JP4129135B2 - 半導体パッケージ - Google Patents

半導体パッケージ Download PDF

Info

Publication number
JP4129135B2
JP4129135B2 JP2002042092A JP2002042092A JP4129135B2 JP 4129135 B2 JP4129135 B2 JP 4129135B2 JP 2002042092 A JP2002042092 A JP 2002042092A JP 2002042092 A JP2002042092 A JP 2002042092A JP 4129135 B2 JP4129135 B2 JP 4129135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor
titanium oxide
light
semiconductor laser
semiconductor package
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002042092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003243761A (ja
Inventor
信一 瀧川
正昭 油利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2002042092A priority Critical patent/JP4129135B2/ja
Publication of JP2003243761A publication Critical patent/JP2003243761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4129135B2 publication Critical patent/JP4129135B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体又は半導体を用いた部品を含む発光素子を固定する半導体パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体又は半導体複合部品をパッケージ内において固定する方法として、いわゆる銀ペーストに代表される導電性接着材等の接着材が用いられることが多くなってきている。これは、例えば金錫接着のような従来の接着方法に比べ、低温で接着を実現することが可能であり、半導体に加わる歪を低減させることができるからである。
【0003】
ここで、一般に接着材は液状成分を有していることから、製造工程において接着材が十分に固体硬化できてない場合や、あるいは接着対象である半導体が長期間加熱された状態で使用している場合等においては、接着材は「アウトガス」と呼ばれるガスを発生することになる。
【0004】
そして、半導体パッケージの内部で発生した当該アウトガスが、熱や光等の何らかの理由により分解すると有機物を生成し、その有機物が内部に存在する半導体あるいは半導体複合素子の表面に付着することになる。一般にメモリやマイコン等の半導体素子については、表面がパッシベーション膜により保護されていることから、たとえアウトガス成分である有機物が半導体表面に付着し、被膜を形成した場合であっても何ら問題が生じることはない。
【0005】
しかしながら、半導体が発光素子である場合、アウトガス成分である有機物によって発光面に被膜が形成されてしまうと、当該被膜によって出射面の反射率あるいは透過率が変化してしまうことになる。このため、例えば半導体レーザの場合であれば、しきい値電流、光出力効率、雑音特性等、発光素子における諸特性が変化してしまうことから、パッケージの内部に接着材を用いた半導体パッケージにおいては、発光素子としての信頼性を確保することが極めて困難であるという問題点があった。
【0006】
かかる問題点を解決するために、特開2000−349389号公報においては、酸化チタンに青紫光や紫外線を照射すると光触媒効果が生じ、アウトガスの主成分である有機物を二酸化炭素や水に分解することができるという特性を利用して、酸化チタン又は酸化チタンの混合物を発光素子自体の出射面に形成し、発光素子自体の強い出射青紫光を用いて、アウトガス等のパッケージ内部に生じる汚染物質を取り除く方法が開示されている。
【0007】
当該従来例について、図7を参照しながら説明する。図7においては、半導体レーザ81の出射端面に酸化チタン膜82が形成されている。このようにすることで、半導体レーザ81からの出射青紫光83が酸化チタン膜82を通過することによって光触媒作用が生じ、付着している有機物等のパッケージ内部に生じる汚染物質を二酸化炭素や水に分解することができるようになる。
【0008】
さらに特開平11−79256号公報においては、図8に示すように、パッケージ84の光透過窓85に光触媒効果を有する材料を貼り付け、紫外線を外部から照射することによって光触媒作用を生じさせ、アウトガス等のパッケージ内部に生じる汚染物質を二酸化炭素や水に分解する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2000−349389号公報に開示されている方法では、酸化チタンの屈折率が約2であることから、反射率制御の観点からは、酸化チタン膜82を設けることによって、最適な光出力特性を得ることが物理的に困難になってしまうという問題点があった。
【0010】
また、特開平11−79256号公報において開示されている方法では、紫外線照射により、例えば製造工程後にパッケージ内に残留するアウトガスについては二酸化炭素や水に分解して取り除くことができるものの、製造工程完了後、長期間使用している間にパッケージ内部に発生するアウトガスについては取り除くことができないという問題点があった。
【0011】
本発明は、製造工程中に発生するアウトガスのみならず、完了後に発生したアウトガスに対しても効果的に分解・除去することができ、かつ発光素子の光学特性を妨げることなくアウトガス等の汚染物質を分解・除去することができる半導体パッケージを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかる半導体パッケージは、半導体又は半導体を用いた部品を含む発光素子を固定する半導体パッケージであって、内壁の少なくとも一表面、又は内部に固定される半導体又は半導体を用いた部品の少なくとも一表面に、発光素子の出射光がパッケージの一部、またはパッケージの内部に固定された部品に反射して到達する位置に、酸化チタンあるいは酸化チタンの混合物が形成されていることを特徴とする。
【0013】
かかる構成により、発光素子の光学特性を妨げることなく光触媒効果を生じさせることができることから、物理的な配置上の制約を受けることなくアウトガス等の汚染物質を分解・除去することが可能となる。この場合、発光素子から出射される光が直接的又は間接的に酸化チタンあるいは酸化チタンの混合物に照射されることから、発光素子を使用する限り光触媒作用が確実に発生し、製造工程完了後に発生したアウトガス等の汚染物質に対しても有効である。
【0014】
また、本発明にかかる半導体パッケージは、発光素子における発光波長が450nm以下であることが好ましい。これは、波長が450nm以下であるいわゆる青紫光又は紫外光である方が、光触媒効果がより顕著だからである。
【0015】
また、本発明にかかる半導体パッケージは、波長450nm以下において低透過率となる波長域を有する材料から構成される窓ガラスを少なくとも一部に用いることが好ましい。当該窓ガラスを通じて、外部から青紫光又は紫外光を半導体パッケージの内部へと導入することができ、外部光によっても光触媒効果を生じることができるからである。
【0017】
また、本発明にかかる半導体パッケージは、発光素子から出射された光の一部を受ける受光素子を内部に有し、受光素子における受光面に酸化チタン又は酸化チタンの混合物が形成されていることが好ましい。受光素子が製造工程において常に発光素子の光を受けることができることから、受光素子表面の酸化チタン等によって確実に光触媒効果を発生させることができるからである。
【0018】
また、本発明にかかる半導体パッケージは、発光素子を固定する部品、あるいは発光素子の機能を増幅する部品を含み、発光素子を固定する部品あるいは発光素子の機能を増幅する部品の表面に酸化チタン又は酸化チタンの混合物が形成されることが好ましい。酸化チタン又は酸化チタンの混合物は、光触媒効果を有するだけでなく、絶縁性や強度性等にも優れていることから、発光素子を固定する部品あるいは発光素子の機能を増加させる部品についても優れた絶縁性や強度性等を付与することができるからである。
【0019】
また、本発明にかかる半導体パッケージは、内壁の少なくとも一表面、又は内部に固定される半導体又は半導体を用いた部品の少なくとも一表面と、一表面に形成された酸化チタン又は酸化チタンの混合物との間に、光反射層が設けてあることが好ましい。酸化チタン又は酸化チタンの混合物を透過した光が光反射層で反射され、再び酸化チタン又は酸化チタンの混合物を照射することになることから、光触媒効果をより顕著に生じさせることができるからである。
【0020】
また、本発明にかかる半導体パッケージは、内壁の少なくとも一表面、又は内部に固定される半導体又は半導体を用いた部品の少なくとも一表面に、発光素子から出射された光を反射する機能が設けられ、反射された光路に酸化チタン又は酸化チタンの混合物が形成されていることが好ましい。発光素子からの出射光の一部が常にパッケージ内部の酸化チタン又は酸化チタンの混合物に照射されることになることから、常に光触媒効果を生じさせることができるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる半導体パッケージについて、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1にかかる半導体パッケージの代表例である青紫色レーザの断面図である。一般に、青紫色レーザは、非線形光学効果を利用した第2次高調発生レーザ(Second Harmonic Generation:SHGレーザ)と呼ばれている。(例えばKitaoka et al., "Miniaturized Blue Laser using Second Harmonic Generation", Jpn. J. Appl. Phys. vol.39 (2000) pp.3416-3418 参照)。
【0022】
図1において、半導体レーザ1は、ガリウム砒素基板上にアルミニウムガリウム砒素が形成されているダブルへテロ構造を有しており、発振波長は820nmである。半導体レーザ1の出射側には、LiNbO3から構成される波長変換素子2が、エポキシ系紫外線硬化接着材5を介して、シリコン製のサブマウント3に取り付けられている。当該サブマウント3は、銀を含有したエポキシ系導電性接着材4を用いて銅ヒートシンク6に接着されている。
【0023】
また、半導体レーザ1内の導波路と波長変換素子の導波路とは、約0.5μmの距離で隣接しており、半導体レーザ1の約98%のレーザ出射光が波長変換素子2の導波路に結合するように設計されている。
【0024】
当該波長変換素子2は、非線形光学効果によって、半導体レーザ1の赤外レーザ光(820nm)を青紫レーザ光(410nm)に変換する。この時、波長変換素子2が内部に周期的分極反転構造を有していることから、赤外レーザ光と青紫レーザ光とが疑似的に位相整合し、波長変換が効率よく行われることになる。
【0025】
半導体レーザ1には二つの電極が必要であり、一つはサブマウント3、導電性接着材4及び銅ヒートシンク6により構成されており、もう一つは金ワイヤー14を介して、リードフレーム電極13に接続されている。
【0026】
また、当該青紫色レーザをパッケージングするため、エポキシ系樹脂壁12及びエポキシ系樹脂蓋7が設けられている。樹脂壁12と樹脂蓋7は、エポキシ系熱硬化接着剤8で固定されている。
【0027】
当該半導体パッケージには、青色レーザ光の出射用に、ホウケイ酸から構成される窓ガラス9がエポキシ系紫外線硬化接着材10により樹脂壁12に接着されている。窓ガラス9の表面のうち、パッケージ内部側には酸化チタン膜11がスパッタ法により形成されている。酸化チタン膜11の厚みは、窓ガラス9が低反射率になるように設計されており、本実施の形態1においては約46.6nmとした。
【0028】
当該酸化チタン膜11は二つの役割を有している。一つは、当該青紫色レーザの製造工程の最終段階において、窓ガラス9を通じて、外部から強い紫外線を酸化チタン11膜に照射し、光触媒作用を生じさせる役割である。本実施の形態1においては、紫外線硬化樹脂10の硬化工程を併用することになる。したがって、製造工程中に発生したアウトガス等の有機物を分解・除去することができ、パッケージの内部をクリーンにすることが可能となる。
【0029】
今一つは、青紫色レーザを使用している期間中、波長変換素子2から出射された光が直接酸化チタン膜11に照射されることにより、光触媒効果を生じさせる役割である。かかる構成とすることで、使用期間中に発生したアウトガス中の有機物についても、確実に分解・除去することができ、パッケージの内部を常にクリーンな状態に維持することが可能となるる。
【0030】
図2は、酸化チタン膜11が有る場合及び無い場合、さらに酸化チタン膜11がある場合については、最終製造工程で強い紫外光照射(波長365nm、5MW/cm2、10分)を行う場合と行わない場合とについて、発光素子の寿命試験結果を比較したものである。試験条件は、初期光出力が30mWであり、60℃において定電流連続動作を行うものである。60℃に保たれることにより、各種接着材4、5、8、10からアウトガスが少しづつ発生することになる。
【0031】
図2において、Aは酸化チタン膜11が無い場合の光出力変動結果を、Bは酸化チタン膜11が有る場合であって、最終製造工程において紫外光照射が行われない場合の光出力変動結果を、Cは酸化チタン膜11が有る場合であって、最終製造工程において紫外光照射が行われる場合の光出力変動結果を、それぞれ示している。
【0032】
図2の結果からも明らかなように、Aにおいてはアウトガス中の有機物が発光端面に付着することによって、光出力が著しく低下しているのに対し、B及びcにおいては酸化チタン11膜が形成されていることから、光出力が長期間に渡って安定していることがわかる。また、BとCを比較することによって明らかなように、製造工程の最終段階において紫外線を照射することにより、製造工程で発生したアウトガスを除去することができ、Bにおいて見られる初期における不安定状態を解消することができ、光出力を初期から長期間に渡って安定させることが可能となる。
【0033】
以上のように本実施の形態1によれば、酸化チタン膜への光照射による光触媒効果によって、アウトガスから生じた有機物等を分解・除去することができ、パッケージ内部における発光素子の汚染を未然に防止することが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2にかかる半導体パッケージについて、図面を参照しながら説明する。図3は本発明の実施の形態2にかかる半導体パッケージの代表例である青紫色レーザの断面図である。基本的な構成は実施の形態1と同じであるが、図1における酸化チタン膜11が、窓ガラス9のパッケージ内部側ではなく、樹脂蓋7及び樹脂壁12のパッケージ内部側において、酸化チタン膜15、16、17、及び18として構成されている。
【0035】
図3においては、窓ガラス9を通じて、外部から紫外光を入射することにより、内部の酸化チタン膜15、16、17、及び18に紫外光が照射し、実施の形態1と同様に光触媒効果が生じ、製造工程で発生してパッケージの内部に残留しているアウトガス中の有機物を分解、除去することが可能となっている。
【0036】
また、青紫色レーザを使用している間には、窓ガラス9で反射した一部の青紫光がパッケージ内部に戻ることによって散乱され、酸化チタン膜15、16、17、及び18に照射されることになる。さらに、波長変換素子2から出射される光は広がりを有することから、広がりの裾部における光は、樹脂壁12に設けられている酸化チタン膜16に直接入射することになる。
【0037】
これらの酸化チタン膜15、16、17、及び18に照射される光は、特に青紫光出力が100mW程度と十分に大きい場合には、光触媒効果を生ずるのに十分な照射量となる。その結果、青紫色レーザを使用している間に発生するアウトガス中の有機物についても、効果的に分解・除去することが可能になり、半導体パッケージとしての信頼性を高く維持することが可能となる。
【0038】
なお、酸化チタン膜15、16、17、及び18と、樹脂壁12あるいは樹脂蓋7との間に、アルミニウム等の青紫光を反射する材料で形成された膜が挿入されていても良い。かかる構成とすることにより、酸化チタン膜15、16、17、及び18を透過した光が反射材料で反射され、再度酸化チタン膜15、16、17、及び18に照射されることによる光触媒効果を、より増長させることが可能となる。
【0039】
なお、本実施の形態2では、酸化チタン膜15、16、17、及び18が樹脂壁12あるいは樹脂蓋7の内部に形成されている場合を示しているが、必ずしも全面に形成されている必要はなく、樹脂壁12あるいは樹脂蓋7の一部に形成されている構成であっても良い。
【0040】
また、半導体パッケージとして樹脂パッケージである場合について説明しているが、例えば半導体レーザで良く用いられているCANパッケージのような金属のパッケージについても適用することが可能である。
【0041】
以上のように本実施の形態2によれば、酸化チタン膜を、光が直接入出射される窓ガラスのパッケージ内部側ではなく、樹脂蓋及び樹脂壁のパッケージ内部側に構成されている場合であっても、酸化チタン膜への光照射による光触媒効果によって、アウトガス等の有機物を分解・除去することができ、パッケージ内部における発光素子の汚染を未然に防止することが可能となる。
【0042】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3にかかる半導体パッケージについて、図面を参照しながら説明する。図4は本発明の実施の形態3にかかる半導体パッケージの代表例である青紫色レーザの断面図である。基本的な構成は実施の形態1及び2と同じであるが、本実施の形態3においては、酸化チタン膜19及び20が、波長変換素子2の非固定面、及びサブマウント3の表面に形成されている点に特徴を有する。
【0043】
また、酸化チタン膜19とサブマウント3との間には光反射層21が形成されている。すなわち、半導体レーザ1から出射された赤外光は波長変換素子2により青紫光に変換され、通常は波長変換素子2内を導波することになるが、一部の光が導波路の僅かな欠陥によって、導波中に散乱される。かかる散乱光が酸化チタン膜19及び20に照射されることにより光触媒効果を生じ、パッケージ内部に存在するアウトガス中の有機物を分解する。そして、光反射層21が設けてあることによって、サブマウント3方向へ進む散乱光は、酸化チタン膜19を透過した後、光反射層21で反射されて、再び酸化チタン膜19に入射することになる。したがって、散乱光による光触媒効果をより強く引き起こすことが可能となる。
【0044】
さらに、本実施の形態3においては、酸化チタン膜19の上に金等で構成されている導電性膜22を形成し、導電性膜22の上に半導体レーザ1を固定する構成となっている。導電性膜22は、金ワイヤー23によってリード電極24に接続されている。
【0045】
かかる構成とすることにより、酸化チタン膜19が絶縁性を有するので、半導体レーザ1の電位を銅ヒートシンク6と別個に維持することができ、光ピックに接続する場合の配線自由度が増すという効果を有している。半導体レーザ1が分布ブラッグ反射型レーザ(Distributed Bragg Reflector (DBR) Laser)のように多電極を必要とするレーザの場合には、特に有用である。
【0046】
また、酸化チタン膜は比較的固い膜であることから、酸化チタン膜19及び20によって、波長変換素子2及びサブマウント3の表面を保護することになり、波長変換素子2及びサブマウント3を取扱う際のカケ(チッピング)等を抑制することが可能となる。
【0047】
さらに、酸化チタン膜は、一般にスパッタのような半導体プロセスで作製されることが多い。波長変換素子2及びサブマウント6についても半導体プロセスで作製することから、各々の製造工程に容易に酸化チタン膜の形成工程を導入することが可能となる。
【0048】
以上のように本実施の形態3によれば、散乱光や反射光を利用することによっても、酸化チタン膜への光照射による光触媒効果によって、アウトガス等の有機物を分解・除去することができ、パッケージ内部における発光素子の汚染を未然に防止することが可能となる。
【0049】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4にかかる半導体パッケージについて、図面を参照しながら説明する。図5は本発明の実施の形態4にかかる半導体パッケージの代表例である半導体レーザのパッケージ断面図である。半導体レーザ1は、窒化ガリウム基板上に積層された窒化ガリウム・インジウムから構成されており、発振波長は405nmである。
【0050】
図5において、半導体レーザ61は、熱膨張係数差に起因した熱歪を緩和する導電性シリコンサブマウント62を介して、銅製のステム63に導電性接着材70により固定されている。半導体レーザ61の裏面電極は、金ワイヤー64によりリード電極65に接続されている。半導体レーザ61の背面には、シリコンPINフォトダイオード66が導電性接着材73によりステム63に取り付けられている。当該フォトダイオード66は、半導体レーザ61から出射される裏面光を受光し、光出力の制御に用いられることになる。
【0051】
ここで、裏面光の一部が反射されて前面光と干渉しないように、フォトダイオード66は、半導体レーザ61の出射端面に対して約10゜傾けて設置されている。そして、フォトダイオード66の表面には、酸化チタン膜67が形成されている。酸化チタン膜67の膜厚は、発振波長に対して低反射になるように選択されている。フォトダイオード66は、金ワイヤー68によりリード電極69に接続されている。また、キャップ71には窓ガラス72が取り付けてある。窓ガラス72の両面は、弗化マグネシウムによって、波長405nmの帯域で低反射になるように設定されている。
【0052】
一般に半導体レーザ61は、光ピックの中において、約60℃で使われることが多い。かかる環境下においては、導電性接着材70及び73から有機物で構成されるアウトガスが発生する。発生したアウトガスに含まれる有機物が半導体レーザ61の出射面に付着すれば、半導体レーザ61の出力変動を引き起こし、信頼性を低下させることになる。
【0053】
本実施の形態4においては、半導体レーザ61の裏面から出射される青紫光が酸化チタン膜67に照射されて光触媒効果を生ずることになる。したがって、アウトガスに含まれる有機物が酸化チタン膜67の表面で分解されるため、半導体レーザ61の出射面にアウトガスに含まれる有機物が付着することがなく、高い信頼性を確保することが可能となる。
【0054】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5にかかる半導体パッケージについて、図面を参照しながら説明する。図6は本発明の実施の形態5にかかる半導体パッケージの代表例である青紫色レーザの断面図である。基本的な構成は実施の形態4と同じであるが、酸化チタン膜75がシリコンPINフォトダイオード66の表面ではなく、キャップ71の内面に形成されている点に特徴を有している。また、窓ガラス74は約30゜傾けてあり、窓ガラス74の内面側には、低反射コートを行っていない。
【0055】
かかる構成によると、半導体レーザ61から前面(窓側)に出射した光の一部は、窓ガラス74で反射され、その反射光路にある酸化チタン膜75に照射されることになる。また、後面に出射した光のうち、一部はフォトダイオード66で反射されて酸化チタン膜75に照射されることになる。これらの照射によって光触媒効果が生じ、アウトガス中に含まれる有機物が分解され、高い信頼性を確保することが可能となる。
【0056】
なお、上述したような各実施の形態において、光触媒材料として酸化チタンを用いる場合について説明しているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば酸化チタン/酸化アルミニウムの混合物、あるいは酸化チタン/酸化ケイ素の混合物であっても同様な効果が期待できる。
【0057】
また、上述した各実施の形態においては、発光素子が、SHGレーザや窒化ガリウム系レーザのように青紫光を出射するレーザの場合について説明しているが、特にこれらに限定されるものではなく、赤色レーザを出射するアルミニウムインジウムガリウムリン系レーザ、赤外光を出射するアルミニウムガリウム砒素系レーザ、あるいはインジウムガリウム砒素リン系レーザのように他光を放出する他のレーザであっても、外部から紫外光(青紫光)を入射させることによって同様な効果が期待できる。
【0058】
さらに、上述した各実施の形態においては、製造工程における残留アウトガス、あるいは長く使用する間に内部に蓄積されるアウトガスに含まれる有機物に対する光触媒効果について説明しているが、パッケージの気密性が不十分な場合であって、パッケージの外部から有機汚染物が侵入してくる場合であっても、光触媒効果によって同様に分解・除去することができることは言うまでも無い。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかる半導体パッケージによれば、製造工程における残留アウトガス、あるいは長期間の使用中に内部に蓄積されるアウトガス、及び外部から侵入してくる有機汚染物による信頼性の低下を抑制することができ、高い信頼性を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる半導体パッケージの構成図
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる半導体パッケージにおける寿命試験結果の比較図
【図3】 本発明の実施の形態2にかかる半導体パッケージの構成図
【図4】 本発明の実施の形態3にかかる半導体パッケージの構成図
【図5】 本発明の実施の形態4にかかる半導体パッケージの構成図
【図6】 本発明の実施の形態5にかかる半導体パッケージの構成図
【図7】 従来の発光素子における光触媒効果の説明図
【図8】 従来の半導体パッケージの例示図
【符号の説明】
1、61、81 半導体レーザ
2 波長変換素子
3、62 サブマウント
4、70、73 導電性接着材
5、10 紫外線硬化接着材
6 銅ヒートシンク
7 樹脂蓋
8 熱硬化接着材
9、72、74 窓ガラス
11、15、16、17、18、19、20、67、75、82 酸化チタン膜
12 樹脂壁
13、24、65、69 リード電極
14、23、64、68 金ワイヤー
21 光反射層
22 導電性膜
63 ステム
66 フォトダイオード
71 キャップ
83 出射青紫光
84 パッケージ
85 光通過窓

Claims (6)

  1. 半導体又は半導体を用いた部品を含み、かつ、青紫色の光を放射する半導体レーザ素子を固定する半導体パッケージであって、内壁の少なくとも一表面、又は内部に固定される前記半導体又は前記半導体を用いた部品の少なくとも一表面に、前記半導体レーザ素子の出射光がパッケージの一部、またはパッケージの内部に固定された部品に反射して到達する位置に、酸化チタンあるいは酸化チタンの混合物が形成されていることを特徴とする半導体パッケージ。
  2. 青紫色の光において低反射率となる波長域を有する材料から構成される窓ガラスを少なくとも一部に用いる請求項1記載の半導体パッケージ。
  3. 前記半導体レーザ素子から出射された光の一部を受ける受光素子を内部に有し、前記受光素子における受光面に酸化チタン又は酸化チタンの混合物が形成されている請求項1記載の半導体パッケージ。
  4. 前記半導体レーザ素子を固定する部品、あるいは前記半導体レーザ素子の機能を増幅する部品を含み、前記半導体レーザ素子を固定する部品あるいは前記半導体レーザ素子の機能を増幅する部品の表面に酸化チタン又は酸化チタンの混合物が形成されている請求項1項記載の半導体パッケージ。
  5. 内壁の少なくとも一表面、又は内部に固定される前記半導体又は前記半導体を用いた部品の少なくとも一表面と、前記一表面に形成された酸化チタン又は酸化チタンの混合物との間に、光反射層が設けてある請求項1記載の半導体パッケージ。
  6. 内壁の少なくとも一表面、又は内部に固定される前記半導体又は前記半導体を用いた部品の少なくとも一表面に、前記半導体レーザ素子から出射された光を反射する機能が設けられ、反射された光路に酸化チタン又は酸化チタンの混合物が形成されている請求項1記載の半導体パッケージ。
JP2002042092A 2002-02-19 2002-02-19 半導体パッケージ Expired - Fee Related JP4129135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002042092A JP4129135B2 (ja) 2002-02-19 2002-02-19 半導体パッケージ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002042092A JP4129135B2 (ja) 2002-02-19 2002-02-19 半導体パッケージ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003243761A JP2003243761A (ja) 2003-08-29
JP4129135B2 true JP4129135B2 (ja) 2008-08-06

Family

ID=27782312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002042092A Expired - Fee Related JP4129135B2 (ja) 2002-02-19 2002-02-19 半導体パッケージ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4129135B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4865998B2 (ja) * 2003-11-20 2012-02-01 パナソニック株式会社 光源、光ピックアップ装置、および電子機器
US7407421B2 (en) 2003-11-20 2008-08-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Light source, optical pickup, and electronic apparatus
WO2005088787A1 (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. コヒーレント光源および光学システム
JP4459682B2 (ja) * 2004-03-31 2010-04-28 大日本印刷株式会社 カラーフィルタの製造方法
JP2006156627A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ装置
JP2007123322A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Cyber Laser Kk レーザ装置並びにレーザ装置の運転方法
JP2007287727A (ja) * 2006-04-12 2007-11-01 Central Glass Co Ltd 励起用半導体レーザモジュール
JP2009246040A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Mitsubishi Electric Corp レーザ光源装置
JP2009267120A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Mitsubishi Electric Corp 光半導体装置
JP5277902B2 (ja) * 2008-11-25 2013-08-28 株式会社島津製作所 波長変換レーザ装置
US10347801B2 (en) * 2014-09-02 2019-07-09 Koninklijke Philips N.V. Light emitting device
DE102016113470A1 (de) * 2016-07-21 2018-01-25 Osram Opto Semiconductors Gmbh Laserbauelement

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003243761A (ja) 2003-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3120828B2 (ja) 半導体レーザモジュール
JP5443356B2 (ja) 半導体レーザ装置
US7551654B2 (en) Coherent light source and optical system
JP4129135B2 (ja) 半導体パッケージ
US9158178B2 (en) Ultraviolet laser
US7822090B2 (en) Semiconductor device
KR100738527B1 (ko) 광펌핑 반도체 레이저
JPWO2002054548A1 (ja) 短波長レーザモジュールおよびその製造方法
JP2006313900A (ja) 外部共振器型の面発光レーザ
JP2009533848A (ja) オプトエレクトロニクス半導体モジュール
JP5837493B2 (ja) レーザーミラー上に取り付けられた吸収体を備える半導体レーザー
JP3667209B2 (ja) 半導体レーザ
WO2021200550A1 (ja) 量子カスケードレーザ素子、量子カスケードレーザ装置及び量子カスケードレーザ装置の製造方法
JP2007305984A (ja) レーザ素子
KR20060115955A (ko) 후방 광펌핑 방식의 외부 공진기형 면발광 레이저
JP5311710B2 (ja) 半導体構成素子及び半導体構成素子の製造方法
JP2000349389A (ja) 発光装置
KR20070074749A (ko) 미러면을 갖는 2차 조화파 발생 결정을 구비하는 외부공진기형 면발광 레이저
JP4549313B2 (ja) 波長変換レーザ
JP2003347649A (ja) 発光装置およびその製造方法
JP4274393B2 (ja) 半導体発光装置
JP3345886B2 (ja) 半導体レーザモジュール
JP2001119090A (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP2001021772A (ja) レーザダイオードモジュール
JP2007073830A (ja) 半導体レーザ装置および光学モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080324

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080422

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080516

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4129135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees