JP2000023937A - Mri装置およびmrイメージング方法 - Google Patents

Mri装置およびmrイメージング方法

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JP2000023937A
JP2000023937A JP10197623A JP19762398A JP2000023937A JP 2000023937 A JP2000023937 A JP 2000023937A JP 10197623 A JP10197623 A JP 10197623A JP 19762398 A JP19762398 A JP 19762398A JP 2000023937 A JP2000023937 A JP 2000023937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】TOF−MRAやASL法の如く、ほぼ単一の
T1値を有する組織イメージング法において単位時間当
たりのT1コントラスト及びSNRを向上させ、かつ、
単位時間当たりの画像分解能を向上させたT1強調像を
得る。 【解決手段】反転パルスまたは飽和パルスと、同パルス
によるスピンのT1回復過程で印加する複数のフリップ
パルスと、各フリップパルスに応答して発生するエコー
信号を収集するための傾斜磁場パルスとを含むパルスシ
ーケンスを実行する。フリップパルスの印加直前におけ
るスピンの縦磁化の強度がほぼ一定となるように制御し
た撮像パラメータに基づきパルスシーケンスを実行する
手段を備える。パルスシーケンスは、例えば反転パルス
を含む高速フィールドエコー法に従うパルスシーケンス
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検体内の原子
核スピンの磁気共鳴現象を利用した磁気共鳴イメージン
グ(MRI)装置およびMRイメージング方法に係り、
とくに、反転パルス(inversion pulse )や飽和パルス
(saturation pulse)を印加して原子核スピンをT1緩
和(縦緩和)させる途中においてRFパルスを印加しな
がらエコーデ−タを収集するようにしたT1強調イメー
ジングを行うMRI装置およびMRイメージング方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置
かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波
信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するエコ
ー信号などのMR信号から画像を再構成する手法であ
る。
【0003】この磁気共鳴イメージングの一つに、反転
パルスや飽和パルスを印加して原子核スピンをT1緩和
(縦緩和)させる途中において、RFパルスを印加しな
がらエコーデ−タを収集するようにしたT1強調イメー
ジングが知られている。このT1強調イメージング法
は、Time of Flight(TOF)法に基づくMRアンギオ
グラフィや、IR(反転回復)パルスにより血流それ自
体をラベリング(labe-ling)して組織血流を画像化す
るASL(Arterial Spin Labeling)法に基づくMRア
ンギオグラフィ(例えば、「MRM 34:878-887 (1995), K
enneth K.Kwonget al., "MR Perfusion Studies with T
1-weighted Echo Planar Imaging"」参照)に用いられ
ている。
【0004】このようなイメージング法においては、単
位時間当たりの空間分解能やSNRを向上させることが
非常に重要である。
【0005】従来、このT1強調イメージングを高速に
行うには、高速FE法(turboFlash 法とも呼ばれ
る)、EPI(Echo Planar Imaging )法、高速SE法
などが用いられている。
【0006】この内、高速FE法は、それほど強力な傾
斜磁場システムを必要としない、比較的普及タイプのM
RI装置においても容易に実施できるイメージング法で
ある。この高速FE法によれば、IRパルスを印加した
後、スピンをT1回復をさせながら、TI(Inversion
Time)時間後に低フリップ角度のRFパルス(フリップ
パルス)を繰り返し時間TR毎に印加し、この各励起に
伴うエコー信号を収集してk空間(周波数空間)に配置
することでデ−タ収集される。このため、通常の撮像条
件の場合、エコー信号の強度は定常状態になるまで増大
または減衰し続ける。極力、一定の信号強度で収集する
ことが望ましいので、ダミーのフリップパルスをいくつ
か印加する、いわゆる空打ちを行って定常状態に近付け
てから、エコー信号収集用のフリップパルスを印加する
などの対策を講じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た空打ちの手法をもってしても、血液や水のように、比
較的、T1値の長い組織の場合、定常状態になるまでに
印加するダミーのパルスを多く必要とするのみならず、
たとえ定常状態になっても、SNRやT1コントラスト
が低下することが多かった。つまり、フリップパルスを
印加しながら定常状態にするには時間が掛かり、位相エ
ンコードを掛けない状態の場合でも、k空間上で一定の
信号強度を得ることが困難で、画像のぼけや空間周波数
毎のコントラストの違いを生じていた。
【0008】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
てなされたもので、TOF−MRAやASL法のよう
に、ほぼ単一のT1値を有する組織イメージング法にお
いて、単位時間当たりのT1コントラストおよびSNR
を向上させ、かつ、単位時間当たりの画像分解能を向上
させたT1強調像を得ることを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、その1つの態様として、反転パルスま
たは飽和パルスによりT1回復させる途中で印加するフ
リップパルスの印加直前の縦磁化の大きさMzが、その
フリップパルスを順次印加していっても殆ど不変となる
ように設定した撮像パラメータを使ってイメージングが
行われる。定性的には、T1回復によるスピンの縦磁化
Mzとフリップパルスの印加によるその縦磁化Mzの減
衰とが常にほぼ均衡するように、パルスシーケンスのパ
ラメータ(撮像パラメータ)を本スキャン前に設定す
る。この設定法としては、代表的には、与えられた撮像
条件(T1値など)から演算による求める手法と、フリ
ップパルスのフリップ角を振りながらプレスキャンを行
って、信号強度が時間と伴に一定となるようにフリップ
角などの撮像パラメータを決定する手法がある。
【0010】具体的には、本発明に係るMRI装置は、
被検体に印加する反転パルスまたは飽和パルスと、この
パルスにより前記被検体のスピンをT1回復させる途中
で印加する複数のフリップパルスと、この各フリップパ
ルスに応答して発生するエコー信号を収集するための傾
斜磁場パルスとを含むパルスシーケンスを実行するよう
にしたMRI装置であり、前記フリップパルスの印加直
前における前記スピンの縦磁化の強度がほぼ一定となる
ように制御した撮像パラメータに基づき前記パルスシー
ケンスを実行するシーケンス実行手段を備えたことを特
徴とする。
【0011】一例として、前記パルスシーケンスは、前
記反転パルスを含む高速フィールドエコー法に従うパル
スシーケンスである。
【0012】また、前記シーケンス実行手段は、前記撮
像パラメータとして、測定部位の組織のT1値に基づき
前記パルスシーケンスに関わるパラメータを予め演算す
る手段を備えてもよい。
【0013】さらに、前記撮像パラメータを制御するた
めに位相エンコード傾斜磁場を印加しない状態でプレス
キャンを実行してエコー信号を得るプレスキャン実行手
段と、このプレスキャンの実行に伴うエコー信号から前
記撮像パラメータの内の制御パラメータの最適値を決め
るパラメータ最適値決定手段とを備えてもよい。この場
合、好適には、前記プレスキャン実行手段は、前記エコ
ー信号の強度を複数の時刻で得る手段であり、前記パラ
メータ最適値決定手段は、前記複数の時刻における前記
エコー信号の大小関係に基づき前記最適値を決める手段
である。例えば、前記撮像パラメータは、前記フリップ
パルスのフリップ角、前記フリップパルスの印加繰り返
し時間TR、時間軸上の最後の前記フリップパルスから
次の前記反転パルスまたは飽和パルスまでの回復時間T
recov 、および前記反転パルスまたは飽和パルスによる
前記スピンの反転時間TIを含み、前記制御パラメータ
は前記フリップ角である。
【0014】さらに好適には、前記パルスシーケンスは
ASL(Arterial Spin Labeling)法のパルスシーケン
スとして組み込まれているとともに、前記プレスキャン
実行手段および前記パラメータ最適値決定手段のそれぞ
れは前記ASL法に関わる血液のラベリング前後の差分
データに対して実行させることである。
【0015】また、別の例として、前記パルスシーケン
スは、前記反転パルスを含む高速スピンエコー法に従う
パルスシーケンスであってもよい。
【0016】さらに、前記パルスシーケンスは、MRア
ンギオグラフィまたはASL(Arterial Spin Labelin
g)法のパルスシーケンスとして組み込まれていてもよ
い。
【0017】一方、本発明に係るMRイメージング方法
は、被検体に印加する反転パルスまたは飽和パルスと、
このパルスにより前記被検体のスピンをT1回復させる
途中で印加する複数のフリップパルスと、この複数のフ
リップパルスに応答して発生するエコー信号を収集する
ための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケンスを実行
するMRイメージング方法であり、前記フリップパルス
の印加直前における前記スピンの縦磁化の強度がほぼ一
定となるように撮像パラメータを制御し、この撮像パラ
メータに基づき前記パルスシーケンスを実行することを
特徴とする。
【0018】また本発明の別の態様として、与えられた
撮像条件の元で収集したk空間のデータ(エコー信号)
を後処理により補正して、横磁化Mxyの変化特性を極
力フラットにする手法を提供できる。
【0019】これを実現する本発明のMRI装置は、具
体的には、被検体に印加する反転パルスまたは飽和パル
スと、このパルスにより前記被検体のスピンをT1回復
させる過程で印加する複数のフリップパルスと、この各
フリップパルスに応答して発生するエコー信号を収集す
るための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケンスを実
行するようにした装置であり、前記エコー信号を収集し
てk空間に配置する収集配置手段と、前記k空間に配置
した前記エコー信号の強度変化を補正する補正手段と、
この補正手段により補正されたエコー信号からMR画像
を生成する生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】例えば、前記補正手段は、位相エンコード
傾斜磁場を印加しない状態でプレスキャンを実行してエ
コー信号を得るプレスキャン実行手段と、このプレスキ
ャンの実行によって得るエコー信号から前記k空間にお
ける信号強度の変化特性を演算する特性演算手段と、前
記変化特性から求めた補正関数によって前記k空間の信
号強度を一定または略一定に補正する強度補正手段とを
備える。
【0021】また例えば、前記補正手段は、与えられた
撮像条件から前記エコー信号の前記k空間における信号
強度の変化特性を演算する特性演算手段と、前記変化特
性から求めた補正関数によって前記k空間の信号強度を
一定または略一定に補正する強度補正手段とを備えてい
てもよい。
【0022】この場合、好適には、前記強度補正手段
は、前記補正関数を呈する逆フィルタまたはウィナー・
フィルタである。
【0023】さらに、例えば、前記傾斜磁場パルスの1
つである位相エンコード用傾斜磁場パルスを、前記フリ
ップパルスの印加直前における前記スピンの縦磁化の強
度が異なる場合に、その強度が高いエコー信号がk空間
の低周波側に配置されるように割り当ててもよい。
【0024】前記パルスシーケンスは、一例として、前
記反転パルスを含む高速フィールドエコー法に従うパル
スシーケンスである。
【0025】本発明によって、k空間でのエコー信号の
強度がその少なくとも低周波側においては極力一定に制
御される、上述した発明の目的が達成される。
【0026】また本発明の別の態様をなす構成は以下の
ようである。被検体に印加する反転パルスまたは飽和パ
ルスと、このパルスにより前記被検体のスピンをT1回
復させる過程で印加する複数のフリップパルスと、この
各フリップパルスに応答して発生するエコー信号を収集
するための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケンスを
実行するようにしたMRI装置において、前記傾斜磁場
パルスの1つである位相エンコード用傾斜磁場パルス
を、前記フリップパルスの印加直前における前記スピン
の縦磁化の強度が異なる場合に、その強度が高いエコー
信号がk空間の低周波側に配置されるように割り当て
た、構成である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0028】第1の実施の形態 第1の実施形態を図1〜図9を参照して説明する。この
実施形態に係るMRI(磁気共鳴イメージング)装置
は、撮像対象の組織のT1値が既知の場合に好適に実施
できる撮像法を採用しており、装置内部で予め演算によ
って撮像パラメータを最適に決定することを特徴とす
る。
【0029】このMRI装置の概略構成を図1に示す。
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場
を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加
するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する
送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構
成を担う制御・演算部とを備えている。
【0030】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するコントローラの
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0031】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0032】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を
合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場Gs、
位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向
(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各方向を任意
に設定・変更することができる。スライス方向、位相エ
ンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場
0 に重畳される。
【0033】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7
に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。こ
の送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5
の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を誘起させるた
めのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に
供給する一方、RFコイル7が受信した高周波のMR信
号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタ
ル信号を形成するようになっている。
【0034】さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シ
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、記憶したソフトウエア手順により、シーケンサ5
にスキャンシーケンス情報を指令するとともに、シーケ
ンサ5を含む装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0035】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御す
る。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルス
シーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Rお
よび受信器8Tを動作させるために必要な全ての情報で
あり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパ
ルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関す
る情報を含む。
【0036】また、シーケンサ5は、受信器8Rからの
MR信号のデジタルデータを入力して、再構成処理を行
う演算ユニット10にそのデータを転送する。演算ユニ
ット10は、フーリエ空間(k空間または周波数空間と
も呼ばれる)への生データ(原データとも呼ばれる)の
配置、および、生データを実空間画像に再構成するため
の2次元または3次元のフーリエ変換処理を行うように
なっている。また、演算ユニット10は、3次元画像デ
ータから2次元画像を生成するためにMIP(最大値投
影)処理なども実施できるようになっている。
【0037】記憶ユニット11は、生データおよび再構
成画像データのみならず、演算処理が施された画像デー
タなどを保管することができる。表示器12は画像を表
示する。また、術者は入力器13を介して所望のスキャ
ン条件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情
報をホスト計算機6に入力できるようになっている。
【0038】また制御・演算部の要素として、音声発生
器16、および、ECGセンサ17、ECGユニット1
8が設けられている。音声発生器16は、シーケンサ5
またはホスト計算機6からの指示に応答して、患者(被
検体)に息止めのための音声メッセージを発生する。ま
た、ECGセンサ17およびECGユニット18は患者
の心電図信号を検出してシーケンサ5に出力するように
なっており、これにより心電同期スキャンを行うことが
できる。
【0039】ここで、本発明に係る撮像パラメータの演
算による最適化手法の原理を説明する。IRパルスを用
いる高速FE法を一例として説明する。
【0040】図2(a),(b)に、IRパルスを用い
るT1強調の高速FE法のパルスシーケンスのRFパル
ス部分と、RFパルスの印加に対応した縦磁化の強度M
zの時間変化曲線とを模式的に示す。同図に示す如く、
被検体の原子核スピンは時刻t=0でIRパルスを印加
した後からT1回復し初め、t=TIでフリップ角=α
の最初のRFパルス(以下、フリップパルスと呼ぶ)が
印加される。このフリップパルスの印加に応答してエコ
ー時間TE後に所定の位相エンコード量でエコー信号が
収集される。最初のフリップパルスの印加から繰り返し
時間TR後には第2番目のフリップパルスが同じく印加
され、エコー時間TE後に位相エンコード量を変えてエ
コー信号が収集される。以下、同様にフリップパルスの
印加およびエコー信号の収集が繰り返され、画像再構成
用のk空間全体がエコーデ−タで埋められる。
【0041】このフリップパルスの断続的な印加に伴う
縦磁化強度Mzは定性的には同図(b)ように変化す
る。フリップパルスのフリップ角度は、ある値α(通
常、α<90゜)に設定されるため、フリップパルスの
印加直後もMz=0にはならない。この後も、次のフリ
ップパルスの印加直前までT1回復が続けられ、縦磁化
Mzがある強度になった時点で次のフリップパルスが印
加される。
【0042】第k番目のフリップパルスが印加されると
きの印加直前および印加直後の縦磁化強度Mzは、定量
的には以下のように表される。
【0043】初期磁化Mz=M0 =1、IRパルスのフ
リップ角=180゜、IRパルス印加直前の縦磁化をa
i (i=1,2,…)(180°パルスにより磁化は完
全に反転するものとする)、第k番目のフリップパルス
の印加直前の縦磁化Mz=Ck-、その印加直後の縦磁化
Mz=Ck+とする。
【0044】第1番目(第1ショット)のIRパルスの
印加後における第1番目のフリップパルスの印加直前の
縦磁化Mz=C1-は、
【数1】C1-=1−(1+a1 )exp (−TI/T1) となり(ここでは、第1番目なのでa1 =1となる)、
第1番目のフリップパルスの印加直後の縦磁化Mz=C
1+は、
【数2】C1+=C1-・cosα となる。第2番目のフリップパルスの印加直前の縦磁化
Mz=C2-は、
【数3】C2-=1−(1−C1+)exp (−TI/T1) となり、第1番目のフリップパルスの印加直後の縦磁化
Mz=C2+は、
【数4】C2+=C2-・cosα となる。これを繰り返し、第n番目のフリップパルスの
印加直前の縦磁化Mz=Cn-は、
【数5】 Cn-=1−{1−C(n-1)+}exp (−TI/T1) となり、第n番目のフリップパルスの印加直後の縦磁化
Mz=Cn+は、
【数6】Cn+=Cn-・cosα となる。第2番目(第2ショット)のIRパルスを印加
する直前の縦磁化Mz=a2 は、
【数7】 のように順次表される。
【0045】したがって、第k番目(k=1,2,…,
n)のフリップパルスの印加直前の縦磁化Mzおよびそ
の印加直後の横磁化Mxyは、
【数8】 と表される。
【0046】図3〜図6に、a1 =1および静磁場1.
5Tまたは0.5Tにおける血液のT1値を仮定して与
えた撮像パラメータの下でのフリップパルスの縦磁化M
zおよび横磁化Mxyの変化のシミュレーション結果を
示す。なお、これらの図における縦軸は任意単位であ
る。
【0047】撮像パラメータを適当に与える従来の撮像
法のもとでは、例えば、図3または図4に示すように、
縦磁化Mzの強度はフリップパルスの印加が進むにつれ
て変化する。
【0048】そこで、高速FE法において、フリップパ
ルスを印加し続けても縦磁化Mzの強度が一定となる条
件を考える。
【0049】この条件は、フリップパルスを印加する直
前の縦磁化Mz=Ck-がその1つ前のフリップパルスを
印加する直前の縦磁化Mzと同じになる条件、すなわ
ち、
【数9】Ck-=C(k-1)- ……(3) を満たせばよい。
【0050】すなわち、
【数10】C1-=C2-=C ……(4) となるFA(=α)の条件を求めればよい。
【0051】
【数11】 ゆえに、
【数12】 (6)式に(4)式を代入して、
【数13】 となるから、
【数14】 この式に、C=(5)式を代入して、
【数15】 が得られる。ここで、ai はi番目のIRパルスの印加
直前の縦磁化Mzである。ただし、この式は、0≦α≦
90°の範囲のαに対してのみ成立する。
【0052】なお、上記(7)式において、縦磁化Mz
の縦緩和時間T1に対する変化が最大となる条件TI=
T1では、
【数16】 となる。ここで、eは自然対数の底である。
【0053】上記(7)式が、フリップパルスを印加し
続けた場合でも、縦磁化Mzが変動しない条件を与え
る。つまり、cosαは、IRパルス印加直前の縦磁化
Mz=a,反転時間t,T1,TRの関数
【数17】cosα=f(a,t,T1,TR) となる。
【0054】そこで、縦磁化Mzがフリップパルス毎に
一定となる条件、つまり上記(7)式を満たすようにフ
リップ角度を決めると、図5で表すように、縦磁化Mz
が一定になる。定性的には、T1回復に因る縦磁化Mz
の増加と各フリップパルス印加に因るその磁化Mzの減
衰とを釣り合う条件に設定できる。
【0055】なお、上記(7)式でa=1とすれば、最
初のIRパルス(第1ショット)に拠るT1回復過程に
おける場合であるが、回復時間Trecov を十分長くとる
と、2番目以降のIRパルスに拠るT1回復過程におい
ても同様に成立する。
【0056】また、回復時間Trecov を十分大きく採ら
ない場合でも、前記(1)式で表される縦磁化Mz=a
をaに代入して順次、a,a,…とほぼ定常状
態になるまで求め、その縦磁化Mz=aの値を(7)式
に代入して新たなαを求めればよい。必要ならば、この
新たなαを用いて再度、1ショット目からa,a
…を計算し、定常になったaの値を(7)式に代入し
て、αを求め直すようにしてもよい。
【0057】本発明者が行ったシミュレーションに拠る
と、縦磁化Mxy(つまり上述のa)は第2〜3ショ
ット目のIRパルスでほぼ定常になることが分かった。
つまり、図5の撮影条件の元で回復時間Trecov =1.
5secとしてショット#(=i)に対してIRパルス
印加直前の縦磁化Mzの大きさaを図12に示す。こ
れによると、aは第2ショット目以降、ほぼ一定にな
ることが分かる。このaの大きさを0.8として再び
(7)式に代入してαを求めると、α=9.7、すなわ
ち約10°となる。
【0058】なお、フリップ角αの値は厳密に(7)式
を満たす必要はなく、その許容範囲は±10%程度であ
る。
【0059】図3〜図5は静磁場強度が1.5Tのとき
を示すが、これよりも静磁場強度が低い0.5Tの条件
で縦磁化Mzを一定にするシミュレーション例を図6に
示す。このように、静磁場強度=1.5Tのときには、
TR=9ms、フリップ角FA(=α)=11.6゜、
TI=1200ms(TI=T1の条件とする):静磁
場強度=0.5Tのときには、TR=9ms、フリップ
角FA=12.7゜、TI=1000ms(TI=T1
の条件とする)と、現実的な撮像パラメータで縦磁場強
度を一定にできることが分かる。エコー時間TEは、縦
磁化Mzには無関係で、横磁化Mxyでも無視している
が、通常のMRI装置の場合、TE=3msec前後と
短く設定できるので、T2(T2)減衰は最小にする
ことができる。
【0060】次に、この実施形態の動作を説明する。
【0061】いま、IRパルスを用いた高速FE法に基
づくASL法により組織血流をイメージングする場合で
あって、診断(測定)部位の組織のT1値が既知の場合
を説明する。
【0062】シーケンサ5は、イメージング前に、ホス
ト計算機6から反転時間TI,繰り返し時間TR,回復
時間Trecov の情報を少なくとも含む撮像条件を読み込
む(図7ステップS1)。シーケンサ5は次いで、その
撮像条件を用いて前述した(7)式に基づく演算を行っ
て、フリップパルスのフリップ角度FA(α)の最適値
を求める。これにより、撮像パラメータの最適値が取り
込まれる(ステップS2)。このように準備が済むと、
シーケンサ5は、その撮像パラメータのパルスシーケン
スに基づきエコーデータの収集(本スキャン)を実行す
る(ステップS3)。
【0063】いま、一例として、図8に示すように、I
R(反転)パルス付きの高速FE法のパルスシーケンス
でASL法に基づく組織血流(組織内血流)のイメージ
ングが指令されたとする。なお、このパルスシーケンス
に伴う撮像パラメータ:反転時間TI、繰り返し時間T
R、フリップパルスのフリップ角FA(α)、回復時間
Trecov は前述した(7)式に基づく演算により、各フ
リップパルス印加直前の縦磁化Mzが一定値になるよう
に、予め最適値に設定されている。
【0064】シーケンサ5は、1回目はスライス方向の
傾斜磁場Gsを掛けない状態でIRパルス(180°R
Fパルス)を印加して、被検体の撮像部位の原子核スピ
ンに縦緩和(T1緩和)を起こさせる。このT1緩和に
よる磁化回復が行われている間、最適値の反転時間TI
だけ待機する。
【0065】この後、反転時間TIが経過すると、最適
値に設定されている低フリップ角度αの最初のフリップ
パルスがスライス方向傾斜磁場Gsと共に印加される。
このスライス方向傾斜磁場Gsはその後、スピンリフェ
ーズのために極性反転されて印加される一方で、これに
並行して読出し方向傾斜磁場Grが所定方向に印加され
る。この読出し方向傾斜磁場Grはその後、エコー信号
読出しのために極性反転され、所定期間の間、周波数エ
ンコード用として印加される。最初のフリップパルス印
加のときには、ここでは、位相エンコード方向傾斜磁場
Ge=0に設定されている。
【0066】最初のフリップパルスP1から最適値のエ
コー時間TEに近付くにつれて、撮像部位から最初のエ
コー信号が発生してくる。このエコー信号はRFコイル
7で検出され後、受信器8Rに送られる。受信器8Rに
て、エコー信号は増幅、中間周波変換、位相検波、低周
波増幅などの所定の受信処理に付された後、A/D変換
される。このデジタル量のエコーデータはシーケンサ5
を通して演算ユニット10に転送され、仮想的に形成さ
れたk空間の、その位相エンコード量に対応した列位置
に沿って配置される(図9参照)。
【0067】なお、この実施形態では、零エンコードを
境に低周波のエンコードからデータを収集・配置する
“centric phase encoding”法を例に採っているが、必
ずしもそのような収集・配置法に限定されるものではな
い。
【0068】この最初のエコー信号の収集が終わる時刻
になると、読出し方向傾斜磁場Grの印加も終わる。
【0069】最初のフリップパルスP1の印加から、最
適値に設定されて繰返し時間TRが経過すると、2番目
のフリップパルスP2がスライス方向傾斜磁場Gsと共
に印加される。このフリップパルスP2の印加について
も、上述と同様にしてエコー信号が収集される。この一
連のフリップパルスの印加およびエコーデータ収集は、
位相エンコード回数分(例えば128回)繰り返して実
行される。この2回目以降のフリップパルス印加時に
は、エコー信号収集前に、各回毎に変えた波形面積の位
相エンコード方向傾斜磁場Geのパルスを印加する。ま
た、エコー信号の収集後には、その位相エンコードパル
スのスピンに対する位相の影響を打ち消すために、逆向
き極性の傾斜磁場Geのパルスが印加される。
【0070】なお、このような巻き戻し用の傾斜磁場を
必要に応じて読出し方向、および/または、スライス方
向に印加するように構成してもよい。
【0071】この結果、k空間全部にエコーデータ(生
データ)が配置される。このk空間へのエコーデータの
配置が完了した時点で、演算ユニット10により、その
1組のエコーデータが2次元フーリエ変換により実空間
の画像データに再構成される。このようにして生成され
た、1回目のスキャンに係る画像のデータは演算ユニッ
ト10の内蔵メモリまたは記憶ユニット11に一時保管
される。
【0072】さらに、上述と同様にして2回目のスキャ
ンが実行され、エコーデータが収集された後、画像が再
構成される。このときには、最初のIRパルスを印加す
るときに、スライス方向傾斜磁場Gs=Gs(IR)が
並行して印加される。
【0073】演算ユニット10は、例えば、この2回の
スキャンに係る画像データの差分などからASL法に拠
る画像データを得る。
【0074】このように本実施形態によれば、IRパル
スを用いるT1強調の高速FE法のイメージングにおい
て、フリップパルス印加直前の縦磁化Mzがk空間にて
位相エンコードの無い状態で一定となるように、撮像パ
ラメータTI,TR,TE,αを予め演算し最適化させ
ている。つまり、k空間上で空間周波数の成分の変動が
少なく、位相エンコードが無い状態で各位相エンコード
毎にほぼ一定の信号強度になる。これゆえ、従来のよう
に空打ちのダミーパルスを用いなくても、画像の単位時
間当たり(すなわちスキャン時間が同じとき)のSN
R、T1コントラスト、および空間分解能が共に向上し
たものになる。同時に、T1値の計算、したがって、A
SL法による組織血流の定量化が容易になるという利点
がある。
【0075】なお、この第1の実施形態では、1つのイ
ンバージョンパルスで1画像分全てのエコーデータを収
集するパルスシーケンスを採用する例を説明したが、こ
れに代えて、複数のインバージョンパルスで1画像分の
エコーデータを収集する、いわゆる、セグメンテッド高
速FE法を採用することもできる。
【0076】第2の実施形態 本発明の第2の実施形態を図10、11に基づき説明す
る。この実施形態以降の実施形態において、上述した第
1の実施形態の構成要素と同一または同等の要素には同
一符号を用いて、その説明を省略または簡略化する。
【0077】この第2の実施形態は、測定対象の組織の
T1値が未知の場合に好適に実施できるMRI装置を提
供する。
【0078】測定対象の組織のT1値が未知の場合、本
スキャンの前に、プレスキャン(テンプレートスキャ
ン)を行って最適な撮像パラメータをその都度決めれば
よい。このプレスキャンはシーケンサ5により指令され
る。プレスキャンでは、位相エンコードを掛けずに、フ
リップパルスのフリップ角FA(α)を振りながら、エ
コーデータが収集される。シーケンサ5、ホスト計算機
6、または演算ユニット10は、このプレスキャンに対
応して、例えば図10の処理を実行する。
【0079】同図の処理がシーケンサ5によって実行さ
れるとすると、シーケンサ5はホスト計算機6からフリ
ップパルスP1〜Pn(図11参照)のフリップ角FA
の初期値を読み込み、初期設定する(ステップS1
1)。次いで、シーケンサ5は、IRパルスを用いた高
速FE法のプレスキャン(位相エンコード無し)の実行
を指令する(ステップ12)。
【0080】シーケンサ5は、このプレスキャンの実行
と並行して、図10のステップS13〜S21に示す処
理を行う。具体的には、図11にも模式的に示してある
が、反転時間TI以降で時刻t=t1になったときのエ
コー信号の強度S(t1)を測定し(ステップS13,
S14)、さらに、時刻t=t2になったときのエコー
信号の強度S(t2)を測定する(ステップS15,S
16)。
【0081】このように時間軸上の2点t1,t2のみ
を測定すれば足りる理由は、フリップ角の変化に応じた
信号の変化は単調であることが分かっているので、最低
2点t1,t2の時間の信号強度を知ることができれ
ば、その大小関係に基づき最適フリップ角FAを探すこ
とができるからである。2点t1,t2での測定でも足
りるが、当然に3点以上の時刻で測定しても勿論よい。
【0082】シーケンサ5は、測定した2点t1,t2
の信号強度S(t1)、S(t2)から、|S(t1)
−S(t2)|<Sthd か否かを判断する(ステップS
17)。しきい値Sthd は信号Sの変動を収束させるた
めの値である。この判断でYESとなるときは、信号値
が不変と見做せるほど十分に収束した場合であるから
(図11の曲線A参照)、フリップ角の最適値FAopt
=現在値FAに設定して処理を終わる(ステップS1
8)。
【0083】反対に、ステップS17の判断=NOとな
るときは、さらに、|S(t1)|<|S(t2)|か
否かを判断する(ステップS19)。この判断は、信号
曲線が時間経過と伴に、すなわちフリップパルスを掛け
ていくにしたがって、信号Sの強度が上がるか下がるか
を見極めるためのものである。
【0084】図中の曲線Bのように|S(t1)|<|
S(t2)|となるときは(ステップS14でYE
S)、フリップパルスP1〜Pnのフリップ角FA<フ
リップ角の最適値FAopt の状態である。このため、フ
リップ角FAを上げるべく、FA=FA+ΔFAの演算
を行って(ステップS20)、その処理をステップS1
2に戻し、プレスキャンを再指令する。ΔFAはフリッ
プ角の微小ステップ値である。これにより、今度はフリ
ップ角が微小値分増加された状態で、プレスキャンが実
行される。
【0085】ステップS19の判断でNOとなるときは
|S(t1)|>|S(t2)|であり、信号の時間変
化曲線は図11中の曲線Cで表される。このときは、フ
リップパルスP1〜Pnのフリップ角FA>フリップ角
の最適値FAopt の状態である。このため、フリップ角
FAを下げるべく、FA=FA−ΔFAの演算を行って
(ステップS21)、その処理をステップS12に戻
し、プレスキャンの再指令する。これにより、今度はフ
リップ角を微小値分減少させた状態で、プレスキャンが
実行される。
【0086】この図10の処理を行うことで、フリップ
角FAをその大小の方向に振りながらプレスキャンが実
行され、信号強度の収束条件を満足したときにフリップ
角FAの最適値FAopt が自動的に設定される。
【0087】このようにフリップ角FAが最適設定され
ると、このフリップ角をその1つとして取り込んだ撮像
パラメータを使い、前述したと同様に本スキャンを実施
できる。したがって、本実施形態のMRI装置によれ
ば、測定部位のT1が未知の場合であっても、最適な撮
像パラメータを自動的に設定でき、前述の実施形態と同
等の作用効果を得ることができる。
【0088】第3の実施形態 本発明の第3の実施形態を図13〜15に基づき説明す
る。この第3の実施形態は、収集されたk空間データを
適宜な補正関数で補正することにより、後処理として、
横磁化Mxyの特性をフラットにする手法に関する。
【0089】前述した第1、第2の実施形態の手法は、
フリップパルス印加直前の縦磁化Mz、同時にフリップ
パルス印加直後の横磁化Mxyが一定になるように撮像
パラメータを事前に決めるものであったが、横磁化Mx
yが一定でない場合、とくに、フリップパルスのフリッ
プ角FAを前述した第1の実施形態で求めた最適条件よ
りも深め(大きく)にした場合、磁化Mz(横磁化Mx
y)はフリップパルスの印加につれて徐々に低下する
が、フリップパルスの印加数nが小さい範囲、すなわち
フリップパルスの印加がそれほど進んでいない範囲(零
エンコードを境に低周波のエンコードから収集する"cen
tric phase encoding"では低周波成分となる)の縦磁化
Mzは多少とも大きめの値になる(図4参照)。この大
きめの縦磁化Mzの部分を収集すれば、SNRを向上さ
せることができる。
【0090】しかし、このようにフリップパルスのフリ
ップ角FAを第1の実施形態で決めた最適条件よりも深
めにした場合、横磁化Mxyは、ローパスフィルタを掛
けて高周波成分を低減させたような特性になる。この低
減の程度が大きければ、空間分解能の劣化も大きくな
る。このため、従来のように単に収集して再構成するだ
けでは、有効な画像は得られない。
【0091】この第3の実施形態によるT1強調イメー
ジング法は、このような状況に着目したもので、データ
収集後の後処理により、かかる事態を回避するものであ
り、第1および第2の実施形態によるT1強調イメージ
ング法のように本スキャン前に計算またはプレスキャン
により事前に最適な撮像パラメータを設定しておく手法
とはアプローチが異なる。
【0092】具体的には、第3の実施形態では、空間分
解能の劣化を補正するため、横磁化Mxyの特性Hdeca
y を、与えられた撮像パラメータから計算するか、位相
エンコード量を零にしたプレスキャンで測定して求め
る。この特性Hdecay に基づき補正関数Hcを演算し、
この補正関数Hcで横磁化Mxyの特性Hdecay をフラ
ットに補正する。この補正は、好適な例として、k空間
のデータと逆フィルタ(inverse filter)またはウィナ
ー・フィルタ(Wiener filter )との積をとることによ
りなされる。
【0093】ここで、逆フィルタおよびウィナー・フィ
ルタ(Wiener filter )による補正関数を説明する。
【0094】図13に、k空間での横磁化Mxyの変化
の特性Hdecay とその逆フィルタの特性Hcとの一例を
示す。このフィルタ特性Hcは、
【数18】 である。逆フィルタは、横磁化Mxyの特性Hdecay が
ローパス特性であることを前提として高周波成分のSN
Rをあまり低下させないように、補正を所定の有限のエ
ンコード量Klimit までに限定したフィルタであるが、
必要に応じて、さらに別のローパスフィルタを掛けるよ
うにしてもよい。
【0095】また、本実施形態で適用するウィナー・フ
ィルタ(Wiener filter )は、逆フィルタとSNRのコ
ントロールとを組み合わせたフィルタである。このフィ
ルタ特性Hc(kx,ky)は、
【数19】 に設定される。ここで、
【外1】 である。パワースペクトラムPs、PN は実際のk空間
では次のように演算される。
【0096】
【数20】 ノイズパワー計算用のROIは、図14に示すように、
k空間において信号成分がほとんど零と見做せる例えば
4隅の局所的な矩形状ROI(例えば、20×20ピク
セル)内の平均値として求める。
【0097】このように、ここでのウィナー・フィルタ
(Wiener filter )は逆フィルタとSNRのコントロー
ルとを組み合わせており、パワースペクトラムPs,P
N に実際のデータを用いることから、本来のWiener fil
ter とは趣が多少異なるが、これもWiener filter の範
疇に含めることにする。なお、これに限らず、Wienerfi
lter として適宜な変形が可能である。
【0098】図15に、ホスト計算機6により実行され
る準備用のプレスキャンからイメージング用の本スキャ
ンまでの処理の流れを示す。ホスト計算機6は、入力器
13などから撮像用のパルスシーケンスの種類およびそ
れに沿った適宜な撮像パラメータ(繰り返し時間TR,
エコー時間TE,回復時間Trecov ,フリップ角FAな
ど)を入力して、プレスキャンを実行をシーケンサ5に
指令する(ステップS31,S32)。このプレスキャ
ンは、位相エンコード用の傾斜磁場を掛けないで実行さ
れる。
【0099】このプレスキャンが完了すると、ホスト計
算機6は演算ユニット10に、k空間での横磁化Mxy
の変化の特性Hdecay (ky)の演算を指令する(ステ
ップS33)。この演算は、位相エンコードkyの全体
をとって行ってもよいし、位相エンコードkyの数点
(例えば5、6点)をとってカーブフィッティングによ
り行ってもよい。次いで、ホスト計算機6は、演算ユニ
ット10に、横磁化Mxyの変化の特性Hdecay (k
y)に基づいて、前述したように例えば逆フィルタ(in
verse filter)またはウィナー・フィルタ(Wiener fil
ter )の補正関数Hc(kx,ky)を演算するように
指令する(ステップS34)。
【0100】このように準備が済むと、ホスト計算機6
はイメージング用の本スキャンに移行する(ステップS
35,S36)。この本スキャンは、例えば、IRパル
スを用いた高速FE法に基づきASL法によって2回行
われる。
【0101】本スキャンによって得た各スキャンのk空
間のデータ(信号値)S(kx,ky)は、演算ユニッ
ト10により、補正関数Hc(kx,ky)を使って、
画素毎に、
【数21】 の乗算が実行され、補正データSc(kx,ky)が演
算される(ステップS37)。この補正データSc(k
x,ky)はその後、演算ユニット10よる再構成処理
及び差分処理(ASL法)、表示器12による画像表
示、記憶ユニット11へのデータ格納処理などに処せら
れる(ステップS38,S39)。
【0102】このように、低周波側の信号強度が大きく
なるように設定したフリップ角FAを含むパルスシーケ
ンス条件の元に、k空間での横磁化Mxyの変化特性H
decay (ky)をプレスキャンで計測し、k空間データ
を逆フィルタまたはウィナー・フィルタにより補正す
る。これにより、後処理として、k空間データをほぼフ
ラットな特性に補正することができる。したがって、"c
entric phase encoding"に基づくT1 強調イメージング
において、高いSNRを確保でき、かつ、空間分解能の
劣化を防止できる。
【0103】なお、この第3の実施形態において、横磁
化Hxyの変化の特性Hdecay をプレスキャンによる計
測で求めたが、第1の実施形態のときと同じように、最
初から計算によって求めるようにしてもよい。
【0104】また、この第3の実施形態に係る図15の
処理において、ステップS33,S34,S37などの
演算ユニット10に任せていた演算をホスト計算機6自
ら実行するように構成してもよい。
【0105】さらに、上述した第3の実施形態におい
て、フリップパルスを印加直前の縦磁化Mz、すなわち
k空間での横磁化Mxyがほぼ一定にならない場合に、
エコー信号をk空間に配置した後の後処理としての各種
のフィルタによりほぼ一定にするようにした。しかし、
必ずしもそのような後処理を使用しなくても済む場合も
ある。それは、縦磁化Mzの変動がそれほど大きくない
場合、例えば前述した図3の場合、信号値がほかの部分
より高くなるn=大、すなわち時間的に後ろの領域で印
加するフリップパルスに応答して発生するエコー信号が
k空間の低周波側(位相エンコード量=0)に配置され
るように、パルスシーケンスの位相エンコード用傾斜磁
場パルスを割り振ればよい。反対に、図4の場合は、信
号値がほかの部分よりも高いくなるn=小、すなわち時
間的に初めの領域で印加するフリップパルスに応答して
発生するエコー信号がk空間の低周波側に配置されるよ
うに位相エンコード用傾斜磁場パルスを割り振ればよ
い。このように、高強度のエコー信号をk空間の低周波
側に優先的に配置するという位相エンコード量の振り方
を一種のパラメータと捉えることで、後処理を不要にし
たT1強調イメージングができる。
【0106】さらにまた、この第3の実施形態では、縦
磁化の変動が大きい場合を例として説明したが、縦磁化
の変動がそれほど大きくない場合や、その変動が極めて
微細な場合にも適用することにより、画像の空間分解能
をさらに高めることができる。また、前述した第1、第
2の実施形態により適切な撮影パラメータを設定するこ
とができた場合であっても、この第3の実施形態に拠る
後処理を追加実施することができ、それにより、診断
上、一層、有効な画像を提供することができる。
【0107】なお、本発明では上述した実施形態以外に
も種々の変形形態が可能である。
【0108】その1つとして、測定対象とする組織が様
々なT1値を有する複数の組織から形成されている場合
のイメージングがある。例えば頭部の場合、灰白質、白
質、CSF(脳脊髄液)、脂肪などから成る。静磁場が
0.5Tの場合、灰白質および白質がT1=600〜8
00ms程度、CSFがT1=5000ms程度、さら
に、脂肪がT1=200ms程度である。そのままでは
T1値の異なる信号が混在し、T1値に依存して撮像条
件が変化するので、撮像条件を1つに決めることは難し
いと思われがちだが、本発明のイメージング法が主に目
指しているのは、MRアンギオグラフィである血管内の
血液、または、ASL法に拠る毛細血管内や組織内の血
液であるので、T1値はほぼ均一と見做すことができ、
そのT1値に応じた撮像条件を決めることができ、イメ
ージングが可能になる。
【0109】また、この他にも、測定対象のT1値がほ
ぼ単一の組織であれば、当然に、上述のイメージング法
を適用できる。
【0110】さらに、ASL法は血液のラベリング前後
の差分に基づき、流れている血液のみの成分を抽出する
が、このASL法の実施において、前述のように撮像パ
ラメータをプレスキャンで設定する場合は、ラベリング
前後の差分の信号に対して撮像パラメータの最適化を行
えばよい。
【0111】さらにまた、上述した実施形態は、IRパ
ルスを用いた高速FE法を実施するMRI装置およびM
Rイメージング方法を説明したが、本発明で実施可能な
パルスシーケンスはこれに限定されない。IRパルス
(180°RFパルス)または飽和パルス(90°RF
パルス)を用い、T1回復過程にてk空間を充足する生
データを収集できるパルスシーケンスであれば同様に実
施できる。例えば、IRパルスを用いた高速SE法の場
合、1つのフリップパルスと複数のリフォーカスパルス
の印加によりk空間充足用データを収集するが、フリッ
プパルスとリフォーカスパルスのフリップ角度を適切に
設定することで、T2減衰による信号減衰を抑制し、T
1回復とT2減衰が均衡する条件が存在するので、この
パルスシーケンスにも同様に適用できる。
【0112】またなお、本発明は、代表的に例示した上
述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者であ
れば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を
逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することが
でき、それらも本発明の権利範囲に属するものである。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るMR
I装置およびMRイメージング方法によれば、T1回復
させる途中で印加するフリップパルスの印加直前の縦磁
化の大きさMzが、そのフリップパルスを順次印加して
いっても殆ど不変となるように設定した撮像パラメータ
を使ってイメージングを行ったり、または、たとえ縦磁
化Mz(すなわち、k空間の横磁化Mzy)がフリップ
パルスに拠り変化していても、その変化特性を求めて縦
磁化Mzがほぼ一定となるように補正するので、TOF
−MRAやASL法のように、ほぼ単一のT1値を有す
る組織イメージング法において、単位時間当たりのT1
コントラストおよびSNRを向上させ、かつ、単位時間
当たりの画像分解能を向上させた、高品位のT1強調像
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の一例を示
すブロック図。
【図2】本発明の原理を説明するためのフリップパルス
の印加に対応して変化する縦磁化の強度を模式的に示す
グラフ。
【図3】シミュレーションの一例を示す図(縦磁化が変
化する場合)。
【図4】シミュレーションの別の例を示す図(縦磁化が
変化する場合)。
【図5】シミュレーションのさらに別の例を示す図(縦
磁化がほぼ一定の場合)。
【図6】シミュレーションのさらに別の例を示す図(縦
磁化がほぼ一定の場合)。
【図7】シーケンサにより実行される撮像パラメータ演
算のためのフローチャート。
【図8】第1の実施形態に係るパルスシーケンスの一例
を示す図。
【図9】k空間のデータ配置を説明する図。
【図10】第2の実施形態に係るプレスキャンおよび信
号処理の概要を示すフローチャート。
【図11】プレスキャンに係るフリップ角の振りに伴う
信号変化を説明する図。
【図12】IRパルスのショット回数と縦磁化Mzの強
度との関係を示すシミュレーションに拠るグラフ。
【図13】第3の実施形態で使用可能な逆フィルタの特
性の一例を説明する図。
【図14】第3の実施形態でウィナー・フィルタを使用
するときのノイズパワー計算のためのROIの採り方を
説明する図。
【図15】第3の実施形態においてホスト計算機により
実行される、プレスキャンにより得たデータに基づく補
正関数の生成および本スキャンに得たデータに基づく補
正処理の流れを説明するフローチャート。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3 傾斜磁場コイルユニット 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 ホスト計算機 7 RFコイル 8T 送信器 8R 受信器 10 演算ユニット 11 記憶ユニット 12 表示器 13 入力器

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に印加する反転パルスまたは飽和
    パルスと、このパルスにより前記被検体のスピンをT1
    回復させる過程で印加する複数のフリップパルスと、こ
    の各フリップパルスに応答して発生するエコー信号を収
    集するための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケンス
    を実行するようにしたMRI装置において、 前記フリップパルスの印加直前における前記スピンの縦
    磁化の強度がほぼ一定となるように制御した撮像パラメ
    ータに基づき前記パルスシーケンスを実行するシーケン
    ス実行手段を備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記パルスシーケンスは、前記反転パルスを含む高速フ
    ィールドエコー法に従うパルスシーケンスであるMRI
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明において、 前記シーケンス実行手段は、前記撮像パラメータとし
    て、測定部位の組織のT1値に基づき前記パルスシーケ
    ンスに関わるパラメータを予め演算する手段を備えるM
    RI装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明において、 前記撮像パラメータを制御するために位相エンコード傾
    斜磁場を印加しない状態でプレスキャンを実行してエコ
    ー信号を得るプレスキャン実行手段と、このプレスキャ
    ンの実行に伴って得るエコー信号から前記撮像パラメー
    タの内の制御パラメータの最適値を決めるパラメータ最
    適値決定手段とを備えたMRI装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発明において、 前記プレスキャン実行手段は、前記エコー信号の強度を
    複数の時刻で得る手段であり、前記パラメータ最適値決
    定手段は、前記複数の時刻における前記エコー信号の大
    小関係に基づき前記最適値を決める手段であるMRI装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3または5記載の発明において、 前記撮像パラメータは、前記フリップパルスのフリップ
    角、前記フリップパルスの印加繰り返し時間TR、時間
    軸上の最後の前記フリップパルスから次の前記反転パル
    スまたは飽和パルスまでの回復時間Trecov 、および前
    記反転パルスまたは飽和パルスによる前記スピンの反転
    時間TIを含み、前記制御パラメータは前記フリップ角
    であるMRI装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の発明において、 前記パルスシーケンスはASL(Arterial Spin Labeli
    ng)法のパルスシーケンスとして組み込まれているとと
    もに、前記プレスキャン実行手段および前記パラメータ
    最適値決定手段のそれぞれは前記ASL法に関わる血液
    のラベリング前後の差分データに対して実行するように
    したMRI装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の発明において、 前記パルスシーケンスは、前記反転パルスを含む高速ス
    ピンエコー法に従うパルスシーケンスであるMRI装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の発明において、 前記パルスシーケンスは、MRアンギオグラフィまたは
    ASL(ArterialSpin Labeling)法のパルスシーケン
    スとして組み込まれているMRI装置。
  10. 【請求項10】 被検体に印加する反転パルスまたは飽
    和パルスと、このパルスにより前記被検体のスピンをT
    1回復させる過程で印加するフリップパルスと、このフ
    リップパルスに応答して発生するエコー信号を収集する
    ための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケンスを実行
    するMRイメージング方法において、前記フリップパル
    スの印加直前における前記スピンの縦磁化の強度が一定
    となるように撮像パラメータを制御し、この撮像パラメ
    ータに基づき前記パルスシーケンスを実行することを特
    徴としたMRイメージング方法。
  11. 【請求項11】 被検体に印加する反転パルスまたは飽
    和パルスと、このパルスにより前記被検体のスピンをT
    1回復させる過程で印加する複数のフリップパルスと、
    この各フリップパルスに応答して発生するエコー信号を
    収集するための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケン
    スを実行するようにしたMRI装置において、 前記エコー信号を収集してk空間に配置する収集配置手
    段と、前記k空間に配置した前記エコー信号の強度変化
    を補正する補正手段と、この補正手段により補正された
    エコー信号からMR画像を生成する生成手段とを備えた
    ことを特徴とするMRI装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の発明において、 前記補正手段は、位相エンコード傾斜磁場を印加しない
    状態でプレスキャンを実行してエコー信号を得るプレス
    キャン実行手段と、このプレスキャンの実行によって得
    るエコー信号から前記k空間における信号強度の変化特
    性を演算する特性演算手段と、前記変化特性から求めた
    補正関数によって前記k空間の信号強度を一定または略
    一定に補正する強度補正手段とを備えたMRI装置。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の発明において、 前記補正手段は、与えられた撮像条件から前記エコー信
    号の前記k空間における信号強度の変化特性を演算する
    特性演算手段と、前記変化特性から求めた補正関数によ
    って前記k空間の信号強度を一定または略一定に補正す
    る強度補正手段とを備えたMRI装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載の発明にお
    いて、 前記強度補正手段は、前記補正関数を呈する逆フィルタ
    またはウィナー・フィルタであるMRI装置。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の発明において、 前記傾斜磁場パルスの1つである位相エンコード用傾斜
    磁場パルスを、前記フリップパルスの印加直前における
    前記スピンの縦磁化の強度が異なる場合に、その強度が
    高いエコー信号がk空間の低周波側に配置されるように
    割り当てたMRI装置。
  16. 【請求項16】 請求項11記載の発明において、 前記パルスシーケンスは、前記反転パルスを含む高速フ
    ィールドエコー法に従うパルスシーケンスであるMRI
    装置。
  17. 【請求項17】 被検体に印加する反転パルスまたは飽
    和パルスと、このパルスにより前記被検体のスピンをT
    1回復させる過程で印加する複数のフリップパルスと、
    この各フリップパルスに応答して発生するエコー信号を
    収集するための傾斜磁場パルスとを含むパルスシーケン
    スを実行するようにしたMRI装置において、 前記傾斜磁場パルスの1つである位相エンコード用傾斜
    磁場パルスを、前記フリップパルスの印加直前における
    前記スピンの縦磁化の強度が異なる場合に、その強度が
    高いエコー信号がk空間の低周波側に配置されるように
    割り当てたことを特徴とするMRI装置。
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