JP2000353485A - 回転陽極型x線管装置およびその製造方法 - Google Patents
回転陽極型x線管装置およびその製造方法Info
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- JP2000353485A JP2000353485A JP11165155A JP16515599A JP2000353485A JP 2000353485 A JP2000353485 A JP 2000353485A JP 11165155 A JP11165155 A JP 11165155A JP 16515599 A JP16515599 A JP 16515599A JP 2000353485 A JP2000353485 A JP 2000353485A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 回転陽極型X線管の陽極端部および軸受部分
を十分に冷却できる回転陽極型X線管装置およびその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 X線を放出する陽極ターゲット16と一
体で回転する回転体18と、この回転体18との間に軸
受が形成され、回転体18が回転するように回転体18
を保持する固定体23と、回転体18および固定体23
を収納する真空外囲器12とを具備した回転陽極型X線
管装置において、真空外囲器12内に位置する固定体2
3と電気的かつ機械的に連結し真空外囲器12外に位置
する陽極端部Aと接触し、陽極端部Aを冷却するための
絶縁材料からなる冷却部33を設けている。
を十分に冷却できる回転陽極型X線管装置およびその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 X線を放出する陽極ターゲット16と一
体で回転する回転体18と、この回転体18との間に軸
受が形成され、回転体18が回転するように回転体18
を保持する固定体23と、回転体18および固定体23
を収納する真空外囲器12とを具備した回転陽極型X線
管装置において、真空外囲器12内に位置する固定体2
3と電気的かつ機械的に連結し真空外囲器12外に位置
する陽極端部Aと接触し、陽極端部Aを冷却するための
絶縁材料からなる冷却部33を設けている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転陽極型X線
管装置およびその製造方法に関する。
管装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管装置は、検査対象の撮
影に用いられるX線を発生する回転陽極型X線管を備
え、医療用診断装置や工業用診断装置などに利用されて
いる。なお、回転陽極型X線管装置を構成する回転陽極
型X線管は、全体が真空外囲器で形成されている。そし
て、真空外囲器内に、電子ビームを発生する陰極、およ
び、電子ビームの照射でX線を放出する陽極ターゲッ
ト、陽極ターゲットと一体で回転する回転体、前記回転
体を回転するように保持する固定体などをそれぞれ収納
した構造になっている。
影に用いられるX線を発生する回転陽極型X線管を備
え、医療用診断装置や工業用診断装置などに利用されて
いる。なお、回転陽極型X線管装置を構成する回転陽極
型X線管は、全体が真空外囲器で形成されている。そし
て、真空外囲器内に、電子ビームを発生する陰極、およ
び、電子ビームの照射でX線を放出する陽極ターゲッ
ト、陽極ターゲットと一体で回転する回転体、前記回転
体を回転するように保持する固定体などをそれぞれ収納
した構造になっている。
【0003】上記した構造の回転陽極型X線管は、電子
ビームの照射によって陽極ターゲットの温度が上昇す
る。そのため、たとえば、回転陽極型X線管を収容容器
内に配置し、また、回転陽極型X線管と収容容器の隙間
に絶縁油を満たし、陽極ターゲットが発生した熱を放散
させるようにしている。この場合、陽極ターゲットが発
生した熱は、回転陽極型X線管を構成する真空外囲器を
通して絶縁油に伝導し、絶縁油を介して放散される。
ビームの照射によって陽極ターゲットの温度が上昇す
る。そのため、たとえば、回転陽極型X線管を収容容器
内に配置し、また、回転陽極型X線管と収容容器の隙間
に絶縁油を満たし、陽極ターゲットが発生した熱を放散
させるようにしている。この場合、陽極ターゲットが発
生した熱は、回転陽極型X線管を構成する真空外囲器を
通して絶縁油に伝導し、絶縁油を介して放散される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】回転陽極型X線管装置
の場合、陽極タ一ゲットが発生する熱の一部は、陽極タ
一ゲットが設けられた円盤状回転体を通して、陽極タ一
ゲットと一体で回転する回転体に伝導する。回転体に伝
導した熱は、軸受部分を経て回転体と嵌合する固定体に
伝わる。その後、さらに、真空外囲器外に位置する固定
体端部の陽極端部へと伝わり、陽極端部から管外に放散
される。このとき、陽極端部の冷却が不十分であると、
軸受部分の温度が高くなり軸受の寿命が短くなる。
の場合、陽極タ一ゲットが発生する熱の一部は、陽極タ
一ゲットが設けられた円盤状回転体を通して、陽極タ一
ゲットと一体で回転する回転体に伝導する。回転体に伝
導した熱は、軸受部分を経て回転体と嵌合する固定体に
伝わる。その後、さらに、真空外囲器外に位置する固定
体端部の陽極端部へと伝わり、陽極端部から管外に放散
される。このとき、陽極端部の冷却が不十分であると、
軸受部分の温度が高くなり軸受の寿命が短くなる。
【0005】また、回転陽極型X線管装置が動作状態に
ある場合、陽極端部には、たとえば+75kV程度の高
電圧が印加される。したがって、陽極端部などの冷却部
分には、高電圧に耐える絶縁性能が必要とされる。
ある場合、陽極端部には、たとえば+75kV程度の高
電圧が印加される。したがって、陽極端部などの冷却部
分には、高電圧に耐える絶縁性能が必要とされる。
【0006】ところで、陽極端部を冷却する方法とし
て、たとえば陽極端部の近くに絶縁油を誘導する方法が
ある(実開昭62−91396号公報参照)。この方法
は、軸受部分の冷却が必ずしも十分に行われない。した
がって、循環器診断装置のように、陽極ターゲットに対
し長時間に亙って高電力を供給する場合には、十分な冷
却性能が得られない。また、もう1つの方法として、軸
受内部に冷媒を送り込んで強制冷却する方法がある(特
開昭60−160552号公報参照)。この方法は、構
造上の理由から、冷媒に対し高耐電圧の絶縁性が要求さ
れ、冷媒として、たとえば絶縁油の利用が予想される。
この場合、絶縁油が軸受内部の高温度の表面と接触す
る。そのため、絶縁油自身の劣化が進み易いという欠点
がある。したがって、絶縁油に代えて高耐電圧の絶縁性
を有する純水を利用することも考えられる。この場合、
軸受の冷却性能を十分に高めることができる。しかし、
長期に亙って純水の純度を保ち、その高耐電圧の絶縁性
を維持させるためには、特殊な純水循環装置が必要とな
る。そのため、回転陽極型X線管装置の構成が複雑とな
り、保守作業も困難になる。
て、たとえば陽極端部の近くに絶縁油を誘導する方法が
ある(実開昭62−91396号公報参照)。この方法
は、軸受部分の冷却が必ずしも十分に行われない。した
がって、循環器診断装置のように、陽極ターゲットに対
し長時間に亙って高電力を供給する場合には、十分な冷
却性能が得られない。また、もう1つの方法として、軸
受内部に冷媒を送り込んで強制冷却する方法がある(特
開昭60−160552号公報参照)。この方法は、構
造上の理由から、冷媒に対し高耐電圧の絶縁性が要求さ
れ、冷媒として、たとえば絶縁油の利用が予想される。
この場合、絶縁油が軸受内部の高温度の表面と接触す
る。そのため、絶縁油自身の劣化が進み易いという欠点
がある。したがって、絶縁油に代えて高耐電圧の絶縁性
を有する純水を利用することも考えられる。この場合、
軸受の冷却性能を十分に高めることができる。しかし、
長期に亙って純水の純度を保ち、その高耐電圧の絶縁性
を維持させるためには、特殊な純水循環装置が必要とな
る。そのため、回転陽極型X線管装置の構成が複雑とな
り、保守作業も困難になる。
【0007】また、回転陽極型X線管の製造工程の1つ
である排気工程において、回転陽極型X線管の陽極ター
ゲットに電力を供給する場合に、回転陽極型X線管を構
成する真空外囲器の外面や陽極端部に、高圧の空気を吹
き付けて冷却する方法がある。しかし、この方法は、軸
受の冷却が十分でなく、陽極タ一ゲットに供給する電力
が制限される。その結果、十分な排気が実施できない。
である排気工程において、回転陽極型X線管の陽極ター
ゲットに電力を供給する場合に、回転陽極型X線管を構
成する真空外囲器の外面や陽極端部に、高圧の空気を吹
き付けて冷却する方法がある。しかし、この方法は、軸
受の冷却が十分でなく、陽極タ一ゲットに供給する電力
が制限される。その結果、十分な排気が実施できない。
【0008】本発明は、上記した欠点を解決するもの
で、回転陽極型X線管の陽極端部および軸受部分を十分
に冷却できる回転陽極型X線管装置およびその製造方法
を提供することを目的とする。
で、回転陽極型X線管の陽極端部および軸受部分を十分
に冷却できる回転陽極型X線管装置およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線を放出す
る陽極ターゲット部分と一体で回転する回転体と、この
回転体との間に軸受が形成され、前記回転体が回転する
ように前記回転体を保持する固定体と、前記回転体およ
び前記固定体を収納する真空外囲器とを具備した回転陽
極型X線管装置において、前記真空外囲器内に位置する
前記固定体部分と電気的かつ機械的に連結し前記真空外
囲器外に位置する陽極端部と接触し、冷却用媒体の通路
が内部に形成された絶縁材料からなる冷却部を設けたこ
とを特徴としている。
る陽極ターゲット部分と一体で回転する回転体と、この
回転体との間に軸受が形成され、前記回転体が回転する
ように前記回転体を保持する固定体と、前記回転体およ
び前記固定体を収納する真空外囲器とを具備した回転陽
極型X線管装置において、前記真空外囲器内に位置する
前記固定体部分と電気的かつ機械的に連結し前記真空外
囲器外に位置する陽極端部と接触し、冷却用媒体の通路
が内部に形成された絶縁材料からなる冷却部を設けたこ
とを特徴としている。
【0010】また、本発明は、電子ビームを発生する陰
極、および、前記電子ビームの照射でX線を放出する陽
極ターゲット部分と一体で回転する回転体、この回転体
との間に軸受が形成され前記回転体が回転するように保
持する固定体をそれぞれ真空外囲器内に収納する第1工
程と、前記陰極が発生する電子ビームを前記陽極ターゲ
ットに照射し、同時に、固定体を通して前記陽極ターゲ
ット部分に電圧を印加し、前記真空外囲器内を排気する
第2工程とからなる回転陽極型X線管装置の製造方法に
おいて、前記第2工程の際に、前記真空外囲器内に位置
する前記固定体部分と電気的かつ機械的に連結し前記真
空外囲器外に位置する陽極端部と接触する絶縁材料から
なる冷却部内部の冷却用媒体の通路に、冷却用媒体を流
すことを特徴としている。
極、および、前記電子ビームの照射でX線を放出する陽
極ターゲット部分と一体で回転する回転体、この回転体
との間に軸受が形成され前記回転体が回転するように保
持する固定体をそれぞれ真空外囲器内に収納する第1工
程と、前記陰極が発生する電子ビームを前記陽極ターゲ
ットに照射し、同時に、固定体を通して前記陽極ターゲ
ット部分に電圧を印加し、前記真空外囲器内を排気する
第2工程とからなる回転陽極型X線管装置の製造方法に
おいて、前記第2工程の際に、前記真空外囲器内に位置
する前記固定体部分と電気的かつ機械的に連結し前記真
空外囲器外に位置する陽極端部と接触する絶縁材料から
なる冷却部内部の冷却用媒体の通路に、冷却用媒体を流
すことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1を
参照して説明する。符号10は収容容器で、収容容器1
0の主要部分はアルミニウムの鋳物で構成されている。
なお、X線が漏れないように内面の一部に鉛が張られて
いる。そして、収容容器10の側壁部分にX線を出力す
る出力窓10aが設けられ、収容容器10内には回転陽
極型X線管11が収納されている。また、収容容器10
と回転陽極型X線管11の隙間に絶縁油が満たされる。
参照して説明する。符号10は収容容器で、収容容器1
0の主要部分はアルミニウムの鋳物で構成されている。
なお、X線が漏れないように内面の一部に鉛が張られて
いる。そして、収容容器10の側壁部分にX線を出力す
る出力窓10aが設けられ、収容容器10内には回転陽
極型X線管11が収納されている。また、収容容器10
と回転陽極型X線管11の隙間に絶縁油が満たされる。
【0012】回転陽極型X線管11は全体が真空外囲器
12で構成されている。真空外囲器12は、径が大きい
金属製の径大部分12aや、径の小さいガラス製の径小
部分12b、径小部分12b端部の開口を閉塞する金属
製の閉塞体12cなどから構成されている。径大部分1
2aと径小部分12bは金属の連結部材13で連結さ
れ、径小部分12bの端部と閉塞体12cは金属のシー
リング材14で連結されている。また、径大部分12a
の側壁部分で、収容容器10の出力窓10aと対向する
位置に、X線を出力する出力窓12dが設けられてい
る。
12で構成されている。真空外囲器12は、径が大きい
金属製の径大部分12aや、径の小さいガラス製の径小
部分12b、径小部分12b端部の開口を閉塞する金属
製の閉塞体12cなどから構成されている。径大部分1
2aと径小部分12bは金属の連結部材13で連結さ
れ、径小部分12bの端部と閉塞体12cは金属のシー
リング材14で連結されている。また、径大部分12a
の側壁部分で、収容容器10の出力窓10aと対向する
位置に、X線を出力する出力窓12dが設けられてい
る。
【0013】そして、真空外囲器12の径大部分12a
の内部に円盤状回転体15が配置され、円盤状回転体1
5上に陽極ターゲット16が環状に設けられている。ま
た、陽極ターゲット16と対向して陰極17が配置され
ている。なお、円盤状回転体15は、回転体18にナッ
ト19で固定されている。
の内部に円盤状回転体15が配置され、円盤状回転体1
5上に陽極ターゲット16が環状に設けられている。ま
た、陽極ターゲット16と対向して陰極17が配置され
ている。なお、円盤状回転体15は、回転体18にナッ
ト19で固定されている。
【0014】回転体18は図の下方に伸び、その下方部
分は筒状になっており、内部が空間になっている。回転
体18の筒状部分の外周に外側回転体20が取り付けら
れている。外側回転体20は、上端が回転体18の外面
に固定され、固定された部分の下方では、回転体18と
の間に隙間21が設けられている。回転体18下端の開
口はスラストリング22で封止されている。そして、回
転体18内の空間に、回転体18と軸を共通にして固定
体23が嵌め込まれている。
分は筒状になっており、内部が空間になっている。回転
体18の筒状部分の外周に外側回転体20が取り付けら
れている。外側回転体20は、上端が回転体18の外面
に固定され、固定された部分の下方では、回転体18と
の間に隙間21が設けられている。回転体18下端の開
口はスラストリング22で封止されている。そして、回
転体18内の空間に、回転体18と軸を共通にして固定
体23が嵌め込まれている。
【0015】固定体23は、その一部に外側に突出する
径大部23aが形成されている。固定体23は、スラス
トリング22を貫通し、さらに、閉塞体12cを貫通し
ている。そして、真空外囲器12の外側に位置する部分
は、陽極ターゲット16などに高電圧を印加するための
入力端子、いわゆる陽極端部Aの一部を構成している。
なお、固定体23と回転体18とが対向する部分は、狭
い軸受間隙が設けられ動圧式すべり軸受が形成されてい
る。この場合、対向する固定体23および回転体18の
少なくとも一方の面にらせん溝(図示せず)が形成さ
れ、らせん溝や両者の軸受間隙に液体金属潤滑材(図示
せず)が充填されている。
径大部23aが形成されている。固定体23は、スラス
トリング22を貫通し、さらに、閉塞体12cを貫通し
ている。そして、真空外囲器12の外側に位置する部分
は、陽極ターゲット16などに高電圧を印加するための
入力端子、いわゆる陽極端部Aの一部を構成している。
なお、固定体23と回転体18とが対向する部分は、狭
い軸受間隙が設けられ動圧式すべり軸受が形成されてい
る。この場合、対向する固定体23および回転体18の
少なくとも一方の面にらせん溝(図示せず)が形成さ
れ、らせん溝や両者の軸受間隙に液体金属潤滑材(図示
せず)が充填されている。
【0016】たとえば、固定体23の上端面24と回転
体18の空間部分の底面25との間にはスラスト方向の
動圧式すべり軸受が形成されている。また、固定体23
の外面26と回転体18の内面27との間にはラジアル
方向の動圧式すべり軸受が形成されている。そして、固
定体23の径大部23aの図の上側の面と回転体18の
面が対向する部分にはスラスト方向の動圧式すべり軸受
が形成されている。そして、固定体23の径大部23a
の図の下側の面とスラストリング22との間にはスラス
ト方向の動圧式すべり軸受が形成されている。
体18の空間部分の底面25との間にはスラスト方向の
動圧式すべり軸受が形成されている。また、固定体23
の外面26と回転体18の内面27との間にはラジアル
方向の動圧式すべり軸受が形成されている。そして、固
定体23の径大部23aの図の上側の面と回転体18の
面が対向する部分にはスラスト方向の動圧式すべり軸受
が形成されている。そして、固定体23の径大部23a
の図の下側の面とスラストリング22との間にはスラス
ト方向の動圧式すべり軸受が形成されている。
【0017】真空外囲器12の外側に位置する固定体2
3の端部、すなわち陽極端部Aは、金属製の第1支持部
材28で支持され、同時に、第1支持部材28を貫通し
て外側に伸びた先端が第1支持部材28にナット29で
固定されている。第1支持部材28は、絶縁性の第2支
持部材30に支持され、第2支持部材30は、収容容器
10の環状突出部10bに固定されている。
3の端部、すなわち陽極端部Aは、金属製の第1支持部
材28で支持され、同時に、第1支持部材28を貫通し
て外側に伸びた先端が第1支持部材28にナット29で
固定されている。第1支持部材28は、絶縁性の第2支
持部材30に支持され、第2支持部材30は、収容容器
10の環状突出部10bに固定されている。
【0018】なお、第1支持部材28およびナット29
は、真空外囲器12の外側に位置する固定体23の端部
と同様、真空外囲器12内に位置する固定体23の部分
と電気的かつ機械的に連結し、固定体23の端部ととも
に、高電圧を入力する陽極端部を形成している。陽極端
部に入力した高電圧は、電気的に接続している固定体2
3から回転体18、そして円盤状回転体15を経て陽極
ターゲット16に印加される。
は、真空外囲器12の外側に位置する固定体23の端部
と同様、真空外囲器12内に位置する固定体23の部分
と電気的かつ機械的に連結し、固定体23の端部ととも
に、高電圧を入力する陽極端部を形成している。陽極端
部に入力した高電圧は、電気的に接続している固定体2
3から回転体18、そして円盤状回転体15を経て陽極
ターゲット16に印加される。
【0019】また、真空外囲器12の径小部分12bを
囲んで、回転体18を回転させるための回転磁界を発生
するステータコイル31が配置されている。ステータコ
イル31は、その鉄心部分32が収容容器10の突出部
10bに支持され、収容容器10に固定されている。
囲んで、回転体18を回転させるための回転磁界を発生
するステータコイル31が配置されている。ステータコ
イル31は、その鉄心部分32が収容容器10の突出部
10bに支持され、収容容器10に固定されている。
【0020】そして、高電圧を印加する陽極端部Aたと
えばナット29と収容容器10との間に冷却装置33が
設けられている。冷却装置33は、絶縁部材からなる有
底円筒状部34、および、有底円筒状部34の内部に配
置された上端が開口した絶縁部材製のパイプ35などか
ら構成されている。有底円筒状部34は底の部分がナッ
ト29の上面と接触し、また、外表面には、熱の放出特
性をよくするために波形の凹凸34aが形成されてい
る。なお、パイプ35の下端は水などの冷却用媒体を導
入する導入路INに接続されている。また、パイプ35
と有底円筒状部34の間隙は冷却用媒体を導出する導出
路OUTに接続されている。この場合、たとえば冷却水
は導入路INから導入され、矢印のようにパイプ35内
を通り、パイプ35の上端から有底円筒状部34との間
隙に入り、導出路OUTから導出される。この間、冷却
水は陽極端部Aを冷却する構造になっている。
えばナット29と収容容器10との間に冷却装置33が
設けられている。冷却装置33は、絶縁部材からなる有
底円筒状部34、および、有底円筒状部34の内部に配
置された上端が開口した絶縁部材製のパイプ35などか
ら構成されている。有底円筒状部34は底の部分がナッ
ト29の上面と接触し、また、外表面には、熱の放出特
性をよくするために波形の凹凸34aが形成されてい
る。なお、パイプ35の下端は水などの冷却用媒体を導
入する導入路INに接続されている。また、パイプ35
と有底円筒状部34の間隙は冷却用媒体を導出する導出
路OUTに接続されている。この場合、たとえば冷却水
は導入路INから導入され、矢印のようにパイプ35内
を通り、パイプ35の上端から有底円筒状部34との間
隙に入り、導出路OUTから導出される。この間、冷却
水は陽極端部Aを冷却する構造になっている。
【0021】なお、有底円筒状部34を構成する絶縁材
料としては、AlNあるいはSiCあるいはBeO、ま
たは、AlNやSiC、BeOを主成分とするセラミク
スなど、常温で30W/m・K以上の熱伝導率をもつ熱
伝導性のよい材料が適している。
料としては、AlNあるいはSiCあるいはBeO、ま
たは、AlNやSiC、BeOを主成分とするセラミク
スなど、常温で30W/m・K以上の熱伝導率をもつ熱
伝導性のよい材料が適している。
【0022】上記した構成において、回転陽極型X線管
装置が動作状態に入る場合、ステータコイル31に電流
を流し回転磁界を発生させる。この回転磁界によって、
回転体18が回転し、円盤状回転体15上に設けられた
陽極ターゲット16が回転する。この状態で、陰極17
から放出された電子ビームeが陽極ターゲット16に衝
突し、陽極ターゲット16がX線を放出する。このX線
は、矢印Yで示すように真空外囲器12および収容容器
10それぞれの出力窓12d、10aを通して外部に出
力される。
装置が動作状態に入る場合、ステータコイル31に電流
を流し回転磁界を発生させる。この回転磁界によって、
回転体18が回転し、円盤状回転体15上に設けられた
陽極ターゲット16が回転する。この状態で、陰極17
から放出された電子ビームeが陽極ターゲット16に衝
突し、陽極ターゲット16がX線を放出する。このX線
は、矢印Yで示すように真空外囲器12および収容容器
10それぞれの出力窓12d、10aを通して外部に出
力される。
【0023】このとき、陽極ターゲット16が発生した
熱は真空外囲器12を通して、収容容器10内の絶縁油
に伝導し、絶縁油を介して放散される。また、陽極端部
Aの熱は、たとえばナット29部分に接触する冷却装置
33内を流れる冷却水によって放散される。したがっ
て、軸受部分の温度上昇が抑えられ、軸受を長寿命化で
きる。また、陽極タ一ゲットの入力が大きくなっても安
定した回転特性を維持できる。また、冷却装置が絶縁材
料のセラミクスで形成されているため、冷却装置と陽極
端部とが接触しても耐圧上の問題は生じない。
熱は真空外囲器12を通して、収容容器10内の絶縁油
に伝導し、絶縁油を介して放散される。また、陽極端部
Aの熱は、たとえばナット29部分に接触する冷却装置
33内を流れる冷却水によって放散される。したがっ
て、軸受部分の温度上昇が抑えられ、軸受を長寿命化で
きる。また、陽極タ一ゲットの入力が大きくなっても安
定した回転特性を維持できる。また、冷却装置が絶縁材
料のセラミクスで形成されているため、冷却装置と陽極
端部とが接触しても耐圧上の問題は生じない。
【0024】なお、上記した実施形態は、回転陽極型X
線管装置に組み込まれた回転陽極型X線管の陽極端部を
冷却する場合で説明している。しかし、この発明は、回
転陽極型X線管の製造工程の1つである排気工程などに
も用いることができる。たとえば、電子ビームを発生す
る陰極や、電子ビームの照射でX線を放出する陽極ター
ゲット部分と一体で回転する回転体、この回転体との間
に軸受が形成され回転体が回転するように回転体を保持
する固定体をそれぞれ真空外囲器内に収納した後、回転
陽極型X線管の陽極ターゲットに電力を供給し、同時
に、陽極タ一ゲットに電子ビームを照射して真空外囲器
内を排気する排気工程において、陽極端部を冷却する場
合にも適用できる。この場合、陽極タ一ゲットに供給す
る電力を大きくでき、十分な排気が行える。
線管装置に組み込まれた回転陽極型X線管の陽極端部を
冷却する場合で説明している。しかし、この発明は、回
転陽極型X線管の製造工程の1つである排気工程などに
も用いることができる。たとえば、電子ビームを発生す
る陰極や、電子ビームの照射でX線を放出する陽極ター
ゲット部分と一体で回転する回転体、この回転体との間
に軸受が形成され回転体が回転するように回転体を保持
する固定体をそれぞれ真空外囲器内に収納した後、回転
陽極型X線管の陽極ターゲットに電力を供給し、同時
に、陽極タ一ゲットに電子ビームを照射して真空外囲器
内を排気する排気工程において、陽極端部を冷却する場
合にも適用できる。この場合、陽極タ一ゲットに供給す
る電力を大きくでき、十分な排気が行える。
【0025】また、上記した実施形態では、冷却装置
が、陽極端部を構成するたとえばナット部分に接触して
ナット部分を冷却する構造になっている。しかし、ナッ
ト部分に限らず、真空外囲器内に位置する固定体の部分
と電気的かつ機械的に連結する他の陽極端部、たとえば
固定体の先端部分や固定体の先端部分を支持する第1支
持部材部分に冷却装置を接触させ、固定体の先端部分や
第1支持部材部分を冷却する構造にしても同様の効果が
得られる。
が、陽極端部を構成するたとえばナット部分に接触して
ナット部分を冷却する構造になっている。しかし、ナッ
ト部分に限らず、真空外囲器内に位置する固定体の部分
と電気的かつ機械的に連結する他の陽極端部、たとえば
固定体の先端部分や固定体の先端部分を支持する第1支
持部材部分に冷却装置を接触させ、固定体の先端部分や
第1支持部材部分を冷却する構造にしても同様の効果が
得られる。
【0026】また、冷却媒体としては、水の他、フレオ
ンなどの液体を用いることもできる。また、排気工程の
場合は、絶縁油を用いることもできる。
ンなどの液体を用いることもできる。また、排気工程の
場合は、絶縁油を用いることもできる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、回転陽極型X線管の陽
極端部および軸受部分を十分に冷却できる回転陽極型X
線管装置およびその製造方法を実現できる。
極端部および軸受部分を十分に冷却できる回転陽極型X
線管装置およびその製造方法を実現できる。
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略の断面
図である。
図である。
10…収容容器 11…回転陽極型X線管 12…真空外囲器 13…連結部材 14…シーリング材 15…円盤状回転体 16…陽極ターゲット 17…陰極 18…回転体 19…ナット 20…外側回転体 21…隙間 22…スラストリング 23…固定体 24…固定体の上端面 25…回転体の空間部分の底面 26…固定体の外面 27…回転体の内面 28…第1支持部材 29…ナット 30…第2支持部材 31…ステータコイル 32…鉄心部分 33…冷却装置 34…有底円筒状部 35…パイプ
Claims (8)
- 【請求項1】 X線を放出する陽極ターゲット部分と一
体で回転する回転体と、この回転体との間に軸受が形成
され、前記回転体が回転するように前記回転体を保持す
る固定体と、前記回転体および前記固定体を収納する真
空外囲器とを具備した回転陽極型X線管装置において、
前記真空外囲器内に位置する前記固定体部分と電気的か
つ機械的に連結し前記真空外囲器外に位置する陽極端部
と接触し、冷却用媒体の通路が内部に形成された絶縁材
料からなる冷却部を設けたことを特徴とする回転陽極型
X線管装置。 - 【請求項2】 真空外囲器部分を収納し、内部に絶縁媒
質が充填された収容容器と、真空外囲器外に位置する陽
極端部を支持し、かつ、前記収容容器に固定された保持
部材とを設けた請求項1記載の回転陽極型X線管装置。 - 【請求項3】 軸受は、回転体および固定体の少なくと
も一方の面にらせん溝が形成され、前記回転体と前記固
定体との間隙部分および前記らせん溝に液体金属潤滑材
が供給された動圧式すべり軸受である請求項1または請
求項2記載の回転陽極型X線管装置。 - 【請求項4】 冷却部を形成する絶縁材料は、AlNあ
るいはSiCあるいはBeO、または、これらを主成分
とするセラミクスである請求項1または請求項2記載の
回転陽極型X線管装置。 - 【請求項5】 冷却部を形成する絶縁材料の熱伝導率
は、常温で30W/m・K以上である請求項1または請
求項2記載の回転陽極型X線管装置。 - 【請求項6】 電子ビームを発生する陰極、および、前
記電子ビームの照射でX線を放出する陽極ターゲット部
分と一体で回転する回転体、この回転体との間に軸受が
形成され前記回転体が回転するように前記回転体を保持
する固定体をそれぞれ真空外囲器内に収納する第1工程
と、前記陰極が発生する電子ビームを前記陽極ターゲッ
トに照射し、同時に、前記固定体を通して前記陽極ター
ゲット部分に電圧を印加し、前記真空外囲器内を排気す
る第2工程とからなる回転陽極型X線管装置の製造方法
において、前記第2工程の際に、前記真空外囲器内に位
置する前記固定体部分と電気的かつ機械的に連結し前記
真空外囲器外に位置する陽極端部と接触する絶縁材料か
らなる冷却部内部の冷却用媒体の通路に、冷却用媒体を
流すことを特徴とする回転陽極型X線管装置の製造方
法。 - 【請求項7】 軸受は、回転体および固定体の少なくと
も一方の面にらせん溝が形成され、前記回転体と前記固
定体との間隙部分および前記らせん溝に液体金属潤滑材
が供給された動圧式すべり軸受である請求項6記載の回
転陽極型X線管装置の製造方法。 - 【請求項8】 冷却部を形成する絶縁材料は、AlNあ
るいはSiCあるいはBeO、または、これらを主成分
とするセラミクスである請求項6記載の回転陽極型X線
管装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11165155A JP2000353485A (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 回転陽極型x線管装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11165155A JP2000353485A (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 回転陽極型x線管装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000353485A true JP2000353485A (ja) | 2000-12-19 |
Family
ID=15806928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11165155A Pending JP2000353485A (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 回転陽極型x線管装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000353485A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008001920A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ターゲット保持装置およびターゲット保持方法 |
KR100859076B1 (ko) * | 2001-01-17 | 2008-09-17 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 기판 처리 장치 및 반도체 장치의 제조 방법 |
JP2009158347A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Bruker Axs Kk | X線発生装置 |
JP2010097855A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Toshiba Corp | X線管装置 |
-
1999
- 1999-06-11 JP JP11165155A patent/JP2000353485A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100859076B1 (ko) * | 2001-01-17 | 2008-09-17 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 기판 처리 장치 및 반도체 장치의 제조 방법 |
JP2008001920A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ターゲット保持装置およびターゲット保持方法 |
JP2009158347A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Bruker Axs Kk | X線発生装置 |
JP2010097855A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Toshiba Corp | X線管装置 |
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