,Cancer Chemorher.Pahrmacol.35:121-126] 。 この明細書では、遺伝子と化学療法の組合せを明らかにするものである。患者 に対して最適な処置を施すために、導入細胞の投与、そのタイミング及び間隔が 重要であり、それらは本発明の範囲内に含まれる。 これらコンパウンドの投与は、文献に記載された公知の要領にて行なうことが できる[Wasserman,et al.,1975,Cancer 36:1258-1268;and Physician's Desk Reference,45thed.,1991,Edward R.Barnhart(発行者)]。例えば、BCNUは、 6週間毎に150-200mg/m2の割合で、静脈内投与される。CCNUは、6週間毎に130m g/m2の割合で、経口投与される。その他に、適量のアルキル化剤又はメチル化剤 を、当該分野の専門家にとって公知の適当な投与形態にて追加投与することもで きる。 本発明の具体的実施例は、AGT蛋白質、望ましくはヒト蛋白質を発現する突然 変異の核酸シーケンスを用いている。この蛋白質は、BGに抵抗性であるが、種々 のクロロエチル化剤に曝露後に形成されるDNA付加物を修復するために、野生型 又は野生型に近い能力を保持している。造血細胞中のAGT突然変異遺伝子のトラ ンスダクションと発現の後、導入された細胞が哺乳類の宿主の中へ再導入されて 、インビボ細胞集団となり、両方とも突然変異AGTのレベル向上を示すが、化学 療法剤としてのBGの存在に対しては感受性を有しない。BG抵抗性AGTの突然変異 蛋白質のインビボ発現は、前述したように、蛋白質の高濃度化だけでなくBG抵抗 性により、クロロエチル化剤の影響を排除するであろう。 本発明の実施例に於いて、明細書内に開示された遺伝子治療は、BGとクロロエ チル化剤N,N'-(2-クロロエチ ル)2-N-ニトロソーリア(BCNU)から成る化学的療法体系と連繋して用いられる。 O6-ベンジル化グアニン誘導体、又はピリミジン化合物の選択に対して、最適 な耐性を示し、かつ野生型又は実質上野生型を保持するAGT突然変異体を選ぶこ とは、有益なことである。この選択は、実施例6に示すような培養されたCHO細 胞内で行われるばかりではなく、造血細胞の感染中も続く。関連する突然変異体 AGTの高レベルを発現(expressing)する組換えAGTレトロウイルスクローンを選択 することは有益であり、本発明の一部として提出される。このことは、アルキル 化剤及び/又はO6-ベンジル化グアニン誘導体又は選ばれたピリミジン化合物の 存在下で、最初から生成細胞と共に培養中に、ポシティブクローンを選択するこ とにより達成される。 その上、又は後者のものに組み合わせて、選択は造血細胞とともにレトロウイル ス浮遊物を一緒に培養中に生じる。適切なレベルで発現した組換えレトロウイル スAGT突然変異体のみが、野生活性を発現しつつ、O6-ベンジル化グアニン誘導体 又はピリミジン化合物に対して、培養中に耐性を与えるだろう。反腫瘍性のアル キル化剤又はメチル化剤と一緒に患者に再び導入されたときに、より治癒効果の ある要素を与えるのは、そのような特性を持つ再組換えAGTレトロウイルスベク ターであろう。 本発明は、またDNA修復活性を保持するAGT突然変異体 を追加的に、インビトロでスクリーニングし、選択し、かつ野生型AGTを抑える ために既知である固有の単一又は複数の化合物に耐性を与える方法に関するもの である。 本発明は、また特殊な化合物又は野生型AGTを抑えるとして知られる化合物に 耐性を与える間中、野生型DNA修復活性の実質的総量を保持するin vivro篩い分 け方法及び付加的な化合物の選択方法に関する。 本発明に於いて、関係のあるトランスジェニックの構造は、ウイルス性の伝達 手段によって造血細胞に搬送されると予測される。本発明で用いられる組換えウ イルスベクターは、(a)モロニーねずみ白血病ウイルス(MoMLV)又は骨髄増殖性 の肉腫ウイルス(MPSV)から取り出されたベクターを含むがこれらに限定されない リトロビラルウイルス、(b)アデノウイルスベクター、(c)アデノ随伴ベクター、 (d)単純疱疹ウイルスベクター、(e)SV40ベクター、(f)ポリオーマウイルスベク ター、(g)乳頭腫ウイルスベクター、(h)ピコルナウイルスベクター、(i)疱疹ウ イルスベクターを含む。選ばれたウイルスベクターシステムに基づき、当業者が 用い得る技術は、組換えウイルスベクターとともに、選択された目標細胞に感染 させる為利用される。 本発明の実施例に於いて、関係あるトランスジェニックの構造は、レトロウイ ルスベクターMFGにサブクローンされている。この組換え(recombinant)MFGレト ロウイル スベクターは、包まれた細胞ラインに移されて、回復したウイルス粒は、哺乳動 物細胞集合ラインをトランスフェクトする為に用いられる。哺乳動物細胞集合ラ インは、これらに限定するわけではないが、(1)周辺の血液単核細胞の集合体、 好ましくはCD34+原種にて満たされたもの、(2)造血の素となる細胞を含む骨髄 細胞の集合体、好ましくはCD34+原種にて満たされたものを含む。インビトロで トランスフェクトされた細胞集合体は、このとき公知技術により患者に再び導入 される。 BGと連繋したクロロエチル化剤を含む化学的療法体系を最大限に活用すること に関する本発明の実施例は、ヒトAGT突然変異型P140Aを含み、プロリン#140はア ラニンで代用される。 BGと連繋したクロロエチル化剤を含む化学的療法体系の最大限にすることに関 する本発明の他の実施例は、ヒトAGT突然変異型G156Aを含み、グリシン#156はア ラニンで代用される。 本発明の他の実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型P140AはMFGレトロウイルス ベクター内にサブクローンされ、従って、造血細胞にトランスダクションし、腫 瘍性の病気の治療に用いられるアルキル化又はメチル化剤と同様に、P140A AGT が耐性を示す化合物を少なくとも含んでいる化学的療法体系の一部として患者に 再び導入する為のMFG-hAGT/P140A組換えレトロウイルスベクターを生成す る。 本発明の好ましい実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型P140Aは、MFGレトロウ イルスベクター内にサブクローンされ、こうして造血細胞にトランスダクション され、患者に再び導入されるMFG-hAGT/P140A組換えレトロウイルスベクターを生 成し、BGとクロロエチル化剤N,N'-(2-コロロエチル)2-N-ニトロソーリア(BCNU) から成る化学的療法体系と連繋して用いられる化学的療法体系の一部として生成 する。 本発明の好ましい実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型G156Aは、MFGレトロウ イルスベクター内にサブクローンされ、こうして実施例7に例示され、明細書を 通じて単にMFG-ΔMGMTとされ、組換えベクターに基づくMFG-hAGT/G156Aが生成す る。この組換えレトロウイルスベクターはこのとき、造血細胞に形質導入され、 選択された細胞は少なくともG156A AGTは腫瘍性の病気の治療に用いられるアル キル化又はメチル化剤と同様に、耐性を示す化合物を含む化学的療法体系の一部 として患者に再び導入される。 本発明の特に好ましい実施例に於いて、ヒトAGT突然変異型G156AはMFGレトロ ウイルスベクター内にサブクローンされ、こうして、造血細胞にトランスダクシ ョンされ、BGとクロロエチル化剤N,N'-(2-クロロエチル)2-N-ニトロソーリア(BC NU)を含む化学的療法体系と繋って用いられ る化学的療法体系の一部として患者に再び導入されるMFG-ΔMGMTを生成する。再 度、このMFG-hAGT/G156Aをベースとする組換えベクターは、実施例7に例示され 、明細書を通じてMFG-ΔMGMTとして引用される。 本発明はまた、造血細胞に第2の形質導入された遺伝子の優先選択の方法を含 み、造血細胞ではO6-ベンジル化グアニン誘導体にAGT突然変異体を発現する最初 に形質導入された遺伝子は、O6-ベンジル化グアニン誘導体及びアルキル化剤又 はメチル化剤の存在下で一緒に培養される。BGとBCNUの存在下でG156A AGTを発 現したトランスジーンから形質導入されたCD34+細胞のクローン原性生存の著し い増大は、同様の動作を示すいかなるAGT突然変異体も、遺伝子に抵抗する薬剤 として有益であることを示している。 6.実施例:ヒトAGT突然変異体のインビトロ発現及び生物学的活性 6.1.物質及び方法 物質 BG及び5-ニトロソ-BPが合成され、Dr.R.C.Moschel(NCI-FCRDC,Frederick,MD )により供給された。BCNUの入手先は、Drug Synthesis and Chemistry Branch, Devision of Cancer Treatment,NCI,Bethesda,MDである。N-[3H]メチル-N-ニ トロソウレアの購入先は、Amersham Inc.,Arlington Hts.,ILである。分子生 物学、細胞培 養及びAGTアッセイのためのその他の試薬の入手先は、GIBCO BRL Life Technolo gies,Gaithersburg,MD;Sigma,St Louis,MO;Atlana Biologicals,Norcross ,GA;New England Biolabs,Beverly,MA;Perkin Elmer,Branchburg,NJ;Promeg a,Madison,WIである。 プラスミド構造体 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)の細胞中でAGTを発現するために、プラスミ ドpCMV-Neo-Bam[Baker,et al.,1990,Science 249;912-915]は固有のBamHIサイ トで挿入されたシーケンスの発現を制御するCMVプロモータと、プラスミドを吸 収したクローンのジェネティシンによる選択のためのネオマイシン抵抗遺伝子を 有している。野生型P140A及びG156AGTに対応するcDNAは、これらインサートを含 むpGEMAGTを用いたPCRにより得られた[Crone and Pegg,1993,Cancer Res.53: 4750-4753;Crone,et al.,1994,Cancer Res.54:6221-6227]。この文献は引用 を以て本願への記載加入とする。SP6 RNAポリメラーゼプロモータのシーケンス に対応させられた3'端末に用いられたプライマーと、5'端末に用いられたプライ マーは、5'-CTCACTATAGGATCCAAAATGGACAAGGAT-3'(下線部がミスマッチしている) であった。このプライマーは、BamHI制限サイトを作り、AGTシーケンスの初期コ ドンを復活させる。PCR生成物はBamHIで消化され、BamHIサイトのpCMV-Neo-Bam の中へ挿入された。プラスミドは分離され、ベ クター中のAGT及びcDNAサイトを夫々カットするXbaI及びDraIIIを用いて消化す ることにより、AGTシーケンスが正しい方向に挿入されたことをチェックされる 。プラスミド内で正しい方向を示すAGTシーケンスは、次に、シーケンス決定法 により確認された。 細胞培養 CHO細胞は、75cm2のフラスコにつき2.5×106-の細胞を播種した後、α-MEM培 地中で維持し、増殖させた。このα-MEM培地は、36mMのNaHCO3、10%の胎児ウシ 血清、ペニシリン1mlにつき100単位、ストレプトマイシン1mlにつき100μgが含 まれている。HT29細胞はダルベッコの変性イーグル培地の中で増殖させた。この 培地には、10%の胎児ウシ血清プラス3%グルタミン及びゲンタマイシン(50μg/ ml)で補足された36mMのNaHCO3が含まれている。 トランスフェクション及び選択手順 CHO細胞は、付着細胞の安定トランスフェクションに対する製造者のプロトコ ルに基づいて、リポフェクチン(GIBCO BRL)を用いてトランスフェクトされた。 細胞は、60mmの組織培養プレートの中で105の細胞が播種された。各々のトラン スフェクションは、無血清で無抗生物質の培地の中で希釈された2μgのDNAと10 μlのリポフェクチンが用いられた。細胞は5時間培養され、次にDNA含有培地は 増殖培地と取り替えられた。48時間後、ジェネティシン(geneticin)(GIBCO BRL) が添加され、最終濃度は1m g/mlであり、ネオマイシン抵抗遺伝子を発現する細胞が選択される。さらに、AG T及び突然変異型P140A AGTでトランスフェクトされた細胞について、BCNU(80μM )の殺菌効果に対する抵抗性を有するものが選択された。個々の細胞コロニーか らのクローンが分離され、次の実験用に用いられた。 細胞増殖 細胞増殖速度に及ぼすBGの効果を調べるために、細胞は、75cm2のフラスコに つき105の細胞が播種され48時間増殖させた。培地は次に、新鮮培地又は新鮮培 地を含有する異なる濃度の薬剤と取り替えられた。24時間後、培地は取り替えら れ、細胞は対照フラスコ内で90%交会(confluence)するまで、増殖させた。培地 は24時間毎に交換された。対照細胞と、BGに曝露後の細胞が回収され、異なる時 間にて計数された。 細胞毒性のアッセイ コロニー形成アッセイを用いて細胞致死が求められた[Pegg,et al.,1995,Bi ochem.Pharmacol.50:1141−1148;Dolan,et al.,1986,Cancer Res.46:450 0-4504]。細胞は25cm2フラスコにつき105の細胞を用いてプレート化され、24時 間増殖させた。BG又は5-ニトロソ-BPのどちらかを用いて培養した後、80μMのBC NUが2時間添加された。培地は次にAGT不活性剤を含有する新鮮培地と取り替えら れ、細胞は37℃でさらに16-18時間放置された。 細胞は次に、25cm2のフラスコにつき100乃至1000の細胞密度で取り替えられ、離 散したコロニーが染色され計数できるようになるまで7-8日間増殖させた。コロ ニーは0.9%食塩水で洗浄され、結晶バイオレットで染色され、計数された。 AGT 活性のアッセイ 抽出物が準備され、Dolan et al.に開示された要領(Dolan,et al.,1990,Pro c.Narl.Acad.Sci.U.S.A.87:5368-5372参照)にて、DNAをN-[3H]メチル-N-ニ トロソレア(Amersham Inc.,Arlington Hts.,IL)と反応させて調製した[3H]メ チル化ウシ胸腺DNA基質を用いて、37℃で30分間培養させて、AGT活性が求められ た。細胞のAGT活性は、次に、細胞抽出物の中に存在する蛋白質1mgにつき除去さ れたfモルのO6-メチルグアニンとして発現された。蛋白質はブラドフォードの 方法(Bradford,1976.Anal.Biochem.72:248-254)により求められた。細胞AGT の不活性化の測定は、異なる濃度のBG又は5-ニトロソ-BPを約80%交会に達した 細胞培養基へ添加することにより行なった。4時間の曝露の後、細胞は回収され 、PBSにて洗浄された。細胞ペレットはアッセイが行われるまで-80℃で保存され た。次に抽出物が調製され、AGT活性が測定された。測定結果は、薬剤が添加さ れなかった培養基に存在するAGT活性のパーセンテイジとして表わされている。 ウエスタンブロット分析 トランスフェクトされたCHO細胞内の野生型及び突然変異型AGTの発現が免疫ブ ロットを用いて測定された。12.5%のアクリルアミドゲルのSDS-PAGEの後に、 ニトロセルロース膜の上で固定化された蛋白質は、抗体MAP-1(Pegg,et al.,19 91,Carcinogenesis 12:1671-1677)を用いて、TROPIX,Inc.のウエスタン−光の 化学発光検出システム(Western-Light Chemiluminescent Detection System)に より求められた。化学ルミネセンスの強さは、レーザー濃度計を用いた比重走査 により測定された。 6.2.結果 野生型及び突然変異型のAGTsに対してヒトcDNAを発現するpCMVでトランスフェ クションした後、CHO細胞の個々のクローンの中のAGT活性を測定した。トランス フェクトされていないCHO細胞の活は検出限界以下だったが、高レベルのAGTを発 現する多くのクローンは、トランスフェクトされた細胞の溜まりから容易に得ら れた。種々のクローンにはAGT活性にかなりの範囲があった。G418だけでなくBCN Uに対する抵抗性に基づいて選択されたそれらのクローンは、平均では、AGTの活 性はより高かったが、2つのグループにおいて観察された活性の範囲は重複して いた。野生型の等価活性を含む3種類のクローンとして、P140A、G156A及び突然 変異AGTが採取され、さらに実験に供された。表1に示されるように、これらの クローンのAGT活性は非常に近似しており、HT29細胞のそれより約. 2.5倍大きかった。AGT蛋白質は、ヒトAGTシーケンスのアミノ酸8-20(図1参照) に対応するペプチドの抗体で発達した免疫ブロットを用いて、これら細胞からの 抽出物の中で直ちに測定されることができた。単一蛋白質は、約22kDaのM.W.で 検出された。この帯域では、トランスフェクトされていないCHO細胞は完全に存 在しなかった。ウエスタンブロットの比重測定により、HT29と比較すると、野生 型AGTでトランスフェクトされたCHO細胞内の抗体とは約5.5倍多くの蛋白質が反 応し、P140Aでトランスフェクトされたものとは8.2倍多く、またG156Aの場合に は11.5倍多く反応した。これらの結果は、トランスフェクトされたAGTの中には 不活性なものがあること、突然変異AGTの大部分は非機能的であることを示唆し ている。それは、AGT活性の測定値が同じであり、HT29細胞よりも2.5倍だけ多か ったためである。 対照CHO細胞はBCNUにより効果的に殺され、80μMのBCNU後の生存率は0.1%よ りも少なかった。これに対し、対照の突然変異AGTを発現するトランスフェクト された細胞は、100μMのBCNUまでは、試験された中で最大濃度を示しており、死 に対して完全な抵抗性を有していた(図2参照)。 対照AGTを発現する細胞におけるAGT活性は、細胞をBG又は5-ニトロソ-BPに曝 露すると、直ちに減少した。P140A AGTを発現する細胞の中で同じAGT抑制を得る には、これら薬剤はかなり多くの量を使用せねばならなかった。また、G156Aを 発現する細胞はより大きな抵抗性を有していた。5-ニトロソ-BPは、3種類の全 ての細胞株の中のAGT不活性剤として、BGよりも活性が大きかった(図3b参照) 。4時間の曝露によりAGT活性を50%低下[ED50]させるのに必要な薬剤の濃度に基 づいた不活性の概要を表1に示している。BGのED50は15μMのP140A AGTでは30倍 、30μMのG156Aでは60倍増加した。同様に、5-ニトロソ-BPのED50は、1.25μMの P140A AGTでは25倍増加し、5μMのG156A AGTでは100倍に増加した。 これらの結果は、突然変異AGTをBCNUに対して感受性のあるものにするには、 これらAGT抑制剤はもっと高レベルにする必要があることを示唆している。この ような高濃度は、細胞増殖に影響を与えて、コロニー形成アッセイを無効にする ので、細胞増殖に対するBGの影響を調べるために、対照実験が行われた。BGに24 時間曝露すると、投与量に依存して細胞の増殖が抑制され、200μMよりも高濃度 のとき、24時間曝露し薬剤を取り除いた後、細胞増殖に大きな影響を及ぼしてい た(図4参照)。しかしながら、さらに48時間曝露すると、これらの細胞は回復し 、対照細胞と同じ速度で増殖していた。BGの細胞増殖に及 ぼす効果は明らかに可逆であるので、AGT抑制剤への曝露が、コロニー形成能力 に及ぼす効果を決定することができた(図5参照)。観察されたコロニーは、サ イズが小さくなっており(コロニーを作る細胞の数の40%減少に対応するファク ターが3以下)、BGの濃度は始めの24時間の増殖抑制により高濃度化していたけれ ども、細胞は次の7日間で増殖し、小さなコロニーは大きくなって検出された。 この結果は、BGに20時間曝したときでも、200μM以下では、コロニー形成活性作 用に全く影響がなかったことを示している。しかし、5-ニトロソ-BPは、より毒 性が強く、30μM以上の濃度でコロニー形成が低下した。 BGを、対照AGTを発現するCHO細胞へ添加すると、細胞は80μM BCNUに対する感 受性が非常に強くなり、50μMのBGで、平板培養された(plated)1000細胞につき <1までコロニー形成は低下した(図6a参照)。BGのこのレベルは、広範囲に亘 るヒトの腫瘍細胞をBCNUに対して、感作させるのに必要なレベルよりもかなり大 きい(Pegg,et al.,1995,Progr.Nucleic Acid Res.Mol.Biol.51:167-223; Dolan,et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87:5368-5372;Pegg,et al.1995,Biochem.Pharmacol.50:1141−1148;Dolan,et al.,1986,Cancer Res.46:4500-4504参照)。この違いは、おそらくトランスフェクトされたCHO細 胞の中のAGTが高レベルの為と思われる。そのレベルは、ヒトの細胞株の中でも 最も 高い発現体であるHT29の2.5倍である。別のファクターとして、CHO細胞内のAGT がCMVプロモータから発現されたことも考えられる。 突然変異AGT cDNAsでトランスフェクトされたCHO細胞は、BGによる感作に対し て遙かに大きな抵抗性を有していた(図6a参照)。BCNU処理された細胞のコロニ ー形成を、P140 AGTを発現する細胞内で平板培養された1000細胞につき<1まで 低減するには、200μMのBGを添加する必要があった。G156 AGTを発現する細胞は 、BGとBCNUの併用効果よりもさらに抵抗性(refractory)を有しており、350μMの 存在下でさえ殆どが生存していた(図6a参照)。 図6bに示されるように、5-ニトロソ-BPは、対照AGTを含むCHO細胞を感作さ せるのに、非常に効果があり、薬5μMで平板培養された1000細胞につき<1まで コロニーの形成を低減できた。P140A AGTを発現する細胞とG156A突然変異AGTを 発現する細胞を感作し、>40μMの濃度にするために25μMよりも多い5-ニトロソ -BPが必要であり、図5に示されるように、BCNUの不存在下でさえもコロニー形 成に影響を与えている。 この実施例で示されたこれらのデータは、突然変異P140A及びG156A AGTsは細 胞内で十分安定性であり、DNA内のクロロエチル基の修復に活性であり、BCNUに よる致死作用から完全に保護することを表している。これらの実験は、チャイニ ーズハムスター細胞で行われたけれども、 この結論はヒトの腫瘍細胞及び非悪性細胞の両方にも有効である可能性は極めて 高い。突然変異AGTsに保護能力をもたらす為の実験は、CHO細胞で実施されたが 、それには幾つかの理由がある。まず第1に、これらの細胞はトランスフェクシ ョンとクローン化が容易であり、対照及び突然変異AGT cDNAsに対するのと同レ ベルのAGT活性を発現するクローンを得ることができるからである。これは、AGT 発現のBCNU保護効果を正確に比較する上で重要である。第2に、CHO細胞を用い ることにより、発現されたAGTが、ハムスター遺伝子の活性よりもむしろ、プラ スミドcDNAに起因することを確認できることである。それは使用した抗体がヒト の蛋白質とのみ反応するからである(Pegg,et al.,1991,Carcinogenesis 12:1 679-1683)。そのような活性作用は、他の文献にも示されている(Pegg,et al., 1991,Carsinogenesis 12:1679-1683;Tano,et al.,1991,Murarion Res.255 :175-182;von Wronski and Brent,1994,Carcinogenesis 15:577-582;Arita ,et al.,1990,Carcinogenesis 11:1733-1738)。第3に、公知の如く、AGTを 含むヒトのDNA蛋白質のCHO細胞における発現が、細胞生理学に影響を及ぼす為で ある。これまでの研究によれば、CHO内の正常哺乳動物又は細菌AGTの発現により 、細胞はアルキル化剤の毒性効果に対して抵抗力がもたらされることが判る。こ の実施例の中で示された結果は、AGTがヒトの腫瘍細胞又はトラン スジェニックマウスの中で発現するときに生じる結果と同様である(Mitra and K aina,1993,Nucleic Acid Res.44:109-142;Pegg,A.E.,1990,Carcer Res.5 0:6119-6129;Pegg,et al.,1995,Nucleic Acid Res.Mol.Biol.51:167-223; Gerson,et al.,1994,Murarion Res.307: 541-555参照)。 ウエスタンブロッティング法により蛋白質の内容に相違の有ることが明らかに されたけれど、CHO細胞の中の突然変異及び対照AGT蛋白質の安定性には明白な違 いは観察されなかった。蛋白質は非常に安定性なので、蛋白質合成抑制剤で処理 した後は、崩壊(decay)の半減期を測定することができない。哺乳動物のAGT蛋白 質は保存性に富むけれども、ヒトのAGTs蛋白質は安定性が低い(又はincorrect f olding)為、ヒト細胞よりも齧歯動物の外部環境において観察される可能性がよ り高い。従って、クロロエチル化剤による致死架橋結合を防止するために、これ らの突然変異蛋白質は、正常なヒト細胞及び腫瘍性のヒト細胞の両方において十 分安定性で活性である可能性が高い。アルキル化されたDNA又はBGとの反応によ って作られるAGT蛋白質のアルキル化(又はベンジル化)の形態の死については、 まだ良く理解されていない。HT29細胞とCHO細胞の両方を含む細胞株の中には、 この蛋白質が早く劣化するものもあり(Gerson,et al.,1994,Murarion Res.3 07:541-555)、HT29及びCEMのヒト腫瘍株についての最 近の研究によれば、このプロセスの中でユビキチネーションが起こることを示唆 しているものもある(Pegg,et al.,1991,Carcinogenesis 12:1679-1683)。し かしながら、別の研究(Ayi,et al.,1994,Cancer Res.54,3726-3731)によれ ば、蛋白質のアルキル化した形態はウエスタンブロッティング法により検出され るCEM及びHeLa S3の中では、十分安定性であることが報告されている。但し、プ ロテアーゼV8による開裂(cleavage)を大きくする為の構造変化が検出されている 。依然として決定される必要のある異種細胞型の中でAGT蛋白質がどのように調 節されるかにおいて、これらの結果が顕著な違いを表わしているかどうかについ ては、いづれにせよ、アルキル化されたAGT蛋白質の劣化に関して、CHO細胞がヒ トの結腸癌HT29と同様な特性を有している。 図3及び図6に示す結果によれば、Pro140とGly156の位置でのポイント変異に より、ヒトAGTはBGに抵抗性となり、これにより、この薬剤がAGTsを有する細胞 をBCNUに感作させる能力を低下させることができる。高レベルのAGTを含む腫瘍 細胞をクロロエチル化剤に対して感受性を持たさせる手段として、BGは現在臨床 試験に入っている(Gerson,et al,1994,Proc.Am.Assn.Cancer Res.35:699 -700;Pegg,et al.,1995,Progr.Nucleic Acid Res.Mol.Biol.51:167-223) 。この薬剤に対して、感受性を持たないAGTの形態を発現する腫瘍細胞を選択す ることは、幾つかの単アミノ酸の変化がそのような抵抗性をもたらすから、潜在 的に重要な問題である。このセクションの実施例のこれらデータは、その心配を 高めることになる。その理由は、ここで与えられた結果からみて、これら変質(a lterations)の少なくとも2つ(P140A及びG156A)が、細胞の中でAGT活性となり、 BGの存在下でさえもBCNUの毒性から保護できるからである。動物におけるBGの可 溶性と薬物動態学(Dolan,et al.,1994,Cancer Chemotherapy 35:121-126)と 、霊長類における予備研究(Berg,et al.,1995,Cancer Res.55:4606-4610)に 基づくと、BGのプラズマレベルが20μMより容易に大きくなりそうにない。これ らのレベルは、種々のヒト腫瘍細胞の中で対照AGTを完全に不活性化させること ができるレベルであり(e.g,Gerson,et al.,1994,Proc.Am.Assn.Cancer R es.35:699-700;Pegg,et al.,1995,Nucleic Acid Res.Mol.Biol.51:167-22 3)、BCNUによる致死作用を大きく増大させるものである。これに対して、P140A とG156Aと突然変異AGTsを用いられたとき、トランスフェクトされたCHO細胞の感 作を生み出すのに必要なBGのレベルは、予測されたプラズマレベルよりも遙かに 大きい。 この問題は、AGTの抵抗突然変異形態に抗してまで活性抑制剤を作ることによ って、解消させることができる。このような抑制剤は、2つの区分に分類される 。1つは、 対照AGTを不活性化させると、直ちに突然変異形態を不活性化させることができ るもの、もう1つは、BGよりも遙かに強力で、プラズマレベルが維持されて、対 照AGTに相当する突然変異体との反応において、たとえ違いがあったとしても、 突然変異AGT蛋白質を不活性化させることができるものである。AGTをHT29細胞の 中で不活性化させ、様々な腫瘍をBCNUに感作させることのできる能力という点で は、5-ニトロソ-BPが、これまで最も強力なAGT抑制剤として報告されているが、 この目的の為には活性は十分ではない。 微生物からBGに至るまで、ヒトのAGTの突然変異形態の抵抗性に対する主な理 由は、活性サイトでの位置的制約によるものと思われる(Pegg,et al.,1995,P rogr.Nucleic Acid Res.Mol.Biol.51:167-223;Pegg,et al.,Biochemistry 32:11998-12006参照)。AGTの構造は、まだ決定されてはいないけれども、それ を抵抗性にさせる突然変異は、活性サイトポケットのサイズを小さくさせる残留 物の中にある。さらに、E.coil Ada-Cのアルキルトランスフェラーゼの変質は、 結晶構造を基に予測され、システイン受容体の到達可能性(accessability)が高 められ、BGに対して感受性にさせる(Crone,et al.,1995,Carcinogenesis 16: 1687-1692)。活性サイトポケットのサイズと、BGの如き低分子量基質を結合する 手段については、より多くの情報が入手可能となっているので、 コンパウンドを活性サイトの中へ適合できるように、そして突然変異AGTsでさえ も不活性化できるコンパウンドを設計できることは可能であろう。これらの突然 変異AGTsを発現させるCHO細胞株は、細胞がBCNUに対して感作できるような抑制 剤をスクリーニングするのに有用であろう。 対照AGTと突然変異AGTsは、我々の実験では、CMVプロモータから発現されたこ とに留意されるべきである。これはCHO細胞の中で非常に強力なプロモータであ り、生成されたAGTの量はたとえ全部ではなくても、大部分はヒトの腫瘍の中に 存在する量よりもかなり大きかった。高レベルのAGT発現が、BGに対する非感受 性に貢献することはあり得る。BCNU/BGの組合せに対して高レベルの抵抗性を付 与し、臨床試験でそのような変化が問題となる可能性を少なくする為に、AGTの 抵抗形態に対する突然変異とAGT発現のレベルの変化の両方が必要になることは 考えられ得る。にも拘わらず、そのような抵抗を克服するための戦略設計に対し ては慎重なようだ。本発明の実験に用いられたBCNUの濃度は、この薬剤で処置さ れた患者の中に存在すると思われる濃度よりかなり高く、AGTの発現はもっと低 レベルであっても、臨床プロトコルにおいてクロロエチル化剤から保護するのに 十分であろう。 最終的に、注目すべきことは、対照又は突然変異AGTのどちらか一方を発現す る細胞については、BCNUよる致死 作用能力を最大限に高めるために必要なBG又は5-ニトロソ-BPの濃度は、AGTを> 90%不活性にさせるのに必要な濃度よりも遙かに高い。同じような結果が、BGで 処置された様々なヒト腫瘍細胞(Dolan,et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci .U.S.A.87:5368-5372;Dolan,et al.,1991,Cancer Res.51:3367-3372;Mara thi,et al.,1993,Cancer Res.53:4281-4286)、またその他誘導体(Pegg,et al.,1995,Biochem.Pharmacol.50:1141-1148)についても観察されている。こ の理由は定かではないが、次の2つの可能性が考えられる。(a)少量の残留AGT が顕著な保護効果をもたらす、又は(b)致死架橋結合が、O6-クロロエチルグア ニン付加物から作られる全期間に亘って新たに作られたAGTがDNA修復よりもBGと 確実に反応させることが必要であるかもしれない。この期間は、これらの実験プ ロトコルにおける24時間が終わってから延長してもよく、培地が変化してから細 胞内に存在する残留薬剤からの寄与を得られるかもしれない。さらに、アルキル 化剤で処理する前に、AGTの不活性化より多くの薬剤を拮抗させることが必要で あろう。現在入手可能なBG又は誘導体をアッセイする方法は、培養細胞の中の細 胞内レベルを測定し、それらをインビトロにおけるAGTの生物学的効果及び感受 性と関連づけられる程には十分な感度を有していないから、対照AGTを発現する 細胞についての問題を詳細に調べることは困難であった。よ り高レベルのBGが必要とされる突然変異AGTsを用いると、これらのレベルは測定 可能な範囲に移動し、この問題を調べるための手段を提供することができる。 7.実施例:CD34+ 造血細胞におけるP156Aの発現 7.1.物質と方法 レトロウィルスベクター 野生型とG156A突然変異ヒトMGMT cDNAコーディングシーケンスをそれぞれ、モ ロニーマウスの白血病ウィルスに由来するレトロウィルスベクターpMFG(Ohashi et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.89;11)の特異なNcol及びBamHI制限サイ トに挿入することにより、レトロウィル T cDNAシーケンスの5'及び3'末端におけるNcol及びBamHIサイトはそれぞれ、一 対のプライマー(5'-p:5'CTTGGAACCATGGACAAGGATTGTGAAA3',3'-p:5'CTTAGGATCC CATCCGATGCAGTGTTACACG3':対応する制限サイトにアンダーラインを付している) でPCR増殖することにより作られた。作製されたNcolサイトにおけるATGシーケン スはヒトMGMT cD イマー、もう1つの次のプライマー(5'-mp:5'AGCGGAGCCGTGGCCAACTACTCCGGA3', 3'-mp:5'TCCGGAGTAGTTGGCCACGGCTCCGCTG3')を用いて2段階のPCR増殖により作ら れた。これらのプライマーはcDNAシーケンスから得られ、コドングリシンの第2 の基部にてアラニンに単一のミスマッ チ(太字)がある。まず第1に、5'及び3'の断片が、5'-p/3'-mp及び5'-p/3'-3の プライマーで夫々増殖され、次に、5'及び3'の断片は、全長変異型cDNAを増殖す るために、5'-p及び3'-pのプライマーと混合された。シーケンスは、ジデオキシ ヌクレオチド連鎖停止法により確認された(fmol DNAシーケンシングシステム, Promega Biotec,Madison,WI) ベクター構造体のCHO細胞へのトランスフェクション 製造者のプロトコルに基づき、リポフェクタミン(Gibco BRL,Gaithersburg, MD)によるpSV2のネオプラスミドDNAの0.6μgを用いて、6μgの各プラスミド(pM FGwtMGMT クトされた。トランスフェクトされたクローンはG418(1g/L)の中で選択された。 ウイルス生成細胞 SV2ネオDNAを、GP+E86の株のパッケージングの中へ同時にトランスフェクトする ことにより作られた。G418の中で選択した後、ウイルスの上澄みは集められ、そ れを用いて、両栄養性細胞株GP+envAm12(Arthur Bank,Columbia Univ.から提供 を受けた)を感染させた。滴定量を増やすために、前述した上澄み「ピンポン」 法が用いられた(Bodine,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.87:3738)。両栄養性ψ CRIP MFG-lacZは、Paul Robbins(Univ of Pitt sburgh)から提供を受けた。6日間毎日培地を交換した後、集められた上澄みから 、1×105K562細胞(これについては後述する)をウイルスの上澄みの限界希釈で感 染させることにより、滴定を評価した。 K562 トランスダクション ヒトの慢性骨髄性白血病細胞株K562は以下の要領にて形質導入された。80%の 交会で、両栄養性のvMGMT及びv トマイシンVで2時間処理され、血清含有培地の中で4回洗浄され、トリプシン処 理され、完全培地の中でリプレートされた(replated)。24時間後、2.5×105/mL のK562細胞が、ヒトのインターロイキン-3(IL-3)(100U/mL,Generics Institute .Cambridge,MAから提供を受けた)、GM-CSF(100U/mL、Sandoz Research Instit ute,Nutley,NJから提供を受けた)、及び6μg/mLのポリブレンと共の添加され た。48時間後、非付着性のK562細胞が獲得され、遺伝子導入(gene transfer)の ために分析を行なうか、500μg/mLのG4l8を含有した培地の中で増殖させた。選 択された細胞は4週間後に分析された。 CD34+ のトランスダクション 末梢血単核細胞はシクロフォスファミド及びG-CSFで処置された患者から血漿 交換によって得られた。CD34+プロジェニターは、Ceprate SCの幹細胞濃縮器(Ce ll Pro,Bothell,WA)を製造者の指令書に基づいて使用し、単離さ れた。要約すると、細胞は洗浄され、ビオチニル化された抗CD34抗体で培養され 、アビジンカラムの上を通過させられ、結合部分は緩やかな攪拌により溶出され た。再生された細胞の平均純度は57%であった。新たに得られたCD34+細胞(5×1 05cells/ml)は、熱不活性化された20%のFCSを含有するIMDMの中で再び懸濁させ 、ヒトSCF(100mg/ml,Amgen)、I1-3(100U/ml)、IL-6(100U/ml,両方ともSandoz から入手)、硫酸プロタミン(4mg/ml,Sigma)、を 生成体で同時培養した。48時間で、培地の半分が取り除かれ、細胞はペレット化 され、新鮮な補足培地の中で再び懸濁され、非付着性細胞は96時間で集められた 。 インビトロBCNU/BG処理 質導入された細胞は、10μMのBGと共に又はBG無しで、100U/mlのGM-CSFを含有す る無血清培地の中で再び懸濁させ、次に、連続攪拌しながら37℃の温度で1時間 培養させた。BCNUは100%エタノール中で溶かされ、無血清培地で10mMまで希釈 され、直ちに細胞へ添加された。37℃の温度で2時間培養した後、細胞は、SCF、 IL3、ヘミン、エリスロポイエチン、GM-CSF(例えばCD34+細胞)又はGM-CSF及び IL-3(K562細胞)のどれかを3種類含むメチルセルロース(Stem Cell Technologie s,Inc.)の中で培養させられた。BGで処理された細胞は、メチルセルロース培地 の中 で追加の5μMの投与を受けた。37℃で7-10日間培養した後、コロニーが列挙され 、各々にBCNUを投与して分析された。 免疫アッセイ 単クローン抗体mT3.1(D.Bignerから提供を受けた)及びブロチン/アビジンの わさび大根ペルオキシダーゼシステム(Vector Laboratories,Burllngame,CA) を用いて、AGTを調べるために、シトスピン調製物の染色が行われた。ウエスタ ンブロットは、50mmol/L TRIS-HCL pH 6、3.2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS) 、1%のβ-メルカプトエタノール、0.1mmol/Lのジチオスレイトール(DTT)、5% のスクロース、及び300μmol/LのNaO2トバナダーテ(thovanadate)を含有する緩 衝剤の中で、試料を超音波処理及び沸騰させることにより行われた。全蛋白質は 、修正されたブラッドフォードアッセイ(Bio-Rad Laboratories,hercules,CA) により定量化され、30−50μgの変性蛋白質がSDS−ポリアクリルアミドのゲル電 気泳動法(SDS-PAGE)により分離され、イモビロン(immobilon)PC(S & S,Keene,N H)の上に電気ブロットされた。ヒトのアルキルトランスフェラーゼは単クローン 抗体(MoAb)MT3.1を用いて検出された(D.Bigner及びT.Brentから供給を受けた)。 信号は、わさび大根ペルオキシダーゼに結合されたヤギ−抗マウスIgGを用いて 検出され、AmerchamのECLキットを製造者のマニュアルに従って使用し、化学ル ミネセン スを介して発達させた。ヒトAGTは、単クローン抗体mT3.1及びわさび大根ペルオ キシダーゼで結合された二次抗体で免疫染色を施すことにより検出された。化学 発光信号は、ECLキット(Amersham)を用いて検出された。AGT活性は、高レベルの MGMTを発現する形質導入されたK562細胞から作られた標準曲線を用いて、比重帯 域強度に対する関係づけが行われた。 AGT アッセイ AGT活性は、[3H]-メチルニトロソウレア処理されたアルキル化された子ウシ胸 腺での中に存在する[3H]O6-メチルグアニンから取り除かれた[3H-メチル]基とし て測定された。アルキル化された[3H-メチル]O6-メチルグアニン及びN7メチルグ アミン基はHPLCにより分離され、液体シンチレーションにより定量化された。AG T活性は、除去されたfmol O6mG/μgDNA、又は除去されたfmol O6/μg蛋白質とし て発現された。 PCR プロウイルス分析 標準プロティナーゼのK/Triton X-100法を用いて、メチルセルロースプレート から選択された単コロニーから単離された。152bpのヒトMGMT断片及び290bpのヒ トジストロフィン断片は増殖され、断片は2%アガロースのゲル上で分離され、 臭化エチジウム染色又はサザンブロットのどちらかにより検出された。 RT PCR 分析 純化されたRNA又は標準プロティナーゼのK/Triton X-100法を用いて調製され たRNAは、製造者のマニュアルに基づいて、DNaselを用いて広く消化させた。逆 転写及びPCRは、RNA PCR(Perkin-Elmer-Cetus,Norwalk,CT)を用いて実行され た。逆トランスクリプターゼの存在下で、497bpの断片は、MFGプロバイラルの脊 椎のシーケンス及びヒトMGMTに特異的な抗知覚プライマー(5'ACACCTGTCTGGTGAAC GACTCT3')を含む知覚プライマー(5'TGGTACCTCACCCTTACCGAGTC3')を用いて増殖さ れた。 ヘルパーウイルスのアッセイ 両栄養性の生産体細胞のウイルス上澄みを用いて、K562及びNIH 3T3細胞へ形 質導入された。これら細胞の上澄みは次に、新鮮なNIH 3T3細胞と同時培養され た。後者は、PCRによるプロバイラルシーケンス(proviral sequneces)の存在を 調べるために分析され、上澄みを用いてNIHlac細胞を感染させた。後者はプロバ イラルシーケンスを含んでいるので、上澄み中のウイルスの存在は、実験された ことのないNIH-3T3細胞へlac+ウイルスを上澄み移送することにより、検出する ことができた。NIH 3T3細胞は、1か月間培養され、その時の上澄みはヘルパーウ イルスのために再びアッセイに付された。 7.2 結果 CHO 細胞におけるAGT及びBG抵抗性の発現 素アッセイ及びウエスタンブロットによりwtAGTと比較さ胞の中の3.5fmol/μg DNAであり、wtMGMTトランスフェクタント中の84 fmol/μ gDNAと比較された。AGT活性における違いは、ウエスタンブロットにより観察さ れた違いよりも大きかった。しかしながら、AGT活性により示唆されたものより も、ウエスタンブロットにより求められた免疫反応性蛋白質の方が比較的多かっ た。CHOの中で、 AGTの抑制に対するIC50は約3μMであり、一方、wtMGMTでトランスフェクトされ た細胞は<0.1μMであった(図7a参照)。 滴定(Titer) れたK562細胞を免疫組織化学的に検出することにより行われた。5×105のAGT陽 性cfu/mlの滴定量を有するクローンを用いてさらに実験が行われた。特に、AGT は核であり、突然変異蛋白質はその核局在化を維持したことを示している。 K562 細胞における発現と薬剤 時培養することにより、レトロウイルスで感染させられた。AGT活性とBGに対す る抵抗性は、先に選択することな く、2種類の細胞培養の中で比較された。平均AGTレベルは、wtMGMTの形質導入 された細胞中で25.7fmol/μgDN μgDNAであり、未完成細胞の中で0fmol/μgDNAであった。AGTのBG不活性化に 対するIC50は、<0.1μMであり、 を維持した。一方、wtAGTは検出不能であった(図7b参ことができるか否かを調べるために、形質導入されたK562細胞は10μM BG及び種 々濃度のBCNUに曝され、メチル 形質導入された細胞は、薬剤に対して、wtMGMTの形質導入された細胞及び形質導 入されていない細胞よりも、大 形質導入されていない細胞に対して、BCNUのIC50は、11.3対4対1.3μMであり、I C90は、>30対16対5μMであった。 性の生存率20%を維持したのに対し、wtMGMTで形質導入された細胞は<1%であっ た。プロバイラルの形成を評価するために、個々のコロニーはPCR分析に付され 、152bpのMGMT断片は、22−33コロニー(67%)に増殖された。コロニープールの 中のwtMGMT感染細胞から検出されたAGT免 ヒトCD34+細胞中の発現と薬物耐性 ヒトCD34+とMFG-△MGMT又はMFG−ラクプロデューサと共に培養した非付着(non -adherant)細胞は、96時間以上で5倍に増加した。培養の後、培養の後、細胞 はBCNU単独又はBGと共に処理して、メチルセルロースで覆った。△MGMTで形質導 入されたCD34+細胞は、ラクZを形質導入した細胞のみと比較して、BCNUの抵抗に よってほとんど増加していない。しかしながら、10μMCのBGでwtAGTを除いた前 処理の後では、BCNUに対する顕著な抵抗が、△MGMTで形質導入されたCD34セル+ 観察された。ラクZの形質導入と、△MGMTで形質導入されたクローン原生前駆細 胞の生き残りとの間の発散は、BCNU量が増加するように、増加している。従って 、ラクZで形質導入された細胞の生き残りと比べて、△MGMTの生き残りは、IC50 で73.7±10.6、IC90で49.0±24.2であり、約25%が10μMのBGと10μMのBCNUであ り、殺傷された量は、ラクZで形質導入された造血前駆細胞の99%よりも多かっ た。個々の前駆コロニー(BFU-EとCFU-GM)は、プロウイルス形成のために解析さ れ、トランスダクションの効率は、PCRによって確認された76%であった。△MGM T mRNA発現は、RT-PCRがたまったコロニー中に検出された。ウェスタン法によっ て検出されたAGTレベルは、△MGMTのたまったコロニー中には、ラク前駆体より も5倍高いものであり、酵素の活動は2倍増加していた。 た細胞から検出したものの10倍であった。 ヒトCD34+細胞中の発現と薬物耐性−ヒトCD34+とMFG-△MGMT又はMFG−ラクプ ロデューサと共に培養した非付着性細胞は、96時間以上で5倍に増加した。培 養の後、培養の後、細胞はBCNU単独又はBGと共に処理して、メチルセルロースで 覆った。△MGMTで形質導入されたCD34+細胞は、ラクZを形質導入した細胞のみと 比較して、BCNUの抵抗によってほとんど増加していない。しかしながら、10μM のBGでwtAGTを除いた前処理の後では、BCNUに対する顕著な抵抗が、△MGMTで形 質導入されたCD34セル+に観察された。ラクZの形質導入と、△MGMTで形質導入 されたクローン原生前駆細胞の生き残りとの間の発散は、BCNU量が増加するよう に、増加している。従って、ラクZで形質導入された細胞の生き残りと比べて、 △MGMTの生き残りは、IC50で73.7±10.6、IC90で49.0±24.2であり、約25%が10 μMのBGと10μMのBCNUであり、殺傷された量は、ラクZで形質導入された造血前 駆細胞の99%よりも多かった。個々の前駆コロニー(BFU-EとCFU-GM)は、プロウ イルス形成のために解析され、トランスダクションの効率は、PCRによって確認 された76%であった。△MGMT mRNA発現は、RT-PCRがたまったコロニー中に検出 された。ウェスタン法によって検出されたAGTレベルは、△MGMTのたまったコロ ニー中には、ラク前駆体よりも5倍高いものであり、酵素の活動は2倍増加して いた。 造血細胞内に選択的に発現する薬抵抗遺伝子は、癌治療為の化学的治療に曝さ れている間中、明確な治療効果を有する。このことは、蛋白質に抵抗し、BGによ る不活性に抵抗する突然変異性薬剤としてのΔAGTの単一性は、このようにBGとB CNUの結合から細胞を保護する能力があることを示している。我々は、レトロウ イルスベクターMFGΔMGMTがΔAGTの発現をK562の細胞ライン及びヒトCD34+に運 搬するのを見た。これらの細胞は、より高いレベルでwtAGTを発現した細胞に比 して、BGとBCNUの結合に対し、著しく抵抗力があるようになった。 AGTの内因的な発現を欠き、通常はBCNUに感応する細胞ラインについての研究 と見なされる他の開示は、MGMTの過剰な発現はBCNUに対して抵抗する結果になる ことを示している。CD34+細胞は低いがAGTのレベルを検出できる程度に発現し、 これらの細胞ラインよりもBCNUに抵抗する。wtMGMTに伴うCD34+細胞のトランス ダクションは、BCNU抵抗には殆ど効果がなく、更にCD34+細胞と非常に高いレベ ルのwtAGT活性を伴う腫瘍細胞ラインは、BGによるAGTの不活性後、BCNUに感応し やすくなる。BGトリートメントとΔMGMTの遺伝子導入の組み合わせは、MGMTの過 剰発現がこれらの細胞をBCNU単独から保護するよりも大きな程度のBGとBCNUの組 み合わせを伴う全身療法の間中、造血細胞を選択的に保護する実現可能性を示し ている。 wtMGMTのCD34+への遺伝子導入に対し、ΔMGMTのCD34+ 細胞へのトランスダクションは、BGとBCNUの組み合わせ後、クローン原性の生存 を著しく高める結果に帰する。これらの結果は、引き出されたコロニー(70%以 上)であるCD34+への効率的な遺伝子導入による。コロニーの30%以上は、BGとBC NUに対して非常に抵抗的である。これらのデータは、ΔMGMTcDNAはwtMGMTよりも 良好な薬抵抗遺伝子であることを示している、なぜならΔMGMTとBGとBCNUととも に観察される相対的な保護は、我々が同様の遺伝子発現のレベルにてwtMGMTとBC NUのみで観察したよりも、大きいからである。ヒトCD34+細胞内のMGMTの高レベ ルの発現は、K562細胞で観察したように、BGとBCNUから細胞を部分的に保護する 。しかし、これは好ましくない、なぜなら内因性のAGTを発現する細胞のトラン スダクションは、最初に観察したよりもBCNUの存在を高めないからである。そし てねずみ造血細胞へのwtMGMTの遺伝子導入は同様に適切だからである。 アレイ他(1995,Blood 85:3342-3351)及びハリス他(1995.Proc Amer Assoc.Can .Res.36:145)はBCNU内の抵抗は、レトロウイルスで媒介されたwtMGMTの遺伝子導 入後で2倍以下の増大であったことを発見した。対称的に、これらのデータ結果 は、細胞がΔMGMTを発現することを著しく保護し、BGとBCNUにて治療されること を示している。 ハリス(1995.Proc.Amer.Assoc.Can.Res.36:149)により記述された他のアプロ ーチは、細菌遺伝子をねずみの造 血の原細胞に導入することである。彼らは、in vivoにてBGとBCNUに対する抵抗 が増加することを記している。細菌蛋白質はΔMGMT蛋白質よりもBGへの抵抗があ るにもかかわらず、抵抗の程度は本例に開示されたほど、高くはない。3つの要 因(cavears)がこの違いを説明できる。第1に細菌蛋白質は核が局部に制限され ておらず、過剰に発現してもDNA修正蛋白質には十分でないとの証拠がある。第 2にマウスAGTはヒトAGTよりもBGに対し高いIC50を有し、ねずみの細胞はヒトの 細胞よりもBCとBCNUの組み合わせに対する抵抗が高い。従って、保護の程度はヒ トのCD34+細胞にて期待されたほどには帰られない。第3に、in viro分野では、 免疫反応は細菌AGTに発揮するが、以下のΔAGTにはin vivoの細胞に対し単一の アミノ酸を変えるだけで期待できない点に重要な可能性がある。 この実施例は、BFU-Eよりも原始的な細胞への遺伝子トランスダクションを直 接的に開示していない。そのような原始的な細胞が本発明の範囲内で狙いを定め る一方、前駆細胞のトランスダクションは、ミエロスープレッションからの保護 の目的の為に、ヒトにこの遺伝子を成功裡に導入するには、欠くことができない 。最も化学的療法の効果があるのは2−6ケ月とされ、しつこく遺伝子を発現さ せるにはタイムウィンドウが必要であることを提案する。我々のねずみが1年を 越えて遺伝子発現の記録を調査している一方、成功的な遺伝子治療は、おそら く1−6ケ月と短い期間の間、造血に貢献するCD34+細胞に形質導入する技術を 有するだろう。この後、もしサイクル内に、より多くの素を入れることになって いる形質導入細胞の損失があっても、他の薬剤又は患者の結果とともに、治療に 衝撃を与えない。ΔMGMTが発現している細胞は、たとえ細胞の小部分が初期的に トランスデュースされ、ミエロスープレッションが改善され、毒性の累積が妨げ られたとしても、薬治療の各サイクルでかなり満たされている。 更に、グアニンのO6に攻撃する抗腫瘍剤及び他の薬剤がミエロスープレッショ ンの累積、及び結局2次的白血病に関連しているから、ΔMGMTの遺伝子治療の後 、これらの細胞は遺伝子トランスダクションにより直接保護され、又は白血球の 増加を管理し、白血球を増殖させる刺激を減少させることにより細胞は間接的に 保護されると考えられる。 CD34+細胞内の薬抵抗遺伝子とするMGMTの使用は、この目的で他の遺伝子を使 用することとは基本的に異なる。過剰発現はin vltroCD34+細胞の薬抵抗の増加 を示すが、MDRは造血の前駆細胞内に適切な高レベルにて発現される。同様に、 アルデヒドデヒトロゲナーゼは、造血の前駆細胞内に適切な高レベルにて発現さ れ、シクロフォスファミドに抵抗を生じる。DHFRの過剰発現は循環細胞を保護す るが、前駆細胞を保護する証拠はない。対称的に、AG Tは前駆細胞内に低レベルにて発現され、これらの細胞は細胞障害性の累積を受 入可能であり、次に白血病を変化させる。MGMTの過剰発現は両方とも保護する。 免疫活性蛋白質の酵素活性に対するレベルの比較に基づいたCHO細胞、K562お よびノーマルCD34+細胞の培養物において、G156AのAGT突然変異体は、wt蛋白質 よりも低い活性を示した。この相違点は、細胞株においては非常に明白であるけ れども、ノーマルCD34+細胞においては非常に狭い範囲で存在した。突然変異蛋 白質は、wt蛋白質ほど安定ではないかもしれない。恐らくは、突然変異蛋白質は 、活性コンフォメーションを維持できず、或いは恐らくは、不活性形態は、wt蛋 白質ほど急速には、ユビキチン経路を介して退化する(degrade)ことはないで あろう。実際に、BG&BCNU由来の細胞毒性から強力に保護するΔAGTを見つける ことは、細胞株とCD34+細胞の両方における酵素活性のレベルがかなり低いから 、非常に注目すべきことである 従って、ΔMGMTの過剰発現(overexpression)により、耐性が化学療法の組合 せBG&BCNUに伝達され(transmit)、BCNU単独に対するwtMGMT保護のトランスダク ションよりも大きな施療的利点が提供される。このことと、癌の治療におけるBC NUの効率を高めるため、臨床試験においてBGを連続して好結果で展開させること とにより、この明細書に亘って開示されるように、ΔMGMTによる遺伝 子療法が、臨床セッティングにおける造血細胞の重大な選択的保護を提供するで あろうことが示される。 本発明の具体的な実施例を、例示のために上述してきたが、当該分野の専門家 であれば、本発明における細部の多数の変更が、添付の請求の範囲に規定される ような本発明から離れることなしに成されることは明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN (72)発明者 ペッグ,アンソニー イー. アメリカ合衆国 17033 ペンシルベニア, ハーシー,ブラウンストーン ドライブ 9 (72)発明者 ガーソン,スタントン エル. アメリカ合衆国 44124 オハイオ,ペッ パーパイク,スノーベリ レーン 2463

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.宿主たる哺乳動物の腫瘍疾患を治療する方法であって、該方法は、化学療 法処置に化合物を追加するステップを含み、前記化合物は、少なくとも1つの非 悪性細胞タイプに供給する間、腫瘍細胞に発現された蛋白質を不活性化し、核酸 のシーケンスは、腫瘍細胞において抑制された機能に関する活性を保持すると共 に、前記化合物に対する耐性を授与する突然変異蛋白質を発現する。 2.宿主たる哺乳動物はヒトである、請求項1に記載の方法。 3.化学療法処置は、抗腫瘍アルキル化剤又は抗腫瘍メチル化剤を含む、請求 項2に記載の方法。 4.非悪性細胞タイプは、造血細胞である、請求項3に記載の方法。 5.腫瘍細胞において発現された蛋白質は、O6−アルキルグアニン−DNAアル キルトランスフェラーゼである、請求項5に記載の方法。 6.化合物は、dBG、すなわちBGの2’−デオキシリボヌクレオシドアナログ である、請求項5に記載の方法。 7.化合物は、ピリミジン誘導体である、請求項5に記載の方法。 8.化合物は、O6−ベンジル化グアニン誘導体である、請求項5に記載の方 法。 9.O6−ベンジル化グアニン誘導体は、O6−ベンジルグアニンである、請求 項8に記載の方法。 10.造血細胞は、MFG-hAGT/P140Aにより形質導入される、請求項9に記載の方 法。 11.造血細胞は、MFG-hAGT/G156A(ΔMGMT)により形質導入される、請求項9に 記載の方法。 12.抗腫瘍アルキル化剤を追加することにより、宿主たる哺乳動物の腫瘍疾患 を治療する方法であって、以下のステップを含む: (a)前記宿主から造血幹細胞及び造血プロジェニター細胞を収集するステッ プ; (b)突然変異蛋白質を発現する核酸シーケンスを含む組換えベクターにより 、前記造血幹細胞及び造血プロジェニター細胞の集団を形質導入するステップで あって、該ステップにより、形質導入された造血細胞に突然変異蛋白質が生じる ; (c)O6−ベンジル化グアニン化合物を化学療法処置に追加するステップであ って、前記化合物は、腫瘍細胞に発現されたO6−アルキルグアニン−DNAア ルキルトランスフェラーゼ蛋白質を不活性化するものである; (d)前記突然変異蛋白質の発現により、腫瘍細胞にお ける抑制される機能に関して野生種の活性が保持されると共に、前記O6− ベンジル化グアニン化合物に対する耐性が授与されるように、前記形質導入され た造血細胞を前記哺乳動物の宿主に導入するステップ。 13.宿主たる哺乳動物はヒトである、請求項12に記載の方法。 14.造血細胞は、周囲の血液からの強化されたCD34+細胞である、請求項13 に記載の方法。 15.O6−ベンジル化グアニン誘導体は、O6−ベンジルグアニンである、請求 項14に記載の方法。 16.組換えベクターは、MFG-hAGT/P140Aである、請求項14に記載の方法。 17.組換えベクターは、MFG-hAGT/P140Aである、請求項15に記載の方法。 18.組換えベクターは、MFG-hAGT/G156A(ΔMGMT)である、請求項14に記載の 方法。 19.組換えベクターは、MFG-hAGT/G156A(ΔMGMT)である、請求項15に記載の 方法。 20.形質導入された細胞において、第2形質導入遺伝子を優勢に選択する方法 であって、該方法は、 O6−ベンジル化グアニン誘導体に対し耐性を有するAGT突然変異体を発現 する第1遺伝子を形質導入するステップと、 O6−ベンジル化グアニン誘導体と、アルキル化剤又はメチル化剤との存在下 で、標的細胞における形質導入された集団を共同で培養するステップを含む。
JP9534606A 1996-03-25 1997-03-25 治療用アルキル化剤の毒性から保護する遺伝子治療のための変異型アルキルトランスフェラーゼの使用 Pending JP2000507554A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/620,969 1996-03-25
US08/620,969 US5965126A (en) 1996-03-25 1996-03-25 use of mutant alkyltransferases for gene therapy to protect from toxicity of therapeutic alkylating agents
PCT/US1997/004917 WO1997035477A1 (en) 1996-03-25 1997-03-25 Use of mutant alkyltransferases for gene therapy to protect from toxicity of therapeutic alkylating agents

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000507554A true JP2000507554A (ja) 2000-06-20
JP2000507554A5 JP2000507554A5 (ja) 2004-12-02

Family

ID=24488165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9534606A Pending JP2000507554A (ja) 1996-03-25 1997-03-25 治療用アルキル化剤の毒性から保護する遺伝子治療のための変異型アルキルトランスフェラーゼの使用

Country Status (8)

Country Link
US (1) US5965126A (ja)
EP (1) EP0910246B1 (ja)
JP (1) JP2000507554A (ja)
AT (1) ATE477815T1 (ja)
AU (1) AU2548197A (ja)
DE (1) DE69739964D1 (ja)
ES (1) ES2355677T3 (ja)
WO (1) WO1997035477A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5525606A (en) 1994-08-01 1996-06-11 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Substituted 06-benzylguanines and 6(4)-benzyloxypyrimidines
US20040022838A1 (en) * 2001-06-20 2004-02-05 Holick Michael F. Regulation of cell proliferation and differentiation using topically applied peptides
US9682106B2 (en) 2011-04-20 2017-06-20 The Regents Of The University Of California Method for combined conditioning and chemoselection in a single cycle
EP3799876A1 (en) 2011-04-20 2021-04-07 The Regents of the University of California Method for combined conditioning and chemoselection in a single cycle
CN107709353A (zh) * 2014-12-02 2018-02-16 普拉斯派克特查特凯尔Rwmc有限责任公司 治疗癌症的方法和组合物
BR112020001132A2 (pt) 2017-07-18 2020-07-21 Calimmune, Inc. interruptor modulável para seleção de células doadoras modificadas

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5352669A (en) * 1990-03-13 1994-10-04 The Of The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services O6 -benzylated guanine, guanosine and 2'-deoxyguanosine compounds possessing O6 -alkylguanine-DNA alkyltransferase depleting activity
US5091430A (en) * 1990-03-13 1992-02-25 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services O6 -substituted guanine compounds and methods for depleting O6 -alkylguanine-DNA alkyltransferase levels
ATE163046T1 (de) * 1990-10-31 1998-02-15 Somatix Therapy Corp Genetische veränderung von endothelzellen
US5637483A (en) * 1991-10-04 1997-06-10 Whitehead Institute For Biomedical Research Irradiated tumor cell vaccine engineered to express GM-CSF

Also Published As

Publication number Publication date
EP0910246A4 (en) 2003-07-02
EP0910246B1 (en) 2010-08-18
ATE477815T1 (de) 2010-09-15
AU2548197A (en) 1997-10-17
DE69739964D1 (de) 2010-09-30
EP0910246A1 (en) 1999-04-28
WO1997035477A1 (en) 1997-10-02
ES2355677T3 (es) 2011-03-30
US5965126A (en) 1999-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3867033B2 (ja) 疾患の治療的処置および予防のためにbcl−2を用いる方法
Nita et al. Direct gene delivery to synovium: an evaluation of potential vectors in vitro and in vivo
Allay et al. Retroviral transduction and expression of the human alkyltransferase cDNA provides nitrosourea resistance to hematopoietic cells
KR100395420B1 (ko) 레트로바이러스를 사용한 표적 세포내로의 유전자 도입 방법
US6642043B1 (en) Double mutants of dihydrofolate reductase and methods of using same
Davis et al. Characterization of the P140K, PVP (138-140) MLK, and G156A O6-methylguanine-DNA methyltransferase mutants: implications for drug resistance gene therapy
JPH10513441A (ja) 哺乳類宿主の結合組織を治療するための遺伝子導入
US8912153B2 (en) HDAC4 nucleic acid administration to treat retinal disease
JPH10501989A (ja) 疾患治療用誘導型一酸化窒素シンターゼ遺伝子
JPH08511507A (ja) 哺乳動物宿主の結合組織を処置するための遺伝子導入
JP4424857B2 (ja) リボヌクレオチドレダクターゼのr1及びr2成分に対する抗腫瘍アンチセンス配列
Evans et al. Gene therapy for arthritis
US6268138B1 (en) Retroviral vector capable of transducing the aldehyde dehydrogenase-1 gene and making cells resistant to the chemotherapeutic agent cyclophosphamide and its derivatives and analogs
US20080051357A1 (en) Composition for attenuating neuropathic pain comprising a recombinant ventor expressing gad65
JPH08506722A (ja) 腫瘍を治療するためのレトロウイルスベクターおよびそれらを含む細胞系統
JPH09505037A (ja) ガン治療法に関する改良
JP2000507554A (ja) 治療用アルキル化剤の毒性から保護する遺伝子治療のための変異型アルキルトランスフェラーゼの使用
KR20020013473A (ko) 아데노바이러스-매개 유전자 치료법
JPH09504518A (ja) 負の選択マーカーおよびサイトカインをコード化する遺伝子を用いる腫瘍細胞の遺伝子転換による腫瘍の治療
US20040259829A1 (en) Compositions and methods for sensitizing and inhibiting growth of human tumor cells
US6770632B1 (en) Folypolyglutamyl synthetase gene transfer to enhance antifolate
Grez et al. Gene therapy of chronic granulomatous disease
KR20010085261A (ko) 티로신 키나제 Src를 사용하는, 맥관형성의 조절에유용한 방법 및 조성물
Hayashi et al. An experimental application of gene therapy for human retinoblastoma.
Vrionis et al. A more potent bystander cytocidal effect elicited by tumor cells expressing the herpes simplex virus—thymidine kinase gene than by fibroblast virus—producer cells in vitro

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040305

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070914

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071029

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071018

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071116

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080625

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080925

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20081002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091005

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091016

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091112

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091112

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091211

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091222