JP2000343708A - 液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、前記液体吐出ヘッド用基板の製造方法、及び前記液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、前記液体吐出ヘッド用基板の製造方法、及び前記液体吐出ヘッドの製造方法

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JP2000343708A JP15864899A JP15864899A JP2000343708A JP 2000343708 A JP2000343708 A JP 2000343708A JP 15864899 A JP15864899 A JP 15864899A JP 15864899 A JP15864899 A JP 15864899A JP 2000343708 A JP2000343708 A JP 2000343708A
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良行 今仲
Akihiro Yamanaka
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雅彦 久保田
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陽一 種谷
Shinji Watanabe
伸二 渡辺
Teruo Ozaki
照夫 尾▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出する液体の状態を精度よく検出すること
によって、安定した吐出を可能とする。 【解決手段】 発熱体2が設けられた素子基板1には、
流路側壁9が設けられた天板3が接合され、これにより
液流路7が構成される。素子基板1および天板3の前端
面には、液流路7と連通する吐出口5が開口したオリフ
ィスプレート4が接合されている。素子基板1には、液
流路7内の液体の温度等の状態を検出するためのセンサ
13が、素子基板1の表面から突出した立体構造部とし
て設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって所望の
液体を吐出する液体吐出ヘッド及びその製造方法に関
し、特に、熱エネルギーを発生させるための熱エネルギ
ー発生素子等が形成された基板及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特
許第4,723,129号明細書等の公報に開示されてい
るように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出
口に連通するインク流路と、インク流路内に配されたイ
ンクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気
熱変換体が一般的に配されている。
【0003】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができるとともに、こ
の記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐
出口を高密度に配置することができるため、小型の装置
で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得
ることができるという多くの優れた点を有している。こ
のため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリン
タ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0004】ところで、インクを吐出するためのエネル
ギーを発生させるための電気熱変換体は、半導体製造プ
ロセスを用いて作製することができる。そのため、バブ
ルジェット技術を利用した従来のヘッドは、シリコン基
板からなる素子基板上に電気熱変換体を形成し、その上
に、インク流路を形成するための溝を形成した、ポリサ
ルフォン等の樹脂やガラス等からなる天板を接合した構
成となっている。
【0005】また、素子基板がシリコン基板からなるこ
とを利用し、電気熱変換体を素子基板上に構成するだけ
でなく、電気熱変換体を駆動するためのドライバや、電
気熱変換体をヘッドの温度に応じて制御する際に用いら
れる温度センサおよびその駆動制御部等を素子基板上に
構成したものもある(特開平7−52387号公報
等)。このようにドライバや温度センサおよびその駆動
制御部等を素子基板上に構成したヘッドは実用に供され
ており、記録ヘッドの信頼性の向上及び装置の小型化に
寄与している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】素子基板に温度センサ
を設けた従来の液体吐出ヘッドでは、温度センサは主に
素子基板の温度を測定することが目的であった。しか
し、近年の高密度記録が進む中、1回で吐出されるイン
クの量はますます少なくなり、基板の温度よりもインク
自身の温度や濃度等の状態あるいは種類が記録に与える
影響が大きくなってきた。つまり、吐出量が少なくなる
につれて、従来では大きな問題とはならなかったような
インクの状態等に起因する吐出量の差が、吐出量のばら
つきとして目立つようになってきた。
【0007】このような状況の中、従来の液体吐出ヘッ
ドの温度センサの配置では、より正確なインクの状態等
を検出することが困難であった。その理由は、従来の液
体吐出ヘッドの温度センサは、電気熱変換体、駆動制御
部とともに、半導体ウェハプロセス技術を用いて素子基
板の表面に平面的に形成されていたものであるが、素子
基板の表面近傍は、インクの流れが淀み易く、また、電
気熱変換体からの熱の影響により大きな温度勾配をもつ
ためであると考えられる。
【0008】本発明の目的は、吐出する液体の状態を精
度よく検出することによって、安定した吐出を可能とす
る液体吐出ヘッド、及びそれに用いられる液体吐出ヘッ
ド用基板、さらには、それらの製造方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の液体吐出ヘッド用基板は、液体に吐出エネルギ
ーを与えることにより液体を吐出させる液体吐出ヘッド
に用いられ、電気エネルギーを前記吐出エネルギーに変
換するためのエネルギー変換素子が形成された半導体基
板を有する液体吐出ヘッド用基板において、前記液体吐
出ヘッド内での液体の状態を検出するためのセンサが、
前記半導体基板の前記エネルギー変換素子が形成された
面から突出した立体構造部として設けられていることを
特徴とする。
【0010】上記の本発明の液体吐出ヘッド用基板によ
れば、液体の状態を検出するためのセンサが、立体構造
部として設けられているので、液体吐出ヘッドに使用さ
れたとき、基板との境界部での液体の流れの影響やエネ
ルギー発生素子が発する熱の影響が少ない状態で液体の
状態が検出される。
【0011】本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出す
る複数の吐出口と、互いに接合されることでそれぞれ前
記吐出口と連通する複数の液流路を構成するための第1
の基板および第2の基板と、電気エネルギーを前記液流
路内の液体の吐出エネルギーに変換するために前記各液
流路内に配された複数のエネルギー変換素子とを有する
液体吐出ヘッドにおいて、前記液流路に、液体の状態を
検出するためのセンサが、前記液流路の壁面から突出し
た立体構造部として設けられていることを特徴とする。
【0012】上記の本発明の液体吐出ヘッドによれば、
液体の状態を検出するためのセンサが、液流路に立体構
造部として設けられているので、液流路の壁面との境界
部での液体の流れの影響やエネルギー発生素子が発する
熱の影響が少ない状態で液体の状態が検出される。
【0013】上記センサは、第1の基板に設けられてい
てもよいし、第2の基板に設けられていてもよい。ま
た、液体の吐出効率の向上のために、エネルギー変換素
子が、液体に熱エネルギーを作用させることで液体に気
泡を発生させるものであり、このエネルギー発生素子に
対面して配され、気泡によって変位する可動部材を有す
る場合には、この可動部材を立体構造として利用しても
よい。
【0014】本発明の液体吐出装置は、上記本発明の液
体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドから液体を吐出さ
せるための駆動信号を前記液体吐出ヘッドに供給する駆
動信号供給手段、または、この液体吐出ヘッドから吐出
された液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬
送手段とを有する。
【0015】本発明の液体吐出ヘッド用基板の製造方法
は、液体に吐出エネルギーを与えることにより液体を吐
出させる液体吐出ヘッドに用いられ、電気エネルギーを
前記吐出エネルギーに変換するためのエネルギー変換素
子とが形成された半導体基板を有する液体吐出ヘッド用
基板の製造方法において、前記半導体基板上に、半導体
材料を含む基材層を所定のパターンで形成する工程と、
前記基材層上に、検出すべき液体の状態に応じて電気的
特性が変化する検出部、及び前記検出部を前記半導体基
板に形成された電気回路と電気的に接続する配線を形成
する工程と、前記検出部及び前記配線が形成された基材
層上に、前記配線を保護するための、半導体材料を含む
保護層を形成する工程とを有する。
【0016】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液
体を吐出する複数の吐出口と、互いに接合されることで
それぞれ前記吐出口と連通する複数の液流路を構成する
ための第1の基板および第2の基板と、電気エネルギー
を前記液流路内の液体の吐出エネルギーに変換するため
に前記各液流路内に配された複数のエネルギー変換素子
とを有する液体吐出ヘッドの製造方法において、前記第
1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方に、検出
すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する検出
部、及び前記検出部に電気的に接続する配線を形成する
工程と、前記検出部及び前記配線が形成された基材層上
に、前記配線を保護するための、半導体材料を含む保護
層を形成する工程とを有する。
【0017】上記の製造方法によれば、フォトリソグラ
フィ技術を用いて本発明の液体吐出ヘッド用基板及び液
体吐出ヘッドを、容易に製造することができる。
【0018】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(または可動
部材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関し
て、またはこの構成上の方向に関しての表現として用い
られる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明に適用可能な一実施
形態として、液体を吐出する複数の吐出口と、互いに接
合されることでそれぞれ吐出口と連通する複数の液流路
を構成するための第1の基板および第2の基板と、電気
エネルギーを液流路内の液体の吐出エネルギーに変換す
るために各液流路内に配された複数のエネルギー変換素
子と、エネルギー変換素子の駆動条件を制御するため
の、機能が異なる複数の素子あるいは電気回路とを有
し、上記素子あるいは電気回路がその機能に応じて第1
の基板と第2の基板とに振り分けられている液体吐出ヘ
ッドの説明を行う。
【0020】図1は、本発明の一実施形態である液体吐
出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【0021】図1に示すように、この液体吐出ヘッド
は、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与え
る複数個(図1では1つのみ示す)の発熱体2が並列に
設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合され
た天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合さ
れたオリフィスプレート4とを有する。天板3には、各
発熱体2に対応する位置にそれぞれ溝が形成されてお
り、素子基板1と天板3とが接合されることで、各発熱
体2にそれぞれ対応する液流路7が形成される。
【0022】素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁
および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリ
コン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵
抗層および配線をパターニングしたものである。この配
線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を
流すことで発熱体2が発熱する。
【0023】天板3は、各発熱体2に対応した複数の液
流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液
室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2
の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天
板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共
通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコ
ン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコ
ン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積し
た後、液流路7の部分をエッチングして形成することが
できる。
【0024】オリフィスプレート4には、各液流路7に
対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する
複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート
4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐
出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度
の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィス
プレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、
オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流
路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレー
ト4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成
することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0025】上記構成に基づき、発熱体2を発熱させる
と、液流路7内の発熱体2と対面する領域である気泡発
生領域10の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上
に膜沸騰現象に基づく気泡が発生し、成長する。この気
泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口
5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0026】一方、気泡が消泡工程に入ると、気泡発生
領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出さ
れた液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液
室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填
(リフィル)が行われる。
【0027】また、本実施形態の液体吐出ヘッドは、発
熱体2を駆動したりその駆動を制御するための回路や素
子を有する。これら回路や素子は、その機能に応じて素
子基板1または天板3に分担して配置されている。ま
た、これら回路や素子は、素子基板1および天板3がシ
リコン材料で構成されていることから、半導体ウェハプ
ロセス技術を用いて容易かつ微細に形成することができ
る。
【0028】以下に、半導体ウェハプロセス技術を用い
て形成された素子基板1の構造について説明する。
【0029】図2は、図1に示す液体吐出ヘッドに用い
られる素子基板の要部の断面図である。図2に示すよう
に、本実施形態の液体吐出ヘッドに用いられる素子基板
1では、シリコン基板301の表面に、蓄熱層としての
熱酸化膜302および、蓄熱層を兼ねる層間膜303が
この順番で積層されている。層間膜303としては、S
iO2膜またはSi34膜が用いられている。層間膜3
03の表面に部分的に抵抗層304が形成され、抵抗層
304の表面に部分的に配線305が形成されている。
配線305としては、Alまたは、Al−Si,Al−
CuなどのAl合金配線が用いられている。この配線3
05、抵抗層304および層間膜303の表面に、Si
2膜またはSi34膜から成る保護膜306が形成さ
れている。保護膜306の表面の、抵抗層304に対応
する部分およびその周囲には、抵抗層304の発熱に伴
う化学的および物理的な衝撃から保護膜306を守るた
めの耐キャビテーション膜307が形成されている。抵
抗層304表面の、配線305が形成されていない領域
は、抵抗層304の熱が作用する部分となる熱作用部3
08である。
【0030】この素子基板1上の膜は半導体の製造技術
によりシリコン基板301の表面に順に形成され、シリ
コン基板301に熱作用部308が備えられている。
【0031】図3は、図2に示す素子基板1の主要素子
を縦断するように素子基板1を切断した模式的断面図で
ある。
【0032】図3に示すように、P導電体であるシリコ
ン基板301の表層にはN型ウェル領域422およびP
型ウェル領域423が部分的に備えられている。そし
て、一般的なMosプロセスを用いてイオンプラテーシ
ョンなどの不純物導入および拡散によって、N型ウェル
領域422にP−Mos420が、P型ウェル領域42
3にN−Mos421が備えられている。P−Mos4
20は、N型ウェル領域422の表層に部分的にN型あ
るいはP型の不純物を導入してなるソース領域425お
よびドレイン領域426や、N型ウェル領域422の、
ソース領域425およびドレイン領域426を除く部分
の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積
されたゲート配線435などから構成されている。ま
た、N−Mos421は、P型ウェル領域423の表層
に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソ
ース領域425およびドレイン領域426や、P型ウェ
ル領域423の、ソース領域425およびドレイン領域
426を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜4
28を介して堆積されたゲート配線435などから構成
されている。ゲート配線435は、CVD法により堆積
した厚さ4000Å〜5000Åのポリシリコンから成
るものである。これらのP−Mos420およびN−M
os421からC−Mosロジックが構成されている。
【0033】P型ウェル領域423の、N−Mos42
1と異なる部分には、電気熱変換素子駆動用のN−Mo
sトランジスタ430が備えられている。N−Mosト
ランジスタ430も、不純物導入および拡散などの工程
によりP型ウェル領域423の表層に部分的に備えられ
たソース領域432およびドレイン領域431や、P型
ウェル領域423の、ソース領域432およびドレイン
領域431を除く部分の表面にゲート絶縁膜428を介
して堆積されたゲート配線433などから構成されてい
る。
【0034】本実施形態では、電気熱変換素子駆動用の
トランジスタとしてN−Mosトランジスタ430を用
いたが、複数の電気熱変換素子を個別に駆動できる能力
を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることが
できるトランジスタであれば、このトランジスタに限ら
れない。
【0035】P−Mos420とN−Mos421との
間や、N−Mos421とN−Mosトランジスタ43
0との間などの各素子間には、5000Å〜10000
Åの厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域424
が形成されており、その酸化膜分離領域424によって
各素子が分離されている。酸化膜分離領域424の、熱
作用部308に対応する部分は、シリコン基板301の
表面側から見て一層目の蓄熱層434としての役割を果
たす。
【0036】P−Mos420、N−Mos421およ
びN−Mosトランジスタ430の各素子の表面には、
厚さ約7000ÅのPSG膜またはBPSG膜などから
成る層間絶縁膜436がCVD法により形成されてい
る。熱処理により層間絶縁膜436を平坦化した後に、
層間絶縁膜436およびゲート絶縁膜428を貫通する
コンタクトホールを介して第1の配線層となるAl電極
437により配線が行われている。層間絶縁膜436お
よびAl電極437の表面には、厚さ10000Å〜1
5000ÅのSiO2膜から成る層間絶縁膜438がプ
ラズマCVD法により形成されている。層間絶縁膜43
8の表面の、熱作用部308およびN−Mosトランジ
スタ430に対応する部分には、厚さ約1000ÅのT
aN0.8,he x膜から成る抵抗層304がDCスパッタ法
により形成されている。抵抗層304は、層間絶縁膜4
38に形成されたスルーホールを介してドレイン領域4
31の近傍のAl電極437と電気的に接続されてい
る。抵抗層304の表面には、各電気熱変換素子への配
線となる第2の配線層としての、Alの配線305が形
成されている。
【0037】配線305、抵抗層304および層間絶縁
膜438の表面の保護膜306は、プラズマCVD法に
より形成された厚さ10000ÅのSi34膜から成る
ものである。保護膜306の表面に形成された耐キャビ
テーション膜307は、厚さ約2500ÅのTaなどの
膜から成るものである。
【0038】次に、素子基板1および天板3への回路や
素子の振り分け構成について説明する。
【0039】図4は、図1に示した液体吐出ヘッドの回
路構成を説明するための図であり、同図(a)は素子基
板の平面図、同図(b)は天板の平面図である。なお、
図4(a)および(b)は、互いの対向面を表わしてい
る。
【0040】図4(a)に示すように、素子基板1に
は、並列に配列された複数の発熱体2と、画像データに
応じてこれら発熱体2を駆動するドライバ11と、入力
された画像データをドライバ11に出力する画像データ
転送部12と、発熱体2の駆動条件を制御するために必
要な、液体の状態または特性を検出するセンサ13とが
設けられている。本実施形態では、センサ13は、液流
路7ごとの液体の状態または特性を検出するために、各
発熱体2に対応して液流路7ごとに設けられている。
【0041】画像データ転送部12は、シリアルに入力
される画像データを各ドライバ11にパラレルに出力す
るシフトレジスタ、およびシフトレジスタから出力され
るデータを一時記憶するラッチ回路で構成される。な
お、画像データ転送部12は、各発熱体2に個別に対応
して画像データを出力するものでもよいし、発熱体2の
並びを複数のブロックに分け、ブロック単位に対応して
画像データを出力するものでもよい。特に、1つのヘッ
ドについて複数のシフトレジスタを備え、記録装置から
のデータの転送を複数のシフトレジスタに振り分けて入
力するようにすることで、印字速度の高速化に容易に対
応することもできる。
【0042】センサ13としては、詳しくは後述する
が、液体の状態または特性として、液体の温度の変化、
液体の圧力、液体中に含まれる成分、または液体の水素
イオン濃度指数(PH)等を検出するセンサが用いられ
る。
【0043】一方、図4(b)に示すように、天板3に
は、前述したように液流路および共通液室を構成する溝
3a,3bが形成される他に、素子基板1に設けられた
センサ13を駆動するセンサ駆動部17と、センサ駆動
部17により駆動されたセンサからの出力結果に基づい
て発熱体2の駆動条件を制御する発熱体制御部16とが
設けられている。なお、天板3には、外部から共通液室
に液体を供給するために、共通液室に連通した供給口3
cが開口している。
【0044】さらに、素子基板1および天板3の接合面
の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基板1に形
成された回路等と天板3に形成された回路等とを電気的
に接続するための接続用コンタクトパッド14,18が
設けられている。また、素子基板1には、外部からの電
気信号の入力端子となる外部コンタクトパッド15が設
けられている。素子基板1の大きさは天板3の大きさよ
りも大きく、外部コンタクトパッド15は、素子基板1
と天板3とを接合したときに天板3から露出する位置に
設けられている。
【0045】上記のように構成された素子基板1と天板
3とを位置合わせして接合すると、各液流路に対応して
発熱体2が配置されるとともに、それぞれの接続用パッ
ド14,18を介して素子基板1および天板3に形成さ
れた回路等が電気的に接続される。この電気的接続は例
えば、接続用パッド14,18に金バンプ等を載せて行
う方法があるが、それ以外の方法でもよい。このよう
に、素子基板1と天板3との電気的接続を接続用コンタ
クトパッド14,18によって行うことで、素子基板1
と天板3との接合と同時に、上述した回路同士の電気的
接続を行うことができる。素子基板1と天板3との接合
後に、液流路7の先端にオリフィスプレート4を接合
し、これにより液体吐出ヘッドが完成する。
【0046】このようにして得られた液体吐出ヘッドを
ヘッドカートリッジや液体吐出装置に搭載する場合に
は、図5に示すように、プリント配線基板23が搭載さ
れたベース基板22上に固定し、液体吐出ヘッドユニッ
ト20とされる。図5において、プリント配線基板23
には、液体吐出装置のヘッド制御部と電気的に接続され
る複数の配線パターン24が設けられ、これら配線パタ
ーン24は、ボンディングワイヤー25を介して外部コ
ンタクトパッド15と電気的に接続される。外部コンタ
クトパッド15は素子基板1のみに設けられているの
で、液体吐出ヘッド21と外部との電気的接続は、従来
の液体吐出ヘッドと同様にして行うことができる。ここ
では、外部コンタクトパッド15を素子基板1に設けた
例について説明したが、素子基板1ではなく天板3のみ
に設けてもよい。
【0047】以上説明したように、発熱体2の駆動や制
御のための各種回路等を素子基板1と天板3とに両者の
電気的接合を考慮した上で振り分けることで、これらの
回路等が1つの基板に集中しなくなるので、液体吐出ヘ
ッドの小型化が可能になる。また、素子基板1に設けら
れた回路等と天板3に設けられた回路等との電気的接続
を接続用コンタクトパッド14,18によって行うこと
で、ヘッド外部への電気的接続部の数が減り、信頼性の
向上、部品点数の削減、ヘッドのより一層の小型化を実
現することができる。
【0048】また、上述した回路等を素子基板1と天板
3とに分散させることで、素子基板1の歩留まりを向上
させることができ、その結果、液体吐出ヘッドの製造コ
ストを下げることができる。さらに、素子基板1および
天板3を、シリコンという同一材料をベースとした材料
で構成しているため、素子基板1と天板3との熱膨張係
数が等しくなる。その結果、発熱体2の駆動により素子
基板1および天板3が熱膨張しても両者にずれは生じな
くなり、発熱体2と液流路7との位置精度が良好に維持
される。
【0049】ここで、本発明の大きな特徴の一つであ
る、センサ13に関する事項及び本発明の適用例につい
て詳細に説明する。
【0050】(1)センサの形態 図1にも簡単に示しているが、センサ13は、素子基板
1の表面から突出した位置に設けられている。本発明で
用いられるセンサの形態には、その代表的な例として、
単体検出部型と、基準電極ペア型とが挙げられる。単体
検出部型とは、検出すべき液体の状態等に応じて電気抵
抗あるいは電圧が変化する検出部を有するものである。
単体検出部型のセンサとしては、温度センサ、圧力セン
サ等がある。基準電極ペア型とは、上記の検出部に加
え、検出すべき液体の状態等に対して変化しない、基準
となる電極を設けたものである。基準電極ペア型のセン
サとしては、インク中のPHを検出するセンサ、インク
中の成分を検出するセンサ等がある。
【0051】(1a)単体検出部型のセンサ 図6に、本発明に適用可能な単体検出部型のセンサの一
例の模式的拡大図を示す。
【0052】図6に示すように、センサ13は、素子基
板1から液流路7中に突出した立体構造部131と、立
体構造部131に設けられた検出部132と、検出部1
32と素子基板1の配線(不図示)とを接続する配線1
33とを有する。これら立体構造部131、検出部13
2、及び配線133は、前述のようにして素子基板1に
回路等を形成した後、半導体素子製造プロセスのリソグ
ラフィ技術を用いて素子基板1上に形成される。
【0053】立体構造部131は、素子基板1から突出
した支柱131aと、この支柱の上端部に素子基板1の
上面に沿ってカンチレバー状に支持された梁131bと
で構成される。検出部132は、液体の検出する対象と
なる状態等に応じて電気的な特性や状態が変化する材料
からなり、立体構造部131の梁131bの部分に配置
されている。このような構成をとることより、検出部1
32の位置は素子基板1の表面から離れた位置となる。
また、検出部132が設けられた部分は周囲の大半が液
体で囲まれており、一面すなわち一方向だけでなく複数
の方向で液体と接触し、素子基板1の表面に直接設けら
れた場合と比較して大きな面積で液体と接触している。
【0054】次に、素子基板1へのセンサ13の形成方
法の一例について、温度により電気抵抗値が変化する測
温抵抗体を用いた温度センサを形成する場合を例に挙げ
て、図7を参照して説明する。
【0055】まず、図7(a)に示すように、機能素子
や回路等が形成された素子基板1上に、Alを約1μm
の厚さでスパッタリング法で成膜した後、フォトリソグ
ラフィ法及びドライエッチングによって所定の形状にパ
ターニングし、電極135を形成する。さらに、電極1
35が形成された素子基板1上に電極保護層136とし
て、SiN膜をCVD法を用いて約1μmの厚さに形成
する。なお、図面上は電極135は1本しか描かれてい
ないが、1つのセンサに対して電極135は図面の奥行
き方向に2本並んで形成される。また、図面には示して
いないが、この電極保護層136の表面にさらに、耐キ
ャビテーション膜としてTa膜を形成するのが望まし
い。
【0056】次いで、素子基板1と図6に示した梁13
1bとの間の間隙を形成するために、図7(b)に示す
ように、スパッタリング法によりAlを数〜十数μmの
厚さに形成した後、フォトリソグラフィ法及びドライエ
ッチングによって所定の形状にパターニングし、犠牲層
としての間隙形成部材137を形成する。
【0057】この間隙形成部材137は、後述するよう
にドライエッチングにより立体構造部131を形成する
際のエッチングストップ層として機能する。これは、素
子基板1における耐キャビテーション膜としてのTa膜
や電極保護層136が、液流路7を形成するために使用
するエッチングガスによりエッチングされてしまうから
であり、それらの層や膜のエッチングを防止するため
に、このような間隙形成部材137を素子基板1上に形
成する。これにより、後述のドライエッチングによる素
子基板1内の機能素子の損傷が防止される。
【0058】そして、図7(c)に示すように、電極保
護層136及び間隙形成部材137を覆って、立体構造
131(図6参照)の基材層としてSiN膜138を形
成し、これを、間隙形成部材137が形成された部位と
されていない部位とを跨る位置で立体構造部131の平
面形状にパターニングする。さらに、SiN膜138
の、立体構造部131の支柱131a(図6参照)とな
る部分に、電極135に対応するスルーホール138a
を形成し、電極135を露出させる。
【0059】次いで、図7(d)に示すように、SiN
膜138上に、スパッタリング法、フォトリソグラフィ
法及びドライエッチングにより、Alからなる配線13
3をパターニング形成する。この配線133は素子基板
1上に設けられた電極135に対応して図面の奥行き方
向に2本並んで形成され、それぞれスルーホール138
aを介して電極135と接続される。そして、この2本
の配線139を跨ぐように、測温抵抗体140をパター
ニング形成する。この測温抵抗体140が、図6に示し
た検出部132として作用する。
【0060】次いで、図7(e)に示すように、上記の
全ての構成を覆って、配線139を保護する保護層とし
てSiN膜141を形成し、これを立体構造部131の
平面形状にパターニングする。最後に、間隙形成部材1
37をウェットエッチングによって除去する。
【0061】これによって、SiN膜138,141か
らなる立体構造部131に、配線133、及び測温抵抗
体140からなる検出部132が設けられたセンサ13
を、素子基板1上に容易に形成することができる。
【0062】素子基板1の表面から検出部132までの
高さは、素子基板1から梁131bまでの位置、すなわ
ち間隙形成部材137の厚さによって決定される。例え
ば、液体吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッドとして
用いた場合、梁131bの位置が素子基板1の表面から
数〜十数μmの範囲であれば、後述するようなフレッシ
ュな状態の液体を検出の対象とすることができる。な
お、この梁131bの位置は、間隙形成部材137の厚
さを変更して任意に設定することができる。
【0063】前述したように、本実施形態の液体吐出ヘ
ッドは、発熱体2を駆動したりその駆動を制御するため
の回路や機能素子が、その機能に応じて素子基板1と天
板3とに振り分けられている。センサ13により液流路
7内での液体の状態を調べたい場合、液体の状態は、素
子基板1や天板3に設けられた回路等から発生する熱の
影響を受ける。特に素子基板1には発熱体2が設けられ
ているので、センサ13が素子基板1に設けられている
場合には、インクの状態に与える影響は大きい。また、
素子基板1の表面や天板3の表面の近傍では、液体の粘
性により、他の領域に比べて液体の流れが小さくなって
いる。
【0064】そこで、センサ13を立体構造部131に
設け、素子基板1の表面から離れた部位で、また、周囲
の大部分を液体に囲まれた状態で液体の状態を検出する
ことで、素子基板1や天板3の熱の影響を受け難く、滞
留していないフレッシュな状態の液体を検出の対象とす
ることができる。これにより、素子基板1の表面で液体
の状態を検出する場合に比べて、より高精度に液体の状
態を検出することができる。また特に本実施形態では、
立体構造部131は、支柱131aと梁131bとで構
成されており、素子基板1と接している面積が小さくな
っているので、素子基板1上で発生したノイズの影響を
低減することもできる。
【0065】(1b)基準電極ペア型のセンサ 液体中のイオン、分子等と応答して液体との界面の電圧
が変化することを利用して、液体のPH等を検出する構
成の場合、検出の対象となる液体のイオン、分子等に電
圧が変化しない電極が必要となる。そのような場合に、
基準電極ペア型のセンサが用いられる。
【0066】図8に、本発明に適用可能な基準電極ペア
型のセンサの一例の模式的拡大図を示す。なお、図8に
おいて図6と同一の構成部分については図6と同一の符
号を付している。
【0067】図8に示すように、このセンサ13’は、
接触している液体の検出対象となる成分に応じた電圧を
発生しそれを検出する部材からなる検出部132aと、
接触している液体の検出対象となる成分に対して電圧が
変化しない、あるいは検出部132aと異なる電圧を発
生する部材からなる基準部132bとを有する。検出部
132a及び基準部133aは、素子基板1の表面から
突出した立体構造部131の梁131bに配置されてお
り、それぞれ配線133a,133bを介して素子基板
1の配線(不図示)と接続されている。また、梁131
bには検出部132a及び基準部132bに対応する位
置にそれぞれ開口131c,131dが設けられてお
り、検出部132a及び基準部132bの上面の一部が
露出している。
【0068】このようなセンサ13’の構造は、単体検
出部型のセンサと同様に、半導体素子製造プロセスを用
いて製造することができる。この場合、検出部132a
及び基準部132bの上面の開口131c,131d
は、例えば、図7に示したような手順でセンサ13’を
形成するとすれば、図7(e)に示した工程の後に、S
iN膜141をフォトリソグラフィ法及びエッチングに
より所定の形状に除去することで形成することができ
る。
【0069】詳しくは後述するが、このように検出部1
32a及び基準部132bを設けることで、液体を介し
ての、検出部132aと基準部132bとの間の電位差
を検出することにより、液体のPHなどを検出すること
ができる。
【0070】図8に示した基準電極ペア型のセンサ1
3’においても、前述した単体検出部型のセンサと同様
に、検出部132a及び基準部132bが立体構造部1
31に設けられているので、液体の成分等を、素子基板
1の表面で検出する場合に比べて、より高精度に検出す
ることができるとともに、素子基板1上で発生したノイ
ズの影響を低減することができる。
【0071】以上、本発明に適用可能なセンサの形態に
ついて2つの代表的な形態を例に挙げて説明したが、立
体構造部131の形状は、検出部が素子基板1の表面か
ら離れた位置にあり、一面だけでなく複数の面がインク
に囲まれるような形状であれば、図6や図8に示したも
のに限られるものではなく、例えば立方体形状であって
もよい。
【0072】特に、図6や図8に示したような形状は、
梁131bの上面及び下面が液体と接触し、液体との接
触面積を大きくするという点では好ましいものである
が、このように梁131bを有する形状とした場合であ
っても、液流路7中における梁131bの向きは図1に
示したものに限定されない。例えば、図1に示した配置
においては、梁131bの先端部を液体の流れ方向に関
して下流側に向けているが、図9に示すような配置であ
ってもよい。
【0073】図9に示す例では、立体構造部131’の
形状は図6等に示したものと同じであるが、支柱131
a’は液流路7の幅方向の中心に対してオフセットして
設けられ、梁131b’は、支柱131a’での支持部
から液流路7の幅方向と平行に延びて形成されている。
なお、図9では示していないが、図6に示した検出部1
32、あるいは図8に示した検出部132a,基準部1
32bは、梁131b’の部分に形成されている。この
ように立体構造部131’を配置することで、センサを
立体構造としても、センサによって液流路7内での液体
の流れが阻害されることを抑えることができる。図9に
示す立体構造部131’も、その形成に際して間隙形成
部材やSiN膜等のパターニング形状を変えることによ
って、図7に示したのと同じ方法で形成することができ
る。
【0074】また、センサが設けられる部材について
も、上述した例では素子基板1に設けた例を示したが、
天板3に設けても構わない。天板3が半導体基板からな
るものであれば、センサを天板3に設ける場合でも、半
導体ウェハプロセスを用いてセンサを形成することがで
きる。
【0075】(2)センサの種類 本発明では液体の状態等を検出するセンサが用いられる
が、本発明で用いられるセンサの代表的な種類につい
て、図1等を参照しつつ説明する。
【0076】(2a)液体の温度の変化を検出する場合 吐出特性に影響を及ぼす液体の状態の一つに液体の粘性
がある。液体の粘性は、吐出する液体の種類によって異
なり、また、水分の蒸発等によっても経時的に変化す
る。従って、微小量の液体の吐出においては液体の粘性
も大きく影響し、安定した吐出のためには、液体吐出ヘ
ッドの駆動条件を液体の種類や経時的な変化に応じて制
御する必要がある。
【0077】液体の粘性を推測する目安の一つが液体の
温度である。液体の温度を活用して吐出制御を行う場合
は、発熱部分の影響を最小限にするのが望ましい。前述
したように、素子基板1や天板3は様々な機能素子を有
し、発熱体2を駆動しているときはもちろんであるが、
駆動していないときでもこれらの機能素子は少なからず
電力を消費しており、熱を発生している。そのため、素
子基板1や天板3の表面との境界部での液体の温度は、
吐出される液体の大部分の温度よりも高くなっている。
従って、吐出される液体の粘性を知るためには、素子基
板1や天板3の表面から離れた位置で温度を検出するの
が望ましい。
【0078】そこで、図6に示したような、立体構造部
131に検出部132を有する温度センサを用いること
で、吐出される液体の温度をより正確に検出することが
できる。温度センサとしては、検出部132を立体構造
部131に設けることができるものであれば特に限定さ
れず、前述したような測温抵抗体を用いたセンサや、多
結晶シリコンを用いたセンサ(多結晶シリコンの不純物
量をコントロールすることで温度によって抵抗値が変わ
る)、サーミスタ等を用いることができ、その中でも特
に、半導体素子製造プロセス技術を用いて配線133と
ともに素子基板1上に形成できるものが望ましい。ま
た、検出部132と接続される配線133には、電気抵
抗が小さく、検出部132の温度特性に対して影響を与
えない材料、例えばAl、を用いればよい。
【0079】ところで、液体の基板との境界部に大きな
温度勾配がある場合は、液体の流れによって、基板との
境界部の熱を持っていくことができる。そこで、温度セ
ンサに近接してヒータを配置し、このヒータの駆動によ
り液体を局所的に加熱することで液体に温度差を形成
し、液体の流れにより持っていく熱が異なることを利用
して液体の流量を検出する手法もある。
【0080】このようにして流量センサを構成した場合
においても、基板の表面に温度センサ及びヒータを配置
した構成では、液体を局所的に加熱しても熱が基板に逃
げるとともに、液体の粘性により基板表面近傍では液体
の流れが小さくなり、微小な流路においては精度よく流
量を検出できない。
【0081】そこで、図6に示すような、素子基板1の
表面から突出した立体構造部131に温度センサ及びヒ
ータを設け、これらの周囲の大部分を液体で囲まれるよ
うにすることで、ヒータの熱は基板へ逃げにくくなると
ともに、液体の流れ自身も素子基板1の表面に比べて大
きくなることから、液体の流れの差の検出精度を大きく
向上させることができる。
【0082】(2b)液体の圧力を検出する場合 発熱体2を駆動して液体を急激に加熱し、液体に膜沸騰
に伴う気泡を発生させて液体を吐出させる液体吐出ヘッ
ドにおいては、気泡の発生に基づく圧力が液体に作用す
る。従って、液体の状態のひとつとして、液体に作用す
る圧力を検出し、この検出結果に基づいて液体吐出ヘッ
ドの駆動条件を制御することも、吐出特性を安定させる
一つの手段である。
【0083】そこで、図6に示した検出部132の部分
に、液体の圧力により抵抗値が変化したり電圧が発生す
る素子を導入すれば、液体に作用する圧力を検出する圧
力センサを構成することができる。しかも、上記の素子
は立体構造部131に配置され、周囲の大部分が液体に
囲まれているので、素子基板1の表面に配置した場合に
比べて液体の圧力が良好に作用し、より正確な検出が可
能となる。
【0084】(2c)液体中に含まれる成分を検出する
場合 液体吐出ヘッドにおいては、吐出する液体に含まれる成
分によっても吐出特性が変化する。そこで、液体中に含
まれるイオン、分子等と反応し、その平衡状態で電位差
が発生する膜を、例えば図6に示したような立体構造部
131の検出部132として配置することで、液体中に
含まれる成分の変化や状態を検出することができる。こ
の場合には、図6に示した検出部132を覆っている立
体構造部131の一部を除去して検出部132を露出さ
せ、検出部132が液体に接触する構造とする。
【0085】このようにして液体中に含まれる成分を検
出する場合も、液体の基板との境界部においては液体の
流れが悪く安定した液体の平衡状態を得にくいので、図
6に示したような立体構造131を構成することで、周
囲の大部分が液体に覆われることとなり、また、検出部
132が液体の流れのある部分に配置されるので、液体
中の成分を安定して検出することができる。
【0086】(2d)液体中のPHを検出する場合 液体中の水素イオン濃度に反応する膜の一つに酸化シリ
コン膜がある。酸化シリコン膜を、図8に示した検出部
132aとして設けると、酸化シリコン膜の液体との境
界面には液体の水素イオン濃度に応じて電位差が発生す
る。この電位差を検出することで、液体中のPHを検出
することができる。ただし、酸化シリコン膜自身は絶縁
膜であることから、電位差を検出するためには電極を設
け、この電極とは別の電極である基準電極を、図8に示
した基準部132bとして設ける。そして、液体を介し
ての、酸化シリコン膜(検出部132a)と基準電極
(基準部132b)との間の電位差を、FET(電圧効
果トランジスタ)等を用いて低インピーダンス化して検
出することができる。
【0087】検出部132aとして形成する膜を、酸化
シリコン膜に代えて、水素イオン濃度とは異なる成分に
反応する膜とすれば、所望の液体成分の状態を検出する
ことができる。
【0088】このように、素子基板1の表面から吐出し
た立体構造部131に検出部132a及び基準部132
bを設けることで、滞留していないフレッシュな状態で
液体の成分を検出することができるので、素子基板1の
表面に設けた場合に比べて検出精度を大きく向上させる
ことができる。
【0089】上記の基準電極すなわち基準部132bに
ついては、検出したい液体の成分に対して電気的特性が
変化しない、あるいは検出部132aとは異なる変化を
示すものであれば、特に検出部132aと同一の立体構
造部131に設ける必要はない。すなわち、検出部13
2aを有する立体構造部と基準部132bを有する立体
構造部とを別々に設けてもよい。ただし、図8に示した
ように、同一の立体構造部131に検出部132a及び
基準部132bを設けることは、局所的な部分のインク
の状態を精度よく検出できるので、より望ましい構成で
ある。
【0090】(3)センサ及び回路の振り分け 上述の各回路等をその機能に応じて振り分けているが、
この振り分けの基準となる考え方について以下に述べ
る。
【0091】各発熱体2に個別またはブロック単位に電
気配線接続で対応する回路は、素子基板1に形成する。
図4に示した例では、ドライバ11および画像データ転
送部12がこれに相当する。各発熱体2には駆動信号が
パラレルに与えられるので、その信号分だけ配線の引き
回しが必要となる。従って、このような回路を天板3に
形成すると、素子基板1と天板3との接続数が多くなり
接続不良が発生する可能性が高くなるが、素子基板1に
形成することで、発熱体2と上記回路との接続不良が防
止される。
【0092】制御回路などアナログ的な部分は、熱の影
響を受け易いことから、発熱体2が設けられていない基
板すなわち天板3に設ける。図4に示した例では、発熱
体制御部16がこれに相当する。
【0093】センサ13は、液体と接触する位置であれ
ば、素子基板1に設けてもよいし、天板3に設けてもよ
い。ただし、液体の温度に基づいて液体の状態を検出す
るものである場合には、できるだけ発熱体2の熱の影響
が少ない位置に設けることが好ましい。
【0094】その他、各発熱体2に個別にもブロック単
位にも電気配線接続で対応していない回路、必ずしも素
子基板1に設けなくてもよい回路、天板3に設けても測
定精度には影響しないセンサ等は、素子基板1および天
板3のいずれか一方に集中しないように必要に応じて素
子基板1または天板3に形成する。図4に示した例で
は、センサ駆動部17がこれに相当する。
【0095】上記の考え方に基づいて各回路やセンサ等
を素子基板1と天板3とに設けることで、素子基板1と
天板3との電気的接続数をできるだけ少なくしつつも、
各回路やセンサ等をバランスよく振り分けることができ
る。
【0096】(4)液体吐出ヘッドの制御例 センサで検出されたインクの状態は、より安定した液体
吐出のために発熱体の駆動制御に利用される。発熱体の
駆動制御の一例として、液体の温度を検出する温度セン
サを用いた場合の発熱体の駆動制御の例について説明す
る。
【0097】図10は、液体の温度に応じて発熱体の駆
動条件を制御する例の素子基板および天板の回路構成を
示す図であり、図10に示す例では、発熱体32に発泡
エネルギーを与える前に発熱体32をプレヒート(液体
を発泡させない程度の予備的な加熱)するもので、液体
の温度を検出するセンサ(図10では不図示)での検出
結果に応じて、発熱体32のプレヒートパルス幅を制御
する。
【0098】図10(a)に示すように、素子基板31
には、一列に配列された発熱体32と、ドライバとして
機能するパワートランジスタ41と、パワートランジス
タ41の駆動を制御するためのAND回路39と、パワ
ートランジスタ41の駆動タイミングを制御するための
駆動タイミング制御ロジック回路38と、シフトレジス
タおよびラッチ回路で構成される画像データ転送回路4
2と、液体の温度を検出するセンサとが、半導体プロセ
スを用いて形成されている。センサは、各液流路ごと、
すなわち発熱体32ごとに、立体構造として設けられて
いる。
【0099】駆動タイミング制御ロジック回路38は、
装置の電源容量を少なくする目的で、全ての発熱体32
を同時に通電するのではなく発熱体32を分割駆動して
時間をずらして通電するためのものであり、この駆動タ
イミング制御ロジック回路38を駆動するイネーブル信
号は、外部コンタクトパッドであるイネーブル信号入力
端子45k〜45nから入力される。
【0100】また、素子基板31に設けられる外部コン
タクトパッドとしては、イネーブル信号入力端子45k
〜45nの他に、発熱体32の駆動電源の入力端子45
a、パワートランジスタ41の接地端子45b、発熱体
32を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号
用の入力端子45c〜45e、ロジック回路の駆動電源
端子45f、接地端子45g、画像データ転送回路42
のシフトレジスタに入力されるシリアルデータの入力端
子45iおよびこれに同期するシリアルクロック信号の
入力端子45h、ラッチ回路に入力されるラッチクロッ
ク信号の入力端子45jがある。
【0101】一方、図6(b)に示すように、天板33
には、発熱体32の駆動タイミングを決定するとともに
センサ43からの出力をモニタしその結果に応じて画発
熱体32のプレヒート幅を決定する駆動信号制御回路4
6と、各発熱体に対応するプレヒート幅を選択するため
の選択データをヘッド情報として記憶し駆動信号制御回
路46に出力するメモリ49とが形成されている。
【0102】また、接続用コンタクトパッドとして、素
子基板31および天板32には、外部から上記発熱体3
2を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用
の入力端子45c〜45eと駆動信号制御回路46とを
接続する端子44b〜44d,48b〜48d、駆動信
号制御回路46の出力をAND回路39の一方の入力端
子に入力させるための端子48a等が設けられている。
【0103】以上の構成において、まず、液体の温度が
センサにより各液流路ごとに検出され、その結果がメモ
リ49に記憶される。駆動信号制御回路46では、メモ
リ43に記憶された温度データおよび選択データに応じ
て、各発熱体32のプレヒートパルス幅を決定し、端子
48a,44aを介してAND回路39に出力する。一
方、シリアルで入力された画像データ信号は、画像デー
タ転送回路42のシフトレジスタに記憶され、ラッチ信
号によりラッチ回路にラッチされて、駆動タイミング制
御回路38を介してAND回路39に出力される。
【0104】画像データ信号がAND回路39に出力さ
れることで、駆動信号制御回路46で決定されたプレヒ
ートパルス、及び予め決められたヒートパルスが発熱体
32に与えられる。これにより発熱体32は、プレヒー
トされた後、液体を発泡させるためのエネルギーが与え
られる。このようにして、センサでの検出結果に応じて
プレヒート幅を制御することで、温度状態にかかわらず
液体の吐出量を各吐出口で一定にすることができる。
【0105】さらに、メモリ49に記憶されるヘッド情
報としては、上述した温度データの他に、吐出する液体
の種類(液体がインクの場合には、インクの色等)も含
めることもできる。液体の種類によってはその物性が異
なり、吐出特性が異なるからである。これらのヘッド情
報のメモリ49への記憶は、この液体吐出ヘッドの組立
後に不揮発的に行ってもよいし、この液体吐出ヘッドを
搭載した液体吐出装置の立ち上げ後に装置側から転送さ
れることで行ってもよい。
【0106】なお、図10で説明した液体吐出ヘッドで
は、さらに、抵抗値センサとして発熱体32と同様にし
て素子基板31に形成されたランクヒータ43と、天板
33に形成された、ランクヒータ43を駆動するための
センサ駆動回路47とを有する。そして、センサ駆動回
路47とランクヒータ43とを接続する端子44g,4
4h,48g,48hが、素子基板31及び天板33に
形成されている。これは、ランクヒータ43で検出され
た抵抗値に基づいて発熱体32に印加するパルスのパル
ス幅を決定するためのものであり、駆動信号制御回路4
6は、ランクヒータ43からの出力をモニタし、その結
果に応じて発熱体32への印加エネルギーを制御する。
また、メモリ49は、ランクヒータ43で検出された抵
抗値データあるいは抵抗値からランク分けされたコード
値、および予め測定されている各発熱体32による液体
吐出量特性(一定温度で、所定のパルスを印加したとき
の液体吐出量)をヘッド情報として記憶し、駆動信号制
御回路46に出力する。
【0107】ランクヒータ43を利用した発熱体32へ
の印加エネルギーの制御について説明する。まず、ラン
クヒータ43の抵抗値が検出され、その結果がメモリ4
3に記憶される。ランクヒータ43は発熱体32と同様
にして形成されたものであるので、その抵抗値は実質的
には発熱体32と同じであり、ランクヒータ43の抵抗
値を発熱体32の抵抗値とみなす。駆動信号制御回路で
46では、メモリ43に記憶された抵抗値データ及び液
体吐出量特性に応じて発熱体32の駆動パルスの立ち上
がりデータ及び立ち下がりデータを決定し、端子48
a,44aを介してAND回路39に出力する。これに
よりヒートパルスのパルス幅が決定され、画像データ
が、画像データ転送回路42から駆動タイミング制御回
路38を介してAND回路39に出力されることで、駆
動信号制御回路46で決定したパルス幅で発熱体32へ
の通電が行われる。その結果、発熱体32には、ほぼ一
定のエネルギーが印加される。
【0108】(5)液体吐出ヘッドの他の例 図1に示した例では、液流路7を構成するための溝は天
板3に形成し、吐出口5が形成された部材(オリフィス
プレート4)も素子基板1及び天板3とは別の部材で構
成した例を示したが、本発明が適用される液体吐出ヘッ
ドの構造は、これに限られるものではない。
【0109】例えば、天板の端面にオリフィスプレート
の厚さ相当の壁を残しておき、この壁に、イオンビーム
加工や電子ビーム加工等により吐出口を形成すれば、オ
リフィスプレートを用いずに液体吐出ヘッドを構成する
ことができる。また、天板に溝を形成することによって
ではなく素子基板に流路側壁を形成すれば、発熱体に対
する液流路の位置精度が向上し、かつ、天板の形状を簡
易なものとすることができる。可動部材はフォトリソグ
ラフィプロセスを利用して天板に形成することができる
が、このように素子基板に流路側壁を設けた構成とした
場合には、素子基板への可能部材の形成と同時に素子基
板を形成することもできる。これについては後述する。
【0110】さらに、本出願人は、液流路内に、気泡の
圧力伝搬方向を下流側へ導く可動部材を設けた液体吐出
ヘッドを提案している。次に、可動部材を有する液体吐
出ヘッドに本発明を適用した例を説明する。
【0111】図11は、本発明の他の実施形態である液
体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。図1
1において、図1と同一の構成部分については図1と同
一の符号を付している。
【0112】図11に示す液体吐出ヘッドは、基本的に
は図1に示した液体吐出ヘッドと同じであるが、素子基
板1に可動部材6が設けられており、この可動部材6の
一部にセンサ63を構成している点が異なる。
【0113】可動部材6は、液流路7を吐出口5に連通
した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流
路7bとに分けるように、発熱体2に対面して、半導体
ウェハプロセスを利用して形成された片持ち梁状の薄膜
である。この可動部材6は、液体の吐出動作によって共
通液室8から可動部材6を経て吐出口5へ流れる大きな
流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに対して
下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面した位
置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所定の距
離を隔てて配されている。図11に示した例では、この
発熱体2と可動部材6との間が気泡発生領域10とな
る。
【0114】上記構成に基づき、発熱体2を発熱させる
と、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の
液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象
に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴
う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図
11に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口
5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位も
しくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力
の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口
5から液体が吐出する。
【0115】つまり、気泡発生領域10上に、液流路7
内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを
持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材
6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側
へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与す
ることになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬
方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく
成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材
によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御すること
で、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出
特性を向上させることができる。
【0116】一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材
6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部
材6も最終的には図11に実線で示した初期位置に復帰
する。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積
を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うため
に、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、
液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、こ
の液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効
率よく合理的かつ安定して行われる。
【0117】以上が、可動部材6を有する液体吐出ヘッ
ドの動作原理であるが、図11に示した例では、可動部
材6が素子基板1の表面に形成された部材であることを
利用して、可動部材6の一部の特に素子基板1から離れ
ている部位にセンサ63を構成している。つまり、可動
部材6そのものを立体構造部として用い、可動部材6内
に、図6に示したような検出部132及び配線133、
または図7に示したような検出部132a、基準部13
2b及び配線133a,133bが形成されている。
【0118】このように可動部材6の一部にセンサ63
を構成することで、前述したのと同様に、液流路7の壁
面での液体の流れの淀みや、素子基板1の発熱の影響が
少ない状態で、液体の状態等を検出することができる。
しかも、可動部材6を有するので、液体の根本的な吐出
特性及びリフィル効率を向上させることができる。
【0119】可動部材6への検出部等の形成位置は、素
子基板1の表面から離れた位置であり液体の所望の状態
等を検出できる位置であれば特に限定されるものではな
い。ただし、可動部材6は発熱体2と対面して設けら
れ、発熱体2の熱の影響を受け易いので、センサ63が
温度センサの場合には、発熱体2の熱の影響が少ない位
置、例えば、発熱体2からできるだけ離れた位置、より
好ましくは液体の流れ方向に関して上流側に設けたほう
がよい。また、センサ63が圧力センサである場合は、
気泡の発生に伴う圧力を直接的に受ける可動部材6は、
圧力センサを設ける位置として最も好ましい。
【0120】ここで、素子基板1への可動部材6の形成
方法の例を説明する。
【0121】図12は、図11に示した液体吐出ヘッド
への可動部材6の形成方法の一例を説明するための図で
あり、図12では、図11に示した液流路7の流路方向
に沿った断面が示されている。図12に基づいて説明す
る製造方法では、素子基板1上に可動部材6を形成して
なるものと、天板に流路側壁を形成してなるものとを接
合することで、図11に示した構成の液体吐出ヘッドを
製造する。従って、この製造方法では、可動部材6が作
り込まれた素子基板1に天板を接合する前に、天板に流
路側壁が作り込まれる。
【0122】まず、図12(a)では、素子基板1の発
熱体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行う
ための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層
としてのTiW膜76をスパッタリング法によって厚さ
約5000Å形成する。なお、図示していないが、Ti
W膜76の形成前に、センサ63(図11参照)の配線
と接続する配線、及びその保護層であるSiN膜が、素
子基板1上に形成されている。
【0123】次に、図12(b)では、TiW膜76の
表面に、間隙形成部材71aを形成するためのAl膜を
スパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。間隙
形成部材71aは、後述する図12(d)の工程におい
て、SiN膜72aがエッチングされる領域までに延在
されている。
【0124】形成されたAl膜を、周知のフォトリソグ
ラフィプロセスを用いてパターニングすることで、その
Al膜の、可動部材6の支持固定部に対応する部分のみ
を除去し、TiW膜76の表面に間隙形成部材71aを
形成する。従って、TiW膜76表面の、可動部材6の
支持固定部に対応する部分が露出することになる。この
間隙形成部材71aは、素子基板1と可動部材6との間
の間隙を形成するための、Al膜からなるものである。
間隙形成部材71aは、図11に示した発熱体2と可動
部材6との間の気泡発生領域10に対応する位置を含
む、TiW膜76の表面の、可動部材6の支持固定部に
対応する部分を除く部分全てに形成されている。従っ
て、この製造方法では、TiW膜76の表面の、流路側
壁に対応する部分にまで間隙形成部材71aが形成され
ている。この間隙形成部材71aは、後述するようにド
ライエッチングにより可動部材6を形成する際のエッチ
ングストップ層として機能する。
【0125】次に、図12(c)では、間隙形成部材7
1aの表面全体および、TiW膜76の、露出した面全
体に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を構成す
るSiN膜72aを形成する。プラズマCVD装置を用
いてSiN膜72aを形成する際には、図13を参照し
て次に説明するように、素子基板1を構成するシリコン
基板などを介して、素子基板1に備えられたTaからな
る耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プラ
ズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解
されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板
1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護する
ことができる。
【0126】図13に示すように、SiN膜72aを形
成するためのプラズマCVD装置の反応室83a内に
は、所定の距離をおいて互いに対向するRF電極82a
およびステージ85aが備えられている。RF電極82
aには、反応室83aの外部のRF電源81aによって
電圧が印加される。一方、ステージ85aのRF電極8
2a側の面上には素子基板1が取り付けられており、素
子基板1の発熱体2側の面がRF電極82aと対向して
いる。ここで、素子基板1が有する、発熱体2の面上に
形成されたTaからなる耐キャビテーション膜は、素子
基板1のシリコン基板と電気的に接続されており、間隙
形成部材71aは、素子基板1のシリコン基板、および
ステージ85aを介して接地されている。
【0127】このように構成されたプラズマCVD装置
においては、前記耐キャビテーション膜が接地された状
態で供給管84aを通して反応室83a内にガスを供給
し、素子基板1とRF電極82aとの間にプラズマ46
を発生させる。反応室83a内でのプラズマ放電により
分解されたイオン種やラジカルが素子基板1上に堆積す
ることで、SiN膜72aが素子基板1上に形成され
る。その際、イオン種やラジカルにより素子基板1上に
電荷が発生するが、上述したように耐キャビテーション
膜が接地されていることにより、素子基板1内の発熱体
2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカルの
電荷によって損傷することが防止される。次に、図12
(d)では、SiN膜72aの表面に、スパッタリング
法によりAl膜を厚さ約6100Å形成した後、形成さ
れたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用
いてパターニングし、SiN膜72a表面の、可動部材
6に対応する部分に第2の保護層としてのAl膜(不図
示)を残す。その第2の保護層としてのAl膜は、可動
部材6を形成するためにSiN膜72aのドライエッチ
ングを行う際の保護層(エッチングストップ層)すなわ
ちマスクとなる。
【0128】そして、誘電結合プラズマを使ったエッチ
ング装置を用い、前記第2の保護層をマスクにしてSi
N膜72aをパターニングすることで、そのSiN膜7
2aの残った部分で構成される可動部材6を形成する。
そのエッチング装置ではCF 4とO2の混合ガスを用いて
おり、SiN膜72aをパターニングする工程では、図
11に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板
1に直接固定されるようにSiN膜72aの不要な部分
を除去する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との
密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料である
TiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構
成材料であるTaが含まれる。
【0129】ドライエッチング装置を用いてSiN膜7
2aをエッチングする際には、図14を参照して次に説
明するように素子基板1などを介して間隙形成部材71
aを接地する。これにより、ドライエッチングの際にC
4ガスの分解により生じるイオン種およびラジカルの
電荷が間隙形成部材71aに留まることを防止して、素
子基板1の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護
することができる。また、このエッチングの工程におい
て、 SiN膜72aの不要な部分を除去することで露
出する部分、すなわちエッチングされる領域には、上述
したように間隙形成部材71aが形成されているため、
TiW膜76の表面が露出することがなく、間隙形成部
材71aによって素子基板1が確実に保護される。
【0130】図14に示すように、SiN膜72aをエ
ッチングするためのドライエッチング装置の反応室83
b内には、所定の距離をおいて互いに対向するRF電極
82bおよびステージ85bが備えられている。RF電
極82bには、反応室83bの外部のRF電源81bに
よって電圧が印加される。一方、ステージ85bのRF
電極82b側の面上には素子基板1が取り付けられてお
り、素子基板1の発熱体2側の面がRF電極82bと対
向している。ここで、Al膜からなる間隙形成部材71
aは、素子基板1に備えれたTaからなる耐キャビテー
ション膜と電気的に接続されており、かつ、その耐キャ
ビテーション膜は、前述したように素子基板1のシリコ
ン基板と電気的に接続されており、間隙形成部材71a
は、素子基板1の耐キャビテーション膜やシリコン基
板、およびステージ85bを介して接地されている。
【0131】このように構成されたドライエッチング装
置において、間隙形成部材71aが接地された状態で供
給管84aを通して反応室83a内にCF4とO2の混合
ガスを供給し、SiN膜72aのエッチングを行う。そ
の際、CF4ガスの分解により生じるイオン種やラジカ
ルによって素子基板1上に電荷が発生するが、上述した
ように間隙形成部材71aが接地されていることによ
り、素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素
子がイオン種やラジカルの電荷によって損傷することが
防止される。
【0132】本実施形態では、反応室83aの内部に供
給するガスとして、CF4とO2の混合ガスを用いたが、
2が混合されていないCF4ガスまたはC26ガス、あ
るいはC26とO2の混合ガスなどを用いてもよい。
【0133】以上のようにしてSiNからなる可動部材
6が形成されるが、この際のSiN膜72aの形成工程
に始まる可動部材6の形成過程で、例えば図7(c)〜
図7(e)に示すようにして、可動部材6に検出部や配
線等を形成する。
【0134】次に、図12(e)では、酢酸、りん酸お
よび硝酸の混酸を用いて、可動部材6に形成したAl膜
からなる前記第2の保護層や、Al膜からなる間隙形成
部材71aを溶出して除去し、素子基板1上に可動部材
6を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板
1に形成したTiW膜76の、気泡発生領域10および
パッドに対応する部分を除去する。
【0135】以上のようにして、可動部材6が設けられ
た素子基板1が製造される。ここでは、図1に示したよ
うに可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定さ
れているものを製造する場合で説明したが、この製造方
法を適用して、可動部材が台座部を介して素子基板に固
定された液体吐出ヘッドを製造することもできる。この
場合、図12(b)に示した間隙形成部材71aを形成
する工程の前に、可動部材の、自由端と反対側の端部を
素子基板に固定するための台座部を素子基板の発熱体側
の面上に形成する。この場合でも、台座部と素子基板と
の密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であ
るTiW、および素子基板の耐キャビテーション膜の構
成材料であるTaが含まれる。
【0136】上述した例では、流路側壁9を天板3に形
成した場合について説明したが、フォトリソグラフィプ
ロセスを用いて、素子基板1への可動部材6の形成と同
時に、流路側壁9を素子基板1に形成することもでき
る。
【0137】以下に、素子基板1に可動部材6及び流路
側壁9を設けた場合の、可動部材6及び流路側壁の形成
工程の一例について、図15及び図16を参照して説明
する。なお、図15及び図16は、可動部材及び流路側
壁が形成される素子基板の液流路方向と直交する方向に
沿った断面を示している。また、図15及び図16に示
す例においても、図12を参照して説明した例と同様に
可動部材6に検出部や配線等が形成されるものである
が、それらの形成方法については図7を用いて説明した
例と同様であるので、以下の説明では、可動部材6及び
流路側壁9の形成を中心に説明し、可動部材6への検出
部や配線等についての説明は省略する。
【0138】まず、図15(a)では、素子基板1の発
熱体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行う
ための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層
として、不図示のTiW膜をスパッタリング法によって
厚さ約5000Å形成する。この素子基板1の発熱体2
側の面に、間隙形成部材71を形成するためのAl膜を
スパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。形成
されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを
用いてパターニングし、図11に示した発熱体2と可動
部材6との間の気泡発生領域10に対応する位置に、素
子基板1と可動部材6との間の間隙を形成するための、
Al膜からなる間隙形成部材71を複数形成する。それ
ぞれの間隙形成部材71は、後述する図16(b)の工
程において、可動部材6を形成するための材料膜である
SiN膜72がエッチングされる領域まで延在されてい
る。間隙形成部材71は、後述するドライエッチングに
より液流路7および可動部材6を形成する際のエッチン
グストップ層として機能する。そのため、ドライエッチ
ングにより液流路7を形成する際に素子基板1の発熱体
2側の面や、素子基板1上のTiW層が露出しないよう
に、それぞれの間隙形成部材71における液流路7の流
路方向と直行する方向の幅は、後述する図16(b)の
工程で形成される液流路7の幅よりも広くなっている。
【0139】さらに、ドライエッチング時には、CF4
ガスの分解によりイオン種およびラジカルが発生し、素
子基板1の発熱体2や機能素子にダメージを与えること
があるが、Alからなる間隙形成部材71は、これらイ
オン種やラジカルを受け止めて素子基板1の発熱体2や
機能素子を保護するものとなっている。
【0140】次に、図15(b)では、間隙形成部材7
1の表面、および素子基板1の間隙形成部材71側の面
上に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成す
るための材料膜であるSiN膜72を、間隙形成部材7
1を被覆するように形成する。ここで、プラズマCVD
装置を用いてSiN膜72を形成する際には、図13を
参照して説明したように、素子基板1を構成するシリコ
ン基板などを介して、素子基板1に備えられたTaから
なる耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プ
ラズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分
解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基
板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保護す
ることができる。
【0141】次に、図15(c)では、SiN膜72の
表面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約610
0Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォトリ
ソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN膜
72表面の、可動部材6に対応する部分、すなわちSi
N膜72表面の可動部材形成領域に第2の保護層として
のAl膜73を残す。Al膜73は、ドライエッチング
により液流路7を形成する際の保護層(エッチングスト
ップ層)となる。
【0142】次に、図16(a)では、SiN膜72お
よびAl膜73の表面に、流路側壁9を形成するための
SiN膜74を、マイクロ波CVD法を用いて厚さ約5
0μm形成する。ここで、マイクロ波CVD法によるS
iN膜74の成膜に使用するガスとしては、モノシラン
(SiH4)、窒素(N2)およびアルゴン(Ar)を用
いた。そのガスの組み合わせとしては、上記以外にも、
ジシラン(Si26)やアンモニア(NH3)などとの
組み合わせや、混合ガスを用いてもよい。また、周波数
が2.45[GHz]のマイクロ波のパワーを1.5[k
W]とし、ガス流量としてはモノシランを100[scc
m]、窒素を100[sccm]、アルゴンを40[sccm]
でそれぞれのガスを供給して、圧力が5[mTorr]の高
真空下でSiN膜74を形成した。また、ガスのそれ以
外の成分比でのマイクロ波プラズマCVD法や、RF電
源を使用したCVD法などでSiN膜74を形成しても
よい。
【0143】CVD法によりSiN膜74を形成する際
には、図13に基づいて前述したようなSiN膜72を
形成する方法と同様に、発熱体2の面上に形成されてい
るTaからなる耐キャビテーション膜を素子基板1のシ
リコン基板を介して接地する。これにより、CVD装置
の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種
およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の発熱体2
やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0144】そして、SiN膜74の表面全体にAl膜
を形成した後に、形成されたAl膜を、フォトリソグラ
フィなどの周知の方法を用いてパターニングして、Si
N膜74の表面の、液流路7に対応する部分を除く部分
にAl膜75を形成する。前述したように、それぞれの
間隙形成部材71における液流路7の流路方向と直行す
る方向の幅は、次の図16(b)の工程で形成される液
流路7の幅よりも広くなっているので、Al膜75の側
部が間隙形成部材71の側部の上方に配置されている。
【0145】次に、図16(b)では、誘電結合プラズ
マを使ったエッチング装置を用いてSiN膜74および
SiN膜72をパターニングして流路側壁9および可動
部材6を同時に形成する。そのエッチング装置では、C
4とO2の混合ガスを用いて、Al膜73,25および
間隙形成部材71をエッチングストップ層すなわちマス
クとして、SiN膜74がトレンチ構造となるようにS
iN膜74およびSiN膜72のエッチングを行う。こ
のSiN膜72をパターニングする工程では、図1に示
したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接
固定されるようにSiN膜72の不要な部分を除去す
る。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部の
構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、
および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料で
あるTaが含まれる。
【0146】ここで、ドライエッチング装置を用いてS
iN膜72および24をエッチングする際には、図14
を参照して説明したように素子基板1などを介して間隙
形成部材71を接地する。これにより、ドライエッチン
グの際にCF4ガスの分解により生じるイオン種および
ラジカルの電荷が間隙形成部材71に留まることを防止
して、素子基板1の発熱体2やラッチ回路などの機能素
子を保護することができる。また、このエッチングの工
程で形成される液流路7の幅よりも間隙形成部材71の
幅の方が広くなっているため、SiN膜74の不要な部
分を除去した際に素子基板1の発熱体2側の面が露出す
ることがなく、間隙形成部材71によって素子基板1が
確実に保護される。
【0147】次に、図16(c)では、酢酸、りん酸お
よび硝酸の混酸を用いてAl膜73および25を加温エ
ッチングすることで、Al膜73および75や、Al膜
からなる間隙形成部材71を溶出して除去し、素子基板
1上に可動部材6および流路側壁9を作り込む。その
後、過酸化水素を用いて、素子基板1に形成したパッド
保護層としてのTiW膜の、気泡発生領域10およびパ
ッドに対応する部分を除去する。素子基板1と流路側壁
9との密着部にも、パッド保護層の構成材料であるTi
W、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材
料であるTaが含まれている。
【0148】(6)液体吐出ヘッドの適用例 次に、上述した液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置
の概略について説明する。
【0149】図17は、本発明の液体吐出ヘッドを装着
して適用することのできる液体吐出装置の一例であるイ
ンクジェット記録装置600の概略斜視図である。
【0150】図17において、インクジェットヘッドカ
ートリッジ601は、上述した液体吐出ヘッドとこの液
体吐出ヘッドに供給するインクを保持するインクタンク
とが一体となったものである。このインクジェットヘッ
ドカートリッジ601は、駆動モータ602の正逆回転
に連動して駆動力伝達ギア603,604を介して回転
するリードスクリュ605の螺旋溝606に対して係合
するキャリッジ607上に搭載されており、駆動モータ
602の動力によってキャリッジ607とともにガイド
608に沿って矢印a,b方向に往復移動される。被記
録材Pは、図示しない被記録材搬送手段によってプラテ
ンローラ609上を搬送され、紙押え板610によりキ
ャリッジ607の移動方向にわたってプラテンローラ6
09に対して押圧される。
【0151】リードスクリュ605の一端の近傍には、
フォトカプラ611,612が配設されている。これら
はキャリッジ607のレバー607aのこの域での存在
を確認して駆動モータ602の回転方向切り換え等を行
うためのホームポジション検知手段である。
【0152】支持部材613は、上述のインクジェット
ヘッドカートリッジ601の吐出口のある前面(吐出口
面)を覆うキャップ部材614を支持するものである。
また、インク吸引手段615は、キャップ部材614の
内部にインクジェットヘッドカートリッジ601から空
吐出等されて溜まったインクを吸引するものである。こ
のインク吸引手段615によりキャップ内開口部616
を介してインクジェットヘッドカートリッジ601の吸
引回復が行われる。インクジェットヘッドカートリッジ
601の吐出口面を払拭するためのクリーニングブレー
ド617は、移動部材618により前後方向(上記キャ
リッジ607の移動方向に直交する方向)に移動可能に
設けられている。これらクリーニングブレード617及
び移動部材618は、本体支持体619に支持されてい
る。クリーニングブレード617は、この形態に限ら
ず、他の周知のクリーニングブレードであってもよい。
【0153】液体吐出ヘッドの吸引回復操作にあたっ
て、吸引を開始させるためのレバー620は、キャリッ
ジ607と係合するカム621の移動に伴って移動し、
駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換え等の
公知の伝達手段で移動制御される。インクジェットヘッ
ドカートリッジ601の液体吐出ヘッドに設けられた発
熱体に信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御を
司ったりするインクジェット記録制御部は装置本体側に
設けられており、ここには図示しない。
【0154】上述の構成を有するインクジェット記録装
置600は、図示しない被記録材搬送手段によりプラテ
ンローラ609上を搬送される被記録材Pに対し、イン
クジェットヘッドカートリッジ601は被記録材Pの全
幅にわたって往復移動しながら記録を行う。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体吐出
ヘッド用基板及び液体吐出ヘッドによれば、基板との境
界部での液体の流れの影響やエネルギー発生素子が発す
る熱の影響が少ない状態で液体の状態を検出することが
できる。その結果、センサでの検出結果に応じて、イン
クの状態に合せた吐出制御が可能となり、液体を安定し
て吐出させることができる。また、エネルギー発生素子
が、液体に熱エネルギーを作用させることで液体に気泡
を発生させるものであり、立体構造部を、このエネルギ
ー発生素子に対面して配され、気泡によって変位する可
動部材とすることで、液体の吐出特性を向上させること
ができる。
【0156】また、本発明の液体吐出ヘッド用基板の製
造方法、及び液体吐出ヘッドの製造方法によれば、フォ
トリソグラフィ技術を用いて、上記の立体構造部として
設けられたセンサを、基板上に容易に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液体吐出ヘッドの液
流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1に示す液体吐出ヘッドに用いられる素子基
板の要部の断面図である。
【図3】図2に示す素子基板1の主要素子を縦断するよ
うに素子基板1を切断した模式的断面図である。
【図4】図1に示した液体吐出ヘッドの回路構成を説明
するための、素子基板の平面図(a)、及び天板の平面
図(b)である。
【図5】図1に示す液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
ヘッドユニットの平面図である。
【図6】本発明に適用可能な単体検出部型のセンサの一
例の模式的拡大図を示す。
【図7】図6に示すセンサの製造工程の一例を説明する
ための図である。
【図8】本発明に適用可能な基準電極ペア型のセンサの
一例の模式的拡大図を示す。
【図9】液流路内における立体構造部の配置の他の例を
説明する斜視図である。
【図10】液体の温度に応じて発熱体の駆動条件を制御
する例の素子基板(a)および天板(b)の回路構成を
示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態である液体吐出ヘッド
の液流路方向に沿った断面図である。
【図12】図11に示した液体吐出ヘッドへの可動部材
6の形成方法の一例を説明するための図である。
【図13】プラズマCVD装置を用いて素子基板上にS
iN膜を形成する方法を説明するための図である。
【図14】ドライエッチング装置を用いてSiN膜を形
成する方法を説明するための図である。
【図15】素子基板上に可動部材及び流路側壁を形成す
る方法を説明するための図である。
【図16】素子基板上に可動部材及び流路側壁を形成す
る方法を説明するための図である。
【図17】本発明の液体吐出ヘッドを装着して適用する
ことのできる液体吐出装置の一例であるインクジェット
記録装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 天板 4 オリフィスプレート 5 吐出口 6 可動部材 7 液流路 8 共通液室 9 流路側壁 13、13’、63 センサ 20 液体吐出ヘッドユニット 21 液体吐出ヘッド 71、71a、137 間隙形成部材 72、72a、138、141 SiN膜 131,131’ 立体構造部 131a,131a’ 支柱 131b,131b’ 梁 131c 開口 132、132a 検出部 132b 基準部 133、133a、133b 配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 種谷 陽一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 渡辺 伸二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 尾▲崎▼ 照夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF23 AF34 AG30 AG46 AG83 AK07 AL11 AL15 AL16 AL25 AM16 AP02 AP11 AP32 AP52 AQ02 BA05 BA13

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体に吐出エネルギーを与えることによ
    り液体を吐出させる液体吐出ヘッドに用いられ、電気エ
    ネルギーを前記吐出エネルギーに変換するためのエネル
    ギー変換素子が形成された半導体基板を有する液体吐出
    ヘッド用基板において、 前記液体吐出ヘッド内での液体の状態を検出するための
    センサが、前記半導体基板の前記エネルギー変換素子が
    形成された面から突出した立体構造部として設けられて
    いることを特徴とする液体吐出ヘッド用基板。
  2. 【請求項2】 前記立体構造部はフォトリソグラフィ技
    術により形成されたものである、請求項1に記載の液体
    吐出ヘッド用基板。
  3. 【請求項3】 前記センサは、検出すべき液体の状態に
    応じて電気的特性が変化する検出部と、前記検出部を前
    記半導体基板に形成された電気回路と電気的に接続する
    配線とを、前記立体構造部に有する、請求項1または2
    に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  4. 【請求項4】 前記検出部は、前記半導体基板の前記エ
    ネルギー変換素子が形成された面から離れた位置に配置
    されている、請求項3に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  5. 【請求項5】 前記センサは、液体と接触して配置され
    検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する検
    出部と、液体と接触して配置され、液体と接触しても電
    気的特性が変化しないか又は前記検出部と異なる電気的
    特性を示す基準部と、前記検出部及び前記基準部を前記
    半導体基板に形成された回路と電気的に接続する配線と
    を、前記立体構造部に有する、請求項1または2に記載
    の液体吐出ヘッド用基板。
  6. 【請求項6】 前記検出部及び前記基準部は、前記半導
    体基板の前記エネルギー変換素子が形成された面から離
    れた位置に配置されている、請求項5に記載の液体吐出
    ヘッド用基板。
  7. 【請求項7】 前記エネルギー変換素子は、液体に熱エ
    ネルギーを作用させることで液体に気泡を発生させるも
    のであり、 前記立体構造部は、前記エネルギー変換素子に対面して
    配され、気泡によって変位する可動部材である、請求項
    1ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド用基
    板。
  8. 【請求項8】 前記可動部材は、液体の流れの方向の上
    流側が固定され下流側端が自由端となって可動する部材
    である、請求項7に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  9. 【請求項9】 液体を吐出する複数の吐出口と、互いに
    接合されることでそれぞれ前記吐出口と連通する複数の
    液流路を構成するための第1の基板および第2の基板
    と、電気エネルギーを前記液流路内の液体の吐出エネル
    ギーに変換するために前記各液流路内に配された複数の
    エネルギー変換素子とを有する液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記液流路に、液体の状態を検出するためのセンサが、
    前記液流路の壁面から突出した立体構造部として設けら
    れていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記エネルギー変換素子の駆動条件を
    制御するための、機能が異なる複数の素子あるいは電気
    回路を有し、 前記素子あるいは電気回路は、その機能に応じて前記第
    1の基板と前記第2の基板とに振り分けられている、請
    求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記立体構造部はフォトリソグラフィ
    技術により形成されたものである、請求項9または10
    に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記センサは、検出すべき液体の状態
    に応じて電気的特性が変化する検出部と、前記検出部に
    電気的に接続された配線とを、前記立体構造部に有す
    る、請求項9、10または11に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】 前記検出部は、前記液流路の壁面から
    離れた位置に配置されている、請求項12に記載の液体
    吐出ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記センサは、液体と接触して配置さ
    れ検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化する
    検出部と、液体と接触して配置され液体と接触しても電
    気的特性が変化しないか又は前記検出部と異なる電気的
    特性を示す基準部と、前記検出部及び前記基準部にそれ
    ぞれ電気的に接続された配線とを、前記立体構造部に有
    する、請求項9、10または11に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  15. 【請求項15】 前記検出部及び前記基準部は、前記液
    流路の壁面から離れた位置に配置されている、請求項1
    4に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記エネルギー変換素子及び前記セン
    サは前記第1の基板に設けられている、請求項9ないし
    15のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記エネルギー発生素子は前記第1の
    基板に設けられ、前記センサは前記第2の基板に設けら
    れている、請求項9ないし15のいずれか1項に記載の
    液体吐出ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記前記エネルギー変換素子は、液体
    に熱エネルギーを作用させることで液体に気泡を発生さ
    せるものであり、 前記立体構造部は、前記エネルギー変換素子に対面して
    配され、気泡によって変位する可動部材である、請求項
    9ないし15のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記可動部材は、液体の流れの方向の
    上流側が固定され下流側端が自由端となって可動する部
    材である、請求項18に記載の液体吐出ヘッド。
  20. 【請求項20】 請求項9ないし19のいずれか1項に
    記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから液体を
    吐出させるための駆動信号を前記液体吐出ヘッドに供給
    する駆動信号供給手段とを有する液体吐出装置。
  21. 【請求項21】 請求項9ないし19のいずれか1項に
    記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから吐出さ
    れた液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送
    手段とを有する液体吐出装置。
  22. 【請求項22】前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
    し、被記録媒体に前記インクを付着させることで記録を
    行う請求項20または21に記載の液体吐出装置。
  23. 【請求項23】 液体に吐出エネルギーを与えることに
    より液体を吐出させる液体吐出ヘッドに用いられ、電気
    エネルギーを前記吐出エネルギーに変換するためのエネ
    ルギー変換素子とが形成された半導体基板を有する液体
    吐出ヘッド用基板の製造方法において、 前記半導体基板上に、半導体材料を含む基材層を所定の
    パターンで形成する工程と、 前記基材層上に、検出すべき液体の状態に応じて電気的
    特性が変化する検出部、及び前記検出部を前記半導体基
    板に形成された電気回路と電気的に接続する配線を形成
    する工程と、 前記検出部及び前記配線が形成された基材層上に、前記
    配線を保護するための、半導体材料を含む保護層を形成
    する工程とを有する、液体吐出ヘッド用基板の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記保護層の形成工程の前に、前記基
    材層上に、液体と接触しても電気的特性が変化しないか
    又は前記検出部とは異なる電気特性を示す基準部と、前
    記基準部を前記半導体基板に形成された回路と電気的に
    接続する配線とを形成する工程を有し、 前記保護層の形成工程の後に、前記保護層で覆われてい
    る前記検出部及び前記基準部の一部を露出させる工程を
    有する、請求項23に記載の液体吐出ヘッド用基板の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 前記基材層の形成工程の前に、前記半
    導体基板上に前記基材層の一部と前記半導体基板との間
    に間隙を形成するための間隙形成部材を形成する工程を
    有し、 前記基材層を形成する工程は、前記間隙形成部材が形成
    された部位と前記間隙形成部材が形成されていない部位
    とを跨る領域に形成することを含み、 前記保護層の形成工程の後に、前記間隙形成部材を除去
    する工程を有する、請求項23または24に記載の液体
    吐出ヘッド用基板の製造方法。
  26. 【請求項26】 液体を吐出する複数の吐出口と、互い
    に接合されることでそれぞれ前記吐出口と連通する複数
    の液流路を構成するための第1の基板および第2の基板
    と、電気エネルギーを前記液流路内の液体の吐出エネル
    ギーに変換するために前記各液流路内に配された複数の
    エネルギー変換素子とを有する液体吐出ヘッドの製造方
    法において、 前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方
    に、検出すべき液体の状態に応じて電気的特性が変化す
    る検出部、及び前記検出部に電気的に接続する配線を形
    成する工程と、 前記検出部及び前記配線が形成された基材層上に、前記
    配線を保護するための、半導体材料を含む保護層を形成
    する工程とを有する、液体吐出ヘッドの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記保護層の形成工程の前に、前記基
    材層上に、液体と接触しても電気的特性が変化しないか
    又は前記検出部とは異なる電気特性を示す基準部と、前
    記基準部と電気的に接続する配線とを形成する工程を有
    し、 前記保護層の形成工程の後に、前記保護層で覆われてい
    る前記検出部及び前記基準部の一部を露出させる工程を
    有する、請求項26に記載の液体吐出ヘッドの製造方
    法。
  28. 【請求項28】 前記基材層の形成工程の前に、前記基
    材層が形成される基板上に、前記基材層の一部と前記基
    材層が形成される基板との間に間隙を形成するための間
    隙形成部材を形成する工程を有し、 前記基材層を形成する工程は、前記間隙形成部材が形成
    された部位と前記間隙形成部材が形成されていない部位
    とを跨る領域に形成することを含み、 前記保護層の形成工程の後に、前記間隙形成部材を除去
    する工程を有する、請求項26または27に記載の液体
    吐出ヘッドの製造方法。
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