JP2000353469A - 色選別機構の製造方法 - Google Patents
色選別機構の製造方法Info
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- JP2000353469A JP2000353469A JP11163575A JP16357599A JP2000353469A JP 2000353469 A JP2000353469 A JP 2000353469A JP 11163575 A JP11163575 A JP 11163575A JP 16357599 A JP16357599 A JP 16357599A JP 2000353469 A JP2000353469 A JP 2000353469A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 常温で高膨張材に引張応力が発生している
と、低温環境保存テストを行った際に、高膨張材がある
温度で塑性領域に達して、常温に戻したときに元の状態
に戻らなくなってしまう。 【解決手段】 左右のフレームに対して高膨張材を接合
するに当たって、先ず、高膨張材側の温度を常温とし、
フレーム側の温度を高膨張材側よりも50度程度高い状
態にし(ステップS11)、この状態で左右のフレーム
に対して高膨張材を接合する(ステップS12)。すな
わち、アパーチャグリル(色選別マスク)を接合する前
の常温状態において、高膨張材をこれに圧縮応力を発生
させた状態でフレームに接合するようにする。
と、低温環境保存テストを行った際に、高膨張材がある
温度で塑性領域に達して、常温に戻したときに元の状態
に戻らなくなってしまう。 【解決手段】 左右のフレームに対して高膨張材を接合
するに当たって、先ず、高膨張材側の温度を常温とし、
フレーム側の温度を高膨張材側よりも50度程度高い状
態にし(ステップS11)、この状態で左右のフレーム
に対して高膨張材を接合する(ステップS12)。すな
わち、アパーチャグリル(色選別マスク)を接合する前
の常温状態において、高膨張材をこれに圧縮応力を発生
させた状態でフレームに接合するようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
用いられる色選別機構の製造方法に関し、特にフレーム
に対して色選別マスクの接合側と反対側にフレームと異
なる熱膨張係数の高膨張材を接合する方法に関する。
用いられる色選別機構の製造方法に関し、特にフレーム
に対して色選別マスクの接合側と反対側にフレームと異
なる熱膨張係数の高膨張材を接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管においては、電子銃から
出射される3本の電子ビーム、即ちR(赤),G
(緑),B(青)の各蛍光体を光らせる3本の電子ビー
ムを、アパーチャグリルやシャドウマスクに代表される
色選別マスクの一点に集中(コンバージェンス)させる
ことで、画面上に所望のカラー画像を再現している。色
選別マスクは薄い軟鋼板からなり、一定の張力が付与さ
れた状態で溶接などによって鋼製のフレームに接合され
ることで色選別機構を構成している。
出射される3本の電子ビーム、即ちR(赤),G
(緑),B(青)の各蛍光体を光らせる3本の電子ビー
ムを、アパーチャグリルやシャドウマスクに代表される
色選別マスクの一点に集中(コンバージェンス)させる
ことで、画面上に所望のカラー画像を再現している。色
選別マスクは薄い軟鋼板からなり、一定の張力が付与さ
れた状態で溶接などによって鋼製のフレームに接合され
ることで色選別機構を構成している。
【0003】一例として、スリットと線状電極とが縦縞
状に形成されてなるアパーチャグリルを色選別マスクと
して用いた色選別機構において、当該アパーチャグリル
に電子ビームが当たると、アパーチャグリルが熱を発生
し、その熱がフレーム全体に伝導してフレーム自体の熱
が上昇する。すると、フレームが熱変形し、これに伴っ
てアパーチャグリル自体の位置が前後にずれたり、スリ
ットの位置が左右にずれたりし、これに伴って電子ビー
ムの色ズレが発生することになる。
状に形成されてなるアパーチャグリルを色選別マスクと
して用いた色選別機構において、当該アパーチャグリル
に電子ビームが当たると、アパーチャグリルが熱を発生
し、その熱がフレーム全体に伝導してフレーム自体の熱
が上昇する。すると、フレームが熱変形し、これに伴っ
てアパーチャグリル自体の位置が前後にずれたり、スリ
ットの位置が左右にずれたりし、これに伴って電子ビー
ムの色ズレが発生することになる。
【0004】この電源投入後の温度上昇によるフレーム
の熱変形の影響を補正するために、フレーム支持部にバ
イメタル材料を用いたり、フレームと熱膨張係数の異な
る材料を当該フレームに接合したりしている。後者の場
合には、その接合部分にフレームに比べて熱膨張係数の
高い材料を用いることによって熱変形の影響に対する補
正効果を得ているが、この部分にはアパーチャグリルに
張力を与えるために常温状態においても引張応力が発生
している。
の熱変形の影響を補正するために、フレーム支持部にバ
イメタル材料を用いたり、フレームと熱膨張係数の異な
る材料を当該フレームに接合したりしている。後者の場
合には、その接合部分にフレームに比べて熱膨張係数の
高い材料を用いることによって熱変形の影響に対する補
正効果を得ているが、この部分にはアパーチャグリルに
張力を与えるために常温状態においても引張応力が発生
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、常温で引
張応力が発生している状態において、カラー陰極線管を
摂氏−40度の環境下に一定時間保持し、その後常温に
戻す、という低温環境保存テストを行ったときに、−4
0度の状態では熱膨張係数の高い高膨張材はフレームよ
りも縮もうとするため、常温状態よりもフレームによっ
てより引っ張られることになり、したがって高膨張材に
は高い引張応力が発生する。このとき、熱膨張係数のよ
り高い材料を用いると、補正効果をより上げることはで
きるが、低温環境保存時に引張応力が降伏応力に達して
塑性変形してしまい、常温に戻したときに、元の状態に
戻らなくなってしまう。
張応力が発生している状態において、カラー陰極線管を
摂氏−40度の環境下に一定時間保持し、その後常温に
戻す、という低温環境保存テストを行ったときに、−4
0度の状態では熱膨張係数の高い高膨張材はフレームよ
りも縮もうとするため、常温状態よりもフレームによっ
てより引っ張られることになり、したがって高膨張材に
は高い引張応力が発生する。このとき、熱膨張係数のよ
り高い材料を用いると、補正効果をより上げることはで
きるが、低温環境保存時に引張応力が降伏応力に達して
塑性変形してしまい、常温に戻したときに、元の状態に
戻らなくなってしまう。
【0006】すなわち、熱膨張係数の高い材料を高膨張
材として用いることによって、いくらでもフレームの熱
変形の影響を補正することができる訳ではなかった。し
たがって、フレームに接合した高膨張材による熱変形の
影響を補正するだけでは不十分な場合は、他の部分に新
たにバイメタル材料を付加したりしてフレームの熱変形
の影響を確実に補正できるようにしていた。そのため、
新たに付加するバイメタル材料の費用や、その取付作業
の工数などに伴い、カラー陰極線管のコストが上昇する
いう問題があった。
材として用いることによって、いくらでもフレームの熱
変形の影響を補正することができる訳ではなかった。し
たがって、フレームに接合した高膨張材による熱変形の
影響を補正するだけでは不十分な場合は、他の部分に新
たにバイメタル材料を付加したりしてフレームの熱変形
の影響を確実に補正できるようにしていた。そのため、
新たに付加するバイメタル材料の費用や、その取付作業
の工数などに伴い、カラー陰極線管のコストが上昇する
いう問題があった。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、カラー陰極線管のコ
ストダウンおよび歩留りの向上に寄与し得る色選別機構
の製造方法を提供することにある。
であり、その目的とするところは、カラー陰極線管のコ
ストダウンおよび歩留りの向上に寄与し得る色選別機構
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、色選別マスクを接合するフレームに対
して、色選別マスクの接合側と反対側にフレームと異な
る熱膨張係数の高膨張材を接合するに当たって、色選別
マスクを接合する前の常温状態において、高膨張材をこ
れに圧縮応力を発生させた状態で接合するようにする。
に、本発明では、色選別マスクを接合するフレームに対
して、色選別マスクの接合側と反対側にフレームと異な
る熱膨張係数の高膨張材を接合するに当たって、色選別
マスクを接合する前の常温状態において、高膨張材をこ
れに圧縮応力を発生させた状態で接合するようにする。
【0009】色選別マスクを接合する前の常温状態にお
いて、圧縮応力が発生した状態で高膨張材が接合された
フレームに対して、色選別マスクを接合すると、フレー
ムには引張応力が発生する。このとき、その引張応力が
高膨張材に作用するため、高膨張材の圧縮応力が引っ張
られて相殺され、高膨張材は無応力状態となる。この状
態で低温環境保存テストを行った場合、高膨張材は温度
を下げても塑性領域に達せず、したがって常温状態に戻
したときに元の状態に戻るようになる。
いて、圧縮応力が発生した状態で高膨張材が接合された
フレームに対して、色選別マスクを接合すると、フレー
ムには引張応力が発生する。このとき、その引張応力が
高膨張材に作用するため、高膨張材の圧縮応力が引っ張
られて相殺され、高膨張材は無応力状態となる。この状
態で低温環境保存テストを行った場合、高膨張材は温度
を下げても塑性領域に達せず、したがって常温状態に戻
したときに元の状態に戻るようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明が適用
される色選別機構の構成の一例を示す斜視図、図2はそ
の側面図である。なお、ここでは、色選別マスクとして
アパーチャグリルを用いた色選別機構に適用した場合を
例に採って説明するものとする。
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明が適用
される色選別機構の構成の一例を示す斜視図、図2はそ
の側面図である。なお、ここでは、色選別マスクとして
アパーチャグリルを用いた色選別機構に適用した場合を
例に採って説明するものとする。
【0011】図1において、色選別機構10は、薄い軟
鋼板からなるアパーチャグリル11と、このアパーチャ
グリル11が一定の張力を付与された状態で溶接などに
よって接合された鋼製のフレームメンバ12とを有する
構成となっている。アパーチャグリル11には、エッチ
ング法などによってスリット13と線状電極14とが縦
縞状に形成されている。
鋼板からなるアパーチャグリル11と、このアパーチャ
グリル11が一定の張力を付与された状態で溶接などに
よって接合された鋼製のフレームメンバ12とを有する
構成となっている。アパーチャグリル11には、エッチ
ング法などによってスリット13と線状電極14とが縦
縞状に形成されている。
【0012】フレームメンバ12は、上下のフレーム1
5A,15Bと、これら上下のフレーム15A,15B
の両側部にそれぞれ接合され、かつ両フレーム15A,
15B間に架設された左右のフレーム16A,16Bと
を有している。このフレームメンバ12において、上下
のフレーム15A,15B間には、アパーチャグリル1
1がそのスリット13の長手方向における両側部におい
て、溶接などによって接合されている。
5A,15Bと、これら上下のフレーム15A,15B
の両側部にそれぞれ接合され、かつ両フレーム15A,
15B間に架設された左右のフレーム16A,16Bと
を有している。このフレームメンバ12において、上下
のフレーム15A,15B間には、アパーチャグリル1
1がそのスリット13の長手方向における両側部におい
て、溶接などによって接合されている。
【0013】一方、左右のフレーム16A,16Bに
は、フレーム材に比べて熱膨張係数の高い高膨張材17
が、図2に示すように、アパーチャグリル11の接合側
と反対側、即ちフレーム16A,16Bの平坦部分に例
えば3箇所で接合されている。この高膨張材17は、上
下のフレーム15A,15Bや左右のフレーム16A,
16Bの熱変形の影響を補正するためのものである。
は、フレーム材に比べて熱膨張係数の高い高膨張材17
が、図2に示すように、アパーチャグリル11の接合側
と反対側、即ちフレーム16A,16Bの平坦部分に例
えば3箇所で接合されている。この高膨張材17は、上
下のフレーム15A,15Bや左右のフレーム16A,
16Bの熱変形の影響を補正するためのものである。
【0014】高膨張材17の材料としては、例えば22
Ni材(熱膨張係数:19.7E−06)が用いられ
る。この22Ni材を高膨張材17の材料として用いる
ことにより、上下のフレーム15A,15Bおよび左右
のフレーム16A,16Bの熱変形の影響に対する補正
の作用を強くし、温度ドリフト特性を良好にできる利点
がある。
Ni材(熱膨張係数:19.7E−06)が用いられ
る。この22Ni材を高膨張材17の材料として用いる
ことにより、上下のフレーム15A,15Bおよび左右
のフレーム16A,16Bの熱変形の影響に対する補正
の作用を強くし、温度ドリフト特性を良好にできる利点
がある。
【0015】ところで、フレームメンバ12は、アパー
チャグリル11に対して一定の張力を付与するために、
アパーチャグリル11を溶接する前に上下方向に荷重が
加えられる。この状態で、アパーチャグリル11が上下
のフレーム15A,15Bに溶接され、その後フレーム
メンバ12に加えた荷重が開放される。これにより、ア
パーチャグリル11に上下方向の張力が与えられる。こ
のとき、左右のフレーム16A,16Bと高膨張材17
に引張応力が発生する。
チャグリル11に対して一定の張力を付与するために、
アパーチャグリル11を溶接する前に上下方向に荷重が
加えられる。この状態で、アパーチャグリル11が上下
のフレーム15A,15Bに溶接され、その後フレーム
メンバ12に加えた荷重が開放される。これにより、ア
パーチャグリル11に上下方向の張力が与えられる。こ
のとき、左右のフレーム16A,16Bと高膨張材17
に引張応力が発生する。
【0016】このように、左右のフレーム16A,16
Bと高膨張材17に引張応力が発生することに伴い、先
述したように、低温環境保存テストにおいて、高膨張材
17がある温度で塑性領域に達して、常温に戻したとき
に元の状態に戻らなくなってしまう、という問題が発生
する。これにより、フレームの熱変形の影響を補正でき
なくなり、その結果、カラー陰極線管の画質が劣化する
ことになる。
Bと高膨張材17に引張応力が発生することに伴い、先
述したように、低温環境保存テストにおいて、高膨張材
17がある温度で塑性領域に達して、常温に戻したとき
に元の状態に戻らなくなってしまう、という問題が発生
する。これにより、フレームの熱変形の影響を補正でき
なくなり、その結果、カラー陰極線管の画質が劣化する
ことになる。
【0017】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであり、色選別機構10の製造方法、特に高
膨張材17を左右のフレーム16A,16Bに接合する
際の接合方法を特徴としている。以下に、その接合の手
順について、図3のフローチャートを用いて説明する。
されたものであり、色選別機構10の製造方法、特に高
膨張材17を左右のフレーム16A,16Bに接合する
際の接合方法を特徴としている。以下に、その接合の手
順について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0018】左右のフレーム16A,16Bに対して高
膨張材17を接合するに当たって、先ず、高膨張材17
側の温度を常温とし、フレーム16A,16B側の温度
を高膨張材17側よりも高い状態にする(ステップS1
1)。このとき、フレーム16A,16B側の温度は、
高膨張材17側の温度に対して好ましくは50度程度の
温度差を持つようにする。すなわち、フレーム16A,
16B側の温度を常温+50度程度に加熱する。
膨張材17を接合するに当たって、先ず、高膨張材17
側の温度を常温とし、フレーム16A,16B側の温度
を高膨張材17側よりも高い状態にする(ステップS1
1)。このとき、フレーム16A,16B側の温度は、
高膨張材17側の温度に対して好ましくは50度程度の
温度差を持つようにする。すなわち、フレーム16A,
16B側の温度を常温+50度程度に加熱する。
【0019】このように、高膨張材17側の温度を常温
とし、フレーム16A,16B側の温度を常温+50度
とした状態において、左右のフレーム16A,16Bに
対してその平坦部分に高膨張材17を例えば3箇所で接
合する(ステップS12)。その後、左右のフレーム1
6A,16Bに高膨張材17が接合されたフレームメン
バ12に対して上下方向に荷重が加えられた状態で、ア
パーチャグリル11が上下のフレーム15A,15Bに
溶接される。
とし、フレーム16A,16B側の温度を常温+50度
とした状態において、左右のフレーム16A,16Bに
対してその平坦部分に高膨張材17を例えば3箇所で接
合する(ステップS12)。その後、左右のフレーム1
6A,16Bに高膨張材17が接合されたフレームメン
バ12に対して上下方向に荷重が加えられた状態で、ア
パーチャグリル11が上下のフレーム15A,15Bに
溶接される。
【0020】上述したように、左右のフレーム16A,
16Bに高膨張材17を接合するときに、左右のフレー
ム16A,16Bの温度を常温よりも上げて引き伸ばし
た状態において、常温状態の高膨張材17を接合するこ
とにより、その接合後フレーム16A,16Bの温度を
常温にしたときに、左右のフレーム16A,16Bが縮
むことによって高膨張材17に圧縮応力がかかった状態
となる。
16Bに高膨張材17を接合するときに、左右のフレー
ム16A,16Bの温度を常温よりも上げて引き伸ばし
た状態において、常温状態の高膨張材17を接合するこ
とにより、その接合後フレーム16A,16Bの温度を
常温にしたときに、左右のフレーム16A,16Bが縮
むことによって高膨張材17に圧縮応力がかかった状態
となる。
【0021】この状態で、フレームメンバ12に上下方
向の荷重を加えつつ、アパーチャグリル11を上下のフ
レーム15A,15Bに溶接し、しかる後フレームメン
バ12に加えた荷重を開放することにより、左右のフレ
ーム16A,16Bには引張応力が発生する。このと
き、アパーチャグリル11を溶接する前に圧縮応力がか
かった状態にある高膨張材17にはフレーム16A,1
6Bの引張応力が作用する。これにより、高膨張材17
の圧縮応力とフレーム16A,16Bの引張応力が相殺
されるため、高膨張材17は無応力状態となる。
向の荷重を加えつつ、アパーチャグリル11を上下のフ
レーム15A,15Bに溶接し、しかる後フレームメン
バ12に加えた荷重を開放することにより、左右のフレ
ーム16A,16Bには引張応力が発生する。このと
き、アパーチャグリル11を溶接する前に圧縮応力がか
かった状態にある高膨張材17にはフレーム16A,1
6Bの引張応力が作用する。これにより、高膨張材17
の圧縮応力とフレーム16A,16Bの引張応力が相殺
されるため、高膨張材17は無応力状態となる。
【0022】このように、高膨張材17が常温で無応力
状態にあることにより、低温環境保存テストを行った場
合に、高膨張材17は温度を下げても塑性領域に達しな
いため、常温状態に戻したときに元の状態に戻るように
なる。これにより、高膨張材17の材料として、より高
い熱膨張係数の材料を用いることができるため、熱変形
の影響に対する補正をより強力に行えることになる。
状態にあることにより、低温環境保存テストを行った場
合に、高膨張材17は温度を下げても塑性領域に達しな
いため、常温状態に戻したときに元の状態に戻るように
なる。これにより、高膨張材17の材料として、より高
い熱膨張係数の材料を用いることができるため、熱変形
の影響に対する補正をより強力に行えることになる。
【0023】その結果、電子ビームの色ズレの余裕が大
きくなるため、カラー陰極線管の設計余裕がでてくる。
しかも、特別な補正機構を追加しなくても、熱変形の影
響に対する補正を確実に行うことができるため、カラー
陰極線管のコストダウンおよび歩留り向上に寄与できる
ことになる。
きくなるため、カラー陰極線管の設計余裕がでてくる。
しかも、特別な補正機構を追加しなくても、熱変形の影
響に対する補正を確実に行うことができるため、カラー
陰極線管のコストダウンおよび歩留り向上に寄与できる
ことになる。
【0024】なお、上記実施形態においては、高膨張材
17側の温度を常温とし、フレーム16A,16B側の
温度を常温+50度とした状態で高膨張材17を接合す
ることにより、アパーチャグリル11を接合する前の常
温状態において、高膨張材17に圧縮応力を発生させた
状態で接合するとしたが、フレーム16A,16B側を
常温とし、高膨張材17側をフレーム16A,16Bに
対して50度程度の温度差を持つように冷却した状態で
高膨張材17を接合することによっても、アパーチャグ
リル11を接合する前の常温状態において、高膨張材1
7に圧縮応力を発生させた状態で接合することができ
る。
17側の温度を常温とし、フレーム16A,16B側の
温度を常温+50度とした状態で高膨張材17を接合す
ることにより、アパーチャグリル11を接合する前の常
温状態において、高膨張材17に圧縮応力を発生させた
状態で接合するとしたが、フレーム16A,16B側を
常温とし、高膨張材17側をフレーム16A,16Bに
対して50度程度の温度差を持つように冷却した状態で
高膨張材17を接合することによっても、アパーチャグ
リル11を接合する前の常温状態において、高膨張材1
7に圧縮応力を発生させた状態で接合することができ
る。
【0025】さらに、左右のフレーム16A,16Bに
高膨張材17を接合するときに、両者に温度差(好まし
くは、50度程度の温度差)をつけた状態で接合するの
でなく、一方に機械的に応力を加えた状態で両者を接合
する(例えば、フレーム16A,16Bに曲げ応力を発
生させた状態で高膨張材17を溶接する)ことによって
も、アパーチャグリル11を接合する前の常温状態にお
いて、高膨張材17に圧縮応力を発生させた状態で接合
できる。要は、アパーチャグリル11を接合する前の常
温状態において、高膨張材17に圧縮応力を発生させた
状態で接合できれば良い。
高膨張材17を接合するときに、両者に温度差(好まし
くは、50度程度の温度差)をつけた状態で接合するの
でなく、一方に機械的に応力を加えた状態で両者を接合
する(例えば、フレーム16A,16Bに曲げ応力を発
生させた状態で高膨張材17を溶接する)ことによって
も、アパーチャグリル11を接合する前の常温状態にお
いて、高膨張材17に圧縮応力を発生させた状態で接合
できる。要は、アパーチャグリル11を接合する前の常
温状態において、高膨張材17に圧縮応力を発生させた
状態で接合できれば良い。
【0026】また、上記実施形態では、スリット13と
線状電極14とが縦縞状に形成されてなるアパーチャグ
リル11を色選別マスクとして用いた色選別機構10に
適用した場合を例にとって説明したが、これに限定され
るものではなく、規則正しく多数の角長穴が形成されて
構成されたスロット形状のシャドウマスクや、規則正し
く多数の丸穴が形成されて構成されたドット形状のシャ
ドウマスクなどを色選別マスクとして用いた色選別機構
にも同様に適用可能である。
線状電極14とが縦縞状に形成されてなるアパーチャグ
リル11を色選別マスクとして用いた色選別機構10に
適用した場合を例にとって説明したが、これに限定され
るものではなく、規則正しく多数の角長穴が形成されて
構成されたスロット形状のシャドウマスクや、規則正し
く多数の丸穴が形成されて構成されたドット形状のシャ
ドウマスクなどを色選別マスクとして用いた色選別機構
にも同様に適用可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フレームに高膨張材を接合するに当たって、色選別マス
クを接合する前の常温状態において、高膨張材をこれに
圧縮応力を発生させた状態で接合するようにしたことに
より、低温環境保存テストを行った際に、温度を下げて
も高膨張材が塑性領域に達せず、常温状態に戻したとき
に元の状態に戻るようになるため、高膨張材の材料とし
てより高い熱膨張係数の材料を用いることができる。し
たがって、余分な補正機構を追加しなしくても、熱変形
の影響に対する補正をより強力に行えるとともに、カラ
ー陰極線管のコストダウンおよび歩留りの向上に寄与で
き、さらには電子ビームの色ズレの余裕が大きくなるた
め設計余裕がでてくる。
フレームに高膨張材を接合するに当たって、色選別マス
クを接合する前の常温状態において、高膨張材をこれに
圧縮応力を発生させた状態で接合するようにしたことに
より、低温環境保存テストを行った際に、温度を下げて
も高膨張材が塑性領域に達せず、常温状態に戻したとき
に元の状態に戻るようになるため、高膨張材の材料とし
てより高い熱膨張係数の材料を用いることができる。し
たがって、余分な補正機構を追加しなしくても、熱変形
の影響に対する補正をより強力に行えるとともに、カラ
ー陰極線管のコストダウンおよび歩留りの向上に寄与で
き、さらには電子ビームの色ズレの余裕が大きくなるた
め設計余裕がでてくる。
【図1】本発明が適用される色選別機構の構成の一例を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図2】本発明が適用される色選別機構の構成の一例を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図3】フレームに対する高膨張材の接合手順を示すフ
ローチャートである。
ローチャートである。
10…色選別機構、11…アパーチャグリル、12…フ
レームメンバ、13…スリット、14…線状電極、15
A,15B…上下のフレーム、16A,16B…左右の
フレーム、17…高膨張材
レームメンバ、13…スリット、14…線状電極、15
A,15B…上下のフレーム、16A,16B…左右の
フレーム、17…高膨張材
Claims (3)
- 【請求項1】 色選別マスクを接合するフレームに対し
て、前記色選別マスクの接合側と反対側に前記フレーム
と異なる熱膨張係数の高膨張材を接合するに当たって、 前記色選別マスクを接合する前の常温状態において、前
記高膨張材をこれに圧縮応力を発生させた状態で接合す
ることを特徴とする色選別機構の製造方法。 - 【請求項2】 前記高膨張材を前記フレームの温度より
も低い温度状態にして前記フレームに接合することを特
徴とする請求項1記載の色選別機構の製造方法。 - 【請求項3】 前記フレームに曲げ応力を発生させた状
態で、前記フレームに前記高膨張材を接合することを特
徴とする請求項1記載の色選別機構の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11163575A JP2000353469A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 色選別機構の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11163575A JP2000353469A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 色選別機構の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000353469A true JP2000353469A (ja) | 2000-12-19 |
Family
ID=15776526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11163575A Pending JP2000353469A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 色選別機構の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000353469A (ja) |
-
1999
- 1999-06-10 JP JP11163575A patent/JP2000353469A/ja active Pending
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