JP2000350907A - 流体フィルタ - Google Patents

流体フィルタ

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JP2000350907A
JP2000350907A JP11163334A JP16333499A JP2000350907A JP 2000350907 A JP2000350907 A JP 2000350907A JP 11163334 A JP11163334 A JP 11163334A JP 16333499 A JP16333499 A JP 16333499A JP 2000350907 A JP2000350907 A JP 2000350907A
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urethane
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Kunimoto Sugiyama
晋元 杉山
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Roki Co Ltd
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Toyo Roki Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ウレタンを材料とするにもかかわ
らず離型性が良好であり、かつ離型後の成形品の取り扱
い等に問題のない外枠を具備する流体フィルタを提供す
ることを主目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、フィルタ本体と、内部離型剤
を含有するウレタンにより前記フィルタ本体と接触する
ように形成された外枠とを具備する流体フィルタを提供
することにより上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用流体フィル
タ及び空気清浄機用フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリウレタンエラストマー(以
下、ウレタンとする。)は、機械的特性、例えば、引張
り強さ、耐熱性、耐衝撃性等優れており、自動車部品
類、電子部品類等に広く使用されている。しかしなが
ら、ウレタンにはウレタン結合やウレア結合が含まれる
ことから、多くの場合、金属への接着性を有している。
したがって、成形品を金型から取り出す際に離型剤が必
要とされ、通常、金型に塗布する外部離型剤が用いられ
ている。このような離型剤としては、オルガノシランか
らなる離型剤(特公平3−11248号)、イソブチレ
ンオリゴマー及びワックスからなる離型剤(特公平3−
11604号)、含ハロゲンポリエーテルを主成分とす
る離型剤(特公平3−9848号)等を挙げることがで
きる。
【0003】しかしながら、このような外部離型剤を用
いる場合は、金型に離型剤を塗布し、次いでこれを乾燥
させ、その後金型内にウレタンを注型する必要があるこ
とから、手間がかかるといった問題があった。また、例
えば金型内からウレタンを取り出す等する際に、金型内
部に傷等を付けた場合は、次の成形の際にウレタンがそ
の傷の部分に接着してしまい、脱型に際して非常に手間
がかかってしまうといった問題があり、金型の管理が非
常に煩雑であるといった問題があった。さらに、離型性
が必ずしも満足されるものでないといった問題等種々の
問題が指摘されていた。
【0004】このような問題を回避するために、ウレタ
ン内に離型剤を含有させた内部離型剤を用いる方法が提
案されている。しかしながら、内部離型剤を用いたウレ
タン成形品は、離型剤がブリードすることにより離型性
を得るものである。したがって、ブリードしてきた離型
剤が成形品表面に残存することから成形品の表面がべた
つく等の問題があり、その成形品を用いるに際しての取
り扱いが困難であるといった問題があった。
【0005】一方、例えばエンジンに空気を供給するエ
アークリーナーに用いられるフィルタの外枠の材料とし
て、ウレタンが用いられているが、この場合にも、上述
したようなウレタン固有の金型との離型性の問題があっ
た。したがって、従来は外部離型剤を金型に塗布して対
応していたが、上述した外部離型剤を用いた場合の問題
点があることから、その解決が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みて成し遂げられたものであり、ウレタンを材料と
するにもかかわらず離型性が良好であり、かつ離型後の
成形品の取り扱い等に問題のない外枠を具備する流体フ
ィルタを提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1において、フィルタ本体と、内
部離型剤を含有するウレタンにより前記フィルタ本体と
接触するように形成された外枠とを具備することを特徴
とする流体フィルタを提供する。
【0008】本発明は、このように内部離型剤を含有す
るウレタンにより外枠が形成されているので、外枠の成
形の際に容易に離型を行うことが可能となる。また、こ
の内部離型剤を含有するウレタンにより形成された外枠
は、フィルタ本体と接触して形成されるものあるので、
ウレタン形成後ブリードしてきた内部離型剤はこのフィ
ルタ本体に吸収されるため、ほとんどウレタン表面には
残らない。したがって、従来内部離型剤を用いた場合に
問題となっていたウレタン成形物表面への内部離型剤の
ブリードに伴う問題が生じることがない。よって、ウレ
タンを材料とするにもかかわらず離型性が良好で、かつ
成形品の取扱に問題のない流体フィルタを提供すること
ができる。
【0009】このような、本発明の流体フィルタにおい
ては、請求項2に記載されるように、上記内部離型剤
が、エアフィルタ油であることが好ましい。エアフィル
タ油は、本来フィルタ本体に吸収させてその能力を向上
させるものであるため、ウレタン形成後表面にブリード
したエアフィルタ油がフィルタ本体に吸収されても、流
体フィルタとしての機能に全く問題がなく、むしろその
機能を向上させるものだからである。また、エアフィル
タ油は、ウレタン成形物からのブリードの速度が速いこ
とから、成形後早期にウレタン成形物から除去すること
が可能となる。したがって、その後の工程に送るための
待ち時間が少なく、効率的だからである。
【0010】さらに、本発明においては、請求項3に記
載するように、前記内部離型剤が、ウレタン100重量
部に対して1〜50重量部配合されていることが好まし
い。
【0011】これは、内部離型剤の含有量が1重量部未
満の場合は、離型性に問題が生じる場合があり、50重
量部を越えると、ブリード後の外枠の寸法の変化が大き
く、寸法精度の面で問題が生じる場合があり、また強度
の面でも問題が生じる場合があるからである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流体フィルタにつ
いて具体的に説明する。本発明の流体フィルタは、上述
したように、フィルタ本体と、内部離型剤を含有するウ
レタン製の外枠とを具備するものであり、特に流体フィ
ルタの外枠に内部離型剤を含有するウレタンを用いたと
ころに特徴を有するものである。
【0013】本発明の流体フィルタは、このように流体
フィルタの外枠に内部離型剤を含有するウレタンを用い
ているので、成形に際して外部離型剤を使用する際に問
題となる成形時の煩雑さ、すなわち外部離型剤の金型へ
の塗布および乾燥を行う必要がないことから、成形工程
を円滑に行うことができる。
【0014】さらに、内部離型剤を用いた場合に通常問
題となる離型剤のブリードに伴う問題は、ウレタン成形
品が流体フィルタの外枠であるという特殊性により解決
されている。すなわち、本発明の流体フィルタの外枠
は、フィルタ本体と接触するように形成されるものであ
る。このフィルタ本体は通常フィルタ材により形成され
ている。このフィルタ材は、成形時乾燥していることか
ら、毛細管現象等により液状物を吸収しやすい特性を有
するものである。したがって、ウレタン成形品に含有さ
れている内部離型剤は、成形後、この流体フィルタのフ
ィルタ本体に吸収される。よって、成形後所定の時間が
経過すれば、ウレタン成形品に含有される内部離型剤の
ほとんどをフィルタ本体のフィルタ材に吸収させること
ができる。したがって、フィルタ本体に内部離型剤を吸
収させた後の外枠は、その表面がべとつく等の内部離型
剤を用いた場合に通常生じる問題が生じることがないの
である。
【0015】本発明は、このように流体フィルタの外枠
に内部離型剤を含有するウレタンを用いたところに大き
な特徴を有するものであるが、本発明に用いられる内部
離型剤としては、フィルタ本体のフィルタ材に吸収され
るものであれば特に限定されるものではない。
【0016】具体的な内部離型剤としては、たとえばジ
メチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオ
イル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性
シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコー
ンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変
性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、
メルカプト変性シリコーンオイル、その他変性シリコー
ンオイル、耐熱向上剤や油性向上剤などを配合した添加
剤入りシリコーンオイルなどのシリコーンオイル、たと
えばアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジア
ルキルジメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル
型4級アンモニウム塩、たとえばアルキルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライドなどのベンジル型4級アン
モニウム塩、たとえばアルキルピリジニウム塩などのピ
リジニウム塩型4級アンモニウム塩、たとえばアルキル
アンモニウムアルキルサルフェート、ポリオキシエチレ
ンアルキルモノメチルアンモニウムクロライドなどの特
殊型4級アンモニウム塩を含む4級アンモニウム塩、た
とえばアルキルアミン酢酸塩、アルキルアミン塩酸塩、
アルキルアミノアルキルアミン酢酸塩、アルキルアミノ
アミン塩酸塩などのカチオン界面活性剤、たとえばアル
キルジメチルベタインなどの両性界面活性剤を含む界面
活性剤、たとえばラウリル酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸などのC6以上の高級脂肪酸、及びこれらの亜鉛、
カリウム、ナトリウムなどの金属塩、たとえばこれら脂
肪酸とメタノール、ブタノール、ステアリルアルコー
ル、ネオペンチルアルコール、グリセリンなどの1価ア
ルコールまたはアルキルポリオールとのエステルたとえ
ばペントラタム、羊毛油、動植物油、鉱物油等の油類、
たとえばポリエチレンワックス、ポリオレフィンオリゴ
マーなどのポリオレフィン系離型剤及びこれらの油類を
配合したポリオレフィン基油配合油などが挙げられる。
【0017】本発明においては、これら内部離型剤が早
急にフィルタ本体のフィルタ材に吸収された方が、その
後の工程の時間短縮等が図れることから好ましい。この
ような点から、本発明に用いられる内部離型剤として
は、ブリードした状態が液状のもので、かつブリードの
速度が速いものが好ましく、具体的には、低粘度(例え
ば、40℃における動粘度が80cSt以下)のオイル
状の内部離型剤、例えば、エアーフィルター油、シリコ
ーン油、マシン油等を挙げることができる。本発明にお
いて、特にエアーフィルタ油を用いることが好ましい。
これは、エアーフィルタ油のブリード速度が速く、かつ
フィルタ本体のフィルタ材に吸収されても、フィルタ本
体の機能を低減させることが無いからである。
【0018】これらの内部離型剤は、単独で、あるいは
2種類以上の混合物として用いることができる。また、
内部離型剤の添加量は、ポリウレタン100重量部に対
して、1〜50重量部が好ましく、5〜20重量部がさ
らに好ましい。添加量がこの範囲より少ない場合は、離
型性に問題が生じる場合があり、添加量がこの範囲を越
えると成形物である流体フィルタの外枠の寸法が変化
し、寸法精度に問題が生じる場合があり、また強度面で
も問題が生じる可能性があるからである。
【0019】本発明の流体フィルタの外枠は、上述した
ように内部離型剤が含有されたポリウレタンにより形成
されている。このポリウレタンとしては、流体フィルタ
の外枠としての要求特性を満たすものであれば、特に限
定されるものではなく、一般的に用いられているポリウ
レタンを用いることができる。このようなポリウレタン
は、イソシアネート化合物と活性水素化合物とを反応さ
せて得られるものである。
【0020】ここで用いられるイソシアネート化合物と
しては、通常用いられているものであれば特に限定され
るものではない。このようなイソシアネート化合物とし
ては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−
トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエ
ーテルジイソシアネート等などの芳香族ジイソシアネー
ト、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート、
もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネー
ト、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペ
ンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジ
イソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、
2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジ
イソシアネート、2,4,4−又は、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイ
ソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシア
ネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,
4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロ
ヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキ
サン等の脂環族ジイソシアネート、及びこれらジイソシ
アネートのカルボジイミド変成体、ビウレット変成体、
アロファネート変成体、二量体、三量体などを挙げるこ
とができ、これらは単独または二種以上の混合物として
用いることができる。これらのうち、好ましくは、脂肪
族ポリイソシアネートまたは芳香族ポリイソシアネート
が用いられるが、特に、得られるポリウレタンの機械的
強度の面から特に芳香族ポリイソシアネートが好まし
い。
【0021】また、活性水素化合物としては、例えばエ
チレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブ
チレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、アルカン(C7-22)ジオール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカ
ン(C17-20)−1,2−ジオール、水素化ビスフェノー
ルA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメ
チル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキ
シエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロ
キシエチレンテレフタレート等の低分子ジオール、グリ
セリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−
プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロ
キシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、
1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,
2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、及び
その他の脂肪族(C8-24)トリオールなどの低分子トリ
オール、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、1,2−ジ
アミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジア
ミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサンジアミノトル
エン、ビス−(4−アミノフェニル)メタン、ビス−
(4−アミノ−3−クロロフェニル)メタン等の低分子
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキ
サミン、2,2′−ジアミノジエチルアミン等の3官能
以上の低分子ポリアミン、前記の低分子ジオール、トリ
オール、ジアミン、3官能以上のポリアミンとエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオ
キサイドとの付加反応によって得られるポリアルキレン
ポリオール、テトラヒドロフランの開環重合によって得
られるポリテトラメチレングリコール、前記低分子ジオ
ール、低分子トリオールの1種または2種以上と、例え
ばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グ
ルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル1,3−ジ
カルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルター
ル酸、アゼライン酸、セバチン酸、他の脂肪族(C11-1
3)ジカルボン酸、ヘット酸及びこれらのカルボン酸か
らなる酸無水物、すなわち無水シュウ酸、無水コハク
酸、無水2−アルキル(C12-18)コハク酸、さらには
これらのカルボン酸からなる酸ハライド、すなわちシュ
ウ酸ジクロライド、アジピン酸クロライド、セバチン酸
クロライド等との反応によって得られるポリエステルポ
リオール、前記低分子ジオール、低分子トリオールを開
始剤としてε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等
のラクトンを開環重合して得られるポリエステルポリオ
ール、前記低分子ジオール、低分子トリオールを開始剤
としてエチレンカーボネートを開環重合して得られるポ
リカーボネートポリオール、ひまし油などの天然油脂ポ
リオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレン
ポリオール等のポリオレフィンポリオール及びこれらの
水素添加物等の通常のポリウレタンの製造に用いられる
活性水素化合物を挙げることができ、これらは単独また
は2種以上の混合物として用いることができる。
【0022】本発明の流体フィルタの外枠を、ポリウレ
タンにより形成する際の成形方法は、原料であるイソシ
アネート化合物と活性水素化合物とを一度に反応させる
いわゆるワンショット法、もしくは過剰のポリイソシア
ネートと活性水素化合物とを反応させることによって得
られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
と、硬化剤として活性水素化合物とを反応させるいわゆ
るプレポリマー法のいずれを用いてもよい。
【0023】プレポリマー法を製造方法とした場合の硬
化剤としては、前記の活性水素化合物をあげることがで
き、これらは単独または2種以上の混合物として用いる
ことができる。これらの活性水素化合物のうちでは、得
られるウレタンの機械強度の点から、ビス−(4−アミ
ノ−3−クロロフェニル)メタン(MOCA)などの芳
香族ジアミン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BH
EB)、キシリレングリコール等の芳香族ジオールが好
ましい。
【0024】本発明においては、このようなウレタン
に、必要に応じて硬化触媒や種々の添加剤、例えば可塑
剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、揺変剤、粘着付与
剤、増粘剤、帯電防止剤、反応遅延剤、脱水剤、酸化防
止剤、加水分解防止剤、耐候安定剤等を適宜用いること
ができる。
【0025】本発明の流体フィルタは、上述したウレタ
ン製の外枠と、フィルタ材からなるフィルタ本体とを具
備するものである。このフィルタ本体に用いられるフィ
ルタ材は、通常流体フィルタとして用いられているフィ
ルタ材であれば特に限定されことなく用いることができ
る。
【0026】次に、本発明の流体フィルタの製造方法に
ついて説明する。なお、ここではプレポリマー法により
形成される例を用いて説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。まず、イソシアネート基末端のプ
レポリマーに内部離型剤を所定量添加し混合する。そし
て、この混合物を加熱して粘度を下げておく。次いで、
これに硬化剤を添加、混合した後、必要に応じて減圧下
脱泡を行う。金型内に上述したフィルタ本体のフィルタ
材の一部が挿入された金型を予め予熱しておき、この金
型に前記混合物を注入する。そして、例えば80〜14
0℃で所定の時間加熱硬化させた後に脱型する。このよ
うにして、フィルタ本体のフィルタ材の一部にポリウレ
タン製の外枠が接着した流体フィルタが得られる。
【0027】このようにして得られた流体フィルタにお
いては、脱型後の外枠を形成するウレタンから含有する
内部離型剤がブリードしてくるが、このブリードしてき
た内部離型剤は、接着しているフィルタ本体のフィルタ
材に吸収されていく。したがって、所定の時間放置する
ことにより、外枠を形成するウレタン内のほとんどの内
部離型剤がフィルタ本体のフィルタ材に吸収される。こ
れにより、従来内部離型剤を用いた際に問題とされてい
た表面のべとつき等のその後の取扱上の問題を生じるこ
とがない。なお、ウレタンは、脱型後、さらに4〜24
時間程度高温にて硬化反応(ポストキュアー)を行い、
また必要に応じて室温にて、たとえば数時間〜7日程度
熟成させることがその特性上好ましいが、本発明におい
ては上記内部離型剤のフィルタ材への吸収期間、言い換
えれば内部離型剤のブリードに要する時間が、上記ポス
トキュアーおよび熟成期間内となるように、内部離型剤
の種類および量を決定することが好ましい。
【0028】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0029】例えば、上述した説明では、内部離型剤を
用いて離型性を確保しているが、本発明においては、さ
らに離型性を向上させるために流体フィルタの製造に際
して従来から用いられている金型に塗布するタイプの外
部離型剤を併用してもよい。また、ウレタンの製造方法
に関しては、プレポリマー法のみならず、ワンショット
法を用いたものであってもよい。
【0030】
【実施例】A液(ポリオール)と、B液(イソシアネー
ト)とからなるウレタンエラストマー原液(ポリウレタ
ン化成株式会社製、商品名:EC−3662−2)のA
液中に、内部離型剤としてエアーフィルタ油であるエア
ークリーナーオイルT(商品名、出光興産株式会社製)
を添加して攪拌した。このエアーフィルタ油は、主成分
としてのパラフィン系炭化水素の鉱物油、および副成分
としてのナフテン系炭化水素の鉱物油からなるものであ
り、40℃における動粘度は31.29cStであっ
た。このエアーフィルタ油の添加量は、ウレタン全量を
100重量部とした場合に10重量部となる量とした。
【0031】次いで、上記内部離型剤が含有されたA液
とB液とを重量比で100:150となるように混合し
て攪拌した。脱泡後、予め80℃に予熱された内部にフ
ィルタ材の一部が挿入されている金型内に混合液を流し
込み、80℃で20分間硬化させた。
【0032】硬化後、脱型して硬化物であるフィルタ材
の一部が接着したウレタンを得た。脱型直後、24時間
後、さらに48時間後でウレタン表面を観察したが、い
ずれもべたつき等の表面状態の不具合はなかった。した
がって、脱型直後、すでに内部離型剤はフィルター材に
吸収されたものと考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明の流体フィルタは、フィルタ本体
と、内部離型剤を含有するウレタンにより前記フィルタ
本体と接触するように形成された外枠とを具備すること
を特徴とするものである。本発明の流体フィルタは、こ
のように内部離型剤を含有するウレタンにより外枠が形
成されているので、外枠の成形の際に容易に離型を行う
ことが可能となる。また、この内部離型剤を含有するウ
レタンにより形成された外枠は、フィルタ本体と接触し
て形成されるものあるので、ウレタン形成後ブリードし
てきた内部離型剤はこのフィルタ本体に吸収されるた
め、ほとんどウレタン表面には残らない。したがって、
従来内部離型剤を用いた場合に問題となっていたウレタ
ン成形物表面への内部離型剤のブリードに伴う問題が生
じることがない。よって、ウレタンを材料とするにもか
かわらず離型性が良好で、かつ成形品の取扱に問題のな
い流体フィルタを提供することができるという効果を奏
するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルタ本体と、内部離型剤を含有する
    ウレタンにより前記フィルタ本体と接触するように形成
    された外枠とを具備することを特徴とする流体フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記内部離型剤が、エアフィルタ油であ
    ることを特徴とする請求項1記載の流体フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記内部離型剤が、ウレタン100重量
    部に対して1〜50重量部配合されていることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の流体フィルタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7179398B1 (ja) * 2021-02-26 2022-11-29 積水ポリマテック株式会社 熱伝導性組成物、熱伝導性部材、バッテリモジュール

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