JP2000346121A - 空気圧式能動型制振器 - Google Patents

空気圧式能動型制振器

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JP2000346121A
JP2000346121A JP11153680A JP15368099A JP2000346121A JP 2000346121 A JP2000346121 A JP 2000346121A JP 11153680 A JP11153680 A JP 11153680A JP 15368099 A JP15368099 A JP 15368099A JP 2000346121 A JP2000346121 A JP 2000346121A
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JP
Japan
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negative pressure
air chamber
regulating valve
pressure
vibration damper
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JP11153680A
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English (en)
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Masaaki Hamada
真彰 濱田
Akio Saeki
明雄 佐伯
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作用空気室に負圧と大気圧を交互に及ぼすこ
とによって加振力を生ぜしめて、能動的な制振効果を発
揮するようにした空気圧式能動型制振器において、負圧
源における負圧が変化した場合でも、目的とする制振効
果が安定して発揮されるようにすること。 【解決手段】 負圧源18から作用空気室28に至る負
圧作用領域の何れかの箇所に、負圧の大きさが基準値を
超えた場合に大気を導入することによって作用空気室2
8に及ぼされる負圧の大きさを調節する圧力調整弁50
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、振動を抑制すべき制振対象に装
着されて制振対象における振動を能動的に低減する能動
型制振器に係り、特に、空気圧変動を利用してマス部材
を加振することによって生ぜしめられる加振力を制振対
象に及ぼすことによって能動的な制振効果を得るように
した空気圧式の能動型制振器に関するものである。
【0002】
【背景技術】自動車の車体等のように振動が問題となる
制振対象において、その振動を低減するための手段の一
つとして、従来から、動的吸振器(ダイナミックダン
パ)が、広く知られている。また、近年では、より高度
な制振効果を得るために、制振対象に加振力を及ぼすこ
とにより、制振対象の振動を干渉的に抑制乃至は制御す
るようにした能動型の制振装置が提案されており、その
一種として、特開平3−258219号公報や特開平6
−235438号公報等には、制振対象に取り付けられ
る取付部材に対し、ばね部材を介してマス部材を支持せ
しめて一振動系を構成すると共に、この振動系のマス部
材に加振力を及ぼす電磁駆動機構を設けて、振動系の振
動作用を利用することにより、制振対象に大きな加振力
を及ぼすようにした制振器が開示されている。
【0003】また、取付部材とマス部材の間に、内部の
圧力変化によってマス部材に加振力を及ぼす作用空気室
を設け、かかる作用空気室を、駆動用切換弁を介して、
負圧源と大気に交互に切換接続することにより、マス部
材に対して、駆動用切換弁の切換周期に対応した周波数
の加振力を生ぜしめるようにした空気圧式の能動型制振
器も、考えられている。このような空気圧式の加振機構
を採用すれば、電磁駆動機構等の重くて構造が複雑な部
材を制振器内部に組み込む必要がなく、部品点数が減少
され得て、制振器の小型,軽量化が可能となると共に、
消費電力の減少も図られ得るのである。
【0004】ところで、かくの如き空気圧式の加振機構
を用いた能動型制振器では、制振すべき振動に対して有
効な制振効果を得るために、制振対象における制振すべ
き振動の周波数等に対応することは勿論、制振すべき振
動の大きさにも対応した加振力を発生させて制振対象に
及ぼすことが必要となる。
【0005】そこで、例えば、制振対象における制振す
べき振動の周波数や大きさ等を、それぞれ、加速度セン
サ等で検出し、或いは予め設定されたマップデータ等に
基づいて推定することによって求め、目的とする周波数
等の加振力が得られるように駆動用切換弁等を制御する
と共に、目的とする大きさの加振力が得られるように、
作用空気室に及ぼされる負圧の大きさを制御することが
考えられる。ところが、自動車用の制振器の如く、内燃
機関における吸気系等を負圧源として利用する場合に
は、負圧源自体における負圧の大きさを制御することが
難しいために、制振すべき振動に対応した大きさの加振
力を得ることが困難であるという問題があり、制振すべ
き振動の大きさと加振力の大きさの対応が十分でない
と、有効な制振効果が得られないばかりか、制振対象に
おける振動が悪化してしまうおそれもあったのである。
【0006】特に、近年では、自動車における燃料消費
率の向上や燃焼排ガスの浄化等の要求を実現するため
に、自動車の内燃機関において、混合した燃料と空気を
燃焼室に供給して燃焼させる均質燃焼と、燃焼室で圧縮
された空気中に燃料を直噴する成層燃焼とを、切り換え
るようにしたものが提案されているが、かかる直噴内燃
機関では、負圧源としてのエンジンのインテーク側の負
圧が小さくなる(大気圧に近くなる)成層燃焼時の方
が、均質燃焼時よりも発生する振動が大きくなるため
に、例えば、均質燃焼時を基準として均質燃焼時に有効
な制振効果(発生加振力)が得られるようにチューニン
グすると、成層燃焼時に十分な制振効果(発生加振力)
を得ることが極めて困難となる一方、成層燃焼時を基準
として成層燃焼時に有効な制振効果(発生加振力)が得
られるようにチューニングすると、均質燃焼時の発生加
振力が大きくなり過ぎて、制振対象における振動が逆に
悪化してしまうおそれもあったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、作用空気室に接続された負圧源に圧力変化
が生じた場合でも、安定した制振効果を発揮することを
可能とする、新規で且つ簡単な構造の空気圧式能動型制
振器を提供することにある。
【0008】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載され、
或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る
発明思想に基づいて認識されるものであることが理解さ
れるべきである。
【0009】本発明の第一の態様は、制振対象に取り付
けられる取付部材に対して、マス部材をゴム弾性体によ
って弾性支持せしめると共に、内部の圧力変化によって
該マス部材に加振力を及ぼす作用空気室を設ける一方、
該作用空気室に接続された空気給排管路に切換弁を設け
て該作用空気室を該空気給排管路を通じて負圧源と大気
に交互に連通せしめることによって該作用空気室に圧力
変化を及ぼすようにした空気圧式能動型制振器におい
て、前記負圧源から前記空気給排管路を通じて前記作用
空気室に至る負圧作用領域の何れかの箇所に、負圧の大
きさが予め設定された基準値を越えた場合に該負圧作用
領域に大気を導入せしめることによって前記作用空気室
に及ぼされる負圧の大きさを調節する圧力調整弁を、少
なくとも一つ設けたことを特徴とする。
【0010】このような第一の態様に従う構造とされた
能動型制振器においては、負圧源から作用空気室に及ぼ
される負圧の大きさが基準値を超えると、負圧作用領域
に大気が導入されることにより、該負圧作用領域の圧力
が大気圧側に近づけられて負圧が小さくされる。その結
果、負圧作用領域における負圧の最大値が、予め設定さ
れた基準値に抑えられることとなり、それによって、作
用空気室に対する著しく大きい負圧力の作用を防止する
ことができると共に、負圧源の変動幅等を考慮して基準
値を適当に設定することにより、作用空気室に及ぼされ
る負圧の大きさを、基準値付近に維持することができ
る。
【0011】従って、負圧源に大きな圧力変化が生じた
場合でも、作用空気室における変動幅(作用空気室に及
ぼされる大気圧と負圧との圧力差)、ひいては発生加振
力の大きな変化が防止され得るのであり、以て、目的と
する制振効果を安定して得ることができるのである。し
かも、圧力調整弁を採用したことによって、負圧源の圧
力変化に伴う特別な制御を必要とすることなく、作用空
気室に及ぼされる負圧力の安定化が有効に図られ得ると
いった利点がある。
【0012】なお、圧力調整弁に設定される基準値は、
要求される制振特性乃至は発生加振力の他、負圧源の変
動特性等を考慮して、適宜に決定されるものであって、
限定されるものでない。例えば、圧力調整弁に設定され
る基準値を、負圧源における負圧変動幅の最小値(最も
大気圧に近い値)に設定することも可能であり、それに
よって、作用空気室に及ぼされる負圧力が基準値に略一
定に保たれ得ることとなり、作用空気室における圧力変
動幅、ひいては発生加振力を、より高精度に安定化させ
ることが可能となる。また、圧力調整弁においては、明
確な基準値を、例えば数値等として設定可能である必要
はなく、負圧作用領域に及ぼされる負圧の大きさが略一
定の負圧レベルに達した場合に大気を導入せしめ得る程
度に、作動の際の基準となる負圧レベルを設定,維持し
得るものであれば良い。
【0013】また、本発明の第一の態様で採用される切
換弁の具体的構造は、何等限定されるものでなく、制振
すべき振動周波数に対応した周波数で、作用空気室を負
圧源と大気に交互に切り換え得るものであれば良く、従
来から公知のスプール弁やポペット弁,回転弁等が採用
可能であり、特に制御性等が優れている電磁弁が好適に
用いられる。
【0014】更にまた、本発明の第一の態様で採用され
る圧力調整弁の具体的構造は、特に限定されるものでな
く、例えば、圧縮コイルばねで付勢した弁体に及ぼされ
る空気圧(負圧と大気圧の圧力差)と該圧縮コイルばね
の付勢力との釣り合いを利用して弁体を開閉せしめる直
動形の圧力調整弁や、更に該圧縮コイルばねの圧縮量を
調節して設定圧力を変更する調節ねじを設けたもの、或
いは、パイロット機構を組み込んで二次圧力を利用する
ことによって高精度な圧力調整を可能としたパイロット
形の圧力調整弁等が、何れも採用可能である。更にま
た、そのような圧力調整弁は、負圧作用領域の何れの箇
所に設けることも可能であり、その配設数も一つに限定
されるものでなく、負圧作用領域の同一箇所に或いは異
なる箇所に複数設けること可能である。
【0015】そこにおいて、本発明の第二の態様は、前
記第一の態様に従う構造とされた空気圧式能動型制振器
において、前記圧力調整弁を、前記負圧作用領域のうち
前記切換弁から前記作用空気室に至る何れかの箇所に配
設したことを、特徴とする。このような本態様に従う構
造とされた制振器においては、圧力調整弁による負圧作
用領域での大気の導入部位と負圧源との間に切換弁が配
設されていることから、負圧作用領域に導入された大気
による影響が、負圧源側に及ぼされにくくなる。それ
故、圧力調整弁の作動によって、負圧作用領域に導かれ
る大気の負圧源側への影響が有利に軽減乃至は防止され
得るのであり、負圧源それ自体の負圧低下が回避され得
る。従って、負圧源から負圧力を得ている他の装置や機
器等がある場合でも、圧力調整弁を設けたことに起因す
る、それらへの影響が可及的に防止され得るのである。
【0016】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた空気圧式能動型制振器
において、前記圧力調整弁を通じて前記負圧作用領域に
大気を導入せしめるための大気導入用通路を、前記切換
弁を通じて前記作用空気室を大気に連通せしめるための
大気連通路に接続せしめて、該大気連通路を通じて圧力
調整弁に大気を導くようにしたことを、特徴とする。即
ち、負圧源から及ぼされる負圧が基準値を超えた際に
は、圧力調整弁を通じて大気が勢い良く吸引されること
により、大気の吸引口となる大気導入用通路では空気に
よる異音が発生し易い。そこにおいて、本態様に従う構
造とされた制振器においては、大気導入用通路を大気連
通路に接続せしめて、該大気連通路を通じて大気を吸引
せしめることにより、大気連通路を利用した簡単な構造
によって消音効果を得ることができるのである。
【0017】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動
型制振器において、前記圧力調整弁を通じて前記負圧作
用領域に大気を導入せしめるための大気導入用通路に消
音器を配設したことを、特徴とする。このような本態様
に従う構造とされた制振器においては、負圧源から及ぼ
される負圧が基準値を超えた際の大気の吸引音が、消音
器によって軽減され得ることから、異音の問題が効果的
に解消され得るのである。
【0018】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動
型制振器において、前記圧力調整弁を、前記切換弁に一
体的に組み込んだことを、特徴とする。このような本態
様に従えば、切換弁と圧力調整弁が一体構造とされるこ
とから、空気給排管路上への配設が構造的,作業的およ
びスペース的に有利となる。
【0019】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動
型制振器において、前記制振対象に取り付けられる取付
部材と前記マス部材が、前記ゴム弾性体で連結されるこ
とによって構成されて、別体形成された前記空気圧管路
が接続される制振器に対して一体的に組み込んだこと
を、特徴とする。このような本態様に従えば、圧力調整
弁が制振器と一体構造とされることから、空気給排管路
上への配設が構造的、作業的およびスペース的に有利に
なるのであり、切換弁の構造の複雑化や大型化等を伴う
ことなく、制振器の配設用スペースを利用して圧力調整
弁を設けることが可能であることから、切換弁を備えた
空気圧式能動型制振器のシステムに対して、圧力調整弁
を容易に付加せしめて本発明を有利に実現することがで
きるといった利点もある。
【0020】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の態様に従う構造とされた空気圧式能動型制振器
において、前記負圧源として、成層燃焼状態と均質燃焼
状態を選択的に採用する内燃機関における吸気系によっ
て得られる負圧を利用したことを、特徴とする。このよ
うな本態様に従う構造とされた制振器においては、負圧
源としての内燃機関のインテーク側の負圧が大きくなる
均質燃焼時に作用空気室に及ぼされる負圧の大きさを圧
力調整弁で制限することができるのであり、それ故、負
圧源としての内燃機関のインテーク側の負圧が小さくな
る成層燃焼時に作用空気室に及ぼされる負圧によって、
かかる成層燃焼時に生ぜしめられる振動に対して有効な
制振効果が発揮される程度に発生加振力をチューニング
した場合でも、均質燃焼時に過大な加振力が生ぜしめら
れて振動が逆に悪化する等といった不具合が有利に防止
され得るのであり、均質燃焼状態と成層燃焼状態の何れ
においても有効な制振効果を得ることが可能となるので
ある。
【0021】また、本発明の第八の態様は、前記第一乃
至第七の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動
型制振器において、前記圧力調整弁の作動を、必要に応
じて停止せしめる調圧作動制限手段を設けたことを、特
徴とする。本態様に従えば、圧力調整弁の作動を停止さ
せた状態下では、負圧源によって及ぼされる負圧力を、
圧力調整弁による制限を受けることなく、利用すること
ができるのであり、それ故、必要に応じて、作用空気室
に大きな負圧力を及ぼして大きな加振力を生ぜしめるこ
とが可能となるのである。具体的には、例えば、前述の
如き直噴形の内燃機関に適用し、均質燃焼状態で調圧作
動制限手段を作動せしめて圧力調整弁の作動を停止させ
ることも有効であり、それにより、圧力調整弁の基準値
を、均質燃焼状態で及ぼされる負圧よりも小さな値に設
定することによって、負圧源における負圧が大きくなっ
た均質燃焼時よりも、負圧源における負圧が小さくなっ
た成層燃焼時の方が、作用空気室に大きな負圧が及ぼさ
れるようにすることが出来る。従って、負圧源の負圧が
大きい均質燃焼時における小さな振動と、負圧源の負圧
が小さい成層燃焼時における大きな振動とに対して、そ
れぞれ、一層有効な制振効果を得ることが可能となるの
である。
【0022】また、本発明の第九の態様は、前記第一乃
至第八の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動
型制振器において、前記制振対象に取り付けられる取付
部材と前記マス部材の間に、前記ゴム弾性体で壁部の一
部が構成されて非圧縮性流体が封入された流体室を形成
すると共に、該流体室の壁部の別の一部を加振部材で構
成し、該加振部材を挟んで該流体室と反対側に前記作用
空気室を設けることにより、該作用空気室の圧力変化に
よって、該流体室の圧力変化を介して、前記マス部材に
加振力を及ぼすようにしたことを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、作用空気室における圧力変化
が、流体室の圧力変化を介して、マス部材に加振力とし
て及ぼされる際、流体室に生ぜしめられる流体の共振作
用などの流動作用を利用して、より優れた能動的制振効
果を得ることも可能である。
【0023】また、本発明の第十の態様は、前記第一乃
至第九の何れかの態様に従う構造とされた空気圧式能動
型制振器において、壁部の一部が可撓性膜で構成されて
内部に非圧縮性流体が封入された容積可変の平衡室を形
成すると共に、該平衡室を前記流体室に連通する流体流
路を形成したことを、特徴とする。このような本態様に
おいては、静的荷重による流体室の圧力変化が、流体室
と平衡室の間での流体移動に基づいて軽減乃至は解消さ
れ得ることから、目的とする制振効果を安定して得るこ
とが可能となる。また、流体流路を適当にチューニング
することにより、該流体流路を流動せしめられる流体の
共振作用等の流動作用に基づいて、受動的な制振効果を
得ることも可能となる。
【0024】 〔発明の詳細な説明〕以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0025】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての能動型制振器と、その駆動系が概略的に示され
ている。この制振器10は、取付部材としての取付金具
12に対して、マス部材としてのマス金具14が、ゴム
弾性体16によって弾性的に連結支持されており、負圧
源18から及ぼされる負圧と、大気中から及ぼされる大
気圧とによって、マス金具14を取付金具12に対して
空気圧加振することが出来るようになっている。そし
て、マス金具14とゴム弾性体16からなる振動系を空
気圧加振することによって、取付金具12が取り付けら
れた図示しない制振対象部材に対して、能動的な制振効
果を発揮し得るようになっているのであり、特に、マス
金具14とゴム弾性体16からなる振動系の共振作用を
利用することによって、より有効な制振効果を得ること
が可能とされている。
【0026】より詳細には、取付金具12は、軸方向下
方に向かって開口する逆カップ形状を有しており、金属
等の硬質材で形成されている。また、この取付金具12
の底壁部17の中央には、上方に向かって突出する取付
ボルト20が固設されており、この取付ボルト20によ
って、取付金具12が、自動車のボデーの如き、図示し
ない制振すべき部材に対して固定的に取り付けられるよ
うになっている。
【0027】一方、マス金具14は、鉄系金属等の高比
重材で形成されて、中実のブロック形状を有しており、
取付金具12の軸方向下方に離間して対向配置されてい
る。
【0028】かかるマス金具14の軸方向一方の側に
は、リング形状の連結金具22が、同一中心軸上で離間
して対向配置されており、これらマス金具14と連結金
具22が、環状のゴム弾性体16によって弾性的に連結
されている。なお、ゴム弾性体16は、軸方向下方に向
かって次第に小径化するテーパ筒形状を有しており、そ
の小径側端面が、マス金具14の軸方向上端面の中央部
分に突設された円錐台形状の連結部24の外周面に加硫
接着されている。また、マス金具14の連結部24の外
周面に対向位置せしめられた連結金具22の内周側下角
部はアール状に面取りされており、このアール面26に
対して、ゴム弾性体16の大径側端面が加硫接着されて
いる。要するに、マス金具14の連結部24の外周面
と、連結金具22のアール面26とが、互いに離間して
対向配置されていると共に、それら連結部24の外周面
とアール面26の対向面間にゴム弾性体16が介装され
て一体加硫接着されている。
【0029】そして、連結金具22が、取付金具12に
対して、ボルト等にて固定されることにより、マス金具
14が、取付金具12に対して、ゴム弾性体16によっ
て弾性支持されている。特に、本実施形態では、ゴム弾
性体16がマス金具14と同一の中心軸上に配設されて
おり、マス金具14の重心が、ゴム弾性体16の弾性主
軸上に位置せしめられている。これにより、ゴム弾性体
16の弾性変形に基づいて、取付金具12に対して、マ
ス金具14が中心軸方向で安定して変位せしめられるよ
うになっている。また、本実施形態では、それらゴム弾
性体16およびマス金具14の中心軸が、制振すべき振
動の入力方向でもある略鉛直方向に延びる状態で、装着
されることが望ましく、それによって、マス金具14の
変位の更なる安定化が図られ得る。
【0030】また、取付金具12に対してマス金具14
が取り付けられることにより、取付金具12とマス金具
14の対向面間には、周壁部がゴム弾性体16で構成さ
れて、外部空間に対して密閉された作用空気室28が形
成されている。さらに、取付金具12には、軸方向中央
部分を半径方向に延びるエア通孔30が設けられて、該
エア通孔30の一端部が作用空気室28に開口、連通さ
れている一方、該エア通孔の他端部が取付金具12の外
周面に突設されたポート32において開口せしめられて
いる。そして、このポート32に対して、空気給排管路
34が接続されており、該空気給排管路34を通じて作
用空気室28に空気圧変化が及ぼされてマス金具14が
加振されるようになっている。
【0031】すなわち、かかる空気給排管路34は、制
振器10のポート32に対して、負圧源18の出力ポー
ト36と大気を接続する管体であって、作用せしめられ
る負圧に耐え得るだけの剛性を有する材質、例えば金属
やゴム、合成樹脂等によって形成されている。また、こ
の空気給排管路34の中間部分には、電磁切換弁38が
配設されている。該電磁切換弁38は、三つのポートを
備えた三方切換弁であって、例えば、スプール式又はポ
ペット式の本体部とソレノイド部を備え、毎分数十回の
高速でポート切換制御を行うことのできるもの等が、好
適に採用される。そして、かかる電磁切換弁38では、
第一のポート40が制振器10に、第二のポート42が
負圧源18に、第三のポート44が大気に、それぞれ空
気給排管路34を通じて連通せしめられている。なお、
本実施形態では、電磁切換弁38の第三のポート44に
接続されて、該第三のポート44を大気に開口せしめる
管路部分が加振用大気連通路としての大気連通管路46
とされている。また、負圧源18としては、内燃機関の
吸気系に生ぜしめられる負圧を利用し、適当な蓄圧器
(アキュムレータ)等を必要に応じて用いて構成された
ものが有利に採用される。
【0032】これにより、電磁切換弁38を適当な周期
で切換作動せしめて、制振器10の作用空気室28を、
負圧源18と大気とに交互に連通せしめるようになって
いるのであり、作用空気室38に負圧と大気圧が交互に
及ぼされて、電磁切換弁38の切換周期に対応した周期
での圧力変動が生ぜしめられることにより、それに応じ
てマス金具14に加振力が及ぼされるようになっている
のである。また、このことから明らかなように、本実施
形態では、負圧源18の負圧が及ぼされる負圧作用領域
が、空気給排管路34と作用空気室28を含んで構成さ
れている。
【0033】さらに、空気給排管路34には、電磁切換
弁38と制振器10をつなぐ経路上に位置して、T字形
の分岐管路48が設けられており、この分岐管路48
が、圧力調整弁としての調圧弁50を通じて、大気に接
続されるようになっている。かかる調圧弁50は、空気
給排管路34内の負圧が、大気圧に対して、基準値以上
の大きさとなった場合に、分岐管路48を大気に連通さ
せて大気を分岐管路48から空気給排管路34に導き入
れることにより、空気給排管路34、ひいては作用空気
室28に及ぼされる負圧の大きさを制限し得るものであ
って、例えば、本実施形態では、概略構造が図示されて
いるように、分岐管路48内を大気に接続する円形断面
のバルブ孔52の内側開口部に球状の弁体54が配設さ
れており、この弁体54をコイルスプリング56の付勢
力でバルブ孔52の開口部に押し付けてバルブ孔52を
閉塞せしめた構造のものが採用されている。かかる調圧
弁50においては、負圧源18から空気給排管路34に
及ぼされる負圧が一定の基準値を超えて大きくなると、
負圧と大気圧との差圧力が弁体54に作用し、該弁体5
4がコイルスプリング56の付勢力に抗してバルブ孔5
2の座面から離間変位せしめられることによって、バル
ブ孔52が開口し、以てバルブ孔52を通じて大気が分
岐管路48に導かれて、空気給排管路34を通じて作用
空気室28に及ぼされる負圧が基準値以下に抑えられる
ようになっている。
【0034】なお、このような調圧弁50における圧力
調節に際しては、コイルスプリング56によって弁体5
4に及ぼされる付勢力や、バルブ孔52の口径および長
さ等を調節することによって、上記基準値を変更,設定
することができる。
【0035】さらに、かかる調圧弁50のバルブ孔52
における大気側の開口部には、消音器58が装着されて
おり、調圧弁50の作動時に、該消音器58を通じて、
バルブ孔52からエア吸引が行われるようになってい
る。これにより、バルブ孔52からの急激なエア吸引に
際しても、空気共鳴等に起因する異音の発生が軽減乃至
は防止されるようになっているのである。なお、消音器
58としては、例えば、グラスウール等を利用したもの
の他、共鳴形や干渉形,空洞形等、従来から公知の各種
の構造のものが採用可能である。
【0036】上述の如き構造とされた制振器において
は、その装着状態下、電磁切換弁38の切換駆動用の電
磁アクチュエータ60が、リード線を通じて入力され
る、制振すべき振動に対応した制御信号によって作動せ
しめられるようになっている。なお、制振すべき振動に
対応した制御信号としては、制振すべき振動の周波数や
位相等に対応したものであって、例えば、内燃機関の点
火信号や、制振すべき振動のセンサ等による検出信号等
が、好適に採用され得、それによって、制振すべき振動
に対応した周波数の空気圧変動が制振器10の作用空気
室28に生ぜしめられ、それに対応した加振力がマス金
具14に及ぼされ、以て、制振すべき振動に対応した加
振力をボデーに及ぼすこととなる。
【0037】また、本実施形態の制振器が装着されるパ
ワーユニットの内燃機関(図示せず)は、車両状態に応
じて成層燃焼と均質燃焼を選択的に採用する直噴内燃機
関とされている。そして、内燃機関が均質燃焼状態にあ
る場合には、負圧源18の負圧力が大きく(負圧側に絶
対値が大きく)なる一方、成層燃焼状態にある場合に
は、負圧源18の負圧力が小さく(負圧側に絶対値が小
さく)なって、負圧源18から空気給排管路34を通じ
て作用空気室28に及ぼされる負圧が変化せしめられる
こととなる。
【0038】そこにおいて、上述の如き制振器において
は、調圧弁50における基準値が、成層燃焼時に負圧源
18から作用空気室28に及ぼされる負圧と略同一か、
僅かに大きく、或いは僅かに小さく設定されている。こ
れにより、成層燃焼時においては、負圧源18の負圧が
作用空気室28に対して有効に及ぼされ得、この負圧と
大気圧が、電磁切換弁38の切換作動に応じて、作用空
気室28に交互に及ぼされることにより、作用空気室2
8に対して、負圧と大気圧との間での空気圧変動が生ぜ
しめられ、以って、それら負圧と大気圧の圧力差に応じ
た加振力がマス金具14に及ぼされることとなる。
【0039】また一方、均質燃焼時においては、負圧源
18に大きな負圧が生ぜしめられることとなるが、空気
給排管路34上に配設された調圧弁50が作動すること
によって、作用空気室28に伝達される負圧が、設定さ
れた基準値以下に略抑えられるのであり、それ故、作用
空気室28に生ぜしめられる空気圧変動の大きさ(振
幅)、ひいてはマス金具14に及ぼされる加振力の大き
さの著しい増大が軽減乃至は防止されることとなる。
【0040】従って、このような制振器によれば、内燃
機関の燃焼状態にかかわらずに、有効な加振力を得るこ
とができるのであり、それ故、かかる加振力をボデーに
及ぼすことによって振動に対する相殺的な制振効果を安
定して得ることが出来るのである。
【0041】そして、発生振動が小さくなる傾向のある
均質燃焼状態下では、負圧源18の負圧が大きく(負圧
の絶対値が大きく)なるが、調圧弁50が作動して大気
が導入されることにより、作用空気室28に及ぼされる
負圧が低減され、発生加振力が小さくされて、必要以上
の加振力の発生が回避され得ることから、負圧源18の
負圧は小さいが発生振動が大きくなる傾向のある成層燃
焼状態において、有効な能動的制振効果が発揮されるよ
うにチューニングした場合でも、均質燃焼状態下での必
要以上の加振力の発生が軽減乃至は回避されることによ
り、均質燃焼状態下での能動的制振効果も有利に発揮さ
れるのである。
【0042】因みに、本実施形態に従う構造とされた制
振器において、均質燃焼状態と成層燃焼状態で実際に生
ぜしめられる発生加振力の大きさを測定したデータを、
図2中に、実施例1としてグラフで示す。なお、均質燃
焼状態では、−500mmHgの負圧が負圧源18によ
って及ぼされる一方、成層燃焼状態では、−200mm
Hgの負圧が負圧源18によって及ぼされる場合であっ
て、電磁切換弁38を切換制御することにより、作用空
気室28に対して負圧と大気圧を交互に40Hzの周波
数で及ぼして加振力を得た場合について測定した。ま
た、かかる測定に際しては、調圧弁50のバルブ孔52
の口径(バルブ穴径)を0.5〜3.5mmの範囲で種
々設定した場合について測定データを得た。なお、何れ
の場合も、調圧弁50におけるコイルスプリング56
は、略同一の付勢力を弁体54に及ぼし得るように設定
した。
【0043】かかる図2に示された実測データからも、
上述の如き構造とされた制振器においては、直噴内燃機
関の吸気系を負圧源18として利用した場合でも、均質
燃焼状態と成層燃焼状態の何れの状態下においても安定
した発生加振力、ひいては制振効果を得ることのできる
ことが認められる。また、発生加振力は、調圧弁50の
バルブ孔52の口径を調節することで容易にチューニン
グすることができることも認められる。
【0044】さらに、調圧弁50の作動をON/OFF
することで、必要に応じて停止させたり作動可能とさせ
る調圧作動制限手段を採用することも可能である。そし
て、例えば均質燃焼状態下では調圧弁50を可動状態と
する一方、成層燃焼状態下では調圧弁50を停止させる
ことによって、図2に示されているように、成層燃焼状
態下では、負圧源18に生ぜしめられる負圧(−200
mmHg)が作用空気室28に安定して及ぼされて加振
力が効率的に発揮されるようにすると共に、均質燃焼状
態下では、調圧弁50のバルブ孔52の口径を大きめに
設定して、作用空気室28に及ぼされる負圧を、成層燃
焼状態よりも実質的に小さくすることにより、発生加振
力を成層燃焼状態よりも小さく抑えることも可能とな
る。
【0045】すなわち、このような調圧作動制限手段を
採用すれば、発生負圧力は小さいが発生振動は大きい成
層燃焼状態下と、発生振動は小さいが発生負圧力は大き
い均質燃焼状態下において、より有効な能動的制振効果
を得ることが可能となるのである。なお、調圧作動制限
手段は、特に限定されるものでないが、例えば、分岐管
路48上に配設されて、空気給排管路34に対して調圧
弁50を連通/遮断する開閉弁等が有利に採用され得
る。
【0046】しかも、本実施形態では、分岐管路48と
調圧弁50が、空気給排管路34上において、電磁切換
弁38と作用空気室28の間に設けられており、電磁切
換弁38によって作用空気室28が大気に接続された状
態下では、調圧弁50が負圧源18から遮断されること
によって、負圧源18に対する調圧弁50の連続的な接
続が回避されることから、調圧弁50の減圧作用(負圧
軽減作用)によって、負圧源18自体の負圧の減少が有
利に回避され得るのであり、それ故、例えば、負圧源1
8の負圧を利用する他の負圧作動装置等への悪影響も可
及的に軽減乃至は防止され得るといった利点がある。
【0047】なお、前記実施形態では、分岐管路48と
調圧弁50が、空気給排管路34上において、電磁切換
弁38と作用空気室28の間に設けられていたが、それ
に変えて、或いはそれに加えて、負圧源18と電磁切換
弁38の間の空気給排管路52上に分岐管路48と調圧
弁50を設けることも可能である。このような構成を採
用すれば、電磁切換弁38の切換状態にかかわらず、負
圧源18によって空気給排管路34に及ぼされる負圧
が、調圧弁50によって、常時、略基準値以下に抑えら
れることから、作用空気室28に及ぼされる負圧がより
安定化する等といった利点がある。
【0048】なお、前記実施形態において、分岐管路4
8と調圧弁50を、電磁切換弁38と作用空気室28の
間に設ける代わりに、負圧源18と電磁切換弁38の間
に設けた場合について、均質燃焼状態と成層燃焼状態で
実際に生ぜしめられる発生加振力の大きさを測定したデ
ータを、図2中に、実施例2としてグラフで示す。な
お、その他の測定条件は、前記実施例1の場合と同じと
した。かかる図2に示された結果からも、負圧源18と
電磁切換弁38の間に分岐管路48と調圧弁50を設け
た場合でも、実施例1と同様な効果が発揮されることが
明らかである。
【0049】さらに、分岐管路48と調圧弁50は、負
圧源18の負圧が作用せしめられる負圧作用領域の何れ
かの部位に配設されていれば良く、必ずしも、前述の如
く空気給排管路34上に配設される必要もない。具体的
には、例えば、それら分岐管路48と調圧弁50を、図
3に示されているように電磁切換弁38に一体的に組み
込んで構成したり、或いは図4に示されているように制
振器10に一体的に組み込んで構成することも可能であ
る。図4に示される制振器の場合、調圧弁50は取付金
具12に内蔵された状態で、組み付けられている。な
お、調圧弁50のバルブ孔52は、取付金具12の上面
に開口しており、該開口部から取付金具12の外周面に
延びる凹溝62がボテー64で覆蓋されて、取付金具1
2とボデー64との重ね合わせ面間に形成されて大気に
連通せしめられたエア流路66が構成される。なお、図
3及び図4においては、その理解を容易とするために、
前記実施形態と同様な構造とされた部材および部位につ
いて、それぞれ、前記実施形態と同一の符号を付してお
く。
【0050】また、前記実施形態では、調圧弁50にお
ける大気導入口に消音器58が装着されていたが、かか
る消音器58は必ずしも必要でない。
【0051】更に、調圧弁50における大気導入口を、
電磁切換弁38に接続された大気連通管路46に接続
し、この大気連通管路46を通じて、調圧弁50からの
大気導入が為されるようにしてもよい。このような構成
を採用すれば、調圧弁50からの大気導入時における異
音の低減を、大気連通管路46を利用して実現すること
が可能となる。また、大気連通管路46に消音器を装着
すれば、一つの消音器によって、電磁切換弁38からの
大気導入時における異音と、調圧弁50からの大気導入
時における異音を、併せて消音することが可能となる。
【0052】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0053】例えば、前記実施形態では、いずれも、作
用空気室の空気圧変動がマス金具に対して加振力として
直接に及ぼされるようになっていたが、その他、例え
ば、取付金具とマス金具の間に、それら取付金具とマス
金具を弾性連結するゴム弾性体によって壁部の一部が構
成されて水等の非圧縮性流体が封入された流体室を形成
すると共に、この流体室の壁部の別の一部を変位可能な
振動板で構成して、該振動板を挟んで流体室と反対側に
作用空気室を形成することにより、作用空気室に空気圧
変動を生ぜしめて振動板を加振変位することにより、流
体室に生ぜしめられる内圧変化を介して、マス金具に加
振力を及ぼす流体封入式の制振器構造を採用することも
可能である。そして、このような流体封入式の制振器に
おいては、封入流体の共振作用等の流動作用を利用し
て、マス金具に及ぼされる加振力を一層効率的に得るこ
と等も可能となる。
【0054】加えて、本発明は、例示の如き、自動車の
ボデーやその他の各種部材に用いられる制振器以外に
も、各種装置に用いられる制振器に対して、いずれも、
同様に適用され得るものであることは、勿論である。
【0055】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、いずれも、本発明の範囲内に含まれるものであるこ
とは、言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた空気圧式能動型制振器においては、
採用する負圧源の発生圧力が変化した場合でも、特別な
制御装置を用いることなく、圧力調整弁の作動に基づい
て、作用空気室に及ぼされる負圧の大幅な変化を回避せ
しめることができるのであり、それ故、発生加振力を安
定化させて、有効な制振効果を安定して得ることが可能
となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用制振器を
示す概略図である。
【図2】図1に示された自動車用制振器の特性の実測デ
ータを、他の実施例と共に示すグラフである。
【図3】本発明の別の実施形態としての自動車用制振器
の要部としての電磁切換弁を示す概略図である。
【図4】本発明の更に別の実施形態としての自動車用制
振器の制振器を示す概略図である。
【符号の説明】 10 制振器 12 取付金具 14 マス金具 16 ゴム弾性体 28 作用空気室 34 空気給排管路 38 電磁切換弁 46 大気連通管路 48 分岐管路 50 調圧弁

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振対象に取り付けられる取付部材に対
    して、マス部材をゴム弾性体によって弾性支持せしめる
    と共に、内部の圧力変化によって該マス部材に加振力を
    及ぼす作用空気室を設ける一方、該作用空気室に接続さ
    れた空気給排管路に切換弁を設けて該作用空気室を該空
    気給排管路を通じて負圧源と大気に交互に連通せしめる
    ことによって該作用空気室に圧力変化を及ぼすようにし
    た空気圧式能動型制振器において、 前記負圧源から前記空気給排管路を通じて前記作用空気
    室に至る負圧作用領域の何れかの箇所に、負圧の大きさ
    が予め設定された基準値を越えた場合に該負圧作用領域
    に大気を導入せしめることによって前記作用空気室に及
    ぼされる負圧の大きさを調節する圧力調整弁を、少なく
    とも一つ設けたことを特徴とする空気圧式能動型制振
    器。
  2. 【請求項2】 前記圧力調整弁を、前記負圧作用領域の
    うち前記切換弁から前記作用空気室に至る何れかの箇所
    に配設した請求項1に記載の空気圧式能動型制振器。
  3. 【請求項3】 前記圧力調整弁を通じて前記負圧作用領
    域に大気を導入せしめるための大気導入用通路を、前記
    切換弁を通じて前記作用空気室を大気に連通せしめるた
    めの大気連通路に接続せしめて、該大気連通路を通じて
    圧力調整弁に大気を導くようにした請求項1又は2に記
    載の空気圧式制振器。
  4. 【請求項4】 前記圧力調整弁を通じて前記負圧作用領
    域に大気を導入せしめるための大気導入用通路に消音器
    を配設した請求項1乃至3の何れかに記載の空気圧式能
    動型制振器。
  5. 【請求項5】 前記圧力調整弁を、前記切換弁に一体的
    に組み込んだ請求項1乃至4の何れかに記載の空気圧式
    能動型制振器。
  6. 【請求項6】 前記圧力調整弁を、前記制振対象に取り
    付けられる取付部材と前記マス部材が、前記ゴム弾性体
    で連結されることによって構成されて、別体形成された
    前記空気圧管路が接続される制振器に対して一体的に組
    み込んだ請求項1乃至5の何れかに記載の空気圧式能動
    型制振器。
  7. 【請求項7】 前記負圧源として、成層燃焼状態と均質
    燃焼状態を選択的に採用する内燃機関における吸気系に
    よって得られる負圧を利用した請求項1乃至6の何れか
    に記載の空気圧式能動型制振器。
  8. 【請求項8】 前記圧力調整弁の作動を、必要に応じて
    停止せしめる調圧作動制限手段を設けた請求項1乃至7
    の何れかに記載の空気圧式能動型制振器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7413174B2 (en) 2005-03-29 2008-08-19 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled type vibration-damping device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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