JP2000350436A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置

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JP2000350436A
JP2000350436A JP11154927A JP15492799A JP2000350436A JP 2000350436 A JP2000350436 A JP 2000350436A JP 11154927 A JP11154927 A JP 11154927A JP 15492799 A JP15492799 A JP 15492799A JP 2000350436 A JP2000350436 A JP 2000350436A
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JP
Japan
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magnet
support ring
braking
outer peripheral
magnet means
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JP11154927A
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English (en)
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Toru Kuwabara
徹 桑原
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動力を確保しつつ磁石の個数を半減するこ
とができる渦電流式減速装置を提供する。 【解決手段】 回転軸によって駆動される制動ドラム
と、制動ドラムの内周面に対向して配設された磁石手段
とを渦電流式減速装置であって、磁石手段は磁性材から
なる磁石支持環と該磁石支持環の外周面に所定の間隔を
おいて配設され外周側と内周側に磁極有する複数個の磁
石とを具備している。磁石支持環は、外周面に設けられ
該複数個の磁石を装着する複数の磁石装着部と、該各磁
石装着部間に設けられ径方向に突出する複数の突出部と
を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の主ブレーキ
としてのフットブレーキを補助し、車両に減速制動を与
えるための渦電流式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両が長い坂道を下る際に、車両に生じ
る加速を抑制するためには車両に制動力を連続的に作用
させる必要があり、この制動力を主ブレーキであるフッ
トブレーキのみによって作用せしめると、ブレーキライ
ニングが焼付き焼損する。このような問題を解消するた
めに大型車両においては、従来から排気ブレーキを装備
して降坂時等に補助ブレーキとして使用しているが、エ
ンジンの高加給化によるエンジンの小排気量化等により
十分な制動力が得られないのが現状である。そこで、車
両の降坂時等において車両の走行速度を減速または制限
する減速制動装置(リターダ)として渦電流式減速装置
が提案され、実用に供されている。
【0003】渦電流式減速装置は、例えば特公平6ー1
4782号公報や特公平7ー118901号公報に開示
されている。特公平6ー14782号公報に開示された
渦電流式減速装置は、車両に搭載された変速機の出力軸
に取り付けられた制動ドラムと、周方向に等間隔をおい
て複数個の永久磁石を装着した環状の磁石手段と、該磁
石手段を制動ドラムに近接せしめて磁石手段が制動ドラ
ムに磁界を及ぼす制動位置と制動ドラムから離間せしめ
て磁石手段が制動ドラムに磁界を及ぼさない制動解除位
置に選択的に作動せしめるアクチュエータとからなって
おり、アクチュエータによって磁石手段を制動位置に位
置付けると制動作用が行われ、磁石手段が制動解除位置
に位置付けられると制動作用が解除される。
【0004】また、特公平7ー118901号公報に開
示された渦電流式減速装置は、車両に搭載された変速機
の出力軸によって駆動される制動ドラムと、該制動ドラ
ムの内周面に対向して配設された固定磁石手段と、該固
定磁石手段と軸方向に隣接して周方向に回動可能に配設
され、所定の制動位置と非制動位置に作動可能に構成さ
れた可動磁石手段と、該可動磁石手段を制動位置と非制
動位置に選択的に作動せしめるアクチュエータとからな
っており、アクチュエータによって磁石手段を制動位置
に位置付けると制動作用が行われ、磁石手段が制動解除
位置に位置付けられると制動作用が解除される。
【0005】上記磁石手段は、磁性材からなる磁石支持
環と該磁石支持環の外周面に所定の間隔をおいて配設さ
れた複数個の永久磁石とを具備している。そして、上記
複数個の永久磁石は、外周側と内周側に磁極を有し、N
極とS極が交互になるように配設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】而して、上記磁石手段
は、永久磁石の外周側である一方の磁極面のみが制動ド
ラムと対向する構成であり、従って、その構成上多数の
永久磁石が必要となる。
【0007】本発明は上記事実に鑑みてなされたもの
で、その主たる技術的課題は、制動力を確保しつつ磁石
の個数を半減することができる渦電流式減速装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記主
たる技術的課題を解決するために、回転軸によって駆動
される制動ドラムと、該制動ドラムの内周面に対向して
配設された磁石手段とを具備し、該磁石手段と該制動ド
ラムとの間に磁気回路形成することにより該制動ドラム
に渦電流を発生させて制動力を得る渦電流式減速装置に
おいて、該磁石手段は、磁性材からなる磁石支持環と該
磁石支持環の外周面に所定の間隔をおいて配設され外周
側と内周側に磁極を有する複数個の磁石とを具備してお
り、該磁石支持環は、外周面に設けられ該複数個の磁石
を装着する複数の磁石装着部と、該各磁石装着部間に設
けられ径方向に突出する複数の突出部とを具備してい
る、ことを特徴とする渦電流式減速装置が提供される。
【0009】また、本発明によれば、回転軸によって駆
動される制動ドラムと、該制動ドラムの内周面に対向し
て配設された固定磁石手段と、該固定磁石手段と軸方向
に隣接して周方向に回動可能に配設され、所定の制動位
置と制動解除位置に作動可能に構成された可動磁石手段
とを具備する渦電流式減速装置において、該固定磁石手
段および該可動磁石手段は、それぞれ磁性材からなる磁
石支持環と該磁石支持環の外周面に所定の間隔をおいて
配設され外周側と内周側に磁極を有する複数個の磁石と
を具備しており、該磁石支持環は、外周面に設けられ該
複数個の磁石を装着する複数の磁石装着部と、該各磁石
装着部間に設けられ径方向に突出する複数の突出部とを
具備している、ことを特徴とする渦電流式減速装置が提
供される。
【0010】更に、本発明によれば、回転軸によって駆
動される制動ドラムと、該制動ドラムに近接する制動位
置と該制動ドラムから離間した制動解除位置に作動可能
に構成された磁石手段とを具備する渦電流式減速装置に
おいて、該磁石手段は、磁性材からなる磁石支持環と該
磁石支持環の外周面に所定の間隔をおいて配設され外周
側と内周側に磁極を有する複数個の磁石とを具備してお
り、該磁石支持環は、外周面に設けられ該複数個の磁石
を装着する複数の磁石装着部と、該各磁石装着部間に設
けられ径方向に突出する複数の突出部とを具備してい
る、ことを特徴とする渦電流式減速装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
渦電流式減速装置の好適実施形態を図示している添付図
面を参照して、更に詳細に説明する。
【0012】図1には、本発明に従って構成された渦電
流式減速装置が車両に搭載された変速機の出力軸に装着
された断面図が示されている。図示の実施形態における
渦電流式減速装置、変速機10の出力軸11にスプライ
ン嵌合され且つナット12によって取り付けられた取付
けフランジ13に固着された制動ドラム20を具備して
いる。制動ドラム20は、取付部211を備えたボス2
1と、該ボス21の図において右端から上方に延びる端
壁22、および該端壁22の上端に溶接等の固着手段に
よって取り付けられた環状の制動部23とによって形成
されており、ボス21の取付部211が上記取付けフラ
ンジ13にボルト14aおよびナット14b等の締結手
段によって固着されている。制動部23は、磁性材によ
って構成されており、その外周面には複数個の放熱フィ
ン24が装着されている。
【0013】次に、上記制動ドラム20の制動部23の
内周面と対向して配設された磁石ハウジング30および
該磁石ハウジング30内に収容される磁石手段40につ
いて説明する。磁石ハウジング30は、取付け部材31
と、該取付け部材31の外周に一体に形成された中空円
環状のハウジング本体32とによって構成されている。
取付け部材31は円盤状に形成されており、その内周側
端部が上記変速機10のケース15に締結ボルト16に
よって取付けられている。中空円環状のハウジング本体
32は、内周壁321と外周壁322と右端壁323と
左端壁324および外周壁322の図において左端から
上方に突出して形成された中間壁325を備えており、
外周壁322が上記制動ドラム20を構成する環状の制
動部23の内周面と僅かな隙間をもって対向して配置さ
れている。ハウジング本体32を構成する外周壁322
および右端壁323は、磁気的絶縁材である例えばアル
ミニウム等の非磁性材によって形成されており、外周壁
322には図2に示すように周方向に所定の間隔をおい
て複数個の窓322aが形成されている。この複数個の
窓322aには、強磁性材からなるポールピース326
が配設されている。好ましくは、ポールピース326は
外周壁322の成型時に鋳ぐまれる。なお、右端壁32
3と中間壁325の上端には蓋板327が取付けボルト
328によって装着されるようになっている。
【0014】磁石手段40は、上記内周壁321の外周
面に内周面がそれぞれ嵌合して配設され、上記外周壁3
22に装着されたポールピース326と対向する位置に
配置された固定磁石手段50と可動磁石手段60とを具
備している。固定磁石手段50は、磁石支持環51と該
磁石支持環51の外周に所定の間隔をおいて配設された
複数個の永久磁石52とからなっている。磁石支持環5
1は、図3および図4に示すように支持環本体511
と、該支持環本体511の外周面に所定の間隔をおいて
設けられた複数の磁石装着部512と、この複数の磁石
装着部512間に設けられ径方向に突出する複数の突出
部513とからなっており、磁性材によって一体的に形
成されている。複数個の永久磁石52は、軽量で強力な
磁力を有するネオジム等の希土類から構成されており、
その内周部両側に係止部521、521が突設されてい
る。なお、図示の実施形態においては、永久磁石52は
N極が外周側にS極が内周側に形成されている。このよ
うに形成された永久磁石52は、支持環本体511の外
周面に設けられた磁石装着部512に配設される。そし
て、永久磁石52は、係止部521、521に係合する
非磁性材からなる固定具53と、該固定具53を支持環
本体511に締結する複数のボルト54によって支持環
本体511に固定される。なお、図示の実施形態におい
ては、上記磁石支持環51の突出部513の高さと、永
久磁石52の高さとは略同じ寸法に形成されている。ま
た、磁石支持環51の突出部513の周方向長さは、永
久磁石52の周方向長さと略同じ寸法に形成されてい
る。以上のように構成された固定磁石手段50は、固定
ピン329によって上記ハウジング本体32の右端壁3
23に固定される。
【0015】可動磁石手段60も上記固定磁石手段50
と同様に、磁石支持環61と該磁石支持環61の外周に
所定の間隔をおいて配設された複数個の永久磁石62と
からなっている。磁石支持環61は、図3および図4に
示すように支持環本体611と、該支持環本体611の
外周面に所定の間隔をおいて設けられた複数の磁石装着
部612(図2参照)と、この複数の磁石装着部612
間に設けられ径方向に突出する複数の突出部613とか
らなっており、磁性材によって一体的に形成されてい
る。なお、該磁石支持環61に設けられた磁石装着部6
12と突出部613とのピッチは、上記固定磁石手段5
0の磁石支持環51に設けられた磁石装着部512と突
出部513とのピッチと同一寸法に構成されている。こ
のように形成された磁石支持環61の支持環本体611
には、その内周面にステンレススチール板によって形成
され表面に摩擦係数の小さい材料である例えばテフロン
(商品名)をコーティングした環状の摺動部材65が装
着されている。このように構成された磁石支持環61
は、摺動部材65を上記ハウジング本体32の内周壁3
21の外周面に接触せしめて周方向に摺動可能に配設さ
れている。複数個の永久磁石62は、ネオジム等の希土
類からなり、N極が外周側にS極が内周側に形成されて
おり、その内周部両側に係止部(固定磁石手段50を構
成する永久磁石52の係止部521、521に対応す
る)が突設されている。このように形成された永久磁石
62は、支持環本体611の外周面に設けられた磁石装
着部612に配設され、非磁性材からなる固定具63
と、該固定具63を支持環本体611に締結する複数の
ボルト64によって支持環本体511に固定される。な
お、図示の実施形態においては、上記磁石支持環61の
突出部613の高さと、永久磁石62の高さとは略同じ
寸法に形成されている。また、磁石支持環61の突出部
613の周方向長さも、永久磁石62の周方向長さと略
同じ寸法に形成されている。
【0016】上記可動磁石手段60の支持環本体611
には、その図1において左端にアーム66が取り付けら
れている。このアーム66は、図示しない磁石作動アク
チュエータに連結されている。図示しない磁石作動アク
チュエータは可動磁石手段60を上記内周壁321の外
周面上を周方向に摺動せしめる。なお、磁石作動アクチ
ュエータによる可動磁石手段60の作動量は、図示の実
施形態においては永久磁石62と支持環本体611に形
成された突出部613との間隔に相当する寸法に設定さ
れている。
【0017】図示の実施形態における渦電流式減速装置
は以上のように構成されており、以下その作動について
説明する。先ず、制動動作について説明する。図示しな
い磁石作動アクチュエータによって可動磁石手段60を
一方向に回動せしめ、図3に示すように固定磁石手段5
0の永久磁石52と可動磁石手段60の永久磁石62お
よび固定磁石手段50の突出部513と可動磁石手段6
0の突出部613とがそれぞれ隣接する制動位置に位置
付けることによって、制動作用が行われる。
【0018】以下、制動作用について、図3および図4
を参照して説明する。図示の実施形態においては、固定
磁石手段50の永久磁石52および可動磁石手段60の
永久磁石62は外周側がN極で内周側がS極に構成され
ているので、永久磁石のS極側を装着した固定磁石手段
50の磁石支持環51に設けられた突出部513および
可動磁石手段60の磁石支持環61に設けられた突出部
613は、図3および図4に示すようにS極となってい
る。従って、可動磁石手段60が図3に示す制動位置に
位置付けられると、固定磁石手段50および可動磁石手
段60の周方向に隣接する永久磁石52と突出部513
および永久磁石62と突出部613が、制動部23との
間に配設され非磁性材によって形成されたハウジング本
体32の外周壁322で磁気的に絶縁された強磁性材か
らなるポールピース326を磁気通路として、制動ドラ
ム20の制動部23と磁気的に接続される。この結果、
固定側である固定磁石手段50および可動磁石手段60
と回転側である制動ドラム20の制動部23とを通る磁
気回路41および41が形成される。従って、固定磁石
手段50および可動磁石手段60と制動ドラム20の制
動部23との相対速度差によって制動部23の内周面に
渦電流が生じ、制動部23は制動トルクを受ける。以上
のように、図示の実施形態においては、固定磁石手段5
0および可動磁石手段60は、永久磁石52と突出部5
13および永久磁石62と突出部613とがそれぞれ交
互に配列され、突出部513および突出部613がそれ
ぞれS極として機能するので、永久磁石52および永久
磁石62を従来のものに比して半分となる。なお、上述
した制動時における上記磁気回路41および41は従来
のものと同様であるので、制動力は従来のものと同等に
維持することができる。
【0019】次に、制動解除動作について説明する。上
記図3および図4に示す状態から、図示しない磁石作動
アクチュエータによって可動磁石手段60を他方向に作
動して可動磁石手段60を他方向に回動せしめる。そし
て、図5および図6に示すように固定磁石手段50の永
久磁石52と可動磁石手段60の突出部613および固
定磁石手段50の突出部513と可動磁石手段60の永
久磁石62がそれぞれ隣接する制動解除位置に位置付け
ると、制動作用が解除される。
【0020】以下、制動作用が解除される理由につい
て、図5および図6を参照して説明する。図5および図
6に示すように、固定磁石手段50の永久磁石52と可
動磁石手段60の突出部513および固定磁石手段50
の突出部613と可動磁石手段60の永久磁石62がそ
れぞれ隣接する制動解除位置に位置付けられると、互い
に隣接する永久磁石52と突出部613および突出部5
13と永久磁石62が互いに異極となっていることか
ら、ポールピース326を介して磁気的に接続され、ポ
ールピース326を通る磁気短絡回路42が形成され
る。従って、制動ドラム20の制動部23の内面へ垂直
に作用する磁界は極めて微弱なものとなり、制動部23
には制動トルクが発生せず、制動作用が解除される。
【0021】次に、本発明に従って構成された渦電流式
減速装置の他の実施形態について、図7および図8を参
照して説明する。なお、図7および図8に示す実施形態
における渦電流式減速装置は、磁石ハウジング30およ
び該磁石ハウジング30内に収容される磁石手段40が
上記図1乃至図6に示す実施形態と異なるが、他の構成
は図1乃至図6に示す実施形態と実質的に同一であるの
で、同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は
省略する。図7に示す渦電流式減速装置における磁石ハ
ウジング30は、中空円環状のハウジング本体32を構
成する外周壁322a即ち、制動ドラム20を構成する
環状の制動部23の内周面と対向する外周壁322a
が、非磁性材からなる薄板によって形成されている。こ
の外周壁322aは、例えばオーステナイト系のステン
レススチール、アルミニウム、耐熱性合成樹脂、強化繊
維入りカーボン材等によって厚さ0.5〜1.0mm程
度で円筒状に形成され、ボルト等の固着手段によってハ
ウジング本体32を構成する右端壁323および中間壁
325により結合されている。このように図7および図
8に示す渦電流式減速装置においては、ハウジング本体
32を構成する外周壁322aを非磁性材からなる薄板
によって形成することにより、上記図1乃至図6に示す
実施形態におけるポールピース326を除去することが
できる。
【0022】磁石手段40は、上記ハウジング本体32
を構成する内周壁321の外周面に内周面が嵌合された
強磁性材からなる磁石支持環71と、該磁石支持環71
の外周に所定の間隔をおいて配設された複数個の永久磁
石72とからなっている。磁石支持環71は、図8に示
すように支持環本体711と、該支持環本体711の外
周面に所定の間隔をおいて設けられ径方向に突出する複
数の磁石装着部712と、この複数の磁石装着部712
間に設けられた複数の突出部713とからなっており、
磁性材によって一体的に形成されている。複数個の永久
磁石72は、ネオジム等の希土類から構成されており、
その内周部両側に係止部721、721が突設されてい
る。なお、図示の実施形態においては、永久磁石72は
N極が外周側にS極が内周側に形成されている。このよ
うに形成された永久磁石72は、支持環本体711の外
周面に設けられた磁石装着部712に配設される。そし
て、永久磁石72は、係止部721、721に係合する
非磁性材からなる固定具73と、該固定具73を支持環
本体711に締結する複数のボルト74によって支持環
本体711に固定される。なお、図示の実施形態におい
ては、上記磁石支持環71の突出部713の高さと、永
久磁石72の高さとは略同じ寸法に形成されている。ま
た、磁石支持環71の突出部713の周方向長さは、永
久磁石72の周方向長さと略同じ寸法に形成されてい
る。上記石支持環71には、その図7において左端に作
動ロッド76が取り付けられている。この作動ロッド
は、図示しない磁石作動アクチュエータに連結されてい
る。
【0023】図7および図8に示す渦電流式減速装置は
以上のように構成されており、その作用について説明す
る。渦電流式減速装置によって制動を行う場合は、図示
しない磁石作動アクチュエータを作動して、磁石支持環
71を図7において実線で示す制動位置に位置付ける
と、制動作用が行われる。即ち、磁石手段40の永久磁
石72は外周側がN極で内周側がS極に構成されている
ので、S極側を装着した磁石手段40の磁石支持環71
に設けられた突出部713は、図8に示すようにS極と
なっている。従って、磁石手段40が図7において実線
で示す制動位置に位置付けられると、磁石手段40の永
久磁石72は非磁性材からなる薄肉の外周壁322aを
経て制動ドラム20を構成する環状の制動部23へ磁界
を及ぼし、図8に示すように制動部23と磁石支持環7
1との間に磁気回路43が形成される。従って、回転す
る制動部23が磁界を横切る際に制動部23に渦電流が
発生じ、制動部23は制動トルクを受ける。図7および
図8に示す実施形態においても上記図1乃至図6に実施
形態を同様に、磁石手段40は、永久磁石72と突出部
713とがそれぞれ交互に配列され、突出部713がそ
れぞれS極として機能するので、永久磁石72を従来の
ものに比して半分となる。なお、上述した制動時におけ
る上記磁気回路43は従来のものと同様であるので、制
動力は従来のものと同等に維持することができる。
【0024】次に、制動を解除する場合について説明す
る。図7において実線で示す制動状態から、図示しない
磁石作動アクチュエータを作動して、磁石手段40を図
7において2点鎖線で示す制動解除位置に位置付ける。
磁石手段40が制動解除位置に位置付けられると、永久
磁石72は制動ドラム20を構成する制動部23と対向
しないので、制動部23は制動トルクを受けない。
【0025】次に、磁石手段40を構成する磁石支持環
71の他の実施形態について、図9を参照して説明す
る。図9に示す磁石支持環71は、突出部713aを支
持環本体711と別体に形成し、溶接によって支持環本
体711の外周面に取り付けたものである。そして、支
持環本体711の外周面に設けられた磁石装着部712
に上記永久磁石72が装着される。
【0026】次に、磁石手段40を構成する磁石支持環
71の更に他の実施形態について、図10を参照して説
明する。図10に示す磁石支持環71は、突出部713
bを支持環本体711と別体に形成し、ボルト74によ
って支持環本体711の外周面に取り付けたものであ
る。そして、支持環本体711の外周面に設けられた磁
石装着部712に上記永久磁石72が装着される。
【0027】次に、磁石手段40の他の実施形態につい
て、図11を参照して説明する。図11に示す磁石手段
40は、突出部713cを支持環本体711と別体に形
成するとともに、その周方向両側に係止部714c、7
14cを突設し、この突出部713cと磁石装着部71
2に配設された永久磁石72とを、固定具73と該固定
具73を支持環本体711に締結する複数のボルト74
によって支持環本体711に固着したものである。即
ち、突出部713cの周方向両側に設けられた係止部7
14c、714cと永久磁石72の周方向両側に設けら
れた係止部721a、721aに固定具73を係合し、
この固定具73を複数のボルト74によって支持環本体
711に締結するすることにより、突出部713cと永
久磁石72が支持環本体711に固着される。
【0028】以上、本発明を図示の実施形態に基づいて
説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるもので
はなく、本発明の技術思想の範囲で種々の変形は可能で
ある。例えば、図示の実施形態においては、磁石装置と
して永久磁石を用いた例を示したが、電磁石を用いても
よい。
【0029】
【発明の効果】本発明による渦電流式減速装置は以上の
ように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏
する。
【0030】即ち、本発明によれば、回転軸によって駆
動される制動ドラムと、該制動ドラムの内周面に対向し
て配設された磁石手段とを具備する渦電流式減速装置で
あって、磁石手段は磁性材からなる磁石支持環と該磁石
支持環の外周面に所定の間隔をおいて配設され外周側と
内周側に磁極を有する複数個の磁石とを備え、磁石支持
環は外周面に設けられ複数個の磁石を装着する複数の磁
石装着部と各磁石装着部間に設けられ径方向に突出する
複数の突出部とを具備しているので、突出部が磁極とし
て機能するため、磁石を従来のものに比して半減するこ
とができる。しかも、制動時における磁気回路は従来の
ものと同様であるので、制動力は従来のものと同等に維
持することができる。従って、本発明によれば、同一の
制動能力を有する渦電流式減速装置を安価に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された渦電流式減速装置の
一実施形態を示す要部断面図。
【図2】図1に示す渦電流式減速装置を構成する磁石ハ
ウジングおよび磁石手段を示す部分斜視図。
【図3】図1に示す渦電流式減速装置の制動状態におけ
る磁石手段の部分斜視図。
【図4】図1に示す渦電流式減速装置の制動状態におけ
るA−A線断面図。
【図5】図1に示す渦電流式減速装置の非制動状態にお
ける磁石手段の部分斜視図。
【図6】図1に示す渦電流式減速装置の非制動状態にお
ける要部断面図。
【図7】本発明に従って構成された渦電流式減速装置の
他の実施形態を示す要部断面図。
【図8】図7に示す渦電流式減速装置の制動状態におけ
るB−B線断面図。
【図9】本発明に従って構成された渦電流式減速装置に
用いられる磁石手段を構成する磁石支持環の他のを示す
要部正面図。
【図10】本発明に従って構成された渦電流式減速装置
に用いられる磁石手段を構成する磁石支持環の更に他の
実施形態を示す要部正面図。
【図11】本発明に従って構成された渦電流式減速装置
に用いられる磁石手段の他の実施形態を示す要部断面
図。
【符号の説明】
10:変速機 11:変速機の出力軸 20:制動ドラム 23:制動ドラムの制動部 24:放熱フィン 30:磁石ハウジング 40:磁石手段 50:固定磁石手段 51:磁石支持環 511:支持環本体 512:磁石装着部 513:突出部 52:永久磁石 53:固定具 60:可動磁石手段 61:磁石支持環 611:支持環本体 613:突出部 62:永久磁石 63:固定具 65:摺動部材 66:アーム 71:磁石支持環 711:支持環本体 712:磁石装着部 713:突出部 72:永久磁石 73:固定具 76:作動ロッド 713a:突出部 713b:突出部 713c:突出部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸によって駆動される制動ドラム
    と、該制動ドラムの内周面に対向して配設された磁石手
    段とを具備し、該磁石手段と該制動ドラムとの間に磁気
    回路形成することにより該制動ドラムに渦電流を発生さ
    せて制動力を得る渦電流式減速装置において、 該磁石手段は、磁性材からなる磁石支持環と該磁石支持
    環の外周面に所定の間隔をおいて配設され外周側と内周
    側に磁極を有する複数個の磁石とを具備しており、 該磁石支持環は、外周面に設けられ該複数個の磁石を装
    着する複数の磁石装着部と、該各磁石装着部間に設けら
    れ径方向に突出する複数の突出部とを具備している、 ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 【請求項2】 回転軸によって駆動される制動ドラム
    と、該制動ドラムの内周面に対向して配設された固定磁
    石手段と、該固定磁石手段と軸方向に隣接して周方向に
    回動可能に配設され、所定の制動位置と制動解除位置に
    作動可能に構成された可動磁石手段とを具備する渦電流
    式減速装置において、 該固定磁石手段および該可動磁石手段は、それぞれ磁性
    材からなる磁石支持環と該磁石支持環の外周面に所定の
    間隔をおいて配設され外周側と内周側に磁極を有する複
    数個の磁石とを具備しており、 該磁石支持環は、外周面に設けられ該複数個の磁石を装
    着する複数の磁石装着部と、該各磁石装着部間に設けら
    れ径方向に突出する複数の突出部とを具備している、 ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  3. 【請求項3】 回転軸によって駆動される制動ドラム
    と、該制動ドラムに近接する制動位置と該制動ドラムか
    ら離間した制動解除位置に作動可能に構成された磁石手
    段とを具備する渦電流式減速装置において、 該磁石手段は、磁性材からなる磁石支持環と該磁石支持
    環の外周面に所定の間隔をおいて配設され外周側と内周
    側に磁極を有する複数個の磁石とを具備しており、 該磁石支持環は、外周面に設けられ該複数個の磁石を装
    着する複数の磁石装着部と、該各磁石装着部間に設けら
    れ径方向に突出する複数の突出部とを具備している、 ことを特徴とする渦電流式減速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102315704A (zh) * 2010-06-30 2012-01-11 阿斯莫有限公司 电动机以及转子
JP2012016131A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Asmo Co Ltd ロータ、及びモータの製造方法

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