JP2000356637A - 腹腔内脂肪組織量の分析方法 - Google Patents

腹腔内脂肪組織量の分析方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】腹腔内脂肪組織量の分析方法を提供する。 【解決手段】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
から調製された検査液中に存在する配列番号1で示され
るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
抗体により認識され得る蛋白質の濃度を測定することを
特徴とする腹腔内脂肪組織量の分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔内脂肪組織量
の分析方法およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、腹腔内の脂肪組織、とりわけ腸間
膜脂肪や大網脂肪など門脈に流入する血管の周囲に存在
する脂肪組織への脂肪の蓄積による該組織量の増大が、
糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの代謝性疾患や、冠動
脈疾患、狭心症、心筋梗塞などの心血管障害等の疾患の
発症と密接に関連することが明らかにされた(内臓脂肪
型肥満,1995年、医薬ジャーナル社刊)。そこで、この
ような疾患の発症リスクを予測するために、腹腔内脂肪
組織量の簡便でかつ迅速に処理できる分析方法の開発が
求められている。腹腔内脂肪組織量の分析方法として
は、ウエストとヒップの周径比(W/H比)を指標として
推定する方法(J. Clin. Endocrinol. Metab., vol.54,
p.254, 1982)が報告されているが、W/H比は腹部全体
の脂肪量をおおまかに示す値であって皮下脂肪組織量と
腹腔内脂肪組織量とを明確には区別できず、よって、W/
H比を指標として腹腔内脂肪組織量を推定する方法は、
精度の点で必ずしも満足できず、腹腔内脂肪組織量の分
析方法としては不充分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、腹腔内脂肪組
織量の分析方法として、精度の点において満足できる簡
便でかつ迅速に処理できる分析方法の開発が切望されて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況の下、鋭意検討した結果、ある特定の蛋白質の血液中
濃度が、腹部横断面の腹腔内脂肪組織面積値と正の相関
関係にあり、該蛋白質の濃度から腹腔内脂肪組織量を求
めることができることを見出し、本発明に至った。すな
わち、本発明は、(1)被験動物の体液、組織、細胞ま
たはそれらから調製された検査液中に存在する配列番号
1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白
質に対する抗体により認識され得る蛋白質の濃度を測定
することを特徴とする腹腔内脂肪組織量の分析方法、
(2)動物の体液、組織、細胞またはそれらから調製さ
れた試料液中に存在する配列番号1で示されるアミノ酸
配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する抗体により
認識され得る蛋白質の濃度と前記動物の腹腔内脂肪組織
量との正の相関性に基き、被験動物の体液、組織、細胞
またはそれらから調製された検査液中に存在する前記蛋
白質の濃度から前記被験動物の腹腔内脂肪組織量を求め
る工程を含むことを特徴とする腹腔内脂肪組織量の分析
方法、(3)腹腔内脂肪組織量が腹部横断面の腹腔内脂
肪組織面積値であることを特徴とする(1)または
(2)記載の分析方法、(4)動物の体液、組織、細胞
またはそれらから調製された試料液中に存在する配列番
号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋
白質に対する抗体により認識され得る蛋白質の濃度が免
疫化学的分析方法で測定された値であることを特徴とす
る(2)記載の分析方法、(5)被験動物の体液、組
織、細胞またはそれらから調製された検査液中に存在す
る配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質ま
たは該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白質の
濃度が免疫化学的分析方法で測定された値であることを
特徴とする(1)または(2)記載の分析方法、(6)
相関性が、一次関数である相関関係式で表されることを
特徴とする(2)記載の分析方法、(7)動物が、哺乳
動物であることを特徴とする(1)または(2)記載の
分析方法、(8)被験動物の体液、組織、細胞またはそ
れらから調製された検査液が、血液であることを特徴と
する(1)〜(7)のいずれかに記載の分析方法(以
下、(1)〜(8)のいずれかに記載の分析方法を、本
発明分析方法と記す。)、(9)(1)〜(8)のいず
れかに記載の分析方法により特定期間内での同一個体に
おける腹腔内脂肪組織量の増加または減少を調べ、当該
結果に基いて腹腔内脂肪組織量の増大と密接に関連する
疾患の発症リスクを予測することを特徴とする検査方
法、(10)被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
から調製された検査液中に存在する配列番号1で示され
るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
抗体により認識され得る蛋白質の濃度の、特定期間内で
の同一個体における増加または減少を調べ、当該結果に
基いて腹腔内脂肪組織量の増大と密接に関連する疾患の
発症リスクを予測することを特徴とする検査方法、(1
1)(1)〜(8)のいずれかに記載の分析方法によ
り、被験動物の腹腔内脂肪組織量を求め、当該値と前記
被験動物と同一種である動物における健康状態時の腹腔
内脂肪組織量との比較結果に基づいて腹腔内脂肪組織量
の増大と密接に関連する疾患の発症リスクを予測するこ
とを特徴とする検査方法、(12)被験動物の体液、組
織、細胞またはそれらから調製された検査液中に存在す
る配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質ま
たは該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白質の
濃度と、前記被験動物と同一種である動物における健康
状態時の体液、組織、細胞またはそれらから調製された
検査液中に存在する前記蛋白質の濃度との比較結果に基
づいて、腹腔内脂肪組織量の増大と密接に関連する疾患
の発症リスクを予測することを特徴とする検査方法(以
下、(9)〜(12)のいずれかに記載の検査方法を、
本発明検査方法と記す。)、(13)動物の体液、組
織、細胞またはそれらから調製された検査液中に存在す
る配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質ま
たは該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白質の
濃度を測定することを特徴とする腹腔内脂肪組織量の増
大と密接に関連する疾患の治療効果の判定方法、(1
4)被験動物の腹腔内脂肪組織量を分析するための、配
列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質または
該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白質の使
用、(15)被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
から調製された試料液中に存在する配列番号1で示され
るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
抗体により認識され得る蛋白質と前記動物の腹腔内脂肪
組織量との正の相関性を表すことを特徴とする前記濃度
の関数、(16)被験動物の腹腔内脂肪組織量を分析す
るための標準試薬として、配列番号1で示されるアミノ
酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する抗体によ
り認識され得る蛋白質を含有することを特徴とする分析
・検査用キット(以下、本発明キットと記す。)、およ
び(17)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる
蛋白質に対する抗体を含有することを特徴とする(1
6)記載の分析・検査用キット、を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、「腹腔内脂肪組織量」とは、腹腔内の
腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋、腰方形筋、大腰筋およ
び錐体の内側に存在する脂肪組織量を意味し、腹腔内脂
肪組織量としては、腹腔内脂肪組織の総量(例えば体積
値、重量等)、該総量と比例することが知られている腹
部横断面における腹腔内脂肪組織面積値(Int.J. Obesi
ty, vol.17, p.187, 1993)等を用いることができる。
「腹部横断面の腹腔内脂肪組織面積」とは、症状から見
た画像診断(日本医師会編)に記載された方法、例えば
コンピューター断層撮影(computed tomography)法
(内臓脂肪型肥満,1995、医薬ジャーナル社刊。以下、
CTスキャン法と記す。)、超音波検査法、磁気共鳴映像
法などの方法により得られる腹部横断面の撮影像におい
て、腹腔内すなわち腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋、腰
方形筋、大腰筋および錐体の内側にみられる脂肪組織が
占める面積を指す。また、「腹部」とは、腹腔内脂肪組
織面積値を測定する場合に通常対象とされる測定部位で
あって、概ね、胸部との境界をなす横隔膜より下部であ
って鼠径部より上部を指す。
【0006】本発明分析方法において用いられる蛋白質は、
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質また
は該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白質(以
下、一括して本蛋白質という。)であって、具体的には
例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋
白質、配列番号1で示されるアミノ酸配列において1も
しくは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加された
アミノ酸配列からなる蛋白質であって配列番号1で示さ
れるアミノ酸配列からなる蛋白質に対する抗体により認
識され得る蛋白質等があげられる。ここで、前記の「ア
ミノ酸の欠失、置換もしくは付加」には、例えば、配列
番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質が細胞内
で受けるプロセシング、該蛋白質が由来する生物の種
差、個体差、組織間の差異等により天然に生じる変異、
等が含まれる。
【0007】本発明において、被験動物の腹腔内脂肪組織量
を分析するには、動物、好ましくは被験動物と同じ種の
動物の体液、組織、細胞またはそれらから調製された試
料液中に存在する本蛋白質の濃度を測定する。また、該
濃度と前記動物の腹腔内脂肪組織量との相関関係に基づ
き、被験動物の体液、組織、細胞またはそれらから調製
された検査液中に存在する本蛋白質の濃度から前記被験
動物の腹腔内脂肪組織量を求める。動物の体液として
は、例えば血液、尿、唾液等を、組織としては、例えば
腸間膜脂肪組織、大網脂肪組織等の腹腔内脂肪組織等
を、細胞としては腸間膜脂肪組織、大網脂肪組織等の腹
腔内脂肪組織中に存在する脂肪細胞等をあげることがで
きる。前記の動物の体液、組織、細胞のうち、血液を好
ましいものとして挙げることができる。また、動物の体
液、組織、細胞に、必要に応じて、例えばテフロンホモ
ジナイザー等の破砕機による破砕処理、遠心分離機等に
よる固形分除去処理等の後処理を施すことによって試料
液または検査液を調製してもよい。動物の体液、組織、
細胞またはそれらから調製された試料液中に存在する本
蛋白質の濃度と前記動物の腹腔内脂肪組織量との相関関
係は、例えば次のようにして求められる。まず、該試料
液中の本蛋白質濃度は、動物、好ましくは単一種の動物
の複数の個体について、例えば後述の免疫化学的分析方
法により測定される。次に、該試料液中の本蛋白質濃度
を測定した各個体の腹腔内脂肪組織量は、例えば腹部横
断面の腹腔内脂肪組織面積値として求められる。該面積
値を測定する場合、例えばCTスキャン法、超音波検査
法、磁気共鳴映像法等が用いられる。CTスキャン法によ
る腹部横断面の撮影方法は、具体的には、「内臓脂肪型
肥満(1995、医薬ジャーナル社刊)」に記載の方法に準
じて行うことができる。該腹部横断面の撮影において対
象とされる部位としては、腹腔内脂肪組織量を調べる際
に通常測定対象とされ、該脂肪組織量が正確に調べられ
る部位であれば良く、好ましくは、臍位を挙げることが
できる。各個体の体液、組織、細胞またはそれらから調
製された試料液中に存在する本蛋白質の濃度がX軸に、
腹腔内脂肪組織量、例えば腹部横断面の腹腔内脂肪組織
面積値がY軸にプロットされると、該試料液中の本蛋白
質の濃度と腹腔内脂肪組織量とは正の相関関係を示し、
得られた複数のプロットを統計学的に処理することによ
り、該試料液中の本蛋白質の濃度と腹腔内脂肪組織量と
は互いに他の関数として表される。即ち、2つの値の間
の相関関係式、例えば一次関数である相関関係式 Y=aX
+b が求められる。ここで、プロット数が多いほど該相
関関係式の信頼性(即ち、相関関係数)が高まる。より
具体的なプロット数としては、例えば50〜500程度
を挙げることができ、一例であるが、100程度で約
0.7程度の相関関係数を得ることができる。被験動物
の腹腔内脂肪組織量を求めるには、被験動物の体液、組
織、細胞またはそれらから調製された検査液中に存在す
る本蛋白質の濃度を、例えば後述するような方法により
測定する。その測定値を、先に求められた相関性に基
き、例えば相関関係式 Y=aX+b のXに代入して演算する
ことにより得られるYの値として、前記被験動物の腹腔
内脂肪組織量を求めることができる。
【0008】次に、本発明検査方法について説明する。腹腔
内脂肪の過剰な蓄積は、糖尿病、高脂血症、動脈硬化な
どの代謝性疾患や、冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞など
の心血管障害等の疾患の発症と密接に関連することがす
でに明らかにされており(内臓脂肪型肥満,1995年、医
薬ジャーナル社刊)、さらに、前述のとおり試料液中の
本蛋白質の濃度と腹腔内脂肪組織量とは正の相関関係を
示すことから、試料液中の本蛋白質の濃度は前記疾患の
発症と密接に関連する。よって、(1)本発明分析方法
を用いて特定期間内での被験動物同一個体における腹腔
内脂肪組織量の増加または減少を調べることによって、
(2)被験動物の体液、組織、細胞またはそれらから調
製された検査液中に存在する本蛋白質の濃度の、特定期
間内での同一個体における増加または減少を調べること
によって、(3)本発明分析方法を用いて被験動物の腹
腔内脂肪組織量を求め、当該値と前記被験動物と同一種
である動物における健康状態時の腹腔内脂肪組織量とを
比較することによって、または、(4)被験動物の体
液、組織、細胞またはそれらから調製された検査液中に
存在する本蛋白質の濃度と、前記被験動物と同一種であ
る動物における健康状態時の体液、組織、細胞またはそ
れらから調製された検査液中に存在する本蛋白質の濃度
とを比較することによって、腹腔内脂肪組織量の増大と
密接に関連する疾患の発症リスクを予測することができ
る。例えば、本発明分析方法によって被験動物の腹腔内
脂肪組織量を求める。特定期間後、例えば0.5ヶ月以
上の期間後、改めて前記被験動物同一個体の腹腔内脂肪
組織量を求め、これらの値を比較すれば、該個体の腹腔
内脂肪組織量の増加又は減少を知ることができる。ま
た、複数回、例えば3回以上の同一個体の腹腔内脂肪組
織量を記録しておけば、その個体の腹腔内脂肪組織量の
経時的な推移を知ることもできる。これによって、腹腔
内脂肪組織量の増大と密接に関連する疾患の発症リスク
を予測することができる。即ち、被験動物の腹腔内脂肪
組織量が増加すれば、前記疾患の発症リスクが高まると
予測され、逆に被験動物の腹腔内脂肪組織量が減少すれ
ば、前記疾患の発症リスクが低くなると予測される。も
ちろん、被験動物の腹腔内脂肪組織量の代わりに、被験
動物の体液、組織、細胞もしくはそれらから調製された
検査液中に存在する本蛋白質の濃度を直接用いてもよ
い。また、本発明分析方法を用いて求められる被験動物
の腹腔内脂肪組織量を腹部横断面の腹腔内脂肪組織面積
値で表すことによって、該面積値が該疾患の発症リスク
が高いとされる基準面積値より大きい場合には、前記疾
患の発症リスクが高いと予測され、逆に、該面積値が該
疾患の発症リスクが高いとされる基準面積値より小さい
場合には、前記疾患の発症リスクが低いと予測される。
該疾患の発症リスクが高いとされる基準面積値は、被験
動物の種、性別、年齢、疾患の種類等によって異なる
が、例えばヒトの場合の最適な基準値として、例えば9
0〜130cm2 程度を挙げることができる。また、本発
明分析方法を用いて求められる被験動物の腹腔内脂肪組
織量、または被験動物の体液、組織、細胞もしくはそれ
らから調製された検査液中に存在する本蛋白質の濃度
を、例えば被験動物と近い種、好ましくは同じ種(さら
に被験動物がヒトの場合、同じ人種)、同じ性別、近い
年齢の健康状態の個体を中心として構成される集団から
得られた腹腔内脂肪組織量の平均値または検査液中の本
蛋白質の濃度の平均値と比較して、被験動物の値がこれ
ら平均値よりも高ければ高いほど前記疾患の発症リスク
は高くなる。疾患の種類にもよるが、例えば前記平均値
の約2倍程度であれば前記疾患の発症リスクが高いと予
測され、さらには前記平均値の約3倍程度であれば極め
て発症リスクが高いと予測される。以上のような検査方
法は、被験動物の健康管理上極めて有用である。また、
本発明は、被験動物の体液、組織、細胞またはそれらか
ら調製された検査液中に存在する本蛋白質の濃度を測定
することによって、腹腔内脂肪組織量の増大と密接に関
連する疾患に対する投薬等の治療の効果を判定すること
にも有用である。本蛋白質は、被験動物の腹腔内脂肪組
織量を分析するため、即ち、本蛋白質の濃度と動物の腹
腔内脂肪組織量との正の相関性に基き、被験動物の体
液、組織、細胞またはそれらから調製された検査液中に
存在する本蛋白質の濃度から前記被験動物の腹腔内脂肪
組織量を求める工程を含むことを特徴とする腹腔内脂肪
組織量の分析に使用することができる。
【0009】上記のような本発明分析方法および本発明検査
方法が適用可能な被験動物としては、例えば、哺乳動物
を挙げることができ、好ましくは、ヒト、サル等をあげ
ることができる。
【0010】動物の体液、組織、細胞またはそれらから調製
された試料液中、または被験動物の体液、組織、細胞ま
たはそれらから調製された検査液中に存在する本蛋白質
の濃度の測定方法は、該蛋白質を特異的に識別できる方
法であれば良く、例えば、 1)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質
に対する抗体を用いた免疫化学的分析方法、 2)試料液または検査液を遠心分離して得られる上清を
液体クロマトグラフィーに導入することによって、該上
清に含まれる蛋白質を分離し分画した後、質量スペクト
ル分析で本蛋白質を同定・定量する方法、 3)試料液または検査液にアルブミン、免疫グロブリン
等不要な蛋白質を除去する前処理を行った後、2次元電
気泳動に供し、蛋白質の等電点と分子量の差異に基づい
て試料中の成分を2次元的に分離・展開することによ
り、本蛋白質のスポットを同定し、定量する方法(Prote
ome Research: New Frontiers in Functional Genomic
s, p.190, 1997;Springer刊)、 4)ランダムに合成した分子ライブラリーから、本蛋白
質を特異的に認識することのできる分子(DNA、RN
A、蛋白質、低分子化合物など)を選抜し、該分子への
特異性と親和性により、試料液または検査液の中から本
蛋白質を特異的に分離・定量する方法、などをあげるこ
とができる。
【0011】上記のような方法のうち、具体例として免疫化
学的分析方法について以下に詳述する。 (1)抗原の調製 前記免疫化学的分析方法に使用される抗体を調製するた
めに、まず、抗原を作製する。該抗原としては、例えば
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質(以
下、抗原蛋白質と記す。)を用いることができる。抗原
蛋白質は、抗原蛋白質をコードする遺伝子、例えば配列
番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列、
具体的には配列番号6で示される塩基配列を有するDN
Aを用いて、通常の遺伝子工学的方法(例えば、J.,Sam
brook, E.,F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレキュラーク
ローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、
コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行
(ColdSpring Harbor Laboratory press)等に記載され
ている方法)に準じて大量に製造・取得することが出来
る。より詳細には、抗原蛋白質をコードする遺伝子が宿
主細胞中で発現できるようなプラスミドを作製し、これ
を宿主細胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養
すればよい。宿主細胞としては、例えば原核生物である
微生物細胞または真核生物である微生物細胞もしくは哺
乳類、昆虫等の動物細胞をあげることができ、好ましく
は抗原蛋白質の大量調製が容易な点で例えば大腸菌等を
挙げることができる。プラスミドとしては、宿主細胞中
で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖できるもの
であって、宿主細胞からの単離・精製が容易であり、宿
主細胞中で機能可能なプロモーターを有し、検出可能な
マーカーをもつ発現ベクターに、抗原蛋白質をコードす
る遺伝子が導入されたものを好ましくあげることができ
る。なお、発現ベクターは、各種のものが市販されてお
り、例えば、大腸菌での発現に使用するには、lac,
trp,tacなどのプロモーターを含む発現ベクター
がファルマシア社、宝酒造等から市販されている。該発
現ベクターに抗原蛋白質をコードする遺伝子を導入する
ために用いられる制限酵素も宝酒造等から市販されてい
る。さらには抗原蛋白質をコードする遺伝子の上流にリ
ボゾーム結合領域を連結することにより、さらなる高発
現が可能となる場合がある。リボゾーム結合領域として
はGuarente.Lら(Cell 20 p543(1980)) の報告や谷口
ら(Genetics of Industrial Microorganisms p202 (19
82) 講談社)の報告が知られている。前記のようにして
得られたプラスミドは、通常の遺伝子工学的方法により
前記宿主細胞に導入することができる。宿主細胞の培養
は、通常の微生物培養に使用される方法によって行うこ
とができる。例えば適当な炭素源、窒素源およびビタミ
ン等の微量栄養物を適宜含む培地中で培養を行う。培養
方法としては、固体培養、液体培養のいずれでも可能で
あり、好ましくは、通気撹拌培養方法をあげることがで
きる。この様にして得られた宿主細胞からの、抗原蛋白
質の調製は、一般の蛋白質の単離・精製に通常使用され
る方法を組み合わせて実施すれば良い。例えば、培養終
了後、菌体を遠心分離等で集め、破砕または溶菌せし
め、必要であれば蛋白質の可溶化を行い、イオン交換,
疎水,ゲルろ過等の各種クロマトグラフィーを用いた工
程を組み合わせて精製すれば良い。さらに、必要であれ
ば蛋白質の高次構造を復元する操作を行ってもよい。
【0012】前記免疫化学的分析方法に使用される抗体を調
製するために、下記のような方法によって作製された抗
原を用いてもよい。例えば、本蛋白質のアミノ酸配列の
うち特有な部分アミノ酸配列を含む抗原性ペプチドを高
分子量化する方法、または該抗原性ペプチドを直接的ま
たはスペーサーを介して間接的に高分子量担体分子に結
合した複合体を得る方法が挙げられる。これらの方法
は、それ自身では低分子量で抗原性が低い、すなわち不
完全抗原である抗原性ペプチドを、高分子量化すること
で完全抗原化する方法である。以下に、抗原性ペプチド
の完全抗原化工程を述べる。抗原性ペプチドの選抜の仕
方としては、たとえば、抗ペプチド抗体実験プロトコー
ル(秀潤社刊)に記載の蛋白質中のエピトープ予測法を
用いて行うことができる。通常、10〜20個のアミノ酸か
ら成るペプチドを抗原性ペプチドとして選抜する。用い
られる特有なアミノ酸配列を含む抗原性ペプチドは、純
度の高いものが好ましいが、その合成および精製方法に
ついても、抗ペプチド抗体実験プロトコール(秀潤社
刊)に記載されている。たとえば、必要に応じて事前に
高速液体クロマトグラフィー等の通常の方法により精製
することができる。抗原性ペプチドを高分子量化する方
法としては、例えばTamらの考案したMAP(Multuple a
ntigen peptide)法(Proc. Natl.Acad.Sci. USA,vol.85,
p.5409,1988)がある。この方法は、抗原性ペプチド合成
の際にカルボキシル側にリジン残基を導入し、その際リ
ジンのαおよびεアミノ基を利用してペプチドを順次枝
分かれさせることで高分子量化し、抗原性を上昇させる
手法である。すでに枝分かれしたリジン残基が結合した
状態のMAP用樹脂が種々市販されているので、これに
抗原蛋白質のアミノ酸配列のうち特有な部分アミノ酸配
列を含む抗原性ペプチドの各アミノ酸を、通常のペプチ
ド合成方法で順次結合させてペプチド鎖を伸長させれば
良い。抗原蛋白質のアミノ酸配列のうち、特有な部分ア
ミノ酸配列を含む抗原性ペプチドを直接的にまたはスペ
ーサーを介して間接的に高分子量担体分子に結合した複
合体を得る方法で、抗原性ペプチドを結合するのに用い
られる高分子量担体分子は、特有なアミノ酸配列を含む
抗原性ペプチドおよびこれらにスペーサーが結合した化
合物(以下、両者のことをまとめて不完全抗原と記す)
との連結反応に自由に利用可能な反応基を有し、かつ該
不完全抗原に連結されることによりそれに免疫原性を付
与し得るか、または既に存在するそれらの免疫原性を高
め得る巨大分子化合物であればよい。自由に利用可能な
反応性アミノ基を含む巨大分子化合物が特に好ましい。
例えば、分子量が約1万から約15万の間のリジンに富
むタンパク質等をあげることができる。具体的には、ウ
シ血清アルブミン(BSA:分子量 66200) 、ヒト血清
アルブミン(HSA:分子量 58000) 、ウサギ血清アル
ブミン(RSA:分子量 68000) 、ヤギ血清アルブミン
(GSA:分子量 68000) またはキーホールカサガイヘ
モシアニン(KLH:分子量>1000000)等があげられ
る。その他の巨大分子化合物が上記の要求に合致しさえ
すれば、それらを担体分子として使用することは可能で
あり、そのような化合物には、例えば、ブタチログロブ
リン、B2ミクログロブリン、ヘモシアニン、免疫グロ
ブリン、毒素(コレラ毒素、破傷風毒素、ジフテリア毒
素その他)、多糖、リポ多糖、天然または合成ポリアデ
ニル酸およびポリウリジル酸、ポリアラニルおよびポリ
リシンポリペプチド、または細胞膜成分、例えばホルマ
リンまたはグルタルアルデヒド処理赤血球細胞膜等をあ
げることができる。上記の不完全抗原の高分子担体分子
への結合方法は、不完全抗原中の特有なアミノ酸配列部
位が自由に利用可能のままであり、そのため特異的な免
疫応答が誘発可能な、すなわち特異的な抗体の産生を誘
導可能にするような方法であればよい。具体的には、例
えば、(1) 不完全抗原中の特有なアミノ酸配列部位がで
きるだけ外側になるような不完全抗原を選択し、かつ
(2) 選択された不完全抗原中の特有なアミノ酸配列部位
が高分子担体分子からできるだけ外側になるようにす
る、ことが好ましい。不完全抗原の反応基が反応性アミ
ノ基の場合には、ジアルデヒド、例えばグルタルアルデ
ヒドを用いてスペーサーの反応基を高分子量担体分子の
反応性アミノ基の1つに結合させる。不完全抗原の反応
基が反応性SH基の場合には、例えば酸化反応により不
完全抗原の反応基を高分子量担体分子の反応性SH基の
1つに結合させる。不完全抗原の反応基が反応性カルボ
キシル基の場合には、例えばカルボジイミド、好ましく
は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩を用いて不完全抗原の反応基を高分
子量担体分子の反応性アミノ基の1つに結合させる。具
体的な例として、例えば、Chem. Pharm. Bull.31,(11),
4001-4007 (1983) に記載されるH.Hosodaらによる活性
エステル法またはJ.Biol. Chem.,234, 1090-1094 (195
9) に記載されるB.F.Erlangerらによる混合酸無水物法
等により、反応性カルボキシル基を有する不完全抗原を
高分子量担体分子の反応性アミノ基に結合させることに
より製造することができる。スペーサーを介して間接的
に連結する場合に用いられるスペーサーは、高分子量担
体分子の自由に利用可能な反応基の共有結合を形成し得
る少なくとも1種またはそれ以上の反応基を含む化合物
である。例えば、2個から16個の間の架橋性炭素原子
を含み、かつ反応基として1個またはそれ以上の反応
基、例えばアミノ基、カルボキシル基、マレイミド基ま
たはSH基等を有する化合物をあげることができる。具
体的には、一般式 H2N(CH2nCOOH(nは2
から16までの整数)が好ましいものとしてあげられ
る。スペーサーの特有なアミノ酸配列を含む抗原性ペプ
チドへの連結は、前記の不完全抗原の反応基を高分子量
担体分子の反応基の1つに結合させる方法と同様な方法
を用いることができる。
【0013】(2)哺乳動物の免疫感作化工程および抗体取
得 このようにして得られた抗原を用いて、例えば、J. ASS
OC. OFF. ANAL. CHEM.70(6) 1025-1027 (1987) 等に記
載されるW.H.Newsome 等の通常の免疫感作の方法に従
い、例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ニワト
リ、ラット、ウサギ、イヌ等の哺乳動物を免疫する。抗
原は、1回または複数回投与すればよい。抗原は、例え
ば7ないし30日、特に12ないし16日間隔で3また
は4回の投与等が好ましい。投与量は1回につき、例え
ば、抗原約0.05から2mg程度を目安とする。投与
経路は、皮下投与、皮内投与、腹膜腔内投与、静脈内投
与、筋肉内投与等を選択することができ、静脈内、腹膜
腔内もしくは皮下に行われうる注射が好ましい投与形態
である。さらに皮下注射と腹膜腔内注射との組合せが特
に好ましい。なおこの場合、抗原は適当な緩衝液、例え
ば完全フロイントアジュバンド(Aracel A, Bayol F,
結核死菌を混合したもの)、RAS〔MPL (Monophospho
ryl Lipid A) + TDM (Synthetic Trehalose Dicorynom
ycolate) + CWS (Cell Wall Skeleton) アジュバントシ
ステム]、水酸化アルミニウム等の通常用いられるアジ
ュバントの1種を含有するナトリウム系リン酸緩衝液、
生理食塩水等に溶解して用いられるが、投与経路や条件
等によっては、上記のようなアジュバントを使用しない
こともある。ここでアジュバントとは抗原とともに投与
したとき、非特異的にその抗原に対する免疫反応を増強
する物質を意味する。そして、上記の哺乳動物を 0.5な
いし4ケ月間処置せずに放置した後、該哺乳動物の血液
を耳静脈等から少量サンプリングし、抗体価を測定す
る。抗体価が上昇してきたら、状況に応じて抗原の投与
を適当回数実施する。例えば100μgないし1mgの
抗原の投与量で1回ないし5回の投与が行われる。最後
の投与の1ないし2ケ月間後に免疫感作した哺乳動物か
ら通常の方法により血液を採取して、該血液を、例えば
遠心分離、硫酸アンモニウムまたはポリエチレングリコ
ールを用いることによる沈澱、ゲルろ過クロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティク
ロマトグラフィー等のクロマトグラフィー等の通常の方
法によって分離・精製することにより、ポリクローナル
抗血清とすることで本発明に用いる抗体を得ることがで
きる。なお抗血清は、例えば、56℃で30分間処理す
ることによって補体系の不活性化を実施してもよい。ま
た、上記の免疫感作した哺乳動物から免疫適格B細胞を
単離し、該免疫適格B細胞を連続的に細胞分裂し得る腫
瘍細胞と融合し、生成する融合物を単離する。そして選
択の後、所望の抗体を産生するハイブリドーマ細胞をク
ローン化し、そしてモノクローナル抗体を製造するため
に該ハイブリドーマ細胞を試験管内または生体内で培養
することにより、高度の特異性および親和性を有する抗
体を製造することも可能である。
【0014】(3)抗体を用いた蛋白質の定量方法 以下に、代表例として、前記のようにして調製した抗体
を用いる本蛋白質の濃度を測定する方法につき述べる。
なお、測定に用いる抗体は、モノクローナル抗体でもポ
リクローナル抗体でもよく、また、抗体のクラスやサブ
クラスの制限もなく、抗体活性を有する限りFabやF
ab’のようなフラグメントでもかまわない。 (A)イムノブロット法 固体支持材に結合される本蛋白質を、該蛋白質に対する
抗体(以下、1次抗体と記す。)によって認識させ、該
抗体を検出する方法であり、例えば、Antibodies−A La
boratory Manual, p.471 (1988; Cold Spring Harbor
Laboratory刊)に原理と概略が説明されている。固体支
持材としては、膜、シート、フィルター等の形状にされ
たニトロセルロースが一般的に使用されるが、本蛋白質
の吸着が良く、且つ本蛋白質の抗原性を消失させないも
のであれば特に制限はない。ニトロセルロースメンブラ
ンを使用する場合、本蛋白質のニトロセルロースメンブ
ランへの結合は、例えばリン酸緩衝生理食塩水等の適当
な緩衝液に本蛋白質が適切な濃度になるように希釈して
得られた溶液をニトロセルロースメンブラン上にスポッ
トする。なお、定量化のためのスポット量は、1次抗体
の量が過剰になるような量が望ましく、1μl/3mm
角程度がよい。また、本蛋白質を1次抗体によって認識
させるためには、本蛋白質を含む試料をあらかじめ0.1%
(w/v) SDS等で処理しておくかそれともニトロセルロー
スへメンブランへの結合時に使用する緩衝液に0.1%(w/
v)SDS等を含ませて処理するとよい。または、本蛋白質
を含む試料をリン酸緩衝生理食塩水等の適当な緩衝液で
希釈し、適当な濃度のアクリルアミドゲルで電気泳動分
離する。電気泳動後の本蛋白質を、エレクトロブロッテ
ィング法あるいはセミドライ法(バイオ実験イラストレ
イテッド5、p.105;秀潤社刊)を用いて、Hybond-N [ア
マシャム] などの適当なメンブランに移行させる。この
ようにしてスポットされたニトロセルロースメンブラン
または電気泳動後の本蛋白質を移行させたニトロセルロ
ースメンブラン上で、本蛋白質の存在する部位以外へ
の、抗体の非特異的な吸着を防止するために、本蛋白質
を結合させたニトロセルロースメンブランを1次抗体に
よって認識されない高分子量担体分子、すなわち、ゼラ
チン、スキムミルクまたは前記の特有なアミノ酸配列を
含む抗原性ペプチドの完全抗原化工程において用いるこ
とができる高分子量担体分子のうちで、1次抗体の製造
において用いられない高分子量担体分子(例えばヤギ、
ウシ等の別種の動物の血清アルブミン)を含む溶液と約
20分間から約24時間、室温〜37℃で保温すること
によって該高分子量担体分子でニトロセルロースメンブ
ランの表面を覆う。保温後、ニトロセルロースメンブラ
ンを洗浄して遊離状態にある上記の高分子量担体分子を
除去する。このように調製されたニトロセルロースメン
ブランを1次抗体を含む調製液と混合した後、約10分
間から約3時間、室温〜37℃で振とうしながら保温す
る。なお1次抗体を含む調製液とは、1次抗体を遊離の状
態で、蒸留水、緩衝液、生理食塩水等の溶液中に存在し
うる調製液をいう。このようにして、本蛋白質を1次抗
体によって認識させる。つぎに、その抗体を検出する方
法について説明する。1次抗体が、例えばペルオキシダ
ーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、炭
酸アンヒドラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、リゾ
チーム、マレートデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−
ホスフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素等で標識されて
いる場合には、保温した後、遊離の状態にある1次抗体
を洗浄によって除去してから、上記の標識酵素の基質を
作用させて、発色等で反応を測定することによって1次
抗体を検出することができる。例えば、ペルオキシダー
ゼで標識される場合には、基質として過酸化水素、発色
試薬としてジアミノベンジジンまたはO−フェニレンジ
アミンと組み合わさって褐色または黄色を生じるので、
該発色に相当する波長の吸収を定量すれば本蛋白質の濃
度を測定することができる。ぺルオキシダーゼ標識され
た抗体と抗原複合体の検出の別法としては、化学発光に
より目的の抗原に由来するシグナルをX線フィルム上に
検出することができるECL検出システム(Clin.Chem.v
ol.25, p.1531,1979)[アマシャム]が市販されている。
この方法では、X線フィルム上に検出されたシグナル
を、デンシトメーターを用いて定量することができる。
また、グルコースオキシダーゼで標識される場合には、
基質として、例えば2,2'−アシド−ジ−(3−エチル
ベンゾチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)等を用
いる。また、1次抗体がビオチン標識されている場合
は、ビオチンに親和性を有するストレプトアビジンを用
いて、酵素標識の場合と同様に呈色反応で抗原に由来す
るシグナルを検出できる。また、1次抗体を認識しかつ
結合する酵素等で標識された2次抗体を使用する場合に
は、保温した後、遊離の状態にある1次抗体を洗浄によ
って除去してから、2次抗体と保温する。この酵素等で
標識された2次抗体としては、例えばペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、炭酸
アンヒドラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、リゾチ
ーム、マレートデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−ホ
スフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素を結合した1次抗
体に対する抗体、あるいはビオチン標識した1次抗体に
対する抗体をあげることができる。具体的な例として
は、1次抗体としてウサギ抗血清を使用する場合、2次抗
体としては、例えばペルオキシダーゼを結合した抗ウサ
ギ免疫グロブリン(IgG)ロバ免疫グロブリン(Ig
G)あるいは抗ウサギ免疫グロブリン(IgG)ヤギ免
疫グロブリン(IgG)を好ましくあげることができ
る。なお、該抗ウサギIgGロバIgGあるいは抗ウサ
ギIgGヤギIgGは市販されており、容易に入手可能
である。これらの2次抗体の検出法としては、上記の標
識された1次抗体の場合と同様な方法をあげることがで
きる。さらに、2次抗体として、125I標識されたPro
teinA[アマシャム]を使用することもできる。この
方法は、ProteinAの抗体結合性を利用したもの
であり、シグナルをX線フィルム上に検出し、デンシト
メーターを用いて定量することができる。
【0015】(B)免疫沈降による分離法 本蛋白質を1次抗体によって認識させ、その抗体と本蛋
白質からなる免疫複合体を精製することによって本蛋白
質のみを分離し、ゲル電気泳動法、酵素活性測定、イム
ノブロット法等の方法によって本蛋白質の定量に利用す
る。まず、本蛋白質を含む試料と本蛋白質に対する1次
抗体を、例えば、約1時間から約24時間、4℃で攪拌
しながら混合することによって免疫複合体を形成させ
る。この際、当該試料と1次抗体との混合比としては、
例えば1:8程度をあげることができるが、本蛋白質の
量によって適宜増減される。なお、当該試料をあらかじ
め0.1%(w/v)SDS等で処理しておくとよい。つぎに形成さ
れた免疫複合体に、必要であれば、1次抗体に特異的に
結合しかつ1次抗体および1次抗体と結合している本蛋白
質を溶液中から分離することができる2次試薬を添加
し、この混合物を保温することによって、免疫複合体と
2次試薬からなる複合体を形成させ、これを回収する。
ここで2次試薬としては、例えば、プロテインA,プロ
テインG等の抗体と結合する細菌細胞壁蛋白質または抗
免疫グロブリン抗体があげられる。なお、これら2次試
薬は不溶性の支持材に結合されたものを用いると免疫複
合体と2次試薬からなる複合体の回収を遠心分離、洗浄
により行うことができ、きわめて容易である。また、2
次試薬を用いず、直接1次抗体を不溶性の支持材に結合
させたものを、本蛋白質を含む試料溶液中に添加するこ
とにより、本蛋白質を不溶化し回収する方法を取ること
もできる。不溶性の支持材は、非常に広範囲のデザイン
を有し、そして使用に際して意図された特定の目的に応
じて非常に異なる形状を有することができる。例えば、
ビーズ、皿、球、プレート、小型ロッド、セル、小型ボ
トル、小型チューブ、ファイバー、ネット等をあげるこ
とができる。具体的な例としては、アガロース等の多糖
体(例えば、セファロース、バイオゲル等)からなるビ
ーズや透明プラスチック材料、例えばポリ塩化ビニルま
たはポリスチレンからなるミクロタイタープレート、ポ
リスチレンおよびポリスチレンラテックスからなる小
球、チューブまたはロッド等が使用可能である。例え
ば、臭化シアン活性化セファロース、Affi-Gelに代表さ
れるアガロース系ビーズや、セルロース系ビーズ、ポリ
アクリルアミド系ビーズが市販されており、これらのビ
ーズ上の官能基はすでに活性化されているので、直接カ
ップリング反応により2次試薬あるいは1次抗体を結合す
ることができる(Affinity Chromatography,ファルマシ
ア社刊、あるいはNature, vol.214, p.1302, 1967)。
また、すでにアガロース系ビーズに結合された状態のプ
ロテインA,プロテインGも市販されている。つぎに回
収された複合体から、加熱処理や低pHバッファーによる
溶出等の操作によって本蛋白質を遊離させる。そして遊
離の状態にある本蛋白質をゲル電気泳動法、酵素活性測
定、イムノブロット法等の方法によって検出し、定量す
ればよい。
【0016】(C)エンザイムイムノアッセイ法 エンザイムイムノアッセイ法としては、例えば、サンド
イッチ法、競合法等が挙げられる。サンドイッチ法は、
固体支持材に結合された状態の1次抗体に対して、本蛋
白質を含む試料を反応せた後、固体支持材に結合してい
ない遊離物を洗浄により除去し、固体支持材上で抗原抗
体複合体を形成した状態の量を、標識された2次抗体あ
るいは2次抗体に特異的に結合する標識された抗体を通
して定量することにより、本蛋白質を含む試料中の本蛋
白質の濃度を測定する方法である。また、競合法は、固
体支持材に結合された状態の抗原または1次抗体に対し
て、該抗原には、本蛋白質を含む試料と1次抗体とを、
1次抗体には、本蛋白質を含む試料と遊離の競合抗原と
を添加して競合反応させた後、固体支持材に結合してい
ない遊離物を洗浄により除去し、固体支持材上で抗原抗
体複合体を形成した状態の抗体あるいは競合抗原の量
を、あらかじめその1次抗体または競合抗原上に導入さ
れた標識、あるいは1次抗体と特異的に結合する標識さ
れた2次抗体を通して定量することにより、、当該試料
中の本蛋白質の濃度を測定する方法である。これらの方
法の原理および方法の詳細は、生化学実験法11(東京化
学同人社刊)やMethod in Enzymology, vol.70(Academ
ic Press刊)などに記載されている。代表的な例とし
て、以下にサンドイッチ法につきさらに説明する。固体
支持材への1次抗体の結合は、直接的に、あるいはスペ
ーサーまたは2次抗体かつ2次抗体に対する標識抗体す
なわち2次抗体を認識しかつ特異的に結合する標識され
た抗体によって認識されない高分子量担体分子を介して
間接的に行うことができる。ここで、2次抗体かつ2次
抗体に対する標識抗体によって認識されない高分子量担
体分子とは、前記の抗原の特有な部分アミノ酸配列を含
む抗原性ペプチドの完全抗原化工程において用いること
ができる高分子量担体分子のうちで、2次抗体かつ2次
抗体に対する標識抗体の製造において用いられない高分
子量担体分子のことである。また、1次抗体をスペーサ
ーまたは2次抗体かつ2次抗体に対する標識抗体によっ
て認識されない高分子量担体を介して結合する場合、こ
れらの結合には、前記の特有なアミノ酸配列を含む抗原
性ペプチドの完全抗原化工程と同様な方法または準ずる
方法を用いることができる。1次抗体の直接的または間
接的な結合に用いられる固体支持材として、通常使用さ
れる材質としてはポリスチレン、ポリアクリル、ポリカ
ーボネート、ポリメタクリエート、テフロンTM、ニトロ
セルロース膜、ろ紙、デキストラン、ガラス、アガロー
ス、フェライト、ラテックス(天然ゴム)等が挙げられ
る。また、形状も非常に広範囲のデザインを有し、そし
て使用に際して意図された特定の目的に応じて非常に異
なる形状を有することができる。例えば、皿、球、プレ
ート、小型ロッド、セル、小型ボトル、小型チューブ、
ファイバー、ネット、ゲル、カラム樹脂等をあげること
ができる。具体的な例としては、透明プラスチック材
料、例えばポリ塩化ビニルまたはポリスチレンからなる
ミクロタイタープレート、ポリスチレンおよびポリスチ
レンラテックスからなる小球、チューブまたはロッド等
が使用可能である。これらの固体支持材に、1次抗体を
直接的に、あるいはスペーサーまたは2次抗体かつ2次
抗体に対する標識抗体によって認識されない高分子量担
体分子を介して間接的に結合する(以下、コーティング
する、と記す。)には、物理吸着させる方法でも共有結
合させる方法でも良く、例えば共有結合させる場合は、
あらかじめ、グルタルアルデヒドまたは臭化シアン等を
用いる通常の方法によって固体支持材の活性化を行う。
用いられるコーティング液としては、例えば140mM
の塩化ナトリウムを含む約10mMのリン酸緩衝液(p
H7.4)やPBS(140mM NaCl、2.7m
M KCl、10mM Na2HPO4、1.8mM K
2PO4(pH7.4))液等をあげることができる。
コーティングの条件として、1次抗体のコーティング液
内の濃度は、例えば約0.05μg/mlから約100μ
g/ml等を好ましくあげることができる。またコーティ
ング時間としては、例えば数時間から数日間、好ましく
は約6時間から約24時間をあげることができ、温度と
しては4〜37℃程度をあげることができる。さらに、
抗体を結合させた固体支持材は本蛋白質を含む試料と反
応させる前に、非特異的吸着反応を防ぐための処理を行
っておくことが好ましく、その方法としては、例えば固
体支持材の表面をウシ血清アルブミン、ゼラチンあるい
はスキムミルクを0.1〜5%含む溶液に数時間接触さ
せる方法が挙げられる。このようにして得られる固体支
持材に直接的にまたは間接的に結合した1次抗体に、本
蛋白質を含む試料を添加し、通常4℃〜37℃程度で保
温する。数分間〜数日間、好ましくは約2時間〜一晩程
度の保温後に、固体支持材を洗浄する。次に、2次抗体
を含有する溶液を添加して、4℃〜37℃程度で約10
分間〜一晩程度保温する。2次抗体が、例えばペルオキ
シダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクト
シダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラー
ゼ、炭酸アンヒドラーゼ、アセチルコリンエステラー
ゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナーゼ、グルコー
ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素あるい
はビオチンで標識されている場合には、イムノブロット
法の項で説明した方法により、固体支持材上に結合され
た2次抗体の量を直接測定することができる。また、2
次抗体を認識しかつ特異的に結合する、酵素、ビオチン
などで標識された抗体を使用する場合は、遊離の2次抗
体を洗浄により除去した後、該標識抗体液と4℃〜37
℃程度で保温する。約10分〜一晩程度の保温後に、固
体支持材を洗浄し、洗浄後の固体支持材上に結合した標
識抗体の量を測定する。該標識抗体としては、例えばペ
ルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガ
ラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミ
ラーゼ、炭酸アンヒドラーゼ、アセチルコリンエステラ
ーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナーゼ、グルコ
ース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素ある
いはビオチンを結合した抗体をあげることができる。2
次抗体を認識しかつ特異的に結合する標識抗体を用いる
場合は、該標識抗体が固体支持材に結合させた1次抗体
と反応しないために、1次抗体と2次抗体は動物種や免
疫グロブリンのクラスなどが異なるものを用いる必要が
ある。具体的な例としては、固体支持材に結合させた1
次抗体としてマウスモノクローナル抗体を使用し、2次
抗体としてウサキ゛ポリクローナル抗体を使用し、2次抗体
を認識しかつ特異的に結合する標識抗体としては、例え
ばペルオキシダーゼ標識されたロバまたはヤギ由来の抗
ウサギ免疫グロブリン(IgG)抗体を使用すればよ
い。予め種々の既知濃度の本蛋白質溶液を調製して、上
記方法で検量線を作成しておく。次に、本蛋白質の濃度
が未知である試料につき測定を行い、前記検量線に基づ
いて、当該試料液中の本蛋白質の濃度を算出する。
【0017】(D)ラジオイムノアッセイ法 基本的な原理はエンザイムイムノアッセイ法と同様であ
り、例えば、既知量の標識抗原と抗体の反応液中に、本
蛋白質を含む試料を添加することで競合反応を起こした
後、抗原抗体複合体と遊離状態の抗原とを分離して、そ
のどちらかを定量し、検量線と比較することにより当該
試料液中の本蛋白質の濃度を定量する方法である(新生
化学実験講座12;東京化学同人社刊、 Method in Enzym
ology, vol.70;Academic Press刊)。ラジオイムノア
ッセイ法に用いられる抗原は通常125I標識するが、抗
原蛋白質への125I導入は、ボルトン−ハンターの方法
(Biochem. J., vol.133, p.529,1973)やクロラミンT法
を用いて行うことができる。測定は、ガンマカウンター
を用いて行い、エンザイムイムノアッセイ法と同様に予
め既知濃度の本蛋白質溶液を用いて検量線を作成し、次
に本蛋白質の濃度が未知である試料について測定を行っ
て、前記検量線に基づいて当該試料中の本蛋白質の濃度
を求めることができる。
【0018】次に、本発明キットについて説明する。本発明
分析方法および本発明検査方法を行うためのキットを準
備することができる。該キットは、標準試薬として本蛋
白質を含有していればよく、さらに本発明分析方法を免
疫化学的分析方法を用いて行う場合に使用するキットと
しては、本蛋白質に対する抗体をも含有していることが
好ましい。さらに、本発明キットは、例えば次の構成成
分を含有し得る。即ち、例えばエンザイムイムノアッセ
イ法のサンドイッチ法の場合、(1)固体支持材、
(2)本蛋白質に対する抗体、即ち1次抗体を含有する
試薬、(3)2次抗体を含有する試薬、(4)2次抗体
に対する標識された抗体を含有する試薬、すなわち2次
抗体を認識し特異的に結合する抗体であって、かつ酵素
等で標識された抗体を含有する試薬。さらに補助的に、
(5)抗体の標識に使用された酵素に対応した基質化合
物、(6)配列番号1に示すアミノ酸配列からなる蛋白質
または該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白質
の標準試薬、(7)緩衝液、(8)非特異的吸着および凝集
体の形成を防止する高分子量担体、界面活性剤等の添加
剤、および(9)ピペット、反応容器、計算曲線等、な
どを構成成分として含有し得る。(1)の固体支持材
は、予め(2)の1次抗体が、直接的にあるいはスペー
サーまたは2次抗体かつ2次抗体に対する標識抗体によ
って認識されない高分子量担体分子を介して間接的に結
合されていても良い。(2)の1次抗体、(3)の2次
抗体、および(4)の標識された抗体を含有する試薬
は、緩衝液あるいは水に溶解された状態で提供されても
よく、凍結乾燥品として提供され使用時溶解されてもよ
い。また、(2)、(3)および(4)は、ウシ血清ア
ルブミンなどの安定剤を溶解時終濃度で0.1%〜10%(W/
V)程度含んでいてもよく、必要に応じて例えばTween20
等の界面活性剤を溶解時終濃度で0.1%〜2%(W/V)程度
含んでいてもよい。(7)の緩衝液は、動物の体液、組
織、細胞またはそれらから調製された試料液あるいは被
験動物の体液、組織、細胞またはそれらから調製された
検査液の希釈、固体支持材の洗浄、前記(2)、
(3)、(4)および(5)の溶解もしくは希釈等に使
用し得る緩衝液であればよい。
【0019】さらに本発明分析方法および本発明検査方法
は、いくつかの装置を組み合わせて行うこともできる。
一例として、本蛋白質の濃度の測定として免疫化学的分
析方法を用いる場合の本発明分析方法および本発明検査
方法では、必要に応じて例えば、(1)動物の体液、組
織、細胞またはそれらから調製された試料液あるいは被
験動物の体液、組織、細胞またはそれらから調製された
検査液と、抗体を含む試薬とを、該試料液または該検査
液中の本蛋白質と該抗体とが反応可能な温度に加温する
ための恒温器、(2)イムノブロット法もしくは免疫沈降
法の場合にシグナルを検出するためのデンシトメータ
ー、エンザイムイムノアッセイ法の場合に反応液の吸光
度もしくは蛍光を測定するための光度計、またはラジオ
イムノアッセイ法の場合に使用するγ−カウンターから
選ばれる検出器、(3)試料液中の本蛋白質濃度と腹腔内
脂肪組織量との正の相関性に基いて、(2)から得られる
検査液中の本蛋白質濃度の測定値から被験動物の腹腔内
脂肪組織量を算出するための計算ソフト、(4)(3)の計算
を実行する計算機、などを含んで構成される装置が挙げ
られる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例で説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0021】実施例1 (配列番号1で示されるアミノ酸配
列からなる蛋白質をコードする遺伝子の単離) ヒト腹腔内脂肪組織からグアニジンチオシアネート(GT
C)/セシウムクロライド(CsCl)法(Chirgwin,J.M. e
t al, Biochemistry, 18, 5294, 1979 )により調製さ
れた全RNA1.0μgを鋳型にして、これとcDNA合成キット
(宝酒造社製)に添付のオリゴdTプライマーとを混合
した後、1mM dNTPの存在下でMMTV逆転写酵素50
ユニットを添加し、室温で10分間、次いで42℃、15分
間、さらに99℃、5分間保温することによって、1本鎖
cDNAを合成した。続いて該1本鎖cDNA 2.0 ngを鋳
型に用いて、配列番号2で示される塩基配列からなるオ
リゴヌクレオチドおよび配列番号3で示される塩基配列
からなるオリゴヌクレオチドの各20pmolをプライマーと
して、200μM dNTP、1.5 mM MgCl2存在下でDNAポリ
メラーゼ(パーキンエルマー社)1ユニットを添加し、
94℃、1分間、次いで55℃、1分間、さらに72℃、2分
間の保温を1サイクルとしてこれを55サイクル行う条件
下でPCR反応を行った。得られたPCR反応産物を1%アカ゛ロース
ケ゛ル電気泳動に供し、(泳動バッファー;トリスー硼酸
緩衝液(ナカライテスク社製))、約1.5kbpのDNAバン
ドをゲルから切り出し、J. Sambrook 、E.F.Fritsch 、
T.Maniatis著:「Molecular Cloning Second Editio
n」、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)
に記載されている方法により、プラスミドベクターpUC1
18(宝酒造製)のHincIIサイトにクローニングした。ク
ローニングされたDNAの塩基配列を、Taq Dye Primer
Cycle Sequencing Kit 及びTaq Dye Deoxy Terminator
Cycle Sequencing Kit (Applied Biosystems製) を用
いてApplied Biosystems製の373A DNA Sequencerにより
決定した。該DNAは配列番号6で示される塩基配列か
らなり、該塩基配列は、配列番号1で示されるアミノ酸
配列をコードしていた。
【0022】実施例2 (配列番号1で示されるアミノ酸配
列の部分配列からなる蛋白質標品(I)の調製) 実施例1でクローニングされたDNAを鋳型にして、配
列番号4で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ドおよび配列番号5で示される塩基配列からなるオリゴ
ヌクレオチドをプライマーとして用いて、94℃、1分
間、次いで60℃、1分間、さらに72℃、2分間の保温
を1サイクルとして、これを30サイクル行う条件下でPC
Rを行い、配列番号6で示される塩基配列の96番目〜1493
番目の塩基配列を含むDNAを増幅した。増幅されたD
NAをNdeIとBamHIで消化し、発現ベクターpET11a [Nov
agen社製]のNdeI、BamHIサイトにサブクローニングし、
配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち、27番目以降
のアミノ酸配列を有しそのアミノ末端にMetが付加され
た蛋白質を発現するための発現プラスミドpET11a085
(図1)を得た。次に、該発現プラスミドpET11a085で
大腸菌DE3株[Novagen社製]を形質転換した。得られた形
質転換体を、37℃でO.D.600が0.6になるまで培養
し、誘導剤として終濃度1mMのIPTGを添加し、さらに
一晩培養した。次いで、遠心分離操作により集菌し、菌
体を100mM Tris-HCl(pH7.6)、5mM EDTA・2Na、5mM DT
T、1mMPMSFバッファー(以下、バッファーAと記す。)
に懸濁して、超音波処理(氷冷下、5分間x3回)によ
り菌体を破砕し、この破砕液を12,000xg、15分間、4℃
の遠心分離に供し、沈殿を回収して封入体画分とした。
該封入体画分に、バッファーAに尿素を終濃度2Mとな
るように加えた溶液を添加し、懸濁して、超音波処理
(氷冷下、5分間)を行った。12,000xg、15分間、4℃
にて遠心分離を行い、得られた沈殿に、バッファーAに
尿素を終濃度4Mとなるように加えた溶液を添加して上
記の操作を繰り返した。さらに、バッファーAに尿素を
終濃度6Mとなるように加えた溶液を用いて同様の操作を
行い、得られた沈殿を20mM Tris-HCl(pH8.5)、2mM
DTT、8M尿素バッファーに懸濁し、12,000xg、15min、4
℃の遠心分離を行い、上清を分取した。得られた上清
を、HiLoad Superdex 200pg[カラムサイズ;Φ16mmx60
cm(ファルマシア製)、流速;1.0ml/min、検出;280
nm]を用いたゲルろ過クロマトグラフィーに供した。4
5分から55分の間に溶出されるピーク画分を集めてセ
ントリコン[グレースジャパン社(旧アミコン社)製、
分画分子量30,000]で濃縮し、次に、MonoQ HR10/10イオ
ン交換クロマトグラフィー[カラムサイズ;Φ10mmx10c
m(ファルマシア製)、流速1.0ml/min、1M NaClグラデ
ィエント、検出;280nm]に供した。約100〜約200mM NaC
lで溶出される画分を集めて、セントリコン(グレース
ジャパン社製、分画分子量30,000)で1mg蛋白質/mlに
なるように濃縮した。上記の操作で得られた画分をSDS-
ホ゜リアクリルアミト゛ケ゛ル電気泳動で分析し銀染色したところ、単
一のバンドが検出された。このようにして調製された画
分に、100mM Tris-HCl(pH8.5)を、尿素の終濃度が6M
となるようにゆるやかに攪拌しながら添加した。さら
に、室温で一晩、緩やかに攪拌を続けた。次いで、該画
分を18,000xg、20min、4℃にて遠心分離して上清を回
収し、これに、2M尿素、20mM Tris-HCl(pH8.5)、4mM
還元型グルタチオン、0.4mM酸化型グルタチオン溶液を
尿素の終濃度が2.5Mとなるように加えて緩やかに攪拌し
た。この溶液を分画分子量が25,000の透析チューブに入
れ、1000倍容量の2M尿素、20mM Tris-HCl(pH8.5)、4m
M還元型グルタチオン、0.4mM酸化型グルタチオン溶液に
対して、4℃で約8時間透析した。次に、1000倍容量の20
mM Tris-HCl(pH8.5)、2mM還元型グルタチオン、0.2mM
酸化型グルタチオン溶液に対して、4℃で一晩透析し、
最後に、1000倍容量の20mM Tris-HCl(pH8.5)に対して
4℃で一晩透析した。以上の操作で得られた画分の一部
を、逆相クロマトグラフィーで分析したところ、単一の
ピークが検出されたことから、得られた蛋白質を蛋白質
標品(I)とした。
【0023】実施例3 (配列番号1で示されるアミノ酸配
列からなる蛋白質に対する抗体の調製) 実施例2の方法で調製された蛋白質標品(I)を抗原と
してウサギに免疫し、抗体を取得した。初回免疫は、上
記方法で調製した蛋白質標品1.0mgをフロイントアジ
ュバンドと混合し、ウサギの皮下に投与した。以後2週
間ごとに4回、同様の方法で抗原を投与した。最終抗原
投与から1週間後、ウサギの血清を耳静脈等から少量サ
ンプリングし、抗体価を測定した。その後さらに1回、
抗原の投与を行い、ウサギから血液を採取した。該血液
を、遠心分離し、血清画分を取得し、該画分を100倍容
量の50mMりん酸ナトリウムバッファー(pH7.0)に対し
て4℃で一晩透析した。透析した血清をProtein
A(ファルマシア製)カラムクロマトグラフィーに供
し、100mMクエン酸バッファー(pH4.0)で吸着画分を溶
出した後、溶出液に直ちに1M Tris-HCl(pH9.0)を添加
して中和し、抗体液を得た。
【0024】実施例4 (抗体の担体への固定化) 実施例3の方法で得られた抗体を、Affinity Chromatog
raphy(ファルマシア社刊)に記載の方法に従って活性
化臭化シアン―セファロースビーズに結合させた。具体
的には、抗体を、150mM NaHCO3、500m
M NaCl(pH8.3)(以下、バッファーBと記す。)
で2.5mg蛋白質/mlとなるように希釈し、さらにPD-10カ
ラム[ファルマシア社製]にかけてバッファーBで溶出
させた。0.5gの活性化臭化シアン―セファロースビーズ
[ファルマシア社製]を予め氷冷した1mM HClで膨潤さ
せ、200mlの1mM HClおよびバッファーBで平衡化してゲ
ル化させ、これに前記溶出液3.5mlのうち、半分を加え
て混合し、4℃で一晩攪拌した。該混合液をブフナー漏
斗でろ過してろ液を吸引除去した後、ビーズを3.0mlの1
Mエタノールアミン、500mM NaCl(pH8.3)に懸濁して、
4℃、6時間攪拌して残存する活性基をブロックした。次
いで、ブフナー漏斗上で吸引しながら、該ビーズを、3.
0mlのバッファーBで洗浄した後、3.0mlの100mM酢酸、50
0mM NaCl(pH4.0)(以下バッファーCと記す)で洗浄
した。このバッファーBとバッファーCによる洗浄操作
を交合に5回繰り返し、最後にリシスバッファー(50mM
Tris-HCl(pH7.6)、150mM NaCl、1% NP-40、0.02%
Na3N)で数回洗浄して、同バッファー中にゲルスラ
リーとバッファーが1:1になるよう懸濁して4℃で保
存した。尚、固定化後のろ液中に抗体が残存しないこと
を定量して、抗体がビーズへ完全に固定化されたことを
確かめた。
【0025】実施例5 (免疫沈降、ウエスタンブロット法
による本蛋白質の試料液中濃度測定) ヒト血液サンプルから遠心分離(3,000xg、10分間、4
℃)により血清画分を調製し、これを検査液とした。該
検査液200μlに対して実施例4で調製された抗体固定化
ビーズを5μl添加し、4℃で4時間ゆるやかに攪拌し
た。12,000xg、5秒間、4℃の遠心分離でビーズを沈殿
させて上清を除去し、次いで該ビーズに500μlのリシス
バッファーを添加し、緩やかに攪拌した後、12,000x
g、5秒間、4℃の遠心分離を行い上清を除去した。この
ビーズの洗浄操作を4回行い、次に、該ビーズに蒸留水5
00μlを添加して、上記と同様の洗浄操作を3回行った。
遠心分離操作後に完全にビーズ上の液体を除去した後、
75μlの2%酢酸水溶液をビーズに加えて緩やかに攪拌し
た。12,000xg、5秒間、4℃の遠心分離操作でビーズを
沈殿させて上清を回収し、ビーズに再度2%酢酸溶液を
加えて同様の溶出操作を行った。このようにして得られ
た2%酢酸溶出液を集めて、該溶出液にキャリアーとし
て牛血清アルブミン蛋白質を終濃度150μg/mlとなるよ
うに加え、さらにTCA溶液を75μl加えて、氷上で一晩放
置した。15,000xg、20分間、4℃の遠心分離操作で沈殿
した蛋白質を回収し、500μlの氷冷アセトンで該沈殿を
洗浄した後、乾燥させた。この沈殿を50mM Tris、0.04
NNaOH水溶液に溶解させ、等量のSDSサンプルバッファ
ーを加えてSDS−PAGE 10〜20%ゲル(バイオクラフト社
製)に供した。電気泳動後のゲル中の蛋白質を、エレク
トロブロッティング法(転写用緩衝液;25mMTris、19
2mMグリシン、20%メタノール、4℃、80V、1.5時間)
でHybond-Nメンブラン(アマシャム社製)にトランスフ
ァーした。このようにして調製されたメンブランを、T
TBSバッファー(20mM Tris−HCl(pH
7.4)、150mM NaCl、0.05% Twe
en20、0.05% Na3N)で洗浄した後、3%ゼ
ラチンを含むTTBSバッファー中で、37℃、1時間保
温した。その後、該メンブランを、実施例3で調製され
た抗体を1%ウシ血清アルブミンを含むTTBSバッフ
ァーで1,000倍希釈した溶液中で、37℃、1時間保温し
た。次いで、該メンブランをTTBSバッファーで室
温、5分間x3回洗浄し、ホースラディッシュペルオキ
シダーゼ標識されたロバ抗ウサギIgG抗体を1%ウシ血清
アルブミンを含むTTBSで1,000倍希釈した溶液中
で、37℃、1時間保温した。その後、該メンブランをT
TBSバッファーで、室温にて、5分間、3回洗浄して、
HyperfirmECLフィルム(アマシャム社)に露光さ
せ、ECL検出システム(アマシャム社製)を用いて、
HyperfirmECLフィルム(アマシャム社製)上の(50K
da付近の)蛍光シグナルを検出した(図2)。得られた
蛍光シグナルの強度を、デンシトメーターを用いて定量
した。実施例2で調製された蛋白質標品(I)0.1 ngか
ら5 ngを用いて予め検量線を作成しておき、その検量線
に基づいて、各サンプルのシグナル強度から各検査液中
の本蛋白質の濃度を算出した。
【0026】実施例6 (エンザイムイムノアッセイ法によ
る本蛋白質の検査液中濃度測定) ポリスチレン製の96穴ミクロタイタープレートに、P
BS液(140mMNaCl、2.7mM KCl、1
0mM Na2HPO4、および1.8mMKH2PO
4(pH 7.4)を含有する)に実施例3によって得
られた抗体を20μg/mlの濃度で含むように調製し
たコーティング液を150μl/ウエルの割合で添加した
後、4℃で一晩保温した。コーティング液を除去した
後、各ウエルを300μlのPBS液で2回洗浄し、ミクロ
タイタープレートの上面を下にしてぺーパータオル上に
軽く打ちつけることによりプレート内の水分を除去し
た。次に、該ミクロタイタープレートに1%(W/V)の
ウシ血清アルブミンを含むPBS液を150μl/ウエルの
割合で添加した後、4℃で一晩保温してブロッキングを
行った。ブロッキング液を除去後、ミクロタイタープレ
ートは洗浄液300μl(50mMNa2PO4‐Na2HP
4、150 mM NaCl、pH 7.4、2.0
% Tween20)を用いて2回洗浄した。次に、ヒ
ト血液から、遠心分離(3,000xg、10分間、4℃)によ
り血清画分を調製し、これを検査液とした。洗浄液に1
%(W/V)のウシ血清アルブミンを加えた反応液120μl
を各ウエルに添加し、続いて前記検査液を30μl/ウエ
ルの割合で添加した後、室温で一晩保温した。次いで、
反応液を除去した後、各ウエルを300μlの洗浄液で3回
洗浄した。次に、実施例3で得られた抗体をペプシンで
消化し、還元して得た抗体のFab'断片をマレイミド・ヒ
ンジ法(酵素免疫測定法、第3版、医学書院刊、に記
載)に従ってぺルオキシダーゼ標識したペルオキシダー
ゼ標識抗体Fab'断片を、5μg/mlの濃度で含む抗体反応
液(50mM Na2PO4‐Na2HPO4、150mM
NaCl、pH 7.4、2.0% Tween2
0、1%(w/v)正常ウサギ血清、0.067%(w
/v) 4−アミノアンチピリン)を各ウエルに150μ
l添加し、4℃で2時間保温した。抗体反応液を除去
後、各ウエルを300μlの洗浄液で4回洗浄した。次に、
1.0 mg/mlの濃度でO−フェニレンジアミンを含み、0.0
17%(V/V)の濃度で過酸化水素を含む50 mMリン酸−25 mM
クエン酸緩衝液(pH4.8)を使用直前に調製し、該緩衝
液を上記のミクロタイタープレートに150μl/ウエルの
割合で添加した後、該ミクロタイタープレートをアルミ
ホイルで被覆し、室温で30分間インキュベートした。
その後、2Nの硫酸50μlを加えることにより反応を停
止させ、ミクロタイタープレート内の発色をマルチスキ
ャンニングスペクトロフォトメーター[Bio-Rad社製〕を
用いて、492nmでの吸光度と595nmでの吸光度との
差を測定した。0〜100 ng/mlの濃度に調製された蛋白
質標品(I)希釈液を使用して、蛋白質標品(I)に対
する上記吸光度差の検量線を作成して、この検量線に基
づいて、各検査液中の本蛋白質の濃度を算出した。
【0027】実施例7 (本蛋白質の濃度と腹腔内脂肪組織
量との相関性の確認;その1) 100人の血液から、遠心分離(3,000xg、10分間、4℃)
により血清画分200μlをそれぞれ調製し、これを試料液
とした。得られた試料液につき、実施例5に示した方法
を用いて、本蛋白質の濃度を測定した。これら100人の
各個体について、CTスキャンによる腹部横断面のコン
ピューター撮影像から測定された腹腔内脂肪組織面積値
(cm2)をY軸に、試料液中に存在する本蛋白質の濃度
(ng/200μl)をX軸にプロットした(図3)。これらの
プロットより、XとYとの間の相関関係数は約0.7と求
められ、XとYとの間の相関関係式Y= 78.8X+51.4
が導かれた。
【0028】実施例8 (本蛋白質の濃度と腹腔内脂肪組織
量との相関性の確認;その2) 実施例6に記載のエンザイムイムノアッセイ法を用い
て、5人の被験者の血液中の本蛋白質の濃度を一定期間
の前後にそれぞれ測定した。各被験者における一定期間
前後の本蛋白質の濃度の大小と、一定期間前後における
CTスキャンによる腹部横断面の断層撮影像から求めた
腹腔内脂肪面積値の大小とは一致していた。すなわち、
腹腔内脂肪面積値が減少した被験者においては、血液中
の本蛋白質の濃度も減少しており、一方、内臓脂肪面積
値が増加した被験者においては、該濃度も増加していた
(図4)。
【0029】実施例9 (腹腔内脂肪組織量の増大と密接に
関連する疾患を発症したヒトの血液中の本蛋白質の濃度
の測定) 糖尿病の発症者38人および冠動脈疾患の発症者14人
から採血した血液中の本蛋白質の濃度を、実施例5記載
の方法に従って測定した。その結果は、表1に記載のと
おりであった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明により、腹腔内脂肪組織量の分析
方法として、精度の点において満足できる簡便でかつ迅
速に処理できる分析方法が提供可能となる。
【0032】「配列表フリーテキスト」 配列番号2 抗原遺伝子を増幅するために設計されたオリゴヌクレオ
チドプライマー 配列番号3 抗原遺伝子を増幅するために設計されたオリゴヌクレオ
チドプライマー 配列番号4 抗原遺伝子を増幅するために設計されたオリゴヌクレオ
チドプライマー 配列番号5 抗原遺伝子を増幅するために設計されたオリゴヌクレオ
チドプライマー
【0033】
【配列表】 SEQENCE LISTING <110> Sumitomo Chemical Co., Ltd. <120> A method for estimating intraabdominal adipose tissue mass <130> P151168 <150> JP 11/103858 <151> 1999-04-12 <160> 6 <210> 1 <211> 491 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Asn Pro Ala Ala Glu Ala Glu Phe Asn Ile Leu Leu Ala Thr Asp 1 5 10 15 Ser Tyr Lys Val Thr His Tyr Lys Gln Tyr Pro Pro Asn Thr Ser Lys 20 25 30 Val Tyr Ser Tyr Phe Glu Cys Arg Glu Lys Lys Thr Glu Asn Ser Lys 35 40 45 Leu Arg Lys Val Lys Tyr Glu Glu Thr Val Phe Tyr Gly Leu Gln Tyr 50 55 60 Ile Leu Asn Lys Tyr Leu Lys Gly Lys Val Val Thr Lys Glu Lys Ile 65 70 75 80 Gln Glu Ala Lys Asp Val Tyr Lys Glu His Phe Gln Asp Asp Val Phe 85 90 95 Asn Glu Lys Gly Trp Asn Tyr Ile Leu Glu Lys Tyr Asp Gly His Leu 100 105 110 Pro Ile Glu Ile Lys Ala Val Pro Glu Gly Phe Val Ile Pro Arg Gly 115 120 125 Asn Val Leu Phe Thr Val Glu Asn Thr Asp Pro Glu Cys Tyr Trp Leu 130 135 140 Thr Asn Trp Ile Glu Thr Ile Leu Val Gln Ser Trp Tyr Pro Ile Thr 145 150 155 160 Val Ala Thr Asn Ser Arg Glu Gln Lys Lys Ile Leu Ala Lys Tyr Leu 165 170 175 Leu Glu Thr Ser Gly Asn Leu Asp Gly Leu Glu Tyr Lys Leu His Asp 180 185 190 Phe Gly Tyr Arg Gly Val Ser Ser Gln Glu Thr Ala Gly Ile Gly Ala 195 200 205 Ser Ala His Leu Val Asn Phe Lys Gly Thr Asp Thr Val Ala Gly Leu 210 215 220 Ala Leu Ile Lys Lys Tyr Tyr Gly Thr Lys Asp Pro Val Pro Gly Tyr 225 230 235 240 Ser Val Pro Ala Ala Glu His Ser Thr Ile Thr Ala Trp Gly Lys Asp 245 250 255 His Glu Lys Asp Ala Phe Glu His Ile Val Thr Gln Phe Ser Ser Val 260 265 270 Pro Val Ser Val Val Ser Asp Ser Tyr Asp Ile Tyr Asn Ala Cys Glu 275 280 285 Lys Ile Trp Gly Glu Asp Leu Arg His Leu Ile Val Ser Arg Ser Thr 290 295 300 Gln Ala Pro Leu Ile Ile Arg Pro Asp Ser Gly Asn Pro Leu Asp Thr 305 310 315 320 Val Leu Lys Val Leu Glu Ile Leu Gly Lys Lys Phe Pro Val Thr Glu 325 330 335 Asn Ser Lys Gly Tyr Lys Leu Leu Pro Pro Tyr Leu Arg Val Ile Gln 340 345 350 Gly Asp Gly Val Asp Ile Asn Thr Leu Gln Glu Ile Val Glu Gly Met 355 360 365 Lys Gln Lys Met Trp Ser Ile Glu Asn Ile Ala Phe Gly Ser Gly Gly 370 375 380 Gly Leu Leu Gln Lys Leu Thr Arg Asp Leu Leu Asn Cys Ser Phe Lys 385 390 395 400 Cys Ser Tyr Val Val Thr Asn Gly Leu Gly Ile Asn Val Phe Lys Asp 405 410 415 Pro Val Ala Asp Pro Asn Lys Arg Ser Lys Lys Gly Arg Leu Ser Leu 420 425 430 His Arg Thr Pro Ala Gly Asn Phe Val Thr Leu Glu Glu Gly Lys Gly 435 440 445 Asp Leu Glu Glu Tyr Gly Gln Asp Leu Leu His Thr Val Phe Lys Asn 450 455 460 Gly Lys Val Thr Lys Ser Tyr Ser Phe Asp Glu Ile Arg Lys Asn Ala 465 470 475 480 Gln Leu Asn Ile Glu Leu Glu Ala Ala His His 485 490 <210> 2 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify antigen gene <400> 2 ctgtcctccg gcccgagatg aatc 24 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify antigen gene <400> 3 cacaacacac acccagtcat aaagcctaat 30 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify antigen gene <400> 4 tataaacata tgccacccaa cacaagc 27 <210> 5 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify antigen gene <400> 5 cagtcaggat ccctaatgat gtgctg <210> 6 <211> 1518 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (18)..(1493) <400> 6 ctgtcctccg gcccgag atg aat cct gcg gca gaa gcc gag ttc aac atc 50 Met Asn Pro Ala Ala Glu Ala Glu Phe Asn Ile 1 5 10 ctc ctg gcc acc gac tcc tac aag gtt act cac tat aaa caa tat cca 98 Leu Leu Ala Thr Asp Ser Tyr Lys Val Thr His Tyr Lys Gln Tyr Pro 15 20 25 ccc aac aca agc aaa gtt tat tcc tac ttt gaa tgc cgt gaa aag aag 146 Pro Asn Thr Ser Lys Val Tyr Ser Tyr Phe Glu Cys Arg Glu Lys Lys 30 35 40 aca gaa aac tcc aaa tta agg aag gtg aaa tat gag gaa aca gta ttt 194 Thr Glu Asn Ser Lys Leu Arg Lys Val Lys Tyr Glu Glu Thr Val Phe 45 50 55 tat ggg ttg cag tac att ctt aat aag tac tta aaa ggt aaa gta gta 242 Tyr Gly Leu Gln Tyr Ile Leu Asn Lys Tyr Leu Lys Gly Lys Val Val 60 65 70 75 acc aaa gag aaa atc cag gaa gcc aaa gat gtc tac aaa gaa cat ttc 290 Thr Lys Glu Lys Ile Gln Glu Ala Lys Asp Val Tyr Lys Glu His Phe 80 85 90 caa gat gat gtc ttt aat gaa aag gga tgg aac tac att ctt gag aag 338 Gln Asp Asp Val Phe Asn Glu Lys Gly Trp Asn Tyr Ile Leu Glu Lys 95 100 105 tat gat ggg cat ctt cca ata gaa ata aaa gct gtt cct gag ggc ttt 386 Tyr Asp Gly His Leu Pro Ile Glu Ile Lys Ala Val Pro Glu Gly Phe 110 115 120 gtc att ccc aga gga aat gtt ctc ttc acg gtg gaa aac aca gat cca 434 Val Ile Pro Arg Gly Asn Val Leu Phe Thr Val Glu Asn Thr Asp Pro 125 130 135 gag tgt tac tgg ctt aca aat tgg att gag act att ctt gtt cag tcc 482 Glu Cys Tyr Trp Leu Thr Asn Trp Ile Glu Thr Ile Leu Val Gln Ser 140 145 150 155 tgg tat cca atc aca gtg gcc aca aat tct aga gag cag aag aaa ata 530 Trp Tyr Pro Ile Thr Val Ala Thr Asn Ser Arg Glu Gln Lys Lys Ile 160 165 170 ttg gcc aaa tat ttg tta gaa act tct ggt aac tta gat ggt ctg gaa 578 Leu Ala Lys Tyr Leu Leu Glu Thr Ser Gly Asn Leu Asp Gly Leu Glu 175 180 185 tac aag tta cat gat ttt ggc tac aga gga gtc tct tcc caa gag act 626 Tyr Lys Leu His Asp Phe Gly Tyr Arg Gly Val Ser Ser Gln Glu Thr 190 195 200 gct ggc ata gga gca tct gct cac ttg gtt aac ttc aaa gga aca gat 674 Ala Gly Ile Gly Ala Ser Ala His Leu Val Asn Phe Lys Gly Thr Asp 205 210 215 aca gta gca gga ctt gct cta att aaa aaa tat tat gga acg aaa gat 722 Thr Val Ala Gly Leu Ala Leu Ile Lys Lys Tyr Tyr Gly Thr Lys Asp 220 225 230 235 cct gtt cca ggc tat tct gtt cca gca gca gaa cac agt acc ata aca 770 Pro Val Pro Gly Tyr Ser Val Pro Ala Ala Glu His Ser Thr Ile Thr 240 245 250 gct tgg ggg aaa gac cat gaa aaa gat gct ttt gaa cat att gta aca 818 Ala Trp Gly Lys Asp His Glu Lys Asp Ala Phe Glu His Ile Val Thr 255 260 265 cag ttt tca tca gtg cct gta tct gtg gtc agc gat agc tat gac att 866 Gln Phe Ser Ser Val Pro Val Ser Val Val Ser Asp Ser Tyr Asp Ile 270 275 280 tat aat gcg tgt gag aaa ata tgg ggt gaa gat cta aga cat tta ata 914 Tyr Asn Ala Cys Glu Lys Ile Trp Gly Glu Asp Leu Arg His Leu Ile 285 290 295 gta tcg aga agt aca cag gca cca cta ata atc aga cct gat tct gga 962 Val Ser Arg Ser Thr Gln Ala Pro Leu Ile Ile Arg Pro Asp Ser Gly 300 305 310 315 aac cct ctt gac act gtg tta aag gtt ttg gag att tta ggt aag aag 1010 Asn Pro Leu Asp Thr Val Leu Lys Val Leu Glu Ile Leu Gly Lys Lys 320 325 330 ttt cct gtt act gag aac tca aag ggt tac aag ttg ctg cca cct tat 1058 Phe Pro Val Thr Glu Asn Ser Lys Gly Tyr Lys Leu Leu Pro Pro Tyr 335 340 345 ctt aga gtt att caa ggg gat gga gta gat att aat acc tta caa gag 1106 Leu Arg Val Ile Gln Gly Asp Gly Val Asp Ile Asn Thr Leu Gln Glu 350 355 360 att gta gaa ggc atg aaa caa aaa atg tgg agt att gaa aat att gcc 1154 Ile Val Glu Gly Met Lys Gln Lys Met Trp Ser Ile Glu Asn Ile Ala 365 370 375 ttc ggt tct ggt gga ggt ttg cta cag aag ttg aca aga gat ctc ttg 1202 Phe Gly Ser Gly Gly Gly Leu Leu Gln Lys Leu Thr Arg Asp Leu Leu 380 385 390 395 aat tgt tcc ttc aag tgt agc tat gtt gta act aat ggc ctt ggg att 1250 Asn Cys Ser Phe Lys Cys Ser Tyr Val Val Thr Asn Gly Leu Gly Ile 400 405 410 aac gtc ttc aag gac cca gtt gct gat ccc aac aaa agg tcc aaa aag 1298 Asn Val Phe Lys Asp Pro Val Ala Asp Pro Asn Lys Arg Ser Lys Lys 415 420 425 ggc cga tta tct tta cat agg acg cca gca ggg aat ttt gtt aca ctg 1346 Gly Arg Leu Ser Leu His Arg Thr Pro Ala Gly Asn Phe Val Thr Leu 430 435 440 gag gaa gga aaa gga gac ctt gag gaa tat ggt cag gat ctt ctc cat 1394 Glu Glu Gly Lys Gly Asp Leu Glu Glu Tyr Gly Gln Asp Leu Leu His 445 450 455 act gtc ttc aag aat ggc aag gtg aca aaa agc tat tca ttt gat gaa 1442 Thr Val Phe Lys Asn Gly Lys Val Thr Lys Ser Tyr Ser Phe Asp Glu 460 465 470 475 ata aga aaa aat gca cag ctg aat att gaa ctg gaa gca gca cat cat 1490 Ile Arg Lys Asn Ala Gln Leu Asn Ile Glu Leu Glu Ala Ala His His 480 485 490 tag gctttatgac tgggtgtgtg ttgtg 1518
【図面の簡単な説明】
【図1】配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち、27番
目以降のアミノ酸からなる蛋白質を大腸菌で発現させる
ための発現プラスミド pET11a085の構造を示す。図中、
斜線部分は、発現させる蛋白質をコードする挿入断片を
示す。
【図2】免疫沈降、ウエスタンブロッティング法を用い
て血液中の本蛋白質を検出した結果の1例を示す図であ
る。図の横に付記した矢印は、上側が泳動の起点を示
し、下側が泳動の先端位置を示す。免疫沈降された蛋白
質のシグナルはデンシトメーターで定量した。レーン
1;抗原蛋白質 0 ng、レーン2;抗原蛋白質 0.2 n
g、レーン3;抗原蛋白質 0.5 ng、レーン4;抗原蛋白
質 1.0 ng、レーン5;抗原蛋白質 2.0 ng、レーン6;
被検者1血液、レーン7;被検者2血液
【図3】本蛋白質の血液中濃度(ng/200μl)(X)と腹
腔内脂肪組織面積値(cm2)(Y)の相関性を示す図であ
る。各プロットは異なる個体由来である。
【図4】エンザイムイムノアッセイ法を用いて測定した
5人の被験者の特定期間前後の本蛋白質の血液中濃度の
変化と、腹腔内脂肪組織面積値の変化を表した図であ
る。なお、レーン番号1および2は、被験者1の特定期
間28日の前の値および後の値を示し、レーン番号3お
よび4は、被験者2の特定期間49日の前の値および後
の値を示し、レーン番号5および6は、被験者3の特定
期間56日の前の値および後の値を示し、レーン番号7
および8は、被験者4の特定期間63日の前の値および
後の値を示し、レーン番号9および10は、被験者5の
特定期間17日の前の値および後の値を示す。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
    から調製された検査液中に存在する配列番号1で示され
    るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
    抗体により認識され得る蛋白質の濃度を測定することを
    特徴とする腹腔内脂肪組織量の分析方法。
  2. 【請求項2】動物の体液、組織、細胞またはそれらから
    調製された試料液中に存在する配列番号1で示されるア
    ミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する抗体
    により認識され得る蛋白質の濃度と前記動物の腹腔内脂
    肪組織量との正の相関性に基き、被験動物の体液、組
    織、細胞またはそれらから調製された検査液中に存在す
    る前記蛋白質の濃度から前記被験動物の腹腔内脂肪組織
    量を求める工程を含むことを特徴とする腹腔内脂肪組織
    量の分析方法。
  3. 【請求項3】腹腔内脂肪組織量が腹部横断面の腹腔内脂
    肪組織面積値であることを特徴とする請求項1または2
    記載の分析方法。
  4. 【請求項4】動物の体液、組織、細胞またはそれらから
    調製された試料液中に存在する配列番号1で示されるア
    ミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する抗体
    により認識され得る蛋白質の濃度が免疫化学的分析方法
    で測定された値であることを特徴とする請求項2記載の
    分析方法。
  5. 【請求項5】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
    から調製された検査液中に存在する配列番号1で示され
    るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
    抗体により認識され得る蛋白質の濃度が免疫化学的分析
    方法で測定された値であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の分析方法。
  6. 【請求項6】相関性が、一次関数である相関関係式で表
    されることを特徴とする請求項2記載の分析方法。
  7. 【請求項7】動物が、哺乳動物であることを特徴とする
    請求項1または2記載の分析方法。
  8. 【請求項8】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
    から調製された検査液が、血液であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の分析方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の分析方法
    により、特定期間内での同一個体における腹腔内脂肪組
    織量の増加または減少を調べ、当該結果に基いて腹腔内
    脂肪組織量の増大と密接に関連する疾患の発症リスクを
    予測することを特徴とする検査方法。
  10. 【請求項10】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
    から調製された検査液中に存在する配列番号1で示され
    るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
    抗体により認識され得る蛋白質の濃度の、特定期間内で
    の同一個体における増加または減少を調べ、当該結果に
    基いて腹腔内脂肪組織量の増大と密接に関連する疾患の
    発症リスクを予測することを特徴とする検査方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれかに記載の分析方法
    により、被験動物の腹腔内脂肪組織量を求め、当該値と
    前記被験動物と同一種である動物における健康状態時の
    腹腔内脂肪組織量との比較結果に基づいて腹腔内脂肪組
    織量の増大と密接に関連する疾患の発症リスクを予測す
    ることを特徴とする検査方法。
  12. 【請求項12】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
    から調製された検査液中に存在する配列番号1で示され
    るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
    抗体により認識され得る蛋白質の濃度と、前記被験動物
    と同一種である動物における健康状態時の体液、組織、
    細胞またはそれらから調製された検査液中に存在する前
    記蛋白質の濃度との比較結果に基づいて、腹腔内脂肪組
    織量の増大と密接に関連する疾患の発症リスクを予測す
    ることを特徴とする検査方法。
  13. 【請求項13】動物の体液、組織、細胞またはそれらから
    調製された検査液中に存在する配列番号1で示されるア
    ミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する抗体
    により認識され得る蛋白質の濃度を測定することを特徴
    とする腹腔内脂肪組織量の増大と密接に関連する疾患の
    治療効果の判定方法。
  14. 【請求項14】被験動物の腹腔内脂肪組織量を分析するた
    めの、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白
    質または該蛋白質に対する抗体により認識され得る蛋白
    質の使用。
  15. 【請求項15】被験動物の体液、組織、細胞またはそれら
    から調製された試料液中に存在する配列番号1で示され
    るアミノ酸配列からなる蛋白質または該蛋白質に対する
    抗体により認識され得る蛋白質の濃度と前記動物の腹腔
    内脂肪組織量との正の相関性を表すことを特徴とする前
    記濃度の関数。
  16. 【請求項16】被験動物の腹腔内脂肪組織量を分析するた
    めの標準試薬として、配列番号1で示されるアミノ酸配
    列からなる蛋白質または該蛋白質に対する抗体により認
    識され得る蛋白質を含有することを特徴とする分析・検
    査用キット。
  17. 【請求項17】配列番号1で示されるアミノ酸配列からな
    る蛋白質に対する抗体を含有することを特徴とする請求
    項16記載の分析・検査用キット。
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