JP2000342555A - Mri装置およびmrイメージング方法 - Google Patents
Mri装置およびmrイメージング方法Info
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Abstract
来の差分誤差を低減させ、一方向の血流からの信号にの
みに感度を持たせたASL像を提供する。 【解決手段】タグスラブ選択励起用の第1のRFパルス
及び第1の傾斜磁場Gt agとコントロールスラブ選択
励起用の第2のRFパルス及び第2の傾斜磁場G
contを、RFパルスの励起中心周波数のイメージン
グスラブの中心位置に対するオフセット量が同一で、且
つ、両スラブのイメージングスラブに対するオフセット
位置Offsettag及びOffsetcontが互
いに異なるように設定する。両RFパルスはIRパルス
である。第1のRFパルス及び第1の傾斜磁場Gtag
を含むシーケンスを実行し、また第2のRF波及び第2
の傾斜磁場Gcontを含むパルスシーケンスを実行し
て、各々、エコー信号を収集し、相互差分することでA
SL像を得る。
Description
核スピンの磁気共鳴現象を利用したMRI(磁気共鳴イ
メージング)装置およびMRイメージング方法に係り、
とくに、被検体に造影剤を投与することなく、パフュー
ジョン(perfusion:組織血流)または血管の
画像を提供することができるASL(Arterial
SpinLabeling)法を実施するためのMR
I装置およびMRイメージング方法に関する。
SL法の1つとして知られているSTAR(Signa
l Targeting Alternating R
adio frequency)法を基礎にした、AS
TAR(modifiedSTAR using As
ymmetric Inversion slabs)
法と呼ぶべきASL法を発明した。
かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波
信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するFI
D(自由誘導減衰)信号やエコー信号から画像を得る手
法である。
リーとして、ASL(Arterial Spin L
abeling)法がある。このイメージング法は、被
検体に造影剤を投与することなく、つまり非侵襲で、被
検体の血管像やmicrocirculationを反
映させたパフュージョン(組織血流)像を提供する手法
であり、近年、これに関する研究が盛んに行われてい
る。また、頭部を中心に臨床応用も始まっている。
s ASL (CASL)法」と、「dynamic
ASL (DASL)」法とがある。CASL法は大き
な連続的なadiabatic RFを印加する手法で
あるのに対し、DASL法はパルス状のadiabat
ic RFを印加する手法であって、臨床用のMRI装
置でも比較的簡単に実施できる。
gnal Targeting with Alter
nating Radio frequency)法お
よびFAIR(Flow sensitive alt
ernating Inversion Recove
ry)の2つの手法がある。さらに、この2つの手法は
以下のように種々の形態に変形されている。
t al., MRM 7:472−484 (198
8)”および “Edelman et al., M
RM31:233−238 (1994)”で提案され
ているように、撮像面に対して空間的にオフセットした
タグ用RFパルスを用いて、一方向(通常、動脈流入方
向)からのフローを画像化しようとする手法である。し
かし、タグ用RFパルスの印加によるMT(magne
tization transfer)効果の差に起因
してフローの寄与以上の誤差が入ってしまう。とくに、
組織血流は、原信号の2%以下のオーダーの微小な信号
差からなるフロー成分を元に画像化されるので、このM
T効果の差は大きく影響する。
elman et al., Radiology,
192, 513−520(1994)”により提案さ
れているEPISTAR(echo−planar i
maging and signal targeti
ng with alternating radio
frequency)法と呼ばれるイメージング法で
ある。これによると、MT効果の差を無くするために、
撮像面に対する血流(動脈流)の上流および下流に厚さ
およびオフセット量共に対称なRFパルスを印加してい
る。これにより、撮像面におけるMT効果の差は解消ま
たは低減するものの、一方で、FAIR法と同様に撮像
面に流入する両方向の血流が画像化されてしまい、静脈
流の画像化を抑える、いわゆる静脈抑制が効かない。
l., MRM 34, 878−887 (199
5)”で提案されているFAIR(flow−sens
itivealternation inversio
n recovery)はSTAR法に比べて、コント
ロール/タグ用RFパルスにオン・レゾナンス(on−
resonance)のIRパルスを用いているので、
MT効果の差は殆ど生じることなく、transit
delay timeを小さくできる手法である。しか
し、撮像面に対する血流の流入方向を分離することがで
きないので、この手法単独では静脈抑制ができないとい
う問題がある。さらに、関心組織に対する支配血管の流
入方向を特定したい場合でも、これができないという問
題もある。
ャンセルと一方向のフローのみのイメージングという相
反する問題を解決することが重要である。この2つの問
題を解決または改善しようとする手法は、例えば「Ne
w EPI−STAR法」および「ASI−STAR
法」として提案されている。
えば“Mai et al., ISMRM 199
8, p1205”に示されている。adiabati
c パルスの性質を利用して、タグ側で360°のIR
パルスを印加し、コントロール側にはタグ側と同じ位置
に180°のIRパルスを2発印加することで、MT効
果をキャンセルさせる手法である。これはEPISTA
R法の改良にあたる手法で、タグ側からのフローのみを
画像化するともとに、マルチスライス可能な方法であ
る。
の改良として位置付けられる。非選択IRパルスに厚さ
を与え、かつタグ用RFパルスのオフセットをフロー流
入側が大きくなるように与える手法である。これによ
り、静脈側はほぼ選択IRパルスと重なるようにしたも
のである。
たNew EPI−STAR法およびASI−STAR
法ともに、以下のような不都合がある。New EPI
−STAR法を用いてシングルスライスを撮像する場
合、180°パルスを連続して2回掛けても、コントロ
ール側で縦磁化Mzが完全に回復せず、このパルス無し
の場合に比べて、MT効果のキャンセル不完全さの影響
が無視できない値として残ること、RFパワーも大きく
なって、SARが増加する。また、マルチスライスに実
施する場合は、基本的にtransit delay
timeが増加するので、定量化には不向きである。
る場合、一方の側のみに周波数オフセットを与えるた
め、このオフセット値が小さいにせよ、コントロール/
タグ間のMT効果は小さい値であるが、完全に無視でき
ない値として、キャンセルされないで残る。この値は、
低フローの血流を検出するときの大きな誤差要因とな
る。また、静脈側のタグとコントロールのスラブプロフ
ァイルについても、その傾斜部分の一致が完全または完
全とみなせる程ではないので、低速である静脈流が励起
されてしまい、差分を完全には消すことができないとい
う状況にある。
てなされたもので、ASL法に基づく撮像において、R
F波のパワーを格別に増大させたり、SAR(RF被
曝)を必要以上に大きくさせることなく、撮像領域にお
けるMT効果を互いに確実にキャンセルさせて静止組織
からの信号に因る差分誤差を低減させるとともに、一方
向の血流からの信号にのみ感度を持たせて、例えば、静
脈流の影響を著しく低減させることで、殆どが動脈流成
分のみに拠る、定量性を向上させたパフュージョン像ま
たは血流像(MRA)を提供することを、その目的とす
る。
づきパフュージョン(組織血流)像または血管(MR
A)像を得る手法を提供するものであり、造影剤を用い
ないで、非侵襲的にそれらの画像を得ることができる。
ともにASL法に属する2つのイメージング法に基づく
アプローチを採用している。その1つは、本発明者がA
STAR(Signal Targeting wit
h AlternatedRadio frequen
cy using Asymmetric Inver
sion Slab)と呼ぶ、新規なASL法に拠るア
プローチであり、もう1つは、前述したEPISTAR
法における新規な信号処理に拠るアプローチである。
adiabaticRF波を用いるPASL法及び大き
な連続的なadiabatic RF波を用いるCAS
L法の何れにも適用できる。最初に、PASL法に基づ
くASTAR法、次にCASL法に基づくASTAR法
の順に説明する。
STAR法により空間的に設定されるスラブ(又はスラ
イス)の位置関係を示す。同図において、横軸を被検体
の体軸方向zにとり、縦軸をイメージングスラブ(Im
aging slab)のz軸方向の中心からの変調周
波数オフセット量にとる。斜めの2本の破線はIR(反
転回復)傾斜磁場強度を示す。
は、図1に示す如く、撮像領域として選択的に設定され
るイメージングスラブに対し、タグ用IR(インバージ
ョン)パルスの印加によるタグスラブ(Tagging
slab または Tag−IR slab)とコン
トロール用IRパルスの印加によるコントロールスラブ
(Controlling slab またはCont
rol−IR slab)とが選択的に設定される。
グ用IRパルスを含んだパルス列とイメージングスラブ
に選択的に印加するイメージング用パルス列とから成る
第1のパルスシーケンスを用いたスキャン(以下、「タ
グ(ラベル)スキャン」と呼ぶ)と、コントロールスラ
ブに選択的に印加するコントロール用IRパルスを含ん
だパルス列とイメージングスラブに選択的に印加するイ
メージング用パルス列とから成る第2のパルスシーケン
スを用いたスキャン(以下、「コントロールスキャン」
と呼ぶ)が適宜な順番で時系列的に実施される。タグス
キャンを行う撮像モードをタグモードと呼び、コントロ
ールスキャンを行う撮像モードをコントロールモードと
呼ぶことにする。
ャンを実行するに際し、タグ用IRパルスとコントロー
ル用IRパルスのイメージングスラブの中心からのオフ
セット周波数は同じ値にした状態で、各イメージングパ
ルスによるスラブの厚さと位置オフセットを同じ倍率で
変えることを特徴の1つとする。これにより、タグスラ
ブおよびコントロールスラブとイメージングスラブとの
間の距離を調整でき、これにより、両IRパルスの印加
に伴ってイメージングスラブに生じるMT効果を同一に
または殆ど同一にし、かつ、一方向からの血流のみをイ
メージングする手法である。
の頭部を撮像する場合、動脈は下肢側から頭頂部側に流
れているので、タグ用IRスラブはイメージングスラブ
よりも下肢側(下側)に設定され、一方、コントロール
用IRスラブはイメージングスラブよりも頭頂部側(上
部)側に設定される。本発明では、コントロール用IR
スラブを、静脈を含む頭頂部に掛からないように設定す
ることを必須の特徴とする。つまり、頭頂部から外れた
位置にコントロール用IRスラブが設定される。
は、静脈系から検出される信号である。「除外」と言っ
ても、結局のところ、反転(TI)時間内に静脈からの
信号がイメージングスラブに入りこまなければよい。静
脈は動脈に比べて、比較的低速であるため、タグ用IR
パルスを頭部から位置的に完全に外して印加する必要は
無く、静脈の流速、ギャップ(空隙)の距離、および反
転時間などの条件に応じて、適度なマージンだけイメー
ジングスラブから離して設定できる。
スラブに対して、コントロールスラブを設定する側の被
検体領域または空間領域を必要に応じて、単に「コント
ロール側」と呼び、その反対に、タグスラブを設定する
側の被検体領域または空間領域を必要に応じて、単に
「タグ側」と呼ぶことにする。また、必要に応じて、コ
ントロールスキャンにより収集されるエコーデータに基
づく画像を「コントロール画像」と呼び、タグスキャン
によるそれを「タグ画像」と呼ぶことにする。
件)いま、コントロール側およびタグ側それぞれに対
し、参照符号を図1に示す如く、
スキャンによるMT効果を互いに同じ値にするには、コ
ントロール用IRスラブおよびタグ用IRスラブを設定
するときのIRパルスの帯域幅BWおよびオフセット周
波数が同じであること、すなわち、
コントロールスキャンおよびタグスキャンに使用するI
Rパルス(コントロール用IRパルスおよびタグ用IR
パルス)は、イメージングスラブに対して、互いに正負
逆極性で印加する必要がある。例えば、体軸方向をz軸
方向にとり、イメージングスラブの中心位置を原点とし
て、抑制したい血流(例えば静脈流)の上流方向を正
に、その反対方向を負にとると、
フセット励起周波数(deltaF)の正負に対して対
称であるならば、絶対値が等しく且つ符号が反対であれ
ばよい。しかし、それが非対称のときは、オフセット励
起周波数(deltaF)は符号も含めて同じでなけれ
ばならない。
の如く、コントロール側において静脈を含む実質組織に
コントロールスラブが重ならない(掛からない)ことを
条件の1つにする。そこで、イメージングスラブのz軸
方向中心位置からコントロールスラブまでの制限距離を
Dlimitとすると、
さThick、およびオフセットOffsetの関係を
含めてまとめると、コントロールスキャン時およびタグ
スキャン時にイメージングスラブに発生するMT効果の
量を同じにし、且つ、タグ側から流入する血流の信号成
分のみを検出するための必要十分な条件は、コントロー
ル側を正極性にとったときには、
トロールスラブは画像化の対象化外である静脈には全く
重ならない状態が理想である。しかしながら、この条件
はある程度、フレキシブルである。つまり、抑制したい
血流の速度が遅ければ、それほど厳密に成立しなくても
よく、コントロール用IRパルスによってタグ付けされ
た血液が反転時間(TI)内にイメージングスラブに到
達しなけばよい。したがって、制限距離Dlimitは
対象臓器と反転時間との兼ね合いで決めれば十位であ
る。具体的には、抑制したい血流の最大流速をvとする
ときの制限距離D limitは、
で、コントロールスラブを必要値以上にオフセットさせ
る必要はない。
および処理)このASTAR法では、(i)ミスレジス
トレーションを低減するために、コントロールスキャン
およびタグスキャンを1ショット毎に時間的交互に実行
してコントロール画像およびタグ画像のデータ収集を行
う、いわゆるインターリーブの手法が採用されている。
を得るために、コントロール画像のデータとタグ画像の
データとで差分処理が行われる。この差分処理について
本発明では、通常のMRI装置に標準装備されているエ
コーデータ(再構成前のいわゆる生データ)での加算機
能を用いて、生データの段階で複素数差分(実数部、虚
数部それぞれの差分)を行う手法を採用している。すな
わち、コントロール画像用の生データをScont,タ
グ画像用の生データをStagとすると、かかる複素数
差分処理による生データdeltaSは、
での絶対値化の処理は実際には、生データを再構成して
から行うことを意味している。
再構成した画像データの段階で行うようにしてもよい。
画像のSNRを向上させるために、コントロールスキャ
ンおよびタグスキャンそれぞれを複数回、実行して、平
均処理に付すアベレージング法を採用している。
合、上記式(p)に基づく差分処理(差分の後で絶対値
を演算)を行う場合、生データ間で減算(複素数差分)
をとり、それを加算(アベレージング法)しながら1ア
ベレージングずつ連続的にデータ収集可能となり、撮像
からデータ処理までのトータルの必要時間が短縮され
る。これに対し、上記式(q)に基づく差分処理を行う
場合、そのような生データでの加算機能を用いることは
できず、コントロール画像およびタグ画像それぞれでア
ベレージングしてから、絶対値を演算し、差分処理に付
す必要がある。
の信号の抑制)動脈や静脈など、大血管から検出される
信号は、当然のことながら、血管を観察するためのMR
A撮像のときには不可欠な信号である。しかし、毛細血
管や組織血流を観察するパフュージョン撮像のときに
は、これらの大血管からの信号は通常、臨床上、邪魔な
信号とみなされている。
は、パフュージョン撮像を行うときに、この大血管から
の信号を抑制する手法を採用している。具体的には、上
記(p)、(q)式で求められる生データの再構成画像
データdeltaVには、タグ側からイメージングスラ
ブに流入する大血管(例えば動脈)からの信号も含まれ
るので、これを抑制する手法である。抑制したい大血管
からの信号の下限値をdeltaVhighとすると、
からの信号の影響を低減させたパフュージョン像を得る
ことができる。
STAR法をCASL(continuous AS
L:CASL)法に基づいて実施することもできる。
ic条件を満たす単一周波数を有する連続波(CW)
を、一定時間以上、流入側の動脈部分に印加し続けるこ
とになる。これにより、血液のスピンが反転された状態
で下流のイメージングスラブに流入することになる。
メージングスラブに感度を有しない小さな送信用RFコ
イルを用い、傾斜磁場を印加しないで、RFコイルの感
度領域に頚動脈などの流入動脈が含まれるように励起す
る方法(例えば、「MRM33,209−214(19
95)」参照)と、(2)通常の頭部用RFコイルを用
いて傾斜磁場と共に連続波を印加する方法(例えば、
「Radiology1998;208:410−41
6」参照)とがある。後者の場合、例えば頭尾方向(Z
軸方向)の傾斜磁場と共に連続波を印加すれば、図18
に示す如く、動脈等の血流にほぼ垂直な薄いタグスライ
ス(理論的には平面:便宜的にスラブと呼ぶ)のスピン
が励起され、そのスライスを通過した血液は反転されて
イメージングスラブに流入することになる。
ン反転を行う必要があるが、PASL法に拠ると、図1
8に示す如く、スピン反転を行わせるスラブ(タグスラ
ブ及びコントロールスラブ)は非常に薄くなる。このた
め、PASL法の場合、タグスラブにおける流入側のイ
メージングスラブに遠い部分の血液は、イメージングス
ラブに流入するまでの時間がそれだけ多く掛かるため、
その間のT1緩和が進み具合も大きくなり、結果的に、
血流画像のSNRが低下するという状況にある。しか
し、CASL法を用いることで、この流入遅延に因る問
題が緩和される。
れのRFコイルを用いる場合でも、PASL法と同様
に、血流のみのイメージングを行うには、目的とする血
流をタギング(インバージョン)しない状態(コントロ
ールモード)とタギングした状態(タグモード)の2つ
の画像を差分する処理を行う。これにより、静止組織の
信号がキャンセルされる。このとき、上記(1)に示し
た小さいRFコイルを用いる場合、感度領域がイメージ
ングスラブに掛からなければ、MT効果に因る信号差は
殆ど無視できる。これに対し、上記(2)の頭部用RF
コイルを用いるケースで、タグスラブへのRF印加時の
送信感度がイメージングスラブを含む領域に掛かる場
合、イメージングスラブに及ぼすMT効果をキャンセル
させる必要がある。つまり、コントロールモードにおけ
るMT効果をタグモードと同じになるように設定する必
要がある。なお、この場合でも、PASL法のときと同
様に、一方の血流、例えば静脈が描出されないように抑
制することが重要である。
CASL法に基づきASTAR法を実施する場合、PA
SL法における励起スラブ(タグスラブ及びコントロー
ルスラブ)が薄い平面になったことと等価と考えればよ
い(図1,18参照)。
用する場合には、Offsetta g=Offset
contとすることが必須であるので、コントロール側
からの静脈流の描出を抑制することはできない。このた
め、Offsettag<Offsetcontの状態
に設定できるASTAR法をCASL法に基づき実施す
ることは、その両者の長所を活かすことができ、有効で
ある。
る。このアプローチはEPISTAR法に拠るスキャン
で収集した信号の後処理により、本発明の目的を達成す
るものである。
流抽出 図2に、EPISTAR法により空間的に設定されるス
ラブを、図1と同様のディメンジョンの採り方で模式的
に示す。
T効果の差をキャンセルさせるため、イメージングスラ
ブに対して、タグスラブと対称な位置に、スラブ厚さお
よび距離オフセット量ともに同じ(対称な)コントロー
ルスラブを設定している。このまま通常のASL法に基
づくコントロール画像とタグ画像との差分処理を行う
と、イメージングスラブに流入する両方向の血流が画像
化される。
特徴である、スラブ厚さおよび距離オフセット量の対称
性はそのまま維持した撮像を行って、コントロール画像
とタグ画像のデータを収集する。そして、このデータを
処理して画像化する段階において、所望の血流からの信
号成分のみを抽出する処理を行うことを特徴とする。
キャンで収集される生データ(複素数データ)のS
contおよびStagの再構成画像データをV
contおよびVtagとする。この画像データの信号
処理として、差分演算してから絶対値を演算する、すな
わち
向からの血流の信号が同スラブの画像に混入してしま
う。そこで、再構成画像データVcont、Vta gの
絶対値を演算してから差分を求める処理、すなわち
の信号成分については、
は、
aVを求めることで、タグ側から流入する血流(通常、
動脈流に設定する)を分離抽出できる。
たように、毛細血管や組織血流レベルの流れから収集さ
れる信号値は、動脈や静脈などの大血管からのそれに比
べて、相当に小さい。また、その流れの方向は必ずしも
一方向に限ったものではなく、イメージングスラブを形
成する各ボクセルに対してあらゆる方向から流入すると
想定される。このため、上記(t)式で演算されたデー
タdeltaVの内、単純に、deltaV>0となる
成分のみを抽出してしまうと、コントロール側から流入
する血流に拠るパフュージョン成分が抑制されてパフュ
ージョン像に反映され難くなる。
したい信号成分は大血管(動脈、静脈)からの信号であ
るので、イメージングスラブに両方向から流入する血流
に拠るパフュージョン成分は残し、大血管からの信号の
みを抑制する信号処理を行うようにする。本発明では、
これをしきい値処理により実行する。つまり、上記
(t)式で定める、
以上の原理に基づき、以下の構成を採用している。
って、静磁場中に置かれた被検体のイメージングスラブ
の一方及び他方にタグスラブ及びコントロールスラブを
夫々設定して当該イメージングスラブのASL(Art
erial Spin Labeling)像を得るM
RI装置において、前記タグスラブを選択励起するため
の第1のRF波及び第1の傾斜磁場と前記コントロール
スラブを選択励起するための第2のRF波及び第2の傾
斜磁場を、前記第1及び第2のRF波の励起中心周波数
の前記イメージングスラブの中心位置に対するオフセッ
ト量が同一で、且つ、そのタグスラブ及びコントロール
スラブの前記イメージングスラブに対するオフセット位
置が互いに異なるように設定する設定手段と、前記第1
のRF波及び第1の傾斜磁場を含むパルスシーケンスを
実行して前記イメージングスラブから第1のMR信号を
収集する第1のスキャン手段と、前記第2のRF波及び
第2の傾斜磁場を含むパルスシーケンスを実行して前記
イメージングスラブから第2のMR信号を収集する第1
のスキャン手段と、前記第1および第2のMR信号の相
互差分に基づく画像データを生成する画像データ生成手
段と、前記画像データをASL像として可視化する可視
化手段とを備えたことを特徴とする構成が提供される。
波の夫々は、所望スラブ位置を励起するために前記第1
及び第2の傾斜磁場に各別に対応する単一周波数のRF
連続波である。
は、前記タグスラブ及びコントロールスラブのスラブ厚
と当該両スラブの前記イメージングスラブに対する位置
オフセットとが同じ比率になるように前記第1及び第2
のRF波並びに前記第1及び第2の傾斜磁場の条件を設
定する手段である。この場合、例えば、第1及び第2の
RF波は、一定の周波数帯域を有するパルス波である。
第2のRF波のそれぞれはスピンを反転させるIR波で
あり、第1および第2のスキャン手段は、前記IR波を
前記イメージングスラブに関して互いに逆極性で印加す
る手段であってもよい。この場合、好適には、イメージ
ングスラブを設定する部位は被検体の頭部であって、前
記設定手段はその頭部の位置を外して前記コントロール
スラブを設定する手段を有することである。
ータ生成手段は、被検体の抑制したい血管の最小と推定
される信号値をしきい値としたときに、このしきい値以
下の信号成分を前記MR信号の差分値から抽出する手段
を備えていてもよい。これにより、パフュージョン像が
得られる。
のスキャン手段は、夫々、第1及び第2のRF波を含み
かつ前記被検体のスピンの縦緩和を強調した同一タイプ
のパルスシーケンスを実行する手段を含むことが望まし
い。例えば、前記第1および第2のRF波のそれぞれ
は、スライス選択的に印加されるスピン反転用のIR波
である。前記パルスシーケンスは、前記被検体のスピン
を事前飽和させるプリサチュレーションパルスを含むこ
とも好適な例である。
第2のスキャン手段は、前記パルスシーケンスをRF波
印加毎にインターリーブ方式で実行するようにしてもよ
い。
のスキャン手段のそれぞれは、イメージングスラブから
前記MR信号の収集を複数回実行する手段であり、画像
データ生成手段は、前記複数回の収集による前記MR信
号を加算平均する手段を含んでいてもよい。これによ
り、SNRを上げることができる。
設定手段は、前記イメージングスラブのスラブ厚、前記
タグスラブのスラブ厚、前記イメージングスラブと前記
タグスラブとの間の距離、および前記イメージングスラ
ブと前記コントロールスラブとの間の距離を既知量とし
て与える手段と、この既知量に基づいて前記コントロー
ルスラブのスラブ厚および位置オフセット量を演算する
演算手段とを備えることもできる。
第1及び第2のRF波の印加とイメージング用パルス列
の印加との間に、前記被検体の前記イメージングスラ
ブ、タグスラブ、及びコントロールスラブを含む領域に
印加する非スライス選第1及び第2のスキャン手段によ
り実行される前記パルスシーケン択IR波を設定したパ
ルスシーケンスである。この場合、好適には、前記パル
スシーケンスにおける前記非スライス選択IR波の印加
と前記イメージング用パルス列の印加までの時間は、前
記イメージングスラブに含まれる静止組織の縦緩和時間
が当該イメージング用パルスの印加時刻において平均で
ほぼ零と見なすことが可能な値に設定することである。
これにより、静止組織由来の差分誤差が確実に低減さ
れ、殆どが血流のみのASL像が得られる。例えば、非
スライス選択IR波は複数個の印加される。勿論、この
IR波、IRパルスとして1個印加するようにしてもよ
い。
では、被検体のイメージングスラブの一方の側に設定し
たタグスラブに第1のRF波を印加して当該イメージン
グスラブから第1のMR信号の収集を行う第1のスキャ
ン手段と、前記イメージングスラブの他方の側に前記タ
グスラブと対称な位置に設定したコントロールスラブに
第2のRF波を印加して当該イメージングスラブから第
2のMR信号の収集を行う第2のスキャン手段と、前記
第1および第2のMR信号に基づく画像データを生成す
る画像データ生成手段とを備え、前記画像データ生成手
段は、前記第1および第2のMR信号それぞれの再構成
後の絶対値を演算する第1、第2の絶対値演算手段と、
前記第1及び第2のMR信号の絶対値同士を相互に差分
する差分手段と、この差分手段による差分結果から所望
の信号成分の画像データを抽出する抽出手段とを備えた
ことを特徴とするMRI装置が提供される。
前記コントロールスラブ側から前記イメージングスラブ
に流入する大血管からの信号を抑制するためのしきい値
で前記差分手段による差分結果をしきい値処理して前記
タグスラブ側から流入する血流成分を抽出する手段であ
る。また、この抽出手段は、前記イメージングスラブに
流入する大血管からの信号を抑制するためのしきい値で
前記差分手段による差分結果をしきい値処理して前記イ
メージングラスブに流入するパフュージョン成分を抽出
する手段であってもよい。
イメージング方法は、磁場中に置かれた被検体のイメー
ジングスラブの一方及び他方にタグスラブ及びコントロ
ールスラブを夫々設定して当該イメージングスラブのA
SL(Arterial Spin Labelin
g)像を得るMRイメージング方法であり、前記タグス
ラブを選択励起するための第1のRF波及び第1の傾斜
磁場と前記コントロールスラブを選択励起するための第
2のRF波及び第2の傾斜磁場を、前記第1及び第2の
RF波の励起中心周波数の前記イメージングスラブの中
心位置に対するオフセット量が同一で、且つ、そのタグ
スラブ及びコントロールスラブの前記イメージングスラ
ブに対するオフセット位置が互いに異なるように設定
し、前記第1のRF波及び第1の傾斜磁場を含むパルス
シーケンスを実行して前記イメージングスラブから第1
のMR信号を収集するとともに、前記第2のRF波及び
第2の傾斜磁場を含むパルスシーケンスを実行して前記
イメージングスラブから第2のMR信号を収集し、前記
第1および第2のMR信号の相互差分に基づく画像デー
タを生成し、前記画像データをASL像として可視化す
る、ことを特徴とする。
を参照して説明する。
3〜図8を参照して説明する。この実施形態に係るMR
I(磁気共鳴イメージング)装置は、前述した本発明の
第1のアプローチに基づいて、すなわちASTAR法に
基づいて血管像(MRA像)またはパフュージョン像
(組織血流像)を提供することを特徴とする。
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場
を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加
するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する
送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構
成を担う制御・演算部とを備えている。
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0を発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するコントローラの
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を
合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場Gs、
位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向
(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各方向を任意
に設定・変更することができる。スライス方向、位相エ
ンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場
H0に重畳される。
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7
に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。こ
の送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5
の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を起こさせるた
めのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に
供給する一方、RFコイル7が受信した高周波のMR信
号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタ
ル信号を形成するようになっている。
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、記憶したソフトウエア手順により、オペレータが
指令した情報を受け付け、この情報に基づくスキャンシ
ーケンス情報をシーケンサ5に指令するとともに、シー
ケンサ5をはじめとして、演算ユニット10、記憶ユニ
ット11、および表示器12を含む装置全体の動作を統
括する機能を有する。
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御す
る。また、シーケンサ5は、受信器8RからのMR信号
のデジタルデータを一旦入力して、再構成処理を行う演
算ユニット10にそのデータを転送する。
のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信
器8Rおよび受信器8Tを動作させるために必要な全て
の情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印
加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングな
どに関する情報を含む。
は、T1(縦緩和)時間を強調した高速イメージング用
であればどのようなパルスシーケンスであってもよい。
例えば、高速FE法、高速SE法、EPI(Echo
Planar Imaging)法、FASE(高速A
symmetricSE)法、ハイブリッドEPI法な
どである。
読込み、画像のフーリエ空間(k空間または周波数空間
とも呼ばれる)への生データの配置、データのアベレー
ジング処理、タグモードおよびコントロールモードのデ
ータ相互間の差分、データのしきい値処理、複素数デー
タの絶対値化処理、生データを実空間データに再構成す
る再構成処理(例えば2次元または3次元のフーリエ変
換処理)を適宜な順番で行うようになっている。この演
算ユニット10における処理の例を、図7、図10〜1
2に示す。なお、3次元撮像が行われた場合、演算ユニ
ット10は、3次元画像データから2次元画像データを
生成するためにMIP(最大値投影)処理なども実施で
きるようになっている。
成画像データのみならず、演算処理が施された画像デー
タを保管することができる。表示器12は画像を表示す
る。また、術者は入力器13を介して所望のスキャン条
件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情報を
ホスト計算機6に入力できるようになっている。
器16、および、ECGセンサ17、ECGユニット1
8が設けられている。音声発生器16は、シーケンサ5
またはホスト計算機6からの指示に応答して、患者(被
検体)に息止めのための音声メッセージを発生する。ま
た、ECGセンサ17およびECGユニット18は患者
の心電図信号を検出してシーケンサ5に出力するように
なっており、これにより心電同期スキャンを行うことが
できる。
頭部動脈の血管像を得るMR撮像を行うものとする。使
用するパルスシーケンスは、IRパルスを用いた高速F
E法のシーケンスであるとする。
た後、ホスト計算機6は、オペレータからの指令に応答
して、図4に示すイメージング処理の実行を開始する。
作情報に基づきスキャン条件を入力する(ステップ3
1)。このスキャン条件には、撮像位置(イメージング
スラブの中心位置)、パルスシーケンスの種類とそのパ
ラメータ(反転時間TI,繰り返し時間TR,エコー時
間TE,回復時間Trecovery,フリップパルス
のフリップ角FA(=α))などに加えて、ASTAR
法独自のパラメータとして、イメージングスラブの厚さ
Thickimage、タグスラブの厚さThick
tag、イメージングスラブとタグスラブとの間の距離
Gaptag、およびイメージングスラブとコントロー
ルスラブとの間の距離Gapcontが含まれる(図1
参照)。この内、コントロール側の距離Gapcont
は、前述したように、静脈の流速などを考慮したコント
ロールスラブが頭部の静脈に掛からないように設定され
る。
入力器13を介してその都度、所望の値として設定して
もよいし、所望の数値の組み合わせをテーブルとして予
め記憶ユニット11に記憶させておいて、このテーブル
の中から撮像時の選択するようにしてもよい。
スト計算機6は次いで、ASTAR法の必要十分条件を
満たす残りのパラメータを演算する(ステップ32)。
すなわち、コントロールスラブの厚さThick
contと、イメージングスラブの中心位置からのコン
トロールスラブのオフセット距離Offsetcont
のパラメータである(図1参照)。前記(m)式から、
式からコントロールスラブの厚さThick
contと、コントロールスラブのオフセット距離Of
fsetcontとが求められる。
1つして指定される、タグスキャンとコントロールスキ
ャンとによるデータ収集順が判断される(ステップ3
3)。本実施形態では、図4(a)または(b)に示す
2通りの収集順が予め用意されており、このいずれの順
番であるかが判断される。
ットに続いて、タグモードおよびコントロールモードの
スキャンがそのショット毎に交互に所定の回復時間T
rec overyを置いて行われる、いわゆる「インタ
ーリーブ方式」になっている。また、同図(b)の収集
順によれば、ダミーショットの後に、タグモードのスキ
ャンがその各ショット毎に所定の回復時間T
recoveryを置いて実行され、その後に、今度は
コントロールモードのスキャンがその各ショット毎に所
定の回復時間Trecoveryを置いて実行される、
いわゆる「シーケンス方式」になっている。
方式」の収集順が指定されていると判断されたときは、
図5(a)に示すインターリーブ方式の収集順に基づく
スキャンが指令される(ステップ34)。一方、「シー
ケンス方式」の収集順が指定されていると判断されたと
きには、同図(b)に示すシーケンス方式の収集順に基
づくスキャンが指令される(ステップ35)。この指令
は、ホスト計算機6が上述の如く受け付け且つ演算した
ASTAR法のパラメータを反映させたパルスシーケン
ス情報をシーケンサ5に渡すことにより実行される。
開始し、指令されたパルスシーケンス情報に沿って逐
一、傾斜磁場電源4、送信器8T、および受信器8Rを
駆動させる。これにより、何れの方式の収集順であって
も、一例として、図6に示すように、IRパルスを用い
た高速FE法のパルスシーケンス基づいて各ショットの
2次元スキャンが実行される。
インターリーブ方式の収集順が指令されているとする。
最初の例えばタグモードの第1回ショットでは、シーケ
ンサ5の指令により、プリサチュレーション(事前飽
和)パルスPre―Satが、イメージングスラブに対
するスライス傾斜磁場Gsよりも低い所定強度のスライ
ス傾斜磁場Gsと共に印加される。これにより、イメー
ジングスラブよりも広い範囲にわたってスピンはスライ
ス選択的に事前励起される。
イス傾斜磁場Gs=GstagおよびタグIRパルス
(180°RFパルス:その変調周波数のオフセット値
=−deltaFtag,帯域幅=BWtag)が印加
される。これにより、図1に示す如く、イメージングス
ラブのタグ側(イメージングスラブの下肢側;動脈流の
流入側)に所望厚さのタグスラブが選択的に設定され
る。
ット値deltaFtag、および帯域幅BWtagは
前述したように、ASTAR法の必要十分条件を満たす
ように設定された値である。ただし、本実施形態では、
オフセット値deltaFの極性を変えずに、スライス
傾斜磁場Gsの印加極性を変えるように設定している。
なお、スライス傾斜磁場Gsの極性は変えないで、イメ
ージングスラブに対する変調周波数のオフセット値de
ltaFtagの極性を変える(オフセット値自体は変
わらない)ことで、そのオフセット位置を後述するコン
トロールスラブとは反対方向の位置に設定するようにし
てもよい。
スラブの撮像部位の原子核スピンは一度反転し(すなわ
ち、タグ付けされ)、その後、T1緩和(縦緩和)過程
に入る。このタグスラブでタグ付けされた動脈流は、そ
のT1緩和を起こしながらイメージングスラブに流入し
ていく。このとき、イメージングスラブはタグIRパル
スによってオフ・レゾナンスで励起されるため、MT効
果を受ける。
の反転時間TIが経過すると、最適値に設定されている
低フリップ角度αの最初のフリップパルスP1がスライ
ス方向傾斜磁場Gsと共に印加される。これにより、イ
メージングスラブの原子核スピンがフリップされる。こ
のスライス方向傾斜磁場Gsはその後、スピンリフェー
ズのために極性反転されて印加される一方で、これに並
行して読出し方向傾斜磁場Grが所定方向に印加され
る。この読出し方向傾斜磁場Grはその後、エコー信号
読出しのために極性反転され、所定期間の間、周波数エ
ンコード用として印加される。最初のフリップパルス印
加のときには、ここでは、位相エンコード方向傾斜磁場
Ge=0に設定されている。
コー時間TEに近付くにつれて、イメージングスラブか
ら最初のエコー信号が発生してくる。このエコー信号は
RFコイル7で検出され後、受信器8Rに送られる。受
信器8Rにて、エコー信号は増幅、中間周波変換、位相
検波、低周波増幅などの所定の受信処理に付された後、
A/D変換される。このデジタル量のエコーデータはシ
ーケンサ5を通して演算ユニット10に転送され、画像
のk空間の、その位相エンコード量に対応した列位置に
沿って配置される。なお、この配置の好適な一例は、零
エンコードを境に低周波のエンコードからデータを収集
・配置する“centric phase encod
ing”法に基づいて行われる。
になると、読出し方向傾斜磁場Grの印加も終わる。
適値に設定されて繰返し時間TRが経過すると、2番目
のフリップパルスP2がスライス方向傾斜磁場Gsと共
に印加される。このフリップパルスP2の印加について
も、上述と同様にしてエコー信号が収集される。この一
連のフリップパルスの印加およびエコーデータ収集は、
位相エンコード回数分(例えば128回)繰り返して実
行される。この2回目以降のフリップパルス印加時に
は、エコー信号収集前に、各回毎に変えた波形面積の位
相エンコード方向傾斜磁場Geのパルスを印加する。ま
た、エコー信号の収集後には、その位相エンコードパル
スのスピンに対する位相の影響を打ち消すために、逆向
き極性の傾斜磁場Geのパルスが印加される。
必要に応じて読出し方向、および/または、スライス方
向に印加するように構成してもよい。
の1ショットにより、2次元k空間全部にエコーデータ
(生データ)が配置される。
間Trecoveryだけ待って、今度はコントロール
モードに対する第1回目の1ショットのスキャンが実行
される。
ションパルスが前述と同様に印加される。次いで、スラ
イス傾斜磁場Gs=GscontおよびコントロールI
Rパルス(180°RFパルス:その変調周波数のオフ
セット値=deltaFco nt,帯域幅=BW
cont)が印加される。このスライス傾斜磁場Gs
con t(<Gstag)、オフセット値deltaF
cont(=deltaFta g:オフセット値の絶対
値が等しい)、および帯域幅BWcont(=BWta
g)は前述したように、ASTAR法の必要十分条件を
満たすように設定された値である。
グスラブのコントロール側(イメージングスラブの頭頂
部側;静脈流の流入側)に、前述したタグスラブとは非
対称な位置に、タグスラブより厚いコントロールスラブ
が選択的に設定される。すなわち、コントロールスラブ
の位置オフセット量Offsetcontが頭頂部の位
置を外すために大きく設定された分、コントロールスラ
ブ厚Thickcon tも比例して大きく設定される
(図1参照)。
スピンは一度反転した後、T1緩和過程に入る。しか
し、このスラブは頭頂部からは殆どずれた位置にあるた
め、頭頂部の静脈の原子核スピンは励起されない(タグ
付けされない)が、イメージングスラブにはオフ・レゾ
ナンスな励起であるため、MT効果を発生させる。この
コントロールスキャンに拠るMT効果の量は、前述した
タグスキャンに拠るそれと同じまたはほぼ同じである。
ロールIRパルスがASTAR法に基づいているからで
ある。つまり、両IRパルスのイメージングスラブから
のオフセット周波数を互いに同じに保持した状態で、タ
グスラブとコントロールスラブとの間の厚さの倍率
(比)と、タグスラブとコントロールスラブとの間の位
置オフセットの倍率(比)とが同じ値になるように変更
しながら、イメージングスラブとタグスラブ、および、
イメージングスラブとコントロールスラブとの間の距離
をコントロールする方式を採用しているからである。つ
まり、コントロールスラブ厚をその位置オフセットに比
例して大きく設定しているためである。この距離コント
ロールを適宜に行うことで、頭部静脈にコントロールス
ラブが掛からない、または、実質的に掛からないように
することができる。したがって、両方のIRパルスから
受けるイメージングスラブのMT効果を同一または略同
一に設定でき、かつ、一方向から血流のみにタグ付けし
て検出することができる。
後、反転時間TI後には前述と同様にフリップパルスを
n個使った、イメージングスラブからのFE法による前
述と同様のエコー収集が行われる。
て、1回目のコントロールスキャンが終わると、所定の
回復時間Trecovery後には再び、2回目のタグ
スキャンが前述と同様に実行される。このタグスキャン
の後、再び、所定の回復時間T recoveryを待っ
て、2回目のコントロールスキャンが前述と同様に実行
される。
ロールスキャンがインターリーブ方式に基づいてアベレ
ージングために所定回数繰り返して実行される。
機6によってステップ34または35においてスキャン
が指令されると、その後のスキャンの詳細な指令はシー
ケンサ5に任される。したがって、ホスト計算機6は、
スキャン指令後、直ちに演算ユニット10に各種の演算
の指令を出す(ステップ36)。この指令に応答して、
演算ユニット10は、収集される生データの読込み、ア
ベレージング処理、再構成処理、絶対値化処理、差分処
理(ASL像データ作成)などを適宜な順番で且つ適宜
なタイミングで行う。
および図8に示す。図7は、かかる処理の流れを概念的
に表し、図8は、この処理の進行に伴うデータ生成を模
式的に表す。なお、図7に示す処理フローは一例を示す
ものであって、上述した各種の演算および処理は種々の
順番で実施できる。それらの変形例を後述するように、
図10〜図13に示す。
ニット10は、シーケンサ5を介して送られてくる受信
器8Rの送出データ、すなわちタグスキャンに伴って収
集された生データStagまたはコントロールスキャン
に伴って収集された生データScontが読み込まれる
(ステップ36aまたは36a’)。生データ
Sta g、Scontはそれぞれ複素数の量として収集
される。
でS/N比向上のための、例えば移動平均方式によるア
ベレージング処理に付される(ステップ36bまたは3
6b’)。この生データの読込み及びアベレージング処
理は、スキャンと並行して行われ、各モード毎に全ショ
ットによるスキャンが完了するまで継続される(ステッ
プ36cまたは36c’)。
ると、演算ユニット10は、タグスキャンによる生デー
タStagの平均値およびコントロールスキャンによる
生データScontの平均値を各別に保有できる。そこ
で、演算ユニット10はさらにこの両方の生データS
tagおよびScontをそれぞれ画像再構成した後
(ステップS36dまたは36d’)、絶対値化する演
算を行う(ステップ36eおよび36e’)。すなわ
ち、再構成された画像データ|Vtag|および|V
cont|が演算される。
ータ|Vtag|および|Vcon t|の相互の差分を
演算する(ステップ36f)。すなわち、
Vが実空間上のASL像データASLimageとな
る。
得られると、ホスト計算機6はこのデータを表示し、か
つ格納保管する指令を演算ユニット10、記憶ユニット
11、表示器12に送る(ステップ37)。このため、
表示器12にはASL像ASLimageが表示され
る。
ロールIRパルスとタグIRパルスとに拠るMT効果が
同じまたは殆ど同じである。すなわち、図8に模式的に
示すように、画像データ|Vtag|および|V
cont|の組織部分からの信号値は殆ど同レベル(=
|V1|)である。しかも、タグスラブによってタグ側
から流入する動脈流ARがタグ付けされ、その血流部分
の信号値|Vtag|が上がる(図8(d)参照)。一
方、コントロールスラブは頭頂部の位置を外して設定さ
れているので、コントロール側からイメージングスラブ
に流入する静脈VEは全くまたは殆どタグ付けされるこ
とはなく、静脈部分の信号値|Vcont|は組織部分
と殆ど変わらない(図8(c)参照)。
|および|Vcont|の相互差分によって組織部分の
信号値は完全にまたは殆ど完全に相殺され、且つ、タグ
IRパルスによってタグ付けされている動脈ARの画素
の信号値が良好に残る(図8(e)参照)。
大させなくても、タグIRパルスおよびコントロールI
Rパルスに拠るMT効果を確実にキャンセルさせ、AS
L像生成時の組織血流由来の差分誤差を低減させる。同
時に、タグ側からの血流(例えば動脈)のみを画像化
し、コントロール側からの血流(例えば静脈)のデータ
収集が抑制でされる。したがって、タグ側を動脈流入側
に採ることにより、動脈血流成分のみに拠る、簡便で
(操作は従来と殆ど変わらない)、高精度・高品質(目
的とする血流のみをS/N良く撮像)のMRA像を非侵
襲の状態で提供できる。
て、パフュージョン像を得る場合、抑制したい大血管、
例えば動脈ARの下限値deltaVhighを設定す
る。そして、求めた差分値deltaVに関して、前述
した(r)式に基づき、
同図に示すように、かかるしきい値処理(ステップ36
g’)は、ステップ36fの差分処理の後で実行され
る。
号を抑制したパフュージョン像が得られる。この結果、
上述したMRA象の撮像時の利点に加え、通常、不要と
されている大血管の入らない組織血流のみのパフュージ
ョン像を確実に提供することができ、画像の臨床的価値
を向上させることができる。
びコントロールスキャンの両方でプリサチュレーション
パルスを印加するようにしているので、静止組織のスピ
ンを事前飽和させて、組織由来の信号をASL差分する
ときの差分精度をより向上させ、より高品質なASL像
を提供することができる。なお、場合によっては、この
プリサチュレーションパルスの印加過程を省略してもよ
い。
ャンのスキャン順に関してインターリーブ方式を採用し
ているので、タグスラブおよびコントロールスラブのス
ピンを回復・安定させる時間を短縮させることができ
る。
頭部の撮像(MRA像およびパフュージョン像)を行
い、いずれの実験においても、ASTAR法は有効であ
ることを確認した。
行する処理の順番の別の例を示す。図10の処理順の場
合、生データ|Scont|および|Stag|の段階
で差分し、加算(アベレージング)する処理を連続し
て、スキャンと並行して行う(371a,371a’,
371b〜371d)。この後、差分・加算平均後の生
データを再構成し、絶対値化する(371e,371
f)。この処理順によれば、処理が簡単で演算量を抑制
できる。
contおよびStagそれぞれの段階で、アベレージ
ング、再構成、絶対値化までをこの順に行う(ステップ
38a〜38e,38a’〜38e’)。そして、再構
成後の画像データに対して差分演算を行い(ステップ3
8f)、ASL画像ASLimageを得る。この処理
順の場合、絶対値化に次いで差分が演算されるので、特
にノイズ成分を減らし、また、処理途中での絶対値画像
を記憶しておけるので、生成されたASL像の背景(組
織)が残っている場合でも、後補正を行って背景を消去
できる。
は図11のものと同一であり、再構成後に、先に差分演
算を行う(ステップ39a〜39d,39a’〜39
d’,39e)。この後で、絶対値化してASL画像A
SLimageを得る(ステップ39f)。これによっ
ても、比較的簡単な処理でASL像を提供できる。
の段階でアベレージングした後、直ぐに差分演算を行っ
て生データのままASL像のデータを得る(ステップ4
0a〜40c,40a’〜40c’)。この後、直ぐ
に、差分演算を行ってASL像化した後、実数部デー
タ、虚数部データそれぞれで再構成し、さらに絶対値化
して最終的なASL像データを得る(ステップ40d〜
40f)。これによっても、比較的簡単な処理でASL
像を提供できる。
態を図14〜図17に基づき説明する。この実施形態に
おいて、上述した第1の実施形態の構成要素と同一また
は同等の要素には同一符号を用いて、その説明を省略ま
たは簡略化する。
う1つのアプローチであるEPISTAR法に基づくM
RA撮像またはパフュージョン撮像を行うようになって
いる。EPISTAR法そのものは、図2を用いて前述
した通りである。
算機6は、シーケンサ5に対して、図14に示すよう
に、T1緩和を強調できるパルスシーケンスとして、I
Rパルスを用いた高速FE法のパルスシーケンスを例え
ばインターリーブ方式で行うように指令する。このパル
スシーケンスで用いるタグIRパルスとコントロールI
Rパルスについては、その帯域幅BWは共に等しく(B
Wtag=BWcont)、且つ、そのオフセット周波
数deltaFも極性は反対だが、値は共に等しく(d
eltaFtag=−deltaFcont)、この状
態で同一強度の傾斜磁場Gs(Gstag=Gs
cont)と共に印加される。
収集は、第1の実施形態のときと同一または同等であ
る。これにより収集されたタグモードおよびコントロー
ルモードの複素数データである生データStagおよび
Scontは演算ユニット10に送られ、一例として、
図15に示す画像生成処理に付される。この一連の処理
において特徴的な事項は、しきい値処理である。生デー
タStagおよびSco ntそれぞれを読み込み、アベ
レージング処理し、画像に再構成処理し、そして絶対値
化した後、それらのデータ間で差分処理してASL像デ
ータdeltaV=|Vtag|−|Vcont|を求
める(ステップ41a〜41e,41a’〜41e’,
41f)。この後、前述した式(v)式を満たすよう
に、すなわち
(e)〜(f)参照)。このdeltaV>0を満たす
ASL像データから成る血管のASL像を得る。
ので、静脈VEを消して、動脈ARのみを表した血管像
を提供できる。この一連の処理を図16に模式化して示
す。
ュージョン像をイメージングする場合、図17に示すよ
うに、図15のステップ41gに相当するステップ41
g’において、前述した(w)式に基づくしきい値処理
を実行すればよい。
では、1つのインバージョンパルスで1画像分全てのエ
コーデータを収集するパルスシーケンスを採用する例を
説明したが、これに代えて、複数のインバージョンパル
スで1画像分のエコーデータを収集する、いわゆる、セ
グメンテッド高速FE法を採用することもできる。
態では、IRパルスを用いた高速FE法を実施するMR
I装置およびMRイメージング方法を説明したが、本発
明で実施可能なパルスシーケンスはこれに限定されな
い。IRパルス(180°RFパルス)または飽和パル
ス(90°RFパルス)を用い、T1回復過程にてk空
間を充足する生データを収集できるパルスシーケンスで
あれば同様に実施できる。例えば、IRパルスを用いた
高速SE法の場合、1つのフリップパルスと複数のリフ
ォーカスパルスの印加によりk空間充足用データを収集
するが、フリップパルスとリフォーカスパルスのフリッ
プ角度を適切に設定することで、T2減衰による信号減
衰を抑制し、T1回復とT2減衰が均衡する条件が存在
するので、このパルスシーケンスにも同様に適用でき
る。
あっては、撮像部位が頭部である場合を例示したが、撮
像部位は腎臓、肝臓、筋血流など、種々の部位に適用す
ることもできる。
は、IRパルスに拠るタグスラブおよびコントロールス
ラブをイメージングスラブに対して平行に設定する例を
示したが、本発明はこれに限定されることなく、例え
ば、タグスラブ、イメージングスラブ、およびコントロ
ールスラブの位置関係は互いに直交またはオブリークの
位置関係であってもよい。
2次元スキャンとして実施した場合を例示したが、3次
元スキャンであっても勿論同様に構成できる。
実施形態を図18〜19に基づき説明する。
ASTAR法をCASL法に基づき実施するMRI装置
に関する。装置のハードウェアの構成は前述した各実施
形態のものと同等であり、一方、ASLイメージングの
手順は第1の実施形態で説明したASTAR法(PAS
L法に基づく)と同様に実行される。
法(CASL法に基づく)を実施するときのスラブ(ス
ライス)の空間位置と傾斜磁場との関係を示す。図19
には、具体的なパルスシーケンスの一例を示す。
ロールモードで印加されるIRパルスには、ある強度の
adiabatic条件を満たし且つ単一周波数の連続
波が一定時間以上(例えば単一周波数の正弦波を1〜3
sec程度)に渡って印加される。
は、通常に使用されている頭部用コイルが使用される。
このため、タギング時のスライス傾斜磁場Gs
tagは、図18に示す如く、タグスラブ(スライス)
がイメージングスラブへの例えば血液流入側に在る動脈
部分に位置するように設定される。一方、コントロール
時のスライス傾斜磁場Gscontは、同図に示す如
く、コントロールスラブ(スライス)が体軸(Z軸)方
向にて頭頂部を外して位置するように設定される。
は、
ングスラブのスライス方向中心での励起周波数をF0と
すると、タグスラブ(スライス)及びコントロールスラ
ブ(スライス)のスライス方向中心では、
示す如く、イメージングスラブへの例えば血液流入側に
在る動脈部分がタグスラブ(スライス)によりタギング
される。一方、コントロールモードでは、同図に示す如
く、コントロールスラブ(スライス)により、体軸(Z
軸)方向の頭頂部を外した空間位置が励起される。タグ
用IRパルスに連続波を用いているので、タグスラブは
非常に薄いスライス(理論的には平面)となり、かつ、
例えば動脈にほぼ垂直になる。これにより、血液のスピ
ンがインバージョンされた状態で下流に進み、イメージ
ングスラブに流入する。コントロール用IRパルスに連
続波を用いているので、コントロールスラブも非常に薄
いスライス(理論的には平面)となる。
ング用のパルス列、及び、エコーデータ収集後のASL
イメージングに関わるデータ処理は第1の実施形態のも
のと同様に実行され、タグ画像とコントロール画像の差
分に基づくASL像が得られる。
わちイメージングスラブのスライス方向中心位置におけ
るMT効果は、タグモードとコントロールモードで殆ど
同じ量になるので、差分処理によりその殆どがキャンセ
ルされ、MT効果の影響が殆ど無い高精細なASL像に
なる。
られる。つまり、連続波から成るタグ用及びコントロー
ル用IRパルスを用いるので、励起するスラブ(スライ
ス)を平面並に薄くできる。このため、PASL法のと
きの、タグスラブ内のイメージングスラブから遠い部分
で励起された血流スピンが大きな時間遅れでイメージン
グスラブに流入するという状況とは異なり、CASL法
に拠るタグスラブ(スライス)で励起された血流スピン
は、少ない時間遅れでイメージングスラブに流入でき
る。とくに、タグスラブ(スライス)をイメージングス
ラブに極力、接近させることで、かかる時間遅れをそれ
だけ少なくすることができる。これにより、イメージン
グスラブに流入した血流スピンのT1緩和はそれほど進
んでいないので、PASL法のときよりもイメージング
スラブからの血流信号のSNRが良くなるという利点が
ある。
として、通常の頭部用RFコイルの代わりに、イメージ
ングスラブに感度を持たない小さな送信用RFコイルを
用いてもよい。この場合、傾斜磁場を印加せず、その送
信用RFコイルの感度領域が、イメージングスラブへ流
入する例えば動脈を含むように、位置関係を設定すれば
よい。これによって、イメージングスラブに流入する血
流をタギングすることができる。
実施形態を図20〜23に基づき説明する。
る静止組織由来の差分誤差(差分値=0を理想状態とし
たときの差分結果)を低減する手法を提供するものであ
る。この差分誤差低減法は、ASTAR法、FAIR
法、EPISTAR法など各種のASLイメージングに
適用できる一方で、その基礎となるパルス種類がPAS
L法であるか、CASL法であるかに拘らず、広範囲に
適用できる。
に、かかる差分誤差抑制法を適用する場合について説明
する。
までの実施形態で説明した如く、タギングモードとコン
トロールモードを持つASLイメージングでは、イメー
ジングスラブの静止組織に与えるMT効果が両モードに
おいて同じになるように設定して得たタグ画像とコント
ロール画像と得て、これらを相互に差分演算するで、血
流信号の画像が得るようにしている。
は、タギングした後、大血管の動脈血が組織に拡散する
時間(TI時間)だけ待ってスキャンする必要があるた
め、通常は、静止組織の信号は血流信号に比べて100
〜1000倍程度、大きくなる。このため、RF系の不
安定さや、患者の体動等がある場合、差分演算を行って
も、無視できない程の静止組織信号(即ち差分誤差)が
残ることがある。
生をより確実に防止し、所望方向の血流をより精細に描
出することができるASLイメージング法を提供するこ
とを、更なる目的とする。
STAR法のパルスシーケンスを図20に示す。このパ
ルスシーケンスを実行して、ASL像を得る手順及び処
理は、第1の実施形態のものと同じである。
IRパルスとイメージング用パルス列のk空間の中心時
刻との間に、非スライス選択IRパルス(non−sl
ice selective IR pulse:ns
sIRパルス)と呼ばれるパルスが、スライス傾斜磁場
の印加無しの状態で、1回印加される。なお、このns
sIRパルスは非選択で印加されるが、実際には、図2
1に示す如く、タグスラブとイメージングスラブを含む
スラブ厚さ以上の領域に印加されればよい。なお、図2
0では、nssIRパルスは1回、印加される構成を示
したが、2回以上、印加するようにしてもよい。
信号の差分誤差の発生を抑制する上での特徴を成す。
るT1値を有する静止組織、例えばT1値の短い方から
fat,white matter(WM),gray
matter(GM),CSFが存在する。中でも、
脳実質内に多い静止組織成分はWM,GMであるので、
nssIRパルスの印加時からk空間の中心に配置する
データの収集時刻までの時間TInss(図20参照)
は、TI時間後に、GM,WMの縦磁化Mzがほぼ平均
で零になる値付近に設定される。nssIRパルスの印
加数を多くするほど、各種の静止組織間におけるTI時
間に因る縦磁化Mzの差はそれだけ小さくなる。
000〜1500ms、TInss=300〜400m
sに設定したとき、GM,WMの信号が、nssIRパ
ルスの印加無しの場合に比べて、1/10以下まで低減
できることを確認した。
間は多少変化するが(TIが長くなるほど、TInss
も長くなる)、この変化はGM,WMについては100
msec程度であるので、TInss時間は一定値とし
ても構わない。
印加前後にイメージングスラブに流入した両成分が共
に、nssIRパルスにより区別無く反転する。また、
タグ用IRパルス及びコントロール用IRパルスの双方
によっても同様に反転する。このため、タグモードとコ
ントロールモードとの差分結果は符号が反転のみであっ
て、差分の大きさは、nssIRパルスの印加で十分に
スピン反転すれば、nssIRパルスの印加無しのとき
と変わらない状態を確保できる。
血流(フロー)のみの縦磁化Mzの時間的変化を、水を
例にとって、コントロールモード及びタグモード夫々に
おける、nssIRパルスの印加有り/無しの各状態に
ついて説明する。同図から分かるように、nssIRパ
ルスによりタグ領域及びイメージング領域の血流成分の
スピン全部が確実に反転すれば、その差分ΔMz=ΔM
zcont−ΔMzt agは符号が反転するのみであっ
て、その大きさは変化しない。画像の画素値は絶対値で
演算するので、nssIRパルスの印加無しの場合と同
じになることが分かる。
しかも、このnssIRパルスの印加時刻から、k空間
の中心位置に配置するデータを収集する時刻までの時間
TI nssを、主要な静止組織成分の残存する縦磁化M
zが平均でほぼ零になるように設定している。このた
め、タグ画像とコントロール画像とを差分したときの静
止組織の差分値(差分誤差)は殆ど零になる。したがっ
て、装置のRF系に不安定さがあったり、スキャン中の
患者に体動が生じる場合でも、静止組織からの信号を抑
制し、所望方向の血流成分のみを、より確実に描出する
ことができる。
から信号値の静止組織からの信号値に対する割合は、通
常のMRAのときよりも更に1〜2桁小さい。しかし、
本実施形態のように、静止組織からの信号の大きさをで
きるだけ低減することで、コントロールモードとの差分
演算を行う場合であっても、静止組織由来の差分誤差を
低減させることができ、血流の描出能の一層の向上を図
ることができる。
実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれ
ば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することがで
き、それらも本発明の権利範囲に属するものである。
I装置およびMRイメージング方法によれば、PASL
法やCASL法に基づきASLイメージングを行うとき
に、従来法(従来のNEW−EPISTAR法)に比べ
ても、SARやRFパワーを格別増大させることがな
く、タグスキャンおよびコントロールスキャンによりイ
メージングスラブに生じるMT効果を安定して且つ精度
良く相殺させ、イメージングスラブの静止組織の信号値
差を低減させる。その一方で、コントロールスラブ側か
ら流入する血流成分を確実に抑圧し且つタグスラブ側か
ら流入する血流成分のみを画像化することで、例えば動
脈のフロー成分のみを画像化できる。これにより、AS
Lイメージングに求められている2つの相反する要求を
同時に満たすことができる。
とで、静止組織由来の差分誤差を更に低減でき、高精細
なASL像を提供できる。
状態で、高精度・高品質なパフュージョン像またはMR
A像を比較的簡単な手法で確実に提供できる。
SL法に基づく)の原理を説明する図。
理を説明する図。
すブロック図。
L法に基づく)を実施するホスト計算機の処理の概要を
示すフローチャート。
ット毎のスキャン順番を説明するタイムチャート。
タイミングチャート(タグスキャンおよびコントロール
スキャンの両方を兼ねて説明する)。
ーチャート。
図。
理手順の一例を示す概略フローチャート。
略フローチャート。
す概略フローチャート。
す概略フローチャート。
す概略フローチャート。
R法により各ショット毎に実行されるパルスシーケンス
のタイミングチャート(タグスキャンおよびコントロー
ルスキャンの両方を兼ねて説明する)。
ングに関する演算ユニットの処理手順の一例を示す概略
フローチャート。
ータ処理の流れを示す模式図。
イメージングに関する演算ユニットの処理手順の一例を
示す概略フローチャート。
に係るASTAR法(CASL法に基づく)の原理を説
明する図。
スの一例を示す図。
選択IRパルスを用いたASTAR法(PASL法に基
づく)の概略を示すパルスシーケンス。
位置との関係を説明する図。
の、フロー成分の縦磁化の変化を説明する図。
フロー成分の縦磁化の変化を説明する図。
4)
は、静脈系から検出される信号である。「除外」と言っ
ても、結局のところ、反転(TI)時間内に静脈からの
信号がイメージングスラブに入りこまなければよい。静
脈は動脈に比べて、比較的低速であるため、コントロー
ル用IRスラブを頭部から位置的に完全に外して設定す
る必要は無く、静脈の流速、ギャップ(空隙)の距離、
および反転時間などの条件に応じて、適度なマージンだ
けイメージングスラブから離して設定してもよい。
第2のスキャン手段により実行される前記パルスシーケ
ンスは、前記各第1及び第2のRF波の印加とイメージ
ング用パルス列の印加との間に、前記被検体の前記イメ
ージングスラブ、タグスラブ、及びコントロールスラブ
を含む領域に印加する非スライス選第1及び第2のスキ
ャン手段により実行される前記パルスシーケン択IR波
を設定したパルスシーケンスである。この場合、好適に
は、前記パルスシーケンスにおける前記非スライス選択
IR波の印加と前記イメージング用パルス列の印加まで
の時間は、前記イメージングスラブに含まれる静止組織
の縦緩和時間が当該イメージング用パルスの印加時刻に
おいて平均でほぼ零と見なすことが可能な値に設定する
ことである。これにより、静止組織由来の差分誤差が確
実に低減され、殆どが血流のみのASL像が得られる。
例えば、非スライス選択IR波は複数個の印加される。
勿論、このIR波は、IRパルスとして1個印加するよ
うにしてもよい。
1つして指定される、タグスキャンとコントロールスキ
ャンとによるデータ収集順が判断される(ステップ3
3)。本実施形態では、図5(a)または(b)に示す
2通りの収集順が予め用意されており、このいずれの順
番であるかが判断される。
の段階でアベレージングした後(ステップ40a〜40
c,40a’〜40c’)、直ぐに、差分演算を行って
ASL像化した後、実数部データ、虚数部データそれぞ
れで再構成し、さらに絶対値化して最終的なASL像デ
ータを得る(ステップ40d〜40f)。これによって
も、比較的簡単な処理でASL像を提供できる。
までの実施形態で説明した如く、タギングモードとコン
トロールモードを持つASLイメージングでは、イメー
ジングスラブの静止組織に与えるMT効果が両モードに
おいて同じになるように設定してタグ画像とコントロー
ル画像とを得て、これらを相互に差分演算することで、
血流信号の画像を得るようにしている。
は、タギングした後、大血管の動脈血が組織に拡散する
時間(TI時間)だけ待ってスキャンする必要があるた
め、通常、静止組織の信号は血流信号に比べて100〜
1000倍程度、大きくなる。このため、RF系の不安
定さや、患者の体動等がある場合、差分演算を行って
も、無視できない程の静止組織信号(即ち差分誤差)が
残ることがある。
IRパルスとイメージング用パルス列のk空間の中心位
置相当時刻との間に、非スライス選択IRパルス(no
n−slice selective IR puls
e:nssIRパルス)と呼ばれるパルスが、スライス
傾斜磁場の印加無しの状態で、1回印加される。なお、
このnssIRパルスはここでは非選択で印加される
が、実際には、図21に示す如く、タグスラブとイメー
ジングスラブを含むスラブ厚さ以上の領域に印加されれ
ばよい。なお、図20では、nssIRパルスは1回、
印加される構成を示したが、2回以上、印加するように
してもよい。
号の差分誤差の発生を抑制する上での特徴を成す。
印加前後にイメージングスラブに流入した両成分が共
に、nssIRパルスにより区別無く反転する。また、
タグ用IRパルス及びコントロール用IRパルスの双方
によっても同様に反転する。このため、タグモードとコ
ントロールモードとの差分結果は符号の反転のみであっ
て、差分の大きさは、nssIRパルスの印加で十分に
スピン反転すれば、nssIRパルスの印加無しのとき
と変わらない状態を確保できる。
Claims (20)
- 【請求項1】 静磁場中に置かれた被検体のイメージン
グスラブの一方及び他方にタグスラブ及びコントロール
スラブを夫々設定して当該イメージングスラブのASL
(Arterial Spin Labeling)像
を得るMRI装置において、 前記タグスラブを選択励起するための第1のRF波及び
第1の傾斜磁場と前記コントロールスラブを選択励起す
るための第2のRF波及び第2の傾斜磁場を、前記第1
及び第2のRF波の励起中心周波数の前記イメージング
スラブの中心位置に対するオフセット量が同一で、且
つ、そのタグスラブ及びコントロールスラブの前記イメ
ージングスラブに対するオフセット位置が互いに異なる
ように設定する設定手段と、 前記第1のRF波及び第1の傾斜磁場を含むパルスシー
ケンスを実行して前記イメージングスラブから第1のM
R信号を収集する第1のスキャン手段と、 前記第2のRF波及び第2の傾斜磁場を含むパルスシー
ケンスを実行して前記イメージングスラブから第2のM
R信号を収集する第1のスキャン手段と、 前記第1および第2のMR信号の相互差分に基づく画像
データを生成する画像データ生成手段と、 前記画像データをASL像として可視化する可視化手段
とを備えたことを特徴とするMRI装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のMRI装置において、 前記第1及び第2のRF波の夫々は、所望スラブ位置を
励起するために前記第1及び第2の傾斜磁場に各別に対
応する単一周波数のRF連続波であることを特徴とする
MRI装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のMRI装置において、 前記設定手段は、前記タグスラブ及びコントロールスラ
ブのスラブ厚と当該両スラブの前記イメージングスラブ
に対する位置オフセットとが同じ比率になるように前記
第1及び第2のRF波並びに前記第1及び第2の傾斜磁
場の条件を設定する手段であることを特徴とするMRI
装置。 - 【請求項4】 請求項3記載のMRI装置において、 前記第1及び第2のRF波は、一定の周波数帯域を有す
るパルス波であることを特徴とするMRI装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか一項に記載のM
RI装置において、 前記第1および第2のRF波のそれぞれはスピンを反転
させるIR波であり、 前記第1および第2のスキャン手段は、前記IR波を前
記イメージングスラブに関して互いに逆極性で印加する
手段であることを特徴とするMRI装置。 - 【請求項6】 請求項5記載のMRI装置において、 前記イメージングスラブを設定する部位は前記被検体の
頭部であって、前記設定手段はその頭部の位置を外して
前記コントロールスラブを設定する手段を有することを
特徴とするMRI装置。 - 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか一項に記載のM
RI装置において、 前記画像データ生成手段は、前記被検体の抑制したい血
管の最小と推定される信号値をしきい値としたときに、
このしきい値以下の信号成分を前記MR信号の差分値か
ら抽出する手段を備えたことを特徴とするMRI装置。 - 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか一項に記載のM
RI装置において、 前記第1及び第2のスキャン手段は、夫々、第1及び第
2のRF波を含みかつ前記被検体のスピンの縦緩和を強
調した同一タイプのパルスシーケンスを実行する手段を
含むことを特徴とするMRI装置。 - 【請求項9】 請求項8記載のMRI装置において、 前記第1および第2のRF波のそれぞれは、スライス選
択的に印加されるスピン反転用のIR波であることを特
徴とするMRI装置。 - 【請求項10】 請求項8記載のMRI装置において、 前記パルスシーケンスは、前記被検体のスピンを事前飽
和させるプリサチュレーションパルスを含むことを特徴
とするMRI装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか一項に記載
のMRI装置において、 前記第1および第2のスキャン手段は、前記パルスシー
ケンスをRF波印加毎にインターリーブ方式で実行する
手段を有することを特徴とするMRI装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか一項に記載
のMRI装置において、 前記第1及び第2のスキャン手段のそれぞれは、前記イ
メージングスラブから前記MR信号の収集を複数回実行
する手段であり、 前記画像データ生成手段は、前記複数回の収集による前
記MR信号を加算平均する手段を含むことを特徴とする
MRI装置。 - 【請求項13】 請求項3記載のMRI装置において、 前記設定手段は、前記イメージングスラブのスラブ厚、
前記タグスラブのスラブ厚、前記イメージングスラブと
前記タグスラブとの間の距離、および前記イメージング
スラブと前記コントロールスラブとの間の距離を既知量
として与える手段と、この既知量に基づいて前記コント
ロールスラブのスラブ厚および位置オフセット量を演算
する演算手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。 - 【請求項14】 被検体のイメージングスラブの一方の
側に設定したタグスラブに第1のRF波を印加して当該
イメージングスラブから第1のMR信号の収集を行う第
1のスキャン手段と、前記イメージングスラブの他方の
側に前記タグスラブと対称な位置に設定したコントロー
ルスラブに第2のRF波を印加して当該イメージングス
ラブから第2のMR信号の収集を行う第2のスキャン手
段と、前記第1および第2のMR信号に基づく画像デー
タを生成する画像データ生成手段とを備え、 前記画像データ生成手段は、前記第1および第2のMR
信号それぞれの再構成後の絶対値を演算する第1、第2
の絶対値演算手段と、前記第1及び第2のMR信号の絶
対値同士を相互に差分する差分手段と、この差分手段に
よる差分結果から所望の信号成分の画像データを抽出す
る抽出手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。 - 【請求項15】 請求項14のMRI装置において、 前記抽出手段は、前記コントロールスラブ側から前記イ
メージングスラブに流入する大血管からの信号を抑制す
るためのしきい値で前記差分手段による差分結果をしき
い値処理して前記タグスラブ側から流入する血流成分を
抽出する手段であることを特徴とするMRI装置。 - 【請求項16】 請求項14のMRI装置において、 前記抽出手段は、前記イメージングスラブに流入する大
血管からの信号を抑制するためのしきい値で前記差分手
段による差分結果をしきい値処理して前記イメージング
ラスブに流入するパフュージョン成分を抽出する手段で
あることを特徴とするMRI装置。 - 【請求項17】 請求項1乃至4の何れか一項に記載の
MRI装置において、 前記第1及び第2のスキャン手段により実行される前記
パルスシーケンスは、前記各第1及び第2のRF波の印
加とイメージング用パルス列の印加との間に、前記被検
体の前記イメージングスラブ、タグスラブ、及びコント
ロールスラブを含む領域に印加する非スライス選択IR
波を設定したパルスシーケンスであることを特徴とする
MRI装置。 - 【請求項18】 請求項17に記載のMRI装置におい
て、 前記パルスシーケンスにおける前記非スライス選択IR
波の印加と前記イメージング用パルス列の印加までの時
間は、前記イメージングスラブに含まれる静止組織の縦
緩和時間が当該イメージング用パルスの印加時刻におい
て平均でほぼ零と見なすことが可能な値に設定されてい
ることを特徴とするMRI装置。 - 【請求項19】 請求項17又は18に記載のMRI装
置において、 前記非スライス選択IR波は複数個の印加されることを
特徴とするMRI装置。 - 【請求項20】 磁場中に置かれた被検体のイメージン
グスラブの一方及び他方にタグスラブ及びコントロール
スラブを夫々設定して当該イメージングスラブのASL
(Arterial Spin Labeling)像
を得るMRイメージング方法において、 前記タグスラブを選択励起するための第1のRF波及び
第1の傾斜磁場と前記コントロールスラブを選択励起す
るための第2のRF波及び第2の傾斜磁場を、前記第1
及び第2のRF波の励起中心周波数の前記イメージング
スラブの中心位置に対するオフセット量が同一で、且
つ、そのタグスラブ及びコントロールスラブの前記イメ
ージングスラブに対するオフセット位置が互いに異なる
ように設定し、 前記第1のRF波及び第1の傾斜磁場を含むパルスシー
ケンスを実行して前記イメージングスラブから第1のM
R信号を収集するとともに、前記第2のRF波及び第2
の傾斜磁場を含むパルスシーケンスを実行して前記イメ
ージングスラブから第2のMR信号を収集し、 前記第1および第2のMR信号の相互差分に基づく画像
データを生成し、 前記画像データをASL像として可視化する、ことを特
徴とするMRイメージング方法。
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JP2000093091A JP4574791B2 (ja) | 1999-03-31 | 2000-03-30 | Mri装置およびmrイメージング方法 |
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