JP2000503355A - セルロースファイバー及びフィラメントの調製法 - Google Patents

セルロースファイバー及びフィラメントの調製法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、遠心分離機を使用して紡糸可能なセルロース含有溶液を紡糸することにより、該溶液からセルロースファイバー又はフィラメントを製造する方法に関し、紡糸される溶液が、94〜100重量%の次の成分、セルロース、リン酸及び/又はその無水物、及び水を含む。この方法により、織物及び工業用途の両方のために特に好ましい性質を有するところのセルロースファイバー及びフイラメントが製造され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 セルロースファイバー及びフィラメントの調製法 本発明は、紡糸可能なセルロース含有溶液からセルロースファイバー及びフィラ メントを調製するための方法に関し、該溶液は、少なくとも一つの紡糸オリフィ スを持つ遠心分離器機を使用して紡糸され、そして、遠心分離機を出た後に紡糸 溶液が、ジャケットに入れられているところの液体中で凝固される。 そのような方法は、本出願人名義の未公開のオランダ国への国際特許出願第9 6/27700号に記載されている。この出願に述べられているように、種々の 紡糸溶液が、遠心分離機により紡糸され得る。周知の湿式紡糸法、例えば、ドラ イジェット湿式紡糸法と比較して、ファイバー及びフィラメントは、遠心分離機 が使用されるとき、より高い産出速度で作られ得る。また、特定の目的、例えば 、パルプのために優れた性質を持つところのファイバー/フィラメントが作られ 得る。更に、公知の紡糸法と比較して遠心分離機を使用する紡糸法は、フィラメ ント化を受け易くなく、一方、紡糸溶液は余り微細な濾過を必要としない。 本発明は、遠心分離機によりセルロースファイバー及びフィラメントを作るた めに使用されるところの溶液に関する。非常に容易に調製され得るところのこの 溶液を使用して、織物並びに工業用途に使用するために非常に適するところの非 常に好ましい性質を持つセルロースファイバー及びフィラメントを製造すること を可能にすることが分かっ た。 本発明は、国際特許出願第96/27700号に記載されている方法において 、94〜100重量%の構成成分、即ち ・セルロース、 ・リン酸及び/又はその無水物、及び ・水 を含むところの溶液が使用される。 例えば、本発明に従う方法において使用され得るところのセルロース溶液は、 構成成分であるセルロース、リン酸及び/又はその無水物、及び水を94〜10 0重量%含むところの等方性及び異方性溶液である。そのような異方性溶液は、 未公開特許出願である国際特許出願第96/06208号に記載されており、等 方性溶液は、未公開特許出願であるオランダ国特許第1002236号に記載さ れている。かかる両出願は本出願人の名義である。 本発明に従う方法において使用されるところのセルロース含有紡糸可能溶液は 、65〜80重量%の五酸化リンを含むところの溶媒中にセルロースを溶解する ことにより得られ得る。紡糸可能な溶液は、押出し、凝固、及び巻き取りにより ファイバー又はフィラメントに変換するために適する溶液である。 リン酸により誘導されたセルロースの場合に、本特許明細書中に掲げられた溶 液中のセルロースの重量パーセンテージは、セルロースに戻って計算された量を 言う。これは、 本明細書において述べられたリンの量に同様に適用される。リン酸により誘導さ れたセルロースは、溶液の94〜100重量%を占める成分中に含まれる。 本特許出願において述語リン酸は、リンの全ての無機酸及びそれらの混合物を 言う。オルトリン酸は、五価のリンの酸、即ちH3PO4である。その無水の同等 物、即ち無水物は五酸化リン(P25)である。オルトリン酸及び五酸化リンに 加えて、系内の水の量に依存して、五酸化リンの酸とオルトリン酸との間の水結 合能を持つ一連の五酸化リンの酸、例えば、ポリリン酸(H6413,PPA) がある。 本特許明細書において、溶媒は定義によれば、溶液中に存在する加えられたリ ン酸及び/又はその無水物及び全ての遊離水から構成される。その理由により、 本明細書において、通常、後に加えられるところのセルロースから生ずる水を溶 媒に常に含む一方、残りの成分の中にあるところの物質からの水はまた、溶媒の 一部である。 溶媒のリン含有量は、溶媒中のリン酸の重量を対応する無水物の等価の重量に 換算することにより決定される。この方法において換算されて、オルトリン酸は 、72.4重量%の五酸化リン及び残分の水から構成され、そしてH6413は 、84重量%の五酸化リン及び残分の水から構成される。 溶媒中のP25の濃度は、無水物を含めてのリン酸の全重量及び溶媒中の水の 全量から出発して、該酸をP25 と水に換算すること、そしてP25により占められる該全重量パーセンテージを 計算することにより計算される。 水、リン酸及び/又はその無水物、及びセルロース及び/又はリン酸とセルロ ースの反応生成物に加えて、他の物質が溶液中に存在し得る。 溶液は、四つの群、即ち、セルロース、水、リン酸とその無水物、及び他の成 分に分類し得る成分を混合することにより調製され得る。「他の成分」は、セル ロース溶液の加工性のためになるところの物質、リン酸以外の溶媒、又は例えば 、できるだけセルロース分解を阻止するための補助剤(添加剤)、又は染料等で あり得る。 溶液は好ましくは、96〜100重量%の、構成成分であるセルロース、リン 酸及び/又はその無水物、及び水からなる。 好ましくは、リン酸以外の溶媒は使用されず、かつ補助剤又は添加剤は、溶液 の全重量に基いて計算された0〜4重量%の量においてのみ存在する。構成成分 であるセルロース、リン酸及び/又はその無水物、及び水以外の物質の最小可能 量、即ち、0〜1重量%の添加剤を含む溶液が、より一層好ましい。 本発明に従う方法において、例えば、本出願人名義の未公開の国際特許出願第 96/27700号に述べられた遠心分離機が使用されることが好ましい。 そのような装置は、遠心分離機の外周上におおよそ均等に配置された一つ又は それ以上の紡糸オリフィスを有する。 遠心分離機の回転は、フィードラインを経て(圧力下に)遠心分離機に供給され るところの溶液を、ジャケットの方向に押出させる。遠心分離機の回転速度に依 存して、溶液は、押出された後に、延伸される。ジャケットに沿って流れる液体 に接触して、(延伸された)溶液は凝固し、そしてファイバー又はエンドレスフ ィラメントが形成される。延伸度は、なかんずく、遠心分離機の回転速度、及び 遠心分離機の外周と凝固液を入れているジャケットの内側の間の間隔により設定 され得る。 適切なフィラメントの延伸を得るために、凝固液を入れているジャケットの内 径は、遠心分離機の外周の半径より少なくとも10%広く、より好ましくは少な くとも25%広く、最も好ましくは少なくとも35%広い。最大の延伸度は、な かんずく、セルロースのDP及び溶液中のセルロース濃度に依存する。最大の延 伸度を超えることは、遠心分離機と凝固液との間の空間においてフィラメント化 をもたらすであろう。 適当な延伸挙動は、遠心分離機に制限される回転を要求しない。あるいは、凝 固液が沿って移動するところのジャケットは、遠心分離機と同一の方向又はそれ と反対の方向のいずれかにおいて回転し得る。 好ましい方法において、遠心分離機の回転軸は、おおよそ鉛直に位置づけられ 、そして凝固液はジャケットに沿って下方に流れる。この場合に、形成されたフ ァイバー/フィラメントは、凝固液と共にジャケットの外に流れ出し、 そして集められ、そしてスライバーに結合され得る。ファイバーの数及びファイ バーの長さは、そのようなスライバーの形成において重要な役割を果たす。スラ イバーが十分な結合力を有するとき、それは、連続法において中和され、洗浄さ れ、そして乾燥され得る。 紡糸オリフィスの直径は、本発明に従うこの遠心分離機紡糸法において重要な 役割を果たす。この直径が増加するにつれて、溶液中の不純物又は未溶解粒子の 結果としての閉塞の危険性が、減少するであろう。使用される紡糸オリフィスは 、好ましくは100μmより大きい直径、より好ましくは120〜500μmの 範囲の直径を有している。 適切な凝固液は、低沸点有機溶剤及び水又はそれらの混合物の群から選ばれ得 る。そのような適切な凝固剤の例は、アルコール、ケトン、エステル、及び水、 又はそれらの混合物である。好ましくは、使用される凝固剤は、アセトン、エタ ノール又は水である。もし、水が凝固剤として使用されるなら、カチオンが加え られた水、好ましくは、例えばLi+、Na+、K+又はNH4 +のような一価のカ チオンを含むところの溶液が使用される。そのような溶液は、水にリン酸リチウ ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム又はリン酸アンモニウムを溶解すること により得られ得る。 低沸点有機溶剤及び水又はこれらの溶剤の混合物の上記に記載されたと同じ群 から、適切な洗浄液が選ばれ得る。そのような適切な洗浄液の例は、アルコール 、ケトン、エステル、及び水、又はこれらの混合物である。洗浄液とし て水の使用が好ましい。 得られた生成物を凝固及び洗浄した後、例えば、セルローススライバーが仕上 られそして乾燥され得る。製品は、例えば、セルロースパルプ又はセルロースス テープルファイバーを得るために切断又は切刻むことにより、更なる処理のため に適するようにされ得る。 紡糸可能溶液の調製において使用されるべきセルロースは、好ましくは90% より多い、より好ましくは95%より多いα‐含有量を有する。溶液から良好な ファイバーを紡糸するために、例えば、織物及び工業用途のためのファイバーを 作るために通常使用されるような高いα‐含有量を有するいわゆる溶解パルプを 使用することが推奨される。セルロースの適切なタイプの例は、Alphacell C - 100、Arbocell BER 600/30、Buckeye V5、Buckeye V60、BuckeyeV65、Buckeye C otton Linters、及びViscokraftを含む。 有利な方法において、紡糸可能溶液の調製及びその溶液の紡糸は、連続法にお いて達成される。国際特許出願第96/06208号において、例えば、溶液の 調製において二軸押出機を使用することによる連続法における溶液の調製のため のいくつかの方法が挙げられている。 本発明に従う方法は、非常に広い範囲の機械的性質を持つセルロースファイバ ーを作るために使用され得る。例えば、繊維用途のために非常に適するところの セルロースファイバー、即ち、高い破断時の伸び、例えば10%より大きい破断 時の伸び、並びに非常に良好な染料受容性を持つ ファイバーを作ることができる。得られたセルロースファイバーは、例えば、綿 の代替品として使用され得る。あるいは、例えば、引張強度が500mN/te xより大きいなら、工業用途にのための強化物質として使用するために適するフ ァイバーを与えるところの性質を持つ高い引張強度のファイバーが作られ得る。 本発明に従う方法は更に、水及び塩の高い吸収能を持つセルロース物質、即ち 、高い吸収性及び超吸収性を持つセルロース製品を調製するために使用されるこ とに非常に適している。本出願人名義の未公開特許出願であるオランダ国特許第 1002335号に記載されているように、構成性分であるセルロース、リン酸 及び/又はその無水物及び水を94〜100重量%含む溶液が、50重量%より 少ない水を含む液体中で凝固されそして洗浄されるなら、そのような物質が製造 され得ることが分かった。 本発明に従う方法を使用して水及び塩溶液の高い吸収能を持つセルロースファ イバー又はフィラメントを作るために、好ましくは1.5重量%より多いセルロ ース結合リンを含むところのセルロース溶液が、遠心分離機により紡糸され、そ して50重量%より少ない水を含む液体、より好ましくは10重量%より少ない 水を含む液体、更に好ましくは本質的に無水であるところの液体中で凝固される 。本出願において、液体は、それが5重量%より少ない水を含むとき、本質的に 無水であると考えられる。非常に好ましい方法において、使用される凝固液は、 アセトン、プロパ ノール、又はエタノールである。 そのようなファイバー又はフィラメントを作るために、凝固されたファイバー 又はフィラメントは次いで、50重量%より少ない水を含む洗浄液中で洗浄され 得る。しかし、好ましくは10重量%より少ない水を含む洗浄液、より好ましく は本質的に無水であるところの洗浄液が使用される。 測定法 等方性/異方性の決定 等方性又は異方性の視覚による決定は、偏光顕微鏡(LeitzOrthoplan-Pol(100 倍))により実行された。この目的のために、明確にされるべき溶液の約100m gが、二枚のスライドグラスの間に配置され、そしてMettler FP 82 ホットステ ージ板上に据えられ、その後、加熱が入れられ、そして検体は約5℃/分の速度 で加熱された。異方性から等方性への変化、即ち、着色(複屈折)状態から黒色 への変化において、温度は、実質的黒色において読み取られる。変化温度は、Tni として示される。 相変化の間の視覚による査定は、顕微鏡に据えられた感光性セルを使用して強 度測定により比較された。この強度測定のために、10〜30μmの検体が、直 交偏光子が使用されるとき色彩が認識できないようなスライドグラス上に配置さ れた。加熱は、上記において述べられたように実行された。記録計に接続された 感光性セルが使用されて、時間の関数としての強度を記録した。(異なる溶液に ついて異なる)ある温度より上で、強度の直線的な減少があっ た。強度0へのこの線の外挿はTniを与えた。全ての場合において、見出された 値は、上記に述べられた方法により見出された値と良好に一致することを立証し た。 等方性溶液は、室温において複屈折を示さない。これは、Tniが25℃未満で あろうことを意味する。しかし、そのような溶液が等方性/異方性変化を示さな いことは事実であり得る。 DPの決定 セルロースの重合度(DP)は、Ubbelohde type 1(k=0.01)により 決定された。この目的のために、測定されるべきセルロース検体は、中和後、5 0℃で16時間真空で乾燥され、又はエチレンジアミン銅(II)/水混合物中の水 の量が、セルロース中の水を計算に入れるために補正された。このようにして、 0.3重量%のセルロース含有溶液が、エチレンジアミン銅(II)/水混合物( 1/1)を使用して作られた。得られた溶液において、粘度比(visc.rat.即ち ηrel)が測定され、そしてこれから、極限粘度(η)が次式に従って決定され た。 ここで、c=溶液のセルロース濃度(g/dl)及び k=定数=0.25 である。 この式から、重合度DPは、次のようにして決定された。 溶液中のセルロースのDPの決定は、次の処理の後に上記において述べられた ように行われた。 20gの溶液が、Waring Blender(1リットル)に仕込まれ、400mlの水が 加えられ、そして全体が次に、10分間最大設定において混合された。得られた 混合物は篩に移され、そして水で完全に洗浄された。最後に、数分間2%−Na HCO3溶液により、そして水による後洗浄により約7のpHに中和された。得 られた製品のDPは、エチレンジアミン銅(II)/水/セルロース溶液の調製か ら出発して、上記において述べられたように決定された。 リン含有量の決定 溶液中、又は該溶液を使用して作られたセルロース製品中のセルロースに結合 したリンの量は、300mgのセルロース溶液により決定され得る。ここで、該 溶液は凝固され、そして完全に洗浄した後、50℃において16時間真空におい て乾燥され、そして次いで、密封された試料容器中に保存され、5mlの濃硫酸 及び1000mg/lのイットリウムを含む0.5mlのイットリウム溶液と分 解フラスコ中で化合される。セルロースは加熱により炭化され る。炭化後に、透明な溶液が得られるまで、過酸化水素が2mlの部分における 混合物に加えられる。冷却後、該溶液は、50mlの体積に水により整えられる 。ICP−ES(誘導結合プラズマ−蛍光分析)が使用されて、リンを夫々、1 00mg/l、40mg/l、20mg/l、及び0mg/l含むところの対照 試料を使用して決定されたリンのキャリブレーション線により、溶液中のリン含 有量を測定して、次式により測定される。 リン含有量(%)=(Pconc(mg/l)×50) /(Cw(mg)×10) ここで、Pconc=測定されるべき溶液中のリン濃度及び Cw=凝固されかつ洗浄されたセルロースの計 量された量 である。 イットリウムは、溶液の粘度変化を補正するために内部標準として加えられる 。リン含有量は213.6nmの波長において測定され、内部標準は224.6 nmの波長で測定される。 機械的性質 フィラメント及びヤーンの機械的性質は、次の設定を使用して、ASTM標準 D2256−90に従って決定された。 機械的性質は、10×10mmのArnitel(商標)グリッピング面によ り締められたフィラメント及びファイバーにおいて測定された。フィラメント及 びファイバーは、 20℃及び65%の相対湿度において16時間調節された。グリップ間の長さは 100mmであり、フィラメント及びファイバーは、10mm/分の一定の伸び で伸ばされた。 dtexにおいて示されたフィラメント及びファイバーの線密度は、ファンク ショナル共鳴振動数(ASTM D 1577−66、パート25、1968年) に基いて、又は秤量により計算された。 引張強度、伸び、及び初期モジュラスは、荷重−伸び曲線及び測定されたファ イバー又はフィラメントの線密度から導かれた。初期モジュラス(In.Mod .)は、2%より小さい伸びにおける最大モジュラスとして定義された。 実施例 本発明は実施例に関して説明される。 特記なき限りは、次の出発物質が、実施例において溶液を調製するために使用 された。 *PPA=ポリリン酸 実施例1 異方性のセルロース溶液が、溶媒中に3270gの粉末状のセルロース(Buck eye V65、DP=700)を溶解することにより調製された。ここで、該溶媒 は、約50℃で数時間、13600gのH3PO4及び3400gのPPAを混合 及び混練することにより得られた。セルロース及び溶媒は、均一な異方性溶液が 得られるまで、20℃で20分間混練及び混合された。最後の15分間に、ニー ダー中の溶液は脱ガスされた。 この溶液は、本出願人名義の未公開の国際特許出願である国際特許出願第96 /27700号に記載されているような遠心分離機により紡糸された。ここで、 30cmの外径を持つ遠心分離機は、夫々400μmの直径を持つ24個の紡糸 オリフィスを備えている。約60℃の温度、1時間当り13kgの溶液の質量流 量、及び1分間当り1500回転の遠心分離機の回転速度において、溶液が紡糸 オリフィスを通して押出された。形成されたファイバーは、ジャケットに沿って 下方に流れるところの15℃の水を使用して凝固された。ジャケットは、60c mの内径を有していた。 得られたファイバースライバーは、集められ、2%の重炭酸ナトリウム溶液に より洗浄され、そして物質がpH=7を有するまで水で洗浄された。次いで、該 スライバーは、RT32Aで仕上られた後、25℃で乾燥された。 スライバー中のフィラメントは、11〜23dtexの 範囲の線密度を有していた。フィラメントの破壊引張強度は、85〜165mN /texであり、それらの破断時の伸びは、8〜20%であった。フィラメント におけるセルロースのDPは、470であった。 実施例2 異方性のセルロース溶液が、溶媒中に3270gの粉末状のセルロース(Buck eye V60、DP=820)を溶解することにより調製された。ここで、該溶媒 は、約50℃で数時間、13600gのH3PO4及び3400gのPPAを混合 及び混練することにより得られた。セルロース及び溶媒は、均一な異方性溶液が 得られるまで、20℃で20分間混練及び混合された。最後の15分間に、ニー ダー中の溶液は脱ガスされた。 この溶液は、本出願人名義の未公開の国際特許出願である国際特許出願第96 /27700号に記載されているような遠心分離機により紡糸された。ここで、 30cmの外径を持つ遠心分離機は、夫々400μmの直径を持つ48個の紡糸 オリフィスを備えている。約45℃の温度、遠心分離機上部のフィード配管にお いて測定された50〜65barの圧力、1時間当り13kgの溶液の質量流量 、及び1分間当り3000回転の遠心分離機の回転速度において、溶液が紡糸オ リフィスを通して押出された。形成されたファイバーは、ジャケットに沿って下 方に流れるところの15℃の水を使用して凝固された。ジャケットは、60cm の内径を有していた。 得られたファイバースライバーは、集められ、2%の重炭酸ナトリウム溶液に より洗浄され、そして物質がpH=7を有するまで水で洗浄された。次いで、該 スライバーは、RT32Aで仕上られた後、25℃で乾燥された。 スライバー中のフィラメントは、2.6〜18dtexの範囲の線密度を有し ていた。フィラメントの破壊引張強度は、100〜240mN/texであり、 それらの破断時の伸びは、6〜13%であった。 フィラメント中のセルロース結合リンの含有量は、0,33%であった。得ら れたフィラメントの250%のSolophenyl Bleu GL に対する染料受容性は、ビ スコース法を使用して作られた紡織フィラメントの染料受容性に対して著しく改 善された。 実施例3 異方性のセルロース溶液が、溶媒中に2550gの粉末状のセルロース(Alph acell C−100、DP=2300)を溶解することにより調製された。ここで 、該溶媒は、約50℃で数時間、18400gのH3PO4及び4600gのPP Aを混合及び混練することにより得られた。セルロース及び溶媒は、均一な異方 性溶液が得られるまで、23℃で65分間混練及び混合された。最後の50分間 に、ニーダー中の溶液は脱ガスされた。 この溶液は、本出願人名義の未公開の国際特許出願である国際特許出願第96 /27700号に記載されているような遠心分離機により紡糸された。ここで、 30cmの外 径を持つ遠心分離機は、夫々400μmの直径を持つ24個の紡糸オリフィスを 備えている。約60℃の温度、遠心分離機上部のフィード配管において測定され た約60barの圧力、1時間当り24kgの溶液の質量流量、及び1分間当り 2000回転の遠心分離機の回転速度において、溶液が紡糸オリフィスを通して 押出された。形成されたファイバーは、ジャケットに沿って下方に流れるところ の15℃の水を使用して凝固された。ジャケットは、60cmの内径を有してい た。 得られたファイバースライバーは、集められ、2%の重炭酸ナトリウム溶液に より洗浄され、そして物質がpH=7を有するまで水で洗浄された。次いで、該 スライバーは、RT32Aで仕上られた後、25℃で乾燥された。 スライバー中のフィラメントは、1.7〜21dtexの範囲の線密度を有し ていた。フィラメントの破壊引張強度は、40〜900mN/texであり、そ れらの破断時の伸びは、1.3〜11%であった。 実施例4 異方性のセルロース溶液が、溶媒中に2688gの粉末状のセルロース(Buck eye V65、DP=700)を溶解することにより調製された。ここで、該溶媒 は、約50℃で数時間、19360gのH3PO4及び4840gのPPAを高め られた温度において混合及び混練することにより得られた。セルロース及び溶媒 は、均一な異方性溶液が得られるまで、16℃で65分間混練及び混合された。 最 後の45分間に、ニーダー中の溶液は脱ガスされた。 この溶液は、本出願人名義の未公開の国際特許出願である国際特許出願第96 /27700号に記載されているような遠心分離機により紡糸された。ここで、 30cmの外径を持つ遠心分離機は、夫々250μmの直径を持つ24個の紡糸 オリフィスを備えている。約45℃の温度、1時間当り12kgの溶液の質量流 量、及び1分間当3500回転の遠心分離機の回転速度において、溶液が紡糸オ リフィスを通して押出された。形成されたファイバーは、ジャケットに沿って下 方に流れるところの15℃の水を使用して凝固された。ジャケットは、50cm の内径を有していた。 得られたファイバースライバーは、集められ、2%の重炭酸ナトリウム溶液に より洗浄され、そして物質がpH=7を有するまで水で洗浄された。次いで、該 スライバーは、RT32Aで仕上られた後、25℃で乾燥された。 スライバー中のファイバーは、3.3dtexの平均線密度、77mN/te xの平均破壊引張強度、及び10%の平均の破断時の伸びを有していた。 実施例5 異方性のセルロース溶液が、76.3重量%の五酸化リンを含むところの溶媒 中に3017gの粉末状のセルロース(Buckeye V65、DP=700)を溶解 することにより調製された。ここで、該溶媒は、約50℃で数時間、17.6k gのH3PO4及び10.6kgのPPAの高め られた温度での混合及び混練により得られた。セルロース及び溶媒は、均一な異 方性溶液が得られるまで、21℃で170分間混練及び混合された。最後の95 分間に、ニーダー中の溶液は脱ガスされた。 この溶液は、本出願人名義の未公開の国際特許出願である国際特許出願第96 /27700号に記載されているような遠心分離機により紡糸された。ここで、 30cmの外径を持つ遠心分離機は、夫々250μmの直径を持つ24個の紡糸 オリフィスを備えている。約45℃の温度、遠心分離機上部のフィード配管にお いて測定された約170barの圧力、1時間当り13kgの溶液の質量流量、 及び1分間当り3500回転の遠心分離機の回転速度において、溶液が紡糸オリ フィスを通して押出された。形成されたファイバーは、ジャケットに沿って下方 に流れるところの15℃のノルマルプロパノールを使用して凝固された。ジャケ ットは、50cmの内径を有していた。 得られたファイバースライバーは、集められ、アセトン中の2%の重炭酸ナト リウム溶液により洗浄され、そして物質がpH=7を有するまでアセトンで洗浄 された。次いで、該スライバーは、RT32Aで仕上られた後、25℃で乾燥さ れた。 スライバー中のファイバーは、3.7dtexの平均線密度、70mN/te xの平均破壊引張強度、2.9%の平均の破断時の伸び、及び7.2%のセルロ ース結合リンの含有量を有していた。これらのファイバーの圧力下にお ける水吸収は、9g/gである。得られた物質のLOI指数は31%であった。 実施例6 異方性のセルロース溶液が、溶媒中に807gの粉末状のセルロース(Buckeye V65、DP=700)を溶解することにより調製された。ここで、該溶媒は、 約50℃で数時間、15267gのH3PO4及び4306gのPPAを混合及び 混練することにより得られた。セルロース及び溶媒は、均一な異方性溶液が得ら れるまで、12℃で70分間混練及び混合された。最後の25分間に、ニーダー 中の溶液は脱ガスされた。 この溶液は、本出願人名義の未公開の国際特許出願である国際特許出願第96 /27700号に記載されているような遠心分離機により紡糸された。ここで、 30cmの外径を持つ遠心分離機破は、夫々250μmの直径を持つ24個の紡 糸オリフィスを備えている。約45℃の温度、遠心分離機上部のフイード配管に おいて測定された10〜40barの圧力、1時間当り13kgの溶液の質量流 量、及び1分間当り3000回転の遠心分離機の回転速度において、溶液が紡糸 オリフィスを通して押出された。形成されたファイバーは、15℃における溶液 中で凝固された。該溶液は、48.7重量部(pbw)の水、 7.13重量部 のKOH及び4.15重量部のH3PO4を混合することにより得られた。この溶 液は、ジャケットに沿って下方に流れた。ジャケットは、50cmの内径を有し てい た。 得られたファイバースライバーは、集められ、2%の重炭酸ナトリウム溶液に より洗浄され、そして物質がpH=7を有するまで水で洗浄された。次いで、該 スライバーは、RT32Aで仕上られた後、25℃で乾燥された。 スライバー中のファイバーは、1.0〜2.7dtexの線密度、45〜13 5mN/texの破壊引張強度、1〜15%の破断時の伸び、及び1.2%のセ ルロース結合リンの含有量を有していた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.紡糸可能なセルロース含有溶液からセルロースファイバー及びフィラメント を製造する方法において、該溶液が、少なくとも一つの紡糸オリフィスを持つ遠 心分離機を使用して紡糸され、そして、遠心分離機を出た後に該紡糸溶液が、ジ ャケットに入れられているところの液体中で凝固され、ここで、94〜100重 量%の次の成分、 セルロース、 リン酸及び/又はその無水物、及び 水 を含む溶液が紡糸されるところの方法。 2.紡糸される溶液が、96〜100重量%の次の成分、 セルロース、 リン酸及び/又はその無水物、及び 水 を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 3.溶液が、65〜80重量%の五酸化リンを含む溶媒中にセルロースを溶解す ることにより得られることを特徴と する請求項1又は2記載の方法。 4.ジャケットの内径が、遠心分離機の外周の半径より少なくとも10%大きい ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。 5.ジャケットの内径が、遠心分離機の外周の半径より少なくとも25%大きい ことを特徴とする請求項4記載の方 法。 6.ジャケットの内径が、遠心分離機の外周の半径より少なくとも35%大きい ことを特徴とする請求項5記載の方法。 7.遠心分離機が、100μmより大きい直径を持つ、一つ又はそれ以上の紡糸 オリフィスを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の 方法。 8.紡糸オリフイスが、120〜500μmの範囲の直径を持つことを特徴とす る請求項7記載の方法。 9.その中で凝固が生ずるところの液体が、水、アセトン又はエタノールである ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。 10.凝固されたファイバー及びフィラメントが、水で洗浄されることを特徴と する請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。 11.セルロースに結合した1.5重量%より多いリンを含むところの紡糸可能 な溶液が、50重量%より少ない水を含む液体中で凝固されることを特徴とする 請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。 12.溶液が、10重量%より少ない水を含む液体中で凝固されることを特徴と する請求項11記載の方法。 13.溶液が、本質的に無水であるところの液体中で凝固されることを特徴とす る請求項12記載の方法。 14.紡糸可能な溶液が、水及びカチオンを含むところの液体中で凝固されるこ とを特徴とする請求項1〜8のいず れか一つに記載の方法。 15.紡糸可能な溶液が、水及び一価のカチオンを含むところの液体中で凝固さ れることを特徴とする請求項14記載の方法。
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