JP2000337721A - 超臨界冷凍サイクル - Google Patents

超臨界冷凍サイクル

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JP2000337721A
JP2000337721A JP11145324A JP14532499A JP2000337721A JP 2000337721 A JP2000337721 A JP 2000337721A JP 11145324 A JP11145324 A JP 11145324A JP 14532499 A JP14532499 A JP 14532499A JP 2000337721 A JP2000337721 A JP 2000337721A
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refrigerant
compressor
pressure
cycle
control valve
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Motohiro Yamaguchi
素弘 山口
Shin Nishida
伸 西田
Yasutaka Kuroda
泰孝 黒田
Yasushi Yamanaka
康司 山中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超臨界冷凍サイクルの再起動時において、サ
イクルが破綻してしまうことを防止する。 【解決手段】 封入冷媒質量Yが、圧縮機100から圧
力制御弁300に至る冷媒通路の通路体積Xと、仕様最
低外気温度(例えば10℃相当)における冷媒飽和液密
度ρとの積より大きくとなるように選定する。これによ
り、仮に、高圧側全体に冷媒が満たされた状態において
も低圧側に冷媒が存在し得るので、圧縮機100の停止
後、圧縮機100が再起動したときであっても、低圧側
に存在する冷媒が圧縮機100に吸入圧縮されて高圧側
に吐出されることとなる。したがって、圧縮機100の
稼働とともに高圧側の圧力を圧力制御弁300が開弁す
る圧力まで確実に上昇させることができるので、サイク
ル内に冷媒を確実に循環させることができ、サイクルが
破綻することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱器内の圧力
(高圧側の圧力)が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷
凍サイクルに関するもので、二酸化炭素を冷媒とする超
臨界冷凍サイクルに適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】例えば二酸化炭素を冷媒とする超臨界冷
凍サイクルは、特表平3−50326号公報に記載され
るように、高圧側の圧力を制御することにより冷凍能力
(ヒートポンプ運転時にあっては暖房能力)を制御する
ものである。
【0003】また、超臨界冷凍サイクル(以下、サイク
ルと略す。)において、冷凍能力(ヒートポンプ運転時
にあっては暖房能力)を増大させるには、放熱器出口側
に設けられたバルブの開度を縮小させて放熱器出口側の
冷媒圧力を冷媒の臨界圧力以上にまで上昇させる必要が
ある。
【0004】この必要性に対して、「次回のサイクル起
動時に備えてサイクルの停止時においてはバルブを閉じ
て高圧側の圧力(放熱器出口側の冷媒圧力)が低下する
ことを防止することができる超臨界冷凍サイクル用の圧
力制御弁」を出願人は既に出願をしている(特願平10
−168701等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サイクル停
止時にバルブが閉じられていると言えども、サイクル
(圧縮機)の停止とともに高圧側の圧力が次第に低下し
ていくので、起動時においては、図5に示すように、高
圧側の圧力が所定圧力に到達するまでの間は、バルブを
閉じた状態で圧縮機が稼働することとなる。
【0006】一方、サイクル(圧縮機)が稼働している
ときには、高圧側の冷媒は飽和液密度以上の高い密度を
有しているため、冷凍サイクル中に存在する冷媒の多く
は、高圧側に存在することとなる。
【0007】このため、サイクルの停止後、バルブを閉
じたままサイクル(圧縮機)を再起動すると、低圧側に
残存する冷媒が少ないため、圧縮機の吐出冷媒量が少な
く、高圧側の圧力が上昇し難い。一方、バルブは、高圧
側の冷媒圧力が所定圧力以上となるまでは、全閉状態を
維持し続けるので、低圧側に冷媒が供給されず、高圧側
の圧力が更に上昇し難くなる。
【0008】つまり、サイクル起動時において低圧側に
残存する冷媒量が少ないと、冷媒がサイクル内を循環し
なくなる可能性が高いので、蒸発器に冷媒が供給され
ず、サイクルが破綻してしまう。
【0009】本発明は、上記点に鑑み、サイクルの再起
動時において、サイクルが破綻してしまうことを防止す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1、2に記載の発明では、圧縮機
(100)から圧力制御弁(200)に至る冷媒通路の
通路体積Xと封入冷媒質量Yとは、Y>0.85X+5
で示す関係を有することを特徴とする。
【0011】これにより、仮に、高圧側(圧縮機(10
0)から圧力制御弁(300)に至る冷媒通路)全体に
冷媒が満たされた状態においても、低圧側(圧力制御弁
(300)から圧縮機(100)に至る冷媒通路内)に
冷媒を残存させることが可能となるので、圧縮機(10
0)の停止後、圧縮機(100)が再起動したときであ
っても、低圧側に存在する冷媒が圧縮機(100)に吸
入圧縮されて高圧側に吐出され得る。
【0012】したがって、圧縮機(100)の稼働とと
もに高圧側の圧力を圧力制御弁(300)が開弁する圧
力まで確実に上昇させることができるので、サイクル内
に冷媒を確実に循環させることができ、サイクルが破綻
することを防止できる。
【0013】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0014】
【発明の実施の形態】本実施形態は、本発明に係る超臨
界冷凍サイクルを車両用のCO2 サイクルに適用したも
のであり、図1はCO2 サイクルの模式図である。
【0015】図1中、100は冷媒(CO2 )を吸入圧
縮する圧縮機であり、この圧縮機100は、電磁クラッ
チ110を介して車両走行用エンジン(図示せず)から
駆動力を得て稼動する。200は圧縮機100から吐出
した冷媒を大気と熱交換して冷却するとともに、内部の
圧力が冷媒の臨界圧力を超える放熱器でり、300は放
熱器200から流出する冷媒を減圧するとともに、放熱
器200出口側の冷媒温度に基づいて放熱器200出口
側の圧力を制御する圧力制御弁である。なお、圧力制御
弁300の詳細についていは、後述する。
【0016】400は圧力制御弁300にて減圧された
冷媒を蒸発させて空気を冷却する蒸発器であり、500
はCO2 サイクル内の余剰冷媒を貯えるとともに、蒸発
器400から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分
離して気相冷媒を圧縮機100側に流出させるアキュー
ムレータ(気液分離手段)である。
【0017】なお、600は蒸発器400にて冷却され
た空気の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)で
あり、電子制御装置(ECU)700は、温度センサ7
00の検出温度に基づいて電磁クラッチ110のON−
OFFを制御している。
【0018】具体的には、検出温度が3℃以下となった
ときには、電磁クラッチ110をOFFとして圧縮機1
00を停止させ、検出温度が4℃以上となったときに
は、電磁クラッチ110をONとして圧縮機100を稼
動させる。
【0019】また、本実施形態では、CO2 サイクル内
封入する封入冷媒質量Yが、圧縮機100から圧力制御
弁300に至る冷媒通路の通路体積Xと、仕様最低外気
温度(本実施形態では、約10℃)における冷媒飽和液
密度ρとの積より大きくとなるように選定されており、
具体的には、圧縮機100から圧力制御弁300に至る
冷媒通路の通路体積Xと封入冷媒質量Yとが、下記数式
1で示す関係を有するように選定している。
【0020】
【数1】Y>0.85X+5 因みに、図2は、数式1をグラフ化したものであり、封
入冷媒質量Yは、図2のA領域に属している。
【0021】次に、圧力制御弁300について述べる。
【0022】図3は圧力制御弁300の断面図であり、
301、302は冷媒通路を構成するとともに、制御弁
本体303を収納するケーシングである。そして、制御
弁本体303のうち、304は冷媒温度を感知する感温
部であり、この感温部304は、薄膜状のダイヤフラム
(圧力応動部材)305、およびダイヤフラム305と
共に密閉空間306を形成するハウジング307から構
成されている。
【0023】そして、密閉空間306内には、冷媒(C
2 )の温度が0℃での飽和液密度から冷媒の臨界点で
の飽和液密度に至る範囲の密度(本実施形態では約62
5kg/m3 )で封入されている。
【0024】なお、307aは感温部304(密閉空間
306)に冷媒を封入する封入管であり、この封入管3
07aは、ケーシング301、302内の冷媒温度に対
して密閉空間306内の冷媒温度を時間差無く追従させ
るべく、銅などの熱伝導率の高い金属製である。
【0025】309は圧力制御弁300(制御弁本体3
03)の弁口310の開度を調節するニードル弁体(以
下、弁体と略す。)であり、弁体309はダイヤフラム
305に接合されている。このため、感温部304(密
閉空間306内)の温度上昇(内圧上昇)すると、弁体
309は、弁口310の開度を縮小させる向きに変位す
る。
【0026】311は弁口310を閉じる向きの弾性力
を弁体309に作用させるとともに、圧力制御弁300
の閉弁圧を調節するバネ(弾性体)であり、このバネ3
11の初期設定荷重は、調整ナット312を回すことに
より調節される。そして、初期設定荷重(弁口310を
閉じた状態での弾性力)は、冷媒が臨界圧力以下の凝縮
域において、所定の過冷却度(本実施形態では約10
℃)を有するように設定されており、具体的には、初期
設定荷重における、密閉空間306内での圧力換算で約
1[MPa]である。
【0027】したがって、圧力制御弁300は、超臨界
領域では、625kg/m3 の等密度線に沿うように、
放熱器200出口側の冷媒温度に基づいて、放熱器20
0出口側の冷媒圧力を制御し、凝縮域では、所定の過冷
却度を有するように冷媒圧力が制御される(図4の太線
ηmax 参照)。
【0028】次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0029】封入冷媒質量Yが、圧縮機100から圧力
制御弁300に至る冷媒通路の通路体積Xと、仕様最低
外気温度における冷媒飽和液密度ρとの積より大きくと
なるように選定されているので、仮に、高圧側(圧縮機
100から圧力制御弁300に至る冷媒通路)全体に冷
媒が満たされた状態においても、低圧側(圧力制御弁3
00から圧縮機100に至る冷媒通路内)に冷媒が存在
し得る。
【0030】したがって、圧縮機100(CO2 サイク
ル)の停止後、圧縮機100(CO 2 サイクル)が再起
動したときであっても、低圧側に存在する冷媒が圧縮機
100に吸入圧縮されて高圧側に吐出されるので、圧縮
機100の稼働とともに高圧側の圧力を圧力制御弁30
0が開弁する圧力まで確実に上昇させることができる。
延いては、CO2 サイクル内に冷媒を確実に循環させる
ことができるので、CO2 サイクルが破綻することを防
止できる。
【0031】ところで、上述の実施形態では、冷媒とし
てCO2 を用いたが本発明に係る超臨界冷凍サイクルの
冷媒はこれに限定されるものではなく、例えば、エチレ
ン、エタン、酸化窒素等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るCO2 サイクル(超臨
界冷凍サイクル)の模式図である。
【図2】冷媒通路の通路体積Xと封入冷媒質量Yとの関
係を示すグラフである。
【図3】実施形態に係る圧力制御弁の断面図である。
【図4】CO2 のp−h線図である。
【図5】(a)はバルブ開度と時間との関係を示すグラ
フであり、(b)は放熱器出口側の冷媒圧力と時間との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100…圧縮機、200…放熱器、300…圧力制御
弁、400…蒸発器、500…アキュムレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 泰孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 山中 康司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧縮する圧縮機(100)と、 前記圧縮機(100)から吐出した冷媒を冷却するとと
    もに、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を超える放熱器(2
    00)と、 前記放熱器(200)から流出する冷媒を減圧するとと
    もに、前記放熱器(200)出口側の冷媒温度に基づい
    て前記放熱器(200)出口側の冷媒圧力を制御する圧
    力制御弁(300)と、 前記圧力制御弁(300)にて減圧された冷媒を蒸発さ
    せる蒸発器(400)と、 前記放熱器(200)から流出する冷媒を気相冷媒と液
    相冷媒とに分離して気相冷媒を前記圧縮機(100)の
    吸入側に流出するとともに、余剰冷媒を蓄えるアキュム
    レータ(500)とを備え、 前記圧縮機(100)から前記圧力制御弁(200)に
    至る冷媒通路の通路体積をXとし、封入冷媒質量をYと
    したときに、通路体積と封入冷媒質量とは、Y>0.8
    5X+5で示す関係を有することを特徴とする超臨界冷
    凍サイクル。
  2. 【請求項2】 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特
    徴とする請求項1に記載の超臨界冷凍サイクル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1709374A2 (en) * 2003-12-19 2006-10-11 Carrier Corporation Vapor compression systems using an accumulator to prevent over-pressurization
JP2008122070A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Visteon Global Technologies Inc 車両用エアコンディショニングユニットの蒸発器としての熱交換器

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