JP2000340853A - 防磁型磁歪アクチュエータ - Google Patents

防磁型磁歪アクチュエータ

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JP2000340853A
JP2000340853A JP11149950A JP14995099A JP2000340853A JP 2000340853 A JP2000340853 A JP 2000340853A JP 11149950 A JP11149950 A JP 11149950A JP 14995099 A JP14995099 A JP 14995099A JP 2000340853 A JP2000340853 A JP 2000340853A
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magnetostrictive
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JP11149950A
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Ataru Shomura
中 正村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁歪材料からなる駆動板部を磁歪変形させる
磁界を、駆動板部を含む閉磁路内に閉じ込めて外部に漏
洩させないようにする。 【解決手段】 外部磁界を受けて磁歪変形する磁歪材料
を薄板状に成形した磁歪素子12が、励磁コイル13が
巻回される駆動板部121と、駆動板部121から延出
して閉磁路を形成する閉磁路形成板部122とを有す
る。励磁コイル13に発生する磁界をもって磁歪素子1
2を磁歪変形させたときに、駆動板部121を磁路とす
る磁束が外部に漏洩することは殆どなく、励磁コイル1
3への通電量に応じて発生する磁束の大半が駆動板部1
21の変位に有効活用できるため、僅かな電流で大きな
駆動力を得ると同時に、周辺機器への磁気的な影響を抑
制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁歪材料からなる
駆動板部を磁歪変形させる磁界を、駆動板部を含む閉磁
路内に閉じ込めて外部に漏洩させないようにした防磁型
磁歪アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸バリウム磁器のように電圧印加
を受けて変形する電歪材料は、ロッシェル塩のような圧
電物質(PZT)とは外見上は同じように機能するた
め、一般に「圧電物質」と総称される。こうした圧電物
質は、印加電界の方向により圧電効果が変わることが知
られるが、ロッシェル塩が電界の方向に対して直角方向
に最も変形する圧電気横効果を示すのに対し、水晶やチ
タン酸バリウムは、電界の方向と同じ方向に最も変形す
る圧電気縦効果を示す。電歪効果を示すチタン酸バリウ
ム磁器は、粉末状のチタン酸バリウムを焼結して成型し
たものであるが、スピーカ等の変換器に用いた場合、振
動子の共振周波数が比較的高いため、専ら高音専用スピ
ーカ(トゥイータ)として使用され、低周波の振動子と
しての利用は期待できないのが現状であった。
【0003】一方、Ni,Coなどの単体金属やFe−
Al系合金或いはフェライトといった強磁性材料には、
外部磁界に応じて素子寸法が変化する磁歪現象を示すも
のがあり、応力を加えて変形させると磁気特性が変化し
たり、直交磁界が同時に加わったときに捩れ、捩れ応力
(トルク)によって素子の磁気(磁化)特性が変化する
ことが知られている。この種の磁歪材料を特定形状に加
工した磁歪素子は、振動子や音響素子或いは位置決め素
子のためのアクチュエータに利用されており、印加磁界
に応じて発生する応力や応力歪の大きな素子の開発が急
がれている。実際に、希土類−遷移金属よりなるラーベ
ス(Laves)型の結晶構造をもつ磁性材料は、これ
までの強磁性材料の50〜100倍の変位を示し、圧電
物質(PZT)に比べても2〜3倍の発生応力が得られ
ることが判っている。こうした磁性材料の一つである
(Tb0.3Dy0.7)Fe2に代表される磁歪素子
では、変位量が1000ppmを越える磁歪変形を示す
ものが発見されており、通常の磁歪素子と区別するため
超磁歪素子などと呼ばれることがある。
【0004】図7(A),(B),(C)は、性能試験
用に試作した磁歪アクチュエータの一例を示す正面図、
側面図及び断面図である。同図に示した磁歪アクチュエ
ータ1は、アクチュエータ全体をコンパクト化するた
め、矩形薄板状に加工された磁歪素子2の周囲に、一対
の直巻コイル3L,3Rからなる励磁コイル3を互いに
所定間隔だけ離間させてそれぞれ密着巻きしたものであ
る。本例に示した磁歪アクチュエータ1は、磁歪素子2
の両端を固定した状態で励磁コイル3を通電励磁するた
め、直巻コイル3L,3R間の間隙部分の磁歪素子2が
最大変位する。従って、この間隙部分に接続片(図示せ
ず)を介して接続されたダイヤフラム等の駆動対象を、
磁歪素子2とともに前後方向に駆動することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記磁歪アクチュエー
タ1は、励磁コイル3をただ単に磁歪材料を矩形薄板状
に加工された磁歪素子2の表面に巻き付けて構成したも
のであり、励磁コイル3を通電励磁したときに、励磁コ
イル3を貫通する磁束が磁歪素子2の長手方向に流れ、
磁歪素子2の外部を迂回して戻る。この磁束の流れは、
磁歪素子2の内外に形成される環状の磁路に沿うもので
あり、試作した磁歪アクチュエータ1は、磁歪素子2の
一端側から外部に放射されて他端側に戻る磁束、すなわ
ち磁歪アクチュエータ1の外部に漏洩する外部漏洩磁束
が不可避的に発生する構成とされていた。しかしなが
ら、こうした外部漏洩磁束は、周辺の電気機器や電子機
器に与える磁気的な影響が軽視できない場合が多く、例
えば磁歪アクチュエータ1の近くにカラーCRTディス
プレイを設置した場合、磁歪アクチュエータ1の外部に
漏洩する外部漏洩磁束が電子ビームに対して磁気障害を
及ぼす結果、コンバージェンスずれに基づく色ずれが発
生したりすることがあった。また、試作磁歪アクチュエ
ータ1の近くにボイスコイルを有するスピーカを設置し
た場合、磁歪アクチュエータ1の外部に漏洩する外部漏
洩磁束がボイスコイルの動作に悪影響を及ぼす結果、正
確な音声再生が阻害されることがある等の課題を抱える
ものであった。
【0006】本発明は、上記課題を解決したものであ
り、磁歪材料からなる駆動板部を磁歪変形させる磁界
を、駆動板部を含む閉磁路内に閉じ込めて外部に漏洩さ
せないようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る本発明は、駆動電流を通電されて磁
界を発生する励磁コイルと、外部磁界を受けて磁歪変形
する磁歪材料を薄板状に成形され、前記励磁コイルが巻
回される駆動板部及び該駆動板部から延出して閉磁路を
形成する閉磁路形成板部を有する磁歪素子とを具備する
ことを特徴とするものである。また、前記磁歪素子の閉
磁路形成板部が、前記駆動板部の左右両側端からそれぞ
れT字形に分岐する分岐板部と、前記一方の分岐板部か
ら前記駆動板部にほぼ平行に延び、先端が前記他方の分
岐板部に所定の間隙をもって対向する回廊板部とを有す
ることを特徴とするものである。
【0008】また、請求項3に係る本発明は、駆動電流
を通電されて磁界を発生する励磁コイルと、外部磁界を
受けて磁歪変形する磁歪材料を薄板状に成形され、前記
励磁コイルが巻回される駆動板部と、該駆動板部から延
出して閉磁路を形成する磁性材料からなる閉磁路形成板
部とを具備することを特徴とするものである。また、前
記閉磁路形成板部が、前記駆動板部の一側端からT字形
に分岐する分岐板部と、該分岐板部から前記駆動板部に
ほぼ平行に延びる回廊板部と、前記駆動板部の他側端に
着脱可能に結合され、前記回廊板部に所定の間隙をもっ
て対向する側端板部とを有することを特徴とするもので
ある。或いはまた、前記閉磁路形成板部が、前記駆動板
部の左右両側端にそれぞれ着脱可能に結合される一対の
側端板部と、該一対の側端板部どうしを前記駆動板部を
迂回して連結する回廊板部とを有することを特徴とする
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1な
いし図6を参照して説明する。図1(A),(B),
(C)は、それぞれ本発明の磁歪アクチュエータの一実
施形態を示す正面図、側面図及び断面図、図2は、図1
に示した磁歪素子の磁歪特性を示す図、図3(A),
(B),(C),(D)は、それぞれ本発明の防磁型磁
歪アクチュエータの変形例を示す左側面図、正面図、右
側面図及び断面図、図4は、図3に示した防磁型磁歪ア
クチュエータを分解して示す正面図、図5(A),
(B),(C)は、それぞれ本発明の防磁型磁歪アクチ
ュエータの他の変形例を示す正面図、側面図及び断面
図、図6は、図5に示した防磁型磁歪アクチュエータを
分解して示す正面図である。
【0010】図1(A),(B),(C)に示す防磁型
磁歪アクチュエータ11は、両端が固定される磁歪素子
12と励磁コイル13を組み合わせた両端固定型のアク
チュエータであり、磁歪素子12の形状を工夫すること
で防磁型の構成とした点に特徴がある。磁歪素子12
は、磁界の印加方向とはほぼ直交する方向に伸縮する磁
歪横効果を示す磁歪材料を薄板状に加工し、励磁コイル
13が巻回される駆動板部121と、この駆動板部12
1から延出して閉磁路を形成する閉磁路形成板部122
とを形成したものである。より詳しくは、閉磁路形成板
部122は、駆動板部121の左右両側端からそれぞれ
T字形に分岐する分岐板部122L,122Rと、一方
の分岐板部ここでは122Rの両端からそれぞれ駆動板
部121にほぼ平行に延び、先端が他方の分岐板部ここ
では122Lに間隙Gをもって対向する回廊板部122
U,122Dとから構成され、この間隙Gも閉磁路の一
部を構成している。この磁歪素子12は、例えば磁歪材
料を矩形状に加工した薄板から、回廊板部122U,1
22Dと駆動板部121の間の空隙Hと回廊板部122
U,122Dと他方の分岐板部122Lとの間の間隙G
を打ち抜くことで、簡単に一体成形することができる。
【0011】励磁コイル13は、互いに直列接続された
直巻コイル13L,13Rを駆動板部121の中点を挟
んで対峙する形で磁歪素子12に巻回したものである。
磁歪コイル13を一対の直巻コイル13L,13Rに2
分割したのは、左右の分岐板部122L,122Rを固
定し、駆動板部121の中点を最大変位が得られる駆動
点とするためであり、ダイヤフラム等の駆動対象は、駆
動板部121の中点に連結部材(図示せず)を介して連
結される。なお、駆動板部121への励磁コイル13の
巻回は、磁歪素子12を原型のまま裁縫の要領で一巻き
ずつ行うことでもできるが、回廊板部122U,122
Dを分岐板部122Rの根元の部分で跳ね上げる形に変
形し、回廊板部122U,122Dにコイルが絡まない
ようにして磁歪素子12を自転させ、短時間で効率よく
巻回することも可能である。この方法は、励磁コイル1
3の巻回作業を終えた後、回廊板部122U,122D
の変形を解除して元の形状に戻すことが前提となるが、
磁歪素子12の弾性変形域の範囲内で回廊板部122
U,122Dを変形させるため、作業後の磁歪素子12
は簡単かつ確実に作業前の形状に戻すことができる。
【0012】また、励磁コイル13は駆動板121部の
外周に直に巻き付ける構成としたが、磁歪素子12とそ
の周囲に筒状に巻回する励磁コイル13との間に、磁歪
素子12に対する励磁コイル13の相対変位を許容する
ブチルゴムやビニールシート等のスペーサを密着介挿
し、駆動板部121の磁歪変形に対する励磁コイル13
の束縛を低減することもできる。
【0013】本実施形態に用いた磁歪素子12は、1c
m当たりコイル数20のサンプルについて、下記の性質
を有する磁歪素子が用いられ、前述した1000ppm
を越える磁歪変形を示す(Tb0.3Dy0.7)Fe
2に代表される超磁歪素子に比べ10数倍の磁歪変形を
示す極超磁歪素子と言うことができる。 [電気特性] ・電気抵抗 ;(20〜30)×10-8 Ω・m ・比透磁率 ;100〜300 ・保持力 ;1〜2 Oe [機械特性] ・ヤング率 ;(15〜20)×1010 n/m2 ・引張強度 ;(10〜40)×107 Pa [熱特性] ・熱膨張係数;(10〜12) ppm/℃
【0014】なお、上記の諸特性を有する極超磁歪素子
12は、例えば複数の原料合金を粉砕し、磁場中で成形
し、焼結後に加工・コーティングする粉末冶金法や、原
料合金を低圧鋳造し、単結晶育成した後でアニール処理
し、加工・コーティングするブリッジマン法、或いはこ
れらを改良した製法、さらにはこれとは全く異なる製法
により製造することができる。ただし、こうした極超磁
歪素子12は、原料合金の成分比や配合の仕方によって
磁歪特性が左右されやすく、実験室段階での製造から実
用段階の製造にはさらに様々な試行錯誤を重ねる必要が
ある。ただし、従来の超磁歪素子と呼ばれる素子と比較
したときに、十数倍の磁歪変形能力を秘めたものである
ことが、例えば図2に示す試験結果等から確認されてい
る。同図は、28cmの長さの磁歪素子12の一端を固
定して磁界を印加したときの、磁界に対する他端の変位
をプロットしたものである。この試験結果から、磁歪素
子12に対し40エールステッド(Oe)の磁界を印加
したときに、最大8mmに近い磁歪横効果を発揮したこ
とが判るが、磁歪素子12の両端を固定して磁界を印加
した場合でも、磁歪素子12の中央部示す最大変位は、
40エールステッド(Oe)磁界印加時に6mmに近い
ものであることが確認されている。
【0015】本実施形態に示した防磁型磁歪アクチュエ
ータ11は、左右の分岐板部122R,122Lを固定
して使用するため、駆動板部121の中点が最大変位を
示す駆動点となるが、励磁コイル13は交流電流により
通電励磁されるため、励磁コイル13の通電方向に応じ
た極性の磁界が発生する。ここで、図1(A)中の点線
で示す矢印方向に磁界を発生させると、駆動板部121
と分岐板部122Lと間隙Gと回廊板部122Uと分岐
板部122Rとを一巡する閉磁路と、駆動板部121と
分岐板部122Lと間隙Gと回廊板部122Dと分岐板
部122Rとを一巡する閉磁路を図示の矢印の向きに磁
束が流れる。すなわち、いずれの閉磁路も磁歪素子12
そのものの形状に沿って形成され、アクチュエータ11
の外部に殆ど磁束が漏洩しないため、外部機器或いは周
辺機器が磁気障害を蒙る恐れは殆どない。また、磁歪素
子12から外部に漏れる外部漏洩磁束が殆ど存在しない
ため、励磁コイルへ13の通電量に応じて発生する磁束
の大半を駆動板部121の変位に有効活用することがで
き、発生磁力が有効活用できることで、僅かな電流でも
って大きな駆動力を得ることができる。
【0016】このように、上記防磁型磁歪アクチュエー
タ11によれば、駆動板部121を通る磁路を閉磁路形
成板部122が閉じ、磁歪素子12そのものが閉磁路を
形成する構成であるため、励磁コイル13に発生する磁
界をもって磁歪素子12を磁歪変形させたときに、駆動
板部121を磁路とする磁束が外部に漏洩することは殆
どなく、励磁コイル13への通電量に応じて発生する磁
束の大半が駆動板部121の変位に有効活用されるた
め、僅かな電流でもって大きな駆動力を得ることがで
き、しかも外部漏洩磁束が周辺機器に磁気障害を引き起
こす恐れが殆どないので、陰極線管式テレビジョン受像
機やボイスコイル型スピーカ等を周辺で安心して使用す
ることができる。
【0017】また、駆動板部121を流れる磁束は駆動
板部121の左右の両端から分岐板部122R,122
Lを介して回廊板部122U,122Dに導かれ、間隙
Gを介して駆動板部121に戻るので、駆動板部121
に巻回された励磁コイル13により発生する磁界を、磁
歪素子12自体が形成する閉磁路内に効果的に閉じ込め
ることができる。しかも、回廊板部122U,122D
と他方の分岐板部122Rとの間に間隙Gが形成してあ
るため、励磁コイル13を駆動板部121に巻回するさ
いに回廊板部122U,122Dを弾性変形させて励磁
コイル13が絡まないようにすることで、短時間で効率
よく巻回することができる。
【0018】また、励磁コイル13が、磁界印加方向に
互いに所定の間隔をもって離間させた一対の直巻コイル
13L,13Rからなるので、磁歪素子12の磁歪変形
に伴って励磁コイル13に要求される変形を個々の直巻
コイル13L,13Rが分担し、従って直巻コイル13
L,13Rを継ぎ合わせた分の全長を有する一括巻き励
磁コイルを用いた磁歪アクチュエータのごとく、励磁コ
イルの全長に亙って過大な応力が発生することはなく、
繰り返し行われる磁歪変形によって早期に励磁コイル1
3が塑性変形したり或いは破断に至るといった不都合を
防止できる。また、一対の直巻コイル13L,13Rは
互いに直列に接続されているため、励磁コイル13の両
端に電圧を印加するだけで各直巻コイル13L,13R
に巻数に応じた磁界を発生させることができる。
【0019】なお、上記実施形態では、駆動板部121
と閉磁路形成板部122とが一体形成された磁歪素子1
2を用いた場合を例にとったが、図3(A)〜(D)に
示す防磁型磁歪アクチュエータ21のごとく、閉磁路形
成板部222を2分割できる構成とすることもできる。
この閉磁路形成板部222は、駆動板部221の一側端
からT字形に分岐する分岐板部222R及びこの分岐板
部222Rから駆動板部221にほぼ平行に延びる回廊
板部222U,222Dと、駆動板部221の他側端に
着脱可能に結合され、回廊板部222U,222Dに所
定の間隙Gをもって対向する側端板部222Lとから構
成される。すなわち、側端板部222Lが駆動板部22
1に対し着脱できるため、防磁型磁歪アクチュエータ2
1の組み立てに際しては、駆動板部221に側端部22
2Lを結合する前に、予め巻型(図示せず)を用いて所
定形状に巻回した励磁コイル13を、巻型から抜き取っ
て駆動板部221に移装でき、励磁コイル13を駆動板
部221に移装巻回した後、図4に示したように、側端
板部222Lを接着或いは係着等により駆動板部221
に結合するだけで製造することができる。従って、回廊
板部222U,222Dの存在がコイル巻回作業の邪魔
をすることはなく、励磁コイル13の巻回作業を含めた
組立作業を非常に能率良く行うことができる。また、側
端板部222Lは、一般の磁性材料で構成できるため、
使用素材の使い分けによる製造コストの切り下げも可能
である
【0020】また、上記防磁型磁歪アクチュエータ21
は、側端板部223が駆動板部221に対し着脱可能な
2分割構造を採用したが、図5(A)〜(C)に示す防
磁型磁歪アクチュエータ31のごとく、閉磁路形成板部
322全体が駆動板部321に対し着脱可能な構成とす
ることもできる。すなわち、本実施形態に示した閉磁路
形成板部322は、駆動板部321の左右両側端にそれ
ぞれ着脱可能に結合される一対の側端板部322L,3
22Rと、これら一対の側端板部322L,322Rど
うしを駆動板部321を迂回して連結する回廊板部32
2U,322Dとからなる。この場合、回廊板部322
U,322Dと左右の側端板部322L,322Rは一
体であり、前記各実施形態に示した間隙Gは存在しない
が、駆動板部321に閉磁路形成板部322を結合する
前に、励磁コイル13を通常の方法で駆動板部321に
外周に巻回するか、或いは例えば予め巻型(図示せず)
に巻いて所定形状に巻回した励磁コイル13を巻型から
駆動板部321に移し替えることで、励磁コイル13を
駆動板部321に簡単に巻回することができる。なお、
閉磁路形成板部322内に間隙Gが存在しないことで、
こうした間隙からの磁束漏洩を完全に排除することがで
き、より効率的な磁気利用が可能である。また、組立工
程上からも、防磁型磁歪アクチュエータ31は、励磁コ
イル13を巻回し終えた駆動板部321の両端に、図6
に示したように、接着或いは係着等により閉磁路形成板
部322の側端板部322L,322Rを結合するだけ
で製造できるため、回廊板部322U,322Dの存在
がコイル巻回作業を邪魔することはなく、励磁コイル1
3の巻回作業を含めた組立作業を非常に能率良く行うこ
とができる。
【0021】また、上記各実施形態では、駆動板部12
1,221,321に一対の直巻コイル13L,13R
を直巻する構成としたが、駆動板部121,221,3
21に3個以上の励磁コイルを直巻する構成とすること
もできる。また、上記各実施形態では、一対の分岐板部
122L,122R或いは側端板部222Lと分岐板部
222R或いは側端板部322L,322Rを固定し、
駆動板部121,221,321の中点部分を最大変形
させる両端固定型を例にとったが、分岐板部122Lや
側端板部222L,322Lだけを固定して片持ち梁状
態とし、分岐板部122Rや分岐板部222R或いは側
端板部322Rを最大変形させる片端固定型の構成とす
ることもできる。この場合、防磁型磁歪アクチュエータ
11や21では、回廊板部122U,122Dと分岐板
部122Lとの間或いは回廊板部222U,222Dと
側端板部222Lとの間に間隙Gが形成してあるため、
回廊板部122U,122D或いは222U,222D
が駆動板部121や221の変位を抑制することはな
く、駆動板部121,221を大きく変位させることが
できる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本
発明によれば、駆動板部を通る磁路を閉磁路形成板部が
閉じ、磁歪素子そのものが閉磁路を形成する構成である
ため、励磁コイルに発生する磁界をもって磁歪素子を磁
歪変形させたときに、駆動板部を磁路とする磁束が外部
に漏洩することは殆どなく、励磁コイルへの通電量に応
じて発生する磁束の大半が駆動板部の変位に有効活用さ
れるため、僅かな電流でもって大きな駆動力を得ること
ができ、しかも外部漏洩磁束が周辺機器に磁気障害を引
き起こす恐れが殆どないので、陰極線管式テレビジョン
受像機やボイスコイル型スピーカ等を周辺で安心して使
用することができる等の優れた効果を奏する。
【0023】また、磁歪素子の閉磁路形成板部が、駆動
板部の左右両側端からそれぞれT字形に分岐する分岐板
部と、一方の分岐板部から前記駆動板部にほぼ平行に延
び、先端が他方の分岐板部に間隙をもって対向する回廊
板部とを有するので、駆動板部を流れる磁束は駆動板部
の左右の両端から分岐板部を介して回廊板部に導かれ、
間隙を介して駆動板部に戻るため、駆動板部に巻回され
た励磁コイルにより発生する磁界を、磁歪素子自体が形
成する閉磁路内に効果的に閉じ込めることができ、しか
も回廊板部と他方の分岐板部との間に間隙が形成してあ
るため、励磁コイルを駆動板部に巻回するさいに回廊板
部を一方の分岐板部の根元の部分で跳ね上げる形に弾性
変形し、回廊板部にコイルが絡まないようにして磁歪素
子を自転させ、短時間で効率よく巻回することもでき、
一方また他方の分岐部を固定して片持ち状態で駆動板部
を振動駆動させた場合、回廊板部が駆動板部の変位を抑
制することがないので、駆動板部を大きく変位させるこ
とができ、さらにまた磁歪素子は、磁歪材料を矩形状に
加工した薄板から回廊板部と駆動板部の間の空隙と回廊
板部と他方の分岐板部との間の間隙を打ち抜くようにし
て一体成形できるので、製造も容易である等の優れた効
果を奏する。
【0024】また、請求項3に係る本発明によれば、外
部磁界を受けて磁歪変形する磁歪材料を薄板状に成形し
た駆動板部に励磁コイルを巻回するとともに、磁性材料
からなる閉磁路形成板部を駆動板部から延出させて閉磁
路を形成する構成としたから、励磁コイルに発生する磁
界をもって駆動板部を磁歪変形させたときに、駆動板部
を磁路とする磁束が外部に漏洩することは殆どなく、励
磁コイルへの通電量に応じて発生する磁束の大半が駆動
板部の変位に有効活用されるため、僅かな電流でもって
大きな駆動力を得ることができ、しかも外部漏洩磁束が
周辺機器に磁気障害を引き起こす恐れが殆どないので、
陰極線管式テレビジョン受像機やボイスコイル型スピー
カ等を周辺で安心して使用することができ、また少なく
とも駆動板部だけを磁歪材料で形成するようにできるの
で、駆動板部から延出する閉磁路形成板部は磁歪材料以
外の一般の磁性材料で構成し、使用材料の使い分けによ
る製造コストの切り下げが可能である等の効果を奏す
る。
【0025】また、前記閉磁路形成板部が、前記駆動板
部の一側端からT字形に分岐する分岐板部と、該分岐板
部から前記駆動板部にほぼ平行に延びる回廊板部と、前
記駆動板部の他側端に着脱可能に結合され、前記回廊板
部に所定の間隙をもって対向する側端板部とを有するの
で、側端板部が駆動板部に対し着脱できることを利用
し、防磁型磁歪アクチュエータの組み立てに際し、駆動
板部に側端板部を結合する前に、予め巻型(図示せず)
を用いて所定形状に巻回した励磁コイルを、巻型から抜
き取って駆動板部に移装することができ、励磁コイルを
駆動板部に移装巻回した後、側端部を駆動板部に結合す
るだけで製造することができ、回廊板部の存在がコイル
巻回作業を邪魔しないため、励磁コイルの巻回作業を含
めた組立作業を非常に能率良く行うことができる等の効
果を奏する。
【0026】また、前記閉磁路形成板部が、前記駆動板
部の左右両側端にそれぞれ着脱可能に結合される一対の
側端板部と、該一対の側端板部どうしを前記駆動板部を
迂回して連結する回廊板部とを有するので、駆動板部に
閉磁路形成板部を結合する前に、励磁コイルを通常の方
法で駆動板部に外周に巻回するか、或いは例えば予め巻
型(図示せず)に巻いて所定形状に巻回した励磁コイル
を巻型から駆動板部に移し替えることで、励磁コイルを
駆動板部に簡単に巻回することができ、励磁コイルを巻
回し終えた駆動板部の両端に閉磁路形成板部の分岐板部
を結合するだけで製造できるので、励磁コイルの巻回作
業を含めた組立作業を非常に能率良く行うことができ、
また閉磁路形成板部内に間隙が存在しないため、間隙か
らの磁束漏洩を完全に排除し、より効率的な磁気利用が
可能である等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A),(B),(C)は、それぞれ本発
明の防磁型磁歪アクチュエータの一実施形態を示す正面
図、側面図及び断面図である。
【図2】図1に示した磁歪素子の磁歪特性を示す図であ
る。
【図3】図3(A),(B),(C),(D)は、それ
ぞれ本発明の防磁型磁歪アクチュエータの変形例を示す
左側面図、正面図、右側面図及び断面図である。
【図4】図3に示した防磁型磁歪アクチュエータを分解
して示す正面図である。
【図5】図5(A),(B),(C)は、それぞれ本発
明の防磁型磁歪アクチュエータの他の変形例を示す正面
図、側面図及び断面図である。
【図6】図5に示した防磁型磁歪アクチュエータを分解
して示す正面図である。
【図7】図7(A),(B),(C)は、それぞれ試作
した磁歪アクチュエータの一例を示す正面図、側面図及
び断面図である。
【符号の説明】
11,21.31 防磁型磁歪アクチュエータ 12 磁歪素子 122,222,322 閉磁路形成板部 122L,122R,222R 分岐板部 222L,322L,322R 側端板部 122U,122D,222U,222D,322U,
322D 回廊板部 13 励磁コイル 13L,13R 直巻コイル G 間隙 H 空隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電流を通電されて磁界を発生する励
    磁コイルと、外部磁界を受けて磁歪変形する磁歪材料を
    薄板状に成形され、前記励磁コイルが巻回される駆動板
    部及び該駆動板部から延出して閉磁路を形成する閉磁路
    形成板部を有する磁歪素子とを具備することを特徴とす
    る防磁型磁歪アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記磁歪素子の閉磁路形成板部は、前記
    駆動板部の左右両側端からそれぞれT字形に分岐する分
    岐板部と、前記一方の分岐板部から前記駆動板部にほぼ
    平行に延び、先端が前記他方の分岐板部に所定の間隙を
    もって対向する回廊板部とを有することを特徴とする請
    求項1記載の防磁型磁歪アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 駆動電流を通電されて磁界を発生する励
    磁コイルと、外部磁界を受けて磁歪変形する磁歪材料を
    薄板状に成形され、前記励磁コイルが巻回される駆動板
    部と、該駆動板部から延出して閉磁路を形成する磁性材
    料からなる閉磁路形成板部とを具備することを特徴とす
    る防磁型磁歪アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記閉磁路形成板部は、前記駆動板部の
    一側端からT字形に分岐する分岐板部と、該分岐板部か
    ら前記駆動板部にほぼ平行に延びる回廊板部と、前記駆
    動板部の他側端に着脱可能に結合され、前記回廊板部に
    所定の間隙をもって対向する側端板部とを有することを
    特徴とする請求項3記載の防磁型磁歪アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記閉磁路形成板部は、前記駆動板部の
    左右両側端にそれぞれ着脱可能に結合される一対の側端
    板部と、該一対の側端板部どうしを前記駆動板部を迂回
    して連結する回廊板部とを有することを特徴とする請求
    項3記載の防磁型磁歪アクチュエータ。
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