JP2000344114A - 車両用ステアリングコラムの支持装置及びその製造方法 - Google Patents

車両用ステアリングコラムの支持装置及びその製造方法

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    • B62D1/16Steering columns
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラケットに弾接する押圧部を備えたスライ
ディングプレートの弾性変形可能な部位を大きく設定す
る。 【解決手段】 ステアリングコラム1を車体7に支持す
るブラケット5が車体7に固定したスライディングプレ
ート6に嵌め込まれてその押圧部10がブラケット5に
弾接し、2次衝突時にはブラケット5がスライディング
プレート6から抜け出ることができるステアリングコラ
ム1である。スライディングプレート6の押圧部10は
それを形成するための切り込み線13の両基部15側に
透孔14を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用ステアリン
グコラムの支持装置、とりわけステアリングコラムのア
ッパーブラケットを車体に離脱可能に支持するためのス
ライディングプレート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のステアリングコラムは操向ハン
ドルの回転をステアリングギヤボックスに伝達するシャ
フトをコラムチューブに収納したものであるが、車両衝
突時に運転乗員が衝突して負傷するのを防止するため
に、ステアリングコラム全体が車体から離脱して運転乗
員の足元方向へ移動する構造としていることは周知であ
る。
【0003】すなわち、実開昭61−183259号公
報によれば、ステアリングコラムのコラムチューブに固
定された両翼形のブラケットにU字形の切欠部を運転乗
員側の辺縁に設けると共に、このブラケットの翼部の表
裏両面を挟持して弾接する断面U字形のスライディング
プレートを翼部の運転乗員側の辺縁に嵌め付け、このス
ライディングプレートには前記切欠部に対応してボルト
挿通孔が貫通して設けられ、かつ、このボルト挿通孔の
左右両側にブラケットに弾接する押圧部が形成されてい
る。このボルト挿通孔を挿通するボルトにてスライディ
ングプレートが車体に固定されることにより、ブラケッ
トを介してステアリングコラムが車体に離脱可能に支持
される。
【0004】したがって、スライディングプレートのブ
ラケットに弾接する押圧部は、車載時にはブラケットの
ガタを防止すると共に、車両衝突時にはブラケットが容
易に抜け出ることが必要であり、そのため押圧部を弾性
変形させることが必要である。つまり、ガタ防止のため
には強固に、ブラケットから抜けるためには弱く弾接す
ることが必要で、これを成立させるには部品のバラツキ
による押圧部の弾接荷重の変化を小さくしなければなら
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スライ
ディングプレートはステアリングコラムの支持剛性を確
保しなければならないため所定の板厚を有し、しかも、
押圧部はスライディングプレートにブラケットに弾接す
る押圧部をプレスにより打出成形するので、その押圧部
の基部は完全に分離することなく継がっているために、
基部は弾性変形ができない構造である。そのため、部品
のバラツキにより押圧部の弾接荷重が安定しないため、
ステアリングコラムにガタを生じたり、ブラケットの抜
け荷重が高くなる、などの問題が発生し易くなり、所要
の押圧部設定が難しいと言う設計上の不都合がある。
【0006】そこで、この発明はブラケットに弾接する
押圧面を備えたスライディングプレートの弾性変形可能
な部位を大きく設定することで押圧部に作用する荷重を
安定させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる車両用
ステアリングコラムの支持装置は、請求項1によれば、
ステアリングコラムを車体に支持するブラケットが車体
に固定したスライディングプレートに嵌め込まれてその
押圧部がブラケットに弾接し、2次衝突時には前記ブラ
ケットが前記スライディングプレートから抜け出ること
ができるステアリングコラムにおいて、前記スライディ
ングプレートにはその両側辺に沿って一対の透孔が穿設
され、この一対の透孔を結ぶ線上に切り込みが形成され
ると共に、この一対の透孔を結ぶ線と側辺との間の部分
を前記ブラケット側に突出して円弧状の押圧部が形成さ
れていることを特徴とする。
【0008】そして、この発明にかかる車両用ステアリ
ングコラムの支持装置の製造方法は、請求項2によれ
ば、スライディングプレートはその両側辺に沿って一対
の透孔を穿設し、この一対の透孔を結ぶ線と側辺との間
の部分を一側面側に押出成形して一対の透孔を結ぶ線上
に切り込みを形成すると共に、所定の突出距離を有する
円弧状の押圧部を形成することを特徴とする。
【0009】したがって、押圧部はその側辺が弾接部に
沿った部分と完全に切り離されているため、弾性変形す
る部分を大きく確保することができ、バラツキによる押
圧部の弾接荷重の変化を小さくすることができる。これ
により、押圧部によるブラケットの弾接荷重が安定する
ため、ブラケットのガタを防止できると共に、ブラケッ
トの抜け荷重を安定させることができ、ステアリングコ
ラムの支持装置の性能を向上さえることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図に
基づき説明する。図1及び図2に示すように、ステアリ
ングコラム1はステアリングシャフト2を軸中心で回転
自在に支承したコラムチューブ3の略中央部にディスタ
ンスブラケット4が結合され、このディスタンスブラケ
ット4をチルト調整可能に挟持するブラケット(アッパ
ー)5がスライディングプレート6を介して車体7に支
持固定される。コラムチューブ3の下端部には軸8を介
してブラケット(ロアー)9にて車体7に回動可能に支
持される。ディスタンスブラケット4とブラケット5を
貫通するチルトボルト20をチルトレバー21にて締付
け又は締付け解除し、ディスタンスブラケット4をチル
トボルト20が貫通するブラケット5の長孔(図示略)
に沿って上下方向へ移動させることによりチルト設定が
可能である。
【0011】スライディングプレート6は、ブラケット
5の両翼部5a,5aの運転乗員側に形成された略U字
形状の切欠部5b,5bを覆ってその両側縁部に弾接す
る押圧部10,10を有する断面略U字形の板状部材
で、図3〜図7に示すように、切欠部5bの上面側を覆
う略方形の弾接部6aの略中心部にフランジアップ部1
1を有するボルト挿通孔12が穿設され、このボルト挿
通孔12を挟んで左右両側辺にフランジアップ部11側
へ湾曲した押圧部10,10が形成されている。この弾
接部6aに巾狭の曲げ部6cを介して対面する側の摺接
部6bは、弾接部6aよりも長尺にしてボルト挿通孔1
2と対応するボルト挿通孔12aが穿設されている。
【0012】押圧部10は弾接部6aの両側縁部に沿っ
て透孔14,14をそれぞれ離間して形成し、かつ、そ
れらの透孔14,14を結ぶ切り込み線13を側辺に平
行に形成して側辺側部分を摺接部6b側に向けて円弧状
に湾曲して突出形成させたものである。したがって、押
圧部10は、その両端部側の基部15までが完全に弾接
部6aに沿った部分から分離しているため、押圧部10
が弾性変形し易くなり、弾接荷重が低くなると共に、ブ
ラケットの抜け荷重を安定させることができる。
【0013】この押圧部10は、図8に示すように、一
対の透孔14,14を両側辺に沿って形成した後に、こ
の透孔14,14を結ぶ線13から外側の両側辺を、肉
厚tと略等しい距離T2だけ突出するように湾曲して成
形する。すなわち、第1工程Aとして透孔14,14を
プレス等で穿設し、次に、第2工程Bとして透孔14,
14を結ぶ線13から外側の部分をプレスにより円弧状
に押出成形する。そのとき、十分に切断されない部分1
6が形成されないように、形成した突出量t2の略2倍
程度の距離T1を湾曲度を大きくして形成した後、第3
工程Cとして押圧部10の突出を得たい突出量t2とな
るように押し出すことで形成される。
【0014】この押圧部10の成形方法によれば、押圧
部10を弾性部6に沿った部分と完全に切り離すことが
可能となると共に、その成形を容易に行うことができ
る。また、押圧部10は全てプレスで成形することがで
きるため、フランジアップ部と同時に成形することも可
能である。
【0015】かくして、押圧部10はその側辺が弾接部
6aに沿った部分と完全に切り離されているため、押圧
部10の弾性変形可能部分をを大きくすることができ、
これにより押圧部10の弾接荷重を低くできると共に、
バラツキを小さくすることができ、ブラケットの抜け荷
重を安定させることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、押圧部
の弾性変形可能部分を大きく確保できるので、部品のバ
ラツキによる弾接荷重の変化を小さくすることができ
る。これにより、押圧部によるブラケットの弾接荷重を
安定させることができるため、ブラケットのガタを防止
すると共に、車両衝突時はブラケットを抜け易く設定す
ることができ、ステアリングコラムの支持装置としての
ガタ防止及び衝突性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施したステアリングコラムの平面
【図2】図1の側面図
【図3】スライデイングプレートの平面図
【図4】スライデイングプレートの背面図
【図5】スライディングプレートの側面図
【図6】スライディングプレートのa−a断面図
【図7】スライディングプレートのb−b断面図
【図8】スライディングプレートの製造工程の説明図
【符号の説明】
1…ステアリングコラム 2…ステアリングシャフト 3…コラムチューブ 4…ディスタンスブラケット 5…ブラケット 6…スライディングプレート 7…車体 10…押圧部 11…フランジアップ部 12,12a…ボルト挿通孔 14…透孔 15…基部 20…チルトボルト 21…チルトレバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングコラムを車体に支持するブ
    ラケットが車体に固定したスライディングプレートに嵌
    め込まれてその押圧部がブラケットに弾接し、2次衝突
    時には前記ブラケットが前記スライディングプレートか
    ら抜け出ることができるステアリングコラムにおいて、
    前記スライディングプレートにはその両側辺に沿って一
    対の透孔が穿設され、この一対の透孔を結ぶ線上に切り
    込みが形成されると共に、この一対の透孔を結ぶ線と側
    辺との間の部分を前記ブラケット側に突出して円弧状の
    押圧部が形成されていることを特徴とする車両用ステア
    リングコラムの支持装置。
  2. 【請求項2】 スライディングプレートはその両側辺に
    沿って一対の透孔を穿設し、この一対の透孔を結ぶ線と
    側辺との間の部分を一側面側に押出成形して一対の透孔
    を結ぶ線上に切り込みを形成すると共に、所定の突出距
    離を有する円弧状の押圧部を形成することを特徴とする
    車両用ステアリングコラムの支持装置の製造方法。
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