JP2000346738A - 駆動機械の機械定数推定装置 - Google Patents

駆動機械の機械定数推定装置

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JP2000346738A
JP2000346738A JP11643299A JP11643299A JP2000346738A JP 2000346738 A JP2000346738 A JP 2000346738A JP 11643299 A JP11643299 A JP 11643299A JP 11643299 A JP11643299 A JP 11643299A JP 2000346738 A JP2000346738 A JP 2000346738A
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transient
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torque
acceleration
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英俊 池田
Tetsuaki Nagano
鉄明 長野
Hiroshi Terada
啓 寺田
Yasushi Igawa
康 井川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加えたトルクに対する機械の加速度の大きさ
からイナーシャ等の機械定数を求めることは従来から行
われている。このような演算を自動的に実行するシステ
ムに於いて、機械が起動した直後はクーロン摩擦等か大
きく効いて演算結果が正しく得られないという問題があ
った。 【解決手段】 速度の大きさがゼロでない所定のレベル
を越えたことを検出し、時間の経過とともに増大する重
み信号を生成する重み信号生成部7と、それぞれ直流成
分を除去することによってトルク信号から過渡トルク信
号を得る過渡トルク信号生成部5と、速度信号から過渡
加速度信号を得る過渡加速度信号生成部6とを設け、重
み信号によって重み付けした過渡トルク信号と過渡加速
度信号とから機械定数を推定する機械定数推定部8を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械やロボ
ットにおけるモータ等の駆動装置を用いた駆動機械の機
械定数推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械やロボットにおけるサーボモー
タ等の駆動装置を用いた駆動機械では、主として駆動機
械の速度制御動作や位置制御動作を正確に行うために、
駆動機械のイナーシャや粘性摩擦などの機械定数を正確
に推定することが望まれる。図9に電気学会論文誌Vo
l.114−D,No.4、p424〜p431に記載
の、駆動機械のイナーシャを推定する従来の機械定数推
定装置の構成を示す。
【0003】図9において1はトルク指令τrを発生す
るトルク指令生成部、2はトルク指令τrに応じた駆動
トルクτmを発生するモータ等の駆動部、3は駆動部2
によって駆動される駆動機械、4は駆動機械の機械速度
vmを検出して出力する速度検出器、305はトルク指
令τrを入力しトルク変化信号dτを出力するトルク変
化信号生成部、306は機械速度vmを入力し疑似加速
度信号asを出力する疑似加速度信号生成部、307は
疑似加速度信号asを入力し加速度変化信号daを出力
する加速度変化信号生成部、308はトルク変化信号τ
dと加速度変化信号adを入力しイナーシャ推定値Je
を出力する機械定数推定部である。
【0004】次に図9に示した従来の機械定数推定装置
の動作について説明する。まずトルク指令生成部1、駆
動部2、駆動機械3および速度検出器4の動作について
説明する。トルク指令生成部1は速度制御や位置制御な
どの目的に応じたトルク指令τrを発生して駆動部2へ
出力し、駆動部2はトルク指令τrに一致するように駆
動トルクτmを発生することにより、駆動機械3を駆動
する。次に速度検出器4は駆動機械3の機械速度vmを
検出して出力する。
【0005】ここで、駆動トルクτmとトルク指令τr
が一致するとし、外乱トルクをτdとすると、トルク指
令τrおよび外乱トルクτdと機械速度vmの間には下
記の式(1)および式(2)の関係が有る。 am=s・vm ・・・・・ (1) τr=τd+J・am ・・・・・ (2) ただし、amは駆動機械3の機械加速度、Jは駆動機械
3のイナーシャ、sはラプラス演算子を表す。
【0006】次に外乱トルクτdの性質について説明す
る。外乱トルクτdがクーロン摩擦によるものとした場
合は、駆動機械3が静止状態にある場合には外乱トルク
τdは駆動トルクτmと釣り合うように作用するため一
定の値とは限らない。しかしながら駆動機械3が機械速
度vmの符号が変わらずに動いている間は、特別な条件
変化がないかぎりほぼ一定の大きさの外乱トルクになる
と考えられる。したがって駆動機械3が静止状態から動
き始める始動時刻tsにステップ状の外乱トルクτdが
加わり、機械速度vmが0になる次の静止状態が来るま
で外乱トルクτdはほぼ一定の値になると考えられる。
【0007】次にトルク変化信号生成部305の動作に
ついて説明する。トルク変化信号生成部305はトルク
指令τrを入力し、トルク指令τrの現時点と一時点前
とを差分することにより、トルク変化信号dτを出力す
る。ここでは説明の簡単のため連続時間系として表記
し、上記の差分を微分としてトルク変化信号を生成する
と表記する。したがってトルク変化信号dτはトルク指
令τrから下記の式(3)により演算される。 dτ=s・τr ・・・・・ (3)
【0008】次に疑似加速度信号生成部306は機械速
度vmを入力し、疑似加速度信号asを生成するが、こ
こで、速度検出器4で検出する機械速度vmには高周波
数のノイズ成分が含まれ、純粋な微分を用いるとノイズ
成分を大きくして機械定数の推定誤差の原因となるた
め、それを除去するためにローパスフィルタ特性を付加
した疑似微分演算を行う。したがって、前述のローパス
フィルタ特性をF(s)とすると、疑似加速度信号as
は下記の式(4)により生成され、機械加速度amとは
式(5)の関係が有る。 as=s・F(s)・vm ・・・・・ (4) as=F(s)・am ・・・・・ (5)
【0009】次に加速度変化信号生成部307は疑似加
速度信号asを入力し、下記の式(6)のように差分す
なわち微分動作を行うことにより加速度変化信号daを
出力する。 da=s・as ・・・・・ (6)
【0010】ここで、式(2)、式(3)よりトルク変
化信号dτ、クーロン摩擦による外乱トルクτd、機械
加速度amの間には次の式(7)の関係が成り立ち、更
に式(5)、式(6)を用いると、トルク変化信号d
τ、外乱トルクτd、加速度変化信号daの間には式
(8)の関係が成り立つ。 dτ=s・τd+J・s・am ・・・・・ (7) dτ=s・τd+J・(1/F(s))・da ・・・・・ (8)
【0011】また、クーロン摩擦による外乱トルクτd
は前述のように駆動機械3が動いている間は一定の値だ
と考えられるため、前述の式(8)における右辺第1項
は駆動機械3が始動する瞬間以外は0になると考えられ
る。したがって、前述のローパスフィルタ特性F(s)
を無視して1とすると、駆動機械3が始動する瞬間以外
はトルク変化信号dτと加速度変化信号daとの比から
駆動機械3のイナーシャJを推定することが可能にな
る。
【0012】ここで、上記のようにトルク変化信号dτ
と加速度変化信号daとの比から駆動機械3のイナーシ
ャJを推定したとすると、上記の式(8)における右辺
第1項は微分動作であるため、クーロン摩擦が大きい場
合には、クーロン摩擦による外乱トルクτdが変化する
瞬間、すなわち駆動機械3が始動する瞬間には大きな値
となり、大きなイナーシャ推定誤差の原因となる。
【0013】また、前述のようにローパスフィルタF
(s)は速度検出器のノイズの影響を低減するためのも
のであるが、ノイズの影響を大きく低減するためにロー
パスフィルタの遮断周波数を低くすると、ローパスフィ
ルタF(s)の特性が1から大きく離れるため、式
(8)より、トルク変化信号dτの加速度変化信号da
に対する比とイナーシャJとの誤差が大きくなる。した
がつて、ノイズの影響を低減しながら高精度なイナーシ
ャ推定を行うことが難しくなる。
【0014】次に機械定数推定部308の動作について
説明する。機械定数推定部308はトルク変化信号dr
と加速度変化信号daを入力し、下記の式(9)により
時点kにおけるイナーシャ推定値Je〈k〉を1時点過
去のイナーシャ推定値Je〈k−1〉から更新する。こ
こでP〈k〉(詳細は後述する)は、機械定数推定部3
08が内部に持つ推定ゲインである。 Je〈k〉=Je〈k−1〉+P〈k〉・da〈k〉・ (dτ〈k〉−da〈k〉・Je〈k−1〉) ・・・・・ (9)
【0015】次に、前述の式(9)におけるP〈k〉は
次の式(10)により時点kでP〈k〉を1時点過去の
P〈kー1〉から更新する。 P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(aw〈k〉)2 )………(1 0)
【0016】上記の式(9)および式(10)を用いた
推定方法は逐次最小二乗法と呼ばれる。またλは忘却係
数と呼ばれる定数で、駆動機械3のイナーシャJの変化
に対応するためには、忘却係数λは1より少し小さい値
に選ばれる。
【0017】ここで、駆動機械3を速度一定で長時間駆
動したような場合、加速度一定の期間が長く続くため加
速度変化信号daが0に近づく。したがって式(10)
の忘却係数λを1より小さな値に選んだ場合は、推定ゲ
インP〈k〉はP〈k−1〉から1/λ倍され、延々と
大きくなるため、イナーシャ推定値Jeを急峻に更新す
るようになる。その結果、加速度変化信号daのノイズ
的な動作に対してイナーシャ推定値Jeがノイズ的に変
化してしまう。
【0018】上記の問題を防ぐために、従来の技術の機
械定数推定装置では、加速度変化信号daの絶対値が閾
値より小さく0に近い場合には上記の式(9)および式
(10)によるイナーシャ推定値Jeの更新動作を止め
る。
【0019】しかし、上述のように加速度変化信号da
の絶対値が閾値より小さい場合にはイナーシャ推定値J
eの更新動作を止めるようにすれば、駆動機械3を駆動
するパターンが加速度変化の小さい場合などはイナーシ
ャ推定動作を全く行わないようになってしまう。またそ
れを防ぐには駆動機械3の動作条件に応じて閾値を適切
に調整する必要が生じる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、従来の技術の機械定数推定装置では、トルク指令τ
rの微分信号であるトルク変化信号dτと、機械速度v
mを疑似微分した疑似加速度信号asの微分信号である
加速度変化信号daだけに基づいて、逐次最小自乗法を
用いて駆動機械のイナーシャを推定しており、駆動機械
が始動した瞬間はクーロン摩擦の影響と加速度変化信号
daの両方とも大きいため、駆動機械のクーロン摩擦が
大きい場合はクーロン摩擦に起因したイナーシャ推定誤
差が大きくなるという問題がある。
【0021】また、トルク指令τrの微分信号であるト
ルク変化信号dτと、機械速度vmを疑似微分した疑似
加速度信号asの微分信号である加速度変化信号daを
用いてイナーシャ推定を行っており、速度検出器の高周
波数ノイズによる誤差を小さくするために疑似微分を行
っているため、高周波数ノイズの影響を小さくしながら
高精度にイナーシャ推定誤差を行うのが困難であるとい
う問題が有った。
【0022】また、駆動機械を速度一定で長時間駆動し
たような場合に、加速度一定の期間が長く続いて、速度
変化信号daの絶対値が閾値より小さくなるとイナーシ
ャ推定値Jeの更新を止めるようにしているが、駆動機
械の駆動パターンが加減速の小さい場合には、イナーシ
ャ推定動作を全く行わないようになるという問題が有
る。またこの問題を回避するためには駆動パターンに応
じて閾値を調整する必要があるという問題が有った。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明に係る駆動機械
の機械定数推定装置は、入力されたトルク指令に応じた
駆動トルクを発生することにより駆動機械を駆動する駆
動部と、前記トルク指令から直流成分を除去して過渡ト
ルク信号を生成する過渡トルク信号生成部と、前記駆動
機械の加速度、速度又は位置である動作信号から直流成
分を除去した過渡動作信号を生成する過渡動作信号生成
部と、前記駆動機械が静止状態から動き始めた後に所定
の演算により変化する重み信号を生成する重み信号生成
部と、前記過渡トルク信号と前記過渡動作信号と前記重
み信号に基づき前記駆動機械の機械定数推定値を演算す
る機械定数推定部とを備えるものである。
【0024】また、重み信号生成部は、駆動機械が静止
状態から動き始める始動時点から所定の時間が経過する
までの間は、所定の時間経過後に比べて小さいレベルの
重み信号を生成するものである。
【0025】また、重み信号生成部は、駆動機械の速度
の増加に対して増大するように重み信号を生成するもの
である。
【0026】また、機械定数推定部は、過渡トルク信号
と重み信号との積信号と、過渡動作信号と重み信号との
積信号とに基づいて駆動機械の機械定数推定値を演算す
るものである。
【0027】また、機械定数推定部は、過渡トルク信号
と重み信号との積信号と、過渡動作信号と重み信号との
積信号とを入力とした最小二乗法に基づいて機械定数推
定値を演算するものである。
【0028】また、機械定数推定部は、現時点の機械定
数推定値を過去の機械定数推定値と重み信号とに基づき
演算するものである。
【0029】また、機械定数推定部は、少なくとも駆動
機械のイナーシャを演算するものである。
【0030】また、機械定数推定部は、少なくとも駆動
機械の粘性定数を演算するものである。
【0031】また、機械定数推定部は、重み信号と過渡
トルク信号との積τwと、重み信号と駆動機械の加速度
から直流成分を除去した過渡加速度信号との積awとか
ら、時点kにおいて推定ゲインP〈k〉を P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(aw
〈k〉)2 ) に基づいて更新演算し、イナーシャ推定値Je〈k〉を Je〈k〉=Je〈k−1〉+P〈k〉・aw〈k〉・
(τw〈k〉−aw〈k〉・Je〈k−1〉) に基づき更新演算して出力するものである。
【0032】また、機械定数推定部は、重み信号と過渡
トルク信号との積τw、重み信号と駆動機械の加速度か
ら直流成分を除去した過渡加速度信号との積awとか
ら、時点kにおいて推定ゲインP〈k〉を P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(τw
〈k〉)2 ) に基づいて更新演算し、また、イナーシャ推定値Je
〈k〉を 1/Je〈k〉=1/Je〈k−1〉+P〈k〉・τw
〈k〉・(aw〈k〉−τw〈k〉/Je〈k−1〉) に基づき更新演算するものである。
【0033】また、過渡加速度信号があらかじめ定めた
所定のレベルを下回った場合は、推定ゲインP〈k〉の
更新演算を行わずに、イナーシャ推定値の更新演算のみ
を行うものである。
【0034】また、過渡トルク信号があらかじめ定めた
所定のレベルを下回った場合は、推定ゲインP〈k〉の
更新演算を行わずに、イナーシャ推定値の更新演算のみ
を行うものである。
【0035】また、推定ゲインP〈k〉の値のとりうる
範囲に予め制限を設けるものである。
【0036】また、入力されたトルク指令に応じたトル
クを発生することにより駆動機械を駆動する駆動部と、
前記駆動機械の速度あるいは位置を動作信号として検出
する動作検出器と、前記トルク指令から直流成分を除去
し更にローパスフィルタを通した信号を過渡トルク信号
として生成する過渡トルク信号生成部と、前記動作信号
を入力し過渡加速度信号を生成する過渡加速度信号生成
部と、前記過渡トルク信号と前記過渡加速度信号を入力
し前記駆動機械の機械定数を推定する機械定数推定部を
備え、前記過渡加速度信号生成部は前記駆動機械の加速
度から前記過渡加速度信号までの伝達特性と前記過渡ト
ルク信号生成部の伝達特性とがほぼ同一になるように構
成したものである。
【0037】また、過渡トルク信号生成部は、前記トル
ク指令から前記過渡トルク信号までの伝達特性の次数を
3次以上5次以下とするものである。
【0038】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1である駆動機械の機械定数推定装置の構成を
示す図である。なお、以下の各図に於いて従来例の図と
同一符号は同一又は相当部分を示すので、その詳細な説
明は省略する。図において1はトルク指令τrを発生す
るトルク指令生成部、2はトルク指令τrに応じた駆動
トルクτmを発生するモータ等の駆動部、3は駆動部2
によって駆動される駆動機械、4は駆動機械の機械速度
vmを検出して出力する速度検出器、5はトルク指令τ
rを入力し過渡トルク信号τfを出力する過渡トルク信
号生成部、6は機械速度vmを入力し過渡加速度信号a
fを出力する過渡加速度信号生成部、7は始動時点から
の時間経過に依存した重み信号wtを生成する重み信号
生成部、8は過渡トルク信号τfと過渡加速度信号af
と重み信号wtを入力しイナーシャ推定値Jeを出力す
る機械定数推定部である。
【0039】次に図1に示した機械定数推定装置の動作
を説明する。まずトルク指令生成部1、駆動部2、駆動
機械3および速度検出器4の動作について説明する。ト
ルク指令生成部1は速度制御や位置制御などの目的に応
じたトルク指令τrを発生して駆動部2へ出力し、駆動
部2はトルク指令τrに一致するように駆動トルクτm
を発生することにより、駆動機械3を駆動する。次に速
度検出器4は駆動機械3の機械速度vmを検出して出力
する。
【0040】ここで、駆動トルクτmとトルク指令τr
が一致するとし、外乱トルクをτdとすると、トルク指
令τrおよび外乱トルクτdと機械速度vmの間には、
従来例で説明したと同様に下式が成立する。 am=s・vm ・・・・・ (1) τr=τd+J・am ・・・・・ (2) ただし、amは駆動機械3の機械加速度、Jは駆動機械
3のイナーシャ、sはラプラス演算子を表す。
【0041】式(2)より、外乱トルクτdが0の場合
にはトルク指令τrの機械加速度amに対する比から駆
動機械3のイナーシャJを推定できることが分かる。し
たがって後述するようにτdによる影響を除去できれば
トルク指令τrに基づく信号の機械加速度amに基づく
信号に対する比から駆動機械3のイナーシャJを推定す
ることが可能になる。
【0042】次に外乱トルクτdをクーロン摩擦である
と仮定した場合の性質について説明する。外乱トルクτ
dをクーロン摩擦であるとした場合は、駆動機械3が静
止状態にある場合には外乱トルクτdは駆動トルクτm
と釣り合うように作用するため一定の値とは限らない。
しかしながら駆動機械3が機械速度vmの符号が変わら
ずに動いている間は、ほぼ一定の大きさの外乱トルクに
なると考えられる。したがって駆動機械3が静止状態か
ら動き始める始動時刻tsにステップ状の外乱トルクτ
dが加わり、機械速度vmが0になる次回の静止状態に
なるまで外乱トルクτdはほぼ一定の値になると考えら
れる。
【0043】図2に図1に示す機械定数推定装置の信号
の応答例を示す。図2の(a)は機械速度vmを示し、
図2は速度制御等を行うことにより図2の(a)のよう
に機械速度vmが変化した場合の各信号の応答を示す。
図2の(b)における破線は機械加速度amを示す。図
2の(c)における破線はトルク指令τrを、点線は外
乱トルクτdを示す。始動時刻tsより以前の静止状態
ではトルク指令τrおよび外乱トルクτdが0である場
合を示している。外乱トルクτdがクーロン摩擦の場合
は図2の(c)の点線のように、外乱トルクτdは始動
時刻tsにステップ的に変化し、駆動機械3が動いてい
る間は一定の値と考えられる。したがって式(2)より
図2の(c)の破線に示すトルク指令τrの波形は、図
2の(b)の破線に示す機械加速度amに駆動機械3の
イナーシャJを乗じ、更に外乱トルクτdのオフセット
を加えたものになる。
【0044】次に過渡トルク信号生成部5および過渡加
速度信号生成部6の動作について説明する。過渡トルク
信号生成部5はトルク指令τrを入力し下記の式(1
3)および式(14)で表すFτ(s)の伝達関数演算
を行い、トルク指令τrから低周波数成分(直流成分)
と高周波数成分を除去した過渡トルク信号τfを出力す
る。 τf=Fτ(s)・τr ・・・・・ (13) Fτ(s)=s/f(s) ・・・・・ (14) ただし、式(14)の分母多項式f(s)はsの3次多
項式とし、その結果Fτ(s)は入力の低周波数成分と
高周波数成分を遮断した信号を出力する特性を持つ。低
周波成分の除去はこの発明に言う直流成分の除去と同等
である。
【0045】次に過渡加速度信号生成部6は機械速度v
mを入力し、下記の式(15)および式(16)で表す
Fv(s)の伝達関数演算を行い過渡加速度信号afを
出力する。 af=Fv(s)・vm ・・・・・ (15) Fv(s)=s2 /f(s) ・・・・・ (16) ここで、分母多項式f(s)は過渡トルク信号生成部5
における式(14)の演算に用いるものと同一のsの多
項式で、Fv(s)は下記の式(17)のように前述の
Fτ(s)に微分を乗じたものと同じ伝達特性になる。 Fv(s)=s・Fτ(s) ・・・・・ (17)
【0046】したがって、式(1)、式(15)および
式(17)より機械加速度amから過渡加速度信号af
までの間には、下記の式(18)の伝達特性が成り立
ち、過渡トルク指令生成部5におけるトルク指令τrか
ら過渡トルク信号τfまでの伝達特性と同一になる。 af=Fτ(s)・am ・・・・・ (18)
【0047】ここで、式(13)に式(2)を代入する
と、以下の式(19)が成り立つ。 τf=Fτ(s)・τd + J・Fτ(s)・am ・・・・・ (19) したがって摩擦による外乱トルクτdが一定とし、始動
時刻tsから有る程度時間が経過すると、式(19)の
右辺第1項は0になる。
【0048】また、式(18)に示したように、過渡ト
ルク信号生成部5におけるトルク指令τrから過渡トル
ク信号τfまでの伝達特性と過渡加速度生成部6におけ
る機械加速度amから過渡加速度信号afまでの伝達特
性を同一にしているため、式(19)は下記の式(2
0)に変形される。 τf=Fτ(s)・τd + J・af ・・・・・ (20) したがって始動時刻tsから有る程度時間が経過する
と、過渡トルク信号τfの過渡加速度信号afに対する
比が、駆動機械3のイナーシャJに一致する。
【0049】ここで、式(16)より、速度検出器4で
検出した機械速度vmを用いて過渡加速度生成部6をプ
ロパーに構成するためには、分母多項式f(s)の次数
は2次以上である必要がある。また分母多項式f(s)
の次数を2次以上とし、上記のようにトルク指令τrか
ら過渡トルク信号τfまでの伝達特性と、機械加速度a
mから過渡加速度信号afまでの伝達特性が同一になる
ように構成すると、式(14)よりトルク指令τrから
過渡トルク信号τfまでの伝達特性Fτ(s)は必ず高
周波数成分を遮断する特性を持つ必要が有る。すなわ
ち、伝達特性Fτ(s)は高周波数成分と低周波数成分
を除去(直流成分を除去)する特性とし、過渡トルク信
号生成部5におけるトルク指令τrから過渡トルク信号
τfまでの伝達特性と過渡加速度生成部6における機械
加速度amから過渡加速度信号afまでの伝達特性を同
一とすることによって式(20)が成立し、過渡トルク
信号τfの過渡加速度信号afに対する比からイナーシ
ャJを高精度に推定することが可能になる。高周波数成
分の除去はローパスフィルタを通すことで達成できる。
【0050】更に、上記のように構成するとトルク指令
τrから過渡トルク信号τfまでの伝達特性は必ず高周
波数成分を遮断する特性を持つため、高周波数成分はイ
ナーシャ同定にあまり寄与しなくなる。しかしながら分
母多項式f(s)を2次とすると、速度検出器4は通常
ロータリーエンコーダなどを用いるため高周波数のノイ
ズ成分が含まれており、式(16)より過渡加速度信号
afのノイズ成分が強調され、イナーシャ推定誤差の元
になる。したがって、分母多項式f(s)を3次以上と
して、元々イナーシャ推定に余り寄与しない高周波数成
分を更に除去することにより、イナーシャ同定の性能を
劣化させることなく速度検出器4におけるノイズの影響
を低減させる効果を特に大きくする。また分母多項式f
(s)を3次とすると、速度検出器4におけるノイズの
影響を低減させる効果が特に大きく、更に計算時間を短
くすることが可能になる。
【0051】図2の(b)の実線は過渡加速度信号af
を示す。図2の(c)の実線は過渡トルク信号τfを示
す。過渡トルク信号τfと過渡加速度信号afは、それ
ぞれトルク指令τr、加速度amから低周波数成分が除
去されるため、始動後、時間が経過すると過渡トルク信
号τfは過渡加速度信号afに駆動機械3のイナーシャ
Jを乗じたものに近づく。また始動後十分に時間が経過
すれば、過渡トルク信号τfと過渡加速度信号afは相
似な形になり、その比は駆動機械3のイナーシャJに一
致する。
【0052】以上のように過渡トルク信号生成部5およ
び過渡加速度信号生成部6を構成することにより、クー
ロン摩擦が存在しても、駆動機械3の始動時刻tsから
十分に時間が経過すれば、速度検出器4の検出ノイズの
影響が少なく、過渡トルク信号τfの過渡加速度信号a
fに対する比から正確に駆動機械3のイナーシャJを推
定することが可能になる。
【0053】次に重み信号生成部7の動作について説明
する。重み信号生成部7は機械速度vmを入力し、機械
速度vmの絶対値が0近傍より(予め定めた所定のレベ
ルより)大きくなった時点を駆動機械3が静止状態から
動き始めた時点として検出する。次に、重み信号生成部
7は検出した始動時点から予め定められた所定の期間増
大するような時間関数の重み信号wtを生成する(速度
は上記所定のレベル以上であれば、その値は関係しな
い)。すなわち、始動時点から所定の時間が経過する以
前は、所定の時間が経過した後よりも小さいレベルの重
み関数wtを生成する。図2の(d)にこのようにして
生成される場合の重み信号wtの例を示す。ここで機械
速度vmがゼロのとき(上記予め定めた所定のレベルよ
り低いとき)はイナーシャの推定は不可能であるため機
械定数推定装置の動作は止めるため、重み信号wtの値
は特に限定しない。
【0054】次に機械定数推定部8の動作について説明
する。図3は機械定数推定部8の構成を示す図である。
図において8aおよび8bは積算器であり、8cは最小
二乗演算部である。機械定数推定部8は過渡トルク信号
τfと過渡加速度信号afと重み信号wtを入力し、積
算器8aは、過渡トルク信号τfと重み信号wtの積で
ある重み付きトルク信号τwを演算する。また積算器8
bは過渡加速度信号afと重み信号wtの積である重み
付き加速度信号awを演算する。すなわち過渡トルク信
号τfと過渡加速度信号afに、駆動機械3の始動直後
は相対的に小さな重みづけを行う。
【0055】次に、最小二乗演算部8cは、時点kにお
けるイナーシャ推定値Je〈k〉を1時点過去のイナー
シャ推定値Je〈k−1〉から下記の式(21)を用い
て更新する。ただし式(21)におけるP〈k〉は最小
二乗演算部8cが内部で持つ推定ゲインであり、その演
算については後述する。 Je〈k〉= Je〈k−1〉+P〈k〉・aw〈k〉・(τw〈k〉−aw〈k〉・Je〈k −1〉) ・・・・・ (21)
【0056】上記の式(21)は下記の式(22)に変
形できる。 Je〈k〉=Je〈k−1〉+P〈k〉・(af〈k〉)2 ・(wt〈k〉)2 ・(τf〈k〉/af〈k〉−Je〈k−1〉) ・・・・・ (22)
【0057】したがって、最小二乗演算部8cは、時点
kでイナーシャ推定値Jeが重み付きトルク信号τw
〈k〉の重み付き加速度信号aw〈k〉に対する比に近
づくように、Je〈k〉をJe〈k−1〉から更新して
演算する。また、重み信号wt〈k〉が相対的に小さけ
ればイナーシャ推定値Jeの更新を相対的に緩やかに行
い、始動時刻tsの直後は重み信号生成部7により重み
信号wtを相対的に小さくしているため、駆動機械3の
始動直後はイナーシャ推定値Jeの更新を相対的に緩や
かにする。
【0058】次に最小二乗演算部8cにおける推定ゲイ
ンP〈k〉の演算について説明する。最小二乗演算部8
cは通常は時点kで推定ゲインP〈k〉を下記の式(2
3)のように重み付き加速度信号aw〈k〉に基づいて
P〈kー1〉から更新する。 P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(aw〈k〉)2 )……… (23) ここで、式(21)および式(23)を用いた推定方法
は逐次最小二乗法と呼ばれる。またλは忘却係数と呼ぶ
定数で、駆動機械3のイナーシャJが変化する場合にこ
の変化に対応して推定するためには、忘却係数λは1よ
り少し小さい値に選ばれる。このような逐次最小二乗法
を用いることにより、白色雑音に対してイナーシャ推定
誤差に基づく二乗和形式の評価関数を最小化するよう
に、高精度にイナーシャ推定を行うことが可能になる。
【0059】ここで、駆動機械3を速度一定で長時間駆
動したような場合、加速度一定の期間が長く続くため過
渡加速度信号afおよび重み付き加速度信号awが0に
近づく。したがって式(23)の忘却係数λを1より小
さな値に選んだ場合、推定ゲインP〈k〉はP〈k−
1〉から1/λ倍されて延々と大きくなるため、イナー
シャ推定値Jeを急峻に更新するようになる。その結
果、過渡加速度信号afのノイズ的な動作に対してイナ
ーシャ推定値Jeがノイズ的に変化してしまう。したが
って、過渡加速度信号afあるいは過渡加速度信号af
に基づく重み付き加速度信号awが0に近く、絶対値が
予め定めた閾値より小さい場合には、式(23)による
P〈k〉の更新だけを止めて推定ゲインP〈k〉が大き
くなりすぎるのを防ぎ、式(21)によるイナーシャ推
定値Jeの更新だけを行うことにより、過渡加速度信号
afが0に近い場合も緩やかにイナーシャ推定の更新を
行うようにする。このように構成することにより、駆動
機械3を速度一定で長時間駆動したような場合や、緩や
かな加減速運転を行った場合でも、イナーシャ推定値が
ノイズ的に変化することはなく、また緩やかにイナーシ
ャ推定値を更新することが可能になる。
【0060】図2の(e)の破線は重み信号wtが常に
1、すなわち重み信号を用いない場合のイナーシャ推定
値Jeの変化を示す。また図2の(e)の実線は図2の
(d)に示す重み信号wtを用いた場合のイナーシャ推
定値Jeの変化を示す。始動時刻tsの直後はクーロン
摩擦の影響が除去されていないため、重み信号wtを用
いない場合にはイナーシャ推定値Jeを大きく推定し、
場合によっては次に駆動機械3が停止するときまで推定
誤差が残る。一方、重み信号wtを用いた場合には、始
動時刻tsの直後にはイナーシャ推定値Jeの更新を緩
やかにさせているためイナーシャ推定誤差が小さくな
る。またその結果、正確な推定値へ収束するのも速くな
るため、イナーシャ推定の精度を向上させることが可能
になる。
【0061】本実施の形態では、機械定数推定部8およ
び最小二乗演算部8cにおいて、過渡加速度信号afあ
るいは重み付き加速度信号awが0に近い場合には式
(23)の推定ゲインP〈k〉の更新を止めて推定ゲイ
ンP〈k〉が大きくなりすぎるのを防いでいる。なお、
駆動機械3に対する外乱をクーロン摩擦として説明した
が、例えば駆動機械3が静止している状態では機械的ブ
レーキを用いる場合など、始動時に機械的ブレーキを解
放することにより、重力による外乱τdが加わるよう
な、駆動機械3の始動時に特に加わるような外乱τdに
対しても有効である。
【0062】また、重み信号生成部7は機械速度vmを
入力するとしたが、これは特に限定するものではなく、
例えばトルク指令生成部1が速度指令信号に基づいて機
械速度vmの速度を制御するようにトルク指令τrを生
成する場合、重み信号生成部7は速度指令信号が0から
大きくなった時点を検出するようにしても良い。
【0063】また、速度検出器4を用いて機械速度vm
を検出するとしたが、位置検出器を用いて機械位置xm
を検出し、機械位置xmを差分あるいは微分した信号を
機械速度vmとするような、等価な構成にしても良い。
【0064】また、機械定数推定部8において重みつき
トルク信号τwと重みつき加速度信号awを用いて逐次
最小二乗法により駆動機械3のイナーシャ推定値Jeを
計算しているが、重みつきトルク信号τwと重みつき加
速度信号awを用いて電気学会論文誌Vol.114−
D、No.4、p.424−p.431に記載の固定ト
レース法や、「MATLABによる制御のためのシステ
ム同定」(東京電気大学出版局)、p.6、に記載の非
正規化勾配法を用いても、同様に駆動機械3の始動直後
は過渡トルク信号τfと過渡加速度信号afに相対的に
小さな重み付けをして駆動機械3のイナーシャを推定す
ることが可能になる。
【0065】図1の機械定数推定装置では、以上のよう
に構成することにより、トルク指令τrから低周波数成
分を除去した過渡トルク信号τfと機械加速度amから
低周波数成分を除去した過渡加速度信号afを生成し、
駆動機械3の始動直後は過渡トルク信号τfと過渡加速
度信号afに相対的に小さな重み信号を乗じた信号に基
づいて逐次最小二乗法を用いて駆動機械3の機械定数を
推定するため、駆動機械3の始動直後は相対的に小さな
重みづけをして機械定数の推定を行い、クーロン摩擦に
よる外乱トルクτdに起因した推定誤差を小さくして高
精度な機械定数の推定を行うことが可能になる。
【0066】またトルク指令τrから過渡トルク信号τ
fまでの伝達特性と、機械加速度amから過渡加速度信
号afまでの伝達特性を同一のFτ(s)とし、また高
周波数成分を低減し、またFτ(s)の次数を3次以上
(実効上は5次以下)としているため、速度検出器4の
ノイズの影響を小さくしながら、高精度な機械定数の推
定が可能になる。
【0067】また最小二乗演算部8cにおいて、過渡加
速度信号afの絶対値が閾値より推定ゲインP〈k〉の
更新を止め、イナーシャ推定値Jeの更新のみを行うこ
とにより、駆動機械3が速度一定で長時間駆動されるよ
うな場合でも、過渡加速度信号afのノイズ的な変化に
対してイナーシャ推定値Jeがノイズ的に変化するよう
なことはなく、また駆動機械3が低加減速で駆動される
ような場合にもイナーシャ推定を行わないようなことは
無い。
【0068】実施の形態2.実施の形態1では、機械定
数推定部8および最小二乗演算部8cにおいて、過渡加
速度信号afあるいは重み付き加速度信号awが0に近
い場合には式(23)の推定ゲインP〈k〉の更新を止
めて推定ゲインP〈k〉が大きくなりすぎるのを防いだ
が、駆動機械3を速度一定で長時間駆動し、機械加速度
amが一定の期間が長く続くような場合、過渡加速度信
号τfも小さくなる。したがって、機械定数推定部8お
よび最小二乗演算部8cにおいて、過渡加速度信号af
あるいは重み付き加速度信号awの代わりに、過渡トル
ク信号τfあるいは重み付きトルク信号τwが0に近
く、絶対値が予め定めた閾値より小さい場合には、式
(21)の推定ゲインP〈k〉の更新だけを止めるよう
にして、推定ゲインP〈k〉が大きくなりすぎるのを防
いでも良い。
【0069】本実施の形態2では以上のように機械定数
推定装置を構成することにより、駆動機械3を速度一定
で長時間駆動したような場合や、緩やかな加減速運転を
行った場合でも、イナーシャ推定値がノイズ的に変化す
ることはなく、また緩やかにイナーシャ推定値を更新す
ることが可能になる。
【0070】実施の形態3.なお、上記の実施の形態1
および実施の形態2では、機械定数推定部8および最小
二乗演算部8cにおいて、過渡加速度信号afに基づく
信号あるいは過渡トルク信号τfに基づく信号が0に近
い場合には、式(21)のP〈k〉の更新だけを止めて
推定ゲインP〈k〉が大きくなりすぎるのを防いだが、
最小二乗演算部8cにおいて推定ゲインP〈k〉の値の
とりうる範囲に予め制限を設け、P〈k〉が大きくなり
すぎるのを防いでも良い。また逆に、高加減速で駆動機
械3で短時間駆動停止した場合には、過渡加速度信号a
fや過渡トルク信号τfが全体的に大きくなり、式(2
3)よりP〈k〉が小さくなる。したがって、イナーシ
ャ推定値の更新が速くはならないため、短時間の駆動停
止を行った場合には、停止までにイナーシャ推定が間に
合わない場合も起きる。したがって、このように高加減
速で短時間駆動停止を行った場合には急峻にイナーシャ
推定を行うように、P〈k〉のとりうる範囲に予め制限
を設け、P〈k〉が小さくなり過ぎるのを防いでもよ
い。
【0071】即ち、以上のように機械定数推定装置を構
成することにより、駆動機械3を速度一定で長時間駆動
したような場合や、緩やかな加減速運転を行った場合で
も、イナーシャ推定値が極端にノイズ的に変化すること
はなく、また緩やかにイナーシャ推定値を更新すること
が可能になる。また、高加減速で短時間駆動停止を行っ
た場合には急峻にイナーシャ推定値を更新することが可
能になる。
【0072】実施の形態4.上記の実施の形態では、最
小二乗演算部8cにおいて、重み付き過渡トルク信号τ
fの重み付き加速度信号afに対する比に基づきイナー
シャ推定値Jeを計算していたが、最小二乗演算部8c
は重み付き加速度信号afの重み付き過渡トルク信号τ
fに対する比に基づき、逐次最小二乗法にてイナーシャ
推定値Jeの逆数を求めた後、イナーシャ推定値Jeを
出力しても良い。
【0073】したがって、最小二乗演算部8cは、時点
kにおいて下記の式(24)、式(25)に基づいてイ
ナーシャ推定値Je〈k〉の逆数を演算し、逆数を出力
しても良い。 1/Je〈k〉=1/Je〈k−1〉+P〈k〉・τw〈k〉・(aw〈k 〉−τw〈k〉/Je〈k−1〉) ・・・・・ (24) P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(τw〈k〉)2 ) …… (25) ただし、上記の実施の形態と同様に、λは忘却係数と呼
ばれる予め定められた定数で、P〈k〉は最小二乗演算
部8cが内部に持つ推定ゲインである。
【0074】実施の形態5.上記の実施の形態1では、
最小二乗演算部8cにおいて、重み付きトルク信号τw
および重み付き加速度信号awを元に逐次最小二乗法を
用いて逐次的にイナーシャ推定値Jeを更新することに
よりイナーシャ推定を行っていたが、最小二乗演算部8
cは、重み付きトルク信号τwおよび重み付き加速度信
号awの複数の時点のデータを一旦メモリーに格納し、
下記の式(26)を用いて一括型最小二乗法によりイナ
ーシャ推定値Jeを算出してもよい。 Je=Σ(aw〈j〉・τw〈j〉)/Σ(aw〈j〉)2 ・・・・・ (26) ここで、jは時点を表し、Σは時点j=1から時点j=
Nまでの複数時点の和を表す。
【0075】即ち、重み付きトルク信号τwおよび重み
付き加速度信号awをメモリーに格納するとしたが、ト
ルク指令τrおよび機械速度vmをメモリーに格納し、
一括して重み信号wt,過渡トルク信号τf,過渡加速
度信号af、重み付きトルク信号τwおよび重み付き加
速度信号awを計算した後に、上記の式(26)を用い
て一括型最小二乗法によりイナーシャ推定値Jeを算出
してもよいことは言うまでも無い。
【0076】本実施の形態5では以上のように機械定数
推定装置を構成することにより、駆動機械3の始動直後
は過渡トルク信号τfと過渡加速度信号afに相対的に
小さな重み付けをして駆動機械3のイナーシャを推定す
るため、クーロン摩擦による外乱トルクτdに起因した
推定誤差を小さくして高精度なイナーシャ推定を行うこ
とが可能になる。
【0077】実施の形態6.上記の実施の形態1では、
機械定数推定部8において、過渡トルク信号τfと重み
信号wtの積である重み付きトルク信号τwと過渡加速
度信号afと重み信号wtの積である重み付き加速度信
号に基づいて逐次的にイナーシャ推定値Jeを更新する
ことによりイナーシャ推定を行っていたが、機械定数推
定部8は、重み付きトルク信号τwと重み付き加速度信
号awを用いなくても、駆動機械3の始動直後はイナー
シャ推定値Jeの更新を相対的に緩やかにすることは可
能である。
【0078】図4は本実施の形態6における機械定数推
定部18の構成を示す。図4において8dは除算器、1
8eはイナーシャ推定値更新部である。本実施の形態6
では機械定数推定部18以外の動作は上記実施の形態1
と全く同様でありその説明を省略する。
【0079】次に本実施の形態6における機械定数推定
部18の動作を説明する。機械定数推定部8は前記過渡
トルク信号τfと前記過渡加速度信号afと前記重み信
号wtとを入力し、除算器18dは過渡トルク信号τf
と過渡加速度信号afの商信号τf/afを出力する。
次にイナーシャ推定値更新部18eは時点kにおいて下
記の式(27)を用いてイナーシャ推定値Jeを更新す
る。 Je〈k〉= Je〈k−1〉+g・wt〈k〉・(τf〈k〉/af〈k〉−Je〈k−1〉 ) ・・・・・ (27) ここで、gは適切な定数のゲイン要素である。
【0080】本実施の形態6では以上のように機械定数
推定部8を構成することにより、駆動機械3の始動直後
はイナーシャ推定値の更新を相対的に緩やかに行うこと
により、相対的に小さな重みづけをして機械定数の推定
を行うようにするため、クーロン摩擦による外乱トルク
τdに起因した推定誤差を小さくして高精度なイナーシ
ャ推定を行うことが可能になる。 図4では、過渡トル
ク信号τfをトルク指令τrから生成し、また過渡加速
度信号afを機械速度vmから生成するとともに、トル
ク指令τrから過渡トルク信号τfまでの伝達特性と機
械加速度amから過渡加速度信号afまでの伝達特性を
同一にするように構成したものである。
【0081】実施の形態7.上記の実施の形態では過渡
トルク信号τfをトルク指令τrから生成し、また過渡
加速度信号afを機械速度vmから生成するとともに、
トルク指令τrから過渡トルク信号τfまでの伝達特性
と機械加速度amから過渡加速度信号afまでの伝達特
性を同一にするように構成したが、必ずしもそうしなく
ても、駆動機械の始動直後は小さな重み付けをしてイナ
ーシャ推定を行うことにより、クーロン摩擦による外乱
トルクτdに起因した推定誤差を小さくすることが可能
である。
【0082】図5は実施の形態7による機械定数推定装
置の構成を表す図である。図5の機械定数推定装置にお
いて図1と同一符号は同一部分を示し、その説明を省略
する。図5において101はトルク指令生成部、101
aはPI演算器、106は過渡加速度信号生成部であ
る。
【0083】次に、図5の動作について説明する。図5
の構成はトルク指令生成部101が速度指令vrに応じ
た速度制御を行うようにトルク指令τrを発生するもの
であり、トルク指令生成部101は速度指令vrと機械
速度vmを入力し、その差信号である速度偏差veを下
記の式(28)を用いて演算する。 ve=vrーvm ・・・・・ (28)
【0084】次にトルク指令生成部101はPI演算器
101aを用いて下記の式(29)の演算によりトルク
指令τrを演算する。ここで式(29)のKpは比例ゲ
イン、Kiは積分ゲインで、それぞれ駆動機械3の速度
を良好に制御するために決定される定数である。 τr={(Kp・s+Ki)/s}・ve ・・・・・ (29)
【0085】また、上記の式(29)より速度偏差ve
はトルク指令τrから下記の式(30)の演算を行った
ものと同一になり、速度偏差veはトルク指令τrから
低周波数成分を除去し、更に1/Kp倍した信号になる
ため、この速度偏差veを過渡トルク信号τfとして出
力する。 ve={s/(Kp・s+Ki)}・τr ・・・・・ (30)
【0086】次に、過渡加速度信号生成部106は機械
速度vmを入力し、下記の式(31)を用いて過渡加速
度信号afを演算し出力する。ここで、式(1)すなわ
ちam=s・vmを用いると、式(31)は式(32)
に変形され、更にKpおよびKiが十分に大きいとする
と、式(32)は下記の式(33)に近似される。 af={s2 /(s2 +Kp・s+Ki)}・vm ・・・・・ (31) af={s/(s2 +Kp・s+Ki)}・am ・・・・・ (32) af≒{s/(Kp・s+Ki)}・am ・・・・・ (33) したがって式(33)より、過渡加速度信号afは機械
加速度amから低周波数成分を除去し、更に1/Kp倍
した信号に近似されることが分かる。
【0087】以上より、本実施の形態7においては、ト
ルク指令τrから過渡トルク信号τfまでの伝達特性と
機械加速度amから過渡加速度信号afまでの伝達特性
が完全には一致しないが近似され、また共に低周波数数
成分を除去しているため、過渡トルク信号τfおよび過
渡加速度信号afを用いることにより、実施の形態1と
同様にクーロン摩擦による外乱トルクτdに起因した誤
差を小さくする機械定数推定装置を得ることが可能であ
る。
【0088】実施の形態8.図6は本発明の実施の形態
8による機械定数推定装置の構成を示す図である。本実
施の形態8は駆動機械3の機械速度をそのまま重み信号
wtとしたものである。図6において図1と同一符号は
同一部分を表し、その説明を省略する。
【0089】次に、図6の動作を説明する。図6では前
記の過渡トルク信号τfおよび過渡加速度信号afと、
機械速度vmをそのまま重み信号wtとしたものを機械
定数推定部8に入力する。
【0090】ここで、駆動機械3が始動すると、機械速
度vmの絶対値は、必ず0から0より大きい値へと変化
するため、機械速度vmの絶対値は始動直後は必ず相対
的に小さい値となる。したがって、機械速度vmに基づ
いて駆動機械3の始動直後は相対的に小さな値を持つ重
み信号wtを生成することも可能である。図6の構成は
機械速度vmをそのまま重み信号wtとしたものであ
り、駆動機械3が始動した直後は過渡トルク信号τfと
過渡加速度信号afに相対的に小さな重みづけを行うこ
とが可能になる。
【0091】図6では以上のように構成することによ
り、機械速度vmが相対的に小さい場合は、駆動機械3
の始動直後は過渡トルク信号τfと過渡加速度信号af
に相対的に小さな重み付けをして駆動機械3のイナーシ
ャを推定するため、クーロン摩擦による外乱トルクτd
に起因した推定誤差を小さくして高精度なイナーシャ推
定を行うことが可能になる。
【0092】実施の形態9.図7は本発明の実施の形態
9である機械定数推定装置の構成を示す図である。実施
の形態1〜8では、駆動機械の機械定数として駆動機械
のイナーシャのみを推定するものであったが、本実施の
形態9は機械定数としてイナーシャとともに粘性定数も
推定するものである。203は粘性摩擦も考慮された駆
動機械である。208は過渡トルク信号τr、過渡加速
度信号afおよび重み信号wtを入力し駆動機械203
のイナーシャJおよび粘性定数Dを推定してイナーシャ
推定値Jeおよび粘性定数推定値Deを出力する機械定
数推定部である。209は機械速度vmを入力し過渡速
度信号vfを出力する過渡速度信号生成部である。
【0093】次に図7の機械定数推定装置の動作を説明
する。まず、駆動機械203の動作について説明する。
駆動トルクτmとトルク指令τrが一致するとし、クー
ロン摩擦による外乱トルクをτdとすると、トルク指令
τr、外乱トルクτd、機械速度vm、機械加速度am
の間には下記の式(34)の関係が有る。ただしDは駆
動機械203の粘性定数であり、クーロン摩擦による外
乱トルクτdは駆動機械203の始動後は一定の値をと
るものである。 τr=τd+J・am+D・vm ・・・・・ (34)
【0094】次に、過渡速度信号生成部209の動作に
ついて説明する。過渡速度信号生成部209は機械速度
vmを入力し、下記の式(35)に示すように、過渡ト
ルク信号生成部5におけるトルク指令τrから過渡トル
ク信号τfまでの伝達特性Fτ(s)と同じ伝達特性
で、低周波数成分を除去する特性をもつ伝達関数演算を
行い、過渡速度信号vfを出力する。 vf=Fτ(s)・vm ・・・・・ (35)
【0095】ここで、実施の形態1で説明したとおり、
過渡トルク信号τfおよび過渡加速度信号afはそれぞ
れ、トルク指令τrおよび機械加速度amと式(13)
および式(18)の関係が有る。 τf=Fτ(s)・τr ・・・・・ (13) af=Fτ(s)・am ・・・・・ (18)
【0096】したがって、式(34)、式(35)、式
(13)、式(18)より、過渡トルク信号τr、外乱
トルクτd、過渡加速度信号afおよび過渡速度信号v
fの間には下記の式(36)の関係が成り立つ。 τr=Fτ(s)・τd+J・af+D・vf ・・・・・ (36)
【0097】クーロン摩擦による外乱トルクτdは駆動
機械203の始動後は一定の値と考えられるため、上記
の式(36)における右辺第1項は始動後十分に時間が
経過すると0に近づき無視することが可能になる。した
がって、例えば後述する逐次最小二乗法を用いることに
より、駆動機械203が始動して時間が十分経過した後
はクーロン摩擦の影響無く、駆動機械203のイナーシ
ャJと粘性定数Dを推定することが可能になる。
【0098】図8に機械定数推定部208の構成の詳細
を示す。図において、208a、208b、208cは
それぞれ積算器である。208dは機械定数推定部であ
る。
【0099】次に図7、図8の機械定数推定部208の
動作について説明する。機械定数推定部208は前述の
過渡トルク信号τf、過渡加速度信号af、過渡速度信
号vfおよび重み信号wtを入力し、積算器208aは
過渡トルク信号τfと重み信号wtの積信号である重み
付きトルク信号τwを出力し、積算器208bは過渡加
速度信号afと重み信号wtの積信号である重み付き加
速度信号awを出力し、積算器208bは過渡速度信号
vfと重み信号wtの積信号である重み付き速度信号v
wを出力する。
【0100】次に、機械定数推定部208における最小
二乗演算部208dの動作について説明する。最小二乗
演算部208dは重み付きトルク信号τwと重み付き加
速度信号awと重み付き速度信号vwを入力し、後述す
る逐次最小二乗法に基づいてイナーシャ推定値Jeと減
衰定数推定値Deを出力する。
【0101】次に最小二乗演算部208dにおける逐次
最小二乗法に基づく演算方法について説明する。まず、
時点kにおけるイナーシャ推定値Je〈k〉および粘性
定数推定値De〈k〉からなる機械定数推定ベクトルΘ
e〈k〉と。重み付き加速度信号aw〈k〉および重み
付き速度信号vw〈k〉からなる入力ベクトルΨ〈k〉
を下記の式(37)および式(38)で定義する。 Θe〈k〉=[Je〈k〉,De〈k〉]’ ・・・・・ (37) Ψ〈k〉=[aw〈k〉,τw〈k〉]’ ・・・・・ (38) ただし、x’はベクトルxの転置ベクトルを表す。以下
同様。
【0102】次に、最小二乗演算部208dは内部に持
つ共分散行列P〈k〉を式(39)に基づいて更新し、
更に機械定数推定ベクトルΘe〈k〉を式(40)に基
づいて更新する。 P〈k〉=(1/λ)・{P〈k−1〉ー(P〈k−1〉・Ψ〈k〉・Ψ’ 〈k〉・P〈k−1〉)/(λ+Ψ’〈k〉・P〈k−1〉・Ψ〈k〉)}・・ ・・・ (39) Θe〈k〉=Θe〈k−1〉+P〈k−1〉・Ψ〈k〉・ε〈k〉/(λ+ Ψ’〈k〉・P〈k−1〉・Ψ〈k〉) ・・・・・ (40) ただし、 ε〈k〉=τf〈k〉ーΨ’〈k〉・Θe〈k−1〉・・・・・ (41) である。
【0103】本実施の形態9の機械定数推定装置では、
以上のように構成し、駆動機械203が始動した直後に
は過渡トルク信号τf、過渡加速度信号afおよび過渡
速度信号vfに小さな重みを付けて機械定数を推定する
ことにより、クーロン摩擦による外乱トルクτdによる
推定誤差を小さくして高精度にイナーシャと粘性定数の
推定を実現することが可能になる。
【0104】
【発明の効果】この発明に係る駆動機械の機械定数推定
装置は、以上に説明したように、入力されたトルク指令
に応じた駆動トルクを発生することにより駆動機械を駆
動する駆動部と、前記トルク指令から直流成分を除去し
て過渡トルク信号を生成する過渡トルク信号生成部と、
前記駆動機械の加速度、速度又は位置である動作信号か
ら直流成分を除去した過渡動作信号を生成する過渡動作
信号生成部と、前記駆動機械が静止状態から動き始めた
後に、所定の演算により変化する重み信号生成部と、過
渡トルク信号と過渡動作信号と重み信号に基づき駆動機
械の機械定数推定値を演算する機械定数推定部を備え、
機械定数推定部は重み信号に基づき、駆動機械の始動直
後には相対的に小さな重みづけをして駆動機械の機械定
数推定値を演算するので、クーロン摩擦などの外乱トル
クに起因する推定誤差を小さくして機械定数を推定する
ことができる。
【0105】また、重み信号生成部は駆動機械が静止状
態から動き始める始動時点を検出し、始動時点から所定
の時間が経過するまでの間は、前記所定の時間経過後に
比べて小さいレベルの重み信号を生成するので、クーロ
ン摩擦などの外乱トルクに起因する推定誤差を小さくし
て機械定数を推定することができる。
【0106】また、重み信号生成部は駆動機械の機械速
度の増加に対して増大するように重み信号を生成するの
で、クーロン摩擦などの外乱トルクに起因する推定誤差
を小さくして機械定数を推定することができる。
【0107】また、機械定数推定部は過渡トルク信号と
重み信号との積信号と、過渡動作信号と重み信号との積
信号とに基づいて駆動機械の機械定数推定値を演算する
ことにより、駆動機械の始動直後には相対的に小さな重
みづけをして駆動機械の機械定数推定値を演算するの
で、クーロン摩擦などの外乱トルクに起因する推定誤差
を小さくして機械定数を推定することができる。
【0108】さらに、機械定数推定部は過渡トルク信号
と重み信号との積信号と、過渡動作信号と重み信号との
積信号とを入力とした最小二乗法に基づく方法を用いて
機械定数推定値を演算するので、クーロン摩擦などの外
乱トルクに起因する推定誤差を小さくし、白色雑音に対
してイナーシャ推定誤差に基づく二乗和形式の評価関数
を最小化するように、高精度に機械定数を推定すことが
できる。
【0109】また、機械定数推定部は現時点の機械定数
推定値を過去の機械定数推定値と重み信号とに基づき、
クーロン摩擦などの外乱トルクの影響が残る駆動機械の
始動直後は、機械定数推定値を過去の機械定数推定値か
ら相対的に緩やかに更新し、時間経過後は相対的に急峻
に更新するため、クーロン摩擦などの外乱トルクに起因
する推定誤差を小さくして機械定数を推定することが出
来る。
【0110】また、機械定数推定部は少なくとも駆動機
械のイナーシャ推定値を演算するので、クーロン摩擦な
どの外乱トルクに起因する推定誤差を小さくしてイナー
シャを推定することができる。
【0111】また、機械定数推定部は少なくとも前記駆
動機械の粘性定数推定値を演算するので、クーロン摩擦
などの外乱トルクに起因する推定誤差を小さくして粘性
定数を推定することができる。
【0112】また、機械定数推定部は前記重み信号と前
記過渡トルク信号の積信号τwおよび前記重み信号と駆
動機械の加速度から直流成分を除去した過渡加速度信号
の積 信号awから時点kにおいて推定ゲインP〈k〉を
P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(aw
〈k〉)2 ) に基づいて更新演算し、イナーシャ推定値Je〈k〉を Je〈k〉=Je〈k−1〉+P〈k〉・aw〈k〉・
(τw〈k〉−aw〈k〉・Je〈k−1〉) に基づき更新演算して出力するので、白色雑音に対して
イナーシャ推定誤差に基づく二乗和形式の評価関数を最
小化するように、高精度にイナーシャを推定することが
できる。
【0113】また、機械定数推定部は前記重み信号と前
記過渡トルク信号の積信号τwおよび前記重み信号と駆
動機械の加速度から直流成分を除去した過渡加速度信号
の積信号awから時点kにおいて推定ゲインP〈k〉を P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(τw
〈k〉)2 ) に基づいて更新演算し、イナーシャ推定値Je〈k〉の
逆数を 1/Je〈k〉=1/Je〈k−1〉+P〈k〉・τw
〈k〉・(aw〈k〉−τw〈k〉/Je〈k−1〉) に基づき更新演算し、イナーシャ推定値Je〈k〉を出
力するので、白色雑音に対してイナーシャ推定誤差に基
づく二乗和形式の評価関数を最小化するように、高精度
にイナーシャを推定することができる。
【0114】さらに、過渡加速度信号が0に近づいた場
合は推定ゲインP〈k〉の更新演算を行わずにイナーシ
ャ推定値の更新演算のみを行うので、駆動機械が速度一
定で長時間駆動される場合や低加減速で駆動される場合
にも、イナーシャ推定値がノイズ的になることなく、ま
たイナーシャ推定を全く行わないこともなく、高精度に
イナーシャを推定することができる。
【0115】また、過渡トルク信号が0に近づいた場合
は推定ゲインP〈k〉の更新演算を行わずにイナーシャ
推定値の更新演算のみを行うので、駆動機械が速度一定
で長時間駆動される場合や低加減速で駆動される場合に
も、イナーシャ推定値がノイズ的になることなく、また
イナーシャ推定を全く行わないこともなく、高精度にイ
ナーシャを推定することができる。
【0116】また、推定ゲインP〈k〉の値のとりうる
範囲に予め制限を設けるので、駆動機械が速度一定で長
時間駆動される場合や低加減速で駆動される場合にも、
イナーシャ推定値が大きくなりすぎてノイズ的になるこ
となく、またイナーシャ推定を全く行わないこともな
く、高精度にイナーシャを推定することができる。又、
高加減速で短時間駆動した場合に急峻にイナーシャを推
定することができる。
【0117】また、入力されたトルク指令に応じたトル
クを発生することにより駆動機械を駆動する駆動部と、
駆動機械の速度あるいは位置を動作信号として検出する
動作検出器と、トルク指令を入力し過渡トルク信号を生
成する過渡トルク信号生成部と、動作信号を入力し過渡
加速度信号を生成する過渡加速度信号生成部と、過渡ト
ルク信号と過渡加速度信号を入力し、駆動機械の機械定
数を推定する機械定数推定部を備え、過渡加速度信号生
成部は駆動機械の加速度から前記過渡加速度信号までの
伝達特性が過渡トルク信号生成部における伝達特性と同
一になるように構成するので、駆動機械が始動した後、
ある程度時間が経過すればクーロン摩擦などの外乱トル
クの影響が除去されると同時に動作検出器のノイズによ
る影響を低減し、高精度にイナーシャを推定することが
できる。
【0118】さらに、過渡トルク信号生成部は、トルク
指令から過渡トルク信号までの伝達特性の次数を3次以
上、5次以下とするので、イナーシャ推定の性能を落と
さずに動作検出器のノイズの影響を低減する効果が特に
大きく、高精度にイナーシャを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の駆動機械の機械定数
推定装置の構成図である。
【図2】 図1に示した実施の形態1の信号の応答例を
示す図である。
【図3】 図1に示した実施の形態1の機械定数推定部
の構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態6の機械定数推定部の構
成図である。
【図5】 本発明の実施の形態7の駆動機械の機械定数
推定装置の構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態8の駆動機械の機械定数
推定装置の構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態9の駆動機械の機械定数
推定装置の構成図である。
【図8】 図7に示した実施の形態9の機械定数推定部
の構成図である。
【図9】 従来の技術の駆動機械の機械定数推定装置の
構成図である。
【符号の説明】
1 トルク指令発生部、 2 駆動部、 3
駆動機械、4 速度検出器、 5
過渡トルク信号生成部、6 過渡加速度信号生成部、
7 重み信号生成部、8 機械定数推定部、
8a 積算器、 8b 積算器、8c 最小二
乗演算部、 8d 除算器、8e イナーシャ推定値
更新部、 101 トルク指令発生部、101a
PI演算器、 106 過渡加速度信号生成部、2
03 駆動機械、 208 機械定数推定部、2
09 過渡速度信号生成部、 208a 積算器、
208b 積算器、 208c 積算器、208d
最小二乗演算部、 305 トルク変化信
号生成部、306 疑似加速度信号生成部、 30
7 加速度変化信号生成部、308 機械定数推定
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 啓 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 井川 康 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたトルク指令に応じた駆動トル
    クを発生することにより駆動機械を駆動する駆動部と、
    前記トルク指令から直流成分を除去して過渡トルク信号
    を生成する過渡トルク信号生成部と、前記駆動機械の加
    速度、速度又は位置である動作信号から直流成分を除去
    した過渡動作信号を生成する過渡動作信号生成部と、前
    記駆動機械が静止状態から動き始めた後に所定の演算に
    より変化する重み信号を生成する重み信号生成部と、前
    記過渡トルク信号と前記過渡動作信号と前記重み信号と
    に基づき前記駆動機械の機械定数推定値を演算する機械
    定数推定部とを備えることを特徴とする駆動機械の機械
    定数推定装置。
  2. 【請求項2】 重み信号生成部は、駆動機械が静止状態
    から動き始める始動時点から所定の時間が経過するまで
    の間は、前記所定の時間経過後に比べて小さいレベルの
    重み信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の
    駆動機械の機械定数推定装置。
  3. 【請求項3】 重み信号生成部は、駆動機械の速度の増
    加に対して増大するように重み信号を生成することを特
    徴とする請求項1に記載の駆動機械の機械定数推定装
    置。
  4. 【請求項4】 機械定数推定部は、過渡トルク信号と重
    み信号との積信号と、過渡動作信号と前記重み信号との
    積信号とに基づいて機械定数推定値を演算することを特
    徴とする請求項2又は3に記載の駆動機械の機械定数推
    定装置。
  5. 【請求項5】 機械定数推定部は、過渡トルク信号と重
    み信号との積信号と、過渡動作信号と前記重み信号との
    積信号とを入力とした最小二乗法に基づいて機械定数推
    定値を演算することを特徴とする請求項2又は3に記載
    の駆動機械の機械定数推定装置。
  6. 【請求項6】 機械定数推定部は、現時点の機械定数推
    定値を過去の機械定数推定値と重み信号とに基づき演算
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    駆動機械の機械定数推定装置。
  7. 【請求項7】 機械定数推定部は、少なくとも駆動機械
    のイナーシヤを演算することを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の駆動機械の機械定数推定装置。
  8. 【請求項8】 機械定数推定部は、少なくとも駆動機械
    の粘性定数を演算することを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の駆動機械の機械定数推定装置。
  9. 【請求項9】 機械定数推定部は、重み信号と過渡トル
    ク信号との積τwと、前記重み信号と駆動機械の加速度
    から直流成分を除去した過渡加速度信号との積awとか
    ら、時点kにおいて推定ゲインP〈k〉を P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(aw
    〈k〉)2 ) に基づいて更新演算し、イナーシャ推定値Je〈k〉を Je〈k〉=Je〈k−1〉+P〈k〉・aw〈k〉・
    (τw〈k〉−aw〈k〉・Je〈k−1〉) に基づき更新演算して出力することを特徴とする請求項
    7に記載の駆動機械の機械定数推定装置。
  10. 【請求項10】 機械定数推定部は、重み信号と過渡ト
    ルク信号との積τwと、前記重み信号と駆動機械の加速
    度から直流成分を除去した過渡加速度信号との積awと
    から、時点kにおいて推定ゲインP〈k〉を P〈k〉=P〈k−1〉/(λ+P〈k−1〉・(τw
    〈k〉)2 ) に基づいて更新演算し、また、イナーシャ推定値Je
    〈k〉を 1/Je〈k〉=1/Je〈k−1〉+P〈k〉・τw
    〈k〉・(aw〈k〉−τw〈k〉/Je〈k−1〉) に基づき更新演算することを特徴とする請求項7に記載
    の駆動機械の機械定数推定装置。
  11. 【請求項11】 過渡加速度信号があらかじめ定めた所
    定のレベルを下回った場合は、推定ゲインP〈k〉の更
    新演算を行わずに、イナーシャ推定値の更新演算のみを
    行うことを特徴とする請求項9または請求項10記載の
    駆動機械の機械定数推定装置。
  12. 【請求項12】 過渡トルク信号があらかじめ定めた所
    定のレベルを下回った場合は、推定ゲインP〈k〉の更
    新演算を行わずに、イナーシャ推定値の更新演算のみを
    行うことを特徴とする請求項9または請求項10記載の
    駆動機械の機械定数推定装置。
  13. 【請求項13】 推定ゲインP〈k〉の値のとりうる範
    囲に予め制限を設けることを特徴とする請求項9または
    請求項10に記載の駆動機械の機械定数推定装置。
  14. 【請求項14】 入力されたトルク指令に応じたトルク
    を発生することにより駆動機械を駆動する駆動部と、前
    記駆動機械の速度あるいは位置を動作信号として検出す
    る動作検出器と、前記トルク指令から直流成分を除去
    し、更にローパスフィルタを通した信号を過渡トルク信
    号として生成する過渡トルク信号生成部と、前記動作信
    号を入力し過渡加速度信号を生成する過渡加速度信号生
    成部と、前記過渡トルク信号と前記過渡加速度信号を入
    力し、前記駆動機械の機械定数を推定する機械定数推定
    部を備え、前記過渡加速度信号生成部は前記駆動機械の
    加速度から前記過渡加速度信号までの伝達特性と前記過
    渡トルク信号生成部の伝達特性とがほぼ同一になるよう
    に構成したことを特徴とする駆動機械の機械定数推定装
    置。
  15. 【請求項15】 過渡トルク信号生成部は、トルク指令
    から過渡トルク信号までの伝達特性の次数を3次以上5
    次以下とすることを特徴とする請求項14に記載の駆動
    機械の機械定数推定装置。
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