JP2001354028A - 蒸気圧縮式冷凍サイクル - Google Patents

蒸気圧縮式冷凍サイクル

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JP2001354028A
JP2001354028A JP2000178790A JP2000178790A JP2001354028A JP 2001354028 A JP2001354028 A JP 2001354028A JP 2000178790 A JP2000178790 A JP 2000178790A JP 2000178790 A JP2000178790 A JP 2000178790A JP 2001354028 A JP2001354028 A JP 2001354028A
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compressor
refrigerant
refrigeration cycle
radiator
blower
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Hiroki Matsuo
弘樹 松尾
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、液圧縮を
未然に防止する。 【解決手段】 送風機3を起動させた後、所定時間To
の経過後に圧縮機1を起動させる。これにより、圧縮機
1が起動する前に冷却風が凝縮器2に供給されることと
なり、圧縮機1が起動する前に凝縮器2内の圧力が圧縮
機1内より低くなるので、圧縮機1内の冷媒(液相冷媒
及び気相冷媒)が凝縮器2内に吸引され、圧縮機1が液
圧縮してしまうことを未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気圧縮式冷凍サ
イクルに関するもので、車両用空調装置に適用して有効
である。
【0002】
【従来の技術】蒸気圧縮式冷凍サイクルは、周知のごと
く、蒸発器にて蒸発した気相冷媒を圧縮機にて吸入圧縮
し、圧縮機から吐出される高温高圧の冷媒を放熱器にて
冷却することにより、蒸発時に吸熱した熱を放熱器から
放熱するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧縮機を比
較的長時間停止させると、圧縮機に吸入された気相冷媒
が液化してしまう。そして、圧縮機内に液相冷媒が滞留
した状態で圧縮機を起動すると、圧縮機の実質的な作動
室(圧縮室)の体積が縮小した状態で圧縮作動が行われ
る(以下、これを液圧縮と呼ぶ。)ので、圧縮機に作用
する圧縮反力が過度に大きくなり、圧縮機が損傷するお
それがある。
【0004】また、電磁クラッチ等の動力を断続可能に
伝達するクラッチ手段を介して圧縮機を駆動している場
合に液圧縮が発生すると、クラッチが滑ってしまうの
で、大きな異音(液圧縮音)が発生してしまう。
【0005】本発明は、上記点に鑑み、蒸気圧縮式冷凍
サイクルにおいて、液圧縮を未然に防止することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入
圧縮する圧縮機(1)と、圧縮機(1)から吐出する冷
媒を冷却する放熱器(2)と、放熱器(2)から流出す
る冷媒を減圧する減圧器(5)と、減圧器(5)にて減
圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(6)と、放熱器
(2)に冷却用空気を送風する送風機(3)と、送風機
(3)及び圧縮機(1)の作動を制御する制御手段
(7)とを備え、制御手段(7)は、送風機(3)を起
動させた後、所定時間(To)の経過後に圧縮機(1)
を起動させる遅延制御モードを有していることを特徴と
する。
【0007】これにより、圧縮機(3)が起動する前に
冷却風が放熱器(2)に供給されることとなり、圧縮機
(1)が起動する前に放熱器(2)内の圧力が圧縮機
(1)内より低くなる。したがって、圧縮機(1)内の
冷媒(液相冷媒及び気相冷媒)が放熱器(2)内に吸引
されるので、圧縮機(1)が液圧縮してしまうことを未
然に防止できる。
【0008】なお、特開平8−142646号公報に
は、圧縮機の起動タイミングと送風機の起動タイミング
とをずらす発明が記載されているが、この発明では、圧
縮機を起動した後、所定時間経過後に、送風機を起動す
るので、圧縮機(1)内の冷媒(液相冷媒及び気相冷
媒)を放熱器(2)内に吸引することができない。した
がって、本発明の課題を達成することができない。
【0009】ところで、後述するように、圧縮機(1)
周りの雰囲気温度が放熱器(2)周りの雰囲気温度以上
のときに液圧縮が発生し易い。
【0010】そこで、請求項2に記載の発明では、圧縮
機(1)周りの雰囲気温度を検出する第1温度センサ
(12)と、放熱器(2)周りの雰囲気温度を検出する
第2温度センサ(22)とを備え、制御手段(7)は、
第1温度センサ(12)の検出温度(T1)が第2温度
センサ(22)の検出温度(T2)以上であるときに、
遅延制御モードを実行するので、より確実に液圧縮を防
止することができる。
【0011】なお、請求項3に記載の発明のごとく、動
力を断続可能に伝達するクラッチ手段(11)を介して
圧縮機(1)が動力を得ている場合には、クラッチ手段
(11)を制御することにより圧縮機(1)の作動を制
御することが望ましい。
【0012】また、所定時間(To)は、請求項4に記
載の発明のごとく、5秒以上、30秒以下とすることが
望ましい。
【0013】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0014】
【発明の実施の形態】本実施形態は、本発明に係る蒸気
圧縮式冷凍サイクル(以下、冷凍サイクルと略す。)を
車両用空調装置に適用したものであって、図1は冷凍サ
イクルの模式図である。
【0015】図1中、1は冷媒(本実施形態では、フロ
ン)を吸入圧縮するピストン型の圧縮機であり、この圧
縮機1は、動力を断続可能に伝達する電磁クラッチ(ク
ラッチ手段)11を介して走行用のエンジン(内燃機
関)E/Gから動力を得て稼働するものである。
【0016】2は圧縮機1から吐出される冷媒と空気と
を熱交換し、気相冷媒を冷却する(凝縮させる)凝縮器
(放熱器)であり、3は凝縮器2に冷却用空気を送風す
る送風機である。なお、31は送風用の軸流式のファン
であり、32はファン31を回転させる電動モータ(駆
動手段)である。
【0017】4は凝縮器2から流出する冷媒を液相冷媒
と気相冷媒とに分離して液相冷媒を流出するとともに、
冷凍サイクル中の余剰冷媒を蓄えるレシーバ(気液分離
手段)であり、5はレシーバ4から流出する高圧の液相
冷媒を減圧する減圧弁(減圧器)である。
【0018】なお、本実施形態に係る減圧弁5は、圧縮
機1の吸入側における冷媒の加熱度が所定値となるよう
に、その開度が調節される温度式膨張弁である。
【0019】6は減圧弁5にて減圧された冷媒と車室内
に吹き出す空気とを熱交換して液相冷媒を蒸発させるこ
とにより、車室内に吹き出す空気を冷却する蒸発器であ
り、12は圧縮機1周りの雰囲気温度を検出する第1温
度センサであり、22は凝縮器2周りの雰囲気温度を検
出する第2温度センサである。
【0020】そして、両センサ12、22の検出信号
(検出温度)は、図2に示すように、電子制御装置(E
CU)7に入力されており、ECU7は空調装置の始動
スイッチ(A/Cスイッチ)71及び両センサ12、2
2の検出信号等に基づいて、予め設定されたプログラム
に従って送風機3(電動モータ32)及び電磁クラッチ
11等を制御する。
【0021】次に、本実施形態の特徴的作動を図3に示
すフローチャートに基づいて述べる。
【0022】ECU(制御手段)7は、A/Cスイッチ
71が投入(ON)されると、先ず、第1、2センサ1
2、22の検出信号を読み込み(S100)、第1温度
センサ12の検出温度(圧縮機1周りの雰囲気温度)T
1が第2温度センサ22の検出温度(凝縮器2周りの雰
囲気温度)T2以上であるか否かを判定する(S11
0)。
【0023】そして、第1温度センサ12の検出温度T
1が第2温度センサ22の検出温度T2以上であるとき
には、図4に示すように、送風機3を起動させた後、所
定時間Toの経過後に圧縮機1を起動させる(電磁クラ
ッチ11を繋ぐ)遅延制御モードを実行する(S12
0)。
【0024】一方、検出温度T1は検出温度T2未満で
あるときには、高圧側の冷媒圧力(圧縮機1の吐出側か
ら減圧弁5の入口側に至る冷媒通路における冷媒圧力)
に基づいて送風機3の作動(送風量)を制御するととも
に、蒸発器6通過後の空気温度が所定温度となる圧縮機
1(電磁クラッチ11)を制御する通常制御モードを実
行する(S130)。
【0025】次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0026】送風機3を起動させた後、所定時間Toの
経過後に圧縮機1を起動させるので、圧縮機1が起動す
る前に冷却風が凝縮器2に供給されることとなり、圧縮
機1が起動する前に凝縮器2内の圧力が圧縮機1内より
低くなる。したがって、圧縮機1内の冷媒(液相冷媒及
び気相冷媒)が凝縮器2内に吸引されるので、圧縮機1
が液圧縮してしまうことを未然に防止できる。
【0027】ところで、図5は送風機3の起動後、圧縮
機1が起動するまでの間における圧縮機1内の液相冷媒
量の変化を示す試験結果であり、この結果から明らかな
ように送風機3の起動後、10秒経過までは圧縮機1内
の液相冷媒が減少していくが、10秒経過後は圧縮機1
内の液相冷媒が殆ど変化しないことが判る。そこで、本
実施形態では、上記の所定時間Toを約10秒としてい
る。
【0028】なお、所定時間Toは冷凍サイクルの仕様
(圧縮機1の容量等)によって変化するものであるが、
発明者の種々に渡る試験検討によれば、所定時間Toを
5秒以上、30秒以下とすれば実用上問題がないことを
確認している。
【0029】ところで、本実施形態では、圧縮機1周り
の雰囲気温度T1が凝縮器2周りの雰囲気温度T2以上
のときに遅延制御モードを実行したが、これは、図6に
示すように、圧縮機1周りの雰囲気温度T1が凝縮器2
周りの雰囲気温度T2以上のときに液圧縮が発生し易い
という試験結果に基づくものである。
【0030】なお、圧縮機1周りの雰囲気温度T1が凝
縮器2周りの雰囲気温度T2以上のときに液圧縮が発生
し易い理由は、概ね、以下の通りである。
【0031】すなわち、圧縮機1(空調装置)が停止し
てから十分に時間が経過すれば、冷凍サイクル内の冷媒
温度及び冷媒圧力は冷凍サイクルの部位によらず等しく
なり、かつ、圧縮機1周りの雰囲気温度T1及び凝縮器
2周りの雰囲気温度T2も等しくなる(外気温とな
る)。以下、この状態を均衡状態と呼ぶ。
【0032】このため、仮に圧縮機1周りの雰囲気温度
T1と凝縮器2周りの雰囲気温度T2とが相違する場合
には、冷凍サイクル内の冷媒温度及び冷媒圧力は、圧縮
機1内と凝縮器2内とにおいて相違している可能性が高
く、冷凍サイクル内の冷媒は均衡状態に移行しようとす
る。
【0033】このため、圧縮機1周りの雰囲気温度T1
が凝縮器2周りの雰囲気温度T2以上のときには、冷凍
サイクル内の冷媒が均衡状態に移行すべく、圧縮機1内
の冷媒温度及び圧力が低下し、一方、凝縮器2内の冷媒
温度及び圧力が上昇する可能性が高いので、圧縮機1内
に液相冷媒が多量に溜まる可能性がある。
【0034】したがって、圧縮機1周りの雰囲気温度T
1が凝縮器2周りの雰囲気温度T2以上のとき遅延制御
モードを実行すれば、効果的に液圧縮を防止できる。
【0035】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、車両用空調装置に本発明を適用したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、その他の冷凍サイクルに
も適用することができる。
【0036】また、上述の実施形態では、圧縮機1は電
磁クラッチ11を介してエンジンE/Gから動力を得て
いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電動
モータにより圧縮機を駆動してもよい。なお、この場合
は、電磁クラッチ11を省略し、電動モータを制御する
ことにより圧縮機を制御してもよい。
【0037】また、上述の実施形態では、車両搭載上の
制限から圧縮機1には送風機3の冷却風が当たる部位に
搭載されていたが、圧縮機1に送風機3の冷却風が当た
らない部位に圧縮機1を搭載(配置)してもよい。な
お、このようにすれば、遅延制御モード時に、確実に凝
縮器2内の圧力を圧縮機1内より低下させることができ
るので、より確実に液圧縮を防止できる。
【0038】また、上述の実施形態では、圧縮機1周り
の雰囲気温度T1が凝縮器2周りの雰囲気温度T2以上
のとき遅延制御モードを実行したが、雰囲気温度によら
ず、空調装置(冷凍サイクル)起動時には、常に、遅延
制御モードを実行してもよい。
【0039】また、上述の実施形態では、ピストン型の
圧縮機を採用したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、スクロール型やベーン型等のその他の形式の圧
縮機であってもよい。
【0040】また、上述の実施形態では、フロンを冷媒
とする冷凍サイクルであったが、二酸化炭素を冷媒とす
る冷凍サイクルのごとく、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨
界圧力以上となる超臨界蒸気圧縮式冷凍サイクルにも適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る冷凍サイクルの模式図
である。
【図2】本発明の実施形態に係る冷凍サイクルの制御系
の模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る冷凍サイクルの作動を
示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る冷凍サイクルにおける
送風機及び電磁クラッチのタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る冷凍サイクルにおける
送風機の作動タイミングと圧縮機内冷媒量との関係を示
す説明図である。
【図6】(a)は雰囲気温度と時刻との関係を示すグラ
フであり、(b)は圧縮機内冷媒量と時刻との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…凝縮器(放熱器)、3…送風機、4…
レシーバ、5…減圧弁(減圧器)、6…蒸発器、7…電
子制御装置、11…電磁クラッチ(クラッチ手段)、1
2…第1温度センサ、22…第2温度センサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(1)と、 前記圧縮機(1)から吐出する冷媒を冷却する放熱器
    (2)と、 前記放熱器(2)から流出する冷媒を減圧する減圧器
    (5)と、 前記減圧器(5)にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発
    器(6)と、 前記放熱器(2)に冷却用空気を送風する送風機(3)
    と、 前記送風機(3)及び前記圧縮機(1)の作動を制御す
    る制御手段(7)とを備え、 前記制御手段(7)は、前記送風機(3)を起動させた
    後、所定時間(To)の経過後に前記圧縮機(1)を起
    動させる遅延制御モードを有していることを特徴とする
    蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  2. 【請求項2】 前記圧縮機(1)周りの雰囲気温度を検
    出する第1温度センサ(12)と、 前記放熱器(2)周りの雰囲気温度を検出する第2温度
    センサ(22)とを備え、 前記制御手段(7)は、前記第1温度センサ(12)の
    検出温度(T1)が前記第2温度センサ(22)の検出
    温度(T2)以上であるときに、前記遅延制御モードを
    実行することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式
    冷凍サイクル。
  3. 【請求項3】 前記圧縮機(1)は、動力を断続可能に
    伝達するクラッチ手段(11)を介して動力を得てお
    り、 さらに、前記制御手段(7)は、前記クラッチ手段(1
    1)を制御することにより前記圧縮機(1)の作動を制
    御することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気圧
    縮式冷凍サイクル。
  4. 【請求項4】 前記所定時間(To)は、5秒以上、3
    0秒以下であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1つに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
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