JP2000348654A - 発光素子 - Google Patents
発光素子Info
- Publication number
- JP2000348654A JP2000348654A JP11157540A JP15754099A JP2000348654A JP 2000348654 A JP2000348654 A JP 2000348654A JP 11157540 A JP11157540 A JP 11157540A JP 15754099 A JP15754099 A JP 15754099A JP 2000348654 A JP2000348654 A JP 2000348654A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- layer
- phosphor
- substrate
- magnesium oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 動作中の真空度を高めて電子放出量の低減を
抑制し、発光素子の長寿命化を実現する。 【解決手段】 本発明の発光素子は、蛍光体層および光
吸収層が形成された第一の透光性基板と、電子放出部が
形成された第二の基板と、上記第一の基板と第二の基板
を対向配置して真空容器を形成した発光素子において、
光吸収層の真空の空間に対向した表面に少なくとも酸化
マグネシウムを含む材料で構成されたガス吸着層を設け
た。
抑制し、発光素子の長寿命化を実現する。 【解決手段】 本発明の発光素子は、蛍光体層および光
吸収層が形成された第一の透光性基板と、電子放出部が
形成された第二の基板と、上記第一の基板と第二の基板
を対向配置して真空容器を形成した発光素子において、
光吸収層の真空の空間に対向した表面に少なくとも酸化
マグネシウムを含む材料で構成されたガス吸着層を設け
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、赤、青および緑
色に発光する画素をもつ発光素子に関するもので、この
発光素子をマトリックス配列して巨大画面表示装置を構
成するものである。
色に発光する画素をもつ発光素子に関するもので、この
発光素子をマトリックス配列して巨大画面表示装置を構
成するものである。
【0002】
【従来の技術】巨大画面表示装置の表示面を構成する発
光素子としてCRT方式の発光素子が広く用いられてい
る。たとえば、月刊ディスプレイ、vol.4、No.
11(1998)P53〜57には図5に示すような構
造の発光素子が示されている。この図において、ボトム
ガラス22とスペーサーガラス23は説明のため分離し
て示しているが、実際にはフリットガラスで接着されて
おり、内部は高真空に保たれている。ボトムガラス22
の上に配置された線状カソード24から放射された電子
がシールド電極25の開口部26を通過してフェイスガ
ラス21内面に塗布された蛍光体27を励起発光させて
画像を得ている。線状カソード24はタングステンワイ
ヤーを架橋してその表面に電子放出物質、たとえばバリ
ウム−ストロンチウム−カルシウムの三元酸化物が塗布
されている。このタングステンワイヤーに電圧を印加し
て電子放出物質を高温にして熱電子を得ている。線状カ
ソードは赤、青および緑色に塗り分けられた蛍光体27
それぞれに対応して配置されており、ボトムガラス22
の表面に形成されたX−Y電極(図示せず)によって電
子放出の制御が行われる。
光素子としてCRT方式の発光素子が広く用いられてい
る。たとえば、月刊ディスプレイ、vol.4、No.
11(1998)P53〜57には図5に示すような構
造の発光素子が示されている。この図において、ボトム
ガラス22とスペーサーガラス23は説明のため分離し
て示しているが、実際にはフリットガラスで接着されて
おり、内部は高真空に保たれている。ボトムガラス22
の上に配置された線状カソード24から放射された電子
がシールド電極25の開口部26を通過してフェイスガ
ラス21内面に塗布された蛍光体27を励起発光させて
画像を得ている。線状カソード24はタングステンワイ
ヤーを架橋してその表面に電子放出物質、たとえばバリ
ウム−ストロンチウム−カルシウムの三元酸化物が塗布
されている。このタングステンワイヤーに電圧を印加し
て電子放出物質を高温にして熱電子を得ている。線状カ
ソードは赤、青および緑色に塗り分けられた蛍光体27
それぞれに対応して配置されており、ボトムガラス22
の表面に形成されたX−Y電極(図示せず)によって電
子放出の制御が行われる。
【0003】巨大画面表示では高輝度が要求される。発
光効率を高くするために蛍光体27には10kV程度の
電圧が印加されている。また、蛍光体は通常のテレビ用
ブラウン管で用いられているP22蛍光体が使われてい
る。P22蛍光体の組み合わせは、赤色:ユーロピウム
付活酸硫化イットリウム、緑色:銅、アルミニウム付活
酸化亜鉛、青色:銀付活酸化亜鉛、である。
光効率を高くするために蛍光体27には10kV程度の
電圧が印加されている。また、蛍光体は通常のテレビ用
ブラウン管で用いられているP22蛍光体が使われてい
る。P22蛍光体の組み合わせは、赤色:ユーロピウム
付活酸硫化イットリウム、緑色:銅、アルミニウム付活
酸化亜鉛、青色:銀付活酸化亜鉛、である。
【0004】巨大画面表示では長寿命が要求される。輝
度低下の原因には、主にカソードからの電子放出量の低
下と蛍光面の発光効率低下が挙げられる。カソードから
の電子放出量低下は、真空内の残留ガスあるいは動作中
に素子内の構成部材から発生する不純ガスで電子放出物
質が汚染されることが原因である。したがって長寿命化
のためには超高真空を長時間保持する必要がある。その
ために、ゲッター材を真空内に設置することが一般的に
行われている。図6に示すようにたとえばボトムガラス
32に排気口34を設け、この排気口34の周囲を覆う
ように漏斗状のチップオフ管36をフリットガラス35
などを用いて封着する。このチップオフ管36内にゲッ
ター材39を固定する。発光素子全体を350℃程度に
保持した状態でチップオフ管36を通して真空排気した
後に封止して真空気密にする。その後ゲッター材39が
蒸発型であれば高周波加熱によりゲッターフラッシュし
て動作させる。
度低下の原因には、主にカソードからの電子放出量の低
下と蛍光面の発光効率低下が挙げられる。カソードから
の電子放出量低下は、真空内の残留ガスあるいは動作中
に素子内の構成部材から発生する不純ガスで電子放出物
質が汚染されることが原因である。したがって長寿命化
のためには超高真空を長時間保持する必要がある。その
ために、ゲッター材を真空内に設置することが一般的に
行われている。図6に示すようにたとえばボトムガラス
32に排気口34を設け、この排気口34の周囲を覆う
ように漏斗状のチップオフ管36をフリットガラス35
などを用いて封着する。このチップオフ管36内にゲッ
ター材39を固定する。発光素子全体を350℃程度に
保持した状態でチップオフ管36を通して真空排気した
後に封止して真空気密にする。その後ゲッター材39が
蒸発型であれば高周波加熱によりゲッターフラッシュし
て動作させる。
【0005】しかし、巨大画面表示では通常のテレビ用
ブラウン管に比べて10倍以上の輝度が必要なため蛍光
体の負荷はそれ以上に大きい。そのため、テレビ用ブラ
ウン管では問題にならなかった動作中に蛍光体から発生
する不純ガスが問題となる。蛍光体表面に吸着した残留
ガスや前述の蛍光体の母体材料から硫黄元素を含む不純
ガスが発生する。ところが、上記のように構成された発
光素子においては、初期の真空度は高真空を達成できる
が、蛍光体から発生する不純ガスはゲッター材に吸収さ
れる前に、より近くに配置されるカソードを汚染するこ
とになる。
ブラウン管に比べて10倍以上の輝度が必要なため蛍光
体の負荷はそれ以上に大きい。そのため、テレビ用ブラ
ウン管では問題にならなかった動作中に蛍光体から発生
する不純ガスが問題となる。蛍光体表面に吸着した残留
ガスや前述の蛍光体の母体材料から硫黄元素を含む不純
ガスが発生する。ところが、上記のように構成された発
光素子においては、初期の真空度は高真空を達成できる
が、蛍光体から発生する不純ガスはゲッター材に吸収さ
れる前に、より近くに配置されるカソードを汚染するこ
とになる。
【0006】ゲッター材を蛍光体層の近傍に設置する方
法として、たとえば特開平8−171877号公報に記
載のものでは図7に示すように、導電性ストライプ46
の上に48R、48Gおよび48Bで示される蛍光体を
配置し、その導電性ストライプの間に電気的絶縁材料5
0と、ジルコニウム−バナジウム−鉄およびバリウムか
ら成る群から選択し得るゲッター材52を配置すること
が開示されている。また、他の方法として、特開平10
−50240号公報に記載のものでは、蛍光体層の周囲
に炭素を含む化合物からなるガス吸着層を設けることが
開示されている。ガス吸収層としては黒鉛、フラーレン
(球状フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイ
ト)などの微粒子の化合物を用いることが開示さてい
る。さらに、別の方法として、特開平8−22785号
公報に記載のものでは蛍光体の間に蒸発型ゲッター材を
設けることが開示されている。
法として、たとえば特開平8−171877号公報に記
載のものでは図7に示すように、導電性ストライプ46
の上に48R、48Gおよび48Bで示される蛍光体を
配置し、その導電性ストライプの間に電気的絶縁材料5
0と、ジルコニウム−バナジウム−鉄およびバリウムか
ら成る群から選択し得るゲッター材52を配置すること
が開示されている。また、他の方法として、特開平10
−50240号公報に記載のものでは、蛍光体層の周囲
に炭素を含む化合物からなるガス吸着層を設けることが
開示されている。ガス吸収層としては黒鉛、フラーレン
(球状フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイ
ト)などの微粒子の化合物を用いることが開示さてい
る。さらに、別の方法として、特開平8−22785号
公報に記載のものでは蛍光体の間に蒸発型ゲッター材を
設けることが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
には次に述べるような問題がある。
には次に述べるような問題がある。
【0008】特開平8−171877号公報で示される
方法では、ゲッター材はイオンビームスパッタ、電子ビ
ーム蒸着などの薄膜プロセスで成膜されるが、スクリー
ン印刷などの厚膜プロセスに比べて高コストである。ま
た、導電性ストライプ46にパルス状の電圧を印加する
ため蛍光体48R、48Gおよび48Bは電気的に絶縁
されていなければならない。そのため、蛍光体層48と
ゲッター材52の間に電気的に絶縁するための数十ミク
ロンの間隔が必要となり形成位置精度の制約が厳しい。
とくにジルコニウム−バナジウム−鉄およびバリウムか
ら成る群から選択し得るゲッター材は電気伝導性がある
ため、上述の電気的絶縁のための隙間を大きく設定する
必要があり、ゲッター材の占める面積が小さくなる。
方法では、ゲッター材はイオンビームスパッタ、電子ビ
ーム蒸着などの薄膜プロセスで成膜されるが、スクリー
ン印刷などの厚膜プロセスに比べて高コストである。ま
た、導電性ストライプ46にパルス状の電圧を印加する
ため蛍光体48R、48Gおよび48Bは電気的に絶縁
されていなければならない。そのため、蛍光体層48と
ゲッター材52の間に電気的に絶縁するための数十ミク
ロンの間隔が必要となり形成位置精度の制約が厳しい。
とくにジルコニウム−バナジウム−鉄およびバリウムか
ら成る群から選択し得るゲッター材は電気伝導性がある
ため、上述の電気的絶縁のための隙間を大きく設定する
必要があり、ゲッター材の占める面積が小さくなる。
【0009】また、特開平10−50240号公報のも
のでは黒鉛やフラーレンなどの黒色材料を用いている
が、表示面に対して横方向に放出された光を吸収してし
まい、発光効率の点で不利である。また、球状フラーレ
ンやカーボンナノチューブなどは高価である。
のでは黒鉛やフラーレンなどの黒色材料を用いている
が、表示面に対して横方向に放出された光を吸収してし
まい、発光効率の点で不利である。また、球状フラーレ
ンやカーボンナノチューブなどは高価である。
【0010】さらには、特開平8−22785号公報の
ものでは蒸発型ゲッターを用いているが、蒸発したゲッ
ター材が蛍光体やカソードに付着して、発光効率の低
下、電子放出量の低下を引き起こす。
ものでは蒸発型ゲッターを用いているが、蒸発したゲッ
ター材が蛍光体やカソードに付着して、発光効率の低
下、電子放出量の低下を引き起こす。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発光素子は、蛍
光体層および光吸収層が形成された第一の透光性基板
と、電子放出部が形成された第二の基板と、上記第一の
基板と第二の基板を対向配置して真空容器を形成した発
光素子において、光吸収層の真空の空間に対向した表面
に少なくとも酸化マグネシウムを含む材料で構成された
ガス吸着層を設けたものである。
光体層および光吸収層が形成された第一の透光性基板
と、電子放出部が形成された第二の基板と、上記第一の
基板と第二の基板を対向配置して真空容器を形成した発
光素子において、光吸収層の真空の空間に対向した表面
に少なくとも酸化マグネシウムを含む材料で構成された
ガス吸着層を設けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1 以下、図1に本発明の発光素子の実施の形態の一例を説
明する。図1に示すように本発光素子は、透光性基板た
とえばガラスの前面基板1、背面基板2、スペーサ3お
よびチップオフ管4で真空容器を構成している。前面基
板1の内面に形成された蛍光体層7は背面基板2の表面
に形成されたカソード10から放出された電子ビームで
励起発光する。蛍光体層7以外の前面基板1の内面はコ
ントラストを向上させるために光吸収層8が形成されて
いる。さらに光吸収層8の真空側の表面にガス吸着層9
が形成されている。
明する。図1に示すように本発光素子は、透光性基板た
とえばガラスの前面基板1、背面基板2、スペーサ3お
よびチップオフ管4で真空容器を構成している。前面基
板1の内面に形成された蛍光体層7は背面基板2の表面
に形成されたカソード10から放出された電子ビームで
励起発光する。蛍光体層7以外の前面基板1の内面はコ
ントラストを向上させるために光吸収層8が形成されて
いる。さらに光吸収層8の真空側の表面にガス吸着層9
が形成されている。
【0013】さらに、前面基板の形成方法について図2
を用いて詳細に説明する。黒色ガラスペースト、たとえ
ば黒色の酸化クロムと低融点ガラス粉末をビークル(エ
チルセルロースなどの樹脂をテルピネオールなどの溶剤
に溶解したもの)と呼ばれる粘度の高い溶液に分散混合
たものを用いて前面基板となるガラス基板13の所定の
位置に光吸収層14をスクリーン印刷する(図2a)。
乾燥後、大気中約580℃で30分間焼成して光吸収層
14を固着化する。次に蛍光体粉末をビークルに分散混
合した蛍光体ペーストを用いて、蛍光体層15(rg
b)をスクリーン印刷で形成する。通常カラー表示のた
めに蛍光体層は赤色、緑色および青色蛍光体を用いて3
色に塗り分ける。つまり、3色の蛍光体ペーストを用い
てスクリーン印刷を3回繰り返す(図2b、c、d)。
乾燥後、蛍光体ペーストと同様に作製した酸化マグネシ
ウムの粉末を分散混合したペーストを用いて、光吸収層
14の上にガス吸収層16をスクリーン印刷で形成する
(図2e)。乾燥後、大気中500℃で30分間焼成す
る。
を用いて詳細に説明する。黒色ガラスペースト、たとえ
ば黒色の酸化クロムと低融点ガラス粉末をビークル(エ
チルセルロースなどの樹脂をテルピネオールなどの溶剤
に溶解したもの)と呼ばれる粘度の高い溶液に分散混合
たものを用いて前面基板となるガラス基板13の所定の
位置に光吸収層14をスクリーン印刷する(図2a)。
乾燥後、大気中約580℃で30分間焼成して光吸収層
14を固着化する。次に蛍光体粉末をビークルに分散混
合した蛍光体ペーストを用いて、蛍光体層15(rg
b)をスクリーン印刷で形成する。通常カラー表示のた
めに蛍光体層は赤色、緑色および青色蛍光体を用いて3
色に塗り分ける。つまり、3色の蛍光体ペーストを用い
てスクリーン印刷を3回繰り返す(図2b、c、d)。
乾燥後、蛍光体ペーストと同様に作製した酸化マグネシ
ウムの粉末を分散混合したペーストを用いて、光吸収層
14の上にガス吸収層16をスクリーン印刷で形成する
(図2e)。乾燥後、大気中500℃で30分間焼成す
る。
【0014】さらに、図2eの工程まで終了した前面基
板を蛍光体層を上方に向けてスピナーに設置する。前面
基板を回転させながら蛍光体層の形成された面に水を滴
下し、その後迅速にフィルミングラッカーと呼ばれる樹
脂液を滴下する。乾燥後、蛍光体層およびガス吸着層の
上にフィルミング膜と呼ばれる膜を形成する(図示せ
ず)。次に真空蒸着装置を用いてフィルミング膜の上に
アルミニウムの蒸着膜(アルミバック17)を形成し、
最後に450℃の大気中焼成でフィルミング膜を加熱分
解して前面基板を完成させる(図f)。
板を蛍光体層を上方に向けてスピナーに設置する。前面
基板を回転させながら蛍光体層の形成された面に水を滴
下し、その後迅速にフィルミングラッカーと呼ばれる樹
脂液を滴下する。乾燥後、蛍光体層およびガス吸着層の
上にフィルミング膜と呼ばれる膜を形成する(図示せ
ず)。次に真空蒸着装置を用いてフィルミング膜の上に
アルミニウムの蒸着膜(アルミバック17)を形成し、
最後に450℃の大気中焼成でフィルミング膜を加熱分
解して前面基板を完成させる(図f)。
【0015】次に図3に示すように、前面基板1とカソ
ードを形成した背面基板2をスペーサガラス3を介して
対向させ、背面基板に開けられた排気口6を囲むように
チップオフ管4を取り付ける。それぞれのつなぎ目をフ
リットガラス5で封止する。フリットガラスはスペーサ
ガラス3およびチップオフ管4の封止部にあらかじめ塗
布しておき、乾燥と380℃の仮焼成をしておく。アル
ミバックに数kVの電圧を印加するためのアノード端子
11を排気口6およびチップオフ管4を通して取り付け
る。最後に450℃で焼成してフリットガラスにより封
止部を溶着する。
ードを形成した背面基板2をスペーサガラス3を介して
対向させ、背面基板に開けられた排気口6を囲むように
チップオフ管4を取り付ける。それぞれのつなぎ目をフ
リットガラス5で封止する。フリットガラスはスペーサ
ガラス3およびチップオフ管4の封止部にあらかじめ塗
布しておき、乾燥と380℃の仮焼成をしておく。アル
ミバックに数kVの電圧を印加するためのアノード端子
11を排気口6およびチップオフ管4を通して取り付け
る。最後に450℃で焼成してフリットガラスにより封
止部を溶着する。
【0016】さらにチップオフ管4を真空排気装置につ
なぎ、素子全体を350℃に保ち真空排気する。最後に
チップオフ管4の所定の位置で封止して真空気密容器と
して図1のような発光素子を完成させる。
なぎ、素子全体を350℃に保ち真空排気する。最後に
チップオフ管4の所定の位置で封止して真空気密容器と
して図1のような発光素子を完成させる。
【0017】本来、酸化マグネシウムは水や炭酸ガスな
どのガスを表面吸着しやすいが、350℃の真空排気中
にそれまで表面吸着していたガスをすべて放出する。そ
のため、真空容器として封止した後ではガス吸着材、つ
まりゲッター材として作用する。
どのガスを表面吸着しやすいが、350℃の真空排気中
にそれまで表面吸着していたガスをすべて放出する。そ
のため、真空容器として封止した後ではガス吸着材、つ
まりゲッター材として作用する。
【0018】このようにして作製された発光素子の寿命
特性を図4に示す。比較のため図7に示すような従来例
の寿命特性も併せて示す。図中18は本発明の発光素子
の寿命特性、19は従来例の寿命特性を示す。従来例の
輝度半減時間が8,000時間であるのに対して、本実
施例は10,000時間と25%寿命が向上した。
特性を図4に示す。比較のため図7に示すような従来例
の寿命特性も併せて示す。図中18は本発明の発光素子
の寿命特性、19は従来例の寿命特性を示す。従来例の
輝度半減時間が8,000時間であるのに対して、本実
施例は10,000時間と25%寿命が向上した。
【0019】上記のように構成された発光素子では、ガ
ス吸着層に絶縁物である酸化マグネシウムを含むため、
電気的絶縁が必要な場合に生じる形成位置精度の制約も
ない。また、酸化マグネシウムは白色であるため蛍光体
の横方向への発光を反射して発光効率を向上させること
ができる。さらには加熱により活性化されるため、蒸発
型のような材料の飛散もない。
ス吸着層に絶縁物である酸化マグネシウムを含むため、
電気的絶縁が必要な場合に生じる形成位置精度の制約も
ない。また、酸化マグネシウムは白色であるため蛍光体
の横方向への発光を反射して発光効率を向上させること
ができる。さらには加熱により活性化されるため、蒸発
型のような材料の飛散もない。
【0020】実施の形態2 本実施の形態においては、実施の形態1における酸化マ
グネシウム粉末に換えて、酸化マグネシウム90wt
%、酸化チタン10wt%の混合粉末を用いる。それ以
外の作製工程は実施例1と同じである。この場合も実施
例1と同様な寿命特性が得られた。また、蛍光体の横方
向への発光をガス吸着層が反射するため、輝度が2%向
上した。
グネシウム粉末に換えて、酸化マグネシウム90wt
%、酸化チタン10wt%の混合粉末を用いる。それ以
外の作製工程は実施例1と同じである。この場合も実施
例1と同様な寿命特性が得られた。また、蛍光体の横方
向への発光をガス吸着層が反射するため、輝度が2%向
上した。
【0021】本実施例では光吸着層の形成方法として、
厚膜プロセスであるスクリーン印刷法で説明したが、電
子ビーム蒸着やスパッタなどの薄膜プロセスを用いても
同様の効果があることは明らかである。
厚膜プロセスであるスクリーン印刷法で説明したが、電
子ビーム蒸着やスパッタなどの薄膜プロセスを用いても
同様の効果があることは明らかである。
【0022】本実施例では、カソードの電子放出機構に
ついては、とくに記載していないが、熱陰極、冷陰極い
ずれの方式のカソードであってもよい。とくに、冷陰極
を用いる場合は、電子放出量が真空度に大きく依存する
ので、寿命特性の改善効果は大きい。
ついては、とくに記載していないが、熱陰極、冷陰極い
ずれの方式のカソードであってもよい。とくに、冷陰極
を用いる場合は、電子放出量が真空度に大きく依存する
ので、寿命特性の改善効果は大きい。
【0023】
【発明の効果】この発明では、少なくとも酸化マグネシ
ウムを含む材料で構成されたガス吸着層を不純ガスの発
生源である蛍光体の近傍に設置することができ、真空度
の低下を抑制できるためにカソードの電子放出量の低下
を防ぐことができる。また、絶縁物である酸化マグネシ
ウムを含むため、電気的絶縁から生じる形成位置精度の
制約もない。また、酸化マグネシウムは白色であるため
蛍光体の横方向への発光を反射して発光効率が向上す
る。さらには加熱により活性化されるため、蒸発型のよ
うな材料の飛散もない。
ウムを含む材料で構成されたガス吸着層を不純ガスの発
生源である蛍光体の近傍に設置することができ、真空度
の低下を抑制できるためにカソードの電子放出量の低下
を防ぐことができる。また、絶縁物である酸化マグネシ
ウムを含むため、電気的絶縁から生じる形成位置精度の
制約もない。また、酸化マグネシウムは白色であるため
蛍光体の横方向への発光を反射して発光効率が向上す
る。さらには加熱により活性化されるため、蒸発型のよ
うな材料の飛散もない。
【図1】 本発明の発光素子の一例の概略断面図であ
る。
る。
【図2】 本発明の表示素子の一例の前面基板の作製工
程図である。
程図である。
【図3】 本発明の表示素子の一例の組立概略図であ
る。
る。
【図4】 本発明の表示素子の一例の寿命特性図であ
る。
る。
【図5】 従来の巨大画面表示素子の一例の概略図であ
る。
る。
【図6】 従来の発光素子の一例の概略断面図である。
【図7】 従来の発光素子の他の例の概略断面図であ
る。
る。
1,13 前面基板、2 背面基板、3 スペーサガラ
ス、4 フリップチップ管、5 フリットガラス、6
排気口、7,15 蛍光体層、8,14 光吸収層、
9,16 ガス吸着層、10 カソード、11 アノー
ド端子、17 アルミバック。
ス、4 フリップチップ管、5 フリットガラス、6
排気口、7,15 蛍光体層、8,14 光吸収層、
9,16 ガス吸着層、10 カソード、11 アノー
ド端子、17 アルミバック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細野 彰彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岩田 修司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 柴山 耕三郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5C032 AA06 JJ08 JJ10 5C036 CC13 CC14 EE01 EE19 EF01 EF06 EF09 EF14 EG36 EH06 EH09 EH11
Claims (1)
- 【請求項1】 蛍光体層および光吸収層が形成された第
一の透光性基板と、電子放出部が形成された第二の基板
と、上記第一の基板と第二の基板を対向配置して真空容
器を形成した発光素子において、光吸収層の真空の空間
に対向した表面に少なくとも酸化マグネシウムを含む材
料で構成されたガス吸着層を設けたことを特徴とする発
光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11157540A JP2000348654A (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11157540A JP2000348654A (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000348654A true JP2000348654A (ja) | 2000-12-15 |
Family
ID=15651923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11157540A Pending JP2000348654A (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000348654A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006025385A1 (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-09 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 画像表示装置とその製造方法 |
JP2010019933A (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-28 | Seiko Epson Corp | アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 |
-
1999
- 1999-06-04 JP JP11157540A patent/JP2000348654A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006025385A1 (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-09 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 画像表示装置とその製造方法 |
JP2010019933A (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-28 | Seiko Epson Corp | アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7131883B2 (en) | Field emission display manufacturing method having integrated getter arrangement | |
US5945780A (en) | Node plate for field emission display | |
US5772485A (en) | Method of making a hydrogen-rich, low dielectric constant gate insulator for field emission device | |
KR20020087844A (ko) | 표시장치와 그 제조방법 | |
US7348721B2 (en) | Display device | |
KR100491913B1 (ko) | 평판형 화상 표시 장치의 제조 방법 및 평판형 화상 표시장치 | |
CN1007191B (zh) | 电子管 | |
KR100432110B1 (ko) | 평면형 화상 표시 장치의 제조 방법 및 평면형 화상 표시장치의 제조 장치 | |
JP2000348654A (ja) | 発光素子 | |
US6858982B2 (en) | Image display apparatus and method of manufacturing the same | |
US6856097B2 (en) | High voltage type image display apparatus | |
WO2006129593A1 (ja) | 表示装置用蛍光体および電界放出型表示装置 | |
JP3120745B2 (ja) | 電界放出形表示装置の製造方法 | |
US20050206295A1 (en) | Display device | |
WO2006120952A1 (ja) | 表示装置用青色発光蛍光体および電界放出型表示装置 | |
JP2000348647A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3248041B2 (ja) | 画像形成装置及びその製造方法 | |
KR101022656B1 (ko) | 전자 방출 표시 장치와, 이의 제조 방법 | |
JP2007177078A (ja) | 表示装置用蛍光体および電界放出型表示装置 | |
JP2008156580A (ja) | 発光素子および電界放出型表示装置 | |
KR20040101631A (ko) | 전계 방출 표시장치 | |
WO2006120953A1 (ja) | 表示装置用緑色発光蛍光体および電界放出型表示装置 | |
JP2000251798A (ja) | 画像形成装置及びその製造方法 | |
JPS60202184A (ja) | 表示装置及びその製造方法 | |
KR20020040259A (ko) | 전계방출 표시장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051013 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070712 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070911 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080122 |