JP2004242617A - ワイヤーと金網といけすとその金網製造方法 - Google Patents

ワイヤーと金網といけすとその金網製造方法 Download PDF

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敏光 荒木
Masamichi Hasegawa
真道 長谷川
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Abstract

【課題】水中生物の付着がより少ないワイヤーとその金網といけすとその金網の製造方法を提供しようとする。
【解決手段】
従来の水中で用いられるいけすにかわって、浮きと、前記浮きにつり下げられ水中に浸かっている金網でできた袋状の収納体とを備え、金網がワイヤーを編んでできており、前記ワイヤーが金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と前記金属層の外周に付着した塗料層とを有し、前記塗料層が水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるものとした。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤーとその金網といけすとその金網の製造方法に係る。特に水中生物の付着を防止する構造に特徴が有り、海や河川で使用される養殖用いけすに好適ないけすとそのいけす用の金網とその金網用のワイヤーとその金網の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中、特に海中に浸かっている構造物には水中生物が付着する。
例えば、養殖用のいけすでは、水中生物が付着するので、一年に数回、水中生物の除去作業が必要である。
養殖用いけすは、浮きとその浮きにぶら下げられて海水中に浸かっている網でできた袋状の収納体で構成される。ブリ、カンパチ、鯛、フグ等の魚が、その収納体の中で養殖される。周囲の海水が収納体の網の目を通るので、いけす内の海水交流がおこなわれる。
長期間いけすを使用していると、水中生物が収納体の網に付着する。網の目の開口面積が小さくなるので、いけす内の海水交流が低下し、養殖される生き物の成長に悪影響をあたえる。
したがって、一年に数回、ダイバーが潜って、いけすについた水中生物の除去作業をする。
【0003】
従来、いけすに使用される網を説明する。
網は、化繊網と金属網とがある。
金属網は、ワイヤーを編んでつくられている。ワイヤーは金属の芯線とその芯線の周囲に亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金をメッキしてできたメッキ層とを持ったものである。亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金がイオン化して海水中に溶出すると、芯線の金属の腐食を防止し、同時に水中生物の付着と成長とを阻害する。亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金が無くなってくると、水中生物の付着と成長を抑制できなくなる。メッキ層が厚いと、その厚みに対応して、水中生物の付着と成長を遅らせることができる。
金属網は、この直線状のワイヤーを編み機により編むことにより造られる。
編き機は、ワイヤーを所定の箇所で屈曲し、複数のワイヤーを絡ませて網状にする。メッキ層が所定の厚さをこえると、編み機により編まれた際にメッキ層に割れが生ずる。そのため、金属網のワイヤーのメッキ層の厚みにはおのずから限界がある。その限界の厚みは、芯線の太さと亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金の成分よりに変化するが、一般的に100ミクロン程度といわれている。
従って、メッキ層により水中生物の付着と成長を遅らせることができる期間には、限界が有る。その期間は、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金の溶出速度に依存するが、経験的に約1年から1.5年である。
【0004】
一方、金属網をいけすに使用すると、波浪による揺動により編まれたワイヤー同士が絡んでいる箇所で擦れる。絡んでいる箇所では、金属の芯線同士がこすれあう。従って、所定の年数だけいけすを使用すると、ワイヤーの芯線が細くなり、機械的強度を維持できなくなる。この期間は、経験的に判断される。いけすの金網はこの期間〔例えば、3年)を目安に交換される。
【0005】
通常、いけすにおいては、いけすの金網を交換するまでに亜鉛、亜鉛合金、アルミまたはアルミ合金の目減りが進み水中生物の付着と成長を抑制できなくなるので、数回の水中生物の除去作業が必要になっていた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭55−118327号公報
【特許文献2】
特開平6−227926号公報
【特許文献3】
特開昭6−261662号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に、従来のワイヤーとその金網といけすにおいて、今以上に水中生物の付着を少なくしたいという要請があった。特に、いけすの金網の機械的寿命がつきる間、水中生物の除去作業をなくし、常に新鮮な海水の交流により養殖する魚等の成長を促進させたいという要請があった。
【0008】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、従来のワイヤーとその金網といけすとその金網の製造方法にかわって、水中生物の付着がより少ないワイヤーとその金網といけすとその金網の製造方法を提供しようとする。
【0009】
【課題を解決するための機構】
上記目的を達成するため、本発明に係るワイヤーを、金属の芯線と、前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と、前記金属層の外周に付着した塗料層と、を備えたものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、芯線が金属であり、前記芯線の外周に付着した金属層が前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層であり、塗料層が前記金属層の外周に付着するので、塗料層により水中生物の付着が抑制され、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
【0011】
さらに、本発明に係るワイヤーは、前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるので、防汚塗料の効能で水中生物の付着をより抑制でき、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
【0012】
さらに、本発明に係るワイヤーは、前記金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であるので、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金の溶出により水中生物の付着をより抑制できる。
【0013】
また、本発明に係る金網は、ワイヤーを編んでできており、前記ワイヤーが金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と前記金属層の外周に付着した塗料層とを有するものとした。
【0014】
上記本発明の構成により、ワイヤーの芯線が金属であり、前記芯線の外周に付着した金属層が前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層であり、塗料層が前記金属層の外周に付着するので、塗料層により水中生物の付着が抑制され、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
【0015】
さらに、本発明に係る金網は、前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるので、防汚塗料の効能で水中生物の付着をより抑制でき、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
【0016】
さらに、本発明に係る金網は、前記金属層が亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、金属層が亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であるので、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金の溶出により水中生物の付着をより抑制できる。
【0017】
また、本発明に係る水中でもちいられるいけすは、浮きと、前記浮きにつり下げられ水中に浸かっている金網でできた袋状の収納体とを備え、金網がワイヤーを編んでできており、前記ワイヤーが金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と前記金属層の外周に付着した塗料層とを有する、ものとした。
【0018】
上記本発明の構成により、前記浮きにつり下げられ水中に浸かっている袋状の収納体が金網ででき、金網を構成するワイヤーの芯線が金属であり、前記芯線の外周に付着した金属層が前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層であり、塗料層が前記金属層の外周に付着するので、塗料層により水中生物の付着が抑制され、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
【0019】
さらに、本発明に係るいけすは、前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であるので、防汚塗料の効能で水中生物の付着をより抑制でき、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
【0020】
さらに、本発明に係るいけすは、前記金属層が亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、金属層が亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であるので、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金の溶出により、金属イオンが水中生物の付着をより抑制できる。
【0021】
また、本発明に係る金網製造方法は、金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層とを有するワイヤーを準備するワイヤー準備工程と、前記ワイヤーの外周に塗料を塗る塗装工程と、前記ワイヤーを編んで金網を製造する編み工程と、を備えるものとした。
【0022】
上記本発明の構成により、ワイヤー準備工程で金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層とを有するワイヤーを準備し、塗装工程で前記ワイヤーの外周に塗料を塗り、編み工程で前記ワイヤーを編んで金網を製造するので、塗料層により水中生物の付着を抑制でき、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できるワイヤーを製造できる。
【0023】
さらに、本発明に係る金網製造方法は、前記塗料が水中生物の付着を防止する防汚塗料であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記塗料が水中生物の付着を防止する防汚塗料であるので、防汚塗料の効能で水中生物の付着をより抑制でき、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できるワイヤーを製造できる。
【0024】
さらに、本発明に係る金網製造方法は、前記金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、アルミ合金のうちの一つの層であるのが好ましい。
上記本発明の構成により、金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、アルミ合金のうちの一つの層であるので、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、アルミ合金の溶出により水中生物の付着をより抑制できるワイヤーを製造できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0026】
本発明の実施形態に係るワイヤーとそのワイヤーでできた金網とその金網を用いたいけすを説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるいけすの斜視図である。図2は、本発明の実施形態にかかる金網の部分詳細図である。図3は、本発明の実施形態にかかるワイヤーのA−A断面図である。
いけす1は、海に浮かべて、鯛、ふぐ等の魚を生かしておくためのものであり、枠2と浮き3と袋状の収納体4と防蝕金属ブロック5とで構成される。
枠2は、海水中に浸ける収納体4を吊るす構造体であり、一般に鉄管やプラスチック管で造られる。
収納体4は、浮きにつり下げられ水中に浸かっている金網6でできた袋状のものである。袋は、例えば、上に開口部のある6面体であり、開口部の周囲の縁が枠2に連結されている。
防蝕金属ブロック5は、金網6の防蝕のための犠牲陽極となるもので、例えば、亜鉛合金ブロックやアルミ合金ブロックである。
【0027】
金網6は、ワイヤー7を編んだものである。金網6は、海中を含む水中で用いられるものであるのが好ましい。ワイヤー7は、例えば、稲妻状に所定の間隔で交互に約90度に屈曲させたものである。複数のワイヤー7が並び、隣り合ったワイヤー7が相互に屈曲した箇所を絡めている。略ひし形の開口が、金網6の面に規則正しく整列する。
【0028】
ワイヤー7は、芯線8とその外周に付着した金属層9と塗料層10とで構成される。ワイヤー7は、海中を含む水中で用いられるものであるのが好ましい。
芯線8は、ワイヤー7の機械強度を担当する金属の線であり、鉄線や銅線等でできている。
金属層9は、芯線8の外周に付着した他の金属の層である。他の金属は、芯線8の金属よりもイオン化傾向の大きなものであり、例えば、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、アルミ合金等である。金属層9は、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金を、塗装、溶着、またはメッキさせた層であるのが好ましい。
塗料層10は、塗料が金属層の周囲に塗られた層である。塗料は、水中生物の付着を防止する防汚塗料であるのが好ましい。
【0029】
水中生物の付着を防止する防汚塗料とは、ワイヤーを水中に置いた際の水(海水を含む)との接触面への水中生物の付着を、塗料の成分の化学的性質または物理的性質を利用して抑制する様にした塗料である。
化学的性質として、水中生物の着生を防止する性質、水中生物の忌避する成分を水中に溶出する性質、着生した水中生物を死滅させる性質、その他がある。
物理的性質として、低表面張力、ヌルヌル表面、表面が剥離する性質、その他がある。
【0030】
防汚塗料の樹脂は、作用機構から、抽出型、崩壊型、加水分解型に分類される。
抽出型の樹脂は、油性系、塩化ビニル系、塩化ゴム系などの膜形成能が高く水不溶性のものをもちい、これらの樹脂とロジン等の低分子量親水性樹脂と組み合わせ、その中に亜酸化銅などを配合する。亜酸化銅は、海水接触面へ徐々に溶出する。樹脂は塗装膜中に残存する。
崩壊型は、水和分解型とも呼ばれ、2成分以上の樹脂を組み合わせたもので、海水に対する親和性のある微溶解性のあるもの用いる。樹脂が経時的に減耗し、防汚剤を含む層が海水接触面に出る。
加水分解型は、有機錫に代表されるように、主に樹脂の側鎖に結合された基がPH8.2付近の海水中で化学的に加水分解される。海水に接した樹脂が加水分解し、疎水性から親水性に変化した塗膜表面が徐々に均一に海水中に溶解する。それゆえ、塗装表面は常に防汚剤を含有した活性面となる。
【0031】
防汚剤は、塩基性硫酸銅入り、有機錫代替防汚剤、にら、乳酸、リンゴ酸、等が知られている。
防汚塗料は、水中生物に毒性を有するものと毒性を有しないものとがある。ワイヤーをいけすに使用する場合は、いけす中の生物に害を与えないために、毒性を有しないものが好ましい。
【0032】
次に、金網製造方法を説明する。
金網製造方法は、金網を製造する方法であって、ワイヤー準備工程と塗装工程と編み工程とを備える。
(ワイヤー準備工程)
ワイヤー準備工程は、金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層とを有するワイヤーを準備する工程である。
芯線の金属は、鉄線や銅線等である。
他の金属は、亜鉛、アルミ、または亜鉛アルミ合金であり、例えば、防蝕亜鉛や防蝕アルミであるのが好ましい。
他の金属を、芯線の周囲に塗装、溶着、またはメッキ処理により付着させる。メッキ処理の場合は、メッキの電流値やメッキ回数等を選択して、金属層の厚みを所望の値に調整できる。例えば、一回のメッキにより20ミクロンの厚みの金属を付着させることができる。複数回のメッキをすることにより、金属層の厚みを100ミクロン程度にまですることができる。
【0033】
(塗装工程)
塗装工程は、ワイヤーの外周に塗料を塗る工程である。塗料は、水中生物の付着を防止する防汚塗料であるのが好ましい。
塗料を塗る方法と塗る回数を選択して、塗料層の厚みを所望の値に調整することができる。
(編み工程)
編み工程は、ワイヤーを編んで金網を製造する工程である。ワイヤーを所定の間隔でジグザグ状に交互に折り、複数のワイヤーを並べて隣り合った折り目を絡ませる。
上述の工程により金網が製造できる。
塗装工程は、編み工程の前でおこなってもよいし、編み工程の後でおこなってもよい。
【0034】
上述の実施形態のワイヤーと金網といけすを用いれば、金属の芯線の周囲に金属層と塗料層とがあるので、水中で使用した際に、最初に塗料層により水中生物の付着と成長を阻害し、塗料層が薄くなって金属層が露出すると、金属層の他の金属が溶出して水中生物の付着と成長を阻害するので、金網の開口が目詰まりをおこすまでの期間が長くなり、特にその金網を使用したいけすにおいて付着生物の除去作業が少なくなる。
また、塗料として水中生物の付着を防止する防汚塗料を使用したので、防汚塗料の効能により塗料層への水中生物の付着、成長をより阻害する。
また、金属層の金属として亜鉛、亜鉛合金、アルミ、アルミ合金をもちいたので、塗料層がなくなって金属層が露出した際に、亜鉛やアルミの金属イオンが溶出し水中生物の付着、成長をより阻害する。
したがって、水中生物の付着、成長を長期間にわたって抑制でき、特にその金網を使用したいけすにおいて水中生物の除去作業の回数が減る。
【0035】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
塗料層が金属層の外周に付着しているとして説明したが、この「外周に付着する」の用語は、塗料層が金属層の外周面に接触して付着している場合を意味する他、塗料層が金属層の外周面を被覆する層を介して付着する場合をも意味する。また、金属層が芯線にメッキされているとして説明したがこれに限定されず、例えば、金属層が溶着または塗装により芯線の外周に付着していてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のワイヤーと金網といけすとその金網製造方法は、その構成により、以下の効果を有する。
金属の芯線の周囲に金属層と塗料層とを順に重ねたので、塗料層により水中生物の付着が抑制され、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
また、塗料層の塗料を水中生物の付着を防止する防汚塗料としたので、防汚塗料の効能で水中生物の付着をより抑制でき、塗料層の塗料が消耗して少なくなった後は、金属層の溶出により水中生物の付着を抑制できる。
また、金属層の他の金属を亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つとしたので、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金の溶出により水中生物の付着をより抑制できる。
従って、水中生物の付着がより少ないワイヤーとその金網といけすとその金網の製造方法を提供できる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るいけすの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る金網の部分詳細図である。
【図3】本発明の実施形態に係るワイヤーのA−A断面図である。
【符号の説明】
1 いけす
2 枠
3 浮き
4 収納体
5 防蝕金属ブロック
6 金網
7 ワイヤー
8 芯線
9 金属層
10 塗料層

Claims (12)

  1. ワイヤーであって、
    金属の芯線と、
    前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と、
    前記金属層の外周に付着した塗料層と、を備えたことを特徴とするワイヤー。
  2. 前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤー。
  3. 前記金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であることを特徴とする請求項1または請求項2のうちのひとつに記載のワイヤー。
  4. 金網であって、
    ワイヤーを編んでできており、
    前記ワイヤーが金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と前記金属層の外周に付着した塗料層とを有する、ことを特徴とする金網。
  5. 前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であることを特徴とする請求項4に記載の金網。
  6. 前記金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であることを特徴とする請求項4または請求項5のうちのひとつに記載の金網。
  7. 水中で用いられるいけすであって、
    浮きと、前記浮きにつり下げられ水中に浸かっている金網でできた袋状の収納体とを備え、
    金網がワイヤーを編んでできており、
    前記ワイヤーが金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層と前記金属層の外周に付着した塗料層とを有する、ことを特徴とするいけす。
  8. 前記塗料層が、水中生物の付着を防止する防汚塗料の層であることを特徴とする請求項7に記載のいけす。
  9. 前記金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であることを特徴とする請求項7または請求項8のうちのひとつに記載のいけす。
  10. 金網製造方法であって、
    金属の芯線と前記芯線の外周に付着した前記芯線の金属よりもイオン化傾向の大きな他の金属の層である金属層とを有するワイヤーを準備するワイヤー準備工程と、
    前記ワイヤーの外周に塗料を塗る塗装工程と、
    前記ワイヤーを編んで金網を製造する編み工程と、を備えることを特徴とする金網製造方法。
  11. 前記塗料が、水中生物の付着を防止する防汚塗料であることを特徴とする請求項10に記載の金網製造方法。
  12. 前記金属層が、亜鉛、亜鉛合金、アルミ、またはアルミ合金のうちの一つの層であることを特徴とする請求項10または請求項11のうちのひとつに記載の金網製造方法。
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