JP2000336197A - ポリオレフィン系多孔質フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系多孔質フィルム

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JP2000336197A
JP2000336197A JP31929199A JP31929199A JP2000336197A JP 2000336197 A JP2000336197 A JP 2000336197A JP 31929199 A JP31929199 A JP 31929199A JP 31929199 A JP31929199 A JP 31929199A JP 2000336197 A JP2000336197 A JP 2000336197A
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polyolefin
calcium carbonate
porous film
carbonate particles
acid
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Nobuhiko Nakayama
信彦 中山
Masaji Enoguchi
政次 江野口
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、炭酸カルシウム粒子を使用して製造
されたポリオレフィン系多孔質フィルムであって、しか
も、肌に対する刺激性の低いポリオレフィン系多孔質フ
ィルムを開発することを目的とする。 【解決手段】炭素原子数が3〜6である鎖式カルボン酸
を表面処理した炭酸カルシウム粒子が分散されたポリオ
レフィン組成物よりなり、延伸により多孔化されたポリ
オレフィン系多孔質フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
多孔質フィルム及びその製造方法に関する。更に詳しく
は、本発明は、フィルムを多孔化させるための無機充填
材として炭酸カルシウム粒子が使用されているポリオレ
フィン系多孔質フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機充填材がその中に分散されたポリオ
レフィン組成物を溶融成形して得られたフィルムを延伸
処理して、該無機充填材とポリオレフィンとの間で界面
剥離を生じさせることにより多孔化し多孔質フィルムを
製造する方法は従来から知られている。そして、このよ
うな方法で得られたポリオレフィン系多孔質フィルム
は、良好な通気性及び透湿性を有する一方で、液不透過
性をも有するため、生理用ナプキン、紙おむつ等のバッ
クシートや使い捨て手術着のような医療用又は衛生用材
料として、或いは雨天用衣類、産業用資材等のようなそ
の他各種の材料として有効に使用されている。
【0003】しかして、このような多孔質フィルムの製
造方法に使用される無機充填材としては、種々の無機粒
子を使用することが知られているが、その中でも炭酸カ
ルシウム粒子は、分散性が良く、ポリオレフィンとの間
の界面剥離が生じ易いため均一な多孔構造が形成でき、
しかも、比較的安価でもあることから、有利に使用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、炭酸カルシ
ウムは水中懸濁液のpHが9を越えるほどの強い塩基性
化合物である。このような上記炭酸カルシウム粒子を使
用して製造した多孔質フィルムは、人体と接することが
多い用途においては、肌に刺激を与えるため、使用が制
限されることがあった。特に、生理用ナプキンは、肌に
直接接触させて使用されるため影響が大きく、そのバッ
クシートとしての使用には問題があった。従って、この
ような用途には、硫酸バリウム等のような中性化合物の
粒子を使用した多孔質フィルムを使用しなければならな
いが、該硫酸バリウム粒子は炭酸カルシウム粒子に比較
して分散性等の性状がやや劣る上、高価でもあるため、
今一歩満足できるものではなかった。
【0005】また、特開昭53−28644号公報に
は、無機充填剤の表面をエチレン性二重結合を有する重
合性有機単量体で被覆した活性充填剤とポリオレフィン
との組成物をポリオレフィンの融点より5〜30℃低い
温度で延伸することによって得られるポリオレフィン延
伸組成物が記載され、上記エチレン性二重結合を有する
重合性有機単量体としてアクリル酸等が例示され、さら
に上記無機充填剤として炭酸カルシウム及びその他種々
の化合物が例示されている。しかしながら、かかる技術
は、機械的強度に優れたモノフィラメントやテープ等の
ような幅細の成形体を得ることを目的とするものであ
り、多孔質フィルムを製造することを意図したものでは
ない。そのうえ、延伸温度も、高い強度を得るという目
的のために上記のような高温に設定されている。このよ
うな高温でシート状物を延伸した場合には、無機充填剤
とポリオレフィンとの間で界面剥離が生じ難いため多孔
質フィルムは製造できないものであった。
【0006】以上のような状況の下で、当業界において
は、炭酸カルシウム粒子を使用して製造されたポリオレ
フィン系多孔質フィルムであって、しかも、肌に対する
刺激性の低いポリオレフィン系多孔質フィルムを開発す
ることが望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を続けてきた結果、上記目的にかなうポリオレフィン系
多孔質フィルムを初めて開発するのに成功した。
【0008】斯くして、本発明によれば、炭酸カルシウ
ム粒子が分散されたポリオレフィン組成物よりなり、延
伸により多孔化されたポリオレフィン系多孔質フィルム
であって、厚生省告示第285号の生理用処理用品基準
における酸及びアルカリ試験による測定結果が中性を呈
することを特徴とするポリオレフィン系多孔質フィルム
が提供される。
【0009】このようなポリオレフィン多孔質フィルム
は、本発明の好ましい態様に従い、炭酸カルシウム粒子
として、炭素原子数が3〜6である鎖式カルボン酸で表
面処理されたものを使用することによって得られる。従
って、本発明によれば、また、このように表面処理され
た炭酸カルシウム粒子を使用して製造された上記ポリオ
レフィン系多孔質フィルムが提供される。
【0010】本発明によれば、さらに、こうした炭素原
子数3〜6の鎖式カルボン酸により表面処理された炭酸
カルシウム粒子が分散されたポリオレフィン組成物をシ
ート状に成形した後、少なくとも一軸方向に延伸するこ
とを特徴とする上記ポリオレフィン系多孔質フィルムの
製造方法も提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン系多孔質
フィルムは、炭酸カルシウム粒子が分散されたポリオレ
フィン組成物を延伸することにより多孔化されたポリオ
レフィン系多孔質フィルムでありながら、厚生省告示第
285号(昭和41年5月24日告示)の生理用処理用
品基準における酸及びアルカリ試験による測定結果が中
性を呈している。ここで、上記酸及びアルカリ試験は、
被測定サンプルを水に浸漬した時の浸液がフェノールフ
タレイン試液及びメチルオレンジ試液により呈色するか
どうかで、該被測定サンプルの酸性、中性及びアルカリ
性を評価する評価方法である。かかる酸及びアルカリの
試験において、ポリオレフィン系多孔質フィルムが中性
を呈しているかどうかは、具体的には次のようにして測
定される。
【0012】即ち、ポリオレフィン系多孔質フィルム1
0gに、新たに煮沸し、冷却した水100mlを加えて
冷浸する。本発明において、この冷浸は、20℃の温度
下で5分間浸漬する条件で行う。次いで、この浸液25
mlを採り、これにフェノールフタレイン試液3滴を添
加して紅色を呈しないことの確認を行い、さらに浸液2
5mlを別に採り、これにメチルオレンジ試液を1滴を
添加して赤色を呈しないことの確認を行う方法である。
【0013】上記酸及びアルカリ試験において中性と測
定される、フェノールフタレイン試液により紅色に呈色
せず、且つメチルオレンジ試液によって赤色に呈色しな
いようなpHの範囲は、4.4〜8.3の範囲に相当す
る。
【0014】このような性状を有する本発明のポリオレ
フィン系多孔質フィルムは、炭酸カルシウム粒子とし
て、炭素原子数が3〜6である鎖式カルボン酸で表面処
理されたものを使用することにより得ることができる。
ここで、上記表面処理に供する炭酸カルシウム粒子とし
ては、重質炭酸カルシウム粒子及び軽質炭酸カルシウム
粒子のいずれもが制限なく使用できる。また、その平均
粒子径は、通常、0.1〜50μmであり、好適には
0.5〜10μmである。炭酸カルシウム粒子の平均粒
子径が50μmより大きい場合には、延伸後のフィルム
に発現する最大細孔径が大きくなり、孔の緻密性が低下
する傾向がある。他方、平均粒子径が0.1μmより小
さい場合には、分散不良により、フィルムの成形性が不
良になったり、延伸ムラを生じて均質な多孔質フィルム
が得られない傾向がある。
【0015】上記炭酸カルシウム粒子の表面に反応させ
る鎖式カルボン酸は、炭素原子数が3〜6のものであ
る。このような鎖式カルボン酸で炭酸カルシウム粒子の
表面を処理した場合、該表面で炭酸ガスを発生して中和
反応を生じ、鎖式カルボン酸のカルシウム塩が形成され
る。従って、炭酸カルシウム粒子の表面は、生成する鎖
式カルボン酸カルシウム塩により被覆され、塩基性の性
状が著しく弱められる。このように炭酸カルシウム粒子
の表面が鎖式カルボン酸のカルシウム塩で被覆されるこ
とにより、塩基性の性状が弱められる原因は定かではな
いが、該鎖式カルボン酸のカルシウム塩が水に浸漬され
た際、炭酸カルシウムより優先的に解離して、粒子内部
からの炭酸カルシウムの溶解を抑制するためではないか
と推定される。
【0016】しかも、かかる表面処理をされた炭酸カル
シウム粒子は、炭酸カルシウム粒子が本来有する優れた
分散性や界面剥離性を、あまり低下されることなく良好
に保持している。従って、該表面処理された炭酸カルシ
ウム粒子を使用することにより、良好な多孔質構造を有
し、前記したような酸及びアルカリ試験において中性を
呈する多孔質フィルムを得ることができる。
【0017】本発明において鎖式カルボン酸は、直鎖状
のものだけでなく、分岐鎖を有するものでも良く、ま
た、モノカルボン酸だけでなく、カルボキシル基を複数
有するものであっても良い。具体的には、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸等のような飽和一塩基
酸;コハク酸、アジピン酸等のような飽和二塩基酸;ア
クリル酸、メタクリル酸、ペンテン酸等のような不飽和
モノカルボン酸;及びマレイン酸等のような不飽和ジカ
ルボン酸等が挙げられる。
【0018】本発明において、より中性に近い多孔質フ
ィルムを得るためには、鎖式カルボン酸としてアクリル
酸、メタクリル酸、4−ペンテン酸等のような重合性不
飽和基を有する不飽和カルボン酸を使用するのが好まし
い。特に、アクリル酸又はメタクリル酸を使用するのが
好適である。このような不飽和カルボン酸を使用した場
合、表面処理及びポリオレフィンへの溶融混練時に、該
重合性不飽和基の重合反応が若干生じ、従って、鎖式カ
ルボン酸のカルシウム塩が、重合体として、網目状に炭
酸カルシウム粒子を強固に被覆し、結果として中性化の
効果が高まるものと推定される。
【0019】本発明において、鎖式カルボン酸を炭酸カ
ルシウム粒子の表面に反応させるには、通常、0〜10
0℃、好適には20〜80℃の温度下で、炭酸カルシウ
ム粒子の表面に鎖式カルボン酸を接触させればよい。鎖
式カルボン酸として不飽和カルボン酸を使用する場合、
処理温度が高いと、重合性不飽和基の過度の重合が生じ
て粒子の凝集が生じるおそれがあるため、処理温度は、
30〜60℃の温度であるのが特に好ましい。炭酸カル
シウム粒子の表面にこのように鎖式カルボン酸を接触さ
せることにより、該表面では中和反応が生じて炭酸ガス
が発生し、鎖式カルボン酸のカルシウム塩が生成する。
接触させるための方法としては、炭酸カルシウム粒子を
スーパーミキサー等で攪拌しながら鎖式カルボン酸をス
プレー噴霧する方法や、炭酸カルシウム粒子の懸濁液に
鎖式カルボン酸を配合して攪拌し乾燥する方法等が制限
なく挙げられる。
【0020】表面処理においては、鎖式カルボン酸は、
得られる表面処理された炭酸カルシウム粒子の水中10
%懸濁液25mlのpHが、フェエノールフタレイン試
液3滴の添加によって紅色を呈色せず、且つメチルオレ
ンジ試液1滴の添加によって赤色に呈色しない範囲、即
ち、4.4〜8.3の範囲となるような量で使用され
る。炭酸カルシウム粒子の表面に塩として固着する鎖式
カルボン酸の量は、使用する炭酸カルシウム粒子の粒子
径や使用する鎖式カルボン酸の種類によっても異なる
が、炭酸カルシウム粒子100重量部あたり、通常0.
1〜10重量部、好適には0.5〜5重量部の範囲であ
る。表面処理時間は、鎖式カルボン酸の種類や温度条件
により異なるが、通常10分〜12時間、好適には30
分〜5時間である。
【0021】なお、上記鎖式カルボン酸で表面処理され
た炭酸カルシウム粒子は、ポリオレフィンへの分散性が
多少低下することがあるので、そのような場合は、高級
脂肪酸又はその塩、界面活性剤等を配合するのが好まし
い。特に、炭素原子数8〜24、より好適には炭素原子
数10〜14の高級飽和脂肪酸又はその塩を配合するの
が好ましい。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸及びこれらの酸の塩類が例示される。これらの塩類を
構成する金属元素としては、周期律表第2族の元素(例
えば、Ca、Mg等)、周期律表第12族の元素(例え
ば、Zn等)、周期律表第13族の元素(例えば、Al
等)、周期律表第14族の元素(例えば、Pb、Sn
等)などが挙げられる。こうした高級飽和脂肪酸又はそ
の塩の配合量は、炭酸カルシウム粒子100重量部あた
り、通常0.1〜10重量部、より好適には0.5〜5
重量部である。
【0022】特に、分散性を高めるためには、前記炭素
原子数3〜6の鎖式カルボン酸により表面処理された表
面処理炭酸カルシウム粒子を、上記高級飽和脂肪酸又は
その塩でさらに二次表面処理することにより、該粒子の
表面を高級飽和脂肪酸又はその塩で被覆することが好ま
しい。上記高級飽和脂肪酸又はその塩による二次表面処
理は、上記炭素原子数3〜6の鎖式カルボン酸による表
面処理と同様の方法で行えば良い。高級飽和脂肪酸又は
その塩が固体状のものの場合は、スーパーミキサやヘン
シェルミキサー等のような混合機でドライブレンドする
ことにより炭酸カルシウム粒子と接触させるか、或いは
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、メタノール、エタノー
ル、トルエン、キシレン等のような有機溶媒による溶液
を炭酸カルシウム粒子にスプレー噴霧した後乾燥させれ
ばよい。
【0023】二次表面処理の処理温度は、通常0〜10
0℃、好適には20〜80℃である。鎖式カルボン酸と
して不飽和カルボン酸を使用して表面処理された炭酸カ
ルシウム粒子を二次表面処理する場合には、処理温度が
高いと、重合性不飽和基が粒子間で重合して粒子の凝集
を生じるおそれがあるため、該処理温度は、30〜60
℃の温度であることが特に好ましい。
【0024】上記処理温度で、操作性良く均一に表面処
理するためには、該処理温度下で液体である、ラウリン
酸、ステアリン酸等のような高級飽和脂肪酸を用い、ス
プレー噴霧により処理するのが好ましい。なお、これら
の高級飽和脂肪酸は、その塩に比べれば、分散性の改良
効果がやや劣る傾向がある。高級飽和脂肪酸を用いて所
望の分散性が得られない場合には、該高級飽和脂肪酸の
塩を前記処理量の範囲内で用いて、上記二次表面処理さ
れた炭酸カルシウム粒子の表面をドライブレンドにより
更に被覆すること、或いは、該高級飽和脂肪酸の塩を炭
酸カルシウム粒子とは別にポリオレフィンに配合するこ
と、が好ましい。鎖式カルボン酸で表面処理された炭酸
カルシウム粒子に、特に高い分散性改良効果を与える高
級飽和脂肪酸の塩は、亜鉛塩である。
【0025】本発明においてポリオレフィンとしては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ
−4−メチル−1−ペンテン等のようなα−オレフィン
の単独重合体、α−オレフィンとこれと共重合可能な多
のモノマーとの共重合体及びそれらの混合物等が挙げら
れる。高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン等のようなポリエチレンが好まし
い。α−オレフィンと共重合可能な他のモノマーは、特
に限定されず、公知のものが使用できるが、一般的には
炭素原子数2〜8のα−オレフィンが好適である。本発
明において、好適に使用できるポリオレフィンは、エチ
レンとα―オレフィンとの共重合体であり、具体的に
は、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
−1−ペンテン、オクテン−1等のような炭素原子数4
〜8のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。特
に、密度が0.910〜0.930である線状低密度ポ
リエチレンが好ましい。
【0026】本発明において、鎖式カルボン酸で表面処
理された炭酸カルシウム粒子とポリオレフィンとの配合
割合は、ポリオレフィンが20〜70重量%、好ましく
は30〜60重量%であり、炭酸カルシウム粒子が30
〜80重量%、好ましくは40〜70重量%である。炭
酸カルシウム粒子の配合量が、30重量%より少ない場
合には、フィルムの延伸時に多孔化が十分に生じなくな
るおそれがあり、他方、80重量%より多い場合には、
シート状に成形する際に成形不良を生じたり、延伸性が
低下するおそれがある。
【0027】本発明のポリオレフィン系多孔質フィルム
は、鎖式カルボン酸で表面処理された炭酸カルシウム粒
子が分散されたポリオレフィン組成物をシート状に成形
した後、少なくとも一軸方向に延伸することにより得ら
れる。なお、該表面処理された炭酸カルシウム粒子は、
前記表面処理の際に生じた粗大な凝集粒子を含んでいる
場合には、分級してこれらの粗大凝集粒子を除いてから
使用するのが好ましい。
【0028】ポリオレフィンと表面処理された炭酸カル
シウム粒子とを混合して該粒子がその中に分散されたポ
リオレフィン組成物を得るための方法は特に限定され
ず、公知の方法が採用できる。例えば、スーパーミキサ
ー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、高混練タイプ
の2軸押出機等でペレット化する方法が例示される。ま
た、上記混合に際し、常法にしたがって、酸化防止剤、
耐候剤、顔料、可塑剤、帯電防止剤等のような添加剤の
他、均一な延伸性を得るためにシリコンオイルやワック
ス等のような添加剤を配合しても良い。
【0029】このようにして得られたポリオレフィン組
成物をシート状物に成形するための方法も特に限定され
ないが、一般には、インフレーション成形法やT−ダイ
成形法が用いられる。
【0030】上記シート状物を延伸することにより、フ
ィルムを多孔化することができる。延伸方法としては、
通常の延伸方法が採用できる。一般には、ロール延伸法
による一軸延伸、1軸延伸後テンター延伸機等による逐
次2軸延伸、又は同時2軸延伸が採用されるが、特に2
軸延伸がフィルムの強度バランスの点から好ましい。
【0031】良好に多孔化するためには、延伸は、延伸
温度が20℃とポリオレフィンの融点より35℃低い温
度との間の温度で実施するのが好ましい。特に好適な延
伸温度は、30℃とポリオレフィンの融点より40℃低
い温度との間の温度である。本発明において、ポリオレ
フィンの融点は、示差走査型熱量計(DSC)により測
定した最大ピークの頂点位置の温度として測定される。
延伸温度が20℃より低い場合には、延伸負荷が上昇
し、均一延伸ができなくなり、他方、延伸温度が、ポリ
オレフィンの融点より35℃低い温度を越える場合に
は、表面処理された炭酸カルシウム粒子とポリオレフィ
ンとの界面剥離が生じ難くなり、良好な性状の多孔質フ
ィルムが得られなくなる。
【0032】延伸倍率は、上記延伸温度において、幅広
のシート状物を破断させずに良好に多孔化するために
は、面積倍率で通常1.1〜5倍、より好ましくは1.
3〜〜3.5倍である。面積倍率が1.1倍より小さい
場合には、均一に延伸できず、多孔化が起こり難い。他
方、面積倍率が5倍より大きい場合には、フィルムの破
断が生じ易くなり、かつ、フィルム強度が低下する傾向
がある。通常は、1軸方向に1.1〜3.5倍に延伸さ
れる。2軸延伸の場合には、さらに、該一軸方向に直交
する方向に上記面積倍率を超えない範囲で延伸するのが
好ましい。
【0033】かかる延伸により、フィルム中に分散され
ている炭酸カルシウム粒子の周辺にボイドが発生し、樹
脂がミクロなフィブリル状となり、多数の連通孔による
網状構造がフィルム中に形成される。
【0034】以上の方法により得られる本発明のポリオ
レフィン系多孔質フィルムは、通常10〜100μm、
好適には15〜50μmの厚さを有する。その空隙率は
10〜60%、好適には15〜40%であり、連通孔の
最大細孔径は、10μm以下、好適には5μm以下、特
に好適には2μm以下である。また、該多孔質フィルム
は、生理用ナプキンのバックシート等のような医療用又
は衛生用材料として用いられる場合には、500g/m
2・24hr以上、好適には1000〜6000g/m2
・24hr、特に好適には1500〜5500g/m2
・24hrの透湿度、5000秒/100cc以下、好
適には100〜4000秒/100cc、特に好適には
300〜3500秒/100ccの通気度を持つことが
必要である。さらに、耐水圧は、200kPa以上、好
適には10kPa以上であるのが好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系多孔質フィル
ムは、炭酸カルシウム粒子が充填剤として使用されてい
るにもかかわらず、酸及びアルカリ試験による測定結果
が中性を呈しており、人体に接することが多い用途に使
用されても、肌を刺激することがない。また、炭酸カル
シウム粒子を使用しているため安価に製造できる。そし
て、炭素原子数3〜6の鎖式カルボン酸により表面処理
された炭酸カルシウム粒子を用いて製造されたものは、
良好に微多孔化しており、高い透湿性や高い液不透過性
を有している。
【0036】従って、このような性質を有する本発明の
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、医療用材料、衛生
用材料、雨天用衣類、その他の人体に接するおそれがあ
る用具、産業用資材等のような各種材料に有効に使用で
き、特に生理用ナプキンのバックシートとして好適に使
用できる。
【0037】
【実施例】以下実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限され
るものではない。
【0038】本発明のポリオレフィン系多孔質フィルム
の物性は、以下の方法で測定した。 厚さ;JISK−6734に準拠し、ダイヤルゲージ
にて測定した。 空隙率;水銀ポロシメーター法により多孔質フィルム
の空孔容積を測定した。 最大細孔径;エタノールバブルポイント法により測定
した。 通気度;JIS P8117(ガーレ通気度)に従っ
て測定した。 透湿度;温度40℃及び相対湿度90%の条件下で、
JIS Z0208法に準拠して測定した。 耐水圧;JIS L1092B法に準拠して測定し
た。 浸液のpH;多孔質フィルムの10gを水100ml
中に20℃の温度下で5分間浸漬し、得られた浸液から
25mlの試料を採り、これにフェノールフタレイン試
液3滴を滴下して紅色を呈するかどうかを観察し、紅色
を呈した場合(アルカリ性)には×と記録し、紅色を呈
しなかった場合には○と記録した。次いで、浸液試料2
5mlを別に採り、これにメチルオレンジ試液を1滴滴
下して赤色を呈するかどうかを観察し、赤色を呈した場
合(酸性)には×と記録し、赤色を呈しなかった場合に
は○と記録した。また、上記浸液の実際のpHも、pH
計により測定した。 外観評価;ニコン社製万能投影機(PROFILE
PROJECTOR V−12)を用い、10cm×1
0cmのポリオレフィン系多孔質フィルムの下から光を
当てながら5倍の倍率で観察し、炭酸カルシウム粒子粗
大凝集物(粒子径50μm以上)の数を10回測定し、
その平均値を1m2当たりに換算することによって評価
した。 製造例1 平均粒子径1.2μmの重質炭酸カルシウム粒子100
重量部をスーパーミキサーに投入し、小口ノズルよりア
クリル酸2.0重量部を少量ずつ噴霧しながら、40℃
で1時間攪拌した。重質炭酸カルシウム粒子の表面処理
のためのこの操作中、重質炭酸カルシウム粒子の表面に
おいて、アクリル酸の中和による炭酸ガスが発生が観察
された。
【0039】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子の表
面組成を、フーリエ変換赤外分光器を用いて拡散反射法
にて測定した。また、比較として原料炭酸カルシウム粒
子の表面組成について、同様に測定した。両者のスペク
トルの差は、アクリル酸カルシウムから得られるスペク
トルと一致しており、このことから表面処理炭酸カルシ
ウム粒子の表面がアクリル酸カルシウムにより被覆され
ていることが確認できた。また、表面処理炭酸カルシウ
ム粒子と原料炭酸カルシウム粒子について、熱重量測定
を行った。その結果、原料炭酸カルシウム粒子では常温
から500℃まで実質的に重量変化がないのに対して、
表面処理炭酸カルシウム粒子では1.4%重量減少する
ことが確認できた。そして、この際の重量変化曲線は、
アクリル酸カルシウムの同測定における重量変化曲線と
同様な傾向であった。この重量変化量から、アクリル酸
の炭酸カルシウム粒子表面への反応率は約70%である
ことが確認できた。
【0040】また、得られた表面処理炭酸カルシウム粒
子の水中10%懸濁液のpHは7.2であった。 製造例2 製造例1と同様にして、重質炭酸カルシウム粒子100
重量部をアクリル酸2.0重量部で表面処理した後、得
られた炭酸カルシウム粒子を、さらにラウリン酸1重量
部で表面処理した。得られた表面処理炭酸カルシウム粒
子の水中10%懸濁液のpHは、7.2であった。 製造例3 製造例2において、ラウリン酸1重量部に代えてステア
リン酸1重量部を用いて表面処理したこと以外は、製造
例2と同様の処理をした。得られた表面処理炭酸カルシ
ウム粒子の水中10%懸濁液のpHは、7.2であっ
た。 製造例4 製造例2に従って得られたアクリル酸及びラウリン酸で
表面処理された重質炭酸カルシウム粒子を100重量部
採り、これにステアリン酸亜鉛1重量部をドライブレン
ドすることによって更に表面処理した。得られた表面処
理炭酸カルシウム粒子の水中10%懸濁液のpHは、
7.2であった。 製造例5 製造例1において、平均粒子径1.0μmの重質炭酸カ
ルシウム粒子を用い、アクリル酸に変えてn−吉草酸を
用いたこと以外は、製造例1と同様にして、n−吉草酸
で表面処理された重質炭酸カルシウム粒子を得た。操作
中、重質炭酸カルシウム粒子の表面において、n−吉草
酸の中和反応による炭酸ガスの発生が観察された。
【0041】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子は、
製造例1と同様の確認方法により、表面がn−吉草酸カ
ルシウムにより被覆されていることが確認された。ま
た、熱重量測定したところ、常温から500℃までの重
量変化は1.5%であり、このことから、n−吉草酸に
換算して約75%が表面に反応していることが確認でき
た。
【0042】上記操作後、1重量部のステアリン酸を用
いて、さらに表面処理を行った。
【0043】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子の水
中10%懸濁液のpHは、7.9であった。 製造例6 製造例1において、平均粒子径1.0μmの重質炭酸カ
ルシウム粒子を用い、アクリル酸に変えてメタクリル酸
を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、メタクリ
ル酸で表面処理された重質炭酸カルシウム粒子を得た。
操作中、重質炭酸カルシウム粒子の表面において、メタ
クリル酸の中和反応による炭酸ガスの発生が観察され
た。
【0044】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子は、
製造例1と同様の確認方法により、表面がメタクリル酸
カルシウムにより被覆されていることが確認された。ま
た、熱重量測定したところ、常温から500℃までの重
量変化が1.6%であり、このことからメタクリル酸に
換算して約80%が表面に反応していることが確認でき
た。
【0045】上記操作後、1重量部のステアリン酸を用
いて、さらに表面処理を行った。
【0046】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子の水
中10%懸濁液のpHは、8.2であった。 製造例7 製造例3において、重質炭酸カルシウム粒子表面へのア
クリル酸の処理量を1.0重量部としたこと以外は、製
造例3と同様に実施した。アクリル酸で処理した後に、
表面処理炭酸カルシウムを熱重量測定したところ、常温
から500℃までの重量変化が0.7%であり、このこ
とからアクリル酸に換算して約70%が表面に反応して
いることが確認できた。
【0047】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子の水
中10%懸濁液のpHは、7.7であった。 製造例8 製造例3において、重質炭酸カルシウム粒子表面へのア
クリル酸の処理量を4.0重量部としたこと以外は、製
造例3と同様に実施した。アクリル酸で処理した後に、
表面処理炭酸カルシウム粒子を熱重量測定したところ、
常温から500℃までの重量変化が2.0%であり、こ
のことからアクリル酸に換算して約50%が表面に反応
したことが確認できた。
【0048】得られた表面処理炭酸カルシウム粒子の水
中10%懸濁液のpHは、6.8であった。 比較製造例1 製造例1において、アクリル酸に代えてラウリン酸を用
いたこと以外は、製造例1と同様にして、ラウリン酸で
表面処理された重質炭酸カルシウム粒子を得た。上記操
作後、ステアリン酸1重量部を用いて、さらに表面処理
を行った。得られた表面処理炭酸カルシウム粒子の水中
10%懸濁液のpHは8.9であった。 実施例1 線状低密度ポリエチレン50重量%(商品名;出光PE
0234CL:融点125℃)に対し、製造例1で得ら
れた表面処理炭酸カルシウム粒子50重量%及び少量の
安定剤からなる組成物をスーパーミキサーにて混合した
後、50mm径の二軸押し出し機を用いて溶融混練し押
出すことによってペレットを得た。次いで、40mmT
−ダイ押し出し機にて、このペレットから40μmのシ
ート状物を成形し、延伸温度70℃で縦(MD)方向に
1.5倍及び横(TD)方向に1.3倍延伸することに
よって、厚さ30μmの多孔質フィルムを得た。得られ
た多孔質フィルムの性状を表1に示した。
【0049】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 実施例2 実施例1において、製造例2で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。
【0050】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して紙おむつを製造した。 実施例3 実施例1において、製造例3で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。
【0051】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 実施例4 実施例1において、製造例4で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。
【0052】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 実施例5 実施例1において、製造例5で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。
【0053】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 実施例6 実施例1において、製造例6で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。また、上記多孔質フィルムをバッ
クシートに使用して紙おむつを製造した。 実施例7 実施例1において、製造例7で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。
【0054】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 実施例8 実施例1において、製造例8で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの
性状を表1に示した。
【0055】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 実施例9及び10 実施例3において、線状低密度ポリエチレンと表面処理
炭酸カルシウム粒子との配合割合を表1に示すように6
0/40(実施例9)又は30/70(実施例10)に
変えたこと以外は、実施例3と同様にして多孔質フィル
ムを得た。得られた各多孔質フィルムの性状を表1に示
した。
【0056】また、各多孔質フィルムをバックシートに
使用して生理用ナプキンをそれぞれ製造した。 実施例11 実施例3において、押出成形された厚さ50μmのシー
ト状物を縦(MD)方向に2.0倍及び横(TD)方向
に1.5倍延伸することによって、厚さ30μmの多孔
質フィルムを得たこと以外は、実施例3と同様にして多
孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムの性状を
表1に示した。
【0057】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して紙おむつを製造した。 実施例12 実施例3において、延伸温度を88℃に変えたこと以外
は、実施例3と同様にして多孔質フィルムを得た。得ら
れた多孔質フィルムの性状を表1に示した。
【0058】また、上記多孔質フィルムをバックシート
に使用して生理用ナプキンを製造した。 比較例1 実施例1において、製造例1で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子に代えて、アクリル酸による表面処理がな
されていない炭酸カルシウム粒子を使用したこと以外
は、実施例1と同様にして多孔質フィルムを得た。得ら
れた多孔質フィルムの性状を表1に示した。 比較例2 実施例1において、製造例1で得られた表面処理炭酸カ
ルシウム粒子に代えて、比較製造例1で得られた表面処
理炭酸カルシウム粒子を使用したこと以外は、実施例1
と同様にして多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フ
ィルムの性状を表1に示した。 比較例3 実施例3において、延伸温度を100℃に変えたこと以
外は、実施例1と同様にして多孔質フィルムを得た。得
られた多孔質フィルムの性状を表1に示した。
【0059】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29C 55/02 B29C 55/02 67/20 67/20 B B29K 23:00 105:04 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F074 AA16 AA21 AC26 AD09 AF01 CA04 CA06 CC02Y DA53 4F210 AA03 AA08 AB11 AB16 AB19 AB28 AG01 AG20 QC05 QD13 QG01 QG18 4J002 BB031 BB051 BB121 BB171 DE236 FB236 GB00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸カルシウム粒子が分散されたポリオレ
    フィン組成物よりなり、延伸により多孔化されたポリオ
    レフィン系多孔質フィルムであって、厚生省告示第28
    5号の生理用処理用品基準における酸及びアルカリ試験
    による測定結果が中性を呈することを特徴とするポリオ
    レフィン系多孔質フィルム。
  2. 【請求項2】炭酸カルシウム粒子が、炭素原子数3〜6
    の鎖式カルボン酸により表面処理されたものである請求
    項1記載のポリオレフィン系多孔質フィルム。
  3. 【請求項3】炭素原子数が3〜6である鎖式カルボン酸
    が、不飽和カルボン酸である請求項2記載のポリオレフ
    ィン系多孔質フィルム。
  4. 【請求項4】ポリオレフィンと炭酸カルシウム粒子との
    配合割合が、ポリオレフィンが20〜70重量%であ
    り、炭酸カルシウム粒子が80〜30重量%である請求
    項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系多孔質フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】炭酸カルシウム粒子100重量部あたり、
    0.1〜10重量部の炭素原子数8〜24の高級飽和脂
    肪酸又はその塩が配合されたポリオレフィン組成物より
    なる請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系
    多孔質フィルム。
  6. 【請求項6】空隙率が10〜60%であり、連通孔の最
    大細孔径が5μm以下であり、透湿度が1000〜60
    00g/m2・24hrであり、通気度が100〜40
    00秒/100ccである請求項1〜5のいずれかに記
    載のポリオレフィン系多孔質フィルム。
  7. 【請求項7】炭素原子数3〜6の鎖式カルボン酸により
    表面処理された炭酸カルシウム粒子が分散されたポリオ
    レフィン組成物をシート状に成形した後、少なくとも一
    軸方向に延伸することを特徴とする請求項1記載のポリ
    オレフィン系多孔質フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】ポリオレフィン組成物が、炭酸カルシウム
    粒子100重量部あたり、0.1〜10重量部の炭素原
    子数8〜24の高級飽和脂肪酸又はその塩が配合された
    ものである請求項7記載のポリオレフィン系多孔質フィ
    ルムの製造方法。
  9. 【請求項9】ポリオレフィン組成物が、炭素原子数3〜
    6の鎖式カルボン酸により表面処理された後、さらに炭
    素原子数8〜24の高級飽和脂肪酸又はその塩により二
    次表面処理された炭酸カルシウム粒子とポリオレフィン
    とを混合して得たものであるクレーム8記載のポリオレ
    フィン系多孔質フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】延伸が、20℃とポリオレフィンの融点
    より35℃低い温度との間の温度で行われる請求項7〜
    9のいずれかに記載のポリオレフィン系多孔質フィルム
    の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜6のいずれかに記載されるポ
    リオレフィン系多孔質フィルムよりなる人体に接する用
    具。
  12. 【請求項12】請求項1〜6のいずれかに記載されるポ
    リオレフィン系多孔質フィルムをバックシートとして使
    用してなる生理用ナプキン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003340221A (ja) * 2002-05-28 2003-12-02 Sumitomo Chem Co Ltd ミクロフィルター用濾材
JP2010195899A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 多孔質フィルムの製造方法、多孔質フィルム、積層多孔質フィルムの製造方法、積層多孔質フィルムおよび電池用セパレータ
JP2017524059A (ja) * 2014-08-14 2017-08-24 オムヤ インターナショナル アーゲー 通気性フィルム用表面処理フィラー
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