JP2000353866A - 電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
製造方法に関するもので、印刷歩留りの向上を目的とす
るものである。 【解決手段】 本発明は、凹版1の表面に化学吸着によ
り第1離型層2を形成し、その上に第2離型層3を物理
吸着により形成する2重離型層構造とすることで、常に
安定した離型性を凹版1に持たせることができるため、
印刷歩留りを向上することができる。また、第2離型層
3は必要に応じて追加補充が可能であるので、繰り返し
印刷する場合においても印刷歩留りを低下させることが
ない。更に、2重離型層構造であるため凹版1の離型性
の耐久性を向上することができる。
Description
いる電子部品の製造方法に関し、特に凹版印刷によって
製造される電子部品の製造方法に関するものである。
それに伴って電子機器内で使用される電子部品の小型化
が進んでいる。このような状況下で、電子部品の導電パ
ターンに対しても、パターンを構成する導電ライン(以
下、単にラインと称する)の微細化、ライン抵抗を下げ
ることを目的とした導電パターンを構成する導電膜の厚
さの増加、更に小型化のための積層構造化が要求されて
いる。
69635号公報に開示されているような、可とう性フ
ィルムに微細な配線パターンを加工したフィルム状凹版
を用いた凹版印刷方法が提案されている。
では印刷時に、凹版内に導電ペーストが残る印刷不良が
発生しやすいので、効率よく基板上に被転写物である導
電ペーストを転写するために、凹版表面にフッ素系の離
型剤からなる離型層を形成して、凹版内の導電ペースト
を凹版と離れやすくさせ、印刷不良を改善することがで
きるという特徴を持つ。
平4−246594号公報や特開平4−332694号
公報に開示されており、図5に示されるようにフッ素系
シラン基を有する離型剤22を用い、凹版21をその離
型剤を溶解した溶液中に浸漬して凹版表面に離型層を形
成するというものである。なお図中の30は容器、40
は気泡である。
ような凹版印刷方法は、凹版表面の離型層が印刷を繰り
返す毎に剥がれてしまい、離型性が劣化するという離型
層の耐久性に問題を有していた。また、印刷すべきパタ
ーンが微細化していくと当然凹版に加工している溝も微
細パターンとなるため、凹版表面の離型層形成の処理方
法として行われている浸漬処理方法では、凹版の溝内部
に気泡を吸着したまま浸漬され、ただ浸漬するだけで
は、浸漬時間を延長しても溝部に吸着している気泡を取
り除くことはできず、そのため気泡が溝の内壁と離型剤
の接触を阻害して表面に離型層を形成することができ
ず、凹版全体に均一な離型層を形成することができない
という問題点を有していた。そのため、効率よく凹版か
ら基板へ導電ペーストを転写することができず、配線パ
ターンの断線やパターンの変形等の不良が発生しやすく
なっていた。
あり、繰り返し印刷しても劣化の起こらない凹版の離型
性を実現するとともに、凹版表面、特に微細加工された
溝部の内壁に均一な離型層を形成することを目的とする
ものである。
に本発明は、凹版表面に2重離型層を形成するもので、
凹版上に直接形成する第1離型層は凹版の基材と化学吸
着を行い、第1離型層上に形成する第2離型層は物理吸
着している。また、凹版に離型層を形成する際の凹版の
処理方法に、超音波振動を用いるものである。
用いて印刷する場合、離型層の劣化によって起こってい
た印刷不良に対して、第2離型層が第1離型層上に物理
吸着しているため、印刷毎に導電ペーストは第2離型層
と導電ペーストの界面、もしくは第1離型層と第2離型
層の界面で凹版から剥がれ確実に印刷することができ
る。しかもこの時、第2離型層は第1離型層の保護層に
もなっているので、第1離型層が印刷毎に劣化すること
を防ぐことができる。また、第2離型層は物理吸着して
いるだけであるので、必要に応じて印刷前に追加補充す
ることができる。更に第1離型層が不均一に形成されて
いる場合でも、第2離型層が補って凹版の離型性を常に
一定に保つことができる。反対に、第2離型層が不均一
に形成されている場合でも、第1離型層が形成されてい
るため凹版の離型性を常に一定に保つことができる。ま
た、凹版表面へ離型層を形成するための処理方法とし
て、離型剤を含む溶液中へ凹版を浸漬して反応させる際
に、超音波振動を与えることで凹版の溝部分に入り込ん
でいる気泡を除去することができるので、確実に離型剤
が凹版と反応することができ、凹版表面に均一な離型層
を形成することができる。
は、凹版を用いて導電性材料を基板上へ転写して導電パ
ターンを形成する凹版印刷を用いた電子部品の製造方法
であって、前記凹版の表面に第1離型層を形成し、前記
第1離型層上に第2離型層を形成した2重離型層構造を
有する凹版を用いることを特徴とする電子部品の製造方
法としたものであり、第2離型層が第1離型層を保護し
て第1離型層の劣化を防ぐことができる。そして離型層
の劣化が起こらないため、凹版の耐久性を向上すること
ができ、常に安定した離型性を確保することができると
いう作用を有する。そのため、転写時に被転写物である
導電ペーストが凹版内に残らず、確実に基板側へ転写す
ることができる。
1離型層は前記凹版の表面と化学反応を伴って前記凹版
表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の
電子部品の製造方法としたものであり、第1離型層を凹
版と化学吸着させることで、2重離型層構造とする際
に、後に形成する第2離型層と混ざり合うことなく、第
1離型層を独立して凹版表面に形成することができると
いう作用を有する。
2離型層は前記第1離型層に物理吸着していることを特
徴とする請求項1または請求項2記載の電子部品の製造
方法としたものであり、第2離型層が第1離型層上に物
理吸着していることで、第1離型層と第2離型層が混ざ
り合うことがなく、各々が独立した2重離型層構造を実
現することができる。しかも、第2離型層は物理吸着し
ているだけであるので必要に応じて補充することが可能
である。更に、第2離型層が第1離型層の保護層として
働くため、第1離型層の劣化を防止でき、離型性の耐久
性を向上させることができるという作用を有する。
版を前記第1離型層の処理溶液及び前記第2離型層の処
理溶液にそれぞれ浸漬して前記凹版表面に前記第1離型
層及び前記第2離型層を形成し、前記第1離型層及び前
記第2離型層の少なくとも一方は浸漬処理する際に超音
波振動を与えることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の電子部品の製造方法としたものであり、凹版
を処理溶液に浸漬する際に溝部に入り吸着している気泡
を、簡単かつ完全に除去できるので、凹版表面に均一な
離型層を形成することができるという作用を有する。
2離型層は少なくとも1回以上の前記凹版の使用間隔で
前記凹版表面に再形成することを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の電子部品の製造方法としたもので
あり、凹版の表面に常に安定した離型性を確保すること
ができるという作用を有する。
1から図4を用いて説明する。
ており、凹版1の表面に第1離型層2と、第1離型層2
上に第2離型層3が形成されている。
ている。まず厚さ125μmの可とう性樹脂基材である
ポリイミドフィルム4にエキシマレーザ装置(図示せ
ず)を用いて紫外線領域の波長248nmのレーザビー
ムを照射して所望の配線パターン11に対応する溝5を
形成する。本実施の形態においては、配線パターン11
に対応する部分の溝5の幅を25μm、深さを30μm
とした。可とう性樹脂基材としては、エキシマレーザに
よる加工の場合は、光化学反応で分解される材料であれ
ば何でも可能であるが、他にポリエチレンテレフタレー
ト(PET)やポリエーテルイミド(PEI)なども使
用できる。
ポリイミドフィルム4では溝5の中に充填されて転写さ
れる導電ペースト6とポリイミドフィルム4との離型性
が十分でない。そのため、転写工程において溝5の内部
に導電ペースト6が残存しやすい。そこで、凹版1の表
面、特に溝5の内壁に離型層7を形成する。離型層7の
形成方法としては、溝5を加工した凹版1の表面をアセ
トン等の有機溶剤で洗浄した後、O2プラズマアッシン
グで表面処理を行う。
ルキル基を含むシラン化合物から成る第1離型剤2aを
溶解した、例えばシクロヘキサン等の非水系有機溶剤に
凹版1を浸漬する。第1離型剤2aには凹版1と反応さ
せるために、クロロシリル基等の加水分解しやすい官能
基を持つものを選択しておく。この第1離型剤2a中の
クロロシリル基は水の存在により瞬時に加水分解して脱
塩化水素反応を行うため、この性質を利用して、凹版1
の表面にある水酸基と反応させて第1離型剤2aを化学
吸着させることができる。
を吸着させるためには、より多くの水酸基が必要である
ので、予め凹版1の表面をO2プラズマアッシングで強
制的に酸化させて凹版1の表面の水酸基の量を多くして
いる。また、クロロシリル基は空気中の水分に対しても
簡単に加水分解を行うため、第1離型層2の処理方法は
窒素または不活性気体中で行い、空気を完全に遮断する
必要がある。この方法によって、凹版1の表面に第1離
型層2を効率よく形成することができる。
官能基と反応することがないような、例えばフッ素化シ
リコーン等の安定した第2離型剤3aを溶解した非水系
有機溶剤へ、第1離型層2を表面に形成した凹版1を浸
漬する。この第2離型層3は化学反応を伴わず、第1離
型層2上へ物理吸着しているだけである。しかも処理方
法としては、浸漬処理した後、第2離型剤3aを溶解し
た有機溶剤から引き上げて自然乾燥または乾燥機による
乾燥を行うだけでよく、この乾燥で有機溶剤のみが蒸発
して凹版1の表面には第2離型剤3aだけが残り、その
結果、第1離型層2上に物理吸着した第2離型層3を効
率よく形成することができる。
れぞれ浸漬処理によって形成されるのであるが、溝5の
サイズが微細化されるにつれて、浸漬時にその溝5内部
に気泡が吸着しやすくなり、気泡が各離型剤2a,3a
との反応を阻害して凹版1の表面に第1離型層2及び第
2離型層3を形成することが困難になるが、この問題に
対して、図3に示すように、浸漬時に超音波振動を与え
ると簡単に気泡を除去することができる。そもそも、気
泡は凹版1の表面に物理吸着しているだけであって化学
的な結合は全く伴っていない。そのため超音波振動を与
えるだけで簡単に気泡が凹版1の表面から離れるのであ
る。
1離型層2及び第2離型層3の2重離型層7が形成され
た凹版1の表面に、導電ペースト6としてAg/Pdペ
ーストを塗布する。そして、塗布後の凹版1の表面をス
キージ13で掻くことによって溝5内に導電ペースト6
を充填するとともに、凹版1の表面の余分な導電ペース
ト6を除去する。その後、溝5に導電ペースト6を充填
した凹版1を乾燥器中で乾燥させ、導電ペースト6中の
有機溶剤を蒸発させる。有機溶剤成分が蒸発した導電ペ
ースト6はその体積が減少するため、溝5に再び窪みが
生じる。この窪みに再度導電ペースト6を充填し、同様
に乾燥させ導電ペースト6中の有機溶剤を蒸発させる。
すると再び溝5に窪みを生じる。そして、この導電ペー
スト6の充填、乾燥を繰り返して最終的には溝5内に乾
燥した導電ペースト6を充満させることができる。本例
では4回の充填・乾燥を繰り返した。
6が転写されるように、熱可塑性樹脂よりなる接着層9
を形成する。そして、導電ペースト6が充填された凹版
1の表面と接着層9とを対向させ、凹版1とセラミック
基板8とを加熱・加圧して貼り合わせる。
凹版1とセラミック基板8との温度を室温まで下げてか
ら凹版1をセラミック基板8から剥離させ、配線パター
ン11となる導電ペースト6の転写を行う。この時、凹
版1の表面に第1離型層2と第2離型層3が重なった2
重離型層7を形成しているため、簡単に凹版1から導電
ペースト6を引き剥がすことができる。
ミック基板8をピーク温度850℃の温度プロファイル
の下で焼成する。
成することができる。この配線パターン11の最小ライ
ン幅は20μm、膜厚は18μmとなる。溝5の寸法よ
り小さくなったのは、導電ペースト6が焼成によって収
縮したからである。また、配線パターン11の電気抵抗
は、最大線長部分で0.4Ω、導体の面積抵抗値は2.
1mΩと非常に小さい配線抵抗にすることができる。
配線パターン11を印刷する場合、同様に導電ペースト
6の充填、乾燥を行い印刷することができるが、繰り返
し回数が増加すると印刷時に溝5内部に残る導電ペース
ト6が増加して、印刷不良が増加する。これは繰り返し
印刷によって凹版1の表面に形成している第2離型層3
が減少していき、更にその後、第1離型層2も減少して
いくので印刷不良が増加するものである。この問題に対
して、第2離型層3を必要に応じて前述と同様の方法で
凹版1の表面の第1離型層2上に追加形成すると、再び
凹版1の離型性を向上させることができる。また、第2
離型層3が再び均一に形成されることで、第1離型層2
の保護層にも成りうるので、第1離型層2の劣化を防ぐ
ことができ、凹版1の離型性の耐久性を向上させること
ができる。
を有する。
合、離型層の劣化によって起こっていた印刷不良に対し
て、第2離型層が第1離型層上に物理吸着しているた
め、印刷毎に導電ペーストは第2離型層と導電ペースト
の界面、もしくは第1離型層と第2離型層の界面で凹版
から剥がれ確実に印刷することができる。しかもこの
時、第2離型層は第1離型層の保護層にもなっているの
で、第1離型層が印刷毎に劣化することを防ぐことがで
きる。また、第2離型層は物理吸着しているだけである
ので、必要に応じて印刷前に追加補充することができ
る。更に第1離型層が不均一に形成されている場合で
も、第2離型層が補って凹版の離型性を常に一定に保つ
ことができる。反対に、第2離型層が不均一に形成され
ている場合でも、第1離型層が形成されているため凹版
の離型性を常に一定に保つことができる。
処理方法として、離型剤を含む溶液中へ凹版を浸漬して
反応させる際に、超音波振動を与えることで凹版の溝部
分に入り込んでいる気泡を除去することができるので、
確実に離型剤が凹版と反応することができ、凹版表面に
均一な離型層を形成することができる。
面に2重離型層を形成することで、安定した離型性を確
保することができる。また、繰り返し同一凹版を用いて
印刷を行う場合においても、常に安定した離型性を確保
することができる。さらに、凹版の加工パターンが微細
化されても表面に均一に離型層を形成することができ
る。そのため、印刷時に、凹版内に導電ペーストが残る
印刷不良を低減すると共に、凹版の離型性の耐久性を向
上することができる。
図
Claims (5)
- 【請求項1】 凹版を用いて導電性材料を基板上へ転写
して導電パターンを形成する凹版印刷を用いた電子部品
の製造方法であって、前記凹版の表面に第1離型層を形
成し、前記第1離型層上に第2離型層を形成した2重離
型層構造を有する凹版を用いることを特徴とする電子部
品の製造方法。 - 【請求項2】 前記第1離型層は前記凹版の表面と化学
反応を伴って前記凹版表面に形成されていることを特徴
とする請求項1記載の電子部品の製造方法。 - 【請求項3】 前記第2離型層は前記第1離型層に物理
吸着していることを特徴とする請求項1または請求項2
記載の電子部品の製造方法。 - 【請求項4】 前記凹版を前記第1離型層の処理溶液及
び前記第2離型層の処理溶液にそれぞれ浸漬して前記凹
版表面に前記第1離型層及び前記第2離型層を形成し、
前記第1離型層及び前記第2離型層の少なくとも一方は
浸漬処理する際に超音波振動を与えることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。 - 【請求項5】 前記第2離型層は少なくとも1回以上の
前記凹版の使用間隔で前記凹版表面に再形成することを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品の
製造方法。
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