JP2000356504A - 位置検出装置、カメラ装置及びレンズ位置検出方法 - Google Patents

位置検出装置、カメラ装置及びレンズ位置検出方法

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JP2000356504A JP11168964A JP16896499A JP2000356504A JP 2000356504 A JP2000356504 A JP 2000356504A JP 11168964 A JP11168964 A JP 11168964A JP 16896499 A JP16896499 A JP 16896499A JP 2000356504 A JP2000356504 A JP 2000356504A
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1及び第2の磁気ヘッドの位置を正確に検
出することができる。 【解決手段】 所定のピッチで磁気信号が記録されたマ
グネット群31と、所定の間隔をもって配設され、マグ
ネット群31に記録された磁気信号を検出する第1及び
第2の磁気ヘッド32a,32bと、第1及び第2の磁
気ヘッド32a,32bで検出された第1及び第2の検
出信号を第1及び第2のディジタル信号に変換し、第1
及び第2のディジタル信号の交点レベルで第1及び第2
のディジタル信号のうち、出力レベルの変化が大きい方
のディジタル信号に切り換えて第1及び第2の磁気ヘッ
ド32a,32bのマグネット群31に対する相対的な
位置を算出する位置検出回路とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォーカスレンズ
等の可動レンズの位置を検出する位置検出装置及びカメ
ラ装置並びにレンズ位置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラ装置は、鏡筒内に、対物レ
ンズや撮像素子が配設されるとともに、対物レンズと撮
像素子との間にズームレンズやフォーカスレンズ等の可
動レンズが配設されている。この可動レンズの位置検出
は、固定部となる鏡筒に取り付けられた位置検出素子と
可動レンズ側に取り付けられたマグネット群とからなる
位置検出センサにより行われている。そして、位置検出
素子からは、所定周期の正弦波に略近似される検出信号
が出力される。この検出信号に基づいて位置検出センサ
の位置、すなわち可動レンズの位置情報を生成する位置
検出回路は、正弦波の最大値及び最小値の近傍を含む全
体を用い位置情報を生成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出力レ
ベルが最大値及び最小値の近傍では、可動レンズの位置
変化に対して出力レベルの変化が小さくなる。加えて、
最大値や最小値の近傍において、歪み等のばらつきがあ
ると、正確な位置情報を生成することができない。した
がって、このような位置検出センサでは、可動レンズの
位置制御を正確に行うことができず、可動レンズを正確
に移動操作することができなくなる。
【0004】ところで、ビデオカメラ装置は、携帯可能
な程度まで小型化が図られている。したがって、この種
のビデオカメラ装置は、撮像部とマイクとが極めて近い
位置に配設されている。このため、小型のビデオカメラ
装置に上述した可動レンズの位置を検出する位置検出セ
ンサを用いた場合には、可動レンズか円滑に移動しない
ことに基づく音響ノイズがマイクに集音されてしまうこ
とになる。一方で、小型化が図られたビデオカメラ装置
では、マイクと撮像部とを離して配設することは困難で
ある。
【0005】そこで、本発明は、第1及び第2の磁気ヘ
ッドの位置を正確に検出することができる位置検出装置
を提供することを目的とする。
【0006】また、カメラ装置に用いられる可動レンズ
の位置を正確に検出することができるレンズ位置検出回
路を備えたカメラ装置を提供することを目的とする。
【0007】更に、カメラ装置に用いられる可動レンズ
の位置を正確に検出することができるレンズ位置検出方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位置検出装
置は、上述のような課題を解決すべく、所定のピッチで
磁気信号が記録されたマグネットと、所定の間隔をもっ
て配設され、マグネットに記録された磁気信号を検出す
る第1及び第2の磁気ヘッドと、第1及び第2の磁気ヘ
ッドで検出された第1及び第2の検出信号を第1及び第
2のディジタル信号に変換し、第1及び第2のディジタ
ル信号の交点レベルで第1及び第2のディジタル信号の
うち、出力レベルの変化が大きい方のディジタル信号に
切り換えて第1及び第2の磁気ヘッドのマグネットに対
する相対的な位置を算出する位置検出回路とを備える。
【0009】また、本発明に係るカメラ装置は、上述の
ような課題を解決すべく、鏡筒内に配設される固定レン
ズと撮像素子との間及び/又は固定レンズ間に配設され
る可動レンズ又は鏡筒に取り付けられ、磁気信号が所定
のピッチで記録されたマグネットと、鏡筒又は可動レン
ズに所定の間隔をもって取り付けられ、マグネットに記
録された磁気信号を検出する第1及び第2の磁気ヘッド
と、第1及び第2の磁気ヘッド検出された第1及び第2
の検出信号を第1及び第2のディジタル信号に変換し、
第1及び第2のディジタル信号の交点レベルで第1及び
第2のディジタル信号のうち、出力レベルの変化が大き
い方のディジタル信号に切り換えて第1及び第2の磁気
ヘッドのマグネットに対する相対的な位置を算出し、可
動レンズの位置を検出するレンズ位置検出回路とを備え
る。
【0010】更に、本発明に係るレンズ位置調整方法
は、上述した課題を解決すべく、略200μm〜略32
0μmの間隔で磁気信号が記録され、可動レンズ又はこ
の可動レンズが配設された鏡筒に取り付けられたマグネ
ットに対して、それぞれの出力の位相差が略90°とな
るように鏡筒又は可動レンズに取り付けられた第1及び
第2の磁気ヘッドを移動して、第1及び第2の磁気ヘッ
ドで検出された第1及び第2の検出信号を少なくとも1
周期分第1及び第2のディジタル信号に変換して取り込
む工程と、第1及び第2のディジタル信号の最大値及び
最小値を保持する工程と、第1及び第2のディジタル信
号の最大値及び最小値に基づいてマグネットに対する第
1及び第2の磁気ヘッドの相対的な位置を算出し、可動
レンズの位置を検出する工程とを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用されたビデオ
カメラ装置について、図面を参照して説明する。
【0012】このビデオカメラ装置は、携帯可能な大き
さまで小型化され、全体が略矩形状に形成されている。
そして、ビデオカメラ装置の前面部には、被写体を撮像
する撮像部1が設けられている。この撮像部1は、図1
に示すように、固定部となる鏡筒2内に複数の固定レン
ズと可動レンズとが光軸を一致させて配設されてなる。
具体的に、鏡筒2内には、固定レンズである対物レンズ
3と、複数の固定レンズからなる固定レンズ群4とが配
設され、対物レンズ3と固定レンズ群4との間に可動レ
ンズであるズームレンズ5が配設され、固定レンズ群4
と撮像素子6との間に可動レンズであるフォーカスレン
ズ7が配設されている。
【0013】固定レンズである対物レンズ3は、取付板
3aに取り付けられ、この取付板3aが鏡筒2に取り付
けられることで、鏡筒2より外方に臨んで配設されてい
る。また、固定レンズ群4も取付板4aに取り付けら
れ、図示しない取付機構により鏡筒2に取り付けられて
いる。また、撮像素子6は、例えばCCD(charge cou
pled device)であり、取付板6aに固定して取り付け
られている。
【0014】可動レンズであるズームレンズ5は、取付
板5aに取り付けられている。取付板5aには、一端
に、図示しないガイド孔が形成され、このガイド孔に
は、鏡筒2内に光軸と略平行に配設されたガイド軸8が
挿通されている。また、取付板5aの他端側には、ガイ
ド部材9が取り付けられ、このガイド部材9には、鏡筒
2に光軸と平行に配設されたガイド軸11が挿通されて
いる。また、可動レンズであるフォーカスレンズ7は、
取付板7aに取り付けられている。取付板7aには、一
端に、図示しないガイド孔が形成され、このガイド孔に
は、ガイド軸8が挿通されている。また、取付板7aに
は、他端側に、ガイド部材12が取り付けられている。
このガイド部材12には、ガイド軸11が挿通されてい
る。すなわち、ズームレンズ5及びフォーカスレンズ7
は、鏡筒2内に、取付板5a,7aを介して光軸と平行
のガイド軸8,11に支持されることで、鏡筒2内に光
軸方向に移動可能に取り付けられている。
【0015】これらズームレンズ5とフォーカスレンズ
7とは、図1に示すように、駆動機構13,14により
光軸方向に移動される。ズームレンズ5を移動させる駆
動機構13とフォーカスレンズ57を移動させる駆動機
構14は、ガイド軸11側に配設され、共にリニアモー
タよりなる。なお、駆動機構13と駆動機構14は、共
に同一の構成を有するため、以下同一の符号を付して説
明する。
【0016】駆動機構13,14は、ガイド部材9,1
2に取り付けられるボイスコイル15,15と、鏡筒2
に取り付けられたマグネットとヨークとからなる磁気回
路部16,16とからなる。駆動機構13,14は、ボ
イスコイル15,15に駆動信号が供給されると、光軸
方向に駆動力(ローレンツ力)を発生させ、ズームレン
ズ5とフォーカスレンズ7を光軸方向に移動させる。
【0017】ところで、駆動機構13,14を構成する
ボイスコイル15,15に流す電流は、ズームレンズ5
及びフォーカスレンズ7の位置をそれぞれ検出する位置
検出機構21,22の出力に基づいて制御される。すな
わち、本発明を適用したビデオカメラ装置では、位置検
出機構21,22の出力に基づいてズームレンズ5及び
フォーカスレンズ7の現在の位置、移動速度、加速度等
を算出し、これらのデータをフィードバックしながら駆
動電流を制御するサーボ制御を行っている。そして、ズ
ームレンズ5及びフォーカスレンズ7をなるべく短時間
に所望の位置に精度良く移動することが要求されること
から、ズームレンズ5及びフォーカスレンズ7の位置
は、非常に重要であり、その検出には高い精度が要求さ
れる。
【0018】ここで、これらの位置検出機構21,22
の具体的な構成について説明する。なお、ズームレンズ
用の位置検出機構21とフォーカスレンズ用の位置検出
機構22は、同じ構造を有するので、図2に示すよう
に、単に位置検出機構30として説明し、また、ズーム
レンズ5又はフォーカスレンズ7は、単に可動レンズ2
5として説明する。
【0019】位置検出機構30は、図2及び図3に示す
ように、可動レンズ25に連結されたマグネット群31
と、マグネット群31に対向して鏡筒部2に設けられた
センサ32a,32bとを備える。そして、可動レンズ
の移動に伴ってマグネット群31が移動し、これによ
り、マグネット群31とセンサ32a,32bは相対的
に移動する。
【0020】マグネット群31は、図3に示すように、
それぞれ幅がλ/2の複数のマグネット31aからな
り、隣接するマグネット31aは、着磁の方向が逆にな
るように密着して配置されている。可動レンズ25に必
要とされる微少な調節を考慮すると、λは、200μm
〜320μmであり、例えば200μmである。ま
た、、マグネット群31の全体の長さは、可動レンズ2
5、すなわちズームレンズ5又はフォーカスレンズ7の
可動範囲に対応している。
【0021】センサ32aは、図3に示すように、基板
29上に例えば薄膜形成された2つの磁気抵抗効果素子
(以下、MR素子という。)32a1,32a2からな
り、これらは互いに直列に接続され、その一端が電源V
ccに接続され、他端がアースGに接続されており、2
つのMR素子32a1,32a2の接続点がセンサ32a
の出力となっている。センサ32bも同様に、直列接続
された2つのMR素子32b1,32b2からなり、その
一端が電源Vccに接続され、他端がアースGに接続さ
れ、接続点がセンサ32bの出力となっている。また、
図4に示すように、λ/4を360度とすると、MR素
子32a1,32b1とMR素子32a2,32b2は、そ
れぞれ360度、すなわちλ/4離れて配設されている
とともに、MR素子32a1とMR素子32b1は、90
度、すなわちλ/16離れて配設されている。具体的
に、MR素子32a1とMR素子32b1との間隔は、ほ
ぼ50μmである。
【0022】また、位置検出機構30は、図5に示すよ
うに、センサ32a,32b(以下、単にセンサ32と
いう。)の出力にオフセット電圧を加える差動増幅器3
3と、差動増幅器33の出力を位置データに変換するア
ナログ/ディジタル変換器(以下、A/D変換器とい
う。)34と、A/D変換器34からの位置データに基
づいて、駆動機構13,14を構成するボイスコイル1
5,15に流れるの駆動電流を制御するとともに、セン
サ32の電源電圧及びオフセット電圧を制御するための
制御データを出力する位置演算回路35と、位置演算回
路35からの制御データをアナログ電圧に変換するディ
ジタル/アナログ変換器(以下、D/A変換器とい
う。)36とを備える。
【0023】そして、センサ32a,32bに対して、
マグネット群31を相対的に移動すると、センサ32
a,32bからは、図6に示すように、互いに位相が9
0度ずれ、周期がλの正弦波に略近似される信号(以
下、A相信号、B相信号という。)が出力される。これ
らのA相信号、B相信号は、図5に示すように、差動増
幅器33に供給される。
【0024】差動増幅器33は、A相信号、B相信号か
ら後述するオフセット電圧を減算し、減算結果をA/D
変換器34に供給する。A/D変換器34は、オフセッ
ト電圧が加えられたA相信号、B相信号をそれぞれ例え
ば8ビットのデータに変換して、位置演算回路35に供
給する。
【0025】位置演算回路35は、例えばマイクロプロ
セッサからなり、A/D変換器34からのデータに基づ
き、2相のデータを、それらの交点で切換ながら、可動
レンズの例えば位置、移動方向、移動速度、加速度を演
算し、例えば利用者が操作して設定した画角となるよう
に、ズームレンズ5を移動するためのズーム制御データ
を生成するとともに、図示しないフォーカスセンサの出
力が0とするようにフォーカスレンズを移動するための
フォーカス制御データを生成する。すなわち、センサの
出力レベルが最大値近傍では、可動レンズの位置の変化
に対してセンサの出力レベルの変化が小さくなるが、本
発明を適用したこのビデオカメラでは、2つのセンサ3
2a,32bを、出力位相が90度となるように配設
し、各センサ32a,32bの出力をそれらの交点で、
位置に対する感度が高い信号が常に得られるように切り
換えている。これにより、可動レンズ25を正確に目的
とする位置に移動することができる。
【0026】また、位置演算回路35は、ビデオカメラ
装置毎のセンサ32及び/又はマグネット群31の取付
ばらつき、MR素子32a1,32a2,32b1,32
2及び/又は磁石31aの温度特性や経年変化を考慮
して、後述するセンサ32のゲイン及びオフセット電圧
を制御するためのゲイン制御データ及びオフセット制御
データを生成する。
【0027】D/A変換器35は、これらの制御データ
をアナログ電圧に変換して、センサ32a,32bに印
加するとともに、差動増幅器33に供給する。なお、マ
イクロプロセッサとしては、A/D変換器、D/A変換
器を内蔵した種類のものを用いてもよく、この場合、外
付けのA/D変換器34及び/又はD/A変換器36は
不要である。
【0028】以上のような位置検出回路35の具体的な
動作ついて、図7に示すフローチャートを用いて説明す
る。
【0029】例えば利用者がビデオカメラ装置の電源を
投入すると、ステップS1において、位置演算回路35
は、センサ32のゲインが所定のゲインとなるようなゲ
イン制御データVgain1と、差動増幅器33がセンサ3
2の出力をそのまま出力するようなオフセット電圧を加
えないオフセット制御データVoffset0とを生成して、
D/A変換器36に供給する。D/A変換器36は、ゲ
イン制御データVgain1、オフセット制御データV
offset0をそれぞれアナログの電圧に変換し、ゲイン制
御データVgain1に基づいた電圧を電源電圧としてセン
サ32に供給するとともに、オフセット制御データV
offset0に基づいた電圧、すなわち0ボルトを差動増幅
器33の負入力端子に供給する。
【0030】ところで、センサ32の出力は、MR素子
32a1〜32b2に印加する電圧に比例する。したがっ
て、電源を投入した直後にセンサ32に印加される電圧
は、何れのビデオカメラ装置でも一定となるが、上述し
たように、センサ32及び/又はマグネット群31の取
付は、ビデオカメラ装置毎に異なっているので、ビデオ
カメラ装置毎のセンサ32の出力、すなわち位置演算回
路35に入力されるデータは異なったものとなる。
【0031】ステップS2において、位置演算回路35
は、可動レンズ25を例えば基準位置から少なくとも2
00μm、すなわち少なくとも1周期分のA相信号及び
B相信号が得られるように移動させる制御を行い、この
ときに得られるセンサ32の出力の最大値及び最小値を
MAX1、MIN1として記憶する。
【0032】ステップS3において、位置演算回路35
は、ゲイン制御データVgain2とオフセット制御データ
offset0を生成してD/A変換器36に供給する。
【0033】ステップS4において、位置演算回路35
は、再び可動レンズ25を少なくとも1周期分のA相信
号及びB相信号が得られるように移動させる制御を行
い、このときに得られるセンサ32の出力の最大値及び
最小値をMAX2、MIN2として記憶する。
【0034】ステップS5において、位置演算回路36
は、下記式1に従ってゲインVgainを算出し、ゲイン制
御データとしてD/A変換器36に供給するとともに、
オフセット電圧Voffsetを下記式2に従って算出し、オ
フセット制御データとして差動増幅器33の負入力端子
に供給する。
【0035】 Vgain={(Vtop−Vbottom)−(MAX1−MIN1)} ÷{(MAX2−MIN2)−(MAX1−MIN1)} ×(Vgain2−Vgain1)+Vgain1 ・・・式1 Voffset=(Vtop+Vbottom)/2−(Vgain−Vgain1) ÷(Vgain1−Vgain2)×{(MAX1+MIN1)/2 −(MAX2+MIN2)/2}+(MAX1+MIN1)/2 +Voffset0 ・・・式2 ここで、Vtop、Vbottomは、センサ32出力に要求さ
れる所定の電圧である。すなわち、位置演算回路36
は、上述した動作により、図8に示すように、ゲイン制
御データをVgain1からVgain2に変化させたときのセン
サ32の出力振幅の増加率を求め、この増加率に基づい
て、センサ32の出力振幅を(Vtop−Vbot tom)にす
るゲイン制御データVgainとオフセット制御データV
offsetを求める。かくして、製造時におけるセンサ32
及び/又はマグネット群31の取付等にビデオカメラ装
置毎のばらつきが存在しても、電源を投入して、上述の
処理が行われた後は、全てのビデオカメラにおいて略等
しいセンサ出力が得られる。換言すると、製造時に従来
必要とされたセンサ32及びマグネット群31の取付の
機械的な調整を不要とすることができる。また、例えば
日中と夜間、夏と冬の温度変化、特性の経年変化等に起
因するセンサ出力の変動を、使用時に常に較正すること
ができる。
【0036】そして、位置演算回路35は、以上のよう
にして較正したセンサ32、すなわちセンサ32a,3
2bの各出力であるA相信号とB相信号に基づき、上述
したように、可動レンズ25の位置、移動方向、移動速
度、加速度を検出して、可動レンズ25をなるべく短時
間に所望の位置に精度良く移動する制御を行う。具体的
には、位置演算回路35は、A相信号及びB相信号の精
度が高い部分を用いて、すなわちA相信号とB相信号の
交点で使用する信号を切り換えて傾きが急峻な部分を用
いて、可動レンズを目的の位置に正確に移動させる制御
を行う。
【0037】ところで、位置演算回路35にA相信号と
B相信号のデータを取り込むために、A/D変換器34
を用いていることから、取り込まれるデータは離散的な
ものであり、A/D変換器34のサンプリング周波数に
よっては、A相信号とB相信号の交点を正確に検出でき
ないことがある。そこで、本発明を適用したビデオカメ
ラ装置では、位置演算回路35に保持しておくサンプル
数をA相信号とB相信号の少なくとも1周期以上とし、
A相信号とB相信号の切換を、上述した図6に示すよう
に、A相の上の切換レベル、A相の下の切換レベル、内
挿で得られたB相の上の切換レベル、内挿で得られたB
相の下の切換レベルで行うようにしている。また、本発
明を適用したビデオカメラ装置では、例えばマグネット
群31がセンサ32に対して斜めに取り付けられ、セン
サ32のマグネット群31に対する相対的な位置の違い
により、A相信号及びB相信号の最大値(振幅)が変動
するのを無くすために、A相信号及びB相信号を、例え
ば最大値及び最小値を0と255に対応付け256ビッ
トで常に正規化するようにしている。
【0038】ここで、位置演算回路35におけるA相信
号及びB相信号の正規化及び切換動作の具体例につい
て、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0039】ステップS11において、位置演算回路3
5は、センサ32からオフセット調整用の差動増幅器3
3及びA/D変換器34を介して入力されるA相信号と
B相信号のデータ(以下、個々のデータをサンプル値と
いう。)を少なくとも1周期以上分順次取り込み、取り
込んだ順にA相信号とB相信号の各サンプル値が前に求
めたそれぞれの最大値(以下、A相の前最大値、B相の
前最大値という。)よりも大きいかを判定して、該当す
るときはステップS12に進み、該当しないときはステ
ップS13に進む。
【0040】ステップS12において、位置演算回路3
5は、それぞれA相の前最大値、B相の前最大値よりも
大きなA相信号及びB相信号の各サンプル値を新たな最
大値として保持し、ステップS13に進む。
【0041】ステップS13において、位置演算回路3
5は、A相信号とB相信号の各サンプル値が、それぞれ
A相の前最小値、B相の前最小値よりも小さいかを判定
して、該当するときはステップS14に進み、該当しな
いときはステップS15に進む。
【0042】ステップS14において、位置演算回路3
5は、それぞれA相の前最小値、B相の前最小値よりも
小さなA相信号とB相信号の各サンプル値を新たな最小
値として保持し、ステップS15に進む。
【0043】ステップS15において、位置演算回路3
5は、ステップS12及びステップS14で求めた最大
値及び最小値により、A相信号とB相信号の各サンプル
値を正規化して、ステップS16に進む。すなわち、位
置演算回路35は、ステップS11〜ステップS15の
処理により、例えばマグネット群31とセンサ32が相
対的に傾いて取り付けられ、センサ32のマグネット群
31に対する相対的な位置の違いによりセンサ32の出
力振幅が変動する場合でも、最大値及び最小値が常に一
定のA相信号とB相信号を得ることができる。
【0044】ところで、ステップS11〜ステップS1
4に処理において、最大値よりも大きな雑音を誤って保
持するおそれがある。そこで、本発明を適用したビデオ
カメラ装置では、以下の処理を設けている。
【0045】すなわち、ステップS16において、位置
演算回路35は、A相信号のサンプル値がA相信号の振
幅の中心値かを判定し、該当するときはステップS17
に進み、該当しないときはステップS19に進む。
【0046】ステップS17において、位置演算回路3
5は、振幅の中心値であるA相信号のサンプル値に対応
したB相信号のサンプル値が、B相信号の振幅の中心値
よりも大きいかを判定し、該当するときはステップS1
8に進み、該当しないときはステップS19に進む。
【0047】ステップS18において、位置演算回路3
5は、B相信号の現在のサンプル値をB相信号の最大値
として、ステップS19に進む。
【0048】ステップS19において、位置演算回路3
5は、B相信号のサンプル値がB相信号の振幅の中心値
かを判定し、該当するときはステップS20に進み、該
当しないときはステップS22に進む。
【0049】ステップS20において、位置演算回路3
5は、振幅の中心値であるB相信号のサンプル値に対応
したA相信号のサンプル値が、A相信号の振幅の中心値
よりも大きいかを判定し、該当するときはステップS2
1に進み、該当しないときはステップS22に進む。
【0050】ステップS21において、位置演算回路3
5は、A相信号の現在のサンプル値をA相信号の最大値
として、ステップS22に進む。
【0051】ステップS22において、ステップS18
及びステップ21に求めた最大値及び最小値により、A
相信号とB相信号の各サンプル値を正規化して、ステッ
プS23に進む。すなわち、A相信号とB相信号は位相
が90度異なることから、いずれか一方が振幅の中心値
であときは、他方は最大値又は最小値である。したがっ
て、位置演算回路35は、ステップS11〜ステップS
15の処理において誤って雑音をA相信号又はB相信号
の最大値として保持した場合であっても、ステップ16
〜ステップ21の処理により、各相信号の正しい最大値
を求めることができる。
【0052】ところで、上述したように、位置演算回路
35には、A相信号とB相信号が離散的なサンプル値と
して取り込まれ、A相信号とB相信号の交点を正確に特
定することができない。そこで、本発明を適用したビデ
オカメラでは、以下の処理により、A相信号とB相信号
の切換を行っている。
【0053】ステップS23において、位置演算回路3
5は、図10に示すように、各サンプル値を順次所定レ
ベルであるA相の上の切換レベルcrossA1と比較
し、現サンプル値が切換レベルcrossA1を超えた
かを判定し、該当するときはステップS24に進み、該
当しないときはステップS27に進む。
【0054】ステップS24において、位置演算回路3
5は、B相信号の現サンプル値が、B相信号の振幅の中
心値よりも大きいかを判定し、該当するときはステップ
S25に進み、該当しないときはステップS26に進
む。
【0055】ステップS25において、位置演算回路3
5は、前サンプル値と現サンプル値の内挿、例えば下記
式3により、B相の上の切換レベルcurB1を算出し
て、ステップ27に進む。
【0056】 curB1= curB−{(crossA−curA)(curB−prevB)} /{(prevA−curA)} ・・・式3 ここで、crossAは、A相の切換レベルであり、図
6に示すA相の上の切換レベルcrossA1又は下の
切換レベルcrossA2が代入され、prevA,p
revB、curA、curBは、図10に示すよう
に、A相の前サンプル値、B相の前サンプル値、A相の
現サンプル値、B相の現サンサンプル値である。
【0057】一方、ステップS26において、位置演算
回路35は、式3により、B相の下の切換レベルcur
2を算出して、ステップS27に進む。
【0058】ステップS27において、位置演算回路3
5は、各サンプル値を順次所定レベルであるA相の下の
切換レベルcrossA2と比較し、現サンプル値が切
換レベルcrossA2を下回ったかを判定し、該当す
るときはステップS28に進み、該当しないときはステ
ップS31に進む。
【0059】ステップS28において、位置演算回路3
5は、B相信号の現サンプル値が、B相信号の振幅の中
心値よりも大きいかを判定し、該当するときはステップ
S29に進み、該当しないときはステップS30に進
む。
【0060】ステップS29において、位置演算回路3
5は、式3により、B相の上の切換レベルcurB1
算出して、ステップ31に進む。
【0061】一方、ステップS30において、位置演算
回路35は、式3により、B相の下の切換レベルcur
2を算出して、ステップS31に進む。
【0062】ステップS31において、位置演算回路3
5は、A相信号とB相信号の各サンプル値を、A相及B
相の上下の切換レベルで正規化し、位置データとする。
【0063】すなわち、本発明を適用したビデオカメラ
では、最大値と最小値による正規化と、上下の切換レベ
ルによる正規化との2回の初期化を行い、1回目の規格
化後のA相とB相の値がほぼ同じになった位置でのレベ
ル、すなわち電圧をA相の切換レベルとして保持してお
き、初期化動作の後の通常動作中ではこのA相の切換レ
ベルの更新を行わない。そして、B相の切換レベルは、
通常動作中にA相の前回の正規化で得られた前サンプル
値と、現サンプル値とを比較して、A相の切換レベルを
跨いでいるときのレベルとしている。
【0064】ビデオカメラ装置は、A相信号とB相信号
の切換を上述のように行うことから、可動レンズ25の
位置を正確に検出することができることから、可動レン
ズ25を駆動機構13,14により円滑に移動すること
ができ、可動レンズ30の位置精度の悪化に伴う音響ノ
イズの発生を防止することができる。特に、携帯可能な
大きさまで小型化され、駆動機構13,14とマイクと
の位置が極めて近くに配設されたビデオカメラ装置で
は、音響ノイズがマイクに集音されることがなくなるの
で特に有効である。
【0065】以上、本発明が適用されたビデオカメラ装
置について図面を参照して説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、静止画を撮影するいわゆるデ
ィジタルカメラ装置にも適用することができる。また、
上述した例では、鏡筒2にセンサが取り付けられ、可動
レンズにマグネット群が取り付けられている場合につい
て説明したが、これとは逆に、センサを可動レンズに取
り付け、マグネット群を鏡筒に取り付けるようにしても
良い。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、第1及び第2の磁気ヘ
ッドで検出された第1及び第2の検出信号を第1及び第
2のディジタル信号に変換し、第1及び第2のディジタ
ル信号の交点レベルで第1及び第2のディジタル信号の
うち、出力レベルの変化が大きい方のディジタル信号に
切り換えて第1及び第2の磁気ヘッドの位置を検出する
ことから、位置に対する感度が高い信号を得ることがで
きる。したがって、磁気ヘッドの位置を正確に検出する
ことができ、例えばカメラ装置等の可動レンズの位置を
正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたビデオカメラ装置の鏡筒の
断面図である。
【図2】可動レンズの駆動機構の要部側面図である。
【図3】可動レンズの位置を検出する位置検出機構の斜
視図である。
【図4】位置検出機構を構成するセンサとマグネット群
との関係を示す側面図である。
【図5】位置検出機構の制御系を示すブロック図であ
る。
【図6】2相センサの出力特性を示す図である。
【図7】ゲイン・オフセットを調整する手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】センサのゲインとセンサの出力レベルを示す図
である。
【図9】2相のセンサの切換手順を示すフローチャート
である。
【図10】B相の切換電圧の算出例を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 撮像部、2 鏡筒、3 対物レンズ、4 固定レン
ズ群、5 ズームレンズ、6 撮像素子、7 フォーカ
スレンズ、13,14 駆動機構(リニアモータ)、2
1,22 位置検出機構、31 マグネット、32a,
32b MRセンサ、34 A/D変換器、35 位置検
出回路、36 D/A変換器
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月22日(1999.7.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 位置検出装置、カメラ装置及びレンズ
位置検出方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォーカスレンズ
等の可動レンズの位置を検出する位置検出装置及びカメ
ラ装置並びにレンズ位置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラ装置は、鏡筒内に、対物レ
ンズや撮像素子が配設されるとともに、対物レンズと撮
像素子との間にズームレンズやフォーカスレンズ等の可
動レンズが配設されている。この可動レンズの位置検出
は、固定部となる鏡筒に取り付けられた位置検出素子と
可動レンズ側に取り付けられたマグネットとからなる位
置検出センサにより行われている。そして、位置検出素
子からは、所定周期の正弦波に略近似される検出信号が
出力される。この検出信号に基づいて位置検出センサの
位置、すなわち可動レンズの位置情報を生成する位置検
出回路は、正弦波の最大値及び最小値の近傍を含む全体
を用い位置情報を生成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出力レ
ベルが最大値及び最小値の近傍では、可動レンズの位置
変化に対して出力レベルの変化が小さくなる。加えて、
最大値や最小値の近傍において、歪み等のばらつきがあ
ると、正確な位置情報を生成することができない。した
がって、このような位置検出センサでは、可動レンズの
位置制御を正確に行うことができず、可動レンズを正確
に移動操作することができなくなる。
【0004】ところで、ビデオカメラ装置の中には、携
帯可能な大きさまで小型化が図られたものがある。この
種のビデオカメラ装置は、撮像部とマイクとが極めて近
い位置に配設されている。このため、小型のビデオカメ
ラ装置に上述した可動レンズの位置を検出する位置検出
センサを用いた場合には、可動レンズか円滑に移動しな
いことに基づく音響ノイズがマイクに集音されてしまう
ことになる。一方で、小型化が図られたビデオカメラ装
置では、マイクと撮像部とを離して配設することは困難
である。
【0005】そこで、本発明は、第1及び第2の磁気ヘ
ッドの位置を正確に検出することができる位置検出装置
を提供することを目的とする。
【0006】また、カメラ装置に用いられる可動レンズ
の位置を正確に検出することができるレンズ位置検出回
路を備えたカメラ装置を提供することを目的とする。
【0007】更に、カメラ装置に用いられる可動レンズ
の位置を正確に検出することができるレンズ位置検出方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位置検出装
置は、上述のような課題を解決すべく、所定のピッチで
磁気信号が記録されたマグネットと、所定の間隔をもっ
て配設され、マグネットに記録された磁気信号を検出す
る第1及び第2の磁気ヘッドと、第1及び第2の磁気ヘ
ッドで検出された第1及び第2の検出信号を第1及び第
2のディジタル信号に変換し、第1及び第2のディジタ
ル信号の交点レベルで第1及び第2のディジタル信号の
うち、出力レベルの変化が大きい方のディジタル信号に
切り換えて第1及び第2の磁気ヘッドのマグネットに対
する相対的な位置を算出する位置検出回路とを備える。
【0009】また、本発明に係るカメラ装置は、上述の
ような課題を解決すべく、鏡筒内に配設される固定レン
ズと撮像素子との間及び/又は固定レンズ間に配設され
る可動レンズ又は鏡筒に取り付けられ、磁気信号が所定
のピッチで記録されたマグネットと、鏡筒又は可動レン
ズに所定の間隔をもって取り付けられ、マグネットに記
録された磁気信号を検出する第1及び第2の磁気ヘッド
と、第1及び第2の磁気ヘッドで検出された第1及び第
2の検出信号を第1及び第2のディジタル信号に変換
し、第1及び第2のディジタル信号の交点レベルで第1
及び第2のディジタル信号のうち、出力レベルの変化が
大きい方のディジタル信号に切り換えて第1及び第2の
磁気ヘッドのマグネットに対する相対的な位置を算出
し、可動レンズの位置を検出するレンズ位置検出回路と
を備える。
【0010】更に、本発明に係るレンズ位置調整方法
は、上述した課題を解決すべく、略200μm〜略32
0μmの間隔で磁気信号が記録され、可動レンズ又はこ
の可動レンズが配設された鏡筒に取り付けられたマグネ
ットに対して、それぞれの出力の位相差が略90°とな
るように鏡筒又は可動レンズに取り付けられた第1及び
第2の磁気ヘッドを移動して、第1及び第2の磁気ヘッ
ドで検出された第1及び第2の検出信号を少なくとも1
周期分第1及び第2のディジタル信号に変換して取り込
む工程と、第1及び第2のディジタル信号の最大値及び
最小値を保持する工程と、第1及び第2のディジタル信
号の最大値及び最小値に基づいてマグネットに対する第
1及び第2の磁気ヘッドの相対的な位置を算出し、可動
レンズの位置を検出する工程とを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用されたビデオ
カメラ装置について、図面を参照して説明する。
【0012】このビデオカメラ装置は、携帯可能な大き
さまで小型化され、全体が略矩形状に形成されている。
そして、ビデオカメラ装置の前面部には、被写体を撮像
する撮像部1が設けられている。この撮像部1は、図1
に示すように、固定部となる鏡筒2内に複数の固定レン
ズと可動レンズとが光軸を一致させて配設されてなる。
具体的に、鏡筒2内には、固定レンズである対物レンズ
3と、複数の固定レンズからなる固定レンズ群4とが配
設され、対物レンズ3と固定レンズ群4との間に可動レ
ンズであるズームレンズ5が配設され、固定レンズ群4
と撮像素子6との間に可動レンズであるフォーカスレン
ズ7が配設されている。
【0013】固定レンズである対物レンズ3は、取付板
3aに取り付けられ、この取付板3aが鏡筒2に取り付
けられることで、鏡筒2より外方に臨んで配設されてい
る。また、固定レンズ群4も取付板4aに取り付けら
れ、図示しない取付機構により鏡筒2に取り付けられて
いる。また、撮像素子6は、例えばCCD(charge cou
pled device)であり、取付板6aに固定して取り付け
られている。
【0014】可動レンズであるズームレンズ5は、取付
板5aに取り付けられている。取付板5aには、一端
に、図示しないガイド孔が形成され、このガイド孔に
は、鏡筒2内に光軸と略平行に配設されたガイド軸8が
挿通されている。また、取付板5aの他端側には、ガイ
ド部材9が取り付けられ、このガイド部材9には、鏡筒
2に光軸と平行に配設されたガイド軸11が挿通されて
いる。また、可動レンズであるフォーカスレンズ7は、
取付板7aに取り付けられている。取付板7aには、一
端に、図示しないガイド孔が形成され、このガイド孔に
は、ガイド軸8が挿通されている。また、取付板7aに
は、他端側に、ガイド部材12が取り付けられている。
このガイド部材12には、ガイド軸11が挿通されてい
る。すなわち、ズームレンズ5及びフォーカスレンズ7
は、鏡筒2内に、取付板5a,7aを介して光軸と平行
のガイド軸8,11に支持されることで、鏡筒2内に光
軸方向に移動可能に取り付けられている。
【0015】これらズームレンズ5とフォーカスレンズ
7とは、図1に示すように、駆動機構13,14により
光軸方向に移動される。ズームレンズ5を移動させる駆
動機構13とフォーカスレンズ7を移動させる駆動機構
14は、ガイド軸11側に配設され、共にリニアモータ
よりなる。なお、駆動機構13と駆動機構14は、共に
同一の構成を有するため、以下同一の符号を付して説明
する。
【0016】駆動機構13,14は、ガイド部材9,1
2に取り付けられるボイスコイル15,15と、鏡筒2
に取り付けられたマグネットとヨークとからなる磁気回
路部16,16とからなる。駆動機構13,14は、ボ
イスコイル15,15に駆動信号が供給されると、光軸
方向に駆動力(ローレンツ力)を発生させ、ズームレン
ズ5とフォーカスレンズ7を光軸方向に移動させる。
【0017】ところで、駆動機構13,14を構成する
ボイスコイル15,15に流す電流は、ズームレンズ5
及びフォーカスレンズ7の位置をそれぞれ検出する位置
検出機構21,22の出力に基づいて制御される。すな
わち、本発明を適用したビデオカメラ装置では、位置検
出機構21,22の出力に基づいてズームレンズ5及び
フォーカスレンズ7の現在の位置、移動速度、加速度等
を算出し、これらのデータをフィードバックしながら駆
動電流を制御するサーボ制御を行っている。そして、ズ
ームレンズ5及びフォーカスレンズ7をなるべく短時間
に所望の位置に精度良く移動することが要求されること
から、ズームレンズ5及びフォーカスレンズ7の位置
は、非常に重要であり、その検出には高い精度が要求さ
れる。
【0018】ここで、これらの位置検出機構21,22
の具体的な構成について説明する。なお、ズームレンズ
用の位置検出機構21とフォーカスレンズ用の位置検出
機構22は、同じ構造を有するので、図2に示すよう
に、単に位置検出機構30として説明し、また、ズーム
レンズ5又はフォーカスレンズ7は、単に可動レンズ2
5として説明する。
【0019】位置検出機構30は、図2及び図3に示す
ように、可動レンズ25に連結されたマグネット31
と、マグネット31に対向して鏡筒部2に設けられたセ
ンサ32a,32bとを備える。そして、可動レンズの
移動に伴ってマグネット31が移動し、これにより、マ
グネット31とセンサ32a,32bは相対的に移動す
る。
【0020】マグネット31は、図3に示すように、そ
れぞれ幅がλ/2の複数の磁極31aからなり、隣接す
る磁極31aは、着磁の方向が互いに逆向きになってい
る。可動レンズ25に必要とされる微少な調節を考慮す
ると、λは、200μm〜320μmであり、例えば2
00μmである。また、、マグネット31の全体の長さ
は、可動レンズ25、すなわちズームレンズ5又はフォ
ーカスレンズ7の可動範囲に対応している。
【0021】センサ32aは、図3に示すように、基板
29上に例えば薄膜形成された2つの磁気抵抗効果素子
(以下、MR素子という。)32a1,32a2からな
り、これらは互いに直列に接続され、その一端が電源V
ccに接続され、他端がアースGに接続されており、2
つのMR素子32a1,32a2の接続点がセンサ32
aの出力となっている。センサ32bも同様に、直列接
続された2つのMR素子32b1,32b2からなり、
その一端が電源Vccに接続され、他端がアースGに接
続され、接続点がセンサ32bの出力となっている。ま
た、図4に示すように、λ/4を180度とすると、M
R素子32a1,32b1とMR素子32a2,32b
2は、それぞれ180度の整数倍、すなわちλ/4の整
数倍離れて配設されているとともに、MR素子32a1
とMR素子32b1は、90度、すなわちλ/8の整数
倍離れて配設されている。具体的に、MR素子32a1
とMR素子32b1との間隔は、ほぼ50μmである。
【0022】また、位置検出機構30は、図5に示すよ
うに、センサ32a,32b(以下、単にセンサ32と
いう。)の出力にオフセット電圧を加える差動増幅器3
3と、差動増幅器33の出力を位置データに変換するア
ナログ/ディジタル変換器(以下、A/D変換器とい
う。)34と、A/D変換器34からの位置データに基
づいて、駆動機構13,14を構成するボイスコイル1
5,15に流れるの駆動電流を制御するとともに、セン
サ32の電源電圧及びオフセット電圧を制御するための
制御データを出力する位置演算回路35と、位置演算回
路35からの制御データをアナログ電圧に変換するディ
ジタル/アナログ変換器(以下、D/A変換器とい
う。)36とを備える。
【0023】そして、センサ32a,32bに対して、
マグネット31を相対的に移動すると、センサ32a,
32bからは、図6に示すように、互いに位相が90度
ずれ、周期がλの正弦波に略近似される信号(以下、A
相信号、B相信号という。)が出力される。これらのA
相信号、B相信号は、図5に示すように、差動増幅器3
3に供給される。
【0024】差動増幅器33は、A相信号、B相信号か
ら後述するオフセット電圧を減算し、減算結果をA/D
変換器34に供給する。A/D変換器34は、オフセッ
ト電圧が加えられたA相信号、B相信号をそれぞれ例え
ば8ビットのデータに変換して、位置演算回路35に供
給する。
【0025】位置演算回路35は、例えばマイクロプロ
セッサからなり、A/D変換器34からのデータに基づ
き、2相のデータを、それらの交点で切換ながら、可動
レンズの例えば位置、移動方向、移動速度、加速度を演
算し、例えば利用者が操作して設定した画角となるよう
に、ズームレンズ5を移動するためのズーム制御データ
を生成するとともに、図示しないフォーカスセンサの出
力が0とするようにフォーカスレンズ7を移動するため
のフォーカス制御データを生成する。すなわち、センサ
の出力レベルが最大値近傍では、可動レンズの位置の変
化に対してセンサの出力レベルの変化が小さくなるが、
本発明を適用したこのビデオカメラ装置では、2つのセ
ンサ32a,32bを、出力位相が90度となるように
配設し、各センサ32a,32bの出力をそれらの交点
で、位置に対する感度が高い信号が常に得られるように
切り換えている。これにより、可動レンズ25を正確に
目的とする位置に移動することができる。
【0026】また、位置演算回路35は、ビデオカメラ
装置毎のセンサ32及び/又はマグネット31の取付ば
らつき、MR素子32a1,32a2,32b1,32
b2及び/又はマグネット31の温度特性や経年変化を
考慮して、後述するセンサ32のゲイン及びオフセット
電圧を制御するためのゲイン制御データ及びオフセット
制御データを生成する。
【0027】D/A変換器35は、これらの制御データ
をアナログ電圧に変換して、センサ32a,32bに印
加するとともに、差動増幅器33に供給する。なお、マ
イクロプロセッサとしては、A/D変換器、D/A変換
器を内蔵した種類のものを用いてもよく、この場合、外
付けのA/D変換器34及び/又はD/A変換器36は
不要である。
【0028】以上のような位置検出回路35の具体的な
動作ついて、図7に示すフローチャートを用いて説明す
る。
【0029】例えば利用者がビデオカメラ装置の電源を
投入すると、ステップS1において、位置演算回路35
は、センサ32のゲインが所定のゲインとなるようなゲ
イン制御データVgain1と、差動増幅器33がセン
サ32の出力をそのまま出力するようなオフセット電圧
を加えないオフセット制御データVoffset0とを
生成して、D/A変換器36に供給する。D/A変換器
36は、ゲイン制御データVgain1、オフセット制
御データVoffset0をそれぞれアナログの電圧に
変換し、ゲイン制御データVgain1に基づいた電圧
を電源電圧としてセンサ32に供給するとともに、オフ
セット制御データVoffset0に基づいた電圧、す
なわち0ボルトを差動増幅器33の負入力端子に供給す
る。
【0030】ところで、センサ32の出力は、MR素子
32a1〜32b2に印加する電圧に比例する。したが
って、電源を投入した直後にセンサ32に印加される電
圧は、何れのビデオカメラ装置でも一定となるが、上述
したように、センサ32及び/又はマグネット31の取
付は、ビデオカメラ装置毎に異なっているので、ビデオ
カメラ装置毎のセンサ32の出力、すなわち位置演算回
路35に入力されるデータは異なったものとなる。
【0031】ステップS2において、位置演算回路35
は、可動レンズ25を例えば基準位置から少なくとも2
00μm、すなわち少なくとも1周期分のA相信号及び
B相信号が得られるように移動させる制御を行い、この
ときに得られるセンサ32の出力の最大値及び最小値を
MAX1、MIN1として記憶する。
【0032】ステップS3において、位置演算回路35
は、ゲイン制御データVgain2とオフセット制御デ
ータVoffset0を生成してD/A変換器36に供
給する。
【0033】ステップS4において、位置演算回路35
は、再び可動レンズ25を少なくとも1周期分のA相信
号及びB相信号が得られるように移動させる制御を行
い、このときに得られるセンサ32の出力の最大値及び
最小値をMAX2、MIN2として記憶する。
【0034】ステップS5において、位置演算回路36
は、下記式1に従ってゲインVgainを算出し、ゲイ
ン制御データとしてD/A変換器36に供給するととも
に、オフセット電圧Voffsetを下記式2に従って
算出し、オフセット制御データとして差動増幅器33の
負入力端子に供給する。
【0035】 Vgain={(Vtop−Vbottom)−(MAX1−MIN1)} ÷{(MAX2−MIN2)−(MAX1−MIN1)} ×(Vgain2−Vgain1)+Vgain1 ・・・式1 Voffset=(Vtop+Vbottom)/2−(Vgain−Vga in1) ÷(Vgain1−Vgain2)×{(MAX1+MIN1)/ 2 −(MAX2+MIN2)/2}+(MAX1+MIN1)/2 +Voffset0 ・・・式2 ここで、Vtop、Vbottomは、センサ32出力
に要求される所定の電圧である。すなわち、位置演算回
路36は、上述した動作により、図8に示すように、ゲ
イン制御データをVgain1からVgain2に変化
させたときのセンサ32の出力振幅の増加率を求め、こ
の増加率に基づいて、センサ32の出力振幅を(Vto
p−Vbottom)にするゲイン制御データVgai
nとオフセット制御データVoffsetを求める。か
くして、製造時におけるセンサ32及び/又はマグネッ
ト31の取付等にビデオカメラ装置毎のばらつきが存在
しても、電源を投入して、上述の処理が行われた後は、
全てのビデオカメラ装置において略等しいセンサ出力が
得られる。換言すると、製造時に従来必要とされたセン
サ32及びマグネット31の取付の機械的な調整を不要
とすることができる。また、例えば日中と夜間、夏と冬
の温度変化、特性の経年変化等に起因するセンサ出力の
変動を、使用時に常に較正することができる。
【0036】そして、位置演算回路35は、以上のよう
にして較正したセンサ32、すなわちセンサ32a,3
2bの各出力であるA相信号とB相信号に基づき、上述
したように、可動レンズ25の位置、移動方向、移動速
度、加速度を検出して、可動レンズ25をなるべく短時
間に所望の位置に精度良く移動する制御を行う。具体的
には、位置演算回路35は、A相信号及びB相信号の精
度が高い部分を用いて、すなわちA相信号とB相信号の
交点で使用する信号を切り換えて傾きが急峻な部分を用
いて、可動レンズを目的の位置に正確に移動させる制御
を行う。
【0037】ところで、位置演算回路35にA相信号と
B相信号のデータを取り込むために、A/D変換器34
を用いていることから、取り込まれるデータは離散的な
ものであり、A/D変換器34のサンプリング周波数に
よっては、A相信号とB相信号の交点を正確に検出でき
ないことがある。そこで、本発明を適用したビデオカメ
ラ装置では、位置演算回路35に保持しておくサンプル
数をA相信号とB相信号の少なくとも1周期以上とし、
A相信号とB相信号の切換を、上述した図6に示すよう
に、A相の上の切換レベル、A相の下の切換レベル、内
挿で得られたB相の上の切換レベル、内挿で得られたB
相の下の切換レベルで行うようにしている。また、本発
明を適用したビデオカメラ装置では、例えばマグネット
31がセンサ32に対して斜めに取り付けられ、センサ
32のマグネット31に対する相対的な位置の違いによ
り、A相信号及びB相信号の最大値(振幅)が変動する
のを無くすために、A相信号及びB相信号を、例えば最
大値及び最小値を0と255に対応付け256ビットで
常に正規化するようにしている。
【0038】ここで、位置演算回路35におけるA相信
号及びB相信号の正規化及び切換動作の具体例につい
て、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0039】ステップS11において、位置演算回路3
5は、センサ32からオフセット調整用の差動増幅器3
3及びA/D変換器34を介して入力されるA相信号と
B相信号のデータ(以下、個々のデータをサンプル値と
いう。)を少なくとも1周期以上分順次取り込み、取り
込んだ順にA相信号とB相信号の各サンプル値が前に求
めたそれぞれの最大値(以下、A相の前最大値、B相の
前最大値という。)よりも大きいかを判定して、該当す
るときは、ステップS12に進み、該当しないときは、
ステップS13に進む。
【0040】ステップS12において、位置演算回路3
5は、それぞれA相の前最大値、B相の前最大値よりも
大きなA相信号及びB相信号の各サンプル値を新たな最
大値として保持し、ステップS13に進む。
【0041】ステップS13において、位置演算回路3
5は、A相信号とB相信号の各サンプル値が、それぞれ
A相の前最小値、B相の前最小値よりも小さいかを判定
して、該当するときは、ステップS14に進み、該当し
ないときは、ステップS15に進む。
【0042】ステップS14において、位置演算回路3
5は、それぞれA相の前最小値、B相の前最小値よりも
小さなA相信号とB相信号の各サンプル値を新たな最小
値として保持し、ステップS15に進む。
【0043】ステップS15において、位置演算回路3
5は、ステップS12及びステップS14で求めた最大
値及び最小値により、A相信号とB相信号の各サンプル
値を正規化して、ステップS16に進む。すなわち、位
置演算回路35は、ステップS11〜ステップS15の
処理により、例えばマグネット31とセンサ32が相対
的に傾いて取り付けられ、センサ32のマグネット31
に対する相対的な位置の違いによりセンサ32の出力振
幅が変動する場合でも、最大値及び最小値が常に一定の
A相信号とB相信号を得ることができる。
【0044】ところで、ステップS11〜ステップS1
4に処理において、最大値よりも大きな雑音を誤って保
持するおそれがある。そこで、本発明を適用したビデオ
カメラ装置では、以下の処理を設けている。
【0045】すなわち、ステップS16において、位置
演算回路35は、A相信号のサンプル値がA相信号の振
幅の中心値かを判定し、該当するときは、ステップS1
7に進み、該当しないときは、ステップS19に進む。
【0046】ステップS17において、位置演算回路3
5は、振幅の中心値であるA相信号のサンプル値に対応
したB相信号のサンプル値が、B相信号の振幅の中心値
よりも大きいかを判定し、該当するときは、ステップS
18に進み、該当しないときは、ステップS19に進
む。
【0047】ステップS18において、位置演算回路3
5は、B相信号の現在のサンプル値をB相信号の最大値
として、ステップS19に進む。
【0048】ステップS19において、位置演算回路3
5は、B相信号のサンプル値がB相信号の振幅の中心値
かを判定し、該当するときは、ステップS20に進み、
該当しないときは、ステップS22に進む。
【0049】ステップS20において、位置演算回路3
5は、振幅の中心値であるB相信号のサンプル値に対応
したA相信号のサンプル値が、A相信号の振幅の中心値
よりも大きいかを判定し、該当するときはステップS2
1に進み、該当しないときはステップS22に進む。
【0050】ステップS21において、位置演算回路3
5は、A相信号の現在のサンプル値をA相信号の最大値
として、ステップS22に進む。
【0051】ステップS22において、ステップS18
及びステップ21に求めた最大値及び最小値により、A
相信号とB相信号の各サンプル値を正規化して、ステッ
プS23に進む。すなわち、A相信号とB相信号は位相
が90度異なることから、いずれか一方が振幅の中心値
であるときは、他方は最大値又は最小値である。したが
って、位置演算回路35は、ステップS11〜ステップ
S15の処理において誤って雑音をA相信号又はB相信
号の最大値として保持した場合であっても、ステップ1
6〜ステップ21の処理により、各相信号の正しい最大
値を求めることができる。
【0052】ところで、上述したように、位置演算回路
35には、A相信号とB相信号が離散的なサンプル値と
して取り込まれ、A相信号とB相信号の交点を正確に特
定することができない。そこで、本発明を適用したビデ
オカメラでは、以下の処理により、A相信号とB相信号
の切換を行っている。
【0053】ステップS23において、位置演算回路3
5は、図10に示すように、各サンプル値を順次所定レ
ベルであるA相の上の切換レベルcrossA1と比較
し、現サンプル値が切換レベルcrossA1を超えた
かを判定し、該当するときは、ステップS24に進み、
該当しないときは、ステップS27に進む。
【0054】ステップS24において、位置演算回路3
5は、B相信号の現サンプル値が、B相信号の振幅の中
心値よりも大きいかを判定し、該当するときは、ステッ
プS25に進み、該当しないときは、ステップS26に
進む。
【0055】ステップS25において、位置演算回路3
5は、前サンプル値と現サンプル値の内挿、例えば下記
式3により、B相の上の切換レベルcurB1を算出し
て、ステップ27に進む。
【0056】 curB1= curB−{(crossA−curA)(curB−prevB)} /{(prevA−curA)} ・・・式3 ここで、crossAは、A相の切換レベルであり、図
6に示すA相の上の切換レベルcrossA1又は下の
切換レベルcrossA2が代入され、prevA,p
revB、curA、curBは、図10に示すよう
に、A相の前サンプル値、B相の前サンプル値、A相の
現サンプル値、B相の現サンプル値である。
【0057】一方、ステップS26において、位置演算
回路35は、式3により、B相の下の切換レベルcur
B2を算出して、ステップS27に進む。
【0058】ステップS27において、位置演算回路3
5は、各サンプル値を順次所定レベルであるA相の下の
切換レベルcrossA2と比較し、現サンプル値が切
換レベルcrossA2を下回ったかを判定し、該当す
るときは、ステップS28に進み、該当しないときは、
ステップS31に進む。
【0059】ステップS28において、位置演算回路3
5は、B相信号の現サンプル値が、B相信号の振幅の中
心値よりも大きいかを判定し、該当するときはステップ
S29に進み、該当しないときはステップS30に進
む。
【0060】ステップS29において、位置演算回路3
5は、式3により、B相の上の切換レベルcurB1を
算出して、ステップ31に進む。
【0061】一方、ステップS30において、位置演算
回路35は、式3により、B相の下の切換レベルcur
B2を算出して、ステップS31に進む。
【0062】ステップS31において、位置演算回路3
5は、A相信号とB相信号の各サンプル値を、A相及B
相の上下の切換レベルで正規化し、位置データとする。
【0063】すなわち、本発明を適用したビデオカメラ
では、最大値と最小値による正規化と、上下の切換レベ
ルによる正規化との2回の初期化を行い、1回目の規格
化後のA相とB相の値がほぼ同じになった位置でのレベ
ル、すなわち電圧をA相の切換レベルとして保持してお
き、初期化動作の後の通常動作中ではこのA相の切換レ
ベルの更新を行わない。そして、B相の切換レベルは、
通常動作中にA相の前回の正規化で得られた前サンプル
値と、現サンプル値とを比較して、A相の切換レベルを
跨いでいるときのレベルとしている。
【0064】ビデオカメラ装置は、A相信号とB相信号
の切換を上述のように行うことから、可動レンズ25の
位置を正確に検出することができることから、可動レン
ズ25を駆動機構13,14により円滑に移動すること
ができ、可動レンズ30の位置精度の悪化に伴う音響ノ
イズの発生を防止することができる。特に、携帯可能な
大きさまで小型化され、駆動機構13,14とマイクと
の位置が極めて近くに配設されたビデオカメラ装置で
は、音響ノイズがマイクに集音されることがなくなるの
で特に有効である。
【0065】以上、本発明が適用されたビデオカメラ装
置について図面を参照して説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、静止画を撮影するいわゆるデ
ィジタルカメラ装置にも適用することができる。また、
上述した例では、鏡筒2にセンサが取り付けられ、可動
レンズにマグネットが取り付けられている場合について
説明したが、これとは逆に、センサを可動レンズに取り
付け、マグネットを鏡筒に取り付けるようにしても良
い。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、第1及び第2の磁気ヘ
ッドで検出された第1及び第2の検出信号を第1及び第
2のディジタル信号に変換し、第1及び第2のディジタ
ル信号の交点レベルで第1及び第2のディジタル信号の
うち、出力レベルの変化が大きい方のディジタル信号に
切り換えて第1及び第2の磁気ヘッドの位置を検出する
ことから、位置に対する感度が高い信号を得ることがで
きる。したがって、磁気ヘッドの位置を正確に検出する
ことができ、例えばカメラ装置等の可動レンズの位置を
正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたビデオカメラ装置の鏡筒の
断面図である。
【図2】可動レンズの駆動機構の要部側面図である。
【図3】可動レンズの位置を検出する位置検出機構の斜
視図である。
【図4】位置検出機構を構成するセンサとマグネットと
の関係を示す側面図である。
【図5】位置検出機構の制御系を示すブロック図であ
る。
【図6】2相センサの出力特性を示す図である。
【図7】ゲイン・オフセットを調整する手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】センサのゲインとセンサの出力レベルを示す図
である。
【図9】2相のセンサの切換手順を示すフローチャート
である。
【図10】B相の切換電圧の算出例を説明する図であ
る。
【符号の説明】 1 撮像部、2 鏡筒、3 対物レンズ、4 固定レン
ズ群、5 ズームレンズ、6 撮像素子、7 フォーカ
スレンズ、13,14 駆動機構(リニアモータ)、2
1,22 位置検出機構、31 マグネット、32a,
32b MRセンサ、34 A/D変換器、35 位置
演算回路、36 D/A変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA02 BA30 CA40 DA05 DD03 EA02 GA52 GA65 GA66 GA72 KA02 KA04 2F077 AA11 AA49 CC02 NN05 NN06 NN19 NN26 PP14 QQ05 QQ10 TT42 2H044 BE02 BE09 BE18 DA01 DA02 DB02 DC02 DE06 EF04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のピッチで磁気信号が記録されたマ
    グネットと、 所定の間隔をもって配設され、上記マグネットに記録さ
    れた磁気信号を検出する第1及び第2の磁気ヘッドと、 上記第1及び第2の磁気ヘッドで検出された第1及び第
    2の検出信号を第1及び第2のディジタル信号に変換
    し、上記第1及び第2のディジタル信号の交点レベルで
    上記第1及び第2のディジタル信号のうち、出力レベル
    の変化が大きい方のディジタル信号に切り換えて上記第
    1及び第2の磁気ヘッドの上記マグネットに対する相対
    的な位置を算出する位置検出回路とを備える位置検出装
    置。
  2. 【請求項2】 上記第1のディジタル信号と上記第2の
    デジタル信号の切換は、上記第1及び第2のディジタル
    信号の内挿で得られた切換レベルで行われることを特徴
    とする請求項1記載の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 上記マグネットに記録された磁気信号の
    所定のピッチは、略200μm〜略320μmのであ
    り、上記第1及び第2の磁気ヘッドは、正弦波を発生
    し、上記正弦波の位相を略90°ずらす位置関係で配設
    されていることを特徴とする請求項1の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 鏡筒内に配設される固定レンズと撮像素
    子との間及び/又は固定レンズ間に配設される可動レン
    ズ又は上記鏡筒に取り付けられ、磁気信号が所定のピッ
    チで記録されたマグネットと、 上記鏡筒又は上記可動レンズに所定の間隔をもって取り
    付けられ、上記マグネットに記録された磁気信号を検出
    する第1及び第2の磁気ヘッドと、 上記第1及び第2の磁気ヘッド検出された上記第1及び
    第2の検出信号を第1及び第2のディジタル信号に変換
    し、上記第1及び第2のディジタル信号の交点レベルで
    上記第1及び第2のディジタル信号のうち、出力レベル
    の変化が大きい方のディジタル信号に切り換えて上記第
    1及び第2の磁気ヘッドの上記マグネットに対する相対
    的な位置を算出し、可動レンズの位置を検出するレンズ
    位置検出回路とを備えるカメラ装置。
  5. 【請求項5】 上記マグネットに記録された磁気信号の
    所定のピッチは、略200μm〜略320μmのであ
    り、上記第1及び第2の磁気ヘッドは、正弦波を発生
    し、上記正弦波の位相を略90°ずらす位置関係で配設
    されていることを特徴とする請求項4のカメラ装置。
  6. 【請求項6】 上記レンズ位置検出回路は、上記第1及
    び第2のディジタル信号の最大値及び最小値を保持し、
    これら最大値及び最小値に基づいて上記第1及び第2の
    ディジタル信号の交点レベルを算出することを特徴とす
    る請求項5記載のカメラ装置。
  7. 【請求項7】 上記位置検出回路は、上記上記第1及び
    第2のディジタル信号を最大値及び最小値で正規化し、
    正規化された上記第1及び第2のディジタル信号に基づ
    いて上記第1及び第2のディジタル信号の交点レベルを
    算出することを特徴とする請求項6記載のカメラ装置。
  8. 【請求項8】 略200μm〜略320μmの間隔で磁
    気信号が記録され、可動レンズ又はこの可動レンズが配
    設された鏡筒に取り付けられたマグネットに対して、そ
    れぞれの出力の位相差が略90°となるように上記鏡筒
    又は上記可動レンズに取り付けられた第1及び第2の磁
    気ヘッドを移動して、上記第1及び第2の磁気ヘッドで
    検出された第1及び第2の検出信号を少なくとも1周期
    分第1及び第2のディジタル信号に変換して取り込む工
    程と、 上記第1及び第2のディジタル信号の最大値及び最小値
    を保持する工程と、 上記第1及び第2のディジタル信号の最大値及び最小値
    に基づいて上記マグネットに対する上記第1及び第2の
    磁気ヘッドの相対的な位置を算出し、上記可動レンズの
    位置を検出する工程とを備えるレンズ位置検出方法。
  9. 【請求項9】 上記第1及び第2のディジタル信号の交
    点レベルを上記第1及び第2のディジタル信号の最大値
    及び最小値に基づいて算出する工程と、 上記第1及び第2のディジタル信号の交点レベルで上記
    第1及び第2のディジタル信号のうち、出力レベルの変
    化が大きい方のディジタル信号に切り換える工程とを備
    える請求項8記載のレンズ位置検出方法。
  10. 【請求項10】 上記第1及び第2のディジタル信号の
    一方が振幅の中心値であるとき、他方のディジタル信号
    が最大値又は最小値であることを判別することを特徴と
    する請求項9記載のレンズ位置検出方法。
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