JP2000344607A - 殺ダニ剤及び殺ダニスプレー - Google Patents

殺ダニ剤及び殺ダニスプレー

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JP2000344607A
JP2000344607A JP2000035264A JP2000035264A JP2000344607A JP 2000344607 A JP2000344607 A JP 2000344607A JP 2000035264 A JP2000035264 A JP 2000035264A JP 2000035264 A JP2000035264 A JP 2000035264A JP 2000344607 A JP2000344607 A JP 2000344607A
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acaricide
alcohol
oil
hydrophilic
hlb value
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English (en)
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Moroshi Teramoto
師士 寺本
Taro Suzuki
太郎 鈴木
Akiko Tougi
彰子 東儀
Satoshi Tamaki
聡史 玉木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダニ類及びその卵に対して顕著な殺ダニ効果
を有し、かつ、人体に対する安全性の高い殺ダニ剤、及
び、これを用いた殺ダニスプレーを提供する。 【解決手段】 親水親油バランス(HLB値)が8.5
〜11であるアルコールを殺ダニ成分として含有する殺
ダニ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺ダニ剤及び殺ダ
ニスプレーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アレルギー疾患の原因となる住居
内性ダニ類、特に、室内塵中に多いチリダニの一般家庭
内での繁殖が問題となってきている。従来より、このよ
うな屋内塵性ダニに対する殺ダニ剤としては、フェニト
ロチオン、フェンチオン、DDVP、ダイアジノン等の
有機リン系化合物、プロポクサー、NAC等のカーバメ
ート系化合物、レスメトリン等のピレスロイド系化合物
等を殺ダニ成分として使用したものが知られている。し
かしながら、これら商品化され一般に使用されている殺
ダニ剤は、人体に対する安全性や臭気等に問題点がある
ため使用量及び使用濃度等に注意を払う必要がある。ま
た、これら一般に使用されている殺ダニ剤は、従来、他
の害虫用に開発されたものであり、屋内塵性ダニに対す
る効果が低いという問題がある。特に、ダニの卵に対す
る効果は低く、例えば、大量の殺虫剤をまいてダニの成
虫体や幼虫体を駆除しても、卵には効果が低いため、卵
の孵化する1〜2週間後に再度駆除しなければならない
という問題点があった。
【0003】また、住居内性ダニ類の多くは、寝具類や
収納具類等の人体の接触する場所で繁殖することが多い
ため、人体に対する毒性の低い殺ダニ剤が求められてお
り、このような殺ダニ剤としては、特開昭63−104
905号公報に開示されている天然物由来の植物精油を
用いたものや、特許登録第2572994号に開示され
ている両性界面活性剤のジメチルアルキルベタインを用
いたもの等がある。しかしながら、これらの殺ダニ剤に
ついても、植物精油を殺ダニ成分とする殺ダニ剤では、
使用時に臭気を発生するという問題点があり、ジメチル
アルキルベタインを殺ダニ成分とする殺ダニ剤では、殺
ダニ効果が不充分であるという問題点があった。そし
て、これらの殺ダニ剤もダニの卵を殺す効果は、非常に
弱い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ダニ類及びその卵に対して顕著な殺ダニ効果を有
し、かつ、人体に対する安全性の高い殺ダニ剤、及び、
これを用いた殺ダニスプレーを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、親水親油バラ
ンス(HLB値)が8.5〜11であるアルコールを殺
ダニ成分として含有する殺ダニ剤である。以下に、本発
明を詳述する。
【0006】本発明の殺ダニ剤は殺ダニ成分として、親
水親油バランス(HLB値)が8.5〜11であるアル
コールを含有する。ここで、HLB(Hydrophi
le−Lipophile Balance)値は、親
水基と疎水基の割合を表し、一般にはアトラス法、川上
法、デービス法等により算出され、主に非イオン系界面
活性剤の可溶化力の指標として用いられる。HLB値が
高い方が親水基の割合が高い。HLB値は、非イオン系
界面活性剤では通常アトラス法により、アルコール類で
はデービス法により算出される。よって、本発明のアル
コールのHLB値はデービス法により、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルのHLB値はアトラス法により算
出して8.5〜11である。
【0007】上記親水親油バランス(HLB値)が8.
5〜11であるアルコールとしては、1価のアルコール
や、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アル
コールが挙げられる。これらのアルコールは、単独で用
いても、2種類以上を併用してもよい。これらのうち、
多価アルコールが好ましく、より好ましくはプロピレン
グリコールである。
【0008】上記親水親油バランス(HLB値)が8.
5〜11であるアルコールは、殺ダニ成分として用いた
際に、下記するダニ類を死滅させるに充分な殺ダニ効果
を有する。ここでいう殺ダニ効果とは、ダニ類の幼虫、
成虫だけでなく、ダニの卵を殺す十分な効果があると言
うことである。また、親水親油バランス(HLB値)が
8.5〜11であるアルコールには、化粧品原料や食品
添加物として認可されている化合物が多く、これらの化
合物は人体に対して非常に安全である。これらのアルコ
ールは、ダニと直接接触させる形態にして殺ダニ剤とし
てもよいし、蒸散させる形態にして殺ダニ剤としてもよ
い。
【0009】上記アルコールのなかでも、プロピレング
リコールが好適に用いられる。上記プロピレングリコー
ルは、常温でHLB値が9.4(デービス法)の無色透
明の液体であり、従来より、保湿剤等の用途で化粧品原
料として認可されており、また、溶剤等の用途で食品添
加物としても認可されている人体に対する安全性が極め
て高い物質である。実際、上記プロピレングリコールの
急性毒性(LD50)は、経口(ウサギ)で14300m
g/kg、経皮(ウサギ)で20800mg/kgであ
る。特に、プロピレングリコールの殺ダニ効果は、ダニ
類の幼虫、成虫だけでなく、従来の安全性の高い殺ダニ
剤では、ほとんど効果のなかったダニ卵に対しても殺卵
効果が見られる。
【0010】また、上記プロピレングリコールは、ほと
んど臭気がないため、使用時に臭気が発生することがな
い。更に、上記プロピレングリコールは、安価であるた
め、従来の殺ダニ剤と比較して安価でダニの除去をする
ことができる。
【0011】上記殺ダニ剤は、上記親水親油バランス
(HLB値)が8.5〜11であるアルコール及びプロ
ピレングリコール以外に、他の殺ダニ成分を含有してい
てもよい。上記他の殺ダニ成分としては特に限定され
ず、従来公知の殺ダニ成分を用いることができるが、人
体に対する安全性が高い点から、天然物由来の植物精油
からなる殺ダニ成分が好ましい。
【0012】上記植物精油からなる殺ダニ成分としては
特に限定されず、例えば、ハッカ油、カッシア油、アー
モンドビッター油、カラムス油、ペパーミント油、スペ
アミント油、シンナモン油、オールスパイス油、クロー
ブ油、タイム油、ローズマリー油、レモングラス油、レ
モン油、ユズ油、ライム油、アップルアロマ油、グレー
プフルーツ油、スィートオレンジ油、ネーブル油、スウ
ィティー油、バレンシアオレンジ油、マンダリン油、ベ
ルガモット油、ローレル油、スターアニス油、スウィー
トフェンネル油、マジョラム油、メース油、ボアドロー
ズ油、パルマローサ油、レモンベルベナ油、レモンバー
ム油、ラベンダー油、ローズ油、ユーカリ油、ティーツ
リー油、イランイラン油、ベチバー油、パチヨウリ油、
カナンガ油、カジェプット油、シトロネラ油、ナツメグ
油、ペッパー油、サンダルウッド油、バルク油、カージ
ン油、ジンジャー油、カンポー油、キュウベブ油、コー
ンミント油、アニス油、ラング油、メース油、フェンネ
ル油、タイムス油、ニーム油、月桂樹油、桂葉油、丁字
油等の精油;メントール、メントン、リモネン、シトラ
ール、シトロネラール、シトロネロール、ゲラニオー
ル、シンナムアルデヒド、オイゲノール、アネトール、
α−ピネン、β−ピネン、ベンジルアルコール、フェニ
ルエチルアルコール等の植物精油由来物質等の天然物の
抽出物に含まれる物質等が挙げられる。これらの植物精
油からなる殺ダニ成分は、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0013】上記殺ダニ剤は、従来公知の殺菌剤、防カ
ビ剤、害虫忌避剤、消臭剤、防腐剤、着色料、防虫剤、
共力剤、酸化防止剤、分解防止剤等の他の配合物を含有
していてもよい。
【0014】上記殺菌剤としては特に限定されず、例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化
アルキルトリメチルアンモニウム、レゾルシン、フェノ
ール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、
ヘキサクロロフェン等が挙げられる。これらの殺菌剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】上記防カビ剤としては特に限定されず、例
えば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ハイドロキシ
ジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの防カビ剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】上記害虫忌避剤としては特に限定されず、
例えば、2,3,4,5−ビス−(d−ブチレン)−テ
トラヒドロフラール、レモングラス等が挙げられる。こ
れらの害虫忌避剤は、単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0017】上記消臭剤としては特に限定されず、例え
ば、ラウリル酸メタクリレート、各種フラボノイド等が
挙げられる。これらの消臭剤は、単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0018】上記防腐剤としては特に限定されず、例え
ば、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エ
チル、安息香酸、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの防腐剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0019】上記着色料としては特に限定されず、例え
ば、赤色2号、青色1号、赤色202号、黄色201
号、緑色204号、紫色201号等の有機色素;アルミ
ニウム末、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、
チタン、ベンガラ、カラミン等の無機色素等が挙げられ
る。これらの着色料は、単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0020】これら他の配合物の含有量は特に限定され
ず、上記殺ダニ剤の使用場所や使用方法等を考慮して適
宜選択すればよい。
【0021】上記殺ダニ剤は、上記他の配合物を含有す
ることにより臭気を有するものとなる場合には、マスキ
ング剤等を従来公知の方法で配合することにより、臭気
のほとんどない殺ダニ剤とすることができる。上記マス
キング剤としては特に限定されず、例えば、麝香、スカ
トール、ベンジルアセテート等が挙げられる。これらの
マスキング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0022】上記殺ダニ剤は、増粘剤が添加され粘度が
調整されていてもよい。上記増粘剤としては特に限定さ
れず、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の
合成高分子化合物;カラギーナン、アルギン酸ナトリウ
ム、アガロース、ゼラチン、ペクチン、キタンサンガ
ム、マンナン、デンプン等の天然多糖類等が挙げられ
る。これらの増粘剤は、単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0023】上記殺ダニ剤の対象となるダニ類は、節足
動物−蛛形綱−ダニ目の生物で、主に7つの亜目に分か
れており、上記亜目とは、アシナガダニ等の背気門;カ
タダニ等の四気門;ヤマトマダニ、ツバメヒメダニ等の
後気門;イエダニ、スズメサシダニ等の中気門;クワガ
タツメダニ、ナミホコリダニ等の前気門;ケナガコナダ
ニ、コナヒョウヒダニ等の無気門;イエササラダニ、カ
ザリヒワダニ等の隠気門である。
【0024】上記殺ダニ剤は、いずれの種類でも対象と
なり得るが、室内塵中、特に絨毯、寝具、ソファ、ぬい
ぐるみ、畳等に多く、アレルギー疾患の原因となるチリ
ダニ科、ヒョウヒダニ類により好適に用いることができ
る。
【0025】上記殺ダニ剤は、従来、食品や人体に接触
する製品に配合されてきたものを、殺ダニ成分として使
用しているため、その使用場所や使用物品としては特に
限定されず、人体に直に接触する場所や物品に使用する
ことができる。このような場所や物品としては、例え
ば、押入、下駄箱等の収納具類、倉庫、床、廊下、畳、
絨毯、カーペット、マットレス、ソファー、クッショ
ン、ぬいぐるみ、車のシート、布団、枕、毛布、シー
ツ、カバー等の寝具類等が挙げられる。
【0026】このように、本発明の殺ダニ剤は、人体に
対する安全性が高く、使用時に臭気を発生せず、安価で
ダニ類に対して殺ダニ効果を有するものである。
【0027】更に、親水親油バランス(HLB値)が
8.5〜11であるポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルを殺ダニ成分として含有する殺ダニ剤も、本発明であ
る。HLB値はアトラス法により算出して8.5〜11
であり、好ましくは9〜11である。親水親油バランス
(HLB値)が8.5〜11であるポリオキシエチレン
アルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレン(5)
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ラウリル
エーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル等が
挙げられる。これらのポリオキシエチレンアルキルエー
テルは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよ
い。
【0028】上記親水親油バランス(HLB値)が8.
5〜11であるポリオキシエチレンアルキルエーテル
は、殺ダニ成分として用いた際に、上記のダニ類を死滅
させるに充分な殺ダニ効果を有する。ここでいう殺ダニ
効果も、ダニ類の幼虫、成虫だけでなく、ダニの卵を殺
す十分な効果があると言うことである。また、親水親油
バランス(HLB値)が8.5〜11であるポリオキシ
エチレンアルキルエーテルには、化粧品原料や食品添加
物として認可されている化合物が多く、これらの化合物
は人体に対して非常に安全である。
【0029】本発明の、親水親油バランス(HLB値)
が8.5〜11であるポリオキシエチレンアルキルエー
テルを殺ダニ成分として含有する殺ダニ剤は、親水親油
バランス(HLB値)が8.5〜11であるポリオキシ
エチレンアルキルエーテル以外に、他の殺ダニ成分や他
の配合物を含有していてもよい。他の殺ダニ成分や他の
配合物としては上述のとおりである。
【0030】また、本発明の殺ダニ剤の殺ダニ成分とし
て、親水親油バランス(HLB値)が8.5〜11であ
るポリオキシエチレンアルキルエーテルと上記親水親油
バランス(HLB値)が8.5〜11であるアルコール
を併用してもよい。
【0031】上記殺ダニ剤をダニ防除剤として使用する
場合には、殺ダニ成分である親水親油バランス(HLB
値)が8.5〜11であるアルコール及び/又は親水親
油バランス(HLB値)が8.5〜11であるポリオキ
シエチレンアルキルエーテルをそのまま使用してもよ
く、上記アルコール及び/又はポリオキシエチレンアル
キルエーテルに、植物精油からなる殺ダニ成分や他の配
合物を配合したものを使用してもよい。しかしながら、
ダニ防除剤として使用する場合には、通常、上記殺ダニ
剤を溶剤、乳化剤、分散剤、基剤、噴射ガス、徐放化剤
等の液体担体や固体担体に保持させることにより、水溶
液剤、油剤、乳剤、水和剤、噴霧剤、徐放剤(液状、粉
状、粒状)、燻煙剤、加熱蒸散剤等として使用すること
が好ましい。本明細書においては、上記水溶液剤を霧状
に噴霧可能なノズルを有する容器に収納させたものを殺
ダニスプレーという。
【0032】上記溶剤としては特に限定されず、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル
等のエーテル類;ノルマルパラフィン、ソルベントナフ
サ等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族
炭化水素;ジクロロエタン、水等が挙げられる。これら
の溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
【0033】上記乳化剤及び分散剤としては特に限定さ
れず、例えば、石けん類、ポリオキシエチレン脂肪酸ア
ルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、脂肪
酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコ
ールの硫酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩等の
界面活性剤等が挙げられる。これらの乳化剤及び分散剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】上記徐放化剤としては特に限定されず、ト
リシクロデカン、シクロドデカン、2,4,6−トリイ
ソプロピル−1,3,5−トリオキサン、トリメチレン
ノルボルネン、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟
脳等の昇華性担体等が挙げられる。これらの徐放化剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】これらのダニ防除剤のなかでは、使用時の
利便性に優れる点から殺ダニスプレーが好ましい。上記
殺ダニスプレーとしては、親水親油バランス(HLB
値)が8.5〜11であるアルコール及び/又は親水親
油バランス(HLB値)が8.5〜11であるポリオキ
シエチレンアルキルエーテル0.1〜70重量%と、親
水親油バランス(HLB値)が8.5〜11であるアル
コール以外のアルコール0〜99.9重量%と、水0〜
99.9重量%とからなる溶液が、上記殺ダニ剤として
用いられているものが好ましい。上記親水親油バランス
(HLB値)が8.5〜11であるアルコール及び/又
は親水親油バランス(HLB値)が8.5〜11である
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの量が、0.1重
量%未満では充分な殺ダニ効果を得ることができない場
合があり、70重量%を超えると、粘性が高くなり過ぎ
るため、使用時に噴霧された殺ダニ剤がべとつくことが
ある。
【0036】上記親水親油バランス(HLB値)が8.
5〜11であるアルコール以外のアルコール及び水は、
殺ダニ成分である親水親油バランス(HLB値)が8.
5〜11であるアルコール及び/又は親水親油バランス
(HLB値)が8.5〜11であるポリオキシエチレン
アルキルエーテルの濃度を調整し、上記殺ダニスプレー
の使い勝手をよくするための溶媒である。そのため、殺
ダニ剤の組成を考慮して、上記アルコールのみを溶媒と
して使用してもよいし、上記水のみを溶媒として使用し
てもよく、また、上記アルコールと水との混合物を溶媒
として使用してもよい。
【0037】上記親水親油バランス(HLB値)が8.
5〜11であるアルコール以外のアルコール及び/又は
水の配合量は、上記した範囲内が好ましく、このような
範囲内で、上記殺ダニスプレーの使い勝手がよくなるよ
うに考慮して適宜選択すればよい。
【0038】上記殺ダニスプレーもまた本発明の1つで
ある。上記殺ダニスプレーは、もちろん、上記した殺菌
剤、防カビ剤、害虫忌避剤、消臭剤、防腐剤、着色料、
防虫剤、共力剤、酸化防止剤、分解防止剤等の他の配合
物を含んでいてもよい。
【0039】本発明の殺ダニスプレーを製造する方法と
しては特に限定されず、例えば、上記溶液をプラスチッ
ク、金属、ガラス等からなる、霧状に噴霧可能なノズル
を有する容器に収納する方法等の従来公知の方法が挙げ
られる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、各実験は、それぞれ3回づつ行い、そ
の平均値を実験結果とした。
【0041】(実施例1) [試験方法]プロピレングリコール(食品添加物 和光
純薬工業社製)1.2重量部を、水と99.5体積%エ
タノールとを1:1(V/V)で混合した溶媒98.8
重量部で希釈した。その後、得られたプロピレングリコ
ール溶液をプロピレングリコール量が4g/m2 になる
ように直径7cmの濾紙に均一に含浸させた。
【0042】次に、この濾紙を2時間室温で風乾した
後、この濾紙を2つ折りにし、側方の2ヶ所をクリップ
でとめて袋状にした。更に、開口部よりヤケヒョウヒダ
ニ(Dermatophagoides pteron
yssinus)メス成虫約20個体を投入し、開口部
をクリップでとめた。その後、この濾紙を25℃、相対
湿度75%の条件下で18時間放置した。放置終了後、
濾紙を開いて実体顕微鏡により生ダニ数及び死ダニ数を
計測した。また、本実施例の操作がダニの生死に影響を
与えていないかどうかを確認するために、溶媒のみを含
浸させた濾紙で同様の操作を行い、対照区とした。
【0043】[効果の判定]実験終了後、試験区の生存
率の平均値と対照区の生存率の平均値とを算出し、これ
を用いて、下記の式(1)より補正死亡率を算出した。
結果を表1に示した。補正死亡率=〔(対照区の生存率
の平均値−試験区の生存率の平均値)/対照区の生存率
の平均〕×100・・・(1)
【0044】(実施例2)濾紙に含浸させるプロピレン
グリコールの量を2g/m2 に代えた以外は、実施例1
と同様に実験を行い補正死亡率を算出した。結果を表1
に示した。
【0045】(実施例3)濾紙に含浸させるプロピレン
グリコールの量を1g/m2 に代えた以外は、実施例1
と同様に実験を行い補正死亡率を算出した。結果を表1
に示した。
【0046】(比較例1)プロピレングリコールに代え
て、フェノトリン(ピレスロイド系薬剤 Riedel
−de Haen社製)を用いた以外は実施例1と同様
に実験を行い補正死亡率を算出した。結果を表1に示し
た。
【0047】(比較例2)濾紙に含浸させるフェノトリ
ンの量を2g/m2 に代えた以外は、比較例1と同様に
実験を行い補正死亡率を算出した。結果を表1に示し
た。
【0048】(比較例3)濾紙に含浸させるフェノトリ
ンの量を1g/m2 に代えた以外は、比較例1と同様に
実験を行い補正死亡率を算出した。結果を表1に示し
た。
【0049】(比較例4)プロピレングリコールに代え
て、ジメチルラウリルベタイン(花王社製)を用いた以
外は実施例1と同様に実験を行い補正死亡率を算出し
た。結果を表1に示した。
【0050】(比較例5)濾紙に含浸させるジメチルラ
ウリルベタインの量を2g/m2 に代えた以外は、比較
例4と同様に実験を行い補正死亡率を算出した。結果を
表1に示した。
【0051】(比較例6)濾紙に含浸させるジメチルラ
ウリルベタインの量を1g/m2 に代えた以外は、比較
例4と同様に実験を行い補正死亡率を算出した。結果を
表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】表1に示したように、プロピレングリコー
ルは、従来、殺ダニ剤として用いられているピレスロイ
ド系薬剤であるフェノトリンや殺ダニ剤として報告され
ているジメチルアルキルベタインに比べて、極めて高い
殺ダニ効果を有することが判った。
【0054】(実施例4)プロピレングリコールに代え
て、表2に記載のHLB値(デービス法により算出)が
8.5〜11のアルコールを用いた以外は実施例1と同
様に実験を行い補正死亡率を算出した。結果を表2に示
した。表中、平均分子量として、重量平均分子量(M
w)を示す。
【0055】(比較例7)プロピレングリコールに代え
て、表2に記載のHLB値(デービス法により算出)が
8.5〜11であるアルコール以外のアルコールを用い
た以外は実施例1と同様に実験を行い補正死亡率を算出
した。結果を表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】(実施例5)プロピレングリコールに代え
て、表3に記載のHLB値(アトラス法により算出)が
8.5〜11のポリオキシエチレンアルキルエーテルを
用いた以外は実施例1と同様に実験を行い補正死亡率を
算出した。結果を表3に示した。
【0058】(比較例8)プロピレングリコールに代え
て、表3に記載のHLB値(アトラス法により算出)が
8.5〜11であるポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル以外のポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた
以外は実施例1と同様に実験を行い補正死亡率を算出し
た。結果を表3に示した。
【0059】
【表3】
【0060】表2及び表3に記載の結果から明らかなよ
うに、HLB値が8.5〜11であるアルコール及びポ
リオキシエチレンアルキルエーテルは、優れた殺ダニ効
果を有することが判った。
【0061】(実施例6) [試験方法]プロピレングリコール(食品添加物 和光
純薬工業社製)1.2重量部を、水と99.5体積%エ
タノールとを1:1(V/V)で混合した溶媒98.8
重量部で希釈しものをスプレー容器に充填した。その
後、得られたプロピレングリコールスプレーを、ヤケヒ
ョウダニの培地から採取した卵20個を均等に設置した
直径7cmの濾紙上に、プロピレングリコール量が4g
/m2 になるように均一に噴霧した。その後、この濾紙
を25℃、相対湿度75%の条件下で7日間放置した。
放置終了後、濾紙上のダニの卵の孵化状態を実体顕微鏡
により観察した。また、本実施例の操作がダニの卵の孵
化に影響を与えていないかどうかを確認するために、溶
媒のみを含浸させた濾紙で同様の操作を行い、対照区と
した。
【0062】[効果の判定]実験終了後、孵化状態の観
察を行い卵が縦に割れ、鞘のみとなったものを正常に孵
化したものと見なし、孵化数と設置卵数の比を持って孵
化率とし、試験区と対照区の孵化率の平均値とを算出
し、これを用いて、下記の式(2)より補正殺卵率を算
出した。結果を表4に示した。補正殺卵率=〔(対照区
の孵化率の平均値−試験区の孵化率の平均値)/対照区
の孵化率の平均〕×100・・・(2)
【0063】(比較例1)プロピレングリコールに代え
て、フェノトリン(ピレスロイド系薬剤 Riedel
−de Haen社製)を用いた以外は実施例6と同様
に実験を行い補正殺卵率を算出した。結果を表4に示し
た。
【0064】(比較例2)プロピレングリコールに代え
て、ハッカ油(キシダ化学社製)を用いた以外は実施例
6と同様に実験を行い補正殺卵率を算出した。結果を表
4に示した。
【0065】(比較例1)プロピレングリコールに代え
て、ジメチルラウリルベタイン(花王社製)を用いた以
外は実施例6と同様に実験を行い補正殺卵率を算出し
た。結果を表4に示した。
【0066】
【表4】
【0067】表4に記載の結果から明らかなように、プ
ロピレングリコールは、優れた殺卵効果を有することが
判った。
【0068】
【発明の効果】本発明の殺ダニ剤は、上述の構成からな
るので、ダニ類及びその卵に対して顕著な殺ダニ効果を
有し、低臭気で、かつ、人体に対する安全性が高い。ま
た、本発明の殺ダニスプレーは、ダニ類及びその卵に対
して顕著な殺ダニ効果を有し、人体に対する安全性が高
く、使い勝手がよい。
フロントページの続き (72)発明者 玉木 聡史 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水親油バランス(HLB値)が8.5
    〜11であるアルコールを殺ダニ成分として含有するこ
    とを特徴とする殺ダニ剤。
  2. 【請求項2】 上記アルコールが、プロピレングリコー
    ルを殺ダニ成分として含有することを特徴とする請求項
    1記載の殺ダニ剤。
  3. 【請求項3】 親水親油バランス(HLB値)が8.5
    〜11であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを殺
    ダニ成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤。
  4. 【請求項4】 親水親油バランス(HLB値)が8.5
    〜11であるアルコール及び/又は親水親油バランス
    (HLB値)が8.5〜11であるポリオキシエチレン
    アルキルエーテルをダニの殺卵成分として含有すること
    を特徴とする殺ダニ剤。
  5. 【請求項5】 親水親油バランス(HLB値)が8.5
    〜11であるアルコール及び/又は親水親油バランス
    (HLB値)が8.5〜11であるポリオキシエチレン
    アルキルエーテル0.1〜70重量%と、親水親油バラ
    ンス(HLB値)が8.5〜11であるアルコール以外
    のアルコール0〜99.9重量%と、水0〜99.9重
    量%とからなる溶液が、殺ダニ剤として用いられている
    ことを特徴とする殺ダニスプレー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122702A (ja) * 1999-08-19 2001-05-08 Nissan Chem Ind Ltd 液状農薬組成物

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JP2001122702A (ja) * 1999-08-19 2001-05-08 Nissan Chem Ind Ltd 液状農薬組成物

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