JP2000348771A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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Abstract
っても、電池素子の飛び出しのない高い信頼性を有す
る。 【解決手段】 セパレータを介して正極と負極が積層さ
れ巻回されてなる電池素子が安全弁を有する電池ケース
内に収容されるとともに、巻回された電池素子の両端面
に接して絶縁板が配されてなり、少なくとも上記安全弁
側に位置する絶縁板は、大気中での5%重量減少温度が
500℃以上である熱硬化性樹脂を含んでおり、その厚
さが1mm以下であり、且つ500℃において1kgf
/mm2以上の耐圧を有する。
Description
囲気下での強度を改良した絶縁板を有する信頼性の高い
非水電解液二次電池に関するものである。
高性能化は目覚ましく、それに伴って、電子機器用二次
電池における高エネルギー密度化への要求も高まってい
る。この要求を満たすべく提案、実用化されたのがリチ
ウムイオン二次電池である。このリチウムイオン二次電
池は従来の鉛電池、ニッケル−カドミウム電池などと反
応形式が本質的に異なり、層状化合物等に対するリチウ
ムイオンのインターカレショーンまたはドーピング現象
を利用しているため、「メモリー効果がない」、「自己
放電が少ない」等の特徴を持っているだけでなく、サイ
クル特性にも優れている。
ように帯状正極21と帯状負極22とをセパレータ23
で絶縁した電極を積層して形成した電池素子22を電池
ケース内に収納し、電池ケース26内に非水電解液を注
入し、さらに、電池ケース26内の電池素子32の安全
弁27側に、電極の積層される方向と垂直となるよう
に、上部絶縁板24を備えている。
たような従来の非水電解液二次電池では、過充電、過放
電又は短絡等の異常事態において、電池内部の化学反応
が過度に進行し、電池内部が500℃以上の高温となる
場合がある。また電池が火中に投下された場合には、電
池全体がさらに高温となる。上述の状態になると、電池
内部の圧力が異常に上昇し、電池素子32が飛び出すと
いうおそれもある。
7側に位置する絶縁板24(上部絶縁板:トップインシ
ュレーター)は、非水電解液二次電池を構成する部品の
中で、電池素子32の飛び出しを防止することができる
という可能性を有している。本来、上部絶縁板24は、
電池素子32を構成する負極22及び正極21と、電池
ケース26及び安全弁27等の電池構成部品との短絡を
防止するための絶縁部材である。しかし、上部絶縁板2
4は、耐熱性及び高温雰囲気における強度を向上させる
ことで、電池素子32の飛び出し防止部品にもなり得
る。
る上部絶縁板24を構成する材料は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のプラスチックと、フェノール樹脂積層
板との2つに大別される。
部の温度は500℃以上になる場合があり、上部絶縁板
24の部分も同程度の温度になると考えられる。
料がポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックの
場合、ポリエチレン、ポリプロピレン等の融点あるいは
分解点は、120℃〜170℃程度と非常に低いので、
プラスチック製の上部絶縁板24は、500℃以下の温
度で軟化、融解及び分解をするという問題がある。
液二次電池で採用されている上部絶縁板24の材料の中
で、高温雰囲気下で最も高い強度を有する材料である。
しかし、フェノール樹脂製の上部絶縁板24を有する非
水電解液二次電池を火中投入(高温雰囲気下にさらすこ
とと同義)後、この非水電解二次電池を解体すると、フ
ェノール樹脂が炭化していることが確認される。フェノ
ール樹脂製の上部絶縁板24は、JIS(K6911)
規定の曲げ強さの測定において、常温(25℃)で16
kgf/mm2を示していたが、火中投入後の曲げ強さ
の測定では、0.3kgf/mm2程度にまで低下して
いる。
は、電池ケース26内に収納した、上部絶縁板24が、
500℃において、1kgf/mm2以上の内部圧力に
耐えられる耐圧を有する必要がある。しかし、上述した
ように、現在市販されている非水電解液二次電池の上部
絶縁板材料は、最も高温雰囲気下での強度を有するフェ
ノール樹脂でさえ、500℃において、1kgf/mm
2以上の内部圧力に耐える耐圧を有していないという問
題がある。
決するために案出されたものであって、電池内部の急激
な温度上昇及び/又は圧力上昇があっても、電池素子の
飛び出しのない、高い信頼性を有する非水電解液二次電
池を提供することを目的とする。
めに、本発明に係る非水電解二次電池は、セパレータを
介して正極と負極とが積層され巻回されてなる電池素子
が安全弁を有する電池ケース内に収容されるとともに、
巻回された電池素子の両端面に接して絶縁板が配されて
なる非水電解二次電池において、少なくとも上記安全弁
側に位置する絶縁板は、大気中での5%重量減少温度が
500℃以上である熱硬化性樹脂を含んでおり、その厚
さが1mm以下であり、且つ500℃において1kgf
/mm2以上の耐圧を有する。
電解液二次電池は、安全弁側に位置する上部絶縁板に大
気中での5%重量減少温度が500℃以上の熱硬化性樹
脂を用いることで、500℃以上の耐熱を有し、さらに
500℃以上の温度下でも1kgf/mm2以上の耐圧
を有することで、電池素子の飛び出しが防止され高い信
頼性を得る。
電池容量及び起電力等の基本的な性能は、上部絶縁板の
厚さを1mm以下に保つことで、電池素子の体積が十分
に確保されるため、従来の非水電解液二次電池と同等の
ものを得る。
は、上部絶縁板に溶解成形可能な熱硬化樹脂を用いるこ
とで、その生産工程が短縮され、低価格での作製を可能
とする。
減少温度が500℃以上である熱硬化性樹脂と、ガラス
クロス又は石綿紙との積層板よりなることが好ましい。
上述の熱硬化性樹脂と、ガラスクロス又は石綿紙とで積
層板を形成し、これを上部絶縁板とすると、その強度
は、上述の熱硬化樹脂のみで形成された上部絶縁板より
増すこととなり、耐圧性も向上する。
属板を大気中での5%重量減少温度が500℃以上であ
る熱硬化性樹脂により被覆した複合材よりなることが望
ましい。上述の熱硬化性樹脂で金属メッシュ又は金属板
を被覆した複合材を上部絶縁板とすると、その強度は、
上述の熱硬化性樹脂と、ガラスクロス又は石綿紙との積
層板で形成された上部絶縁板より増すこととなり、耐圧
性もさらに向上する。
次電池の実施の形態について、図面を参照しながら詳細
に説明する。本発明に係る非水電解液二次電池は、図1
に示すように、帯状正極1と帯状負極2とをセパレータ
3で絶縁した電極を積層して形成した電池素子12を電
池ケース内に収納し、電池ケース6内に非水電解液を注
入し、さらに、電池ケース6内の電池素子12の安全弁
7側に、電極の積層される方向と垂直となるように、大
気中での5%重量減少温度が500℃である溶解成形可
能な熱硬化樹脂を用いた上部絶縁板4を備えることで構
成されており、上部絶縁板4の厚さは1mm以下であ
り、上部絶縁板4は、500℃下において1kgf/m
m2以上の耐圧性を有することを特徴としている。
部の温度は500℃以上になる場合があり、上部絶縁板
4も同程度の温度にさらされると考えられる。従って上
部絶縁板4を構成する材料は、少なくとも500℃以上
の耐熱性が必要である。そこで、上部絶縁板4に用いる
材料は、絶縁性を保ちつつ、上述のような耐熱性を示
す、アルミナ、ジルコニア等の無機材料も考えられる
が、成形性、加工性の面で高分子材料が最も適してお
り、上述の条件を満たす絶縁物質には、大気中の5%重
量減少温度が、500℃以上の熱硬化性樹脂の使用が考
えられる。
部絶縁板4を耐熱性及び高温雰囲気下での強度を改良し
た以外、従来の非水電解液二次電池と同様の構成とする
ことができる。
1aと、この両面に正極活物質を含み、ペースト状に調
整された正極合剤を塗布することでなる、正極合剤層1
bとから構成される。
O2(AはMn、Co又はNiよりなる群から選ばれる
少なくとも一種の遷移金属であり、MはB、Mg、C
a、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Al、Sn、Sb、Ag、In、Nb、M
o、W、Y、Ru又はRhよりなる群から選ばれる、少
なくとも一種の元素である。また、0.05≦X≦1.
1、0≦Y≦0.5である。)を含むリチウム複合酸化
物を挙げることができる。これらの複合酸化物は、例え
ば、リチウム、コバルト、ニッケル等の炭酸塩を組成に
応じて混合し、酸素存在雰囲気下600〜1000℃の
温度範囲で焼成することによって得られる。なお、出発
原料は炭酸塩に限定されず、水酸化物、酸化物からも同
様に合成可能である。
2aと、この両面に負極活物質を含み、ペースト状に調
整された負極合剤を塗布することでなる、負極合剤層2
bとから構成される。
いて、帯状負極2の負極活物質として利用可能な材料
は、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タ
ングステン、酸化チタン等の比較的電位が低い酸化物や
その他の酸化物、炭素材料等が挙げられる。
水電解液二次電池に用いられるものはいずれも使用可能
であるが、特に以下に列挙する炭素材料が好適である。
焼成等の手法により炭素化して得られる炭素質材料が挙
げられる。
脂、アクリル樹脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリア
セチレン、ポリ(p−フェニレン)等の共役系樹脂、セ
ルロース及びその誘導体、任意の有機高分子系化合物等
を使用することができる。
ントランセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペ
ンタフェン、ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、
その他誘導体(例えば、これらのカルボン酸、カルボン
酸無水物、カルボン酸イミド等)、前記各化合物の混合
物を主成分とする各種ピッチ、アセナフチレン、インド
ール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノ
キサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フ
ェナジン、フェナントリジン等の縮合複素環化合物、そ
の誘電体も使用可能である。
フラールのホモポリマー、コポリマーよりなるフラン樹
脂を炭素化した炭素質材料は、(002)面の面間隔が
0.37nm以上、真密度1.7g/cc以下、且つ示
差熱分析(DTA)で700℃以上に酸化発熱ピークを
持たず、電池の負極材料として非常に有効な特性を示
す。
ッチに酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)し
たものも、上記フラン樹脂と同様、炭素化したときに優
れた特性を発揮することから、炭素質材料の出発原料と
なる有機材料として使用される。ここでは、石油ピッチ
のH/Cの原子比が重要であり、黒鉛化炭素とするため
には、このH/C原子比を0.6〜0.8とする必要が
ある。
具体的な手段は限定されないが、例えば、硝酸、混酸、
硫酸、次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、あるいは酸
化性ガス(空気、酸素)による乾式法、さらに、硫黄、
硝酸アンモニア、過硫酸アンモニア、塩化第二鉄等の固
体試薬による反応等が用いられる。
素を導入した場合、炭素化の過程(400℃以上)で溶
融することなく、固相状態で最終の炭素質材料が得られ
る。これは、難黒鉛化炭素の生成過程に類似している。
入した石油ピッチを炭素化して負極材料とすると、(0
02)面の面間隔が0.370nm以上、真密度1.7
g/cc以下、且つDTAで700℃以上に酸化発熱ピ
ークを持たないという特性を満足するような炭素質材料
が得られるように設定すれば、単位重量あたりのリチウ
ムドープ量の大きなものが得られる。これは、例えば、
石油ピッチを酸素架橋した前駆体の酸素含有量を10重
量%以上にすることが好ましく、実用的には10〜20
重量%の範囲である。
は、出発原料によっても異なり、通常は500〜200
0℃とされる。
い、炭素質材料を得る場合、例えば、窒素気流中、30
0〜700℃で炭化したあと、窒素気流中、昇温速度毎
分1〜20℃、到達温度900〜1300℃、到達温度
での保持時間0〜5時間程度の条件で焼成すれば良い。
場合によっては炭化操作を省略しても良い。
する際に、リン化合物又はホウ素化合物を添加すること
で得られる、リチウムドープ量の大きい特殊な負極化合
物も使用可能である。
の酸化合物やオルトリン酸等のオキソ酸や塩等が挙げら
れるが、取り扱い易さ等の点からリン酸化物及びリン酸
が好適である。添加するリン化合物の量は、有機材料も
しくは炭素質材料に対してリン換算で0.2〜30重量
%、好ましくは0.5〜15重量%、また負極材料中に
残存するリンの割合は0.2〜9.0重量%、好ましく
は0.3〜5重量%とする。
素を水溶液にして、フラン樹脂や石油ピッチ等を炭素化
する際に添加することができる。添加するホウ素化合物
の量は、有機材料又は炭素質材料に対してホウ素換算で
0.2〜30重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量
%、また、負極材料中に残存するホウ素の割合は、0.
2〜9.0重量%、好ましくは0.3〜5重量%であ
る。
ス状炭素等の低温処理炭素質材料と比較して真密度が高
いので、活物質としての電極充填度が高い。よって、こ
れを負極材料として用いると、高エネルギー密度の二次
電池を構成することが可能である。
充填性を得るには、真密度が2.1g/cc以上が好ま
しく、2.18g/ccがさらに好ましい。そのような
真密度をえるには、X線回折法で得られる(002)面
の面間隔が、好ましくは0.339nm未満、さらに好
ましくは0.335nm以上、且つ0.337nm以下
を満足し、(002)面のc軸方向の結晶子厚みが1
6.0nm以上、さらに好ましくは30.0nm以上で
あることが必要である。
は、天然黒鉛が挙げられる。また、有機材料を炭素化
し、さらに高温処理された人造黒鉛も上述の結晶構造に
係る値を示す。
原料となる有機材料は、石炭やピッチである。
ボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、ア
スファルト等より蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム
蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等、の操作によっ
て得られるもの、その他木材乾留に生成するピッチ等が
ある。
化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチ
ラート、3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
400℃程度で液状で存在し、その温度を保持すること
で、芳香族環同士が縮合、多環化して積層配向した状態
となり、その後500℃程度以上の温度になると固体の
炭素前駆体、すなわち、セミコークスを形成する。この
ような過程は液相炭素化過程と呼ばれ、易黒鉛化炭素の
典型的な生成過程である。
トラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペンタ
フェン、ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、その
他誘導体(例えば、これらのカルボン酸、カルボン酸無
水物、カルボン酸イミド等)、あるいは混合物、アセナ
フチレン、インドール、イソインドール、キノリン、イ
ソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾー
ル、アクリジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮
合複素環化合物、さらにはその誘導体も原料として使用
可能である。
鉛を生成するには、例えば、有機材料を窒素等の不活性
ガス気流中、300〜700℃で炭化した後、不活性ガ
ス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度900
〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度
の条件で仮焼きし、さらに2000℃以上、好ましくは
2500℃以上で熱処理する。場合によっては炭化や、
仮焼き操作を省略しても良い。
鉛材料は粉砕・分級して負極材料に供されるが、この粉
砕は炭化、仮焼き、高温熱処理の前後あるいは昇温過程
の間、いずれで行っても良い。さらに、より実用的な性
能を有する黒鉛材料を得るには、以下の物性値を満足す
る材料を用いることが好ましい。
上であり、且つ嵩比重が0.4g/cc以上のものを用
いることが好ましい。なぜなら、黒鉛材料は真密度が高
いので、これで負極を構成すると、電極充填性が高めら
れ、電池のエネルギー密度が向上する。また黒鉛材料の
うち、特に嵩比重が0.4g/cc以上の黒鉛材料を用
いると、このように嵩比重が大きな黒鉛材料が負極合剤
層中に比較的均一に分散されることができる等の理由に
より、電極構造が良好なものとなって、サイクル特性が
改善される。さらに、嵩比重が0.4g/cc以上であ
って、且つ平均形状パラメータXaveが125以下で
ある扁平度の低い材料を用いると、さらに電極構造が良
好なものとなり、サイクル特性が改善される。
とされた状態で黒鉛化のための熱処理を行う方法が好ま
しく、この黒鉛化成型体を粉砕することによって、より
嵩比重が高く、平均形状パラメータXaveの小さい黒
鉛材料が可能となる。
パラメータXaveが上記の範囲であって、比表面積が
9m2/g以下の黒鉛粉末を用いた場合、黒鉛粒子に付
着したサブミクロンの微粒子が少なく嵩比重が高くな
り、電極構造が良好なものとなってさらにサイクル特性
が改善される。
分布において、累積10%粒径が3μm以上であり、且
つ累積50%粒径が10μm以上であり、且つ累積90
%粒径が70μm以下である黒鉛粉末を用いることによ
り安全性、信頼性の高い非水電解液二次電池が得られ
る。粒度の小さい粒子は比表面積が大きくなるが、この
含有率を制限することにより、比表面積の大きい粒子に
よる過充電時などの発熱を抑制するとともに、粒度の大
きい粒子の含有率を制限することにより、初充電時にお
ける粒子の膨張に伴う内部ショートを抑制することがで
き、高い安全性、信頼性を有する実用的な非水電解液二
次電池が可能となる。
gf/mm2以上である黒鉛粉末を用いることにより、
電極中に電解液を含有させるための空孔を多く存在させ
ることができ、負荷特性の良好な非水電解液二次電池が
可能となる。
るセパレータ3としては、微多孔性ポリプロピレンフィ
ルムが好ましい。
れてなる非水電解液を用いる。電解質を溶解する非水溶
媒としては、エチレンカーボネート(EC)等の比較的
誘電率の高いものを主溶媒に用いることが前提となる
が、本発明を完成させるにはさらに複数成分の低粘度溶
媒を添加する必要がある。
ネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカー
ボネート、スルホラン類、ブチロラクトン類、バレロラ
クトン類等が好適である。低粘度溶媒としては、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチル
カーボネート、メチルプロピルカーボネート等の対称、
あるいは非対称の鎖状炭酸エステルが好適であり、され
に2種類以上低粘度溶媒を混合して用いても良好な結果
が得られる。
溶媒の主溶媒として好適なのは、ECがまず挙げられる
が、ECの水素原子をハロゲン元素で置換した構造の化
合物も好適である。
るものの、主溶媒としてのECやECの水素原子をハロ
ゲン元素で置換した構造の化合物等に対して、その一部
を極く少量第2成分溶媒で置換することにより、良好な
特性が得られる。その第2成分溶媒としてはPC、ブチ
レンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシメタン、γ−ブチロラクトン、バレロラク
トン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジ
オキソラン、スルホラン、メチルスルホラン等が使用可
能であり、その添加量としては10容量%未満が好まし
い。
第2成分溶媒の混合溶媒に対して、第3の溶媒を添加し
導伝率の向上、ECの分解抑制、低温特性の改善を図る
とともにリチウム金属との反応性を低め、信頼性を改善
するようにしても良い。
ーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DM
C)等の鎖状炭酸エステルが好適である。また、メチル
エチルカーボネート(MEC)やメチルプロピルカーボ
ネート(MPC)等の非対称鎖状炭酸エステルが好適で
ある。主溶媒あるいは主溶媒と第2成分溶媒の混合溶媒
に対する第3成分となる鎖状炭酸エステルの混合比(主
溶媒または、主溶媒と第2成分溶媒の混合溶媒:第3成
分溶媒)は容量比で15:85〜40:60が好まし
く、18:82〜35:65がさらに好ましい。
DMCとの混合溶媒であってもよい。MEC−DMC混
合率は、MEC容量をm、DMC容量をdとしたとき
に、1/9≦d/m≦8/2で示される範囲とすること
が好ましい。また主溶媒あるいは主溶媒と第2成分溶媒
の混合溶媒と第3成分の溶媒となるMEC−DMCの混
合比率は、MEC容量をm、DMC容量をd、溶媒全量
をTとしたときに、3/10≦((m+d)/T)≦9
/10で示される範囲とすることが好ましく、5/10
≦((m+d)/T)≦8/10で示される範囲とする
ことがさらに好ましい。
ては、この主の電池に用いられるものであればいずれも
1種以上混合し使用可能である。例えばLiPF6が好
適であるが、その他LiClO4、LiAsF6、Li
BF4,LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、C
F3SO3Li、CF3SO3Li、LiN(CF3S
O2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCl、Li
Br等も使用可能である。
いて説明する。
を0.5モルと炭酸ニッケルを1モルとを混合し、90
0℃の空気中で5時間焼成しLiNiO2を得た。正極
活物質としてこのLiNiO2を91重量部と、導電剤
としてグラファイトを6重量部と、結着剤としてポリフ
ッ化ビニリデンを3重量部とを混合し、正極合剤とし
た。この正極合剤をN−メチルピロリドンに分散させて
スラリー(ペースト状)にした。
アルミニウム箔を用い、この正極集電体1aの両面に均
一に正極合剤スラリーを塗布して正極合剤層1bとし、
これを乾燥させた後、圧縮成型して帯状正極1を作製し
た。
レンカーボネートとジエチルカーボネートとの等量混合
溶媒に、LiPF6を1mol/lの割合で溶解した溶
液を電解液として調整した。
料として石油ピッチを用い、これに酸素を含む官能基を
10〜20重量%導入(いわゆる酸素架橋)した後、不
活性ガス気流中1000℃で焼成して、難黒鉛化性炭素
を得た。この材料について、X線回折測定を行った結果
(002)面の面間隔は3.76Åであった。また、ピ
クノメータ法により真比重を測定したところ、1.58
g/cm3であった。この炭素材料を粉砕し、平均粒径
10μmの炭素材料粉末とした。
量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVD
F)を10重量部とを混合し、負極合剤を調整した。こ
の負極合剤を、溶剤であるN−メチルピロリドンに分散
させてスラリー(ペースト状)にした。負極集電体2a
として厚さ10μmの帯状の銅箔を用い、この負極集電
体2aの両面に負極合剤スラリーを塗布して負極合剤層
2bとし、これを乾燥させた後、圧縮成型して帯状負極
2を作製した。
レンカーボネートとジエチルカーボネートとの等量混合
溶媒に、LiPF6を1mol/lの割合で溶解した溶
液を電解液として調整した。
中の5%重量減少温度が、567℃である高耐熱含ケイ
素ポリマー(三井化学株式会社製 商品名:MSP−
1)を90℃で溶解成形の後、200℃で熱硬化処理を
施して、厚さを1mmにした。
極2、非水電解液、上部絶縁板4を以下のように組み立
てた。
と、厚さ20μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムよ
りなるセパレータ3とを、帯状負極2、セパレータ3、
帯状正極1、セパレータ3の順に積層してから、積層体
を多数回捲回し、最外周セパレータ最終端部を、粘着テ
ープで固定することで電池素子12を作製した。
を、下部に下部絶縁板5をどちらも、電極素子12の積
層された電極と垂直になるように備え付けた。また、ニ
ッケル鍍金を施した鉄製で有底円筒型の電池ケース(負
極缶)6と電池素子12の負極集電体2aから導出した
ニッケル製負極リード10とを電池ケース6の底部に溶
接してから、電池素子12を電池ケース6内に収納し
た。続いて非水電解液を電池ケース6内に注入して、電
池素子12に含浸させた。
ード11を導出させ、安全弁7に溶接した。安全弁7上
に電池蓋8を重ねて乗せ、アスファルトで表面を塗布し
た絶縁封口ガスケット9を介して電池ケース6をかしめ
ることにより、上部絶縁体4、安全弁7、及び電池蓋8
を固定し密閉した。
池を作製した。
名:MSP−1)を100μmのシート状にしたもの
と、50μmのガラスクロスを交互に重ね、200℃の
温度を加えながら圧縮して作製した厚さ1mmの積層板
を上部絶縁板4として使用すること以外は、実施例1と
同様にして円筒形非水電解液二次電池を作製した。
名:MSP−1)を100μmのシート状にしたもの
と、50μmの石綿紙を交互に重ね、200℃の温度を
加えながら圧縮して作製した厚さ1mmの積層板を上部
絶縁板4として使用すること以外は、実施例1と同様に
して円筒形非水電解液二次電池を作製した。
1mm、目開き1.2mm)を打ち抜いた後に、高耐熱
含ケイ素ポリマー(三井化学株式会社製 商品名:MS
P−1)で覆って作製した厚さ1mmの上部絶縁板4を
使用すること以外は、実施例1と同様にして円筒型非水
電解液二次電池を作製した。
た後に、高耐熱含ケイ素ポリマー(三井化学株式会社製
商品名:MSP−1)で覆って作製した厚さ1mmの
上部絶縁板4を使用すること以外は、実施例1と同様に
して円筒型非水電解液二次電池を作製した。
積層板を上部絶縁板4として使用すること以外には、実
施例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作製し
た。
た各電池の中心部をバーナーで加熱し、不良本数及び不
良率を調べた。なお、不良本数とは、それぞれの例につ
いて50本づつバーナーで加熱し、素子の飛び出しを防
止できなっかった本数である。不良率とは全試験本数に
対して不良本数の割合のことである。
作製した各電池の不良本数、不良率及び500℃におけ
る上部絶縁板4の強度についてまとめた。
中、500℃の下での曲げ強度は全て1.0kgf/m
m2以上となり、不良本数も0であることから、耐熱
性、耐圧性ともに十分であり、電池素子12の飛び出し
がないことが分かる。
料に高耐熱含ケイ素ポリマー(三井化学株式会社製 商
品名:MSP−1)を用いず、フェノール樹脂を使用
し、これとガラスクロスとで積層板を形成し上部絶縁板
4としている。フェノール樹脂は上述のように500℃
以上の耐熱性を有していない。また、表1より、比較例
1の大気中、500℃下での曲げ強度は0.3kgf/
mm2と最小の値を取ることから、比較例1の耐圧性は
実施例1〜実施例5及び比較例1の中で最も低くなるこ
とが分かる。このことは、比較例1が電池素子12の飛
び出しが認められ、18%の不良率を示すことからも確
認できる。したがって、非水電解液二次電池が500℃
以上の温度において、電池素子12の飛び出し防止機能
を有するためには、フェノール樹脂のみで構成された上
部絶縁板4の強度を向上させた、フェノール樹脂とガラ
スクロスからなる積層板も上部絶縁板4には適切でない
ことが分かる。
12の飛び出し防止機能を有する上部絶縁板4を形成す
る際、上部絶縁板4の構成材料としては、大気中での5
%重量減少温度が500℃以上である熱硬化性樹脂を用
いるのが良いことが分かる。
は、大気中、500℃の下での曲げ強度が全て1kgf
/mm2以上のものであるが、その値にはそれぞれ違い
が見られる。曲げ強度の値が高いものから順に列挙する
と、実施例5(3.7kgf/mm2)、実施例4
(2.0kgf/mm2)、実施例2(1.5kgf/
mm2)、実施例3(1.2kgf/mm2)、実施例
1(1.0kgf/mm2)となる。以上より純粋な熱
硬化性樹脂で作製された上部絶縁板4よりも、熱硬化性
樹脂と他材料との積層板として加工されたもののほう
が、高い曲げ強度を示すことが分かる。また最も高い曲
げ強度を示した上部絶縁板4は、金属板を熱硬化性樹脂
で被覆した複合材で構成される比較例4の上部絶縁板4
である。これより、今まで、強い強度及び/又は高い耐
熱性を有するが、絶縁板としては用いることのできなか
った金属材料も熱硬化性樹を被覆することで、上部絶縁
板4として使用可能となることが分かる。
明の非水電解液二次電池では、耐熱性及び高温雰囲気下
での強度を改良した上部絶縁板を用いることによって過
充電、過放電、短絡、火中投下等の以上事態においても
素子飛び出しのない非水電解液二次電池の提供が可能と
なる。
ある。
2 帯状負極、2a負極集電体、2b 負極合剤層、3
セパレータ、4 上部絶縁板、5 下部絶縁板、6
電池ケース、7 安全弁、8 電池蓋、9 ガスケッ
ト、10 負極リード、11 正極リード、12電池素
子
Claims (3)
- 【請求項1】 セパレータを介して正極と負極とが積層
され巻回されてなる電池素子が安全弁を有する電池ケー
ス内に収容されるとともに、巻回された電池素子の両端
面に接して絶縁板が配されてなる非水電解液二次電池に
おいて、 少なくとも上記安全弁側に位置する絶縁板は、大気中で
の5%重量減少温度が500℃以上である熱硬化性樹脂
を含んでおり、その厚さが1mm以下であり、且つ50
0℃において1kgf/mm2以上の耐圧を有すること
を特徴とする非水電解液二次電池。 - 【請求項2】 上記絶縁板は、大気中での5%重量減少
温度が500℃以上である熱硬化性樹脂と、ガラスクロ
ス又は石綿紙との積層板よりなることを特徴とする請求
項1記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項3】 上記絶縁板は、金属メッシュ又は金属板
を大気中での5%重量減少温度が500℃以上である熱
硬化性樹脂により被覆した複合材よりなることを特徴と
する請求項1記載の非水電解液二次電池。
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1999
- 1999-06-02 JP JP15564999A patent/JP4200589B2/ja not_active Expired - Fee Related
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