JP2000355398A - 生ビール樽用フィッティングにおけるブッシュおよびその製造法 - Google Patents

生ビール樽用フィッティングにおけるブッシュおよびその製造法

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JP2000355398A
JP2000355398A JP2000059665A JP2000059665A JP2000355398A JP 2000355398 A JP2000355398 A JP 2000355398A JP 2000059665 A JP2000059665 A JP 2000059665A JP 2000059665 A JP2000059665 A JP 2000059665A JP 2000355398 A JP2000355398 A JP 2000355398A
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Yasuo Kato
康夫 加藤
Tadahiro Ogawa
忠裕 小川
Kazuyoshi Takahashi
一善 高橋
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NAS Toa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏れ検査の不要、製作精度の向上、係合用爪
部の切損防止、製作作業能率の向上等を図ることがで
き、したがって、品質の安定化、コストダウンを図るこ
とができる。 【解決手段】 上部に雄ねじ部23を有する筒状部18
を備え、筒状部18の上端部内側に係合用爪部24を備
え、中間部内周に段差部19、20を備え、下部内周に
弁座21を備え、下端にシールリングの挟持面22を備
えたブッシュ8の本体部16を金属素材の鍛造加工をも
とに形成する。本体部16の下端部に周側に穴26を有
する金属製のスカート部17の上端部を溶接30により
接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生ビール樽用フィ
ッティングにおけるブッシュおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ウエルタイプの生ビール樽用フィ
ッティングにおけるブッシュとしては、上部に雄ねじ部
を有する筒状部を備え、中間部内周に段差部を備え、下
部内周に弁座を備え、下端にシールリングの挟持面を備
えた本体部と、周側に穴を有するスカート部とから成
り、上記本体部と上記スカート部とが一体的に設けられ
た構成が知られている。このブッシュにダウンチュー
ブ、ガス用弁体、ビール用弁体、リテイニングディス
ク、圧縮ばね、更には必要に応じてストッパ等を組み込
むことにより、生ビール樽用フィッティングを構成する
ことができる。そして、ブッシュの雄ねじ部を口金の雌
ねじ部に螺合することにより、生ビール樽用フィッティ
ングを生ビール樽本体内に取外し可能に取付けることが
できる。
【0003】従来のブッシュは、本体部とスカート部と
をステンレスにより一体的に鋳造し、または本体部をス
テンレスにより鋳造し、この本体部の下端部とステンレ
スの鍛練素材から成るスカート部の上端部とを溶接によ
り接合して一体化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のようにブッシュの全体は勿論のこと、ブッシュの
本体部を鋳造法により製作すると、製作作業能率に劣
り、量産化に適さない。また、現在の鋳造技術では巣の
発生を回避することができず、巣が多いと生ビールの品
質劣化の原因となり、使用することができないため、品
質を保証するには全数の漏れ検査(リークテスト)を必
要とするばかりでなく、歩留まりにも劣り、結果的にコ
ストアップとなる。また、製作精度に劣り、しかも、耐
蝕性、強度に劣る。特に、係合用爪部の強度不足によ
り、治具を係合し、強制的に回転させて口金から外す際
に切損する場合があり、交換等のメンテナンスを必要と
する。また、本体部を鋳造法により製作し、この本体部
を鍛造素材から成るスカート部と溶接するようにした従
来例においては、鋳造法により製作した本体部には不純
物が含まれているため、溶接欠陥の発生を免れることが
できず、歩留りに劣り、結果的にコストアップとなる。
【0005】本発明は、上記のような従来の問題を解決
しようとするものであり、巣が発生しなくなることによ
り漏れ検査を不要とすることができ、また、製作精度を
向上させることができ、しかも、強度を向上させること
ができて係合用爪部の切損をも防止することができ、ま
た、本体部とスカート部との溶接欠陥の発生を抑制する
ことができ、更には製作作業能率を向上させることがで
きて量産に適応させることができ、したがって、品質の
安定化を図ることができ、結果的にコストダウンを図る
ことができるようにした生ビール樽用フィッティングに
おけるブッシュおよびその製造法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の生ビール樽用フィッティングにおけるブッシ
ュは、上部に雄ねじ部を有する筒状部を備え、この筒状
部の上端部内側に係合用爪部を備え、中間部内周に段差
部を備え、下部内周に弁座を備え、下端にシールリング
の挟持面を備え、金属素材の鍛造加工をもとに形成され
たブッシュの本体部と、周側に穴を有する金属製のブッ
シュのスカート部とから成り、上記本体部の下端部と上
記スカート部の上端部とが溶接により接合されたもので
ある。
【0007】そして、上記構成において、本体部の下端
部内側にスカート部の上端部外側を嵌合し、上記本体部
内周面と上記スカート部の上端部周囲とを内側から溶接
するのが好ましい。
【0008】上記課題を解決するために本発明の生ビー
ル樽用フィッティングにおけるブッシュの製造方法は、
上部に雄ねじ部を有する筒状部を備え、この筒状部の上
端部内側に係合用爪部を備え、中間部内周に段差部を備
え、下部内周に弁座を備え、下端にシールリングの挟持
面を備えたブッシュの本体部を金属素材の鍛造加工をも
とに形成し、周側に穴を有する金属製のスカート部の上
端部を上記本体部の下端部に溶接により接合するように
したものである。
【0009】そして、上記製造法において、筒状の金属
素材の鍛造加工により上部の筒状部、中間部内周の段差
部、下部内周の弁座、下端のシールリングの挟持面を形
成し、上記筒状部の鍛造加工により上記筒状部の上端部
に上端面から凹入させて係合用爪部を内方へ突出させ、
上記筒状部における係合用爪部の上方に突出する部分を
切除し、上記筒状部の外周に雄ねじ部を切ることにより
ブッシュの本体部を形成することができる。または筒状
の金属素材の鍛造加工により上部の筒状部、中間部内周
の段差部、下部内周の弁座、下端のシールリングの挟持
面を形成し、上記筒状部のスリット加工およびベンド加
工により上記筒状部の上端部に上端面から凹入させて係
合用爪部を内方へ突出させ、上記筒状部における係合用
爪部の上方に突出する部分を切除し、上記筒状部の外周
に雄ねじ部を切ることによりブッシュの本体部を形成す
ることができる。
【0010】また、上記各製造法において、本体部の下
端部内周に嵌合部を切削加工により形成し、スカート部
の上端部外周に嵌合部を切削加工により形成し、上記本
体部と上記スカート部の両嵌合部を嵌合し、上記本体部
内周面と上記スカート部の上端部周囲とを内側から溶接
するのが好ましい。
【0011】上記のような本発明によれば、ブッシュの
本体部を金属素材の鍛造加工をもとに形成しているの
で、巣が発生しなくなることにより漏れ検査を不要とす
ることができ、また、製作精度を向上させることがで
き、しかも、強度を向上させることができて係合用爪部
の切損をも防止することができ、また、本体部とスカー
ト部との溶接欠陥の発生を抑制することができ、更には
製作作業能率を向上させることができて量産に適応させ
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。まず、本発明の一実施形
態に係る生ビール樽用フィッティングにおけるブッシュ
について説明する。図1ないし図3は本発明の一実施形
態に係る生ビール樽用フィッティングにおけるブッシュ
を示し、図1は縦断面図、図2は平面図、図3は底面
図、図4は同ブッシュに用いるスカート部の展開図、図
5ないし図8は同ブッシュを用いた生ビール樽用フィッ
ティングを示し、図5は外部に対して閉塞した不使用状
態の縦断面図、図6は生ビール注出状態の縦断面図、図
7はガス抜き状態の縦断面図、図8は飛び出し規制状態
の縦断面図である。
【0013】まず、本発明のブッシュについて生ビール
樽用フィッティングの全体構成と共に説明する。図5な
いし図8において、1はステンレス等の金属から成る生
ビール樽本体であり、上鏡2の中央部に円形の穴3が形
成され、この穴3の縁部に円筒状の口金4の基部が溶接
により固定されている。口金4の上部内周には雌ねじ部
5が形成され、口金4の下端部内周面にはシールリング
用挟持面6が形成されている。7は生ビール樽用フィッ
ティングであり、本発明のブッシュ8、ダウンチューブ
9、第1の弁体10、ストッパ11、リテイニングディ
スク12、圧縮ばね13、第2の弁体14、圧縮ばね1
5等から構成されている。
【0014】本発明のブッシュ8は、図1ないし図4か
らも明らかなように、本体部16とスカート部17とか
ら成り、全体として円筒状に構成されている。本体部1
6は上部に筒状部18を備え、中間部内周には段差部1
9、20を備え、下部内周に下端側に至るに従い、次第
に拡開するテーパ状に形成された弁座21を備え、下端
にシールリング用挟持面22を備え、上端内側に突出す
る係合用爪部24を1箇所、若しくは複数箇所(図示例
では180度位相をずらせた位置の2箇所)に備えてい
る。係合用爪部24は、上記口金4の雌ねじ部5に螺着
する際の回転方向において、上面がほぼ水平に形成さ
れ、下面が下流側に至るに従い、次第に上縁に近付くよ
うに比較的緩やかな湾曲傾斜面状に形成されている。本
体部16は筒状部18の外周側に突出する大径部18a
に雄ねじ部23が形成され、下端部内周に嵌合部25が
形成されている。この本体部16は、後に製造法におい
て詳しく説明するように、ステンレス等の金属素材の鍛
造加工をもとに形成され、鍛造加工後に大径部18aに
雄ねじ部23が切られ、下端部内周に嵌合部25が切削
加工により形成される。
【0015】スカート部17は周側の複数箇所に穴26
を有し、内側の1箇所に開放部としての穴27を有し、
下端部の複数箇所(図示例では120度ごとの3箇所)
に係合部28を有し、上端部外周に嵌合部29を有して
いる。穴27は幅広部の両側に連通して深い溝状部が形
成されている。このスカート部17は図4から明らかな
ように、ステンレス等の金属の鍛錬素材である圧延され
た平板に穴26、27がプレスにより打抜かれ、係合部
28が切起こしにより形成され、嵌合部29が切削加工
により形成されている。そして、この平板が円筒状に湾
曲され、軸心に沿う突き合わせ部が溶接により接合され
ている。なお、このスカート部17はステンレス等の金
属の鍛造素材であるパイプから製作することもできる。
【0016】そして、本体部16の嵌合部25とスカー
ト部17の嵌合部29とが嵌合され、本体部16のテー
パ状内周面とスカート部17の上端部周囲とが内側から
全周に亘って溶接30により接合されている。
【0017】ブッシュ8は口金4から生ビール樽本体1
内の上部に挿入され、ブッシュ8の雄ねじ部23が口金
4の雌ねじ部5に取外し可能に螺合されている。口金4
の挟持面6とブッシュ8の挟持面22との間にシールリ
ング31が圧縮状態に挟持されてシールされている。ブ
ッシュ8内にはステンレス等の金属から成るダウンチュ
ーブ9の上部が挿入され、ダウンチューブ9はその下端
が生ビール樽本体1の底部付近に位置され、軸方向に移
動可能となっている。第1の弁体10はステンレス等の
金属から成る基体の外周部がゴムにより一体的に被覆さ
れ、その下部がダウンチューブ9の上端部内側に圧入等
により固定され、第1の弁体10の中間部外周の段部3
2がダウンチューブ9の上端に形成された鍔状部33の
上面に当接されている。
【0018】ストッパ11はステンレス等の金属製板ば
ね材から成り、リング状部34に下垂部35の上端部
(基端部)が連設され、下垂部35の下端部に折り返し
部36を介して立ち上がり部37が下垂部35とに間隔
を有するように連設され、立ち上がり部37の上端部に
折り曲げ部38を介して第1のストッパ部39が連設さ
れている。この第1のストッパ部39は下垂部35およ
び立ち上がり部37と同様の幅で、折り曲げ部38から
先端側に至るに従い、次第に下垂部35から離隔し、か
つ口金4側に接近するように傾斜されている。立ち上が
り部37の上部両側には第1のストッパ部39の下側に
位置して第2のストッパ部40が直角方向に突設されて
いる。この第2のストッパ部40はその上面が第1のス
トッパ部39の両側下面と狭い間隔で、しかも、先端側
に至るに従い、次第に第1のストッパ部39の下面から
離れた状態で対向するように傾斜され、基端側に至るに
従い、次第に幅広となるように下縁が傾斜する直線状に
形成され、先端部が第1のストッパ部39よりブッシュ
5側に後退されている。すなわち、第2のストッパ部4
0の突出長さが第1のストッパ部39の突出長さよりも
短くなるように設定されている。ストッパ11はその基
部のリング状部34がダウンチューブ9の上端部に鍔状
部33の下面に接触した状態で嵌合されている。第1の
ストッパ部39と第2のストッパ部40が図4に展開し
て示されているブッシュ8の穴27における幅広部とそ
の両側の溝状部において出没し得るようになっている。
【0019】リテイニングディスク12はダウンチュー
ブ9の上部に嵌合され、周上、3箇所に形成された係合
部41がブッシュ8における係合部28の上面に一体的
に回転することができるように、かつ下方へ離脱しない
ように係合されている。このリテイニングディスク12
はダウンチューブ9の軸方向への移動を案内することが
できる。
【0020】ストッパ11のリング状部34とリテイニ
ングディスク12との間にはダウンチューブ9の外周に
おいて圧縮ばね13が介在され、この圧縮ばね13の弾
性によりストッパ11、ダウンチューブ9および第1の
弁体10が一体で上方へ付勢されている。これにより第
1の弁体10におけるゴムからなる上部外周部の傾斜面
がブッシュ8の内側に設けられた弁座21に当接され、
ガス流路42が閉塞され、ストッパ11の第1ストッパ
部39および第2のストッパ部40がブッシュ8の穴2
7から外方へ突出され、口金4からの抜け止め状態(ロ
ック状態)となっている(図5、図8参照)。
【0021】そして、第1の弁体10が上方から押圧さ
れて第1の弁体10、ダウンチューブ9、ストッパ11
等が圧縮ばね13の弾性に抗して下降することにより、
第1の弁体10が弁座21から離隔し、ガス流路42が
開放されて生ビール樽本体1がガス流路42を介して外
部に開放される。このとき、生ビールを注出するための
浅い下降時においては、ストッパ11の第1、第2のス
トッパ部39、40の基部側下縁が、穴27における中
央部下縁27a、溝状部下縁27bと非接触状態に保持
されるように設定されている(図6参照)。なお、第
1、第2のストッパ部39、40の基部側下縁が、穴2
7における中央部下縁27a、溝状部下縁27bと弾性
変形しない程度で接触したり、多少弾性変形する程度で
押圧されるのは差し支えない。また、生ビール樽本体1
内の残圧を抜き取り、生ビール樽用フィッティング7を
口金4から取り外す際の深い下降時においては、例え
ば、第1のストッパ部39の基部側下面が穴27の中央
部下縁27aにより押圧され、弾性変形により第1、第
2のストッパ部39、40がブッシュ5内にほぼ完全に
収められる状態に後退されるようになっている(図7参
照)。
【0022】ダウンチューブ9の上部内側にはステンレ
ス等の金属から成る第2の弁体14が軸方向に移動可能
に設けられている。ダウンチューブ9における第2の弁
体14の下方内周に形成された段部43と第2の弁体1
4とに圧縮ばね15が介在され、この圧縮ばね15の弾
性により第2の弁体14が上方へ付勢されている。これ
により第2の弁体14が第1の弁体10におけるゴムか
ら成る弁座44に当接され、ビール流路45が閉塞され
るようになっている(図5参照)。そして、第2の弁体
14が上方から押圧されて圧縮ばね15の弾性に抗して
下降することにより、第2の弁体14が弁座44から離
隔してビール流路45が開放され、生ビール樽本体1内
がビール流路45を介して外部に開放されるようになっ
ている(図6参照)。
【0023】フィッティング7を生ビール樽本体1に取
付けるには、フィッティング7を口金4から挿入する。
このとき、ストッパ11の第2のストッパ部40と第1
のストッパ部39はその傾斜面が口金4の下端開放部に
おける内周縁部に対して押圧状態で摺動することによ
り、この部分を通過する(図8参照)。この状態でフィ
ッティング7を回転させ、ブッシュ8の雄ねじ部23を
口金4の雌ねじ部5に螺合する。この螺合に際し、例え
ば、図5に鎖線で示すような治具46を用いる。この治
具46について概略説明すると、回転操作部47はブッ
シュ8の筒状部18の内側に挿入し得るように形成さ
れ、回転操作部47の下部外面に一対の案内溝48が1
80度位相をずらせた位置で垂直方向に形成され、案内
溝48に続いて周方向で、上記ブッシュ8の口金4に対
する螺合方向に係合溝49が形成されている。各案内溝
48は回転操作部47を筒状部18内に挿入した際、係
合用爪部24を相対的に奥側へ位置させることができる
ようになっている。また、各係合溝49はその上面が水
平に形成され、底面が案内溝48側から回転方向上流側
に至るに従い、次第に上面側に近付くように比較的緩や
かな湾曲傾斜面状に形成されている。すなわち、各係合
溝49は、各係合用爪部24に対応する形状に形成され
ている。回転操作部47の上部には把手(図示省略)が
一体的に設けられている。
【0024】そして、まず、治具46の回転操作部47
をブッシュ8の上部筒状部18に挿入して案内溝48の
奥側に係合用爪部24を位置させ、続いて、治具46を
時計方向に少し回転させることにより、係合溝49を係
合用爪部24に係合することができる。この状態で把手
の操作により回転操作部47を時計方向へ回転させるこ
とにより、その係合溝49と係合用爪部24とを介して
フィッティング7に回転力を与え、ブッシュ8の雄ねじ
部23を口金4の雌ねじ部5に螺合することができる。
このとき、上記のように係合溝49の底面を係合用爪部
24の下面と対応する湾曲傾斜面状に形成しているの
で、治具46の回転力をブッシュ8に対して広い面で伝
達することができ、係合用爪部24の切損等を防止する
ことができる。
【0025】生ビール樽本体1内の生ビールを注出する
には、図6に示すように、口金4にディスペンサ51を
装着し、生ビール注出管52により第1の弁体10を押
圧し、第1の弁体10、ダウンチューブ9、ストッパ1
1等を圧縮ばね13の弾性に抗して下降させるととも
に、押圧部53により第2の弁体14を押圧し、第2の
弁体14を圧縮ばね15の弾性に抗して下降させる。こ
れに伴い、第1の弁体10をブッシュ8の弁座21から
離隔させてガス流路42を開放するとともに、第2の弁
体14を第1の弁体10の弁座44から離隔させてビー
ル流路45を開放する。そして、ガス供給管54からガ
ス流路42を通って生ビール樽本体1内にガスを送り込
むことにより、生ビール樽本体1内の生ビールをダウン
チューブ9を経てビール流路45から生ビール注出管5
2を通って外部に注出することができる。
【0026】生ビールの注出後、第1の弁体10および
第2の弁体14の押圧状態を開放することにより、図5
に示すように、第1の弁体10、ダウンチューブ9およ
びストッパ11を圧縮ばね13の復元弾性により上昇さ
せ、第1の弁体10をブッシュ8の弁座21に当接させ
てガス流路42を閉塞するとともに、第2の弁体14を
圧縮ばね15の復元弾性により上昇させ、弁座44に当
接させてビール流路45を閉塞することができる。この
ように生ビールの注出後、フィッティング7を復帰さ
せ、生ビールの注出に待機させることができる。また、
生ビール樽本体1を倒立状態にして上記と同様に操作
し、生ビールをガス流路42から生ビール樽本体1内に
注入し、生ビール樽本体1内のガスをビール流路45か
ら外部へ排出することができる。
【0027】上記生ビールの注出に際し、ストッパ11
の第1のストッパ部39の下面がブッシュ8の穴27の
中央部下縁27aに接触しないか、若しくは単に接触
し、また、第2のストッパ部40の下縁が穴27の溝状
部の下縁27bに接触しないようにしてストッパ11の
弾性変形を防止することにより、頻繁に動作させる生ビ
ールの注出時にストッパ11の変形なくし、若しくは少
なく抑制し、ばね性の劣化を防止して耐久性を向上させ
ることができる。
【0028】フィッティング7は、例えば、図7に鎖線
で示すような治具55を用いることにより、生ビール樽
本体1の口金4から取外すことができる。この治具55
について概略説明すると、筒状の本体56はブッシュ2
8の筒状部18の内側に挿入され、下面が段差部19に
当接し得るように形成され、本体56の穴内に押圧部材
57が前進(下降)、後退(上昇)可能に支持されてい
る。本体56の上部には円形カム58が偏心位置の軸5
9により偏心回転されるように支持され、円形カム58
には把手60が水平方向(紙面と直角方向)で一体的に
設けられている。二点鎖線で示すように、把手60が一
方の水平方向へ倒されて円形カム58が偏心回転される
ことにより、本体56内に内蔵されたばね(図示省略)
により押圧部材57が後退(上昇)され、一点鎖線で示
すように、把手60が他方の水平方向へ倒されて円形カ
ム58が偏心回転されることにより、押圧部材57がば
ねの弾性に抗して前進(下降)されるようになってい
る。本体56の下部には一対の案内溝61が180度位
相をずらせた位置で垂直方向に形成され、案内溝61に
続いて周方向で、ブッシュ8の口金4に対する緩め方向
に係合溝62が形成されている。本体56の上部には把
手60と直角方向で把手63が一体的に設けられてい
る。
【0029】そして、まず、治具55の押圧部材57を
後退させた状態で、本体56をブッシュ8の上部筒状部
18に挿入してその下端面を段差部19に当接させ、案
内溝61の奥側に係合用爪部24を位置させる。続い
て、治具55を反時計方向に少し回転させて係合溝62
の奥側を係合用爪部24の端面に係合する。続いて、把
手60を反対方向(一点鎖線位置)へ倒し、円形カム5
8を偏心回転させることにより、押圧部材57を前進さ
せ、この押圧部材57で第1の弁体10を押圧し、第1
の弁体10、ダウンチューブ9、ストッパ11等を圧縮
ばね13の弾性に抗し、上記生ビール注出時よりも深く
(長いストロークで)一体に下降させる。これに伴い、
第1の弁体10がブッシュ8の弁座21から離隔してガ
ス流路42を開放させ、生ビール樽本体1内の残圧をガ
ス流路42を介して外部に抜くことができるとともに、
ストッパ11の第1のストッパ部39の下面をブッシュ
8の穴27の中央部下縁27aにより押圧し(第2のス
トッパ部40の下縁を溝状部の下縁27bにより押圧
し、あるいは下縁27bに単に当接することもあ
る。)、ストッパ11の折り返し部36と折り曲げ部3
8の変位による弾性変形(撓み)により第1、第2のス
トッパ部39、40をブッシュ8内に圧接状態に収める
ように後退させて抜け止め状態(ロック状態)を解除す
ることができる。このとき、上記のように第2のストッ
パ部40の突出長さが第1のストッパ部39の突出長さ
よりも短くなるように設定しているので、ストッパ11
の変形量を少なくしてフィッティング7の抜け止め状態
を解除するように穴27内に後退させることができ、し
たがって、ブッシュ8内のスペースが狭くても確実に抜
け止め状態を解除するように後退させることができる。
【0030】上記解除状態を保ち、治具55の本体56
の下面によりブッシュ8の段差部19を押圧し、口金4
の雌ねじ部5とブッシュ8の雄ねじ部23との食い付き
を解除して治具55を把手63により回転操作を行うこ
とにより、その係合溝62とブッシュ8の係合用爪部2
4を介してブッシュ8に回転力を加えることができる。
上記解除状態では、圧縮ばね13が圧縮状態であり、そ
の摩擦抵抗と、ストッパ11における第1、第2のスト
ッパ部39、40のブッシュ8の穴27における下縁2
7a、27bに対する圧接による摩擦抵抗により第1の
弁体10、ダウンチューブ9、ストッパ11等をブッシ
ュ8と一体的に回転させ、ねじ部5、23を緩めてフィ
ッティング7を口金4から外することができる。このと
き、上記のように生ビール樽本体1内の残圧は外部に抜
けているので、フィッティング7を口金4から安全に外
すことができる。したがって、生ビール樽本体1および
フィッティング7の洗浄、補修等を行うことができる。
【0031】フィッティング7の取外し前においては、
上記のようにストッパ11の第1、第2のストッパ部3
9、40がブッシュ8の穴27から外へ抜け止め状態に
突出している(図5参照)。したがって、この状態で第
1の弁体10の開放操作を行うことなく、図8に示すよ
うに、ブッシュ8等を口金4に対してねじ部5、23が
緩む方向へ回転させ、ねじ部5、23が離脱しても第1
のストッパ部39が口金4の内端面(若しくは上鏡2の
内側面)に係合し、フィッティング7がガス圧により口
金4から抜け出すのを防止することができる。ガス圧が
強く、第1のストッパ部39が水平方向に少し倒れるよ
うに変形されたとしても、その両側下面が第2のストッ
パ部40の上面に当接し、第2のストッパ部40により
金属の圧縮方向でバックアップされ、座屈が規制される
ことにより、それ以上、第1、第2のストッパ部39、
40が変形するのを防止され、フィッティング7が口金
4からそれ以上飛び出すのを確実に規制することができ
る。
【0032】次に、本発明の第1の実施形態に係るブッ
シュの製造法について説明する。図9ないし図15は本
発明の上記実施形態に係るブッシュに用いる本体部の製
造工程説明図である。
【0033】まず、図9に示すように、下型71と、上
型72と、ノックアウト73とを用いる。下型71は中
間部内側が本体部16における雄ねじ部23の下方外周
面を形成し得る中間径の穴74に設定され、上部内側が
本体部16における雄ねじ部23を形成するための上部
大径部18aの外周面を形成し得る大径の穴75に設定
され、下部内側が本体部16のシールリング用挟持面2
2を形成し得る受面76を有する小径の穴77に設定さ
れている。上型72は下端部に本体部16の筒状部18
の内周面を形成し得る外径の柱状部78に設定され、柱
状部78の先方(下方)が小径に形成されて本体部16
の段差部19、20を形成し得る段差部79、先端面8
0を有するように設定されている。ノックアウト73は
下型71の小径穴77に挿通し得る外径を有する棒状に
形成され、先端部に本体部16の弁座21を含むテーパ
状部を形成し得るテーパ状部81が形成されている。
【0034】下型71はプレスベッド(図示省略)上に
支持され、上型72はプレスラム(図示省略)と一体に
昇降し得るように支持され、ノックアウト73は昇降装
置82に昇降可能に支持されている。一方、ブッシュ8
の本体部16を形成する金属素材Mとして、本実施形態
においては冷間鍛造法を採用しているので、鍛錬素材が
用いられる。この鍛錬素材としては、圧延された平板を
円筒状に湾曲させ、軸心に沿う突き合わせ部を溶接し、
この溶接部に電解研摩を施した円筒体、若しくは鍛造さ
れた丸棒材に軸心方向に沿って穴を形成した円筒体、若
しくは圧延された平板に深絞り加工を施した後、上下を
切断して形成した円筒体など、種々の材料を用いること
ができる。金属素材Mの外径は下型71の穴74の径と
ほぼ等しくなるように設定しておく。
【0035】そして、まず、図9に示すように、ノック
アウト73の上端部を下型71の穴77から下型71の
下部内側の所定位置に挿入した状態で、円筒状の金属素
材Mを下型71内に穴74との嵌合状態で挿入し、金属
素材Mの下端面を受面76に載せる。次に、図10に示
すように、プレスラムの駆動により上型72を下降さ
せ、下型71、ノックアウト73および上型72により
金属素材Mにプレス加工を施す。このプレス加工に伴
い、上部の大径部18aを有する筒状部18、中間部内
周の段差部19、20、下部内周の弁座21を有するテ
ーパ状部、下端のシールリング用挟持面22を形成す
る。この状態における大径部18aを有する筒状部18
は製作完成状態の本体部16におけるそれよりもやや上
方に長くなるように突出されている。次に、図11に示
すように、プレスラムの駆動により上型72を上昇させ
るとともに、ノックアウト73を上昇させ、プレス加工
品を下型71から外す。
【0036】次に、筒状部18の内側に一対の係合用爪
部24を形成するが、この係合用爪部24を形成するに
は、図12(a)〜(c)に示すような下型83、爪部
用上型84、ノックアウト85、爪部用下型86、ガイ
ド部材87等を用いる。下型83は上記下型71と同様
の形状に形成され、プレスベッド(図示省略)上に支持
されている。ノックアウト85も上記ノックアウト73
と同様の形状に形成され、更に、中央部に溝88が形成
され、昇降装置(図示省略)に昇降可能に支持されてい
る。爪部用上型84は円盤89の下面に筒状部18を加
圧する突出部90が一対設けられ、各突出部90は、円
盤89の周方向の長さが形成すべき係合用爪部24の幅
と等しく、円盤89の直径方向の長さが、筒状部18の
肉厚よりも長く、外側面が筒状部18の大径部18aの
外面にほぼ一致し、内側面が筒状部18の内方に突出す
るように設定されている。この爪部用上型84はプレス
ラム(図示省略)に昇降可能に支持されている。爪部用
下型86は一対の分割型に構成され、筒状部18の内側
に沿って段差部19上に配置され、上面に突出部90に
対応して凹入部91が形成され、各凹入部91は筒状部
18の上端面より少し下方に位置するように配置され、
各係合用爪部24の下面である傾斜湾曲面に対応する形
状に形成されている。各爪部用下型86の背面は上端か
ら下端に至るに従い、次第に拡開するような傾斜面92
に形成され、これら傾斜面92にノックアウト85の溝
88に基部が挿入されて支持されたガイド部材87の傾
斜面93が係合されている。
【0037】そして、まず、図12(a)に示すよう
に、下型71と同じ内側形状の下型83の内側に沿っ
て、上記のように成形され、下型83の内側形状と同じ
外形を有するプレス加工品を挿入し、プレス加工品の弁
座21を含むテーパ状部をノックアウト85のテーパ状
部81上に載せる。次に、プレス加工品の内側にガイド
部材87を挿入し、その基部をノックアウト85の溝8
8に挿入する。続いて、プレス加工品の内側に爪部用下
型86を挿入し、その傾斜面92をガイド部材87の傾
斜面93に係合する。このようにして準備完了すると、
プレスラムの駆動により図17に示すように、爪部用上
型84を下降させ、この爪部用上型84の突出部90に
よりプレス加工品の筒状部18の上端部を加圧し、筒状
部18を凹入させて爪部用下型86の凹入部91に沿う
ように内方へ向かって水平方向に突出させる。このプレ
ス加工後、プレスラムの駆動により爪部用上型84を上
昇させるとともに、ノックアウト85、ガイド部材8
7、爪部用下型86およびプレス加工品を上昇させ、プ
レス加工品を下型83から外す。
【0038】このプレス加工の状態では図14から明ら
かなように、筒状部18の対向2箇所に凹入部94が形
成され、この凹入部94が形成されることに伴って内方
へ突出する係合用爪部24が形成される。そこで、筒状
部18における上端部を係合用爪部24の上面にほぼ沿
うような位置で図15に示すように切除する。その後、
図1ないし図3に示すように、筒状部18の外側大径部
18aに雄ねじ部23を切り、下端部内周に切削加工に
より嵌合部25を形成することにより、本体部16を形
成することができる。
【0039】一方、ブッシュ8のスカートブッシュ17
は、上記のようにステンレス等の金属から成る鍛練素材
を用い、周側に打抜きにより穴26、27を形成し、下
端部に切起こしにより係合部28を形成し、上端部外周
に切削加工により嵌合部29を形成する。
【0040】そして、図1に示すように、本体部16の
嵌合部25とスカート部17の嵌合部29を嵌合し、本
体部16のテーパ状部とスカート部17の先端部とに内
側から全周に亘って溶接30を施す。その後、溶接30
部に電解研摩を施すことによりブッシュ8を得ることが
できる。
【0041】次に、本発明の第2の実施形態に係るブッ
シュの製造法について説明する。図16ないし図20は
本発明の上記実施形態に係るブッシュに用いる本体部の
製造工程説明図である。
【0042】上記第1の実施形態に係る製造法において
は、係合用爪部24についても鍛造加工により形成して
いるが、本実施形態においては、係合用爪部24をスリ
ット加工とベンド加工とで形成している点において上記
第1の実施形態に係る製造法と異にするので、上記第1
の実施形態に係る製造法と同様の製造工程についてはそ
の説明を省略し、主として異なる製造工程について説明
する。
【0043】本実施形態においては、上記第1の実施形
態と同様に、図9ないし図11に示すように、下型71
と、上型72と、ノックアウト73とを用いて円筒状の
金属素材Mにプレス加工を施し、上部の大径部18aを
有する筒状部18、中間部内周の段差部19、20、下
部内周の弁座21を有するテーパ状部、下端のシールリ
ング用挟持面22を形成した後、まず、図16ないし図
18に示すように、スリットベンド装置95を用いて筒
状部18の内側に係合用爪部24を形成すべくスリット
ベンド加工を行う。
【0044】スリットベンド装置95について説明する
と、図16(a)、(b)および図21に示すように、
受台96がベッド(図示省略)上に支持されている。受
台96の上部中央部には上記プレス加工品における大径
部18aの下部を含み、その下方を収納し得る形状の穴
97が形成されている。受台96の上方においてプレス
ホルダ98がプレスラム(図示省略)と一体に昇降し得
るように支持されている。プレスホルダ98の下面には
インナーダイスホルダ99が取外し可能に固定されてい
る。インナーダイスホルダ99の上部と下部には大径穴
100と小径穴101が連通状態で形成されている。小
径穴101の内壁には支持溝102が軸心方向に沿って
ほぼ180度位相をずらして形成されている。各支持溝
102の幅は形成すべき係合用爪部24の幅と等しくな
るように設定されている。
【0045】インナーダイス103は円筒状部104の
基端部(上端部)に鍔状部105が一体に設けられてい
る。インナーダイス103の内径は上記プレス加工品に
おける大径部18aの外径とほぼ等しくなるように設定
され、インナーダイス103の円筒状部104および鍔
状部105には支持溝106が軸心方向に沿ってほぼ1
80度位相をずらして形成されている。これらの支持溝
106はインナーダイスホルダ99の支持溝102と連
通し、同幅となるように設定され、したがって、インナ
ーダイス103はその円筒状部104で支持溝106が
内外に挿通され、鍔状部105で外周部が残され、この
残された部分で円筒状部104が連続状態に保持されて
いる。インナーダイス103の鍔状部105がインナー
ダイスホルダ99の大径穴100の下部に挿入され、イ
ンナーダイス103の円筒状部104がインナーダイス
ホルダ99の小径穴101に挿入されている。インナー
ダイス103の円筒状部104における下端面107は
インナーダイスホルダ99の下端面より上方に後退され
ている。
【0046】インナーダイスホルダ99の大径穴100
の上部にはウレタン等から成る緩衝材108がプレスホ
ルダ98の下面とインナーダイス103の鍔状部105
との間で挿入されている。内張り109は円柱状に形成
され、外面に支持溝110が軸心方向に沿ってほぼ18
0度位相をずらして形成されている。内張り109はイ
ンナーダイス103の内側に挿通されて上端面が緩衝材
108の下面に当接されている。内張り109の支持溝
110はインナーダイスホルダ99の支持溝102およ
びインナーダイス103の支持溝106に対応され、内
張り109の下端部がインナーダイスホルダ99の下方
に突出されている。支持溝102、106と支持溝11
0とに跨って切り歯111が支持されている。切り歯1
11の下端部は、インナーダイスホルダ99の下方に突
出され、幅狭の係合部112に形成されて内張り109
の外周延長面との間に環状溝113が形成され、この環
状溝113は上記プレス加工品における大径部18aを
有する筒状部18を挿入し得るように設定されている。
切り歯111の係合部112の上部は、内張り109の
支持溝110内に位置し、内縁側に向かって次第に上方
へ傾斜するように形成され、この傾斜部の両側縁に歯部
114が形成されている。この傾斜部および歯部114
の傾斜角度は、例えば、45度に設定され、その長さは
形成すべき係合用爪部24の内方への突出長さよりやや
長くなるように設定されている。
【0047】そして、まず、図16(a)に示すよう
に、受台96の穴97に上記プレス加工品における大径
部18aの下部を含み、その下方を収納する。次に、プ
レスラムの駆動により図17に示すように、プレスホル
ダ98、インナーダイスホルダ99、インナーダイス1
03、内張り109、切り歯111等を下降させ、内張
り109と切り歯111とによる環状溝113を大径部
18aを有する筒状部18に嵌合する。続いて、内張り
109、切り歯111等が更に下降すると、切り歯11
1の両側縁の歯部114により筒状部18に各係合用爪
部24の幅に対応する両側でスリット加工を行うととも
に、歯部114間の傾斜面により各係合用爪部24に相
当する部分をほぼ45度の傾斜角度でベンド加工を行う
(図18(a)、(b)参照)。加工後、プレスラムの
駆動によりプレスホルダ98、インナーダイスホルダ9
9、インナーダイス103、内張り109、切り歯11
1等を上昇させ、加工品を受台96から取出す(なお、
受台96側を昇降させるようにすることもできる。)。
【0048】次に、筒状部18の内側に一対の係合用爪
部24を形成するが、この係合用爪部24の形成には、
図19に示すように、図12および図13に示したのと
同様の下型83、爪部用上型84、ノックアウト85、
爪部用下型86、ガイド部材87等を用いる。そして、
まず、図19に示すように、下型83の内側に上記のよ
うに加工された加工品を挿入し、加工品の弁座21を含
むテーパ状部をノックアウト85のテーパ状部81上に
載せる。次に、加工品の内側にガイド部材87を挿入
し、その基部をノックアウト85の溝88に挿入する。
続いて、加工品の内側に爪部用下型86を挿入し、その
傾斜面92をガイド部材87の傾斜面93に係合する。
次に、プレスラムの駆動により爪部用上型84を下降さ
せ、この爪部用上型84の突出部90により加工品の筒
状部18の傾斜部を加圧して折り曲げ、傾斜部を爪部用
下型86の凹入部91に沿うように内方へ向かって水平
方向に突出させる。このベンド加工後、プレスラムの駆
動により爪部用上型84を上昇させるとともに、ノック
アウト85、ガイド部材87、爪部用下型86および加
工品を上昇させ、加工品を下型83から外す。
【0049】この加工状態では図20から明らかなよう
に、筒状部18の対向2箇所に内方へ突出する係合用爪
部24が形成される。そこで、筒状部18における上端
部を係合用爪部24の上面にほぼ沿うような位置で切除
する。その後、図1ないし図3に示すように、筒状部1
8の外側大径部18aに雄ねじ部23を切り、下端部内
周に切削加工により嵌合部25を形成することにより、
本体部16をすることができる。そして、上記と同様に
形成したスカート部17の嵌合部29を本体部16の嵌
合部25に嵌合し、本体部16のテーパ状部とスカート
部17の先端部とに内側から全周に亘って溶接30を施
す。その後、溶接30部に電解研摩を施すことによりブ
ッシュ8を得ることができる。
【0050】なお、上記各実施形態においては係合用爪
部24を180度位相をずらせて2箇所に設けている
が、1箇所でもよく、3箇所以上でもよい。また、係合
用爪部24の形状は、その下面を傾斜湾曲状に形成して
いるが、直線状に傾斜させてもよく、水平に形成しても
よく、その他、任意に選択することができる。また、上
記実施形態においては、本体部16を冷間鍛造により製
作しているが、熱間鍛造、温間鍛造により製作すること
もできる。このほか、本発明は、ブッシュ8の形状、製
造法において、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で
種々変更することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
ッシュの本体部を金属素材の鍛造加工をもとに形成して
いるので、巣が発生しなくなることにより漏れ検査を不
要とすることができ、また、製作精度を向上させること
ができ、しかも、強度を向上させることができて係合用
爪部の切損をも防止することができ、また、本体部とス
カート部との溶接欠陥の発生を抑制することができ、更
には製作作業能率を向上させることができて量産に適応
させることができ、したがって、品質の安定化を図るこ
とができ、結果的にコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る生ビール樽用フィッ
ティングにおけるブッシュを示す縦断面図である。
【図2】同ブッシュを示す平面図である。
【図3】同ブッシュを示す底面図である。
【図4】同ブッシュに用いるスカート部の展開図であ
る。
【図5】同ブッシュを用いた生ビール樽用フィッティン
グを示し、外部に対して閉塞した不使用状態の縦断面図
である。
【図6】同生ビール樽用フィッティングを示し、生ビー
ル注出状態の縦断面図である。
【図7】同生ビール樽用フィッティングを示し、ガス抜
き状態の縦断面図である。
【図8】同生ビール樽用フィッティングを示し、飛び出
し規制状態の縦断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る生ビール樽用フ
ィッティングにおけるブッシュの製造法を示し、ブッシ
ュに用いる本体部の製造工程説明用で、円筒状の金属素
材にプレス加工を施す前の状態の縦断面図である。
【図10】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、円筒状の金属素材にプレ
ス加工を施した状態の縦断面図である。
【図11】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品の取出し状
態の縦断面図である。
【図12】(a)は同ブッシュの製造法を示し、ブッシ
ュに用いる本体部の製造工程説明用で、プレス加工品に
係合用爪部を形成する前の状態の縦断面図、(b)は
(a)における上型の底面図、(c)は(a)における
プレス加工品、爪部用下型、ガイド部材等を示す平面図
である。
【図13】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品に係合用爪
部を形成した状態の縦断面図である。
【図14】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品に係合用爪
部を形成した状態の本体部の斜視図である。
【図15】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品における係
合用爪部の上方を切除した状態の本体部の縦断面図であ
る。
【図16】(a)は本発明の第2の実施形態に係る生ビ
ール樽用フィッティングにおけるブッシュの製造法を示
し、ブッシュに用いる本体部の製造工程説明用で、プレ
ス加工品に係合用爪部を形成する前の状態の縦断面図、
(b)は(a)のX-X矢視断面図である。
【図17】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品に係合用爪
部を形成する途中の状態の縦断面図である。
【図18】(a)、(b)は同ブッシュの製造法を示
し、ブッシュに用いる本体部の製造工程説明用で、プレ
ス加工品に係合用爪部を形成する途中の状態の本体部の
平面図、縦断面図である。
【図19】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品に係合用爪
部を形成した状態の縦断面図である。
【図20】同ブッシュの製造法を示し、ブッシュに用い
る本体部の製造工程説明用で、プレス加工品に係合用爪
部を形成した状態の本体部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 生ビール樽本体 4 口金 8 本発明のブッシュ 9 ダウンチューブ 10 第1の弁体 11 ストッパ 12 リテイニングディスク 14 第2の弁体 16 本体部 17 スカート部 19 段差部 20 段差部 21 弁座 22 シールリング用挟持面 23 雄ねじ部 24 係合用爪部 25 嵌合部 28 係合部 29 嵌合部 30 溶接 47 治具 51 ディスペンサ 55 治具 71 下型 72 上型 73 ノックアウト 83 下型 84 爪部用上型 85 ノックアウト 86 爪部用下型 87 ガイド部材 95 スリットベンド装置 96 受台 99 インナーダイスホルダ 103 インナーダイス 109 内張り 111 切り歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 一善 東京都品川区東品川二丁目2番24号 ナス トーア株式会社内 Fターム(参考) 3E082 AA04 BB03 CC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に雄ねじ部を有する筒状部を備え、
    この筒状部の上端部内側に係合用爪部を備え、中間部内
    周に段差部を備え、下部内周に弁座を備え、下端にシー
    ルリングの挟持面を備え、金属素材の鍛造加工をもとに
    形成されたブッシュの本体部と、周側に穴を有する金属
    製のブッシュのスカート部とから成り、上記本体部の下
    端部と上記スカート部の上端部とが溶接により接合され
    た生ビール樽用フィッティングにおけるブッシュ。
  2. 【請求項2】 本体部の下端部内側にスカート部の上端
    部外側が嵌合され、上記本体部内周面と上記スカート部
    の上端部周囲とが内側から溶接されている請求項1記載
    の生ビール樽用フィッティングにおけるブッシュ。
  3. 【請求項3】 上部に雄ねじ部を有する筒状部を備え、
    この筒状部の上端部内側に係合用爪部を備え、中間部内
    周に段差部を備え、下部内周に弁座を備え、下端にシー
    ルリングの挟持面を備えたブッシュの本体部を金属素材
    の鍛造加工をもとに形成し、周側に穴を有する金属製の
    スカート部の上端部を上記本体部の下端部に溶接により
    接合するようにした生ビール樽用フィッティングにおけ
    るブッシュの製造法。
  4. 【請求項4】 筒状の金属素材の鍛造加工により上部の
    筒状部、中間部内周の段差部、下部内周の弁座、下端の
    シールリングの挟持面を形成し、上記筒状部の鍛造加工
    により上記筒状部の上端部に上端面から凹入させて係合
    用爪部を内方へ突出させ、上記筒状部における係合用爪
    部の上方に突出する部分を切除し、上記筒状部の外周に
    雄ねじ部を切ることによりブッシュの本体部を形成する
    ようにした請求項3記載の生ビール樽用フィッティング
    におけるブッシュの製造法。
  5. 【請求項5】 筒状の金属素材の鍛造加工により上部の
    筒状部、中間部内周の段差部、下部内周の弁座、下端の
    シールリングの挟持面を形成し、上記筒状部のスリット
    加工およびベンド加工により上記筒状部の上端部に上端
    面から凹入させて係合用爪部を内方へ突出させ、上記筒
    状部における係合用爪部の上方に突出する部分を切除
    し、上記筒状部の外周に雄ねじ部を切ることによりブッ
    シュの本体部を形成するようにした請求項3記載の生ビ
    ール樽用フィッティングにおけるブッシュの製造法。
  6. 【請求項6】 本体部の下端部内周に嵌合部を切削加工
    により形成し、スカート部の上端部外周に嵌合部を切削
    加工により形成し、上記本体部と上記スカート部の両嵌
    合部を嵌合し、上記本体部内周面と上記スカート部の上
    端部周囲とを内側から溶接するようにした請求項3ない
    し5のいずれかに記載の生ビール樽用フィッティングに
    おけるブッシュの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004527423A (ja) * 2001-03-30 2004-09-09 ハイネケン テクニカル サービシーズ ビー.ブイ. 圧力源を容器に接続する装置および方法。
JP2021032516A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 株式会社パロマ コンロバーナの製造方法

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