JP2000341793A - 密閉箱型平面スピーカ - Google Patents

密閉箱型平面スピーカ

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JP2000341793A
JP2000341793A JP11149953A JP14995399A JP2000341793A JP 2000341793 A JP2000341793 A JP 2000341793A JP 11149953 A JP11149953 A JP 11149953A JP 14995399 A JP14995399 A JP 14995399A JP 2000341793 A JP2000341793 A JP 2000341793A
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diaphragm
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Ataru Shomura
中 正村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁歪スピーカドライバを用いて振動板を駆動
し、音圧向上を図るとともにスピーカ全体を薄型化す
る。 【解決手段】 前面が開口する四角箱状のスピーカ筺体
16とその前面開口部よりも若干小さな平板状の振動板
12を、四角枠状のダンパ17により連結してスピーカ
筺体16を密閉し、外部磁界を受けて磁界印加方向とほ
ぼ直交する方向に磁歪変形する薄板状の磁歪素子14の
外周に励磁コイル15を巻回した磁歪スピーカドライバ
13をスピーカ筺体16内に配設して振動板12を振動
駆動する。磁界の印加方向とはほぼ直交する方向に伸縮
する磁歪横効果を示す磁歪素子14により振動板12を
駆動することで、音圧向上を図るとともにスピーカ全体
を薄型化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁歪スピーカドラ
イバを用いて振動板を駆動し、音圧向上を図るとともに
スピーカ全体を薄型化した密閉箱型平面スピーカに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の密閉箱型平面スピーカの
一例を示す縦断面図である。同図に示す密閉箱型平面ス
ピーカ1は、平板状の振動板2をボイスコイル式のスピ
ーカドライバ3により背面側から駆動するものである。
スピーカドライバ3は、振動板2の背面中央部にピスト
ン板4を介して一端が接着されたボイスコイル5と、こ
のボイスコイル5の他端側に同軸的に配設した柱状マグ
ネット6等から構成される。柱状マグネット6は、鍔付
き有底円筒形状のヨーク7内に収容されており、このヨ
ーク7の円筒部分を保持する皿状の背面板8の周縁部に
組み付けたフレーム9に、リング状のガスケット9aを
介して振動板2の周縁部が固定してある。ボイスコイル
5は、その側面に一端を接続したダンパ10によりヨー
ク7の鍔部に連結してある。この従来のスピーカドライ
バ3は、柱状マグネット6が形成する磁界内にあるボイ
スコイル5に音声電流を通電して励磁したときに、ボイ
スコイル5に発生するフレミングの力によってピストン
板4を前後方向に駆動するため、振動板2が振動して音
圧を発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の密閉箱型平面スピーカ1は、スピーカドライバ3の
振動板駆動能力がボイスコイル5のコイル巻数に比例す
るため、実用上必要とされる音圧を確保しようとする
と、ボイスコイル5にも或いは柱状マグネット6にもあ
る程度以上の軸長が必要であり、このため振動方向で見
た薄型化に一定の限界があるといった課題を抱えるもの
であった。また、密閉箱型平面スピーカ1は、小型化し
た場合、スピーカ内容積を小さくするほど背面板8と振
動板2との間の空気のコンプライアンス(圧縮しにく
さ)が小さくなるため、低域限界再生周波数が上昇して
しまい、再生帯域が狭まるだけに良質の音再生が期待で
きない等の課題を抱えるものであった。
【0004】一方また、ボイスコイル5等を用いずに振
動板を駆動する静電型などのスピーカも登場から久し
く、様々な素材を用いたスピーカドライバが実用に供さ
れている。例えば、チタン酸バリウム磁器のように電圧
印加を受けて変形する電歪材料は、ロッシェル塩のよう
な圧電物質(PZT)とは外見上は同じように機能する
ため、一般に「圧電物質」と総称されるが、こうした圧
電物質は、印加電界の方向により圧電効果が変わること
が知られる。また、ロッシェル塩が電界の方向に対して
直角方向に最も変形する圧電気横効果を示すのに対し、
水晶やチタン酸バリウムは、電界の方向と同じ方向に最
も変形する圧電気縦効果を示す。しかしながら、例えば
粉末状のチタン酸バリウムを焼結して成型したチタン酸
バリウム磁器を用いた電歪スピーカドライバは、振動子
の共振周波数が比較的高いために、専ら高音専用スピー
カ(トゥイータ)として使用され、低周波の振動子とし
ての利用は期待できないのが現状であった。
【0005】一方、Ni,Coなどの単体金属やFe−
Al系合金或いはフェライトといった強磁性材料には、
外部磁界に応じて素子寸法が変化する磁歪現象を示すも
のがあり、応力を加えて変形させると磁気特性が変化し
たり、直交磁界が同時に加わったときに捩れ、捩れ応力
(トルク)によって素子の磁気(磁化)特性が変化する
ことが知られている。この種の磁歪材料を特定形状に加
工した磁歪素子は、スピーカドライバに利用できるた
め、印加磁界に応じて発生する応力や応力歪の大きな素
子の開発が急がれている。実際に、希土類−遷移金属よ
りなるラーベス(Laves)型の結晶構造をもつ磁性
材料は、これまでの強磁性材料の50〜100倍の変位
を示し、圧電物質(PZT)に比べても2〜3倍の発生
応力が得られることが判っている。こうした磁性材料の
一つである(Tb0.3Dy0.7)Fe2に代表され
る磁歪素子では、変位量が1000ppmを越える磁歪
変形を示すものが発見されており、通常の磁歪素子と区
別するため超磁歪素子などと呼ばれることがある。しか
しながら、こうした超磁歪素子をもってしても、現在の
ところ実用的な音圧が得られるものは殆ど存在せず、磁
歪スピーカドライバを組み込んだスピーカの実用化は将
来的な課題と考えられていた。
【0006】本発明は、上記課題を解決したものであ
り、磁歪スピーカドライバを用いて振動板を駆動し、音
圧向上を図るとともにスピーカ全体を薄型化することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る本発明は、前面が開口する四角箱状
のスピーカ筺体と、該スピーカ筺体の前面開口部よりも
若干小さな平板状の振動板と、該振動板の周縁部を前記
スピーカ筺体の開口部周縁に連結して該スピーカ筺体を
密閉する四角枠状のダンパと、外部磁界を受けて磁界印
加方向とほぼ直交する方向に磁歪変形する薄板状の磁歪
素子の外周に励磁コイルを巻回して前記スピーカ筺体内
に配設され、前記振動板を振動駆動する磁歪スピーカド
ライバとを具備することを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2に係る本発明は、前面と背
面がそれぞれ開口する四角筒状のスピーカ筺体と、該ス
ピーカ筺体の前面開口部よりも若干小さな平板状の前面
振動板と、前記スピーカ筺体の背面開口部よりも若干小
さな平板状の背面振動板と、前記前面振動板の周縁部を
前記スピーカ筺体の前面開口部周縁に連結して該スピー
カ筺体の前面開口部を閉塞する四角枠状の前面ダンパ
と、前記背面振動板の周縁部を前記スピーカ筺体の背面
開口部周縁に連結して該スピーカ筺体の背面開口部を閉
塞する四角枠状の背面ダンパと、外部磁界を受けて磁界
印加方向とほぼ直交する方向に磁歪変形する薄板状の磁
歪素子の外周に励磁コイルを巻回して前記スピーカ筺体
内に配設され、前記前面振動板を振動駆動する前面磁歪
スピーカドライバと、外部磁界を受けて磁界印加方向と
ほぼ直交する方向に磁歪変形する薄板状の磁歪素子の外
周に励磁コイルを巻回して前記スピーカ筺体内に配設さ
れ、前記背面振動板を振動駆動する背面磁歪スピーカド
ライバとを具備することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1な
いし図6を参照して説明する。図1は、本発明の密閉箱
型平面スピーカの一実施形態を示す分解斜視図、図2
(A),(B)は、それぞれ図1に示した密閉箱型平面
スピーカの一部切截正面図及び縦断面図、図3は、図1
に示した磁歪スピーカドライバの一部切截正面図及び縦
断面図、図4は、図1に示した磁歪素子の磁歪特性を示
す図、図5は、本発明の密閉箱型平面スピーカの他の実
施形態を示す分解斜視図、図6(A),(B)は、それ
ぞれ図5に示した密閉箱型平面スピーカの一部切截正面
図及び縦断面図である。
【0010】図1及び図2(A),(B)に示す密閉箱
型平面スピーカ11は、矩形薄板状の振動板12の背面
2箇所をピストン駆動して発音させるものであり、前面
が開口する四角箱状のスピーカ筺体16の内部に、振動
板12の4箇所の駆動点を2箇所ずつ駆動する一対の磁
歪スピーカドライバ13が2列に配設してある。磁歪ス
ピーカドライバ13は、図3(A),(B)に示したよ
うに、磁界の印加方向とはほぼ直交する方向に伸縮する
磁歪横効果を示す磁歪材料を矩形薄板状に成形し、両端
部を保持する固定部19を固定して2箇所の3等分点を
振動板12の駆動点に対応させた磁歪素子14と、3等
分された磁歪素子14の各外周に巻回した直巻コイル対
15a,15b,15cを直列接続した励磁コイル15
とを備えるものである。励磁コイル15は、磁歪素子1
4の外周に直に巻き付けるか、或いは磁歪素子14との
間に励磁コイル15の相対変位を許容するブチルゴムや
ビニールシート等のスペーサ(図示せず)を密着介挿し
て巻き付けられ、スペーサを使用した場合には、磁歪素
子14の磁歪変形に対する励磁コイル15の束縛が低減
される。
【0011】振動板12は、スピーカ筺体16の前面開
口部よりも若干小さな平板形状をなし、その周縁部は四
角枠状の薄板ゴム等からなるダンパ17を介してスピー
カ筺体16の開口部周縁に連結してある。このため、ス
ピーカ筺体15と振動板12との間の間隙はダンパ17
により閉塞され、スピーカ筺体16は密閉される。ま
た、振動板12は、接続片18を介して2箇所の駆動点
を磁歪素子14の2箇所の3等分点に結合させてある。
すなわち、磁歪スピーカドライバ13は、磁歪素子14
の外周に互いに所定の間隔を置いて複数の直巻コイル対
15a,15b,15cを巻回し、磁歪素子14の両端
部を保持する固定部19をスピーカ筺体16に固定する
とともに、振動板12上に設けた2箇所の駆動点に個別
対応させて直巻コイル対15a,15b間及び15b,
15c間の磁歪素子14を連結してある。
【0012】ところで、本実施形態に用いた磁歪素子1
4は、1cm当たりコイル数20のサンプルについて、
下記の特性を有する磁歪素子が用いられ、前述した10
00ppmを越える磁歪変形を示す(Tb0.3Dy
0.7)Fe2に代表される超磁歪素子に比べ10数倍
の磁歪変形を示すため、極超磁歪素子と言うことができ
る。 [電気特性] ・電気抵抗 ;(20〜30)×10-8 Ω・m ・比透磁率 ;100〜300 ・保持力 ;1〜2 Oe [機械特性] ・ヤング率 ;(15〜20)×1010 n/m2 ・引張強度 ;(10〜40)×107 Pa [熱特性] ・熱膨張係数;(10〜12) ppm/℃
【0013】なお、上記の諸特性を有する極超磁歪素子
14は、例えば複数の原料合金を粉砕し、磁場中で成形
し、焼結後に加工・コーティングする粉末冶金法や、原
料合金を低圧鋳造し、単結晶育成した後でアニール処理
し、加工・コーティングするブリッジマン法、或いはこ
れらを改良した製法、さらにはこれとは全く異なる製法
により製造することができる。ただし、こうした極超磁
歪素子14は、原料合金の成分比や配合の仕方によって
磁歪特性が左右されやすく、実験室段階での製造から実
用段階の製造にはさらに様々な試行錯誤を重ねる必要が
あるが、従来の超磁歪素子と呼ばれる素子と比較したと
きに、十数倍の磁歪変形能力を秘めた発生応力の大きな
素子であることが、例えば図4に示す試験結果等から確
認されている。同図は、28cmの長さの磁歪素子14
の一端を固定して磁界を印加したときの、磁界に対する
他端の変位をプロットしたものである。この試験結果か
ら、磁歪素子14に対し40エールステッド(Oe)の
磁界を印加したときに、最大8mmに近い磁歪横効果を
発揮したことが判るが、磁歪素子14の両端を固定して
磁界を印加した場合でも、磁歪素子14の2箇所の3等
分点の変位は、40エールステッド(Oe)の磁界印加
時に6mmに近いものであることが確認されている。
【0014】上記構成になる平面スピーカ11は、駆動
点を挟んで配設した3対の直巻コイル対15a,15
b,15cを通電励磁したときに、振動板12の各駆動
点が前後方向に変位する。励磁コイル15は音声電流を
通電されて励磁されるため、この音声電流の大きさに応
じた磁界が発生する。すなわち、直巻コイル対15a,
15b,15cは互いに直列接続されているため、電流
の大きさとコイル巻数に比例した同極性の磁界が発生
し、この磁界の大きさに応じて磁歪素子14が磁歪変形
する。磁歪変形した磁歪素子14は磁歪横効果により前
後方向に変位するため、駆動点がそれぞれ接続片18を
介して磁歪素子14に結合された振動板12は、磁歪ス
ピーカドライバ13ごとに2箇所計4箇所を背面側から
それぞれ前後方向に同相駆動され、ダンパ17を撓み変
形させながら前後方向にピストン振動して音圧を発生す
る。磁歪素子14の発生応力は極超磁歪素子と呼ぶに相
応しく非常に大きな値を示し、このため密閉箱型平面ス
ピーカ11を小型化した場合でも、従来問題とされたス
ピーカ内容積の減少に伴うコンプライアンス低下に拘わ
らず、十分な低域再生能力を発揮することができる。
【0015】このように、上記密閉箱型平面スピーカ1
1は、磁界の印加方向とはほぼ直交する方向に伸縮する
磁歪横効果を示す磁歪素子14と振動板12とを駆動点
で結合したことで、振動板12の背面側の間近に磁歪素
子14を対峙させて構成することができ、振動板12の
振動方向に測ったスピーカの厚みを十分に小さくし、き
わめて薄型の構成とすることができる。しかも、磁歪素
子14の両端が固定してあるため、磁歪素子14を3等
分する2点に対応する駆動点を挟む両側から強力な駆動
力をもって振動板12を前後方向に駆動でき、これによ
り振動板12の振動を無駄なく音圧に変換することがで
きる。さらにまた、磁歪素子14として、超磁歪素子の
十数倍の磁歪変形を示す極超磁歪素子を用いたことで、
既存の磁歪スピーカドライバとは比較にならないほどの
十分な音圧を得ることができ、これにより低域から高域
までの広い帯域に亙って振動板をピストン駆動し、良好
な音再生が可能である。
【0016】また、励磁コイル15は、磁歪素子14の
外周に互いに所定の間隔を置いて巻回した複数の直巻コ
イル対15a,15b,15cからなるので、磁歪素子
14の磁歪変形に伴って励磁コイル15に要求される変
形を個々の直巻コイル対15a,15b,15cが分担
し、従って直巻コイル対15a,15b,15cを継ぎ
合わせた分の全長を有する一括巻き励磁コイルを用いた
磁歪スピーカドライバのごとく、励磁コイルの全長に亙
って過大な応力が発生することはなく、繰り返し行われ
る磁歪変形によって早期に励磁コイル15が塑性変形し
たり或いは破断に至るといった不都合を防止できる。ま
た、複数の直巻コイル対15a,15b,15cは互い
に直列に接続されているため、励磁コイル15の両端に
電圧を印加するだけで各直巻コイル対15a,15b,
15cに巻数に応じた磁界を発生させることができる。
【0017】なお、上記実施形態では、前方を向いた振
動板12を駆動する前面駆動型の密閉箱型平面スピーカ
11を例にとったが、図5及び図6(A),(B)に示
す密閉箱型平面スピーカ21のように、両面駆動型の構
成とすることもできる。この密閉箱型平面スピーカ21
は、前面と背面が開口するスピーカ筺体26に前面振動
板12fと2列の前面磁歪スピーカドライバ13f及び
背面振動板12rと2列の背面磁歪スピーカドライバ1
3rを設けて構成したものである。一言で言い表すなら
ば、密閉箱型平面スピーカ21は、前述の密閉箱型平面
スピーカ11を背面どうし密着結合し、結合部分の障壁
を除去した構造を有する。スピーカ筺体26の前面開口
部と前面振動板12fとの間は、前面ダンパ17fによ
り閉塞してあり、スピーカ筺体26の背面開口部と背面
振動板12rとの間は、背面ダンパ17fにより閉塞し
てある。
【0018】上記密閉箱型平面スピーカ21は、前面と
背面2列ずつの磁歪スピーカドライバ13f,13rを
同相駆動するため、前方に放射される音圧と後方に放射
される音圧が互いに同相となる。このため、スピーカ筺
体26の後方から前方に回り込んだ逆相の音圧が前方に
放射される音圧を打ち消すといったことはなく、スピー
カ筺体26の後方から前方に回り込んだ同相の音圧が前
方に放射される音圧を増強する結果、非常に高い音圧を
得ることができる。
【0019】なお、上記各実施形態において、磁歪スピ
ーカドライバ13或いは13f,13rは振動板12,
12f,12rに対し1列だけ配設するか、或いは3列
以上配設することもできる。3列以上配設した場合は、
磁歪スピーカドライバ13,13f,13rごとの駆動
点の数nと磁歪スピーカドライバ13,13f,13r
の各列数mに基づき、n×mのマトリクス状に分散する
nm個の駆動点をもって振動板12,12f,12rを
ピストン駆動することができる。
【0020】さらに、上記各実施形態では、磁歪素子1
4を3等分する2箇所の点を振動板12,12f,12
rの駆動点に対応させる構成としたが、例えば3等分さ
れた磁歪素子14の中間部分を切除する形で磁歪素子1
4を2分割し、振動板12,12f,12rの各駆動点
に磁歪スピーカドライバを1対1で対応させる構成とす
ることもできる。この場合、一端が固定された磁歪素子
の他端を駆動点とする磁歪スピーカドライバが、駆動点
と同数存在することになるが、前述の密閉箱型平面スピ
ーカ11,21と異なり、駆動点の一方の側にしか磁歪
素子が存在しないため、振動板の背面側をさらにコンパ
クト化し、薄型でかつ小型の平面スピーカを提供するこ
とができる。また、こうした磁歪素子の一端を固定して
他端を駆動点とする手法は、駆動点の数によらず適用す
ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本
発明によれば、前面が開口する四角箱状のスピーカ筺体
とその前面開口部よりも若干小さな平板状の振動板を、
四角枠状のダンパにより連結してスピーカ筺体を密閉
し、外部磁界を受けて磁界印加方向とほぼ直交する方向
に磁歪変形する薄板状の磁歪素子の外周に励磁コイルを
巻回した磁歪スピーカドライバをスピーカ筺体内に配設
して振動板を振動駆動する構成としたから、磁界の印加
方向とはほぼ直交する方向に伸縮する磁歪横効果を示す
磁歪素子により振動板を駆動することができ、振動板の
間近に磁歪素子を対峙させてスピーカを構成すること
で、振動板の振動方向に測ったスピーカの厚みを十分に
小さくし、きわめて薄型の構成とすることができ、しか
も超磁歪素子の十数倍の磁歪変形を示す極超磁歪素子か
らなる磁歪スピーカドライバを用いることで、既存の磁
歪スピーカドライバとは比較にならないほどの十分な音
圧を得ることができ、従ってスピーカを小型化した場合
でも、従来問題とされたスピーカ内容積の減少に伴うコ
ンプライアンス低下に拘わらず、十分な低域再生能力を
発揮することができ、これにより低域から高域までの広
い帯域に亙って振動板をピストン駆動し、良好な音再生
が可能である等の優れた効果を奏する。
【0022】また、請求項2に係る本発明によれば、前
面と背面が開口する四角筒状のスピーカ筺体と各開口部
よりも若干小さな平板状の前面振動板と背面振動板を、
四角枠状の前面ダンパと背面ダンパにより連結してスピ
ーカ筺体を前後から密閉し、外部磁界を受けて磁界印加
方向とほぼ直交する方向に磁歪変形する薄板状の磁歪素
子の外周に励磁コイルを巻回した前面磁歪スピーカドラ
イバと背面磁歪スピーカドライバをスピーカ筺体内に配
設し、それぞれ前面振動板と背面振動板を振動駆動する
構成としたから、磁界の印加方向とはほぼ直交する方向
に伸縮する磁歪横効果を示す磁歪素子により振動板を駆
動することができ、振動板の間近に磁歪素子を対峙させ
てスピーカを構成することで、振動板の振動方向に測っ
たスピーカの厚みを十分に小さくし、きわめて薄型の構
成とすることができ、しかも超磁歪素子の十数倍の磁歪
変形を示す極超磁歪素子からなる磁歪スピーカドライバ
を用いることで、既存の磁歪スピーカドライバとは比較
にならないほどの十分な音圧を得ることができ、磁歪ス
ピーカドライバを同相駆動することで、前方に放射され
る音圧と後方に放射される音圧が互いに同相となるた
め、スピーカ筺体の後方から前方に回り込んだ逆相の音
圧が前方に放射される音圧を打ち消すといったことはな
く、スピーカ筺体の後方から前方に回り込んだ同相の音
圧が前方に放射される音圧を増強することで、非常に高
い音圧を得ることができ、これによりスピーカを小型化
した場合でも、従来問題とされたスピーカ内容積の減少
に伴うコンプライアンス低下に拘わらず、十分な低域再
生能力を発揮することができ、低域から高域までの広い
帯域に亙って振動板をピストン駆動し、良好な音再生が
可能である等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉箱型平面スピーカの一実施形態を
示す分解斜視図である。
【図2】図2(A),(B)は、それぞれ図1に示した
密閉箱型平面スピーカの一部切截正面図及び縦断面図で
ある。
【図3】図1に示した磁歪スピーカドライバの一部切截
正面図及び縦断面図である。
【図4】図1に示した磁歪素子の磁歪特性を示す図であ
る。
【図5】本発明の密閉箱型平面スピーカの他の実施形態
を示す分解斜視図である。
【図6】図6(A),(B)は、それぞれ図5に示した
密閉箱型平面スピーカの一部切截正面図及び縦断面図で
ある。
【図7】従来の密閉箱型平面スピーカの一例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
11,21 密閉箱型平面スピーカ 12 振動板 12f 前面振動板 12r 背面振動板 13 磁歪スピーカドライバ 13f 前面磁歪スピーカドライバ 13r 背面磁歪スピーカドライバ 14 磁歪素子 15 励磁コイル 15a,15b,15c 直列コイル対 16,26 スピーカ筺体 17 ダンパ 17f 前面ダンパ 17r 背面ダンパ 18 接続片 19 固定部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面が開口する四角箱状のスピーカ筺体
    と、該スピーカ筺体の前面開口部よりも若干小さな平板
    状の振動板と、該振動板の周縁部を前記スピーカ筺体の
    開口部周縁に連結して該スピーカ筺体を密閉する四角枠
    状のダンパと、外部磁界を受けて磁界印加方向とほぼ直
    交する方向に磁歪変形する薄板状の磁歪素子の外周に励
    磁コイルを巻回して前記スピーカ筺体内に配設され、前
    記振動板を振動駆動する磁歪スピーカドライバとを具備
    することを特徴とする密閉箱型平面スピーカ。
  2. 【請求項2】 前面と背面がそれぞれ開口する四角筒状
    のスピーカ筺体と、該スピーカ筺体の前面開口部よりも
    若干小さな平板状の前面振動板と、前記スピーカ筺体の
    背面開口部よりも若干小さな平板状の背面振動板と、前
    記前面振動板の周縁部を前記スピーカ筺体の前面開口部
    周縁に連結して該スピーカ筺体の前面開口部を閉塞する
    四角枠状の前面ダンパと、前記背面振動板の周縁部を前
    記スピーカ筺体の背面開口部周縁に連結して該スピーカ
    筺体の背面開口部を閉塞する四角枠状の背面ダンパと、
    外部磁界を受けて磁界印加方向とほぼ直交する方向に磁
    歪変形する薄板状の磁歪素子の外周に励磁コイルを巻回
    して前記スピーカ筺体内に配設され、前記前面振動板を
    振動駆動する前面磁歪スピーカドライバと、外部磁界を
    受けて磁界印加方向とほぼ直交する方向に磁歪変形する
    薄板状の磁歪素子の外周に励磁コイルを巻回して前記ス
    ピーカ筺体内に配設され、前記背面振動板を振動駆動す
    る背面磁歪スピーカドライバとを具備することを特徴と
    する密閉箱型平面スピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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