JP2000336321A - 貼り合わせ方法及び光ディスクの製造方法 - Google Patents

貼り合わせ方法及び光ディスクの製造方法

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JP2000336321A
JP2000336321A JP11146476A JP14647699A JP2000336321A JP 2000336321 A JP2000336321 A JP 2000336321A JP 11146476 A JP11146476 A JP 11146476A JP 14647699 A JP14647699 A JP 14647699A JP 2000336321 A JP2000336321 A JP 2000336321A
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curable composition
cationic
disk
ultraviolet curable
ultraviolet
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Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被貼り合わせ体の接着層の硬化ムラがなく、歩
留まりの高い貼り合わせを達成できる。 【解決手段】カチオン型紫外線硬化性組成物を体積計量
する工程と、体積計量されたカチオン型紫外線硬化性組
成物に紫外線照射する工程と、体積計量され紫外線照射
されたカチオン型紫外線硬化性組成物を第1の貼り合わ
せ体と第2の貼り合わせ体の少なくとも何れか一方に塗
布する工程と、第1と第2の被貼り合わせ体を互いに重
ね合わせる工程と、カチオン型紫外線硬化性組成物を展
延する工程とを具備することを特徴とする貼り合わせ方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2つの部材、例えば
ディスクを貼り合わせる方法に関し、特に貼り合わせ方
式をとるデジタル・ビデオ/バーサタイル・ディスク
(以下、DVDと略記する)の製造に好適な貼り合わせ
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線硬化性組成物を接着剤とし
て2つの板状物体を貼合せる場合、ラジカル重合型紫外
線硬化性組成物を既存技術であるスピンコート法、スク
リーン印刷法等によって前記組成物を接着面に一様に塗
布して、接着面同志を対向するようにして重ね合わせ、
しかる後に連続的な発光をする紫外線光を照射して硬化
させることが一般的であった。
【0003】紫外線照射用光源としては従来、高圧水銀
ランプ、メタルハライドランプ、水銀−クセノンランプ
などが用いられている。かかる方法では、ランプの発光
が連続的であるために熱を生じやすく、この熱は前記デ
ィスクのソリや機械的特性に悪影響を及ぼす問題があ
る。
【0004】また、前記連続的に発光するタイプのラン
プでは、点灯させてから発光が安定するまでに、通常、
数分以上かかるため点灯や消灯を容易に行えない。従っ
て連続的に生産する場合には、ランプは点灯させたまま
の状態にしなければならない。仮に1回の接着(1サイ
クル)に必要な時間(生産のサイクルタイム)が仮に5
秒として、その内紫外線照射に要する時間が2秒とすれ
ば残りの3秒間はエネルギを無駄に消費することにな
る。
【0005】ラジカル重合型紫外線硬化性組成物を接着
剤として2つの板状物体を貼合せる場合において、2つ
の板状物体の内少なくとも一方の板状物体が、紫外線透
過性である場合にはさほどの問題は生じない。
【0006】しかしながら貼合せによって製造する、例
えば前記DVDのように、紫外線が前記ラジカル重合型
紫外線硬化性組成物を接着剤とする接着層に到達するま
での間に、Al等の薄膜が存在しており、これらの薄膜
や層によって紫外線強度が大きく減衰させられ、効率の
よい硬化接着がなされないという問題があった。
【0007】しかも硬化を促進させようとすれば、大容
量のランプ設備が必要となり、必然的に製品のコストア
ップにもつながるという問題があった。又、大容量のラ
ンプを用いる場合では、ランプからの放射熱により、デ
ィスクが変形するなどの問題も生じる。これを防ぐため
にはランプ回りの冷却設備も別途必要となり、装置全体
が大掛かりで一層複雑なものにならざるを得なかった。
【0008】逆にランプ設備容量が小さいままで紫外線
硬化を行おうとすれば、それは不可能ではないにしても
照射時間が数十秒或いはそれ以上必要となり、実用性に
乏しいものとならざるを得なかった。
【0009】以上の問題点を解決するために、特開平9
−193249号公報には、紫外線を連続的に照射する
のではなく、閃光的に照射することを特徴とするディス
クの貼合せ方法が提案されている。この閃光的に紫外線
を照射する方法は、連続的に照射する場合に比べ、紫外
線照射のための消費電力を抑制しつつ単位時間当たりの
貼合せ枚数をより多くすることが可能であるとともに、
貼合せ後のディスク反りの発生を防止することができる
画期的な方法である。
【0010】ところが、閃光的紫外線照射による方法に
も以下のような問題点がある。すなわち、DVDを貼合
せ対象とする場合、その構造上紫外線は紫外線透過性の
劣るAl膜を通過して紫外線硬化性樹脂に到達して硬化
させることになるので、Al膜厚が製品仕様により厚く
なる場合には、硬化効率が劣ることになる。また、DV
Dのうちで紫外線が実質的に透過しない膜(例えば、Z
nS−SiO2膜)が存在するDVD−RAMにおいて
は、2枚のディスクの貼合せ面に存在する紫外線硬化性
樹脂に紫外線を照射して硬化、接着する方法を採用する
ことはできない。
【0011】以上に対して有効な貼合せ方法が特開平9
−69239号公報に開示されている。特開平9−69
239号公報に記載の方法は、従来接着剤としてラジカ
ル重合型紫外線硬化性樹脂を用いていたのに対し、遅硬
性のカチオン型紫外線硬化性組成物を用いることに特徴
を有している。より具体的には、貼合せる一方のディス
クの表面全面にカチオン型紫外線硬化性組成物を塗布
し、塗布後にカチオン型紫外線硬化性組成物に紫外線を
照射し、その後に貼合せ対象である他方のディスクを重
ね合わせ、さらに加圧してカチオン型紫外線硬化性組成
物を硬化させるものである。
【0012】特開平9−69239号公報に記載のカチ
オン型紫外線硬化性組成物を用いた方法は、Al膜厚が
厚い場合、あるいは紫外線が実質的に透過しないZnS
−SiO2膜等が存在するDVD−RAMにおいても接
着が可能な有効な方法である。
【0013】しかし、特開平9−69239号公報に記
載の方法においてもさらに改善すべき点が確認された。
すなわち、カチオン型紫外線硬化性組成物がディスク基
板に塗布されてから紫外線照射する方法では、本来紫外
線照射が必要なのはカチオン型紫外線硬化性組成物のみ
であるのに拘わらず、被貼合せ体であるポリカーボネー
ト等からなるディスク基板にまで紫外線が不可避的に照
射されてしまう。ディスク基板へのこの不必要な紫外線
照射は、DVDのような厚さ0.6mmの肉厚の薄いデ
ィスク基板においては、紫外線光源であるランプからの
熱による熱変形を引き起こしやすい。
【0014】また、一方のディスク表面全面にカチオン
型紫外線硬化性組成物を塗布した後に他方のディスクを
重ねるが、重ね合わせる際に気泡を大量に巻き込み、接
着性能を劣化させてしまう。すなわち、気泡周辺の樹脂
は気泡内に含まれる湿気(水分)による阻害を受けて、
硬化が完全に行われないことがあり、貼合せ後の製品品
質を損ねる。
【0015】更にまた、気泡が巻き込まれた貼合せ体が
長時間高温、高湿下に晒されると、内部の空気が膨張
し、最悪の場合には表面が盛り上がることもある。気泡
発生を防止するためには、当業者間で公知のスピンコー
ター法を採用することが考えられるが、リング状に滴下
されたカチオン型紫外線硬化性組成物は相当の厚みを有
しているために、その内部まで紫外線を照射・到達させ
ることは困難である。したがって、この方法による接着
層には硬化ムラが起こりやすい。
【0016】また、特開平9−69239号公報に記載
の方法は2枚のディスクを重ね合わせ後に加圧するが、
加圧のための機構によりディスク表面に傷が発生してし
まう。この傷発生は、連続生産した場合に顕著となり、
製品歩留まりの低下を招くことになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、カチ
オン型紫外線硬化性組成物を用いた場合でも気泡の巻き
込みを抑えるとともに、接着層の硬化ムラの生じにく
く、かつディスク表面への直接的な紫外線照射を行わ
ず、従来法においてとかく問題視されがちであったラン
プからの伝導熱や輻射熱による被貼合せ体に変形が生じ
ない貼合せ方法の提供を課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に基づく貼り合わせ方法は、カチオン型紫外線
硬化性組成物を体積計量する工程と、体積計量されたカ
チオン型紫外線硬化性組成物に紫外線照射する工程と、
体積計量され紫外線照射されたカチオン型紫外線硬化性
組成物を第1の貼り合わせ体と第2の貼り合わせ体の少
なくとも何れか一方に塗布する工程と、第1と第2の被
貼り合わせ体を互いに重ね合わせる工程と、カチオン型
紫外線硬化性組成物を展延する工程とを具備することを
特徴とする。
【0019】また、本発明に基づく光ディスクの製造方
法は、カチオン型紫外線硬化性組成物を体積計量する工
程と、体積計量されたカチオン型紫外線硬化性組成物に
紫外線照射する工程と、体積計量され紫外線照射された
カチオン型紫外線硬化性組成物を第1のディスク基板と
第2のディスク基板の少なくとも何れか一方に塗布する
工程と、第1と第2のディスク基板を互いに重ね合わせ
る工程と、カチオン型紫外線硬化性組成物を展延する工
程とを具備することを特徴とする。
【0020】本発明において、カチオン型紫外線硬化性
組成物が塗布する前に、予め体積計量されるのは次の理
由による。
【0021】カチオン型紫外線硬化性組成物は、貼り合
わせ体に塗布する上で、液状(液体)であることが不可
欠であり、液体の粘度の温度特性は、一般にアレニウス
型と呼ばれる指数関数的な変化を示す。つまり温度に対
する変化率が大きいのが特徴である。
【0022】従来、バルブ式のディスペンサーが用いら
れることもあるが、これはバルブの開閉時間によって吐
出量を制御する方式のため、塗布する液体の粘度の影響
を受け、吐出量が環境温度によって大きく変化する欠点
があった。
【0023】具体的には、環境温度が高くなると粘度が
低下を来たして吐出量が増し、予め設定されたのを越え
る量のカチオン型紫外線硬化性組成物が吐出されること
になる。逆に環境温度が低くなると吐出量が減り、予め
設定されたのより少ない量のカチオン型紫外線硬化性組
成物しか吐出されなくなる。
【0024】吐出量の温度依存性に従って、結果的に貼
り合わせ体への塗布量も温度に依存することになるの
で、2枚の被貼り合わせ体間に接着層が完全に形成され
ない事態が生ずる。
【0025】ところが、本発明の様に、カチオン型紫外
線硬化性組成物を予め体積的に計量してから、例えばデ
ィスペンスノズルを通じて吐出する方式を採用すること
により、上述事態は全く生じなくなり、歩留まりの高い
工程を実現することができる。
【0026】カチオン型紫外線硬化性組成物を体積計量
するには公知公用の方法を用いることができるが、体積
計量手段を有する液体用ディスペンサが好適に使用でき
る。これは、例えば液体を溜めるためのシリンダと、吸
入弁と、ピストンと、液体を吐出させる吐出弁と、微細
径を有するノズルとから構成される。
【0027】カチオン型紫外線硬化性組成物を体積計量
する手段としては、例えば、カチオン型紫外線硬化性組
成物を貯蔵するタンクから配管によってディスペンサの
シリンダ内に吸入弁を通して導き、シリンダの所定位置
までディスペンサのピストンを移動させ吸入することに
よって体積的な計量が成される。この場合の計量体積
は、シリンダ断面積とピストン移動量の積によって決定
される。以上のようにして体積計量されたカチオン型紫
外線硬化性組成物を吐出する場合は、吸入弁を閉じ、ノ
ズル側に設けられた吐出弁を開放しつつ、ピストンを吸
入する場合とは逆の方向に移動させることによって実現
することができる。以上の方法においては、カチオン型
紫外線硬化性組成物を1回塗布する度ごとに、吸入、吐
出の動作を繰り返すことになる。
【0028】或いはまた、予め直径が分かっている大き
なシリンダ内にカチオン型紫外線硬化性組成物を吸入し
ておいて、必要な分量だけピストンを少しずつ移動させ
て吐出することによっても体積計量塗布が可能となる。
この場合のカチオン型紫外線硬化性組成物の計量体積も
また、シリンダ断面積と1回吐出のピストン移動距離と
の積によって決定される。以上の方法においては、カチ
オン型紫外線硬化性組成物を吸入する作業1回に対し、
吐出が複数回行われ、シリンダ内のカチオン型紫外線硬
化性組成物が空になった時点で、再び吸入を行う動作が
繰り返されることになる。こうして吐出されたカチオン
型紫外線硬化性組成物は、紫外線照射を経てから、2つ
の被貼り合わせ体の少なくとも何れか一方に塗布され
る。
【0029】被貼り合わせ体が透過せずランプ熱で変形
しやすい材質の場合では、塗布する前にカチオン型紫外
線硬化性組成物に紫外線を照射するのがよい。具体的手
法については、空中を滴下するカチオン型紫外線硬化性
組成物がディスク基板に到達するまでの空間で紫外線を
照射することが望ましいとの結論に至った。すなわち、
カチオン型紫外線硬化性組成物の滴下径を小さくすれ
ば、十分な紫外線照射量を確保することができるからで
ある。また、例えば光透過性の管内をカチオン型紫外線
硬化性組成物を通過させる過程で紫外線を照射すること
も考えられるが、そのようにすると管の内壁にカチオン
型紫外線硬化性組成物が硬化、付着してしまい、管を交
換しなければカチオン型紫外線硬化性組成物の通過を確
保するのが困難になるからである。もっとも、このよう
な方法を本発明が排除するものではない。
【0030】ノズルから滴下するカチオン型紫外線硬化
性組成物に紫外線を照射するには、滴下するカチオン型
紫外線硬化性組成物の側方に紫外線照射手段を設ければ
よく、紫外線照射の光源としては、例えばクセノンラン
プ、クセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高
圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどの公知のランプを用
いればよい。
【0031】滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物に
より均一に紫外線を照射するためには、ノズル径を小さ
くして滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物の径を小
さくすればよい。また、滴下するカチオン型紫外線硬化
性組成物の全周囲から紫外線を照射することも有効であ
る。滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物の全周囲か
ら紫外線を照射する具体的な手段としては、複数の紫外
線照射手段を滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物の
周囲に配置して紫外線を照射することが考えられるが、
滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物の周囲を反射板
で取り囲み、その取り囲んだ内部に紫外線を照射するよ
うにすれば、紫外線照射手段を複数準備する必要がなく
なるので、省エネルギ、省スペースが達成可能である。
【0032】紫外線照射手段の設置位置は特に限定する
ものではないが、前述したように滴下するカチオン型紫
外線硬化性組成物の側方に設ければよい。また、滴下す
るカチオン型紫外線硬化性組成物に均一に紫外線を照射
するためには、滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物
の全周囲から紫外線を照射するように複数の紫外線照射
手段を滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物の周囲に
配置する、あるいはカチオン型紫外線硬化性組成物の周
囲を反射板で取り囲み、その取り囲んだ内部に紫外線を
照射するようにすればよい。
【0033】カチオン型紫外線硬化性組成物のノズルか
ら被貼り合わせ体への到達までの滴下中における同組成
物への紫外線照射光量は、通常50〜500mJ/cm
2、好ましくは100〜400mJ/cm2、となる様に
行われる。
【0034】本発明では、被貼り合わせ体がプラスチッ
ク製であり熱変形しやすい性質を有するディスク基板で
場合であっても、紫外線照射を直接ディスク基板に行わ
なくて済むので、被貼合せ体が耐熱性を有しない場合で
あっても熱による変形が防止されることになり、従来の
ように直接ディスク基板に対して連続的な紫外線を照射
する方法に比べて有利である。
【0035】本発明が主に対象とする被貼合せ体は、紫
外線を透過しにくいか実質的には透過しない材料から構
成されているものである。もっとも、単一の材料から構
成されている場合に限らず、紫外線を十分に透過する材
料と紫外線を透過しにくいか実質的には透過しない材料
との複合材から構成されている場合もある。そのような
ものの一例としてはDVD−ROMの内、前述のAl等
の金属膜が厚いDVD−10、DVD−18、あるいは
DVD−RAMがある。
【0036】DVD−ROMの場合、2枚のディスク基
板は、その少なくとも一方が紫外線透過性基板上に情報
記録層を有するディスク基板であり、他方のディスク基
板は情報記録層を有する場合と有さない場合がある。つ
まり本発明が対象とするディスクは、2枚のディスク基
板がともに情報記録層を有する場合と、一方のディスク
基板が情報記録層を有するが他方のディスク基板は情報
記録層を有さない場合とがある。いずれにおいてもディ
スク基板は、通常0.3〜1mmの厚さを有するもので
ある。
【0037】ディスク基板としては、公知慣用の素材が
いずれも使用できるが、例えばアクリル、ポリカーボネ
ート、アモルファスポリオレフィンなどの耐熱性熱可塑
性合成樹脂が挙げられる。情報記録層は、前記基板の片
面に記録情報に対応する凹凸を設け、その上に金属膜を
積層して構成されている。
【0038】本発明においては、半反射膜や反射膜に代
表される金属膜に、直接、カチオン型紫外線硬化性組成
物を塗布して展延することもできるが、例えば予め前記
したような金属膜に、金属膜の経時変質を極力防止でき
るように調整された従来の紫外線硬化性組成物を展延し
て硬化させてから、その硬化物からなる保護層上に、カ
チオン型紫外線硬化性組成物を塗布、展延、硬化するよ
うにすることもできる。この保護層は全体で、5〜20
μmとなるようにするのがよい。この場合は、第1およ
び第2の両ディスク基板の両保護層同士がカチオン型紫
外線硬化性組成物により接着される。
【0039】前記金属膜としては、記録情報の読み取り
に採用される可視光線を高率で反射して的確に前記凹凸
を確認できるものが好ましい。可視光線を高率で反射す
る皮膜は、一般的に紫外線をも高率で反射する。
【0040】この金属膜としては、例えばAl、Ni、
これらの合金等が挙げられ、可視光反射率が80〜10
0%で、かつ紫外線全波長領域に亘ってのそれの透過率
が0を越えて10%未満、好ましくは0を越えて0.5
%未満の条件を満足する。また、DVD−9、DVD−
18と呼ばれる規格のディスクにおいては、半反射膜と
呼ばれる光透過率が70〜82%の材料、例えば金から
なる膜を形成している。
【0041】DVD−RAMは以上のDVDとは異なる
特徴的な層構成を有している。その1例として、ポリカ
ーボネート製基板上にZnS−SiO2層、GeSbT
e層、ZnS−SiO2層、Al合金層、および保護層
を順次積層したディスク基板を2枚用意し、保護層同士
を対向させて接着剤で硬化、貼合せを行った構造のもの
が知られている。
【0042】次いで、第1の貼り合わせ体と第2の貼り
合わせ体の少なくとも何れか一方に、体積計量され紫外
線照射されたカチオン型紫外線硬化性組成物を塗布す
る。この塗布には公知公用の方法が採用できるが、前記
ディスペンサのノズルから吐出された組成物が貼り合わ
せ体の全面または一部に塗布される。
【0043】被貼り合わせ体がディスクである場合に
は、カチオン型紫外線硬化性組成物の塗布をリング状に
行う方法を採用すればよい。この場合、好ましくは、例
えばノズルから滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物
に紫外線を照射する方法を採用すると共に、第1の被貼
合せ体を回転させつつカチオン型紫外線硬化性組成物を
滴下させればリング状に塗布することができる。組成物
のリング状の塗布は、ディスクに対して同心に行うのが
好ましい。
【0044】前記リング状塗布において、ディスク円周
方向の塗布精度向上を図るためには、予め体積計量した
カチオン型紫外線硬化性組成物(接着剤)の所定量を吐
出させる際に、電気式動力、例えばACサーボモータを
駆動用動力源として用いれば、圧縮空気を駆動用動力源
とするよりも精度の高い塗布が可能となるばかりでな
く、塗布する速度や量も容易に調節しやすい。
【0045】第1の貼り合わせ体と第2の貼り合わせ体
の少なくとも何れか一方に、体積計量され紫外線照射さ
れたカチオン型紫外線硬化性組成物が塗布されると、次
いで、第1と第2の被貼り合わせ体は互いに重ね合わさ
れて、塗布が全面になされていない場合には、部分的に
塗布されていたカチオン型紫外線硬化性組成物が展延さ
れる。
【0046】被貼り合わせ体がディスクの場合には、例
えばリング状にカチオン型紫外線硬化性組成物を塗布し
た後に、第2の被貼合せ体を重ね合わせる。この重ね合
わせ体を放置すると、上方に位置する被貼合せ体の自重
または適当な荷重で押圧することによりリング状であっ
たカチオン型紫外線硬化性組成物が展延し、被貼合せ体
全面に行き渡る。この展延の過程で、変形・ずれが生じ
てしまうと、その後強制的に変形・ずれを修復しようと
しても、それは極めて困難な作業となるので、展延工程
は静置平坦面の上で行うのが望ましい。つまり、振動、
揺れが排除された平坦面で展延工程を行うことにより、
展延が終了した時点での変形・ずれを最小限に抑え、そ
の結果硬化後に貼合せ体に生ずる反り角を抑制する。こ
れはカチオン型紫外線硬化性組成物が2枚の被貼り合わ
せ体間全体に展延しつつある時のディスク載置面形状
が、硬化後の貼り合わせ体形状に強い影響力を持つこと
に由来している。
【0047】カチオン型紫外線硬化性組成物を硬化させ
た後の接着層厚さは特に制限されないが、通常15〜6
0μm、好ましくは20〜55μmとなる様にする。
【0048】本発明において、カチオン型紫外線硬化性
組成物を予め体積計量する場合、カチオン型紫外線硬化
性組成物の比重、硬化収縮率、接合面積、及び接着層の
厚さとを勘案して実施すればよい。
【0049】DVDの製造を考えた場合、被貼合せ体で
あるディスク基板が0.6mmと薄く、かつ剛性の低い
ポリカーボネートから構成されているため、このディス
ク基板が自重により変形しない程度の剛性を有する部材
から構成される平坦面上で展延工程を行うことが必要で
ある。このような平坦面を準備すること自体は容易では
あるが、実際の製造ラインの制約されたスペースでこれ
を実現することは困難である。大量生産されるDVDを
1枚づつ静置する広い面積の平坦面を準備することは現
実的ではないからである。
【0050】大量生産されるDVDにおいて、展延工程
を制約されたスペースで行うことを考えると、複数枚を
積み重ねた状態で展延する手法を採用すべきである。つ
まり、カチオン型紫外線硬化性組成物を介して重ね合わ
された後のディスクを静置平坦面上に順次積み重ね、そ
の状態で展延を行う方法である。ただし、単純に積み重
ねたのでは、以下の理由により、変形・ずれが生じてし
まう。
【0051】DVDにはクランピングエリアの外周にリ
ング状の凸部(リング状凸部)が形成されたタイプのも
のがある。この凸部はDVD外面に存在するから、これ
を積み重ねていくと、上下のリング状凸部同士が接触す
るため、ディスク面同士の接触ができないことになる。
したがって、積み重ねて展延を行っている間に、剛性の
低いDVDは自重、さらにはその上に積み重ねられてい
るDVDの重量により傘状に変形、つまり反りが生じる
ことになる。
【0052】DVDには凸状リングが形成されていない
タイプもあり、その場合には凸状リングの存在を理由と
する変形は生じない。しかし、積み重ね枚数が多くなれ
ば、微小な変形が蓄積され、積み重ね上層に位置するD
VDの変形は製品仕様上無視できないものとなるおそれ
があるので、積み重ねられるディスクの間に平坦面を有
する剛体ディスクを介在させるのが望ましい。凸状リン
グが形成されていないタイプのDVDを対象とする場合
には、単純な平坦面を有する剛体ディスクとすればよい
が、凸状リングが形成されたDVDの場合には、剛体デ
ィスクを凸状リングと干渉しないような形状、例えばリ
ング状凸部に対応する部分にリング状溝を形成するとい
った配慮が必要である。この場合、平坦面の平坦度は、
反りが所定の値に収まる範囲内であれば特に限定されな
い。展延の条件等に応じて実験的に定めればよい。ま
た、平坦面はその全面が連続した平面である必要はな
く、所期の目的を達成できるものであれば、間歇的な平
面であっても構わない。例えば、径の異なるリング状部
材を同軸上に配置したものであっても構わない。
【0053】前記剛体ディスクの材質は、その目的を達
成できるものであれば、特に限定されるものではない。
ただし、製造ラインにおいて、積み重ねられたDVD
は、他の場所に搬送されることも想定されるため、その
搬送の便宜のためには軽量であるほうが望ましい。もっ
とも、一般に比重の小さい材料ほど剛性が低いため、剛
体ディスクとしての目的を達成するためには、相当の厚
さが必要となる。例えば、DVDのディスク基板と同材
質のポリカーボネートを用いることもできる。この場
合、剛性を十分持つようにその厚さを決定する必要があ
る。剛体ディスクとして金属材料を用いることもでき、
その場合比重の小さいアルミニウム、チタンが好適であ
る。
【0054】本発明の貼り合わせに使用されるカチオン
型紫外線硬化性組成物の粘度は、紫外線照射前の25℃に
おいて100〜1000 mPa・sの範囲にあることが望ましい。
【0055】本発明では、好適にはカチオン型紫外線硬
化性樹脂(エポキシ樹脂)とカチオン重合型光開始剤と
からなるカチオン型紫外線硬化性組成物を用いる。同組
成物は、紫外線照射とほぼ同時に硬化度合いが実質的に
直ちに飽和する(即硬化するという意味で即効性とい
う)通常の紫外線硬化性組成物と異なり、紫外線照射直
後直ちには硬化度合いが飽和せず、所定時間経過してか
ら硬化度合いが実質的に飽和する(遅効性という)。す
なわち、紫外線照射時から硬化度合いが飽和するまであ
る程度の時間がある(ポットライフがある)。カチオン
型紫外線硬化性樹脂とカチオン重合型光開始剤を必須成
分として含むカチオン型紫外線硬化性組成物は、被ディ
スク基板への滴下が容易な点で、実質的に無溶媒の液状
とするのが好ましい。組成物自体およびそれの硬化した
接着層がいずれも透明となるように組成を選択するのが
より好ましい。
【0056】組成物の粘度は、通常25℃において50
〜10000mPas、好ましくは100〜1000m
Pasとなる様にする。なお、紫外線照射終了から硬化
度合いが飽和するまでの時間や飽和硬化度の絶対値は、
カチオン型紫外線硬化性樹脂、同樹脂と併用するカチオ
ン重合型光開始剤の各々種類とそれらの重量割合により
調整されるが、例えば3〜30分、好ましくは5〜25
分、より好ましくは5〜15分、特に好ましくは5〜1
0分となる様に調整される。
【0057】カチオン型紫外線硬化性組成物としては公
知のすべての組成物を用いることができ、カチオン重合
型の光開始剤を含むエポキシ樹脂がこれに該当する。カ
チオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨ
ードニウム塩およびジアゾニウム塩等がある。
【0058】ヨードニウム塩の1例を示すと以下の通り
である。ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホス
フェード、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロア
ンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオ
ロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェ
ニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビ
ス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロ
アンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウ
ム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニ
ル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチル
エチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフ
ェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチ
ル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネ
ート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)
フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−
メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨ
ードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、なとが掲げられる。
【0059】エポキシ樹脂は、ビスフェノールA−エピ
クロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、
臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジ
ルエーテル型、複素環式系等種々のものがいずれであっ
てもかまわない。好適な具体例として、大日本インキ化
学工業(株)製のエピクロン850S、(株)ナガセ化
成工業製のディコナールEX−313,314,32
1,421,512,521がある。
【0060】このエポキシ樹脂としては、例えばDVD
−RAMを得るにあたっては、紫外線をほとんど反射す
る金属膜からなる情報記録層の経時変質を極力防止する
ため、遊離したフリーの塩素および塩素イオン含有率
が、零または極力零に近いものを用いるのが好ましい。
塩素の量が1重量%以下、望ましくは0.5重量%以下
とすることが推奨される。
【0061】カチオン型紫外線硬化性樹脂とカチオン重
合型光開始剤の重合割合は、上記に基づいて選択できる
が、通常、カチオン型紫外線硬化性樹脂100重量部当
たり0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部
である。
【0062】なお、紫外線光源の波長域の近紫外領域や
可視領域の波長をより有効に利用するため、例えば公知
慣用の光増感剤を併用することができる。この際の光増
感剤としては、例えばアントラセン、フェノチアジン、
ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、アセトフェ
ノン等が挙げられる。
【0063】2枚のディスク基板をカチオン型紫外線硬
化性組成物を介して重ね合わせるには以下のような方法
を採用することが望ましい。すなわち、一方のディスク
基板上に予め紫外線照射されたカチオン型紫外線硬化性
組成物をリング状に塗布し、その後他方のディスク基板
を重ね合わせるに際し、2枚のディスク基板を当初から
平行にして重ね合せるのではなく、当初は傾斜させた状
態で重ね合せ、その後徐々に2枚のディスク基板を所望
の距離まで接近、平行状態とすることが推奨される。こ
のようにすることにより、2枚のディスク基板を当初か
ら平行状態として重ね合わせる方法に比べて、気泡の巻
き込みを減少させることができる。また、2枚のディス
ク基板間の間隙を小さくする際に、1秒間にミクロン単
位で接近するように制御すること、さらに接近が間欠的
に行われることが望ましい。
【0064】以上の動作を実施させる重ね合わせ手段と
しては公知公用の機構を用いればよい。
【0065】カチオン型紫外線硬化性組成物が展延した
のちに樹脂が完全に硬化するまで放置してもよいが、生
産性を考慮すると他の場所に搬送等を行いたい。展延直
後からしばらくの間はカチオン型紫外線硬化性組成物は
未硬化の状態のため、相当慎重に搬送しない限り2つの
ディスク基板が相対的にずれてしまう。また、重ね合わ
せ体であるディスクの外周端面からはみ出したカチオン
型紫外線硬化性組成物がべとついて、取扱い性が悪いと
いう問題もある。
【0066】この点について検討したところ、カチオン
型紫外線硬化性組成物といえども、一定以上の照度を持
つ紫外線を短時間照射すると、硬化がきわめて促進する
ことを知見した。そして、一定以上の照度を持つ紫外線
を短時間照射する手段として、フラッシュランプを用い
た閃光照射が有効であること確認した。この際の紫外線
照射は、被貼合せ体表面ではなく、外周端面に集中する
ように行えばよい。端面に集中して照射する場合には、
ランプ光源からの熱に起因する悪影響はほとんど問題と
ならない。したがって、本発明においては、カチオン型
紫外線硬化性組成物を展延した後に、紫外線を閃光的に
端面に向けて照射することが望ましい。この閃光照射に
より、2つの被貼合せ体端面部のカチオン型紫外線硬化
性組成物は早期に硬化し、べとつきの問題が解消される
とともに、搬送時のずれを防止することができる。
【0067】上記した効果は、カチオン重合型開始剤の
みでも発現するが、それに光増感剤を併用しても発現
し、この作用により硬化促進硬化はより向上しえる。
【0068】紫外線の閃光は1回でも良いが、2回以上
としてもかまわない。閃光的に紫外線照射を行うに当た
っては、例えば、紫外線光源ランプと閃光式放電機構と
を含む発光装置を用いることができる。
【0069】本発明に使用する紫外線光源は、閃光式に
かつ繰り返し発光をさせることができるものが挙げられ
る。ランプとしては、例えばクセノンランプ、クセノン
−水銀ランプ、メタルハライドランプなどの各種ランプ
を用いることができるが、繰り返し発光に耐え得る耐久
性に優れたものを用いるのが好ましい。
【0070】前記ランプを閃光的に発光させるための閃
光式放電機構としては、例えば電荷を蓄積するためのコ
ンデンサ、放電時の電流波形を制御するためのコイルお
よび前記ランプ電極とを直列に接続した回路を用いるこ
とができる。
【0071】以上のように紫外線を照射する方法の他
に、所定温度に加温する方法もある。この加温する手法
は、紫外線照射の場合に必要な設備に比べて安価な設備
で足りるので、生産コスト低減のために有効である。加
温の温度については、ディスク基板を構成する材料、カ
チオン型紫外線硬化性組成物に応じて適宜定める必要が
あるが、DVDの場合には70℃を超えるとディスク基
板に熱応力による変形が生ずるおそれがあるため、70
℃以下とすることが望ましい。また、カチオン型紫外線
硬化性組成物の硬化促進のためには、40℃以上の加温
温度とすることが望ましい。
【0072】前記滴下手段、例えばノズルは、カチオン
型紫外線硬化性組成物を吐出させるためのスリットが単
一である場合に限らず、複数設けることもできる。この
ようにすれば、カチオン型紫外線硬化性組成物の滴下量
を調節することができる。ノズルに紫外線が照射されつ
づけると、カチオン型紫外線硬化性組成物が硬化してノ
ズルを閉塞させることになる。したがって、ノズルには
紫外線が照射されないように配慮する必要がある。具体
的には、紫外線の照射を遮るカバーをノズル周囲に設け
ることが考えられる。
【0073】
【発明の実施形態】以下本発明の実施の形態をDVDの
製造を例にして図面を参照しつつ説明する。なお、図1
は本実施の形態を実施する装置構成を示す平面図、図2
はカチオン型紫外線硬化性組成物を塗布する前に体積計
量して塗布する方法を表す図、図3はカチオン型紫外線
硬化性組成物に紫外線を照射しつつディスク基板へ滴
下、塗布する方法を示す図、図4は2枚のディスク基板
を重ね合わせる方法を説明するための図、図5は重ね合
わせた後に軸心合わせを行いつつ搬送する装置を示す
図、図6は展延工程を説明するための図、図7は端面処
理工程を説明するための図である。
【0074】まず、図1に基づき、本実施の形態による
DVD製造工程の概略を説明する。ストックエリアA1
から第1のディスク基板1aを塗布ステージBに供給す
る。つまり、実線と点線との間で揺動旋回するアーム2
1を備えた搬送装置2により、塗布ステージBの回転テ
ーブル3上の供給位置B1に移載する。供給位置B1に
供給された第1のディスク基板1aは、回転テーブル3
が図中矢印方向に回転することにより塗布位置B2に移
動する。
【0075】塗布位置B2にある第1のディスク基板1
a上に、滴下照射装置4により紫外線が照射されたカチ
オン型紫外線硬化性組成物をリング状に滴下、塗布す
る。カチオン型紫外線硬化性組成物の塗布が終了する
と、第1のディスク基板1aが搬送位置B3に移動する
まで回転テーブル3が図中矢印方向に回転する。搬送位
置B3の第1のディスク基板1aは、搬送装置2のアー
ム21により、重ね合わせステージCの反転手段5に搬
送される。
【0076】重ね合わせステージCには、ディスク基板
ストックエリアA2から搬送手段2により搬送された第
2のディスク基板1bが待機しており、この待機してい
る第2のディスク基板1b上に反転手段5により第1の
ディスク基板1aを重ね合わせる。勿論、2枚のディス
ク基板はカチオン型紫外線硬化性組成物を介して重ね合
わされる。なお、重ね合わされたものを、以下単にディ
スクと称する。
【0077】ディスク10は、軸心合わせ搬送装置6に
より搬送路9に沿って展延ステージDに搬送される。展
延処理は、複数枚のディスク10を積み重ねた状態で行
われる。これは、前述の通り、限られたスペースで展延
処理を実現するためである。ただし、単にディスク10
を積み重ねただけでは、ディスクに変形・ずれが生じて
しまうため、ディスクが展延処理ステージに搬送される
と当該ディスク上に剛体ディスク8を剛体ディスク搬送
手段7により載置する。そして、その剛体ディスク8上
に次のディスクを搬送、載置する。従って、各ディスク
10間には剛体ディスク8が存在することになる。
【0078】所定時間の展延処理が終了すると、端面処
理ステージEへ搬送される。端面処理とは以下のことを
目的とする処理である。ディスク10の貼合せ面から外
部に露出しているカチオン型紫外線硬化性組成物は硬化
が遅れるため、ディスクハンドリング上支障を来す。そ
こで、この端面に紫外線を照射する、あるいはディスク
を加温する等の手段により、カチオン型紫外線硬化性組
成物の硬化を促進しようというものである。
【0079】端面処理が終了すると、搬送装置2によ
り、ディスク10は検査ステージFへ、剛体ディスク8
は剛体ディスクストックエリアA3に回収される。
【0080】以上が本実施の形態の全体的な流れである
が、以下、カチオン型紫外線硬化性組成物の滴下照射、
ディスク基板の重ね合わせ、軸心合わせ搬送、展延処
理、端面処理について、各々具体例を説明する。
【0081】図2にカチオン型紫外線硬化性組成物を体
積的に計量してから塗布する方法を示す。図2におい
て、100は塗布装置、80は塗布装置を固定する台
座、81は塗布装置のシリンダ部、84は動力源(モー
ター)である。90はシリンダ部と一体化され前記モー
ターが取り付けられる支柱である。82は上下に往復運
動可能なピストン、83はカチオン型紫外線硬化性組成
物が上方に漏洩しないように封止するためのオーリング
である。87はカチオン型紫外線硬化性組成物を貯蔵す
るタンク、88は液体状態のカチオン型紫外線硬化性組
成物、89は塗布装置に液体であるカチオン型紫外線硬
化性組成物を導く配管である。
【0082】85はカチオン型紫外線硬化性組成物を吸
入する時に開放される吸入弁であり、85cを起点にし
て弁が開いた状態を85b、及び、85cを起点にして弁
が閉じた状態を85bが示す。
【0083】86はカチオン型紫外線硬化性組成物を吐
出する時に開放される吐出弁であり、86cを起点にし
て弁が開いた状態を86b、及び、86cを起点にして弁
が閉じた状態を85aが示す。
【0084】吸入弁85、吐出弁86共に、図示しない
バネの力によって常に閉じた状態を維持するような機構
を持っている。
【0085】カチオン型紫外線硬化性組成物のシリンダ
81内への吸入は、当初Z2の位置にあった塗布装置のピ
ストン82のカチオン型紫外線硬化性組成物と接する面
(接液面)を、モータ84を作用させることによってZ1
の位置に移動させることによって達成される。この吸入
動作において、吸入弁85は図示しないバネの力によっ
て閉じた位置85aの位置を保とうとするが、ピストン
の駆動力がこれに勝るために開放されて、カチオン型紫
外線硬化性組成物が貯蔵タンク87の側から誘導され
る。一方、吐出弁86は、図示しないバネの力によって
閉じた状態を維持されるので、吸入動作時に液漏れ(吐
出)を起こすことはない。
【0086】次に、カチオン型紫外線硬化性組成物の吐
出は、当初Z1にあった塗布装置のピストン82のカチ
オン型紫外線硬化性組成物と接する面(接液面)を、モ
ータ84を作用させることによりZ2の位置に移動させる
ことによって達成される。この吐出動作において、吸入
弁85は閉じた位置85aの位置にあるため、貯蔵タン
クの方向に向かっての逆流が阻止される。一方、吐出面
86は、図示しないバネの力によって閉じた状態を維持
するように働くが、ピストンの駆動力がこれに勝るため
に開放された86bの状態が実現される。
【0087】以上のように動作するカチオン型紫外線硬
化性組成物の塗布装置において、塗布量(体積)は、シ
リンダー81の断面積と、ピストン82の前記接液面の
水頭差(Z1-Z2)との積によって決定されるので、Z1とZ
2とを予め設定した動作によって、体積計量されたカチ
オン型紫外線硬化性組成物の塗布を実現することができ
る。
【0088】図3に紫外線を照射しつつディスク基板へ
カチオン型紫外線硬化性組成物を滴下する装置の構成を
示す。図3において、41はカチオン型紫外線硬化性組
成物を滴下するためのディスペンサ(ノズル)、42は
紫外線照射手段、43は内面に反射板を有する筐体、4
4はディスク基板載置テーブルである。
【0089】紫外線照射手段42としてはフュージョン
社製の紫外線照射装置I250型、Dバルブ(発光長約
25cm)を用いた。また、ディスク基板載置テーブル
44は不図示のモータにより回転可能とされている。な
お、紫外線照射手段42と滴下するカチオン型紫外線硬
化性組成物との距離は50mmとし、また、紫外線照射手
段42と滴下するカチオン型紫外線硬化性組成物の周囲
を内面が反射板で構成された筐体43で取囲み、紫外線
照射の均一性向上を図っている。また、筐体43には図
中矢印方向に移動するシャッタ43aを設けてある。
【0090】カチオン型紫外線硬化性組成物45を滴下
している間に紫外線照射手段42を発光させることによ
りカチオン型紫外線硬化性組成物に紫外線を照射する。
この間にディスク基板載置テーブル44を回転するの
で、カチオン型紫外線硬化性組成物は第1のディスク基
板1aにリング状に塗布されることになる。なお、第1
のディスク基板1aのリング状凸部は省略している。所
定量のカチオン型紫外線硬化性組成物の滴下が終了する
と、シャッタ43aを図中左方向に作動させることによ
り、カチオン型紫外線硬化性組成物が通過する孔を閉じ
る。そして、次にカチオン型紫外線硬化性組成物を滴下
すべき第1のディスク基板1aが移動してきたならば、
シャッタ43aを図の状態に作動させて、カチオン型紫
外線硬化性組成物の滴下を再開する。カチオン型紫外線
硬化性組成物を滴下しない間も紫外線照射手段42によ
り発光は連続的に行われているため、シャッタ43aの
開閉を行うことにより、ディスペンサ41への紫外線照
射を防ぎ、その閉塞を防止する。
【0091】次に、2枚のディスク基板の重ね合わせに
ついて図4に基づき説明する。図4において、重ね合わ
せ装置5は、一対のディスク基板保持テーブル51、5
2、このテーブル51、52をつなぐヒンジ53、図示
しない真空ポンプに接続された吸引路54により構成さ
れている。
【0092】図4(a)に示すように、ディスク基板保
持テーブル51にはリング状にカチオン型紫外線硬化性
組成物45が塗布された第1のディスク基板1aが、ま
た、ディスク基板保持テーブル52には第2のディスク
基板1bが載置される。不図示の真空ポンプを駆動する
ことにより、吸引路54を介して第1および第2のディ
スク基板1a、1bは各々ディスク基板保持テーブル5
1、52に吸着される。そして、図4(a)の状態から
ディスク基板保持テーブル51をヒンジ53を中心とし
て高速で回転する。図4(b)の状態までディスク基板
保持テーブル51がディスク基板保持テーブル52に接
近したならば、回転速度を減速し、その後は1秒間にミ
クロン単位の速度で両ディスクが接近するよう制御す
る。そして、第1および第2のディスク基板1a、1b
の間隔が所期の値となると接近は停止するととも、真空
ポンプの駆動を停止する。
【0093】重ね合わせられたディスク10は、軸心合
わせ搬送装置6により次の展延ステージDに搬送され
る。
【0094】軸心合わせ搬送装置6の主要部およびその
作用を図5に示す。図5に示すように、軸心合わせ搬送
装置6は、エア流通路64と、その先端に設けられた円
盤状の真空吸着部62と、真空吸着部62の下面中央部
から突出する円柱状のエアピッカ63により構成され
る。エアピッカ63はゴム製であり、内部は中空となっ
ている。また、エア流通路64の供給路64aは図示し
ないエア供給手段に連通し、吸引路64bは不図示の真
空ポンプに連通している。エアピッカ63の中空部分に
供給路64aを介してエアを供給することでその径を変
化させることができる。また、軸心合わせ搬送装置6
は、図1の搬送路9を往復動可能に配置されている。
【0095】軸心合わせ搬送装置6は、重ね合わされた
ディスク10に対して図5(b)のように真空吸着部6
2が接触すると真空吸引する。次に、ディスク10の孔
部10aより小径となっているエアピッカ63内にエア
を供給するとその径が拡大し図5(c)に示すようにデ
ィスク10の孔部10aを内側から一様に押圧する。こ
れにより、第1のディスク基板1aと第2のディスク基
板1bとの軸心がずれていたとしても、その軸心を合わ
せることができる。このままの状態で軸心合わせ搬送装
置6を搬送路9に沿って展延ステージDまで移動させる
ことにより、展延ステージDに搬送されたディスク10
のディスク基板1a、1bの軸心は合っている。
【0096】展延ステージDに搬送されたディスク10
は、以下のようにして展延処理される。図6において、
70は基台、71は基台70に立設するスピンドル、7
2はスピンドル71に沿って昇降する昇降台である。軸
心合わせ搬送装置6により最初に搬送されたディスク1
0は、予め昇降台70上に配置されている剛体ディスク
8上に載置される。この段階では、カチオン型紫外線硬
化性組成物は、2枚のディスク基板間の全面には展延し
ていない。次いで、昇降台72をスピンドルの先端が該
ディスク10より突出するまで下降させた後、該ディス
ク10の上に次の剛体ディスク8を載置する。そして昇
降台72を同様に下降させた後、次に搬送されたディス
ク10を載置する。以上のようにして所定枚数のディス
ク10を積み重ねた後、所定時間経過するまで放置す
る。この間に、2枚のディスク基板間の全面にカチオン
型紫外線硬化性組成物は行き渡り、展延処理が終了す
る。
【0097】剛体ディスク8は、厚さ2mmのAl製デ
ィスクであり、ディスク10のリング状突起10bとの
干渉を避けるためのリング状溝8bを形成している。剛
体ディスク8の外径は、ディスク10の外径よりも小さ
く設定してある。これは、ディスク10を構成するディ
スク基板の外周縁部に射出成形に起因するカエリが発生
していることがあり、このカエリと剛体ディスク8との
干渉を回避するためである。
【0098】展延終了後には端面処理を行う。端面処理
としては前述のように、紫外線を照射する方法と加温処
理をする方法がある。図7に前者の具体例を示す。すな
わち、展延処理が終了した後、積み重ねられたままの状
態でディスク10を回転させつつ紫外線照射手段73か
ら紫外線を照射する。紫外線の照射は連続的な照射、閃
光的な照射のいずれであっても構わない。また、ディス
ク10、紫外線照射手段73の周囲を反射板で取り囲む
ことが望ましい。なお、図7では剛体ディスク8の記載
およびディスク10のリング状突起10bの記載は省略
してある。加温処理は、展延処理後積み重ねられた状態
のディスクを、ヒータあるいはその他の加熱手段を有す
る恒温室内に所定時間保持すればよい。
【0099】カチオン型紫外線硬化性組成物は、空気中
の湿度による硬化阻害を受けやすく、空気中の湿気と接
している部分は硬化が遅れ、場合によっては硬化せずに
ねばねばした状態のままとなることがあるので、以上の
ように端面に紫外線照射するか、あるいは加温処理を施
すことはきわめて有効である。
【0100】
【実施例】次に、本発明による効果を確認するために行
った実験について説明する。使用したディスク基板は外
径120mm、内径15mmのポリカーボネート製基板
表面に80nmの厚さのAl膜を形成したDVD用のデ
ィスク基板と、貼り合わせた後に接着層厚さの評価が容
易できる、半透明なAu膜(680nmでの透過率が7
0%)を有するディスク基板を用意した。剛体ディスク
としては、旋盤加工により厚さ2mm、外径100m
m、内径15.2mmの純Al製中空ディスクを用意し
た。
【0101】また、カチオン型紫外線硬化性組成物は、
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル60部、
1,6−ヘキサンジオールジクリシジルエーテル(阪本
薬品(株)製の「16H−DGE」低塩素品、全塩素量
=0.2重量%)40部、光カチオン重合開始剤「RH
ODORSIL PHOTOINITIATOR207
4」(ローディア社製の4−メチルフェニル−4−(1
−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート)0.5部、シリ
コーンオイル「L7604」(日本ユニカー社製)0.
2部を60℃で1時間混合溶解したもので、その粘度は
226mPas(25℃)である。なお、前記水添ビス
フェノールAジグリシジルエーテルは、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル(大日本インキ化学工業(株)
製の「エピクロン850S」全塩素量=0.14重量
%)をルテニウム触媒存在下に、水素圧40kg/cm
2、温度40℃で7時間水添することにより得た。
【0102】公知公用の方法で製作された体積計量機能
を有する塗布装置100を用いて、前記カチオン型紫外
線硬化性組成物を前記ディスク基板上に、塗布量が0.
4gとなるようにリング状に滴下、塗布した。前記塗布
装置のシリンダ81の内が8mmであり、及び前記カチ
オン型紫外線硬化性組成物の比重は1.065であった
ので、前記塗布量を実現するための前記水頭差(Z1−
Z2)は0.48cmとなるようにモータ84を図示し
ない制御装置により動作した。
【0103】紫外線照射手段42としては、フュージョ
ン社製の紫外線照射装置I250型、Dバルブ(発光長
約25cm)を用い、最大出力の70%の出力で照射し
た。
【0104】塗布後、カチオン型紫外線硬化性組成物が
塗布されていないディスク基板を重ね合わせ、そのディ
スクを図2に示すように剛体ディスク8上に載置する。
上側に位置するディスク基板の自重により2枚のディス
ク基板間のカチオン型紫外線硬化性組成物は展延を開始
する。その上に剛体ディスク8を載置し、引き続き得ら
れたディスクを剛体ディスク8上に載置する。以下同様
の作業を繰り返して、60枚のディスクと剛体ディスク
を積み重ねた。
【0105】60枚目のディスクを積み重ねた後、24
℃の温度下で5分間放置し、その後図7に示すように紫
外線照射による端面処理を行った。ハロゲンヒータ73
としては、高効率な反射性能をもつゴールドミラー付き
のハロゲンヒータユニット(ウシオ電機株式会社製のI
HU−H01−00型)を用いた。加熱条件はハロゲン
ヒータユニット73をAC100Vの電圧で点灯させ、
ディスク10との距離を500mmとし、ヒータ点灯中
はスピンドル71を2回転/秒の速度で回転した。
【0106】環境温度によって接着層の平均膜厚がどの
ように変化するかを評価するために、同様の貼り合わせ
実験を、環境温度24℃と27℃とでそれぞれ実施し、
両者の差異を確認した。
【0107】端面処理の後には、何れの環境温度で作製
したディスクもディスク基板間のカチオン型紫外線硬化
性組成物はゲル化しており、端面のねばねばもほとんど
観察されなかった。また、3分後には2枚のディスク基
板を剥がしてカチオン型紫外線硬化性組成物の硬化、接
着状況を観察してみると、全体が一様に硬化しており、
未硬化部分はもちろん、気泡も観察されなかった。な
お、端面処理を行わなかったディスクについても硬化状
況を観察したが、重ね合わせ後10分を経過した後でも
ディスク端面のカチオン型紫外線硬化性組成物はねばね
ばした状態であった。
【0108】カチオン型紫外線硬化性組成物が完全に硬
化した後にディスクの反りと、接着層の平均膜厚とを評
価した。尚、平均膜厚を評価する場合は、前記Al膜を
形成したディスク基板と前記Auの半透明膜を形成した
ディスク基板を、上述と同様の方法で貼り合わせたディ
スクを用いた。反り評価は本発明者等が特開平10−3
20838号で開示した方法を用い、接着層厚さの評価
には、3次元中間層膜厚検査システムTMS-901型
(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた。結果を
表1に示す。
【0109】なお、積み重ね位置により反り角に大・小
が生ずるという傾向は認められなかった。
【0110】
【表1】
【0111】DVD−RAMの規格によれば、半径方向
の反り角は0.7°以下、円周方向の反り角は0.3°
以下であることが要求されているが、本実施例によれ
ば、不良品がでる可能性が殆どないことが分かる。
【0112】また、環境温度が変化しても、カチオン型
紫外線硬化性組成物の硬化によって形成される接着層の
平均膜厚は殆ど変化しないことが分かる。
【0113】次に比較例として、カチオン型紫外線硬化
性組成物を塗布する際に、体積計量機能を有していない
バルブ式の塗布装置を用いた貼り合わせディスクの評価
を行った。塗布装置としては米国EFD社のモデル15
00V(ノズル内径0.83mm)を用いて、塗布装置
以外は上述と同様の条件で貼り合わせを行い、環境温度
による変化を調べた(比較例1)。塗布量の設定は、2
4℃の環境温度時において0.4gになるように調節
し、それ以後の調節は一切行わずに貼り合わせを行っ
た。
【0114】結果を表2に示す。表2に示したように、
比較例においても反りによる不良品がでる可能性は殆ど
ないことが分かる。一方、接着層の平均膜厚は、環境温
度24℃で貼り合わせた場合が35.1μmであったの
に対し、環境温度が27℃で貼り合わせた場合では4
5.5μmにも増加しており、環境温度変化の影響が非
常に大きいことが分かる。
【0115】
【表2】
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、カチオン型紫外線硬化
性組成物に事前に紫外線を照射し、その後被貼合せ体に
て展延するので、被貼合せ体の表面に対して紫外線を直
接照射することなく貼合せを行うことができるので、貼
合せ後の変形を回避することができる。また、カチオン
型紫外線硬化性組成物を塗布する際に、塗布する量を予
め体積的に計量してから実施するので、環境温度が変化
しても塗布量が殆ど変化することがなく、接着層の平均
厚さが一定な歩留まりの高い貼り合わせ工程が実現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるディスク製造装置の1実施形態
を示す平面図である。
【図2】 実施形態で用いたカチオン型紫外線硬化性組
成物の塗布装置の構成を示す図である。
【図3】実施形態で用いたカチオン型紫外線硬化性組成
物の滴下照射装置の構成を示す図である。
【図4】 重ね合わせを説明するための図。
【図5】 軸心合わせを行いつつ搬送を行う装置の要部
を示す図である。
【図6】 ディスクと剛体ディスクを積み重ねた状態を
示す図である。
【図7】 ディスクを積み重ねたままで紫外線照射によ
り端面処理を行う状態を示す図である。
【符号の説明】
A1、A2・・・ディスク基板ストックエリア A3・・・剛体ディスクストックエリア B・・・塗布ステージ C・・・重ね合わせステージ D・・・展延ステージ E・・・端面処理ステージ F・・・検査ステージ 1a・・・第1のディスク基板 1b・・・第2のディスク基板 4・・・滴下照射手段 41・・・ノズル 42・・・紫外線照射手段 5・・・反転手段(重ね合わせ手段) 6・・・軸心合わせ搬送装置 7・・・剛体ディスク搬送手段 8・・・剛体ディスク 9・・・搬送路 10・・・ディスク 100・・・体積計量塗布装置 80・・・取り付け台 81・・・シリンダ 83・・・Oリング 84・・・モーター 85・・・吸入弁 86・・・吐出弁 87・・・貯蔵タンク 88・・・カチオン型紫外線硬化性組成物 89・・・配管 90・・・モータとシリンダを固定する支柱

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン型紫外線硬化性組成物を体積計量
    する工程と、体積計量されたカチオン型紫外線硬化性組
    成物に紫外線照射する工程と、体積計量され紫外線照射
    されたカチオン型紫外線硬化性組成物を第1の貼り合わ
    せ体と第2の貼り合わせ体の少なくとも何れか一方に塗
    布する工程と、第1と第2の被貼り合わせ体を互いに重
    ね合わせる工程と、カチオン型紫外線硬化性組成物を展
    延する工程とを具備することを特徴とする貼り合わせ方
    法。
  2. 【請求項2】被貼り合わせ体がディスクであり、塗布が
    リング状に行われることを特徴とする請求項1に記載の
    貼り合わせ方法。
  3. 【請求項3】体積計量された紫外線硬化性組成物の吐出
    が電気式動力で行われることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の貼り合わせ方法。
  4. 【請求項4】カチオン型紫外線硬化性組成物を体積計量
    する工程と、体積計量されたカチオン型紫外線硬化性組
    成物に紫外線照射する工程と、体積計量され紫外線照射
    されたカチオン型紫外線硬化性組成物を第1のディスク
    基板と第2のディスク基板の少なくとも何れか一方に塗
    布する工程と、第1と第2のディスク基板を互いに重ね
    合わせる工程と、カチオン型紫外線硬化性組成物を展延
    する工程とを具備することを特徴とする光ディスクの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095633A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Omron Corp 接着方法、接着構造、光学モジュールの製造方法および光学モジュール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095633A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Omron Corp 接着方法、接着構造、光学モジュールの製造方法および光学モジュール
US8575636B2 (en) 2008-10-16 2013-11-05 Omron Corporation Adhesion structure of light-transmitting member and light-blocking members, method of manufacturing optical module including light-transmitting member and light-blocking members, and optical module

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