JP2000504331A - システインプロテアーゼich―1の基質及び阻害剤 - Google Patents

システインプロテアーゼich―1の基質及び阻害剤

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Abstract

(57)【要約】 システインプロテアーゼIch−1の基質及び阻害剤を開示する。これらの化合物は、Ich−1の最適の最小基質に基づいてデザインされ、可逆的阻害剤、不可逆的阻害剤、選択的に可逆的な阻害剤、色原体基質、蛍光助剤基質及び放射性標識された基質/阻害剤が含まれる。この発明の化合物を含む製薬組成物も又、提供する。Ich−1の蛋白質分解活性を阻害する方法、Ich−1の存在を検出する方法及びこの発明の化合物を用いてIch−1を単離する方法も又開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 システインプロテアーゼICH−1の基質及び阻害剤発明の背景 Ich−1は、インターロイキン−1β変換酵素(ICE)、インターロイキ ン−1βの成熟過程に必須の蛋白質(例えば、Black,R.A.等(1988)J.Biol.Chem.263 :9437-9442; Kostura,M.J.,等(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5227-5231; Thornberry,N.A.等(1992)Nature 356:768-774; Ceretti,D.P.,等(1992)Scie nce 256:97-100参照)及びCaenorhabditis elegans蛋白質Ced−3、C.elegan s の発生中におけるアポトーシスに必要な蛋白質(例えば、Yuan,J.,等(1993)Ce ll 75:641-652参照)を含むシステインプロテアーゼファミリーのメンバーであ るヒトのシステインプロテアーゼである。このファミリーの他のメンバーには、 CPP32/Yama(Fernandes-Alnemri,T.,等(1994)J.Biol.Chem.269:3076 1-30764; Tewari,M.,等(1995)Cell 81:801-809)、SCA(Wang,X.,等(1995)J .Biol Chem.270:18044-18050)、Ich−2/ICErel II/Tx(Kamens,J. ,等(1995)J.Biol Chem.270:15250-15256; Munday,N.A.,等(1995)J.Biol.Chem.2 70 :15870-15876; Faucheu,C.,等(1995)EMBO J.14:1914-1922)、ICErel II I/Ty(Munday,N.A.,等(1995)J.Biol.Chem.270:15870-15876;Faucheau,C.,等 (1996)Eur.J.Biochem.236:297-313)、Mch2(Fernandes-Alnemri,T.,等(19 95)Cancer Res.55:2737-2742)及びMch3/ICE−LAP3/CMH−1(F ernandes-Alnemri,T.,等(1995)Cancer Res.55:6045-6052; Duan,H.,等(1996)J. Biol.Chem.271:1621-1625; Lippke,J.A.,等(1996)J.Biol.Chem.271:1825-1828 )が含まれる。Ich−1のcDNAは、単離されており、Ich−1の予想さ れるアミノ酸配列は、ICEに対する約30%のアミノ酸同一性を示す(Wang,L .等(1994)Cell 78:739-750)。Ich−1のマウスの同族体(Nedd2と呼 ばれる)も又、同定されており、同様に、ICEに対する約30%のアミノ酸同 一性を示している(Kumar,S.,等(1994)Genes Dev.8:1613-1626)。 ICEに関連した蛋白質ファミリーのメンバーは、炎症へ導くサイトカイン成 熟及びアポトーシスに関与している。特に、Ich−1は、アポトーシス及び神 経の発生に関係してきた。例えば、Ich−1(及びそのマウスの同族体のNe dd2)は、哺乳動物細胞中で過剰発現された場合に、アポトーシスを誘導する (Kumar(1994)前出; Wang(1994)前出)。更に、Nedd2遺伝子が、成体の脳 における発生の下方調節された発現に基づいて同定された(Kumar,S.等(1992)Bi ochem.Biophys.Res.Commun.185:1155-1161)。マウスの胚発生中に、Nedd2 遺伝子は、中枢神経系を含む高率にアポトーシスを受ける幾つかの組織において 高度に発現される(Kumar(1994)前出)。 イン・ビトロの研究は、ICEがプロインターロイキン−1βをAsp116 〜 Ala117 で開裂させて、完全に活性な17kDa型を遊離することを示した( Black(1988)前出;Kostura(1989)前出)。ICEは又、プロインターロイキンを Asp27〜Ala28で開裂させて、28kDa型をも遊離させる。これらの部位 における開裂は、P1位置(開裂部位の直ぐアミノ末端側の位置)におけるアス パラギン酸の存在に依存する(Kostura(1989)前出、Howard,A.,等(1991)J.Immu nol.147:2964-2969; Griffin,P.R.,等(1991)Int.J.Mass.Spectrom.Ion.Phys.111 :131-149)。しかしながら、P1位置におけるアスパラギン酸は、ICEの特異 性について十分ではない。例えば、Asp−X結合を含む幾つかの他の蛋白質( プロインターロイキン−1αを含む)は、ICEにより開裂されない(Howard(1 991)前出)。ICEの最適な最小の基質は、テトラペプチドTyr−Val−A la−Asp(SEQ ID NO:44)を含むように同定されている(Thornberry(199 2)前出)。発明の要約 この発明は、Ich−1の最適の最小基質のアミノ酸配列並びにIch−1の 好適なアミノ酸配列特異性に基づいてデザインされたIch−1阻害剤及び基質 を提供する。この発明は、下記式Iの化合物を提供する、 X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、A1 又はAsp−Yである (式中:A1 は、Ich−1阻害活性を授与する残基であり、Ich−1の活性 部位システイン残基のスルフヒドリル基による求核攻撃又は求核置換を受け易い 求電子中心を含むようにC末端が改変されたアスパラギン酸又はグルタミン酸残 基であり;そして Asp−Yは、Ich−1基質活性を授与する残基の対であり、ここに、As pは、アスパラギン酸残基であり、Yは、色原体脱離基、蛍光助剤脱離基、−( Q)m [CO2 H]及び−(Q)m −[CONHR2 ]よりなる群から選択する (式中、Qは、任意のα−アミノ酸又は放射性標識したそれらの誘導体であり、 mは、1〜15の整数であり且つR2 は、H、アルキル、アルケニル、シクロア ルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環 、ヘテロアリール、ヘテロ環式アルキル、ヘテロアリールアルキル及び放射性標 識したそれらの誘導体よりなる群から選択する))}。 この発明の化合物は、製薬組成物中に取り込ませることができる。典型的には 、この組成物は、この発明の組成物及び製薬上許容し得るキャリアーを含む。 この発明の阻害剤化合物を用いて、例えば、Ich−1をこの阻害剤化合物と 接触させることによりIch−1の蛋白質分解活性を阻害することができる。こ の発明の基質化合物を用いて、例えば、試料中のIch−1の存在を、その試料 を基質化合物と接触させ、試料中のIch−1の存在の指標として基質の蛋白質 分解による開裂を検出することにより検出することができる。更に他の具体例に おいて、この発明の阻害剤化合物を用いて、Ich−1を単離することができる 。例えば、この阻害剤化合物のビオチン化形態を、Ich−1の親和性精製にお いて用いることができる。発明の詳細な説明 この発明は、Ich−1の阻害剤及び基質化合物、並びにこれらの化合物の利 用方法を提供する(これらの化合物は、Ich−1認識に対する最適な最小アミ ノ酸配列に基づいてデザインされている)。このIch−1配列特異性は、IC E、Ich−1が関係する他のシステインプロテアーゼのそれとは異なる。Ic h−1の初期のペプチド基質は、実施例1で更に説明するように、ICE又はI CE関連蛋白質の既知の又は推定の開裂部位に対応する一連のペプチドを用いて 同定された。この初期ペプチドを、次いで、実施例2及び3で更に説明するよう に、アミノ及び/又はカルボキシ末端欠失により及びアミノ酸置換により改変し て、Ich−1の最適な最小基質認識部位を限定した。P5、P4、P3、P2 及びP1位置に対応するアミノ酸配列Val−Asp−Val−Ala−Asp (VDVAD;SEQ ID NO:45)を含むペプチドを、こうして、Ich−1の最 適な認識配列として限定した。 最適VDVAD含有基質内でのアミノ酸置換は、P4Asp及びP1Aspの 維持はIch−1による基質の有効な開裂の維持に対して最も重要であるが、P 5、P3及びP2位置は置換に対して一層従順であることを示した(実施例3参 照)。従って、Ich−1認識モチーフのコンセンサスモチーフは、A5 −As p−A3 −A2 −Aspとして規定することができる(ここに、A5 、A3 及び A2 は、この部位がIch−1により認識されるように選択されたアミノ酸であ る)。好ましくは、A5 及びA3 は、Valであり且つA2 は、Alaであ る。 Ich−1認識部位のアミノ酸配列の限定は、この部位に基づいてデザインさ れたIch−1の基質及び阻害剤の構築を可能にする。例えば、実施例4で更に 説明するように、ペプチドアルデヒド阻害剤例えばアセチル−VDVAD−[C HO]を調製して、Ich−1の蛋白質分解活性を阻害するために用いることが できる。アセチル−VDVAD−[CHO]阻害剤は、2.5nMの見掛けKi 値で、Ich−1活性を阻害する(実施例4参照)。色原体又は蛍光助剤基質例 えばアセチル−VDVAD−7−アミノ−4−メチルクマリン、アセチル−VD VAD−パラ−ニトロアニリン及びアセチル−VDVAD−オルト−ニトロアニ リンも又、調製することができる。 本発明が一層容易に理解され得るように、幾つかの用語を、最初に、定義する 。 ここで用いる場合、用語「P1位置」は、プロテアーゼ(例えば、Ich−1 )により開裂されたペプチド結合の直ぐアミノ末端側のアミノ酸位置をいい、用 語「P2位置」は、P1位置の直ぐアミノ末端側のアミノ酸位置をいい、用語「 P3位置」は、P2位置の直ぐアミノ末端側のアミノ酸位置をいう(以下、同様 )。用語「P1’位置」は、プロテアーゼにより開裂されたペプチド結合の直ぐ カルボキシ末端側のアミノ酸位置をいい、用語「P2’位置」は、P1’位置の 直ぐカルボキシ末端側のアミノ酸位置をいう(以下、同様)。 用語「Ich−1」は、ここで用いる場合、Wang,L.等(1994)Cell 78:739-75 0 に開示されたヒトIch−1のアミノ酸配列並びに天然のIch−1のシステ インプロテアーゼ活性を保持しているその改変型のアミノ酸配列を有する蛋白質 を包含することを意図している。用語「Ich−1」は、ここで用いる場合、当 分野において別の名称例えばNedd2(ヒトIch−1のマウスの同族体であ り、そのアミノ酸配列は、Kumar,S.等(1994)Genes Dev.8:1613-1626 に開示され ている)により知られているヒトIch−1の非ヒト同族体を包含することも意 図している。 用語「Ich−1の阻害剤」(「Ich−1阻害剤」ともいう)は、Ich− 1のシステインプロテアーゼ活性を阻害する化合物をいう。用いる特定の化合物 に依存して、阻害は、部分的であっても完全であってもよく、可逆であっても不 可逆であってもよい。 用語「Ich−1の基質」(「Ich−1基質」ともいう)は、Ich−1に より開裂される化合物をいう。 用語「アルキル」は、ここで用いる場合、約1〜8炭素原子を有する直鎖又は 分枝鎖の炭化水素基をいう。用語「低級アルキル」は、1〜6炭素原子を有する アルキル基をいう(C1 〜C6 アルキルとも呼ばれる)。典型的な低級アルキル 基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ ル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシルが含まれる。 C1 〜C3 アルキルは、1〜3炭素原子を有するアルキル基をいう。アルキル基 は、不飽和であってよく、或は、1つ以上の位置で置換されていてよい。もし置 換されていれば、アルキルは、好ましくは、−OH、−NH2 、−OCH3 、− CO2 H、−CO2 CH3 、−CONH2 、=O及び−CNより選択する1つ又 は2つの官能基で置換されている。 用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、ここで用いる場合、上記のアルキ ルに長さ及び可能な置換において類似するが、それぞれ、少なくとも1つの炭素 −炭素二重結合又は三重結合を含む不飽和基をいう。 用語「シクロアルキル」は、3〜8炭素原子を有する環状の飽和炭化水素基を いう。典型的なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ ンチル、シクロヘキシル及びシクロオクチルが含まれる。シクロアルキル基は、 不飽和であってよく、或は、1つ以上の環の位置で上記のようにアルキルで置換 されていてよい。もし置換されていれば、シクロアルキルは、好ましくは、−O H、−NH2 、−OCH3 、−CO2 H、−CO2 CH3 、−CONH2 、=O 及び−CNより選択する1つ又は2つの官能基で置換されている。 用語「(シクロアルキル)アルキル」は、上記のシクロアルキル基により置換 された約1〜5炭素原子の直鎖炭化水素をいう。 用語「アリール」は、ここで用いる場合、不飽和の(又は1〜4個のヘテロ原 子により置換されてよい)5、6及び7員の一環式芳香族基を含む(例えば、ベ ンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チア ゾール、トリアゾール、テラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダ ジン及びピリミジン等)。もし置換されていれば、芳香族環は、好ましくは、− CH3 、−CF3 、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2 、−OH、−NH2 、−OCH3 、−CHO、−CH2 OH、−CO2 H、−CO2 CH3 、−CO NH2 及び−CNより選択する1〜3個の官能基により置換されている。芳香族 環は又、例えばビフェニルにおけるように、他の芳香族環によっても置換され得 る。アリール基には又、融合した又は多環式芳香族系例えばナフチル又はキノリ ニルも含まれる。 用語「アリールアルキル」は、ここで用いる場合、上記のアリール基により置 換された約1〜5炭素原子の直鎖炭化水素をいう。 用語「ヘテロ環」は、脂肪族の若しくは芳香族の5員若しくは6員環、又は芳 香族の5,6融合した若しくは6,6融合した二環式の環であって、N、O及び Sから選択する1〜4個の原子を有するものをいう。これらの環は、不飽和であ ってよく、或は、−CH3 、−CF3 、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2 、−OH、−NH2 、−OCH3 、−CHO、−CH2 OH、−CO2 H、−C O2 CH3 、−CONH2 及び−CNより選択する1〜3個の官能基により置換 されていてよい。 用語「ヘテロアリール」は、上記のヘテロ環の部分集合であって、そのメンバ ーが少なくとも1つの芳香族環を含むものをいう。 用語「(ヘテロ環式)アルキル」は、上記のヘテロ環式基により置換された約 1〜5炭素原子の直鎖炭化水素をいう。 用語「ヘテロアリールアルキル」は、上記のヘテロアリール基で置換された約 1〜5炭素原子の直鎖炭化水素をいう。 用語「アミノ末端アシル基」は、本発明のペプチドのアミノ末端アミノ酸残基 のアミノ基に結合された化学基をいう。かかるアシル基は、当業者には、周知で あり且つ容易に理解できるものであり、例えば、Gross 及びMeienhofer(編)、The Peptides ,Academic Press,New York,pp.3-81 (1981)、米国特許第4,6 52,552号及び米国特許第4,636,492号を参照されたい。アミノ末 端アシル基の例には、アセチル、ビオチニル、ビオチニル−6−アミノ ヘキサノイル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルコキシカルボニ ル(例えば、t−ブトキシカルボニル(t−Boc))、ベンゾイル及びベンジ ルオキシカルボニルが含まれる。 用語「求核攻撃又は求核置換を受け易い求電子中心を有するカルボキシ末端改 変基」は、Ich−1の活性部位システインのスルフヒドリル基による求核攻撃 又は置換を受け易い化学基をいい、従って、該化学基は、Ich−1を(可逆的 又は不可逆的に)改変して、Ich−1がIch−1基質と相互作用すること及 び該基質を開裂することをできなくするものである。かかるカルボキシ末端改変 基の例には、アルデヒド、ケトン及び活性化ケトン(求核攻撃を受け易い求電子 中心を有する)、及びアシルオキシメチルケトン、ジアゾアルキルケトン、及び ハロアルキルケトン(例えば、フルオロメチルケトン、クロロメチルケトン)( これらは、電気陰性脱離基の置換へと導く求核置換を受け易い求電子中心を有す る)が含まれる。 C末端改変基を含むこの発明の阻害剤化合物は、何れのC末端改変基が利用さ れるかに依存して、「可逆的」又は「不可逆的」様式の何れかで、Ich−1の 蛋白質分解活性を阻害することができる。例えば、C末端基をホルミル基等の求 核攻撃(即ち、ペプチドアルデヒド化合物)にかけるときは、Ich−1活性の 阻害は可逆であり、阻害剤化合物は、可逆的阻害剤と呼ばれる。別法として、C 末端改変基をジアゾアルキルケトン含有化合物等の求核置換にかけるときは、I ch−1活性の阻害は不可逆的であり、阻害剤化合物は、不可逆的阻害剤と呼ば れる。ここで用いる場合、「不可逆的」阻害剤は、酵素と阻害剤との間で共有結 合が形成されるものである。 用語「色原体脱離基」は、この発明の化合物から開裂されたときに可視範囲内 (即ち、約400〜750mm)の波長を吸収することができ、従って、色を発 生することのできる化学基をいう。好適な色原体脱離基は、パラ−ニトロアニリ ン(pNA)及びオルト−ニトロアニリン(oNA)である。 用語「蛍光助剤脱離基」は、この発明の化合物から開裂されたときに蛍光測光 により測定することのできる化学基をいう。好適な蛍光助剤脱離基は、7−アミ ノ−4−メチルクマリン(AMC)である。 天然アミノ酸の標準的3文字略号及び1文字略号を、この開示中で使用する。 この分野で受け入れられており、この開示中で用いている他の一般的略号には: Aha(L−6−アミノヘキサン酸)、Cha(L−シクロヘキシルアラニン) 、Abu(α−アミノ酪酸)、Orn(オルニチン)、(2−Pr)Gly(L −プロピルグリシン又はL−2−アミノペンタン酸)、(2−c−Pr)Gly (L−シクロプロピルグリシン又はL−2−アミノ−2−シクロプロピル酢酸) 、(2−Et)Gly(L−エチルグリシン又はL−2−アミノブタン酸)、( 2−t−Bu)Gly(L−t−ブチルグリシン又はL−2−アミノ−3,3− ジメチルブタン酸)、 125I(ヨウ素125)、(2−C( 3H)H2 −C( 3 H)H−CH2 )Gly(トリチウム標識L−プロピルグリシン)、Asp[C HO](3−アミノ−3−ホルミル−プロピオン酸)、Asp[CN](3−ア ミノ−3−シアノ−プロピオン酸)、Glu[CHO](4−アミノ−4−ホル ミル−ブタン酸)、Glu[CN](4−アミノ−4−シアノ−ブタン酸)、A r(上記のアリール基)、HetAr(上記のヘテロアリール基)、ビオチン( (+)ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール− 4−ペンタン酸)、Ph(フェニル)及びMe(メチル)が含まれる。 用語「ω−アミノ酸」は、ここで用いる場合、式H2 N−(CH2 m −CO2 H(式中、mは3〜10である)により表される化合物をいう。当業者は、ω −アミノ酸のメチレン単位が前出のアルキル基の置換基により置換され得るとい うことを認めるであろう。 ペプチドのカルボキシ末端の誘導体は、ここでは、一般式−[CR](式中、 Cは、カルボキシ末端の炭素を表し、Rは、その誘導体基を表す)により表され る。例えば、−[COOH]は、遊離のカルボキシ末端を表し、−[CONH2 ]は、C末端アミドを表し、そして、−[CHO]は、C末端のホルミル基を表 す。 この発明の様々な面を、以下の節において、一層詳細に説明する。I.この発明の化合物 この発明は、下記の一般式Iの化合物を提供する: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、A1 又はAsp−Yである (式中:A1 は、Ich−1阻害活性を授与する残基であり、Ich−1の活性 部位システイン残基のスルフヒドリル基による求核攻撃又は求核置換を受け易い 求電子中心を含むようにC末端が改変されたアスパラギン酸又はグルタミン酸残 基であり;そして Asp−Yは、Ich−1基質活性を授与する残基の対であり、ここに、As pは、アスパラギン酸残基であり、Yは、色原体脱離基、蛍光助剤脱離基、−( Q)m [CO2 H]及び−(Q)m −[CONHR2 ]よりなる群から選択する (式中、Qは、任意のα−アミノ酸又は放射性標識したそれらの誘導体であり、 mは、1〜15の整数であり且つR2 は、H、アルキル、アルケニル、シクロア ルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環 、ヘテロアリール、ヘテロ環式アルキル、ヘテロアリールアルキル及び放射性標 識したそれらの誘導体よりなる群から選択する))}。好ましくは、nは、 0〜10の整数である。一層好ましくは、nは、0〜5の整数である。 一具体例において、式Iの化合物は、Ich−1の活性を阻害する化合物であ る(ここでは、「Ich−1阻害剤化合物」又は単なる「Ich−1阻害剤」と して言及する)。Ich−1阻害剤は、Ich−1認識のためのA5 −Asp− A3 −A2 −Aspコンセンサスモチーフに基づいてデザインする。例えば、I ch−1阻害剤化合物は、コンセンサスモチーフに基づいて、遊離のN末端アミ ノ基を有し(即ち、上記の式中、R1 が水素である)、一層好ましくは、アミノ 末端アシル基により改変され(即ち、上記の式中、R1 がN末端アシル基である )且つ求核攻撃又は求核置換を受け易い求電子中心を有する改変基で改変された C末端Asp又はGlu残基(A1 )を有するペプチド(又はペプチド誘導体、 ペプチドアナログ又はペプチド模倣物)を含むことができる。モチーフ内のアミ ノ酸残基A5 、A3 及びA2 (それぞれ、P5、P3及びP2位置に対応する) は、それぞれ、Ich−1のP5、P3及びP2部位と相互作用することができ る。即ち、これらのアミノ酸残基は、それぞれ、Ich−1のP5、P3及びP 2部位へのこの化合物の結合に寄与している。好ましくは、A5 、A3 及びA2 残基を、この化合物がIch−1阻害剤活性を有するように選択する。更なるア ミノ酸残基が、アミノ末端からA5 ((W)n )まで存在してよい。ある種の具 体例においては、この化合物のA5 位置を、Ich−1のP5部位と相互作用す ることのできる疎水性アシル基(R6 )で置換する。 好適具体例において、この発明は、下記式IのIch−1阻害剤化合物を提供 する: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、A1 又はAsp−Yである (式中:A1 は、Ich−1阻害活性を授与する残基であり、Ich−1の活性 部位システイン残基のスルフヒドリル基による求核攻撃又は求核置換を受け易い 求電子中心を含むようにC末端が改変されたアスパラギン酸又はグルタミン酸残 基である)}。 アミノ末端アシル基R1 は、例えば、アセチル、ビオチニル、ビオチニル−6 −アミノ−ヘキサノイル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アルコキ シカルボニル、ベンゾイル及びベンジルオキシカルボニルであってよい。好適な アミノ末端アシル基は、アセチル基である。好ましくは、nは、0〜15であり 、一層好ましくは、nは、0〜10であり、尚一層好ましくは、nは、0〜5で ある。好適なカルボキシ末端改変基は、−[CHO]である。A5 、A3 、A2 及びR6 を、実施例4に記載のようなイン・ビトロ蛋白質分解アッセイを用いて 選択することができる。簡単には、化合物がIch−1阻害剤活性を有するかど うかを測定するためには、Ich−1を、Ich−1基質(例えば、Ac−VD VAD−AMC)及びこの化合物の両者と共にインキュベートし、基質の開裂を 測定する。基質の開裂の量を(化合物の不在時における基質の開裂の量と比較し て)減少させる化合物は、「Ich−1阻害剤活性」を有する(この用語を、本 明細書中では用いる)。 一層好適な具体例において、この発明は、下記式IのIch−1阻害剤化合物 を提供する: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Val、Ile)Tyr、Phe、Leu、Thr、Asn、 Cha、Abu、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t −Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択する疎水性のα−ア ミノ酸であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜5の整数であり; R1 は、水素又はR6 であり; R6 は、Aha−、ビオチニル−、ビオチニル−Aha−、R3 CO- 、R3 CH2 CO−、R3 NHCO−、(R4 2 NCO−及びR3 OCO− (ここに、R3 は、t−ブチル、i−ブチル、n−ブチル、n−プロピ ル、i−プロピル、c−プロピル、エチル、メチル、c−ヘキシル、c−ヘキシ ル−CH2 −、c−ヘキシル−(CH2 2 −、フェニル、フェニル−CH2 − 、フェニル−(CH2 2 −、4−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニ ル−CH2 −、及び4−ヒドロキシフェニル−(CH2 2 −よりなる群から選 択し;且つ R4 は、メチル又はエチルである) よりなる群から選択するN末端アシル基であり; Aspは、アスパラギン酸であり; A3 は、Val、Glu、Thr、Ser、Gln、Ile、Abu、(2− n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2 −Et)Glyよりなる群から選択するα−アミノ酸であり; A2 は、Ala、Ser、Lys、Val、Met、Gln、Leu、Ile 、Abu、His、Orn、Gly、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr )Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択 するα−アミノ酸であり;及び Zは、A1 である(ここに、 A1 は、下記よりなる群から選択するC末端修飾された残基である Asp[CHO]、Asp[CN]、Asp[COCHN2 ]、Asp[COC H2 Cl]、Asp[COCH2 Br]、Asp[COCH2 F]、Asp[C OCH2 OCO−アリール]、Asp[COCH2 OCO−ヘテロアリール]、 Asp[COCH2 O(CH2 a −アリール]、Asp[COCH2 O(CH2 a −ヘテロアリール]、Asp[COCH2 S(CH2 a −アリール]、 Asp[COCH2 S(CH2 a −ヘテロアリール]、Asp[CO(CH2 b −アリール]、Asp[CO(CH2 b −ヘテロアリール]、Glu[C HO]、Glu[CN]、Glu[COCHN2 ]、Glu[COCH2 Cl] 、Glu[COCH2 Br]、Glu[COCH2 F]、Glu[COCH2 O CO−アリール]、Glu[COCH2 OCO−ヘテロアリール]、Glu[C OCH2 O(CH2 a −アリール]、Glu[COCH2 O(CH2 a −ヘ テロアリール]、Glu[COCH2 S(CH2 a −アリール]、Glu[C OCH2 S(CH2 a −ヘテロアリール]、Glu[CO(CH2 b −アリ ール]、及びGlu[CO(CH2 b −ヘテロアリール]、ここに、aは、0 〜5の整数であり;且つbは、1〜7の整数である)}。 好ましくは、A5 は、Valであり、A3 は、Valであり、A2 は、Alaで あり且つA1 は、Asp[CHO]である。 尚更に好適な具体例において、この発明は、下記式IのIch−1阻害剤化合 物を提供する: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −A5 であり (式中、A5 は、Valであり; R1 は、水素又は、CH3 CO−、PhCH2 OCO−,Aha−、ビ オチニル−及びビオチニル−Aha−よりなる群から選択するN末端アシル基で ある); A3 は、Valであり; A2 は、Alaであり;及び Zは、A1 である(ここに、 A1 は、下記よりなる群から選択するC末端改変された残基である Asp[CHO]、Asp[CN]、Asp[COCHN2 ]、Asp[COC H2 Cl]、Asp[COCH2 Br]、Asp[COCH2 −F]、Asp[ COCH2 OCO−アリール]、Asp[COCH2 OCO−ヘテロアリール] 、Asp[COCH2 O(CH2 a −アリール]、Asp[COCH2 O(C H2 a −ヘテロアリール]、Asp[COCH2 S(CH2 a −アリール] 、Asp[COCH2 S(CH2 a −ヘテロアリール]、Asp[CO(CH2 b −アリール]及びAsp[CO(CH2 b −ヘテロアリール]、ここに 、aは、0〜5の整数であり且つbは、1〜7の整数である)}。 特に好適な具体例において、この発明のIch−1阻害剤化合物は、次の構造 の一つを含んでよい:Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[CH O]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[CN]、Ac−Va l−Asp−Val−Ala−Glu−[CHO]、Ac−Val−Asp−V al−Ala−Glu−[CN]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−A sp−[COCH2 Cl]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp− [COCH2 OCOAr]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp− [COCH2 S(CH2 a Ar]、Ac−Val−Asp−Val−Ala− Asp−[COCH2 O(CH2 a Ar]、Ac−Val−Asp−Val− Ala−Asp−[COCH2 S(CH2 a HetAr]、Ac−Val−A sp−Val−Ala−Asp−[COCH2 O(CH2 a HetAr]、A c−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[COCH2 (CH2 b Ar ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[CO(CH2 b He tAr]、ここに、aは、0〜5の整数であり且つbは、1〜7の整数である。 この発明の阻害剤化合物は、ペプチド合成及び(例えば、アミノ及びカルボキ シ末端の)ペプチド改変のための標準的方法を用いて調製することができる。ペ プチドは、Merrifield固相技術により、例えば自動化ペプチドシンセサイザー( 例えば、Applied Biosystems 430A)を用いて合成することができる。求核攻撃 又は置換を受け易い求電子中心を有する基でカルボキシ末端を改変されたペプチ ドの合成に関しては、例えば、Chapman,(1992)Bioorganic Medicinal Chemist ry Letters 2:613;PCT公開No.WO91/15577;Kettner,C.A.等(1 974)Arch.Biochem.Biophys.162:56;米国特許第4,582,821号、米国特許 第4,644,055号;Kettner,C.A.等(1974)Arch.Biochem.Biophys.165:739 ; Dakin,H.D. 及びWest,R.(1928)J.Biol.Chem.78:91; Rasnick,D.等(1985)Anal. Biochem.149:461を参照されたい。アルデヒドC末端改変基を有する化合物は、 好ましくは、Chapman の方法により合成される。フルオロメチルケトンC末端改 変基を有する化合物は、好ましくは、Ranickの方法により合成される。非フルオ ロ、ハロアルキルケトンC末端改変基を有する化合物は、好ましくは、Kettner の方法により合成される。化合物を、逆相HPLCにより精製して、それらの構 造を、質量スペクトル分析又はNMR分光分析により確認することができる。 或は、この発明の阻害剤化合物を、注文ペプチド合成を提供する製造業者(例 えば、California Peptide Research,Inc.,カリフォルニア、Napa在、又は Bachem Bi oscience,ペンシルベニア、King of Prussia在)により注文合成することができる。 Ich−1阻害剤化合物が、これまで、ペプチド及びアミノ酸の利用に関して 記載されてきているにもかかわらず、同等の化合物を、ペプチドアナログ、ペプ チド誘導体及びペプチド模倣物を用いて、及び/又はアミノ酸アナログ、アミノ 酸誘導体及びアミノ酸模倣物を用いて構築することができることは、当業者には 明白であろう。任意の及びすべてのかかる化合物は、本発明に包含されるもので ある。ここで用いる場合、化合物X(例えば、ペプチド)の「誘導体」は、この 化合物上の少なくとも1つの反応基が置換基により誘導体化されている型のXを いう(例えば、アルキル化又はアシル化ペプチド)。ここで用いる場合、化合物 Xの「アナログ」は、Xの機能的活性に必要なXの化学構造を保持していて、し かもXと異なるある種の化学構造をも含んでいる化合物をいう。天然のペプチド のアナログの例は、少なくとも1つの非天然アミノ酸を含むペプチドである。こ こで用いる場合、化合物Xの「模倣物」は、Xの機能的活性に必要なXの化学構 造が、Xのコンホメーションを真似る他の化学構造で置換された化合物をいう。 ペプチド模倣物の例には、ペプチド主鎖が少なくとも1つのベンゾジアゼピン分 子で置換されたペプチド的化合物(例えば、James,G.L.等(1993)Science 260:19 37-1942参照)及び以下に更に説明する「レトロ−インベルソ」ペプチド(Sisto による米国特許第4,522,752号参照)が含まれる。「残基」は、アミ ド結合又はアミド結合模倣結合によりペプチド化合物に取り込まれたアミノ酸又 はアミノ酸模倣物をいう。ペプチドの誘導体、アナログ及び模倣物のデザインへ のアプローチは、当分野で公知である。例えば、Farmer,P.S.、Drug Design中( E.J.Ariens編)Academic Press,New York 1980 第10巻、119-143頁; Ball.J.B. 及びAlewood,P.F.(1990)J.Mol.Recognition 3:55; Morgan,B.A.及びGainor,J.A .(1989)Ann.Rep.Med.Chem.24:243; 及びFreidinger,R.M.(1989)Trends Pharmaco l.Sci.10:270を参照されたい。 「アミノ酸模倣物」は、ペプチド含有化合物中の特定のアミノ酸の代用として その化合物の機能を有意の程度に有害に邪魔する(例えば、Ich−1を不活性 化する)ことなくコンホメーション的及び機能的に働く天然アミノ酸以外の部分 をいう。ある環境においては、アミノ酸模倣物での置換は、阻害剤の特性(例え ば、阻害剤のIch−1との相互作用)を実際に増大させることができる。アミ ノ酸模倣物の例には、D−アミノ酸が含まれる。少なくとも1つのD−アミノ酸 で置換されたペプチドを、周知のペプチド合成手順を用いて作成することができ る。D−アミノ酸及び他のペプチド模倣物でのアミノ酸置換の効果を、下記に記 載のアッセイを用いて試験することができる。 この発明のペプチドアナログ又は模倣物には、同配体が含まれる。この用語「 同配体」は、ここで用いる場合、第1の配列の立体コンホメーションが第2の配 列に特異的な結合部位に適合するので第2の配列の代用となり得る2つ以上の残 基の配列をいう。この用語は、当業者に周知のペプチド主鎖改変物(即ち、アミ ド結合模倣物)を特に包含する。かかる改変物は、アミド窒素、α−炭素、アミ ドカルボニルの改変、アミド結合の完全な置換、伸長、欠失又は主鎖の架橋を含 む。Ψ[CH2 S]、Ψ[CH2 NH]、Ψ[C(S)NH2 ]、Ψ[NHCO ]、Ψ[C(O)CH2 ]、及びΨ[(E)又は(Z)CH=CH]を含む幾つ かのペプチド主鎖改変物が知られている。上で用いた命名法において、Ψは、ア ミド結合の不在を示す。アミド基を置き換える構造は、角括弧内に特定されてい る。同配体の他の例には、少なくとも1つのベンゾジアゼピン分子で代用された ペプチドが含まれる(例えば、James,G.L.等(1993)Science 260:1937-1942参照 )。 他の可能な改変は、N−アルキル(又はアリール)置換(Ψ[CONR])、 ラクタムその他の環状構造をを構築する主鎖架橋、又はレトロ−インベルソアミ ノ酸の取り込み(Ψ[NHCO])を包含する。「インベルソ」とは、配列のL −アミノ酸をD−アミノ酸で置き換えることを意味し、「レトロ−インベルソ」 又は「エナンチオ−レトロ」とは、アミノ酸の配列を逆にすること(「レトロ」 )及びL−アミノ酸をD−アミノ酸で置き換えることを意味する。例えば、親の ペプチドがThr−Ala−Tyrであれば、レトロ改変された形態は、Tyr −Ala−Thrであり、インベルソ形態は、thr−ala−tyrであり、 レトロ−インベルソ形態は、tyr−ala−thrである(小文字は、D−ア ミノ酸を示す)。親ペプチドと比較して、レトロ−インベルソペプチドは逆転し た主鎖を有するが、元の側鎖の空間的コンホメーションを実質的に保持しており 、親ペプチドにきっちりと似ていて且つ選択されたシステインプロテアー ゼに結合することのできるトポロジーを有するレトロ−インベルソ異性体を生じ ている。Goodman 等「Perspectives in Peptide Chemistry」pp.283-294(1981) を参照されたい。「レトロ−インベルソ」ペプチドの更なる説明に関しては、Si sto による米国特許第4,522,752号も参照されたい。 他の具体例において、式Iの化合物は、Ich−1基質活性を有する化合物で ある(ここでは、「Ich−1基質化合物」又は単なる「Ich−1基質」とし て言及する)。Ich−1基質は、Ich−1認識のためのA5 −Asp−A3 −A2 −Aspコンセンサスモチーフに基づいてデザインする。例えば、Ich −1基質化合物は、コンセンサスモチーフに基づいて、遊離のアミノ末端を有し (即ち、下記式中、R1 が水素である)又は、一層好ましくは、アミノ末端アシ ル基により改変され(即ち、下記式中、R1 がN末端アシル基である)且つ遊離 のカルボキシ末端を有し又は、一層好ましくは、色原体脱離基、蛍光助剤脱離基 、α−アミノ酸アミド(又は、その誘導体、アナログ又は模倣物)又はペプチド アミド(又はその誘導体、アナログ又は摸倣物)を含むカルボキシ末端改変基( Y)を有するペプチド(又はペプチドアナログ、ペプチド誘導体又はペプチド模 倣物)を包含することができる。このモチーフ内のアミノ酸残基A5 、A3 及び A2 (それぞれ、P5、P3及びP2位置に対応する)は、それぞれ、Ich− 1のP5、P3及びP2部位と相互作用することができる。即ち、これらのアミ ノ酸残基は、それぞれ、Ich−1のP5、P3及びP2部位へのこの化合物の 結合に寄与している。好ましくは、A5 、A3 及びA2 残基を、この化合物がI ch−1基質活性を有するように選択する。更なるアミノ酸残基が、アミノ末端 からA5 ((W)n )まで存在してよい。ある種の具体例においては、この化合 物のA5 位置を、Ich−1のP5部位と相互作用することのできる疎水性アシ ル基(R6 )で置換する。更なるアミノ酸残基は又、カルボキシ末端からA1 ( (Q)m )に存在してもよい。 好適具体例において、この発明は、下記式IのIch−1基質化合物を提供す る: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、Asp−Yである (式中:Asp−Yは、Ich−1基質活性を授与する残基の対であり、ここに Aspは、アスパラギン酸残基であり、Yは、色原体脱離基、蛍光助剤脱離基、 −(Q)m [CO2 H]及び−(Q)m −[CONHR2 ]よりなる群から選択 する(式中、Qは、任意のα−アミノ酸又は放射性標識したそれらの誘導体であ り、mは、1〜15の整数であり且つR2 は、H、アルキル、アルケニル、シク ロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテ ロ環、ヘテロアリール、ヘテロ環式アルキル、ヘテロアリールアルキル及び放射 性標識したそれらの誘導体よりなる群から選択する))}。 アミノ末端アシル基(R1 )は、例えば、アセチル、ビオチニル、ビオチニル −6−アミノ−ヘキサノイル、C1 〜C6 アルキルカルボニル、C1 〜C6 アル コキシカルボニル、ベンゾイル及びベンジルオキシカルボニルであってよい。好 適なアミノ末端アシル基は、アセチル基である。好ましくは、nは、0〜10の 整数である。尚一層好ましくは、nは、0〜5の整数である。好適なカルボキシ 末端改変基(Y)には、蛍光助剤脱離基7−アミノ−4−メチルクマリン及び色 原体脱離基パラ−ニトロアニリン及びオルト−ニトロアニリンが含まれる。 カルボキシ末端改変基の好適な放射性標識された誘導体は、トリチウム及び 125 I放射性標識された誘導体である。A5 、A3 、A2 及びR6 を、実施例に記載 のようなイン・ビトロ蛋白質分解アッセイを用いて選択することができる。簡単 には、化合物がIch−1基質活性を有するかどうかを測定するためには、Ic h−1を試験化合物と共にインキュベートして、化合物の開裂を測定する。例え ば、pNA−又はoNA−標識化合物を用いた場合、この化合物の触媒による加 水分解を、pNA又はoNAの放出による405nmにおける吸光度の時間の関 数としての変化によりモニターする。別法として、AMC−標識化合物を用いた 場合、この化合物の開裂を、380nmの励起波長及び460nmの放射波長に て分光蛍光計を用いてモニターする。別法として、基質が遊離のカルボキシ末端 を有し又はペプチドアミドである場合には、この化合物の開裂を、例えば、25 0×4.6mmC18逆相カラム(カリフォルニア、Hesperia在、Vydak)及び0.1(v /v)トリフルオロ酢酸(TFA)を伴うMeCN−H2 Oの線形勾配を用いる 逆相HPLCにより分析することができる(実施例1参照)。Ich−1により 開裂される化合物は、「Ich−1基質活性」(ここでは、この用語を用いる) を有する。 一層好適な具体例において、この発明は、下記式IのIch−1基質化合物を 提供する: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Val、Ile、Tyr、Phe、Leu、Thr、Asn、 Cha、Abu、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t −Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択する疎水性のα−ア ミノ酸であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜5の整数であり; R1 は、水素又はR6 であり; R6 は、Aha−、ビオチニル−、ビオチニル−Aha−、R3 CO- 、R3 CH2 CO−、R3 NHCO−、(R4 2 NCO−及びR3 OCO− (ここに、R3 は、t−ブチル、i−ブチル、n−ブチル、n−プロピ ル、i−プロピル、c−プロピル、エチル、メチル、c−ヘキシル、c−ヘキシ ル−CH2 −、c−ヘキシル−(CH2 2 −、フェニル、フェニル−CH2 − 、フェニル−(CH2 2 −、4−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニ ル−CH2 −、及び4−ヒドロキシフェニル−(CH2 2 −よりなる群から選 択し;且つ R4 は、メチル又はエチルである) よりなる群から選択するN末端アシル基であり; Aspは、アスパラギン酸であり; A3 は、Val、Glu、Thr、Ser、Gln、Ile、Abu、(2− n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2 −Et)Glyよりなる群から選択するα−アミノ酸であり; A2 は、Ala、Ser、Lys、Val、Met、Gln、Leu、Ile 、Abu、His、Orn、Gly、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr )Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択 するα−アミノ酸であり;及び Zは、Asp−Yである(ここに、 Aspは、アスパラギン酸であり;そして Yは、7アミノ−4−メチルクマリン、パラ−ニトロアニリン、オルト −ニトロアニリン、及び−(Q)m −[CONHR2 ] (ここに、Qは、Ala、(2−アリル)Gly、(2−Pr)Gl y、Gly、Tyr及び放射性標識したこれらの誘導体よりなる群から選択し; mは、1又は2であり; R2 は、H、n−プロピル、CH2 CH2 (4−ヒドロキシフェニル )、CH2 (4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)及び、放射性標識されたこ れらの誘導体である) よりなる群から選択する)}。 好ましくは、A5 は、Valであり、A3 は、Valであり且つA2 は、Ala である。好適な放射性標識された誘導体は、トリチウム及び 125I放射性標識さ れた誘導体である。 更に一層好適な具体例において、この発明は、下記式IのIch−1基質化合 物を提供する: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −A5 であり (式中、A5 は、Valであり; R1 は、CH3 CO−、PhCH2 OCO−,Aha−、ビオチニル− 及びビオチニル−Aha−よりなる群から選択する); A3 は、Valであり; A2 は、Alaであり;及び Zは、Asp−Yである(ここに、 Aspは、アスパラギン酸であり;そして Yは、7アミノ−4−メチルクマリン、パラ−ニトロアニリン、オルト −ニトロアニリン、及び−(Q)m −[CONHR2 ] (ここに、Qは、Ala、(2−アリル)Gly、(2−Pr)Gl y、Gly、Tyr及び放射性標識したこれらの誘導体よりなる群から選択し; mは、1又は2であり; R2 は、H、n−プロピル、CH2 CH2 (4−ヒドロキシフェニル )、CH2 (4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)及び、放射性標識されたこ れらの誘導体である) よりなる群から選択する)}。 好適な放射性標識した誘導体は、トリチウム及び 125I放射性標識した誘導体で ある。 特に好適な具体例において、この発明のIch−1基質化合物には、次の構造 の一つが含まれ得る:Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp− AMC、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−pNA、Ac−Va l−Asp−Val−Ala−Asp−oNA、Ac−Val−Asp−Val −Ala−Asp−[CONHCH3 ]、Ac−Val−Asp−Val−Al a−Asp−(Q)m −[CONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val−Al a−Asp−Gly−Trp−[CONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val −Ala−Asp−Gly−AMC、Ac−Val−Asp−Val−Ala− Asp−Gly−(2−C( 3H)H2 −C( 3H)H−CH2 )Gly−[C ONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−( 125 I)Tyr−[CONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp −Gly−(ジ 125I)Tyr−[CONH2 ]、Ac−Val−Asp−Va l−Ala−Asp−Gly−[CONHCH2 (4−HO−3− 125I−5− Me−Ph)]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−[ CONH(CH2 2 (4−HO−3− 125I−Ph)]、Ac−Val−As p−Val−Ala−Asp−Gly−[CONH(CH2 2 (4−HO−3 ,5−ジ 125I−Ph)]、ビオチニル−Aha−Val−Asp−Val−A la−Asp−Gly−(2−C( 3H)H2 −C( 3H)H−CH2 )Gly −[CONH2 ]、ビオチニル−Aha−Val−Asp−Val−Ala−A sp−Gly−( 125I)Tyr−[CONH2 ]、ビオチニル−Aha−Va l−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−(ジ 125I)Tyr−[CON H2 ]、ビオチニル−Aha−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gl y−[CONHCH2 (4−HO−3− 125I−5−Me−Ph)]、ビオチニ ル−Aha−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−[CONH( CH2 2 (4−HO−3− 125I−Ph)]及びビオチニル−Aha−Val −Asp−Val−Ala−Asp−Gly−[CONH(CH2 2 (4−H O−3,5−ジ 125I−Ph)]。 阻害剤化合物について上記したように、この発明の基質化合物を、ペプチド合 成及びペプチド改変のための標準的方法を(例えば、アミノ及びカルボキシ末端 で)用いて製造することができる。ペプチドを、例えば、自動化ペプチドシン セサイザー(例えば、Applied Biosystems 430A )を用いて、Merrifield固相技 術により合成することができる。7−アミノ−4−メチルクマリン基を用いるカ ルボキシ末端で改変されたペプチドの合成のためには、例えば、Thornberry,N.A .等(1992)Nature 356:768-774及びPCT公開WO94/06906を参照され たい。カルボキシ末端をパラ−ニトロアニリン基で改変されたペプチドの合成の ためには、例えば、Reiter,L.A.(1994)Int.J.Peptide Protein Res.43:87-96を 参照されたい。化合物を、逆相HPLCにより精製して、それらの構造を質量ス ペクトル分析又はNMR分光学により確認することができる。 別法として、この発明の基質化合物を、注文ペプチド合成を提供する製造業者 (例えば、カリフォルニア、Napa 在、California Peptide Research,Inc.又はペンシルベニア 、King of Prussia在、Bachem Bioscience )により注文合成することができる 。 これまでIch−1基質化合物がペプチド及びアミノ酸の利用に関して記載さ れてきたにもかかわらず、同等の化合物が、ペプチドアナログ、ペプチド誘導体 及びペプチド模倣物を用いて及び/又はアミノ酸アナログ、アミノ酸誘導体及び アミノ酸模倣物を用いて(阻害剤化合物に関して、前節で更に説明したように) 構築され得ることは、当業者には明白である。任意の及びすべてのかかる化合物 は、本発明に包含されることを意図している。 II.製薬組成物 この発明の化合物は、患者への投与に適した製薬組成物中に取り込ませること ができる。好適具体例において、この製薬組成物は、この発明の阻害剤化合物又 はこの発明の基質化合物の何れか及び製薬上許容し得るキャリアーを含む。 ここで用いる場合、「製薬上許容し得るキャリアー」には、生理学的に適合性 である任意の及びすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗カビ剤、 等張剤及び吸収遅延剤等が含まれる。好ましくは、キャリアーは、静脈、筋肉、 皮下又は非経口投与(例えば、注射)に適している。投与経路によっては、活性 化合物を、酸の作用及びこの化合物を不活性化し得る他の天然条件からこの化合 物を保護する材料で被覆することができる。 「製薬上許容し得る塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し且つ如何 なる望ましくない毒物学的効果をも与えない塩をいう(例えば、Berge,S.M.等(1 977)J.Pharm.Sci.66:1-19 参照)。かかる塩の例には、酸付加塩及び塩基付加塩 が含まれる。酸付加塩には、非毒性無機酸例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭 化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等、並びに非毒性有機酸例えば脂肪族モノ及 びジカルボン酸、フェニル置換されたアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香 族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸等に由来するものが含まれる。塩基付加塩に は、アルカリ土類金属例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム 等、並びに非毒性有機アミン例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、− メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレン ジアミン、プロカイン等に由来するものが含まれる。 本発明の化合物は、当分野で公知の様々な方法により投与することができる。 当業者は認めるであろうが、投与の経路及び/又は方法は、所望の結果によって 変化する。活性な化合物を、その化合物を迅速な放出に対して保護するキャリア ー例えば制御された放出用配合物(インプラント、経皮的パッチ及び微細カプセ ル化送達システムを含む)を用いて調製することができる。生物分解性の生体適 合性ポリマー例えばエチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸 、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸を用いることができる。かかる 配合物の調製のための多くの方法が特許され又は一般に当業者に公知である。例 えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery System,J.R.Robinso n編、Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照されたい。 これらの化合物は、例えば、不活性な希釈剤又は同化可能な食べられるキャリ アーと共に経口投与することができる。この化合物(及び所望であれば、他の成 分)は又、固い又は柔らかい殻のゼラチンカプセルに封入し、錠剤に圧縮し又は 患者の食餌に直接取り込ませることもできる。経口の治療用の投与のためには、 これらの化合物を、賦形剤と共に取り込ませ、摂取可能な錠剤、口内錠剤、トロ ーチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェハース等の形態で用いる ことができる。これらの組成物及び製剤中のこの化合物の濃度は、勿論、変化さ せることができる。かかる治療上有用な組成物中の化合物の量は、適当な治療用 投薬量が得られるように選択する。 この発明の化合物を非経口投与以外によって投与するためには、この化合物を その不活性化を防止する物質で被覆するか、又は該物質と同時投与することが必 要であろう。例えば、この化合物を、適当なキャリアー例えばリポソーム、又は 希釈剤にて、患者に投与することができる。製薬上許容し得る希釈剤には、塩溶 液及び水性緩衝溶液が含まれる。リポソームには、水中油中水CGFエマルジョ ン並びに慣用のリポソームが含まれる(Strejan 等(1984) J.Neuroimmunol.7:27 )。製薬上許容し得るキャリアーには、無菌の水溶液又は分散及び無菌の注射溶 液又は分散を即時調製するための無菌粉末が含まれる。製薬上活性な物質のため のかかる媒質及び薬剤の利用は、当分野で周知である。如何なる慣用の媒質又は 薬剤でも、活性化合物と不適合でない限り、それらのこの発明の製薬組成物にお ける利用は企図される。補足的活性化合物も又、これらの組成物に取り込ませる ことができる。 治療用組成物は、典型的には、製造及び貯蔵条件下で無菌且つ安定でなければ ならない。この組成物は、溶液、微細エマルジョン、リポソーム、又は高い薬物 濃度に適した他の整った構造として配合することができる。キャリアーは、例え ば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコー ル及び液体ポリエチレングリコール等)及びこれらの適当な混合物を含む溶媒又 は分散媒であってよい。適当な流動性を、例えば、レシチン等のコーティングの 利用により、必要な粒子サイズの維持により(分散の場合)及び界面活性剤の利 用により維持することができる。多くの場合において、等張剤例えば糖質、ポリ アルコール例えばマンニトール、ソルビトール、又は塩化ナトリウムを組成物中 に含むことは好ましい。注射用組成物の延長された吸収を、その組成物中に吸収 を遅らせる薬剤例えばモノステアリン酸塩及びゼラチンを含有させることにより 達成することができる。 無菌の注射溶液を、必要量の活性化合物を上記の成分の一つ又は組合せと共に 適当な溶媒中に取り込ませ、その後、濾過除菌することにより調製することがで きる。一般に、分散は、活性化合物を、基礎的分散媒及び上記したものの内の必 要な他の成分を含む無菌ビヒクル中に取り込ませることにより調製する。無菌の 注射溶液の調製のための無菌粉末の場合には、調製の好適な方法は、予め無菌濾 過した溶液から活性成分及び任意の所望の付加的成分の粉末を生成する真空乾燥 及び凍結乾燥である。 投薬養生法は、最適の所望の応答(例えば、治療応答)を与えるように調節す ることができる。例えば、単一巨丸剤を投与することができ、幾つかに分割した 投与量を数時間にわたって投与することができ、又は投与量を治療状況の緊急性 に応じて減らしたり増やしたりすることができる。非経口組成物を、投与を容易 にするため及び均一な投薬のために、投薬単位形態に処方することは特に有利で ある。投薬単位形態は、ここで用いる場合、治療すべき哺乳動物患者への単一の 投薬に適した物理的に分離した単位をいう(各単位は、所望の治療効果を生じる ように計算した予め決められた量の活性化合物を必要な製薬用キャリアーと共に 含む)。この発明の投薬単位形態の詳細は、(a)活性化合物の独自の特性及び 達成すべき特定の治療効果及び(b)個体の感受性の治療のためのかかる活性化 合物を混合する分野に固有の限界により指図され、これらに直接依存する。 IV.この発明の化合物の利用 この発明のIch−1阻害剤化合物は、Ich−1のシステインプロテアーゼ 活性を阻害するのに有用である(例えば、イン・ビトロの単離標品中又は細胞例 えば培養細胞中又は患者の体内において)。この発明は、Ich−1の蛋白質分 解活性を阻害する方法であって、Ich−1をこの発明の阻害剤化合物とIch −1の蛋白質分解活性が阻害されるように接触させることを含む方法を提供する 。患者におけるIch−1活性を阻害するためには、阻害剤化合物を、前節で更 に説明したように患者に投与する。何れの阻害剤化合物を用いるかに依存して、 Ich−1活性の阻害は、可逆であり(例えば、アルデヒド阻害剤を用いた場合 )又は不可逆であり得る(例えば、ジアゾメチルケトン阻害剤を用いた場合)。 Ich−1活性のイン・ビトロでの阻害は、Ich−1及び特定の基質の蛋白質 分解におけるその関与を特性決定するのに有用である。その上、この発明のIc h−1阻害剤化合物は、Ich−1活性が有害な効果を有する病気の治療におい て利用することができる。神経組織におけるIch−1の発現を仮定 すれば、Ich−1活性の阻害は、神経退行性疾患例えばアルツハイマー病、神 経性炎症及び脳卒中の治療において有用であり得る。 この発明のIch−1基質化合物は、Ich−1の存在を検出するのに有用で ある(例えば、単離標品中又は細胞内において)。この発明は、試料中のIch −1の存在を検出する方法であって、試料をこの発明の基質化合物と接触させる こと及びその化合物の蛋白質分解による開裂の量を測定することを含む方法(こ の化合物の蛋白質分解による開裂は、この試料中のIch−1の存在を示す)を 提供する。 この発明の可逆的阻害剤化合物は又、物質の混合物からIch−1を、例えば 可逆的阻害剤化合物を含有するアフィニティーカラムを用いるアフィニティーク ロマトグラフィーによって単離するのにも有用である。この発明は、物質の混合 物からIch−1を単離する方法であって、物質の混合物をこの発明の可逆的阻 害剤化合物(例えば、アセチル−VDVAD−[CHO])と接触させ、それに より、固定化Ich−1を形成し(ここに、該化合物は、物質の混合物中のIc h−1がこの化合物と相互作用するように固定化(例えば、固体支持体に結合) してある);固定化されたIch−1を物質の混合物から分離し;固定化Ich −1とこの化合物との間の相互作用を破壊し;そしてIch−1が物質の混合物 から単離されるようにIch−1を回収することを含む方法を提供する。 好ましくは、固定化Ich−1を、物質の混合物の残りから、その固定化Ic h−1を洗うことにより分離して物質の混合物の残りから取り出す。可逆的阻害 剤については、固定化Ich−1と阻害剤化合物との間の相互作用を、例えば、 固定化Ich−1を過剰の遊離の可逆的阻害剤化合物に接触させることにより破 壊することができる(例えば、もしIch−1が、固体支持体に結合されたAc −VDVAD−[CHO]のカラムに固定されているならば、Ich−1をその カラムを過剰のAc−VDVAD−[CHO]で洗うことにより回収することが できる)。 他の具体例において、この発明は、Ich−1を物質の混合物から単離する方 法であって、下記を含む方法を提供する: 物質の混合物を、ビオチン化したこの発明のIch−1阻害剤化合物と、その 物質の混合物内のIch−1がビオチン化Ich−1阻害剤化合物と相互作用し それによりビオチン化Ich−1を形成するように接触させ; このビオチン化Ich−1を固体支持体上に固定化し、それにより、固定化さ れたビオチン化Ich−1を形成し; 固定化されたビオチン化Ich−1を物質の混合物から分離し; 固定化されたビオチン化Ich−1とビオチン化Ich−1阻害剤化合物との 間の相互作用を破壊し;そして Ich−1を回収し、それにより、Ich−1を単離する。 好適具体例において、固体支持体は、ストレプトアビジン又はアビジンと誘導 体化する。好ましくは、分離工程は、固定化されたビオチン化Ich−1を洗っ て物質の混合物の残りを除去することを含む。 この発明のIch−1単離方法における使用に適した固体支持体は、当業者に 公知であり(例えば、Barrett の米国特許第5,380,656(参考として、 本明細書中に援用する)参照)、ω−アミノ酸のアミノ官能基と反応することが 知られているエポキシド又はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基を含むよ うに改変されたセファロース及びビオチン化分子に結合することが知られている セファロース−アビジン結合体が含まれるが、これらに限定しない。阻害剤化合 物を、当分野で公知の様々な方法で固体支持体に結合することができる(例えば 、G.A.Grant 編「Synthetic Peptides: A User's Guide」(1992),W.H.Freeman, 第三章、固体支持体にペプチドを共有結合させる方法について参照)。阻害剤化 合物を、適当な結合又は架橋用部分の利用により、共有結合又は非共有結合によ って、固体支持体に結合させることができる。一具体例において、この架橋用部 分をアミド結合により阻害剤化合物に結合する。この架橋用部分は、例えば、ω −アミノ酸、ビオチン又はこれらの組合せであってよい。典型的具体例において 、カルボキシレート置換した阻害剤化合物(例えば、カルボキシル置換したアリ ール部分)を、アミノ誘導体化した固体支持体に、例えばジシクロヘキシルカル ボジイミドとの縮合により、標準的方法を用いて、アミド結合の形成によって共 有結合させることができる。不溶性支持体に化合物を非共有結合させる 方法も又、周知である。典型的な非共有結合部分には、ビオチン(アビジン又は ストレプトアビジンに結合する)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(グ ルタチオンに結合する)及びポリヒスチジン(例えば、ニッケルカラムを用いて 、ニッケルイオンに結合する)が含まれる。好適な結合部分は、ビオチンである 。阻害剤化合物は、例えば末端アミン又は側鎖アミン等のアミノ基を介する結合 により、ビオチン部分の代用とすることができる。システインプロテアーゼの精 製のためのアフィニティーカラムの調製及び利用の更なる説明については、例え ば、PCT公開No.WO94/06906を参照されたい。 この発明を、下記の実施例により更に説明するが、これらを制限と解すべきで はない。この出願中のすべての引用された参考文献、特許及び公開された特許出 願の内容を、本明細書中に参考として援用する。実施例1 : Ich−1のペプチド基質の同定 Ich−1のペプチド基質を同定するために、候補のペプチドを、組換えIc h−1蛋白質でのイン・ビトロ蛋白質分解アッセイにおいて用いた。ヒトのIc h−1酵素(そのヌクレオチド及びアミノ酸配列は、Wang,L.等(1994)Cell 78: 739-750に開示されている)を、N末端ポリヒスチジンタグを用いて、Kamens,J .等(1995)J.Biol.Chem.270:15250-15256 に記載された方法により、組換えによ り発現させた。その結果生じた酵素(N−HisIch−1と呼ぶ)は、Ich −1アミノ酸残基167−435及びアミノ末端に融合されたイニシエーター及 びポリヒスチジンタグを含んでいる。この組換えHisIch−1蛋白質を、Po rath,J.(1992)Protein Expression and Purification 3:263-281に記載されたよ うに、金属キレートカラムクロマトグラフィーにより精製した。 候補のペプチド基質を標準的固相法により合成して、逆相クロマトグラフィー により95%以上に精製した。ペプチドの同定を質量分析により確認した。各ペ プチドを、アミノ末端をアセチル化し、カルボキシ末端をアミド化した。各ペプ チドのアミノ酸配列は、少なくとも1つのTrp又はTyr残基を含んだ。各ペ プチドのストック溶液を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で、約10mM で調製した。各ストック溶液の正確な濃度を、Edelhoch,H.(1967) Biochmistry 6:1948-1954 に記載されたようにして、二連で測定した。各ストッ ク溶液の500μMまでの希釈物を調製して、酵素アッセイに使用するまで−2 0℃に保存した。 Ich−1の基質特異性を測定するために、種々の候補のペプチド基質のVma x /Km 値を、Howard,A.等(1991)J.Immunol.147:2964-2969に合わせた実験手 順を用いて比較した。次を含む酵素反応混合物(810μL)を調製した:10 0mM 酢酸ナトリウム(pH6.2)、20%(v/v)グリセロール、5m M ジチオスレイトール、0.5mM EDTA及び約15μgのN−HisI ch−1。これらの混合物をキャップをして30分間30℃で予備インキュベー トした。候補のペプチド基質を500μM DMSOストックから加えて、10 μM ペプチド及び2%(v/v)DMSOの終濃度とした。これらの反応混合 物を、次いで、キャップして、30℃でインキュベーションを続けた。10分間 隔で60分間にわたって(開始時点をt=0とする)、110μLのアリコート を各反応混合物から取り出し、水中の3 HCl溶液を11μL含むバイアル 中に加えて酵素反応を停止させた。試料を、分析まで、室温に保存した。 試料を、250×4.6mmC18逆相カラム(カリフォルニア、Hesperia在、Vydak) 及び0.1%(v/v)TFAを用いるMeCN−H2 Oの線型勾配を用いる逆 相HPLCにより分析した。基質ピーク(任意の単位)下の領域を、各基質につ いて反応時間に対してプロットして、下記の型の方程式に適合させる: (式中、S0 は、時間=0における基質ピーク領域であり、St は、時間=tに おける基質ピーク領域であり、eは、ほぼ2.718に等しい定数であり、kは 、形式的にVmax /Km に等しい一次速度定数であり、tは、時間である)。相 対的Vmax /Km 値を得るために、これらの結果を、−ペプチドにつき1.00 の値に標準化した(典型的には、それは、最高のVmax /Km 値を示した)。或 は、結果を、固定された反応時間の後の基質開裂パーセントとして表すこともで きる。 第1のシリーズの実験において、ICE又はICE関連蛋白質の公知の又は推 定の開裂部位に対応する7つの候補のペプチドを、上記のアッセイにおいてIc h−1基質として試験した。その結果を下記の表1にまとめてある(各ペプチド 中のP1位置のアスパラギン酸残基を整列させて太字で示してある)。 表1:公知の又は推定のICE及びICE関連蛋白質の開裂部位に対応するペプ チドのN−HisIch−1による開裂 ヒトのIch−1のアミノ酸310−320にそのカルボキシ末端に天然にない トリプトファン残基(W)が付加されたものに相当する、7つのペプチドの内の 1つ(アセチル−RGVDQQDGKNHW−アミド;ペプチド1;SEQ ID NO: 1)は、他の試験されたペプチドよりも有意に大きい速度で開裂された。ペプチ ド1の蛋白質分解による開裂の生成物をHPLCにより精製し、エドマン分解に よるN末端配列決定は、2つの生成物の1つがN末端配列Gly−Lys−As nを含むことを示した。他の生成物は、配列を与えなかったが、これは、アセチ ル化されているためにエドマン分解に抵抗性であるペプチド1のN末端部分とし ての同定と一致する。従って、蛋白質分解による開裂部位は、このペプチド中の 第2のAsp(即ち、アミノ末端から第7番目のアミノ酸残基)であると結論さ れた。実施例2 : Ich−1によるペプチド基質開裂の長さ依存性の測定 この実施例においては、N−HisIch−1によるペプチド開裂の長さ依存 性を測定するために、ペプチド1(SEQ ID NO:1)に基づくがアミノ及び/又は カルボキシ末端の長さを変えた一連のペプチドを、実施例1に記載の蛋白質分解 アッセイにおける基質として試験した。その結果を下記の表2にまとめてある( 各ペプチド中のP1位置のアスパラギン酸残基を整列させて、太字で示してあ る)。 表2:N−HisIch−1によるペプチド開裂の長さ依存性 表2に示したアミノ末端長変化物を用いた結果は、N−HisIch−1によ る効率的な開裂のためのP5残基の存在に対する強い依存性を示している(ペプ チド9と10を比較されたい)。対照的に、カルボキシ末端長を変えたペプチド (ペプチド12、13及び14)は、N−HisIch−1により開裂され、類 似の(Vmax /Km )値を有し、これは、これらの位置にある残基がN−His Ich−1による認識及び開裂に関して(P1〜P5のアミノ酸と比較して)比 較的重要でないことを示している。 N−HisIch−1による効率的な開裂に対するP5残基の必要性は、IC Eを用いる類似の実験を考慮して、予想外のことである。ICEは、効率的開裂 のためにP4アミノ酸を必要とすることが報告されているが、ICEによる開裂 は、P5残基の存在により更には増大されない(Thornberry,N.A.等(1992)Natu re 356:768-774参照)。従って、N−HisIch−1は、効率的な開裂にP5 残基を必要とする点で、ICEと異なる。実施例3 : Ich−1によるペプチド基質開裂の配列特異性 この実施例において、更なる実験を行なって、位置P5、P4、P3、P2及 びP1におけるN−HisIch−1の特定のアミノ酸優先性を同定した。ペプ チド13(SEQ ID NO:13)に基づくが、P5、P4、P3、P2又はP1位置 を変えた一連のペプチドを、実施例1に記載の蛋白質分解アッセイにおける基質 として試験した。その結果を、下記の表3にまとめてある(P1位置のアスパラ ギン酸残基を整列させて、太字で示してある)。 表3:N−HisIch−1によるペプチド配列変化物の開裂 P5位置において、N−HisIch−1は、疎水性アミノ酸に対する優先性 を示しており、Val(ペプチド13)が最も好適である。極性アミノ酸(Th r及びAsn;それぞれ、ペプチド18及び19)は、一層好適でなく、P5に Aspを含むペプチド21の弱い開裂は、P5における帯電したアミノ酸がN− HisIch−1による開裂に有害であることを示している。その上、N−Hi sIch−1のP5のAlaと比べてValに対する強い優先性(ペプチド13 と20を比較されたい)は、Valが、この酵素による開裂に正の寄与をしてい ることを示唆している。 P4位置において、N−HisIch−1は、非常に強いAspに対する優先 性を示す(ペプチド13)。Glu(ペプチド23;これは、Aspの中性pH における予想される負電荷を保持している)又はAsn(ペプチド25;これは 、Aspの同配体である)での置換は、許容されない。P4Aspのペプチド開 裂に対する正の寄与は、P4Alaを含むペプチド24の比較的弱い開裂によ り示されている。P4のSer(ペプチド22)は、許容されるが、P4Asp より実質的に低い効率で開裂される。 P3位置においては、構造的に広範囲のアミノ酸が許容される。それにもかか わらず、P3アミノ酸側鎖のN−HisIch−1との特異的相互作用が、Le u又はAla(それぞれ、ペプチド30及び31)と比べてVal(ペプチド2 7)について認められる強い優先性により示される。 P2位置においては、Ala(ペプチド34)に対する優先性があるが、他の 一層好適でないアミノ酸の構造的多様性は、P2アミノ酸がN−HisIch− 1による開裂に強い正の寄与をしていないことを示唆している。それにもかかわ らず、Tyr又はGlu(それぞれ、ペプチド40及び41)等のある種の残基 を含むペプチドは、殆どの好適なペプチドと比べて僅かに開裂される。 P1位置に関して、P1Aspを含むペプチド13と比較して、P1Gluを 含むペプチド42の控え目の開裂は、ICEファミリーのプロテアーゼに典型的 なP1のAspに対するN−HisIch−1の特異性を示している。 最適なIch−1基質を、P3のVal(ペプチド27により示唆される)及 びP2のAla(ペプチド34により示唆される)の置換を含むペプチド13に 基づいてデザインした。この最適なペプチド基質、ペプチド43は、ペプチド1 3(相対的Vmax /Km =6.13)よりも、単一置換されたペプチドのペプチ ド27(相対的Vmax /Km =2.84)又はペプチド34(相対的Vmax /Km =4.72)よりも大いに好適である。この結果は、P3Val及びP2Al aの正の寄与が、ペプチド43におけるように両者が存在する場合に、凡そ相加 的であることを示している。実施例4 : Ich−1蛋白質分解活性の阻害 Ich−1のペプチド性アルデヒド阻害剤を、実施例3に記載の最適なペプチ ド基質(ペプチド43)に基づいてデザインした。構造アセチル−Val−As p−Val−Ala−Asp−CHO(Ac−VDVAD−CHO)を有する阻 害剤を、標準的方法(例えば、Chapman(1992)Bioorganic Medicinal Chemistry Letters 2:613に記載の方法)により合成した。このペプチド性アル デヒド阻害剤のN−HisIch−1活性を阻害する能力を、イン・ビトロ蛋白 質分解アッセイにて、色原体パラ−ニトロアニリン標識したペプチド基質を用い て測定した。このペプチド基質は、構造アセチル−Val−Asp−Val−A la−Asp−パラ−ニトロアニリン(Ac−YVAD−pNA)を有し、標準 的方法(例えば、Reiter,L.A.(1994)Int.J.Peptide Protein Res.43:87-96に記 載の方法)により合成した。 蛋白質分解アッセイを行なうために、N−HisIch−1を30分間30℃ で、100mM 酢酸ナトリウム(pH6.2)、20%(v/v)グリセロー ル、5mM DTT、0.5mM EDTA(pH7.5)を含む160μlの 反応緩衝液中で予備インキュベートした。このペプチド基質を、2.0mMの基 質及び5%(v/v)DMSO溶媒を含む40μlの反応緩衝液に加えて、50 0μMの基質及び1%(v/v)DMSOの終濃度(アッセイ混合物中)とした 。N−HisIch−1のこのペプチド基質との30℃でのインキュベーション を続け、ペプチド基質の触媒による加水分解を、時間の関数としてのpNAの放 出による405nmでの試料の吸光度の変化によりモニターした。アッセイを二 連で行なった。試料を、ミクロ滴定プレートリーダー(カリフォルニア、Sunnyv ale 在、Molecular Devices )を用いて読んだ。N−HisIch−1のミカエ リス−メンテンKm 及びkcat 値を、標準的方法により測定した。その結果は、 下記の通りである: Km : 42μM kcat : 0.12s-1 ペプチド性アルデヒド阻害剤の効果を調べるために、酵素試料を上記のように アッセイしたが、但し、Ac−VDVAD−CHOを反応混合物中に0.1nM 〜10μMの範囲の濃度で含有する(11の別々の反応)。これらの結果は、8 .0nMのIC50値を生じるシグモイド曲線に適合する。IC50値は、見掛けKi 値を、(IC50/(1+[S]/Km ))の因子により誇張する(式中、[S ]は、基質濃度である)。従って、これより、2.5nMの見掛けKi 値が計算 された。同等物 当業者は、ここに記載したこの発明の特定の具体例に対する多くの同等物を認 識し、又は、常例的実験を用いて確認することができよう。かかる同等物は、後 述の請求の範囲に包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/99 A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP,M X (72)発明者 タラニアン,ロバート ヴィー. アメリカ合衆国 01451 マサチューセッ ツ,ハーバード,キャンドルベリー レイ ン 33 (72)発明者 ガユール,ターリク アメリカ合衆国 01519 マサチューセッ ツ,グラーフトン,オーク ストリート 6 (72)発明者 ホッジ,ジョン シー. アメリカ合衆国 48105 ミシガン,アン アーバー,ウォルデン ドライブ 4307

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記式Iの化合物、 X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、A1 又はAsp−Yである (式中:A1 は、Ich−1阻害活性を授与する残基であり、Ich−1の活性 部位システイン残基のスルフヒドリル基による求核攻撃又は求核置換を受け易い 求電子中心を含むようにC末端が改変されたアスパラギン酸又はグルタミン酸残 基であり;そして Asp−Yは、Ich−1基質活性を授与する残基の対であり、ここに、As pは、アスパラギン酸残基であり、Yは、色原体脱離基、蛍光助剤脱離基、−( Q)m [CO2 H]及び−(Q)m −[CONHR2]よりなる群から選択する (式中、Qは、任意のα−アミノ酸又は放射性標識したそれらの誘導体であり、 mは、1〜15の整数であり且つR2 は、H、アルキル、アルケニル、シク ロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテ ロ環、ヘテロアリール、ヘテロ環式アルキル、ヘテロアリールアルキル及び放射 性標識したそれらの誘導体よりなる群から選択する))}。 2.nが0〜10の整数である、請求項1に記載の化合物。 3.nが0〜5の整数である、請求項1に記載の化合物。 4.下記式IのIch−1阻害剤化合物: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、A1 である (式中:A1 は、Ich−1阻害活性を授与する残基であり、Ich−1の活性 部位システイン残基のスルフヒドリル基による求核攻撃又は求核置換を受け易い 求電子中心を含むようにC末端が改変されたアスパラギン酸又はグルタミン酸残 基である)}。 5.nが0〜10の整数である、請求項4に記載の化合物。 6.nが0〜5の整数である、請求項4に記載の化合物。 7.A1 がAsp[CHO]である、請求項4に記載の化合物。 8.下記式IのIch−1阻害剤化合物: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Val、Ile、Tyr、Phe、Leu、Thr、Asn、 Cha、Abu、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t −Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択する疎水性のα−ア ミノ酸であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜5の整数であり; R1 は、水素又はR6 であり; R6 は、Aha−、ビオチニル−、ビオチニル−Aha−、R3 CO- 、R3 CH2 CO−、R3 NHCO−、(R4 2 NCO−及びR3 OCO− (ここに、R3 は、t−ブチル、i−ブチル、n−ブチル、n−プロピ ル、i−プロピル、c−プロピル、エチル、メチル、c−ヘキシル、c−ヘキシ ル−CH2 −、c−ヘキシル−(CH2 2 −、フェニル、フェニル−CH2 − 、フェニル−(CH2 2 −、4−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニ ル−CH2 −、及び4−ヒドロキシフェニル−(CH2 2 −よりなる群から選 択し;且つ R4 は、メチル又はエチルである) よりなる群から選択するN末端アシル基であり; Aspは、アスパラギン酸であり; A3 は、Val、Glu、Thr、Ser、Gln、Ile、Abu、(2− n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2 −Et)Glyよりなる群から選択するα−アミノ酸であり; A2 は、Ala、Ser、Lys、Val、Met、Gln、Leu、 Ile、Abu、His、Orn、Gly、(2−n−Pr)Gly、(2−c −Pr)Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群か ら選択するα−アミノ酸であり;及び Z、A1 である(ここに、 A1 は、下記よりなる群から選択するC末端修飾された残基である Asp[CHO]、Asp[CN]、Asp[COCHN2 ]、Asp [COCH2 Cl]、Asp[COCH2 Br]、Asp[COCH2 F]、A sp[COCH2 OCO−アリール]、Asp[COCH2 OCO−ヘテロアリ ール]、Asp[COCH2 O(CH2 a −アリール]、Asp[COCH2 O(CH2 a −ヘテロアリール]、Asp[COCH2 S(CH2 a −アリ ール]、Asp[COCH2 S(CH2 )a−ヘテロアリール]、Asp[CO (CH2 b −アリール]、Asp[CO(CH2 b −ヘテロアリール]、G lu[CHO]、Glu[CN]、Glu[COCHN2 ]、Glu[COCH2 Cl]、Glu[COCH2 Br]、Glu[COCH2 F]、Glu[CO CH2 OCO−アリール]、Glu[COCH2 OCO−ヘテロアリール]、G lu[COCH2 O(CH2 a −アリール]、Glu[COCH2 O(CH2 a −ヘテロアリール]、Glu[COCH2 S(CH2 a −アリール]、G lu[COCH2 S(CH2 a −ヘテロアリール]、Glu[CO(CH2 b −アリール]、及びGlu[CO(CH2 b −ヘテロアリール]、ここに、 aは、0〜5の整数であり;且つbは、1〜7の整数である)}。 9.A5 がValである、請求項8に記載の化合物。 10.A3 がValである、請求項8に記載の化合物。 11.A2 がAlaである、請求項8に記載の化合物。 12.A1 がAsp[CHO]である、請求項8に記載の化合物。 13.下記式IのIch−1阻害剤化合物: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −A5 であり (式中、A5 は、Valであり; R1 は、CH3 CO−、PhCH2 OCO−,Aha−、ビオチニル− 及びビオチニル−Aha−よりなる群から選択する); A3 は、Valであり; A2 は、Alaであり;及び Zは、A1 である(ここに、 A1 は、下記よりなる群から選択するC末端改変された残基である Asp[CHO]、Asp[CN]、Asp[COCHN2 ]、Asp[COC H2 Cl]、Asp[COCH2 Br]、Asp[COCH2 −F]、Asp[ COCH2 OCO−アリール]、Asp[COCH2 OCO−ヘテロアリール] 、Asp[COCH2 O(CH2 a −アリール]、Asp[COCH2 O(C H2 a −ヘテロアリール]、Asp[COCH2 S(CH2 a −アリール] 、Asp[COCH2 S(CH2 a −ヘテロアリール]、Asp[CO(CH2 b −アリール]及びAsp[CO(CH2 b −ヘテロアリール]、ここに 、aは、0〜5の整数であり且つbは、1〜7の整数である)}。 14.下記よりなる群から選択するIch−1阻害剤化合物 Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[CHO]、Ac−Val− Asp−Val−Ala−Asp−[CN]、Ac−Val−Asp−Val− Ala−Glu−[CHO]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Glu −[CN]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[COCH2 C l]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[COCH2 OCOA r]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[COCH2 S(CH2 )a Ar]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp− [COCH2 O(CH2 a Ar]、Ac−Val−Asp−Val−Ala− Asp−[COCH2 S(CH2 a HetAr]、Ac−Val−Asp−V al−Ala−Asp−[COCH2 O(CH2 a HetAr]、Ac−Va l−Asp−Val−Ala−Asp−[COCH2 (CH2 b Ar]、Ac −Val−Asp−Val−Ala−Asp−[CO(CH2 b HetAr] 、ここに、aは、0〜5の整数であり且つbは、1〜7の整数である。 15.Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp[CHO]である、請求 項14に記載の化合物。 16.下記式IのIch−1基質化合物: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −(W)n −A5 又はR6 (式中、A5 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得る疎水性のα−アミノ酸 であり; Wは、任意のα−アミノ酸であり; nは、0〜15の整数であり; R1 は、水素又はアミド、カルバメート及びウレアよりなる群から選択 するN末端アシル基であり; R6 は、Ich−1のP5部位と相互作用し得るアミド、カルバメート 及びウレアよりなる群から選択する疎水性のN末端アシル基である)であり; Aspは、アスパラギン酸残基であり; A3 は、Ich−1のP3部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり; A2 は、Ich−1のP2部位と相互作用し得るα−アミノ酸であり;及び Zは、Asp−Yである (式中:Asp−Yは、Ich−1基質活性を授与する残基の対であり、ここに Aspは、アスパラギン酸残基であり、Yは、色原体脱離基、蛍光助剤脱離基、 −(Q)m [CO2 H]及び−(Q)m −[CONHR2 ]よりなる群から選択 する(式中、Qは、任意のα−アミノ酸又は放射性標識したそれらの誘導体であ り、mは、1〜15の整数であり且つR2 は、H、アルキル、アルケニル、シク ロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテ ロ環、ヘテロアリール、ヘテロ環式アルキル、ヘテロアリールアルキル及び放射 性標識したそれらの誘導体よりなる群から選択する))}。 17.nが0〜10の整数である、請求項16に記載の化合物。 18.nが0〜5の整数である、請求項16に記載の化合物。 19.下記式IのIch−1基質化合物: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −A5 又はR6 (式中、A5 は、Val、Ile、Tyr、Phe、Leu、Thr、Asn、 Cha、Abu、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t −Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択する疎水性のα−ア ミノ酸であり; R1 は、水素又はR6 であり; R6 は、Aha−、ビオチニル−、ビオチニル−Aha−、R3 CO- 、R3 CH2 CO−、R3 NHCO−、(R4 2 NCO−及びR3 OCO− (ここに、R3 は、t−ブチル、i−ブチル、n−ブチル、n−プロピ ル、i−プロピル、c−プロピル、エチル、メチル、c−ヘキシル、c−ヘキシ ル−CH2 −、c−ヘキシル−(CH2 2 −、フェニル、フェニル−CH2 − 、フェニル−(CH2 2 −、4−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニ ル−CH2 −、及び4−ヒドロキシフェニル−(CH2 2 −よりなる群から選 択し;且つ R4 は、メチル又はエチルである) よりなる群から選択するN末端アシル基であり; Aspは、アスパラギン酸であり; A3 は、Val、Glu、Thr、Ser、Gln、Ile、Abu、(2− n−Pr)Gly、(2−c−Pr)Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2 −Et)Glyよりなる群から選択するα−アミノ酸であり; A2 は、Ala、Ser、Lys、Val、Met、Gln、Leu、Ile 、Abu、His、Orn、Gly、(2−n−Pr)Gly、(2−c−Pr )Gly、(2−t−Bu)Gly及び(2−Et)Glyよりなる群から選択 するα−アミノ酸であり;及び Zは、Asp−Yである(ここに、 Aspは、アスパラギン酸であり;そして Yは、7アミノ−4−メチルクマリン、パラ−ニトロアニリン、オルト −ニトロアニリン、及び−(Q)m −[CONHR2 ] (ここに、Qは、Ala、(2−アリル)Gly、(2−Pr)Gl y、Gly、Tyr及び放射性標識したこれらの誘導体よりなる群から選択し; mは、1又は2であり; R2 は、H、n−プロピル、CH2 CH2 (4−ヒドロキシフェニル )、CH2 (4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)及び、放射性標識されたこ れらの誘導体である) よりなる群から選択する)}。 20.A5 がValである、請求項19に記載の化合物。 21.A3 がValである、請求項19に記載の化合物。 22.A2 がAlaである、請求項19に記載の化合物。 23.下記式IのIch−1基質化合物: X−Asp−A3 −A2 −Z I {式中: Xは、R1 −A5 であり (式中、A5 は、Valであり; R1 は、CH3 CO−、PhCH2 OCO−,Aha−、ビオチニル− 及びビオチニル−Aha−よりなる群から選択する); A3 は、Valであり; A2 は、Alaであり;及び Zは、Asp−Yである(ここに、 Aspは、アスパラギン酸であり;そして Yは、7アミノ−4−メチルクマリン、パラ−ニトロアニリン、 オルト−ニトロアニリン、及び−(Q)m −[CONHR2 ] (ここに、Qは、Ala、(2−アリル)Gly、(2−Pr)Gl y、Gly、Tyr及び放射性標識したこれらの誘導体よりなる群から選択し; mは、1又は2であり; R2 は、H、n−プロピル、CH2 CH2 (4−ヒドロキシフェニル )、CH2 (4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)及び、放射性標識されたこ れらの誘導体である) よりなる群から選択する)}。 24.下記よりなる群から選択するIch−1基質化合物 Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−AMC、Ac−Val−As p−Val−Ala−Asp−pNA、Ac−Val−Asp−Val−Ala −Asp−oNA、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−[CON HCH3 ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−(Q)m −[C ONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−Trp −[CONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly− AMC、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−(2−C( 3 H)H2 −C( 3H)H−CH2 )Gly−[CONH2 ]、Ac−Val− Asp−Val−Ala−Asp−Gly−( 125I)Tyr−[CONH2 ] 、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−(ジ 125I)Ty r−[CONH2 ]、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly −[CONHCH2 (4−HO−3− 125I−5−Me−Ph)]、Ac−Va l−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−[CONH(CH2 2 (4− HO−3− 125I−Ph)]、 Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−[CONH(CH2 2 (4−HO−3,5−ジ 125I−Ph)]、ビオチニル−Aha−Val− Asp−Val−Ala−Asp−Gly−(2−C( 3H)H2 −C( 3H) H−CH2 )Gly−[CONH2 ]、ビオチニル−Aha−Val−Asp− Val−Ala−Asp−Gly−( 125I)Tyr−[CONH2 ]、ビオチ ニル−Aha−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−(ジ 125I )Tyr−[CONH2 ]、ビオチニル−Aha−Val−Asp−Val−A la−Asp−Gly−[CONHCH2 (4−HO−3− 125I−5−Me− Ph)]、ビオチニル−Aha−Val−Asp−Val−Ala−Asp−G ly−[CONH(CH2 2 (4−HO−3− 125I−Ph)]及びビオチニ ル−Aha−Val−Asp−Val−Ala−Asp−Gly−[CONH( CH2 2 (4−HO−3,5−ジ 125I−Ph)]。 25.Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−AMCである、請求項 24に記載の化合物。 26.Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−パラ−NAである、請 求項24に記載の化合物。 27.Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−オルト−NAである、 請求項24に記載の化合物。 28.請求項1に記載の化合物及び製薬上許容し得るキャリアーを含む製薬組成 物。 29.請求項4に記載の化合物及び製薬上許容し得るキャリアーを含む製薬組成 物。 30.請求項16に記載の化合物及び製薬上許容し得るキャリアーを含む製薬組 成物。 31.Ich−1の蛋白質分解活性を阻害する方法であって、Ich−1を、請 求項4に記載の化合物と、Ich−1の蛋白質分解活性が阻害されるように接触 させることを含む当該方法。 32.Ich−1が、単離された標品中にある、請求項31に記載の方法。 33.Ich−1が、細胞内にある、請求項31に記載の方法。 34.試料中のIch−1の存在を検出する方法であって、試料を請求項16に 記載の化合物と接触させること及びその化合物の蛋白質分解による開裂の量を測 定することを含み、その化合物の蛋白質分解による開裂が試料中のIch−1の 存在を示す、上記の方法。 35.物質の混合物からIch−1を単離する方法であって、 物質の混合物を請求項4に記載の化合物と接触させ(この化合物は、物質の混 合物中のIch−1がこの化合物と相互作用して、それにより、固定化されたI ch−1を形成するように固定化してある); この物質の混合物から固定化されたIch−1を分離し; 固定化されたIch−1とこの化合物との間の相互作用を破壊し;そして Ich−1を回収し、それによりIch−1を物質の混合物から単離すること を含む、上記の方法。
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