JP2016030017A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素なシステムによりRFパルスの最適化を高精度に行うと共に、最適化の時間を短縮することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供する。【解決手段】MRI装置の制御部は、被検体ごとにRFパルスの最適強度を決定する前計測パルスシーケンスを備える。この前計測パルスシーケンスはRFパルス(励起パルス)201の強度を変えながらエコー信号231の計測を繰り返すものであり、エコー信号の計測から次のRFパルスの印加までの間に、縦磁化を一定にする断熱パルス203を備える。断熱パルス印加から一定時間経過後、次のRFパルスを印加する。【選択図】図2

Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を計測し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に、印加する高周波磁場パルスの強度を調整する技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。MRI装置では、傾斜磁場によって位相エンコードおよび周波数エンコードされたNMR信号が、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
静磁場内で静磁場方向を向いている被検体内の原子核スピン(以下「スピン」という)は、高周波磁場の印加を受けて傾く。ここで、高周波磁場は印加時間と振幅が定められたRFパルスとして印加される。RFパルスの強度はRFパルスの印加時間と振幅で決まる。スピンが傾く角度、すなわちフリップ角は、RFパルスの強度に応じて定まる。なお、一般にフリップ角がθとなる強度で印加されるRFパルスは、θパルスと呼ばれる。例えば、フリップ角が90°となるRFパルスは90°パルスと呼ばれる。
MRIでは、被検体の形状、体内組織等の属性の相違に応じて、NMR信号を受信する受信コイル系の状態が変化する。このため、同じ強度のRFパルスを印加しても、被検体の部位によってスピンのフリップ角が異なる場合があり、正確な計測の妨げとなっている。これを防ぐため、計測するNMR信号(以下、「エコー信号」という)自体を用いて、被検体が異なっても同じフリップ角が得られるよう、被検体毎に適切なRFパルスの強度を求める技術が知られている。
このような計測では、RFパルスの印加を、通常RFパルスにより傾けられたスピンが熱平衡状態に戻るのを待ち繰り返す必要があるため、適切なRFパルスの強度を求めるのに要する時間は、RFパルスにより傾けられたスピンが熱平衡状態に戻るまでの時間(以下、「緩和時間」という)に依存し、適切なRFパルスの強度を求める工程全体として20〜30秒程度の時間を要していた。高磁場であればあるほど緩和時間が長くなるため、この工程の全体時間は長くなる。
また緩和時間の短縮のためにフリップバックパルスを印加するという手法があるが、RFパルスの強度を求める計測では、180°パルスの出力自体が未知であるため、この方法を使用することは困難である。
これに対し、特許文献1には、適切なRFパルスを求めるための計測行う際に、縦磁化と横磁化が実質的に飽和した準定常状態を生成することで、緩和時間を待たずに次のRFパルスを印加する技術が開示されている。この技術では、準定常状態を生成する過程でエコー信号を計測し、エコー信号の値が所定の閾値以下になったことで準定常状態になったことを判定している。
特許第5342461号公報
特許文献1では、準定常状態を生成することで、緩和時間を待たずに次のRFパルスを印加する方法が開示されているが、この手法では準定常状態に達したことをエコー信号の大きさで判断しているために、準定常状態の時点で縦磁化の大きさが十分小さくならず、次に励起される横磁化の大きさに影響を与える場合がある。また制御部が、準定常状態に達したかを一回のエコー信号を得るごとに判断しなければならず、高速な信号処理制御システムが不可欠となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡素なシステムにより適切なRFパルスの強度の決定を高精度に、かつ短時間で行うことが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを課題とする。
本発明にかかるMRI装置は、傾斜磁場印加部、RFパルス印加部、計測部および制御部を備え、制御部が、RFパルスの強度を変えながらエコー信号を計測して、基準となるRFパルスの強度(基準出力)を決定する前計測パルスシーケンスを実行する。この前計測パルスシーケンスは、強度の異なる複数のRFパルスの印加と、各RFパルス印加後のエコー信号の計測とを含み、エコー信号の計測から次のRFパルスの印加までの間に、縦磁化を一定にする断熱パルスを備える。
本発明によれば、前計測のRFパルス印加の前に、縦磁化を一定の状態にしておくことにより、RFパルスで励起される横磁化の大きさに与える影響のばらつきをなくし高精度に、かつ短時間で基準となるRFパルスの強度を決定できる。また断熱パルスを用いることにより、縦磁化の状態をエコー信号から判定する必要がなく、システムを簡素化できる。これにより、前計測(RF強度計測)及び撮像全体の計測時間を短くできる。
本発明の実施形態にかかるMRI装置のブロック構成図である。 図1のMRI装置で用いる前計測パルスシーケンスの説明図である。 図2の前計測パルスシーケンス内のAHPの説明図である。 図2の前計測パルスシーケンス実行時のスピンの挙動を示す説明図である。 断熱パルス印加後の時間と縦磁化の強度との関係を示したグラフである。 図2の前計測パルスシーケンスを用いたRFパルスの強度決定の動作フロー図である。 前計測パルスシーケンスにおけるRFパルスの強度と、エコー信号の強度との関係を示したグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像を得るもので、同図に示すように静磁場発生部2と、傾斜磁場印加部3と、送信部5と、受信部6と、信号処理部7と、シーケンサ4と、制御部である中央処理装置(CPU)8と、操作部25とを備えている。
静磁場発生部2は、被検体1の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、永久磁石方式又は常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場印加部3は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、シーケンサ4から命令にしたがってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、静磁場発生部2が発生する静磁場にX、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場を与える。この傾斜磁場の加え方により、被検体1に対するスライス面を設定することができ、またエコー信号をエンコードし位置情報を付与する。
送信部5は、シーケンサ4からの指令により被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照射するRFパルス印加部であり、高周波発振器11と、変調器12と、高周波増幅器13と、送信側の高周波コイル14aとを備える。送信部5は、高周波発振器11から出力された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された送信側の高周波コイル14aに供給することにより、電磁波(高周波信号)が被検体1に照射されるようになっている。
ここで、本実施形態に係る高周波発振器11は、後述する断熱パルス203を生成するためにRFパルスの共振周波数を変調する機能を有すると共に、高周波増幅器13はこの断熱パルス203の振幅を変更する機能を有する。
受信部6は、被検体1の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する計測部であり、受信側の高周波コイル14bと、増幅器15と、直交位相検波器16と、A/D変換器17とを備える。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は、被検体1に近接して配置された受信側の高周波コイル14bで検出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器17に入力されディジタル量に変換され、さらにシーケンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理部7に送られる。
なお、図1において、送信側及び受信側の高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1の周りの空間に配置された静磁場発生部2の静磁場空間内に設置されている。
信号処理部7は、受信部6で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行うと共に画像表示をするもので、エコー信号についてフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理及びシーケンサ4の制御を行うCPU8と、CPU8で再構成された画像データを記録するデータ格納部となる光磁気ディスク19及び磁気ディスク18と、これらの光磁気ディスク19又は磁気ディスク18から読み出した画像データを断層像として表示する表示部となるディスプレイ20とを備える。また、経時的な画像解析処理及び計測を行うプログラムやその実行において用いる不変のパラメータなどを記憶するROM(読み出し専用メモリ)や、前計測で得た計測パラメータや受信部6で検出したエコー信号や計測に必要なパラメータなどを記憶するRAM(随時書き込み読み出しメモリ)を合わせて備える。
シーケンサ4は、上述したRFパルスおよび傾斜磁場パルスを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段となるもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を送信部5及び傾斜磁場発生部3並びに受信部6に送る。また、操作部25は、信号処理部7で行う処理の制御情報をユーザーが入力するためのもので、トラックボール23及び、キーボード24などの操作装置を備えている。
パルスシーケンスは、撮像方法に応じて種々のものが予めプログラムされてメモリ(ROM)に格納されており、シーケンサ4は所定のパルスシーケンスをメモリから読み出すとともに操作部25から入力されたパラメータを用いて、当該パルスシーケンスに則って高周波パルスおよび傾斜磁場パルスの印加並びにエコー信号のサンプリングを制御する。
パルスシーケンスとしては、被検体の画像を再構成するためのエコー信号を計測する本撮影に用いるものと、本撮影前に、本撮影に必要なデータ等の計測を行う前計測パルスシーケンスとがある。本実施形態のMRI装置は前計測パルスシーケンスとして、RFパルスの強度を決定するための前計測パルスシーケンスを備えている。
図2に、本実施形態で用いる前計測パルスシーケンスの一例として、スピンエコー型のパルスシーケンスを示す。この前計測パルスシーケンスでは、まず第一のRFパルス(励起パルス)201、スライス傾斜磁場パルス211を印加する。これにより所定のスライスのスピンが倒される。このとき、励起パルス201によるスピンの傾き角がフリップ角である。励起パルス201の照射からエコー信号231の検出までの時間TEに対して、第二のRFパルス(反転パルス)202を、TEの半分のタイミングで照射し、スピンを反転させる。この際にもスライス傾斜磁場パルス212を同時に印加する。
時間TEの経過後、エコー信号231を検出する。なお、反転パルス202の照射前、およびエコー信号231の検出時に、読出方向傾斜磁場パルス221、222が印加される。反転パルス202照射前の読出方向傾斜磁場パルス221の印加時間は、エコー信号231検出時の読出方向傾斜磁場パルス222の印加時間の半分である。このようにすることで、TEにおいて読出方向に位相拡散したスピンが収束しエコー信号231(スピンエコー)が得られる。
エコー信号231を検出した後、断熱パルス203を印加する。この断熱パルス203は、1つのパルス内で周波数と振幅が変化するパルスであり、振幅と位相を変調することで、有効磁場に沿って磁化を操作できる。この断熱パルス203を用い、縦磁化を一定にする。本実施形態で用いる断熱パルスは、縦磁化を0にする、90度のフリップ角を生じさせるAHP(Adiabatic Half Pulse)である。図3にこのAHPのパルス強度(B1)と共鳴周波数との差(Δω)の時間変化を示す。図示するようにAHPは、初期段階では時間Tの経過に従い、パルスの強度B1が急激に大きくなると共に、共鳴周波数との差Δωが急激に小さくなり、時間の経過とともに、パルスの強度及び共鳴周波数との差は一定となる。
一般に断熱パルスは、脂肪抑制パルスシーケンスのInversionパルスとして利用される例があるが、本実施形態では、断熱パルス(AFPパルス)を「RFパルス励起後に縦磁化を一定にするためのパルス」として用いる。
このようなAHP印加をし、縦磁化を0にした後、更に時間TSが経過したときに、次の前計測パルスシーケンスを実行する。TSは、ある程度縦磁化が回復するのに必要な時間であり、この時間を一定にすることにより縦磁化は同じ状態に回復する。具体的には、TSは数百mSという短い時間に設定することができる。これにより、繰り返し時間TRを短くでき、適切なRFパルスの強度を決定する時間を短くできる。
この前計測パルスシーケンスを、フリップ角が変化するように励起パルス201の強度を変更しながら所定回数実行する。
この前計測パルスシーケンスの実行によるスピンの挙動を図4及び図5を用いて説明する。図4は、前計測パルスシーケンス実行時のスピンの挙動を示した説明図であり、図4(a)は、励起パルス201を最初に印加した際のスピンの状態、図4(b)はAHPを印加した後のスピンの状態、図4(c)は2回目以降の励起パルスを印加した際のスピンの状態を示す。図5は時間と縦磁化の強度との関係を示したグラフである。
まず、一回目の前計測パルスシーケンスを実行する。この一回目の前計測パルスシーケンスの励起パルス201が印加されると、図4(a)に示すように、スピンがフリップ角αで傾いた後、スピンの縦磁化が回復し、点線で示すような、縦磁化Mzが残留している状態となる。この状態で一回目のAHPを印加すると、縦磁化Mzが0になり、スピンはXY平面内に励起されて、スライス傾斜磁場パルス213、読出方向傾斜磁場パルス223でスポイルされる。そして所定時間TSが経過すると、図4(b)の点線で示すように縦磁化が一定の値にまで回復する。
図5には、断熱パルス203により縦磁化が0となった時間を0として、時間TSを経過したときに縦磁化が回復する状態を示す。ここで、所定時間TSを縦緩和時間T1よりも短い一定の時間にした場合、縦磁化は完全には回復せず、一定の値にまで回復する。時間TS経過後に、二回目の前計測パルスシーケンスの励起パルス201を印加すると、図4(c)に示すように、縦磁化が一定になった図4(b)の点線の状態から、スピンがフリップ角αnで倒される。三回目以降の前計測パルスシーケンスを実行する場合も、一つ前の前計測パルスシーケンスで断熱パルス203が印加され、所定時間TSが経過することで、スピンの縦磁化は、図4(b)に示す一定の状態となる。
この前計測パルスシーケンスを用いて、適切なRFパルスの強度を決定する手順について、図6、7を用いて説明する。図6は装置の動作フロー図、図7は前計測パルスシーケンスの、RFパルスの強度と、エコー信号との関係を示したグラフである。
図6には、本実施形態にかかるMRI装置の、RF強度を設定する際の動作フロー図を示す。ステップ001(以下、「S001」のように表記する)で、被検者がMRI装置の所定位置にいることを確認した後、S002で操作部25の操作者により、制御部は、被検者の生体情報を受け付ける。ここで生体情報とは、身長、体重、性別などエコー信号に影響を与えると考えられる情報を言う。
S003では、第一回目の前計測パルスシーケンスを実行する。一回目の前計測パルスシーケンスのRFパルスの強度は、入力された被検体の生体情報基づき、ROM等に蓄積されたデータベースからCPU8により自動的に選択することができる。
まず、一回目の前計測パルスシーケンスを実行し、エコー信号231を取得する。ただしこの一回目のエコー信号の値は、初期状態が異なるので、その後のRFパルスの強度の決定には用いない。一回目の前計測パルスシーケンス実行後(即ち励起パルスの印加後、設定された繰り返し時間TR経過後)、続けてS004で二回目以降の前計測パルスシーケンスを実行する。二回目以降の前計測パルスシーケンスでは、それぞれ、RFパルスの強度を異ならせる。
ここで実行される複数の前計測パルスシーケンスでは、断熱パルス203が印加された後、TRが終了するまでの時間(次の前計測パルスシーケンスが開始するまでの時間)、即ちTSが、すべて同じ値に設定されているので、RFパルスが印加されたときの縦磁化の大きさが、二回目以降の前計測パルスシーケンスでは一定になる。
二回目以降の前計測パルスシーケンスの実行により、エコー信号231が取得される。こうして励起パルス201の強度を変えながらエコー信号231の計測を繰り返すことで、異なるRFパルスの強度のもとで計測した複数のエコー信号が得られる。こうして計測したエコー信号231の強度から基準となるRFパルスの強度を決定する。
二回目以降に取得されたエコー信号231の強度をプロットしたものを図7に示す。図7の横軸は、フリップ角を生じさせるRFパルスの強度を、縦軸はエコー信号231の強度を示し、RFパルス強度を変更して6回の前計測パルスシーケンスを実行して得られたエコー信号231の強度をプロットした状態である。このプロットした曲線からカーブフィッティング等により近似関数を導出して、エコー信号231の強度が最大となるパルス強度を求める。このパルス強度が90°パルスに相当するRFパルスの出力基準値である。その値をRFパルスの出力基準値として用いることで、本撮影に使用するパルスシーケンスの高周波磁場パルスの適切な強度が決定される。
本実施形態によれば、適切なRFパルスの強度を、被検体ごとに決定する前計測パルスシーケンスが、エコー信号の計測から次のRFパルスの印加までの間に、縦磁化を一定にする断熱パルスを備えたことにより、完全に縦磁化が回復する時間を待たずに励起RFパルス印加直前のスピンの状態を一定にできるので、繰り返し時間TRを短くできる。これにより適切なRFパルスの強度決定にかかる時間を短縮でき、更にMRI装置による計測時間を短くできる。
例えば、スピンが完全に縦緩和する時間にTRを設定した場合には、TRは2、3秒程度が必要となるが、断熱パルスの印加から次の励起パルス印加までの時間TSは数百ms程度とすることができるので、TRをT1緩和時間よりも短くできる。すなわちTRを2秒程度短縮することができ、それに繰り返し回数を乗じた時間の短縮効果が得られる。また、一定の縦磁化の状態にすることをエコー信号計測等で確認する必要がないため、信号処理の負担がなくシステムを簡素化できる。なお、TRは、被検体の代表的組織のT1緩和時間の1/10以上であることが望ましい。
また、断熱パルス203が、90°のフリップ角を生じさせるAHPであることで、前計測パルスシーケンスの第一のRFパルスの強度を直接求めることができる。これによっても、制御部内のシステムを簡素化することができる。
一回目の前計測パルスシーケンスのRFパルスの強度が、被検体の生体情報により決定されることで、エコー信号231の値が図7に示すような曲線となるような、初期のRFパルスの概略の強度を得ることができる。
本実施形態では、前計測パルスシーケンスとしてスピンエコー型のパルスシーケンスを用いたが、グラディエントエコー型のパルスシーケンスを用いることもできる。その場合さらに適切なRFパルスの強度の決定のための時間を短縮できる。
また、RFパルス印加部が多チャンネルで構成される場合、その多チャンネルのすべてを動作させた状態で、エコー信号を最大にするRFパルスの強度を決定する。RFパルスの強度は、そのRFパルス印加部の持つ、電気的な固有の値にゲインとして掛け合わせることで設定されるので、まず多チャンネルのすべてのRFパルス印加部を動作させた状態で、全体として適切なRFパルスの強度を決定する。そして、その強度の値となるように、それぞれのチャンネルの固有の値に対し同じゲインを掛け合わせることで、それぞれのチャンネルごとにRFパルスの強度とする。
なお本実施形態では、最初の前計測パルスシーケンスは、RFパルスを印加する前のスピンの状態が2回目以降の状態と異なるため、最初の前計測パルスシーケンスで得られたエコー信号231の値を、基準RFパルスの強度決定には用いていないが、最初の前計測パルスシーケンスにおいて、励起パルス201印加前に断熱パルス203を印加することも可能である。この場合、一回目のエコー信号231の強度をRFパルスの強度決定に用いることができる。
1…被検体、2…静磁場発生部、3…傾斜磁場印加部、4…シーケンサ、5…送信部、6…受信部、7…信号処理部、8…中央処理装置、9…傾斜磁場コイル、10…傾斜磁場電源、11…高周波発信機、12…変調器、13…高周波増幅器、14…高周波コイル、15…増幅器、16…直交位相検波器、17A/D変換機、18…磁気ディスク、19…光磁気ディスク、20…ディスプレイ、23…トラックボール、24…キーボード、25…操作部、201…励起パルス、202…反転パルス、203…断熱パルス、211、212、213…スライス傾斜磁場パルス、221、222、223…読出方向傾斜磁場パルス、231…エコー信号

Claims (7)

  1. 静磁場中に配置された被検体に対して傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加部と、
    前記被検体の磁化を所定のフリップ角で励起させるRFパルスを印加するRFパルス印加部と、
    前記被検体が発生するエコー信号を計測する計測部と、
    前記傾斜磁場印加部とRFパルス印加部と計測部との動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、
    前記RFパルスの強度を変えながら前記エコー信号を計測して、前記RFパルスの基準出力を決定する前計測パルスシーケンスを実行し、
    この前計測パルスシーケンスが、前記エコー信号の計測から次の前記RFパルスの印加までの間に、縦磁化を一定にする断熱パルスを備える、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    複数の前記前計測パルスシーケンスで、前記断熱パルスを印加した後、次の前計測パルスシーケンスが開始するまでの時間が、同じ値に設定されている、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記断熱パルスが、縦磁化を実質的に0にする断熱パルスである、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記断熱パルスが、AHP(Adiabatic Half Pulse)である、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記前計測パルスシーケンスのRFパルスの初期強度は、生体情報のデータベースを用いて決定する、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記前計測パルスシーケンスが、スピンエコー型である、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記前計測パルスシーケンスが、グラディエントエコー型である、
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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