JP2000344510A - 酸化チタン−酸化珪素複合膜の製造方法 - Google Patents

酸化チタン−酸化珪素複合膜の製造方法

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JP2000344510A
JP2000344510A JP11154929A JP15492999A JP2000344510A JP 2000344510 A JP2000344510 A JP 2000344510A JP 11154929 A JP11154929 A JP 11154929A JP 15492999 A JP15492999 A JP 15492999A JP 2000344510 A JP2000344510 A JP 2000344510A
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Koji Sato
幸治 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼鏡レンズ用等に適した、機械的強度に優
れ、低反射率及び高光触媒活性を有する酸化珪素−酸化
チタン複合膜の提供。 【解決手段】 フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素
錯イオンとを含有する水溶液に、フッ素捕捉剤を混合し
て前記錯イオンと反応させて、この水溶液に浸漬した基
板上に酸化チタン−酸化珪素複合膜を析出させる方法。
前記複合膜はチタンと珪素の平均組成比(モル比)T
i:Siが25:75〜1:99の範囲であり、かつ4
配位酸化チタンを含む。この方法により製造された酸化
チタン−酸化珪素複合膜及びこの複合膜をレンズ上に有
する眼鏡用レンズ。チタンと珪素の平均組成比(モル
比)Ti:Siが25:75〜1:99の範囲であり、
かつ4配位酸化チタンを含む酸化チタン−酸化珪素複合
膜からなる眼鏡レンズ用低反射防曇膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタン−酸化
珪素複合膜、特に、高い光触媒活性を有する4配位酸化
チタンを含む酸化チタン−酸化珪素複合膜の製造方法に
関する。本発明の製造方法により得られる酸化チタン−
酸化珪素複合膜は、酸化チタン膜に比べて、屈折率が低
いことから、表面反射率の低いコーティングを提供する
ことができ、眼鏡レンズ等の光学部材のコーティング用
として極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、透明基板上に光触媒性酸化チタン
を含有する防曇コーティングを被覆したものが知られて
いる(例えば特開平9−59042号公報参照)。この
防曇コーティングでは、屈折率が2より小さな媒体(例
えばシリカ)にチタニア粒子を配合することにより、防
曇コーティングと基板との界面における光の反射を防止
している。この防曇コーティングの製造方法は以下のと
おりである。無定形チタニアゾル(チタンのアルコキシ
ド等)の溶液に、シリカゾル等の目的とする媒体の前駆
体を混合し、混合物を基板表面に塗布した後、無定形チ
タニア前駆体を常温から200℃の温度で加水分解と脱
水縮重合に付すことにより、シリカ等の粒子が分散され
た無定形チタニアの薄膜を形成し、次いで加熱により無
定形チタニアを結晶性チタニアに相変化させる。この方
法は、所謂ゾルゲル法である。
【0003】上記ゾルゲル法のように、高温処理を必要
としない酸化チタン薄膜の形成方法も知られている。こ
の方法は、フルオロチタン錯化合物を含む水溶液にフッ
素捕捉剤を添加し、酸化チタンを析出させる方法であ
る。例えば、特開昭59−141441号公報、特開平
1−93443号公報には、チタンフッ化水素酸にホウ
酸あるいは塩化アルミを添加して得た溶液にガラス基材
を浸積して、基材表面に酸化チタン(TiO2)膜を形
成させる方法が開示されている。また、前記チタンフッ
化水素酸に代えてチタンフッ化アンモニウムを含む水溶
液を用いたTiO 2膜形成方法も知られている(特開平
3−285822号公報、特開平4−130017号公
報)。さらに、WO98/11020には、種結晶を含むフルオロ
チタン錯化合物を含む水溶液を用いる方法が開示されて
いる。この方法は、例えばプラスチックのような耐熱性
が低い基材に酸化チタンを形成する場合に非常に有用で
ある。
【0004】このようなフルオロチタン錯化合物を含む
水溶液にフッ素捕捉剤を添加し、酸化チタンを析出する
方法を応用して、フルオロ珪素錯化合物とフルオロチタ
ン錯化合物を含む水溶液にフッ素捕捉剤を添加し、酸化
珪素を含有する酸化チタンを析出する方法も提案されて
いる(特開平10−158014号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
何れの方法を用いても、例えば眼鏡用に適した機械的強
度及び低反射率を有し、しかも高光触媒活性である酸化
珪素−酸化チタン複合膜を作成することができなかっ
た。そこで、本発明の目的は、機械的強度に優れ、低反
射率及び高光触媒活性を有する酸化珪素−酸化チタン複
合膜を作成する方法を提供することにある。さらに、本
発明の目的は、機械的強度に優れ、低反射率及び高光触
媒活性を有する酸化珪素−酸化チタン複合膜、前記酸化
珪素−酸化チタン複合膜を有する眼鏡用レンズ及び前記
酸化珪素−酸化チタン複合膜を利用した眼鏡レンズ用低
反射防曇膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フルオロチタ
ン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンとを含有する水溶液
に、フッ素捕捉剤を混合して前記錯イオンと反応させ
て、この水溶液に浸漬した基板上に4配位酸化チタンを
含む酸化チタン−酸化珪素複合膜を析出させる方法であ
って、前記複合膜のチタンと珪素の平均組成比(モル
比)Ti:Siが25:75〜1:99の範囲であるこ
とを特徴とする酸化チタン−酸化珪素複合膜の製造方法
に関する。さらに本発明は、上記本発明の製造方法によ
り製造された酸化チタン−酸化珪素複合膜及びこの複合
膜をレンズ上に有することを特徴とする眼鏡用レンズに
関する。加えて本発明は、チタンと珪素の平均組成比
(モル比)Ti:Siが25:75〜1:99の範囲で
あり、かつ4配位酸化チタンを含む酸化チタン−酸化珪
素複合膜からなることを特徴とする眼鏡レンズ用低反射
防曇膜に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、機械的強度及び低反射率、さらには高光触媒
活性の酸化珪素−酸化チタン複合膜を得るという目的を
達成するために、酸化チタン−酸化珪素複合膜のチタン
と珪素の膜中の平均組成比(モル比)をTi:Si=2
5:75〜1:99としている。これは、次の事実に基
づいている。例えば、眼鏡用レンズに酸化珪素−酸化チ
タン複合膜を形成する場合は、複合膜の屈折率を基板の
屈折率に近づけるという観点、及び機械的強度を高める
という観点から、なるべく酸化珪素の含有率が多い方が
好ましい。一方、光触媒活性の面からは、光触媒活性を
有さない酸化珪素を酸化チタンに複合させると、得られ
る複合膜の光触媒活性は、酸化チタン単独に比べて低下
する。しかし、Si−Ti酸化物において、酸化チタン
の含有量が30モル%を下回った付近から、含有率が低
くなるほどチタン1原子当たりの光触媒活性は増大する
傾向があることが報告されている(光触媒、窪川、本
多、斉藤、朝倉書店、1988,p.59)。この報告に記載さ
れている結果を図2に記載する。この結果から、例え
ば、SiO2:90%、TiO2:10%の組成の複合膜の場合、純
粋な酸化チタン薄膜(TiO2100%)の光触媒活性(上
記報告では、光反応で生成した生成物の収量として表示
されている)と比較すると、酸化チタンの体積を考慮し
て光触媒活性を1/10の値と見積もっても、純粋な酸
化チタン薄膜の1/3以上の有意な光触媒活性を有する
ことが期待できる。これは、複合膜中で酸化チタンが酸
化珪素中に高分散化され、それにより高い光触媒活性化
が達成されるためであると考えられている。このよう
に、酸化珪素−酸化チタン複合膜では、酸化チタンの含
有量が低い領域においても、ある程度の光触媒活性が得
られることが期待できる。尚、このような酸化チタン含
有量が低い領域における光触媒活性はTiO2とSiO2との混
合物では見られない。
【0008】また、図2に示されたようなTi−Si酸化物
は、4配位酸化チタンを含むことが確認されている(He
retogeneous Photocatalysis, p.161-162,1997)。従っ
て、酸化チタン含有量が低い酸化珪素−酸化チタン複合
膜においてある程度の光触媒活性を得るためには、複合
膜に含まれる酸化チタンの少なくとも一部が、4配位酸
化チタンである必要があると考えられる。4配位酸化チ
タンとは、酸化珪素(SiO2)の四面体構造の中心に
Siの代わりにTiが入った構造を有する酸化チタンで
ある。本発明では、機械的強度に優れ、低反射率及び高
光触媒活性を有する4配位酸化チタンを含む酸化珪素−
酸化チタン複合膜を得るために、フルオロチタン錯イオ
ンとフルオロ珪素錯イオンとを含有する水溶液に、フッ
素捕捉剤を混合してフルオロチタン錯イオン及びフルオ
ロ珪素錯イオンと反応させて、この水溶液に浸漬した基
板上に、チタンと珪素の膜中の平均組成比(モル比)が
Ti:Si=25:75〜1:99の範囲にある酸化チ
タン−酸化珪素複合膜を析出させる。
【0009】本発明において、得られる複合膜のチタン
と珪素の平均組成比(モル比)Ti:Siが25:75
〜99:1の範囲となるように製造条件を設定する。複
合膜中のTiの含有量が25%より多くSiの含有量が
75%よりも少ない場合は、充分な光活性が期待でき
ず、膜の屈折率と基材の屈折率との差が大きくなって反
射率が高くなってしまう。一方、Tiの含有量が1%よ
り少なくSiの含有量が99%よりも多い場合は、Ti
が少なすぎて充分な光活性が期待できない。同様な理由
で、得られる複合膜のチタンと珪素の平均組成比(モル
比)は、さらに好ましくはTi:Si=20:80〜
3:97、最も好ましくはTi:Si=15:85〜
5:95である。尚、膜の平均組成比とは、膜の2点以
上の測定点における組成比の平均値である。
【0010】上記フルオロチタン錯イオン及びフルオロ
珪素錯イオンを含有する水溶液は、例えば、所定量のフ
ルオロチタン錯化合物及びフルオロ珪素錯化合物を水に
溶解することで調製することができる。或いは、酸化チ
タン及び酸化珪素をフッ化水素酸に溶解させ、得られた
水溶液に必要により適量のアンモニアのような塩基化合
物を添加することで調製することもできる。また、必要
により、塩基化合物を添加した後に水溶液を濾過して、
塩基化合物を添加したことにより生じる沈殿物を除去す
ることができる。フルオロチタン錯イオンの濃度は、チ
タン量として、通常10-9〜10mol/L、好ましくは10-6〜1
0-1mol/Lの濃度とする。
【0011】但し、フルオロチタン錯イオンとフルオロ
珪素錯イオンとを含有する水溶液として、複合膜が有す
るチタンと珪素の平均組成比(モル比)とほぼ同等のチ
タンと珪素の組成比を有する水溶液を用いることが好ま
しい。これは、本発明の製造方法では、水溶液の組成と
ほぼ同じ組成の複合膜が得られるからである。従って、
フルオロ珪素錯イオンとフルオロチタン錯イオンとのモ
ル比が75:25〜99:1の範囲になるように、フル
オロ珪素錯イオンの濃度を調整することが好ましい。さ
らに、フルオロ珪素錯イオンとフルオロチタン錯イオン
とのモル比は、基材に近い屈折率及び光触媒活性を得る
という観点から、80:20〜97:3の範囲、より好
ましくは85:15〜95:5の範囲とすることが好ま
しい。
【0012】また、本発明においては、フルオロチタン
錯イオンとフルオロ珪素錯イオンとを含有する水溶液
が、分子レベルで均質に混合されたフルオロチタン錯イ
オンとフルオロ珪素錯イオンとを含有する水溶液である
ことが、4配位酸化チタンを含む複合膜を得るために好
ましい。例えば、フルオロチタン錯化合物とフルオロ珪
素錯化合物を水溶液に添加し、短時間機械的に攪拌して
得られる水溶液を用いた場合、原料の組成比を珪素リッ
チ(例えば、Si/(Si+Ti)=0.8)な状態としても、形
成される膜の組成は、目的の珪素リッチな組成になりに
くく、チタンの量が多いものが形成されてしまう(上記
の例の場合、膜の組成はSi/(Si+Ti)=0.3-0.6)。これ
は、短時間の機械的攪拌方式ではフルオロチタン錯イオ
ンとフルオロ珪素錯イオンの混合が充分に達成されず、
両者の錯イオンが個々に集合してしまっている状態であ
るため、この状態の水溶液にフッ素捕捉剤を作用させて
も酸化チタンと酸化珪素が完全に複合した状態で析出せ
ず、比較的析出速度の早い酸化チタンが分離した状態で
形成されてしまうためと考えられる。それに対して、フ
ルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンとが分子
レベルで混合した状態((Ti・Si)F6 2-)のイオ
ンを用意し、これにフッ素捕捉剤を反応させると、4配
位酸化チタンを含む均質な酸化珪素−酸化チタン複合膜
((Ti・Si)O2)を作成することが可能となると
考えられる。その結果、出発原料であるフルオロチタン
錯イオンとフルオロ珪素錯イオンを含有する水溶液にお
けるチタンと珪素の組成比と形成された膜のチタンと珪
素の組成比が非常に近い膜を得ることが可能となる。
【0013】このような分子レベルで均質一様な混合状
態を達成するためには、フルオロチタン錯化合物とフル
オロ珪素錯化合物を含む水溶液を、前記フルオロチタン
錯イオンとフルオロ珪素錯イオンが分子レベルで均質に
混合される程度の時間(少なくとも1時間)攪拌する
か、或いはフルオロチタン錯化合物とフルオロ珪素錯化
合物を含む水溶液を攪拌(短時間、例えば2-3分)後、
フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンが分子
レベルで均質に混合される程度の時間(少なくとも6時
間、好ましくは12〜24時間)静置させる方法があ
る。このような、フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪
素錯イオンを分子レベルで均質に混合させることにより
得られた水溶液にフッ素捕捉剤を添加し、フルオロチタ
ン錯イオン及びフルオロ珪素錯イオンと反応させること
で、均質な酸化珪素−酸化チタン複合膜を作成すること
が可能となる。
【0014】尚、上記方法の内後者の方法においては、
フッ素捕捉剤を添加する前に静置させてもよいし、フッ
素捕捉剤を添加後攪拌する前(反応させる前)に静置さ
せてもよい。また、上記の方法においては、予め基板を
水溶液中に浸漬しておいてもよいし、あるいは上記フル
オロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンを分子レベ
ルで均質に混合させる工程が終了後放置後にフッ素捕捉
剤を反応させる前に水溶液に浸漬してもよい。
【0015】本発明で用いられるフッ化物イオン捕捉剤
は、フルオロチタン錯イオン及びフルオロ珪素錯イオン
を含む水溶液からフッ素イオンを捕捉して酸化チタン−
酸化珪素複合膜を析出させることができるものであれば
良い。一般に、フッ化物イオン捕捉剤には、液相内に溶
解させて用いる均一系と、固形物である不均一系とがあ
る。目的に応じて、これら両者の一方を用いても、併用
しても差し支えない。
【0016】均一系フッ化物イオン捕捉剤は、水溶液中
のフルオロチタン錯イオン及びフルオロ珪素錯イオンを
形成しているフッ素イオンと反応して酸化チタン−酸化
珪素複合膜を析出させるように反応の平衡を移動させる
ものである。オルトホウ酸、メタホウ酸などのホウ酸の
ほか、塩化アルミニウム、水酸化ナトリウム、アンモニ
ア水などが例示される。このような捕捉剤は、通常、水
溶液の形で用いられるが、粉末の形で添加して、系中に
溶解させてもよい。このような捕捉剤の添加は、1回
に、または数回に分けて間欠的に行ってもよく、制御さ
れた供給速度、たとえば一定の速度で連続的に行っても
よい。
【0017】不均一系フッ化物イオン捕捉剤としては、
アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、マグネシウム、
銅、亜鉛などの金属、ガラスなどのセラミックス、およ
びケイ素、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどの化合物が
例示される。このような固形物を水溶液に添加または挿
入すると、固形物近傍のF-が消費されて、その濃度が減
少するので、その部分の化学平衡がシフトして、酸化チ
タン−酸化珪素複合膜が析出する。このような固形物を
用いると、その添加または挿入する方法と反応条件によ
り、水溶液に浸漬した基板表面の全体に酸化チタン−酸
化珪素複合膜を析出させることも、その析出を選択され
た局部、すなわち該固形物の存在する近傍に限定するこ
とも可能である。あるいは、均一系と不均一系のフッ化
物イオン捕捉剤を併用することにより、基板表面の析出
物薄膜を部分的に厚くすることもできる。また、複合体
は水溶液中に析出される場合もある。水溶液中に析出し
た複合体は、濾過等の手段により回収し、必要により洗
浄、乾燥等した後、別途使用することもできる。
【0018】均一系フッ化物イオン捕捉剤は、析出物の
種類や形状によっても異なるが、溶液中のフッ化物イオ
ンの当量に相当する量に対して、通常、10-4〜1,00
0%であり、好ましくは10-2〜500%の範囲で用い
られる。
【0019】基板としては、酸化チタン-酸化珪素複合
膜を担持するための、広範囲の物質を用いることができ
る。このような基板としては、ガラス、金属、セラミッ
クス、有機高分子材料(プラスチック)などが例示され
る。さらに、これらの複合体やその表面にSiO2、A
23、ZrO2、ITO、CaF2等の薄膜を形成した
ものを基板として用いることもできる。さらに、基板の
形状及び形態は任意であり、板状に限定されず、複雑な
形状のものも使用可能である。例えば、バルク体、板
状、多孔質体であることができる。さらに、基板は、ハ
ードコートを有する、または有さないプラスチックレン
ズであることができる。さらに、プラスチックレンズ上
に反射防止膜が形成されたものであっても良い。
【0020】基板をフルオロチタン錯イオン及びフルオ
ロ珪素錯イオンを含有する水溶液に浸漬する時期は、フ
ッ化物捕捉剤を添加ないし挿入する前でも、同時でも、
後でも差し支えない。ただし、系によって侵されるおそ
れのある基板を用いる場合は、溶液の組成、反応条件、
および浸漬する時期に注意する必要がある。
【0021】反応温度は、系が水溶液を維持する範囲で
任意に設定できるが、10〜80℃の範囲が好ましい。
反応時間も任意であり、たとえば、目的とする析出物が
多いときは、それに応じて反応時間を長くすることがで
きる。基板を浸漬する前、又は途中で、フルオロチタン
錯イオン及びフルオロ珪素錯イオンを含有する水溶液に
酸化チタン種結晶を添加してもよい。酸化チタン種結晶
は0.001〜10μm の範囲、好ましくは0.001〜1
μm程度の微小なものがよく、その添加量は、析出させ
る薄膜量等を勘案して適宜決定できる。酸化チタン種結
晶を用いることで、酸化チタンを安定相として析出させ
ることができる。また、種結晶の粒子径や添加量を選ぶ
ことで、析出速度を制御することもできる。必要により
析出途中で種結晶を補充することもできる。
【0022】本発明の製造方法では、酸化チタン-酸化
珪素複合膜中に微粒子を含む薄膜の製造、及び酸化チタ
ン-酸化珪素複合膜に金属イオンをドープした薄膜の製
造が可能である。
【0023】酸化チタン-酸化珪素複合膜中に微粒子を
含む薄膜の製造においては、「フルオロチタン錯イオン
及びフルオロ珪素錯イオンを含有する水溶液」に微粒子
を添加分散させ、この水溶液から薄膜を析出させること
により、酸化チタン-酸化珪素複合膜中に微粒子を含む
薄膜を形成することができる。微粒子としては、金属コ
ロイド粒子、金属酸化物コロイド粒子、有機物粒子を挙
げることができる。金属コロイド粒子としては、例え
ば、Cu、Ag、Pt等を挙げることができる。金属酸
化物コロイド粒子としては、例えば、Fe23、Cu2
O、CuO等を挙げることができる。有機物粒子として
は、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、アクリル、ポリカーボネート等を挙げることができ
る。
【0024】微粒子の粒子径及び水溶液への添加量は、
目的とする薄膜により適宜変化させることができる。但
し、微粒子の水溶液中での分散性や複合膜中での存在状
態を考慮して、粒子径は、例えば、10-3〜1μmの範
囲であることができる。また、微粒子の水溶液への添加
量は、複合膜中の微粒子濃度を考慮して、例えば、処理
液1リットルに対して10-2〜102gの範囲であるこ
とができる。また、種結晶と同様に反応の途中で、微粒
子を添加補充することもできる。
【0025】酸化チタン-酸化珪素複合膜に金属イオン
をドープした薄膜の製造において酸化チタンにドープす
る金属イオンとしては、例えば、銀イオン、銅イオン、
白金イオン、バナジウムイオン、クロムイオン、マンガ
ンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオ
ン、ガリウムイオン、イットリウムイオン、ランタンイ
オン、プラセオジウムイオン、ネオジウムイオン、サマ
リウムイオン、カドリニウムイオン、ホロニウムイオ
ン、イットリビウムイオン、ビスマスイオン等を挙げる
ことができる。但し、「フルオロチタン錯イオン及びフ
ルオロ珪素錯イオンを含有する水溶液」に溶解性の化合
物由来の金属イオンであれば、ドープすることは可能で
ある。
【0026】水溶性金属化合物としては、例えば、Ag
F・xH2O、AgNO3、Rh(NO3)3・2H2O、C
u(NO3)2・3H2O、Cr(NO3)3・xH2O、Cu
2・2H2O、CuCl2・2H2O、PtCl4・5H2
O、VOSiO4・2H2O、VOCl 3、Cr2(S
43・18H2O、CrCl3・xH2O、MnCl2
4H2O、MnCl2、Mn(NO3)2・6H2O、MnS
4・6H2O、MnF 2、MnF3・3H2O、FeCl2
・4H2O、FeCl2、FeCl3・6H2O、FeCl
3、Fe(NO3)3・9H2O、FeSO4・7H2O、F
eSO4、(NH 4)Fe(SO43・xH2O、Co(N
3)2・6H2O、CoSO4・7H2O、NiCl2・6
2O、Ni(NO3)2・6H2O、NiSO4、Cu(N
3)2・3H2O、CuSO4・5H2O、CuSO4、C
uCl2・2H2O、CuF2・2H2O、CuCl、Sc
(SO43・xH2O、V25、Ni(NO3)2・xH2
O、Ga25、Y(NO3)3・xH2O、La(NO3)3
・xH2O、Pr(NO3)3・xH2O、Nd(NO3)3
xH2O、Sm(NO3)3・xH2O、Gd(NO3)3・x
2O、Yb(NO3)3・xH2O、Bi(NO3)2・xH
2Oなどが例示される。
【0027】水溶性金属化合物の濃度は、溶解度や薄膜
へのドープ量を考慮して、例えば、処理液1リットルに
対して10-4〜10molの範囲とすることができる。
また、水溶性金属化合物を反応の途中で補充添加するこ
ともできる。尚、上記2つの方法を組み合わせて2種以
上の物質を含む複合薄膜を同時に形成することもでき
る。
【0028】本発明は、上記本発明の製造方法により製
造された酸化チタン−酸化珪素複合膜を包含する。この
酸化チタン−酸化珪素複合膜は、チタンと珪素の平均組
成比(モル比)Ti:Siが25:75〜1:99の範
囲であり、かつ4配位酸化チタンを含むものである。複
合膜のチタンと珪素の平均組成比(モル比)は、好まし
くはTi:Si=20:80〜3:97の範囲であり、
より好ましくはTi:Si=15:85〜5:95の範
囲である。
【0029】さらに本発明は、上記複合膜をレンズ上に
有する眼鏡用レンズを包含する。レンズとしては、プラ
スチックレンズを挙げることができる。さらに、プラス
チックレンズは、ハードコート及び/又は反射防止膜を
有するプラスチックレンズであることもできる。
【0030】また、本発明は、チタンと珪素の平均組成
比(モル比)Ti:Siが25:75〜1:99の範囲
であり、かつ4配位酸化チタンを含む酸化チタン−酸化
珪素複合膜からなることを特徴とする眼鏡レンズ用低反
射防曇膜を包含する。上記複合膜は、チタンと珪素の平
均組成比(モル比)Ti:Siが25:75〜1:99
の範囲であり、珪素の含有量が高いため、酸化チタン単
独の場合に比べて、機械的強度に優れ、かつ膜の屈折率
は低く、そのため低反射であり、さらには4配位酸化チ
タンを含むことから高い光触媒活性を有し、防曇性にも
優れている。複合膜のチタンと珪素の平均組成比(モル
比)は、好ましくはTi:Si=20:80〜3:97
の範囲であり、より好ましくはTi:Si=15:85
〜5:95の範囲である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 1.68×10-2モルのアンモニウムヘキサフルオロシリケー
ト(NH4)2SiF6及び4.19×10-3モルのアンモニウムヘキサ
フルオロチタネート(NH4)2TiF6を純水400mlに溶解させ
た〔SiF6 2-:TiF6 2-モル比=80:20〕。次いで、Ti
O2アナターゼ微粒子を予め純水中に懸濁させたものを水
溶液が強く白濁しない程度に2ml加え、さら攪拌して均
質化した。この水溶液に酸化ホウ素1.44×10-1モルを
添加するとともに、ハードコートを施したプラスチック
レンズを浸漬した後、溶液を攪拌することなく40℃に保
持したまま12時間放置した。その後、この溶液に光触
媒活性TiO2微粒子(平均粒子径7nm、石原産業
(株)ST−01)を0.5g添加し、溶液を3分間攪
拌した。6時間毎に溶液を3分間攪拌し、24時間保持
した。処理時間経過後、プラスチックレンズを溶液から
取り出して、軽く洗浄した後、乾燥してSiO2/TiO2複合
膜を有するプラスチックレンズを得た。SiO2/TiO2複合
体膜のSi/Tiモル比は平均79:21であった。
【0032】このSiO2/TiO2複合膜を有するプラスチッ
クレンズに紫外線ランプ(ブラックライト、中心波長360
nm)0.1mW/cm2を30分間照射した後、息を吹きかけ、曇
るか否かを試験した。その結果、防曇効果及びレンズを
水で濡らした際の親水性があることが確認された。さら
に得られたSiO2/TiO2複合膜を有するプラスチックレン
ズはTiO2単体膜を有するプラスチックレンズと比較し
て、レンズ表面の反射が低減されたものであった。さら
に、SiO2/TiO2複合膜を有するプラスチックレンズの表
面をワイヤーウールで擦ったが、表面に擦傷は生じなか
った。
【0033】実施例2 SiF6 2-:TiF6 2-モル比=90:10とした以外
は、実施例1と同様にしてSiO2/TiO2複合膜を有
するプラスチックレンズを得た。SiO2/TiO2複合膜のS
i:Tiは平均90:10であった。このSiO2/TiO2複合膜を有
するプラスチックレンズに紫外線ランプ(ブラックライ
ト、中心波長 360nm)0.1mW/cm2を30分間照射し
た後、息を吹きかけ、曇るか否かを試験した。その結
果、防曇効果、レンズを水で濡らした際の親水性がある
ことが確認された。さらに得られたSiO2/TiO2複合膜を
有するプラスチックレンズはTiO2単体膜を有するプラス
チックレンズはTiO2単体膜を有するプラスチックレンズ
と比較して、レンズ表面の反射が低減されたものであっ
た。さらに、SiO2/TiO2複合膜を有するプラスチックレ
ンズ表面をワイヤーウールで擦ったが、表面に擦傷は生
じなかった。
【0034】実施例3 SiF6 2-:TiF6 2-モル比=95:5とした以外は、
実施例1と同様にしてSiO2/TiO2複合膜を有する
プラスチックレンズを得た。SiO2/TiO2複合膜のSi:Ti
は平均95:5であった。このSiO2/TiO2複合膜を有するプ
ラスチックレンズに紫外線ランプ(ブラックライト、中
心波長 360nm)0.1mW/cm2を30分間照射した後、
息を吹きかけ、曇るか否かを試験した。その結果、防曇
効果、レンズを水で濡らした際の親水性があることが確
認された。さらに得られたSiO2/TiO2複合膜を有するプ
ラスチックレンズはTiO2単体膜を有するプラスチックレ
ンズはTiO2単体膜を有するプラスチックレンズと比較し
て、レンズ表面の反射が抑制されたものであった。さら
に、SiO2/TiO2複合膜を有するプラスチックレンズ表面
をワイヤーウールで擦ったが、表面に擦傷は生じなかっ
た。
【0035】尚、上記実施例においては、フルオロチタ
ン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンを分子レベルで均質
に混合させる工程を、フルオロチタン錯化合物とフルオ
ロ珪素錯化合物を含む水溶液を短時間攪拌後静置させる
方法を用いたが、この方法に限らず、フルオロチタン錯
化合物とフルオロ珪素錯化合物を含む水溶液を長時間
(1時間以上)攪拌する方法を用いてもよく、或いはそ
の他フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンを
分子レベルの均質な混合が達成できる方法を用いてもよ
い。
【0036】比較例1 SiF6 2-:TiF6 2-モル比=80:20とし、水溶液
を攪拌した(攪拌することなく12時間放置することは
しない)以外は、実施例1と同様にしてSiO 2/Ti
2複合膜を有するプラスチックレンズを得た。SiO2/T
iO2複合膜のSi:Tiは平均65:35であった。このSiO2/TiO
2複合膜を有するプラスチックレンズに紫外線ランプ
(ブラックライト、中心波長 360nm)0.1mW/cm2
30分間照射した後、息を吹きかけ、曇るか否かを試験
した。その結果、防曇効果は確認できたが、レンズを水
で濡らした際の親水性の維持時間は短かった。さらに得
られたSiO2/TiO2複合膜を有するプラスチックレンズは
TiO2単体膜を有するプラスチックレンズはTiO2単体膜を
有するプラスチックレンズと比較して、レンズ表面の反
射は低減されてはいたが、上記実施例のものに比べると
やや不十分であった。さらに、SiO2/TiO2複合膜を有す
るプラスチックレンズ表面をワイヤーウールで擦った
が、表面に擦傷は顕著には生じなかったが、上記実施例
のものに比べるとやや劣るものであった。
【0037】実施例4 基板として酸化インジウム-酸化スズをコーティングし
たガラス基板を用いた以外は実施例1と同様にしてSiO2/
TiO2複合膜を形成した。得られたSiO2/TiO2複合膜に含
まれるTiが酸素4配位の構造を含むものであることを確
認するために、TiのK吸収端付近のXANES(X線吸収)測定
を行った。標準サンプルとしてTiが酸素6配位の構造を
有するルチル型TiO2とTiが酸素4配位の構造を有するBa2
TiO4を用いた。得られたSiO2/TiO2複合膜、ルチル型TiO
2及びBa2TiO4 のTiのK吸収端付近のXANESスペクトルを
図1に示す。Ba2TiO4 のスペクトルには、メインの吸収
端の低エネルギー側の4.966eV付近にpre-edgeが観察さ
れた。ルチル型TiO2のスペクトルには、pre-edgeが観察
されるものの、その高さは、Ba2TiO4 に比べてかなり低
くなっていた。SiO2/TiO2複合膜のスペクトルには、4.9
66eV付近にpre-edgeが観察され、その高さは、Ba2TiO4
とルチル型TiO2の中間的な値となった。Tiが酸素4配位
の構造を有する化合物では、pre-edgeの高さは大きく、
Tiが酸素6配位の構造を有する化合物では、pre-edgeの
高さは小さいことが知られていることから、SiO2/TiO2
複合膜には、酸素4配位の構造を有するTiが含まれてい
ることが分かる。
【0038】実施例5 光触媒活性TiO2微粒子0.5gとともにCr(NO3)3・xH2O
を0.05g添加し、さらに、複合膜の析出時間を24時間か
ら96時間に変更した以外は実施例1と同様にして、Crイ
オンをドープした SiO2/TiO2複合膜を有するプラスチッ
クレンズを得た。SiO2/TiO2複合体膜のSi/Tiモル比は平
均80:20であり、Crイオンのドープ量は1ppm以
下であった。
【0039】このCrイオンをドープしたSiO2/TiO2複合
膜を有するプラスチックレンズに紫外線ランプ(ブラッ
クライト、中心波長360nm)0.1mW/cm2を30分間照射し
た後、息を吹きかけ、曇るか否かを試験した。その結
果、防曇効果があることが確認された。さらに、この性
質は、蛍光灯の元でも同様に得られ、蛍光管の紫外線強
度は0.2mW/cm2以下であることから、光触媒活性発現
に可視光線が使われていることが分かる。さらに得られ
た、SiO2/TiO2複合膜を有するプラスチックレンズはTiO
2単体膜を有するプラスチックレンズと比較して、レン
ズ表面の反射が抑制されたものであった。さらに、SiO2
/TiO2複合膜を有するプラスチックレンズの表面をワイ
ヤーウールで擦ったが、表面に擦傷は生じなかった。
【0040】実施例4 光触媒活性TiO2微粒子0.5gとともにCr(NO3)3・xH2O
を0.01g及びAgFを0.01g添加し、さらに、複合膜の析出
時間を24時間から72時間に変更した以外は実施例1と同
様にして、Crイオン及びAgイオンをドープした SiO2/Ti
O2複合膜を有するプラスチックレンズを得た。SiO2/TiO
2複合体膜のSi/Tiモル比は80:20であり、Crイオン
及びAgイオンのドープ量はそれぞれ1ppm以下であっ
た。
【0041】このCrイオン及びAgイオンをドープしたSi
O2/TiO2複合膜を有するプラスチックレンズに紫外線ラ
ンプ(ブラックライト、中心波長360nm)0.6mW/cm2を30
分間照射して表面の活性を高めてから、その表面に、ア
ルコールにキャノンプリンター用インク、マゼンタを溶
解したものを少量塗布した。その後、24時間上記紫外線
を照射しつづけた結果、マゼンタ色素が脱色さているこ
とが確認できた。さらに得られた、SiO2/TiO2複合膜を
有するプラスチックレンズはTiO2単体膜を有するプラス
チックレンズと比較して、レンズ表面の反射が抑制され
たものであった。さらに、SiO2/TiO2複合膜を有するプ
ラスチックレンズの表面をワイヤーウールで擦ったが、
表面に擦傷は生じなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、基板に高い耐酸性を必
要としないフルオロチタン錯化合物とフルオロ珪素錯化
合物とを原料として使用する方法であって、高い光触媒
活性を有する4配位酸化チタンを含む酸化チタン−酸化
珪素複合膜を製造できる方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、優れた機械的強度、低い反射
率、さらには高い光触媒活性を有する酸化チタン−酸化
珪素複合膜を設けた眼鏡用レンズを提供することができ
る。本発明によれば、優れた機械的強度、低い反射率、
及び高い光触媒活性を有する眼鏡レンズ用低反射防曇膜
を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)SiO2/TiO2複合膜、(b)Ba2TiO4及び
(c)ルチル型TiO2のTiのK吸収端付近のXANESスペクト
ル。
【図2】 SiO2/TiO2複合膜の酸化チタン含有量と光触
媒活性(反応で生成した生成物の収量)との関係。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02C 7/02 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2K009 AA01 BB11 CC03 DD02 EE02 4D048 BA06X BA07X BA17Y BA18Y BA22Y BA23Y BA25X BA28Y BA30Y BA34X BA36Y BA37Y BA38Y EA01 4F100 AA20A AA21A AA33A AK01B AT00B BA02 GB71 JB05 JL07 YY00A 4G072 AA25 AA37 BB09 GG03 HH05 JJ26 JJ28 LL06 MM01 MM02 MM21 NN21 RR12 UU30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素
    錯イオンとを含有する水溶液に、フッ素捕捉剤を混合し
    て前記錯イオンと反応させて、この水溶液に浸漬した基
    板上に酸化チタン−酸化珪素複合膜を析出させる方法で
    あって、前記複合膜はチタンと珪素の平均組成比(モル
    比)Ti:Siが25:75〜1:99の範囲であり、
    かつ4配位酸化チタンを含むことを特徴とする酸化チタ
    ン−酸化珪素複合膜の製造方法。
  2. 【請求項2】フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯
    イオンとを含有する水溶液として、複合膜が有するチタ
    ンと珪素の平均組成比(モル比)とほぼ同等のチタンと
    珪素の組成比を有する水溶液を用いる請求項1に記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯
    イオンとを含有する水溶液が、分子レベルで均質に混合
    されたフルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯イオン
    とを含有する水溶液である請求項1または2に記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記分子レベルで均質に混合されたフル
    オロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンとを含有す
    る水溶液が、フルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯
    イオンとを含む水溶液を少なくともフルオロチタン錯イ
    オンとフルオロ珪素錯イオンが分子レベルで均質に混合
    される程度の時間攪拌することにより得られた水溶液で
    あるか、又はフルオロチタン錯イオンとフルオロ珪素錯
    イオンとを含む水溶液を攪拌後、少なくともフルオロチ
    タン錯イオンとフルオロ珪素錯イオンが分子レベルで均
    質に混合される程度の時間静置させることにより得られ
    た水溶液である請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複合膜の析出を、酸化チタン種結晶
    の存在下で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記水溶液がさらに微粒子を含み、かつ
    析出する酸化チタン−酸化珪素複合膜が上記微粒子を含
    有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記水溶液がさらに水溶性金属化合物を
    含み、かつ析出する酸化チタン−酸化珪素複合膜が上記
    化合物由来の金属イオンをドープしたものである請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板がハードコートを有する、または有
    さないプラスチックレンズである請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造
    方法により製造された酸化チタン−酸化珪素複合膜。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の複合膜をレンズ上に
    有することを特徴とする眼鏡用レンズ。
  11. 【請求項11】 レンズがプラスチックからなることを
    特徴とする請求項10に記載の眼鏡用レンズ。
  12. 【請求項12】 チタンと珪素の平均組成比(モル比)
    Ti:Siが25:75〜1:99の範囲であり、かつ
    4配位酸化チタンを含む酸化チタン−酸化珪素複合膜か
    らなることを特徴とする眼鏡レンズ用低反射防曇膜。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004123484A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 Crystal System:Kk 金属酸化物膜およびその用途
JP2005258028A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Nec Viewtechnology Ltd 光学部品及び投写型表示装置
KR100529525B1 (ko) * 2001-06-29 2005-11-21 크리스탈 시스템스 인코포레이티드 안티포깅 생성물, 무기친수성 경질층 형성 물질 및안티포깅 렌즈의 제조방법
JP2006162711A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 反射防止機能を持つセルフクリーニングコーティング膜とその構成体
JP2007536137A (ja) * 2004-05-10 2007-12-13 サン−ゴバン グラス フランス 光触媒被覆物を有する基板
JP2014237586A (ja) * 2014-08-13 2014-12-18 Hoya株式会社 車載カメラ用レンズ

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