JP2000344222A - 樹脂容器 - Google Patents

樹脂容器

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JP2000344222A
JP2000344222A JP15893999A JP15893999A JP2000344222A JP 2000344222 A JP2000344222 A JP 2000344222A JP 15893999 A JP15893999 A JP 15893999A JP 15893999 A JP15893999 A JP 15893999A JP 2000344222 A JP2000344222 A JP 2000344222A
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resin
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tofu
buckling strength
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JP15893999A
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Fumio Takenaka
史夫 竹中
Kazushi Hiramatsu
和士 平松
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ゲル状物を型崩れせずに容易に取り出せる容
器を得る。 【解決手段】 スチレン系樹脂シートを成形してなる、
(a)容器底面と側面のなす角度が4〜15°、(b)
容器の上下方向の荷重に対する座屈強度が0.1〜2k
gで、横方向の荷重に対する座屈強度が2〜20kg及
び(c)容器内面の表面粗さの中心線平均粗さ(Ra)が
0.15〜4.00μmの要件を満足する樹脂容器。豆
腐、プリン等のゲル状食品が型崩れすることなく、容易
に取り出せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、豆腐、ゼリー、プ
リン等のゲル状食品に適した樹脂容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】豆腐、
ゼリー、プリン等のゲル状食品の容器には、エチレン樹
脂、プロピレン樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂及
びポリエステル樹脂等からなるシートを真空成形や射出
成形で成形した容器、紙容器や樹脂容器にオレフィン系
樹脂をラミネート加工して得た容器が用いられている。
【0003】ゲル状食品は、液状の素材を上記の容器に
入れ、加熱又は冷却して凝固させた後、蓋材とシールし
て製品としたものが販売されている。このようなゲル状
食品は、内容物と容器が密着してそれらの間に空気が入
らないため、容器から内容物を取り出しにくく、無理に
取り出そうとすると内容物が崩れてしまうという問題が
ある。
【0004】この問題を解決する方法として、容器と内
容物の間に液膜を存在させる方法(特開昭55−531
4号公報、特開昭55−12100号公報)、プリン容
器の底面に開孔するための突起を具し、取り出す際に開
孔させて真空状態をなくして内容物を取り出す方法(特
開昭53−31476号公報)が知られている。しか
し、内容物の容器からの離型性は不十分であり、一層、
離型性に優れるものが望まれている。
【0005】また、特開平7−125160号公報に
は、容器内面の表面粗さの中心線平均粗さを制御するこ
とにより、容器に充填された内容物の離型性を向上させ
ることが開示されている。しかし、表面粗さの許容範囲
が制限されること、粗さを調整するためにエチレンプロ
ピレンエラストマー、ポリエチレン又はエチレンブテン
エラストマーの添加が別途必要であり、製造にあたって
は原料供給設備を増やす必要があること、これに伴うコ
ストの上昇等の問題がある。
【0006】本発明の目的は、容器に特別な構造を付加
する必要がなく、しかも製造工程を変更することなく容
易に製造でき、型崩れせずにゲル状の内容物を容易に取
り出せる樹脂容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の要件
(a)、(b)及び(c)のすべてを満たす樹脂容器を
提供する。 (a)容器底面と側面のなす角度が4〜15° (b)容器の上下方向の荷重に対する座屈強度が0.1
〜2kgで、横方向の荷重に対する座屈強度が2〜20
kg (c)容器内面の表面粗さの中心線平均粗さ(Ra)が
0.15〜4.00μm
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂容器は、下記の要件
(a)、(b)及び(c)のすべてを満たすものであ
る。
【0009】要件(a)は、容器底面と側面のなす角度
が4〜15°、好ましくは4〜12°、さらに好ましく
は6〜10°というものである。要件(a)における角
度は、図1における角度θである。本発明の樹脂容器
は、前記した数値範囲内に入っていれば、側面ごとに底
面との間で同一又は異なる角度をなしていてもよい。
【0010】要件(a)の角度を4°以上にすること
で、内容物を取り出す際に容器を逆さまにしたとき、容
器内面と内容物との間に空気が入り込みやすくなるた
め、内容物を型崩れさせることなく容易に取り出せる。
また、角度を15°以下にすることで、内容物の厚みを
厚くして、輸送時、販売時及び購入後の持ち帰り時にお
いても型崩れしない程度の強度を付与できる。
【0011】要件(b)は、容器の上下方向の荷重に対
する座屈強度が0.1〜2kg、好ましくは0.2〜1
kg、さらに好ましくは0.2〜0.8kgで、横方向
の荷重に対する座屈強度が2〜20kg、好ましくは2
〜10kg、さらに好ましくは2〜8kgというもので
ある。なお、それぞれの座屈強度の試験方法は、図2に
示すテンシロンによる圧縮テストにより、10m/minの
速さで荷重を加えた場合に、座屈強度が20%以上減少
した時点までの最大荷重で示す。ここで座屈強度が20
%以上減少したとは、容器が変形、割れのような破損を
生じ、その結果、座屈強度が急激に減少したことを意味
する。
【0012】前記の上下方向に対する座屈強度が0.1
kg以上で、かつ横方向の荷重に対する座屈強度が2k
g以上であると、容器が変形することが防止されるの
で、容器内面と内容物との間に空気を入りやすくでき
る。また、前記の上下方向に対する座屈強度が2kg以
下で、かつ横方向の荷重に対する座屈強度が20kg以
下であると、圧縮して嵩を小さくできるので、回収作業
が容易となる。
【0013】要件(c)は、容器内面の表面粗さの中心
線平均粗さ(Ra)が0.15〜4.00μm、好まし
くは0.2〜3.00μm、さらに好ましくは0.35
〜2.50μmというものである。
【0014】中心線平均粗さ(Ra)が0.15μm以
上であると、容器内面と内容物とのの間に空気が入りや
すくなり、型崩れさせずに内容物を取り出すことができ
る。また、4.00μm以下であると、内容物が容器内
面の凹凸に食い込んで取り出しにくくなったり、内容物
が破損して容器内部に残留することが防止できる。な
お、「表面粗さの中心線平均粗さ(Ra)」は、JIS
B0601に従い、株式会社東京精密製の表面粗さ形
状測定機「サーフコム575A」を使用して測定し、求
める。
【0015】本発明の樹脂容器は、スチレン系樹脂又は
スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を含有し、必要に応
じて他の成分を配合した樹脂組成物を使用し、所望の成
形方法を適用して製造することができる。
【0016】スチレン系樹脂としては、押出成形性及び
加工成形性が高いため、芳香族ビニル単量体の単独重合
体、芳香族ビニル単量体と共重合性ビニル単量体との共
重合体、ゴム成分とスチレン系樹脂とで構成されたゴム
変性スチレン系樹脂(スチレン系熱可塑性エラストマー
を含む)等が好ましい。特に容器の成形性、耐衝撃性等
を高めるためには、スチレン系樹脂はゴム変性スチレン
系樹脂を含むものがより好ましい。
【0017】芳香族ビニル単量体としては、スチレン、
スチレン誘導体(p−メチルスチレン、p−エチルスチ
レン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等のアルキルスチレン)が挙げられ、これらの中
でもスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0018】共重合性ビニル単量体としては、シアン化
ビニル単量体(アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(メタクリ
ル酸メチル等の(メタ)アクリル酸C1〜C10アルキル
エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロ
キシル基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート等)、カルボキシル基含有単量体
((メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸等)、マレイミド系単量体(マレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド等)等が挙げられ、これら
の中でもメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エ
ステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、N−フ
ェニルマレイミド等のマレイミド系単量体が好ましい。
【0019】芳香族ビニル単量体の単独重合体として
は、ポリスチレンが好ましく、芳香族ビニル単量体を用
いた共重合体としては、スチレン−アクリロニトリル共
重合体(AS樹脂)、スチレン−メチルメタクリレート
共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体等が好ましい。
【0020】ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム成分と、
ゴム変性されていないスチレン系樹脂との混合による混
和物で構成された耐衝撃性スチレン系樹脂でもよいが、
ゴム成分の存在下で、少なくとも芳香族ビニル単量体を
重合して得られるゴム成分と芳香族ビニル単量体とのグ
ラフト共重合体(耐衝撃性スチレン系樹脂)及びゴムブ
ロックと芳香族ビニル重合体ブロックとのブロック共重
合体(ABA型ブロック共重合体等)から選ばれる1種
以上が好ましい。
【0021】ゴム変性スチレン系樹脂で使用するゴム成
分としては、共役ジエン系ゴム(ポリブタジエン、ポリ
イソプレン、2−クロロ−1−1,3−ブタジエン、1
−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン−スチレン
共重合体等)、エチレン−プロピレンゴム(EPDMゴ
ム)、アクリルゴム等から選ばれる1種以上が挙げら
れ、これらの中でも共役ジエン系ゴムが好ましい。
【0022】グラフト共重合体はランダム共重合体でも
よく、ブロック共重合体の構造はリニアー状でもスター
状(星型)でもよい。ブロック共重合体は、熱可塑性エ
ラストマーを形成する場合が多い。
【0023】グラフト重合体において、上記の芳香族ビ
ニル単量体はシアン化ビニル単量体と組み合わせて使用
することができ、必要に応じて上記の共重合性ビニル単
量体を併用してもよい。芳香族ビニル単量体とシアン化
ビニル単量体との割合(重量%)は、好ましくは10/
90〜90/10、より好ましくは20/80〜80/
20、さらに好ましくは30/70〜70/30であ
る。また、芳香族ビニル単量体と共重合性ビニル単量体
との割合(重量%)は、好ましくは10/90〜100
/0、より好ましくは30/70〜70/30である。
【0024】好ましいゴム変性スチレン系樹脂として
は、グラフト重合体〔特に耐衝撃性(High Impact, H
I)ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体(S
B樹脂)、ブタジエン−スチレン−無水マレイン酸共重
合体(ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体)、
スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(A
BS樹脂)、AXS樹脂[式中、Aはアクリロニトリ
ル、Xはエチレン−プロピレンゴム(EPDMゴム)、
アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩素
化ポリエチレンから選ばれる1種以上のゴム成分、Sは
スチレンを示す)〕、スチレン系ブロック共重合体(例
えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重
合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重
合体等の熱可塑性エラストマー)等が挙げられ、これら
のゴム変性スチレン系樹脂は水素添加物でもよい。特に
好ましいゴム変性スチレン系樹脂としては、SB樹脂、
ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹
脂)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SI
S)ブロック共重合体及びこれらの水添物が挙げられ
る。
【0025】ゴム変性スチレン系樹脂におけるゴム成分
の含有量は、好ましくは5〜70重量%、より好ましく
は6〜50重量%である。
【0026】プロピレン系樹脂としては、プロピレンの
単独重合体、プロピレンとエチレンのランダム共重合
体、プロピレンとエチレンのブロック共重合体等が挙げ
られる。
【0027】樹脂容器の製造原料となる樹脂組成物とし
て、スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を併用する場合
の配合割合は、スチレン系樹脂が好ましくは90〜50
重量%、より好ましくは80〜70重量%、プロピレン
系樹脂が好ましくは10〜50重量%、より好ましくは
20〜30重量%である。
【0028】樹脂組成物には、さらに相溶化剤を配合す
ることができる。相溶化剤としては、スチレン−共役ジ
エン系共重合体、例えば、ビニル芳香族化合物と共役ジ
エン化合物とのランダム又はブロック共重合体又はその
水素添加共重合体、共役ジエン化合物に由来する二重結
合がエポキシ化されたエポキシ変性共重合体が挙げられ
る。
【0029】水素添加重合体としては、水素添加ゴム変
性スチレン系樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレン(SEPS)共重合体等)が挙げられる。なお、
水素添加共重合体には、ビニル芳香族化合物と1種以上
のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体も
含まれる。
【0030】エポキシ変性共重合体としては、同一分子
内に、ビニル芳香族化合物(スチレン等)を主体とする
重合体ブロック(ポリスチレンブロック等)と、共役ジ
エン化合物(ブタジエン、イソプレン等)を主体とする
重合体ブロック(ポリブタジエンブロック等)とで構成
されたブロック共重合体又はその部分水添物のうち、共
役ジエン化合物に由来する二重結合がエポキシ化された
エポキシ変性ブロック共重合体等が挙げられる。
【0031】また、樹脂組成物には、安定剤(酸化防止
剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、難燃剤、滑剤、離型
剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤(酸化チタン、ベンガ
ラ、アゾ系、ペリレン系、フタロシアニン系、複素環系
等の着色剤)、可塑剤や展着剤(ポリエチレングリコー
ル、ミネラルオイル等)等を配合することができる。
【0032】樹脂組成物の全樹脂成分中におけるゴム含
有量は、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3
〜15重量%、さらに好ましくは4〜10重量%であ
る。ゴム含有量が1重量%以上であると耐衝撃性が向上
し、20重量%以下であると容器の腰強度の低下がな
い。
【0033】本発明の樹脂容器は、例えば、上記の樹脂
組成物からTダイ法又はインフレーション法等により得
られるシートを、真空成形法や圧空成形法により成形し
て得ることができる。樹脂容器の成形に際しては、上記
の要件(a)及び(c)を満たすように成形条件を適宜
選択する。
【0034】要件(a)を満たすためには、例えば、所
定の形状になるような金型を選択する。要件(c)を満
たすためには、例えば、所定の表面を粗さを有するプラ
グを使用した真空成形法を適用する。真空成形法で使用
するプラグは、鋳造法と表面仕上げ加工によって表面粗
さを所望の値にすることができるので、そのプラグを使
用することにより、樹脂容器の内面はそのプラグの表面
粗さに準じた値となる。プラグは、シート温度を下げな
いように断熱性の材料であることが好ましく、木材、フ
ェルト、ナイロン、ポリアセタール等の単一材料が使用
されるほか、温度制御手段を備えたアルミニウム製プラ
グを使用してもよい。なお、要件(b)は、樹脂組成物
の組成に依存するので、例えば、上記した樹脂組成物を
使用することにより満たすことができ、要件(c)も上
記の方法に比べると表面粗さを変化させる範囲は狭い
が、樹脂組成物の組成にも依存するので、上記した樹脂
組成物を使用することが効果的である。
【0035】本発明の樹脂容器は、単層からなるもので
もよく、2層以上の積層構造からなるものでもよい。2
層以上の積層構造からなる容器の場合、上記した樹脂組
成物からなる基材シート上に、熱可塑性樹脂、例えば、
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、リニア低密
度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、上記したようなプ
ロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂の延伸又は非延伸
フィルム又はシートの被覆層を1以上有するものにする
ことができる。この被覆層は、前記の基材シートの一面
又は両面に1層又は2層以上形成することができる。
【0036】また、2層以上の積層構造からなる容器の
場合、内面層がプロピレン系樹脂からなるもの又は内面
層がプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂及びエチレン系
樹脂から選ばれる2以上の樹脂混合物からなるものが、
ゲル状内容物の充填時、凝固時及び殺菌時の際に加えら
れる熱に耐えるため、ゲル状食品用容器として好適であ
る。
【0037】積層構造の樹脂容器は、ドライラミネート
法、押出しラミネート法、共押出法等を適用して得られ
た積層シートを使用し、単層の場合と同様にして成形す
ることができる。
【0038】樹脂容器の厚みは、容器成形性を損なわな
い範囲であれば特に制限されず、好ましくは150〜1
500μm、より好ましくは200〜1000μm、さ
らに好ましくは300〜800μmである。厚みが15
0μm以上であると、容器の機械的強度や腰を実用上十
分な程度に維持でき、1500μm以下であると、成形
性が低下したり、容器の肉厚が不均一化したりすること
が防止できる。
【0039】本発明の樹脂容器は、蓋のない容器である
が、蓋材と組み合わせて蓋のある容器にしてもよい。蓋
材は、ヒートシール性があり、耐熱性があるものが好ま
しく、ポリプロピレンフィルム等を使用することができ
る。
【0040】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、以下において使用した樹脂等の
成分は下記のとおりである。
【0041】GPPS:汎用ポリスチレン,ダイセル化
学工業(株)製,商品名「ダイセルスチロール51」 HIPS:耐衝撃性ポリスチレン,ダイセル化学工業
(株)製,商品名「ダイセルスチロールS85」,ゴム
含有率8重量% SBS:スチレン−ブタジエンブロック共重合体,JS
R(株)製,商品名「TR2003」,ゴム含有率57
重量% PP:ポリプロピレン,グランドポリマー(株)製,商
品名「グランドポリプロFL100」 TiO2:チタンホワイト(石原産業(株)製,TIP
AQUE) 実施例1 表1に示す樹脂組成物を、Tダイ工法で押出し、総厚み
550μmのシートを得た。次に、アルミニウム金型と
金属マスターで鋳造し、#100の砥石研磨で仕上げた
アルミニウムプラグを使用して、このシートを真空成形
し容器底面と側面の角度が8°である図1に示すような
容器を得た。この容器の上下方向の荷重と横方向の荷重
に対する座屈強度と中心線平均粗さを表1に示す。次
に、この容器に豆腐原液を充填した後、蓋材フィルムを
ヒートシールした。その後、85℃にて40分間ボイル
し、5℃で40分間冷却した。容器を開封し逆さまにし
て豆腐を取り出したところ、容器から簡単に実離れし、
型崩れせず取り出せた。また、豆腐を取り出した後の容
器は、手で簡単に潰すことができた。
【0042】実施例2 表1に示す樹脂組成物を、Tダイ工法で押出し、総厚み
600μmのシートを得た。次に、アルミニウム金型と
金属マスターで鋳造し、#250の砥石研磨で仕上げた
アルミニウムプラグを使用して、このシートを真空成形
し容器底面と側面の角度が8°である図1に示すような
容器を得た。この容器の上下方向の荷重と横方向の荷重
に対する座屈強度と中心線平均粗さを表1に示す。
【0043】次に、この容器を用いて実施例1と同様に
して容器入り豆腐を製造した。その後、容器を開封し逆
さまにして豆腐を取り出したところ、容器から簡単に実
離れし、型崩れせず取り出せた。また、豆腐を取り出し
た後の容器は、手で簡単に潰すことができた。
【0044】実施例3 ポリプロピレンとポリエチレンとからなる接着層を有す
る厚さ25μmのポリプロピレンフィルム(ポリプロピ
レン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造)に、
表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押出しラミネート
し、総厚み630μmの積層構造のシートを得た。次
に、アルミニウム金型と金属マスターで鋳造し、#20
0の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラグを使用し
て、このシートを真空成形により容器の内側がポリプロ
ピレンフィルム層になるようにして容器底面と側面の角
度が8°である図1に示すような容器を得た。この容器
の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強度と中
心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を使用して
実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。その
後、容器を開封し逆さまにして豆腐を取り出したとこ
ろ、容器から簡単に実離れし、型崩れせず取り出せた。
また、豆腐を取り出した後の容器は、手で簡単に潰すこ
とができた。
【0045】実施例4 2種3層のTダイを装備した押出し機で、表1に示す樹
脂組成物と、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる
樹脂混合物を外層になるように共押出し、両面の表層に
ポリプロピレンとポリエチレンとからなる層を80μm
を有する総厚み630μmの積層構造のシートを得た。
次に、アルミニウム金型と金属マスターで鋳造し、#2
00の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラグを使用し
て、このシートを真空成形し容器底面と側面の角度が8
°である図1に示すような容器を得た。この容器の上下
方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強度と中心線平
均粗さを表1に示す。次に、この容器を用いて実施例1
と同様にして容器入り豆腐を製造した。その後、容器を
開封し逆さまにして豆腐を取り出したところ、容器から
簡単に実離れし、型崩れせず取り出せた。また、豆腐を
取り出した後の容器は、手で簡単に潰すことができた。
【0046】比較例1 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み630μmの積層構造のシー
トを得た。次に、アルミニウム金型と金属マスターで鋳
造し、#200の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラ
グを使用して、このシートを真空成形し容器底面と側面
の角度が0°である図1に示すような容器を得た。この
容器の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強度
と中心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用い
て実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。その
後、容器を開封し逆さまにして豆腐を取り出したとこ
ろ、豆腐は容器から出なかった。豆腐を取り出した後の
容器は、手で簡単に潰すことができた。
【0047】比較例2 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み630μmの積層構造のシー
トを得た。次に、アルミニウム金型と金属マスターで鋳
造し、#200の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラ
グを使用して、このシートを真空成形し容器底面と側面
の角度が20°である図1に示すような容器を得た。こ
の容器の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強
度と中心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用
いて実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。そ
の後、容器を開封し逆さまにして豆腐を取り出したとこ
ろ、豆腐は端から崩れて容器から出てきた。豆腐を取り
出した後の容器は、手で簡単に潰すことができた。
【0048】比較例3 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み400μmの積層構造のシー
トを得た。次に、アルミニウム金型と金属マスターで鋳
造し、#200の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラ
グを使用して、このシートを真空成形し容器底面と側面
の角度が8°である図1に示すような容器を得た。この
容器の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強度
と中心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用い
て実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。その
後、容器を開封し逆さまにして豆腐を取り出したとこ
ろ、豆腐は型が崩れて容器から出てきた。豆腐を取り出
した後の容器は、手で簡単に潰すことができた。
【0049】比較例4 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み1150μmの積層構造のシ
ートを得た。次に、アルミニウム金型と金属マスターで
鋳造し、#200の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプ
ラグを使用して、このシートを真空成形し容器底面と側
面の角度が8°である図1に示すような容器を得た。こ
の容器の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強
度と中心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用
いて実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。そ
の後、容器を開封し逆さまにして豆腐を取り出したとこ
ろ、容器形状のまま取り出すことができた。しかし、こ
の容器は手では簡単に潰すことはできなかった。
【0050】比較例5 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み1400μmの積層構造のシ
ートを得た。次に、アルミニウム金型と金属マスターで
鋳造し、#200の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプ
ラグを使用して、このシートを真空成形し容器底面と側
面の角度が8°である図1に示すような容器を得た。こ
の容器の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強
度と中心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用
いて実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。そ
の後、容器を開封し逆さまにして豆腐を取り出したとこ
ろ、型崩れしないで容器から出てきた。しかし、この容
器は手では簡単に潰すことはできなかった。
【0051】比較例6 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み640μmの積層構造のシー
トを得た。次に、アルミニウム金型と金属マスターで鋳
造し、#500の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラ
グを使用して、このシートを真空成形し容器底面と側面
の角度が8°である図1に示すような容器を得た。この
容器の上下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強度
と中心線平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用い
て実施例1と同様にして容器入り豆腐を製造した。その
後、容器を開封し逆さまにしたが、豆腐は容器から出な
かった。この容器は、手で簡単に潰すことができた。
【0052】比較例7 実施例3と同じ3層構造の厚さ25μmのポリプロピレ
ンフィルムに、表1に示す樹脂組成物をTダイ工法で押
出しラミネートし、総厚み630μmの積層構造のシー
トを得た。次に、アルミニウム金型と砂型で鋳造し、#
100の砥石研磨で仕上げたアルミニウムプラグを使用
して、このシートを真空成形し容器底面と側面の角度が
8°である図1に示すような容器を得た。この容器の上
下方向の荷重と横方向の荷重に対する座屈強度と中心線
平均粗さを表1に示す。次に、この容器を用いて実施例
1と同様にして容器入り豆腐を製造した。その後、容器
を開封し逆さまにして豆腐を取り出したところ、豆腐は
型崩れし、一部は容器に付着したままであった。この容
器は、手で簡単に潰すことができた。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の樹脂容器は、ゲル状物を取り出
す際、内容物との実離れ性が良く型崩れせずに取り出せ
ることができ、ゲル状食品の容器として大変有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂容器の一実施形態の平面図及び正面図で
ある。
【図2】 座屈強度の測定方法を説明するための図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA08 AA10 BA13 BA15 BA16 BA22 BB04 BB05 BB08 DA08 DD01 FA02 FA04 GA03 3E035 AA15 AA20 BA02 BC02 BD02 CA04 3E096 AA01 BA30 CA06 CB03 EA02X FA27 GA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件(a)、(b)及び(c)の
    すべてを満たす樹脂容器。 (a)容器底面と側面のなす角度が4〜15° (b)容器の上下方向の荷重に対する座屈強度が0.1
    〜2kgで、横方向の荷重に対する座屈強度が2〜20
    kg (c)容器内面の表面粗さの中心線平均粗さ(Ra)が
    0.15〜4.00μm
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂とプ
    ロピレン系樹脂を含有する樹脂組成物からなる請求項1
    記載の樹脂容器。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂よりなる被覆層を1層以上
    有する積層構造からなる請求項1又は2記載の樹脂容
    器。
  4. 【請求項4】 内面層が、プロピレン系樹脂又はプロピ
    レン系樹脂、スチレン系樹脂及びエチレン系樹脂から選
    ばれる2以上からなる請求項1、2又は3記載の樹脂容
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100490018B1 (ko) * 2003-06-04 2005-05-17 씨제이 주식회사 두부의 포장 방법
JP2010076780A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 充填用容器及びそれを用いた固形製品の製造方法

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KR100490018B1 (ko) * 2003-06-04 2005-05-17 씨제이 주식회사 두부의 포장 방법
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