JP2000351935A - 再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物およびそれを用いる再利用方法 - Google Patents

再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物およびそれを用いる再利用方法

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JP2000351935A
JP2000351935A JP11166245A JP16624599A JP2000351935A JP 2000351935 A JP2000351935 A JP 2000351935A JP 11166245 A JP11166245 A JP 11166245A JP 16624599 A JP16624599 A JP 16624599A JP 2000351935 A JP2000351935 A JP 2000351935A
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paint
polyester resin
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weight
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JP11166245A
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Shinya Yamada
真也 山田
Shoichi Watanabe
正一 渡辺
Susumu Hibi
進 日比
Hiroshi Majima
博 間嶋
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂や顔料が分散、凝集せずに、かつ塗料希
釈水の濾過・濃縮効率を高めることができるという再利
用性(リサイクル性)を有するとともに、耐候性の優れ
た熱硬化型水性塗料組成物を提供すること、および上記
熱硬化型水性塗料組成物用いて、該塗料を再利用する方
法であって、長期間再利用リサイクルを維持する方法を
提供すること。 【解決手段】 (1)炭素数6〜18の分岐または直鎖
状のアルキル鎖を有する単官能モノマーを10〜70重
量%含み、酸価が20〜80で、水酸基価が50〜20
0である水溶性ポリエステル樹脂と、硬化剤とを含有す
る再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物。(2)上記熱
硬化型水性塗料組成物を再利用する方法において、その
再利用にて使用する捕集液の誘電率を、20〜70に制
御する、塗料の再利用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装ブース内の洗
浄水中から回収して再利用するのに適した、耐候性の優
れた熱硬化型水性塗料組成物およびそれを用いた再利用
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品、自動車ボディー、産
業機械および配電盤等の分野では、電着等のプライマー
塗料が塗装された後、上塗り塗料として、溶剤型アクリ
ル樹脂塗料が塗装されてきた。しかし、近年の環境問
題、特に大気汚染防止の点から、大気中へ揮散する溶剤
量を低減させるかまたはゼロにすることを目的に、その
上塗り塗料を水性化する試みがなされている。ところ
が、そのような水性化された塗料を塗装ブース内におい
てスプレー塗装すると、被塗装物に塗着しない塗料が、
塗料ダストとして発生することになる。
【0003】この塗料ダストは、塗装ブース内のブース
水(以下、捕集液と呼ぶ)に溶解または分散させて捕集
する。捕集された塗料ダストは、長期間塗装を続ける
と、非常に多量となるため、これをそのまま廃棄するこ
とは塗料の損失になるとともに、廃棄物の発生という新
たな環境問題を引き起こすことにもなる。
【0004】そこで、従来から捕集液に捕集された塗料
を回収して再利用できる塗料およびその再利用方法が検
討されており、例えば、特開平5-214292号公報では、特
定の酸価、水酸基価およびSP値に限定した、水溶性アル
キッド樹脂または水溶性アクリル樹脂を用いた塗料およ
びその再利用方法が提案されている。
【0005】このような水溶性アルキッド樹脂または水
溶性アクリル樹脂を用いれば、上述した塗料の再利用性
(リサイクル性)は、向上するものの、耐候性の点では
十分な性能が得られていなかった。
【0006】自動車用外板や産業機械等の分野において
は、特に優れた耐候性が要求されるため、従来のような
水性塗料では、たとえリサイクル性を有していても、こ
のような分野へ適用することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
や顔料が分離、凝集せずに、かつ塗料希釈水の濾過・濃
縮効率を高めることができるという再利用性(リサイク
ル性)を有するとともに、耐候性の優れた熱硬化型水性
塗料組成物を提供することである。また、本発明は、上
記熱硬化型水性塗料組成物を用いる、塗料の再利用方法
であって、捕集液の誘電率に着目し、これをコントロー
ルすることにより、長期間再利用性を維持する方法を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、再利用可能な水
性塗料用樹脂としては、水分散化のための適度の酸価を
持ち、高水酸基価のポリエステル樹脂であって、そのモ
ノマーとして炭素数の多いアルキル基を有する単官能モ
ノマーを用いて、疎水性が付与された樹脂が最適である
と見いだし、本発明を完成するに至った。また、その再
利用の方法としては、上記ポリエステル樹脂を水性塗料
に用いて再利用する場合は、塗装ブース内の捕集液の誘
電率を測定することにより、それにより得られた誘電率
を特定値に、コントロールすることが最適であると見い
だし本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の第1の態様は、水溶性
ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有する熱硬化型水性塗
料組成物であって、上記水溶性ポリエステル樹脂が、炭
素数6〜18のアルキル鎖を有する単官能モノマーを1
0〜70重量%含む原料から製造されるものであって、
かつ、数平均分子量が1000〜10000、酸価が2
0〜80および水酸基価が50〜200である、再利用
可能な熱硬化型水性塗料組成物である。
【0010】また、本発明は、上記水溶性ポリエステル
樹脂の製造が、上記原料から上記単官能モノマーを除い
た成分を用いてポリエステル樹脂を合成した後、上記ポ
リエステル樹脂に上記単官能モノマーを反応させるもの
である、再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物である。
【0011】更に、本発明は、上記単官能モノマーの官
能基が、カルボキシル基、水酸基又はエポキシ基であ
る、再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物である。
【0012】更に、本発明は、上記単官能モノマーが下
記の式で表される、再利用可能な熱硬化型水性塗料組成
物である。
【0013】
【化2】
【0014】更に本発明は、炭素数6から18の分岐ま
たは直鎖状のアルキル鎖部分を、樹脂分子中に5〜70
重量%有し、かつ、数平均分子量が1000〜1000
0、酸価が20〜80および水酸基価が50〜200で
ある水溶性ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有する再利
用可能な熱硬化型水性塗料組成物である。
【0015】また、本発明は、上記硬化剤が、メラミン
樹脂またはブロックイソシアネート化合物であるのが好
ましい。
【0016】また、更には、本発明は、上記水溶性ポリ
エステル樹脂と上記硬化剤の固形分あたりの重量比が9
5/5〜5/95であることが好ましい。
【0017】本発明の第2の態様としては、1)塗装ブ
ースにおいて、塗着しなかった水性塗料を捕集液により
塗料希釈液として回収すること、2)上記塗料希釈液を
濾過して濃縮塗料と濾液とに分離すること、および3)
上記濃縮塗料を水性塗料として再利用し、上記濾液は捕
集液として再利用することからなる水性塗料の再利用方
法において、上記水性塗料が、水溶性ポリエステル樹脂
と硬化剤とを含有する熱硬化型水性塗料組成物であり、
上記水溶性ポリエステル樹脂が、炭素数6〜18のアル
キル鎖を有する単官能モノマーを10〜70重量%含む
原料から製造されるものであって、かつ、数平均分子量
が1000〜10000、酸価が20〜80および水酸
基価が50〜200であるものであり、さらに上記捕集
液の誘電率が20〜70であることを特徴とする熱硬化
型水性塗料組成物の再利用方法である。
【0018】また、本発明は、1)塗装ブースにおい
て、塗着しなかった水性塗料を捕集液により塗料希釈液
として回収すること、2)上記塗料希釈液を濾過して濃
縮塗料と、濾液とに分離すること、および3)上記濃縮
塗料は水性塗料として再利用し、上記濾液は捕集液とし
て再利用することからなる水性塗料の再利用方法におい
て、上記水性塗料が、炭素数6〜18のアルキル鎖部分
を樹脂分子中に5〜70重量%有し、数平均分子量が1
000〜10000、酸価が20〜80および水酸基価
が50〜200である水溶性ポリエステル樹脂と硬化剤
とを含有するものであり、かつ上記捕集液の誘電率が2
0〜70であることを特徴とする熱硬化型水性塗料組成
物の再利用方法である。
【0019】
【発明の実施形態】本発明の熱硬化型水性塗料組成物に
含有される水溶性ポリエステル樹脂は、炭素数6〜8の
アルキル基を有する単官能モノマーを10〜70重量%
含む原料から製造されるものである。
【0020】この単官能モノマーは、ただ一つの官能基
を有し、その官能基としては、特に限定されないが、中
でも上記水溶性ポリエステル樹脂の製造の際に用いられ
る、上記単官能モノマー以外に用いられる他のモノマー
と反応する官能基であれば特に限定されないが、カルボ
キシル基、水酸基またはエポキシ基が好ましい。
【0021】また、この単官能モノマーは炭素数が6〜
18、好ましくは6〜12である、分岐状または直鎖状
のアルキル基を有している必要がある。炭素数が6未満
だと、この樹脂を用いて得られた塗膜に、耐水性と耐候
性を十分に付与することができず、炭素数が18を上回
ると、樹脂の疎水性が高くなりすぎるため、水分散化を
容易にすることができなくなる。
【0022】このような単官能モノマーの具体的な化合
物の中で、モノカルボン酸としては、ドデカン酸、イソ
ノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、2−
エチルヘキサン酸(オクチル酸)、シクロヘキサンカル
ボン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチ
リン酸、パルミチン酸、ステアリン酸があり、好ましく
はカプリン酸、ラウリン酸がある。モノオールとして
は、3,5,5−トリメチルヘキサノール、1−ノナノ
ール、イソノナノール、ヘプタノール、イソデシルアル
コール(デカノール)、イソトリデシルアルコール(ト
リデカノール)、オクタノール、2−エチルヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールが
あり、好ましくは1−ノナノール、イソノナノールがあ
る。モノエポキシ化合物としては2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、2
−メチルオクチルグリシジルエーテルなどのグリシジル
エーテル類、グリシドールと炭素数6〜18のモノカル
ボン酸とのエステル類があり、好ましくは下記に示す、
バーサティック酸グリシジルエステル(昭和シェル石油
社製「カージュラーE−10」)がある。
【0023】
【化3】
【0024】上記水溶性ポリエステル樹脂を製造するに
あたり、上記単官能モノマー以外に用いられる、他のモ
ノマーとしては、一般的なポリエステル樹脂を合成する
ときに通常用いられる多塩基酸および多価アルコールで
あれば、特に制限されない。
【0025】上記多塩基酸としては、シュウ酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、テトラクロロフタル酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸、プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン
酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメ
リット酸、安息香酸、およびそのエステル形成誘導体
(低級アルコールエステル、無水物、酸ハロゲン化物)
が挙げられる。この中で、イソフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、トリメリット酸、アジピン酸が好ましい。
【0026】上記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,1
0−デカンジオール、プロピレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、グ
リセリン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソル
ビタンモノオレート、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ソルビト
ール、ジグリセリン、、トリグリセリン、トリペンタエ
リスリトール、ビスフェノールAが挙げられる。この中
で、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールが好ましい。
【0027】上記多塩基酸および多価アルコールの両方
に属する化合物としては、ε−カプロラクトン、γ−ブ
チロラクトンなどのラクトン類や、p−オキシ安息香
酸、p−オキシエトキシ安息香酸などの芳香族オキシモ
ノカルボン酸が挙げられる。
【0028】上記単官能モノマーは、上記水溶性ポリエ
ステル樹脂を製造するにあたり、全モノマー原料中に1
0〜70重量%、好ましくは20〜50重量%含有され
ている。この単官能モノマーの含有量が、全モノマー原
料中10重量%未満であると、樹脂の疎水性が低下し、
かつその樹脂を用いて得られた塗膜の耐候性は、上塗り
塗膜に要求される耐候性を十分に満足させるものとはな
らない。一方、この単官能モノマーの含有量が、全モノ
マー中70重量%を越えると、樹脂の水分散性が悪化す
ることになる。
【0029】上記水溶性ポリエステル樹脂は、上記単官
能モノマー、上記多塩基酸および上記多価アルコール
を、所定量配合し、常法により縮合反応させて得ること
ができる。、また、本発明の熱硬化型水性塗料組成物に
含有される水溶性ポリエステル樹脂は、上記原料から上
記単官能モノマーを除いた成分を用いてポリエステル樹
脂を合成した後、上記ポリエステル樹脂に上記単官能モ
ノマーを反応させて得られるものであっても構わない。
この時、上記単官能モノマーの量は上記原料の10〜7
0重量%に相当する。ここで、上記単官能モノマーおよ
び上記原料から上記単官能モノマーを除いた成分は、先
に述べた単官能モノマーおよび他のモノマーとそれぞれ
同一である。
【0030】この場合の製造方法としては、あらかじめ
上記原料から上記単官能モノマーを除いた成分である、
上記多塩基酸と上記多価アルコールとを所定量仕込み、
常法により縮合反応させることによりポリエステル樹脂
を製造し、その後上記単官能モノマーをさらに仕込ん
で、そのポリエステル樹脂中に存在する水酸基またはカ
ルボキシル基に、上記単官能モノマーを反応させる方法
を利用することができる。
【0031】上記2種類の製造方法によって得られる、
本発明の熱硬化型水性塗料組成物に含有される水溶性ポ
リエステル樹脂の酸価は、水分散化または水溶化の点、
および塗料のリサイクル性の点から20〜80であり、
好ましくは30〜60である。酸価が20未満である
と、水分散性または水溶性が低下して、これに伴い塗料
のリサイクル性が低下することになる。一方、酸価が8
0を越えると、樹脂の親水性が高くなりすぎて、その樹
脂を用いて得られた塗膜の耐水性および耐候性が低下す
ることになる。
【0032】また、上記水溶性ポリエステル樹脂の水酸
基価は、50〜200であり、好ましくは100〜20
0である。水酸基価が50未満であると、樹脂の水分散
性が低下し、この樹脂を用いた塗料のリサイクル性が低
下するとともに、その塗料の硬化性が不十分となる。水
酸基価が200を越えると、この樹脂を用いて得られた
塗料の塗膜の耐水性および耐候性が低下することにな
る。
【0033】更に、上記水溶性ポリエステル樹脂の数平
均分子量は、1000〜10000であり、好ましくは
1000〜5000である。数平均分子量が、1000
未満であると、この樹脂を用いて得られた塗料の塗膜の
耐水性および耐候性が低下し、その数平均分子量が10
000を越えると、この樹脂を用いた塗料の粘度が高く
なりすぎて、塗装作業性が悪化することになる。一方、
本発明の熱硬化型水性塗料組成物に含有される水溶性ポ
リエステル樹脂は、炭素数6から18の分岐または直鎖
状のアルキル鎖部分を、樹脂分子中に5〜70重量%有
し、かつ、数平均分子量が1000〜10000、酸価
が20〜80および水酸基価が50〜200の水溶性ポ
リエステル樹脂でもある。この水溶性ポリエステル樹脂
は、上記2種類の製造方法の内、いずれの製造方法によ
っても得ることができる。 本発明の熱硬化型水性塗料
組成物に含有される硬化剤としては、特に限定されない
が、メラミン樹脂またはブロックイソシアネート化合物
が好ましい。
【0034】メラミン樹脂の具体例としては、メラミ
ン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステ
アログアナミン、スピログアナミン等のアミン成分と、
ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキサ
ール、アセトアルデヒドなどのアルデヒド成分との縮合
物、およびブタノール、メタノール等の低級アルコール
による、それらのエーテル化合物が挙げられる。この中
で、アルキルエーテル化メチロールメラミンが好まし
い。
【0035】ブロックイソシアネート化合物の具体例と
しては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレン
ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物
を、この分野でよく知られたブロック剤でイソシアネー
ト基をブロックしたものである。
【0036】上記ブロック剤としては、フェノール、ク
レゾール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ホルムアルドキシム、アセ
トアルドオキシムが挙げられる。
【0037】ブロックイソシアネートとしては、上記の
うちではヘキサメチレンジイソシアネートのフェノール
ブロック体が好ましい。
【0038】上記水溶性ポリエステル樹脂と上記硬化剤
との割合は、固形分重量比で5/95〜95/5(水溶
性ポリエステル樹脂/硬化剤)であり、好ましくは50
/50〜90/10である。
【0039】上記水溶性ポリエステル樹脂の量が5/9
5未満であると、硬化剤が過剰となって、得られる塗膜
中に未反応のまま残存することで硬化塗膜が軟化し、9
5/5を越えると硬化剤が不足し、十分な硬化塗膜を得
ることができない。
【0040】ここで、上記で上記水溶性ポリエステル樹
脂のSP値は、10.0から11.0の範囲内の値であ
ることが好ましい。更には、上記硬化剤のSP値は、上
記水溶性ポリエステル樹脂のSP値よりも0.5〜3.
0高いことが好ましい。この範囲内に、上記水溶性ポリ
エステル樹脂および硬化剤のSP値をコントロールする
ことにより、塗料のリサイクル性が、一層向上すること
になる。
【0041】ここで、SP値(溶解度パラメータ)は溶
解度の尺度となるものであり、その測定方法は濁度法な
どの当業者によく知られた手法による。
【0042】本発明の熱硬化型水性塗料組成物は、上記
水溶性ポリエステル樹脂および硬化剤以外に、中和剤、
顔料および溶剤を含有することができる。
【0043】上記中和剤としては、アンモニア、モノメ
チルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モ
ノーn−プロピルアミン、ジメチルーn−プロピルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等
が挙げられる。特にトリエチルアミン、ジメチルエタノ
ールアミン等が好ましい。
【0044】上記中和剤の含有量は、上記水溶性ポリエ
ステル樹脂固形分の0.1〜10重量%であることが好
ましい。
【0045】上記顔料としては、二酸化チタン、カーボ
ン、キナクリドン系、シアニンブルー、シアニングリー
ン、アセチレンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、
黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ネーブルスイ
エロー、ベンジジンイエロー、モリブデンイエロー、パ
ーマネントオレンジGTR、ベンガラ、カドミウムレッ
ド、リゾールレッド、パーマネントレッド4R、ファス
トバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ファー
ストスカイブルー、クロムグリーン、酸化クロム等の着
色顔料や、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ク
レー、シリカ等の体質顔料や、燐酸亜鉛、燐酸カルシウ
ム、リンモリブデン酸アルミニウム等の防錆顔料が挙げ
られる。
【0046】その顔料の含有量は、PWC(顔料重量/全
固形分重量)で、0〜65%であることが好ましい。
【0047】上記溶剤としては、塗料一般に用いられて
いるものであれば特に制限はないが、水分散性の点か
ら、水溶性有機溶剤が好ましく、その具体的な例として
は、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、
2−ブタノール、2−メチル2−プロパノール、メトキ
シプロパノール、エトキシプロパノール、ブチルグリコ
ール、ソルフィット、ブチルジグリコール、ジアセトン
アルコール、ジエチレングリコールなど;ケトン類、例
えばアセトン、メチルエチルケトンなど;エーテル類、
例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンなど;アミン
類、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、
ジエチルアミン;ピロリドン類、例えばピロリドン、n
―メチルピロリドンなど;などが挙げられる。
【0048】上記溶剤の含有量は、一般的な水性塗料の
場合と同じように、全塗料重量あたり1〜30重量%が
好ましい。
【0049】本発明の熱硬化型水性塗料組成物の具体的
な調整方法は、例えば、以下の通りである。あらかじめ
上記水溶性ポリエステル樹脂を、中和剤および顔料とと
もに配合し、サンドグラインド、ボールミル、ブレンダ
ーなどの通常の分散機や混練機を用いて分散し、分散ペ
ーストを得る。ここで得られた分散ペーストに、上記硬
化剤を配合し、所定量の脱イオン水で希釈することによ
り、本発明の熱硬化型水性塗料組成物を得ることができ
る。希釈後の不揮発分は、25〜70重量%が好まし
い。
【0050】本発明の熱硬化型水性塗料組成物は、耐候
性が向上している点から、上塗り塗料として用いること
ができるので、電着塗装後や中塗塗装後の塗膜の上に塗
装することが好ましい。塗装は例えば、 スプレー塗装
により行われ、常温でセッティングした後、100〜2
50℃の温度で5〜60分の焼き付けることにより、塗
膜が形成される。
【0051】次に、本発明の第2の態様である、上記水
性塗料組成物すなわち、水溶性ポリエステル樹脂と硬化
剤とを含有する熱硬化型水性塗料組成物であって、上記
水溶性ポリエステル樹脂が、炭素数6〜18のアルキル
鎖を有する単官能モノマーを10〜70重量%含む原料
から製造されるものであって、かつ、数平均分子量が1
000〜10000、酸価が20〜80および水酸基価
が50〜200である、熱硬化型水性塗料組成物の再利
用法について、図1を参照しながら、具体的に説明す
る。
【0052】図1は、本発明の、再利用可能な熱硬化型
水性塗料組成物を用いる再利用方法を示すシステム図で
ある。
【0053】本発明の方法によれば、上記熱硬化型水性
塗料組成物は塗装ブース1において、塗装ガン2を用い
て被塗装物11に塗装される。この際、余剰の塗料組成
物21を捕集液4が形成するウオーターカーテン3によ
って回収する。捕集液4によって回収された塗料21を
含む溶液をここでは希釈塗料6と呼ぶ。この希釈塗料6
を濃縮タンク5に移送する。上記希釈塗料6は限外濾過
装置7に導入され、中間濃縮塗料16と濾液20とに分
離される。中間濃縮塗料16は限外濾過装置7に何回か
通し、塗装粘度になるまで濃縮することにより、最終濃
縮塗料16’とすることができる。また、それと同時
に、濾過後の濾液20はタンク8内の9として回収され
る。この回収された濾液9は、捕集液4に加えられ、再
使用される。
【0054】最終濃縮塗料16’は塗料タンクに移送さ
れる。この最終濃縮塗料16’は、組成や濃度などを再
調整して適正な値(例えば塗料粒度10μm以下であ
り、初期塗料に対する光沢保持率>95%など)である
ことを確認した後、熱硬化型水性塗料組成物として再利
用する。
【0055】このようにして、熱硬型性水性塗料組成物
を再利用するのであるが、その水性塗料組成物として
は、水溶性ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有する熱硬
化型水性塗料組成物であって、上記水溶性ポリエステル
樹脂が、炭素数6〜18のアルキル鎖を有する単官能モ
ノマーを10〜70重量%含む原料から製造されるもの
であって、かつ、数平均分子量が1000〜1000
0、酸価が20〜80および水酸基価が50〜200で
ある。、本発明は、上記捕集液の誘電率を20〜70、
好ましくは30〜70に調整することに特徴がある。誘
電率が70を越えると塗料ミストの分散が不安定とな
り、濃縮時に沈降凝集が生じることがあり、濃縮後に得
られる塗料の安定性が悪くなる。逆に誘電率が20を下
回ると、濃縮に要する時間が長時間を要し、効率が悪く
なる。
【0056】また、この捕集液は、pH値を、先に示し
た中和剤の例として挙げたものを用いて、8〜10に調
整することが好ましい。
【0057】上記濾液は、その誘電率およびpH値が上
記範囲内である場合には、そのまま補修液に加えること
ができる。また、範囲外である場合には、所定の値に調
整を行ってから補修液に加えてもいいし、調整を行わな
いで補修液に加え、加えた後に調整を行ってもよい。
【0058】上記捕集液または濾液の誘電率の調整
は、、水溶性有機溶剤、水溶性有機溶剤と混和可能な有
機溶剤、界面活性剤、上記熱硬化型水性塗料に使用する
原料樹脂などを添加することによって行われる。もちろ
んこれらは混合して使用することも可能である。
【0059】上記水溶性有機溶剤としては、本発明の熱
硬化型水性塗料組成物を調整するのに用いられたものと
同じものを用いることができる。水溶性有機溶剤を用い
る場合の添加量は、捕集液または濾液中における水溶性
有機溶剤の含有量が20重量%以下、好ましくは15重
量%以下になるような量である。20重量%を越える
と、濃縮効率が低下するようになる。 また、上記水溶
性有機溶剤と混和可能な有機溶剤としては、炭化水素
類、例えばヘキサン、白灯油、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ソルベッソ100(昭栄化学社から市販の有機
溶剤)、エステル類、例えばメチルイソブチルケトンな
ど;エーテル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル
など;アミン類、例えばトリエチルアミン、トリブチル
アミン、ジブチルアミンなどが挙げられる。このような
水溶性有機溶剤と混和可能な有機溶剤は、捕集液または
濾液中の含有量が10重量%以下、好ましくは5重量%
以下になるようにして用いることができる。10重量%
を越えると、水溶性有機溶剤と混和可能な有機溶剤が分
離してくる恐れがある。水溶性有機溶剤と混和可能な有
機溶剤の中で好ましいものは、沸点が60〜240℃の
ものである。沸点が60℃未満では作業中に有機溶剤が
容易に揮散し、その結果、誘電率が上昇してしまう。ま
た240℃以上では塗料に混入した場合に塗膜に残存
し、作業性に悪影響を与える。
【0060】上記水溶性有機溶剤と混和可能な有機溶剤
の中で最も好ましいものは、アミン類である。アミン類
は有機溶媒として機能するとともに、塗料ミスト中に含
まれる樹脂中の酸を中和し、水溶性を増し、塗料ミスト
の溶解を促進するからである。
【0061】また、上記界面活性剤としてはノニオン界
面活性剤、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレ
ンオキシド、またはこれらの共重合物、ニューコール5
26(日本乳化剤社から市販のアルキルポリエーテル)
アニオン性界面活性剤、例えばステアリン酸アンモニウ
ム、パルミチン酸カリウムなどが挙げられる。
【0062】上記界面活性剤を用いる場合の添加量は、
添加後の捕集液または濾液中の界面活性剤濃度が5重量
%以下、好ましくは0.1〜2重量%になるような量で
ある。5重量%を越えると塗膜の耐水性が低下する可能
性がある。一方、上記熱硬化型水性塗料に原料として使
用される樹脂ワニスを用いる場合の添加量は、添加後の
捕集液または濾液中の濃度が5重量%以下、好ましくは
0.1〜2重量%になるような量である。5重量%を越
えると塗料組成が変化し、塗料性能の再現性が低下す
る。
【0063】上記捕集液または濾液に添加する材料は、
基本的には前述の熱硬化型塗料組成物中に含まれている
ものと同種の、例えば溶剤や添加剤又は原料樹脂ワニス
を用いるのが好ましい。これは、濃縮による組成変化が
比較的少なくてすみ、塗料性能の再現性が得られやすい
ためである。
【0064】捕集液の誘電率は、回収された水性塗料で
ある希釈塗料の濾過における濃縮効率に影響するもので
ある。すなわち、上記希釈塗料の濾過は、濾過膜、一般
には限外濾過膜により行われるものであり、希釈塗料中
の捕集水が限外濾過膜を浸透することで濃縮が進行す
る。この浸透の速さが濃縮効率であり、これは捕集液に
より異なる。捕集液の特性を表すパラメータとして誘電
率を用いた場合、誘電率が水よりも低い値、すなわち2
0から70の範囲である場合には、安定な濃縮を行うこ
とができ、濃縮効率が優れている。ある水溶液の誘電率
が水よりも低いということは、この水溶液が疎水化して
いることを示し、この値が低いほうがより疎水化してい
ることを示している。このようなことから、捕集液の誘
電率が、濃縮効率に影響しているものと思われる。この
他、その作用機構は明確ではないが、捕集液の誘電率を
如何に制御するかによって、水性塗料組成物の再利用性
は大きく影響される。 なお、捕集液の誘電率を物理的
に直接測定することは、難しいため、本発明では、以下
のような簡単な測定法により得られた誘電率を、捕集液
の誘電率とする。しかし、それは捕集液の誘電率測定法
の一つの測定法を示しただけであって、この測定法に限
定されるものではない。
【0065】本発明における誘電率の測定法は、以下の
通りである。すなわち、まず、誘電率公知の有機溶剤お
よび水(標準溶媒と呼ぶ)に蛍光性分子(蛍光探索子と
呼ぶ)を添加し、蛍光スペクトルを測定して得られる波
長、強度などと上記有機溶媒の誘電率との関係(検量
線)を求める。これとは別に、捕集水に対して同様の蛍
光探索子を添加して、行った測定の結果得られたスペク
トルの強度、波長などから、先の検量線を用いて誘電率
を求め、これを捕集液の誘電率とするものである。
【0066】具体的には、この捕集液に蛍光探索子を添
加して、上記蛍光探索子の樹脂溶液中における蛍光スペ
クトルを計測するのであるが、上記蛍光スペクトルの計
測に用いられる蛍光測定装置としては特に限定されず、
例えば蛍光分光光度計等を挙げることができる。上記蛍
光分光光度計としては、、例えばFP−777、FP−
750(以上、日本分光社製)、F−2000(日立製
作所社製)、RF−1500(島津製作所社製)を挙げ
ることができる。
【0067】ここで、上記蛍光探索子は一定波長の光を
照射した際に、これと異なる波長の光を発する化合物で
ある。このうち、種々の測定対象に少量添加されること
により、対象の物理的、化学的性質を探索するために用
いられるものである。
【0068】そのような化合物としては可視または紫外
領域に蛍光を示す芳香族化合物であって、多環芳香族化
合物が挙げられる。好ましくは縮合系多環芳香族化合物
であって、例えばナフタレン、ナフトール、アントラセ
ン、ヒドロキシアントラセン、フェナントレン、ヒドロ
キシフェナントレン、ピレン、アズレン、フェニレン、
およびこれらの骨格を有する蛍光性化合物;アニリノナ
フタレン系、例えばアニリノナフタレン、アニリノナフ
タレンスルホン酸、ジメチルアニリノナフタレンなどの
アニリノナフタレン骨格を有する化合物;アニリノフェ
ナントレン系、例えばアニリノフェナントレン、アニリ
ノフェナントレンスルホン酸、ジメチルアニリノフェナ
ントレン、ジエチルアニリノフェナントレン、メチルエ
チルアニリノフェナントレン、メチルーヒドロキシエチ
ルアニリノフェナントレン、ジヒドロキシエチルアニリ
ノフェナントレンなどのアニリノフェナントレン骨格を
有する化合物;などが挙げられる。
【0069】一方、上記標準溶媒としては、例えばメタ
ノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、1−ブタノール、水などを挙げることができる。
【0070】
【実施例】本発明を実施例により、さらに説明する。本
発明は、これら実施例に限定するものと解してはならな
い。
【0071】製造例1(ポリエステル樹脂aの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコにカージュラE−10(昭
和シェル石油株式会社製のバーサティック酸グリシジル
エステル)30重量部、イソフタル酸30重量部、トリ
メチロールプロパン23重量部、ヘキサヒドロキシ無水
フタル酸9重量部、プラクセルM(ダイセル工業株式会
社製のε−カプロラクトン)7重量部を導入し、220
℃で加熱し、水の還流がなくなるまで縮合反応をおこな
った。次に反応混合物に無水トリメリット酸を6重量部
加え、180℃で加熱し、水を除去しながら酸価50に
なるまで縮合反応をおこなった。これを固形分70%と
なるようにブチルセロソルブで希釈し、水酸基価15
0、数平均分子量1200のポリエステル樹脂aを得
た。
【0072】製造例2(ポリエステル樹脂bの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコにイソフタル酸30重量
部、トリメチロールプロパン23重量部、ヘキサヒドロ
キシ無水フタル酸9重量部、プラクセルM(ダイセル工
業株式会社製のε−カプロラクトン)7重量部を導入
し、220℃で加熱し、水を除去しながら酸価40にな
るまで縮合反応をおこなった。次に反応混合物に無水ト
リメリット酸を6重量部加え、180℃で加熱し、水を
除去しながら酸価140になるまで縮合反応をおこなっ
た。さらに、カージュラE−10(昭和シェル石油株式
会社製のバーサティック酸グリシジルエステル)30重
量部を加えて150℃で加熱し、酸価50になるまで反
応をおこなった。これを固形分70%となるようにブチ
ルセロソルブで希釈し、水酸基価150、数平均分子量
1200のポリエステル樹脂bを得た。
【0073】製造例3(ポリエステル樹脂cの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコにラウリン酸40重量部、
無水フタル酸33重量部、ペンタエリスリトール28重
量部を導入し、220℃で加熱し、水を除去しながら酸
価15になるまで縮合反応をおこなった。次に反応混合
物に無水トリメリット酸を6重量部加え、180℃で加
熱し、水を除去しながら酸価60になるまで縮合反応を
おこなった。これを固形分70%となるようにブチルセ
ロソルブで希釈し、水酸基価100、数平均分子量15
00のポリエステル樹脂cを得た。
【0074】製造例4(ポリエステル樹脂dの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコにイソフタル酸21重量
部、トリメチロールエタン38重量部、1−ノナノール
20重量部を導入し、220℃で加熱し、水の除去が完
了するまで縮合反応をおこなった。次に反応混合物に無
水トリメリット酸を31重量部加え、180℃で加熱
し、水を除去しながら酸価30になるまで縮合反応をお
こなった。これを固形分70%となるようにブチルセロ
ソルブで希釈し、水酸基価200、数平均分子量300
0のポリエステル樹脂dを得た。
【0075】製造例5(ポリエステル樹脂eの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコにアジピン酸48重量部、
1,6−ヘキサンジオール39重量部、ペンタエリスリ
トール6重量部を導入し、220℃で加熱し、水を除去
しながら酸価15になるまで縮合反応をおこなった。次
に反応混合物に無水トリメリット酸を19重量部加え、
180℃で加熱し、水を除去しながら酸価100になる
まで縮合反応をおこなった。さらにステアリルグリシジ
ルエーテル25重量部を加えて150℃で加熱し、酸価
40になるまで反応をおこなった。これを固形分70%
となるようにブチルセロソルブで希釈し、水酸基価10
0、数平均分子量5000のポリエステル樹脂eを得
た。
【0076】製造例6(ポリエステル樹脂fの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコにイソフタル酸30重量
部、トリメチロールプロパン23重量部、ヘキサヒドロ
キシ無水フタル酸9重量部、プラクセルM(ダイセル工
業株式会社製のε−カプロラクトン)7重量部を導入
し、220℃で加熱し、水を除去しながら酸価40にな
るまで縮合反応をおこなった。次に反応混合物に無水ト
リメリット酸を6重量部加え、180℃で加熱し、水を
除去しながら酸価140になるまで縮合反応をおこなっ
た。これを固形分70%となるようにブチルセロソルブ
で希釈し、水酸基価200、数平均分子量1700のポ
リエステル樹脂fを得た。
【0077】製造例7(ポリエステル樹脂gの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコに酪酸40重量部、無水フ
タル酸33重量部、ペンタエリスリトール28重量部を
導入し、220℃で加熱し、水を除去しながら酸価15
になるまで縮合反応をおこなった。次に反応混合物に無
水トリメリット酸を6重量部加え、180℃で加熱し、
水を除去しながら酸価65になるまで縮合反応をおこな
った。これを固形分70%となるようにブチルセロソル
ブで希釈し、水酸基価120、数平均分子量1400の
ポリエステル樹脂gを得た。
【0078】製造例8(アルキッド樹脂hの合成) 撹拌機、温度計、還流管、デカンター、窒素ガス吹き込
み管を備えた四ツ口フラスコに大豆油脂肪酸30重量
部、無水フタル酸13重量部、トリメチロールプロパン
36重量部を導入し、220℃で加熱し、水の除去が完
了するまで縮合反応をおこなった。次に反応混合物に無
水トリメリット酸を11重量部加え、180℃で加熱
し、水を除去しながら酸価35になるまで縮合反応をお
こなった。これを固形分70%となるようにブチルセロ
ソルブで希釈し、水酸基価110、数平均分子量120
0のアルキッド樹脂hを得た。
【0079】実施例1 樹脂製造例1で合成したポリエステル樹脂a 30重量
部、ジメチルエタノールアミン3重量部、酸化チタン
( 商品名CR−97、石原産業株式会社製)12重量
部、硫酸バリウム(商品名B−34、堺化学株式会社
製)5重量部、脱イオン水60重量部をSGミルで3時
間分散し、分散ペーストを得た。
【0080】この分散ペースト90重量部と、メラミン
樹脂(商品名C−238、三井サイテック社製)10重
量部を撹拌機にて撹拌混合した。得られた塗料組成物を
脱イオン水にて希釈しNK−2カップにて20℃で40
秒に粘度調製して塗料組成物Aを得た。
【0081】実施例2〜5 ポリエステル樹脂b〜eをそれぞれ用いたこと以外は実
施例1と同様にして、塗料組成物B〜Eを得た。
【0082】比較例1〜3 ポリエステル樹脂fおよびgならびにアルキッド樹脂h
をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、塗
料組成物F〜Hを得た。
【0083】実施例6(塗料の再利用性(リサイクル
性)の評価) 実施例1で得た塗料組成物Aを脱イオン水を用いてNK
−2カップで30秒となるように希釈した。これを予め
調製した捕集液(溶剤組成比が水/ブチルジグリコール
=90/10でありジメチルエタノールアミンによりp
Hが9.0に調製され、誘電率が65であるもの)にエ
アスプレーにより固形分5重量%となるまで吹き込み、
塗料希釈液とした。
【0084】これをNK−2カップで30秒となるまで
限外濾過濃縮し、濃縮塗料A’を得た。得られた濃縮塗
料A’の粒径をJIS−5400にて測定し、その粒径
により再利用性を評価した。その結果および濃縮完了時
の固形分を表1に示す。
【0085】実施例7〜10および比較例4〜7 実施例2〜5で得られた塗料組成物B〜Eを用いて、実
施例6と同様に希釈塗料の作成、濃縮、濃縮塗料の粒径
の測定を行った(実施例7〜10)。同様に比較例1〜
3で得られた塗料組成物F〜Hを用いた場合を比較例4
〜6として実施した。同様に実施例1の塗料を用いて希
釈塗料を作成し濃縮を行った場合で、捕集液に脱イオン
水(誘電率79.4)を用いて、比較例7を実施した。
結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】<塗膜評価>実施例1〜5で得られた塗料
組成物A〜E、比較例1〜3で得られた塗料組成物F〜
H、実施例6〜10で得られた濃縮塗料A’〜E’、お
よび比較例4〜6で得られた濃縮塗料F’〜H’を予め
電着塗膜の形成された電着板上に乾燥塗膜として30ミ
クロンとなるようにエアースプレー塗装し、20分間常
温で静置後140℃で20分間乾燥させた。
【0088】こうして得られた塗膜の評価を以下の通り
おこなった。結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】実施例11(濾液の再利用) 実施例6で得られた濾液の誘電率と、この濾液を捕集液
として実施例1の組成物を希釈、濃縮して得られた塗料
の性能を表3に示す。
【0091】実施例12〜15 実施例7〜10で得られた濾液についても同様の評価を
行った。結果を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】実施例16(繰り返し濃縮) 実施例6で得られた塗料を実施例6で得られた濾液を用
いて希釈した後、繰り返し2回目の濃縮を行った。得ら
れた塗料の性能を表4に示す。同様に希釈、濃縮を10
回繰り返して得られた塗料の性能を表4に示す。この
際、希釈に用いた濾液の誘電率も表4に示す。
【0094】
【表4】
【0095】誘電率の測定法 ピレンを、水、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、1−ブタノール、2−ブタノールの各有機溶剤に
溶解し、各々濃度1×10-5Mの溶液を調整した。これ
らを蛍光分光計FP―777(日本分光社製)を用い
て、励起波長320nmでスペクトル測定をおこなっ
た。得られたスペクトルのうち、メタノール溶液のスペ
クトルを図2に示した。図2中、縦軸は強度を、横軸は
波長を表しており、矢印及び数字は、それぞれ第1ピー
ク、第2ピーク、第3ピーク、第4ピーク、第5ピーク
を表す。
【0096】これらのピークのうち、第1ピーク(I1
373nmの強度(メタノールの場合は700.1)を
第3ピーク(I3)384nmの強度(メタノールの場合
は515.1)で除した強度比I1/I3を求めた。結果を
表5に示す。
【0097】
【表5】
【0098】次に、該当する溶剤の誘電率を「溶剤ハン
ドブック」(講談社刊、1976年)により求めた。強
度比I1/I3と誘電率との関係を図3に示した。図3の上
に示された式は、図3中に示された検量線を表す式であ
る。その式中のεは、誘電率を表す。この図を、以下に
行う実施例または比較例において誘電率を求める関係図
とした。
【0099】次に、ピレンをエタノール溶液に溶解し、
1×10-2M溶液を調整した。このもの0.1gを実施
例又は比較例の捕集水(捕集液)に注ぎ、蛍光分光計F
P−777(日本分光社製)を用いて、励起波長320
nmで表面蛍光測定を行い、強度比I1/I3を求め、この
値を図2の関係図に内挿し、誘電率εを求めた。
【0100】
【発明の効果】炭素数6〜18のアルキル鎖を末端に有
し、特定範囲の酸価、水酸基価である水溶性ポリエステ
ルをリサイクル用の水性塗料の樹脂成分として用いるこ
とにより、耐候性が向上する。また、この水性塗料を塗
装循環システムに用い、しかも捕集液の誘電率を特定の
値に制御することにより、より長期間塗料を再生して、
かつ継続的に使用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水性塗料組成物の再利用方法を示す
システム図である。
【図2】 ピレンをメタノールに溶解したときの蛍光ス
ペクトルを示す図である。
【図3】 ピレンの蛍光スペクトルにおける第1ピーク
(I1)と第3ピーク(I3)との強度比I1/I3および誘電
率εとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1…塗装ブース、2…塗装ガン、3…ウォーターカーテ
ン、4…捕集液、5…濃縮タンク、6…希釈塗料、7…
限外濾過装置(または超濾過装置)、8…タンク、10
…塗料タンク、11…被塗装物、16…中間濃縮塗料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間嶋 博 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DA162 DD041 DD051 DD121 DD241 DG302 GA03 GA06 KA03 MA08 MA14 NA03 NA27 PA19 PB06 PB07 PC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ポリエステル樹脂と硬化剤とを含
    有する熱硬化型水性塗料組成物であって、前記水溶性ポ
    リエステル樹脂が、炭素数6〜18のアルキル鎖を有す
    る単官能モノマーを10〜70重量%含む原料から製造
    されるものであって、かつ、数平均分子量が1000〜
    10000、酸価が20〜80および水酸基価が50〜
    200であることを特徴とする再利用可能な熱硬化型水
    性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記水溶性ポリエステル樹脂の製造が、
    前記原料から前記単官能モノマーを除いた成分を用いて
    ポリエステル樹脂を合成した後、前記ポリエステル樹脂
    に前記単官能モノマーを反応させるものであることを特
    徴とする請求項1に記載された再利用可能な熱硬化型水
    性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記単官能モノマーの官能基が、カルボ
    キシル基、水酸基又はエポキシ基である請求項1又は2
    に記載された再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記単官能モノマーが、下記の式で表さ
    れる請求項1乃至3に記載された再利用可能な熱硬化型
    水性塗料組成物。 【化1】
  5. 【請求項5】 炭素数6から18の分岐または直鎖状の
    アルキル鎖部分を、樹脂分子中に5〜70重量%有し、
    かつ、数平均分子量が1000〜10000、酸価が2
    0〜80および水酸基価が50〜200である水溶性ポ
    リエステル樹脂と硬化剤とを含有する再利用可能な熱硬
    化型水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記硬化剤が、メラミン樹脂またはブロ
    ックイソシアネート化合物である、請求項1乃至5に記
    載された再利用可能な熱硬化型水性塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記水溶性ポリエステル樹脂と前記硬化
    剤の固形分重量比が95/5〜5/95である請求項1
    乃至6に記載された再利用可能な熱硬化型水性塗料組成
    物。
  8. 【請求項8】 1)塗装ブースにおいて、塗着しなかっ
    た水性塗料を捕集液により塗料希釈液として回収するこ
    と、2)前記塗料希釈液を濾過して濃縮塗料と濾液とに
    分離すること、および3)前記濃縮塗料を水性塗料とし
    て再利用し、前記濾液は捕集液として再利用することか
    らなる水性塗料の再利用方法において、前記水性塗料
    が、水溶性ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有する熱硬
    化型水性塗料組成物であり、前記水溶性ポリエステル樹
    脂が、炭素数6〜18のアルキル鎖を有する単官能モノ
    マーを10〜70重量%含む原料から製造されるもので
    あって、かつ、数平均分子量が1000〜10000、
    酸価が20〜80および水酸基価が50〜200である
    ものであり、さらに前記捕集液の誘電率が20〜70で
    あることを特徴とする熱硬化型水性塗料組成物の再利用
    方法。
  9. 【請求項9】 1)塗装ブースにおいて、塗着しなかっ
    た水性塗料を捕集液により塗料希釈液として回収するこ
    と、2)前記塗料希釈液を濾過して濃縮塗料と濾液とに
    分離すること、および3)前記濃縮塗料は水性塗料とし
    て再利用し、前記濾液は捕集液として再利用することか
    らなる水性塗料の再利用方法において、前記水性塗料
    が、炭素数6〜18のアルキル鎖部分を樹脂分子中に5
    〜70重量%有し、数平均分子量が1000〜1000
    0、酸価が20〜80および水酸基価が50〜200で
    ある水溶性ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有するもの
    であり、かつ前記捕集液の誘電率が20〜70であるこ
    とを特徴とする熱硬化型水性塗料組成物の再利用方法。
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