JP2000348962A - 誘電体組成物及びこれを用いたセラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体組成物及びこれを用いたセラミックコンデンサ

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JP2000348962A
JP2000348962A JP2000079384A JP2000079384A JP2000348962A JP 2000348962 A JP2000348962 A JP 2000348962A JP 2000079384 A JP2000079384 A JP 2000079384A JP 2000079384 A JP2000079384 A JP 2000079384A JP 2000348962 A JP2000348962 A JP 2000348962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成時の耐還元性に優れるとともに、低周波
領域から高周波領域までの広範な領域で安定した静電容
量温度特性を有する誘電体組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも、下記関係式を満足する主成
分酸化物と、前記主成分酸化物100モル%に対する添
加量が2.5モル%以上35モル%以下であるSiO
と、前記主成分酸化物100モル%に対する酸化物
(V)換算の添加量が、0.005モル%以
上0.9モル%以下であるVの酸化物及び/又は焼成に
よりVの酸化物になる化合物と、を含有する。 (La)m・2(TiO)、 mは0.99以上1.10以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体組成物及び
これを用いたセラミックコンデンサに関し、さらに詳し
くは、焼成時の耐還元性に優れるとともに、低周波領域
から高周波領域までの広範な領域で安定した静電容量温
度特性を有する誘電体組成物、並びに、内部電極として
卑金属を用いることができ、低周波領域から高周波領域
までの広範な領域で安定した静電容量温度特性を有する
セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックコンデンサ等に用いられる誘
電体組成物としては、例えば、La Ti
NdTi及びMgOを主成分とするもの
(例えば、特公昭60−20,852号公報、特公昭5
8−51,363号公報、特公昭58−35,323号
公報参照)等が知られている。
【0003】ところで、セラミックコンデンサの内部電
極には、Pt、Au又はAg等の高価な貴金属が用いら
れているが、コストの点からはNi等の卑金属を用いる
ことが望ましい。ところが、こうした卑金属は、高温空
気中では容易に酸化して導電性を失い、電極として役に
立たなくなる場合があるので、電極として卑金属を用い
る場合には、酸素分圧を低下させた還元雰囲気中で焼成
する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の誘電体組成物では、耐還元性が十分でなかった
ため、還元雰囲気で焼成すると比抵抗が大幅に低下する
(即ち、半導体化する)という問題があり、結局、内部
電極として、高価な貴金属を用いるほかなかった。
【0005】これに対し、空気中で焼成した後、還元処
理(N雰囲気下において1000°Cで熱処理)を
行っても、比抵抗の低下があまり見られないものとし
て、La、TiO及びMgOから構成さ
れる誘電体組成物が知られている(例えば、特開昭62
−249,305号公報、及び特開昭62−249,3
06号公報参照)が、この誘電体組成物を、実際に還元
雰囲気で焼成してみると、比抵抗が大幅に低下すること
が本発明者らにより確認されている。
【0006】一方、還元されることなく還元雰囲気で焼
成することが可能で、比抵抗を大きくすることができた
としても、従来の誘電体組成物では、周波数の高低によ
り静電容量温度係数が増減し、容量温度特性の周波数依
存性が大きいという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、焼成時の耐還元性に優れる
とともに、低周波領域から高周波領域までの広範な領域
で安定した静電容量温度特性を有する誘電体組成物を提
供することを目的とする。さらにまた本発明は、内部電
極として卑金属を用いることができるとともに、低周波
領域から高周波領域までの広範な領域で安定した静電容
量温度特性を有するセラミックコンデンサを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】焼成時の耐還元性に優
れ、しかも周波数の高低にかかわらず低周波から高周波
までの広範な領域に渡って安定した静電容量温度特性を
有する(以下、「容量温度特性の周波数依存性が少な
い」ともいう。)バランスのとれた誘電体組成物を得る
ために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、少なくと
も、酸化ランタン(La)及び酸化チタン
(TiO)の組成モル比((La )m・2
(TiO)におけるm)を制御した主成分酸化物に
対して、焼結温度を低下させる焼結助剤としての役割を
有する酸化珪素(SiO)、及び比抵抗を向上さ
せ、しかも静電容量温度係数の増大を抑える役割を有す
る酸化バナジウム(V)を所定量配合するこ
とで好適なものとなることを見出した。
【0009】即ち、LaとTiとの組成モル比(m)が
増加すると、緻密な焼結体を得るための焼成温度が高く
なる傾向にあり、mが減少すると、静電容量の温度係数
が増加する傾向にある。また、La及びTi
を含む主成分酸化物に対するVの添加
量が多すぎると、比抵抗が低下し、静電容量温度係数が
増大する傾向にある。さらに、SiOの添加量は多
すぎても少なすぎても焼結性が悪くなる傾向にある。
【0010】1.こうした知見に基づく本発明に係る
「誘電体組成物」は、少なくとも、下記関係式を満足す
る主成分酸化物と、前記主成分酸化物100モル%に対
する添加量が、2.5モル%以上35モル%以下である
SiOと、前記主成分酸化物100モル%に対する
酸化物(V)換算の添加量が、0.005モ
ル%以上0.9モル%以下であるVの酸化物及び/又は
焼成によりVの酸化物になる化合物と、を含有すること
を特徴とする。
【0011】
【数3】(La)m・2(TiO)、 mは0.99以上1.10以下本発明の誘電体組成物に
よれば、焼成時の耐還元性に優れるとともに、低周波領
域から高周波領域までの広範な領域で安定した静電容量
温度特性を得ることができる。耐還元性に優れるといえ
るためには、例えば、比抵抗ρが、好ましくは1×10
11(Ω・cm)以上、より好ましく1×1013(Ω
・cm)以上である。容量温度特性の周波数依存性が少
ないといえるためには、例えば、100Hz(低周波
数)〜1MHz(高周波数)で所定の温度範囲(−55
〜125°C)で静電容量温度係数がより少ない方が良
く、通常0±300ppm/°C以内、好ましくは0±
250ppm/°C以内(電子機械工業会EIA規格の
C0K特性)、より好ましくは0±120ppm/°C
以内(EIA規格のC0J特性)、最も好ましくは0±
60ppm/°C以内(EIA規格のC0H特性)であ
る。
【0012】なお、本発明の誘電体組成物を用いてコン
デンサを作製した場合に、このコンデンサーが本来的に
有する特性としては、例えば、誘電率εが、好ましくは
40前後、より好ましくは40以上であり、誘電損失t
anδが、好ましくは1%以下である。
【0013】また、既述のm(LaとTiとのモル比)
が大きくなりすぎると、緻密な焼結体を得るための焼成
温度を高くする必要を生じ、小さくなりすぎると、静電
容量の温度係数が増加する傾向にある(特に低周波領域
で顕著である)。従って、焼成温度を一層低くでき、し
かも静電容量温度係数の増加を一層抑制させるには、既
述のmが、1.00以上1.06以下であることが好ま
しい。
【0014】また、前記主成分酸化物100モル%に対
するSiOの添加量が少なすぎると焼結性が低下す
る傾向にあり、多すぎても焼結性が悪くなる傾向にあ
る。従って、焼結性を一層向上させるには、前記主成分
酸化物100モル%に対するSiOの添加量が、
4.0モル%以上35.0モル%以下であることが好ま
しい。
【0015】さらに、前記主成分酸化物100モル%に
対するVの酸化物及び/又は焼成によりVの酸化物にな
る化合物の、酸化物(V)換算の添加量が少
なすぎると、添加することによる効果が得られない傾向
にあり、逆に多すぎると、比抵抗が低下し、しかも低周
波領域における静電容量温度係数が増大する傾向にあ
る。従って、比抵抗を所定値以上に維持し、低周波領域
における静電容量温度係数が増大するのを防止するため
には、前記主成分酸化物100モル%に対するVの酸化
物及び/又は焼成によりVの酸化物になる化合物の、酸
化物(V )換算の添加量が、0.15モル%以
上0.80モル%以下であることが好ましい。
【0016】本発明の誘電体組成物には、(1)Bの酸
化物(たとえば、B)及び/又は焼成により
Bの酸化物になる化合物、(2)Liの酸化物(たとえ
ば、LiO)及び/又は焼成によりLiの酸化物に
なる化合物(たとえば、Li CO)、の少なく
とも1つの焼結助剤がさらに添加してあってもよい。
【0017】この種の焼結助剤をさらに添加すること
で、1200℃以下、好ましくは1100℃程度の低温
で焼成しても、緻密な焼結体を好適に得ることができ
る。ただし、その添加量が余りに多すぎると、焼結性が
悪くなり、場合によっては低周波領域における静電容量
温度係数が増大する傾向がある。このため、上記(1)
を添加する場合の添加量は、主成分酸化物100モル%
に対する酸化物(B )換算で、10モル%以
下であることが好ましい。また、上記(2)を添加する
場合の添加量は、主成分酸化物100モル%に対する酸
化物(LiO)換算で、35モル%以下であること
が好ましい。
【0018】2.上記本発明の誘電体組成物には、種々
の添加物を含んでいても良い。この種の添加物として
は、例えば、Mnの酸化物、焼成によりMnの酸化物に
なる化合物、Snの酸化物、焼成によりSnの酸化物に
なる化合物等を挙げることができ、好ましくは、Mnの
酸化物及び/又は焼成によりMnの酸化物になる化合
物、及び/又は、Snの酸化物及び/又は焼成によりS
nの酸化物になる化合物であり、より好ましくは、Mn
の酸化物(例えば、MnO)及び/又は焼成によりMn
の酸化物になる化合物(例えば、MnCO)、及
び、Snの酸化物(例えば、SnO)及び/又は焼
成によりSnの酸化物になる化合物であり、最も好まし
くは、MnO及び/又はMnCO、及びSnO
である。
【0019】Mnの酸化物(例えば、MnO)又は焼成
によりMnの酸化物になる化合物(例えば、MnCO
)は、比抵抗が低下するのを防止するとともに、低
周波領域での静電容量温度係数を改善する効果を有する
が、添加量が余りに多すぎると比抵抗が低下し、低周波
領域での静電容量温度係数が増大する傾向にあり、余り
に少なすぎると添加する効果が得られにくい傾向にある
ので、その添加量は0.1〜5モル%の範囲が好まし
い。
【0020】Snの酸化物(例えば、SnO)又は
焼成によりSnの酸化物になる化合物は、単独添加では
若干添加する効果に乏しい傾向にあるので、好ましく
は、前記Mnの酸化物(例えば、MnO)及び/又は焼
成によりMnの酸化物になる化合物(例えば、MnCO
)とともに複合添加することにより、一層、低周波
領域での静電容量温度係数の改善が図られる。その添加
量は、複合添加する場合には0.1〜8モル%の範囲が
好ましく、単独で添加する場合には0.1〜5モル%の
範囲が好ましい。
【0021】3.上述した本発明に係る誘電体組成物
は、内部電極と誘電体層とを有するセラミックコンデン
サの前記誘電体層の材料として好ましく用いられる。こ
の場合、前記内部電極は、Cu、Cu合金、Ni又はN
i合金等の卑金属で構成されていることがより好まし
く、Ni又はNi合金で構成されていることが特に好ま
しい。本発明に係る誘電体組成物は、耐還元性に優れて
いるので還元雰囲気中での焼結が可能となり、内部電極
としてNi又はNi合金を用いることができ、コストダ
ウンを図ることができる。なお、このセラミックコンデ
ンサの構造等は、特に限定されず、積層型コンデンサの
他、単板型コンデンサも含む趣旨である。
【0022】また、こうしたコンデンサは、上述した本
発明の誘電体組成物と、卑金属(例えば、Cu、Cu合
金、Ni又はNi合金等)で構成される内部電極材料
と、を積層して、同時焼成することにより製造すること
ができる。積層方法は、特に限定されず、印刷法又はシ
ート法が挙げられる。なお、注入法によっても製造する
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の積層型セラミックコ
ンデンサの実施形態を示す一部破断斜視図である。ま
ず、積層型セラミックコンデンサの構成について説明す
る。本実施形態の積層型セラミックコンデンサ1は、図
1に示すように、内部電極11と誘電体層12とが交互
に積層され、各内部電極に接続している一対の外部電極
13を有する。
【0024】本実施形態では、内部電極11は、Ni又
はNi合金から形成され、特に限定はされないが、Ni
合金としては、95重量%以上のNiと、Mn、Cr、
Co、Al等の一種以上の合金であることが好ましい。
また、Ni又はNi合金中には微量成分として0.1重
量%以下のP等が含有されていても良い。
【0025】内部電極11の厚み等の諸条件は、目的や
用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、厚みは1〜
5μm、好ましくは2〜3μmである。
【0026】誘電体層12の材質は、既述した誘電体組
成物から構成される。また、この誘電体組成物の主成分
酸化物100モル%に対する、酸化物(B
換算の添加量が10モル%以下であるBの酸化物及び/
又は焼成によりBの酸化物になる化合物と、酸化物(L
O)換算の添加量が35モル%以下であるLiの
酸化物及び/又は焼成によりLiの酸化物になる化合物
と、酸化物(MnO)換算の添加量が0.1モル%以上
4.5モル%以下であるMnの酸化物及び/又は焼成に
よりMnの酸化物になる化合物と、酸化物(Sn
)換算の添加量が0.1モル%以上8モル%以下
であるSnの酸化物及び/又は焼成によりSnの酸化物
になる化合物とを、さらに添加することが好ましい。
【0027】なお、外部電極13には、通常、CuやC
u合金、NiやNi合金等が用いられるが、AuやAg
とPdの合金等も使用することができる。外部電極13
の厚みは任意であり、目的や用途に応じて適宜決定すれ
ばよいが、通常10〜50μmである。
【0028】また、このような積層型セラミックコンデ
ンサ1の形状やサイズは目的や用途に応じて適宜決定す
ればよい。例えば、直方体状の場合は、通常1.6〜
3.2mm×0.8〜1.6mm×0.6〜1.2mm
程度である。
【0029】次に、本実施形態の積層型セラミックコン
デンサ1の製造方法について説明する。まず、誘電体層
用ペースト、内部電極用ペースト、外部電極用ペースト
をそれぞれ製造する。
【0030】誘電体層用ペーストは、上述した誘電体組
成物の含有成分に応じた誘電体原料と有機ビヒクルとを
混練するか、又は水溶系塗料として製造される。誘電体
原料には、上述した複合酸化物や酸化物となる各種化合
物、例えば、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合
物等から適宜選択し、混合して用いることができる。誘
電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上述した誘
電体層の組成となるように決定すればよい。誘電体原料
は、通常、平均粒子径0.1〜3.0μm程度の粉末と
して用いられる。
【0031】有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中
に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバイ
ンダは、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニ
ルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すれ
ばよい。また、このとき用いられる有機溶剤も特に限定
されず、印刷法やシート法等利用する方法に応じてテル
ピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン
等の有機溶剤から適宜選択すればよい。
【0032】また、水溶系塗料とは、水に水溶性バイン
ダ、分散剤等を溶解させたものであり、水溶系バインダ
は、特に限定されず、ポリビニルアルコール、セルロー
ス、水溶性アクリル樹脂、エマルジョン等から適宜選択
すればよい。
【0033】内部電極用ペーストは、上述した各種導電
性金属や合金からなる導電材料あるいは焼成後に上述し
た導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネ
ート等と、上述した有機ビヒクルとを混練して調製され
る。また、外部電極用ペーストも、この内部電極用ペー
ストと同様にして調製される。
【0034】上述した各ペーストの有機ビヒクルの含有
量は、特に限定されず、通常の含有量、例えば、バイン
ダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度と
すればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種
分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加
物が含有されても良い。
【0035】印刷法を用いる場合は、誘電体ペースト及
び内部電極用ペーストをポリエチレンテレフタレート等
の基板上に積層印刷し、所定形状に切断したのち基板か
ら剥離することでグリーンチップとする。これに対し
て、シート法を用いる場合は、誘電体ペーストを用いて
グリーンシートを形成し、この上に内部電極ペーストを
印刷したのちこれらを積層してグリーンチップとする。
【0036】次に、このグリーンチップを脱バインダ処
理及び焼成する。脱バインダ処理は焼成前に行われ、通
常の条件で行えばよいが、特に内部電極層の導電材とし
てNiやNi合金等の卑金属を用いる場合には、空気雰
囲気において、昇温速度を5〜300°C/時間、より
好ましくは10〜100°C/時間、保持温度を180
〜400°C、より好ましくは200〜300°C、温
度保持時間を0.5〜24時間、より好ましくは5〜2
0時間とする。
【0037】グリーンチップの焼成雰囲気は、内部電極
層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定すれば
よいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用い
る場合には、焼成雰囲気の酸素分圧を10−7〜10
−3Paとすることが好ましい。酸素分圧が低すぎると
内部電極の導電材が異常焼結を起こして途切れてしま
い、酸素分圧が高すぎると内部電極が酸化されてしまう
からである。また、焼成の保持温度は、1,100〜
1,400°C、より好ましくは1,200〜1,38
0°Cである。保持温度が低すぎると緻密化が不充分と
なり、保持温度が高すぎると内部電極の異常焼結による
電極の途切れ又は内部電極材質の拡散により容量温度特
性が悪化するからである。
【0038】これ以外の焼成条件としては、昇温速度を
50〜500°C/時間、より好ましくは200〜30
0°C/時間、温度保持時間を0.5〜8時間、より好
ましくは1〜3時間、冷却速度を50〜500°C/時
間、より好ましくは200〜300°C/時間とし、焼
成雰囲気は還元性雰囲気とすることが望ましく、雰囲気
ガスとしては例えば、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス
を加湿して用いることが望ましい。
【0039】還元性雰囲気で焼成した場合は、コンデン
サチップの焼結体にアニールを施すことが望ましい。ア
ニールは誘電体層を再酸化するための処理であり、これ
により比抵抗を増加させることができる。アニール雰囲
気の酸素分圧は、10−1pa以上、より好ましくは1
〜10Paとする。酸素分圧が低すぎると誘電体層の再
酸化が困難となり、酸素分圧が高すぎると内部電極が酸
化されるおそれがある。アニールの際の保持温度は、
1,100°C以下、より好ましくは500〜1,10
0°Cである。保持温度が低すぎると誘電体層の再酸化
が不充分となって比抵抗が悪化し、その加速寿命も短く
なる。また、保持温度が高すぎると内部電極が酸化され
て容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してし
まい、容量温度特性、比抵抗及びその加速寿命が悪化す
る。なお、アニールは昇温行程及び降温行程のみから構
成することもできる。この場合には、温度保持時間はゼ
ロであり、保持温度は最高温度と同義である。
【0040】これ以外のアニール条件としては、温度保
持時間を0〜20時間、より好ましくは6〜10時間、
冷却速度を50〜500°C/時間、より好ましくは1
00〜300°C/時間とし、アニールの雰囲気ガスと
しては、例えば、窒素ガスを加湿して用いることが望ま
しい。
【0041】ちなみに、上述した脱バインダ処理、焼成
及びアニール工程において、窒素ガスや混合ガスを加湿
するためには、例えば、ウェッター等を用いることがで
きる。この場合の水温は5〜75°Cとすることが望ま
しい。
【0042】また、これら脱バインダ処理、焼成及びア
ニールは連続して行っても互いに独立して行っても良
い。これらを連続して行う場合には、脱バインダ処理の
のち冷却することなく雰囲気を変更し、続いて焼成の際
の保持温度まで昇温して焼成を行い、続いて冷却してア
ニールの保持温度に達したら雰囲気を変更してアニール
処理を行うことがより好ましい。
【0043】これに対して、これらを独立して行う場合
には、焼成に関しては脱バインダ処理時の保持温度まで
窒素ガスあるいは加湿した窒素ガス雰囲気下で昇温した
のち、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ま
しく、アニールの保持温度まで冷却したのちは、再び窒
素ガス又は加湿した窒素ガス雰囲気に変更して冷却を続
けることが好ましい。また、アニールに関しては窒素ガ
ス雰囲気下で保持温度まで昇温したのち雰囲気を変更し
ても良く、アニールの全工程を加湿した窒素ガス雰囲気
としても良い。
【0044】以上のようにして得られたコンデンサ焼成
体に、例えば、バレル研磨やサンドブラストにより端面
研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷又は転写して焼
成し、外部電極を形成する。外部電極用ペーストの焼成
条件は、例えば、加湿した窒素ガスと水素ガスとの混合
ガス中で600〜800°Cにて10分〜1時間程度と
することが好ましい。そして、必要に応じて外部電極の
表面にメッキ等により被覆層を形成する。
【0045】このようにして製造された本実施形態のセ
ラミックコンデンサ1は、はんだ付け等によってプリン
ト基板上に実装され、各種電子機器に用いられる。
【0046】
【実施例】次に、本発明の実施の形態をより具体化した
実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。但し、
本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではな
い。
【0047】実施例及び参考例 [誘電体組成物]純度98%以上のLa及び
TiO(ともに工業用原料粉末)を、表1〜表2の
試料1〜35の欄に示す配合比になるように秤量した
後、これらをボールミルにて約16時間、湿式混合して
蒸発乾燥し、自然雰囲気中において、1,150°Cで
約3時間、仮焼した。
【0048】そして、この仮焼後の材料に、純度98%
以上のSiO及びV(ともに工業用原料粉
末)の他、必要に応じて純度98%以上のB
、LiO、SnO及びMnCO
(いずれも工業用原料粉末)を、表1〜表2に示す配合
比になるように秤量して配合した後、これらをボールミ
ルにて約16時間、湿式混合して蒸発乾燥し、これを整
粒することにより誘電体組成物を得た。
【0049】次いで、この誘電体組成物に、バインダと
してのポリビニルアルコールを0.6重量%添加して顆
粒状になるようにバインダと誘電体組成物とを混合し、
この顆粒状の誘電体組成物を0.3g秤量して、1.3
トン/cmの圧力で加圧して、直径12mm、厚さ
1mmの円盤状成形体とした。
【0050】次いで、この円盤状成形体を、昇温速度3
00°C/時間、保持温度500°C、保持時間2時
間、空気中雰囲気(PO=0.2気圧)の条件で脱
バインダ処理を行った後、昇温速度200°C/時間、
保持温度1,300〜1,380°C、保持時間2時
間、冷却速度300°C/時間、体積比がH:N
=3:100である還元ガス雰囲気(10−7〜10
−3Pa)の条件で焼成し、直径10mm、厚さ1mm
の円盤状焼成体を得た。
【0051】こうして得られた円盤状焼成体の両面に、
In−Ga合金を塗布することで、φ6mmの電極を形
成し、試料(以下、「円盤状試料」ともいう場合があ
る。)を作製した。
【0052】この試料を用いて、誘電率(ε)、比抵抗
(ρ)、及び静電容量の温度係数(τc)を測定した。
その結果を表1〜表2に示す。なお、誘電損失(tan
δ)については、何れの試料についても1%以下であっ
た。
【0053】誘電率ε及び誘電損失tanδ(単位は
「%」)は、温度25°C、周波数100〜100,0
00Hz、電圧1Vの条件で、円盤状試料の静電容量を
測定し、この測定結果と、試料の電極面積及び厚みから
計算で求めた。比抵抗ρは、室温(20°C)において
DC50Vを、円盤状試料に60秒間印加した後に抵抗
値を測定し、この測定値と、試料の電極面積及び厚みか
ら計算で求めた(単位は「Ω・cm」)。静電容量の温
度係数τcは、円盤状試料の、25°Cでの静電容量C
25及び125°Cでの静電容量C125を、周波数1
MHz(高周波)及び周波数100Hz(低周波)にお
いてそれぞれ測定し、次式で算出した(単位は「ppm
/°C」)。なお、以下、周波数1MHzにおける静電
容量温度係数をτc1M、周波数100Hzにおける静
電容量温度係数をτc100、ともいう場合がある。
【0054】
【数4】τc(ppm/°C)=((C125−C2
5)/C25)×(1/(125−25))×10 [積層型セラミックコンデンサ]表1の試料9につい
て、積層型セラミックコンデンサも作製した。まず、誘
電体層用ペーストについては、上記各誘電体組成物10
0重量%と、アクリル樹脂4.8重量%、塩化メチレン
40重量%、酢酸エチル20重量%、ミネラルスピリッ
ト6重量%及びアセトン4重量%とをボールミルにて混
合し、ペースト化した。
【0055】内部電極用ペーストについては、平均粒径
0.2〜0.8μmのNi粒子100重量%と、有機ビ
ヒクル(エチレンセルロース樹脂8重量%をブチルカル
ビトール92重量%に溶解したもの)40重量%と、ブ
チルカルビトール10重量%とを3本ロールにより混練
しペースト化した。
【0056】外部電極用ペーストについては、平均粒径
0.5μmのCu粒子100重量%と、有機ビヒクル
(エチレンセルロース樹脂8重量%をブチルカルビトー
ル92重量%に溶解したもの)35重量%と、ブチルカ
ルビトール7重量%とを混練しペースト化した。
【0057】次に、上述した誘電体層用ペーストを用い
てPETフィルム上に厚さ15μmのグリーンシートを
形成し、この上に内部電極用ペーストを印刷したのち、
PETフィルムからグリーンシートを剥離した。次い
で、こうして得られた複数枚のグリーンシートを積層
し、加圧圧着することでグリーンチップを作製した。内
部電極を有するグリーンシートの積層数は4層とした。
【0058】次いで、グリーンチップを所定サイズに切
断し、脱バインダ処理、焼成及びアニールを行って、積
層セラミック焼成体を得た。
【0059】この脱バインダ処理は、昇温時間50°C
/時間、保持温度240°C、保持時間8時間、空気雰
囲気の条件で行った。また、焼成は、昇温速度300°
C/時間、保持温度1,300〜1,380°C、保持
時間2時間、冷却速度300°C/時間、体積比がH
:N=3:100である還元ガス雰囲気(10
−7〜10−3Pa)の条件で行った。アニールは、保
持温度1,100°C、保持時間3時間、冷却速度30
0°C/時間、加湿した窒素ガス雰囲気(1Pa)の条
件で行った。なお、それぞれの雰囲気ガスの加湿にはウ
ェッターを用い、水温は35°Cとした。
【0060】次いで、この積層セラミック焼成体の端面
をサンドブラストにて研磨したのち、外部電極用ペース
トを端面に転写し、加湿した窒素ガス及び水素ガス雰囲
気中において、800°Cにて10分間焼成して外部電
極を形成し、積層セラミックコンデンサの試料を得た
(以下、「コンデンサ試料」ともいう場合がある)。試
料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmで
あり、誘電体層の厚みは10μm、内部電極の厚みは
2.0μmであった。
【0061】こうして得られた積層セラミックコンデン
サの試料について、比抵抗(ρ)及び静電容量の温度係
数(τc)を測定した。比抵抗(ρ)及び静電容量の温
度係数τcは、上記円盤状試料における場合と同様に行
った。その結果、比抵抗(ρ)は、6.20×1014
Ωcmであり、十分な絶縁性を保持していた。また、静
電容量の温度係数(τc)については、τc100
80ppm/°Cであり、τc1Mが29ppm/°C
であった。これにより、このコンデンサ試料は、耐還元
性に優れ、しかも静電容量温度特性の周波数依存性が少
ないことが確認された(EIA規格のC0J特性を満足
している)。
【0062】比較例 表1の試料36〜41の欄に示す配合比になるようLa
、TiO 、SiO、V、S
nO及びMnCOを配合した以外は、実施例及
び参考例と同様にして、円盤状試料を作製し、ε、ta
nδ、ρ、及びτcを測定した。これらの評価結果につ
いても表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】考察 表1〜表2中、比抵抗ρの数値において、「mE+n」
は「m×10+n」を意味する。
【0066】表1の結果から、主成分酸化物((La
)m・2(TiO))のモル比m、Si
添加量及びV添加量の関係では、以下
のことが理解される。まず、耐還元性能(例えば、誘電
率が40以上、誘電損失が1%以下、比抵抗が1×10
11Ω・cm以上)、及び静電容量温度特性の周波数依
存性(100Hz及び1MHzで0±60ppm/°C
以内)双方の特性が最も良いベストモードが、試料1〜
8である(EIA規格のC0H特性を満足する)。特
に、試料4〜8では、MnCOとともに、SnO
を複合添加してあるので、比抵抗が高く、しかも静
電容量温度特性の周波数依存性も他の試料1〜3と同等
以上の評価が得られている。
【0067】次いで、耐還元性能、及び静電容量温度特
性の周波数依存性の特性がより良いベターモードが、試
料9〜22である(EIA規格のC0J特性を満足す
る)。これらの試料は、上記ベストモードに比べると、
比抵抗が若干低かったり(試料18,19)、静電容量
温度特性が若干悪くなり始めている、例えば、静電容量
温度特性(1MHz又は100Hz)が0±60ppm
/°Cを超えて0±120ppm/°C以内であるもの
の、十分に許容範囲内であると考えられる。
【0068】次いで、耐還元性能、及び静電容量温度特
性の周波数依存性の特性が良いグッドモードが、試料2
3〜31である(EIA規格のC0K特性を満足す
る)。これらの試料は、上記ベターモードに比べると、
静電容量温度特性がさらに悪くなり始めており、例え
ば、静電容量温度特性(1MHz又は100Hz)が0
±120ppm/°Cを超えて0±250ppm/°C
以内であるものの、十分に許容範囲内であると考えられ
る。
【0069】一方、SnO添加量及びMnCO
添加量の関係では、以下のことが理解される。参考例で
ある試料32〜35のうち、試料32ではMnCO
添加量が4.5モル%を超えたので(6モル%)、低周
波領域(100Hz)での静電容量温度係数が高周波
(1MHz)における場合より高くなる傾向にある。試
料33ではSnOを単独添加しているが、その添加
量が5モル%を超えているので(6モル%)、低周波領
域(100Hz)での静電容量温度係数が高くなる傾向
にある。試料34ではSnO及びMnCOをと
もに添加しているが、MnCO添加量が、4.5モ
ル%を超えたので(6モル%)、低周波領域(100H
z)での静電容量温度係数が高周波(1MHz)におけ
る場合より高くなる傾向にある。試料35ではSnO
をMnCOとともに複合添加しているが、Sn
添加量が8モル%を超えているので(12モル
%)、低周波領域(100Hz)での静電容量温度係数
が高周波(1MHz)における場合より高くなる傾向に
ある。
【0070】また、表2の結果から、B添加
量及びLiO添加量の関係では、以下のことが理解
される。参考例である試料7−4ではLiO添加量
が10モル%を越えたので(12モル%)、焼結性が悪
く、緻密な焼結体が得られなかった。参考例である試料
7−8ではB添加量が35モル%を越えてお
り(40モル%)、低周波領域(100Hz)での静電
容量温度係数が高くなる傾向にある。これに対し、実施
例である試料7−1〜7−3,7−5〜7−7では耐還
元性能、及び静電容量温度特性の周波数依存性の特性を
良好に保持しながら、焼成温度の一層の低温化が図られ
ていることがわかる。
【0071】これに対し、表1の結果から比較例につい
ては以下のことが理解される。試料36では主成分酸化
物100モル%に対するVの添加量が0.0
05モル%未満であったので(0モル%)、静電容量温
度特性は改善されなかった。試料37では主成分酸化物
100モル%に対するVの添加量が0.9モ
ル%を超過したので(1.0モル%)、静電容量温度特
性が悪化した。試料38では主成分酸化物100モル%
に対するSiOの添加量が2.5モル%未満であっ
たので(2.0モル%)、焼結性が低下し、静電容量温
度特性も悪化した。試料39は主成分酸化物100モル
%に対するSiOの添加量が35モル%を超過した
ので(41.75モル%)、焼結性が悪く、緻密な焼結
体が得られなかった。試料40ではmの値が0.99未
満であるので(0.98)、静電容量温度特性が悪化し
た。試料41ではmの値が1.10を超過したので
(1.30)、低温(1380°C以下)で緻密な焼結
体が得られなかった。
【0072】なお、以上説明した実施形態及び実施例
は、本発明の理解を容易にするために記載されたもので
あって、本発明を限定するために記載されたものではな
い。従って、上記の実施形態及び実施例に開示された各
要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や
均等物をも含む趣旨である。
【0073】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、焼成時の耐還元性に優れるとともに、低周波領域か
ら高周波領域までの広範な領域で安定した静電容量温度
特性を有する誘電体組成物が提供される。また、本発明
によれば、内部電極として卑金属を用いることができる
とともに、低周波領域から高周波領域までの広範な領域
で安定した静電容量温度特性を有するセラミックコンデ
ンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の積層型コンデンサの実施形態を
示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1… 積層型セラミックコンデンサ 11… 内部電極 12… 誘電体層 13… 外部電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、下記関係式を満足する主成
    分酸化物と、 前記主成分酸化物100モル%に対する添加量が2.5
    モル%以上35モル%以下であるSiOと、 前記主成分酸化物100モル%に対する酸化物(V
    )換算の添加量が、0.005モル%以上0.9
    モル%以下であるVの酸化物及び/又は焼成によりVの
    酸化物になる化合物と、 を含有することを特徴とする誘電体組成物。 【数1】(La)m・2(TiO)、 mは0.99以上1.10以下
  2. 【請求項2】 (1)前記主成分酸化物100モル%に
    対する酸化物(B )換算の添加量が10モル%
    以下であるBの酸化物及び/又は焼成によりBの酸化物
    になる化合物、および(2)前記主成分酸化物100モ
    ル%に対する酸化物(LiO)換算の添加量が35
    モル%以下であるLiの酸化物及び/又は焼成によりL
    iの酸化物になる化合物、の少なくとも1つを、さらに
    含有することを特徴とする請求項1記載の誘電体組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記主成分酸化物100モル%に対する
    酸化物(MnO)換算の添加量が、0.1モル%以上
    4.5モル%以下であるMnの酸化物及び/又は焼成に
    よりMnの酸化物になる化合物を、さらに含有すること
    を特徴とする請求項1または2記載の誘電体組成物。
  4. 【請求項4】 前記主成分酸化物100モル%に対する
    酸化物(SnO)換算の添加量が、0.1モル%以上
    8モル%以下であるSnの酸化物及び/又は焼成により
    Snの酸化物になる化合物を、さらに含有することを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の誘電体組成物。
  5. 【請求項5】 内部電極と誘電体層とを有するセラミッ
    クコンデンサであって、 前記誘電体層が、請求項1〜4の何れか記載の組成物で
    構成されていることを特徴とするセラミックコンデン
    サ。
  6. 【請求項6】 前記内部電極が、Ni又はNi合金で構
    成されていることを特徴とする請求項5記載のセラミッ
    クコンデンサ。
  7. 【請求項7】 内部電極と誘電体層とを有するセラミッ
    クコンデンサを製造する方法であって、 少なくとも、下記関係式を満足する主成分酸化物と、 前記主成分酸化物100モル%に対する添加量が2.5
    モル%以上35モル%以下であるSiOと、 前記主成分酸化物100モル%に対する酸化物(V
    )換算の添加量が0.005モル%以上0.9モ
    ル%以下であるVの酸化物及び/又は焼成によりVの酸
    化物になる化合物と、を含有する誘電体組成物と、 Ni又はNi合金の内部電極材料と、を積層して、同時
    焼成する、 ことを特徴とするセラミックコンデンサの製造方法。 【数2】(La)m・2(TiO)、 mは0.99以上1.10以下
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