JP2000345655A - コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体 - Google Patents

コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体

Info

Publication number
JP2000345655A
JP2000345655A JP11156024A JP15602499A JP2000345655A JP 2000345655 A JP2000345655 A JP 2000345655A JP 11156024 A JP11156024 A JP 11156024A JP 15602499 A JP15602499 A JP 15602499A JP 2000345655 A JP2000345655 A JP 2000345655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
wire
reinforcements
concrete
loop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11156024A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadayoshi Ishibashi
忠良 石橋
Yoshinori Matsuda
芳範 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
East Japan Railway Co
Original Assignee
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by East Japan Railway Co filed Critical East Japan Railway Co
Priority to JP11156024A priority Critical patent/JP2000345655A/ja
Publication of JP2000345655A publication Critical patent/JP2000345655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 市街地や鉄道線路の近傍など、コンクリート
工事をおこなう作業空間が狭く、上方空間の利用にも制
限がある場合でも、容易に、かつ、低コストで、コンク
リート工事をおこなうことのできるコンクリート補強用
構造体材料を提供する。 【解決手段】 複数のワイヤ状主補強材2と、複数のワ
イヤ状主補強材の周囲を取り囲んだ複数のアラミド繊維
製ループ状補強材3を備え、ループ状補強材が、耐蝕性
および耐薬品性を有し、0.1ないし400,000N
/平方ミリメートルの範囲の引張強度を有しており、ル
ープ状補強材の各々が、複数のワイヤ状主補強材の少な
くとも1本と結合され、隣り合うループ状補強材の複数
のワイヤ状主補強材の少なくとも1本と結合部の間隔が
ほぼ一定となるように構成されたコンクリート補強用構
造体材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート補強
用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構
造体に関するものであり、さらに詳細には、工場で組み
立てた後、効率よく、工事現場に運ぶことができ、工事
現場においても、効率的にコンクリート工事をおこなう
ことのできるコンクリート補強用構造体材料およびそれ
を用いたコンクリート補強用構造体、とくに、市街地や
鉄道線路の近傍など、コンクリート工事をおこなう作業
空間が狭く、上方空間の利用にも制限がある場合でも、
容易に、かつ、低コストで、コンクリート工事をおこな
うことのできるコンクリート補強用構造体材料およびそ
れを用いたコンクリート補強用構造体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】市街地で,構造物の基礎等に用いられる
杭などのコンクリート構造体を構築する場合、騒音防止
などの観点から、既存のRC杭、PC杭などを用いるこ
とができない場合や、構造体として大きな断面を必要と
する場合などに、現地にて構造体を構築しなければなら
ない。この場合、これまでは、鉄筋かごと呼ばれる補強
構造体が用いられてきた。図8は、従来の鉄筋かごの略
斜視図であり、図9は、その略横断面図である。図8お
よび図9に示されるように、鉄筋かご30は、長手方向
に伸びる複数の主鉄筋31と、一定の間隔で、主鉄筋3
1のそれぞれに取りつけられた帯鉄筋32によって構成
されている。かかる鉄筋かご30においては、主鉄筋3
1の間隔保持のため、また、地震時におけるコンクリー
ト構造物の強度保持のために、帯鉄筋32が必要不可欠
なものされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような鉄筋かごを
用いて、コンクリート工事をおこなう場合には、長さ数
10メートル、径1メートルにも及ぶ鉄筋かごは、大き
な空間を占有するため、工場で組み立て、工事現場に運
ぶ場合には、一度に限られた数の鉄筋かごしか運ぶこと
ができず、きわめて非効率であるという問題があった。
また、このような鉄筋かごをコンクリート補強用構造体
として用いて、コンクリート工事をおこなうためには、
長さ数10メートルに及ぶ鉄筋かごを吊り上げるための
クレーンが必要となり、狭い作業空間内で工事をするこ
とはきわめて困難であるし、さらには、上方に十分な空
間が確保できない場合には、鉄筋かごを用いて工事をす
ることができないという問題があった。
【0004】かかる問題を回避するために、長さの短い
鉄筋かごを工場で生産し、工事現場で、継ぎ手によっ
て、繋ぎ合わせながら、コンクリート工事をするという
ことも考えられるが、その場合には、工事現場で、繋ぎ
合わせるという作業が必要となり、非効率であるし、継
ぎ手を設けるために、コストアップの原因になる上、一
度に限られた数の鉄筋かごしか運ぶことができないとい
う問題を解決することはできなかった。
【0005】したがって、本発明は、工場で組み立てた
後、効率よく、工事現場に運ぶことができ、工事現場に
おいても、効率的にコンクリート工事をおこなうことの
できるコンクリート補強用構造体材料およびそれを用い
たコンクリート補強用構造体を提供することを目的とす
るものである。
【0006】本発明の別の目的は、市街地や鉄道線路の
近傍など、コンクリート工事をおこなう作業空間が狭
く、上方空間の利用にも制限がある場合でも、容易に、
かつ、低コストで、コンクリート工事をおこなうことの
できるコンクリート補強用構造体材料およびそれを用い
たコンクリート補強用構造体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
複数のワイヤ状主補強材と、前記複数のワイヤ状主補強
材の周囲を取り囲んだ複数の新素材製ループ状補強材を
備え、前記新素材製ループ状補強材の各々が、前記複数
のワイヤ状主補強材の少なくとも1本と結合され、隣り
合う前記新素材製ループ状補強材の前記複数のワイヤ状
主補強材の少なくとも1本と結合部の間隔がほぼ一定と
なるように構成されたコンクリート補強用構造体材料に
よって達成される。
【0008】本発明において、新素材製ループ状補強材
とは、可撓性を有する合成繊維製の新素材からなり、耐
蝕性および耐薬品性を有し、引張り強度が0.1ないし
400,000N/平方ミリメートルの範囲の補強材を
いい、本発明において、新素材としては、たとえば、カ
ーボン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ガラス繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアセ
タール繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリエステル
(ポリアリレート)繊維、ナイロン繊維、繊維強化プラ
スチックなどが好ましく使用することができる。好まし
くは、新素材製ループ状補強材の引張強度は、10ない
し300,000N/平方ミリメートルであり、さらに
好ましくは、100ないし5,000N/平方ミリメー
トルである。新素材製ループ状補強材の引張強度は、新
素材の種類および断面積を選択することによって、容易
に、所望の範囲に設定することができる。ここに、耐蝕
性および耐薬品性を有するとは、可撓性を有する合成繊
維の表面に耐蝕材料および耐薬品材料をコーティングし
た場合を包含する。新素材製ループ状補強材の形状とし
ては、繊維状、ストランド状、綱状、帯状など、長尺状
であれば、格別、限定されない。
【0009】本発明において、長尺ワイヤ状主補強材と
は、従来の鉄筋かごにおける主鉄筋に相当するもので、
従来の鉄筋の他、形鋼、プレストレスト・コンクリート
(PC)用鋼材、ワイヤーロープ、鉄線やピアノ線など
の鋼材、さらには、上に定義した新素材をも包含してい
る。これらの中では、PC用鋼材、ワイヤーロープ、鉄
線やピアノ線などの可撓性を有する鋼材が、長尺ワイヤ
状主補強材として、好ましく使用し得る。
【0010】本発明によれば、コンクリート補強用構造
体材料は、複数のワイヤ状主補強材と、複数のワイヤ状
主補強材の周囲を取り囲んだ複数の新素材製ループ状補
強材を備え、各新素材製ループ状補強材が、複数のワイ
ヤ状主補強材の少なくとも1本と結合され、隣り合う新
素材製ループ状補強材の複数のワイヤ状主補強材の少な
くとも1本と結合部の間隔がほぼ一定となるように構成
されており、新素材製ループ状補強材は可撓性を有して
いるから、工場において、コンクリート補強用構造体材
料を組み立てた後、複数のワイヤ状主補強材を束ねるこ
とによって、数多くのコンクリート補強用構造体材料
を、同時に、工事現場に運ぶことができ、効率的であ
り、さらに、各新素材製ループ状補強材が、複数のワイ
ヤ状主補強材の少なくとも1本と結合され、隣り合う新
素材製ループ状補強材の複数のワイヤ状主補強材の少な
くとも1本と結合部の間隔がほぼ一定となるように構成
されているから、工事現場においては、単に、各新素材
製ループ状補強材を、結合されていないワイヤ状主補強
材と結合するだけで、コンクリート補強用構造体を形成
することができ、工事現場での作業も大幅に効率化する
ことが可能になる。
【0011】本発明の好ましい実施態様においては、前
記長尺ワイヤ状主補強材が可撓性材料によって形成され
ている。本発明の好ましい実施態様によれば、長尺ワイ
ヤ状主補強材が可撓性材料によって形成されているか
ら、コンクリート補強用構造体材料を、ドラムなどに巻
き付けて、工事現場に運ぶことができ、より一層効率的
であり、さらに、工事現場においても、クレーンなどを
用いて、コンクリート補強用構造体材料を吊り上げて、
コンクリート補強用構造体を形成する必要がないから、
上方に利用可能な空間のない工事現場においても、コン
クリート工事を効率的におこなうことが可能になる。
【0012】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記新素材製ループ状補強材が、カーボン繊維、ア
ラミド繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、ポリエチレン
繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアセタール繊維、ポリ
エステル繊維、芳香族ポリエステル(ポリアリレート)
繊維、ナイロン繊維および繊維強化プラスチックよりな
る群から選ばれた材料によって構成されている。
【0013】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記新素材製ループ状補強材の各々が、前記複数の
ワイヤ状主補強材に結合されている。本発明のさらに好
ましい実施態様によれば、新素材製ループ状補強材の各
々が、複数のワイヤ状主補強材に結合されているから、
工事現場での作業量を大幅に減少させ、工事現場におけ
る作業効率を大幅に改善することが可能となる。
【0014】本発明の前記目的はまた、複数のワイヤ状
主補強材と、複数の新素材製ループ状補強材を備え、前
記新素材製ループ状補強材が、可撓性を有する合成繊維
製の新素材からなり、耐蝕性および耐薬品性を有し、
0.1ないし400,000N/平方ミリメートルの範
囲の引張強度を有しており、隣り合う前記新素材製ルー
プ状補強材が、前記複数のワイヤ状主補強材の周囲にほ
ぼ一定の間隔で取り付けられ、かつ、所定断面形状に保
持されたコンクリート補強用構造体によって達成され
る。
【0015】本発明によれば、新素材製ループ状補強材
は可撓性を有しているから、工場において、コンクリー
ト補強用構造体材料を組み立てた後、複数のワイヤ状主
補強材を束ねることによって、数多くのコンクリート補
強用構造体材料を、同時に、工事現場に運んで、コンク
リート補強用構造体を組み立てることができ、効率的で
あり、工事現場においては、単に、各新素材製ループ状
補強材を複数のワイヤ状主補強材と結合するだけで、所
定の断面形状を有するコンクリート補強用構造体を形成
することができ、工事現場での作業も大幅に効率化する
ことが可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、コ
ンクリート補強用構造体は、さらに、前記複数のワイヤ
状主補強材に結合され、前記複数の新素材製ループ状補
強材を所定断面形状に保持する複数の間隔保持材を備え
ている。本発明の好ましい実施態様によれば、複数のワ
イヤ状主補強材に結合され、複数の新素材製ループ状補
強材を所定断面形状に保持する複数の間隔保持材を備え
ているから、所望の形状のコンクリート補強用構造体
を、確実に、形成することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。図
1は、本発明の好ましい実施態様にかかるコンクリート
補強用構造体材料の略斜視図である。
【0018】図1に示されるように、コンクリート補強
用構造体材料1は、主補強材である複数のワイヤ状PC
用鋼材2と、複数のワイヤ状PC用鋼材2の周囲に、複
数のアラミド繊維製のループ状補強材3を備えている。
各アラミド繊維製のループ状補強材3は耐蝕性および耐
薬品性を有しており、0.1ないし400,000N/
平方ミリメートルの範囲の引張強度を有するように、そ
の断面積が選択されている。
【0019】各アラミド繊維製のループ状補強材3は、
隣り合うアラミド繊維製のループ状補強材3の間隔が一
定間隔Dとなるように、複数のワイヤ状PC用鋼材2の
一つと、クリップや接着剤などの結合材4で結合されて
いる。各アラミド繊維製のループ状補強材3を複数のワ
イヤ状PC用鋼材2の一つと結合する結合材4として
は、コンクリート補強用構造体材料1を、コンクリート
補強用構造体として用い、その周囲に、流し込まれたコ
ンクリートが固化するまで、各アラミド繊維製のループ
状補強材3を複数のワイヤ状PC用鋼材2の各々と結合
することができるものであれば、いかなる材料を用いて
もよい。また、ワイヤ状PC用鋼材2の径および本数
は、コンクリートの補強に具体的に要求される強度によ
って、任意に決定することができる。
【0020】本実施態様によれば、複数のアラミド繊維
製のループ状補強材3は可撓性を有しているため、ワイ
ヤ状PC用鋼材2を束ねれば、コンクリート補強用構造
体材料1の径は、複数のワイヤ状PC用鋼材2の径の合
計程度となり、嵩張らず、したがって、数多くのコンク
リート補強用構造体材料1を、工場で組み立てた後、ト
ラックなどで、同時に、工事現場に運ぶことができ、作
業性を大幅に向上させることが可能となる。
【0021】さらに、本実施態様においては、主鉄筋に
対応する主補強材として、可撓性を有するワイヤ状PC
用鋼材2を用いているため、ワイヤ状PC用鋼材2を束
ねた上、ドラムに巻き付けることができ、したがって、
コンクリート補強用構造体材料1が20ないし40メー
トルの長さを有する場合でも、工場で組み立てた数多く
のコンクリート補強用構造体材料1をドラムに巻き付け
ることによって、トラックなどで、同時に、工事現場に
運ぶことができ、作業性をより一層向上させることが可
能となる。
【0022】図2は、図1に示されたコンクリート補強
用構造体材料1を用いて、コンクリート補強用構造体を
生成する方法を示す略斜視図である。図2に示されるよ
うに、ドラム5に巻き付けられた状態で、トラック6に
よって工事現場に運ばれたコンクリート補強用構造体材
料1は、ドラム5から、引き出され、所定の治具(図示
せず)によって、ループ状補強材3が円環形状になるよ
うに、複数のワイヤ状PC用鋼材2の間隔が広げられ
る。
【0023】次いで、ループ状補強材3が円環形状を保
持するように、接着剤によって、円環形状の剛性を有す
る間隔保持材7が、たとえば、2ないし3メートルの一
定の間隔で、各ワイヤ状PC用鋼材2に接合されるとと
もに、ループ状補強材3が、接着剤により、隣り合うル
ープ状補強材3の間隔が間隔Dに等しくなるように、各
ワイヤ状PC用鋼材2に接合されつつ、基礎穴8の中に
送られ、コンクリート補強用構造体9が基礎穴8の中に
形成される。この際、コンクリート補強用構造体材料1
においては、各アラミド繊維製のループ状補強材3が、
隣り合うアラミド繊維製のループ状補強材3の間隔が一
定間隔Dとなるように、複数のワイヤ状PC用鋼材2の
一つと、クリップや接着剤などの結合材4により結合さ
れているため、ループ状補強材3を、容易に、隣り合う
ループ状補強材3の間隔が間隔Dに等しくなるように、
各ワイヤ状PC用鋼材2に接合しつつ、基礎穴8の中に
送って、コンクリート補強用構造体9を基礎穴8の中に
形成することができる。
【0024】図3は、こうして、基礎穴8の中に形成さ
れたコンクリート補強用構造体9の略斜視図であり、図
4は、その略横断面図である。図3および図4に示され
るように、ループ状補強材3の隣り合うワイヤ状PC用
鋼材2の間には接着剤10が塗布され、その結果、ルー
プ状補強材3が円環形状を保持し、コンクリート補強用
構造体9は断面円状をなし、長さ方向に、一定の間隔D
を隔てて、アラミド繊維製のループ状補強材3が結合さ
れており、従来の鉄筋かごと同様な形状を備えている。
【0025】本実施態様によれば、ドラム5に巻きつけ
られたコンクリート補強用構造体材料1を、ドラム5か
ら引き出し、所定の治具(図示せず)によって、可撓性
を有するループ状補強材3が円環形状になるように、複
数のワイヤ状PC用鋼材2の間隔を広げ、ループ状補強
材3が円環形状を保持するように、接着剤によって、円
環形状の剛性を有する間隔保持材6を、一定の間隔で、
各ワイヤ状PC用鋼材2に接合するとともに、ループ状
補強材3を、接着剤により、隣り合うループ状補強材3
の間隔が間隔Dに等しくなるように、各ワイヤ状PC用
鋼材2に接合しつつ、基礎穴8の中に送るだけで、コン
クリート補強用構造体9を基礎穴8の中に形成すること
が可能になるから、工事現場での作業効率を損なうこと
なく、コンクリート補強用構造体9を基礎穴8の中に形
成することができる。さらに、本実施態様によれば、ク
レーンを用いることなく、コンクリート補強用構造体9
を基礎穴8の中に形成することができるから、利用でき
る上方空間が限られている場合にも、基礎コンクリート
補強用構造体9を基礎穴8の中に形成することが可能に
なる。
【0026】図5は、基礎穴8の中に、コンクリート補
強用構造体9を形成する他の方法を示す略斜視図であ
る。図5においては、基礎工事をする現場に隣接して、
レール11が設けられており、従来の鉄筋かごを、コン
クリート補強用構造体として用いるのであれば、工事現
場に隣接した部分に、クレーンを配置することができな
いため、コンクリート補強用構造体を基礎穴8内に設け
る工事をすることは不可能である。しかしながら、本実
施態様にかかるコンクリート補強用構造体材料1を用い
る場合には、図5に示されるように、レール11の下方
の盛土を貫通する穴12を設け、ドラム5に巻きつけら
れたコンクリート補強用構造体材料1を、ドラム5から
引き出し、穴12を通じて、工事現場に隣接した部分に
導き、図2に示されたのと同様な方法により、基礎穴8
の中に、コンクリート補強用構造体9を形成することが
可能になる。
【0027】図6は、基礎穴8の中に、コンクリート補
強用構造体9を形成する他の方法を示す略平面図であ
る。図6においては、基礎穴8の周囲に、構造物15、
16、17、18が存在しており、基礎穴8は狭い通路
20を介して、比較的広いスペース21に通じているに
すぎないから、従来の鉄筋かごを、コンクリート補強用
構造体として用いるのであれば、工事現場に隣接した部
分に、クレーンを配置することができないため、コンク
リート補強用構造体を基礎穴8内に設ける工事をするこ
とは不可能である。しかしながら、本実施態様にかかる
コンクリート補強用構造体材料1を用いる場合には、図
6に示されるように、工事現場から離れた場所に、ドラ
ム5を置き、ドラム5に巻きつけられたコンクリート補
強用構造体材料1を、ドラム5から引き出し、狭い通路
20を通じて、工事現場に隣接した部分に導き、図2に
示されたのと同様な方法により、基礎穴8の中に、コン
クリート補強用構造体9を形成することが可能になる。
【0028】図7は、他の実施態様にかかるコンクリー
ト補強用構造体9の形成方法を示す略斜視図である。本
実施態様においては、コンクリート補強用構造体材料1
の主補強材として、耐蝕性および耐薬品性を備え、0.
1ないし400,000N/平方ミリメートルの引張強
度を有する新素材製主補強材25が用いられている。図
7に示されるように、可撓性を有する新素材製主補強材
25の鉛直性を保持するため、新素材製主補強材25の
先端部には、錘26が取りつけられている。
【0029】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることがいうまでもない。たとえば、前
記実施態様においては、コンクリート補強用構造体9
は、断面が円環形状をなすように、基礎穴8内に形成さ
れているが、矩形形状に構成することもでき、矩形形状
のコンクリート補強用構造体9を連続的に設け、連続地
中壁を形成するのに用いることもできる。
【0030】さらに、前記実施態様においては、コンク
リート補強用構造体材料1の各アラミド繊維製のループ
状補強材3は、隣り合うアラミド繊維製のループ状補強
材3の間隔が一定間隔Dとなるように、複数のワイヤ状
PC用鋼材2の一つと、クリップや接着剤などの結合材
4で結合されているが、各アラミド繊維製のループ状補
強材3が、複数のワイヤ状PC用鋼材2の二以上と結合
されていてもよく、複数のワイヤ状PC用鋼材2のすべ
てと結合されていてもよい。各アラミド繊維製のループ
状補強材3を、あらかじめ、複数のワイヤ状PC用鋼材
2のすべてと結合しておけば、工事現場での作業量を減
少させ、作業効率を向上させることが可能になる。
【0031】また、前記実施態様においては、アラミド
繊維製のループ状補強材3を用いているが、これに代え
て、他の新素材、具体的には、カーボン繊維、ビニロン
繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリアセタール繊維、ポリエステル繊維、芳香族
ポリエステル(ポリアリレート)繊維、ナイロン繊維、
繊維強化プラスチックなどから作られたループ状補強材
3を用いることもできる。
【0032】さらに、図1ないし図4に示された実施態
様においては、主補強材として、複数のワイヤ状PC用
鋼材2が用いられ、図7に示された実施態様において
は、主補強材として、新素材製主補強材25が用いられ
ているが、これらに代えて、形鋼、ワイヤーロープ、鉄
線、ピアノ線などを用いてもよく、さらには、従来の鉄
筋を用いることもできる。
【0033】また、前記実施態様においては、間隔保持
材5を用いて、ループ状補強材3が円環形状を保持する
ようにしているが、前記実施態様のように、ループ状補
強材3を、接着剤によって、隣り合うループ状補強材3
の間隔が間隔Dに等しくなるように、各ワイヤ状PC用
鋼材2に接合して、ループ状補強材3自体に、ループ状
補強材3を円環形状などの所定断面形状に保持する機能
を持たせる場合など、コンクリート補強用構造体9がル
ープ状補強材3を円環形状などの所定断面形状に保持す
る機能を有しているときには、間隔保持材5を使用する
ことは必ずしも必要がない。
【0034】さらに、図7に示された実施態様において
は、コンクリート補強用構造体材料1の主補強材とし
て、新素材製主補強材25を用い、新素材製主補強材2
5の先端部に錘26を取りつけて、新素材製主補強材2
5の鉛直性を保持しているが、たとえば、新素材製主補
強材25の先端部を、基礎穴8内で、コンクリートによ
って固定するなどして、新素材製主補強材25の鉛直性
を保持することができれば、新素材製主補強材25の先
端部に錘26を取りつけることは必ずしも必要ではな
い。
【0035】また、前記実施態様においては、コンクリ
ート補強用構造体9が、基礎杭用のコンクリート補強用
構造体として用いられる場合につき、説明を加えたが、
本発明にかかるコンクリート補強用構造体材料1および
コンクリート補強用構造体9は、基礎杭用コンクリート
の補強に限らず、コンクリート柱の補強など、広く利用
することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、工場で組み立てた後、
効率よく、工事現場に運ぶことができ、工事現場におい
ても、効率的にコンクリート工事をおこなうことのでき
るコンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコ
ンクリート補強用構造体、とくに、市街地や鉄道線路の
近傍など、コンクリート工事をおこなう作業空間が狭
く、上方空間の利用にも制限がある場合でも、容易に、
かつ、低コストで、コンクリート工事をおこなうことの
できるコンクリート補強用構造体材料およびそれを用い
たコンクリート補強用構造体を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるコ
ンクリート補強用構造体材料の略斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されたコンクリート補強用構
造体材料を用いて、コンクリート補強用構造体を生成す
る方法を示す略斜視図である。
【図3】図3は、コンクリート補強用構造体の略斜視図
である。
【図4】図4は、コンクリート補強用構造体の略横断面
図である。
【図5】図5は、基礎穴の中に、コンクリート補強用構
造体を形成する他の方法を示す略斜視図である。
【図6】図6は、基礎穴の中に、コンクリート補強用構
造体を形成する他の方法を示す略平面図である。
【図7】図7は、他の実施態様にかかるコンクリート補
強用構造体9の形成方法を示す略斜視図である。
【図8】図8は、従来の鉄筋かごの略斜視図である。
【図9】図9は、従来の鉄筋かごの略横断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート補強用構造体材料 2 ワイヤ状PC用鋼材 3 アラミド繊維製のループ状補強材 4 結合材 5 ドラム 6 トラック 7 間隔保持材 8 基礎穴 9 コンクリート補強用構造体 10 接着剤 11 レール 12 穴 15、16、17、18 構造物 20 通路 21 スペース 25 新素材製主補強材 26 錘 30 鉄筋かご 31 主鉄筋 32 帯鉄筋

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のワイヤ状主補強材と、前記複数の
    ワイヤ状主補強材の周囲を取り囲んだ複数の新素材製ル
    ープ状補強材を備え、前記新素材製ループ状補強材が、
    可撓性を有する合成繊維製の新素材からなり、耐蝕性お
    よび耐薬品性を有し、0.1ないし400,000N/
    平方ミリメートルの範囲の引張強度を有しており、前記
    新素材製ループ状補強材の各々が、前記複数のワイヤ状
    主補強材の少なくとも1本と結合され、隣り合う前記新
    素材製ループ状補強材の前記複数のワイヤ状主補強材の
    少なくとも1本と結合部の間隔がほぼ一定となるように
    構成されたことを特徴とするコンクリート補強用構造体
    材料。
  2. 【請求項2】 前記長尺ワイヤ状主補強材が可撓性材料
    によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の
    コンクリート補強用構造体材料。
  3. 【請求項3】 前記新素材が、カーボン繊維、アラミド
    繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、
    ポリプロピレン繊維、ポリアセタール繊維、ポリエステ
    ル繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維および繊維
    強化プラスチックよりなる群から選ばれた材料によって
    構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    コンクリート補強用構造体材料。
  4. 【請求項4】 前記新素材製ループ状補強材の各々が、
    前記複数のワイヤ状主補強材に結合されたことを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコンクリ
    ート補強用構造体材料。
  5. 【請求項5】 複数のワイヤ状主補強材と、複数の新素
    材製ループ状補強材を備え、前記新素材製ループ状補強
    材が、可撓性を有する合成繊維製の新素材からなり、耐
    蝕性および耐薬品性を有し、0.1ないし400,00
    0N/平方ミリメートルの範囲の引張強度を有してお
    り、隣り合う前記新素材製ループ状補強材が、前記複数
    のワイヤ状主補強材の周囲にほぼ一定の間隔で取り付け
    られ、かつ、所定の断面形状に保持されたことを特徴と
    するコンクリート補強用構造体。
  6. 【請求項6】 前記長尺ワイヤ状主補強材が可撓性材料
    によって形成されたことを特徴とする請求項5に記載の
    コンクリート補強用構造体。
  7. 【請求項7】 前記新素材が、カーボン繊維、アラミド
    繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、
    ポリプロピレン繊維、ポリアセタール繊維、ポリエステ
    ル繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維および繊維
    強化プラスチックよりなる群から選ばれた材料によって
    構成されたことを特徴とする請求項5または6に記載の
    コンクリート補強用構造体。
  8. 【請求項8】 さらに、前記複数のワイヤ状主補強材に
    結合され、前記複数の新素材製ループ状補強材を所定の
    断面形状に保持する複数の間隔保持材を備えたことを特
    徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のコン
    クリート補強用構造体。
JP11156024A 1999-06-03 1999-06-03 コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体 Pending JP2000345655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11156024A JP2000345655A (ja) 1999-06-03 1999-06-03 コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11156024A JP2000345655A (ja) 1999-06-03 1999-06-03 コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000345655A true JP2000345655A (ja) 2000-12-12

Family

ID=15618656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11156024A Pending JP2000345655A (ja) 1999-06-03 1999-06-03 コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000345655A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102644280A (zh) * 2012-04-28 2012-08-22 从卫民 设有增强塑料箍筋的支护悬臂桩
CN102704465A (zh) * 2012-05-25 2012-10-03 中利建设集团有限公司 Frp纤维布缠绕桩及其制作方法
CN104785682A (zh) * 2015-04-14 2015-07-22 张锐 一种预应力电杆钢筋笼绑扎装置
CN104895054A (zh) * 2015-04-23 2015-09-09 侨健新能源科技(苏州)有限公司 纤维筋混凝土抗拔桩施工方法
CN112355202A (zh) * 2020-09-27 2021-02-12 上海宝冶集团有限公司 灌注桩钢筋笼主筋安装定位装置及其使用方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102644280A (zh) * 2012-04-28 2012-08-22 从卫民 设有增强塑料箍筋的支护悬臂桩
CN102704465A (zh) * 2012-05-25 2012-10-03 中利建设集团有限公司 Frp纤维布缠绕桩及其制作方法
CN104785682A (zh) * 2015-04-14 2015-07-22 张锐 一种预应力电杆钢筋笼绑扎装置
CN104895054A (zh) * 2015-04-23 2015-09-09 侨健新能源科技(苏州)有限公司 纤维筋混凝土抗拔桩施工方法
CN112355202A (zh) * 2020-09-27 2021-02-12 上海宝冶集团有限公司 灌注桩钢筋笼主筋安装定位装置及其使用方法
CN112355202B (zh) * 2020-09-27 2022-07-05 上海宝冶集团有限公司 灌注桩钢筋笼主筋安装定位装置及其使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5768847A (en) Concrete reinforcing devices, concrete reinforced structures, and method of and apparatus for producing such devices and structures
KR100408437B1 (ko) 콘크리트 부재의 보강 구조 및 보강 공법
US20100031607A1 (en) Splice System for Fiber-Reinforced Polymer Rebars
JPH09151613A (ja) 既存コンクリート柱状体の補強構造
JP2006328631A (ja) 建築床構造システム
JP2000345655A (ja) コンクリート補強用構造体材料およびそれを用いたコンクリート補強用構造体
US20100139175A1 (en) Method and Apparatus for Distributing a Load About an Air Beam
JP6491034B2 (ja) コンクリート床版
JP2014227754A (ja) 橋桁および橋桁の施工方法
KR101396440B1 (ko) 프리스트레스트 단부 보강 복합 보
JP2009002101A (ja) プレキャストコンクリート造柱梁の接合方法および接合構造
EP0746669A1 (en) High tensile strand, anchorages and methods of installation thereof
JP3350447B2 (ja) 補強・補修用繊維シート
JP2000054561A (ja) 強化繊維シートによるコンクリート構造物の補強方法
JP4056540B2 (ja) 橋桁の架設方法
JP3882349B2 (ja) コンクリート部材の補強構造および補強工法
KR20090072528A (ko) 인공구조물용 이종재복합보강근
JP2002115403A (ja) コンクリート部材の補強構造
JP3826353B2 (ja) 柱と梁の接合構造
JP2003013548A (ja) 鉄筋コンクリート構造の鉄筋接合部構造
JP4110621B2 (ja) 複合線条体
JPH11107529A (ja) 後打コンクリートの締結方法と後打コンクリート締結材
JP2003119792A (ja) ワイヤ方式法面工法
KR20200112194A (ko) 보강용 섬유가 첨가된 phc 말뚝
JP3882348B2 (ja) コンクリート部材のせん断補強構造およびせん断補強工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090407