JP2000352219A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP2000352219A
JP2000352219A JP11196887A JP19688799A JP2000352219A JP 2000352219 A JP2000352219 A JP 2000352219A JP 11196887 A JP11196887 A JP 11196887A JP 19688799 A JP19688799 A JP 19688799A JP 2000352219 A JP2000352219 A JP 2000352219A
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孝夫 南條
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徹 岡田
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浩一 槙井
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裕一 三村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物等の構造物に適用する際の設計が容易
であると共に、地震の発生ごとに交換しなくても高い信
頼性でもって振動を低減する。 【解決手段】 安定した変位−荷重ヒステリシス特性を
発揮する超塑性材料を剪断変形させることにより構造物
の振動を低減するものである。内周側の剪断変形部1e
とボルト穴1fを備えた外周側の取付け部1a〜1dと
を有するように超塑性材料により形成されたエネルギー
吸収パネル1と、超塑性材料よりも高強度の材料により
形成され、取付け部1a〜1dのボルト穴1fにボルト
を挿通して締結することにより取付け部1a〜1dに剛
接合された複数の補剛部材5〜8と、これら補剛部材5
〜8を剪断変形部1eの剪断変形に追従して変形させる
ように、隣接する補剛部材5〜8同士を連結した連結機
構13とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物や橋梁、機械
装置等の構造物の地震時等における振動を低減するため
に用いられる制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地震等により建物等の構造物が大きく振
動すると、構造物自体が破損したり、構造物内の人や物
に対して大きな被害が発生する。従って、従来から構造
物の振動を低減するための各種の制振装置が開発されて
おり、このような制振装置の一種として、エネルギー吸
収パネルの剪断変形により振動を吸収する方式のものが
ある。
【0003】具体的には、図16(a)・(b)に示す
ように、極低降伏点鋼(LYP)により矩形状のエネル
ギー吸収パネル51を形成し、このパネル51の四辺に
補剛部材52を溶接により剛接合した構成のものがあ
る。通常、この種の制振装置は、図17に示すように、
例えば中層高層建築物の隣接する2本の柱56で挟まれ
た梁57の中間点に配置された後、上面に連結部材55
が設けられると共に、連結部材55から柱56と梁57
との接合部にかけて傾斜部材54が左右対称に設けられ
ることによって、地震の振動が傾斜部材54を介して伝
達されるように組み付けられる。そして、振動が傾斜部
材54を介して制振装置53に伝達されたときに、補剛
部材52によりエネルギー吸収パネル51を一様に剪断
変形させることによって、振動エネルギーを効率良く吸
収して柱56や梁57の振動を低減させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、エネルギー吸収パネル51の極低降伏点
鋼(LYP)が変形に対して加工硬化するという性質を
有しているため、エネルギー吸収パネル51が剪断変形
しながら振動を低減させる際に、図18に示すように、
振動の1周期毎にエネルギー吸収パネル51の変位−荷
重ヒステリシス特性が変化することになる。従って、所
定規模の地震が起きたときの建築物の振動を所定範囲内
に抑制しようとした場合に、制振装置53による振動エ
ネルギーの吸収量が不安定であると共に正確に求められ
ないため、建築物へ適用する際の設計が困難であるとい
う問題がある。さらに、極低降伏点鋼(LYP)は、変
形を繰り返すと破断するという性質を有しているため、
従来の制振装置53は、一度でも地震が起こると、エネ
ルギー吸収パネル51を交換しなければ制振性能に対す
る信頼性を確保することができないという問題もある。
【0005】そこで、変形時に加工硬化しないと共に変
形の繰り返しによる破断を生じない超塑性材料をエネル
ギー吸収パネル51に適用することが考えられるが、こ
の場合には、以下の問題が発生する。即ち、超塑性材料
は、塑性変形が局所的に集中して変形し易いと共に、鋼
等の高強度な材料との溶接が困難であるという性質を有
している。特に、Zn−Al合金等のAl系合金の超塑
性材料においては、溶接による接合が極めて困難であ
る。従って、超塑性材料からなるエネルギー吸収パネル
51を用いて制振装置53を作成する場合には、エネル
ギー吸収パネル51と補剛部材52とをボルト締めによ
り接合する必要があるが、単にボルト締めして接合した
だけの構造では、エネルギー吸収パネル51のボルト穴
周辺に局所変形が生じ易いため、有効な変形荷重を得る
ことが困難であると共に、最悪の場合には局所的に変形
した部分で破断するという問題が発生する。
【0006】そこで、本発明は、建築物等の構造物に適
用する際の設計が容易であると共に、地震の発生ごとに
交換しなくても高い信頼性でもって振動を低減すること
ができる制振装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、安定した変位−荷重ヒステリシ
ス特性を発揮する超塑性材料を剪断変形させることによ
り構造物の振動を低減する制振装置であって、内周側の
剪断変形部とボルト穴を備えた外周側の取付け部とを有
するように前記超塑性材料により形成されたエネルギー
吸収パネルと、前記超塑性材料よりも高強度の材料によ
り形成され、前記取付け部のボルト穴にボルトを挿通し
て締結することにより該取付け部に剛接合された複数の
補剛部材と、前記補剛部材を前記剪断変形部の剪断変形
に追従して変形させるように、隣接する補剛部材同士を
連結した連結機構とを有することを特徴としている。上
記の構成によれば、補剛部材がボルトによりエネルギー
吸収パネルの取付け部に剛接合されていると共に、隣接
する補剛部材同士が連結機構により回動自在に連結され
ているため、エネルギー吸収パネルにおける剪断変形部
が振動により剪断変形する場合には、この剪断変形部の
周囲に位置する取付け部の補剛部材の連結姿勢も剪断変
形に追従して変化する。従って、超塑性材料が座屈し易
いという性質を有していても、この超塑性材料で形成さ
れた剪断変形部は、補剛部材により剪断変形が維持およ
び促進されることによって、振動エネルギーを効率良く
吸収する。これにより、制振装置は、安定した変位−荷
重ヒステリシス特性を発揮する超塑性材料を確実に剪断
変形させることができるため、構造物に適用する際の設
計が容易であると共に、地震の発生ごとに交換しなくて
も高い信頼性でもって振動を低減することができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の制振装
置であって、前記エネルギー吸収パネルの取付け部に
は、前記連結機構により連結された補剛部材間に対応す
る部位に切欠部が形成されていることを特徴としてい
る。上記の構成によれば、剪断変形部の周囲に位置する
取付け部が切欠部により分離された状態にされている。
そして、この切欠部は、補剛部材間に対応して形成され
ている。従って、剪断変形部が大きく剪断変形し、補剛
部材と共に取付け部が剪断変形に伴って大きく変位(移
動)することになっても、切欠部が変位による取付け部
の局所的な応力の発生を防止する。これにより、制振装
置は、大きな振動に対しても確実に剪断変形により低減
することができる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の制振装置であって、前記補剛部材は、前記ボルトによ
る締結力で前記取付け部に食い込む凹凸部を有すること
を特徴としている。上記の構成によれば、凹凸部が取付
け部に食い込むことによって、補剛部材と取付け部とが
大きな接触面積で3次元的に接合することになる。従っ
て、補剛部材と取付け部との剛接合がより強固なものと
なるため、長期間に亘って制振装置を使用することがで
きる。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の制振装置であって、前記連結機構は、
前記連結板同士を回動自在に連結するピン部材を有する
ことを特徴としている。上記の構成によれば、ピン部材
による簡単な構造により連結機構を構成することができ
る。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の制振装置であって、前記連結機構は、
前記補剛部材上に前記剪断変形部に沿って配置され、該
補剛部材の一方端側に位置する補剛部材から他方端側に
位置する補剛部材にかけて溶接されたリブ部材を有する
ことを特徴としている。上記の構成によれば、リブ部材
を補剛部材に溶接するという簡単な作業により連結機構
を構成することができる。
【0012】請求項6の発明は、請求項1ないし5の何
れか1項に記載の制振装置であって、σy S を剪断変形
部の降伏応力、tS を剪断変形部の板厚、Lを剪断変形
部の有効剪断長、σy B を取付け部の降伏応力、tB
取付け部の板厚、φをボルト穴径、nをボルト穴の個数
としたとき、 σy S X LX tS X(1/31/2)X(1/n) <σy B X t
B X φ の関係を満足するように形成されていることを特徴とし
ている。上記の構成によれば、確実に剪断変形して振動
を低減させることができる制振装置を設計することがで
きる。
【0013】請求項7の発明は、安定した変位−荷重ヒ
ステリシス特性を発揮する超塑性材料を伸縮変形させる
ことにより構造物の振動を低減するものであり、内側の
伸縮変形部とボルト穴を備えた両側の取付け部とを有す
るように前記超塑性材料により形成されたエネルギー吸
収ロッドと、前記超塑性材料よりも高強度の材料により
形成され、前記取付け部のボルト穴にボルトを挿通して
締結することによって、前記両側の取付け部にそれぞれ
剛接合された保持部材と、前記保持部材間の距離を拡縮
させるように、前記構造物と前記保持部材とを回動自在
に連結する連結部材とを有した制振装置であって、σy
S を伸縮変形部の降伏応力、tS を伸縮変形部の板厚、
Lを伸縮変形部の有効剪断長、σy B を取付け部の降伏
応力、tB を取付け部の板厚、φをボルト穴径、nをボ
ルト穴の個数としたとき、 σy S X BX tS X(1/n) <σy B X tB X φ の関係を満足するように形成されていることを特徴とし
ている。
【0014】上記の構成によれば、構造物が振動するこ
とによって、保持部材間の距離が拡縮すると、この拡縮
方向にエネルギー吸収ロッドの伸縮変形部が伸縮する。
従って、超塑性材料が座屈し易いという性質を有してい
ても、この超塑性材料で形成された伸縮変形部は、同方
向に変位する保持部材により伸縮変形が維持および促進
されることによって、振動エネルギーを効率良く吸収す
る。これにより、制振装置は、安定した変位−荷重ヒス
テリシス特性を発揮する超塑性材料を確実に伸縮変形さ
せることができるため、構造物に適用する際の設計が容
易であると共に、地震の発生ごとに交換しなくても高い
信頼性でもって振動を低減することができる。そして、
σy S X BX tS X(1/n) <σy B X tB X φの関係
を満足するように形成することによって、確実に伸縮変
形して振動を低減させることができる制振装置を設計す
ることができる。
【0015】請求項8の発明は、安定した変位−荷重ヒ
ステリシス特性を発揮する超塑性材料を伸縮変形させる
ことにより構造物の振動を低減する制振装置であって、
板状の超塑性材料部材と、前記板状の超塑性材料部材を
構造物に接合させるための接合部材とからなり、前記板
状の超塑性材料部材と前記接合部材とがボルトにより締
結され、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルトとの締
結部分の降伏力を、塑性変形を生じさせる部分のボルト
との接触面に発生する力よりも大きくしてなることを特
徴としている。上記の構成によれば、超塑性材料部材の
ボルトとの締結部分の降伏力を、塑性変形を生じさせる
部分のボルトとの接触面に発生する力よりも大きくする
ことによって、締結部分におけるボルト穴周辺の局所変
形を抑制することができる。これにより、有効な変位−
荷重ヒステリシス特性を発揮する超塑性材料部材を確実
に剪断変形させることができるため、構造物に適用する
際の設計が容易であると共に、地震の発生ごとに交換し
なくても高い信頼性でもって振動を低減することができ
る。
【0016】請求項9の発明は、請求項8記載の制振装
置であって、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルトと
の締結部分の板厚を、塑性変形を生じさせる部分の板厚
よりも大きくしてなることを特徴としている。上記の構
成によれば、締結部分の板厚を塑性変形を生じさせる部
分の板厚よりも大きくすることによって、より確実に締
結部分におけるボルト穴周辺の局所変形を抑制すること
ができる。
【0017】請求項10の発明は、請求項8記載の制振
装置であって、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルト
との締結部分の降伏応力を、塑性変形を生じさせる部分
の降伏応力よりも大きくしてなることを特徴としてい
る。上記の構成によれば、締結部分の降伏応力を塑性変
形を生じさせる部分の降伏応力よりも大きくすることに
よって、より確実に締結部分におけるボルト穴周辺の局
所変形を抑制することができる。
【0018】請求項11の発明は、請求項1ないし5の
何れか1項に記載の制振装置であって、前記エネルギー
吸収パネルのパネル面に対して垂直方向の応力による前
記剪断変形部の面外方向の曲げ変形を防止する面外変形
防止機構を有することを特徴としている。上記の構成に
よれば、剪断変形部の剪断変形時にパネル面に対して垂
直方向の応力が繰り返して発生した場合でも、面外変形
防止機構により剪断変形部の面外方向の曲げ変形が防止
されるため、この曲げ変形が剪断変形に対して支配的と
なるまで増大することはない。これにより、剪断変形に
よる振動エネルギーの吸収を長期期に亘って大きな状態
に維持することができる。
【0019】請求項12の発明は、請求項1ないし5の
何れか1項に記載の制振装置であって、前記エネルギー
吸収パネルのパネル面に対して垂直方向の応力による前
記剪断変形部の面外方向の変形を防止する面外変形防止
機構を有し、前記面外変形防止機構は、前記補剛部材の
前記剪断変形部側の端部が、該剪断変形部の面外方向の
内周側位置に張り出されて形成された張出部であること
を特徴としている。上記の構成によれば、補剛部材と張
出部とを一体的に形成することができるため、面外変形
防止機構に要する部品コストや組立コストを極めて小さ
なものにすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕本発明の第1の実
施形態を図1ないし図11に基づいて以下に説明する。
第1の実施形態に係る制振装置は、図1に示すように、
地震時の振動エネルギーを剪断変形により吸収するエネ
ルギー吸収パネル1と、エネルギー吸収パネル1の外周
側の取付け部1a〜1dに剛接合され、このパネル1を
一様に剪断変形させる補剛機構2とを有している。エネ
ルギー吸収パネル1は、図2に示すように、超塑性材料
により形成されている。超塑性材料は、変形に対して加
工硬化しないという性質を有しており、例えば図4の振
動の1周期(サイクル)目および図5の振動の350周
期(サイクル)目の関係からも明らかなように、振動の
初期から終期に至るまで安定した変位−荷重ヒステリシ
ス特性を発揮する。尚、超塑性材料としては、Zn−A
l合金等のAl系合金を用いることができる。
【0021】上記のエネルギー吸収パネル1は、正方形
の平板状に形成されており、上述の補剛機構2が取り付
けられる外周側の取付け部1a〜1dと、これらの取付
け部1a〜1dに囲まれた内周側の剪断変形部1eとか
らなっている。取付け部1a〜1dには、複数のボルト
穴1fが形成されており、ボルト穴1fの穴径や個数、
エネルギー吸収パネル1の板厚(剪断変形部1eおよび
取付け部1a〜1d)は、下記の関係式(1)を満足す
るように設定されている。
【0022】 σy S X LX tS X(1/31/2)X(1/n) <σy B X tB X φ ・・・ (1)
【0023】ここで、σy S は剪断変形部1eの降伏応
力、tS は剪断変形部1eの板厚、Lは剪断変形部1e
の有効剪断長、σy B は取付け部1a〜1dの降伏応
力、t B は取付け部1a〜1dの板厚、φはボルト穴1
cの穴径、nはボルト穴1cの個数(ボルト本数)であ
る。(1)式の左辺は、エネルギー吸収パネル1の剪断
変形部に発生する荷重のボルト1本当たりが受け持つ荷
重を表し、右辺は、ボルトの端面がエネルギー吸収パネ
ル1の取付け部1a〜1d(接触面)を押す時の取付け
部1a〜1dの降伏荷重を表している。言い換えれば、
ボルトとの接触面に発生する力よりも接触部の降伏力を
高めるように構成されていることになる。これにより、
ボルト締結部においてボルト穴周辺の局所変形が抑制さ
れ、有効な変位−ヒステリシス特性を得ることが可能に
なる。例えばσy B =σy S =10kgf/mm2 、L
=250mm、tS =8mmとし、φ12mmボルトの
6本で固定する設計条件においては、上述の関係式
(1)より、tB =16mmが下限値であると判断でき
るため、安全性を考慮してtB =20mmと決定され
る。従って、上記の設計条件下におけるエネルギー吸収
パネル1は、図3の二点鎖線で示すように、取付け部1
a〜1dの板厚tB が剪断変形部1eの板厚tS よりも
大きな厚みとなる。
【0024】また、エネルギー吸収パネル1は、隣接す
る取付け部1a〜1dの間に切欠部1gをそれぞれ有し
ている。各切欠部1gは、エネルギー吸収パネル1の端
面から取付け部1a・1cに沿って形成された後、頂部
が剪断変形部1eのコーナー部に到達するように形成さ
れている。そして、これらの切欠部1gは、図7(a)
・(b)に示すように、エネルギー吸収パネル1が剪断
変形したときに、隣接する取付け部1a〜1d同士の当
接を防止することによって、剪断変形部1eの一様な剪
断変形を容易化させている。
【0025】上記のエネルギー吸収パネル1には、図1
(a)〜(c)に示すように、超塑性材料よりも高強度
の鋼等の材料で形成された補剛機構2が剛接合されてい
る。補剛機構2は、一方側補剛体3と他方側補剛体4と
からなっており、各補剛体3・4は、エネルギー吸収パ
ネル1の一方面側および他方面側にそれぞれ配置されて
いる。そして、これらの補剛体3・4は、エネルギー吸
収パネル1の取付け部1a〜1dにそれぞれ当接された
補剛部材5〜8を備えており、これらの補剛部材5〜8
は、各取付け部1a〜1dの全面に面状に当接し、且つ
切欠部1gを露出させる隙間12を出現させるように形
成されている。また、各補剛部材5〜8には、複数のボ
ルト穴5a〜8aが形成されている。これらのボルト穴
5a〜8aは、各取付け部1a〜1dのボルト穴1fに
一致するように配置されている。
【0026】上記の補剛部材5〜8は、剪断変形部1e
の剪断変形に追従して変形する平行クランクリンク列を
形成するように、端部同士が連結機構13により回動自
在に連結されている。連結機構13は、第1連結板9と
第2連結板10とピン部材11とを有している。第1連
結板9は、図中左右方向の補剛部材6・8の上面両端部
にそれぞれ設けられている。各第1連結板9には、複数
のボルト穴9aが形成されており、これらのボルト穴9
aは、補剛部材6・8のボルト穴6a・8aに一致する
ように配置されている。そして、第1連結板9、補剛部
材6・8、およびエネルギー吸収パネル1のボルト穴9
a・6a・8a・1fには、図示しないボルトが挿通さ
れており、ボルトは、補剛部材6・8およびエネルギー
吸収パネル1を介して一方側補剛体3と他方側補剛体4
との第1連結板9(補剛部材6・8)同士を締結してい
る。
【0027】また、一方側補剛体3および他方側補剛体
4の補剛部材6・8同士は、両端部の第1連結板9間に
露出した補剛部材6・8のボルト穴6a・8aとエネル
ギー吸収パネル1のボルト穴1fとを介して図示しない
ボルトにより締結されている。これにより、補剛部材6
・8は、エネルギー吸収パネル1の図示左右方向の取付
け部1b・1dに対して均等に圧接されることにより剛
接合されている。
【0028】また、各第1連結板9には、連結穴9bが
形成されている。連結穴9bは、エネルギー吸収パネル
1の剪断変形と補剛部材5〜8の姿勢の変形挙動とを一
致させるように、エネルギー吸収パネル1の剪断変形部
1eのコーナー部に対応した位置に配置されている。こ
の第1連結板9の上面には、連結穴9bの周囲を覆うよ
うに第2連結板10が設けられている。第2連結板10
には、ボルト穴10aと連結穴10bとが形成されてお
り、ボルト穴10aは、図中上下方向の補剛部材5・7
のボルト穴5a・7aに対応して配置されている。ま
た、連結穴10bは、上述の第1連結板9の連結穴9b
に対応して配置されている。
【0029】そして、このように構成された一方側補剛
体3と他方側補剛体4との第2連結板10(補剛部材5
・7)同士は、第2連結板10のボルト穴10aと補剛
部材5・7のボルト穴5a・7aとエネルギー吸収パネ
ル1のボルト穴1fとを介して図示しないボルトにより
締結されている。さらに、一方側補剛体3および他方側
補剛体4の補剛部材5・7同士は、両端部の第2連結板
10・10間に露出した補剛部材5・7のボルト穴5a
・7aとエネルギー吸収パネル1のボルト穴1fとを介
して図示しないボルトにより締結されている。これによ
り、補剛部材5・7は、エネルギー吸収パネル1の図中
上下方向の取付け部1a・1cに対して均等に圧接され
ることにより剛接合されている。
【0030】また、第2連結板10および第1連結板9
の連結穴10b・9bには、ピン部材11が回動自在に
嵌合されている。これにより、図6(a)・(b)に示
すように、第2連結板10に固定された補剛部材5・7
と、第1連結板9に固定された補剛部材6・8とは、ピ
ン部材11を支点として回動自在に連結されることによ
って、エネルギー吸収パネル1の剪断変形部1eの剪断
変形に追従しながら変形する平行クランクリンク列を構
成している。
【0031】上記の構成において、制振装置の動作につ
いて説明する。尚、以下の説明においては、中層高層建
築物に適用した場合の動作について説明するが、これに
限定されるものではなく、橋梁や機械装置等の構造物に
適用することもできる。
【0032】先ず、隣接する2本の柱で挟まれた梁の中
間点に制振装置を配置した後、制振装置の上面側の補剛
部材5から柱と梁との接合部にかけて傾斜部材を左右対
称に設けることによって、地震の振動が傾斜部材を介し
て制振装置に伝達されるように組み付ける(図17参
照)。
【0033】次に、地震による振動が傾斜部材を介して
制振装置に伝達されると、振動の1周期ごとに制振装置
が変形し、この変形により振動エネルギーを吸収するこ
とによって、振動を低減させる。
【0034】即ち、図1に示すように、補剛部材5〜8
は、ボルト穴5a〜8aを介して図示しないボルトによ
りエネルギー吸収パネル1に締結されることによって、
エネルギー吸収パネル1の取付け部1a〜1dに圧接し
て剛接合されている。従って、振動が傾斜部材を介して
制振装置に付与されると、この振動が補剛部材5〜8か
らエネルギー吸収パネル1の取付け部1a〜1dに伝達
されることによって、図7(a)・(b)に示すよう
に、これら取付け部1a〜1dに囲まれた剪断変形部1
eが剪断変形を開始する。
【0035】この際、上記の補剛部材5〜8は、連結機
構13のピン部材11を支点として回動自在に連結され
た平行クランクリンク列を構成しているため、図6
(a)・(b)に示すように、図中上側の補剛部材5が
図中下側の補剛部材7に対して平行度を維持しながら水
平移動すると共に、図中左右方向の補剛部材6・8が平
行度を維持しながら傾斜する。また、ピン部材11は、
剪断変形部1eのコーナー部に対応した位置に配置され
ており、補剛部材5〜8の姿勢の変形挙動と剪断変形部
1eの剪断変形とを一致させている。従って、補剛部材
5〜8は、剪断変形部1eの剪断変形に追従しながら姿
勢を変化させることによって、剪断変形部1eの剪断変
形を維持および促進させる。これにより、制振装置は、
振動の各周期ごとに振動エネルギーを効率良く吸収して
梁や柱の振動を低減させることになる。
【0036】また、補剛部材5〜8は、隙間12を介し
て隣接されており、エネルギー吸収パネル1の取付け部
1a〜1dは、切欠部1gを介して隣接されている。従
って、剪断変形部1eが大きく剪断変形した場合であっ
ても、補剛部材5〜8同士および取付け部1a〜1d同
士が当接しないため、大きな振動に対しても剪断変形部
1eが確実に剪断変形して振動が低減される。さらに、
図4および図5に示すように、エネルギー吸収パネル1
の超塑性材料が1周期目と350周期目とで略同一の変
位−荷重ヒステリシス特性を発揮することから、振動の
初期から終期に至るまで安定して振動が低減される。
【0037】以上のように、本実施形態の制振装置は、
図1に示すように、安定した変位−荷重ヒステリシス特
性を発揮する超塑性材料を剪断変形させることにより構
造物の振動を低減するものであって、内周側の剪断変形
部1eとボルト穴1fを備えた外周側の取付け部1a〜
1dとを有するように超塑性材料により形成されたエネ
ルギー吸収パネル1と、超塑性材料よりも高強度の材料
により形成され、取付け部1a〜1dのボルト穴1fに
図示しないボルトを挿通して締結することにより取付け
部1a〜1dに剛接合された複数の補剛部材5〜8と、
これら補剛部材5〜8を剪断変形部1eの剪断変形に追
従して変形させるように、隣接する補剛部材5〜8同士
を連結した連結機構13とを有した構成にされている。
【0038】上記の構成によれば、補剛部材5〜8がボ
ルトによりエネルギー吸収パネル1の取付け部1a〜1
dに剛接合されていると共に、隣接する補剛部材5〜8
同士が連結機構13により回動自在に連結されているた
め、エネルギー吸収パネル1における剪断変形部1eが
振動により剪断変形する場合には、この剪断変形部1e
の周囲に位置する取付け部の補剛部材5〜8の連結姿勢
も剪断変形に追従して変化する。従って、超塑性材料が
座屈し易いという性質を有していても、この超塑性材料
で形成された剪断変形部1eは、補剛部材5〜8により
剪断変形が維持および促進されることによって、振動エ
ネルギーを効率良く吸収する。これにより、制振装置
は、安定した変位−荷重ヒステリシス特性を発揮する超
塑性材料を確実に剪断変形させることができるため、構
造物に適用する際の設計が容易であると共に、地震の発
生ごとに交換しなくても高い信頼性でもって振動を低減
することができる。
【0039】また、本実施形態において、エネルギー吸
収パネル1の取付け部には、連結機構13により連結さ
れた補剛部材5〜8間に対応する部位に切欠部1gが形
成されている。そして、この構成によれば、剪断変形部
1eが大きく剪断変形し、補剛部材5〜8と共に取付け
部1a〜1dが剪断変形に伴って大きく変位(移動)す
ることになっても、切欠部1gが変位による取付け部1
a〜1dの局所的な応力の発生を防止するため、大きな
振動も確実に剪断変形部1eの剪断変形により低減する
ことができる。
【0040】また、本実施形態において、図8に示すよ
うに、補剛部材5〜8は、ボルトによる締結力で取付け
部1a〜1dに食い込む凹凸部5b〜8bを有している
ことが望ましい。そして、この場合には、凹凸部5b〜
8bが取付け部1a〜1dに食い込むことによって、補
剛部材5〜8と取付け部1a〜1dとが大きな接触面積
で3次元的に接合し、補剛部材5〜8と取付け部1a〜
1dとの剛接合がより強固なものとなるため、長期間に
亘って制振装置を使用することができる。
【0041】また、本実施形態において、連結機構13
は、連結板同士を回動自在に連結するピン部材11を有
した構成にされている。即ち、連結機構13は、補剛部
材6・8の両端部にそれぞれ固定された第1連結板9
と、補剛部材5・7の両端部にそれぞれ固定された第2
連結板10と、これら第1連結板9および第2連結板1
0を回動自在に連結したピン部材11とを有した構成に
されている。これにより、連結機構13は、ピン部材1
1による簡単な構造で構成することが可能になってい
る。
【0042】尚、連結機構13は、上記の構成に限定さ
れるものではなく、図9(a)〜(c)に示すように、
補剛部材6・8上に剪断変形部1eに沿って配置され、
補剛部材6・8の一方端側(図中上側)に位置する補剛
部材5から他方端側(図中下側)に位置する補剛部材7
にかけて溶接されたリブ部材14を有した構成にされて
いても良い。そして、この構成によれば、リブ部材14
を補剛部材5〜8に溶接するという簡単な作業により連
結機構13を構成することができる。
【0043】さらに、制振装置は、第1連結板9および
第2連結板10の何れか一方と補剛部材5〜8とを直接
的にピン部材11で回動自在に連結した構成の連結機構
13’を備えていても良い。即ち、制振装置は、図10
(a)〜(c)および図11に示すように、超塑性材料
で形成されたエネルギー吸収パネル21を有している。
エネルギー吸収パネル21は、剪断変形部21eと、剪
断変形部21eよりも大きな厚みを有した取付け部21
a〜21dとを有している。各取付け部21a〜21d
には、図示しないボルトが挿通されるボルト穴21fが
形成されており、隣接する取付け部21a〜21d間に
は、切欠部21gが形成されている。
【0044】上記の取付け部1a〜1dには、補剛部材
25〜28がそれぞれ図示しないボルトにより固設され
ている。図中左右方向の補剛部材26・28には、連結
穴26b・28bが両端部に形成されていると共に、複
数のボルト穴26a・28aが等間隔で形成されてい
る。一方、図中上下方向の補剛部材25・27には、複
数のボルト穴26a・28aが等間隔で形成されている
と共に、複数の挿通穴25bが側面に形成されている。
さらに、補剛部材25・27の上面両端部には、嵌合部
27bが形成されており、嵌合部27bには、第3連結
板29が固設されている。
【0045】上記の第3連結板29には、ボルト穴29
aと連結穴29bとが形成されており、連結穴29b
は、図中左右方向の補剛部材26・28に形成された連
結穴26b・28bに一致されている。そして、これら
の連結穴29b・26b・28bには、ピン部材11が
回動自在に嵌合されている。これにより、上記の連結機
構13’で回動自在に連結された補剛部材25〜28
は、剪断変形部1eの剪断変形に追従して変形する平行
クランクリンク列を構成している。
【0046】〔実施形態2〕次に、本発明の第2の実施
形態を図12および図13に基づいて説明する。第2の
実施形態に係る制振装置は、超塑性材料を伸縮変形させ
ることにより構造物の振動を低減する構成にされてい
る。即ち、制振装置は、図12(a)・(b)に示すよ
うに、超塑性材料により形成された棒状のエネルギー吸
収ロッド31を有している。エネルギー吸収ロッド31
は、内側に位置する伸縮変形部31aと、伸縮変形部3
1aの両側に位置する取付け部31bとを有している。
これらの取付け部31bには、図13に示すように、幅
方向の2か所にボルト穴31fが形成されている。そし
て、各取付け部31bには、保持部材32の一端部がボ
ルト穴31cにボルトを挿通して締結することにより剛
接合されている。また、保持部材32の他端部には、保
持部材32間の距離を拡縮させるように、構造物34と
保持部材32とを回動自在に連結する連結部材33が設
けられている。
【0047】上記の構成によれば、構造物34が振動す
ることによって、保持部材32間の距離が拡縮すると、
この拡縮方向にエネルギー吸収ロッド31の伸縮変形部
31aが伸縮する。従って、超塑性材料が座屈し易いと
いう性質を有していても、この超塑性材料で形成された
伸縮変形部31aは、同方向に変位する保持部材32に
より伸縮変形が維持および促進されることによって、振
動エネルギーを効率良く吸収する。これにより、制振装
置は、安定した変位−荷重ヒステリシス特性を発揮する
超塑性材料を確実に伸縮変形させることができるため、
構造物34に適用する際の設計が容易であると共に、地
震の発生ごとに交換しなくても高い信頼性でもって振動
を低減することができる。
【0048】尚、上記の制振装置は、σy S を伸縮変形
部31aの降伏応力、tS を伸縮変形部31aの板厚、
Lを伸縮変形部31aの有効剪断長、σy B を取付け部
31bの降伏応力、tB を取付け部31bの板厚、φを
ボルト穴31cの穴径、nをボルト穴31cの個数とし
たとき、下記の関係式(2)を満足するように決定され
ていることが望ましい。
【0049】 σy S X BX tS X(1/n) <σy B X tB X φ ・・・ (2)
【0050】そして、上記の関係式(2)を満足するよ
うに設計条件を求めれば、確実に伸縮変形して振動を低
減可能な制振装置を得ることができる。例えばσy B
σy S =10kgf/mm2 、B=100mm、tS
2mmとし、φ12mmボルトの4本で固定するとした
設計条件においては、関係式(2)より、tB =4.2
mmが下限値であると判断できるため、安全性を考慮し
てtB =6mmと決定することができる。
【0051】〔実施形態3〕次に、本発明の第3の実施
形態を図14および図15に基づいて説明する。尚、上
述の第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記
してその説明を省略する。第3の実施形態に係る制振装
置は、図14(a)・(b)に示すように、エネルギー
吸収パネル1と補剛機構2とを有している。補剛機構2
は、エネルギー吸収パネル1の取付け部1a〜1dに剛
接合され、端部同士が回動自在にピン結合された補剛部
材43〜46を有している。各補剛部材43〜46にお
ける剪断変形部1e側の端部には、面外変形防止機構と
しての張出部43a〜46dが形成されている。各張出
部43a〜46dは、補剛部材43〜46の端部から剪
断変形部1eの面外方向の内周側位置に張り出された台
形形状に形成されている。そして、これらの張出部43
a〜46dは、エネルギー吸収パネル1のパネル面に対
して垂直方向の応力が発生したときに、この応力により
剪断変形部1eが面外方向(パネル面に対して垂直方
向)に曲げ変形を生じるのを防止する。その他の構成
は、第1の実施形態の構成と同一である。
【0052】上記の構成において、制振装置の動作につ
いて説明する。地震等による振動が制振装置に付与され
ると、この振動が補剛部材43〜46からエネルギー吸
収パネル1に伝達されることによって、これらの補剛部
材43〜46に囲まれた剪断変形部1eがエネルギー吸
収パネル1のパネル面に対して平行に剪断変形する。そ
して、第1の実施形態と同一の動作によって、剪断変形
により振動の各周期ごとに振動エネルギーを吸収して梁
や柱の振動を低減させる。
【0053】また、剪断変形部1eが剪断変形すると、
パネル面に対して垂直方向の応力が発生し、この応力が
剪断変形部1eを面外方向に曲げ変形させるように作用
する。この際、剪断変形部1eの面外方向の内周側位置
には、補剛部材43〜46の端部から張り出された張出
部43a〜46dが存在している。従って、剪断変形部
1eが上述の応力により面外方向に曲げ変形を開始して
も、即座に張出部43a〜46dに当接することによっ
て、それ以上の曲げ変形が防止される。これにより、通
常、振動により剪断変形と面外方向の曲げ変形とが繰り
返された場合には、曲げ変形の変形量が次第に増加する
ことによって、剪断変形よりも曲げ変形が支配的とな
り、結果として剪断変形による振動エネルギーの吸収が
早期に低下することになるが、本実施形態においては、
張出部43a〜46dが曲げ変形を僅かな変形量に抑制
していると共に変形量の増大を防止しているため、長期
間に亘って剪断変形による振動エネルギーの吸収を大き
な状態に維持することができる。さらに、本実施形態の
構成であれば、補剛部材43〜46と張出部43a〜4
6dとを一体的に形成することができるため、面外変形
防止機構に要する部品コストや組立コストを極めて小さ
なものにすることができる。
【0054】尚、本実施形態においては、全ての補剛部
材43〜46に張出部43a〜46dが形成されている
が、少なくとも一つの補剛部材43〜46に張出部43
a〜46dが形成されていれば良い。また、本実施形態
においては、張出部43a〜46dにより面外変形防止
機構を構成することによって面外方向の曲げ変形を防止
しているが、これに限定されるものではなく、面外変形
防止機構は、下記のように構成されていても良い。
【0055】即ち、面外変形防止機構は、図15(a)
・(b)に示すように、上下位置に配置された補剛部材
43・45に、面外方向に固定されながら回動自在にピ
ン結合された固定部材47と、この固定部材47に設け
られ、一端面が剪断変形部1eの中心部近傍に位置され
た当接部材48とを備えた構成にされていても良い。こ
の構成であれば、剪断変形部1eが面外方向に曲げ変形
を開始しても、即座に剪断変形部1eを当接部材48の
一端面に当接させることができ、さらに、この当接部材
48が固定部材47により面外方向に固定された状態に
なっているため、それ以上の曲げ変形を防止することが
できる。尚、この構成においては、剪断変形部1eの剪
断変形時に固定部材47と補剛部材43・45とのピン
結合部に余分な荷重を発生させないように、少なくとも
一方のピン結合部に長穴43bを形成することによっ
て、固定部材47の長手方向に移動自在にされているこ
とが望ましい。
【0056】また、本実施形態の張出部43a〜46d
等の面外変形防止機構は、第1の実施形態で説明した各
種の制振装置に適用することができる。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明は、安定した変位−荷重
ヒステリシス特性を発揮する超塑性材料を剪断変形させ
ることにより構造物の振動を低減する制振装置であっ
て、内周側の剪断変形部とボルト穴を備えた外周側の取
付け部とを有するように前記超塑性材料により形成され
たエネルギー吸収パネルと、前記超塑性材料よりも高強
度の材料により形成され、前記取付け部のボルト穴にボ
ルトを挿通して締結することにより該取付け部に剛接合
された複数の補剛部材と、前記補剛部材を前記剪断変形
部の剪断変形に追従して変形させるように、隣接する補
剛部材同士を連結した連結機構とを有する構成である。
上記の構成によれば、補剛部材がボルトによりエネルギ
ー吸収パネルの取付け部に剛接合されていると共に、隣
接する補剛部材同士が連結機構により回動自在に連結さ
れているため、エネルギー吸収パネルにおける剪断変形
部が振動により剪断変形する場合には、この剪断変形部
の周囲に位置する取付け部の補剛部材の連結姿勢も剪断
変形に追従して変化する。従って、超塑性材料が座屈し
易いという性質を有していても、この超塑性材料で形成
された剪断変形部は、補剛部材により剪断変形が維持お
よび促進されることによって、振動エネルギーを効率良
く吸収する。これにより、制振装置は、安定した変位−
荷重ヒステリシス特性を発揮する超塑性材料を確実に剪
断変形させることができるため、構造物に適用する際の
設計が容易であると共に、地震の発生ごとに交換しなく
ても高い信頼性でもって振動を低減することができると
いう効果を奏する。
【0058】請求項2の発明は、請求項1記載の制振装
置であって、前記エネルギー吸収パネルの取付け部に
は、前記連結機構により連結された補剛部材間に対応す
る部位に切欠部が形成されている構成である。上記の構
成によれば、剪断変形部の周囲に位置する取付け部が切
欠部により分離された状態にされている。そして、この
切欠部は、補剛部材間に対応して形成されている。従っ
て、剪断変形部が大きく剪断変形し、補剛部材と共に取
付け部が剪断変形に伴って大きく変位(移動)すること
になっても、切欠部が変位による取付け部の局所的な応
力の発生を防止する。これにより、制振装置は、大きな
振動に対しても確実に剪断変形により低減することがで
きるという効果を奏する。
【0059】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の制振装置であって、前記補剛部材は、前記ボルトによ
る締結力で前記取付け部に食い込む凹凸部を有する構成
である。上記の構成によれば、凹凸部が取付け部に食い
込むことによって、補剛部材と取付け部とが大きな接触
面積で3次元的に接合することになる。従って、補剛部
材と取付け部との剛接合がより強固なものとなるため、
長期間に亘って制振装置を使用することができるという
効果を奏する。
【0060】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の制振装置であって、前記連結機構は、
前記連結板同士を回動自在に連結するピン部材を有する
構成である。上記の構成によれば、ピン部材による簡単
な構造により連結機構を構成することができるという効
果を奏する。
【0061】請求項5の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の制振装置であって、前記連結機構は、
前記補剛部材上に前記剪断変形部に沿って配置され、該
補剛部材の一方端側に位置する補剛部材から他方端側に
位置する補剛部材にかけて溶接されたリブ部材を有する
構成である。上記の構成によれば、リブ部材を補剛部材
に溶接するという簡単な作業により連結機構を構成する
ことができるという効果を奏する。
【0062】請求項6の発明は、請求項1ないし5の何
れか1項に記載の制振装置であって、σy S を剪断変形
部の降伏応力、tS を剪断変形部の板厚、Lを剪断変形
部の有効剪断長、σy B を取付け部の降伏応力、tB
取付け部の板厚、φをボルト穴径、nをボルト穴の個数
としたとき、 σy S X LX tS X(1/31/2)X(1/n) <σy B X t
B X φ の関係を満足するように形成されている構成である。上
記の構成によれば、確実に剪断変形して振動を低減させ
ることができる制振装置を設計することができるという
効果を奏する。
【0063】請求項7の発明は、安定した変位−荷重ヒ
ステリシス特性を発揮する超塑性材料を伸縮変形させる
ことにより構造物の振動を低減するものであり、内側の
伸縮変形部とボルト穴を備えた両側の取付け部とを有す
るように前記超塑性材料により形成されたエネルギー吸
収ロッドと、前記超塑性材料よりも高強度の材料により
形成され、前記取付け部のボルト穴にボルトを挿通して
締結することによって、前記両側の取付け部にそれぞれ
剛接合された保持部材と、前記保持部材間の距離を拡縮
させるように、前記構造物と前記保持部材とを回動自在
に連結する連結部材とを有した制振装置であって、σy
S を伸縮変形部の降伏応力、tS を伸縮変形部の板厚、
Lを伸縮変形部の有効剪断長、σy B を取付け部の降伏
応力、tB を取付け部の板厚、φをボルト穴径、nをボ
ルト穴の個数としたとき、 σy S X BX tS X(1/n) <σy B X tB X φ の関係を満足するように形成されている構成である。
【0064】上記の構成によれば、構造物が振動するこ
とによって、保持部材間の距離が拡縮すると、この拡縮
方向にエネルギー吸収ロッドの伸縮変形部が伸縮する。
従って、超塑性材料が座屈し易いという性質を有してい
ても、この超塑性材料で形成された伸縮変形部は、同方
向に変位する保持部材により伸縮変形が維持および促進
されることによって、振動エネルギーを効率良く吸収す
る。これにより、制振装置は、安定した変位−荷重ヒス
テリシス特性を発揮する超塑性材料を確実に伸縮変形さ
せることができるため、構造物に適用する際の設計が容
易であると共に、地震の発生ごとに交換しなくても高い
信頼性でもって振動を低減することができる。そして、
σy S X BX tS X(1/n) <σy B X tB X φの関係
を満足するように形成することによって、確実に伸縮変
形して振動を低減させることができる制振装置を設計す
ることができるという効果を奏する。
【0065】請求項8の発明は、安定した変位−荷重ヒ
ステリシス特性を発揮する超塑性材料を伸縮変形させる
ことにより構造物の振動を低減する制振装置であって、
板状の超塑性材料部材と、前記板状の超塑性材料部材を
構造物に接合させるための接合部材とからなり、前記板
状の超塑性材料部材と前記接合部材とがボルトにより締
結され、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルトとの締
結部分の降伏力を、塑性変形を生じさせる部分のボルト
との接触面に発生する力よりも大きくしてなる構成であ
る。上記の構成によれば、超塑性材料部材のボルトとの
締結部分の降伏力を、塑性変形を生じさせる部分のボル
トとの接触面に発生する力よりも大きくすることによっ
て、締結部分におけるボルト穴周辺の局所変形を抑制す
ることができる。これにより、有効な変位−荷重ヒステ
リシス特性を発揮する超塑性材料部材を確実に剪断変形
させることができるため、構造物に適用する際の設計が
容易であると共に、地震の発生ごとに交換しなくても高
い信頼性でもって振動を低減することができるという効
果を奏する。
【0066】請求項9の発明は、請求項8記載の制振装
置であって、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルトと
の締結部分の板厚を、塑性変形を生じさせる部分の板厚
よりも大きくしてなる構成である。上記の構成によれ
ば、締結部分の板厚を塑性変形を生じさせる部分の板厚
よりも大きくすることによって、より確実に締結部分に
おけるボルト穴周辺の局所変形を抑制することができる
という効果を奏する。
【0067】請求項10の発明は、請求項8記載の制振
装置であって、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルト
との締結部分の降伏応力を、塑性変形を生じさせる部分
の降伏応力よりも大きくしてなる構成である。上記の構
成によれば、締結部分の降伏応力を塑性変形を生じさせ
る部分の降伏応力よりも大きくすることによって、より
確実に締結部分におけるボルト穴周辺の局所変形を抑制
することができるという効果を奏する。
【0068】請求項11の発明は、請求項1ないし5の
何れか1項に記載の制振装置であって、前記エネルギー
吸収パネルのパネル面に対して垂直方向の応力による前
記剪断変形部の面外方向の曲げ変形を防止する面外変形
防止機構を有する構成である。上記の構成によれば、剪
断変形部の剪断変形時にパネル面に対して垂直方向の応
力が繰り返して発生した場合でも、面外変形防止機構に
より剪断変形部の面外方向の曲げ変形が防止されるた
め、この曲げ変形が剪断変形に対して支配的となるまで
増大することはない。これにより、剪断変形による振動
エネルギーの吸収を長期期に亘って大きな状態に維持す
ることができるという効果を奏する。
【0069】請求項12の発明は、請求項1ないし5の
何れか1項に記載の制振装置であって、前記エネルギー
吸収パネルのパネル面に対して垂直方向の応力による前
記剪断変形部の面外方向の変形を防止する面外変形防止
機構を有し、前記面外変形防止機構は、前記補剛部材の
前記剪断変形部側の端部が、該剪断変形部の面外方向の
内周側位置に張り出されて形成された張出部である構成
である。上記の構成によれば、補剛部材と張出部とを一
体的に形成することができるため、面外変形防止機構に
要する部品コストや組立コストを極めて小さなものにす
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】制振装置の構成図であり、(a)は平面図、
(b)は(a)の平面図におけるA−A’線矢視一部断
面図、(c)は正面図である。
【図2】エネルギー吸収パネルの平面図である。
【図3】エネルギー吸収パネルの要部側面図である。
【図4】超塑性材料の1周期(サイクル)目の荷重と変
位量との関係を示すグラフである。
【図5】超塑性材料の350周期(サイクル)目の荷重
と変位量との関係を示すグラフである。
【図6】補剛機構が姿勢を変形する状態を示す説明図で
あり、(a)は変形前、(b)は変形後である。
【図7】エネルギー吸収パネルが剪断変形する状態を示
す説明図であり、(a)は変形前、(b)は変形後であ
る。
【図8】凹凸部の状態を示す説明図である。
【図9】制振装置の構成図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図10】制振装置の構成図であり、(a)は平面図、
(b)は(a)の平面図におけるB−B’線矢視一部断
面図、(c)は正面図である。
【図11】エネルギー吸収パネルの構成図であり、
(a)は平面図、(b)は(a)の平面図におけるC−
C’線矢視断面図である。
【図12】制振装置の伸縮状態を示す説明図であり、
(a)は伸縮前、(b)は伸縮後である。
【図13】エネルギー吸収ロッドおよび保持部材の要部
を示す説明図である。
【図14】制振装置の構成図であり、(a)は平面図、
(b)はE−E’線矢視断面図である。
【図15】制振装置の構成図であり、(a)は平面図、
(b)はF−F’線矢視断面図である。
【図16】従来の制振装置の構成図であり、(a)は平
面図、(b)はD−D’線矢視断面図である。
【図17】中層高層建築物に制振装置が取り付けられた
状態を示す説明図である。
【図18】極低降伏点鋼(LYP)の荷重と変位量との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エネルギー吸収パネル 1a〜1d 取付け部 1e 剪断変形部 1f ボルト穴 1g 切欠部 2 補剛機構 3 一方側補剛体 4 他方側補剛体 5〜8 補剛部材 5b〜8b 凹凸部 9 第1連結板 10 第2連結板 11 ピン部材 12 隙間 13 連結機構 13’ 連結機構 14 リブ部材 21 エネルギー吸収パネル 25〜28 補剛部材 29 第3連結板 31 エネルギー吸収ロッド 31a 伸縮変形部 31b 取付け部 31c ボルト穴 32 保持部材 33 連結部材 34 構造物 43a〜46a 張出部 43〜46 補剛部材 43b 長穴 47 固定部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 徹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 槙井 浩一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 三村 裕一 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 Fターム(参考) 2E001 DG01 FA24 GA12 GA45 HB01 HB04 HB07 LA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定した変位−荷重ヒステリシス特性を
    発揮する超塑性材料を剪断変形させることにより構造物
    の振動を低減する制振装置であって、 内周側の剪断変形部とボルト穴を備えた外周側の取付け
    部とを有するように前記超塑性材料により形成されたエ
    ネルギー吸収パネルと、 前記超塑性材料よりも高強度の材料により形成され、前
    記取付け部のボルト穴にボルトを挿通して締結すること
    により該取付け部に剛接合された複数の補剛部材と、 前記補剛部材を前記剪断変形部の剪断変形に追従して変
    形させるように、隣接する補剛部材同士を連結した連結
    機構とを有することを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー吸収パネルの取付け部に
    は、前記連結機構により連結された補剛部材間に対応す
    る部位に切欠部が形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の制振装置。
  3. 【請求項3】 前記補剛部材は、前記ボルトによる締結
    力で前記取付け部に食い込む凹凸部を有することを特徴
    とする請求項1または2記載の制振装置。
  4. 【請求項4】 前記連結機構は、 前記連結板同士を回動自在に連結するピン部材を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載
    の制振装置。
  5. 【請求項5】 前記連結機構は、 前記補剛部材上に前記剪断変形部に沿って配置され、該
    補剛部材の一方端側に位置する補剛部材から他方端側に
    位置する補剛部材にかけて溶接されたリブ部材を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載
    の制振装置。
  6. 【請求項6】 σy S を剪断変形部の降伏応力、tS
    剪断変形部の板厚、Lを剪断変形部の有効剪断長、σy
    B を取付け部の降伏応力、tB を取付け部の板厚、φを
    ボルト穴径、nをボルト穴の個数としたとき、 σy S X LX tS X(1/31/2)X(1/n) <σy B X t
    B X φ の関係を満足するように形成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし5の何れか1項に記載の制振装置。
  7. 【請求項7】 安定した変位−荷重ヒステリシス特性を
    発揮する超塑性材料を伸縮変形させることにより構造物
    の振動を低減するものであり、 内側の伸縮変形部とボルト穴を備えた両側の取付け部と
    を有するように前記超塑性材料により形成されたエネル
    ギー吸収ロッドと、 前記超塑性材料よりも高強度の材料により形成され、前
    記取付け部のボルト穴にボルトを挿通して締結すること
    によって、前記両側の取付け部にそれぞれ剛接合された
    保持部材と、 前記保持部材間の距離を拡縮させるように、前記構造物
    と前記保持部材とを回動自在に連結する連結部材とを有
    した制振装置であって、 σy S を伸縮変形部の降伏応力、tS を伸縮変形部の板
    厚、Lを伸縮変形部の有効剪断長、σy B を取付け部の
    降伏応力、tB を取付け部の板厚、φをボルト穴径、n
    をボルト穴の個数としたとき、 σy S X BX tS X(1/n) <σy B X tB X φ の関係を満足するように形成されていることを特徴とす
    る制振装置。
  8. 【請求項8】 安定した変位−荷重ヒステリシス特性を
    発揮する超塑性材料を伸縮変形させることにより構造物
    の振動を低減する制振装置であって、 板状の超塑性材料部材と、前記板状の超塑性材料部材を
    構造物に接合させるための接合部材とからなり、前記板
    状の超塑性材料部材と前記接合部材とがボルトにより締
    結され、前記板状の超塑性材料部材の前記ボルトとの締
    結部分の降伏力を、塑性変形を生じさせる部分のボルト
    との接触面に発生する力よりも大きくしてなることを特
    徴とする制振装置。
  9. 【請求項9】 前記板状の超塑性材料部材の前記ボルト
    との締結部分の板厚を、塑性変形を生じさせる部分の板
    厚よりも大きくしてなることを特徴とする請求項8記載
    の制振装置。
  10. 【請求項10】 前記板状の超塑性材料部材の前記ボル
    トとの締結部分の降伏応力を、塑性変形を生じさせる部
    分の降伏応力よりも大きくしてなることを特徴とする請
    求項8記載の制振装置。
  11. 【請求項11】 前記エネルギー吸収パネルのパネル面
    に対して垂直方向の応力による前記剪断変形部の面外方
    向の曲げ変形を防止する面外変形防止機構を有すること
    を特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の制
    振装置。
  12. 【請求項12】 前記エネルギー吸収パネルのパネル面
    に対して垂直方向の応力による前記剪断変形部の面外方
    向の曲げ変形を防止する面外変形防止機構を有し、 前記面外変形防止機構は、前記補剛部材の前記剪断変形
    部側の端部が、該剪断変形部の面外方向の内周側位置に
    張り出されて形成された張出部であることを特徴とする
    請求項1ないし5の何れか1項に記載の制振装置。
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