JP2000349389A - 発光装置 - Google Patents

発光装置

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JP2000349389A
JP2000349389A JP11154611A JP15461199A JP2000349389A JP 2000349389 A JP2000349389 A JP 2000349389A JP 11154611 A JP11154611 A JP 11154611A JP 15461199 A JP15461199 A JP 15461199A JP 2000349389 A JP2000349389 A JP 2000349389A
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Akira Mizuyoshi
明 水由
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッケージに密封された発光装置において、
パッケージ内の汚染物質による出力低下を防止して安定
な光出力を得、信頼性を向上させる。 【解決手段】 1つ以上の光学部材がパッケージ内に密
封されてなる発光装置において、光学部材の少なくとも
1つ以上の光通過端面に形成されるコート膜の最も外側
に形成される膜をTiO2膜24とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光装置に関し、
特に、発光装置を構成する光学部材の端面にコート膜が
形成されており、実装パッケージに密封された発光装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、印刷機器、画像処理装置等の
光源としての半導体レーザ装置および波長変換装置をは
じめ、様々な用途の発光装置が知られているが、このよ
うな発光装置は、光出力や発振波長の安定化のために、
通常、ペルチェ素子等により温度制御が行われており、
また、使用される環境での塵芥による影響や温度変化に
よる結露を防止するために、金属製のケース等に乾燥空
気や乾燥窒素により封止されるのが一般的である。例え
ば、発振波長809nm帯で、光出力1Wのペルチェ素
子内蔵型半導体レーザ装置があるが、この装置は、ケー
ス内に、半導体レーザ素子と、半導体レーザを接着する
ヘッダーと、ペルチェ素子と、ヘッダーとペルチェ素子
との間に使用する熱伝導性のよい基準板とが内蔵されて
いる。さらに、このケースは、光取出し用の窓付き金属
ふたが、パラレルシーム溶接により溶接される。
【0003】これらの部品を組み立てる際、半導体レー
ザ素子とヘッダーの間では、例えば金錫、錫鉛、または
インジューム錫等の合金ハンダまたは、錫あるいはイン
ジュームなどのハンダが使用される。また、このハンダ
付けの際、ハンダ表面の酸化等によって固着したい面で
のハンダの濡れ性が低下することを回避するために、例
えばフラックス等の有機物を含む材料を使用することが
ある。後でこのフラックスは有機溶剤などで洗浄し取り
除くが、パッケージ内の表面積が大きい場合、あるいは
光学素子の微細な隙間にフラックスが入り込んだ場合は
取り除くことが非常に難しい。また、ハンダ接着方法
は、ヘッダーと熱伝導性基準板の間にも使用され、フラ
ックスを使用する頻度も通常でも数回あるので、パッケ
ージ内の汚染の可能性が高くなる。
【0004】また、このような半導体レーザ装置は、光
出力や発振波長を安定にするために温度調節されている
が、そのための素子温度を測定するサーミスタがヘッダ
ーに固定され内蔵されるのが一般的である。しかし、こ
のサーミスタをヘッダーに固定するためには、シリコー
ン系などの熱伝導性接着剤が使用されており、これらの
接着剤にはシロキサンあるいは軟化剤などの有機物を含
むため、これらによる汚染が生じることがある。
【0005】さらに、ペルチェ素子とパッケージの接着
あるいはペルチェ素子と熱伝導性基準板との接着には、
例えば銀ペーストなどを用いることがあるが、後でこの
銀ペーストに含まれるフィラーを100〜150℃の適
当なガス出しベーキングにより取り除くが、脱ガスしき
れずに内部に吸着して残る場合がある。
【0006】上記のように、装置内の汚染源は、部品を
組み立てる際の、部材の固定を行ったり、電気的な導通
を形成したり、熱伝導を確保するために必然的に行う、
いわゆる接着工程によるものだけではなく、使用する部
材そのものに付着していてパッケージ内に持ち込まれる
場合もある。このような状態のまま、パッケージを乾燥
窒素あるいは乾燥空気中で密封した場合に、内在するこ
れらの汚染物質が、光学部材の表面に堆積し、光路を遮
り、光量低下などの問題を引き起こす。この現象は、と
りわけ光強度の光密度の高い部分で起きやすい。
【0007】これらのレーザ装置の連続発振時の発光強
度の光密度は、低出力時は、およそ0.5MW/cm2
(光出力およそ150mWで、光スポット径がおよそ縦
1μm、横30μmの時)であり、高出力時では、およ
そ2MW/cm2(光出力およそ6Wで、光スポット径
がおよそ縦1μm、横300μmの時)となり、光密度
が高くなるに従い、光出射端近傍で汚染物質の堆積が増
加することとなる。そこで、レーザ装置を一定電流で連
続動作させながら、光強度の経時変化を観察してみる
と、光強度の低下の程度は、時間の経過と共に徐々に加
速されることが判った。これは、光出射端面に何らかの
異物が付着すると、その異物自身が光を吸収し、さらに
これら異物自身がその堆積速度を速めるためと考えられ
る。このことからレーザ装置内の汚染物質はレーザ装置
の経時信頼性を保証する上で非常に大きな問題であっ
た。
【0008】また、半導体レーザ素子を励起光源に用い
て、YAGあるいはYVO4などのレーザ光学結晶を励
起し、赤外光を得て、その赤外光を例えばKTPなどの
波長変換素子に入射して半分の波長の光を得る構成の波
長変換装置の場合には、上述した異物の堆積速度が特に
速くなることがある。これは、光の波長が短くなるこ
と、つまり1個あたりのフォトンの光のエネルギーが増
加することに起因しており、この装置のより低い光パワ
ー密度においても異物の堆積などが生じる。このため、
とくにイントラキャビティ方式の第2次高調波発生装置
においては、密封した場合の光路上の光学部材表面での
異物による汚染は、信頼性確保の上で重大な問題であっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
発光装置あるいは波長変換装置では、パッケージに密封
した場合、発光部の端面や光学部材の光透過部分に、実
装の際のフラックスや導電性ペーストや接着剤などの有
機物の残留物が異物となって堆積し、徐々に光出力が低
下したり、ついには停止したりする問題があった。
【0010】本発明は上記事情に鑑みて、密封された発
光装置内に残留する有機物等が光出力を低下することを
防止し、光出力の安定した信頼性の高い発光装置を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発光装置は、1
つ以上の光学部材がパッケージ内に密封されてなる発光
装置において、前記光学部材少なくとも1つ以上の光通
過端面に形成された1つ以上の層からなるコート膜の最
も外側に形成された層が、TiO2、TiO2とAlO2
の混合材料、およびTiO2とSiO2の混合材料のいず
れか一つからなることを特徴とするものである。
【0012】最も外側に形成された層は、Ru、Coお
よびCuのいずれか一つ以上が添加されているものであ
ってもよい。
【0013】また、最も外側に形成された層の光学膜厚
は、1/4波長以上であることが望ましい。また、この
とき、最も外側に形成された層は、酸素を含む雰囲気で
形成されたものであってもよい。
【0014】また、最も外側に形成された層は、100
℃以上で形成されたものであることが望ましい。 ま
た、最も外側に形成された層は、電子ビーム蒸着法、反
応性電子ビーム蒸着法、反応性イオンアシスト電子ビー
ム蒸着法、反応性スパッタリング法およびECRスパッ
タリング法のいずれか一つの方法により形成されている
ことが望ましい。
【0015】また、上記記載による本発明は、光通過端
面における光密度が0.5MW/cm2以上の発光装置
において使用することはより効果的である。
【0016】
【発明の効果】本発明の発光装置によれば、1つ以上の
光学部材がパッケージ内に密封されてなる発光装置にお
いて、光学部材の少なくとも1つ以上の端面に形成され
た1つ以上の層からなるコート膜の最も外側に形成され
た層が、TiO2、TiO2とAlO2の混合材料、およ
びTiO2とSiO2の混合材料のいずれか一つにより形
成されているため、TiO2の表面で起こる酸化還元反
応により、密封容器内の有機物等の不純物を分解できる
ので、光出射端面に不純物が付着して出力を低下させる
のを回避できるため、安定した光出力を得ることができ
る。
【0017】また、最も外側に形成された層に、Ru、
Co、Cuのいずれか一つ以上が添加されていることに
より、TiO2膜の吸収の少ない紫外から紫外より長波
長側の光を吸収できるので、特に、紫外領域の光が吸収
されて欲しいような、例えば赤色発光領域を有する発光
装置等に、波長選択性を持たせることができる。
【0018】また、最も外側に形成された層の光学膜厚
を1/4波長以上とすることにより、TiO2の光触媒
効果がより大きいため、汚染物質の分解をより効果的に
行うことができる。また、光学膜厚を1/4波長以上と
することにより、酸化雰囲気で形成されるTiO2のよ
うな屈折率が変動しやすい膜の場合は、万一屈折率の変
動があっても、光出射面の反射率の変動が少ないという
利点がある。
【0019】また、最も外側に形成された層が、100
℃以上の温度で形成されたものであることによりTiO
2のいくつかの結晶系のうち、光触媒効果の一番大きい
アナターゼ(鋭錘石)結晶系を多く含むため、より効果
的に装置内の汚染物質を除去できる。
【0020】また、光通過端面における光密度が0.5
MW/cm2以上の発光装置は、光通過端面での汚染物
質の堆積速度が速いため、このような発光装置に本発明
によるコート膜を適応することは効果的である。
【0021】また、これまで、装置内の汚染物質を分解
するためにパッケージ内に酸化性のガスを封入してお
り、このため、キャップを取り付ける際のシーム溶接時
に、溶接箇所が変色したり、不安定になりリークが発生
することがあったが、TiO2の酸化還元反応により、
例えば汚染物質の有機物は酸化されて、二酸化炭素と水
に分解され、この水がTiO2表面で活性酸素の発生源
として作用するので、密封する際にあえて酸化性のガス
を封入する必要がなく、乾燥窒素で行うことができ、安
定な溶接を歩留まり良く行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施の形態による発
振波長808nm帯の半導体レーザ装置の実装図を示
す。ここでは半導体レーザ素子15を構成する半導体層の
作成過程は省略し、その後のコート膜作成過程から説明
する。
【0024】本実施の形態による半導体レーザ装置は、
ケース11内に半導体レーザ素子15と、半導体レーザ素子
15がボンディングされたヘッダー14と、ヘッダー14とペ
ルチェ12の間に配された熱伝導性基板13と、ケース11を
気密封止するための光取出し用窓17を備えたキャップ16
とからなるものである。
【0025】本実施の形態による半導体レーザ装置は、
固体レーザ励起用として主に用いられているものであ
り、高い光出力が望まれるために、光を取出して使う側
つまり光出射端面の反射率を下げ、反対側の端面(いわ
ゆる後端面)の反射率を上げる、非対称端面コートが施
されている。この反射率は光出射端側は、およそ4%か
ら30%程度、後端は80%から90%以上となるよう
に形成される。
【0026】図2にこの半導体レーザ素子15の側面図を
示す。
【0027】図2に示すように、半導体レーザ素子15の
光出射端面には誘電体膜を所望の厚さに成膜することに
より、上記4%〜30%程度の所望の反射率に制御して
いる。ここではアルミナ(Al23)をこの材料中での
1/4波長厚から1/2波長厚に制御して実現されてい
る。
【0028】半導体レーザ素子15の端面の第1層、つま
り半導体層21との界面にはアルミナを用いるのが一般的
であり、これは半導体レーザ素子を構成するGaAsや
InP結晶と熱膨張係数の差が小さいこと、また、電子
ビーム蒸着法やRFスパッタリング、ECRスパッタリ
ングなどにより容易に緻密で発振波長領域で吸収の少な
い光学特性の良い膜が得られるためである。
【0029】次に、Al23膜22の上に、TiO2膜24
を電子ビーム蒸着法や、反応性電子ビーム蒸着、反応性
イオンアシスト電子ビーム蒸着法やRFスパッタリン
グ、ECRスパッタリングなどにより、適当な厚さで蒸
着する。この時の制御可能な反射率は0.2%程度から
50数%までである。
【0030】図3に、この光出射端面での反射率の、A
23膜22が1/4波長膜厚以下のときのTiO2膜24
に対する依存性を計算した結果を示す。横軸はTiO2
膜24の808nm帯波長におけるTiO2膜24中での膜
厚を波長厚さとして示す。縦軸は808nm帯半導体レ
ーザ素子の光出射端面における反射率を示す。
【0031】図3から、例えば、光出射面の反射率を3
0%にするときには、Al23膜22を0.25波長厚、
TiO2膜24を0.4波長膜厚にすることによって作成
することが可能である。さらに、TiO2膜24の光触媒
反応の効果を大きくするためには、より膜厚の厚い方が
よく、また、半導体レーザ素子15の端面にとっては、T
iO2膜24の持つ歪みや熱膨張係数の違いにより生じる
歪みの影響を抑えるためには、なるべく薄く方がよい。
TiO2膜24からの歪みを半導体レーザ端面に与える影
響を小さくするためには、Al23膜22の厚さを厚くす
ることも効果的である。
【0032】また、先に述べた30%成膜例では、Ti
2膜24の厚さあるいは、屈折率の変化にたいして敏感
に反射率が変化するため、歩留まりよく安定に製造する
上では好ましくない。特に、TiO2膜24は、酸素を混
入した雰囲気で、例えば、イオンアシスト電子ビーム蒸
着法によって成膜されるが、屈折率が変化しやすい。こ
れらのことを考え合わせた上で、より好ましい条件例を
次に述べる。
【0033】そこで、Al23膜22が1/2波長膜厚よ
り厚い場合の、光出射面の反射率のTiO2膜厚に対す
る依存性について計算した結果を図4に示す。Al23
膜22の厚さが0.45波長の場合、TiO2膜24の厚さ
が、図ではTiO2膜厚は0.5までしか記載されてい
ないが、およそ0.52波長の場合に、TiO2膜24の
厚さあるいは屈折率の変化に対して反射率の変化を小さ
くすることができる。従って、Al23膜22を1/2波
長膜厚以上つけることにより、TiO2膜24で生じる歪
みにより半導体レーザ端面の結晶に欠陥あるいは転位が
生じることを防ぎ、またTiO2膜24を1/4波長膜厚
以上堆積することにより、TiO2膜24での光吸収によ
る光触媒効果を得ることができる。
【0034】このTiO2膜による効果は一般的に知ら
れているように、TiO2表面での酸化還元反応によ
り、種々の活性酸素が生成し、これらが反応中間体とし
て作用して、表面に吸着した種々の分子を酸化または還
元すると考えられている。例えば、有機物の汚れは酸化
され、二酸化炭素と水に分解されるものと考えられ、こ
の水はTiO2膜表面での活性酸素の発生源としても作
用する。このことはパッケージを密封する際の雰囲気
に、例えば空気のように酸素などのような酸化性ガスを
含んでいる必要はなく乾燥窒素やその他の不活性ガスで
密封することが可能であることを示している。
【0035】また、TiO2膜表面になにも堆積してい
ないときには、TiO2膜での光吸収は小さいが、いっ
たん堆積物が付くと光吸収が増大してしまう。このと
き、TiO2膜は効果的に膜表面で酸化還元反応が起こ
る。従って、これまで半導体レーザ素子端面に何らかの
異物が付着すると、その異物自身が光を吸収し、さらに
これらの異物の堆積速度を速めることにより急速に素子
が劣化するということがあったが、TiO2等の膜を最
も外側のコート膜としてつけることにより、この劣化を
防止することできる。
【0036】次に本発明の第2の実施の形態による半導
体レーザ励起固体レーザ装置について説明する。
【0037】図5にイントラキャビティ方式による第2
次高調波を発生する半導体レーザ励起固体レーザ装置を
示す。
【0038】本実施の形態による固体レーザ装置は、励
起光であるレーザビーム50を発する半導体レーザー素子
51と、発散光であるレーザービーム50を集光する集光レ
ンズ52と、レーザビーム50により励起されレーザ発振す
るYAG結晶53と、このYAG結晶53の前方側つまり半
導体レーザー51と反対側に配された凹面ミラー56と、Y
AG結晶53と凹面ミラー56との間には、YAG結晶53側
から順に、エタロン54、波長変換素子55を備えるもので
あり、これらの光学部材はパッケージに密封されてい
る。
【0039】YAG結晶53は、入射したレーザービーム
50によって励起され、変換光57を発する。YAG結晶53
の入射端面53aには、変換光57の光は良好に反射させ、
励起用レーザービーム50は良好に透過させるコートが施
されている。一方凹面ミラー56のミラー面56aには、変
換光57は良好に反射させ、波長変換素子55の発する光58
は透過させるコートが施されている。
【0040】したがって、変換光57の光はそれに対する
高反射面となっているYAG結晶端面53aとミラー面56
aとの間に閉じ込められてレーザー発振を引き起こし、
レーザービームが発生する。このレーザービームは波長
変換素子55により、波長が1/2の第2高調波58に変換
され、凹面ミラー56からは主にこの第2高調波58が出射
する。
【0041】上記のような装置において、特に波長が短
いほど、また光パワー密度が高いほど、光学部材の表面
で密封パッケージ内での不純物の堆積が顕著に生じる。
このため、端面の反射率制御膜である、たとえば、YA
G結晶53のコート膜53a、53bやエタロン54のコート膜
54a、54b、または波長変換素子55のコート膜55a、55
b、凹面ミラー56のコート56a、56bなどの最終膜とし
て、TiO2膜を用いることが可能である。特に、Ti
2膜は短波長の方が光触媒効果が大きく、先に述べた
ように汚染物の堆積は短波長ほど生じやすいので、非常
に効果的に光学部材の汚染を防止できる。
【0042】また、TiO2膜は、アナターゼ(鋭錘
石)や、ルチル(金紅石)、ブルカイト(板チタン石)
などの代表的な結晶系を持つが、一般的に知られている
ようにアナターゼ型の方がルチルに比較して光活性が高
い。このため、TiO2膜を成膜する際に、このアナタ
ーゼ結晶系をより多く含む膜の方が、効果的に汚染を除
去できる。成膜方法によって最適条件は異なるが、傾向
としては電子ビーム蒸着法や反応性電子ビーム蒸着、反
応性イオンアシスト電子ビーム蒸着法や反応性RFスパ
ッタリング、ECRスパッタリングのいずれの方法にお
いても、被成膜物の温度が室温より高い方がアナターゼ
結晶系が多く含まれるようになる。例えば半導体レーザ
装置では、200℃を越えて250℃になると真空中で
GaAs結晶中の砒素蒸発による欠陥が誘起されるた
め、200℃程度で成膜するとTiO2膜の光活性を維
持し、光学的にも良好な膜を得ることができる。
【0043】よって、本実施の形態による固体レーザ装
置において、密封されたパッケージ内に残留する汚染物
質をTiO2膜により分解することができ、光通過端面
に汚染物質が付着して出力を低下させることがないの
で、安定した出力を得ることができ、信頼性も向上させ
ることができる。
【0044】なお、本発明は、上記2つの実施の形態に
よる半導体レーザ装置および固体レーザ装置に限られる
ものではなく、コート膜が施された光学部材からなり密
封される他の発光装置においても応用することができ、
同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による半導体レーザ
素子の密封ケースへの実装を示す図
【図2】第1の実施の形態である半導体レーザ素子を示
す側面図
【図3】本発明による半導体レーザ素子の光出射端にお
けるAl23膜が1/4波長以下の場合のTiO2膜厚
に対する反射率の計算結果を示すグラフ
【図4】本発明による半導体レーザ素子の光出射端にお
けるAl23膜が1/4波長以上の場合のTiO2膜厚
に対する反射率の計算結果を示すグラフ
【図5】本発明の第2の実施の形態による半導体レーザ
励起固体レーザ装置の構成を示す図
【符号の説明】
11 ケース 12 ペルチェ 13 熱伝導性基準板 14 ヘッダー 15 半導体レーザ素子 16 キャップ 22 Al23膜 23 SiO2膜 24 TiO2

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ以上の光学部材がパッケージ内に密
    封されてなる発光装置において、前記光学部材の少なく
    とも1つ以上の光通過端面に形成された1つ以上の層か
    らなるコート膜の最も外側に形成された層が、Ti
    2、TiO2とAlO2の混合材料、およびTiO2とS
    iO2の混合材料のいずれか一つからなることを特徴と
    する発光装置。
  2. 【請求項2】 前記最も外側に形成された層に、Ru、
    CoおよびCuのいずれか一つ以上が添加されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 【請求項3】 前記最も外側に形成された層の光学膜厚
    が、1/4波長以上であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の発光装置。
  4. 【請求項4】 前記最も外側に形成された層が、酸素を
    含む雰囲気で形成されたものであることを特徴とする請
    求項3記載の発光装置。
  5. 【請求項5】 前記最も外側に形成された層が、100
    ℃以上で形成されたものであることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の発光装置。
  6. 【請求項6】 前記最も外側に形成された層が、電子ビ
    ーム蒸着法、反応性電子ビーム蒸着法、反応性イオンア
    シスト電子ビーム蒸着法、反応性スパッタリング法およ
    びECRスパッタリング法のいずれか一つの方法により
    形成されていることを特徴とする請求項1から5いずれ
    か1項記載の発光装置。
  7. 【請求項7】 前記光通過端面における光密度が0.5
    MW/cm2以上であることを特徴とする請求項1から
    6いずれか1項記載の発光装置。
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