JP2000349084A - 半導体基板上のシリコン重合体絶縁膜及びその膜を形成する方法 - Google Patents

半導体基板上のシリコン重合体絶縁膜及びその膜を形成する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電率が低く,高い耐熱性,高い耐吸湿性及び
高い酸素プラズマ耐性を有する絶縁膜及びその製造方法
を与える。 【解決手段】半導体基板上に,低い比誘電率,高い耐熱
性,耐吸湿性及び高い酸素プラズマ抵抗を有するシリコ
ン重合体絶縁膜を形成するための方法がプラズマCVD装
置に適用される。第1段階は,一般式SiαOα-1(R)
2α-β+2(OCnH2n+1)β(式中,α,β,x,yは整数)で表
されるシリコン系炭化水素化合物及び気化された化合物
をプラズマCVD装置の反応チャンバに導入することで
ある。材料ガスの滞留時間は,例えば,反応ガスの総量
を削減することによって延長され,そのようにして低い
比誘電率を有する微視多孔構造を有するシリコン重合体
膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は概して半導体技術に
関し,特に半導体基板上のシリコン重合体絶縁膜及びプ
ラズマCVD(化学気相成長)装置を用いて該膜を形成す
るための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体装置の高集積化への要求の
高まりから,多層配線技術が注目されている。この多層
配線構造において素子の高速動作のネックになるのが,
配線間の容量である。この配線間容量を低減するために
は,絶縁膜の誘電率を下げる必要がある。そこで低誘電
率の絶縁膜材料の開発が行われてきた。
【0003】従来のシリコン酸化膜SiOxは,SiH4または
Si(OC2H5)4などのシリコン材料ガスに酸化剤としてO2
たはN2Oを添加し熱及びプラズマエネルギーによって製
造するもので,その比誘電率はε=4.0程度であった。
【0004】これに対して,材料ガスとしてCXFYHZを用
いてプラズマCVD法によりフッ素化アモルファス・カー
ボン膜を製造する試みが為された。この絶縁膜は,比誘
電率ε=2.0〜2.4の低誘電率を達成している。
【0005】また,安定性の高いSi-O結合の性質を利用
して,膜の誘電率を下げる試みが為された。シリコン系
有機膜は材料ガスを用いて,プラズマCVD法により低圧
(1Torr)の条件下で製造される。該材料ガスは気化され
たP-TMOS(フィニルトリメトキシシラン)であり,それ
はベンゼンとシリコンの化合物である。この絶縁膜は,
比誘電率ε=3.1の低誘電率を達成した。
【0006】
【化1】
【0007】さらに,方法は膜中に作られた多孔質構造
を利用する。無機SOG材料を用いてスピン-コート法によ
って絶縁膜が製造される。この絶縁膜は,比誘電率ε=
2.3の低誘電率を達成した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上記各アプロ
ーチには以下に説明するようなさまざまな欠点が存在す
る。
【0009】まず,フッ素化アモルファスカーボン膜
は,耐熱性が低く(370℃),シリコン系材料との密着
性が悪く,膜の機械的強度も低いという欠点を有する。
耐熱性が低いと,例えば400℃以上の高温において絶縁
膜にダメージが与えられる。また密着性が悪いと膜が剥
がれる危険性がある。さらに膜の機械的強度が低下する
と配線材料が危険に晒される。
【0010】次に,P-TMOS分子がO-CH3の結合を3つ持
つため,P-TMOSを使用して重合化されたオリゴマーは気
相中でシロキサンのような線状構造を形成しない。線状
構造を有しないオリゴマーはシリコン基板上に多孔構造
を形成できず,すなわち蒸着された薄膜の密度は減少し
ない。結果として,該薄膜の比誘電率は所望の程度まで
低減されない。
【0011】さらに,スピンコート法によるSOG絶縁膜
は,材料がシリコン基板上に均一に分配されないという
問題及び塗布処理の後のキュア装置がコスト高であると
いう問題を有する。発明の目的 したがって,本発明の主な目的は改良された絶縁膜及び
その製造方法を与えることである。
【0012】本願発明の他の目的は,誘電率が低く,高
い耐熱性,高い耐吸湿性及び高い酸素プラズマ耐性を有
する絶縁膜及びその製造方法を与えることである。
【0013】また,本発明の他の目的は,誘電率が低
く,高い耐熱性,高い耐吸湿性及び高い酸素プラズマ耐
性を有する絶縁膜を製造するための材料を与えることで
ある。
【0014】さらに,本発明の他の目的は,装置コスト
を増大させることなく,容易に低誘電率の絶縁膜を製造
するための方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様は,
反応チャンバを有するプラズマCVD装置を使用すること
によって半導体基板上に絶縁膜を形成するための方法を
含み,該方法は,一般式SiαβXY(α,β,x,y
は整数)で表されるシリコン系炭化水素化合物を導入
し,続いてそれをプラズマCVD装置の反応チャンバに
導入する工程と,プラズマ重合反応によって半導体基板
上に絶縁膜を形成する工程とから成る。反応ガスの総流
量の減少も本発明の特徴の一つである。材料ガスを含む
反応ガスの滞留時間は,例えば,反応ガスの総流量を減
少させることによって延びる。実施例において,添加ガ
スは完全に除去されるけれども,反応ガスの流量をさら
に制御するため及びプラズマ重合反応を調整するために
添加ガスが導入される。本発明にしたがって,低比誘電
率を有し微視多孔構造を有するシリコン重合体膜が製造
される。上記において,プラズマCVDはマイクロ波によ
って励起されたCVDを含む。さらに,本発明に適用され
る気化方法は,直接気化方式,ベーキング方式及びバブ
リング方式があり,これらは以下に説明される。
【0016】好適実施例において,シリコン系炭化水素
化合物は式SiαOα-1(R)2α-β+2(OCnH2n+1)β(RはC
1-6炭化水素で,α,β,x,及びyは整数である)の化
合物であり,他の好適実施例では,RはCH3である。
【0017】本発明は半導体基板上に形成された絶縁膜
及び上記特徴を与えながら絶縁膜を形成するための材料
に引きつけられる。
【0018】
【発明の実施の形態】基本的態様 本発明において,一般式SiαβXY(α,β,x,y
は整数)として表されるシリコン系炭化水素化合物は好
適には少なくともひとつのSi-O結合,2つ若しくはそれ
以下のO-CnH2n+1結合及びシリコン(Si)に結合された少
なくとも2つの炭化水素基を有する化合物である。特
に,シリコン系炭化水素化合物は以下のような化学式
(2)で表される化合物の少なくともひとつの種を含み, ここで,R1及びR2は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,及びC6H5
いずれかであり,m及びnは任意の整数である。
【0019】上記された種を除き,シリコン系炭化水素
化合物は以下の化学式(3)に示される化合物の少なくと
も一つの種を含み, ここで,R1,R2及びR3は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,及びC6H5
のいずれかであり,nは任意の整数である。
【0020】上記種を除き,シリコン系炭化水素化合物
は以下の化学式(4)に示される化合物の少なくとも一つ
の種を含み, ここで,R1,R2,R3及びR4は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,及びC
6H5のいずれかであり,m及びnは任意の整数である。
【0021】さらに上記種以外に,シリコン系炭化水素
化合物は以下の化学式(5)に示される化合物の少なくと
も一つの種を含み, ここで,R1,R2,R3,R4,R5及びR6は,CH3,C2H3,C2H5,C
3H7,及びC6H5のいずれかであり,添加ガスはアルゴン(A
r),ヘリウム(He)及び酸化窒素(N2O)若しくは酸素(O2)
のいずれかである。
【0022】さらに上記種以外に,シリコン系炭化水素
化合物は以下の化学式(6)に示される化合物の少なくと
も一つの種を含み, ここで,R1,R2,R3及びR4は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,及びC
6H5のいずれかである。添加ガスはアルゴン(Ar),ヘリ
ウム(He)及び酸化窒素(N2O)若しくは酸素(O2)のいずれ
かである。
【0023】さらにまた,材料ガスは上記された少なく
ともひとつの前記シリコン系炭化水素を含む。
【0024】本発明の他の態様にしたがって,絶縁膜は
基板上に形成され,該膜は式(2)で表されるシリコン系
炭化水素化合物を含む材料ガスを使用することによって
プラズマCVD装置内でプラズマエネルギーによって重合
される。
【0025】付加的に,絶縁膜は基板上に形成され,該
膜は式(3)で表されるシリコン系炭化水素化合物を含む
材料ガスを使用することによってプラズマCVD装置内で
プラズマエネルギーによって重合される。
【0026】さらに,絶縁膜は基板上に形成され,該膜
は式(4)で表されるシリコン系炭化水素化合物を含む材
料ガスを使用することによってプラズマCVD装置内でプ
ラズマエネルギーによって重合される。
【0027】さらにまた,絶縁膜は基板上に形成され,
該膜は式(5)で表されるシリコン系炭化水素化合物を含
む材料ガスを使用することによってプラズマCVD装置内
でプラズマエネルギーによって重合される。
【0028】さらに,絶縁膜は基板上に形成され,該膜
は式(6)で表されるシリコン系炭化水素化合物を含む材
料ガスを使用することによってプラズマCVD装置内でプ
ラズマエネルギーによって重合される。
【0029】本発明のさらに他の態様に従って,絶縁膜
を形成するための材料は基板付近の気相中に供給され,
化学反応によって基板上に絶縁膜を形成するためにプラ
ズマCVD装置内で処理され,該材料は式(2)によって表さ
れる。
【0030】付加的に,絶縁膜を形成するための材料は
基板付近の気相中に供給され,化学反応によって基板上
に絶縁膜を形成するためにプラズマCVD装置内で処理さ
れ,該材料は式(3)によって表される。
【0031】さらに,絶縁膜を形成するための材料は基
板付近の気相中に供給され,化学反応によって基板上に
絶縁膜を形成するためにプラズマCVD装置内で処理さ
れ,該材料は式(4)によって表される。
【0032】さらにまた,絶縁膜を形成するための材料
は基板付近の酸化剤として窒素酸化物(N2O)若しくは酸
素(O2)のいずれかを有する気相中に供給され,化学反応
によって基板上に絶縁膜を形成するためにプラズマCVD
装置内で処理され,該材料は式(5)によって表される化
合物である。
【0033】さらにまた,絶縁膜を形成するための材料
は基板付近の酸化剤として窒素酸化物(N2O)若しくは酸
素(O2)のいずれかを有する気相中に供給され,化学反応
によって基板上に絶縁膜を形成するためにプラズマCVD
装置内で処理され,該材料は式(6)によって表される化
合物である。
【0034】滞留時間及びガス流量 反応ガスの滞留時間は反応用の反応チャンバのキャパシ
ティ,反応に適用された圧力,及び反応ガスの総流量に
基づいて決定される。実施例において,反応圧力は1mT
orr〜20Torrの範囲にあり,他の実施例においては1
〜10Torrの範囲にあるが,好適には安定したプラズマ
を維持するために3〜7Torrの範囲である。この反応圧
力は反応ガスの滞留時間を延ばすために比較的高い。反
応ガスの総流量は生成膜の比誘電率を減少させるのに重
要である。添加ガスに対する材料ガスの比を制御するこ
とは必要ない。添加ガスが使用されないとき,材料ガス
を含む反応ガスの滞留時間は例えば,反応ガスの総流量
を減少させることにより延長される。さらに,他の実施
例において,反応ガスの滞留時間を減少させる有利な方
法は例えば,電極間の距離を広げることで反応空間(反
応チャンバの容積)を拡張することを含む。概して,滞
留ガスが長いほど,比誘電率は小さくなる。膜を形成す
るために必要な材料ガス流は所望の付着速度及び膜が形
成される基板の面積に依存する。例えば,300nm/minの
付着速度で半径r=100mmの基板上に膜を形成するために
は,少なくとも50sccmの材料ガスが反応ガス内に含ま
れることが期待される。すなわち,基板単位表面積あた
り1.6×102sccmである。総流量は滞留時間(Rt)によって
定義される。Rtが以下で説明されるように定義されると
き,好適にはRtの範囲は100msec≦Rtであり,より好適
には200msec≦Rt≦5secである。従来のプラズマTEOSに
おいて,Rtは概して10〜30msecの範囲にある。
【0035】Rt[s]=9.42×107(PrTs/PsTr)rw 2d/F ここで, Prは反応チャンバ圧力(Pa) Psは標準気圧(Pa) Trは反応ガスの平均温度(K) Tsは標準温度(K) rwはシリコン基板の半径 dはシリコン基板と上部電極との間隔(m) Fは反応ガスの総流量(sccm) を表す。
【0036】上記において,滞留時間は気体分子が反応
チャンバ内に留まる時間の平均間隔を意味する。滞留時
間RtはRt=αV/Sで計算され,ここでVはチャンバの容量
(cc)であり,Sは反応ガスの体積(cc/s)であり,αは反
応チャンバの形状及び気体の吸気口と排気口との間の位
置関係によって決定される係数である。反応チャンバ内
の反応用の空間は基板の表面(πr2)及び上部電極と下部
電極との間の空間によって画成される。反応用の空間を
通過する気体流量を考えれば,αは1/2に評価される。
上記式において,αは1/2である。基本的効果 この方法において,材料ガスは少なくとも1つのSi-O結
合,2つ以下のO-CnH2 n+1結合及びシリコン(Si)に結合
した少なくとも2つの炭化水素基を含むシリコン系炭化
水素化合物である。また,実施例において,この材料ガ
スは直接気化方式で気化される。該方法は非誘電率が低
く,高い耐熱性及び耐湿性を有する絶縁膜を生成する。
他の実施例において,ベーキング方式若しくはバブリン
グ方式が以下に説明するように好適である。
【0037】反応ガスの滞留時間を延長することによっ
て,線状重合体が形成され,その結果"n"が2若しくはそ
れ以上であるところの基本構造(式7)を有する線状重
合体が気相内で成長する。その後該重合体は半導体基板
上に付着され,微視多孔構造を有する絶縁膜を形成す
る。
【0038】
【化2】
【0039】ここで,X1及びX2はOnCmHpであり,nは0若
しくは1,m及びpはゼロを含む整数である。
【0040】本発明の絶縁膜は高い結合エネルギーを有
するSi-Oを基本骨格とするため比較的高い安定性を有す
る。またそれが連続多孔質構造を有するため比誘電率が
低い。さらに基本骨格である(-Si-O-)nはその両側に疎
水性の炭化水素基で終端されたダングリングボンドを有
し,この性質は耐吸湿性を与える。さらにまた,炭化水
素基とシリコンの結合は一般に安定である。例えば,メ
チル基との結合Si-CH3及びベンゼンとの結合Si-C6H5
両方は500℃若しくはそれ以上の解離温度を有する。半
導体製造には450℃以上の耐熱性が求められるため,膜
のその性質は半導体の製造に有利である。
【0041】上記したように,膜に要求される耐熱温度
付近若しくはそれよりも高い点に基板の温度を上昇させ
ることによって,アニール処理なしで優れた耐熱性を有
する膜を形成することが可能である。
【0042】上記有利な効果はシリコン系メチル化合物
が材料ガスとして使用されるとき重要である。例えば,
式(1)から(6)においてR1からR4のいずれかがCH3である
化合物が有利である。しかし,他の実施例において,少
なくともひとつのこれらのRがCH3であり,有利な効果が
期待されている。
【0043】更なる,本発明の態様,特徴及び利点は以
下の好適実施例の詳細な説明で明らかにされるであろ
う。実施例構造の概要 図1は本発明で使用可能なプラズマCVD装置の概略図で
ある。この装置は反応ガス供給装置12及びプラズマCVD
装置1から成る。反応ガス供給装置12は,いくつかのラ
イン13,ライン13内に配置された制御バルブ8及びガス
吸気ポート14,15及び16から成る。流量制御器7が所定
の体積の材料ガスの流量を制御するために各制御バルブ
に結合されている。液体反応材料を収容する容器18は気
化装置17に接続されている。プラズマCVD装置1は反応チ
ャンバ6,気体吸気口5,サセプタ3及びヒータ2を含む。
円形のガス拡散板10はガス吸気ポートのすぐ下に配置さ
れている。該ガス拡散板10はその底面に多くの細孔を有
し,そこから半導体基板4に向かって反応ガスを噴射す
る。反応チャンバ6の底部には排気口11が存在する。こ
の排気口11は外部真空ポンプ(図示せず)結合され,そ
の結果反応チャンバ6の内側は排気される。サセプタ3は
ガス拡散板に平行に対向して配置されている。サセプタ
3はその上に半導体基板4を保持し,ヒータ2によってそ
れを加熱する。ガス吸気口5は反応チャンバ6から絶縁さ
れ,外部の高周波電源9に結合される。択一的に,サセ
プタ3が電源9に接続されてもよい。こうして,ガス拡散
板10及びサセプタ3は高周波電極として機能し,半導体
基板4の表面付近にプラズマ反応場を生成する。
【0044】本発明に係るプラズマCVD装置を使って半
導体基板上に絶縁膜を形成するための方法は,一般式S
αβXY(α,β,x,yは整数)で表されるシリコ
ン系炭化水素化合物を気化させ,それをプラズマCVD装
置1の反応チャンバ6に導入する工程と,実質的に流量の
減少した添加ガスを反応チャンバ6内に導入する工程
と,材料ガスとしてのシリコン系炭化水素化合物及び添
加ガスから成る混合ガスが反応ガスとして使用されると
ころのプラズマ重合反応によって半導体基板上に絶縁膜
を形成する工程と,から成る。添加ガス流量の減少が反
応ガスの総流量の実質的減少をもたらすことが注目すべ
き特徴である。この特徴は以下でより詳細に説明され
る。 材料ガス及び添加ガス これに関して,一般式SiαβXY(式中,α,β,
x,yは整数)で表されるシリコン系炭化水素化合物が,
好適には,少なくとも一つのSi-O結合を有し,2つ以下
のO-CnH2n+1結合を有し,かつSiに少なくとも2つの炭
化水素基が結合した構造を有する化合物をである。具体
的には, ここで,R1及びR2は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,C6H5のいず
れかであり,m及びnは任意の整数で示される化合物, ここで,R1,R2及びR3は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,C6H5のい
ずれかであり,nは任意の整数で示される化合物, ここで,R1,R2,R3及びR4は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,C6H5
のいずれかであり,m及びnは任意の整数で示される化合
物, ここで,R1,R2,R3,R4,R5及びR6は,CH3,C2H3,C2H5,C
3H7,及びC6H5のいすれかであり,並びに酸化剤として窒
素酸化物(N2O)若しくは酸素(O2)との混合物で示される
化合物, ここで,R1,R2,R3及びR4は,CH3,C2H3,C2H5,C3H7,C6H5
のいずれかであり,並びに酸化剤として窒素酸化物(N
2O)若しくは酸素(O2)との混合物で示される化合物であ
る。
【0045】さらに,シリコン系炭化水素化合物はこれ
らの化合物及び混合物のあらゆる組み合わせであっても
よいということに注意すべきである。
【0046】好適実施例において,シリコン系炭化水素
化合物は式SiαOα-1(CH3)2α-β+2(OCnH2n+1)βを有
し,ここで,αは1〜3の整数,βは0,1または2,
nは1〜3の整数である。シリコン系メチル化合物は有
機基としてC6H5を含む構造を有せずメチル基のみを含む
ために,このタイプの膜はずば抜けてさまざまな有利な
効果を示す。該膜は比誘電率において比較的小さい増加
を受けやすい,すなわち該膜はいつも安定している。該
膜は水分の吸収には敏感ではない。さらに,半導体装置
内で使用される低誘電率膜に要求される耐熱度はほぼ45
0℃である。ほぼこの温度において,ベンゼン(C6H5)と
異なる,メチルのみを含むシリコン系メチル化合物膜は
450℃もしくはそれ以下の温度で脱離を引き起こさず,
さらに該膜は550℃の温度まで耐熱度を維持する。付加
的に,有機基としてCH3のみを含むこのタイプの膜は,
酸素プラズマ放射に対して強い抵抗を示し,また酸素プ
ラズマ放射による膜の劣化によって引き起こされる水分
吸収は低く,すなわち,膜は優れた安定性を有する。
【0047】この実施例において使用された添加ガスは
特にアルゴンガス及びヘリウムガスである。本質的にア
ルゴンはプラズマを補強するために使用され,一方ヘリ
ウムはプラズマの均一性及び絶縁膜の厚さの均一性を改
善するために使用される。
【0048】図1において,ガス吸気口14を通じて供給
された不活性ガスが液体反応材料18を押出し,それはラ
イン13を通じて制御バルブ8へ送られるシリコン系炭化
水素化合物である。制御バルブ8は流量制御器7によって
液体反応材料の流量を制御し,その結果流量は所定の体
積を超えることはない。減少したシリコン系炭化水素化
合物18は上記直接気化方式で気化されるように気化装置
17へ進む。アルゴン及びヘリウムは吸気口15及び16を通
じてそれぞれ供給され,バルブ8はこれらのガスの流量
を制御する。反応ガスである材料ガス及び添加ガスの混
合物は次にプラズマCVD装置1の吸気口5に供給される。
すでに排気された反応チャンバ6の内側に配置されたガ
ス拡散板10と半導体基板4との間の空間は,高周波RF電
圧によって充電され,それは好適には27MHz,13.56MH
z,及び430KHz(若しくはこれらの周波数の合成)であ
り,該空間はプラズマフィールドとして作用する。サセ
プタ3はヒータ2によって半導体基板4を連続的に加熱
し,もし薄膜に要求される熱抵抗が400℃周辺であれば
所望の350〜450℃である所定の温度に基板4を維持す
る。ガス拡散板10の細孔を通じて供給された反応ガスは
所定の時間の間,半導体基板4の表面に近接したプラズ
マフィールド内に残る。
【0049】もし滞留時間が短いと線状重合体は十分に
蒸着されず,その結果基板に蒸着された薄膜は微視多孔
構造を形成しない。滞留時間が反応ガスの流量,反応空
間及び圧力に反比例する。反応ガスの流量体積の減少,
反応空間の増加,または反応圧力の増加はその滞留時間
を延長させる。
【0050】結果として,反応ガスの滞留時間は延長さ
れその結果線状重合耐が十分に蒸着され実質的に微視多
孔構造を有する絶縁膜が形成される。
【0051】気相中の反応を調整するために,少量の不
活性ガス,酸化剤または還元剤を反応チャンバ内に加え
ることは有効である。ヘリウム(He)及びアルゴン(Ar)は
不活性ガスであり,異なる第1イオン化エネルギー24.5
6eV及び15.76eVをそれぞれ有する。したがって,He若し
くはArのいずれかまたは両方を組み合わせて所定の分量
加えることによって,気相中の材料ガスの反応が制御さ
れる。反応ガスの分子は気相中で重合化を受けそれによ
ってオリゴマーを形成する。オリゴマーはO:Siが1:1の
比を有するよう期待される。しかし,オリゴマーが基板
上に膜を形成するとき,オリゴマーはさらに重合化を受
けより高い酸素比率が生じる。比率は基板上に形成され
る膜の比誘電率若しくは他の性質によって変化する(例
えば,以下に示される実施例5では比率が3:2であっ
た。)。材料ガスから誘導されかつ膜に組み込まれない
残留酸素は材料化合物から分離しプラズマ中を浮遊す
る。材料ガス内のSi:Oの比率は化合物に依存して変化す
る。例えば,上記式(2)〜(6)においてSi:Oの比はそれぞ
れ2:1,1:1,3:2,1:2,及び0:1である。もし高い比率
のO:Si(例えば,3/2若しくはそれ以上)を有する材料
ガスが使用されれば,プラズマ中を浮遊する酸素の量は
増加する。酸素の量が増加するとき,Siに直接結合され
かつ膜を形成する必要がある有機基は酸化され,その結
果膜の劣化は生じ易くなる。上記したように,H2及びCH
4のような還元剤を反応チャンバ内に添加することによ
って,プラズマ内の酸素分圧は減少し,それによって有
機基の上記酸化を防止することができる。対照的に,O:
Si比率が低いとき(例えば,3/2若しくはそれ以下)N2O
及びO2のような酸化剤を添加することによって膜を形成
するために酸素を供給することは必要である。還元剤若
しくは酸化剤の適当な量は形成された膜の組成がFT-IR
若しくはXRSによって分析されるところの,及びその比
誘電率も分析されるところの予備実験に基づいて予め評
価される。したがって,He,Ar,還元剤及び酸化剤のよ
うな適当なタイプの添加ガスを選択することによって,
及び添加される各ガスの量を制御することによって,所
望の品質を有する膜が製造される。気化方法 気化は以下の3つの方式,直接気化方式,ベーキング方
式及びバブリング方式の3つの方法によって実行され
る。気化方式の選択のために,材料の蒸気圧の特性が重
要である。以下の表は典型的なシリコン系メチル化合物
の蒸気圧の特性を示す。
【0052】
【表1】
【0053】 直接気化方式において,気化される材料は制御された流
量でプレヒートされた気化装置へ導入され,そこで材料
は即座に気化され,その後気化されたガスが反応チャン
バへ導入される。ベーキング方式において,液体材料を
収容する容器が材料を気化するために加熱され,その後
容器の下流に与えられたバルブによって量が制御され
て,制御された量の材料が反応チャンバへ導入される。
バブリング方式において,液体材料を収容する容器が加
熱され,制御された量のキャリアガスが容器内に導入さ
れ,それによって材料ガスの量を制限し,ここでキャリ
アガスの流量及び液体材料の温度は制御されている。も
しDP-DMOS及びPM-DMOSのような低い蒸気圧を有する材料
がベーキング方式若しくはバブリング方式で気化される
と,材料を気化するのに十分な高い温度で液体材料容器
を加熱しかつ維持する必要がある。上記したように,液
体材料が長い時間間隔の間高い温度で維持されるため,
熱分解若しくは熱重合が生じやすくなる。そのような熱
分解を避けるために,材料ガスを導入する方法は直接気
化方式に限定される。
【0054】しかし,もしDM-DMOSのような高い蒸気圧
を有する材料が使用されると,液体材料の熱分解が生じ
ないところの低い温度条件において,ガスの導入に十分
な蒸気圧を得ることが可能である。したがって,上記し
たように,欠点の無い処理を達成するべくベーキング方
式もしくはバブリング方式が採用され得る。もし直接気
化方式が採用されると,He及びN2のような溶解ガスがガ
ス流量制御に影響を及ぼすという問題が生じる。ベーキ
ング方式若しくはバブリング方式は上記のような問題も
なく非常に応答が良い安定な流量制御を達成することが
できる。さらに,もしバブリング方式が使用されると,
高温を扱うための複雑な機構が除去され,コストの安い
装置に導く。
【0055】他の実施例において,液体材料で,その流
量は制御されプレヒートされた気化装置で即座に気化さ
れるところの,直接気化方式が実行された。この直接気
化方式は示された量の材料ガスを得るためにアルゴンの
ようなキャリアガスを必要としない。これはバブリング
方式と大きく違う。したがって,大量のアルゴンガス若
しくはヘリウムガスはもはや必要ではなく,これが反応
ガスの総流量を削減し,また材料ガスがプラズマ内に滞
在する時間を延長する。結果として,気相内で十分な重
合反応が生じその結果線状重合体が形成され,微視多孔
構造が得られる。 他の態様 上記において,シリコン重合体用の材料ガスを製造する
ためのシリコン系炭化水素化合物は,好適には2つの若
しくはそれ以下のアルコキシ類を含むかまたはアルコキ
シ類を全く含まない。3つ若しくはそれ以上のアルコキ
シ類を有する材料ガスの使用は,膜の比較的高い誘電率
を生じさせる線状シリコン重合体の形成を邪魔する。上
記において,Si原子の数は制限されない(シリコン原子
が増えると気化がより困難になり化合物の合成のコスト
もより高くなる)が,好適には化合物の一つの分子は1
つ,2つ若しくは3つのSi原子を含む。アルコキシ類は
通常1〜3個の炭素原子を含み,好適には1つまたは2
つの炭素原子を含む。Siに結合された炭化水素は通常1
〜12個の炭素原子,好適には1〜6個の炭素原子を含
む。好適なシリコン系炭化水素化合物は以下の式で示さ
れ: SiαOα-1R2α-β+2(OCnH2n+1)β ここで,αは1〜3の整数,βは0,1,若しくは2,nは1〜3
の整数,及びRはシリコンに結合されたC1-6炭化水素で
ある。酸化剤若しくは還元剤の使用は,シリコン重合体
膜の目標比誘電率(3.30若しくはそれ以下,好適には3.
10若しくはそれ以下,より好適には2.80若しくはそれ以
下)及び誘電率の安定性及び熱安定性のような他の性質
に依存して決定される。材料ガス内のO:Si比率はまた上
記したように酸化剤若しくは還元剤を選択するべく考慮
される。好適に,もし比率が3:2以下であれば酸化剤が
使用され,一方もし比率が3:2以上であれば還元剤が使
用される。さらに,Ar及びHeのような不活性ガスはプラ
ズマ反応を制御するためであるが,シリコン重合体膜を
形成するために不可欠ではない。材料ガスの流量及び添
加ガスの流量もまたプラズマCVD装置に依存して変化す
る。適正な流量はシリコン重合体膜の比誘電率を(材料
ガス及び添加ガスから成る)反応ガスの滞留時間と相関
させることによって決定される。滞留時間が長いほど,
誘電率は小さくなる。延長された滞留時間当たりの誘電
率の減少レートは変化可能であり,ある滞留時間の後に
誘電率の減少レートは大きく減少し,すなわち,反応ガ
スのある滞留時間の後に誘電率は鋭く落ちる。この誘電
率の降下範囲の後,誘電率の減少はゆっくりになる。こ
れは非常に興味ある事実である。本発明において,膜の
誘電率と反応ガスの滞留時間との間の所定の相関関係に
基づいて,誘電率降下範囲に達するまで滞留時間を延長
することによって,シリコン重合体膜の比誘電率を十分
に減少させることが可能である。
【0056】
【実施例】実験でのいくつかの好適結果が以下に示され
ている。これらの実験において,DM-DMOS(ジメチルジ
メトキシシラン,式8),PM-DMOS(フェニルメチルジ
メトキシシラン),及びP-TMOS(フェニルトリメトキシ
シラン)が材料ガスとして使用された。実験装置として
は通常のプラズマCVD装置(EAGLE-10TM,日本ASM)が使
用された。成膜条件は以下の通りである。 添加ガス:Ar及びHe RF電力:250W(13.4MHz及び430KHzを合成して使用) 基板温度:400℃ 反応圧力:7Torr 気化方式:直接気化方式 滞留時間:Rtは以下の式で定義される。
【0057】Rt[s]=9.42×107(PrTs/PsTr)rw 2d/F この式中,各略語は以下のパラメータを示す。 Pr:は反応チャンバ圧力(Pa) Ps:は標準気圧(Pa) Tr:は反応ガスの平均温度(K) Ts:は標準温度(K) rw:はシリコン基板の半径 d:シリコン基板と上部電極との間隔(m) F:反応ガスの総流量(sccm) 各パラメータは以下の値に固定したが,流量と比誘電率
の関係を見出すために流量だけ変化させた。 Pr=9.33×102 (Pa) Ps=1.01×105 (Pa) Tr=273+400=673 (K) Ts=273 (K) rw=0.1 (m) d=0.014 (m) 表1は比較例及び実施例の実験結果をまとめたものであ
る。
【0058】
【表2】
【0059】比較例1 材料ガス:P-TMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(1000 sccm),He(1000 sccm) 反応ガスの総流量:2100 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=412msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.42であった。
【0060】比較例2 材料ガス:P-TMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(10 sccm),He(10 sccm) 反応ガスの総流量:120 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=24 msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.38であった。
【0061】比較例3 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(775 sccm),He(775 sccm) 反応ガスの総流量:1650 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=30 msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.41であった。
【0062】比較例4 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(550 sccm),He(550 sccm) 反応ガスの総流量:1200 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=41 msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.41であった。
【0063】比較例5 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(430 sccm),He(430 sccm) 反応ガスの総流量:960 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=51 msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.40であった。
【0064】比較例6 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(310 sccm),He(310 sccm) 反応ガスの総流量:720 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=68 msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.35であった。
【0065】実施例1 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(140 sccm),He(140 sccm) 反応ガスの総流量:480 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=103msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.10であった。
【0066】実施例2 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(100 sccm),He(100 sccm) 反応ガスの総流量:300 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=165msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.76であった。
【0067】実施例3 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(70 sccm),He(70 sccm) 反応ガスの総流量:240 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=206msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.64であった。
【0068】実施例4 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:Ar(10 sccm),He(10 sccm) 反応ガスの総流量:120 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=412msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.45であった。
【0069】これ以降,上記結果は図2及び3を参照し
て考察される。図2は比誘電率εと反応ガスの総流量の
関係並びに材料ガスとしてPM-DMOSを使用した実験にお
ける滞留時間と反応ガスの総流量の間の関係を示すグラ
フである。図3は材料ガスとしてPM-DMOSを使用した実
験における滞留時間Rtと比誘電率εの間の関係を示すグ
ラフである。
【0070】最初に,PM-DMOSガスの流量と絶縁膜の比
誘電率εとの間の関係が考察される。図2は流量が約70
0sccmのとき比誘電率εはほぼ一定の3.4であることを示
している。しかし,比誘電率εは流量が700sccm以下に
減少すると低下し始める。また,流量が500sccm以下に
低下するに従い,滞留時間Rtは激増し比誘電率εは激減
する。一方,図3は滞留時間Rtがほぼ70msecから増加す
るとき比誘電率εが減少し始めることを示す。滞留時間
Rtが400msecより多いとき,比誘電率εは2.45に低下す
る。
【0071】したがって,これらの発明者の実施例は,
もしPM-DMOSガス及び添加ガスの反応ガスの総流量が制
御されれば,Rtは100msec以上に,比誘電率εは3.1以下
に制御可能であることを示している。
【0072】実施例5 次にDM-DMOSが試験された。 材料ガス:DM-DMOS(100sccm) 添加ガス:Ar(10sccm)及びHe(10sccm) 反応ガスの総流量:120 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=412msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.58であった。
【0073】実施例6 材料ガス:DM-DMOS(25sccm) 添加ガス:Ar(3sccm)及びHe(0sccm) 反応ガスの総流量:28 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=1764msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.51であった。
【0074】実施例7 材料ガス:DM-DMOS(25sccm) 添加ガス:Ar(0sccm)及びHe(5sccm) 反応ガスの総流量:30 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=1647msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.50であった。
【0075】実施例8 材料ガス:DM-DMOS(100sccm) 添加ガス:H2(20sccm)及びCH4(0sccm) 反応ガスの総流量:120 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=417msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.52であった。
【0076】実施例9 材料ガス:DM-DMOS(25sccm) 添加ガス:H2(5sccm)及びCH4(0sccm) 反応ガスの総流量:30 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=1647msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.49であった。
【0077】実施例10 材料ガス:DM-DMOS(25sccm) 添加ガス:H2(0sccm)及びCH4(5sccm) 反応ガスの総流量:30 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=1647msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.67であった。
【0078】上記結果は式2の材料ガスにおいて,両方
の化合物(R1にC6H5及びR2にCH3を有するPM-DMOSと,R1
にCH3及びR2にCH3を有するDM-DMOS)は非常に低い比誘
電率(ε<3.1)を有する絶縁膜を形成することができ
ることを示している。
【0079】以下はもしPM-DMOSがP-TMOSと入れ替わっ
たら同じ結果を与えるかどうかを調べる。比較例1及び
2の両方は材料ガスとしてP-TMOSを使って実験して得ら
れた結果である。これらの例は,たとえ反応ガスの総流
量が5.7%まで減少しても比誘電率は減少しないことを
示している。したがって,流量とPM-DMOSに影響を受け
た比誘電率との関係は,P-TMOSでは成り立たない。
【0080】また,以下は異なる材料ガスを使用する際
の比誘電率の差を考察している。比較例2を本発明の例
4と比較すると,流量及び他の条件は同一であるがP-TM
OSの比誘電率ε=3.42であるのに対しPM-DMOSの比誘電率
ε=2.45である。比誘電率の間のそのような大きな差は
材料ガスの分子構造内の違いにある。すなわち,PM-DMO
Sは分離しやすい一対の比較的不安定なO-CH3結合を有
し,その結果重合反応が生じガス状態で線状重合体(式
7)が成長する。この重合体は微視多孔構造を形成しな
がら半導体基板上に蒸着され,続いて絶縁膜の比誘電率
は減少する。対照的に,P-TMOSは3つのO-CH3結合を有
するため,その重合体はたとえ滞留時間が延長されても
線状に蒸着されない。したがって,蒸着された膜は微視
多孔構造を有しないばかりかそのような低い比誘電率も
有しない。
【0081】これらの実験結果は,材料ガスとして使用
されるシリコン系炭化水素化合物はSi-O結合だけでなく
多くても2つのO-CnH2n+1結合,及びさらに少なくとも
2つのシリコンに結合された炭化水素基を有することが
好適であることを示している。
【0082】本発明に従って形成された低い比誘電率の
膜安定性は例4に従う低い比誘電率膜を用意することに
よって評価された,そこでPM-DMOSが使用され,例5に
おいてDM-DMOSが使用され,それによって比誘電率の安
定性及びそれらの熱安定性を評価した。 (1)比誘電率の安定性 膜の比誘電率の変化はPM-DMOS膜及びDM-DMOS膜を圧力鍋
内で加熱しかつ湿らせることによって測定された。すな
わち,各膜は厚さ1μmでシリコンウエハ上に形成さ
れ,120℃及び湿度100%で1時間置かれた後に膜の形で
その比誘電率が測定された。結果は以下に示されてい
る。各膜の比誘電率に変化は検出されず,すなわち高い
安定性を示した。
【0083】
【表3】
【0084】(2)熱安定性 熱脱離試験に基づいて,膜構造の熱安定性が評価され
た。すなわち,Siウエハ上に形成されたPM-DMOSのサン
プル及びSiウエハ上に形成されたDM-DMOSは真空内に置
かれ,毎秒10℃の速度で上昇する温度に晒され,それに
よって膜から脱離した分子の量を計測する。図4は温度
が上昇する間にCH4の脱離のため分子量16を有する成分
の熱脱離スペクトルを示すグラフである。図5は膜から
脱離された総分子の数に対応する真空度の変化を示すグ
ラフである。両方の実験において,脱離は400℃若しく
はそれ以下の温度でいずれの膜内からも検出されなかっ
た。脱離はPM-DMOSでほぼ450℃,DM-DMOSでほぼ500℃で
始まった。低比誘電率膜に要求される熱安定性は概して
400℃から450℃の間である。したがって,PM-DMOS膜及
びDM-DMOS膜の両方が高い熱安定性を有していることが
証明された。
【0085】以下の例は上記方法と同一の方法で実行さ
れたが,反応圧力は5Torr,反応チャンバ圧力(Pr)は6,6
6×102Paであり,シリコン基板と上部電極との間隔は0.
020mであった。
【0086】以下の表は比較例及び本発明の実施例のリ
ストである。
【0087】
【表4】
【0088】比較例7 材料ガス:DM-DMOS(200 sccm) 添加ガス:He(1000 sccm) 反応ガスの総流量:1200 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=42 msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=3.42であった。
【0089】比較例8 材料ガス:PM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:He(140 sccm) 反応ガスの総流量:240 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=210msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.70であった。
【0090】比較例9 材料ガス:DP-DMOS(100 sccm) 添加ガス:He(180 sccm) 反応ガスの総流量:280 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=180msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.70であった。
【0091】実施例11 材料ガス:DM-DMOS(100 sccm) 添加ガス:He(100 sccm) 反応ガスの総流量:480 sccm その他の成膜条件及び使用装置は上記の通り。計算の結
果,滞留時間はRt=253msecである。以上の条件で製造
された絶縁膜の比誘電率はε=2.70であった。 (1)比誘電率の時間変化 成膜から30日間クリーンルーム内に保存された3つの
タイプの膜の比誘電率の変化が測定された。
【0092】
【表5】
【0093】膜内に有機基としてC6H5を含む構造を有す
るDP-DMOS及びPM-DMOS膜は比較的大きな比誘電率の増加
を受けやすい。対照的に,膜内に有機基としてメチル基
のみを含む構造を有するDM-DMOS膜は比誘電率に比較的
小さい増加を受けやすく,当該膜が時間経過にわたって
安定していることを示している。 (2)水分吸収 本発明に従うDM-DMOS膜と比誘電率において高い増加を
示すDP-DMOSとの間で水分吸収が比較された。膜は48時
間放置され,水分吸収はFT-IPスペクトルに基づいて測
定された。図6及び7はDP-DMOS膜のFT-IPスペクトルの
変化を示す。成膜時,膜はほぼ3400〜3400cm-1の範囲で
赤外吸収を示さないが,48時間放置された膜は上記範囲
の赤外吸収を示す。このことは,放置されたときDP-DMO
S膜は水分を吸収することを示している。DM-DMOS膜は同
じ実験をされ,その結果が図8及び9に示されている。
図に示されるように,48時間後ではなく成膜時の膜内で
3400〜3400cm-1の範囲で水分吸収のため赤外吸収が観測
されない。これはDM-DMOS膜が水分吸収に敏感でないこ
とを示している。 (3)ガス脱離特性 DP-DMOS,PM-DMOS,及びDM-DMOS膜が熱脱離スペクトル
試験(上昇温度でのガス脱離)に晒される。その上に膜
が形成されたサンプルが真空チャンバ内に配置されSi-O
-Siネットワーク内に組み込まれる有機基の脱離特性を
観測するために加熱される。図10はDP-DMOS膜内に存
在するC6H5基の脱離特性を示す。図11はPM-DMOS膜内
に存在するC6H5及びCH8基の脱離特性を示す。図12はD
M-DMOS膜内に存在するCH3基の脱離特性を示す。以下の
表は脱離開始と最高脱離の温度を示す。
【0094】
【表6】
【0095】半導体素子に使用される低誘電率膜に要求
される熱抵抗はほぼ450℃である。ほぼこの温度におい
て,DP-DMOS及びPM-DMOS膜内に存在するベンゼン(C6H5)
はわずかな脱離を受けやすい。対照的に,メチル基のみ
を含むDM-DMOS膜は450℃若しくはそれ以下の温度で脱離
を生じず,さらに膜は温度550℃までの熱抵抗を維持す
る。 (4)酸素プラズマ抵抗 DM-DMOS膜及びPM-DMOS膜はそれぞれのSiウエハ上に形成
され,該ウエハは酸素プラズマに照射された。組成及び
水分吸収の変化はFT-IRスペクトルに基づいて観測され
た。酸素プラズマに対して複数のウエハを扱うための従
来のプラズマ装置で本発明に使用されたのと同タイプの
ものが使用された。酸素プラズマの条件は以下の通りで
ある。
【0096】O2:1000 sccm He流量:50sccm RF電力:27MHz,400W 温度:430℃ 露出時間:30秒 図13及び14は成膜時と酸素プラズマ放射後でのPM-D
MOS膜のFT-IRスペクトルプロファイルを比較する。ほぼ
1270cm-1での吸収ピークはSi-CH3結合の数を示す。この
吸収ピークは酸素プラズマ放射後60%に減少し,水分吸
収のためほぼ3500cm-1での赤外吸収を減少させた。上記
観点において,膜内に存在するSiに結合されたC6H5及び
CH3基の有機基は酸素プラズマ放射によって酸化されSi-
OHに変換されることが期待され,それによって水分吸収
を引き起こす。図15及び16は上記と同じ条件で成膜
時及び酸素プラズマ放射後のDM-DMOS膜のFT-IRスペクト
ルプロファイルを示す。Si-CH3の赤外吸収ピークの減少
が20%と低かった(80%は維持される),また水分吸収
のためのほぼ3500cm-1での変化が小さかった。上記観点
で,有機基として-CH3のみを含むDM-DMOS膜は酸素プラ
ズマ放射に対して強い抵抗を示し,酸素プラズマ放射の
ため膜の劣化により生じる水分吸収も低く,DM-DMOS膜
は優れた安定性を有することが示された。
【0097】上記したように,材料ガスとして本発明の
シリコン系炭化水素化合物(特にシリコン系メチル化合
物)を使用する本発明の方法は,高い耐熱性,高い耐湿
性,高い酸素プラズマ抵抗及び低比誘電率を有する絶縁
膜を製造する。付加的に,反応ガスの延長された滞留時
間は膜の比誘電率を効果的に減少させることが分かっ
た。さらに,本発明の方法は高価な装置を使用すること
なく絶縁膜の簡単な製造を実現する。
【0098】本発明はある例によって説明されてきた
が,当業者に明白は他の例も発明の態様の範囲内にあ
る。したがって,本発明の態様は請求の範囲によっての
み定義されるものである。
【0099】本発明の思想から離れることなく多くの修
正が可能であることは当業者の知るところである。した
がって,本発明の形式は示されているもののみであるが
本発明の態様を制限するものではないことを明白に理解
すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,本発明に係る絶縁膜の製造に使用する
プラズマCVD装置を略示したものである。
【図2】図2は,材料ガスとしてPM-DMOSを使用した実
験における,比誘電率と反応ガス総流量との間の関係並
びに滞留時間と反応ガスの総流量との間の関係を示すグ
ラフである。
【図3】図3は,材料ガスとしてPM-DMOSを使用した実
験における滞留時間と比誘電率との間の関係を示すグラ
フである。
【図4】図4は,熱脱離試験において本発明に従う膜
(PM-DMOS,DM-DMOS)からCH4の脱離のため分子量16を有
する成分の熱脱離スペクトルを示すグラフである。
【図5】図5は,熱脱離試験において膜から脱離された
ガスのため,(PM-DMOS,DM-DMOS)膜から脱離された総
分子数に対応した真空の程度の変化すなわち圧力上昇を
示すグラフである。
【図6】図6は,生成と同時のDP-DMOS膜のFT-IPスペク
トルの変化を示すグラフである。
【図7】図7は,48時間経過後のDP-DMOS膜のFT-IPス
ペクトルの変化を示すグラフである。
【図8】図8は,生成と同時のDM-DMOS膜のFT-IPスペク
トルの変化を示すグラフである。
【図9】図9は,48時間経過後のDM-DMOS膜のFT-IPス
ペクトルの変化を示すグラフである。
【図10】図10は,DP-DMOS膜内に存在するC6H5基の
脱離特性を示すグラフである。
【図11】図11は,PM-DMOS膜内に存在するC6H5及びC
H3基の脱離特性を示すグラフである。
【図12】図12は,DM-DMOS膜内に存在するCH3基の脱
離特性を示すグラフである。
【図13】図13は,生成と同時のPM-DMOS膜のFT-IRス
ペクトルプロファイルを示すグラフである。
【図14】図14は,酸素プラズマ放射後のPM-DMOS膜
のFT-IRスペクトルプロファイルを示すグラフである。
【図15】図15は,生成と同時のDM-DMOS膜のFT-IRス
ペクトルプロファイルを示すグラフである。
【図16】図16は,酸素プラズマ放射後のDM-DMOS膜
のFT-IRスペクトルプロファイルを示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月12日(2000.6.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 雄一 東京都多摩区永山6丁目23番1 日本エ ー・エス・エム株式会社内 (72)発明者 松野下 綾 東京都多摩区永山6丁目23番1 日本エ ー・エス・エム株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA09 AA16 CA04 CA12 FA03 JA05 JA11 LA02 5F045 AA08 AB32 AB39 AC08 AC09 AC15 AC16 AC17 AD08 AE21 AF01 BB08 BB16 DC63 DP03 EE02 EE03 EE04 EH14 GB12 5F058 AA04 AA10 AC03 AF02 AH01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ処理によって半導体基板上にシリ
    コン重合体絶縁膜を形成するための方法であって,半導
    体基板が配置されているところのプラズマCVD処理用の
    反応チャンバ内に材料ガスを導入する工程であって,前
    記材料ガスは式SiαOα-1(R)2α-β+2(OCnH2n+1)βを有
    するシリコン系炭化水素化合物から成り,ここで,αは
    1〜3の整数,βは0,1または2,nは1〜3の整数
    及びRはSiに結合されたC1-6炭化水素であるところの工
    程と,半導体基板上に比誘電率を有するシリコン重合体
    膜を形成するために,材料ガスを含む反応ガスが存在す
    るところの反応チャンバ内でプラズマ重合反応を活性化
    させる工程と,シリコン重合体膜の比誘電率が所定の値
    より小さくなるまで,反応チャンバ内の材料ガスの滞留
    時間を延ばすべく反応ガスの流量を制御する工程と,か
    ら成る方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって,滞留時間
    は比誘電率を滞留時間に相関させることによって決定さ
    れる,ところの方法。
  3. 【請求項3】請求項1の記載の方法であって,シリコン
    系炭化水素化合物内に存在するアルコキシは1つから3
    つの炭素原子を有する,ところの方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法であって,シリコン
    系炭化水素化合物は1つから6つの炭素原子を有する,
    ところの方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法であって,シリコン
    系炭化水素化合物は1つから3つのシリコン原子を有す
    る,ところの方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法であって,式中のR
    はCH3である,ところの方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の方法であって,さらにプ
    ラズマ重合反応を活性化する前に,反応を調整するべく
    添加ガスを導入する工程,から成る方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の方法であって,該添加ガ
    スは膜に組み込まれない不活性ガス若しくは非活性ガス
    である,ところの方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の方法であって,該添加ガ
    スは少なくともアルゴン(Ar)若しくはヘリウム(He)のい
    ずれかである,ところの方法。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の方法であって,添加ガ
    スは酸化剤若しくは還元剤のいずれかから成り,いずれ
    の試薬が使用されるかは,所定の性質を有するシリコン
    重合体膜を形成するよう材料ガス内のSi:Oの比率によっ
    て決定される,ところの方法。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の方法であって,シリコ
    ン重合体膜の生成は膜に必要な耐熱温度の付近若しくは
    それ以上の基板温度で実行される,ところの方法。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の方法であって,反応ガ
    スの流量は3.30以下のシリコン重合体膜の比誘電率を与
    えるよう制御されている,ところの方法。
  13. 【請求項13】請求項1に記載の方法であって,反応ガ
    スの滞留時間の所定の値は,反応ガスの滞留時間と膜の
    比誘電率を相関させることによって決定される,ところ
    の方法。
  14. 【請求項14】プラズマ処理によって半導体基板上に形
    成されたシリコン重合体膜であって,前記膜は3.30以下
    の誘電率を有し,実質的に単独の有機機能基としてのメ
    チル基から成る-Si-O-Si-骨子構造を有し,前記膜は式S
    iαOα-1(CH3)2α-β+2(OCnH2n+1)βを有するシリコン
    系炭化水素化合物の材料ガスから得られ,ここで,αは
    1〜3の整数,βは0,1または2,nは1〜3の整数
    である,ところのシリコン重合体膜。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のシリコン重合体膜で
    あって,膜の比誘電率の値は,シリコン重合体膜の比誘
    電率が達成されるまで反応チャンバ内の材料ガスの滞留
    時間を延長することによって得られる,ところのシリコ
    ン重合体膜。
  16. 【請求項16】請求項14に記載のシリコン重合体膜で
    あって,該膜はほぼ450℃若しくはそれ以上の耐熱温度
    を有する,ところのシリコン重合体膜。
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