JP2000352350A - シリンダブロック - Google Patents
シリンダブロックInfo
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- JP2000352350A JP2000352350A JP11164057A JP16405799A JP2000352350A JP 2000352350 A JP2000352350 A JP 2000352350A JP 11164057 A JP11164057 A JP 11164057A JP 16405799 A JP16405799 A JP 16405799A JP 2000352350 A JP2000352350 A JP 2000352350A
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- Japan
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- cylinder
- cylinder block
- water jacket
- liner
- bore
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- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ウォータジャケット下部で、引け巣などの鋳
造欠陥が生じるおそれがないシリンダブロックを提供す
るものである。 【解決手段】 シリンダボア3a,3bのボア面にFe
合金製のシリンダライナを鋳包んでなると共に、シリン
ダボア3a,3bの周りを囲むようにウォータジャケッ
ト5を形成したAl合金製のシリンダブロックにおい
て、トップデッキ部2側の肉厚を薄肉に形成すると共
に、ウォータジャケット5よりも下部の肉厚を厚肉に形
成し、かつ、その薄肉の部分4aと厚肉の部分4cとの
境界部4bを段差が無く滑らかに形成したシリンダライ
ナ4を上記シリンダボア3a,3bのボア面に鋳包んだ
ものである。
造欠陥が生じるおそれがないシリンダブロックを提供す
るものである。 【解決手段】 シリンダボア3a,3bのボア面にFe
合金製のシリンダライナを鋳包んでなると共に、シリン
ダボア3a,3bの周りを囲むようにウォータジャケッ
ト5を形成したAl合金製のシリンダブロックにおい
て、トップデッキ部2側の肉厚を薄肉に形成すると共
に、ウォータジャケット5よりも下部の肉厚を厚肉に形
成し、かつ、その薄肉の部分4aと厚肉の部分4cとの
境界部4bを段差が無く滑らかに形成したシリンダライ
ナ4を上記シリンダボア3a,3bのボア面に鋳包んだ
ものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダブロック
に係り、特に、シリンダボアにFe合金製のシリンダラ
イナを鋳包んでなるシリンダブロックに関するものであ
る。
に係り、特に、シリンダボアにFe合金製のシリンダラ
イナを鋳包んでなるシリンダブロックに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エンジン全体を軽量化させ、低燃費を実
現させるべく、粗材としてAl合金を用いてシリンダブ
ロックをダイキャスト鋳造することが検討されている
が、ディーゼルエンジンの場合、ガソリンエンジンと比
較してシリンダの筒内圧が高くなり、シリンダブロック
のトップデッキ部の剛性を高める必要がある。
現させるべく、粗材としてAl合金を用いてシリンダブ
ロックをダイキャスト鋳造することが検討されている
が、ディーゼルエンジンの場合、ガソリンエンジンと比
較してシリンダの筒内圧が高くなり、シリンダブロック
のトップデッキ部の剛性を高める必要がある。
【0003】このため、ディーゼルエンジンのシリンダ
ブロックは、シリンダボアの周りを取り囲むように形成
されたウォータジャケットがトップデッキ部側で閉じた
構造となっているクローズドデッキ型が一般的である。
また、Al合金製シリンダブロックの場合、ピストンと
の耐摩耗性、或いは燃料である軽油中のS成分に対する
耐腐食性が不足していることから、シリンダボアにFe
合金製のシリンダライナを鋳包んでいる。
ブロックは、シリンダボアの周りを取り囲むように形成
されたウォータジャケットがトップデッキ部側で閉じた
構造となっているクローズドデッキ型が一般的である。
また、Al合金製シリンダブロックの場合、ピストンと
の耐摩耗性、或いは燃料である軽油中のS成分に対する
耐腐食性が不足していることから、シリンダボアにFe
合金製のシリンダライナを鋳包んでいる。
【0004】Al合金製シリンダブロックをクローズド
デッキ型とし、さらにシリンダボアにシリンダライナを
鋳包むダイキャスト鋳造方法としては、先ず、ダイキャ
スト金型内に、ウォータジャケット部となる砂中子と、
シリンダライナとを配置し、その後、金型内にAl合金
溶湯を注入して(流し込んで)シリンダライナを鋳包ん
だ後、砂中子をノックアウトなどの手段により取り除い
てシリンダブロックを得ている。
デッキ型とし、さらにシリンダボアにシリンダライナを
鋳包むダイキャスト鋳造方法としては、先ず、ダイキャ
スト金型内に、ウォータジャケット部となる砂中子と、
シリンダライナとを配置し、その後、金型内にAl合金
溶湯を注入して(流し込んで)シリンダライナを鋳包ん
だ後、砂中子をノックアウトなどの手段により取り除い
てシリンダブロックを得ている。
【0005】ここで、エンジンに対する市場のニーズは
様々であり、それらのニーズの一例として、同じ型で排
気量だけが異なるエンジンが挙げられる。このニーズに
答えるべく、シリンダブロックにおけるシリンダボアの
ボア/ストローク径を変えることでエンジンの排気量を
調整し、様々な出力性能を有する同型のエンジンを製造
している。クローズドデッキ型Al合金製シリンダブロ
ックにおいても、ボア/ストローク径を変更する場合、
同様の措置が講じられている。
様々であり、それらのニーズの一例として、同じ型で排
気量だけが異なるエンジンが挙げられる。このニーズに
答えるべく、シリンダブロックにおけるシリンダボアの
ボア/ストローク径を変えることでエンジンの排気量を
調整し、様々な出力性能を有する同型のエンジンを製造
している。クローズドデッキ型Al合金製シリンダブロ
ックにおいても、ボア/ストローク径を変更する場合、
同様の措置が講じられている。
【0006】ボア/ストローク径の異なるクローズドデ
ッキ型Al合金製シリンダブロックを製造する場合、ダ
イキャスト金型は同じものを用いるが、各シリンダブロ
ックのボア/ストローク径に応じて、ライナ径(ボア内
径)の異なる複数のシリンダライナおよび厚みの異なる
複数のウォータジャケット砂中子を用意する必要があっ
た(前提条件として、各シリンダライナの厚みは同じと
する)。
ッキ型Al合金製シリンダブロックを製造する場合、ダ
イキャスト金型は同じものを用いるが、各シリンダブロ
ックのボア/ストローク径に応じて、ライナ径(ボア内
径)の異なる複数のシリンダライナおよび厚みの異なる
複数のウォータジャケット砂中子を用意する必要があっ
た(前提条件として、各シリンダライナの厚みは同じと
する)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、更なる
製造コストの低減を図るべく、ライナ径が異なる複数の
シリンダライナを用いる以外は鋳造装置を共用し、すな
わち、同じダイキャスト金型および同じウォータジャケ
ット砂中子を用いて、ボア/ストローク径の異なるクロ
ーズドデッキ型Al合金製シリンダブロックの製造が試
みられている。
製造コストの低減を図るべく、ライナ径が異なる複数の
シリンダライナを用いる以外は鋳造装置を共用し、すな
わち、同じダイキャスト金型および同じウォータジャケ
ット砂中子を用いて、ボア/ストローク径の異なるクロ
ーズドデッキ型Al合金製シリンダブロックの製造が試
みられている。
【0008】ここで、ダイキャスト金型およびウォータ
ジャケット砂中子を共有化し、ライナ径が異なるシリン
ダライナを用いて各シリンダブロックを鋳造する場合、
アルミ指向性(湯流れ)を考慮し、ライナ径が最も大き
いシリンダライナを基準にして、シリンダブロック金型
およびウォータジャケット砂中子の設計が行われるのが
一般的である。
ジャケット砂中子を共有化し、ライナ径が異なるシリン
ダライナを用いて各シリンダブロックを鋳造する場合、
アルミ指向性(湯流れ)を考慮し、ライナ径が最も大き
いシリンダライナを基準にして、シリンダブロック金型
およびウォータジャケット砂中子の設計が行われるのが
一般的である。
【0009】よって、図3に示したライナ径の大きなシ
リンダライナ(ライナ径D1 )34を用いてシリンダブ
ロック31を鋳造する際は特に問題はないが、図4に示
したライナ径の小さなシリンダライナ(ライナ径D
2 (<D1 ))44を用いてシリンダブロック41を鋳
造する際は、ウォータジャケット45下部(スカート部
側)におけるシリンダライナ44外周面とシリンダブロ
ック41外壁面との間の厚さt2 が、図3のウォータジ
ャケット35下部におけるシリンダライナ34外周面と
シリンダブロック31外壁面との間の厚さt1 と比較し
て、肉厚となってしまう。
リンダライナ(ライナ径D1 )34を用いてシリンダブ
ロック31を鋳造する際は特に問題はないが、図4に示
したライナ径の小さなシリンダライナ(ライナ径D
2 (<D1 ))44を用いてシリンダブロック41を鋳
造する際は、ウォータジャケット45下部(スカート部
側)におけるシリンダライナ44外周面とシリンダブロ
ック41外壁面との間の厚さt2 が、図3のウォータジ
ャケット35下部におけるシリンダライナ34外周面と
シリンダブロック31外壁面との間の厚さt1 と比較し
て、肉厚となってしまう。
【0010】このため、シリンダブロック41におい
て、肉厚部におけるAl合金溶湯の冷却速度が遅くなっ
てしまい、これが、ウォータジャケット45下部におい
て“引け巣”が生じる原因となってしまう。
て、肉厚部におけるAl合金溶湯の冷却速度が遅くなっ
てしまい、これが、ウォータジャケット45下部におい
て“引け巣”が生じる原因となってしまう。
【0011】そこで本発明は、上記課題を解決し、ウォ
ータジャケット下部で、引け巣などの鋳造欠陥が生じる
おそれがないシリンダブロックを提供することにある。
ータジャケット下部で、引け巣などの鋳造欠陥が生じる
おそれがないシリンダブロックを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、シリンダボアのボア面にFe合金
製のシリンダライナを鋳包んでなると共に、シリンダボ
アの周りを囲むようにウォータジャケットを形成したA
l合金製のシリンダブロックにおいて、トップデッキ部
側の肉厚を薄肉に形成すると共に、ウォータジャケット
よりも下部の肉厚を厚肉に形成し、かつ、その薄肉の部
分と厚肉の部分との境界部を段差が無く滑らかに形成し
たシリンダライナを上記シリンダボアのボア面に鋳包ん
だものである。
に請求項1の発明は、シリンダボアのボア面にFe合金
製のシリンダライナを鋳包んでなると共に、シリンダボ
アの周りを囲むようにウォータジャケットを形成したA
l合金製のシリンダブロックにおいて、トップデッキ部
側の肉厚を薄肉に形成すると共に、ウォータジャケット
よりも下部の肉厚を厚肉に形成し、かつ、その薄肉の部
分と厚肉の部分との境界部を段差が無く滑らかに形成し
たシリンダライナを上記シリンダボアのボア面に鋳包ん
だものである。
【0013】以上の構成によれば、シリンダブロック
の、ウォータジャケット下部におけるシリンダライナ外
周面とシリンダブロック外壁面との間の厚さを薄くする
ことが可能となり、ウォータジャケット下部で鋳造欠陥
(引け巣、湯回り不良)が生じるおそれがない。
の、ウォータジャケット下部におけるシリンダライナ外
周面とシリンダブロック外壁面との間の厚さを薄くする
ことが可能となり、ウォータジャケット下部で鋳造欠陥
(引け巣、湯回り不良)が生じるおそれがない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基いて説明する。
を添付図面に基いて説明する。
【0015】本発明のシリンダブロックの一形態である
V型ディーゼルエンジンのシリンダブロックの縦断面図
を図1に、図1におけるトップデッキ部2の拡大図を図
2に示す。
V型ディーゼルエンジンのシリンダブロックの縦断面図
を図1に、図1におけるトップデッキ部2の拡大図を図
2に示す。
【0016】図1に示すように、本発明のシリンダブロ
ック1は、Al合金からなり、V型に、かつ、図1にお
ける図面の垂直方向に複数個のシリンダボア3a,3b
が配列され、各シリンダボア3a,3bのボア面にFe
合金製のシリンダライナ4を鋳包んで設け、各シリンダ
ボア3a,3bの周りを囲むようにウォータジャケット
5を設けたものである。ここで、ウォータジャケット5
のトップデッキ2側には開口部5aが形成されていると
共に、開口部5a以外の部分のウォータジャケット5は
ブリッジ6で塞がれており、クローズドデッキ型の構造
となっている。
ック1は、Al合金からなり、V型に、かつ、図1にお
ける図面の垂直方向に複数個のシリンダボア3a,3b
が配列され、各シリンダボア3a,3bのボア面にFe
合金製のシリンダライナ4を鋳包んで設け、各シリンダ
ボア3a,3bの周りを囲むようにウォータジャケット
5を設けたものである。ここで、ウォータジャケット5
のトップデッキ2側には開口部5aが形成されていると
共に、開口部5a以外の部分のウォータジャケット5は
ブリッジ6で塞がれており、クローズドデッキ型の構造
となっている。
【0017】シリンダライナ4は、図2に示すように、
薄肉に形成されたトップデッキ部2側の薄肉部4aと、
厚肉に形成されたウォータジャケット5よりも下部の厚
肉部4cと、薄肉部4aと厚肉部4cとを段差無く滑ら
かに接続する移行部(境界部)4bとで構成される。
薄肉に形成されたトップデッキ部2側の薄肉部4aと、
厚肉に形成されたウォータジャケット5よりも下部の厚
肉部4cと、薄肉部4aと厚肉部4cとを段差無く滑ら
かに接続する移行部(境界部)4bとで構成される。
【0018】移行部4bのウォータジャケット5側面の
形状は、ダイキャスト鋳造時におけるスカート部7から
のAl合金溶湯の湯回り性が良好であれば特に限定する
ものではなく、薄肉部4aと厚肉部4cとを平面的に接
続する平面状または曲線的に接続する曲面状のどちらで
あってもよい。
形状は、ダイキャスト鋳造時におけるスカート部7から
のAl合金溶湯の湯回り性が良好であれば特に限定する
ものではなく、薄肉部4aと厚肉部4cとを平面的に接
続する平面状または曲線的に接続する曲面状のどちらで
あってもよい。
【0019】次に、本発明の作用を説明する。
【0020】先ず、図示しない可動型、スライド型、お
よび固定型を組み合わせて、内部にキャビティを有する
ダイキャスト金型(図示せず)を形成する。この時、金
型内にウォータジャケット部となる砂中子と、Fe合金
製のシリンダライナ4とを配置しておく。
よび固定型を組み合わせて、内部にキャビティを有する
ダイキャスト金型(図示せず)を形成する。この時、金
型内にウォータジャケット部となる砂中子と、Fe合金
製のシリンダライナ4とを配置しておく。
【0021】次に、固定型に形成された湯道を介して、
金型のキャビティ内に所定の速度・圧力のAl合金溶湯
を注入してダイキャスト鋳造体を形成すると共に、ダイ
キャスト鋳造体におけるシリンダブロックのボア面とな
る部分にシリンダライナ4を鋳包む。その後、ダイキャ
スト鋳造体を所定の速度で冷却した後、砂中子をノック
アウトなどの手段により取り除き、シリンダブロック1
を得る。
金型のキャビティ内に所定の速度・圧力のAl合金溶湯
を注入してダイキャスト鋳造体を形成すると共に、ダイ
キャスト鋳造体におけるシリンダブロックのボア面とな
る部分にシリンダライナ4を鋳包む。その後、ダイキャ
スト鋳造体を所定の速度で冷却した後、砂中子をノック
アウトなどの手段により取り除き、シリンダブロック1
を得る。
【0022】この時、本発明のシリンダブロック1のシ
リンダライナ4においては、ウォータジャケット5より
も下の部分の肉厚を、トップデッキ部2側の肉厚より厚
く形成、すなわち、シリンダライナ4のトップデッキ部
2側を薄肉部4aに、シリンダライナ4のウォータジャ
ケット5よりも下の部分を厚肉部4cに形成している。
リンダライナ4においては、ウォータジャケット5より
も下の部分の肉厚を、トップデッキ部2側の肉厚より厚
く形成、すなわち、シリンダライナ4のトップデッキ部
2側を薄肉部4aに、シリンダライナ4のウォータジャ
ケット5よりも下の部分を厚肉部4cに形成している。
【0023】このため、シリンダライナ4のライナ径
が、図4に示したシリンダライナ44のライナ径と同径
のD2 の場合(小径の場合)においても、ウォータジャ
ケット5下部におけるシリンダライナ4外周面とシリン
ダブロック1外壁面との間の厚さt3は、図3に示した
シリンダブロック31の、ウォータジャケット35下部
におけるシリンダライナ34外周面とシリンダブロック
31外壁面との間の厚さt1 と殆ど変わらなくなる。
が、図4に示したシリンダライナ44のライナ径と同径
のD2 の場合(小径の場合)においても、ウォータジャ
ケット5下部におけるシリンダライナ4外周面とシリン
ダブロック1外壁面との間の厚さt3は、図3に示した
シリンダブロック31の、ウォータジャケット35下部
におけるシリンダライナ34外周面とシリンダブロック
31外壁面との間の厚さt1 と殆ど変わらなくなる。
【0024】よって、シリンダブロック1を鋳造する際
に、ライナ径がD2 (図3におけるライナ径D1 よりも
小さい)であるシリンダライナ4を用いたとしても、ウ
ォータジャケット5下部におけるAl合金溶湯の冷却速
度は、図3に示したシリンダブロック31のウォータジ
ャケット35下部におけるAl合金溶湯の冷却速度と殆
ど変わらず、ウォータジャケット5下部などで、“引け
巣”などの鋳造欠陥が生じるおそれがない。
に、ライナ径がD2 (図3におけるライナ径D1 よりも
小さい)であるシリンダライナ4を用いたとしても、ウ
ォータジャケット5下部におけるAl合金溶湯の冷却速
度は、図3に示したシリンダブロック31のウォータジ
ャケット35下部におけるAl合金溶湯の冷却速度と殆
ど変わらず、ウォータジャケット5下部などで、“引け
巣”などの鋳造欠陥が生じるおそれがない。
【0025】また、薄肉部4aと厚肉部4cの境界部に
段差がある場合、ダイキャスト鋳造時に段差部におい
て、スカート部7から流れてくるAl合金溶湯に湯回り
不良が生じてしまうが、本発明のシリンダブロック1の
シリンダライナ4においては、薄肉部4aと厚肉部4c
の境界部が、移行部4bによって段差無く滑らかに接続
されているため、ダイキャスト鋳造時、スカート部7か
ら流れてくるAl合金溶湯に湯回り不良(鋳造欠陥)が
生じるおそれがない。
段差がある場合、ダイキャスト鋳造時に段差部におい
て、スカート部7から流れてくるAl合金溶湯に湯回り
不良が生じてしまうが、本発明のシリンダブロック1の
シリンダライナ4においては、薄肉部4aと厚肉部4c
の境界部が、移行部4bによって段差無く滑らかに接続
されているため、ダイキャスト鋳造時、スカート部7か
ら流れてくるAl合金溶湯に湯回り不良(鋳造欠陥)が
生じるおそれがない。
【0026】さらに、本発明のシリンダブロック1のシ
リンダライナ4は、移行部4bおよび厚肉部4cを有す
ることで、図3、図4に示した従来のシリンダライナ3
4,44と比較して熱容量が大きいため、シリンダライ
ナ4の“冷し金”としての効果が更に高まり、延いては
Al合金溶湯の冷却を促進させることができ、Al合金
溶湯の冷却能を高めることができる。
リンダライナ4は、移行部4bおよび厚肉部4cを有す
ることで、図3、図4に示した従来のシリンダライナ3
4,44と比較して熱容量が大きいため、シリンダライ
ナ4の“冷し金”としての効果が更に高まり、延いては
Al合金溶湯の冷却を促進させることができ、Al合金
溶湯の冷却能を高めることができる。
【0027】ここで、シリンダライナ4におけるウォー
タジャケット5よりも上の部分(薄肉部4aおよび移行
部4b)がAl合金溶湯の冷却に与える影響は、ウォー
タジャケット5よりも下の部分(厚肉部4c)がAl合
金溶湯の冷却に与える影響よりも少ない。このため、シ
リンダライナ4の、ウォータジャケット5よりも上の部
分(特に薄肉部4a)の肉厚を厚く形成する必要はな
く、逆に厚肉にするとシリンダライナ4の重量増加を招
き、延いてはエンジン軽量化を阻害するため、最低限の
厚さ(図3、図4に示した従来のシリンダライナ34,
44の肉厚程度)があればよい。
タジャケット5よりも上の部分(薄肉部4aおよび移行
部4b)がAl合金溶湯の冷却に与える影響は、ウォー
タジャケット5よりも下の部分(厚肉部4c)がAl合
金溶湯の冷却に与える影響よりも少ない。このため、シ
リンダライナ4の、ウォータジャケット5よりも上の部
分(特に薄肉部4a)の肉厚を厚く形成する必要はな
く、逆に厚肉にするとシリンダライナ4の重量増加を招
き、延いてはエンジン軽量化を阻害するため、最低限の
厚さ(図3、図4に示した従来のシリンダライナ34,
44の肉厚程度)があればよい。
【0028】尚、図1においては、V型ディーゼルエン
ジンのシリンダブロックを用いて説明を行ってきたが、
本発明のシリンダブロックは、V型に特に限定するもの
ではなく、ディーゼルエンジンのシリンダブロックであ
ればどのような型であっても適用することができること
は言うまでもない。
ジンのシリンダブロックを用いて説明を行ってきたが、
本発明のシリンダブロックは、V型に特に限定するもの
ではなく、ディーゼルエンジンのシリンダブロックであ
ればどのような型であっても適用することができること
は言うまでもない。
【0029】また、図1においては、クローズドデッキ
型のシリンダブロックを用いて説明を行ってきたが、本
発明のシリンダブロックはクローズドデッキ型に特に限
定するものではなく、オープンデッキ型にも適用するこ
とができることは言うまでもない。
型のシリンダブロックを用いて説明を行ってきたが、本
発明のシリンダブロックはクローズドデッキ型に特に限
定するものではなく、オープンデッキ型にも適用するこ
とができることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、シリンダ
ライナのトップデッキ部側を薄肉部に、シリンダライナ
のウォータジャケットよりも下の部分を厚肉部に形成
し、かつ、薄肉部と厚肉部の境界部を移行部によって段
差無く滑らかに接続することで、ウォータジャケット下
部で、引け巣および湯回り不良といった鋳造欠陥が生じ
るおそれがないという優れた効果を発揮する。
ライナのトップデッキ部側を薄肉部に、シリンダライナ
のウォータジャケットよりも下の部分を厚肉部に形成
し、かつ、薄肉部と厚肉部の境界部を移行部によって段
差無く滑らかに接続することで、ウォータジャケット下
部で、引け巣および湯回り不良といった鋳造欠陥が生じ
るおそれがないという優れた効果を発揮する。
【図1】本発明のシリンダブロックの一形態であるV型
ディーゼルエンジンのシリンダブロック1の縦断面図で
ある。
ディーゼルエンジンのシリンダブロック1の縦断面図で
ある。
【図2】図1におけるトップデッキ部2の拡大図であ
る。
る。
【図3】従来のシリンダブロック31のトップデッキ部
32の拡大図である。
32の拡大図である。
【図4】従来のシリンダブロック41のトップデッキ部
42の拡大図である。
42の拡大図である。
1 シリンダブロック 2 トップデッキ部 3a,3b シリンダボア 4 シリンダライナ 4a 薄肉部 4b 移行部(境界部) 4c 厚肉部 5 ウォータジャケット
Claims (1)
- 【請求項1】 シリンダボアのボア面にFe合金製のシ
リンダライナを鋳包んでなると共に、シリンダボアの周
りを囲むようにウォータジャケットを形成したAl合金
製のシリンダブロックにおいて、トップデッキ部側の肉
厚を薄肉に形成すると共に、ウォータジャケットよりも
下部の肉厚を厚肉に形成し、かつ、その薄肉の部分と厚
肉の部分との境界部を段差が無く滑らかに形成したシリ
ンダライナを上記シリンダボアのボア面に鋳包んだこと
を特徴とするシリンダブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11164057A JP2000352350A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | シリンダブロック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11164057A JP2000352350A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | シリンダブロック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000352350A true JP2000352350A (ja) | 2000-12-19 |
Family
ID=15785975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11164057A Pending JP2000352350A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | シリンダブロック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000352350A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007016733A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Toyota Motor Corp | シリンダライナ及びエンジン |
US8037860B2 (en) | 2005-07-08 | 2011-10-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Cylinder liner and engine |
CN112620583A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-09 | 重庆江增机械有限公司 | 一种球铁铸件薄壁上狭长孔槽的制作方法 |
-
1999
- 1999-06-10 JP JP11164057A patent/JP2000352350A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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