JP2000352689A - 映像表示装置 - Google Patents

映像表示装置

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JP2000352689A
JP2000352689A JP11164773A JP16477399A JP2000352689A JP 2000352689 A JP2000352689 A JP 2000352689A JP 11164773 A JP11164773 A JP 11164773A JP 16477399 A JP16477399 A JP 16477399A JP 2000352689 A JP2000352689 A JP 2000352689A
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    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/017Head mounted
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    • G02OPTICS
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察者の眼前に配置されて、表示した映像を
外界物体の像に重畳させて観察者に提供する映像表示装
置において、使用形態に適したコンパクトな構成であ
り、かつ良好で広画角の映像を提供し得る構成とする。 【解決手段】 反射型のホログラムからなり、観察者の
瞳から見て前記外界物体と光学的に等価な面を前記外界
物体とは別の位置に作成する光学的パワーを有するホロ
グラムコンバイナと、前記等価な面の位置で映像表示を
行う映像表示手段と、入射角度により透過・反射を選択
的に行う光束選択面とを備える。前記映像表示に基づく
映像光は、前記光束選択面で反射され、前記ホログラム
コンバイナで反射され、前記光束選択面で透過された後
観察者の瞳に導かれ、前記外界物体に基づく外界光は、
前記ホログラムコンバイナで透過され、前記光束選択面
で透過された後観察者の瞳に導かれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の眼前に配
置されて使用される映像表示装置に関し、特に表示器で
表示される映像の虚像と、前方視野の自然風景等の外界
像とをホログラムコンバイナによって空間的に重畳させ
て観察者に提供する映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】頭部に装着され、あるいは手で保持され
て、観察者の眼前にて使用される映像表示装置があり、
航空機用として高度,速度等の飛行情報を表示するもの
から、個人シアタ用として、映画,テレビゲーム,人工
現実感を表示するものが開発され製品化されている。ま
た、最近ではコンピュータ用のディスプレイとして用い
るものが研究されている。
【0003】このような映像表示装置には、外界を見る
ことのできるシースルー型と、外界を見ることのできな
いクローズ型がある。人工現実感を表示する場合は、ク
ローズ型の方が好ましい場合もあるが、携帯用としては
大抵の場合、シースルー型の方が向いている。シースル
ー型の映像表示装置は、映像表示手段及びこの映像表示
手段で表示される映像を観察者に見やすい場所に虚像と
して提供する観察光学系の他に、映像光と外界光とを重
合するビームコンバイナを備える。
【0004】ビームコンバイナとして、ハーフミラー,
偏光ビームスプリッター,ホログラム等を用いることが
できる。反射型のホログラムは、波長選択性が高いの
で、特定の波長の光のみを回折させることができ、特定
の波長の映像光と、その波長を除いた外界光とを重ねて
見る際に、外界光の光量損失が非常に小さく優れてい
る。
【0005】このような特徴を有する反射型のホログラ
ムをコンバイナとして用いたシースルー型の映像表示装
置が、特開平5−346508号公報,特開平10−3
19343号公報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】反射型のホログラムコ
ンバイナを用いた映像表示装置においては、ホログラム
コンバイナに対して観察側から映像光を与えるので、ホ
ログラムコンバイナに入射される映像光と、ホログラム
コンバイナから出射される映像光の反射光及び外界光か
らなる観察光とを分離する必要性が生じる。
【0007】このため、上記各公報の映像表示装置にお
いては、ホログラムコンバイナの偏心量を大きくして前
記映像光と観察光の分離を可能としてる。しかしなが
ら、ホログラムコンバイナの偏心量が大きいので、偏心
収差が発生し良好な映像を提供できず、さらに広画角な
映像を提供できないという問題点を有する。また、映像
表示手段からホログラムコンバイナまでの光学系の光軸
が一直線であるため、装置全体のコンパクト性に欠け
る。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、使用形態に適したコンパクトな構成であり、
かつ良好で広画角の映像を提供し得るシースルー型の映
像表示装置を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、観察者の眼前に配置されて、表示した
映像を外界物体の像に重畳させて観察者に提供する映像
表示装置において、反射型のホログラムからなり、観察
者の瞳から見て前記外界物体と光学的に等価な面を前記
外界物体とは別の位置に作成する光学的パワーを有する
ホログラムコンバイナと、前記等価な面の位置で映像表
示を行う映像表示手段と、入射角度により透過・反射を
選択的に行う光束選択面とを備える。前記映像表示に基
づく映像光は、前記光束選択面で反射され、前記ホログ
ラムコンバイナで反射され、前記光束選択面で透過され
た後観察者の瞳に導かれ、前記外界物体に基づく外界光
は、前記ホログラムコンバイナで透過され、前記光束選
択面で透過された後観察者の瞳に導かれる。
【0010】この映像表示装置は、波長選択性が高く、
透過光に与える影響が少ない反射型のホログラムコンバ
イナにより表示映像と外界像とを重畳して観察者に提供
するものであるので、表示映像,外界像ともに明るい像
を提供できる。また、ホログラムコンバイナは光学的パ
ワーを有し、表示映像が外界物体と同じ位置に観察され
るようにする。すなわち、観察者は表示映像を無限遠に
形成される虚像として観察することになる。このよう
に、前記ホログラムコンバイナは表示映像を拡大して観
察者の瞳に導く接眼機能をも有する。特別に接眼機能を
有するレンズ等を設ける必要がないので、装置全体の簡
素化及びコンパクト化が達成される。
【0011】また、光束選択面を設けて映像光の光路を
折り畳むようにしている。これによっても、コンパクト
化が達成される。前記光束選択面においては、映像光を
全反射させてホログラムコンバイナに導き、また映像光
と外界光が重合された観察光を全て透過させて観察者の
瞳に導くことが可能となるので、明るい像を提供でき
る。また、前記光束選択面は入射角度により光束選択を
行うので、ホログラムコンバイナを大きく偏心させて、
光路分割を行う必要がない。故に、広画角で良質な映像
を提供することが可能となる。
【0012】尚、上記映像表示装置において、前記映像
光が前記ホログラムコンバイナに入射されるまでに、前
記光束選択面で反射される回数は1回に限られることは
なく、複数回反射される構成であってもよい。複数回反
射されるようにすることで、装置全体のさらなるコンパ
クト化を測ることが可能となる。
【0013】前記ホログラムは、平面に形成されている
ものを用いるとよい。平面ホログラムは、透過する前記
外界光に対しては光学的パワーを有さないので、外界像
に歪みが生じることがなく、自然な外界像の提供が可能
となる。ホログラムは、平面であっても回折光に対して
光学的パワーを持ち得る。一方、曲面にホログラムを作
成することは困難である。この点からも、平面に形成さ
れているホログラムを用いる方が有利である。
【0014】また、上述の映像表示装置において、前記
外界光の透過部分で生じる偏向を補正する偏向補正手段
を設けてもよい。外界光は、ホログラムコンバイナ等、
異なる媒質の境界を通過する際に偏向する。例えば、前
記境界と微小な間隔をおいて平行に配置されるように偏
向補正手段の媒質境界面を配置して偏向補正手段を設け
ることで、この部分で生じる外界光の偏向を補正するこ
とができる。また、外界光が通過する最も外界側の面
と、最も瞳側の面とが略平行な平面となるように偏向補
正手段を設けることで、外界光の偏向のさらなる補正が
可能となる。このような構成により、より自然な外界像
の提供が可能となる。
【0015】尚、前記偏向補正手段は、外界光が透過す
る面として少なくとも前記偏向補正手段の媒質境界面
と、視度を補正する光学的パワーを有する視度補正面と
を備えるようにしてもよい。視度補正面により、観察者
に合わせた視度が得られる構成とし、さらなる良好な画
像の提供が可能となる。
【0016】また、上述の映像表示装置において、前記
光束選択面を、光学的パワーを有する構成としてもよ
い。この面を、映像光の収差補正手段として利用するこ
とで、さらなる良質な表示映像を提供することが可能と
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の映像表示装置の実
施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】〈第1の実施形態〉図1に、第1の実施形
態の映像表示装置1の光学系の構成を示す。この映像表
示装置1は、映像形成部材11、プリズム12を備えて
いる。
【0019】映像形成部材11は、供給される映像信号
に応じた表示を行い、表示映像に基づく映像光LAを形
成しこれを出射する。プリズム12はポリメチルメタク
リレート(PMMA)製であり、光の進行に関与する面
として面13,14,15を有している。面13はアナ
モルフィック非球面の凹面であり、映像形成部材11か
らの映像光LAを全て透過するように設定されている。
面14は平面であり、面13を透過した映像光LAが臨
界角を超えて入射するように設定されており、面13を
透過した映像光LAは面14で全反射される。
【0020】面15は平面であり、体積型で位相型で反
射型のホログラムが形成されている。映像形成部材11
で形成される映像光LAの波長は、このホログラム15
の回折効率ピークの波長と略一致している。よって、ホ
ログラム15は、面14からの映像光LAを反射する。
また、ホログラム15は透明であり、外界光LBを透過
させる。このように、ホログラム15は映像光LAと外
界光LBとを重合するホログラムコンバイナHCとして
の機能を有する。ホログラムコンバイナHCは、面14
で全反射された映像光LAが、臨界角よりも小さい入射
角で面14に再度入射させるように設定されている。し
たがって、ホログラムコンバイナHCで反射された映像
光LA、及びホログラムコンバイナHCで透過された外
界光LBは、面14で透過され、観察者の瞳EPに入射
する。
【0021】ホログラムコンバイナHCは、面14から
入射する映像光LAに対してのみ光学的パワーを有し、
観察者の瞳EPから見て無限遠に表示映像の虚像を形成
する接眼機能を有する。一方、外界光LBに対しては、
単なる平面として作用し、光学的パワーを有さない。こ
れにより、表示映像は拡大され、外界像は等倍で合わせ
て観察される。
【0022】面14は、入射角によって透過・反射を選
択的に行う光束選択面SLとなっている。映像表示装置
1は、光束選択面SLにより、光路が折り畳まれてお
り、コンパクトな配置構成が達成されている。また、光
束選択面SLによって光路が分離されているので、ホロ
グラムコンバイナHCの偏心量が少ない構成とすること
が可能となり、偏心収差の発生が低減される。これによ
り、広画角で良好な表示映像を提供することができる。
【0023】ホログラムコンバイナHCは、映像光LA
を正反射させる配置ではなく、映像光LAに対して斜め
に傾けて使用され、さらに接眼機能としての光学的パワ
ーを有するので非軸対称光学系となる。非軸対称光学系
において、このホログラムコンバイナHCが共軸レンズ
と同等の働きしか有さない場合は、傾いた方向に非対称
な歪曲(台形歪曲)や非対称な像面湾曲が発生する。こ
のためホログラムコンバイナHCには、単純な回転対称
な波面再現性だけではなく、自由曲面的な波面再生を持
たせることが望ましい。
【0024】このようなホログラムコンバイナHCにお
けるホログラムの作成方法について説明する。図2に、
ホログラムの製造光学系の概略構成を示す。図2中、H
は、ホログラムが記録される感光材料が塗布された基板
を示す。レーザー光源から発せられたコヒーレント光線
は、不図示のビームスプリッタによって2つの光線に分
岐される。ここで、不図示の波長板等を用いて2つの光
線の偏光方向は揃えられている。2つの光線はそれぞれ
球面波発生レンズ,その球面波発生レンズの焦点におか
れたピンホールを通してスペシャルフィルタリングさ
れ、波面の揃った球面波に変換される。ここで、図2
中、第1の点光源26及び第2の点光源27は、スペシ
ャルフィルタリングに使用されたピンホールと一致して
いる。
【0025】第2の点光源27は、作成されたホログラ
ムをホログラムコンバイナHCとして用いた映像表示装
置1の使用状態における観察者の瞳EPの位置に略一致
するように設定されている。第2の点光源27と瞳EP
の位置を一致させると、製造状態での製造光と使用状態
での観察光がほぼ一致するので、ホログラムコンバイナ
HCの使用状態での回折効率を最も向上させることがで
きる。
【0026】第1の点光源26と基板Hとの間には、複
数のレンズを偏心させて組み合わされた光学系25が配
置されている。光学系25は、図2に示す断面でのみ偏
心している。これらは、ホログラムコンバイナHCが使
用状態において、表示映像の虚像が瞳で良好な像として
観察されるように、基板Hに入射する製造時の波面をコ
ントロールするように配置されている。また、光学系2
5の偏心が1平面内だけで行われていると設計および製
造上非常に簡単になるので好ましい。第1の点光源26
及び第2の点光源27から入射される球面波の干渉が基
板H上に記録され、ホログラムが作成される。
【0027】ホログラムは、基本的にそのホログラムを
作成した光束(波長と角度)と同じ光束を与えたときの
波面再現の回折効率が最も高くなる。よって、映像形成
部材11からの映像光LAは、ホログラムの回折効率ピ
ークの波長に合わせた波長の光とすることが望ましい。
たとえば530nm近傍に回折効率ピークを持つホログラ
ムコンバイナHCを用い、映像形成部材11に液晶など
の非自発型の素子を用いた場合、液晶を照明する光源と
しては530nm付近に発光ピークを持つ緑色のLEDな
どが適する。
【0028】ホログラムコンバイナHCには、波長選択
性の高いホログラムを用いる必要がある。波長選択性が
低いと、ホログラムコンバイナHCで反射される外界光
LBの波長巾が広くなり、不自然で暗い外界像が観察さ
れることになるからである。ホログラムコンバイナHC
に反射型ホログラムを用いているのはこのためである。
反射型ホログラムは、透過型ホログラムに比べて波長選
択性が非常に高い。つまり、特定の波長には反応する
が、その他の波長には反応しないのである。外界光LB
の一部の波長(映像光LAと同じ波長)以外には反応し
ないので、外界光LBはほとんどホログラム15の影響
を受けない。したがって、外界像,表示映像ともに明る
く良好な観察が可能となる。これは透過型ホログラムで
は達成できない大きな特徴である。
【0029】図3に、感光材料の屈折率が1.5,作成
波長530nm,感光材料の厚み5μmのときの入射光と
出射光の角度差θに対する反射型ホログラムHRと透過
型ホログラムHTの波長選択性(波長巾)を示す。角度
差θが90度以上となるとき、すなわち反射型ホログラ
ムHRの場合、透過型ホログラムHTに比べて波長選択
性が非常に高くなることがわかる。
【0030】図4に、図3に示す反射型ホログラムHR
における可視域の入射光の波長に対する反射光と透過光
の強度の関係を示す。反射光の強度分布をj1で、透過
光の強度分布をj2で表す。図4から、反射型ホログラ
ムHRは波長選択性が非常に高いので、透過光すなわち
映像表示装置1における外界光LBの一部の波長(略5
30nm)にしか作用しないことがわかる。
【0031】ところで、薄いホログラムでは高次の回折
光に相当する光が再生されるが、厚いホログラム(いわ
ゆる体積型ホログラム)では1つの次数の光しか再生さ
れない。したがって、ホログラムコンバイナHCとして
は、高い回折効率を得ることができる体積型ホログラム
が望ましい。また、振幅型ホログラムでは光がホログラ
ムを通過するときに吸収されるが、位相型ホログラムで
は光の吸収がない。したがって、ホログラムコンバイナ
HCとしては、明るい表示映像を得ることができる位相
型のホログラムが望ましい。なお、体積型のホログラム
の場合、反射型の方が透過型に比べて高い角度依存性を
持たせることができるので、体積型で反射型のホログラ
ムを用いることには、ホログラムコンバイナHCの配置
の自由度が高くなるというメリットがある。以上のよう
な理由から、本実施形態ではホログラムコンバイナHC
に体積型・位相型・反射型のホログラムを用いている。
【0032】このように、本実施形態では波長選択性が
非常に高いホログラムをホログラムコンバイナHCとし
て用いるので、半値巾20〜40nmの発光波長巾を持つ
LEDを映像形成部材11における光源として用いた場
合、エネルギー効率がたいへん良い構成とすることがで
き望ましい。もちろん、ホログラム作成に用いたレーザ
ーと同じ発光波長を有するレーザーを光源として用いて
もよい。
【0033】映像表示装置1の光学系の具体的な設定値
を表1、表2に示す。以下においては、瞳正面方向(図
1の右方向)をX軸、図1の上下方向をY軸、図1の奥
行き方向をZ軸としている。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1において、ホログラム面の定義につい
ては、作成に用いる2光束を定義することによりホログ
ラムを一義的に定義する。尚、本実施形態で作成に用い
る2光束の波長は532nmである。2光束の定義は、各
光束の光源位置と、各光源からの出射ビームが収束ビー
ム(VIA),発散ビーム(REA)のどちらであるか
で行う。第1の点光源(HV1)、第2の点光源(HV
2)の座標をそれぞれ(HX1、HY1、HZ1)、
(HX2、HY2、HZ2)とする。
【0037】また、本実施形態においては、複雑なホロ
グラムによる波面再生を行うので、2光束の定義に加え
て、位相関数φにより入射光線に対する射出光線の方向
余弦でも定義する。位相関数φは数1に示すホログラム
面の位置(X,Y)による生成多項式であり、係数が1
次〜10次までの昇順の単項式で表される。表1には、
位相関数φの係数Cjを示す。
【0038】
【数1】
【0039】尚、係数Cjの番号jは、m,nをX,Y
の指数として数2で表される。
【0040】
【数2】
【0041】ここで、射出光線のX軸,Y軸,Z軸方向
余弦は、数3で表される。
【0042】
【数3】
【0043】尚、数3において、l',m',n'は各々
射出光線の法線ベクトル、l,m,nは各々入射光線の
法線ベクトル、λは再生光束の波長、λ0はホログラム
作成光束の波長である。
【0044】表1において、アナモルフィック非球面に
関するパラメータは、各面とその光軸との交点を原点と
し、光軸をZ軸としたときの、数4で定義されるZ軸方
向のサグZを規定するものである(単位mm)。RDXは
X軸方向の曲率半径である。
【0045】
【数4】
【0046】ここで、CUX,CUYはX軸方向,Y軸
方向の曲率半径の逆数である。
【0047】表2は各面の相対的な位置関係を示したも
のである。ここでは、瞳面の中心を原点としたグローバ
ル座標系で表現されている。XSC,YSC,ZSC
は、各面とその光軸との交点のX,Y,Z座標(単位m
m)を表し、ASC,BSC,CSCは、X軸,Y軸,
Z軸についての瞳面からの各面の回転角(単位゜)を表
す。
【0048】〈第2の実施形態〉第2の実施形態の映像
表示装置2の光学系の構成を図5に示す。この映像表示
装置2は、プリズム21を備えている点のみ第1の実施
形態の映像表示装置1と異なる。その他の構成は、第1
の実施形態と同様である。
【0049】第1の実施形態の映像表示装置1では、ホ
ログラムコンバイナHCの偏心量低減のため、ホログラ
ムコンバイナHCと光束選択面SLは平行でなく、角度
を持たせて配置されている。このため、プリズム12は
楔形状となり、外界像は等倍だが偏向されている。本実
施形態におけるプリズム21は、この偏向を補正する機
能を有する偏向補正部材DCである。
【0050】プリズム21は、PMMA製であり、平面
22をプリズム12のホログラムコンバイナHCが形成
されている面15に対向させて配置されている。面15
と面22は平行である。面15と面22の間には数十μ
m以下の微小な間隔が形成されている。また、プリズム
21の面23(最も外界像側の面)とプリズム12の面
14(最も瞳側の面)とは平行に配置されている。
【0051】外界光LBはプリズム21,12を介して
観察者の瞳EPに入射するが、この際、上述のように面
22と面15の間には空気が介在するため、また入射面
23と出射面14が平行であるため偏向が補正され、よ
り自然な外界観察が可能となる。
【0052】〈第3の実施形態〉第3の実施形態の映像
表示装置3の光学系の構成を図6に示す。この映像表示
装置3は、映像形成部材31、プリズム32,36を備
えている。
【0053】映像形成部材31は、供給される映像信号
に応じた表示を行い、表示映像に基づく映像光LAを形
成しこれを出射する。プリズム32はPMMA製であ
り、光の進行に関与する面として面33,34,35を
有している。面33はアナモルフィック非球面の凹面で
あり、映像形成部材31からの映像光LAを全て透過す
るように設定されている。面34は平面であり、面33
を透過した映像光LAが臨界角を超えて入射するように
設定されており、面33を透過した映像光LAは面34
で全反射される。
【0054】面35は平面であり、体積型で位相型で反
射型のホログラムが形成されている。映像形成部材31
で形成される映像光LAの波長は、このホログラム35
の回折効率ピークの波長と略一致している。よって、ホ
ログラム35は、面34からの映像光LAを反射する。
また、ホログラム35は透明であり、外界光LBを透過
させる。このように、ホログラム35は映像光LAと外
界光LBとを重合するホログラムコンバイナHCとして
の機能を有する。ホログラムコンバイナHCは、面34
で全反射された映像光LAが、臨界角よりも小さい入射
角で面34に再度入射させるように設定されている。し
たがって、ホログラムコンバイナHCで反射された映像
光LA、及びホログラムコンバイナHCで透過された外
界光LBは、面34で透過され、プリズム36を介して
観察者の瞳EPに入射する。
【0055】ホログラムコンバイナHCは、面34から
入射する映像光LAに対してのみ光学的パワーを有し、
観察者の瞳EPから見て無限遠に表示映像の虚像を形成
する接眼機能を有する。一方、外界光LBに対しては、
単なる平面として作用し、光学的パワーを有さない。こ
れにより、表示映像は拡大され、外界像は等倍で合わせ
て観察される。
【0056】面34は、入射角によって透過・反射を選
択的に行う光束選択面SLとなっている。ホログラムコ
ンバイナHC、及び光束選択面SLの詳細については、
第1の実施形態で説明した通りであるのでここでは省略
する。本実施形態では、第1の実施形態よりホログラム
コンバイナHCの偏心量が小さいので、より偏心収差の
少ない広画角な表示映像の観察が可能となる。
【0057】プリズム32は楔形状となり、プリズム3
2を透過する外界光LBは偏向される。プリズム36
は、この偏向を補正する機能を有する偏向補正部材DC
である。
【0058】プリズム36は、PMMA製であり、平面
37をプリズム32の光束選択面SLとなっている面3
4に対向させて配置されている。面34と面37は平行
である。面34と面37の間には数十μm以下の微小な
間隔が形成されている。また、プリズム32の面35
(最も外界像側の面)とプリズム36の面38(最も瞳
側の面)とは平行に配置されている。
【0059】外界光LBはプリズム32,36を介して
観察者の瞳EPに入射するが、この際、上述のように面
34と面37の間には空気が介在するため、また入射面
35と出射面38が平行であるため偏向が補正され、よ
り自然な外界観察が可能となる。
【0060】映像表示装置3の光学系の具体的な設定値
を表3,表4に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】尚、表3,表4で用いられるパラメータは
第1の実施形態で規定するとおりである。
【0064】〈第4の実施形態〉第4の実施形態の映像
表示装置4の光学系の構成を図7に示す。この映像表示
装置4は、第3の実施形態における光束選択面SLを曲
面化し、表示映像の収差補正機能をもたせた点以外の基
本構成は、第3の実施形態と同様である。
【0065】映像表示装置4の光束選択面SLとなって
いる面34はアナモルフィックな曲面であるため、観察
される表示映像の収差性能のさらなる改善をはかること
が可能である。また、選択反射面SLが曲面化している
ことによる透過光への影響を打ち消すため、偏向補正部
材DCであるプリズム36の光束選択面SLに対向する
面37も面34と同様のアナモルフィック曲面となって
いる。
【0066】映像表示装置4の光学系の具体的な設定値
を表5,表6に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】尚、表5,表6で用いられるパラメータは
第1の実施形態で規定するとおりである。
【0070】〈第5の実施形態〉第5の実施形態の映像
表示装置5の光学系の構成を図8に示す。この映像表示
装置5は、第3の実施形態の映像表示装置3において、
最も瞳側の面38を曲面化してパワーを持たせた他は、
映像表示装置3と同様である。
【0071】面38は、観察者の視度、または観察する
外界像の視度を最適化するパワーを有するようにする。
すなわち、面38は視度調整機能を有する面SCとなっ
ており、映像表示装置5においては観察者の視度に最適
化された観察像を得ることができ、より快適な映像観察
が可能となる。
【0072】〈第6の実施形態〉第6の実施形態の映像
表示装置6の光学系の構成を図9に示す。この映像表示
装置6は、第2の実施形態の映像表示装置2において、
最も外界側の面23を曲面化してパワーを持たせた他
は、映像表示装置2と同様である。
【0073】面23は、観察者の視度、または観察する
外界像の視度を最適化するパワーを有するようにする。
すなわち、面23は視度調整機能を有する面SCとなっ
ており、映像表示装置6においては観察者の視度に最適
化された観察像を得ることができ、より快適な映像観察
が可能となる。
【0074】
【発明の効果】本発明によると、光束選択面を設けるこ
とにより、広画角で偏心収差の少ない良好な表示映像を
観察者に提供することができる。また、反射型のホログ
ラムをコンバイナとして用いることにより、明るく自然
な外界像を提供することができる。さらに、前記ホログ
ラムに光学的パワーを持たせて接眼機能を有する構成と
することにより、表示映像の拡大表示が可能な構成であ
りながら、他のレンズ等を設けることなく簡素でコンパ
クトな構成が達成される。
【0075】前記ホログラムを平面とする構成において
は、ホログラムのパワーが外界光に影響せず、自然な外
界光の観察が可能となる。
【0076】外界光の偏向を補正する偏向補正手段を設
ける構成においては、傾きのないより自然な外界光の観
察が可能となる。
【0077】視度を補正する面を有する前記偏向補正手
段を設ける構成においては、観察者の視度に最適化され
た観察像を提供することが可能となる。
【0078】光学的パワーを有する光束選択面を設ける
構成においては、光束選択面を収差補正手段として利用
することにより、さらなる良質な映像の提供が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の映像表示装置の光学系の構成
を示す図。
【図2】ホログラムの製造光学系の概略構成を示す図。
【図3】入射光と出射光の角度差とホログラムの波長選
択性の関係を示す図。
【図4】可視域における反射光と透過光の強度分布を示
す図。
【図5】第2の実施形態の映像表示装置の光学系の構成
を示す図。
【図6】第3の実施形態の映像表示装置の光学系の構成
を示す図。
【図7】第4の実施形態の映像表示装置の光学系の構成
を示す図。
【図8】第5の実施形態の映像表示装置の光学系の構成
を示す図。
【図9】第6の実施形態の映像表示装置の光学系の構成
を示す図。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 映像表示装置 11,31 映像形成部材 LA 映像光 LB 外界光 SL 光束選択面 HC ホログラムコンバイナ EP 瞳位置 DC 偏向補正部材 SC 視度調整面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察者の眼前に配置されて、表示した映
    像を外界物体の像に重畳させて観察者に提供する映像表
    示装置において、 反射型のホログラムからなり、観察者の瞳から見て前記
    外界物体と光学的に等価な面を前記外界物体とは別の位
    置に作成する光学的パワーを有するホログラムコンバイ
    ナと、 前記等価な面の位置で映像表示を行う映像表示手段と、 入射角度により透過・反射を選択的に行う光束選択面と
    を備え、 前記映像表示に基づく映像光は、前記光束選択面で反射
    され、前記ホログラムコンバイナで反射され、前記光束
    選択面で透過された後観察者の瞳に導かれ、前記外界物
    体に基づく外界光は、前記ホログラムコンバイナで透過
    され、前記光束選択面で透過された後観察者の瞳に導か
    れることを特徴とする映像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記ホログラムは平面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記外界光の透過部分で生じる偏向を補
    正する偏向補正手段を備えることを特徴とする請求項1
    または2に記載の映像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記偏向補正手段は、視度を補正する光
    学的パワーを有する視度補正面を備えることを特徴とす
    る請求項3に記載の映像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記光束選択面は、光学的パワーを有す
    ることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の映
    像表示装置。
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