JP2000353508A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JP2000353508A
JP2000353508A JP11161774A JP16177499A JP2000353508A JP 2000353508 A JP2000353508 A JP 2000353508A JP 11161774 A JP11161774 A JP 11161774A JP 16177499 A JP16177499 A JP 16177499A JP 2000353508 A JP2000353508 A JP 2000353508A
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treatment
grafting
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vinyl monomer
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Masahito Tanaka
雅人 田中
Setsuo Toyoshima
節夫 豊島
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐アルカリ性、耐酸性に優れ、電解液保持性
に優れたオレフィン系樹脂製の不織布又は織布からなる
アルカリ電池セパレータを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂を主構成成分とす
る不織布又は織布からなり、かつその表面に、オゾン等
による活性化処理と、それに続くビニル単量体によるグ
ラフト化処理が施されている、アルカリ電池用セパレー
タ。該グラフト化処理をアミド基含有ビニル単量体によ
って行う場合は、グラフト化処理に続いてアミド基に対
するホフマン転位反応を施すことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ電解液を
用いるアルカリマンガン電池、空気亜鉛電池などの一次
電池又はニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、
ニッケル亜鉛電池などの二次電池用のセパレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の一次電池や二次電池、さらには燃
料電池がポータブル機器用、移動用、据置用、予備用、
独立電源用の電池として利用されている。これらの電池
は、正極、負極、電解質、セパレータ、容器などから成
り立っている。このような電池の特性に影響を与えるも
のとして電極の果たす役割が大きいことはもちろんであ
るが、セパレータの役割も見過すことはできない。電池
におけるセパレータの最も大きな役割は、正極と負極を
隔離して電気的短絡を防止することである。そのために
一次電池では耐電解液性が重視され、二次電池では更に
充電時での酸化に対して耐えることが要求される。
【0003】セパレータに求められる他の重要な特性と
して、電解液の保持性がある。電解液を豊富に用いる系
と、密閉系のようにセパレータに電解液を保持させる系
とに分けると、電解液の保持性は、特に後者の系で重要
なことは当然である。このような電解液の保持性を重視
して、特に密閉系の一次、二次電池では天然繊維系の不
織布や織布が用いられている。また、電解液としてアル
カリ電解液を用いる場合には、耐アルカリ性を考慮して
ポリアミドからなる不織布あるいは織布がよく用いられ
ている。
【0004】しかし、このような電解液保持性に優れた
材料は、一般的には耐アルカリ性や耐酸性に関して問題
があり、例えばポリアミドは、一応の耐アルカリ性は有
しているが、高温度条件下や非常に長期にわたる使用に
よって強度が低下し、短絡の原因になることが知られて
いる。もちろん天然繊維、つまりセルロース系ではこの
ような傾向はさらに顕著であり、そのままでは電池セパ
レータとして使用することは難しい。
【0005】これらの天然繊維系に対して、オレフィン
系樹脂、特にポリエチレンやポリプロピレンを材料とす
る不織布や織布は、耐電解液性や耐酸化性の点ですぐれ
ているので、電池の長寿命化を実現できるセパレータ材
料としては好ましいといえる。ところが、これらのポリ
エチレンやポリプロピレン製のセパレータは電解液への
親和性が極端に悪く、またその電解液保持性も悪い。
【0006】このような欠点を補うために、界面活性剤
をオレフィン系樹脂製の不織布あるいは織布に含浸させ
ることによって電解液への親和性や電解液保持性の改良
を図る試みもあるが、電解液への親和性があって、なお
電池内で電解液に長期にわたって影響を受けず、また耐
酸化性も十分に兼ね備えているような界面活性剤がない
ので、このような界面活性剤による処理のみでは、初期
の電池特性は良くても、電池の長期使用によってセパレ
ータの電解液保持性が低下し、セパレータとしての特性
が劣化するために不十分である。
【0007】このようなオレフィン系樹脂製セパレータ
の親水性を向上させ、電解液との親和性を良くするため
の方法として、発煙硫酸やクロロ硫酸あるいは熱濃硫酸
などによるスルホン化処理がある。このスルホン化処理
は、オレフィン系樹脂製基材にスルホン基が化学的に導
入された構造からなるセパレータであるため長期にわた
って電解液保持性の低下が少なく、前記欠点が解消され
ることが分かった。しかし、このスルホン化処理はセパ
レータの親水性の向上とともに強度低下をもたらすため
に、電池内短絡の発生原因となり易い。
【0008】また、親水性のあるアクリル酸、メタクリ
ル酸及びこれらのエステル類などを、紫外線照射下でオ
レフィン系樹脂にグラフト反応させ、セパレータとして
利用する方法がある。この場合、光重合開始剤を併用し
た反応が試みられているが、オレフィン系樹脂に含まれ
る酸化防止剤などの添加剤の影響でグラフト化反応は非
常に起こり難く、寧ろオレフィン系樹脂の表面エッチン
グが起き易い。一般的に、この方法ではグラフト化率が
低いため、グラフト化率を高くしようとして紫外線を長
時間照射するとセパレータの強度が著しく低下し、前記
スルホン化処理の場合と同じ問題が生じている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したよ
うに、オレフィン系樹脂を主構成材料とする不織布ある
いは織布からなるアルカリ電池用セパレータにおいて、
正極と負極が確実に隔離されていて電気的な短絡を生じ
ることなく、かつ長期間の使用においても電解液の保持
性が充分に維持されるようなアルカリ電池用セパレータ
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オレフィ
ン系樹脂製の不織布や織布に対するグラフト化反応条件
が比較的に穏やかで、しかも高いグラフト化率を達成で
きる方法について鋭意検討を行った結果、グラフト化反
応に先立って、オレフィン系樹脂製の不織布や織布の表
面を活性化する処理を施すことで高いグラフト化率が達
成できることを見出し、本発明に至ったものである。本
発明は、以下の各技術事項によって特定されるアルカリ
電池用セパレータの発明を包含する。
【0011】(1) ポリオレフィン系樹脂を主構成成分と
する不織布あるいは織布からなり、かつその表面に活性
化処理と、該処理に続くビニル単量体によるグラフト化
処理が施されていることを特徴とする、アルカリ電池用
セパレータ。 (2) 前記ビニル単量体によるグラフト化処理は、アミド
基を有するビニル単量体によるグラフト化処理であるこ
とを特徴とする、(1) 項記載のアルカリ電池用セパレー
タ。
【0012】(3) 前記アミド基を有するビニル単量体に
よるグラフト化処理に続いて、該グラフト化処理によっ
て導入されたアミド基をさらにホフマン転位させる処理
が施されていることを特徴とする、(2)項 記載のアルカ
リ電池用セパレータ。 (4) 前記活性化処理が、プラズマ処理、オゾン処理、紫
外線照射処理、コロナ処理、EB照射処理から選ばれた少
なくとも1種の活性化処理であることを特徴とする、
(1) 〜(3) 項のいずれか1項に記載のアルカリ電池用セ
パレータ。
【0013】(5) 前記グラフト化処理は、紫外線照射下
におけるグラフト化処理であることを特徴とする、(1)
〜(4) 項のいずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレ
ータ。 (6) 前記グラフト化処理は、触媒の存在下におけるグラ
フト化処理であることを特徴とする、(1) 〜(4)項 のい
ずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレータ。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリオレフィン
系樹脂を主構成成分とする不織布あるいは織布の表面の
活性化処理とは、ポリオレフィン系樹脂を主構成成分と
する不織布あるいは織布(以下、ポリオレフィン系樹
脂、ともいう)に対して、プラズマ処理、オゾン処理、
紫外線照射処理、コロナ処理、EB照射処理などの各種放
電処理などを行い、表面に酸素、窒素、などを含む官能
基又は不飽和結合を導入するための処理である。この活
性化処理に際しては、ビニル単量体や他の有機化合物等
を存在させる必要はない。
【0015】活性化処理が予定通りに行われているかど
うかの確認手段としては、処理したポリオレフィン系樹
脂の赤外吸収スペクトルを測定する手段が有効である。
例えば、導入されたカルボニル基に基づく吸収の吸光度
と未変化の結晶部分の構造に基づく吸収の吸光度の比を
べースライン法により求めて、酸化の程度を知ることが
できる。この比から、酸化がごく微量起ったことが確認
される程度が活性化処理の目安であり、好ましい。
【0016】活性化処理は、公知の各種方法によって行
うことができ、たとえば、プラズマ処理、オゾン処理、
紫外線照射処理、コロナ処理、EB照射処理の表面活性化
処理方法から適宜選択することができる。また、表面を
活性化処理する前に、ポリオレフィン系樹脂を、アルコ
ールなどの液体で洗浄することが好ましい。
【0017】オゾン処理は、ポリオレフィン系樹脂をオ
ゾン分子と接触させて、酸化反応を主とする改質反応を
行うことを目的としている。オゾン処理は、支持体をオ
ゾンに暴露することによって行われる。暴露方法は、オ
ゾンが存在する雰囲気に所定時間保持する方法、オゾン
気流中に所定時間暴露する方法など適宜の方法で行うこ
とができる。
【0018】オゾンは、空気、酸素ガス、又は酸素添加
空気等の酸素含有気体をオゾン発生装置に供給すること
によって発生させることができる。得られたオゾン含有
気体を、上記材料を保持してある容器、槽等に導入して
オゾン処理を行う。オゾン含有気体中のオゾン濃度、暴
露時間、暴露温度の諸条件は、表面改質の目的に応じて
適宜定めることができる。
【0019】プラズマ処理は、ポリオレフィン系樹脂を
アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素、二酸化窒素、酸
素、空気などを含む容器内におき、グロー放電により生
じるプラズマに晒し、表面に酸素、窒素などを含む官能
基を導入することを目的とするものである。アルゴンや
ネオンなどの不活性ガスが低圧で存在する場合、ポリオ
レフィン系樹脂の表面は発生したプラズマの攻撃を受
け、その表面にラジカルが発生すると考えられている。
【0020】紫外線照射処理は、紫外線を照射する光源
として、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセ
ノンランプ、メタルハライドランプなどを用い、空気中
でポリオレフィン系樹脂の表面に紫外線を照射する方法
である。照射前に、紫外線吸収溶剤で上記材料の表面を
処理しても良い。紫外線の波長は適宜選択できるが、3
60nm以下が好ましい。
【0021】EB(電子線)照射処理は、微小電流により
加熱されたフィラメントから生じた熱電子は、対極に置
かれた正極(EB装置ではウインドウ)に向かって真空容
器中を直進する。フィラメントとウインドウの間に加え
られた高電圧により、EBは加速され、ウインドウを突き
抜けて被照射物(ポリオレフィン系樹脂)に照射される
ようにした装置である。
【0022】コロナ放電は、設置された金属ロールとそ
れに数mmの間隔で置かれたナイフ状電極との間に数千
ボルトの高電圧をかけてコロナ放電を発生させ、この放
電中の電極−ロール間にポリオレフィン系樹脂を通過さ
せる方法である。この方法はフィルム又は薄様物の処理
に適している。活性化処理としてはプラズマ処理、オゾ
ン処理、紫外線照射処理、コロナ処理、EB照射処理の各
種活性化処理が好ましいが、特にオゾン処理はグラフト
率が高くなり易く、優れている。活性化処理はポリオレ
フィン系樹脂の表面に官能基が形成され、その後のグラ
フト化はビニル単量体と形成された官能基との化学反応
により進行すると考えられる。
【0023】(ビニル単量体のグラフト化処理)表面を
活性化処理したポリオレフィン系樹脂には、次いでビニ
ル単量体をグラフト化する処理を行う。グラフト化はグ
ラフト共重合ともいわれる。本発明のグラフト化反応は
ビニル単量体を活性化処理したポリオレフィン系樹脂に
接触させると同時に紫外線照射処理、プラズマ処理、コ
ロナ処理又はEB処理などのようなエネルギー付与、又は
触媒を併用するなどの方法を取ることが好ましいが、紫
外線照射又は触媒を用いる方法が特に好ましい。
【0024】グラフト化に使用するビニル単量体は、炭
素数3〜20が好ましい。本発明において、「ビニル単
量体」という用語は広義に用いられ、ビニル重合に供さ
れる重合可能なビニル化合物とビニリデン化合物及び炭
素−炭素二重結合を有する化合物を示している。ビニル
基又はビニリデン基又は炭素−炭素二重結合の他に、ア
ミド基、エステル基、フェニル基、エーテル基等を有し
てもよい。
【0025】具体例としては、スチレン、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸エステル又
はその誘導体(例:α−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、酢酸ビニル、ビニルエーテル類、ビニルカルバゾ
ール、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、イソブチ
レン、無水マレイン酸、クロトン酸、四フッ化エチレ
ン、三フッ化塩化エチレン、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレンなどがある。
【0026】更にアミド基を有するビニル単量体として
はアクリルアミド及びN−アルキルアクリルアミド、N
−シクロアルキルアクリルアミド、N−アルキルアリー
ルアクリルアミド、N−アラルキルアクリルアミドなど
のN置換アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アル
キルメタクリルアミド、N−シクロアルキルメタクリル
アミド、N−アルキルアリールメタクリルアミド、N−
アラルキルメタクリルアミドなどのN置換メタクリルア
ミドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
後半列挙したアミド基を有する化合物をグラフトしたセ
パレータは親水性が強く、電解液保持性に優れており、
好ましい。
【0027】グラフト化率(未処理ポリオレフィン系樹
脂に対するグラフトポリマーの重量%)は、具体例に示
すようにポリオレフィン系樹脂とビニル単量体の種類及
びグラフト化の方法により異なる。好ましいグラフト率
はグラフト化ポリオレフィン系樹脂の用途により異な
る。セパレータとしては1〜70%が好ましい。より好
ましくは5〜50%である。
【0028】紫外線照射によるグラフト化とは、表面を
活性化処理した高分子材料に紫外線照射しつつビニル単
量体をグラフト化する処理である。一般的にはビニル単
量体を単独又は複数で、他の不活性な気体もしくは液体
で希釈もしくは溶解して、気相もしくは液相で使用し、
表面を活性化処理したポリオレフィン系樹脂の表面にビ
ニル単量体を存在させた状態で紫外線を照射して行う。
メタクリル酸メチルやスチレンのような非水溶性ビニル
単量体の場合は、例えば、アルコールや酢酸エステル溶
液で、アクリル酸やアクリルアミドは水溶液で使用する
ことができる。ポリオレフィンのように撥水性の場合
は、アクリル酸やアクリルアミドはアルコールやアセト
ンなどの水溶性有機溶剤と水を混合した溶液として用い
ることが好ましい。
【0029】本発明において、紫外線とは、可視光線を
含んだ180nm〜600nmの波長の光、又はこれら
の波長の光を含む光を使用してもよい。300nm〜5
00nmの波長のもの、あるいは365nm又は366
nmを中心とする波長の光を使用することが有効であ
る。但し、より短波長の光照射では、材料強度の低下を
引き起こしやすいので不都合であり、また長波長の光照
射では反応が起こりにくいので好ましくない。この波長
範囲の紫外線は、公知の低圧又は高圧水銀ランプ、蛍光
ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ又は紫
外線レーザー発生装置から発生するものを用いることが
できる。不必要な波長領域をカットするために適宜フィ
ルターを使用することができる。
【0030】グラフト化反応温度は、20〜60℃が適
当であるが、目的によってはこれより高い方が反応性は
よい。更に紫外線照射下のグラフト化効率を上げるため
に、ベンゾフェノン、過酸化水素、その他の過酸化物等
の反応触媒又は光増感剤を反応容器内に存在させること
ができる。ただし、存在させなくても反応させることが
できる。紫外線照射は、目的とする表面改質の程度、ビ
ニル単量体の種類、温度を考慮して、照射時間と光の強
度を適宜設定することにより行われる。
【0031】実際、ポリプロピレン系樹脂の場合には、
厚さ1〜2mmの硬質ガラス製容器にビニル単量体の溶
液とオゾン処理されたポリプロピレン繊維を入れ、容器
内を窒素雰囲気とする。次に400Wの紫外線ランプか
らフィルターにより、360nmから400nm付近を
中心とする紫外線を取り出し、ランプ表面から反応容器
の底までの距離を15.5cmとして照射する。反応温
度は40〜50℃、反応時間は2〜4時間が適当であ
る。反応容器の過熱を防ぐため、ランプと容器の間の空
間及び容器を空冷する。
【0032】また、触媒によるグラフト化については、
まず、オゾン処理等の表面活性化処理によって、水酸
基、アミノ基、ヒドロペルオキシド基、カルボニル基な
どの官能基を形成したポリオレフィン系樹脂に、触媒作
用によって、ビニル単量体をグラフト化する反応であ
る。触媒として、例えば、硝酸セリウム(IV)、アン
モニウム、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、アゾビスイソブチロニトリルなどが好ま
しく、所定の温度、時間を置くことによって行われる。
【0033】ホフマン転位(ホフマン反応)によって、
グラフト化されたビニル単量体由来のアミド基(−CO
NH2 )をホフマン転位させるのは、それによって生
成したアミノ基(−NH2 )によって親水性を一層
改善するためである。ホフマン転位は、通常の方法で行
うことができる。すなわち、グラフト化されたポリオレ
フィン系樹脂を水酸化ナトリウムの水溶液に浸け、次亜
塩素酸ナトリウム(又は次亜臭素酸ナトリウム)の水溶
液を加えることによって簡単に行うことができる。ま
た、アミド基にアルカリの存在下で臭素又は塩素を作用
させて加水分解してもよい。反応温度及び時間は適宜選
択できる。
【0034】アルカリ電池セパレータ用不織布のウェブ
としては、ポリオレフィン系樹脂を主構成材料としてス
パンボンド、メルトブロー、スパンレース、カード又は
エアーレイなどの各種乾式法や湿式抄紙法で製造されて
いる不織布、又は縦糸と横糸を織って作製される織布な
どが使用できるが、特に限定するものではない。さらに
それらを積層又は貼合わせたタイプのものでも良い。
【0035】中でも、カード法、クロスレイヤー法及び
ランダムウェバー法は、繊維長の長い繊維を用いること
ができるが、均一なウェブ化が難しく、地合いが悪く、
透過光で観察すると、斑点模様が見られる。このため、
短絡を防ぐのに必要な空隙径を得ようとすると高目付に
しなければならないと言う問題がある。また分割型複合
繊維を分割するには、ニードルパンチ法、水流交絡法等
の手段を用いて分割する必要があるが、ニードルパンチ
法は低目付では使用できず、水流交絡法においても、乾
式法の場合繊維の絡みが弱く、分割し難い。
【0036】湿式抄紙法は、同一装置で、繊維径の異な
る繊維や複数種類の繊維を任意の割合で混合できる利点
がある。すなわち、繊維の形態も、ステープル状、パル
プ状等と選択の幅は広く、使用可能な繊維径も、7μm
以下の極細繊維から太い繊維まで使用可能で、他の方法
に比べて極めて良好な地合のウェブが得られる方法であ
る。また約50mm以下の繊維長の分割型複合繊維であれ
ば分割するに当たり、パルパーや高速ミキサー、ビータ
ー等の離解機での離解工程で分割でき、次いで分散工程
の分散安定性が確保できることから、細い繊維径のシー
トを得るための方法として分割型複合繊維の使用がなさ
れる場合もある。
【0037】一方、スパンボンド法、メルトブロー法
は、繊維径の細い不織布を作成することができるため、
正極と負極の間のショート防止の点で有利である。特に
緻密さを高めて、繊維径が0.1〜15μmのポリオレ
フィン系樹脂からなる繊維が好ましく、スパンボンド不
織布にメルトブロー不織布を積層又は張り合わせたタイ
プが好ましい。
【0038】
【実施例】以下に、実施例によって本発明のアルカリ電
池用セパレータの製法とその特性を説明するが、本発明
はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0039】実施例1 ポリプロピレン樹脂からなる目付46g/m2 、厚さ1
40μm、平均繊度1.3dのスパンボンド不織布に紫
外線照射によりメチルメタクリレート(MMA)をグラ
フトする。上記不織布( サイズ100×100mm)を
硬質ガラス製容器に入れ、オゾン発生器(日本オゾンO
N−1−2型)から40mg/lの濃度のオゾンを発生
させ、20分間処理した。次にオゾンを含まない酸素を
10分間吹き込んだ。
【0040】次に、メタノール15ml、MMA1gを
加え、反応容器を窒素雰囲気にしてから、高圧水銀ラン
プ(東芝高圧水銀灯H400P)を15.5cmの距離
から3時間照射した。温度は45℃とした。反応容器の
内容物を大量のメタノール中に投入した。MMAポリマ
ーの付着した不織布を取り出し、トルエン100mlに
よる洗浄を3回行い(室温下、洗浄時間2時間/回)、
ホモポリマー(MMAの単独重合体)を除去した。処理
された不織布を乾燥し、得られたシートを電池用セパレ
ータとして以下の実験に使用する。グラフト化率は16
%であった。
【0041】未処理のポリプロピレン不織布と、得られ
たMMAグラフトポリプロピレン不織布のフーリェ変換
赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を比較すると、
後者は、MMAのカルボキシル基に基づく強い吸収が1
738cm-1付近に観測されることにより、グラフト化
していることが分かる。
【0042】実施例2 ポリプロピレン樹脂からなる目付30g/m2 、平均繊
度1.2dのスパンボンド不織布と、目付16g/
2 、平均繊度0.3dのメルトブロー不織布を張り合
わせ、厚さを140μmとした複合不織布に紫外線照射
によりアクリルアミドをグラフトする。上記不織布( サ
イズ100×100mm)を硬質ガラス製容器に入れ、
オゾン発生器(日本オゾンON−1−2型)から40m
g/lの濃度のオゾンを発生させ、20分間処理した。
【0043】次に、アクリルアミド0.4g、水10m
lを加えて、反応容器を窒素雰囲気にした。高圧水銀ラ
ンプ(東芝高圧水銀灯H400P)を15.5cmの距
離から3時間照射した。温度は45℃とした。反応容器
の内容物を大量の水中に投入した。アクリルアミドのポ
リマーの付着した不織布を取り出し、水100mlによ
る煮沸洗浄を3回行った。処理された不織布を乾燥し、
得られたシートを電池用セパレータとして以下の実験に
使用する。グラフト化率は25%であった。この場合、
過酸化水素は加えなかった。
【0044】未処理、オゾン処理、アクリルアミドグラ
フト後のポリプロピレン不織布の各フーリェ変換赤外線
吸収スペクトル(拡散反射法)をとり、比較すると、オ
ゾン処理後ではカルボニル基の吸収が1739cm-1
近に見られ、アクリルアミドグラフト後では1610c
-1、1670cm-1付近のアミド基による吸収が見ら
れる。
【0045】実施例3 ポリプロピレン樹脂からなる目付46g/m2 、厚さ1
40μm、平均繊度1.3dのスパンボンド不織布に、
紫外線照射によりアクリルアミドをグラフトする。上記
不織布( サイズ100×100mm)を硬質ガラス製容
器に入れ、オゾン発生器(日本オゾンON−1−2型)
から40mg/lの濃度のオゾンを発生させ、20分間
処理した。
【0046】次にアクリルアミド0.4g、水10m
l、メタノール5mlを加えて、反応容器を窒素雰囲気
にした。高圧水銀ランプ(東芝高圧水銀灯H400P)
を15.5cmの距離から3時間照射した。温度は45
℃とした。反応容器の内容物を大量の水中に投入した。
アクリルアミドのポリマーの付着した不織布を取り出
し、水100mlによる煮沸洗浄を3回行った。 処理
された不織布を乾燥し、得られたシートを電池セパレー
タとして以下の実験に使用する。グラフト化率は25%
であった。この場合、過酸化水素は加えなかった。
【0047】得られたアクリルアミドグラフトポリプロ
ピレン不織布を水に入れ、水酸化ナトリウムでアルカリ
性にしてから、次亜塩素酸ナトリウムを加えて、次のよ
うにホフマン転位を行った。まず、上記不織布全量、水
20ml、水酸化ナトリウム0.2g、次亜塩素酸ナト
リウム(5%水溶液)1mlを仕込み、反応時間1時
間、温度50℃で処理した。処理された不織布を乾燥
し、得られたシートを電池セパレータとして以下の実験
に使用する。
【0048】尚、ホフマン転位によりアクリルアミドの
アミド基はアミノ基に変わることが知られている。この
操作で得られた処理不織布を以下AMHPPと略称す
る。未処理、オゾン処理、アクリルアミドグラフト後の
ポリプロピレン不織布、及びAMHPPの各フーリェ変
換赤外線吸収スペクトル(拡散反射法)をとり、比較す
ると、オゾン処理後ではカルボニル基の吸収が1710
cm-1付近に見られ、アクリルアミドグラフト後では1
630cm-1と1670cm-1付近のアミド基による吸
収が見られる。AMHPPでは1630cm-1と167
0cm-1付近に吸収のピークが見られるが、吸光度は大
幅に減少している。すなわち、アミド基が減少したこと
が分かり、ホフマン転位によるアミド基からアミノ基へ
の転位を示していると考えられる。
【0049】実施例4 重量平均繊維長0.45mm、繊維径分布0.5μm〜
7.0μm、カナディアンフリーネス400mlのポリ
オレフィンパルプ(商品名ティアラKY−430M;ダ
イセル(株)製)5gを濃度1%でパルパにて分散し分
散液Aを得た。次に水1500gをステンレスバットに
計量し、繊度0.7d、カット長5mmのポリプロピレ
ンチョップ(商品名:PZ、ダイワボウ(株)製)5g
及び繊度0.9d、カット長5mmのポリプロピレン/
ポリエチレン芯鞘繊維(商品名NBFスター220;ダ
イワボウ(株)製)を10g計量し、分散濃度1%で分
散し、ポリオレフィン系繊維分散液を得た(分散液
B)。
【0050】分散液A:分散液B=3:7(重量比)の
割合で混合し、さらに水で10倍に希釈する。さらに粘
剤としてポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−P
F,住友精化社製)を極少量添加し、目付46g/m2
の湿式不織布シートを手漉きした。得られた湿式不織布
シートをドラムドライヤで乾燥後、スーパーカレンダー
にて厚さを140μmに調節し、湿式不織布を得た。得
られた不織布に触媒によりアクリルアミドをグラフトす
る。上記湿式不織布( サイズ100×100mm)を硬
質ガラス製容器に入れ、オゾン発生器(日本オゾンON
−1−2型)から40mg/lの濃度のオゾンを発生さ
せ、20分間処理した。
【0051】次にアクリルアミド0.4g、硝酸セリウ
ムアンモニウム3mg、水10ml及びメタノール5m
lを加えて、反応容器を窒素雰囲気にした。温度は70
℃、反応時間4時間とした。次に反応容器の内容物を大
量の水中に投入した。アクリルアミドのポリマーの付着
した不織布を取り出し、水100mlによる煮沸洗浄を
3回行った。処理された不織布を乾燥し、得られたシー
トを電池セパレータとして以下の実験に使用する。グラ
フト化率は20%であった。この場合、過酸化水素は加
えなかった。
【0052】未処理、オゾン処理、アクリルアミドグラ
フト後のポリプロピレン不織布の各フーリェ変換赤外線
吸収スペクトル(拡散反射法)をとり、比較すると、オ
ゾン処理後ではカルボニル基の吸収が1710cm-1
近に見られ、アクリルアミドグラフト後では1610c
-1、1670cm-1付近のアミド基による吸収が見ら
れる。
【0053】比較例1 ポリプロピレン樹脂からなる目付46g/m2 、厚さ1
40μm、平均繊度1.3dのスパンボンド不織布に紫
外線照射によりメタクリル酸メチル(MMA)をグラフ
トする(実施例1オゾン処理による活性化工程を行わな
い。)。まず、上記不織布(サイズ100×100m
m)を硬質の反応容器に入れ、次にメタノール15m
l、MMA1gを加え、反応容器を窒素雰囲気にしてか
ら、高圧水銀ランプ(東芝高圧水銀灯H400P)を1
5.5cmの距離から3時間照射した。温度は45℃と
した。
【0054】反応容器の内容物を大量のメタノール中に
投入した。MMAポリマーの付着した不織布を取り出
し、トルエン100mlによる洗浄を3回行い(室温
下、洗浄時間2時間/回)、ホモポリマー(MMAの単
独重合体)を除去し、乾燥した。処理された不織布を乾
燥して得られたシートを電池用セパレータとして以下の
実験に使用する。グラフト化率は0.8%であった。未
処理のポリプロピレン不織布と得られたMMAグラフト
ポリプロピレン不織布のフーリエ変換赤外線吸収スペク
トル(KBr錠剤法)を比較すると、後者はMMAのカ
ルボキシル基に基づく弱い吸収が1738cm-1付近に
観測される。
【0055】比較例2 ポリプロピレン樹脂からなる目付30g/m2 、平均繊
度1.2dのスパンボンド不織布と、目付16g/
2 、平均繊度0.3dのメルトブロー不織布を張り合
わせた複合不織布に、紫外線照射によりアクリルアミド
をグラフトする(実施例2のオゾン処理による活性化工
程を行わない。)。まず、上記不織布(サイズ100×
100mm)を硬質ガラス製容器に入れ、次にアクリル
アミド0.4g、水10ml、メタノール5mlを加え
て、反応容器を窒素雰囲気にした。高圧水銀ランプ(東
芝高圧水銀灯H400P)を15.5cmの距離から3
時間照射した。温度は45℃とした。
【0056】次いで、反応容器の内容物を大量の水中に
投入した。アクリルアミドのポリマーの付着した不織布
を取り出し、水100mlによる煮沸洗浄を3回行っ
た。処理された不織布を乾燥し、得られたシートを電池
用セパレータとして以下の実験に使用する。グラフト化
率は0.7%であった。この場合、過酸化水素は加えな
かった。未処理、アクリルアミドグラフト後のポリプロ
ピレン不織布の各フーリエ変換赤外吸収スペクトル(拡
散反射法)を取り、比較すると、アクリルアミドグラフ
ト後では1610cm-1、1670cm-1付近のアミド
基による吸収が若干見られる。
【0057】比較例3 重量平均繊維長0.45mm、繊維径分布0.5μm〜
7.0μm、カナディアンフリーネス400mlのポリ
オレフィンパルプ(商品名ティアラKY−430M;ダ
イセル(株)製)5gを濃度1%でパルパにて分散し分
散液Aを得た。次に水1500gをステンレスバットに
計量し、繊度0.7d、カット長5mmのポリプロピレ
ンチョップ(商品名:PZ、ダイワボウ(株)製)5g
及び繊度0.9d、カット長5mmのポリプロピレン/
ポリエチレン芯鞘繊維(商品名NBFスター220;ダ
イワボウ(株)製)を10g計量し、分散濃度1%で分
散し、ポリオレフィン系繊維分散液を得た(分散液
B)。
【0058】分散液A:分散液B=3:7(重量比)の
割合で混合し、さらに水で10倍に希釈する。さらに粘
剤としてポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−P
F,住友精化社製)を極少量添加し、目付46g/m2
の湿式不織布シートを手漉きした。得られた湿式不織布
シートをドラムドライヤで乾燥後、スーパーカレンダー
にて厚さを140μmに調節し、湿式不織布を得た。得
られた不織布に触媒によりアクリルアミドをグラフトす
る。(実施例4のオゾン処理による活性化処理は行わな
い。)。まず、上記不織布(サイズ100×100m
m)を硬質ガラス製容器に入れ、次にアクリルアミド
0.4g、硝酸セリウムアンモニウム3mg、水10m
l、メタノール5mlを加えて反応容器を窒素雰囲気に
した。温度は70℃、反応時間は4時間とした。
【0059】次に、容器の内容物を大量の水中に投入し
た。アクリルアミドのポリマーの付着した不織布を取り
出し、水100mlによる煮沸洗浄を3回行った。処理
された不織布を乾燥し、得られたシートを電池用セパレ
ータとして以下の実験に使用する。グラフト化率は0.
5%であった。この場合、過酸化水素は加えなかった。
未処理、アクリルアミドグラフト後のポリプロピレン不
織布の各フーリエ変換赤外吸収スペクトル( 拡散反射
法) を取り、比較すると、アクリルアミドグラフト後で
は1610cm-1、1670cm-1付近のアミド基によ
る吸収が若干見られる。
【0060】実施例5 ポリプロピレン樹脂からなる目付46g/m2 、厚さ1
40μm、平均繊度1.3dのスパンボンド不織布に、
前処理(活性化処理)として110Wの低圧水銀灯2個
づつ使用し、184.9nm及び253.7nm付近の
低波長紫外線を、5cmの距離から1分間照射する。以
後の処理は、実施例1と同様に行ってMMAをグラフト
した電池セパレータを得る。グラフト化率は3.5%で
あった。
【0061】実施例6 ポリプロピレン樹脂からなる目付46g/m2 、厚さ1
40μm、平均繊度1.3dのスパンボンド不織布に、
前処理(活性化処理)として、周波数30KHz、電圧
30Vの連続sin波の交流電源を使用し、誘電体をコ
ーティングした電極間10mmに設定した平面電極に印
加し、コロナ放電処理を行った。以後の処理は、実施例
1と同様に行ってメタクリル酸をグラフトした電池セパ
レータを得る。グラフト化率は1.8%であった。
【0062】以上、9種類の親水化不織布を以下の試験
方法で評価した結果を表1に示す。 (試験方法) (1) 引張強度の測定:作成した湿式不織布をJIS L
1096(一般織物試験方法)に準じ、定速伸長形引張
試験機を用い、つかみ間隔は10cm、引張り速度は毎
分20±2cmとして、MD(縦目)の引張強度を測定
し、表1に示す。
【0063】(2) 保液率:10cm×10cmのサンプ
ルを採取し、小数点以下4桁まで秤量する。(W1) 次に、30%KOH中に浸漬し、2分後サンプルを引き
上げ、2分間液体を切り、重量を測定する。(W2) 保液率(%)=(W2−W1)/W1×100 バッテリセパレータ適性としては250%以上必要であ
る。
【0064】(3) 高温条件下での耐アルカリ性:10c
m×10cmのサンプルを採取し、小数点以下4桁まで
秤量する。(W1) 次に、60℃、30%KOH中に浸漬し、100時間後
にサンプルを引き上げる。その後、水でKOHを洗い流
し、真空乾燥して重量を測定する。
【0065】(4) 自己放電による容量低下:このように
して得られた不織布をコインサイズ密閉型ニッケル水素
電池(公称容量500mAH)に組込み、10個作成
し、特性が安定した後、0.1C、120%充電し、4
サイクル充放電した後、45℃、2週間後のそれぞれの
残存容量(%)の平均を表1に示す。
【0066】(5) 内部インピーダンスの測定:同様にし
て作成したコインサイズ密閉型ニッケル水素電池(公称
容量500mAH)に組込み、10個作成し、特性が安
定した後、45℃、充電0.1C、放電0.5Cで50
0サイクル充放電した後、20℃、0.1Cで120%
充電したときの60分後の内部交流インピーダンス(周
波数10KHz)を測定し、表1に示す。(30mΩ以
上は問題有り。)
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明のセパレ
ータは、強度、保液率が高く、さらに電池性能の低下の
ない良好な電池セパレータとして使用することができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂を主構成成分とす
    る不織布あるいは織布からなり、かつその表面に活性化
    処理と、それに続くビニル単量体によるグラフト化処理
    が施されていることを特徴とする、アルカリ電池用セパ
    レータ。
  2. 【請求項2】 前記ビニル単量体によるグラフト化処理
    は、アミド基を有するビニル単量体によるグラフト化処
    理であることを特徴とする、請求項1記載のアルカリ電
    池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 前記アミド基を有するビニル単量体によ
    るグラフト化処理に続いて、該グラフト化処理によって
    導入されたアミド基をさらにホフマン転位させる処理が
    施されていることを特徴とする、請求項2記載のアルカ
    リ電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記活性化処理が、プラズマ処理、オゾ
    ン処理、紫外線照射処理、コロナ処理、EB照射処理から
    選ばれた少なくとも1種の活性化処理であることを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ
    電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 前記グラフト化処理は、紫外線照射下に
    おけるグラフト化処理であることを特徴とする、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレー
    タ。
  6. 【請求項6】 前記グラフト化処理は、触媒存在下にお
    けるグラフト化処理であることを特徴とする、請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレー
    タ。
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