JP2000352553A - 走査型プローブ顕微鏡のオフセット除去装置 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡のオフセット除去装置

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JP2000352553A
JP2000352553A JP11164335A JP16433599A JP2000352553A JP 2000352553 A JP2000352553 A JP 2000352553A JP 11164335 A JP11164335 A JP 11164335A JP 16433599 A JP16433599 A JP 16433599A JP 2000352553 A JP2000352553 A JP 2000352553A
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scanning probe
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Isamu Hashizume
勇 橋詰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘弾性体を半硬化状態に維持する必要がな
く、かつ分解能を向上できる走査型プローブ顕微鏡を提
供することにある。 【解決手段】 探針10を原子間力の作用する試料32
の表面の領域まで近付けるZ軸粗動動作を終了すると、
該加熱コイル16に流す電流は遮断され、粘弾性体17
は自然冷却される。この自然冷却によりスキャナは熱収
縮するが、スキャナの微動制御を中立状態(ボイスコイ
ル6に流す電流が0の状態)に維持して、電源電圧制御
部44から、該PI制御部43からの制御信号に対応し
た電圧を、積層圧電セラミックス等で構成された試料高
さ調整装置34に供給し、探針10と試料32との距離
が常に一定となるように、試料高さ調整装置34の高さ
を制御する。時間が経過して、熱的な平衡状態に達し、
スキャナ長の収縮が止まったら、試料高さ調整装置34
を固定し、スキャナ側の微動制御に切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は走査型プローブ顕
微鏡に関し、特に、スキャナ内部に充填された粘弾性体
の温度を変えることによって、粗動機構および微動機構
の切り替えを行う走査型原子間力顕微鏡(AFM: Ato
mic Force Microscope)等の走査型プローブ顕微鏡に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の走査型プローブ顕微鏡の一例を、
図4を参照して説明する。図示されているように、Z方
向のボイスコイルモータ1は、第1の磁石2と、その心
棒部3に遊嵌されている可動子4と、該可動子4を弾性
的に支持するメンブレン5と、該可動子4の周囲に巻回
されているコイル6から構成されている。該コイル6に
は、電流源7から該ボイスコイルモータ1を作動させる
に必要な電流が供給される。
【0003】前記可動子4には、Z方向に延びるスピン
ドル8の一端が固着されている。該スピンドル8の他端
には、カンチレバー等の探針10が装着されている。ま
た、該スピンドル8はその下端部でばね11によりスキ
ャナ可動部材12に支持されている。筐体13に支持さ
れかつ試料室に突出する細管部14と、これに連なる太
管部15とが設けられ、該太管部15の一部には加熱コ
イル16が巻回されている。該太管部15は熱伝導性の
良い金属などの材料により構成されている。また、該太
管部15と前記スキャナ可動部材12との間には、例え
ばエチレングリコール、グリコールフタレート等のポリ
マ類からなる粘弾性体17が挿入充填されている。該粘
弾性体17は室温(約25°C)では固体と同様の性質
を示すが、前記加熱コイル16に通電され、42°C程
度まで加熱されると急激に軟化し、粘性を示すようにな
る。
【0004】また、前記ボイスコイルモータ1と同構成
のx方向ボイスコイルモータ21が図示の位置に設けら
れ、該x方向ボイスコイルモータ21と同構成のy方向
ボイスコイルモータ(図示せず)が90°回転した位置
に設けられている。前記探針10と対向する位置には試
料台31が設けられ、該試料台31上に検査すべき試料
32が載置されている。また、該試料台31は粗動x,
y,zステージ33上に設置されている。
【0005】さて、前記の構成を有する走査型プローブ
顕微鏡において、探針10を試料32の面に近付けるZ
軸粗動動作を行う場合、粘弾性体17を加熱コイル16
に電流を流して加熱し、スキャナ長を可変状態として、
ボイスコイルモータ1でスピンドル8にZ方向の力を加
え、探針10を原子間力の作用する試料32の表面の領
域まで近付ける。該Z軸粗動動作を終了すると、該加熱
コイル16に流す電流量を減らして加熱温度を低下さ
せ、粘弾性体17を半硬化状態として微動状態に切り替
え、試料面の操作を開始する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、Z軸
粗動動作が終了するとスキャナ部の温度は低下させられ
るため、熱収縮でスキャナ長が短くなる。このため、探
針10が試料面より離れないように、ボイスコイルモー
タ1に電流を流すと共に、加熱コイル16に電流を流し
て粘弾性体17が半硬化状態となる余熱温度に制御する
ことにより、スキャナ可動部を徐々に下方向に移動させ
ることが必要となる。このように、従来は、粘弾性体1
7を半硬化状態となる余熱温度に保つために、常に温度
制御が必要であるという問題、および粘弾性体17を半
硬化状態に維持して試料32の観察を行うために、分解
能を上げることができないという問題があった。
【0007】この発明の目的は、前記した従来技術の問
題点を除去し、粘弾性体を半硬化状態に維持する必要が
なく、かつ分解能を向上できる走査型プローブ顕微鏡を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、温度により粘性が変化する粘弾性体を有
する粗動機構を搭載した走査型プローブ顕微鏡のオフセ
ット除去装置において、試料を載置し、これを上下動さ
せる試料高さ調整装置と、Z軸粗動終了時に該粘弾性体
の加熱を停止する手段と、Z軸粗動終了後のZ軸変位オ
フセット量を測定し、該Z軸変位オフセット量を相殺す
るように前記試料高さ調整装置を制御する制御装置とを
具備した点に特徴がある。
【0009】この特徴によれば、前記粘弾性体の余熱温
度制御が不要となり、電力の消費を減少させることがで
きると共に、粘弾性体を硬化させた状態で試料観察のた
めの走査をさせることができるので、分解能を向上させ
ることができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態の構成の
説明図であり、図4と同一の符号は同一または同等物を
示す。比較器41、目標値設定部42、および比例積分
(PI)制御部43はZサーボ系を構成しており、PI
制御部43からは、探針10のZ方向変位に対応した制
御信号が出力される。
【0011】さて、本実施形態では、探針10を試料3
2の面に近付けるZ軸粗動時(すなわち、アプローチ
時)には、加熱コイル16に電流を流して粘弾性体17
を加熱し、スキャナ長を可変状態として、ボイスコイル
モータ1に電流源45から電流を供給してスピンドル8
にZ方向の力を加え、探針10を試料32の表面に近付
ける。探針10が原子間力の作用する試料表面の領域ま
で移動させられて、Z軸粗動動作を終了すると、該加熱
コイル16に流す電流を遮断する。
【0012】Z軸粗動動作が終了すると、粘弾性体17
は冷却され、スキャナは熱収縮するが、スキャナの微動
制御を中立状態(ボイスコイル6に流す電流が0の状
態)に維持して、スイッチ47の端子aを介して電源電
圧制御部44に、PI制御部43から探針10のZ方向
変位に対応した制御信号を供給する。電源電圧制御部4
4は、該PI制御部43からの制御信号に対応した電圧
を、積層圧電セラミックス等で構成された試料高さ調整
装置34に供給し、探針10と試料32との距離が常に
一定となるように、試料高さ調整装置34の高さを制御
する。時間が経過して、熱的な平衡状態に達し、スキャ
ナ長の収縮が止まったら、試料高さ調整装置34を固定
し、スキャナ側の微動制御に切り替える。
【0013】図2(a) 、(b) および(c) は、それぞれZ
軸粗動完了後のスキャナ温度、探針10の高さ、および
試料台31の高さの時間的変化を示す図であり、Z軸粗
動完了後、前記加熱コイル16に流す電流が遮断されス
キャナ温度が低下すると、探針10の高さはスキャナの
熱収縮のため、図示のように上昇しオフセットが発生す
る。一方、試料台31の高さは、該オフセットが相殺さ
れるように、試料台高さ調整装置34を制御することに
より、試料台31の高さは図示のように上昇する。この
結果、スキャナが熱収縮しても、探針10は原子間力の
作用する試料32の表面の領域に保持されることにな
る。
【0014】この実施形態によれば、粘弾性体17の余
熱温度制御が不要となり、電力の消費を減少させること
ができるようになる。また、粘弾性体17を硬化状態で
走査できるので、分解能を向上させることができるよう
になる。次に、本実施形態の変形例を説明する。上記の
実施形態では、スキャナ長の収縮が止まり、スキャナ側
の微動制御に切り替えた時には、試料高さ調整装置34
の高さを固定するために、電源電圧制御部44からオフ
セット電圧を常に印加する構成であったが、スキャナの
熱収縮量を前回のZ軸粗動動作により予め求めてオフセ
ット電圧保持部46に保持しておき、Z軸粗動動作開始
前に、スイッチ47を端子b側に切換えて、該熱収縮量
のオフセット電圧を試料高さ調整装置34に予め与えて
おけば、Z軸粗動動作が終了し、スキャナの熱収縮が終
了した時点で、スキャナおよび試料高さ調整装置34
を、オフセット0の中立付近で使うことができるように
なる。
【0015】次に、本発明の第2実施形態を、図3を参
照して説明する。この実施形態は、前記第1実施形態の
試料高さ調整装置34をボイスコイルモータ38で構成
した点に特徴がある。該ボイスコイルモータ38のボイ
スコイルは、スイッチ47が端子aに接続されている時
には、前記PI制御部43からの出力である探針10の
Z方向変位に対応した制御信号によって制御された電源
電流制御部48からオフセット補償電流を供給され、試
料台31の高さを前記オフセットを相殺するように制御
する。
【0016】また、前回のZ軸粗動動作により予め求め
られたオフセット電圧保持部46に保持しておき、Z軸
粗動動作開始前に、スイッチ46を端子b側に切換え
て、該熱収縮量のオフセット電圧を試料高さ調整装置3
4に予め与えておけば、Z軸粗動動作が終了し、スキャ
ナの熱収縮が終了した時点で、スキャナおよび試料高さ
調整装置34を、オフセット0の中立付近で使うことが
できるようになる。
【0017】前記第1、第2実施形態において、Z軸ボ
イスコイルに流す電流および試料高さ調整装置34、3
8に印加する電圧または電流を中立状態に保持して、ス
キャナの微動制御を行うと、電力の無駄な消費を極力削
減できるようになる。
【0018】
【発明の効果】前記の説明から明らかなように、本発明
によれば、Z軸粗動終了時に粘弾性体の加熱を停止し、
該粘弾性体を含むスキャナの熱収縮によって発生するZ
軸変位オフセット量を相殺するようにしたので、粘弾性
体の余熱温度制御が不要となり電力消費を減少させるこ
とができるようになる。また、該粘弾性体を硬化させた
状態で、スキャナを走査できるようになるので、観察像
の分解能を向上させることができるようになるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】本実施形態の動作の概略説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図4】従来装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 探針 34 試料高さ調整装置 41 比較器 42 目標値設定部 43 PI制御部 44 電源電圧制御部 46 オフセット電圧保持部 47 スイッチ 48 電源電流制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度により粘性が変化する粘弾性体を有
    する粗動機構を搭載した走査型プローブ顕微鏡のオフセ
    ット除去装置において、 試料を載置し、これを上下動させる試料高さ調整装置
    と、 Z軸粗動終了時に該粘弾性体の加熱を停止する手段と、 Z軸粗動終了後のZ軸変位オフセット量を測定し、該Z
    軸変位オフセット量を相殺するように前記試料高さ調整
    装置を制御する制御装置とを具備したことを特徴とする
    走査型プローブ顕微鏡のオフセット除去装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡
    のオフセット除去装置において、 前記Z軸変位オフセット量を保持する手段を具備し、 Z軸粗動動作開始前に、該Z軸変位オフセット量に相当
    する変位を前記試料高さ調整装置に予め与えておいてZ
    軸粗動動作を行うようにしたことを特徴とする走査型プ
    ローブ顕微鏡のオフセット除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の走査型プロー
    ブ顕微鏡のオフセット除去装置において、 スキャナ側の微動装置を具備し、 前記Z軸粗動後に前記粘弾性体の加熱を停止し、該停止
    直後から該粘弾性体の温度が安定するまでは、前記スキ
    ャナ側の微動装置の制御量を一定にして試料の高さ調整
    を行うようにしたことを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡のオフセット除去装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡
    のオフセット除去装置において、 前記スキャナ側の微動装置の制御量を0にしたことを特
    徴とする走査型プローブ顕微鏡のオフセット除去装置。
JP11164335A 1999-06-10 1999-06-10 走査型プローブ顕微鏡のオフセット除去装置 Pending JP2000352553A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100439966C (zh) * 2005-06-14 2008-12-03 清华大学 微操作探针
CN104931333A (zh) * 2015-05-13 2015-09-23 太原理工大学 一种可变径局部原位压入测试装置
CN108080733A (zh) * 2016-11-22 2018-05-29 镇江亚昆机械有限公司 一种精确移动切割机

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CN100439966C (zh) * 2005-06-14 2008-12-03 清华大学 微操作探针
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