JP2000342103A - エレクトロコーティングによるいけす金網の防汚方法 - Google Patents
エレクトロコーティングによるいけす金網の防汚方法Info
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- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
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- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
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Abstract
に除去する。 【解決手段】 海水中に浸漬したいけす金網1に犠牲電
極2を貼付するとともに、いけす金網1をカソードと
し、それに対峙して配置したアノード3との間で通電す
ることにより、いけす金網1の針金表面にCaCO3 ・
Mg(OH)2 のエレクトロコーティングを析出させた
後、犠牲電極2による微弱電流により、エレクトロコー
ティング生長させ、該エレクトロコーティングに付着し
た海洋付着生物をアノード3といけす金網1との間で、
金網1の針金の表面積当り1〜5A/m2 の電流密度で
通電することにより、エレクトロコーティングと共に剥
離して除去する。
Description
海水魚の養殖用いけすに用いられる金網の防汚方法に係
り、特に金網を組成する針金にエレクトロコーティング
を施し、それに付着するフジツボなどの海洋付着生物を
エレクトロコーティングとともに剥離して除去するエレ
クトロコーティングによるいけす金網の防汚方法に関す
る。
業へと転換されつつあり、沿岸における養殖事業が現在
活発に行われている。そして、このような養殖において
は、魚が所定の養殖区域から逃げ出さないように魚網で
養殖区域の周囲および底部を囲いいけすを構成して行っ
ていた。
形態保持性などが優れている金網が多く使用される。金
網は軟鋼の針金に亜鉛メッキを施したものを使用して作
製したもので、針金の太さは4mm程度のものが多い。
るにつれて、養殖区域を包囲する魚網にはフジツボ、カ
キ、ムラサキガイの幼生等のような各種の海中生物が付
着し繁殖してしまう。そして、海中生物が繁殖するとそ
の分だけ魚網の網目の面積が小さくなり、閉塞されたよ
うな状態となる。そのような状態では、新鮮な海水は魚
網の内部、すなわち、いけすの内部へ流入し難くなり、
いけす内の海水に含有される酸素が不足して酸欠状態と
なってしまい、いけす内の養殖魚が餌を摂取しなくなっ
たり死んだりすることがある。また、魚がこれらの付着
した貝に触れると皮膚が傷つき、それがもとで病気にな
ることもある。
を防ぐため、毒性を有する薬剤、たとえば、有機スズ化
合物を塗料と共に魚網に塗り付けることが行われてい
た。しかし、毒性薬剤が海中に微量ずつ溶解し、環境汚
染の問題が起るので近年は用いられなくなった。
年に数回除去作業を行っている。しかし、この作業は作
業費が膨大であり、必要なときにすぐに作業ができると
は限らないという問題がある。
とえば、炭素、炭素を含有する樹脂で作製し、それに直
流電源を接続して魚網に接触している海水を電気分解し
て塩素ガスや次亜塩素酸イオンを発生させ、海中生物の
付着および繁殖を防ぐことが提案されている(実開平3
−56363)。
軟鋼や亜鉛メッキ軟鋼の針金製であると溶出しまって使
えないので、上述のように炭素繊維などの導電性の繊維
を使用しなければならないが、そうすると水中での形態
保持性などの問題があるとともに、漁網が高価になる問
題がある。なお、特開平1−199530号にも同様の
提案がなされているが、同様の問題がある。
る鋼板の防食方法であるエレクトロコーティングが海洋
付着生物の防汚にも有効であることを発見し、特許出願
を行った(特願平10−232952号(未公開))。
ドとして微弱電流を通電することにより、海水中に存在
するカルシウムイオンやマグネシウムイオンが鋼板表面
にMg(OH)2 とCaCO3 の2層のエレクトロコー
ティングとして析出することを利用して防食するもので
ある。すなわち、Mg(OH)2 層は、アルカリ性で防
食効果があるが溶けやすく、CaCO3 は防食効果はな
いが溶けにくいので、この2層からなるエレクトロコー
ティングにより、実用的な防食が達成できる。そして、
該エレクトロコーティングに海洋付着生物が付着した状
態でカソードとアノードの間に一定以上の電流密度で電
流を通電すると、エレクトロコーティングは付着した海
洋付着生物とともに剥離して、きれいな電着膜表面が現
れるという知見が得られたので上記出願を行ったもので
る。
み、かつ、上記知見に基づいて案出されたもので、鋼板
についての有効性が認められた防汚方法をいけす金網に
応用したエレクトロコーティングによるいけす金網の防
汚方法を提供することを目的とする。
本発明のエレクトロコーティングによるいけす金網の防
汚方法は、海水中に浸漬したいけす金網に犠牲電極を貼
付するとともに、いけす金網をカソードとし、それに対
峙して配置したアノードとの間で通電することによりい
けす金網の針金表面にCaCO3 ・Mg(OH)2 のエ
レクトロコーティングを析出させた後、犠牲電極による
微弱電流によりエレクトロコーティングを生長させ、該
エレクトロコーティングに付着した海洋付着生物をアノ
ードといけす金網との間で、金網の針金の表面積当り1
〜5A/m2 の電流密度で通電することによりエレクト
ロコーティングと共に剥離して除去するものである。
浸漬したいけす金網に直流電源の(−)側を接続してカ
ソードとし、それに対峙して配置したアノードに直流電
源の(+)側を接続して通電すると、いけす金網を組成
する針金の表面に海水中に存在するカルシウムイオンや
マグネシウムイオンが析出して、針金の表面付近にMg
(OH)2 層、その外側にCaCO3 層が形成される。
直流電源を切り犠牲電極によって金網に通電し続けると
エレクトロコーティングは厚くなって行くとともに、そ
の表面に海洋付着生物が付着して生長し次第に厚くな
る。海洋付着生物の厚さが増大し、いけすの性能が損わ
れるようになったら金網の針金の表面積当り1〜5A/
m2 の電流密度で通電する。そうすると、カソードであ
る針金表面付近に水の電気分解により生じた(OH- )
イオンが蓄積されエレクトロコーティングのMg(O
H)2 層のPH値が上昇し、PH値が11を越えるとM
g(OH)2 の粒子は(−)に荷電する性質があるので
カソードである針金表面と反発し合うことになり、エレ
クトロコーティングが針金表面から剥離し、海洋付着生
物も一緒に針金表面から剥離し、きれいな電着膜表面が
現れる。したがって、いけす金網の性能は元に戻り、潜
水夫がウォータジェットにより金網を清掃する作業を省
くことができる。
図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のエレクトロ
コーティングによるいけす金網の防汚方法を実施するた
めの装置の全体斜視図である。図において、1はいけす
金網である。いけす金網1の大きさは通常深さが8m
で、8m角、10m角、15m角、20m角のものが多
い。金網1cは通常、SS系の針金に亜鉛メッキが施さ
れているもので構成されており、針金の太さは4mm程
度のものを用いる。1aは鋼管製の枠体で4角形に形成
されており、下面にフロート1bが取付けられていて、
海面5に浮いている。
れていて、前後左右の4面の金網の上端が枠体1aに固
着されている。2は犠牲電極である。犠牲電極2の材質
は亜鉛より卑な金属、たとえば、金属マグネシューム板
であり、それを金網1c上に適当な間隔で貼付する。3
はアノードであり、不溶解性あるいは溶解性の金属板
で、いけす金網1と対峙して1または複数個設置する。
4は直流電源であり(−)側をワイヤ6を介してカソー
ドであるいけす金網1に接続し、(+)側をワイヤ6を
介してアノード3に接続する。
レクトロコーティングの生成について説明する。金網1
をカソードとして海水中で通電すると、鋼板表面付近で
水の電気分解反応により、水素と水酸イオンが発生す
る。水素は空気中に発散し、水酸イオンはPH値を上昇
させる。PH値が8以上に上昇すると海水中のカルシウ
ムイオンと炭酸イオンが結合し、炭酸カルシウム(Ca
CO3 )を形成する。PH値が9以上に上昇するとマグ
ネシウムイオンと水酸イオンが結合し、水酸化マグネシ
ウムMg(OH)2 を形成する。形成されたCaCO3
やMg(OH)2 の微粒子はコロイド状に鋼板表面近傍
を浮遊しているが微粒子表面は(+)または(−)に荷
電している。CaCO 3 の粒子は、PHが9未満では
(+)に荷電し、PHが9を越えると(−)に荷電す
る。一方、Mg(OH)2 の粒子はPHが11未満では
(+)に荷電し、PHが11を越えると(−)に荷電す
る。また、カソードである針金表面の水酸イオン濃度
は、表面で最も高く表面から遠ざかるにしたがって低下
するので、針金表面近傍でPH値の勾配が生じている。
この勾配の大きさはカソードの電流密度が大きいほど大
きい。今適当な電流密度による通電により、針金表面の
PH値が10程度であるとすると、Mg(OH)2 は
(+)に荷電しているので電気泳動により表面に付着
し、CaCO3 はそのPHでは(−)に荷電するので電
気的に反発し、表面からわずかに離れる。わずかに離れ
た位置ではPH値は低下し9未満となっているのでCa
CO3 は(+)に荷電しており、カソードに引き付けら
れて、そこに停滞する。このような原理により針金表面
付近には、Mg(OH) 2 の層が形成され、外側にCa
CO3 の層が形成されて、CaCO3 ・Mg(OH)2
の2層のエレクトロコーティングが形成される。通電を
続けると、Mg(OH)2 の層とCaCO3 の層はそれ
ぞれ成長して厚さが厚くなるのであって、Mg(OH)
2 の層とCaCO3 の薄い層が交互に積層するものでは
ない。
より金網1との間に電池を形成し、犠牲電極2と金網1
との間に微弱な電流が流れ続ける。エレクトロコーティ
ングはこの微弱電流(電流密度130〜200mA/m
2 )によっても生成を続ける。
いて説明する。フジツボなどの海洋付着生物はこのよう
にして形成されたエレクトロコーティング表面に付着
し、そこで成長し、次第に厚くなる。この状態で1〜5
A/m2 の電流密度で通電し続けると次第に針金表面付
近に水酸イオン(OH- )が蓄積されPH値が上昇す
る。PH値が11を越えるとMg(OH)2 の粒子は
(−)に荷電するのでカソードの表面と反発し合うこと
になり、エレクトロコーティングが針金表面から剥離
し、海洋付着生物も一緒に針金表面から剥離し、針金表
面は元の状態に戻る。したがって、いけす金網の性能は
元に戻り、潜水夫がウォータジェットにより金網を清掃
する作業を省くことができる。
よる防汚方法の原理および実証テストの結果について
は、先に述べた特願平10−232952号に詳しく説
明されているので参照することができる。
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
更が可能である。
コーティングによるいけす金網の防汚方法は、金網をカ
ソードとして通電することにより針金表面にエレクトロ
コーティングを生成させるとともに、金網に犠牲電極を
貼付して微弱電を通電し続けてエレクトロコーティング
を成長させ、エレクトロコーティングに海洋生物が付着
して漁網としての性能が劣化したら、1〜5A/m2 の
電流密度で通電することにより、海洋付着生物をエレク
トロコーティングとともに剥離して除去するので、潜水
夫がウォータジェットで海洋付着生物を除去する手間が
省けるという優れた効果を有する。
す金網の防汚方法を実施するための装置の斜視図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 海水中に浸漬したいけす金網に犠牲電極
を貼付するとともに、いけす金網をカソードとし、それ
に対峙して配置したアノードとの間で通電することによ
りいけす金網の針金表面にCaCO3 ・Mg(OH)2
のエレクトロコーティングを析出させた後、犠牲電極に
よる微弱電流によりエレクトロコーティングを生長さ
せ、該エレクトロコーティングに付着した海洋付着生物
をアノードといけす金網との間で、金網の針金の表面積
当り1〜5A/m2 の電流密度で通電することによりエ
レクトロコーティングと共に剥離して除去することを特
徴とするエレクトロコーティングによるいけす金網の防
汚方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15764399A JP4131055B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | エレクトロコーティングによるいけす金網の防汚方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15764399A JP4131055B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | エレクトロコーティングによるいけす金網の防汚方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000342103A true JP2000342103A (ja) | 2000-12-12 |
JP4131055B2 JP4131055B2 (ja) | 2008-08-13 |
Family
ID=15654217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15764399A Expired - Lifetime JP4131055B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | エレクトロコーティングによるいけす金網の防汚方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4131055B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002074075A1 (en) * | 2001-03-08 | 2002-09-26 | Seafarm Development As | A method and a device for a fish corral |
EP1770188A1 (en) * | 2004-05-11 | 2007-04-04 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Method of forming anticorrosion coating |
-
1999
- 1999-06-04 JP JP15764399A patent/JP4131055B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002074075A1 (en) * | 2001-03-08 | 2002-09-26 | Seafarm Development As | A method and a device for a fish corral |
EP1770188A1 (en) * | 2004-05-11 | 2007-04-04 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Method of forming anticorrosion coating |
EP1770188A4 (en) * | 2004-05-11 | 2008-07-23 | Ihi Corp | METHOD FOR FORMING AN ANTI-CORROSION COATING |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4131055B2 (ja) | 2008-08-13 |
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