JP2000348342A - 磁気記録媒体の製造方法と製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法と製造装置

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JP2000348342A
JP2000348342A JP11156778A JP15677899A JP2000348342A JP 2000348342 A JP2000348342 A JP 2000348342A JP 11156778 A JP11156778 A JP 11156778A JP 15677899 A JP15677899 A JP 15677899A JP 2000348342 A JP2000348342 A JP 2000348342A
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mirror
rolls
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magnetic recording
calender rolls
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Koitsu Ishioka
孝逸 石岡
Yasuo Ito
保夫 伊東
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体の両面に磁性層を有する磁気記録媒体
の製造において、カレンダー処理を、両面に関して共
に、高度の平滑化と均一性をもって行うことができるよ
うにし、また、カレンダー装置の長寿命化を図って、量
産性、信頼性、歩留りの向上、コストの低減化を図る。 【解決手段】 磁気記録媒体の製造過程におけるカレン
ダー処理工程において、それぞれ対の鏡面金属カレンダ
ーロールが複数対配列されたカレンダー処理部に、両面
に塗膜が形成された磁気記録媒体の支持体1を、順次複
数対の鏡面金属カレンダーロール間に走行させて両面の
塗膜に対して同時にカレンダー処理を行う。そして、そ
の走行の最終段の対のロールM7 およびM8 に関して
は、両ロールの外径を同一径とし、他の各対となるカレ
ンダーロールM1 およびM2 ,M3 およびM4 ,M5
よびM6 の外径を相互に異ならしめ、かつ支持体の各同
一面側に転接する隣り合うロールの各外径が交互に大小
関係をもって配置されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、一般にその製造工程に
おいて、非磁性支持体上に磁性体粒子すなわち磁性粉
や、バインダーを含有した磁性塗料が塗布されて磁性層
が形成され、続いて必要に応じて配向処理が行われてか
ら、磁性層の乾燥処理がなされ、その後、磁性層の表面
を平滑化するカレンダー処理が行われる。
【0003】従来のカレンダー処理を行う装置は、例え
ば図5に示すように、加熱された鏡面金属カレンダーロ
ールMと弾性ロールEとが交互に、順次縦列的に配列さ
れた構成とされる。そして、この順次交互に配列された
鏡面金属カレンダーロールMと弾性ロールEとの間に磁
気記録媒体を構成する支持体1を、これら鏡面金属カレ
ンダーロールMと弾性ロールEとによってその両主面1
aおよび1b側から、所要の圧力をもって押圧しつつ矢
印aに示すように走行させ、この走行途上において、カ
レンダー処理を行う。
【0004】この装置および方法による場合、支持体1
の一方の面、図5において主面1aにのみ塗膜、例えば
磁性塗料が塗布されている場合には、この主面1aが、
鏡面金属カレンダーロールMに圧接することから、良好
なカレンダー処理がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
磁気記録媒体は、高密度記録や、高出力を可能とする性
能が要求されており、このような性能を付与するために
は、鏡面金属カレンダーロールの加熱温度を高め、かつ
加圧圧力も高くする必要が生じて来る。そして、このよ
うに、加熱温度および加圧圧力を高められると、弾性ロ
ールEにおいて変形が生じたり、甚だしい場合には弾性
ロールが破壊される場合があって、高い生産性をもって
歩留りよく磁気記録媒体の製造を行うに問題がある。
【0006】また、特に、支持体の両面に磁性層を有す
る磁気記録媒体を製造する場合においては、支持体の両
面に塗布された塗膜に対して均一なカレンダー処理を行
うことが困難である。これは、弾性ロールに接する面
は、鏡面金属カレンダーロールに接する面に比して平滑
性が劣ることによる。
【0007】このような問題の解決を図るために、両面
に磁性層を有する磁気記録媒体を製造する場合、そのカ
レンダー処理は、支持体を表裏反転させて、複数回の繰
り返し走行によるカレンダー処理を行う。すなわち、第
1回の走行によるカレンダー処理を行って後、次の走行
によるカレンダー処理では、先の走行で弾性ロールが転
接された面1bを、金属ロールMに転接するように表裏
反転させてカレンダー処理を行うなどの方法が採られ
る。しかしながら、このような方法による場合、複数回
の走行を行う必要があることから、カレンダー処理効
率、作業性が著しく低い。また、良好なカレンダー処理
を行うために、高温、高圧によるカレンダー処理を行う
場合、その弾性ロールや、磁気記録媒体に不測の変形が
生じ易く、これによって両面に関して共にカレンダー処
理が不均一となる。また、このように、高温下で加圧圧
力を高めると、弾性ロールにおける劣化が早まり、寿命
が短くなり、ひいてはコスト高を来す。
【0008】本発明においては、支持体の両面に磁性層
を有する磁気記録媒体の製造において、その磁性層に対
するカレンダー処理、あるいはこの磁性層の下地層、あ
るいは表面塗膜等におけるカレンダー処理を、両面に関
して共に、高度の平滑化と均一性をもって行うことがで
きるようにし、また、カレンダー装置の長寿命化を図っ
て、量産性、信頼性、歩留りの向上、コストの低減化を
図る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気記録媒
体の製造方法は、磁気記録媒体の製造過程におけるカレ
ンダー処理工程において、それぞれ対の鏡面金属カレン
ダーロールが複数対配列されたカレンダー処理部に、両
面に塗膜が形成された磁気記録媒体の支持体を、順次上
記複数対の鏡面金属カレンダーロール間に走行させて上
記両面の塗膜に対して同時にカレンダー処理を行う。そ
して、本発明においては、その走行の最終段の対のロー
ルに関しては、両ロールの外径を同一径とし、他の各対
となるカレンダーロールの外径を相互に異ならしめ、か
つ支持体の各同一面側に転接する隣り合うロールの各外
径が交互に大小関係をもって配置されるようにする。
【0010】また、本発明による磁気記録媒体の製造装
置は、それぞれ対の鏡面金属カレンダーロールが複数対
配列された構成とするもので、両面に塗膜が形成された
磁気記録媒体の支持体が、これら複数対の鏡面金属カレ
ンダーロール間に、順次移行するようになされて両面の
塗膜に対して1回の走行で複数回のカレンダー処理がな
されるようにした磁気記録媒体の製造装置において、各
対となるカレンダーロールの外径を、最終段の対の鏡面
金属カレンダーロールについては同一外径とし、他の対
のロールは相互に異ならしめ、かつ上記支持体の同一面
側に関して転接する隣り合うロールの各外径が交互に大
小関係を有する構成とする。
【0011】上述のように、本発明方法によるカレンダ
ー処理は、すべて鏡面金属カレンダーロールによって、
支持体の両面からの圧接によって行うことによって、磁
気記録媒体の両面に関して同時にかつ均一なカレンダー
処理を行うようにするものである。そして、このカレン
ダー処理は、2対以上の鏡面金属カレンダーロール間を
走行させて行うことから、一回の走行処理で、実質2回
以上、すなわち複数回の両面カレンダー処理を行うよう
にしてカレンダー処理効率を、高めるものである。
【0012】また、本発明装置においては、すべて金属
ロールによる構成とすることによって、高温、高圧下に
おける変形の発生を回避し、長寿命化を図るものであ
る。
【0013】そして、特に本発明製造方法および製造装
置においては、最終段の対の鏡面金属カレンダーロール
に関しては、相互に同一外径とし、他の対のロールに関
しては相互に外径が異なるようにするものであるが、こ
のようにすることによって、張力をさほど大とすること
なく、複数段のカレンダー処理を、対の鏡面金属カレン
ダーロール間でスリップを生じることなく、円滑、均一
に目的とするカレンダー処理を行うことができることを
認めたものである。
【0014】因みに、図4で示すように、それぞれ同一
の外径φ1 〜φ8 を有する複数対の鏡面金属カレンダー
ロールM(M1 およびM2 ,M3 およびM4 ・・・M7
およびM8 )が、従属的に配列された装置によってカレ
ンダー処理を行う場合、そして特にカレンダー処理を行
う支持体1が幅広とされる場合、全鏡面金属カレンダー
ロール間にスリップが発生せずに良好なカレンダー処理
を行うには、かなり大きな張力を必要とするが、本発明
方法、すなわち本発明装置を用いるときは、著しい張力
の増加を行うことなく良好なカレンダー処理がなされ
た。
【0015】
【発明の実施の形態】先ず、本発明装置の1の実施形態
の一例を、図1の概略構成図を参照して説明するが、本
発明はこの例に限られるものではない。図1において
は、それぞれ周面が真円筒面の鏡面とされた複数対の鏡
面金属カレンダーロールMが、それぞれその軸心を中心
に回転自在に、かつこれら鏡面金属カレンダーロールM
の軸心が相互に平行し、かつ正対するように軸支され
る。図1の例では4対の鏡面金属カレンダーロールM1
およびM2 ,M3 およびM 4 ,M5 およびM6 ,M7
よびM8 が、図1の右側から左側に向かって、各対のカ
レンダーロールの互いの転接部が、同一平面に配置さ
れ、かつ互いに平行に、所要の間隔をもって正対するよ
うに、順次従属的に配列させた場合で、この場合、磁気
記録媒体を構成する支持体1例えば長尺フィルム状の支
持体が、図1において、右側から左側に向かって、順次
各対の鏡面金属カレンダーロールM1 およびM2 間,M
3 およびM4 間,M5 およびM6 間,M7 およびM8
を通じて巻き取りロール3に巻き取るようになされて、
所要の張力をもって、各対の鏡面金属カレンダーロール
によってそれぞれカレンダー処理が行われるようになさ
れている。支持体1は、各対の鏡面金属カレンダーロー
ル間に、これら対の鏡面金属カレンダーロールの軸心を
含む平面に対して直交する方向に走行させる。
【0016】そして、この構成において、その走行の最
終段の対の鏡面金属カレンダーロール、すなわち図1の
例では、M7 およびM8 に関しては、両ロールの外径φ
7 およびφ8 を同一径とする。しかしながら、他の各対
となる鏡面金属カレンダーロール、すなわち図1の例で
は、これら対の鏡面金属カレンダーロールM1 およびM
2 の外径φ1 およびφ 2 ,M3 およびM4 の外径φ3
よびφ4 ,M5 およびM6 の外径φ5 およびφ 6 を相互
に異ならしめる。すなわち、φ7 =φ8 とし、φ1 ≠φ
2 ,φ3 ≠φ4 ,φ5 ≠φ6 とする。更に、相互に外径
を異にする対の鏡面金属カレンダーロールは、これら間
に通ずる支持体1の同一面側で転接する隣り合うロール
の各外径が交互に大小関係を有する構成とする。例え
ば、φ1 <φ2 とするときは、φ3 >φ4 ,φ5 <φ6
とし、φ1 >φ2とするときは、φ3 <φ4 ,φ5 >φ
6 とする。
【0017】これら鏡面金属カレンダーロールM
(M1 ,M2 ,M3 ,・・・)は、鏡面金属カレンダー
ロールの異なる外径の差が、上記鏡面金属カレンダーロ
ールのうちの最大の外径の0.01%〜1.5%の範囲
に選定する。例えば、φ7 =φ8 =300mmとし、φ
1 =φ4 =φ5 =300mmとし、φ2 =φ3 =φ6
300.1mmとする。
【0018】これら対の鏡面金属カレンダーロールM1
およびM2 ,M3 およびM4 ,M5およびM6 ,M7
よびM8 は、それぞれ相互に所定の圧力例えば1kg/
cm〜350kg/cmの例えば200kg/cmをも
って圧接するように、例えば各対の鏡面金属カレンダー
ロールの一方を、油圧シリンダー等の圧力印加手段(図
示せず)によって各他方の鏡面金属カレンダーロールに
向かって押圧する構成とする。
【0019】各鏡面金属カレンダーロールM(M1 ,M
2 ,M3 ・・・)内には、図示しないが、それぞれ加熱
・冷却装置が配置されて各鏡面金属カレンダーロールM
を、所要の温度例えば50℃〜150℃に設定すること
ができるようになされている。
【0020】これら鏡面金属カレンダーロールMは、そ
れぞれ例えばS45C(JIS G4051 機械構造
用炭素鋼鋼材)より成り、その表面に硬質Crメッキが
施されて成る。
【0021】支持体1は、その両主面1aおよび1bに
カレンダー処理を行う塗膜、例えば磁性塗料が塗布さ
れ、乾燥された塗膜を有する、例えば長尺の例えばポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムによる非磁
性支持体より成る。
【0022】上述の走行によって、複数対の鏡面金属カ
レンダーロールMによって、支持体1は、その両面から
所要の圧力をもって押圧されて、一回の走行で、その両
主面1aおよび1bの磁性層が各鏡面金属カレンダーロ
ールM間で、順次、複数、図1の例では、4回のカレン
ダー処理がなされる。つまり、後段に向かうにしたがっ
て表面性、すなわち平滑性が向上し、最終的に表面性に
すぐれた磁性層を有する磁気記録媒体が形成されること
になる。
【0023】そして、最終段の対の鏡面金属カレンダー
ロールを除いて、他の対のロールの外径を異ならしめた
本発明装置による支持体1の走行は、多段のカレンダー
処理を1回の走行によって行うにも関わらず、その張力
をさほど大きくすることなく、各対の鏡面金属カレンダ
ーロールについてスリップを発生することなく円滑に、
したがって、支持体1の両面に関して、また、その各面
の各部において均一に良好なカレンダー処理がなされる
ことが認められた。
【0024】また、本発明による磁気記録媒体の製造方
法の一実施形態は、支持体1の両面に、下層塗料および
上層塗料を塗布して、そのカレンダー処理において、上
述した本発明装置を用いてカレンダー処理を行って両面
に磁性層を有する磁気記録媒体を得るその一実施例を挙
げて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではなく、支持体や、各層の材料、組成等は、通常の磁
気記録媒体の製造に用いられる材料、組成等の構成とす
ることができる。
【0025】〔実施例1〕この場合、支持体1として、
厚さ60μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)
長尺フィルムによるの非磁性支持体が用いられ、その一
方の面に下層塗膜と上層塗膜を重ねて塗布し、続いて他
方の面に、同様に下層塗膜と上層塗膜を重ねて塗布し
た。その後、上述した本発明装置を用いてカレンダー処
理を行って、両面の塗布膜表面、すなわち両面磁性層に
対して同時に表面平滑化処理を行った。このようにし
て、表面平滑化処理がなされた磁性層が両面に形成され
た長尺磁気記録媒体から、ディスク状の磁気記録媒体を
切り出した。
【0026】上述した下層塗膜と、上層塗膜を形成する
各塗料の組成は、下記の組成とした。 下層塗料の組成: 非磁性粉末 針状αFe2 3 (長軸長0.15μm) 100重量部 カーボンブラック 90重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 18重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 4重量部 ステアリン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部 上層塗料の組成: Fe系メタル系強磁性粉末 100重量部 (平均長軸長:0.2μm) ポリ塩化ビニル樹脂 (日本ゼオン社製 商品名MR−100) 16重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 4重量部 Al2 3 5重量部 ステアリン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0027】そして、上記下層塗料の組成に準じて塗料
組成物を計り採って混合し、ニーダーによって混練した
後、サンドミルによって4時間分散させて下層塗料を調
整した。これに、ポリイソシアネートを2重量部添加し
て、ダイコーターによって、上述した長尺状の支持体1
の一方の面に塗布して下層塗膜を形成した。この下層塗
膜の厚さは1.5μmとした。続いて、上記上層塗料の
組成に準じて塗料組成物を計り採って混合し、ニーダー
によって混練した後、サンドミルによって4時間分散さ
せて上層塗料を調整した。これに、ポリイソシアネート
を4重量部添加して、ダイコーターによって、上述した
長尺状の支持体1の、先に塗布した下層塗膜上に塗布し
た。この上層塗膜の厚さは0.5μmとした。その後、
ソレノイドコイルによる磁場印加を行って配向処理を行
い、乾燥処理を行った。同様の下層および上層塗膜およ
びの形成、配向処理、下層処理を、支持体1の他方の面
についても行った。
【0028】このようにして、上述した長尺状のPET
による非磁性支持体の両面の、それぞれ下層塗膜と上層
塗膜とが形成された両面磁性層に対してカレンダー処理
を上述した図1で示した本発明装置によってカレンダー
処理した。
【0029】このようにして、両面カレンダー処理がな
された、両面に磁性層が形成された長尺磁気記録媒体か
ら切り出した磁気記録ディスク(試料1)の両面の表面
粗さRa(JISBO601で規定されている中心平均
粗さ)を測定した。その測定結果を、表1に示す。表1
において、RaA およびRaB は、各主面1aおよび1
b側のの磁性層のRaの測定結果を示すものである。
尚、表1において、試料2〜5は、試料1で用いたと同
様の両面に磁性塗膜を形成した支持体に対するカレンダ
ー処理を行ったものであるが、試料2、試料3および試
料4は、それぞれ図3A、BおよびCで示すように、1
対の同一外径の鏡面金属カレンダーロールM1 およびM
2 のみでカレンダー処理を行った場合であり、試料5
は、図5で説明したカレンダー処理によって場合であ
る。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、図1によって作
製した本発明による磁気記録媒体(試料1)は、両主面
1aおよび1bの磁性層が共に表面性にすぐれ、かつ両
者の差が小さい。これに対して、図3AおよびCによる
鏡面金属カレンダーロールMの隣り合う鏡面金属カレン
ダーロールMの軸心を含む面と直交しない方向に支持体
1を引き出す態様による試料2および試料4は、試料1
に比して、両主面1aおよび1bの表面性に相違が大き
い。特に、図5の従来装置によって1回の走行でカレン
ダー処理を行った試料5は、その両主面1aおよび1b
の表面性の差が顕著である。これに比し、図3Bの、隣
り合う鏡面金属カレンダーロールMの軸心を含む面と直
交する方向に支持体1を引き出す態様による試料3は、
両主面1aおよび1bの表面性の相違が小さいが両主面
1aおよび1bの表面性が、試料2、3、および5と同
様に悪い結果を示している。
【0032】すなわち、対の鏡面金属カレンダーロール
M間に支持体を通ずる方向を、対の鏡面金属カレンダー
ロールの各軸心を含む面に対して直交する方向とするこ
とによってよりすぐれたカレンダー処理がなされる。
【0033】また、本発明による場合、対の鏡面金属カ
レンダーロールの外径を変更し、かつ、同一面側で隣り
合う鏡面金属カレンダーロールの外径を交互い大小に選
定する場合、支持体1の張力を顕著に上げることなく、
円滑、確実に支持体を各対の鏡面金属カレンダーロール
間に走行することができ、よりすぐれたカレンダー処理
がなされた。
【0034】この鏡面金属カレンダーロールMは、最大
径を有するカレンダーロールの外径と、最小径のカレン
ダーロールの外径との差が、最大径のカレンダーロール
外径の0.01%以上、1.5%以下の範囲内で変化さ
せる。これは、0.01未満ではその効果が殆ど生じな
いものであり、また、1.5%以上では、鏡面金属カレ
ンダーロール相互の周速差が大きくなり磁性層の表面性
が低下することに因る。
【0035】尚、上述した各試料1〜5のカレンダー処
理に用いた鏡面金属カレンダーロールMは、いずれもS
45Cより成り、その表面に硬質Crメッキが施された
鏡面金属カレンダーロール構成とした。
【0036】また、図1の構成では、各対の鏡面金属カ
レンダーロールを同一平面上に配列した場合であるが、
例えば図2に示すように、ガイドローラ2を用いること
によって支持体1を、各対の鏡面金属カレンダーロール
の軸心を含む面に対して直交する方向に走行させつつ、
走行方向を任意に屈曲させることもできる。
【0037】上述したように、本発明方法および本発明
装置によれば、低い張力ですぐれたカレンダー処理を行
うことができることから、装置の小型化、取扱の簡便
化、支持体の不安定な伸長、しわの発生等が回避され、
歩留りの向上が図られた。
【0038】図1および図2の例では、5対の鏡面金属
カレンダーロールを配置した場合であるが、任意対配列
することができる。また、その走行回数は1回に限られ
るものではなく、複数回行い、それぞれの走行において
複数のカレンダー処理をおこなって、少ない走行回数で
多数のカレンダー処理を行うようにすることができる。
【0039】また、上述した例では、本発明を、支持体
1に磁性塗料の塗膜を形成し、これに対するカレンダー
処理を行う場合について説明したが、磁性塗料による塗
膜に限られるものではなく、磁性層の形成前に形成され
る各種下地層、あるいは磁性層上に形成する表面層に対
するカレンダー処理工程等に適用することができるな
ど、種々の変形、変更を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】上述したように、本発明方法において
は、複数対の鏡面金属カレンダーロールを従属的に配置
し、これら対の鏡面金属カレンダーロール間に、順次磁
気記録媒体の支持体を挟んで転接するので、1回のカレ
ンダー処理で、実質2回以上のカレンダー処理が連続的
に行われることから、平滑化処理の処理効率を2倍以上
に高めることができる。そして、このように従属的に複
数対の鏡面金属カレンダーロールによるカレンダー処理
を行う場合に問題となる、円滑な走行の阻害を、張力の
増大によって回避することなく、単に、対の鏡面金属カ
レンダーロールの外径の変更によって回避することがで
きるので、装置の簡略化、小型化、さらに歩留りの向上
を図ることができるる。
【0041】また、本発明による磁気記録媒体の製造装
置においては、すべてのカレンダー処理のロールが金属
ロールによって構成され、弾性ロールが用いられていな
いことから、高度のカレンダー処理に伴って、カレンダ
ーロール相互の圧力および加熱温度が高められても、ロ
ールに変形が発生することが効果的に回避される。した
がって、すぐれたカレンダー処理を、長期に渡って行う
ことができ、装置の長寿命化が図られる。
【0042】更に、上述したように、この鏡面金属カレ
ンダーロールの外径を、後段側に向かって大とするとき
は、スリップの発生が効果的に回避できることから張力
の減少を図ることができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の製造装置の一例の
概略構成図である。
【図2】本発明による磁気記録媒体の製造装置の他の一
例の概略構成図である。
【図3】A〜Cは、それぞれ磁気記録媒体の走行態様の
例を示す図である。
【図4】本発明と比較される磁気記録媒体の製造装置の
概略構成図である。
【図5】従来の磁気記録媒体の製造装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1・・・支持体、1a,1b・・・支持体の主面、2・
・・ガイドローラ、M(M1 ,M2 ,M3 ・・・)・・
・鏡面金属カレンダーロール、E・・・弾性ロール、3
・・・巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F209 AA24 AC03 AD11 AF14 AG01 AG03 AH38 AJ02 PA04 PB02 PC16 PH03 PH27 PQ01 5D112 AA05 AA12 GB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体の製造過程におけるカレン
    ダー処理工程において、それぞれ対の鏡面金属カレンダ
    ーロールが複数対配列されたカレンダー処理部に、両面
    に塗膜が形成された磁気記録媒体の支持体を、順次上記
    複数対の鏡面金属カレンダーロール間に走行させて上記
    両面の塗膜に対して1回の走行で複数回のカレンダー処
    理を行い、 上記各対となるカレンダーロールの外径を、最終段の対
    の鏡面金属カレンダーロールについては同一外径とし、
    他の対のロールは相互に異ならしめ、かつ上記支持体の
    同一面側に関して転接する隣り合うロールの各外径が交
    互に大小関係を有する構成とすることを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記鏡面金属カレンダーロールの異なる
    外径の差が、上記鏡面金属カレンダーロールのうちの最
    大の外径の0.01%〜1.5%の範囲に選定されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記支持体は、上記各対の鏡面金属カレ
    ンダーロール間に、これら対の鏡面金属カレンダーロー
    ルの軸心を含む平面に対して直交する方向に走行させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 それぞれ対の鏡面金属カレンダーロール
    が複数対配列され、両面に塗膜が形成された磁気記録媒
    体の支持体が、上記複数対の鏡面金属カレンダーロール
    間に、順次移行するようになされて上記両面の塗膜に対
    して1回の走行で複数回のカレンダー処理がなされ、 上記各対となるカレンダーロールの外径を、最終段の対
    の鏡面金属カレンダーロールについては同一外径とし、
    他の対のロールは相互に異ならしめ、かつ上記支持体の
    同一面側に関して転接する隣り合うロールの各外径が交
    互に大小関係を有する構成とすることを特徴とする磁気
    記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 上記鏡面金属カレンダーロールの異なる
    外径の差が、上記鏡面金属カレンダーロールのうちの最
    大の外径の0.01%〜1.5%の範囲に選定されたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 上記支持体は、上記各対の鏡面金属カレ
    ンダーロール間に、これら対の鏡面金属カレンダーロー
    ルの軸心を含む平面に対して直交する方向に走行させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体の製造
    装置。
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