JP2000344169A - 自動二輪車の車体フレーム - Google Patents
自動二輪車の車体フレームInfo
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Abstract
な自動二輪車の車体フレームを提供する。 【解決手段】 車体フレーム1は、ステアリング軸13
を支持するヘッドパイプ部材2から後方へ延び、湾曲部
15で下方に湾曲してスイングアーム7のピボット軸6
を支持するスイングアームブラケット5に至るメインフ
レーム14を備える。前記湾曲部15は閉断面形状の横
断面を有し、溶接可能な中空の鋳造品によって形成され
ている。前記湾曲部15には、前記ヘッドパイプ部材2
に連結されるメインフレーム前部16と、前記スイング
アームブラケット5に連結されるメインフレーム後部1
7とが溶接される。
Description
タンクなどで覆って外部から見えないようにした車体フ
レーム、いわゆるアメリカンタイプの自動二輪車の車体
フレームに関するものである。
では、剛性、強度を得るために複数のパイプ材を主材と
して複雑に連結したパイプ構造とするとともに、ヘッド
パイプ回り、メインフレームの燃料タンク後部下方に相
当する湾曲部、スイングアームブラケット回り等、さら
に剛性および強度が要求される主要部に、補強ガセッ
ト,ブラケット類を多用している。
造の車体フレームの場合、溶接の面倒な箇所や溶接の長
い箇所が多く、製造工数が増大する。また、所要のねじ
り剛性を確保するために、1対のメインパイプの左右の
間隔を大きくしなければならないので、メインパイプの
上に跨がって装着される燃料タンクの容量がそれだけ小
さくなる。他方、メインフレームをモノコック構造とし
た車体フレームもあり(実用新案登録第2512877
号参照)、これによれば、補強ガゼット等の溶接は不要
になるが、大きな成形型が必要になり、製造コストが上
がるとともに、メインフレームを燃料タンクで覆うアメ
リカンタイプの自動二輪車では、燃料タンク容量が小さ
くなる。
で、所要の剛性を有しながら、製造が容易かつ安価な自
動二輪車の車体フレームを提供することを第1の目的と
し、また、燃料タンクの容量を大きくできる自動二輪車
の車体フレームを提供することを第2の目的とする。
に、請求項1の自動二輪車の車体フレームは、ステアリ
ング軸を支持するヘッドパイプ部材から後方へ延び、湾
曲部で下方に湾曲してスイングアームのピボット軸を支
持するスイングアームブラケットに至るメインフレーム
を備え、前記湾曲部が閉断面形状の横断面を有する溶接
可能な中空の鋳造品によって形成されており、前記湾曲
部に、前記ヘッドパイプ部材に連結されるメインフレー
ム前部と、前記スイングアームブラケットに連結される
メインフレーム後部とが溶接されている。この構成によ
れば、溶接可能な中空の鋳造品からなる湾曲部に、メイ
ンフレーム前部とメインフレーム後部とを溶接すること
により、ヘッドパイプ部材からスイングアームブラケッ
トに至るメインフレームを構成できるので、溶接工数を
大幅に低減できる。また、鋳造される湾曲部はメインフ
レームの一部であるから、鋳造型が小型で済むので、製
造コストが低い。
ステアリング軸を支持するヘッドパイプ部材から後方へ
延び、湾曲部で下方に湾曲してスイングアームのピボッ
ト軸を支持するスイングアームブラケットに至るメイン
フレームを備え、前記ヘッドパイプ部材と湾曲部とを連
結するメインフレーム前部が、閉断面形状の横断面を有
する中空形状であり、かつ、長手方向に沿った分割面で
分割された複数の分割体を溶接してなるものである。こ
の構成によれば、パイプ構成のメインフレームと、同じ
剛性を得るのに、パイプ構成の場合よりも軽量化が可能
となるとともに、メインフレームの横幅も小さくできる
ので、メインフレームを跨いで装着する燃料タンクの容
量をそれだけ増大させることができる。また、メインフ
レーム前部をプレス成形する場合でも、メインフレーム
全体をプレス成形するのに比べて、成形型が小型で済む
ので製造コストが低い。
請求項1または2の構成において、前記ヘッドパイプ部
材とスイングアームブラケットの少なくとも一方を、閉
断面形状の横断面を有する溶接可能な中空の鋳造品とし
ている。この構成によれば、ヘッドパイプ部材またはス
イングアームブラケットとメインフレームとを、補強用
ガゼットを要することなく、容易に溶接できる。
請求項2の構成において、前記メインフレーム前部が、
前端から湾曲部に向かって横幅が徐々に大きくなる形状
を有するものとしている。この構成によれば、スイング
アームブラケット周辺に向かうほど高い値が要求される
フレーム剛性を、容易に確保できる。
請求項2の構成において、前記メインフレーム前部が上
下に二分割されており、下側の分割体の下面に長手方向
に延びる凹部が形成されている。この構成によれば、メ
インフレームの上に跨がって装着される燃料タンクの容
量を小さくすることなく、メインフレーム前部とエンジ
ンとの間にハーネスやホース類を通すスペースを確保す
ることができる。
について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の
一実施形態である車体フレームを備えた自動二輪車の側
面図である。自動二輪車は、車体フレーム1の前端のヘ
ッドパイプ部材2に支持されたステアリング軸13(図
2)にフロントフォーク3を取り付け、このフロントフ
ォーク3に前車輪4を取り付け、車体フレーム1の中央
下部のスイングアームブラケット5にピボット軸6を介
して揺動自在に軸支されたスイングアーム7に後車輪8
を取り付け、車体フレーム1の前下部に取り付けたエン
ジン9で、図示しない動力伝達機構を介して後車輪8を
駆動するとともに、フロントフォーク3の上端部に固定
したハンドル10で操向するように構成されている。
け見えないように、車体フレーム1に支持される燃料タ
ンク23、シート35およびサイドカバー40によって
隠蔽する、いわゆるアメリカンタイプのフレームであっ
て、図2(A)に側面図で示すように、前記ヘッドパイ
プ部材2から後方へ延び、湾曲部15で下方に湾曲して
スイングアーム7(図1)のピボット軸6(図1)を支
持する左右2つのスイングアームブラケット5に至るメ
インフレーム14と、ヘッドパイプ部材2から下方へ延
び、前記スイングアームブラケット5に至る左右2本の
ダウンチューブ18と、前記メインフレーム14の湾曲
部15から後方へ延びる左右2本のパイプ製シートレー
ル19と、前記スイングアームブラケット5から後方へ
延び、連結部材21を介して前記シートレール19に連
結される左右2本のパイプ製補強メンバ20とを備え
る。
断面を有する溶接可能な中空の鋳造品からなり、フロン
トフォーク3に連結されたステアリング軸13を支持す
るヘッドパイプ2aと、前記メインフレーム前部16と
突き合わされるメインフレーム連結部2bと、前記ダウ
ンチューブ18の上端を差込み可能な下向きのソケット
2cとを有する。
5と、この湾曲部15と前記ヘッドパイプ部材2とを連
結するメインフレーム前部16と、前記スイングアーム
ブラケット5と前記湾曲部15とを連結するメインフレ
ーム後部17とから構成されている。メインフレーム前
部16の上面には燃料タンク23(図1)が装着され
る。なお、本実施形態では、V型2気筒エンジンの一例
を示している。
I −VII 線断面図である図7に示すように、長手方向に
沿った分割面で上下に二分割されたプレス成形品である
分割体16A,16Bを溶接して一体化した中空形状の
ものであり、下側の分割体16Bの下面には長手方向に
延びる凹部22が形成されている。このように、構成す
ることにより、従来のパイプ構成の左右1対のメインフ
レームの間隔に比べて、小さい横幅で、所要の剛性と強
度を得ることができ、軽量化も可能となる。また、この
ように横幅を小さくできるので、メインフレーム前部1
6の上面を跨いで図8に示すように装着される燃料タン
ク23の容量を大きくすることができる。
3に平面図で示すように、前端から湾曲部15に向かっ
て横幅が徐々に大きくなる形状とされている。これによ
り、スイングアームブラケット5周辺に向かうほど高い
値が要求されるフレーム剛性を、容易に確保できる。な
お、メインフレーム前部16を従来のパイプと同様な引
抜き成形で加工する場合、長手方向に同一幅となるの
で、上記のような平面テーパ状のメインフレーム前部1
6は得られない。
16の下面に形成される凹部22のために、エンジン9
のヘッド部とメインフレーム前部16との間にメインハ
ーネス33やエンジン補機用のホース34等を配線・配
管するためのスペースを容易に確保できる。これに対
し、角形パイプ材でメインフレーム前部16を構成する
場合には、このような凹部22を形成できないので、エ
ンジン9のヘッド部とメインフレーム前部16との間
や、メインフレーム前部16の側部にメインハーネス3
3やエンジン補機用のホース34等を配線・配管するス
ペースを確保しなければならないが、この場合には配管
・配線のスペースのために燃料タンク23の容量が小さ
くなる。
する溶接可能な中空の鋳造品からなる。ここで、横断面
とは、接続される各パイプ部材13,16,18の長手
方向と直交する断面をいう。湾曲部15は、図2(B)
の縦断面図に示すように、前記メインフレーム前部16
の後端のソケット16aに差込まれて、いわゆるインロ
ー嵌合される小径となった上向きの差込部15aと、前
記メインフレーム後部17の上端が差込まれる左右2つ
の下向きのソケット15bと、前記シートレール13の
前端が差込まれる左右2つの後ろ向きのソケット15c
とを有する。前記メインフレーム前部16と前記湾曲部
15とは、湾曲部15の上端の差込部15aをメインフ
レーム前部16の後端のソケット16aに差し込んでイ
ンロー嵌合した後で溶接することにより連結される。ま
た、前記メインフレーム前部16の前端も、前記ヘッド
パイプ部材2のメインフレーム連結部2bにインロー嵌
合して溶接することにより連結されている。
形状の横断面を有する溶接可能な中空の鋳造品からな
り、スイングアーム7のピボット軸6を図5(B)に示
すように支持する軸支孔26と、エンジン9(図1)の
後部を支持する上下2つのエンジンマウント27と、図
2(C)に縦断面図で示すように、前記メインフレーム
後部17の下端のソケット17aにインロー嵌合される
上向きの差込部5aと、図2(D)に縦断面図で示すよ
うに、前記補強メンバ20の下端のソケット20aにイ
ンロー嵌合される後ろ向きの差込部5bとを有する。な
お、左側のスイングアームブラケット5は、さらに図2
(E)に縦断面図で示すように、左側のダウンチューブ
18の後端のソケット18aにインロー嵌合される前向
きの差込部5cを有する。図2(A)に示す左右2つの
スイングアームブラケット5は、両ブラケットに跨がる
上下2本の補強パイプ28A,28B(図5(A))を
介して一体に連結されている。
ケット5とは、メインフレーム後部17の上端を前記湾
曲部15のソケット15bに差し込んで溶接するととも
に、メインフレーム後部17の下端のソケット17aに
スイングアームブラケット5の差込部5aを差し込んで
溶接することにより、メインフレーム後部17を介して
連結される。
の鋳造品で形成されているから、前記メインフレーム1
4は、湾曲部15にメインフレーム前部16とメインフ
レーム後部17を溶接することにより構成でき、しかも
湾曲部15の溶接部を溶接し易い形状に設計できるの
で、溶接工数を大幅に低減できる一方で、所要の剛性を
確保できる。さらに、鋳造品からなる湾曲部15には、
必要に応じて、シートレール19との接続部やその他の
補強ガセット類も溶接可能な部材として一体形成できる
ので、車体フレーム1の構成がより容易になる。
ングアームブラケット5も、閉断面形状の横断面を有
し、溶接可能な中空の鋳造品としていて、それらの溶接
部を溶接し易い形状に設計できるので、メインフレーム
14をヘッドパイプ部材2やスイングアームブラケット
5に容易に溶接でき、より一層溶接工数を低減できる。
さらに、鋳造品からなるヘッドパイプ部材2やスイング
アームブラケット5には、ラジエータの支持部2d(図
4)、エンジンマウント27等の他部品取付ブラケット
やその他の補強ガセット類も溶接可能な部材として一体
形成できるので、車体フレーム1の構成がより一層容易
になる。なお、ヘッドパイプ部材2およびスイングアー
ムブラケット5のうち、一方だけを前記鋳造品とした場
合でも、従来のパイプ構造の場合よりも、溶接工数を低
減できる。
ち、左側のダウンチューブ18は、その上端を前記ヘッ
ドパイプ部材2のソケット2cに差し込み、下端のソケ
ット18aに前記スイングアームブラケット5の差込部
5cを差し込んでインロー嵌合し溶接することにより、
ヘッドパイプ部材2とスイングアームブラケット5とに
連結される。これに対して、右側のダウンチューブ18
は、図3および図4に平面図および正面図で示すよう
に、前後2部材18A,18Bからなり、両部材18
A,18Bはボルト29Aで締付け固定して連結されて
いる。上部材18Aは、その上端を前記ヘッドパイプ部
材2のソケット2cに差し込んで溶接することによりヘ
ッドパイプ部材2に連結される。下部材18Bは、その
下端を対応する前記スイングアームブラケット5にボル
ト29Bで締付け固定されている。これにより、車体フ
レーム1へエンジン9(図1)を搭載するときに、右側
のダウンチューブ18の下部材18Bを、上部材18A
およびスイングアームブラケット5から外して、その搭
載作業を容易に行うことができる。なお、図2および図
3のダウンチューブ18に溶接された2eは、エンジン
取付用のブラケットである。
6の下側分割体16Bの下面には、閉断面形状の横断面
を有する溶接可能な中空の鋳造品からなるブラケット3
0が溶接されており、このブラケット30の左右2つの
ソケット30aに、図2(A)の左右2つの角形補強パ
イプ31の一端を差し込んでから溶接し、他端を、前記
ヘッドパイプ部材2に突き合わせ溶接することにより、
メインフレーム前部16とダウンチューブ18との結合
部近傍の補強が図られている。
ン11を支持する支軸12の軸支孔32と、左右2本の
シートレール19の後端をインロー嵌合される左右2つ
の前向きのソケット21aと、補強メンバ20の上端を
インロー嵌合される左右2つの下向きのソケット21b
とを有する。メインフレーム14の一部材である湾曲部
15のソケット15cにシートレール19の前端を差し
込んで溶接するともに、シートレール19の後端を前記
連結部材21のソケット21aに差し込んで溶接するこ
とにより、前記湾曲部15と連結部材21とがシートレ
ール19を介して連結される。左右2本のシートレール
19の上には運転者のシート35(図1)が装着され
る。
材21のソケット21bに差し込んで溶接するととも
に、補強メンバ20の下端のソケット20aに前記スイ
ングアームブラケット5の差込部5b(図2(D))を
差し込んでインロー嵌合してから溶接することにより、
スイングアームブラケット5と連結部材21とが、補強
メンバ20を介して連結される。左右2本の補強メンバ
20は、これら両メンバ間に跨がって溶接される補強パ
イプ36(図3)によって一体に連結されている。な
お、前記湾曲部15は、本発明の一実施形態では、図1
に示すように燃料タンク23とシート35の接続部近傍
に位置している。
自動二輪車の車体フレームによれば、メインフレームの
湾曲部が閉断面形状の横断面を有し、溶接可能な中空の
鋳造品によって形成されており、前記湾曲部に、前記ヘ
ッドパイプ部材に連結されるメインフレーム前部と、前
記スイングアームブラケットに連結されるメインフレー
ム後部とが溶接されているため、溶接工数を大幅に低減
できるとともに、鋳造型が小型で済むので、製造コスト
が低い。
の車体フレームによれば、メインフレーム前部が、中空
形状であり、かつ、長手方向に沿った分割面で分割され
た複数の分割体を溶接してなるものとしているため、パ
イプ構成のメインフレームと同じ剛性を得るのに、パイ
プ構成の場合よりも軽量化が可能となるとともに、メイ
ンフレームの幅寸法も小さくできるので、メインフレー
ムを跨いで装着する燃料タンクの容量をそれだけ増大さ
せることができる。また、メインフレーム前部をプレス
成形する場合でも、メインフレーム全体をプレス成形す
るのに比べて、成形型が小型で済むので、製造コストが
低い。
た自動二輪車を示す側面図である。
(E)は(A)におけるB〜E部の縦断面図である。
ボット軸の支持部を示す断面図である。
態を示す要部の横断面図である。
グアームブラケット、6…ピボット軸、13…ステアリ
ング軸、14…メインフレーム、15…湾曲部、16…
メインフレーム前部、16A,16B…分割体、17…
メインフレーム後部、22…凹部
Claims (5)
- 【請求項1】 ステアリング軸を支持するヘッドパイプ
部材から後方へ延び、湾曲部で下方に湾曲してスイング
アームのピボット軸を支持するスイングアームブラケッ
トに至るメインフレームを備え、 前記湾曲部が閉断面形状の横断面を有する溶接可能な中
空の鋳造品によって形成されており、 前記湾曲部に、前記ヘッドパイプ部材に連結されるメイ
ンフレーム前部と、前記スイングアームブラケットに連
結されるメインフレーム後部とが溶接されている自動二
輪車の車体フレーム。 - 【請求項2】 ステアリング軸を支持するヘッドパイプ
部材から後方へ延び、湾曲部で下方に湾曲してスイング
アームのピボット軸を支持するスイングアームブラケッ
トに至るメインフレームを備え、 前記ヘッドパイプ部材と湾曲部とを連結するメインフレ
ーム前部が、閉断面形状の横断面を有する中空形状であ
り、かつ、長手方向に沿った分割面で分割された複数の
分割体を溶接してなるものである自動二輪車の車体フレ
ーム。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記ヘッド
パイプ部材とスイングアームブラケットの少なくとも一
方が、閉断面形状の横断面を有する溶接可能な中空の鋳
造品である自動二輪車の車体フレーム。 - 【請求項4】 請求項2において、前記メインフレーム
前部が、前端から湾曲部に向かって横幅が徐々に大きく
なる形状を有している自動二輪車の車体フレーム。 - 【請求項5】 請求項2において、前記メインフレーム
前部は上下に二分割されており、下側の分割体の下面に
長手方向に延びる凹部が形成されている自動二輪車の車
体フレーム。
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- 1999-06-02 JP JP15487399A patent/JP4249331B2/ja not_active Expired - Fee Related
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